JP2014067801A - 保護膜形成用薬液 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハ(金属系ウェハ)のパターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善するための、撥水性保護膜を形成する撥水性保護膜形成用薬液を提供する。
【解決手段】プロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液で前記ウェハ表面をリンス処理するリンス処理工程の前に、該ウェハの少なくとも凹部に保持することにより、少なくとも該凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤と、溶媒を含む薬液であり、該撥水性保護膜形成剤が、下記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物である、撥水性保護膜形成用薬液。
Figure 2014067801

(R(RNH3−b−c[2]R(X)[3]
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイス製造などにおける基板(ウェハ)の洗浄技術に関する。特に、撥水性保護膜形成用薬液に関する。
ネットワークやデジタル家電用の半導体デバイスにおいて、さらなる高性能・高機能化や低消費電力化が要求されている。そのため回路パターンの微細化が進行しており、微細化が進行するに伴って、回路パターンのパターン倒れが問題となっている。半導体デバイス製造においては、パーティクルや金属不純物の除去を目的とした洗浄工程が多用されており、その結果、半導体製造工程全体の3〜4割にまで洗浄工程が占めている。この洗浄工程において、半導体デバイスの微細化に伴うパターンのアスペクト比が大きくなると、洗浄又はリンス後、ウェハの乾燥時に気液界面がパターンを通過する時にパターンが倒れる現象がパターン倒れである。
これまで、前記ウェハとしては表面にシリコン元素を有するウェハが一般的に用いられてきたが、パターンの多様化に伴って、シリコン元素以外の元素を表面に有するウェハが用いられ始めている。特許文献1には、表面に微細な凹凸パターンを形成されたウェハにおいて該凹凸パターンの少なくとも凹部表面の一部がチタン、窒化チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、窒化タンタル、ルテニウム、及びシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種の物質を含むウェハの洗浄時に、少なくとも前記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤である非水溶性の界面活性剤を含む、ウェハの撥水性保護膜形成用薬液が開示されている。
特許第4743340号公報
特許文献1の撥水性保護膜形成用薬液を用いて、チタン、窒化チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、窒化タンタル、ルテニウム、及びシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種の物質を含むウェハ表面を処理すると、該表面に優れた撥水性を付与することができるが、撥水性保護膜形成後の該表面に、洗浄力が高くウェハの洗浄プロセスで一般的に使用される水やアルコールのようなプロトン性極性溶媒を含むリンス液を保持させるリンス処理を施した場合、当該表面の撥水性が低減してしまう場合があり、改善の余地があった。本発明は、表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素(以降、「金属系元素」と記載する場合がある)を有するウェハ(以降、「金属系ウェハ」又は単に「ウェハ」と記載する場合がある)の少なくとも凹部表面に撥水性保護膜を形成した後に、プロトン性極性溶媒を含むリンス液で該表面をリンス処理した場合であっても、該表面に十分な撥水性を維持し易い撥水性保護膜形成用薬液を提供することを課題とする。
パターン倒れは、ウェハを洗浄液で洗浄した後の乾燥時に気液界面がパターンを通過するときに生じる。これは、パターンのアスペクト比が大きい部分と小さい部分との間において、洗浄液の残液高さの差ができ、それによってパターンに作用する毛細管力に差が生じることが原因と言われている。
このため、毛細管力を小さくすれば、残液高さの違いによる毛細管力の差が低減し、パターン倒れが解消すると期待できる。毛細管力の大きさは、以下に示される式で求められるPの絶対値であり、この式からγ、もしくは、cosθを小さくすれば、毛細管力を低減できると期待される。
P=2×γ×cosθ/S
(式中、γは凹部に保持されている液体の表面張力、θは凹部表面と凹部に保持されている液体のなす接触角、Sは凹部の幅である。)
本発明では、撥水性保護膜が形成された後に凹部に保持されたリンス液が凹部から除去されるとき、すなわち、乾燥されるとき、前記凹凸パターンの少なくとも凹部表面に前記撥水性保護膜が形成されているので、該凹部に働く毛細管力が小さくなり、パターン倒れが生じにくくなる。また、前記撥水性保護膜は、リンス液が除去された後に除去される。
本発明の撥水性保護膜形成用薬液(以降「保護膜形成用薬液」又は単に「薬液」と記載する場合がある)は、表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハ表面を、プロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液でリンス処理するリンス処理工程の前に、該ウェハの少なくとも凹部に保持することにより、少なくとも該凹部表面に撥水性保護膜(以降、単に「保護膜」と記載する場合がある)を形成するための撥水性保護膜形成剤(以降、単に「保護膜形成剤」と記載する場合がある)と、溶媒を含む薬液であり、該撥水性保護膜形成剤が、下記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする。
Figure 2014067801
(式[1]中、Rは一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が6乃至18の1価の炭化水素基である。Rは、それぞれ互いに独立して、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である。aは、0乃至2の整数である。)
(R(RNH3−b−c [2]
(式[2]中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が6乃至18の1価の炭化水素基である。Rは、それぞれ互いに独立して、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至3の1価の炭化水素基である。bは1乃至3の整数であり、cは0乃至2の整数であり、bとcの合計は1乃至3の整数である。)
(X) [3]
(式[3]は、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が4乃至18の炭化水素Rのd個の水素元素又はフッ素元素が、それぞれ互いに独立して、X基で表されるイソシアネート基、メルカプト基、-CONHOH基、及び、窒素元素を含む環構造からなる群から選ばれる少なくとも1つの基で置換された化合物であり、dは1乃至6の整数である。)
前記一般式[1]〜[3]で示される保護膜形成剤を用いることにより、前記の金属系ウェハの少なくとも凹部表面に、撥水性保護膜を形成することができる。該保護膜形成剤は、前記一般式[1]においてP−OH基、及び/又は、P=O基で表される官能基、前記一般式[2]においてNH3−b−cで表される官能基、前記一般式[3]においてXで表される官能基(以降、これらの官能基を総称して「官能部」と記載する場合がある)が、前記金属系元素を含む物質に対して親和性を持つ。ここで、親和性を持つとは、ファンデルワールス力や静電的相互作用等が前記の金属系元素を含む物質表面と前記保護膜形成剤の官能部の間に働くことにより物理的に吸着すること、及び/又は、該物質表面と前記保護膜形成剤の官能部が反応して、化学結合を形成することにより化学的に吸着することを意味する。以降、前記の「物理的な吸着」と「化学的な吸着」を総称して単に「吸着」と記載する場合がある。また、R、R、Rは、保護膜形成剤の疎水部であり、該保護膜形成剤が金属系ウェハの前記金属系元素に吸着した際は、該ウェハ表面から外側に向かって該疎水部が並び、結果として該ウェハ表面を撥水性にできる。さらに、R、Rは炭素数が6乃至18の炭化水素基であり、Rは炭素数が4乃至18の炭化水素であり、これらの炭化水素基(炭化水素)がいずれも一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭化水素基(炭化水素)であることにより、前記金属系ウェハ表面に十分な撥水性を付与できるとともに、撥水性保護膜形成後の該表面に水やアルコールのようなプロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又は該プロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液を保持させるリンス処理を施した場合であっても、当該表面に十分な撥水性を維持し易くなる。なお、前記のリンス処理後にも十分な撥水性を維持し易い効果を「耐リンス性」と記載する場合がある。
前記一般式[1]のaは2であることが好ましい。当該化合物を撥水性保護膜形成剤として用いると、より優れた撥水性を付与でき、より優れた耐リンス性を付与できるため、より好ましい。
また、前記一般式[1]のRは一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が8乃至18の1価の炭化水素基であることが好ましい。当該化合物を撥水性保護膜形成剤として用いると、より優れた撥水性を付与でき、より優れた耐リンス性を付与できるため、より好ましい。
また、前記一般式[2]のbは1であることが好ましい。当該化合物を撥水性保護膜形成剤として用いると官能基が金属表面に吸着する際に、立体障害が小さいためより好ましい。さらに、前記一般式[2]のcは0であることが好ましい。
また、前記一般式[2]のRは一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が8乃至18の1価の炭化水素基であることが好ましい。当該化合物を撥水性保護膜形成剤として用いると、より優れた撥水性を付与でき、より優れた耐リンス性を付与できるため、より好ましい。
また、前記一般式[3]のRの炭素数が6乃至18であることが好ましい。当該化合物を撥水性保護膜形成剤として用いると、より優れた撥水性を付与でき、より優れた耐リンス性を付与でき、さらに、リンス処理に対して撥水性がより低減され難いため、より好ましい。
前記金属系ウェハとしては、凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するもの、好ましくは、チタン、タングステン、アルミニウム、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するもの、特に好ましくはチタン、タングステン、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するものが挙げられる。凹凸パターンの凹部表面にケイ素元素を有するウェハの場合、表面にはシラノール基(SiOH基)が多数存在し、このシラノール基がシランカップリング剤との反応点となるために、凹部表面に撥水性保護膜を形成しやすい。一方、金属系ウェハにおいては、表面にシラノール基にあたるような反応点が少なく、シランカップリング剤のような化合物で保護膜を形成することは難しい。また、本発明において、表面に凹凸パターンを有するウェハとは、エッチング又はインプリント等によって表面に凹凸パターンを形成された後の状態のウェハを意味する。また、前記のウェハに金属配線等の他の加工が施されたものであっても、その表面に凹凸パターンが存在するものであれば、対象とすることができる。
本発明の保護膜形成用薬液は、前記金属系ウェハの洗浄工程において、該ウェハ表面に保持された洗浄液を該薬液に置換して使用されるものであり、保護膜を形成した後でプロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液に置換される。
また、本発明の撥水性保護膜は、表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハ表面を、プロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液でリンス処理するリンス処理工程の前に、前記撥水性保護膜形成用薬液を少なくとも該凹部に保持することにより、少なくとも該凹部表面に形成された撥水性保護膜であり、該撥水性保護膜が、撥水性保護膜形成剤である前記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物から形成されたものであることを特徴とする。なお、前記撥水性保護膜は、前記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物を主成分とする反応物を含むものであっても良い。
前記のように洗浄工程の後に、洗浄液を保護膜形成用薬液に置換し、凹凸パターンの少なくとも凹部に該薬液が保持されている間に、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に前記保護膜が形成される。本発明の保護膜は、必ずしも連続的に形成されていなくてもよく、また、必ずしも均一に形成されていなくてもよいが、より優れた撥水性を付与できるため、連続的に、また、均一に形成されていることがより好ましい。
本発明において、保護膜とは、ウェハ表面に形成されることにより、該ウェハ表面の濡れ性を低くする膜、すなわち撥水性を付与する膜のことである。本発明において撥水性とは、物品表面の表面エネルギーを低減させて、水やその他の液体と該物品表面との間(界面)で相互作用、例えば、水素結合、分子間力などを低減させる意味である。特に水に対して相互作用を低減させる効果が大きいが、水と水以外の液体の混合液や、水以外の液体に対しても相互作用を低減させる効果を有する。該相互作用の低減により、物品表面に対する液体の接触角を大きくすることができる。
また、本発明のウェハの洗浄方法は、表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハの洗浄方法であって、該方法は、少なくとも、
凹凸パターンの少なくとも凹部に撥水性保護膜形成用薬液を保持する、撥水性保護膜形成工程、
撥水性保護膜形成工程後のウェハ表面にプロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液を保持する、リンス処理工程、
リンス液を除去する、リンス液除去工程、及び、
撥水性保護膜を除去する、撥水性保護膜除去工程を有し、
前記撥水性保護膜形成用薬液が少なくとも前記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、
該撥水性保護膜形成剤が前記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする。
また、前記プロトン性極性溶媒は、アルコール類であることが好ましい。
また、前記撥水性保護膜除去工程は、ウェハ表面に光照射すること、ウェハを加熱すること、ウェハをオゾン曝露すること、ウェハ表面にプラズマ照射すること、及び、ウェハ表面にコロナ放電することから選ばれる少なくとも1つの処理を行うことにより撥水性保護膜を除去することであることが好ましい。
本発明の撥水性保護膜形成用薬液は、金属系ウェハ表面に撥水性保護膜を形成することにより、該ウェハ表面に優れた撥水性を付与することができるとともに、撥水性保護膜形成後の該表面に水やアルコールのようなプロトン性極性溶媒を含むリンス液を保持させるリンス処理を施しても、当該表面に十分な撥水性を維持し易い。従って、前記のようなリンス処理を行う洗浄方法であっても、リンス液と該ウェハ表面との相互作用を低減せしめ、ひいてはパターン倒れ防止効果を示す。該薬液を用いると、表面に凹凸パターンを有する金属系ウェハの製造方法中の洗浄工程が、スループットが低下することなく改善される。従って、本発明の保護膜形成用薬液を用いて行われる表面に凹凸パターンを有する金属系ウェハの製造方法は、生産性が高いものとなる。
本発明の撥水性保護膜形成用薬液は、今後益々高くなると予想される例えば7以上のアスペクト比を有する凹凸パターンにも対応可能であり、より高密度化された半導体デバイス生産のコストダウンを可能とする。しかも従来の装置から大きな変更がなく対応でき、その結果、各種の半導体デバイスの製造に適用可能なものとなる。
表面が凹凸パターン2を有する面とされたウェハ1を斜視した模式図。 図1中のa−a’断面の一部を示した模式図。 洗浄工程にて凹部4が撥水性保護膜形成用薬液8を保持した状態の模式図。 撥水性保護膜が形成された凹部4にリンス液が保持された状態の模式図。
金属系ウェハとしては、シリコンウェハ、シリコン及び/又は酸化ケイ素(SiO)を含む複数の成分から構成されたウェハ、シリコンカーバイドウェハ、サファイアウェハ、各種化合物半導体ウェハ、及び、プラスチックウェハなどの表面を、チタン、窒化チタン、酸化チタン等のチタン元素を含む物質、あるいは、タングステン、酸化タングステン等のタングステン元素を含む物質、アルミニウムや酸化アルミニウム等のアルミニウム元素を含む物質、銅や酸化銅等の銅元素を含む物質、スズや酸化スズ等のスズ元素を含む物質、窒化タンタルや酸化タンタル等のタンタル元素を含む物質、あるいは、ルテニウムや酸化ルテニウム等のルテニウム元素を含む物質の層で被覆したもの、又はウェハ上に多層膜を形成し、そのうちの少なくとも1層が前記金属系元素を含む物質の層であるもの等が挙げられ、上記の凹凸パターン形成工程は、前記金属系元素を含む物質の層を含む層において行われる。また、凹凸パターンを形成したときに、該凹凸パターンの表面の少なくとも一部が、前記金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質となるものも含まれる。
本発明の保護膜形成用薬液を用いた表面処理を実施する前に、一般的には次に挙げる前処理工程を経ることが多い。
ウェハ表面を凹凸パターンを有する面とする前処理工程1、
水系洗浄液を用いて、ウェハ表面を洗浄する前処理工程2、及び
前記水系洗浄液を、該水系洗浄液とは異なる洗浄液A(以下、単に「洗浄液A」と記載する場合がある)に置換する前処理工程3
なお、前処理工程2又は前処理工程3のいずれか一方は省略されることもある。
前記前処理工程1において、パターン形成方法の一例を示す。まず、該ウェハ表面にレジストを塗布したのち、レジストマスクを介してレジストに露光し、露光されたレジスト、又は、露光されなかったレジストをエッチング除去することによって所望の凹凸パターンを有するレジストを作製する。また、レジストにパターンを有するモールドを押し当てることでも、凹凸パターンを有するレジストを得ることができる。次に、ウェハをエッチングする。このとき、レジストパターンの凹の部分に対応するウェハ表面が選択的にエッチングされる。最後に、レジストを剥離すると、凹凸パターンを有するウェハが得られる。なお、パターン形成方法はこれに限定されるものではない。
上記の前処理工程1によって、表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハが得られる。
前記前処理工程2において用いる水系洗浄液の例としては、水、あるいは、水に有機溶媒、過酸化水素、オゾン、酸、アルカリ、界面活性剤のうち少なくとも1種が混合された水溶液(例えば、水の含有率が10質量%以上)とするものが挙げられる。
また、前処理工程2において、水系洗浄液への置換は2回以上行ってもよい。その際に用いる水系洗浄液は、それぞれ異なるものであっても良い。
前記前処理工程2において水系洗浄液で表面の洗浄を行った後、そのまま乾燥等により水系洗浄液を除去、或いは水系洗浄液から水に置換した後に乾燥等により水を除去すると、凹部の幅が小さく、凸部のアスペクト比が大きいと、パターン倒れが生じやすくなる。該凹凸パターンは、図1及び図2に記すように定義される。図1は、表面が凹凸パターン2を有する面とされたウェハ1を斜視したときの模式図の一例を示し、図2は図1中のa−a’断面の一部を示したものである。凹部の幅5は、図2に示すように凸部3と凸部3の間隔で示され、凸部のアスペクト比は、凸部の高さ6を凸部の幅7で割ったもので表される。洗浄工程でのパターン倒れは、凹部の幅が70nm以下、特には45nm以下、アスペクト比が4以上、特には6以上のときに生じやすくなる。
前処理工程3で用いた洗浄液Aとは、有機溶媒、該有機溶媒と水系洗浄液の混合物、それらに酸、アルカリ、界面活性剤のうち少なくとも1種が混合された洗浄液を示す。さらに、該洗浄液Aを本発明の保護膜形成用薬液に置換することにより、凹凸パターンの少なくとも凹部に該保護膜形成用薬液を保持する工程(撥水性保護膜形成工程)を行うことが好ましい。
本発明において、ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部に前記薬液や洗浄液やリンス液を保持できるのであれば、該ウェハの洗浄方式は特に限定されない。ウェハの洗浄方式としては、ウェハをほぼ水平に保持して回転させながら回転中心付近に液体を供給してウェハを1枚ずつ洗浄するスピン洗浄に代表される枚葉方式や、洗浄槽内で複数枚のウェハを浸漬し洗浄するバッチ方式が挙げられる。なお、ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部に前記薬液や洗浄液やリンス液を供給するときの該薬液や洗浄液やリンス液の形態としては、該凹部に保持された時に液体になるものであれば特に限定されず、たとえば、液体、蒸気などがある。
前記洗浄液Aの好ましい例の一つである有機溶媒の例としては、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、ハロゲン元素含有溶媒、スルホキシド系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、アルコール類、OH基を持つ多価アルコールの誘導体、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、窒素元素含有溶媒等が挙げられる。
前記炭化水素類の例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどがあり、前記エステル類の例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチルなどがあり、前記エーテル類の例としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどがあり、前記ケトン類の例としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノンなどがあり、前記ハロゲン元素含有溶媒の例としては、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、ヘキサフルオロベンゼンなどのパーフルオロカーボン、1、1、1、3、3−ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン、ゼオローラH(日本ゼオン製)などのハイドロフルオロカーボン、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、アサヒクリンAE−3000(旭硝子製)、Novec7100、Novec7200、Novec7300、Novec7600(いずれも3M製)などのハイドロフルオロエーテル、テトラクロロメタンなどのクロロカーボン、クロロホルムなどのハイドロクロロカーボン、ジクロロジフルオロメタンなどのクロロフルオロカーボン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテルなどがあり、前記スルホキシド系溶媒の例としては、ジメチルスルホキシドなどがあり、前記ラクトン系溶媒の例としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、γ-ノナノラクトン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカノラクトン、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトン、δ-ノナノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ウンデカノラクトン、δ-ドデカノラクトン、ε-ヘキサノラクトンなどがあり、前記カーボネート系溶媒の例としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどがあり、アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、グリセリンなどがあり、前記OH基を持つ多価アルコールの誘導体の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテルなどがあり、前記OH基を持たない多価アルコールの誘導体の例としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジメチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテートなどがあり、窒素元素含有溶媒の例としては、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどがある。
なお、前記洗浄液Aは、清浄度の観点から、有機溶媒、又は、水と有機溶媒の混合液が好ましい。なお、該有機溶媒が水溶性有機溶媒(水100質量部に対する溶解度が5質量部以上)を含むと、水系洗浄液から置換しやすいので好ましい。
また、前処理工程3において、洗浄液Aへの置換は2回以上行ってもよい。すなわち、前処理工程2で用いた水系洗浄液から1種類目の洗浄液Aに置換した後、該洗浄液Aとは異なる複数種類の洗浄液Aに順次置換した後、前記保護膜形成用薬液へと置換しても良い。
また、前処理工程2で用いた水系洗浄液から前記保護膜形成用薬液へ直接置換可能である場合は、前記洗浄液Aによる置換(前処理工程3)を省略しても構わない。
図3は、保護膜形成工程にて凹部4が保護膜形成用薬液8を保持した状態の模式図を示している。図3の模式図のウェハは、図1のa−a’断面の一部を示すものである。この際に、凹部4の表面に保護膜形成剤が吸着されて保護膜が形成されることにより該表面が撥水化される。
なお、本発明の薬液で保護膜を形成できるのは前記凹凸パターン中の、金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質部分の表面である。従って、前記保護膜は前記金属系ウェハの少なくとも凹部表面の一部に形成されるものであってもよい。また、前記金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質を含む複数の成分から構成されたウェハに対しても、前記金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質の表面に前記保護膜を形成することができる。該複数の成分から構成されたウェハとしては、金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質が少なくとも凹部表面の一部に形成したもの、あるいは、凹凸パターンを形成したときに、少なくとも凹部表面の一部が、金属系元素のうち少なくとも1種の元素を有する物質となるものも含まれる。
なお、本発明の保護膜形成用薬液は、表面にチタン、タングステン、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有する物品の該表面に優れた撥水性保護膜を形成しやすいため、前記ウェハが、表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面にチタン、タングステン、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハであるとより好ましい。
前記保護膜形成用薬液は、前記金属系ウェハ表面を、プロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液でリンス処理するリンス処理工程の前に、該ウェハの少なくとも凹部に保持することにより、少なくとも該凹部表面に保護膜を形成するための保護膜形成剤と溶媒を含む薬液であり、該撥水性保護膜形成剤は前記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物である。
前記一般式[1]のRに含まれる炭化水素基は、例えば、アルキル基、アルキレン基、又は、それらの一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたものなどが挙げられる。
また、前記Rは、−OR(Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基)であることが好ましい。また、Rの炭素数は1〜8、特に1〜4であると、より優れた撥水性を付与することができるため好ましい。また、Rは直鎖アルキル基が好ましい。
前記一般式[1]の化合物としては、例えば、C13P(O)(OH)、C15P(O)(OH)、C17P(O)(OH)、C19P(O)(OH)、C1021P(O)(OH)、C1123P(O)(OH)、C1225P(O)(OH)、C1327P(O)(OH)、C1429P(O)(OH)、C1531P(O)(OH)、C1633P(O)(OH)、C1735P(O)(OH)、C1837P(O)(OH)、CP(O)(OH)、C13P(O)(OH)、C15P(O)(OH)、C17P(O)(OH)、CP(O)(OH)、C11P(O)(OH)、C13P(O)(OH)、C15P(O)(OH)、C17P(O)(OH)、あるいは、上記化合物の−P(O)(OH)基を、−P(O)(OH)OCH基、−P(O)(OH)OC基、−P(O)(OCH基、−P(O)(OC基に置き換えたものなどが挙げられる。
さらに、前記一般式[1]のaが1又は2であると、該化合物を撥水性保護膜形成剤として用いた場合、より優れた撥水性を付与できるため好ましく、さらにはaが2である下記一般式[4]で示される化合物であると、より優れた撥水性を付与でき、より優れた耐リンス性を付与できるため、より好ましい。
Figure 2014067801
(式[4]中、Rは一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が6乃至18の1価の炭化水素基である。)
また、前記保護膜形成剤は、前記一般式[1]や[4]の塩で存在していても良い。該塩としては、アンモニウム塩、又は、アミン塩などがある。
前記一般式[2]の化合物としては、例えば、C13NH、C15NH、C17NH、C19NH、C1021NH、C1123NH、C1225NH、C1327NH、C1429NH、C1531NH、C1633NH、C1735NH、C1837NH、C13NH、C15NH、C17NH、C19NH、C1021NH、C1123NH、C1225NH、C1327NH、C1429NH、C1531NH、C1633NH、C1735NH、C1837NH、C11NH、C13NH、C15NH、C17NH、C1019NH、C1121NH、C1223NH、C1325NH、C1427NH、C1529NH、C1631NH、C1733NH、C1835NH、CNH、C11NH、C13NH、C15NH、C1017NH、C1119NH、C1221NH、C1323NH、C1425NH、C1527NH、C1629NH、C1731NH、C1833NH、(C13NH、(C15NH、(C17NH、(C19NH、(C1021NH、(C1123NH、(C1225NH、(C1327NH、(C1429NH、(C1531NH、(C1633NH、(C1735NH、(C1837NH、(C13NH、(C15NH、(C17NH、(C19NH、(C1021NH、(C1123NH、(C1225NH、(C1327NH、(C1429NH、(C1531NH、(C1633NH、(C1735NH、(C1837NH、(C11NH、(C13NH、(C15NH、(C17NH、(C1019NH、(C1121NH、(C1223NH、(C1325NH、(C1427NH、(C1529NH、(C1631NH、(C1733NH、(C1835NH、(CNH、(C11NH、(C13NH、(C15NH、(C1017NH、(C1119NH、(C1221NH、(C1323NH、(C1425NH、(C1527NH、(C1629NH、(C1731NH、(C1833NH、(C13N、(C15N、(C17N、(C19N、(C1021N、(C1123N、(C1225N、(C1327N、(C1429N、(C1531N、(C1633N、(C1735N、(C1837N、(C13N、(C15N、(C17N、(C19N、(C1021N、(C1123N、(C1225N、(C1327N、(C1429N、(C1531N、(C1633N、(C1735N、(C1837N、(C11N、(C13N、(C15N、(C17N、(C1019N、(C1121N、(C1223N、(C1325N、(C1427N、(C1529N、(C1631N、(C1733N、(C1835N、(CN、(C11N、(C13N、(C15N、(C1017N、(C1119N、(C1221N、(C1323N、(C1425N、(C1527N、(C1629N、(C1731N、(C1833N、(C13)(CH)NH、(C15)(CH)NH、(C17)(CH)NH、(C19)(CH)NH、(C1021)(CH)NH、(C1123)(CH)NH、(C1225)(CH)NH、(C1327)(CH)NH、(C1429
(CH)NH、(C1531)(CH)NH、(C1633)(CH)NH、(C1735)(CH)NH、(C1837)(CH)NH、(C13)(CH)NH、(C15)(CH)NH、(C17)(CH)NH、(C19)(CH)NH、(C1021)(CH)NH、(C1123)(CH)NH、(C1225)(CH)NH、(C1327)(CH)NH、(C1429)(CH)NH、(C1531)(CH)NH、(C1633)(CH)NH、(C1735)(CH)NH、(C1837)(CH)NH、(C13)(CHN、(C15)(CHN、(C17)(CHN、(C19)(CHN、(C1021)(CHN、(C1123)(CHN、(C1225)(CHN、(C1327)(CHN、(C1429)(CHN、(C1531)(CHN、(C1633)(CHN、(C1735)(CHN、(C1837)(CHN、(C13)(CHN、(C15)(CHN、(C17)(CHN、(C19)(CHN、(C1021)(CHN、(C1123)(CHN、(C1225)(CHN、(C1327)(CHN、(C1429)(CHN、(C1531)(CHN、(C1633)(CHN、(C1735)(CHN、(C1837)(CHN等の化合物が挙げられる。また、前記保護膜形成剤は、前記一般式[2]の塩で存在していても良い。該塩としては、炭酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩や、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フタル酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
前記一般式[3]の化合物としては、例えば、CNCO、C11NCO、C13NCO、C15NCO、C17NCO、C19NCO、C1021NCO、C1123NCO、C1225NCO、C1327NCO、C1429NCO、C1531NCO、C1633NCO、C1735NCO、C1837NCO、CNCO、C11NCO、C13NCO、C15NCO、C17NCO、C19NCO、C1021NCO、C1123NCO、C1225NCO、C1327NCO、C1429NCO、C1531NCO、C1633NCO、C1735NCO、C1837NCO、CNCO、CNCO、C11NCO、C13NCO、C15NCO、C17NCO、C1019NCO、C1121NCO、C1223NCO、C1325NCO、C1427NCO、C1529NCO、C1631NCO、C1733NCO、C1835NCO、CNCO、CNCO、CNCO、C11NCO、C13NCO、C15NCO、C1017NCO、C1119NCO、C1221NCO、C1323NCO、C1425NCO、C1527NCO、C1629NCO、C1731NCO、C1833NCO、C(NCO)、C10(NCO)、C12(NCO)、C14(NCO)、C16(NCO)、C18(NCO)、C1020(NCO)、C1122(NCO)、C1224(NCO)、C1326(NCO)、C1428(NCO)、C1530(NCO)、C1632(NCO)、C1734(NCO)、C1836(NCO)、(NCO)CNCO、(NCO)C10NCO、(NCO)C12NCO、(NCO)C14NCO、(NCO)C16NCO、(NCO)C18NCO、(NCO)C1020NCO、(NCO)C1122NCO、(NCO)C1224NCO、(NCO)C1326NCO、(NCO)C1428NCO、(NC
O)C1530NCO、(NCO)C1632NCO、(NCO)C1734NCO、(NCO)C1836NCO、C(NCO)、C(NCO)、C11(NCO)、C13(NCO)、C15(NCO)、C17(NCO)、C1019(NCO)、C1121(NCO)、C1223(NCO)、C1325(NCO)、C1427(NCO)、C1529(NCO)、C1631(NCO)、C1733(NCO)、C1835(NCO)、(NCO)(NCO)、(NCO)(NCO)、(NCO)10(NCO)、(NCO)12(NCO)、(NCO)14(NCO)、(NCO)16(NCO)、(NCO)1018(NCO)、(NCO)1120(NCO)、(NCO)1222(NCO)、(NCO)1324(NCO)、(NCO)1426(NCO)、(NCO)1528(NCO)、(NCO)1630(NCO)、(NCO)1732(NCO)、(NCO)1834(NCO)等のイソシアネート化合物、あるいは、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基(−NCO基)を、−SH基、−CONHOH基、イミダゾリン環(下式[5])等の窒素元素を含む環構造に置き換えた化合物等が挙げられる。
Figure 2014067801
前記一般式[1]〜[2]のR、Rは、例えば、アルキル基、フェニル基、フェニル基の水素元素がアルキル基に置換されたもの、ナフチル基、及び、これら炭化水素基の一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたものなどが挙げられる。また、前記一般式[3]のRは、例えば、脂肪族炭化水素、ベンゼン、ベンゼンの水素元素がアルキル基に置換されたもの、ナフタレン、及び、これら炭化水素の一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置換されたものなどが挙げられる。
また、前記一般式[1]〜[3]のR、Rが炭素数が6乃至18の1価の炭化水素基であり、Rが炭素数が4乃至18の炭化水素であることにより、前記金属系ウェハ表面に十分な撥水性を付与できるとともに、撥水性保護膜形成後の該表面に水やアルコールのようなプロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液を保持させるリンス処理を施した場合であっても、当該表面に十分な撥水性を維持し易くなる。さらには前記R、Rの炭素数が8〜18であると、又は、前記Rの炭素数が6〜18であると、より優れた撥水性及び耐リンス性を付与することができるため好ましい。また、前記一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭化水素基(炭化水素)は、アルキル基(脂肪族飽和炭化水素)が好ましく、特に直鎖アルキル基(直鎖状脂肪族飽和炭化水素)が好ましい。前記炭化水素基(炭化水素)が直鎖アルキル基(直鎖状脂肪族飽和炭化水素)であると、保護膜を形成した際に、前記保護膜形成剤の疎水部が該保護膜の表面に対して垂直方向に向かって並びやすくなるために、より撥水性付与効果が高くなるため、より好ましい。また、前記一般式[1]〜[3]のR、R、Rは、より優れた撥水性を付与できるため、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられている炭化水素基(炭化水素)が良い。
なお、本発明の保護膜形成用薬液は、表面にチタン、タングステン、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有する物品の該表面に優れた撥水性保護膜を形成しやすいため、前記ウェハが、表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面にチタン、タングステン、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハであるとより好ましい。チタン元素を有する表面に対して、前記一般式[1]、[2]、又は[3]のうちXが-CONHOH基である化合物は親和性が高いため、これらを含有する保護膜形成用薬液を用いることが好ましい。タングステン元素を有する表面に対して、前記一般式[1]、[2]、又は[3]のうちXが窒素元素を含む環構造である化合物は親和性が高いため、これらを含有する保護膜形成用薬液を用いることが好ましい。また、ルテニウム元素を有する表面に対して、前記一般式[1]、[2]、又は[3]のうちXがイソシアネート基、メルカプト基、窒素元素を含む環構造である化合物は親和性が高いため、これらを含有する保護膜形成用薬液を用いることが好ましい。
また、保護膜形成用薬液中の保護膜形成剤の濃度は、該薬液の総量100質量%に対して0.0005〜15質量%であることが好ましい。0.0005質量%未満では、撥水性付与効果が不十分となる傾向がある。一方、前記濃度が高いほどより優れた撥水性付与効果を有するものの、該濃度が15質量%超であると溶媒に溶解しにくい傾向があり、また操作面においても保護膜形成用薬液をリンス液に置換する際に、置換に長時間を要する場合があり、またその際リンス液を大量に消費する場合がある。よって、さらに好ましくは0.001〜5質量%、特に好ましくは0.0015〜3質量%である。
保護膜形成用薬液に使用される溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合液が好適に使用される。該有機溶媒としては、例えば、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、ハロゲン元素含有溶媒、スルホキシド系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、アルコール類、OH基を持つ多価アルコールの誘導体、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、窒素元素含有溶媒、あるいは、それらの混合液が好適に使用される。
上記有機溶媒の具体例としては、前記洗浄液Aに用いられることのある有機溶媒と同様のものが挙げられる。
また、前記溶媒の一部、又は、全てに不燃性のものを使うと、保護膜形成用薬液が不燃性になる、あるいは、引火点が高くなって、該薬液の危険性が低下するので好ましい。ハロゲン元素含有溶媒は不燃性のものが多く、不燃性ハロゲン元素含有溶媒は不燃性有機溶媒として好適に使用できる。また、水も不燃性溶媒として好適に使用できる。
また、前記溶媒として引火点が70℃を超える溶媒を用いると、消防法上の安全性の観点から好ましい。
また、「化学品の分類及び表示に関する国際的調和システム;GHS」によると、引火点が93℃以下の溶媒を「引火性液体」として定義している。そのため、不燃性溶媒でなくとも、前記溶媒として引火点が93℃を超える溶媒を用いると、前記保護膜形成用薬液の引火点は93℃超になりやすく、該薬液が「引火性液体」に該当し難くなるため、安全性の観点からさらに好ましい。
また、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、分子量が大きい又はOH基を2つ以上有するアルコール類、多価アルコールの誘導体は、引火点が高いものが多いので、これらを溶媒に用いると、保護膜形成用薬液の危険性を低くできるので好ましい。上記の安全性の観点から、具体的には引火点が70℃を超える、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、γ-ノナノラクトン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカノラクトン、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトン、δ-ノナノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ウンデカノラクトン、δ-ドデカノラクトン、ε-ヘキサノラクトン、プロピレンカーボネート、ヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等を前記溶媒として用いることがより好ましく、引火点が93℃を超える、γ-ブチロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、γ-ノナノラクトン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-ドデカノラクトン、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトン、δ-ノナノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ウンデカノラクトン、δ-ドデカノラクトン、ε-ヘキサノラクトン、プロピレンカーボネート、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールジアセテート、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラプロピレングリコールジアセテート、ブチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等を前記溶媒として用いることがさらにより好ましい。
さらにまた、前記溶媒は、より優れた撥水性を付与できるとの理由で、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、水、又は、それらの混合液が好ましい。さらに、洗浄液、特に水系洗浄液との置換性を考慮すると、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、水、又は、それらの混合液が好ましい。なお、前記保護膜形成剤を多く溶解させるために、前記溶媒にアルコール類を含ませても良い。
また、保護膜形成用薬液には、前記保護膜形成剤による保護膜の形成を促進させるために、触媒が添加されても良い。触媒の添加量は、保護膜形成剤の総量100質量%に対して、0.01〜50質量%が好ましい。
保護膜形成用薬液は、該薬液の温度が高いほど、より短時間で前記保護膜を形成しやすくなる。均質な保護膜を形成しやすい温度は、10℃以上、該薬液の沸点未満であり、特には15℃以上、該薬液の沸点よりも10℃低い温度以下で保持されることが好ましい。さらに前記温度は、35℃以上、該薬液の沸点よりも10℃低い温度以下であると、より優れた撥水性及び耐リンス性を発現できるためより好ましく、該温度が55℃以上、該薬液の沸点よりも10℃低い温度以下であると、更に優れた撥水性及び耐リンス性を発現できるため更に好ましい。前記薬液の温度は、凹凸パターンの少なくとも凹部に保持されているときも当該温度に保持されることが好ましい。なお、該薬液の沸点は該保護膜形成用薬液に含まれる成分のうち、質量比で最も量の多い成分の沸点を意味する。
前記保護膜形成工程の後で、該凹凸パターンの少なくとも凹部に残った前記薬液を、リンス液に置換(以下、「リンス処理工程」と記載する場合がある)した後に、乾燥工程に移る。前記リンス液は、プロトン性極性溶媒を含むものであり、プロトン性極性溶媒のみでもよく、又はプロトン性極性溶媒を主成分とし、その他の成分として非プロトン性極性溶媒や無極性溶媒を含む混合液であっても良い。なお、前記プロトン性極性溶媒の例としては、水、アルコール類、が挙げられる。アルコール類の具体例としては、前記洗浄液Aで挙げたものと同様のものが挙げられる。また、プロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液とは、プロトン性極性溶媒を50質量%以上含有し、その他の溶媒成分として非プロトン性極性溶媒や無極性溶媒を含有する混合液を意味する。非プロトン性極性溶媒の例としては、ケトン類、スルホキシド系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、OH基を持たない多価アルコールの誘導体、窒素元素含有溶媒が挙げられ、無極性溶媒の例としては、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ハロゲン元素含有溶媒が挙げられ、上記溶媒の具体例としては、前記洗浄液Aや、前記保護膜形成用薬液に用いられることのある有機溶媒で挙げたものと同様のものが挙げられる。
また、前記リンス液として、上記で述べた溶媒に酸、アルカリ、界面活性剤のうち少なくとも1種が混合されたもの、並びに、上記で述べた溶媒に保護膜形成用薬液に用いられる保護膜形成剤が該薬液よりも低濃度になるように含有されたもの等を用いても良い。前記リンス液は、パーティクルや金属不純物の除去の観点から、水、アルコール類、又はこれらを主成分とする混合液がより好ましい。
前記リンス液のプロトン性極性溶媒として、アルコール類を用いると、前記リンス処理工程によって撥水性が低下しにくいので好ましい。さらに、前記リンス液の主成分としてプロトン性極性溶媒であるアルコール類を含有し、その他の溶媒成分として非プロトン性極性溶媒や無極性溶媒を含有する混合液をリンス液として用いると、前記リンス処理工程によって撥水性がより低下しにくいのでより好ましい。また、アルコール類の中では、イソプロピルアルコールがウェハの洗浄において汎用品として用いられており、またコスト的にも安価であるため特に好ましい。
また、リンス処理工程では、前記リンス液への置換を2回以上行ってもよい。すなわち、保護膜形成用薬液から1種類目のリンス液に置換した後、1種類目のリンス液とは異なる複数種類のリンス液に順次置換した後、乾燥工程に移ってもよい。なお、複数回リンス処理を行う場合、少なくとも1回はプロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液によってリンス処理を行うことが重要であり、その他の回でプロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液以外のリンス液でリンス処理を行うこともできる。
保護膜形成用薬液により撥水化された凹部4にリンス液が保持された場合の模式図を図4に示す。図4の模式図のウェハは、図1のa−a’断面の一部を示すものである。凹凸パターン表面は前記薬液により保護膜10が形成され撥水化されている。そして、該保護膜10は、リンス液9が凹凸パターンから除去されるときもウェハ表面に保持される。
ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部表面に、保護膜形成用薬液により保護膜10が形成されたとき、該表面に水が保持されたと仮定したときの接触角は50〜130°であると、パターン倒れが発生し難いため好ましい。接触角は90°に近いほど該凹部に働く毛細管力が小さくなり、パターン倒れが更に発生し難くなるため、60〜120°がより好ましく、65〜115°が更に好ましく、70〜110°が特に好ましい。また、液体との接触角を90°付近に調整して毛細管力を限りなく0.0MN/mに近づけることが理想的である。なお、前記リンス処理工程後の前記凹部表面の接触角も上記範囲内に維持されていると、十分な撥水性が維持されているためパターン倒れがより低減されることから、耐リンス性に優れていると言える。
次に、前記リンス液除去工程に記したように、前記薬液により保護膜が形成された凹部4に保持されたリンス液を乾燥により凹凸パターンから除去する工程が行われる。このとき、凹部に保持されているリンス液はリンス処理工程で用いた前記リンス液であり、ウェハの清浄度の観点から、特に、水、アルコール類、又はこれらを主成分とする混合液が好ましい。さらにアルコール類又はアルコール類を主成分とする混合液がより好ましい。また、前記凹凸パターン表面からリンス液が一旦除去された後で、前記凹凸パターン表面にリンス液を保持させて、その後、乾燥しても良い。
なお、前記リンス処理工程の時間、すなわちリンス液が保持される時間は、前記凹凸パターン表面のパーティクルや不純物の除去の観点から、10秒間以上、より好ましくは20秒間以上であることが好ましい。前記凹凸パターン表面に形成された保護膜の撥水性能の維持効果の観点から、リンス液としてアルコール類又はアルコール類を主成分とする混合液を用いると、該リンス処理工程を行ってもウェハ表面の撥水性が低下しにくいためより好ましい。一方、前記リンス処理工程の時間が長くなりすぎると、生産性が悪くなるため15分間以内が好ましい。
前記リンス液除去工程では、凹凸パターンに保持されたリンス液が乾燥により除去される。当該乾燥は、スピン乾燥法、IPA(2−プロパノール)蒸気乾燥、マランゴニ乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、温風乾燥、真空乾燥などの周知の乾燥方法によって行うことが好ましい。
次に、前記撥水性保護膜除去工程に記したように、保護膜10を除去する工程が行われる。前記撥水性保護膜を除去する場合、該撥水性保護膜中のC−C結合、C−F結合を切断することが有効である。その方法としては、前記結合を切断できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウェハ表面を光照射すること、ウェハを加熱すること、ウェハをオゾン曝露すること、ウェハ表面にプラズマ照射すること、ウェハ表面にコロナ放電すること等が挙げられる。
光照射で前記保護膜10を除去する場合、該保護膜10中のC−C結合、C−F結合の結合エネルギーである83kcal/mol、116kcal/molに相当するエネルギーである340nm、240nmよりも短い波長を含む紫外線を照射することが好ましい。この光源としては、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、エキシマランプ、カーボンアークなどが用いられる。紫外線照射強度は、メタルハライドランプであれば、例えば、照度計(コニカミノルタセンシング製照射強度計UM−10、受光部UM−360〔ピーク感度波長:365nm、測定波長範囲:310〜400nm〕)の測定値で100mW/cm以上が好ましく、200mW/cm以上が特に好ましい。なお、照射強度が100mW/cm未満では前記保護膜10を除去するのに長時間要するようになる。また、低圧水銀ランプであれば、より短波長の紫外線を照射することになるので、照射強度が低くても短時間で前記保護膜10を除去できるので好ましい。
また、光照射で前記保護膜10を除去する場合、紫外線で前記保護膜10の構成成分を分解すると同時にオゾンを発生させ、該オゾンによって前記保護膜10の構成成分を酸化揮発させると、処理時間が短くなるので特に好ましい。この光源として、低圧水銀ランプやエキシマランプなどが用いられる。また、光照射しながらウェハを加熱してもよい。
ウェハを加熱する場合、400〜1000℃、好ましくは、500〜900℃でウェハの加熱を行うことが好ましい。この加熱時間は、10秒〜60分間、好ましくは30秒〜10分間の保持で行うことが好ましい。また、当該工程では、オゾン曝露、プラズマ照射、コロナ放電などを併用してもよい。また、ウェハを加熱しながら光照射を行ってもよい。
加熱により前記保護膜10を除去する方法は、ウェハを熱源に接触させる方法、熱処理炉などの加熱された雰囲気にウェハを置く方法などがある。なお、加熱された雰囲気にウェハを置く方法は、複数枚のウェハを処理する場合であっても、ウェハ表面に前記保護膜10を除去するためのエネルギーを均質に付与しやすいことから、操作が簡便で処理が短時間で済み処理能力が高いという工業的に有利な方法である。
ウェハをオゾン曝露する場合、低圧水銀灯などによる紫外線照射や高電圧による低温放電等で発生させたオゾンをウェハ表面に供することが好ましい。ウェハをオゾン曝露しながら光照射してもよいし、加熱してもよい。
前記膜除去工程では、前記の光照射、加熱、オゾン曝露、プラズマ照射、コロナ放電を組み合わせることによって、効率的にウェハ表面の保護膜を除去することができる。
ウェハの表面を凹凸パターンを有する面とすること、凹凸パターンの少なくとも凹部に保持された洗浄液を他の洗浄液で置換することは、他の文献等にて種々の検討がなされ、既に確立された技術であるので、本発明では、保護膜形成用薬液の評価を中心に行った。また、下記の式
P=2×γ×cosθ/S
(式中、γは凹部に保持されている液体の表面張力、θは凹部表面と凹部に保持されている液体のなす接触角、Sは凹部の幅である。)
から明らかなようにパターン倒れは、洗浄液のウェハ表面への接触角、すなわち液滴の接触角と、洗浄液の表面張力に大きく依存する。凹凸パターン2の凹部4に保持された洗浄液の場合、液滴の接触角と、パターン倒れと等価なものとして考えてよい該凹部に働く毛細管力とは相関性があるので、前記式と保護膜10の液滴の接触角の評価から毛細管力を導き出してもよい。
しかしながら、表面に凹凸パターンを有するウェハの場合、該凹凸パターン表面に形成された前記保護膜10自体の接触角を正確に評価できない。
水滴の接触角の評価は、JIS R 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」にもあるように、サンプル(基材)表面に数μlの水滴を滴下し、水滴と基材表面のなす角度の測定によりなされる。しかし、パターンを有するウェハの場合、接触角が非常に大きくなる。これは、Wenzel効果やCassie効果が生じるからで、接触角が基材の表面形状(ラフネス)に影響され、見かけ上の水滴の接触角が増大するためである。
そこで、本実施例では前記薬液を表面が平滑なウェハに供して、ウェハ表面に保護膜を形成して、該保護膜を表面に凹凸パターン2が形成されたウェハ1の表面に形成された保護膜10とみなし、種々評価を行った。なお、本実施例では、表面が平滑なウェハとして、表面が平滑なシリコンウェハ上に窒化チタン層を有する「窒化チタン膜付きウェハ」(表中でTiNと表記) 、表面が平滑なシリコンウェハ上にタングステン層を有する「タングステン膜付きウェハ」(表中でWと表記)、及び、表面が平滑なシリコンウェハ上にルテニウム層を有する「ルテニウム膜付きウェハ」(表中でRuと表記)を用いた。
詳細を下記に述べる。以下では、保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法、該保護膜形成用薬液の調製、そして、ウェハに該保護膜形成用薬液を供した後の評価結果が述べられる。
〔保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法〕
保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法として、以下の(1)〜(3)の評価を行った。
(1)ウェハ表面に形成された保護膜の接触角評価
保護膜が形成されたウェハ表面上に純水約2μlを置き、水滴とウェハ表面とのなす角(接触角)を接触角計(協和界面科学製:CA−X型)で測定した。ここでは保護膜の接触角が50〜130°の範囲であったものを合格とした。
(2)保護膜の除去性
以下の条件でメタルハライドランプのUV光をサンプルに2時間照射し、膜除去工程における保護膜の除去性を評価した。照射後に水滴の接触角が30°以下となったものを合格とした。
・ランプ:アイグラフィックス製M015−L312(強度:1.5kW)
・照度:下記条件における測定値が128mW/cm
・測定装置:紫外線強度計(コニカミノルタセンシング製、UM−10)
・受光部:UM−360
(受光波長:310〜400nm、ピーク波長:365nm)
・測定モード:放射照度測定
(3)保護膜除去後のウェハの表面平滑性評価
原子間力電子顕微鏡(セイコ−電子製:SPI3700、2.5μm四方スキャン)によって表面観察し、ウェハ洗浄前後の表面の中心線平均面粗さ:Ra(nm)の差ΔRa(nm)を求めた。なお、Raは、JIS B 0601で定義されている中心線平均粗さを測定面に対し適用して三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」として次式で算出した。
Figure 2014067801
ここで、X、X、Y、Yは、それぞれ、X座標、Y座標の測定範囲を示す。Sは、測定面が理想的にフラットであるとした時の面積であり、(X−X)×(Y−Y)の値とした。また、F(X,Y)は、測定点(X,Y)における高さ、Zは、測定面内の平均高さを表す。
保護膜形成前のウェハ表面のRa値、及び保護膜を除去した後のウェハ表面のRa値を測定し、両者の差(ΔRa)が±1nm以内であれば、洗浄によってウェハ表面が浸食されていない、及び、前記保護膜の残渣がウェハ表面にないとし、合格とした。
[実施例1]
(I−1)撥水性保護膜形成用薬液の調製
撥水性保護膜形成剤としてパーフルオロヘキシルエチルホスホン酸〔C13−C−P(O)(OH)〕;0.01g、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以降「PGMEA」と記載する);99.99gを混合し、20℃で2時間撹拌して、保護膜形成用薬液の総量に対する前記保護膜形成剤の濃度(以降「保護膜形成剤濃度」と記載する)が0.01質量%の保護膜形成用薬液を得た。
(I−2)ウェハの洗浄工程(前処理工程)
前処理工程2として、平滑な窒化チタン膜付きウェハ(表面に厚さ50nmの窒化チタン層を有するシリコンウェハ)を室温で1質量%の過酸化水素水に1分間浸漬し、次いで純水に1分間浸漬し、さらに前処理工程3として、イソプロピルアルコール(以下「iPA」と記載する)に1分間浸漬した。
(I−3)ウェハ表面への撥水性保護膜形成工程〜リンス液除去工程
保護膜形成工程として、窒化チタン膜付きウェハを、20℃にて、上記「(I−1)撥水性保護膜形成用薬液の調製」で調製した保護膜形成用薬液に、10分間浸漬して、保護膜形成剤を吸着させることにより該ウェハ表面に保護膜を形成させた。その後、リンス処理工程として、該窒化チタン膜付きウェハをiPAに5秒間、30秒間、又は60秒間浸漬し(表中で「リンス時間[5sec]、「リンス時間[30sec]、「リンス時間[60sec]」と表記)、リンス液除去工程として、窒化チタン膜付きウェハをiPAから取出し、エアーを吹き付けて、表面のiPAを除去した。
得られた窒化チタン膜付きウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表1に示すとおり、保護膜形成前の初期接触角が10°未満であったものが、保護膜形成後にリンス時間が5秒間の場合の接触角は108°となり、優れた撥水性付与効果を示した。同様に、保護膜形成後にリンス時間が30秒間の場合の接触角は105°であり、保護膜形成後にリンス時間が60秒間の場合の接触角は104°であり、リンス処理後においても優れた撥水性が維持されていた。また、前記のいずれの場合においても、UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去できた。さらに、前記のいずれの場合においても、UV照射後のウェハのΔRa値は±0.5nm以内であり、洗浄時にウェハは浸食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。なお、本実施例以外のすべての実施例においても、同様に、前記UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去でき、UV照射後のウェハのΔRa値は±0.5nm以内であり、洗浄時にウェハは浸食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。また、すべての比較例において、後述するように、撥水性付与効果や耐リンス性が不十分となったため、上記の保護膜の除去性、保護膜除去後のウェハの表面平滑性評価は省略した。
Figure 2014067801
[実施例2〜54]
実施例1で用いた保護膜形成剤、保護膜形成用薬液の溶媒、保護膜形成剤濃度、撥水性保護膜形成工程の薬液温度、リンス液を変更し、それ以外は実施例1と同様にウェハの表面処理を行い、さらにその評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2014067801
なお、表中で、「C−C−P(O)(OH)」はパーフルオロブチルエチルホスホン酸を意味し、「C1225P(O)(OH)」はドデシルホスホン酸を意味し、「C1021P(O)(OH)」はデシルホスホン酸を意味し、「C17P(O)(OH)」はオクチルホスホン酸を意味し、「C13P(O)(OH)」はヘキシルホスホン酸を意味し、「C1021P(O)(OC」はデシルホスホン酸ジエチルを意味し、「C17−C−NH」はパーフルオロオクチルエチルアミンを意味し、「C613−C−NH」はパーフルオロヘキシルエチルアミンを意味し、「C17NH」はオクチルアミンを意味し、「C17NHC17」はジオクチルアミンを意味し、「C15CONHOH」はオクタノヒドロキサム酸を意味する。また、「PGMEA/iPA−0.1」はPGMEAとiPAを質量比99.9:0.1の割合で混合した溶媒を意味し、「DGEEA」はジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを意味し、「DGEEA/iPA−0.1」はDGEEAとiPAを質量比99.9:0.1の割合で混合した溶媒を意味し、「水/iPA−30」は水とiPAを質量比70:30の割合で混合した溶媒を意味する。なお、水は純水を用いた。
[比較例1]
撥水性保護膜形成剤としてブチルホスホン酸〔CP(O)(OH)〕を用い、保護膜形成剤濃度を0.007質量%とした以外は実施例12と同じとした。結果は表2に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は50°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は48°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は47°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例2]
撥水性保護膜形成剤としてブチルアミン〔CNH〕を用いた以外は実施例34と同じとした。結果は表2に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は58°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は43°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は36°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例3]
撥水性保護膜形成剤としてアセトヒドロキサム酸〔CHCONHOH〕を用いた以外は実施例37と同じとした。結果は表2に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は33°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は28°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は24°であり、ウェハ表面に十分な撥水性を付与できなかった。
[比較例4]
撥水性保護膜形成剤としてブチルホスホン酸〔CP(O)(OH)〕を用いた以外は実施例43と同じとした。結果は表2に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は65°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は30°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は25°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例5]
撥水性保護膜形成剤としてアセトヒドロキサム酸〔CHCONHOH〕を用いた以外は実施例54と同じとした。結果は表2に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は33°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は21°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は16°であり、ウェハ表面に十分な撥水性を付与できなかった。
[実施例55]
(II−1)撥水性保護膜形成用薬液の調製
実施例1と同様に保護膜形成用薬液を調製した。
(II−2)ウェハの洗浄工程(前処理工程)
前処理工程2として、平滑なタングステン膜付きウェハ(表面に厚さ50nmのタングステン層を有するシリコンウェハ)を室温で1質量%のアンモニア水に1分間浸漬し、次いで純水に1分間浸漬し、さらに前処理工程3として、iPAに1分間浸漬した。
(II−3)ウェハ表面への撥水性保護膜形成工程〜リンス液除去工程
保護膜形成工程として、タングステン膜付きウェハを、40℃にて、上記「(II−1)撥水性保護膜形成用薬液の調製」で調製した保護膜形成用薬液に、10分間浸漬して、保護膜形成剤を吸着させることにより該ウェハ表面に保護膜を形成させた。その後、リンス処理工程として、該タングステン膜付きウェハをiPAに5秒間、30秒間、又は60秒間浸漬し、リンス液除去工程として、タングステン膜付きウェハをiPAから取出し、エアーを吹き付けて、表面のiPAを除去した。
得られたタングステン膜付きウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表3に示すとおり、保護膜形成前の初期接触角が10°未満であったものが、保護膜形成後にリンス時間が5秒間の場合の接触角は92°となり、優れた撥水性付与効果を示した。同様に、保護膜形成後にリンス時間が30秒間の場合の接触角は89°であり、保護膜形成後にリンス時間が60秒間の場合の接触角は84°であり、リンス処理後においても優れた撥水性が維持されていた。
Figure 2014067801
[実施例56〜82]
実施例55で用いた保護膜形成剤、保護膜形成用薬液の溶媒、保護膜形成剤濃度、撥水性保護膜形成工程の薬液温度、リンス液を変更し、それ以外は実施例55と同様にウェハの表面処理を行い、さらにその評価を行った。結果を表3に示す。
なお、表中で、「C1429NH」はテトラデシルアミンを意味し、「C1225NH」はドデシルアミンを意味し、「C13NH」はヘキシルアミンを意味し、「C13NHC13」はジヘキシルアミンを意味し、「C1123」は2−ウンデシル−2−イミダゾリンを意味する。また、「DGEEA/iPA−0.5」はDGEEAとiPAを質量比99.5:0.5の割合で混合した溶媒を意味する。
[比較例6]
撥水性保護膜形成剤としてブチルアミン〔CNH〕を用いた以外は実施例73と同じとした。結果は表3に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は58°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は43°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は32°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例7]
撥水性保護膜形成剤として2−プロピル−2−イミダゾリン〔C〕を用いた以外は実施例76と同じとした。結果は表3に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は37°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は32°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は25°であり、ウェハ表面に十分な撥水性を付与できなかった。
[比較例8]
撥水性保護膜形成剤としてブチルアミン〔CNH〕を用いた以外は実施例81同じとした。結果は表3に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は58°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は30°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は12°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例9]
撥水性保護膜形成剤として2−プロピル−2−イミダゾリン〔C〕を用いた以外は実施例82と同じとした。結果は表3に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は37°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は21°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は10°であり、ウェハ表面に十分な撥水性を付与できなかった。
[実施例83]
(III−1)撥水性保護膜形成用薬液の調製
実施例1と同様に保護膜形成用薬液を調製した。
(III−2)ウェハの洗浄工程(前処理工程)
前処理工程2として、平滑なルテニウム膜付きウェハ(表面に厚さ300nmのルテニウム層を有するシリコンウェハ)を室温で1質量%のアンモニア水に1分間浸漬し、次いで純水に1分間浸漬し、さらに前処理工程3として、iPAに1分間浸漬した。
(III−3)ウェハ表面への撥水性保護膜形成工程〜リンス液除去工程
保護膜形成工程として、ルテニウム膜付きウェハを、20℃にて、上記「(III−1)撥水性保護膜形成用薬液の調製」で調製した保護膜形成用薬液に、10分間浸漬して、保護膜形成剤を吸着させることにより該ウェハ表面に保護膜を形成させた。その後、リンス処理工程として、該ルテニウム膜付きウェハをiPAに5秒間、30秒間、又は60秒間浸漬し、リンス液除去工程として、ルテニウム膜付きウェハをiPAから取出し、エアーを吹き付けて、表面のiPAを除去した。
得られたルテニウム膜付きウェハを上記「保護膜形成用薬液が供されたウェハの評価方法」に記載した要領で評価したところ、表4に示すとおり、保護膜形成前の初期接触角が10°未満であったものが、保護膜形成後にリンス時間が5秒間の場合の接触角は85°となり、優れた撥水性付与効果を示した。同様に、保護膜形成後にリンス時間が30秒間の場合の接触角は84°であり、保護膜形成後にリンス時間が60秒間の場合の接触角は83°であり、リンス処理後においても優れた撥水性が維持されていた。
Figure 2014067801
[実施例84〜145]
実施例83で用いた保護膜形成剤、保護膜形成剤濃度、保護膜形成用薬液の溶媒、撥水性保護膜形成工程の薬液温度、リンス液を変更し、それ以外は実施例83と同様にウェハの表面処理を行い、さらにその評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
Figure 2014067801
なお、表中で、「C13−CH−NH」はパーフルオロヘキシルメチルアミンを意味し、「C1225NCO」はドデシルイソシアネートを意味し、「C17NCO」はオクチルイソシアネートを意味し、「CNCO」はブチルイソシアネートを意味し、「C1225SH」はドデカンチオールを意味し、「C17SH」はオクタンチオールを意味し、「CSH」はブタンチオールを意味する。
[比較例10]
撥水性保護膜形成剤としてブチルアミン〔CNH〕を用いた以外は実施例107と同じとした。結果は表5に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は58°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は48°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は41°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例11]
撥水性保護膜形成剤としてプロピルイソシアネート〔CNCO〕を用いた以外は実施例118と同じとした。結果は表5に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は50°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は34°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は29°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例12]
撥水性保護膜形成剤としてプロパンチオール〔CSH〕を用いた以外は実施例121と同じとした。結果は表5に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は52°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は40°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は35°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例13]
撥水性保護膜形成剤として2−プロピル−2−イミダゾリン〔C〕を用いた以外は実施例123と同じとした。結果は表5に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は51°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は38°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は21°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例14]
撥水性保護膜形成剤としてブチルアミン〔CNH〕を用いた以外は実施例137と同じとした。結果は表5に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は58°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は44°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は35°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例15]
撥水性保護膜形成剤としてプロピルイソシアネート〔CNCO〕を用いた以外は実施例140と同じとした。結果は表5に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は50°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は31°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は19°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例16]
撥水性保護膜形成剤としてプロパンチオール〔CSH〕を用いた以外は実施例143と同じとした。結果は表5に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は52°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は34°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は23°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
[比較例17]
撥水性保護膜形成剤として2−プロピル−2−イミダゾリン〔C〕を用いた以外は実施例145と同じとした。結果は表5に示すとおり、撥水性保護膜形成工程後のリンス時間が5秒間の場合の接触角は51°であり、同様に、リンス時間が30秒間の場合の接触角は32°であり、リンス時間が60秒間の場合の接触角は19°であり、リンス処理に対してウェハ表面の撥水性が低減されることによりウェハ表面に十分な撥水性を維持することができなかった。
1 ウェハ
2 ウェハ表面の凹凸パターン
3 パターンの凸部
4 パターンの凹部
5 凹部の幅
6 凸部の高さ
7 凸部の幅
8 凹部4に保持された撥水性保護膜形成用薬液
9 凹部4に保持されたリンス液
10 撥水性保護膜

Claims (10)

  1. 表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハ表面を、プロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液でリンス処理するリンス処理工程の前に、該ウェハの少なくとも凹部に保持することにより、少なくとも該凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤と、溶媒を含む薬液であり、該撥水性保護膜形成剤が、下記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、撥水性保護膜形成用薬液。
    Figure 2014067801
    (式[1]中、Rは一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が6乃至18の1価の炭化水素基である。Rは、それぞれ互いに独立して、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である。aは、0乃至2の整数である。)
    (R(RNH3−b−c [2]
    (式[2]中、Rは、それぞれ互いに独立して、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が6乃至18の1価の炭化水素基である。Rは、それぞれ互いに独立して、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が1乃至3の1価の炭化水素基である。bは1乃至3の整数であり、cは0乃至2の整数であり、bとcの合計は1乃至3の整数である。)
    (X) [3]
    (式[3]は、一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が4乃至18の炭化水素Rのd個の水素元素又はフッ素元素が、それぞれ互いに独立して、X基で表されるイソシアネート基、メルカプト基、-CONHOH基、及び、窒素元素を含む環構造からなる群から選ばれる少なくとも1つの基で置換された化合物であり、dは1乃至6の整数である。)
  2. 前記一般式[1]のaが2であることを特徴とする、請求項1に記載の撥水性保護膜形成用薬液。
  3. 前記一般式[1]のRが一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が8乃至18の1価の炭化水素基であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の撥水性保護膜形成用薬液。
  4. 前記一般式[2]のbが1であることを特徴とする、請求項1に記載の撥水性保護膜形成用薬液。
  5. 前記一般式[2]のRが一部又は全ての水素元素がフッ素元素に置き換えられていても良い炭素数が8乃至18の1価の炭化水素基であることを特徴とする、請求項1又は請求項4に記載の撥水性保護膜形成用薬液。
  6. 前記一般式[3]のRの炭素数が6乃至18であることを特徴とする、請求項1に記載の撥水性保護膜形成用薬液。
  7. 表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハ表面を、プロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液でリンス処理するリンス処理工程の前に、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の撥水性保護膜形成用薬液を少なくとも該凹部に保持することにより、少なくとも該凹部表面に形成された撥水性保護膜であり、該撥水性保護膜が、撥水性保護膜形成剤である前記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物から形成されたものであることを特徴とする、撥水性保護膜。
  8. 表面に凹凸パターンを形成され該凹凸パターンの凹部表面に、チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、タンタル、及び、ルテニウムのうち少なくとも1種の元素を有するウェハの洗浄方法であって、該方法は、少なくとも、
    凹凸パターンの少なくとも凹部に撥水性保護膜形成用薬液を保持する、撥水性保護膜形成工程、
    撥水性保護膜形成工程後のウェハ表面にプロトン性極性溶媒のみからなるリンス液又はプロトン性極性溶媒を主成分とするリンス液を保持する、リンス処理工程、
    リンス液を除去する、リンス液除去工程、及び、
    撥水性保護膜を除去する、撥水性保護膜除去工程を有し、
    前記撥水性保護膜形成用薬液が少なくとも前記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、
    該撥水性保護膜形成剤が前記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、ウェハの洗浄方法。
  9. 前記プロトン性極性溶媒が、アルコール類であることを特徴とする、請求項8に記載のウェハの洗浄方法。
  10. 前記撥水性保護膜除去工程が、ウェハ表面に光照射すること、ウェハを加熱すること、ウェハをオゾン曝露すること、ウェハ表面にプラズマ照射すること、及び、ウェハ表面にコロナ放電することから選ばれる少なくとも1つの処理を行うことにより撥水性保護膜を除去することであることを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載のウェハの洗浄方法。
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