以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図18を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63a、63b、67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示される保留図柄表示(Ds1〜Ds8)の並び替えを行う場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、第1始動口63a、第2始動口63b、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。第1始動口63a、第2始動口63b、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の中央下部に、振分装置1000が設けられている。振分装置1000には、普通電動役物64が上部に設けられている。普通電動役物64は、通常状態では、向かい合った羽根64a,64bが所定間隔(遊技球が約1球分入球可能な間隔(遊技球の直径は約11mm))を隔てつつ上方に起立した状態で配置されている。振分装置1000内に遊技球が入球するルートは、通常状態(羽根64a,64bが上方に起立した状態)では、普通電動役物64の羽根64a,64bの間を通るルートのみとなっており、遊技者は、まず、その普通電動役物64の羽根64a,64bの間へ遊技球を通過させるように遊技球を発射する。
振り分け装置630内に遊技球が入球すると、入球した遊技球が第1始動口63a及び第2始動口63bに交互に振り分けられる。ここで、図4を参照して、振分装置1000による遊技球の振り分け動作の概略について説明する。
図4(a)は、入球した遊技球を第1始動口63aへ振り分ける動作を説明するために模式的に図示した振分装置1000の正面透視図であり、図4(b)は、入球した遊技球を第2始動口63bへ振り分ける動作を説明するために模式的に図示した振分装置1000の正面透視図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、振分装置1000には、内部に円板部材1300が回動可能に内装されると共に、その円板部材1300の外周面には、左受け部1310L及び右受け部1310Rが凹設される。
図4(a)に示すように、振分装置1000は、入球した遊技球を左受け部1310Lが受けると、その遊技球の重さにより(即ち、遊技球の重さの分、円板部材1300の重心位置が回動中心に対して一側(図4(a)右側)へ偏心されることで)、円板部材1300が、左受け部1310Lに遊技球を収納しつつ、一方向(図4(a)時計回り方向)へ回動される。円板部材1300の回動により、左受け部1310Lが下方に到達されると、左受け部1310Lに収納されていた遊技球が、左誘導通路1110Lに排球されると共にこの左誘導通路1110Lにより第1始動口63aへ誘導される。
図4(b)に示すように、振分装置1000は、図4(a)に示す遊技球の次に入球した遊技球を、右受け部1310Rにより受ける。即ち、振分装置1000は、右受け部1310Rが左受け部1310Lと180度位相を異ならせて配設され、左受け部1310Lが下方に位置すると、右受け部1310Rが上方に位置し、入球した遊技球を交互に受けることができるように構成される。
この場合、振分装置1000は、次に入球した遊技球を右受け部1310Rが受けると、左受け部1310Lが遊技球を受けた場合と同様に、遊技球の重さにより、円板部材1300が、右受け部1310Rに遊技球を収納しつつ、一方向(図4(a)時計回り方向)へ回動され、右受け部1310Rが下方に到達される。右受け部1310Rに収納されていた遊技球は、右誘導通路1110Rに排球されることで、第2始動口63bへ誘導される。
このように、左受け部1310Lが遊技球を受けると、円板部材1300が一方向へ180度回動して、遊技球を第1始動口63aへ誘導すると共に、右受け部1310Rが上方に配設され、次に入球した遊技球をこの右受け部1310Rが受ける。右受け部1310Rが遊技球を受けると、円板部材1300が一方向へ180度回動して、遊技球を第2始動口63bへ誘導すると共に、左受け部1310Lが上方に配設され、次に入球した遊技球をこの左受け部1310Lが受ける。
よって、振分装置1000は、入球する遊技球を第1始動口63aと第2始動口63bとに均等に振り分けて入賞させることができ、その結果、第1始動口63aへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第1抽選遊技)と第2始動口63bへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第2抽選遊技)とを効率良く実行することができる。
図2に戻って説明する。遊技盤13の中央左側には、普通図柄始動口67が設けられている。普通図柄始動口67は、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した始動口で構成されている。普通図柄始動口67を遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。普通図柄始動口67へ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示部88において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、20秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示部88において変動表示が行われている間に普通図柄始動口67に球が通過すると、その通過回数は、最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、普通電動役物64が作動し、通常時は上方に起立した状態で維持されている普通電動役物64の羽根64a,64bが略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動し、遊技球を羽根64a,64bが誘導することにより、振り分け装置630に所定時間(本実施形態では1.2s)遊技球を入球し易い状態になる。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1始動口63a、第2始動口63b、普通図柄始動口67に入賞された球のうち変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たり中のラウンド数やエラー表示もそれに対応する点灯状態により示される。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左側の7セグメントLEDは、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が変動表示(動的表示)される。具体的には、第1始動口63aへの入賞に基づいて決定された、変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(本実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。判定結果が外れの場合には中央の1セグメントが点灯表示する外れを示す図柄「−」が表示される。一方、判定結果が当たりである場合には、当たりに対応した図柄「3」、「7」などの外れを示す図柄とは異なる図柄が表示される。第2抽選遊技についても、第1抽選遊技と同様に構成されている。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
また、パチンコ機10における変動パターン(変動態様または動的表示態様)は、後述するが、変動態様毎に変動時間が設定されており、時間情報に関する動的表示態様に該当する。さらには、変動パターンは、リーチとなる変動パターンと非リーチとなる変動パターンとで、変動時間の比較的長い長時間変動パターンと比較的変動時間の短い短時間変動パターンとに分けることもできる。このように、大まかに、時間の一定基準(ここでは、リーチ、非リーチ、または、基準時間(例えば、10秒より長いか否か))で仕分けた場合に対しても、時間情報に関する動的表示態様に該当する。
また、変動開始時間となるまでの時間情報については、正確な変動開始となる時間も該当するし、上記した、大まかな変動パターンの時間情報(例えば、長時間変動パターンであるか否か等)に基づいて決定される時間情報(例えば、変動開始までに行われる長時間変動パターンの回数等)についての情報も該当する。
なお、本パチンコ機10では、第1始動口63aまたは第2始動口63bへの入賞に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R通常大当たり、15R確変大当たり、2R確変大当たりが用意されている。LED37bに表示される大当たり図柄は、その大当たり種別を示す図柄となっている(本実施形態では、15R通常大当たりでは「9」、15R確変大当たりでは「7」、2R確変大当たりでは「3」が例えば表示される)。
ここで、「15R通常大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりであり、大当たり後には、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)での遊技が設定される当たりのことである。「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりであり、大当たり後には、後述する、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルが設定される当たりのことである。「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりであり、大当たり後には、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)が設定される当たりのことである。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口79が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口63aまたは第2始動口63bへの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81が設けられている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、左側表示領域Dm1に第3図柄の一つである第1特別図柄を示す、左、中及び右の3つの図柄列が表示される(図5(a)参照)。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1上にて第3図柄(第1特別図柄)が変動表示(動的表示)されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。また、第3図柄の一つである第2特別図柄においても、右側表示領域Dm2に、第1特別図柄と同様に表示される。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面における保留図柄表示の並び替え前と並び替え後を例示した図である。
第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)は、「0」から「9」の数字を付した10種類の特別図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、主に、上下に分割して、上側の表示領域Dmに第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を表示する表示領域と、下側の表示領域Dsに保留図柄(第1抽選遊技と第2抽選遊技の保留個数)を表示する表示領域とで構成されている。上側表示領域Dmは、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2に分割して表示可能に構成されている。主に、左側表示領域Dm1は、第1始動口63aへの入賞に基づく第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が変動表示される。一方、右側表示領域Dm2は、第2始動口63bへの入賞に基づく第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が変動表示される。
左側表示領域Dm1は、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列L1〜L3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列L1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列L2及び右図柄列L3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。一方、右側表示領域Dm2には、第2特別図柄が第1特別図柄と同様に、図柄列R1、R2、R3が表示され、同様に変動表示が行われる。
また、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とには、有効ラインU1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、下側表示領域Dsは、上側表示領域Dmよりも横長に設けられており、さらに左右方向に8つの小領域の保留図柄表示エリアDs1〜Ds8に等区分されている。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、上側表示領域Dmに特別図柄(第3図柄)の主図柄が合計3個、左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とにそれぞれ表示される。
なお、本実施形態においては、第1始動口63aまたは第2始動口63bへの入賞は、それぞれ最大4回まで保留される。第1特別図柄が変動表示中に第1始動口63aに遊技球が入賞すると、その入賞に基づく第1抽選遊技の開始は保留されて、下側表示領域Dsの保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)の表示領域のうち保留図柄が表示されていないエリアのうち最も若い番号の保留図柄表示エリア(左側の保留図柄表示エリア)に、第1抽選遊技の保留図柄である「○」が表示される。
また、第2特別図柄が変動表示中に第2始動口63bに遊技球が入賞すると、第1始動口63aに入賞した場合と同様に、第2抽選遊技の保留図柄である「●」が下側表示領域Dsの保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)に表示される。
図2に戻って説明する。振分装置1000に遊技球が入球すると、遊技球は、第1始動口63aと第2始動口63bとへ順番に(即ち、交互に)振り分けられる。第1特別図柄の変動表示が停止している状態で、さらに第1抽選遊技における保留がない状態で、第1始動口63aに入賞した場合には、第2特別図柄が変動表示中か否かに関わらず、第1特別図柄が左側表示領域Dm1で変動表示された後に停止表示される。一方、第2始動口63bに遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄が変動表示中であるか否かに関わらず、第2特別図柄が変動表示される。
本パチンコ機10では、上記説明したように、第1特別図柄と第2特別図柄とは同時に左側表示領域Dm1と右側表示領域Dm2とでそれぞれ同時に変動表示を可能に構成されている。よって、振分装置1000により、第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に入賞する遊技球が振り分けられることで、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを効率よく実行することができる。第1抽選遊技と第2抽選遊技とは、それぞれで大当たり遊技を実行するか否かの抽選が実行されるので、大当たり遊技の抽選機会が第1抽選遊技のみで実行する場合と比較して抽選回数を多くすることが可能となり、遊技者が大当たりを得られる機会を多くできる。
なお、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技の2つで構成されたパチンコ機10について説明するが、これに限らず、3つや4つ、それ以上の抽選遊技とそれに対応する始動口をそれぞれ設けて、同時にそれぞれの抽選結果を変動表示可能に構成するようにしても当然良い。
第1始動口63a、第2始動口63bへ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチまたは第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなる。その第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。また、第1始動口63a、第2始動口63bは、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
遊技領域の下方右側には横長矩形状の可変入賞装置65が配設されている。パチンコ機10においては、主制御装置110での第1抽選遊技または第2抽選遊技の大当たりに関する抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81の対応する表示領域(左側表示領域Dm1または右側表示領域Dm2)に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この可変入賞装置65の開閉動作は、決定された大当たりの種別によって決定され、例えば、15R通常大当たりであれば、最高で15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特典遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
具体的には、可変入賞装置65は、第1始動口63aまたは第2始動口63bに入賞したことに基づいて第1特別図柄または第2特別図柄が当たりを示す図柄で停止表示されると、その大当たり種別に基づいて開閉動作が設定され、特定入賞口65aが所定時間、または所定条件が成立すまで(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
可変入賞装置65は、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63a,63b,65a,79にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図示せず)が設けられている。
RAM203は、図6に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203d、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、普通図柄保留球数カウンタ203g、普通図柄保留球格納エリア203h、普通図柄保留球実行エリア203i、普通図柄フラグ203j、時短カウンタ203k、確変フラグ203m、第1大当たりフラグ203o、第2大当たりフラグ203p、第1変動停止フラグ203q、第2変動停止フラグ203r、第1変動時間記憶エリア203s、第2変動時間記憶エリア203t、並び替え保留記憶エリア203u、その他メモリエリア203vを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、第1始動口63aに入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、遊技球が第2始動口63bに入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア203cは、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。第2特別図柄保留球実行エリア203dは、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、詳細については第1特別図柄保留球実行エリア203cと同様である。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203dは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファより取得した特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理の中で、球が第1始動口63aへ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203aの特別当たり乱数カウンタ格納エリア203a1、特別当たり種別カウンタ格納エリア203a2、変動パターン判定用カウンタ203a3、変動種別カウンタ格納エリア203a4にそれぞれ格納する。一方、球が第2始動口63bへ入賞したことを検出すると、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3、CS1の値を取得し、各対応するエリア(図示せず)にそれぞれ同様に記憶される。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理の中で検出される第1始動口63aまたは第2始動口63bへの入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、電源投入後のRAM203の初期設定処理によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203a、第2特別図柄保留球数カウンタ203bは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第1始動口63aに遊技球が入賞したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、保留球数)は、第2始動口63bに遊技球が入賞したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納されるた場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203fが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dにカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3、CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されたデータを、第1変動開始処理または第2変動開始処理において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または第2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203gは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理の中で検出される普通図柄始動口67を遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示部88、第2図柄表示装置88で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203gは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
普通図柄保留球格納エリア203hは、普通図柄始動口67への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファより取得した普通当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理の中で、球が普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから普通当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203hの普通当たり乱数カウンタ格納エリア203h1に格納する。普通図柄フラグ203jを普通図柄フラグ格納エリア203h2にオンに設定して格納(記憶)する。普通図柄保留球格納エリア203hは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、普通図柄フラグ203j)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203hには、普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア203iは、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示部88または第2図柄表示装置88の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(普通当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア203iへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄フラグ203jは、普通当たり乱数カウンタC4のデータが記憶されており、保留されていることを示すフラグであり、また、普通図柄が変動表示中であることを示すフラグである。普通図柄保留球実行エリア203iまたは普通図柄保留球格納エリア203hに普通当たり乱数カウンタC4の値が格納されるとオンに設定される。また、普通当たりカウンタC4の値が次の保留エリア(保留が消化され、一つ保留個数を減らした保留個数に対応する保留エリア)にシフトされた場合には、シフトされる前の保留エリアの普通図柄フラグ203jはオフに設定され、一方シフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグ203jはオンに設定される。また、普通図柄の変動表示が変動停止処理されると普通図柄フラグ203jはオフに設定される。
時短カウンタ203kは、15R通常大当たり遊技が実行された後に、時短回数100が設定されるカウンタエリアである。時短回数が設定されると、時短回数が0に設定されるまでの間、普通図柄当たり乱数テーブル202cにおいて高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定される。また、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示部88に表示された場合に、普通電動役物64の羽根64a,64bが通常遊技状態よりも長い開放時間(本実施形態では、1s)開放する動作を2回繰り返される。この遊技状態を以下、時短遊技状態とする。
時短カウンタ203kは、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示停止する毎に1ずつ減算され、時短カウンタ203kの値が0となると、時短遊技状態から通常遊技状態へと移行し、普通図柄当たり乱数カウンタ202cの低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定され、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示部88に表示された場合に、開放時間が0.2sで開放回数1回の設定で、普通電動役物64の羽根64a,64bが開放される。
確変フラグ203mは、遊技状態が高確率遊技状態であることを示すフラグである。第1特別図柄または第2特別図柄において、15R確変大当たり遊技が当選したことが報知され、15R確変大当たり遊技が実行された場合に、大当たり遊技が終了したことに基づいて、オンに設定されるフラグである。一方、確変フラグ203mがオンに設定されて、第1特別図柄または第2特別図柄で大当たりを示す図柄(すべての種別)で停止表示されるとオフに設定され、大当たり遊技後に、大当たり種別により、15R確変大当たりまたは2R確変大当たりであればオンに設定される。
第1大当たりフラグ203oは、第1始動口63aに入賞したことに基づいて、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値が当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。
第2大当たりフラグ203pは、第2始動口63bに入賞したことに基づいて、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値が当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。
第1変動停止フラグ203qは、第1特別図柄が変動表示中に、第2特別図柄の大当たり判定が当たりであると判定されたことを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第2特別図柄大当たり判定処理において、オンに設定される。また、第1特別図柄変動停止処理において、第1特別図柄の変動表示が仮停止処理された場合にオフに設定される。
第2停止フラグ203rは、第2特別図柄が変動表示中に、第1特別図柄の大当たり判定が当たりであると判定されたことを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄大当たり判定処理において、オンに設定される。また、第2特別図柄変動停止処理において、第2特別図柄の変動表示の仮停止処理が実行された場合にオフに設定される。
第1変動時間記憶エリア203sは、第1特別図柄の変動時間がカウント(計測)される記憶エリアである。第1変動時間記憶エリア203sは、第1特別図柄が変動表示開始されると変動時間をカウント(割り込み回数をカウント)し、変動時間(1割り込みで2ms)が計測される。
第2変動時間記憶エリア203tは、第2特別図柄の変動時間がカウント(計測)される記憶エリアである。第2変動時間記憶エリア203tは、第2特別図柄が変動開始されると変動時間をカウント(割り込み回数をカウント)し、変動時間(1割り込みで2ms)が計測される。
本実施形態では、第1変動時間記憶エリア203sおよび第2変動時間記憶エリア203tは、割り込み回数をカウントすることにより変動時間を計測したが、それに限らず、RTCから変動開始時に計時データを取得し、その後も随時、計時データを取得して、変動時間を計測する構成であってもよい。また、予め変動表示する変動時間を記憶させて、その値を随時減算していく構成であっても当然よい。
並び替え保留記憶エリア203uは、第1先読み処理または第2先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている保留エリア1〜4の各データに基づいて判定した各判定結果が記憶される記憶領域である。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示部88、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示されている入賞順に表示されている保留図柄表示を変動表示開始順に並び替えて表示されるように、音声出力装置226を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
また、振動センサ228は、遊技板213の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入賞口への入賞が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入賞口への入賞が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2、第1変動開始フラグ223c1、第2変動開始フラグ223c2、第1停止種別選択フラグ223d1、第2停止種別選択フラグ223d2、従第1変動停止フラグ223e、従第2変動停止フラグ223f、従第1変動再開フラグ223g、従第2変動再開フラグ223h、従第1変動時間記憶エリア223i、従第2変動時間記憶エリア223j、従並び替え後記憶エリア223k、その他メモリエリア223mが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b1は、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
第2特別図柄保留球数カウンタ223b2は、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第2特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
第1変動開始フラグ223c1は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第1特別図柄の変動パターンを通知する第1変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
第2変動開始フラグ223c2は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第2特別図柄の変動パターンを通知する第2変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
第1停止種別選択フラグ223d1は、主制御装置110から出力される第1特別図柄の変動停止種別を通知する第1停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
第2停止種別選択フラグ223d2は、主制御装置110から出力される第2特別図柄の変動停止種別を通知する第2停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
従第1変動停止フラグ223eは、第1特別図柄が仮停止していることを示すフラグである。主制御装置110から仮第1変動停止コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における第1特別図柄の変動表示を停止処理する処理を実行した場合に、オフに設定される。
従第2変動停止フラグ223fは、第2特別図柄が仮停止していることを示すフラグである。主制御装置110から仮第2変動停止コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における第2特別図柄の変動表示を停止処理する処理を実行した場合に、オフに設定される。
従第1変動再開フラグ223gは、仮停止されていた第1特別図柄の変動表示が再開されることを示すフラグである。主制御装置110から第1特別図柄変動再開コマンドを受信した場合に、従第1再開フラグ223gがオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81の第1特別図柄の変動表示が再開される処理を実行した場合に、オフに設定される。
従第2変動再開フラグ223hは、仮停止されていた第2特別図柄の変動表示が再開されることを示すフラグである。主制御装置110から第2特別図柄変動再開コマンドを受信した場合に、従第2再開フラグ223hがオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81の第2特別図柄の変動表示が再開される処理を実行した場合に、オフに設定される。
従第1変動時間記憶エリア223iは、第1特別図柄の変動時間を計測した値が記憶される記憶領域である。主制御装置110のMPU201のRAM203の第1変動時間記憶エリア203sと同期した値で記憶される記憶エリアである。第1特別図柄の変動開始に基づいて、1ms毎に1ずつ加算されて実際の変動表示した変動時間が記憶される。
従第2変動時間記憶エリア223jは、第2特別図柄の変動時間を計測した値が記憶される記憶領域である。主制御装置110のMPU201のRAM203の第2変動時間記憶エリア203tと同期した値で記憶される記憶エリアである。第2特別図柄の変動表示開始に基づいて、1ms毎に1ずつ加算されて実際の変動表示した変動時間が記憶される。
従並び替え保留記憶エリア223kは、主制御装置110から出力される入賞コマンドに基づいて、主制御装置110におけるRAM203の並び替え保留記憶エリア203uと同様のデータが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される入賞コマンドに基づいて記憶される記憶領域である。
その他メモリエリア223mは、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ(図3、122)回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
なお、停電が発生すると、主制御装置110のMPU201は、並び替え保留記憶エリア203uの各データをバックアップデータとしてRAM203のバックアップエリアに記憶する。そして、再度、パチンコ機10に電力が供給されると、バックアップエリアより並び替え保留記憶エリア203uのバックアップされた各データが読み出され、並び替え保留記憶エリア203uの対応する各保留エリアまたは変動中データ記憶領域に記憶される。
そして、立ち上げ処理において、第1先読み更新処理で生成される入賞コマンドと同様に、バックアップしたデータが読み出され記憶された並び替え保留記憶エリア203uに基づいて全ての入賞コマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に出力されることにより、従並び替え保留記憶エリア223kにも同じ並び替え保留記憶エリア203uと同期したデータが設定される。
また、立ち上げ処理において、音声ランプ制御装置113に入賞コマンドを送信することで、並び替え保留記憶エリア203uと従並び替え保留記憶エリア223kとのデータを停電時からの復帰時にも同期させる構成を説明したが、それに限らず、主制御装置110のMPU201と同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221が、停電発生時に、従並び替え保留記憶エリア223kの各データをRAM223にバックアップデータとして記憶させる構成にしても当然よい。
RAM消去スイッチ(図3、122)回路253は、電源投入時(RAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源投入)にRAM消去スイッチ(図3、122)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
主制御装置110のMPU201は、特別図柄や普通図柄の入賞の検知や、その入賞に対して当たりや変動パターンの選択等の各種抽選等の制御処理を実行している。その為、MPU201の制御負荷は大きくなっており、安定してパチンコ機10の制御を実行するために、本実施形態のように、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を、サブ制御装置に該当する音声ランプ制御装置113のMPU221が行うようにすることで、主制御装置110の制御負荷を軽くすることができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113との制御基板は、基板ボックスと呼ばれる、透明なプラスチック製のベース部材と蓋部材で構成された箱(ボックス)により覆われている。その基板ボックスは、ベース部材と蓋部材とを容易に離間できないように「封止部材」と呼ばれる不正防止のための部材によりかしめが行われている。一般的に封止部材は、ベース部材と蓋部材を勘合させた場合に、ベース部材と蓋部材との一部を貫通して設けられた貫通孔にピン形状の封止部材を挿入する(かしめる)ことで、貫通孔を形成している部材を破壊するか、封止部材を破壊するか等の開封痕の残る方法でしかベース部材と蓋部材を離間させることが困難に構成されている。
次いで、図7から図18を参照して、振分装置1000の詳細構成について説明する。まず、図7(a)及び図7(b)を参照して、振分装置1000の全体構成について説明する。
図7(a)は、振分装置1000の正面図であり、図7(b)は、図7(a)の矢印VIIb方向視における振分装置1000の側面図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、振分装置1000は、基板部材1100(図8参照)と、その基板部材1100の前面側(図7紙面手前側)に配設される前面部材1200(図9から図12参照)と、それら基板部材1100及び前面部材1200の対向間(内部空間)に回動可能に配設される円板部材1300(図13参照)とを備え、入球した遊技球を第1位置と第2位置との2位置(本実施形態では第1始動口63a及び第2始動口63b)へ交互に振り分ける(図4参照)。
次いで、図8から図13を参照して、基板部材1100、前面部材1200及び円板部材1300の詳細構成について、順に説明する。図8(a)は、基板部材1100の正面図であり、図8(b)は、図8(a)の矢印VIIIb方向視における基板部材1100の側面図であり、図8(c)は、図8(a)の矢印VIIIc方向視における基板部材1100の底面図である。なお、図8(a)では、基板部材1100に対する前面部材1200の配設位置の関係を示すために、前面部材1200が二点鎖線を用いて模式的に図示される。
図8(a)から図8(c)に示すように、基板部材1100は、正面視横長の板状に形成され、その板状体の隅部4ヶ所には、挿通孔1100aが穿設される。これら各挿通孔1100aに挿通された締結ねじにより、基板部材1100が、遊技盤13のベース板60(図2参照)に締結固定される。
基板部材1100の略中央部4ヶ所には、挿通孔1100bが穿設される。これら挿通孔1100bには、基板部材1100の背面側(図8(a)紙面奥側)から締結ねじが挿通され、その締結ねじにより、基板部材1100の前面側(図8(a)紙面手前側)に前面部材1200が締結固定される。
基板部材1100の中央下方には、2本の誘導通路(左誘導通路1110L及び右誘導通路1110R)が配設される。これら左誘導通路1110L及び右誘導通路1110Rは、円板部材1300の左受け部1310L及び右受け部1310R(図13参照)から排球される遊技球を受け入れると共にその受け入れた遊技球を第1始動口63a及び第2始動口63b(図4参照)へ誘導するための通路であり、遊技球の入口となる開口(左開口1111L及び右開口1111R)が一端側に上方に開口して形成されると共に、遊技球の出口となる開口が他端側に左連通孔1120L及び右連通孔1120Rにそれぞれ連通された状態で形成される。
左誘導通路1110Lの左開口1111Lは、右誘導通路1110Rの右開口1111Rよりも、基板部材1100の前面側(図8(c)下側)に配設される。即ち、左開口1111L及び右開口1111Rは、基板部材1100の前後方向(図8(a)紙面垂直方向)に沿って並設され、これにより、基板部材1100に前面部材1200が締結固定された組み立て状態では、左開口1111L及び右開口1111Rが、前面部材1200の左排球口1222L及び右排球口1222R(いずれも図9(c)参照)にそれぞれ連通される。
よって、後述するように、円板部材1300の左受け部1310Lから排球される遊技球は、前面部材1200の左排球口1222Lを介して、左誘導通路1110Lの左開口1111Lに、円板部材1300の右受け部1310Rから排球される遊技球は、前面部材1200の右排球口1222Rを介して、右誘導通路1110Rの右開口1111Rに、それぞれ導入される(図14から図18参照)。
なお、基板部材1100の左連通孔1120Lには第1始動口63aが、右連通孔1120Rには第2始動口63bが、それぞれ接続される(図4参照)。よって、左誘導通路1110Lは、左開口1111Lから導入された遊技球を、左連通孔1120Lに誘導して、第1始動口63aに入賞させる。一方、右誘導通路1110Rは、右開口1111Rから導入された遊技球を、右連通孔1120Rに誘導して、第2始動口63bに入賞させる。
次いで、図9及び図10を参照して、前面部材1200の全体構成について説明する。図9(a)は、前面部材1200の正面図であり、図9(b)は、図9(a)の矢印IXb方向視における前面部材1200の側面図であり、図9(c)は、図9(a)のIXc−IXc線における前面部材1200の断面図である。図10(a)は、前面部材1200の背面図であり、図10(b)は、図10(a)の矢印Xb方向視における前面部材1200の上面図である。
図9及び図10に示すように、前面部材1200は、板状の前面板部材1210と、その前面板1210の背面側(図10紙面手前側)に配設される円筒状の対面壁部材1220と、その対面壁部材1220の内周側に同心に配設される軸部材1230とを備え、これらが樹脂材料から一体に形成される。
対面壁部材1220は、内部に円板部材1300(図13参照)が回動可能に内装される部位であり、その内径寸法が、円板部材1300の外径寸法と同一の寸法または若干大きな寸法に設定される。
対面壁部材1220は、軸方向一端側(図9(c)右側)の開口が前面板部材1210により閉封され、軸方向他端側(図9(c)左側)の開口が開放して形成される。この開放された開口は、基板部材1100により閉封される(図7及び図8参照)。即ち、振分装置1000の組み立ては、前面部材1200の対面壁部材1220の開放側から円板部材1300を挿入すると共に、基板部材1100を締結固定することで、円板部材1300を振分装置1000の内部に回転可能かつ脱落不能に内装することができる。よって、組み立て工程して、製造コストの削減を図ることができる。
対面壁部材1220には、入球口1221と、左排球口1222L及び右排球口1222Rと、左溝1223L及び右溝1223Rと、案内傾斜部1224と、被締結孔1225とが形成される。
入球口1221は、遊技領域を流下する遊技球が入球される開口であり、対面壁部材1220の最上部となる位置に鉛直方向(図10上下方向)に沿って穿設される。また、入球口1221は、対面壁部材1220の軸方向(図9(c)左右方向)における中央(即ち、回転部材1300における左受け部1310L及び右受け部1310R(図13参照)の両者の移動軌跡が重なる位置)に配設され、入球された遊技球を、左受け部1310L及び右受け部1310Rのいずれにも受けさせる(誘導する)ことができる。
左排球口1222L及び右排球口1222Rは、円板部材1300の左受け部1310L及び右受け部1310Rにより搬送された遊技球を、基板部材1100の左誘導通路1110L及び右誘導通路1110Rへ導入するための開口であり、対面壁部材1220の最下部となる位置(即ち、入球口1221から180度位相を異ならせた位置)に鉛直方向(図10上下方向)に沿って穿設される。
左排球口1222L及び右排球口1222Rは、対面壁部材1220の軸方向(図9(c)左右方向)に互いに離間されると共に、円板部材1300が回動される際の左受け部1310L及び右受け部1310Rの出口側(傾斜側面1312側、図13参照)の移動軌跡上にそれぞれ配置される。
左溝1223L及び右溝1223Rは、対面壁部材1220の内周面に凹設される断面円弧状の凹溝であり、対面壁部材1220の周方向に沿って延設される。円板部材1300の回動に伴い、左受け部1310L又は右受け部1310Rに収納された遊技球が左排球口1222L又は右排球口1222Rへ向けて搬送される際には、その遊技球の一部を左溝1223L又は右溝1223Rに受け入れることができる(例えば、図15参照)。
左溝1223L及び右溝1223Rの内周面(延設方向に垂直な断面における円弧形状)の曲率半径は、遊技球の曲率半径と同等または若干大きな曲率半径に設定される。よって、遊技球が左溝1223L又は右溝1223Rに受け入れられた状態で円板部材1300が回動されると、遊技球が左溝1223L又は右溝1223R上を転動または摺動される。
案内傾斜部1224は、上面側が開放されると共に、底面に入球口1221が開口される凹部であり、その凹部の内壁は、入球口1221へ向けて下降傾斜する4面の傾斜面として形成される(図10(b)参照)。よって、案内傾斜部1224内に流下された遊技球を入球口1221へ案内して確実に入球させることができる。
案内傾斜部1224の内壁は、遊技球の直径よりも高く(大きく)されるので、その内部(凹部空間内)に遊技球を保持しておくことができる。即ち、入球孔1221から左受け部1310L又は右受け部1310R(図13参照)へ遊技球を導入させることができない場合は、円板部材1300の回動に伴い、左受け部1310L又は右受け部1310Rが入球口1221の直下に配設されるまでの間、遊技球を案内傾斜部1224の内部に保持できる。円板部材1300の回動に伴い、左受け部1310L又は右受け部1310Rが入球口1221の直下に配設された場合には、保持している遊技球を、入球口1221を介して速やかに左受け部1310L又は右受け部1310Rへ導入させることができる。
被締結孔1225は、対面壁部材1220の端面(図10紙面手前側面)に開口されるねじ孔であり、基板部材1100の挿通孔1100b(図8参照)に対応する位置に形成される。即ち、基板部材1100の背面側から挿通孔1100bに挿通された締結ねじが、対面壁部材1220の被締結孔1225に締結されることで、前面部材1200が基板部材1100に締結固定される。
対面壁部材1220の外周面には、対面側磁石1226が埋設される。対面側磁石1226は、左排球口1222L又は右排球口1222Rへ向けて搬送される遊技球に磁力(引き付ける力)を作用させるための磁石であり、左溝1223L及び右溝1223Rの延設方向に沿って、複数個(本実施の形態では各3個)がそれぞれ列設される。
対面壁部材1220の内周面側には、軸部1230が前面板部材1210の背面から垂直に立設される。軸部1230は、対面壁部材1220の内周面に同心に配設され、円板部材1300(図13参照)を回動可能に軸支する軸として使用される。
次いで、図11及び図12を参照して、前面部材1200の左排球口1222L及び右排球口1222Rと左溝1223L及び右溝1223Rとの詳細構成について説明する。
図11は、図9(c)のXI−XI線における対面壁部材1220の断面図であり、図12は、図10(a)の矢印XII方向視における対面壁部材1220の内周面を平面に展開して図示した平面展開図である。
なお、左排球口1222Lは右排球口1222Rと、左溝1223Lは右溝1223Rと、それぞれ同一の構成であるので、ここでは、右排球口1222R及び右溝1223Rのみを説明し、左排球口1222L及び左溝1223Lについての説明は省略する。
図11及び図12に示すように、右排球口1222Rは、対面壁部材1220の内周面側(図11上側)から外周面側(図11下側)へ向かうに従って直径が大きくされるテーパ孔として形成される。即ち、右排球口1222Rは、その孔の延設方向が、円板部材1300の回動方向進行側(図11では右溝1223Rから離間する方向)へ向けて傾斜して延設される孔として形成される。よって、後述するように、円板部材1300の右受け部1310Rから排球される遊技球を、対面壁部材1220の右排球口1222R内へスムーズに入り込ませると共に、入り込んだ遊技球を滞らせることなく出口まで通過させることができる(図16(b)参照)。
右排球口1222Rは、対面壁部材1220の内周面側の開口縁部であって、右溝1223Rの終端に対面する側(図11左側)の開口縁部の位置が、右溝1223Rの底面よりも対面壁部材1220の中心側(即ち、円板部材1300に近接する側、図11上側)に配設される。
よって、遊技球が、その一部を右溝1223Rに受け入れさせつつ(嵌り込ませつつ)、右排球口1222Rに到達する際に(図15及び図16参照)、その遊技球の外周面を、右排球口1222Rの開口縁部(右溝1223Rの終端に対面する側、図11左側)に当接させることができる(図16(b)参照)。これにより、後述するように、右排球口1222Rへ遊技球を確実に排球させることができるだけでなく、円板部材1300の回動を停止させることができる。
右溝1223Rは、終端(図12下端)が右排球口1222Rに接続される一方、始端(図12上端)は、入球口1221に接続されない。即ち、入球口1221から約80度位相を進めた位置に右溝1223Rの始端(図12上端)は位置する。入球孔1221から約80度の位相範囲では、右受け部1310Rに受け入れられている遊技球は対面壁部材1220の内周面にはほぼ接触されず(図14(b)及び図15(a)参照)、右溝1223Rの凹設が無駄となるからである。これにより、不必要な凹設による対面壁部材1220の強度低下を抑制して、その耐久性の向上を図ることができる。一方で、右溝1223Rの始端を、入球口1221から90度位相を進めた位置よりも少し(約10度)早めた位置とすることで、遊技球を右溝1223Rに確実に導入することができると共に、右溝1223Rによる効果(転動抵抗または摺動抵抗を遊技球に作用させる)を最大限発揮させることができる。
右溝1223Rは、右排球口1222Rへ向かうに従って、対面壁部材1220の内周面からの凹設深さが大きく(深く)される。この場合、上述したように、右溝1223Rは、内周面の曲率半径が、遊技球の曲率半径と同等とされる。
よって、円板部材1300の回転に伴い遊技球が右溝1223Rを転動または摺動する際には、右溝1223Rから遊技球へ作用させる転動抵抗または摺動抵抗を、右排球口1222Rへ近づくほど大きくすることができる。また、遊技球が右溝1223Rに受け入れられる量(嵌り込む量)を、右排出孔1222Rへ近づくに従って徐々に大きくできる。よって、後述するように、円板部材1300の回動速度を低減させ易くして、右排球口1222Rへの遊技球の排球を確実化できると共に、右排球口1222Rへ入り込む方向への慣性力を遊技球に持たせることができる。
右溝1223Rの底面側には、その右溝1223Rの延設方向に沿って対面側磁石1226が列設される。即ち、対面側磁石1226は、遊技球が円板部材1300の回動動作に伴い移動する移動軌跡に対応する位置に配設される。また、対面側磁石1226は、対面壁部材1220の入球口1221よりも右排球口1222Rに近い側(図12下側)に配設される。本実施の形態では、右排球口1222Rの開口縁部(図11右側)から15度位相を後退させた(図11反時計方向に中心角15度の)範囲内に配設される。
よって、右溝1223を遊技球が通過する際には、その遊技球へ対面側磁石1226の磁力(遊技球を引き付ける力)を作用させることができ、その結果、円板部材1300に回動抵抗を作用させることができる。よって、後述するように、円板部材1300の回動速度を低減させ易くして、右排球口1222Rへの遊技球の排球を確実化できる。
また、本実施形態では、対面側磁石1226の磁力を作用させる対象として遊技球を利用するので、円板部材1300に磁石を配設する必要がない。よって、その分、部品点数を削減して、組み立てコスト及び製品コストの削減を図ることができる。但し、対面側磁石1226と引き付け合う磁極の向きで円板部材1300に磁石を設けても良い。
対面側磁石1226は、複数(本実施形態では3個)が配設されると共に、それら複数の対面側磁石1226は、右排球口1222Rに近いものほど、遊技球(即ち、右溝1223Rの底面)から対面壁部材1220の径方向に離間する離間量が小さくされる。よって、対面側磁石1226による磁力(遊技球を引き付ける力)による効果を、遊技球が右排球口1222Rへ近づくほど大きくできる。よって、後述するように、対面側磁石1226から遊技球へ磁力を作用させる効果を徐々に強くすることができるので、円板部材1300の回動速度をスムーズに低減させることができる。
次いで、図13を参照して、円板部材1300について説明する。図13(a)は、円板部材1300の上面図であり、図13(b)は、図13(a)の矢印XIIIb方向視における円板部材1300の正面図であり、図13(c)は、図13(b)の矢印XIIIc方向視における円板部材1300の底面図である。なお、図13(b)では、左受け部1310L及び右受け部1310Rを破線により模式的に図示する一方、押込板1320の図示を省略する。
図13に示すように、円板部材1300は、対面壁部材1220の入球口1221から入球された遊技球を左排球口1222L又は右排球口1222Rへ搬送するための部材であり(図9から図12参照)、所定の厚み(図13(a)及び図13(c)上下方向寸法)を有する軸方向視円形の円板状に形成される。
なお、以下においては、円板部材1300の軸方向一端側(図13(b)紙面手前側)の面を前面Fと称し、その前面Fの反対側の面を背面Bと称す。本実施形態では、円板部材1300は、前面Fが前面部材1200の前面板部材1210(図9(c)参照)に対面すると共に、背面Bが基板部材1100(図8参照)に対面する向きで、それら基板部材1100及び前面部材1200の間に内装される。
円板部材1300は、その外周面に凹設される左受け部1310L及び右受け部1310Rと、それら左受け部1310L及び右受け部1310Rの開口部分にそれぞれ架設される押込板1320と、前面部材1200の軸部1230(図9及び図10参照)により軸支される軸受部となるワンウェイクラッチ1330とを備える。
左受け部1310L及び右受け部1310Rは、入球口1221に入球された遊技球を受けると共に、その受けた遊技球を収納し、左排球口1222L及び右排球口1222Rへそれぞれ排球するための正面視長方形の凹部であり、互いに180度位相を異ならせて配置される。
左受け部1310L及び右受け部1310Rは、傾斜底面1311と、その傾斜底面1311に連なる傾斜側面1312とを備える。傾斜底面1311は、凹部の底面を形成する平坦面であり、この傾斜底面1311の一端側(傾斜側面1312と反対側)に入球口1221から遊技球が落下される。
傾斜底面1311は、円板部材1300の回転方向前方側(傾斜側面1312側)へ向けて下降傾斜される。即ち、左受け部1310L及び右受け部1310Rは、円板部材1300の外周面からの凹設深さが傾斜側面1312側ほど深く(円板部材1300の軸心から傾斜底面1311までの距離が、傾斜側面1312側ほど短く)される。よって、入球口1221から傾斜底面1311へ落下した遊技球は、その傾斜底面1311上を傾斜側面1312へ向けて転動される(図14参照)。その結果、後述するように、遊技球の重さによって円板部材1300全体としての重心位置が軸心から偏心され、円板部材1300が回動される(図14及び図15参照)。
傾斜側面1312は、凹部の側面を形成する平坦面であり、凹部に収納された遊技球は、傾斜側面1312上を左溝1223L又は右溝1223Rへ向けて転動される(図15(a)参照)。傾斜側面1312は、傾斜底面1311との間に90度以上の角度を有しつつ、傾斜底面1311の下降傾斜端となる他端側(円板部材1300の回動方向前方側)から立設される。
ここで、左受け部1310L及び右受け部1310Rは、傾斜底面1311の一端側(傾斜側面1312と反対側となる上昇傾斜端)が共に円板部材1300の厚み方向(図13(a)及び図13(c)方向)中央に位置する一方、左受け部1310Lは、傾斜側面1312が円板部材1300の前面F側に位置し、右受け部1310Rは、傾斜側面1312が円板部材1300の背面B側に位置する。
即ち、傾斜底面1311の一端側(傾斜側面1312と反対側となる上昇傾斜端)は、左受け部1310L及び右受け部1310Rの両者において、円板部材1300が回動される際に、入球口1221に対応する位置(対面する位置)を通過可能に形成される。よって、入球口1221から落下された遊技球を受け凹部に収容することができる。
一方、左受け部1310Lの傾斜側面1312は、回動部材1300が回動される際に、左溝1223L及び左排球口1222Lに対応する位置(対面する位置)を、右受け部1310Rの傾斜側面1312は、回動部材1300が回動される際に、右溝1223R及び右排球口1222Rに対応する位置(対面する位置)を、それぞれ通過可能に形成される。よって、収納される遊技球を左排球口1222L又は右排球口1222Rへ排球することができる。
左受け部1310L及び右受け部1310Rは、傾斜底面1211の一端側(傾斜側面1312と反対側となる上昇傾斜端)における凹設深さが最小となるところ、かかる一側における凹設深さの寸法は、遊技球の直径よりも少なくとも大きな深さ寸法とされる。これにより、入球口1221から遊技球を受ける初期段階において、傾斜底面1311で跳ね返った遊技球が対面壁部材1220の内周面へ衝突することを抑制して、円板部材1300の回動動作を円滑に進行させることができる。
一方、傾斜底面1211の一端側(傾斜側面1312と反対側となる上昇傾斜端)における凹設深さの寸法は、遊技球の直径の1.5倍よりも小さな深さ寸法とされる。これにより、入球口1221から2個以上の遊技球が連なって入球される場合でも、回転部材1300の回動動作に伴って、2個目以降の遊技球を入球口1221(案内傾斜部1224)へ押し戻すことができる。
押込板1320は、遊技球を、左溝1223L又は右溝1223Rへ押し当てると共に左排球口1222L又は右排球口1222Rへ押し込むための板状の部材であり(図15及び図16参照)、両端が締結ねじにより円板部材1300に締結固定される。なお、円板部材1300の外周面には、押込板1320の厚み寸法よりも深い収納溝が凹設され、その収納溝に押込板1320は収納された状態で締結固定される。よって、押込板1320及び締結ねじの頭部は、円板部材1300の外周面から突出されない。
ここで、押込板1320は、遊技球を排球口へ押し込む際に大きな反力を繰り返し受けるため、締結ねじが折損する恐れがある。この場合、押込板1320は、収納溝に収納されているので、押込板1320が遊技球を排球口へ押し込む際に受ける反力を、収納溝の側面に作用させる(収納溝の側面に押込板1320を支持させる)ことができ、その分、締結ねじが受ける荷重負担を軽減させることができる。よって、締結ねじの折損を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、押込板1320を締結ねじにより円板部材1300に締結固定するが、かかる締結ねじによる締結を省略しても良い。即ち、押込板1320は、収納溝に収納されると共に、その収納溝の開口は、対面壁部材1220の内周面により閉封されるので、円板部材1300の外周面と対面壁部材1220の内周面との間の隙間寸法を押込板1320の厚み寸法よりも小さな寸法に設定すれば、押込板1320を、遊技球を押込み可能かつ脱落不能に配設できる。よって、締結ねじを省略できる分、部品点数を削減すると共に組み立て工程を簡素化して、製造コストの削減を図ることができる。
ワンウェイクラッチ1330は、円板部材1300の回転方向を規制するための部品であり、図13(b)に示す円板部材1300の正面視(前面F視)において、図13(b)時計周り(右回転)の回動は許容する一方、その反対方向(図13(b)反時計周り(左回転))の回動は規制する。
即ち、円板部材1300は、左受け部1310L及び右受け部1310Rの底面1311が下降傾斜する方向への回動(即ち、遊技球の重さによって円板部材1300が回動すべき方向への回動)が許容されると共に、反対方向への回動が規制される。
ここで、例えば、入球口1221に入球した遊技球を左受け部1310L又は右受け部1310Rが受けた直後(傾斜底面1311に落下した遊技球の転動が開始される前、図14(a)参照)に、遊技者がガラスユニット16を叩くなどの外乱により振分装置1000に振動が入力されると、その振動の影響により、円板部材1300が本来回動すべき方向とは逆方向へ回動するおそれがある。これに対し、本実施形態では、円板部材1300がワンウェイクラッチ1330を介して軸支されているので、振動などの外乱の影響を受けた場合でも、本来回動すべき方向とは反対方向へ円板部材1300が回動することを回避できる。
次いで、図14から図18を参照して、振分装置1000による遊技球の振分動作について説明する。図14、図15及び図16は、左受け部1310Lで受けた遊技球を左排球口1222Lから排球する動作の遷移を図示する振分装置1000の部分断面模式図であり、図17及び図18は、右受け部1310Rで受けた遊技球を右排球口1222Rから排球する動作の遷移を図示する振分装置1000の部分断面模式図である。
図14(a)に示すように、遊技領域を流下する遊技球が入球口1221(図9及び図10参照)に入球され、その遊技球を左受け部1310Lが受ける場合には、遊技球が入球口1221から左受け部1310Lの底面1311の一端側(図14(a)左側)に落下される。
図14(b)に示すように、入球(落下)された遊技球は、左受け部1310Lの底面1311の下降傾斜によって、その底面1311上を他端側(傾斜側面1312側)へ向けて転動される。
その結果、遊技球の重さが円板部材1300に加わり、その遊技球の重さを含めた円板部材1300全体の重心位置が軸心に対して偏心されることで、円板部材1300が遊技球の転動する方向(即ち、図14(b)の時計回り方向)へ向けて回動される。このように、底面1311が下降傾斜され、その下降傾斜方向に沿って遊技球が転動されるので、その分、遊技球を含めた円板部材1300全体の重心位置の変化を大きくすることができる。よって、円板部材1300を確実に回動させることができると共にその回動動作を速やかに行わせることができる。
また、仮に、例えば、異物の噛み込みなどの抵抗により、遊技球が底面1311を傾斜側面1312へ向けて転動されている間に、円板部材1300の回動動作が開始されない場合でもあっても、その底面1311を転動する遊技球を傾斜側面1312に衝突させることができ、その遊技球の傾斜側面1312への衝突により、円板部材1300に衝撃力を与えることができる。よって、円板部材1300が回動動作を開始するためのきっかけ(例えば、衝撃力による異物の除去など)を付与することができる。特に、この衝撃力の作用方向は、円板部材1300が本来回動すべき方向に一致するため、円板部材1300が回動動作を開始するためのきっかけを効果的に付与できる。
ここで、遊技領域を流下する遊技球が、不安定な状態(例えば、落下方向が一定でなく、側壁に衝突を繰り返すような暴れた状態)で入球口1221へ入球し、その入球した遊技球が、例えば、押込板1320に衝突した後、傾斜側面1312と反対側の側面(図14(a)左側の側面)に衝突する場合には、その衝突の際の衝撃力により、左受け部1310Lに収納された遊技球の重さによって回動すべき本来の方向とは反対方向(図14(a)の反時計回り)へ円板部材1300の回動が開始されるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、円板部材1300が、ワンウェイクラッチ1330を介して軸部1230(図9及び図10参照)に軸支されるので、左受け部1310Lの底面1311が下降傾斜する方向(即ち、遊技球の重さによって回動すべき本来の方向)への回動のみを許容し、その反対方向(図14(a)の反時計回り)への回動を規制することができる。
傾斜側面1312の傾斜は、図14(b)に示す状態では、底面1311から離間するに従って上昇する傾斜(上昇傾斜)であるが、円板部材1300の回動が開始されると、その円板部材1300の回動に伴って、上昇傾斜の傾斜角が徐々に減少され、水平に達した後に、底面1311から離間するに従って下降する傾斜(下降傾斜)となる。そのため、左受け部1310に収納される遊技球は、傾斜側面1312上をその下降傾斜に沿って円板部材1300の外周面(対面壁部材1220の内周面)へ向けて転動される。
図15(a)に示すように、遊技球は、傾斜側面1312上をその下降傾斜に沿って転動されることで、対面壁部材1220の内周面に到達する。この場合、対面壁部材1220の内周面に凹設される左溝1223Lは、左受け部1310L(傾斜側面1312)の移動軌跡に沿って延設されるので、円板部材1300が回動する際には、左受け部1310に収納された遊技球の一部が左溝1223Lに受け入れられた状態を形成できる。
図15(a)、図15(b)及び図16(a)に示すように、円板部材1300の回動動作が更に進行されると、傾斜側面1312の下降傾斜の傾斜角が更に増加されることとなり、遊技球は自重および円板部材1300の回動に伴い作用する遠心力により、対面壁部材1220の内周面へ向けて移動される。その結果、円板部材1300は、左溝1223Lに遊技球の一部が受け入れられた状態を維持しつつ、回動される。
このように、円板部材1300が回動する際には、円板部材1300が対面壁部材1220(左溝1223L)に対し、遊技球を介して連結された状態を形成できる。よって、左溝1223Lを遊技球が転動または摺動する際の抵抗を利用して、円板部材1300に回動抵抗を作用させることができ、その結果、円板部材1300が回動方向へ過大な慣性力(回動速度)を有することを抑制できる。よって、その後、遊技球を左排球口1222Lへ排球する際には(図16(b)参照)、その排球を確実に行うことができる。
なお、左受け部1310Lの開口部分には、押込板1320が架設され、この押込板1320は、遊技球の一部が左溝1223に受け入れられた状態で、円板部材1300が回動動作される場合に、遊技球に対し円板部材1300の回動方向後方においてその遊技球に当接可能に形成される。よって、かかる押込板1320を介して、遊技球の転動抵抗または摺動抵抗を円板部材1300に伝達でき、その結果、円板部材1300に回動抵抗を付与することができる。
上述のように、左受け部1310Lに収納された遊技球の一部が左溝1223Lに受け入れられた状態(即ち、左受け部1310Lから突出された状態)を形成できれば、その受け入れ量(突出量)の分だけ、遊技球を左排球口1222Lに近づけた状態とし、かかる左排球口1222Lに入り込みやすい状態としておけるので、左排球口1222Lへの遊技球の排球(図16(b)参照)を確実に行うことができる。
なお、左溝1223Lは、左排球口1222Lへ向かうに従って凹設深さが大きく(深く)されるので、遊技球と左溝1223Lとの間の転動または摺動による抵抗を、その遊技球が左排球口1222Lに近づく(即ち、円板部材1300の回動が進行する)に従って、徐々に大きくすることができる。よって、円板部材1300の回動方向への慣性力(回動速度)を効率的に抑制することができる。
また、左受け部1310Lに収納された遊技球の一部が左溝1223Lに受け入れられる量(即ち、左受け部1310Lから遊技球が突出される量)を徐々に大きくできるので、円板部材1300の回動に伴って、径方向外方(即ち、左溝1223Lに受け入れられる方向)へ遊技球を移動させることができる。この径方向外方への移動により、左排球口1222Lへ入り込む方向への慣性力を遊技球に持たせることができるので、かかる遊技球を左排球口1222Lへ入り込みやすくでき、その結果、左排球口1222Lへの遊技球の排球(図16(b)参照)を確実に行うことができる。
ここで、遊技球が左溝1223Lを転動または摺動するのは、円板部材1300が所定角度だけ回動された後である(図12及び図15(a)参照)。これにより、入球口1221(図9及び図10参照)に入球した遊技球を左受け部1310Lが受けて円板部材1300が回動を開始する初期段階は(図14参照)、その円板部材1300の回動に勢いがないところ、遊技球と左溝1223Lとの間の転動または摺動による抵抗を発生させず、円板部材1300の回動を円滑かつ速やかに開始および進行させることができる。一方、円板部材1300の回動動作が進行する段階(図15(a)に示す中期および図15(b)から図16(b)に示す後期の段階)では、円板部材1300の慣性力が徐々に増加し、勢いが増すところ、遊技球と左溝1223Lとの間の転動または摺動による抵抗を利用して、円板部材1300の慣性力を効率的に抑制することができる。
図15(b)及び図16(a)に示すように、左溝1223Lの終端近傍には、対面側磁石1226が配設される。対面側磁石1226は、左溝1223Lの延設方向(即ち、左受け部1222Lに収納された遊技球が円板部材1300の回動に伴い移動する移動軌跡)に沿って配設されるので、円板部材1300の回動に伴い遊技球が左溝1223Lを転動または摺動する際には、その遊技球に対面側磁石1226の磁力(遊技球を引き付ける力)を作用させることができる。これにより、対面側磁石1226の磁力を、遊技球を介して、円板部材1300に回動抵抗(制動力)として作用させることができ、円板部材1300を減速させることができる。その結果、入球口1221に入球した遊技球の右受け部1310Rでの受け取り(図17(a)参照)及び左排球口1222Lへの遊技球の排球(図16(b)参照)を確実に行うことができる。
また、このように、対面側磁石1226を左溝1223Lの終端近傍に配設することで、磁力を利用した円板部材1300の制動(回動抵抗の付与)を効果的に行うことができる。即ち、上述したように、入球口1221に入球した遊技球を左受け部1310Lが受けて円板部材1300が回動を開始する初期段階は(図14参照)、その回動に勢いがないところ、その段階では磁力(遊技球を引き付ける力)を発生させず、円板部材1300の回動動作を円滑かつ速やかに開始および進行させることができる。一方、円板部材1300の回動動作が進行する段階(特に、図15(b)から図16(b)に示す後期の段階)では、円板部材1300の慣性力が最大に増加しており、勢いが増すところ、磁力(遊技球を引き付ける力)を利用して、円板部材1300の回動方向への慣性力(回動速度)を効果的に抑制できる。
この場合、対面側磁石1226は、左溝1223Lに沿って(即ち、円板部材1300の周方向に沿って)複数が配設されるので、円板部材1300が回動動作する際には、複数の対面側磁石1226の磁力をそれぞれ利用して、円板部材1300に回動抵抗を継続的に作用させることができる。即ち、円板部材1300に回動抵抗が急激に作用されると、急制動され、円板部材1300の回動動作が不安定となるため、入球口1221に入球した遊技球の右受け部1310Rによる受け取り(図17(a)参照)及び左排球口1222Lへの遊技球の排球(図16(b)参照)が阻害される。これに対し、本実施形態によれば、同じだけの磁力のエネルギーを、円板部材1300に回動抵抗として徐々に作用させることができる。よって、円板部材1300を円滑に減速させ、円板部材1300の回動動作を安定化させることができる。その結果、入球口1221に入球した遊技球の右受け部1310Rによる受け取り及び左排球口1222Lへの遊技球の排球を確実に行うことができる。
更に、複数の対面側磁石1226は、左排球口1222Lに近いものほど、左溝1223Lの底面から円板部材1300の径方向外方に離間する離間量が小さくされる、即ち、左排球口1222Lに近いものほど左溝1223Lを転動または摺動する遊技球に近い位置に配置されるので、対面側磁石1226による磁力(遊技球を引き付ける力)による効果を、遊技球が左排球口1222Lへ近づくほど大きくすることができる。即ち、円板部材1300に作用される回動抵抗を徐々に大きくして、円板部材1300を急制動させることなく円滑に減速させることができる。よって、上述した場合と同様に、円板部材1300の回動動作を安定化させることができ、その結果、入球口1221に入球した遊技球の右受け部1310Rによる受け取り及び左排球口1222Lへの遊技球の排球を確実に行うことができる。
図16(b)に示すように、円板部材1300の左受け部1310Lが、対面壁部材1220の左排球口1222Lに到達されると、左受け部1310Lに収納される遊技球が、左排球口1222Lへ入り込むと共にその左排球口1222Lを通過することで、左誘導通路1110L(図8参照)へ排球される。
上述したように、左受け部1310Lの開口部分に架設される押込板1320は、円板部材1300の回動方向後方から遊技球に当接可能に形成される。よって、遊技球が左排球口1222Lに排球される際には、押込板1320が遊技球に円板部材1300の回動方向後方から当接することで、その遊技球を左排球口1222Lへ押し込む(押し入れる)ことができる。
この場合、左排球口1222Lは、左溝1223Lの終端に対面する側(図16(b)左側)の開口縁部の位置が、左溝1223Lの底面よりも円板部材1300の外周面に近接して配設される。よって、図16(a)及び図16(b)に示すように、遊技球の一部が左溝1223Lに受け入れられつつ(即ち、左受け部1310Lから突出されつつ)、左受け部1310Lが左排球口1222Lに到達した場合には、その遊技球を左排球口1222Lの開口縁部(左溝1223Lの終端に対面する側、図16(b)左側)に当接させることができる。これにより、左排球口1222Lへ遊技球を確実に排球させることができるだけでなく、円板部材1300の回動を停止させることができる。その結果、入球口1221に入球した遊技球の右受け部1310Rによる受け取りを安定して行うことができる。
なお、左溝1223Lの対面壁部材1220の内周面からの凹設深さは、左排球口1222Lに連通される終端において最大の深さ寸法となるが、本実施の形態では、この最大の深さ寸法が、遊技球の直径の略1/4とされる。この最大の凹設深さは、遊技球の直径の1/4以上が好ましく、1/3以上とすることが更に好ましい。遊技球を左排球口1222Lの開口縁部に確実に当接させることができると共に、左受け部1310L内へ跳ね返ることを抑制できるからである。
更に、左排球口1222Lは、対面壁部材1220の内周面側(図16(b)上側)から外周面側(図16(b)下側)へ向かうに従って直径が大きくされるテーパ孔として形成される。即ち、左排球口1222Lは、左溝1223Lの終端に対面する側(図16(b)左側)の内周面が、円板部材1300の回動方向進行側へ向けて傾斜される。よって、円板部材1300の左受け部1310Lから排球される遊技球を、左排球口1222L内へスムーズに入り込ませると共に、その入り込んだ遊技球を滞らせることなく出口(図16(b)下側)まで通過させることができる。
なお、左排球口122Lは、円板部材1300の外周面(左受け部1310Lの開口)に対面して配設されると共に、垂直方向の最下方に配設される。よって、遊技球を左受け部1310Lから左排球口1222Lへ排球する場合には、円板部材1300の回動動作に伴う遠心力を利用して排球できると共に、遊技球を下方(遊技球に重力が作用する方向)へ向けて排球できる。即ち、排球の際には、遊技球の自重(重力)がその遊技球を左排球口1222Lへ入り込ませる方向へ作用するので、遊技球を噛み込ませ難くして、確実に排球することができる。
ここで、対面壁部材1220は、入球口1221に対して左排球口1222L及び右排球口1222Rが180度位相を異ならせた位置に配設されると共に(図9から図12参照)、円板部材1300は、左受け部1310Lに対して右受け部1310Rが180度位相を異ならせた位置に配設されるので(図13参照)、入球口1221に入球した遊技球を左受け部1310L又は右受け部1310Rの一方が受けるタイミングと、左受け部1310L又は右受け部1310Rの他方が左排球口1222L又は右排球口1222Rへ遊技球を排球するタイミングとを一致させることができる。
即ち、例えば、図16(b)に示すように、左受け部1310Lが左排球口1222Lと同じ位相に位置した状態では、図17(a)に示すように、右受け部1310Rが入球口1221(図9及び図10参照)と同じ位相に位置する状態となるので、左受け部1310L又は右受け部1310Rの一方で受けた遊技球を、左排球口1222L又は右排球口1222Rへ排球する際または排球した後に、左受け部1310L又は右受け部1310Rの他方により、次の遊技球を受けることができ、左受け部1310L又は右受け部1310Rの一方で受けた遊技球を左排球口1222L又は右排球口1222Rへ向けて運んでいる途中で(即ち、円板部材1300が回動されている状態で)、次の遊技球を受ける必要がない。よって、かかる次の遊技球を左受け部1310L又は右受け部1310Rの他方で確実に受けることができる。
上述したように、遊技球が左排球口1222Lの開口縁部に当接されることで、円板部材1300の回動が停止された状態では(図16(b)参照)、円板部材1300の右受け部1310Rが入球口1221(図9及び図10参照)に対面される(図17(a)参照)。よって、この場合、遊技領域を流下する遊技球が入球口1221に入球されると、その遊技球を右受け部1310Rが受ける。
図17(a)に示すように、入球口1221(図9及び図10参照)に入球された遊技球を左受け部1310Lが受けると、その遊技球は、入球口1221から右受け部1310Rの底面1311の一端側(図17(a)左側)に落下される。
図17(b)に示すように、入球(落下)された遊技球は、右受け部1310Rの底面1311の下降傾斜によって、その底面1311上を他端側(傾斜側面1312側)へ向けて転動される。
その結果、遊技球の重さが円板部材1300に加わり、その遊技球の重さを含めた円板部材1300全体の重心位置が軸心に対して偏心されることで、円板部材1300が遊技球の転動する方向(即ち、図17(b)の時計回り方向)へ向けて回動される。
ここで、左受け部1310Lの底面1311と右受け部1310Rの底面1311とが円板部材1300の周方向に沿って下降傾斜される傾斜方向は同一方向であるので、左受け部1310Lが受けた遊技球の重さにより円板部材1300が回動される際の回動方向と、右受け部1310Rが受けた遊技球の重さにより円板部材1300が回動される際の回動方向とを同一方向とできる。即ち、円板部材1300の回動方向を一方向に統一できる。よって、円板部材1300が遊技球を受ける受け部(左受け部1310L又は右受け部1310R)に応じて一方向および他方向に交互に回動する場合と比較して、遊技球を2つの位置(左排球口1222L及び右排球口1222R)へ振り分ける動作を安定して実行できる。
なお、図18(a)に示すように、遊技球が傾斜側面1312上をその下降傾斜に沿って転動され、対面壁部材1220の内周面(右溝1223R)に到達した以降の動作(作用・効果)は、上述した左受け部1310Lが遊技球を受けた場合と同様であるので(図14から図16参照)、その説明は省略する。
以上のように、振分装置1000によれば、遊技球を左排球口1222L及び右排球口1222Rへ交互に振り分けることができる。また、振り分ける動作を、遊技球の重さを利用して、機械的な構成により実行できるので、その動作のための動力を不要とできる。更に、振分装置1000は、円板状に形成される円板部材1300を利用する構造であるので、平面的な配置が可能である。よって、遊技盤13(ベース板60)とガラスユニット16との間というように(いずれも図1及び図2参照)、その間隔が比較的狭い領域においても、振分装置1000を配設することができる。
次いで、図19から図22を参照して、第2実施形態における振分装置2000について説明する。第1実施形態では、左排球口1222L又は右排球口1222Rの開口縁部へ遊技球が当接されることで、円板部材1300の回動が停止される場合を説明したが(図16(b)参照)、第2実施形態の円板部材1300は、制動部材2240により制動されることで、その回動が停止される。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図19は、第2実施形態における前面部材2200の断面図である。図19に示すように、第2実施形態における前面部材2200には、凹部空間である収納部2230が2ヶ所に凹設されると共に、それら各収納部2230の凹部空間に制動部材2240が動作可能にそれぞれ配設される。ここで、図20及び図21を参照して、収納部2230及び制動部材2240の詳細構成について説明する。
図20(a)は、前面部材2200の断面図であり、図20(b)は、図20(a)の矢印XXb方向視における前面部材2200の平面図である。図20に示すように、収納部2230は、動作用凹部2231と、その動作用凹部2231に連なる軸支用凹部2232とを備える。
動作用凹部2231は、制動部材2240の突出片2342及び対面片2243を動作可能(揺動可能)に収納するための凹部であり、左排球口1222L及び右排球口1222Rを挟んで左溝1223L及び右溝1223Rの反対側となる対面壁部材1220の内周面の2ヶ所にそれぞれ凹設される。動作用凹部2231は、一面側(図20(a)上側)が対面壁部材1220の内周面に開口されると共に、一端側(図20(a)右側)が左排球口1222L又は右排球口1222Rに連通される。
軸支用凹部2232は、制動部材2240の軸部2241を動作可能(回動可能)に収納(軸支)するための凹部であり、動作用凹部2231の互いに対向する側壁に、その動作用凹部2231よりも浅い凹設深さで凹設される。軸支用凹部2232は、一面側(図20(a)上側)が対面壁部材1220の内周面に開口される。
図21(a)は、制動部材2240の側面図であり、図21(b)は、図21(a)の矢印XXIb方向視における制動部材2240の上面図である。図21に示すように、制動部材2240は、円柱状の軸部2241と、その軸部2241の外周面から延設される突出片2242と、その突出片2242の延設方向とは反対側へ向けて軸部2241の外周面から延設される対面片2243と、その対面片2243の延設先端に配設される弾性部材2244とを備え、これらが樹脂材料から一体に形成される。
軸部2241は、収納部2230の軸支用凹部2232に回動可能に軸支される部位である。突出片2242は、動作用凹部2231の一端側の開口を介して左排球口1222L又は右排球口1222Rへ突出される部位であり、それら左排球口1222L又は右排球口1222Rを通過する遊技球により押し下げられる。
対面片2243は、その先端側を円板部材1300の外周面に当接させる部位であり、突出片2242が遊技球により押し下げられることで、軸部2241を中心として円板部材1300へ向けて押し上げられる。弾性部材2244は、ゴム状弾性体から構成され、対面片2243が押し上げられることで、円板部材1300の外周面に当接される。
突出片2242は、側面視円弧状に湾曲して形成される。この突出片2242の湾曲の向きは、軸部2241から離間するに従って下方(即ち、円板部材1300の外周面から離間する方向、図22(a)参照)へ下降傾斜される向きとされる。
対面片2243は、その全長寸法が突出片2242の全長寸法よりも大きく(長く)され、かつ、幅寸法(図21(b)上下方向寸法)が突出片2242の幅寸法よりも大きく(広く)される。即ち、対面片2243は、弾性部材2244を除いた重量であっても、突出片2242よりも重くされる。よって、制動部材2240の重心位置は、軸部2241よりも対面片2243側に位置する。
なお、対面片2243は、側面視くの字状に屈曲して形成され、その屈曲角度を大きくする方向へ弾性変形しやすくされる。即ち、対面片2243は、上述のように、その幅寸法が突出片2242の幅寸法よりも大きく(広く)される場合であっても、円板部材1300の外周面に近接する方向または離間する方向(図22(b)上下方向)への弾性変形性が確保される。
図22を参照して、制動部材2240による円板部材1300の制動動作について説明する。図22は、振分装置2000の部分断面図であり、図22(a)は遊技球により制動部材2240の突出片2242が押し下げられる前の状態が、図22(b)は遊技球により制動部材2240の突出片2242が押し下げられた後の状態が、それぞれ図示される。
なお、左排球口1222L側に配設される制動部材2240及びその制動部材2240を収納する収納部2230と、右排球口1222R側に配設される制動部材2240及びその制動部材2240を収納する収納部2230とは、それぞれ同一の構成であるので、ここでは、右排球口1222R側における構成のみを説明し、左排球口1222L側における構成についての説明は省略する。
図22(a)に示すように、制動部材2240は、非動作状態(初期状態)では、突出片2242が、右排球口1222Rの内部へ突出されると共に、対面片2243が、円板部材1300の外周面に対面して配設される。
図22(b)に示すように、円板部材1300の右受け部1310Rから排球された遊技球が、対面壁部材1220の右排球口1310Rを通過する際には、その遊技球によって制動部材2240の突出片2242を通過方向へ押し下げさせ、制動部材2240を、軸部2241を中心として回動させることで、対面片2243を押し上げさせる。これにより、押し上げられた対面片2243の延設先端を、弾性部材2244を介して、円板部材1300の外周面に当接させることができ、円板部材1300を停止させることができる。その結果、入球口1221(図9及び図10参照)に入球した遊技球の左受け部1310Lによる受け取り(図14(a)参照)を確実に行うことができる。
このように、制動部材2240は、右排球口1222Rを通過する遊技球を利用して動作され、その対面片2243を円板部材1300に当接させる動作を機械的な構成により実行できるので、かかる動作のための動力(アクチュエータ)や制御を不要とできる。また、遊技球の通過を検出するセンサも不要とできる。その結果、部品点数や制御コストを削減して、製品コストの削減を図ることができる。
ここで、遊技球が右排球口1222Rを通過した後も、制動部材2240の対面片2243(弾性部材2244)が円板部材1300の外周面に当接された状態が維持されると、円板部材1300のその後の回動動作が阻害される。よって、遊技球が通過した後は、制動部材2240を非動作状態(初期状態)へ速やかに復帰させる必要がある。一方で、この復帰動作に動力を使用したのでは、上述のように、制動動作を機械的に行うことで、制御やセンサを不要として、製品コストを削減する意義が没却される。
これに対し、本実施形態では、制動部材2240の重心位置が、上述したように、軸部2241に対して対面片2243側(図22(a)左側)に位置する。よって、遊技球の通過により突出片2242が押し下げられると共に対面片2243が押し上げられた場合(軸部2241を中心として制動部材2240が一方向(図22(b)時計回り)に回動された場合)には、制動部材2240の自重(重心位置の軸部2241からの偏心)を利用して、制動部材2240を他方向(図22(b)反時計回り)に回動させ、図22(a)に示す非動作状態(初期状態)に復帰させることができる。よって、復帰動作のための動力等を不要とできる。
突出片2242は、その延設先端側(図22(a)右側)ほど円板部材1300の外周面から離間する方向へ円弧状に湾曲して形成されるので、右排球口1222Rに排球された遊技球の通過が、かかる突出片2242により阻害されることを抑止し、かつ、その通過する遊技球に突出片2242をスムーズに押し下げさせることができる。
なお、対面片2243には、その延設先端(円板部材1300の外周面に当接する部分)に弾性部材2244が配設されるので、円板部材1300の外周面との間の摩擦力を確保して、円板部材1300を減速または停止させる作用を発揮させやすくできる。
このように、弾性部材2244を利用することで、製品コストの削減を図ることができる。即ち、例えば、円板部材1300の外周面に凹設した凹部へ、対面片2243から突出させた凸部を凹凸嵌合させることで、円板部材1300を停止させる構造も考えられるが、かかる構造と比較して、本実施形態では、円板部材1300及び制動部材2240に凹凸形状を形成する必要がないので、部品の形状を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
また、対面片2243は、円板部材1300の外周面に近接する方向または離間する方向へ弾性変形可能に形成されると共に、その延設先端に弾性部材2244が配設されるので、対面片2243の延設先端(弾性部材2244)を円板部材130の外周面に当接させる際には、円板部材1300や制動部材2240などの組み立て誤差や寸法公差を、対面片2243自体の弾性変形および弾性部材2244の弾性変形により吸収することができる。
同様に、突出片2242が右排球口1222Rを通過する遊技球により押し下げられる際には、その押し下げられる位置や遊技球の通過する向きのばらつきを、突出片2242の弾性変形だけでなく、対面片2243の弾性変形によっても吸収することができるので、遊技球が突出片2242に跳ね返されることを抑制して、確実に通過させることができる。
対面片2243が押し上げられ円板部材1300の外周面に当接される際には、両者の間の当接力(即ち、円板部材1300を減速または停止させるための制動力)を、突出片2242や弾性部材2244の弾性変形だけでなく、対面片の弾性変形も利用して、徐々に作用させることができるので、円板部材1300の回動動作が急激に変化されることを抑制できる。
振分装置2000の組み立ては、前面部材2200の収納部2230に制動部材2240を収納させる工程が加わる以外は、第1実施形態の場合と同様であり、前面部材2200の対面壁部材1220の開放側から円板部材1300を挿入すると共に、基板部材1100を締結固定することにより行われる。
即ち、収納部2230は、対面壁部材1220の内周面(円板部材1300の外周面に対面する面)に凹設され、かかる収納部2230の凹部空間の開口には、円板部材1300の外周面が対面される。よって、収納部2230の凹部空間の開口を、円板部材1300の外周面により塞ぐことができ、収納部2230に収納される制動部材2240を、収納部2230の凹部空間と円板部材1300の外周面との間に動作可能に保持することができる。その結果、制動部材2240を保持する部材(脱落を防止する部材)を円板部材1300に兼用させることができ、かかる保持のための部材を別途設けることを不要とできるので、その分、部品コストの削減を図ることができる。
次いで、図23から図29を参照して、第3実施形態における振分装置3000について説明する。第1実施形態では、円板部材1300の一方向への回動により、遊技球を振り分ける振分装置3000について説明したが、第3実施形態の振分装置3000は、一方向および他方向へ交互に回動することで、遊技球を振り分ける。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図23は、第3実施形態における振分装置3000の部分拡大正面透視図であり、図23(a)は、入球した遊技球を第1始動口63aへ振り分ける動作が、図23(b)は、入球した遊技球を第2始動口63bへ振り分ける動作が、それぞれ模式的に図示される。
図23を参照して、振分装置3000による遊技球の振り分け動作の概略について説明する。振分装置3000には、内部に支持板部材3300が配設される。支持板部材3300は、図23(a)に実線で示す第1角度位置または図23(b)に実線で示す第2角度位置の間で回動可能に軸支されており、振分装置3000内に入球された遊技球を、中央板3330と左受け板3340Lとの間または中央板3330と右受け板3340Rとの間で受ける。
図23(a)に破線で示すように、第2角度位置にある支持板部材3300は、入球された遊技球を中央板3330と左受け板3340Lとの間で受ける。この場合、支持板部材3300は、図23(a)に実線で示すように、遊技球の重さにより、図23(a)反時計回りに回動され、第1角度位置に配置されると共に、遊技球を第1始動口63aへ振り分ける。
一方、図23(b)に破線で示すように、第1角度位置にある支持板部材3300は、入球された遊技球を中央板3330と右受け板3340Rとの間で受ける。この場合、支持板部材3300は、図23(b)に実線で示すように、遊技球の重さにより、図23(b)時計回りに回動され、第2角度位置に配置されると共に、遊技球を第2始動口63bへ振り分ける。
このように、支持板部材3300は、受けた遊技球の重さにより回動され、第1角度位置または第2角度位置に交互に配置されると共に、遊技球を第1始動口63aと第2始動口63bとに均等に振り分けて入賞させる。
ここで、支持板部材3300には、重り部材3400が配設され、中央板3330が真上を向いた姿勢で停止しないようにされている。即ち、図23(a)に破線で示す第2角度位置で遊技球を受けた支持板部材3300が、反時計回りに回動され、遊技球を第1始動口63aへ誘導すると共に、図23(a)に実線で示す第1角度位置に配置されると、重り部材3400が下降傾斜側(左受け板3340L側)に配置され、支持板部材3300を第1角度位置に維持する。よって、支持板部材3300は、次に入球される遊技球を、図23(a)に実線で(図23(b)に破線で)示す第1角度位置で受けるため、その遊技球を第2始動口63bへ誘導する。
一方、図23(b)に破線で示す第1角度位置で遊技球を受けた支持板部材3300が、時計回りに回動され、遊技球を第2始動口63bへ誘導すると共に、図23(b)に実線で示す第2角度位置に配置されると、重り部材3400が下降傾斜側(右受け板3340R側)に配置され、支持板部材3300を第2角度位置に維持する。よって、支持板部材3300は、次に入球される遊技球を、図23(b)に実線で(図23(a)に破線で)示す第2角度位置で受けるため、その遊技球を第1始動口63aへ誘導する。
このように、支持板部材3300は、振分装置3000に入球する遊技球を第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に誘導することができる。
次いで、図24から図29を参照して、振分装置3000の詳細構成について説明する。まず、図24(a)及び図24(b)を参照して、振分装置3000の全体構成について説明する。
図24(a)は、振分装置3000の正面図であり、図24(b)は、振分装置3000の側面図である。図24(a)及び図24(b)に示すように、振分装置3000は、基板部材3100(図25参照)と、その基板部材3100の前面側(図24紙面手前側)に配設される前面部材3200(図26参照)と、それら基板部材3100及び前面部材3200の対向間(内部空間)に回動可能に配設される支持板部材3300(図27参照)と、その支持板部材3300に装着される重り部材3400(図28参照)とを備え、入球した遊技球を第1位置と第2位置との2位置(本実施形態では第1始動口63a及び第2始動口63b)へ交互に振り分ける(図23参照)。
次いで、図25から図28を参照して、基板部材3100、前面部材3200、支持板部材3300及び重り部材3400の詳細構成について、順に説明する。図25(a)は、基板部材3100の正面図であり、図25(b)は、図25(a)の矢印XXVb方向視における基板部材3100の側面図である。なお、図25(a)では、基板部材3100に対する前面部材3200の配設位置の関係を示すために、前面部材3200が二点鎖線を用いて模式的に図示される。
図25(a)及び図25(b)に示すように、基板部材3100は、正面視横長の板状に形成され、その板状体の隅部4ヶ所には、挿通孔1100aが穿設される。これら各挿通孔1100aに挿通された締結ねじにより、基板部材3100が、遊技盤13のベース板60(図2参照)に締結固定される。
基板部材3100の略中央部4ヶ所には、挿通孔1100bが穿設される。これら挿通孔1100bには、基板部材3100の背面側(図25(a)紙面奥側)から締結ねじが挿通され、その締結ねじにより、基板部材3100の前面側(図25(a)紙面手前側)に前面部材3200が締結固定される。
基板部材3100の中央上方には、支持板部材3300を回動可能に支持するための軸孔3130が穿設されると共に、基板部材3100の中央下方には、遊技球の出口となる開口である左連通孔3120L及び右連通孔3120Rが穿設される。軸孔3130には、支持板部材3300の回動軸3320(図27参照)が挿通される。
左連通孔3120L及び右連通孔3120Rは、支持板部材3300から排球される遊技球を第1始動口63a及び第2始動口63b(図23参照)へ入賞させるための開口であり、基板部材3100に前面部材3200が締結固定された組み立て状態では、前面部材3200の壁部材3220a,3220b,3220cにより形成される誘導通路(図26参照)の下流端に配置される。
次いで、図26を参照して、前面部材3200の全体構成について説明する。図26(a)は、前面部材3200の背面図であり、図26(b)は、図26(a)の矢印XXVIb方向視における前面部材3200の側面図である。
図26に示すように、前面部材3200は、板状の前面板部材1210と、その前面板1210の背面側(図26(a)紙面手前側)に立設される壁部材3220a,3220b,3220cとを備え、これらが樹脂材料から一体に形成される。
前面板部材1210の中央上方には、支持板部材3300を回動可能に支持するための軸孔3230が穿設される。この軸孔3230には、支持板部材3300の回動軸3320(図27参照)が挿通される。壁部材3220a,3220b,3220cは、支持板部材3300(図27参照)の周囲を囲うと共に、その支持板部材3300により振り分けられる遊技球の誘導通路を形成するための部材である。
壁部材3220a,3220b,3220cは、それらにより囲まれる内部空間の正面側(図26(a)紙面奥側)の開口が前面板部材1210により閉封され、背面側(図26(a)紙面手前側)の開口が開放して形成される。この開放された開口は、基板部材3100により閉封される(図24及び図25参照)。
即ち、振分装置3000の組み立ては、前面部材3200の壁部材3220a,3220b,3220cにより囲まれる内部空間の背面側の開口から支持板部材3300を内装し、支持板部材3300の回動軸3320を、軸孔3130,3230にそれぞれ挿通させつつ、基板部材3100を締結固定する。これにより、支持板部材3300を振分装置3000の内部に回転可能かつ脱落不能に内装することができる。よって、組み立て工程して、製造コストの削減を図ることができる。
壁部材3220aは、背面視逆U字状に形成され、壁部材3220bは、壁部材3220aの内方側において、上下に延設される背面視直線状に形成される。即ち、壁部材3220bは、壁部材3220aの上下方向(図26(a)上下方向)に延設される背面視直線状の部分に対し、1個の遊技球が通過可能な間隔を隔てつつ対向して配設される。
壁部材3220bの背面視直線状の部分の上端は、それぞれ内方へ向けて(互いに近接する方向へ向けて)屈曲される。この屈曲され左右方向(図26(a)左右方向)に延設される直線状の部分は、支持板部材3300の左受け板3340L又は右受け板3340Rに当接して、支持板部材3300の回動角を規制する部位として機能する。
壁部材3220cは、壁部材3220a,3220bの上下方向に延設される背面視直線状の部分の下端同士を接続して形成される。これにより、遊技球が通過する誘導通路が区画され、誘導通路の終端が形成される。
壁部材3220aには、入球口1221(図9及び図10参照)と、案内傾斜部1224と、被締結孔1225とが形成される。これらは、第1実施形態における各部位1221,1224,1225と同一の構成であるので、その説明は省略する。
次いで、図27を参照して、支持板部材3300の全体構成について説明する。図27(a)は、支持板部材3300の正面図であり、図27(b)は、図27(a)の矢印XXVIIb方向視における支持板部材3300の側面図であり、図27(c)は、図27(a)の矢印XXVIIc方向視における支持板部材3300の底面図である。
図27(a)から図27(c)に示すように、支持板部材3300は、円筒状の中央円筒部3310と、その中央円筒部3310の両端面から突出される軸状の回動軸3320と、中央円筒部3310の外周面から上方(図27(a)上側)へ向けて延設される中央板3330と、中央円筒部3310の外周面から左右(図27(a)左側および右側)へ向けて延設される左受け板3340L及び右受け板3340Rと、それら左受け板3340L及び右受け板3340Rの底面側(図27(a)下側)に配設される案内部3350とを備え、これらが樹脂材料から一体に形成される。但し、回動軸3320は、金属材料から形成され、中央円筒部3310に内嵌される。
中央円筒部3310の外径寸法は、軸孔3130,3230の内径よりも大きくされると共に、中央円筒部3310の軸方向(図27(b)左右方向)の長さ寸法は、振分装置3000の組み立て状態における基板部材3100の前面と前面部材3200の前面板部材1220の背面との対向間隔と同等か若干小さな寸法に設定される。よって、回動軸3320が軸孔3130,3230に挿通された振分装置3000の組み立て状態では、支持板部材3300が脱落不能かつ回動可能な状態で基板部材3100及び前面部材3200の対向間に内装される。
中央板3330、左受け板3340L及び右受け板3340Rは、平板状に形成される部位であり、中央板3330に対して、左受け板3340L及び右受け板3340Rが垂直に延設される。中央板3330と左受け板3340との間の空間、又は、中央板3330と右受け板3340との間の空間が、振分装置3000内に入球した遊技球を受ける部位となる。
案内部3350は、支持板部材3300の傾斜状態に応じて、重り部材3400を案内するための部位であり、断面円形の棒状に形成される。詳細には、左受け板3340L及び右受け板3340Rの延設方向と平行に左右方向(図27(a)左右方向)に延設される直線状の部分と、その直線状の部分の両端を、左受け板3340L及び右受け板3340Rの底面に接続する部分とから形成される。重り部材3400は、案内部3350の左右方向に延設される直線状の部分を摺動することで、支持板部材3300の下降傾斜側へ移動される(図29参照)。
案内部3350の左右方向に延設される直線状の部分は、その延設方向に垂直な断面形状が円形に形成される。よって、重り部材3400と案内部3350との間の接触面積を小さくして、摺動抵抗を抑えることができる。よって、重り部材3340を途中で止まらせることなく、案内部3350の下降傾斜に沿って重り部材3400を確実に移動させることができると共に、その重り部材3400の移動(重心位置の変化)を迅速に行うことができる。その結果、重り部材3400の移動に伴う重心位置の変化を利用して、支持板部材3300を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に確実に維持することができる(図29(a)又は図29(d)参照)。
次いで、図28を参照して、重り部材3400の全体構成について説明する。図28(a)は、重り部材3400の正面図であり、図28(b)は、図28(a)の矢印XXVIIIb方向視における重り部材3400の側面図である。
図28(a)及び図28(b)に示すように、重り部材3400は、支持板部材3300の案内部3350に装着され、重りとして機能する部材であり、金属材料からなる有端の素材(例えば、ピアノ線)を巻回することで環状に形成される。よって、重り部材3400を弾性変形させることで、その一部に開口を形成することができるので、その開口を介して、案内部材3350を重り部材3400の内周側に挿通させることができる。よって、その装着作業を容易として、組み立て工数の削減を図ることができる。
なお、重り部材3400は、有端の素材を巻回して形成されるところ、その端部同士が正面視において重ね合わされている。即ち、有端の素材は周方向に沿って180度以上の長さを有する。このように、重り部材3400を、その端部同士が重ね合わせて形成することで、金属材料にへたりが生じ、重り部材3400が大径化した場合でも、かかる重り部材3400が案内部3350から脱落されることを抑制できる。
また、重り部材3400の素材は、その素材の長手方向に垂直な断面形状が円形に形成される。よって、重り部材3400と案内部3350との間の接触面積を小さくして、摺動抵抗を抑えることができるので、上述したように、重り部材3400を確実かつ迅速に移動させることができる。
次いで、図29を参照して、振分装置3000による遊技球の振分動作および重り部材3400の作用について説明する。図29(a)から図29(d)は、入球された遊技球を受けると共にその遊技球を排球する支持板部材3300の動作の遷移を図示する支持板部材3300の正面図である。
図29(a)に示すように、第1角度位置では、支持板部材3300は、左受け板3340L側が下方に位置し、中央板3330及び右受け板3340Rにより遊技球を受ける姿勢とされる。なお、第1角度位置では、左受け板3340Lが前面部材33200の壁部材3220bの上端に当接され、回動軸3320を回動中心とする支持板部材3300の正面視反時計回り(図29(b)左回り)の回動が規制された状態となる(図23(a)及び図23(b)参照)。
図29(b)及び図29(c)に示すように、第1角度位置にある支持板部材3300が中央板3330及び右受け板3340Rにより遊技球を受けると、その遊技球の重さにより、支持板部材3300が回動軸3320を回動中心として正面視時計回り(図29(b)右回転方向)に回動される。
図29(d)に示すように、支持板部材3300が第2角度位置まで回動されると、中央板3330及び右受け板3340Rで受けた遊技球が、第2始動口63b(図23(b)参照)へ排球されると共に、支持板部材3300が、中央板3330及び左受け板3340Lにより遊技球を受ける姿勢とされる。なお、第2角度位置では、右受け板3340Rが前面部材33200の壁部材3220bの上端に当接され、回動軸3320を回動中心とする支持板部材3300の正面視時計回り(図29(d)右回り)の回動が規制された状態となる(図23(a)及び図23(b)参照)。
図29(d)に示す第2角度位置に支持板部材3300が配置された状態で、次の遊技球が入球されると、その遊技球を、中央板3330及び左受け板3340Lにより受ける戸共に、上述とは反対側へ支持板部材3300が回動されることで、第2始動口63a(図23(a)参照)へ遊技球が排球される。
このように、例えば、支持板部材3300が第1角度位置に配置されると、遊技球を中央板3330及び右受け板3340Rで受けると共に(図29(a)及び図29(b))、その遊技球の重さを利用して、第1角度位置から第2角度位置へ回動動作されることで(図29(c)及び図29(d))、遊技球を第2始動口63bへ排球する。同時に、次の遊技球を中央板3330及び左受け板3340Lで受ける姿勢(第2角度位置)に支持板部材3300が配置される。これにより、遊技球を第1位置および第2位置(本実施形態では第1始動口63a及び第2始動口63b)に交互に振り分けることができる。
しかしながら、中央板3330、左受け板3340L及び右受け板3340Rが遊技球を受ける位置、遊技球の落下方向、或いは、左受け板3340L及び右受け板3340Rから遊技球が排球される方向などには、その都度ばらつきがあり、そのばらつきの状態や、振分装置3000に外部から入力される振動などの外乱が支持板部材3300に伝達されるタイミングによっては、例えば、図29(a)に示す第1角度位置で遊技球を受け、図29(d)に示す第2角度位置へ支持板部材3300が回動され遊技球を排球した後に、図29(d)に示す第2角度位置に維持されるべき支持板部材3300が、図29(a)に示す第1角度位置に逆戻りすることがある。この場合には、次の遊技球を、先の遊技球と同様に、中央板3330及び右受け板3340Rで受けることとなり、図29(a)から図29(d)の動作が繰り返されることで、遊技球が第2始動口63bへ連続して排球される。そのため、遊技球を第1位置および第2位置(本実施形態では第2始動口63a及び第2始動口63b)へ交互に振り分けることができない。
これに対し、振分装置3000によれば、案内部3350と、その案内部3350により案内されて移動する重り部材3400とを備え、例えば、図29(d)に示す第2角度位置では、重り部材3400が下降傾斜側(右受け板3340R側)へ移動されるので、その重り部材3400の移動に伴う重心位置の変化を利用して、支持板部材3300を本来あるべき姿勢(図29(d)の第2角度位置)に維持することができる。
具体的には、図29(a)に示すように、第1角度位置では、重り部材3400が案内部3350の下降傾斜端(左受け板3340L側)に位置されることで、かかる左受け板3340L側を重くして、支持板部材3300を第1角度位置に維持する。
図29(b)及び図29(c)に示すように、支持板部材3300が中央板3330及び右受け板3340Rにより遊技球を受け、その遊技球の重さにより、支持板部材3300が回動軸3320を回動中心として正面視時計回り(図29(b)右回転方向)に回動されると、案内部3350も同じ方向へ回動され、案内部3350が右受け板3340R側へ下降傾斜されることで、重り部材3400が案内部3350の下降傾斜に沿って移動される。
図29(d)に示すように、支持板部材3300が第2角度位置まで回動されると、重り部材3400は、案内部3350の下降傾斜端に到達される。その結果、重り部材3400の移動分だけ、全体としての重心位置を右受け板3340R側に変化させる(下方に位置する右受け板3340R側をより重くする)ことができる。よって、図29(d)に示す第2角度位置では、支持板部材3300が正面視反時計回り(図29(d)左回り)に回動され難くして、図29(a)に示す第1角度位置に逆戻りすることを抑制できるので、かかる支持板部材3300を第2角度位置に維持できる。
本実施形態では、支持板部材3300が樹脂材料から構成される一方、重り部材3400が金属材料から構成されるので、重り部材3400の移動に伴う重心位置の変化を顕著とすることができる。その結果、支持板部材3300を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持する効果を確実に発揮できる。
次いで、図30を参照して、第4実施形態における支持板部材4300について説明する。第3実施形態では、案内部3350の重り部材3400を案内する部分が直線状に形成される場合を説明したが、第4実施形態の案内部4350は、正面視円弧状に湾曲して形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図30(a)は、第4実施形態における支持板部材4300の正面図であり、図30(b)は、第2角度位置に配置された支持板部材4300の正面図である。なお、図30(b)では、比較のために、第3実施形態における案内部3350が破線を用いて重ねて図示される。
図30(a)に示すように、第4実施形態における案内部4350は、回動軸3320と同心となる正面視円弧状に湾曲して形成され、左受け板3340L及び右受け板3340Rの底面に配設される。なお、案内部4350の断面形状は、第3実施形態における案内部3350と同様に、断面円形とされる。
図30(b)に示すように、第4実施形態における支持板部材4300によれば、支持板部材4300が回動軸320を回動中心として回動された状態では、上昇傾斜側の勾配を大とすることができる。即ち、第3実施形態における案内部3350では、上昇傾斜側の位置P1における重り部材3400(図28参照)の案内方向(即ち、重力(自重)によって摺動移動される重り部材3400が案内部3350によって案内される下降傾斜方向)が、案内部3350の直線状の部分の延設方向となる。
これに対し、第4実施形態における案内部4350では、上昇傾斜側の位置P2における重り部材3400の案内方向が、案内部4350の接線方向となるため、その下降傾斜の角度をより大きくする(より下方へ向ける)ことができる。よって、支持板部材4300の回動動作に伴って案内部4350の上昇傾斜側(位置P2)に位置することとなった重り部材3400の移動を、第3実施形態の案内部3350と比較して、より確実かつ速やかに行わせることができる。
特に、棒状の案内部3350,4350を環状の重り部材3400(図28参照)が摺動する構成では、摩擦抵抗が大きいため、上昇傾斜側(位置P1,P2)に位置することとなった重り部材3400の移動が開始されないおそれがあり(即ち、静摩擦係数は動摩擦係数より大きい)、このような構成に対して、案内部4350を正面視円弧状に湾曲させる構成が特に有効となる。
次いで、図31を参照して、第5実施形態における支持板部材5300について説明する。第3実施形態では、案内部3350の重り部材3400を案内する部分が、始端から終端まで直線状に形成される場合を説明したが、第5実施形態の案内部5350には、重り部材3400を案内する部分の一部に窪み(窪み部5350a)が形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図31(a)は、第5実施形態における支持板部材5300の正面図であり、図31(b)は、第2角度位置に配置された支持板部材5300の正面図である。なお、図31(b)では、案内部5350に重り部材3400が装着された状態の支持板部材5300が図示される。
図31(a)に示すように、第5実施形態における案内部5350には、左受け板3340L及び右受け板3340Rの延設方向と平行に左右方向(図31(a)左右方向)に延設される直線状の部分の両端(図31(a)左側および右側)に、下方へ向けて窪む窪み部5350aが形成される。
窪み部5350aは、一端側または他端側(図31(a)左側および右側)へ直線状に下降傾斜して形成される。なお、案内部5350の断面形状は、窪み部5350aを含む全体が同じ断面形状に設定されると共に、第3実施形態における案内部3350と同様に、断面円形とされる。
図31(b)に示すように、案内部5350の両端に窪み部5350aが形成されるので、支持板部材5300が回動軸3320を回動中心として回動されることに伴って、案内部5350が下降傾斜されると共に、その案内部5350の下降傾斜に沿って重り部材3400が一端側(図31(b)では右側)へ向けて移動する際には、その重り部材3400を窪み部5350aに嵌り込ませることができる。これにより、重り部材3400が上昇傾斜側(図31(b)左側)へ跳ね返ることを抑制できる。
即ち、第3実施形態における案内部3350のように(図29参照)、重り部材3400を案内する部分の全体が、始端から終端まで直線状に形成されると、案内部3350の下降傾斜に沿って重り部材3400が終端まで勢い良く摺動され、終端(図29(d)右端)で逆方向へ跳ね返されると、その跳ね返された重り部材3400の移動を阻害するものが存在しないため、かかる重り部材3400が始端(図29(d)左端)まで跳ね返される恐れがある。その場合には、その重り部材3400の移動に伴って、支持板部材3300が反対方向へ回動してしまい、本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持することができない。
これに対し、第5実施形態における案内部5350では、案内部5350の終端(図31(b)では右端)に窪み部5350aが形成されるので、案内部5350の下降傾斜に沿って重り部材3400が終端まで勢い良く摺動されたとしても、その重り部材3400は、窪み部5350aに嵌り込まれつつ、終端(図31(b)右端)に衝突されるため、終端で逆方向へ跳ね返されたとしても、窪み部5350aの上昇傾斜により重り部材3400の跳ね返り方向への移動を阻害することができる。これにより、重り部材3400が始端(図31(b)左端)まで跳ね返されることを抑制でき、支持板部材5300を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に確実に維持できる。
次いで、図32及び図33を参照して、第6実施形態および第7実施形態における重り部材6400,7400について説明する。第3実施形態では、断面円形の線条体の素材から重り部材3400が形成される場合を説明したが、第6実施形態および第7実施形態の重り部材6400,7400は、板状の素材から形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図32(a)は、第6実施形態における重り部材6400の斜視図であり、図32(b)は、変形状態における重り部材6400の斜視図である。図32(a)に示すように、第6実施形態における重り部材6400は、金属材料から構成され、その周方向の一部に、径方向に延設されるスリットが形成された円環平板状の部材である。この重り部材6400によれば、素材が軸方向に厚みを有するので、図32(b)に示すように、スリットを挟んだ両端を軸方向に互いにずらすことで、弾性変形させ、案内部3530を容易に挿通させることができる。
図33(a)は、第7実施形態における重り部材7400の斜視図であり、図33(b)は、変形状態における重り部材7400の斜視図である。図33(a)に示すように、第7実施形態における重り部材7400は、金属材料から構成され、その周方向の一部に、軸方向へ延設されるスリットが形成された円筒状の部材である。この重り部材7400によれば、素材が径方向に厚みを有するので、図33(b)に示すように、スリットを挟んだ両端を径方向に互いにずらすことで、弾性変形させ、案内部3530を容易に挿通させることができる。
第6実施形態および第7実施形態における重り部材6400,7400によれば、例えば、平板状の素材からプレス加工によりスリットも含めた形状を打ち抜くことで、重り部材6400を一工程で形成できると共に、平板状の素材をロール加工によりロールさせ、比較的長いロール状体を作成し、そのロール状体を所定長さ毎に切断することで、複数の重り部材7400を形成できるので、これら重り部材7400の製造効率を高めることができ、その分、製品コストを削減できる。このように、重り部材6400,7400は製造が容易である一方で、平板状の素材からなるため、その重りとしての重量を確保しやすい。これにより、支持板部材3300等に重りとして適用することで、その持板部材3300等を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に確実に維持できる。
次いで、図34から図36を参照して、第8実施形態における支持板部材8300について説明する。第3実施形態では、環状の重り部材3400に案内部3350が挿通され、その案内部3350に沿って重り部材3400が摺動される場合を説明したが、第8実施形態の重り部材8400は、案内部に沿って転動される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図34(a)は、第8実施形態における支持板部材8300の正面図であり、図34(b)は、図34(a)の矢印XXXIVb方向視における支持板部材8300の側面図であり、図34(c)は、図34(a)の矢印XXXIVc方向視における支持板部材8300の底面図である。また、図35(a)は、図34(b)のXXXVa−XXXVa線における支持板部材8300の断面図であり、図35(b)は、図34(a)のXXXVb−XXXVb線における支持板部材8300の断面図である。
図34及び図35に示すように、第8実施形態における支持板部材8300は、左受け板3340L及び右受け板3340Rの底面側に、重り部材8400を収納する箱体8350と、その箱体8350の開口に取着される蓋体8360とが配設され、これら箱体8350及び蓋体8360により形成される通路に沿って重り部材8400が転動される(図36参照)。
箱体8350は、一面側(図34(a)紙面手前側)が開口された箱状体であり、天井面が中央円筒部3310、左受け板3340L及び右受け板3340Rにより形成されると共に、底面が左受け板3340L及び右受け板3340Rの延設方向(図35(a)左右方向)と平行に形成される。箱体8350の互いに対向する側壁(図35(a)左側および右側の側壁)は、その側壁の一部が断面半円状に外方へ向けて膨出されており、その膨出部分(肉厚部分)に被締結孔8351がそれぞれ形成される。
蓋体8360は、正面視長方形の板状体であり、その長手方向(図34(a)左右方向)両端に締結ねじ8370を挿通するための挿通孔が穿設される。その挿通孔に挿通させた締結ねじ8370を、箱体8350の被締結孔8351に締結することで、蓋体8360が箱体8350に締結固定され、その箱体8350の一面側(図34(a)紙面手前側)の開口が蓋体8360により閉封される。
重り部材8400は、金属材料から円柱状に形成され、その軸心が回動軸3320と平行となる姿勢で、箱体8350及び蓋体8360により形成される通路内に収納される。なお、重り部材8400の軸方向長さは、箱体8350の側壁と蓋体8360との間の対向間隔(図35(b)左右方向間隔)よりも若干小さくされる。これにより、重り部材8400の重量を確保することができると共に、重り部材8400が通路内で姿勢を乱し、箱体8350の側壁と蓋体8360との間に噛み込まれることを抑制できる。
次いで、図36を参照して、重り部材8400の作用について説明する。図36(a)から図36(d)は、入球された遊技球を受けると共にその遊技球を排球する支持板部材8300の動作の遷移を図示する支持板部材8300の正面図である。なお、遊技球の振り分け動作については、第3実施形態の場合(図29参照)と同様であるので、その説明は省略する。
図36(a)に示すように、第1角度位置では、重り部材8400が、箱体8350及び蓋体8360により形成される通路(以下「通路」と称す)の下降傾斜端(左受け板3340L側)に位置されることで、かかる左受け板3340L側を重くして、支持板部材8300を第1角度位置に維持する。
図36(b)及び図36(c)に示すように、支持板部材8300が中央板3330及び右受け板3340Rにより遊技球を受け、その遊技球の重さにより、支持板部材3300が回動軸3320を回動中心として正面視時計回り(図2369(b)右回転方向)に回動されると、通路も同じ方向へ回動され、かかる通路が右受け板3340R側へ下降傾斜されることで、重り部材8400が通路の下降傾斜に沿って転動される。
図36(d)に示すように、支持板部材8300が第2角度位置まで回動されると、重り部材8400は、通路の下降傾斜端(対向する側壁の一方)に到達される。その結果、重り部材8400の移動分だけ、全体としての重心位置を右受け板3340R側に変化させる(下方に位置する右受け板3340R側をより重くする)ことができる。よって、図36(d)に示す第2角度位置では、支持板部材8300が正面視反時計回り(図36(d)左回り)に回動され難くして、図36(a)に示す第1角度位置に逆戻りすることを抑制できるので、かかる支持板部材8300を第2角度位置に維持できる。
本実施形態では、左受け板3340L及び右受け板3340Rと平行な通路を形成し、
その通路を転動可能な円柱状体として重り部材8400が形成されるので、支持板部材8300の回動動作に伴って通路が下降傾斜された場合には、その通路の下降傾斜に沿って重り部材8400を確実かつ迅速に移動させることができる。
例えば、第3実施形態の場合のように、環状の重り部材3400が案内部3350を摺動により移動する構造では、摺動抵抗が大きいため、重り部材3400の移動が開始されないことや、案内部3350の下降傾斜に沿って移動する重り部材3400が途中で止まることがあり、また、その移動速度が遅いため、重り部材3400の移動(重心位置の変化)が間に合わないことがある。
これに対し、本実施形態では、重り部材8400が円柱状体として形成され、通路を転動する構造とされるので、通路の下降傾斜端まで重り部材8400を確実に移動させることができると共に、重り部材8400の移動(重心位置の変化)を迅速に行うことができる。その結果、重り部材8400の移動に伴う重心位置の変化を利用して、支持板部材8300を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に確実に維持することができる。
ここで、本実施形態では、箱体8350が樹脂材料から構成されるので、支持板部材8300の全体を一体に形成することができ、製造コストの削減を図ることができる。また、重り部材8400が金属材料から構成されることで、その重量を確保できるので、転動に伴う重心位置の変化を大きくできる。
一方で、支持板部材8300による遊技球の振り分け動作時には(図36参照)、箱体8350の互いに対向する側壁(即ち、重り部材8400が転動する通路の一端側および他端側、図35(a)左側および右側)に重り部材8400が繰り返し衝突されるため、上述のように、箱体8350が樹脂材料から構成されると共に、重り部材8400が金属材料から構成される場合には、箱体8350の互いに対向する側壁の破損を招きやすい。
これに対し、本実施形態では、箱体8350の互いに対向する側壁に、締結ねじ8351を締結する被締結孔8351が形成されると共に、その被締結孔8351の形成に伴い側壁の一部が部分的に外方へ向けて膨出される(肉厚とされる)。よって、箱体8350の互いに対向する側壁に、金属材料からなる締結ねじ8370が埋め込まれた状態を形成できると共に、側壁の一部を部分的に肉厚とすることができるので、側壁(重り部材84000が衝突する部分)を補強して、その側壁の破損を抑制できる。また、箱体8350と蓋体8360とを締結固定するための構成を、重り部材84000が衝突する部分(箱体8350の側壁)を補強する構成としても兼用できるので、補強のための構成を別途設けることを不要として、その分、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図37を参照して、第9実施形態における支持板部材9300について説明する。第8実施形態では、重り部材8400が転動する通路の底面が、始端から終端まで正面視直線状に形成される場合を説明したが、第9実施形態の通路の底面には、重り部材8400を案内する部分の一部に窪み(窪み部9350a)が形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図37(a)は、第9実施形態における支持板部材9300の正面図であり、図37(b)は、第2角度位置に配置された支持板部材9300の正面図である。なお、図37(a)では、重り部材8400の図示が省略される。
図37(a)に示すように、第9実施形態における箱体9350の底面には、左受け板3340L及び右受け板3340Rの延設方向と平行に左右方向(図37(a)左右方向)に延設される直線状の部分の両端(図37(a)左側および右側)に、下方へ向けて窪む窪み部9350aが形成される。窪み部9350aは、一端側または他端側(図37(a)左側および右側)へ直線状に下降傾斜して形成される。
図37(b)に示すように、箱体9350の両端に窪み部9350aが形成されるので、支持板部材9300が回動軸3320を回動中心として回動されることに伴って、通路(箱体9350の底面)が下降傾斜され、その下降傾斜に沿って重り部材8400が終端まで勢い良く転動されたとしても、その重り部材8400は、窪み部9350aに嵌り込まれつつ、終端(図37(b)右端)に衝突されるため、終端で逆方向へ跳ね返されたとしても、窪み部9350aの上昇傾斜により重り部材8400の跳ね返り方向への移動を阻害することができる。これにより、重り部材8400が始端(図37(b)左端)まで跳ね返されることを抑制でき、支持板部材9300を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に確実に維持できる。
次いで、図38から図43を参照して、第10実施形態における振分装置10000について説明する。第3実施形態では、重り部材3400を案内部3350に沿って摺動させることで重心位置を変化させる場合を説明したが、第10実施形態では、左重り部材10360L又は右重り部材10360Rのいずれか一方を下方に垂下させることで重心位置を変化させる。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図38は、第10実施形態における振分装置10000の部分拡大正面透視図であり、図38(a)は、入球した遊技球を第1始動口63aへ振り分ける動作が、図38(b)は、入球した遊技球を第2始動口63bへ振り分ける動作が、それぞれ模式的に図示される。
図38を参照して、振分装置10000による遊技球の振り分け動作の概略について説明する。振分装置10000には、内部に支持板部材10300が配設される。支持板部材10300は、図38(a)に実線で示す第1角度位置または図38(b)に実線で示す第2角度位置の間で回動可能に軸支されており、振分装置10000内に入球された遊技球を、中央板3330と左受け板3340Lとの間または中央板3330と右受け板3340Rとの間で受ける。
図38(a)に破線で示すように、第2角度位置にある支持板部材10300は、入球された遊技球を中央板3330と左受け板3340Lとの間で受ける。この場合、支持板部材10300は、図38(a)に実線で示すように、遊技球の重さにより、図38(a)反時計回りに回動され、第1角度位置に配置されると共に、遊技球を第1始動口63aへ振り分ける。
一方、図38(b)に破線で示すように、第1角度位置にある支持板部材10300は、入球された遊技球を中央板3330と右受け板3340Rとの間で受ける。この場合、支持板部材10300は、図38(b)に実線で示すように、遊技球の重さにより、図38(b)時計回りに回動され、第2角度位置に配置されると共に、遊技球を第2始動口63bへ振り分ける。
このように、支持板部材10300は、受けた遊技球の重さにより回動され、第1角度位置または第2角度位置に交互に配置されると共に、遊技球を第1始動口63aと第2始動口63bとに均等に振り分けて入賞させる。
ここで、支持板部材10300には、左重り部材10360L及び右重り部材10360Rが配設され、中央板3330が真上を向いた姿勢で停止しないようにされている。即ち、図38(a)に破線で示す第2角度位置で遊技球を受けた支持板部材10300が、反時計回りに回動され、遊技球を第1始動口63aへ誘導すると共に、図2383(a)に実線で示す第1角度位置に配置されると、左重り部材10360Lが下降傾斜側(左受け板3340L側)に垂下され、支持板部材10300を第1角度位置に維持する。よって、支持板部材10300は、次に入球される遊技球を、図38(a)に実線で(図38(b)に破線で)示す第1角度位置で受けるため、その遊技球を第2始動口63bへ誘導する。
一方、図38(b)に破線で示す第1角度位置で遊技球を受けた支持板部材10300が、時計回りに回動され、遊技球を第2始動口63bへ誘導すると共に、図38(b)に実線で示す第2角度位置に配置されると、右重り部材10360Rが下降傾斜側(右受け板3340R側)に垂下され、支持板部材10300を第2角度位置に維持する。よって、支持板部材10300は、次に入球される遊技球を、図38(b)に実線で(図23(a)に破線で)示す第2角度位置で受けるため、その遊技球を第1始動口63aへ誘導する。
このように、支持板部材10300は、振分装置10000に入球する遊技球を第1始動口63aと第2始動口63bとに交互に誘導することができる。
次いで、図39から図41を参照して、基板部材3100及び支持板部材10300の詳細構成について、順に説明する。図39(a)は、基板部材10100の正面図であり、図39(b)は、図39(a)の矢印XXXIXb方向視における基板部材10100の側面図である。なお、図39(a)では、基板部材10100に対する前面部材3200の配設位置の関係を示すために、前面部材3200が二点鎖線を用いて模式的に図示される。
図39(a)及び図39(b)に示すように、基板部材10100は、第3実施形態における基板部材3100に対し、上突起10141及び下突起10142が追加される点のみが異なり、他の構成は同一である。よって、異なる構成のみを説明する。
基板部材10100の軸孔3130の周囲には、一対の上突起10141及び一対の下突起10142が突設される。これら上突起10141及び下突起10142は、左重り部材10360L及び右重り部材10360Rを磁石10380に磁着させると共にその磁着を解除させる際に使用される円柱状の突起であり(図42及び図43参照)、一対の上突起10141は、軸孔3130よりも上方となる位置において、左右均等に配置され、一対の下突起10142は、軸孔3130よりも下方となる位置において、左右均等に配置される。
軸孔3130よりも左方(図39(a)左側)に位置する上突起10141及び下突起10142は、支持板部材10300が回動軸3320を回動中心として回動される際の左係止片10370Lの移動軌跡上に突設され、軸孔3130よりも右方(図39(a)右側)に位置する上突起10141及び下突起10142は、支持板部材10300が回動軸3320を回動中心として回動される際の左係止片10370Lの移動軌跡上に突設される。よって、支持板部材10300が回動軸3320を回動中心として回動される際には、左係止片10370L及び右係止片10370Rが上突起10141又は下突起10142に係止される(図42及び図43参照)。
次いで、図40及び図41を参照して、支持板部材10300の全体構成について説明する。図40(a)は、支持板部材10300の正面図であり、図40(b)は、図40(a)の矢印XLb方向視における支持板部材10300の側面図であり、図40(c)は、図40(a)の矢印XLc方向視における支持板部材10300の底面図である。また、図41(a)は、図40(b)のXLIa−XLIa線における支持板部材10300の断面図であり、図41(b)は、第1角度位置に配置された支持板部材10300の正面図である。
図40及び図41に示すように、左受け板3340Lの底面には、回動軸10351を回動可能に軸支する軸受10350が取着され、その軸受10350に回動可能に軸支される回動軸10351には、左重り部材10360L及び左係止片10370Lが固着される。同様に、右受け板3340Rの底面には、回動軸10351を回動可能に軸支する軸受10350が取着され、その軸受10350に回動可能に軸支される回動軸10351には、右重り部材10360R及び右係止片10370Rが固着される。
左重り部材10360L及び右重り部材10360Rは、金属材料(磁性材料)から構成される板状体であり、互いに同一形状に形成される。左係止片10370L及び右係止片10370Rは、支持板部材10300が回動軸2210を回動中心として回動される際に、上突起1141又は下突起1142に係止される部位であり、例えば、図41(a)に示すように、中央板3330を対称面として面対称に配設される。
なお、左重り部材10360L及び左係止片10370Lと、右重り部材10360R及び右係止片10370Rとは、それぞれ同じ回動軸10351に固着されているので、それら各回動軸10351と共に同位相で回動される(図42及び図43参照)。
また、左受け板3340Lの底面および右受け板3340Rの底面には、磁石10380がそれぞれ配設される。これら各磁石10380は、左重り部材10360L又は右重り部材10360Rを磁着することで、これら左重り部材10360L又は右重り部材10360Rを左受け板3340L又は右受け板3340Rに近接した状態に維持する(図42及び図43参照)。
図41(b)に示すように、支持板部材10300は、左受け板3340Lが右受け板3340Rよりも下方となる第1角度位置に配置されると、下降傾斜側(左受け板3340L側)に位置する左重り部材10360Lが垂直に垂下される一方、上昇傾斜側(右受け板3340R側)に位置する右重り部材10360Rが磁石10380に磁着される。よって、支持板部材10300は、その重心位置を回動軸3320よりも左受け板3340L側に偏心させ、回動軸3320を回動中心として図41(b)時計回りに回動されることが抑制されるので、次の遊技球を受けない限り、図41(b)に示す第1角度位置に維持される。
一方、図41(b)に示す状態(第1角度位置)において、次の遊技球が入球されると、支持板部材10300は、その遊技球を中央板3330と右受け板3340Rとにより受ける。その結果、支持板部材10300は、遊技球の重さにより、回動軸3320を回動中心として、図41(b)の時計回りに回動され、第2角度位置に配置される(図38(b)の実線の状態を参照)。
この第2角度位置では、支持板部材10300は、第1角度位置において垂直に垂下されていた左重り部材10360Lが磁石10380に磁着される一方、第1角度位置において磁石10380に磁着されていた右重り部材10360Rが、その磁着が解除されて、垂直に垂下される。よって、支持板部材10300は、その重心位置を回動軸3320よりも右受け板3340R側に偏心させ、回動軸3320を回動中心として正面視反時計回りに回動されることが抑制されるので、次の遊技球を受けない限り、第2角度位置に維持される。
なお、本実施形態では、磁石10380を利用して、上昇傾斜側に位置する左重り部材10360L又は右重り部材10360Rが左受け板3340L又は右受け板3344Rに近接された状態を維持するので、例えば、2部材の機械的な係合を利用して、近接した状態に維持する構成の場合と比較して、構造の簡素化を図ることができると共に、近接状態の維持およびその解除動作の信頼性の向上を図ることができる。
また、左重り部材10360L及び右重り部材10360Rを金属材料(磁性材料)から構成するので、磁石10380を左受け板3340L及び右受け板3340Rのみにすれば良く、左重り部材10360L及び右重り部材10360Rに磁石を配設する必要がなり。よって、左重り部材10360L及び右重り部材10360Rと、左受け板3340L及び右受け板3340Rとの両者にそれぞれ磁石を配設する構成の場合と比較して、磁石の数を半数に低減できるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
さらに、左重り部材10360L及び右重り部材10360Rを金属材料から構成することで、磁石の配設数を低減できるだけでなく、重りとしての重量を嵩ませることができるので、その分、左重り部材10360L及び右重り部材10360Rの回動に伴う重心位置の移動量を大きくすることができる。その結果、支持板部材10300を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持しやすくできる。
次いで、図42及び図43を参照して、支持板部材10300が回動軸3320を回動中心として第1角度位置から第2角度位置(又はその逆に)配置される際に、左重り部材10360L及び右重り部材10360Rの状態(垂下状態および磁着状態)がそれぞれ交互に切り替えられる原理について説明する。
図42(a)は、第1角度位置に配置された支持板部材10300の正面模式図であり、図42(b)及び図42(c)は、第1角度位置から第2角度位置へ向けて遷移する状態における支持板部材10300の正面模式図であり、図42(d)は、第2角度位置に配置された支持板部材10300の正面模式図である。
一方、図43(a)は、第2角度位置に配置された支持板部材10300の正面模式図であり、図43(b)及び図43(c)は、第2角度位置から第1角度位置へ向けて遷移する状態における支持板部材10300の正面模式図であり、図43(d)は、第1角度位置に配置された支持板部材10300の正面模式図である。
なお、第1角度位置から第2角度位置への遷移、及び、第2角度位置から第1角度位置への遷移において、左重り部材10360Lの状態が交互に切り替えられる原理は、右重り部材10360Rの状態が交互に切り替えられ原理と同一であるので、右重り部材10360Rについてのみ説明し、左重り部材10360Lについての説明は省略する。また、図42(b)から図42(d)では上突起10141の図示が、図43(b)から図43(d)では下突起10142の図示が、それぞれ省略される。
まず、図42(a)から図42(d)を参照して、第1角度位置(図42(a))から第2角度位置(図42(d))へ遷移する際の右重り部材10360Rの状態について説明する。
図42(a)に示すように、右受け板3340Rが上昇傾斜側となる第1角度位置では、右重り部材10360Rが磁石10380に磁着され、右受け板3340Rに右重り部材10360Rが近接された状態が維持される。この場合、右係止片10370Rは、上突起1141及び下突起1142の両者との間に隙間を有する位置に配置される。
図42(b)に示すように、右受け板3340Rが回動軸3320を回動中心として下降傾斜方向(図42(b)時計回り)へ回動され、下降傾斜角度が角度θ2に達すると、右係止片10370Rが下突起10142に当接される。この右係止片10370Rが下突起10142に当接された状態から、右受け板3340Rが回動軸3320を回動中心として下降傾斜方向(図42(b)時計回り)へ更に回動されると、右係止片10370Rが下突起10142により相対的に上方(右受け板3340Rに近接する方向、図42(b)上側)へ押し上げられることで、図42(c)に示すように、右重り部材10360Rが右受け板3340Rから離間する方向(図42(b)下側)へ回動され、図42(c)に示すように、磁石10380による磁着が解除される。
右重り部材10360Rは、右係止片10370Rよりも重量が重くされるため、磁石10380による磁着が解除されると、回動軸10351を回動中心として、垂直に垂下される。右受け板3340Rが回動軸3320を回動中心として下降傾斜方向(図42(c)時計回り)に更に回動され、下降傾斜角度が角度θ4に達すると、第2角度位置に配置される。
図42(d)に示すように、右受け板3340Rが下降傾斜側となる第2角度位置では、右重り部材10360Rが垂直に垂下される。この場合、右係止片10370Rは、下突起1142との間に隙間を有する位置に配置される。よって、右重り部材10360Rの重さを右受け板3340Rに効率的に作用させることができる。
次いで、図43(a)から図43(d)を参照して、第2角度位置(図43(a))から第1角度位置(図43(d))へ遷移する際の右重り部材10360Rの状態について説明する。
図43(a)に示すように、右受け板3340Rが下降傾斜側となる第2角度位置では、右重り部材10360Rが垂直に垂下される。この状態から、右受け板3340Rは、右重り部材10360Rを垂直に垂下させた状態のまま、回動軸3320を回動中心として上昇傾斜方向(図43(a)反時計回り)へ回動される。
図43(b)に示すように、右受け板3340Rが回動軸3320を回動中心として上昇傾斜方向(図43(b)反時計回り)へ回動され、上昇傾斜角度が角度θ5に達すると、右係止片10370Rが上突起10141に当接される。この右係止片10370Rが上突起10141に当接された状態から、右受け板3340Rが回動軸3320を回動中心として上昇傾斜方向(図43(b)反時計回り)へ更に回動されると、右係止片10370Rが上突起10141により相対的に下方(図43(b)下側)へ押し上げられることで、図43(c)に示すように、右重り部材10360Rが右受け板3340Rへ近接する方向(図43(c)上側)へ回動され、磁石10380に磁着される。
なお、本実施の形態では、右係止片10370Rが上突起10141に当接されることで、右重り部材10360Rを磁石10380へ向けて近接させることができるので、かかる磁石10380による磁着を確実に行うことができる。よって、磁石10380の磁力を不必要に強くする必要がないので、上述した磁石10380の磁着の解除(図42(b)及び図42(c)参照)を確実化することができる。
右受け板3340Rは、右重り部材10360Rが磁石10380に磁着され、右重り部材10360Rが近接された状態のまま、回動軸3320を回動中心として上昇傾斜方向(図43(c)反時計回り)に更に回動され、上昇傾斜角度が角度θ1に達すると、第1角度位置に配置される。
図43(d)に示すように、右受け板3340Rが上昇傾斜側となる第1角度位置では、右重り部材10360Rが磁石10380による磁着により右受け板3340Rに近接された状態に維持される。この場合、右係止片10370Rは、上突起1141との間に隙間を有する位置に配置される。よって、右係止片10370Rが外乱などの影響により上突起1141に当接され、磁石10380による右重り部材10360Rの磁着が不用意に解除されることを抑制できる。
このように、本実施形態では、支持板部材10300が、左受け板3340L及び右受け板3340Rにそれぞれ回動可能に垂下される左重り部材10360L及び右重り部材1036ORと、それら左重り部材10360L及び右重り部材1036ORに連結される左傾斜片10370L及び右傾斜片10370Rとを備え、第1角度位置または第2角度位置まで支持板部材10300が配置される際には、上昇傾斜側に配置される左重り部材10360L又は右重り部材1036ORは磁石10380に磁着させ左受け板3340L又は右受け板3340Rに近接させておく一方、下降傾斜側に配置される左重り部材10360L又は右重り部材1036ORは磁石10380による磁着を解除して、左受け板3340L又は右受け板3340Rから鉛直に垂下させることができる。これにより、支持板部材10300の重心位置を移動させることができ、かかる支持板部材10300を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持することができる。
例えば、第1角度位置では、図41(b)に示すように、上昇傾斜側(右受け板3340R側)に位置する右重り部材10360Rが磁石10380の磁着により右受け板3340Rに近接されると共に、下降傾斜側(左受け板3340L側)に位置する左重り部材10360Lが垂直に垂下されるので、全体としての重心位置を左受け板3340L側に変化させる(即ち、下降傾斜側に位置する左受け板3340L側をより重くする)ことができる。その結果、支持板部材10300が逆方向へ回動されて、第2角度位置に逆戻りすることを抑制し、第1角度位置に維持できる。第2角度位置に配置された支持板部材10300についても同様である。
次いで、図44を参照して、第11実施形態における支持板部材11300について説明する。第10実施形態では、左重り部材10360Lを磁着するための磁石10380と右重り部材10360Rを磁着するための磁石10380とをそれぞれ個別に設ける場合を説明したが、第11実施形態では、1の磁石10380が、左重り部材10360Lの磁着と右重り部材10360Rの磁着とを兼用するように構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図44(a)は、第11実施形態における支持板部材11300の正面図であり、図44(b)は、第1角度位置に配置された支持板部材11300の正面図であり、図44(c)は、第2角度位置に配置された支持板部材11300の正面図である。
図44(a)から図44(c)に示すように、第11実施形態における支持板部材11300は、中央円筒部3310の底面に1の磁石10380が配設される。また、左重り部材11360L及び右重り部材11360Rは、第10実施形態における左重り部材10360L及び右重り部材10360Rよりも長さ寸法が大きくされる。
即ち、左重り部材11360L及び右重り部材11360Rは、回動軸10351から先端(図44(a)下端)までの長さ寸法が、回動軸10351から磁石10380までの直線距離よりも大きくされる。よって、第1角度位置では、図44(b)に示すように、右重り部材11360Rが磁石10380に磁着可能とされる一方、第2角度位置では、図44(c)に示すように、左重り部材11360Lが磁石10380に磁着可能とされる。
このように、本実施形態では、1の磁石1038を、左重り部材11360L及び右重り部材11360Rを磁着して左受け板3340L又は右受け板3340Rに近接した状態に維持するための磁石として兼用する。よって、その兼用の分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。また、このように、左重り部材11360L及び右重り部材11360Rの長さ寸法を大きくすることで、それら左重り部材11360L及び右重り部材11360Rの変位に伴う重心位置の移動量をより大きくできる。その結果、支持板部材11300を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持しやすくできる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態のうちの一の実施形態における一部または全部の構成を、他の実施形態における一部または全部の構成と組み合わせて、或いは、置き換えて、パチンコ機を構成しても良い。例えば、第1実施形態における振分装置1000と、第3実施形態における振分装置3000とを組み合わせて(即ち、遊技盤13に両者を配設して)パチンコ機を構成することが例示される。
上記各実施形態では、各振分装置1000〜10000による遊技球の振り分け先(第1位置および第2位置)に、第1始動口63a及び第2始動口63bが配設される場合を一例として説明したが、第1位置および第2位置に配設されるものは第1始動口63a及び第2始動口63bに限定されるものではなく、他のどのような構成であっても良い。即ち、入賞口などの種類は問わない。また、第1位置および第2位置に配設されるものは、入賞口などの遊技球が入球する構成である必要はない。例えば、釘や風車であっても良い。また、何も配設されていなくても良い。即ち、第1位置および第2位置とは、遊技領域における位置を特定するものであり、その位置に存在する構成は限定されない。
上記第1及び第2実施形態では、対面壁部材1220に配設される対面側磁石1226の磁力を作用させる対象が遊技球である場合を説明したが、これに代えて、或いは、これに加えて、円板部材1300の外周面近傍に磁石を配設し、この磁石へ対面側磁石1226の磁力を作用させるようにしても良い。対面側磁石1226の磁力を、円板部材の位相(回動位置)に応じて、より精度良く作用させることができる。
上記第3から第9実施形態では、案内部3350〜5350に装着する又は箱体8350,9350の通路に収納する重り部材3400〜8400の数が1個である場合を説明したが、2個以上の重り部材3400〜8400を同時に装着または収納しても良い。案内部3350〜5350及び通路の延設方向(摺動または転動する方向)のスペースを有効に利用することで(即ち、その延設方向に沿って2個以上を並設状態で装着または収納することで)、振分装置の小型化を図りつつ、重さをより確保できる。
上記第3から第7実施形態では、重り部材3400〜7400が開いた系として構成される場合を説明したが、これら重り部材3400〜7400を閉じた系として構成しても良い。その場合には、案内部3350〜5350を、左受け板3340L及び右受け板3340Rと別体とすれば良い。
上記第10及び第11実施形態では、左重り部材10360L,11360L及び右重り部材10360R,11360Rを金属材料(磁性材料)から構成する場合を説明したが、樹脂材料などの非磁性材料から構成しても良い。この場合には、磁石1380に磁着可能な磁極の向きで、左重り部材10360L,11360L及び右重り部材10360R,11360Rにも磁石を配設すれば良い。
上記第10及び第11実施形態では、左重り部材10360L,11360L及び右重り部材10360R,11360Rが、その長手方向(図41(a)上下方向)中央に重心が位置する形状(即ち、正面視矩形状で厚み寸法が一定の平板形状)とされる場合を説明したが、回動軸10351から先端までの長さ方向中央よりも先端側に重心が偏心するように構成することが好ましい。左重り部材10360L,11360L及び右重り部材10360R,11360Rの変位に伴う支持板部材10300,11300の重心位置の移動量をより大きくできるからである。
なお、重心を先端側に偏心させる方法としては、左重り部材10360L,11360L及び右重り部材10360R,11360Rの厚み寸法または(及び)幅寸法を先端側ほど大きくする方法、左重り部材10360L,11360L及び右重り部材10360R,11360Rの先端側にアルミシートや鉛シートを貼着する或いは金属製のねじを締結する方法などが例示される。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技領域を備え、その遊技領域を遊技球が流下する遊技機において、前記流下する遊技球を受けると共に、その受けた遊技球の重さで動作して、前記遊技球を第1位置と第2位置とへ交互に振り分ける振分部材を備えることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、遊技領域を流下する遊技球を受け、その受けた遊技球を第1位置と第2位置とへ交互に振り分ける振分部材を備えるので、例えば、第1位置および第2位置を目標位置に設定することで、遊技領域における異なる目標位置に対して遊技球を均等に誘導できる。
また、振分部材は、受けた遊技球の重さで動作するので、遊技球を第1位置と第2位置とへ交互に振り分ける動作を機械的な構成により実行でき、かかる動作のための動力や制御を不要とできる。その結果、部品点数や制御コストを削減して、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機1において、入球により遊技の当否がそれぞれ抽選される第1始動口および第2始動口と、前記振分部材により前記第1位置に振り分けられた遊技球を前記第1始動口へ誘導する第1誘導部と、前記振分部材により前記第2位置に振り分けられた遊技球を前記第2始動口へ誘導する第2誘導部と、を備えることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、遊技機1の奏する効果に加え、振分部材により第1位置および第2位置に交互に振り分けられる遊技球を第1始動口および第2始動口にそれぞれ誘導する第1誘導部および第2誘導部を備えるので、第1始動口および第2始動口(異なる目標位置)に対して遊技球を均等に誘導できる。
ここで、第1始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、第1始動口に対応した第1特別図柄が動的表示された後、抽選結果が報知されると共に、第2始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、第2始動口に対応した第2特別図柄が動的表示された後、抽選結果が報知される。
この場合、第1特別図柄の動的表示中に第1始動口に遊技球が入球すると、実行中の動的表示の終了後に第1特別図柄を動的表示する権利が上限数(例えば、4)まで保留球として記憶される。同様に、第2特別図柄の動的表示中に第2始動口に遊技球が入球すると、実行中の動的表示の終了後に第2特別図柄を動的表示する権利が、上限数(例えば、4)まで保留球として記憶される。
しかしながら、第1始動口と第2始動口とに均等に遊技球を入球させることは困難であり、一方の始動口のみに入球が偏り易いため、保留球の上限数(例えば、合計8)を活用することが困難であるという問題点があった。即ち、保留球を上限数まで記憶させる(第1始動口および第2始動口の双方において、それぞれ保留球を上限数まで記憶させる)と、一方の始動口において上限数以上の遊技球が入球するオーバーフローが発生し易くなる。オーバーフローが発生すると、オーバーフローした入球分の当否抽選および動的表示がなされないため、その分、遊技者に不利益となる。
これに対し、遊技機2によれば、遊技領域を流下する遊技球を、振分部材によって第1始動口および第2始動口に均等に入球させられる。よって、第1始動口および第2始動口に設定された保留球の上限数をそれぞれ有効に活用できる。即ち、オーバーフローの発生を抑制して、遊技者の不利益を回避できる。
遊技機1又は2において、前記振分部材は、回動可能に軸支される円板状の円板部材と、その円板部材に対面して配設される対面壁部材と、を備え、前記対面壁部材は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球する入球口と、その入球口から周方向に位相を異ならせた位置に配設されると共に前記第1位置に前記遊技球を排球する第1排球口と、前記入球口から周方向に位相を異ならせた位置に配設されると共に前記第2位置に前記遊技球を排球する第2排球口と、を備え、前記円板部材は、前記対面壁部材の入球口に入球した遊技球を受けると共に、その受けた遊技球の重さで前記円板部材が回動動作されることで、前記受けた遊技球を前記第1排球口を介して第1位置へ排球する第1受け部と、前記対面壁部材の入球口に入球した遊技球を受けると共に、その受けた遊技球の重さで前記円板部材が回動動作されることで、前記受けた遊技球を前記第2排球口を介して第2位置へ排球する第2受け部と、を備えると共に、対面壁部材の入球口に入球した遊技球を第1受け部および第2受け部が交互に受けるように構成されることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、遊技機1又は2の奏する効果に加え、遊技球を第1位置および第2位置に交互に振り分けることができる。また、振り分ける動作を、遊技球の重さを利用して、機械的な構成により実行できるので、その動作のための動力を不要とできる。
即ち、遊技領域を流下する遊技球が対面壁部材の入球口に入球され、その入球した遊技球を円板部材の第1受け部が受けると、円板部材が遊技球の重さで回動動作され、第1受け部が対面壁部材の第1排球口に到達されることで、第1排球口を介して第1位置に遊技球が排球される。この場合、対面壁部材の入球口に入球した遊技球を、第1受け部および第2受け部が交互に受けるように構成されるので、次いで、対面壁部材の入球口に入球した遊技球を、円板部材の第2受け部が受け、円板部材が遊技球の重さで回動動作されると共に、第2受け部が対面壁部材の第2排球口に到達されることで、第2排球口を介して第2位置に遊技球が排球される。これにより、遊技球が第1位置および第2位置に交互に振り分けられると共に、振り分ける動作が遊技球の重さを利用して実行される。
また、振分部材は、円板部材が円板状に形成され、平面的な配置が可能であるので、比較的奥行き寸法(遊技盤と板ガラスとの間の間隔)が小さい遊技領域においても、振分部材の配設スペースを確保しやすくできる。
遊技機3において、前記第1受け部および第2受け部は、前記対面壁部材の入球口に入球した遊技球を受ける受け面が、前記円板部材の周方向に沿って下降傾斜されることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、遊技機3の奏する効果に加え、第1受け部および第2受け部は、対面壁部材の入球口に入球した遊技球を受ける受け面が、円板部材の周方向に沿って下降傾斜されるので、入球口から入球した遊技球を第1受け部の受け面または第2受け部の受け面が受けると、その受け面の下降傾斜に沿って遊技球を円板部材の周方向に沿って転動させ、遊技球の重さが円板部材に作用する位置を移動させることができる。これにより、遊技球の重さが加わることによる円板部材の重心位置の変化を大きくできるので、円板部材を確実に回動させることができると共にその回動動作を速やかに行わせることができる。
遊技機4において、前記第1受け部の受け面と第2受け部の受け面とが前記円板部材の周方向に沿って下降傾斜される傾斜方向が同一方向であることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、遊技機4の奏する効果に加え、第1受け部の受け面と第2受け部の受け面とが円板部材の周方向に沿って下降傾斜される傾斜方向が同一方向であるので、第1受け部が受けた遊技球の重さにより円板部材が回動される際の回動方向と、第2受け部が受けた遊技球の重さにより円板部材が回動される際の回動方向とを同一方向とできる。即ち、円板部材の回動方向を一方向に統一できる。よって、円板部材が一方向および他方向に回動する場合と比較して、遊技球を第1位置および第2位置へ振り分ける動作を安定して実行できる。また、円板部材の回動速度を減速または停止させる機構を設ける場合には、その機構の配設数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
遊技機5において、前記円板部材は、ワンウェイクラッチを介して軸支され、前記第1受け部の受け面および第2受け部の受け面が下降傾斜する方向への回動が許容されると共に反対方向への回動が規制されることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、遊技機5の奏する効果に加え、円板部材は、ワンウェイクラッチを介して軸支され、第1受け部の受け面および第2受け部の受け面が下降傾斜する方向への回動(即ち、遊技球の重さによって回動すべき方向への回動)が許容されると共に反対方向への回動が規制されるので、振動などの外乱の影響を受けた場合でも、回動すべき方向と反対方向へ円板部材が回動することを回避でき、その結果、第1位置および第2位置へ遊技球を振り分ける動作の信頼性の向上を図ることができる。
なお、ワンウェイクラッチは、一方向への回動のみ許容し、他方向への回動を規制するものであれば、その方式は問わない。ワンウェイクラッチの方式としては、例えば、スプラグ式やカム式などが例示される。
遊技機3から6のいずれかにおいて、前記対面壁部材の第1排球口および第2排球口は、前記円板部材の回動方向進行側へ向けて傾斜して延設されることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技機3から6のいずれかの奏する効果に加え、対面壁部材の第1排球口および第2排球口は、円板部材の回動方向進行側へ向けて傾斜して延設されるので、円板部材の第1受け部または第2受け部から対面壁部材の第1排球口または第2排球口へ遊技球をスムーズに入り込ませることができる。
即ち、振分部材は、円板部材が回動する構造であるので、第1受け部または第2受け部から第1排球口または第2排球口へ遊技球が移動する際に、これら第1受け部または第2受け部と第1排球口または第2排球口との間に遊技球が噛み込むおそれがある。これに対し、遊技機7では、第1排球口および第2排球口は、円板部材の回動方向進行側へ向けて傾斜して(即ち、遊技球が第1受け部または第2受け部から押し出される方向へ沿って)延設されるので、第1受け部または第2受け部から押し出される遊技球を第1排球口または第2排球口へスムーズに受け入れさせることができる。
遊技機3から7のいずれかにおいて、前記対面壁部材は、前記入球口に対して第1排球口および第2排球口が180度位相を異ならせた位置に配設されると共に、前記円板部材は、前記第1受け部に対して第2受け部が180度位相を異ならせた位置に配設されることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、遊技機3から7のいずれかの奏する効果に加え、対面壁部材は、入球口に対して第1排球口および第2排球口が180度位相を異ならせた位置に配設されると共に、円板部材は、第1受け部に対して第2受け部が180度位相を異ならせた位置に配設されるので、入球口に入球した遊技球を第1受け部または第2受け部の一方が受けるタイミングと、第1受け部または第2受け部の他方が第1排球口または第2排球口へ遊技球を排球するタイミングとを一致させることができる。
即ち、第1受け部または第2受け部の一方が第1排球口または第2排球口と同じ位相に位置すると、第1受け部または第2受け部の他方が入球口と同じ位相に位置するので、第1受け部または第2受け部の一方で受けた遊技球を、第1排球口または第2排球口へ排球する際または排球した後に、第1受け部または第2受け部の他方により、次の遊技球を受けることができ、第1受け部または第2受け部の一方で受けた遊技球を第1排球口または第2排球口へ向けて運んでいる途中で(即ち、円板部材が回動されている状態で)、次の遊技球を受ける必要がない。よって、かかる次の遊技球を第1受け部または第2受け部の他方で確実に受けることができる。
遊技機8において、前記対面壁部材は、前記円板部材の外周面に対面して前記第1排球口および第2排球口が配設されると共に、前記第1排球口および第2排球口が最下方に配設されることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、遊技機8の奏する効果に加え、対面壁部材は、円板部材の外周面に対面して第1排球口および第2排球口が配設されると共に、第1排球口および第2排球口が最下方に配設されるので、第1受け部または第2受け部から第1排球口または第2排球口へ遊技球を下方へ向けて排球できる。即ち、排球の際には、遊技球の自重が第1排球口または第2排球口へ入り込む方向へ作用するので、遊技球を噛み込ませ難くして、確実に排球することができる。
遊技機3から7のいずれかにおいて、前記対面壁部材は、前記第1排球口および第2排球口が同じ位相となる位置に配設されると共に、前記入球口に対して第1排球口および第2排球口が90度位相を異ならせた位置に配設され、前記円板部材は、前記第1受け部および第2受け部が、90度位相を異ならせつつ前記円板部材の周方向4ヶ所に交互に配設されることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、遊技機3から7の奏する効果に加え、同じ位相となる位置に配設される第1排球口および第2排球口が入球口に対して90度位相を異ならせた位置に配設されると共に、第1受け部および第2受け部が、90度位相を異ならせつつ円板部材の周方向4ヶ所に交互に配設されるので、入球口に入球した遊技球を第1受け部または第2受け部の一方が受けるタイミングと、その一方に対し90度位相を異ならせた位置に配設される第1受け部または第2受け部の他方が第1排球口または第2排球口へ遊技球を排球するタイミングとを一致させることができる。
即ち、第1受け部または第2受け部の一方が第1排球口または第2排球口と同じ位相に位置すると、その一方に対し90度位相を異ならせた位置に配設される第1受け部または第2受け部の他方が入球口と同じ位相に位置するので、第1受け部または第2受け部の一方で受けた遊技球を、第1排球口または第2排球口へ排球する際または排球した後に、その一方に対し90度位相を異ならせた位置に配設される第1受け部または第2受け部の他方により、次の遊技球を受けることができ、第1受け部または第2受け部の一方で受けた遊技球を第1排球口または第2排球口へ向けて運んでいる途中で(即ち、円板部材が回動されている状態で)、次の遊技球を受ける必要がない。よって、かかる次の遊技球を第1受け部または第2受け部の他方で確実に受けることができる。
また、入球口に対して第1排球口および第2排球口が90度位相を異ならせた位置に配設されるので、例えば、180度位相を異ならせる構成と比較して、第1受け部または第2受け部で受けた遊技球を、第1排球口または第2排球口へ排球するために必要とされる円板部材の回動角度を小さくすることができ、その結果、円板部材の回動動作に伴う慣性力の影響を小さくできる。よって、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への排球を確実に行うことができる。
遊技機3から10のいずれかにおいて、前記対面壁部材は、前記円板部材に対面する面に凹設され、前記円板部材が回動動作する際の前記第1受け部および第2受け部の移動軌跡に沿って延設される共に前記第1排球口および第2排球口に連通される第1溝および第2溝を備え、前記第1受け部または第2受け部に収納された遊技球の一部が前記第1溝または第2溝に受け入れられた状態で、前記円板部材が回動動作されることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、遊技機3から10のいずれかにおいて、対面壁部材の円板部材に対面する面に第1溝および第2溝が凹設され、それら第1溝および第2溝は、円板部材が回動動作する際の第1受け部および第2受け部の移動軌跡に沿って延設されるので、円板部材が回動動作する際には、第1受け部または第2受け部に収納された遊技球の一部が第1溝または第2溝に受け入れられた状態を形成できる。よって、円板部材が回動動作する際には、円板部材が対面壁部材に対し遊技球を介して連結された状態を形成できるので、第1溝または第2溝を遊技球が転動または摺動する際の抵抗を利用して、円板部材に回動抵抗を作用させ、その慣性力が過大となることを抑制できる。その結果、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への排球を確実に行うことができる。
また、第1溝および第2溝は、第1排球口および第2排球口に連通されるので、第1受け部または第2受け部に収納された遊技球の一部を、第1溝または第2溝に受け入れられた状態(即ち、第1受け部または第2受け部から突出された状態)を形成できれば、その受け入れ(突出)分、遊技球を第1排球口または第2排球口に近づけた状態とし、かかる第1排球口または第2排球口に入り込みやすい状態としておけるので、第1排球口または第2排球口への遊技球の排球を確実に行うことができる。
さらに、第1溝および第2溝が第1排球口および第2排球口に連通され、第1受け部または第2受け部に収納された遊技球の一部が第1溝または第2溝に受け入れられた状態(即ち、第1受け部または第2受け部から突出された状態)とされることで、第1受け部または第2受け部が第1排球口または第2排球口に到達した場合には、遊技球を第1排球口または第2排球口の開口縁部(第1溝または第2溝の延長線上に位置する縁部)に当接させることができる。これにより、第1排球口または第2排球口への遊技球の排球を確実に行うことができるだけでなく、円板部材の回動速度を低減させる又は停止させることができる。その結果、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取りを安定して行うことができる。
なお、第1溝および第2溝は、終端が第1排球口および第2排球口に連通されるが、入球口には連通されず、第1溝および第2溝の始端は、入球口から所定の回動角度分だけ離間されていることが好ましい。この構成によれば、入球口に入球した遊技球を第1受け部または第2受け部が受けて円板部材が回動を開始する初期段階は、その回動に勢いがないところ、遊技球と第1溝または第2溝との間の転動または摺動による抵抗を発生させず、円板部材の回動動作を円滑かつ速やかに進行させることができる。一方、円板部材の回動動作が進行する段階では、円板部材の慣性力が徐々に増加し、勢いが増すところ、遊技球と第1溝または第2溝との間の転動または摺動による抵抗を利用して、円板部材の慣性力を抑制して、その回動動作の適正化を図ることができる。
遊技機11において、前記第1溝および第2溝は、前記第1排球口および第2排球口へ向かうに従って凹設深さが大きくされることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、遊技機11の奏する効果に加え、第1溝および第2溝は、第1排球口および第2排球口へ向かうに従って凹設深さが大きくされるので、遊技球と第1溝または第2溝との間の転動または摺動による抵抗を、第1受け部または第2受け部が第1排球口または第2排球口へ近づくほど大きくすることができる。よって、円板部材の慣性力を抑制して、その回動動作の適正化を効果的に図ることができる。
また、第1受け部または第2受け部に収納された遊技球の一部が第1溝または第2溝に受け入れられる量(即ち、第1受け部または第2受け部から突出される量)を徐々に大きくして、その受け入れられる(突出される)方向へ遊技球を移動させることができるので、第1排球口または第2排球口へ入り込む方向への慣性力を遊技球に持たせることができる。その結果、第1排球口または第2排球口に入り込みやすくでき、第1排球口または第2排球口への遊技球の排球を確実に行うことができる。
遊技機12において、前記第1溝および第2溝は、その最大の凹設深さが前記遊技球の直径の1/2よりも大きくされることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、遊技機12の奏する効果に加え、第1溝および第2溝の最大の凹設深さが遊技球の直径の1/2よりも大きくされるので、第1溝または第2溝に受け入れられる部分(即ち、第1受け部または第2受け部から突出される部分)をより大きくして、遊技球を第1排球口または第2排球口により近づけておけるので、遊技球を第1排球口または第2排球口に入り込みやすい状態を形成でき、第1排球口または第2排球口への遊技球の排球をより確実に行うことができる。
遊技機11から13のいずれかにおいて、前記第1排球口および第2排球口は、前記第1溝および第2溝の終端に対面する側の開口縁部の位置が、前記第1溝および第2溝の底面よりも前記円板部材に近接して配設されることを特徴とする遊技機14。
遊技機14によれば、遊技機11から13の奏する効果に加え、第1排球口および第2排球口は、第1溝および第2溝の終端に対面する側の開口縁部の位置が、第1溝および第2溝の底面よりも円板部材に近接して配設されるので、第1受け部または第2受け部に収納された遊技球の一部が第1溝または第2溝に受け入れられつつ(即ち、第1受け部または第2受け部から突出されつつ)、第1受け部または第2受け部が第1排球口または第2排球口に到達した場合には、遊技球を第1排球口または第2排球口の開口縁部(第1溝または第2溝の終端に対面する側)に当接させることができる。これにより、第1排球口または第2排球口への遊技球の排球を確実に行うことができるだけでなく、円板部材の回動速度を低減させる又は停止させることができる。その結果、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取りを安定して行うことができる。
遊技機11から14のいずれかにおいて、前記第1受け部および第2受け部は、その第1受け部または第2受け部に収納された遊技球の一部が前記第1溝または第2溝に受け入れられた状態で、前記円板部材が回動動作される場合に、前記遊技球に対し前記円板部材の回動方向後方において前記遊技球に当接可能に位置する押込部を備えることを特徴とする遊技機15。
遊技機15によれば、遊技機11から14の奏する効果に加え、第1受け部および第2受け部は、その第1受け部または第2受け部に収納された遊技球の一部が第1溝または第2溝に受け入れられた状態で、円板部材が回動動作される場合に、遊技球に対し円板部材の回動方向後方においてその遊技球に当接可能に位置する押込部を備えるので、かかる押込部が第1溝または第2溝を転動または摺動する遊技球に円板部材の回動方向後方から当接することで、遊技球の転動抵抗または摺動抵抗を円板部材に伝達でき、その結果、円板部材の慣性力の抑制を図ることができる。また、遊技球が第1排球口または第2排球口に排球される際には、押込部が遊技球に円板部材の回動方向後方から当接することで、遊技球を第1排球口または第2排球口に押し入れることができる。これにより、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への排球を確実に行うことができる。
遊技機3から15のいずれかにおいて、前記振分部材は、前記円板部材に配設され磁石として構成される円板側磁石と、その円板側磁石に引き合う磁極の向きで前記対面壁部材に配設されると共に磁石として構成される対面側磁石とを備え、前記円板側磁石および対面側磁石は、前記円板部材の第1受け部および第2受け部が、前記対面壁部材の入球口よりも、前記対面壁部材の第1排球口および第2排球口に近い側となる前記円板部材の回動位置で、互いに引き合う位置に配設されることを特徴とする遊技機16。
遊技機16によれば、遊技機3から15のいずれかの奏する効果に加え、円板側磁石および対面側磁石が円板部材および対面壁部材に互いに引き合う磁極の向きでそれぞれ配設されるので、円板部材が回動動作する際には、円板側磁石および対面側磁石の磁力(引き合う力)を利用して、円板部材に回動抵抗を作用させることができ、円板部材の慣性力が過大となることを抑制できる。その結果、円板部材を減速または停止させることができるので、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への排球を確実に行うことができる。
また、円板側磁石および対面側磁石は、円板部材の第1受け部および第2受け部が、対面壁部材の入球口よりも、対面壁部材の第1排球口および第2排球口に近い側となる円板部材の回動位置で、互いに引き合う位置に配設されるので、磁力による回動抵抗を円板部材に適正に作用させることができる。即ち、入球口に入球した遊技球を第1受け部または第2受け部が受けて円板部材が回動を開始する初期段階は、その回動に勢いがないところ、その段階では磁力を発生させず、円板部材の回動動作を円滑かつ速やかに進行させることができる。一方、円板部材の回動動作が進行する段階では、円板部材の慣性力が徐々に増加し、勢いが増すところ、磁力を利用して、円板部材の慣性力を抑制できる。その結果、円板部材を減速または停止させることができる。
遊技機3から15のいずれかにおいて、前記振分部材は、前記対面壁部材に配設され磁石として構成される対面側磁石を備え、前記対面側磁石は、前記円板部材の第1受け部または第2受け部に収納された遊技球が前記円板部材の回動動作に伴い移動する移動軌跡に対応する位置であって、前記対面壁部材の入球口よりも第1排球口および第2排球口に近い側に配設されることを特徴とする遊技機17。
遊技機17によれば、遊技機3から15のいずれかの奏する効果に加え、対面側磁石が、円板部材の第1受け部または第2受け部に収納された遊技球が円板部材の回動動作に伴い移動する移動軌跡に対応する位置に配設されるので、円板部材が回動動作する際には、対面側磁石の磁力(遊技球を引き付ける力)を利用して、円板部材に回動抵抗を作用させることができ、円板部材の慣性力が過大となることを抑制できる。その結果、円板部材を減速または停止させることができるので、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への排球を確実に行うことができる。
また、対面側磁石は、対面壁部材の入球口よりも第1排球口および第2排球口に近い側に配設されるので、磁力による回動抵抗を円板部材に適正に作用させることができる。即ち、入球口に入球した遊技球を第1受け部または第2受け部が受けて円板部材が回動を開始する初期段階は、その回動に勢いがないところ、その段階では磁力(遊技球を引き付ける力)を発生させず、円板部材の回動動作を円滑かつ速やかに進行させることができる。一方、円板部材の回動動作が進行する段階では、円板部材の慣性力が徐々に増加し、勢いが増すところ、磁力(遊技球を引き付ける力)を利用して、円板部材の慣性力を抑制できる。その結果、円板部材を減速または停止させることができる。
このように、遊技機17では、対面側磁石による磁力を作用させる対象として遊技球を利用できるので、円板部材に磁石を配設する必要がない。よって、その分、部品点数を削減して、組み立てコスト及び製品コストの削減を図ることができる。
遊技機16又は17において、前記対面側磁石は、前記円板側磁石または前記遊技球から前記円板部材の径方向に所定距離だけ離間した位置に配設されると共に、前記円板部材の周方向に沿って複数が配設されることを特徴とする遊技機18。
遊技機18によれば、遊技機16又は17の奏する効果に加え、円板部材が回動動作する際には、周方向に沿って配設される複数の対面側磁石の磁力を利用して、円板部材に回動抵抗を継続的に作用させることができる。即ち、円板部材に回動抵抗が急激に作用されると、急制動され、円板部材の回動動作が不安定となるため、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への遊技球の排球が阻害される。これに対し、遊技機18によれば、同じだけの磁力のエネルギーを、円板部材に回動抵抗として徐々に作用させることができる。よって、円板部材を円滑に減速または停止させ、円板部材の回動動作を安定化させることができる。その結果、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への排球を確実に行うことができる。
遊技機18において、前記複数の対面側磁石は、前記対面壁部材の第1排球口または第2排球口に近いものほど、前記円板側磁石または前記遊技球から前記円板部材の径方向に離間する離間量が小さくされることを特徴とする遊技機19。
遊技機19によれば、遊技機18の奏する効果に加え、複数の対面側磁石は、対面壁部材の第1排球口または第2排球口に近いものほど、円板側磁石または遊技球から円板部材の径方向に離間する離間量が小さくされるので、対面側磁石による磁力による効果を、第1受け部または第2受け部が第1排球口または第2排球口へ近づくほど大きくすることができる。よって、円板部材の慣性力を抑制して、その回動動作の適正化を効果的に図ることができる。その結果、円板部材を減速または停止させることができるので、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への排球を確実に行うことができる。
遊技機3から19のいずれかにおいて、前記振分部材は、前記対面壁部材に軸支される軸部と、その軸部から延設され前記第1排球口または第2排球口の内部へ突出される突出片と、その突出片の反対側へ向けて前記軸部から延設され前記円板部材の外周面に対面して配設される対面片とを有する制動部材を備え、前記円板部材の第1受け部または第2受け部から排球され前記対面壁部材の第1排球口または第2排球口を通過する遊技球により前記制動部材の突出片が押し下げられることに伴って、押し上げられた前記制動部材の対面片が前記円板部材の外周面に当接することを特徴とする遊技機20。
遊技機20によれば、制動部材は、対面壁部材に軸支される軸部から延設される突出片が、第1排球口または第2排球口の内部へ突出されると共に、その突出片の反対側へ向けて軸部から延設される対面片が、円板部材の外周面に対面して配設され、円板部材の第1受け部または第2受け部から排球された遊技球が対面壁部材の第1排球口または第2排球口を通過する際には、その遊技球が制動部材の突出片を押し下げ、制動部材が軸部を中心として回動されることで、制動部材の対面片が押し上げられるので、この押し上げられた制動部材の対面片を円板部材の外周面に当接させることができる。その結果、円板部材を減速または停止させることができるので、入球口に入球した遊技球の第1受け部または第2受け部による受け取り及び第1排球口または第2排球口への排球を確実に行うことができる。
また、制動部材は、第1排球口または第2排球口を通過する遊技球を利用して動作され、制動部材の対面片を円板部材に当接させる動作を機械的な構成により実行できるので、かかる動作のための動力や制御を不要とできる。また、遊技球の通過を検出するセンサも不要とできる。その結果、部品点数や制御コストを削減して、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機20において、前記対面壁部材は、前記円板部材の外周面に対面する面に凹設される凹部空間である収納部を備え、その収納部の凹部空間に前記制動部材が動作可能に収納されることを特徴とする遊技機21。
遊技機21によれば、制動部材を動作可能に収納する収納部は、円板部材の外周面に対面する面に凹設されるので、かかる収納部の凹部空間の開口を、円板部材の外周面により塞ぐことができる。即ち、収納部に収納された制動部材を、収納部の凹部空間と円板部材の外周面との間に動作可能に保持することができる。よって、制動部材を保持する部材(脱落を防止する部材)を円板部材に兼用させることができ、かかる保持のための部材を別途設けることを不要とできるので、その分、部品コストの削減を図ることができる。
遊技機20又は21において、前記制動部材の対面片には、前記円板部材の外周面に当接する部分にゴム状弾性体から構成される弾性部材が配設されることを特徴とする遊技機22。
遊技機22によれば、遊技機20又は21の奏する効果に加え、制動部材の対面片には、円板部材の外周面に当接する部分にゴム状弾性体から構成される弾性部材が配設されるので、円板部材の外周面との間の摩擦力を確保して、円板部材を減速または停止させる作用を発揮させやすくできる。また、弾性部材がゴム状弾性体から構成されるので、弾性部材を円板部材の外周面に当接させる際には、円板部材や制動部材などの組み立て誤差や寸法公差を、弾性部材の弾性変形により吸収することができるので、円板部材を減速または停止させる作用を安定して発揮させることができる。さらに、例えば、円板部材の外周面に凹設した凹部へ、対面片から突出させた凸部を凹凸嵌合させることで、円板部材を停止させる構造と比較して、凹凸形状を形成する必要がないので、部品の形状を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機20から22のいずれかにおいて、前記制動部材は、前記対面片が前記突出片よりも重く、重心位置が軸部に対して対面片側に配置されることを特徴とする遊技機23。
遊技機23によれば、遊技機20から22のいずれかの奏する効果に加え、制動部材は、対面片が突出片よりも重く、重心位置が軸部に対して対面片側に配置されるので、遊技球の通過により突出片が押し下げられると共に対面片が押し上げられた場合(軸部を中心として一方向に回動された場合)には、制動部材の自重(重心位置の軸部からの偏心)を利用して、制動部材を他方向に回動させ、初期位置に復帰させることができる。よって、初期位置へ復帰させる付勢力を作用させるための付勢部材を設ける必要がないので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機20から23のいずれかにおいて、前記制動部材の対面片は、前記円板部材の外周面に近接する方向または離間する方向へ弾性変形可能に形成されることを特徴とする遊技機24。
遊技機24によれば、遊技機20から23のいずれかの奏する効果に加え、制動部材の対面片が、円板部材の外周面に近接する方向または離間する方向へ弾性変形可能に形成されるので、対面片が押し上げられ円板部材の外周面に当接される際には、円板部材や制動部材などの組み立て誤差や寸法公差を、対面片の弾性変形により吸収することができるので、円板部材を減速または停止させる作用を安定して発揮させることができる。同様に、通過する遊技球が突出片を押し下げる位置や通過する向きのばらつきを、対面片の弾性変形により吸収することができるので、その遊技球が跳ね返されたりすることを抑制して、確実に通過させることができる。また、対面片が押し上げられ円板部材の外周面に当接される際には、両者の間の当接力(即ち、円板部材を減速または停止させるための制動力)を対面片の弾性変形により徐々に作用させることができるので、円板部材の回動動作の急激な変化を抑制できる。
遊技機20から24のいずれかにおいて、前記制動部材の突出片は、先端側ほど前記円板部材の外周面から離間する方向へ円弧状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機25。
遊技機25によれば、遊技機20から24のいずれかの奏する効果に加え、制動部材の突出片は、先端側ほど円板部材の外周面から離間する方向へ円弧状に湾曲して形成されるので、第1排球口または第2排球口に排球された遊技球の通過が突出片により阻害されることを抑止し、かつ、その通過する遊技球に突出片をスムーズに押し下げさせることができる。
遊技機1又は2において、前記振分部材は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球する入球口と、その入球口に入球した遊技球を受ける第1受け部および第2受け部を有すると共に第1受け部および第2受け部の間を中心として回動可能に軸支される本体部と、その本体部に配設される案内部と、その案内部により案内されて移動する移動体と、を備え、前記入球口に入球した遊技球を前記本体部の第1受け部で受けると、その遊技球の重さで、第1受け部が第2受け部よりも下方となる第1角度位置まで前記本体部が回動することで、前記第1受け部で受けた遊技球を第1位置へ排球すると共に、前記入球口から入球した遊技球を受けることが可能な位置に前記第2受け部が配置され、前記入球口に入球した遊技球を前記本体部の第2受け部で受けると、その遊技球の重さで、第2受け部が第1受け部よりも下方となる第2角度位置まで前記本体部が回動することで、前記第2受け部で受けた遊技球を第2位置へ排球すると共に、前記入球口から入球した遊技球を受けることが可能な位置に前記第1受け部が配置され、前記第1角度位置では、前記案内部が第1受け部側へ下降傾斜して、前記移動体が前記第1受け部側へ移動されると共に、前記第2角度位置では、前記案内部が第2受け部側へ下降傾斜して、前記移動体が前記第2受け部側へ移動されることを特徴とする遊技機26。
遊技機26によれば、遊技機1又は2の奏する効果に加え、遊技領域を流下する遊技球が入球する入球口と、第1受け部および第2受け部を有すると共に第1受け部および第2受け部の間を中心として回動可能に軸支される本体部とを備え、入球口に入球した遊技球を本体部の第1受け部で受けると、その遊技球の重さで、第1受け部が第2受け部よりも下方となる第1角度位置まで本体部が回動することで、第1受け部で受けた遊技球を第1位置へ排球すると共に、入球口から入球した遊技球を受けることが可能な位置に第2受け部が配置され、入球口に入球した遊技球を本体部の第2受け部で受けると、その遊技球の重さで、第2受け部が第1受け部よりも下方となる第2角度位置まで本体部が回動することで、第2受け部で受けた遊技球を第2位置へ排球すると共に、入球口から入球した遊技球を受けることが可能な位置に第1受け部が配置されるので、遊技球を第1位置および第2位置に交互に振り分けることができる。また、振り分ける動作を、遊技球の重さを利用して、機械的な構成により実行できるので、その動作のための動力を不要とできる。
このように、例えば、本体部が第1角度位置にあると、遊技球を第2受け部で受け、その遊技球の重さを利用して、第1角度位置から第2角度位置へ本体部が回動動作され、遊技球を第2位置へ排球すると共に、次の遊技球を第1受け部で受ける姿勢(第2角度位置)に設定される。
しかしながら、遊技球を受ける位置、遊技球の落下方向、或いは、第1受け部から遊技球が排球される方向などには、その都度ばらつきがあり、そのばらつきの状態や、振動などの外乱を本体部が受けるタイミングによっては、例えば、第1角度位置から第2角度位置へ回動された後、その第2角度位置に維持されるべき本体部が、第1角度位置に逆戻りすることがある。この場合には、次の遊技球を、先の遊技球と同様に、第2受け部により受けることとなり、第2位置へ連続して排球することになる。そのため、遊技球を第1位置および第2位置へ交互に振り分けることができない。
これに対し、遊技機26によれば、本体部に配設される案内部と、その案内部により案内されて移動する移動体とを備え、第1角度位置では、案内部が第1受け部側へ下降傾斜して、移動体が第1受け部側へ移動されると共に、第2角度位置では、案内部が第2受け部側へ下降傾斜して、移動体が第2受け部側へ移動されるので、移動体の移動に伴う重心位置の変化を利用して、本体部を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持することができる。
例えば、第1角度位置にある本体部が、遊技球を第2受け部で受け、その遊技球の重さを利用して、第1角度位置から第2角度位置へ回動動作される(第2受け部が下方に位置される)場合には、案内部が第2受け部側へ下降傾斜されることで、移動体が第2受け部側へ移動されるので、この移動体の移動分だけ、全体としての重心位置を第2受け部側に変化させる(即ち、下方に位置する第2受け部側をより重くする)ことができる。その結果、本体部が引き戻されて、第1角度位置に逆戻りすることを抑制し、第2角度位置に維持できる。第2角度位置にある本体部が、遊技球を第1受け部で受ける場合も同様であり、第1角度位置へ回動動作されると、移動体が第1受け部側へ移動することで、本体部を第1角度位置に維持できる。
遊技機26において、前記案内部は、前記第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向に沿って延設される棒状に形成され、前記移動体は、前記案内部が挿通される環状に形成されることを特徴とする遊技機27。
遊技機27によれば、遊技機26の奏する効果に加え、案内部は、第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向に沿って延設される棒状に形成され、移動体は、案内部が挿通される環状に形成されるので、移動体を本体部の回動方向に応じて移動させる機構を、簡素な構造により達成できる。よって、製品コストの削減を図ると共に、安定した動作を可能として、信頼性の向上を図ることができる。
遊技機27において、前記移動体は、弾性材料からなる有端の素材を環状に形成したものであることを特徴とする遊技機28。
遊技機28によれば、遊技機27の奏する効果に加え、移動体が、弾性材料からなる有端の素材を環状に形成したものであるので、移動体を案内部に装着する作業を容易として、組み立て工数の削減を図ることができる。即ち、移動体を案内部に装着する際には、弾性変形させることで移動体の一部を開口させ、その開口を介して、棒状の案内部を環状の移動体に挿通させることができる。
なお、環状とは、円形である必要はなく、その内周側に棒状の移動体を挿通可能な形状であれば、多角形状でも楕円形状でも良い。また、移動体は、素材を巻回したものであっても良く、素材から削り出したものでも良く、素材から打ち抜いたものでも良い。
遊技機28において、前記移動体は、前記有端の素材を巻回し、端部同士が重ね合わされていることを特徴とする遊技機29。
遊技機29によれば、遊技機28の奏する効果に加え、移動体は端部同士が重ねあわされているので、その分、移動体の一部を開口させるのに必要な弾性変形量が大きくなる。よって、案内部に装着した移動体が脱落することを抑制できる。また、移動体は、素材を巻回して形成されるので、その製造を簡素化して、部品コストの低減を図ることができる。
遊技機27から29のいずれかにおいて、前記案内部または移動体の少なくとも一方は断面円形に形成されることを特徴とする遊技機30。
遊技機30によれば、遊技機27から29のいずれかの奏する効果に加え、案内部または移動体の少なくとも一方は断面円形に形成されるので、両者の接触面積を小さくして、摺動抵抗を抑えることができる。よって、本体部の回動動作に伴って案内部が下降傾斜された場合には、途中で止まらせることなく、下降傾斜に沿って移動体を確実に移動させることができると共に、移動体の移動(重心位置の変化)を迅速に行うことができる。その結果、移動体の移動に伴う重心位置の変化を利用して、本体部を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に確実に維持することができる。
遊技機26において、前記案内部は、前記第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向に沿って延設される通路状に形成され、前記移動体は、前記案内部を転動する球状または円柱状に形成されることを特徴とする遊技機31。
遊技機31によれば、遊技機26の奏する効果に加え、案内部が、第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向に沿って延設される通路状に形成され、その案内部を転動する球状または円柱状に移動体が形成されるので、本体部の回動動作に伴って案内部が下降傾斜された場合には、その案内部の下降傾斜に沿って移動体を確実かつ迅速に移動させることができる。
例えば、案内部を移動体が摺動する構造では、摺動抵抗が大きいため、案内部の下降傾斜に沿って移動する移動体が途中で止まることがあり、また、移動速度が遅いため、移動体の移動(重心位置の変化)が間に合わないことがある。これに対し、遊技機31のように、移動体が球状または円柱状に形成され、案内部を転動する構造であれば、下降傾斜端まで移動体を確実に移動させることができると共に、移動体の移動(重心位置の変化)を迅速に行うことができる。その結果、移動体の移動に伴う重心位置の変化を利用して、本体部を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に確実に維持することができる。
遊技機27において、前記案内部は、一面側が開放される箱体と、その箱体の一面側に取着される蓋体とを備え、それら箱体および蓋体の間に形成される内部空間に前記移動体が収納されることを特徴とする遊技機32。
遊技機32によれば、遊技機27の奏する効果に加え、案内部は、一面側が開放される箱体と、その箱体の一面側に取着される蓋体とを備え、それら箱体および蓋体の間に形成される内部空間に移動体が収納されるので、移動体を案内部に案内可能に保持させる作業を容易として、組み立て工数の削減を図ることができる。
遊技機32において、前記箱体および蓋体は、樹脂材料から構成されると共に、前記蓋体は、金属材料から構成される締結ねじにより前記箱体に締結固定され、前記締結ねじが締結される被締結部分が、前記第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向に沿って延設される前記内部空間の一端側および他端側にそれぞれ形成されることを特徴とする遊技機33。
遊技機33によれば、遊技機32の奏する効果に加え、箱体および蓋体が、樹脂材料から構成されると共に、蓋体が、金属材料から構成される締結ねじにより箱体に締結固定され、締結ねじが締結される被締結部分が、第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向に沿って延設される内部空間の一端側および他端側にそれぞれ形成されるので、本体部の回動動作に伴って案内部が下降傾斜された際に下降傾斜端となる部分に締結ねじ及び被締結部分を位置させることができる。よって、下降傾斜端となる部分を補強して、移動体の衝突により破損することを抑制できる。また、箱体と蓋体とを締結固定するための構成を、移動体が衝突する部分(下降傾斜端となる部分)を補強する構成としても兼用できるので、補強のための部材を別途設けることを不要として、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機27から33のいずれかにおいて、前記案内部は、前記第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向の一端側および他端側を下方に窪ませて形成される窪み部を備えることを特徴とする遊技機34。
遊技機34によれば、遊技機27から33のいずれかの奏する効果に加え、案内部は、第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向の一端側および他端側を下方に窪ませて形成される窪み部を備えるので、本体部の回動動作に伴って案内部が下降傾斜され、その下降傾斜に沿って移動体が一端側または他端側へ移動する際には、その移動体を窪み部に嵌り込ませて、上昇傾斜側へ跳ね返ることを抑制できる。
遊技機27から30のいずれかにおいて、前記案内部は、前記第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向の一端側および他端側よりも中央部が下方となるように湾曲した円弧状に形成されることを特徴とする遊技機35。
遊技機35によれば、遊技機27から30のいずれかの奏する効果に加え、案内部は、第1受け部および第2受け部を繋ぐ方向の一端側および他端側よりも中央部が下方となるように湾曲した円弧状に形成されるので、本体部の回動動作に伴って案内部が下降傾斜された状態では、上昇傾斜側の勾配を大とすることができる。よって、本体部の回動動作に伴って案内部の上昇傾斜側に位置することとなった移動体の移動を確実かつ速やかに行わせることができる。特に、棒状の案内部を環状の移動体が摺動する構成では、摩擦抵抗が大きいため、上昇傾斜側に位置することとなった移動体の移動が開始されないおそれがあり、このような構成に対して、遊技機35は特に有効となる。
遊技機26から35のいずれかにおいて、前記本体部および案内部が樹脂材料から構成されると共に、前記移動体が金属材料から構成されることを特徴とする遊技機36。
遊技機36によれば、遊技機26から35のいずれかにおいて、本体部および案内部が樹脂材料から構成されると共に、移動体が金属材料から構成されるので、移動体の移動に伴う重心位置の変化を顕著とすることができる。その結果、本体部を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持しやすくすることができる。
遊技機1又は2において、前記振分部材は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球する入球口と、第1受け部および第2受け部を有すると共に第1受け部および第2受け部の間を中心として回動可能に軸支される本体部と、その本体部の回動動作に伴い重心位置を移動させる重心位置移動手段と、を備え、前記入球口に入球した遊技球を前記本体部の第1受け部で受けると、その遊技球の重さで、第1受け部が第2受け部よりも下方となる第1角度位置まで前記本体部が回動することで、前記第1受け部で受けた遊技球を第1位置へ排球すると共に、前記入球口から入球した遊技球を受けることが可能な位置に前記第2受け部が配置され、前記入球口に入球した遊技球を前記本体部の第2受け部で受けると、その遊技球の重さで、第2受け部が第1受け部よりも下方となる第2角度位置まで前記本体部が回動することで、前記第2受け部で受けた遊技球を第2位置へ排球すると共に、前記入球口から入球した遊技球を受けることが可能な位置に前記第1受け部が配置され、前記重心位置移動手段は、前記本体部の第1受け部側および第2受け部側にそれぞれ回動可能に垂下される一対の垂下体と、前記第1角度位置または第2角度位置まで前記本体部が回動される際に、上方側に位置する垂下体を前記本体部に近接させる近接手段および上方側に位置していた垂下体への前記近接手段による本体部への近接を解除して垂下させる解除手段とを備えることを特徴とする遊技機37。
遊技機37によれば、遊技機1又は2の奏する効果に加え、遊技領域を流下する遊技球が入球する入球口と、第1受け部および第2受け部を有すると共に第1受け部および第2受け部の間を中心として回動可能に軸支される本体部とを備え、入球口に入球した遊技球を本体部の第1受け部で受けると、その遊技球の重さで、第1受け部が第2受け部よりも下方となる第1角度位置まで本体部が回動することで、第1受け部で受けた遊技球を第1位置へ排球すると共に、入球口から入球した遊技球を受けることが可能な位置に第2受け部が配置され、入球口に入球した遊技球を本体部の第2受け部で受けると、その遊技球の重さで、第2受け部が第1受け部よりも下方となる第2角度位置まで本体部が回動することで、第2受け部で受けた遊技球を第2位置へ排球すると共に、入球口から入球した遊技球を受けることが可能な位置に第1受け部が配置されるので、遊技球を第1位置および第2位置に交互に振り分けることができる。また、振り分ける動作を、遊技球の重さを利用して、機械的な構成により実行できるので、その動作のための動力を不要とできる。
このように、例えば、本体部が第1角度位置にあると、遊技球を第2受け部で受け、その遊技球の重さを利用して、第1角度位置から第2角度位置へ本体部が回動動作され、遊技球を第2位置へ排球すると共に、次の遊技球を第1受け部で受ける姿勢(第2角度位置)に設定される。
しかしながら、遊技球を受ける位置、遊技球の落下方向、或いは、第1受け部から遊技球が排球される方向などには、その都度ばらつきがあり、そのばらつきの状態や、振動などの外乱を本体部が受けるタイミングによっては、第1角度位置から第2角度位置へ回動された際に、第2角度位置に維持されるべき本体部が、遊技球の排球動作時の反発力によって跳ね上げられ、第1角度位置に逆戻りすることがある。この場合には、次の遊技球を、先の遊技球と同様に、第2受け部により受けることとなり、第2位置へ連続して排球することになる。そのため、遊技球を第1位置および第2位置へ交互に振り分けることができない。
これに対し、遊技機37によれば、本体部の第1受け部側および第2受け部側にそれぞれ回動可能に垂下される一対の垂下体と、第1角度位置または第2角度位置まで本体部が回動される際に、上方側に位置する垂下体を本体部に近接させる近接手段および上方側に位置していた垂下体への近接手段による本体部への近接を解除して垂下させる解除手段とを有する重心位置移動手段を備えるので、本体部の回動動作に伴い重心位置を移動させることができ、これにより本体部を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持することができる。
例えば、第1角度位置にある本体部が、遊技球を第2受け部で受け、その遊技球の重さを利用して、第1角度位置から第2角度位置へ回動動作される(第2位置が下方に位置される)場合には、上方側(第1受け部側)に位置する垂下体が本体部に近接されると共に、下方側(第2受け部側)に位置する垂下体が垂下されるので、全体としての重心位置を第2受け部側に変化させる(即ち、下方に位置する第2受け部側をより重くする)ことができる。その結果、本体部が引き戻されて、第1角度位置に逆戻りすることを抑制し、第2角度位置に維持できる。第2角度位置にある本体部が、遊技球を第1受け部で受ける場合も同様であり、第1角度位置へ回動動作されると、上方側(第1受け部側)に位置する垂下体が本体部へ近接されると共に、下方側(第2受け部側)に位置する垂下体が垂下されることで、本体部を第1角度位置に維持できる。
遊技機37において、前記振分部材は、前記一対の垂下体の間において前記本体部に配設され磁石として構成される本体側磁石と、その本体側磁石に引き合う磁極の向きで前記垂下体に配設されると共に磁石として構成される垂下側磁石と、を備え、前記近接手段は、前記本体側磁石に垂下側磁石が磁着されることで、前記上方側に位置する垂下体を前記本体部に近接した状態に維持することを特徴とする遊技機38。
遊技機38によれば、遊技機37において、近接手段は、本体側磁石と垂下側磁石との磁着を利用して、上方側に位置する垂下体を本体部に近接した状態に維持するので、例えば、2部材の機械的な係合を利用して、近接した状態に維持する構成の場合と比較して、構造の簡素化を図ることができると共に、近接およびその解除動作の信頼性の向上を図ることができる。
遊技機37において、前記振分部材は、前記一対の垂下体の間において前記本体部に配設され磁石として構成される本体側磁石を備えると共に、前記一対の垂下体が磁性材料から構成され、前記近接手段は、前記本体側磁石に前記垂下体が磁着されることで、前記上方側に位置する垂下体を前記本体部に近接した状態に維持することを特徴とする遊技機39。
遊技機39によれば、遊技機37において、近接手段は、本体側磁石と垂下体との磁着を利用して、上方側に位置する垂下体を本体部に近接した状態に維持するので、例えば、2部材の機械的な係合を利用して、近接した状態に維持する構成の場合と比較して、構造の簡素化を図ることができると共に、近接およびその解除動作の信頼性の向上を図ることができる。
また、一対の垂下体が磁性材料から構成されることで、本体部のみに磁石を配設すれば良い。よって、本体部と垂下体とのそれぞれに磁石を配設する構成の場合と比較して、垂下体に配設する磁石を不要とできる分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
さらに、垂下体が磁性材料から構成されることで、その重量を嵩ませることができ、その分、垂下体の変位(本体部への近接および解除(垂下))に伴う重心位置の下方側への移動量を大きくできる。その結果、本体部を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持しやすくできる。
遊技機38又は39において、前記振分部材は、前記本体部を回動可能に軸支する基板部材と、その基板部材から前記本体部へ向けて突出される近接用突起部と、を備えると共に、前記垂下体は、前記垂下体から延設されると共に前記本体部の回動に伴い上方側へ位置する際に前記近接用突起部に係止可能とされる延設片を備え、前記近接手段は、前記本体部の回動に伴い下方側から上方側へ移動する垂下体の延設片が前記近接用突起に係止されることで、前記垂下体が前記本体部へ近接され、前記本体側磁石に、前記垂下側磁石または前記磁性材料から構成される垂下体が磁着されることを特徴とする遊技機40。
遊技機40によれば、遊技機38又は39の奏する効果に加え、振分部材は、本体部を回動可能に軸支する基板部材と、その基板部材から本体部へ向けて突出される近接用突起部と、を備えると共に、垂下体は、その垂下体から延設されると共に本体部の回動に伴い上方側へ位置する際に近接用突起部に係止可能とされる延設片を備えるので、本体部の回動に伴い下方側から上方側へ移動する垂下体の延設片が近接用突起に係止されることで、垂下体を本体部へ近接させ、本体側磁石に垂下側磁石または磁性材料から構成される垂下体を磁着させることができる。これにより、上方側に位置する垂下体を本体部に確実に近接させることができる。また、このように、近接用突起部への延設片の係止により、垂下体を本体部に近接させることができる、即ち、本体側磁石への垂下側磁石または垂下体の磁着を補助できるので、これら本体側磁石および垂下側磁石の磁力を弱くすることができ、その分、部品コストの削減を図ることができると共に、垂下体が下方側に位置する際に、近接状態の解除を確実化することができる。
遊技機38から40のいずれかにおいて、前記振分部材は、前記本体部を回動可能に軸支する基板部材と、その基板部材から前記本体部へ向けて突出される解除用突起部と、を備えると共に、前記垂下体は、前記垂下体から延設されると共に前記本体部の回動に伴い下方側へ位置する際に前記解除用突起部に係止可能とされる延設片を備え、前記近接手段は、前記本体部の回動に伴い上方側から下方側へ移動する垂下体の延設片が前記解除用突起に係止されることで、前記垂下体が前記本体部から離間され、前記本体側磁石と垂下側磁石または磁性材料からなる垂下体との磁着による前記垂下体の本体部への近接が解除されることを特徴とする遊技機41。
遊技機41によれば、遊技機38から40のいずれかの奏する効果に加え、振分部材は、本体部を回動可能に軸支する基板部材と、その基板部材から前記本体部へ向けて突出される解除用突起部とを備えると共に、垂下体は、その垂下体から延設されると共に本体部の回動に伴い下方側へ位置する際に解除用突起部に係止可能とされる延設片を備えるので、本体部の回動に伴い上方側から下方側へ移動する垂下体の延設片が解除用突起に係止されることで、垂下体を本体部から離間させ、本体側磁石および垂下側磁石の磁着(垂下体の本体部への近接)を解除することができる。これにより、下方側に位置する垂下体を垂下させ、全体としての重心位置を確実に移動させることができる。
なお、一の延設片が、遊技機40における延設片と遊技機41における延設片とを兼用する(即ち、近接用突起部および解除用突起部の両者に係止可能とされる)ように構成することが好ましい。これにより、近接用突起部に係止されるための延設片と、解除用突起部垂下体に係止されるための延設片とを垂下体に設ける必要がなく、その分、製品コストを削減できる。
遊技機38から41のいずれかにおいて、前記一対の垂下体は、前記本体部に回動可能に軸支される回動軸から先端までの長さ寸法が、前記回動軸から前記本体部の中心までの長さ寸法よりも大きくされ、前記本体部に配設される少なくとも1の前記本体側磁石が、前記一対の垂下体の一方および他方を前記本体部に近接した状態に維持するための磁石として兼用可能とされることを特徴とする遊技機42。
遊技機42によれば、遊技機38から41のいずれかの奏する効果に加え、一対の垂下体は、本体部に回動可能に軸支される回動軸から先端までの長さ寸法が、回動軸から本体部の中心までの長さ寸法よりも大きくされるので、本体部に配設される少なくとも1の本体側磁石を、一対の垂下体の一方および他方を本体部に近接した状態に維持するための磁石として兼用することができる。よって、その兼用の分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。また、このように、垂下体の長さ寸法を、回動軸から本体部の中心までの長さ寸法よりも大きくすることで、その垂下体の変位(本体部への近接および解除(垂下))に伴う重心位置の下方側への移動量を大きくでき、その結果、本体部を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持しやすくできる。
遊技機37から42のいずれかにおいて、前記一対の垂下体は、前記本体部に回動可能に軸支される回動軸から先端までの長さ方向中央よりも先端側に重心位置が配置されることを特徴とする遊技機43。
遊技機43によれば、遊技機37から42のいずれかにおいて、一対の垂下体は、本体部に回動可能に軸支される回動軸から先端までの長さ方向中央よりも先端側に重心位置が配置されるので、垂下体の変位(本体部への近接および解除(垂下))に伴う重心位置の下方側への移動量を大きくでき、その結果、本体部を本来あるべき姿勢(第1角度位置または第2角度位置)に維持しやすくできる。
遊技機1から43のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から43のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から43のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。