JP2014058507A - 11位アミノ置換マクロライド誘導体 - Google Patents

11位アミノ置換マクロライド誘導体 Download PDF

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Tomohiro Sugimoto
智洋 杉本
Masatomo Hayashi
真知 林
Atsushi Kurosaka
淳 黒坂
Naoki Sasamoto
直樹 笹本
Naonori Kawaguchi
尚則 河口
Takashi Yoshizumi
隆 吉住
Ko Hisamura
興 久村
Keiji Tamura
圭司 田村
Naganori Shidara
永紀 設楽
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】エリスロマイシン耐性菌(例えば耐性肺炎球菌、レンサ球菌)に対しても有効なマクロライド化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物。
Figure 2014058507

【選択図】なし

Description

本発明は、エリスロマイシン類似骨格を有する新規抗生物質に関する。より具体的には、本発明は、クラジノースの4”位に窒素原子を有する置換基で置換されたメチル基を有し、かつ11位にアミノ構造を有するマクロライド化合物に関するものである。
エリスロマイシンAはグラム陽性菌、マイコプラズマなどに起因する感染症の治療薬として広く使用されている抗生物質である。しかし、エリスロマイシンは胃酸で分解されるため、体内動態が一定しないという欠点があった。そこで酸に対する安定性を増した誘導体が検討され、その結果、クラリスロマイシン、アジスロマイシン(特許文献1及び2)、ロキシスロマイシンなどの体内動態の安定したマクロライド剤が開発されてきた。外来の呼吸器感染症を治療領域とするこれらマクロライド剤は、特に臨床分離頻度の高い肺炎球菌、レンサ球菌並びにインフルエンザ菌に対し強い抗菌活性を有する必要がある。さらに、市中肺炎からマクロライド耐性の肺炎球菌が高頻度に分離されていることから耐性肺炎球菌に有効であることも重要となっている。
近年、広範な研究の結果、エリスロマイシン耐性肺炎球菌、エリスロマイシン耐性レンサ球菌のいずれに対しても有効なマクロライドとしてAgouridasらは1995年にHMR3647(テリスロマイシン,特許文献3)を、Orらは1998年にABT−773(セスロマイシン,特許文献4)を相次いで見出した。その後、さらに薬効増強が図られた2−フルオロケトライド(特許文献5)が報告されている。
一方、クラジノースの4”位に窒素原子を有する置換基で置換されたメチル基を有するマクロライド化合物に関しては、ラクトン環内に窒素原子をもつという構造的な特徴を有しているアザライドタイプの化合物がほとんどであり(特許文献6)、アザライド以外の骨格を有する化合物はあまり報告例が無い。
米国特許明細書第4474768号 米国特許明細書第4517359号 欧州特許第680967号 国際公開WO98/09978号 国際公開WO02/32919号 国際公開WO98/56801号
本発明の課題は、従来のエリスロマイシン感性菌のみならず、エリスロマイシン耐性菌(例えば耐性肺炎球菌、レンサ球菌)に対しても有効な新規構造を有する化合物を提供することにある。
そこで、本発明者らは新たなマクロライド化合物の研究を鋭意行った結果、下記に示す化合物が優れた抗菌活性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明により、
(1)下記の式(I)で表される化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物が提供される。
式(I):
Figure 2014058507
(式中、
Meはメチル基を示し、
1は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
2は、水素原子、C1-6アルカノイル基(該C1-6アルカノイル基は、アミノ基、又はC1-6アルキルアミノ基で置換されてもよい)、C1-6アルキルスルホニル基、又は置換基群1から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、或いは
1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、4〜8員の含窒素飽和複素環基(該含窒素飽和複素環基は、ヘテロアラルキル基、又はC1-6アルキルアミノ基で置換されてもよい)、又はスピロ炭素を有する7〜10員の含窒素飽和複素環基(該含窒素飽和複素環基は、C1-6アルキル基、又はオキソ基で置換されても良い)を形成してもよく、
置換基群1は、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基(該フェニル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)、4〜8員の飽和複素環基(該飽和複素環基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、ヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は、C1-6アルキル基で置換されてもよい)、式−CONR78で示される基、式−SO2NR910で示される基、式−NR11COR12で示される基、式−NR13CO214で示される基、式−NR15SO216で示される基、及び式−NR1718で示される基からなる群であり、
7、R8、R9、R10、R11、R13、R14、及びR15は、同一又は異なって、水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
12は、フェニル基(該フェニル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)を示し、
16は、C1-6アルキル基、又はフェニル基(該フェニル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)を示し、
17、及びR18は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、及び4〜8員の飽和複素環基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい)、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、4〜8員の飽和複素環基、C1-6アルカノイル基、C7-12アラルキル基(該C7-12アラルキル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)、又はヘテロアラルキル基(該ヘテロアラルキル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)を示すか、或いは
17、及びR18は結合する窒素原子と一緒になって、置換基群2から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい4〜8員の含窒素飽和複素環基、又は置換基群2から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい6員の含窒素一部飽和複素環基を形成してもよく、
置換基群2は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、オキソ基、C1-6アルコキシイミノ基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、式−CONR1920(R19、及びR20は、同一又は異なって、水素原子、又はC1-6アルキル基を示す)で示される基、C1-6ハロアルキル基、及びC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、及びC1-6アルキルアミノ基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい)からなる群であり、
3は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、又は式OCONR2122(R21、及びR22は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、又は1個のヘテロアリール基で置換されたC2-6アルケニル基を示す)を示し、
Zは、式CHR23(R23は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、又はアミノ基を示す)で示される基、式C(=O)で示される基、又は式C(=N−OR24)で示される基を示し、
24は、水素原子、C1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、C1-6アルコキシ基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、又はフェニル基で置換されてもよい)、又は4〜8員の飽和複素環基を示し、
4は、水素原子、C1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1-6アルキルスルファニル基、C1-6アルキルスルホニル基、フェニル基、4〜8員の飽和複素環基、ヘテロアリール基、フタルイミド基、C1-6アルカノイルオキシ基、式−NR2526、式−NR27SO228、及び式−NR29COR30から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい)、フェニル基で置換されたC2-6アルケニル基、C1-6アルカノイル基(該C1-6アルカノイル基は、C1-6アルキルスルホニル基で置換されてもよい)、C2-7アルコキシカルボニル基、4〜8員の飽和複素環、6員の含窒素一部飽和複素環基、ヘテロアリール基、又は式C(=N)−NH2を示し、
25、及びR26は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、又はベンジルオキシカルボニル基を示すか、或いは
25、及びR26は結合する窒素原子と一緒になって、4〜8員の含窒素飽和複素環基を形成してもよく、
27、及びR29は、同一又は異なって、水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
28、及びR30は、同一又は異なって、C1-6アルキル基、4〜8員の飽和複素環基、ヘテロアリール基を示し、
5は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、或いは
4、及びR5は結合する窒素原子と一緒になって、4〜8員の含窒素飽和複素環基を形成してもよく、或いは
Z、及びR5は一緒になって形成する式(II)、又は式(III)
Figure 2014058507
で示される環状構造を示してもよく、
31は、破線を含む二重線が二重結合の場合には存在せず、破線を含む二重線が単結合の場合には水素原子を示し、
32、及びR33は、共に水素原子を示し、
6は、ヒドロキシ基を示し、或いは
5とR6はそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって形成する式(IV)、又は式(V)
Figure 2014058507
で示される環状構造を示してもよく、
34、及びR35は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、又はC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、C1-6アルキルスルホニル基、又はフェニル基で置換されてもよい)を示し、或いは
34、及びR35は、一緒になってC1-6アルカノイル基で置換されたメチリデン基を示してもよく、或いは
4、及びR34は、一緒になって結合を示してもよく、或いは
Z、R4、R5、及びR6は、一緒になって、式(VI)
Figure 2014058507
で示される環状構造を示してもよく、或いは
Z、及びR6は、一緒になって、式(VII)
Figure 2014058507
で示される環状構造を示してもよい)。
上記の発明の好ましい態様として、下記の発明が提供される。
(2)R2が、置換基群1から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたC1-6アルキル基である上記(1)に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物;
(3)R2が、式−NR1718で置換されたC1-6アルキル基である上記(1)に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物;
(4)R1が、C1-6アルキル基である上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物;
(5)R3が、ヒドロキシ基、又はC1-6アルコキシ基である上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物;及び
(6)R3が、メトキシ基である上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物。
別の観点からは下記の発明も提供される。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物及びその塩、並びにその水和物及びその溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含有する医薬;及び
(8)感染症の予防及び/又は治療のために用いる上記(7)に記載の医薬。
さらに別の観点からは、本発明により、上記の式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質からなるマクロライド系抗生物質が提供される。また、本発明により、上記の式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬、好ましくは感染症の予防及び/又は治療のための医薬が提供される。
また、上記の式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む抗微生物剤、並びに上記の式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む感染症の予防及び/又は治療剤が本発明により提供される。
これらに加えて、本発明により、上記の医薬の製造のための上記の式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の使用、並びに感染症の予防及び/又は治療方法であって、上記の式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が本発明により提供される。
本発明の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物は微生物、好ましくはグラム陽性菌又はグラム陰性菌などの好気性又は嫌気性細菌類およびマイコプラズマやクラミジアまたはクラミドフィラなどの非定型細菌類に対して幅広い抗菌活性を有しており、特に従来のマクロライド系抗生物質では十分な抗菌活性が得られなかったエリスロマイシン耐性菌(例えば耐性肺炎球菌、レンサ球菌)などに対しても優れた抗菌活性を示すという特徴がある。
本発明において、「Cx-y」とは、その後に続く基がx〜y個の炭素原子を有することを意味する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
「アルキル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。本明細書においてメチル基を「Me」と表示する場合がある。
「アルケニル基」とは、前記「アルキル基」の任意の位置に1個以上の二重結合を有する直鎖状又は分枝鎖状のアルケニル基であり、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、及び2−ヘキセニル基等が挙げられる。
「アルコキシ基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、イソプロポキシ基、1−ブトキシ基、1−メチル−1−プロポキシ基、t−ブトキシ基、1−ペンチルオキシ基等が挙げられる。
「アルコキシカルボニル基」とは、前記「アルコキシ基」がカルボニル基を介して結合する基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、1−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、1−ブトキシカルボニル基、1−メチル−1−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、1−ペンチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
「アルコキシイミノ基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシイミノ基であり、例えばメトキシイミノ基、エトキシイミノ基、1−プロポキシイミノ基、イソプロポキシイミノ基、1−ブトキシイミノ基、1−メチル−1−プロポキシイミノ基、t−ブトキシイミノ基、1−ペンチルオキシイミノ基等が挙げられる。
「ハロアルキル基」とは、前記「アルキル基」の1つ又は複数の水素原子がハロゲン原子で置換されたアルキル基であり、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基、4−ブロモブチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
「アルキルアミノ基」とは、前記「アルキル基」が1つ又は2つアミノ基に結合した基であり、例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基等が挙げられる。
「アルキルスルファニル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキルスルファニル基であり、例えばメチルスルファニル基、エチルスルファニル基、1−プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、1−ブチルスルファニル基、1−メチル−1−プロピルスルファニル基、t−ブチルスルファニル基、1−ペンチルスルファニル基等が挙げられる。
「アルキルスルホニル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキルスルホニル基であり、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、1−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、1−ブチルスルホニル基、1−メチル−1−プロピルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基、1−ペンチルスルホニル基等が挙げられる。
「シクロアルキル基」とは、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
「アラルキル基」とは、前記「アルキル基」の1つの水素原子がフェニル基、又はナフチル基で置換されたアルキル基であり、例えばベンジル基、フェネチル基、ナフタレン-1-イルメチル基、ナフタレン-2-イルメチル基等が挙げられる。
「ヘテロアリール基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から任意に選ばれた1〜4個の原子を環構成原子として含み、例えばピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジル基、キノリル基(例えば、2-キノリル、3-キノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基)、イソキノリル基、チエニル基(例えば2−チエニル基、3−チエニル基)、ピロリル基(例えば1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基)、チアゾリル基(例えば2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基)、イソチアゾリル基(例えば3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基)、ピラゾリル基(例えば1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基)、イミダゾリル基(例えば1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、3−イミダゾリル基)、フリル基(例えば2−フリル基、3−フリル基)、オキサゾリル基(例えば2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基)、イソキサゾリル基(例えば3−イソキサゾリル基、4−イソキサゾリル基、5−イソキサゾリル基)、オキサジアゾリル基(例えば1,2,3−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基)、チアジアゾリル基(例えば1,2,3−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基)、トリアゾリル基(例えば1,2,4−トリアゾリル基)、テトラゾリル基、ベンゾフラニル基(例えば2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基)、ベンゾチエニル基(例えば2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、4−ベンゾチエニル基、5−ベンゾチエニル基)、インドリル基(例えば2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基)、ベンゾオキサゾリル基(例えば2−ベンゾオキサゾリル基、4−ベンゾオキサゾリル基、5−ベンゾオキサゾリル基、6−ベンゾオキサゾリル基)、ベンゾイソキサゾリル基(例えば3−ベンゾ[c]イソキサゾリル基、4−ベンゾ[c]イソキサゾリル基、5−ベンゾ[c]イソキサゾリル基、6−ベンゾ[c]イソキサゾリル基、3−ベンゾ[d]イソキサゾリル基、4−ベンゾ[d]イソキサゾリル基、5−ベンゾ[d]イソキサゾリル基、6−ベンゾ[d]イソキサゾリル基)、インダゾリル基(例えば3−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基)、ベンズイミダゾリル基(例えば2−ベンズイミダゾリル基、4−ベンズイミダゾリル基、5−ベンズイミダゾリル基、6−ベンズイミダゾリル基)、ベンゾオキサジアゾリル基(例えば4−ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリル基、5−ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリル基、4−ベンゾ[1,2,3]オキサジアゾリル基、5−ベンゾ[1,2,3]オキサジアゾリル基)、ベンゾチアジアゾリル基(例えば4−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾリル基、5−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾリル基、4−ベンゾ[1,2,3] チアジアゾリル基、5−ベンゾ[1,2,3]チアジアゾリル基)、インドリジニル基(例えば1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基)、チエノピリジル基(例えば2−チエノ[2,3−b]ピリジル基、3−チエノ[2,3−b]ピリジル基、5−チエノ[2,3−b]ピリジル基、6−チエノ[2,3−b]ピリジル基、2−チエノ[3,2−b]ピリジル基、3−チエノ[3,2−b]ピリジル基、5−チエノ[3,2−b]ピリジル基、6−チエノ[3,2−b]ピリジル基)、ピラゾロピリジル基(例えば2−ピラゾロピリジル基、3−ピラゾロピリジル基、5−ピラゾロピリジル基、6−ピラゾロピリジル基)、イミダゾピリジル基(例えば1−イミダゾ[1,5−a]ピリジル基、3−イミダゾ[1,5−a]ピリジル基、5−イミダゾ[1,5−a]ピリジル基、7−イミダゾ[1,5−a]ピリジル基、2−イミダゾ[1,2−a]ピリジル基、3−イミダゾ[1,2−a]ピリジル基、5−イミダゾ[1,2−a]ピリジル基、7−イミダゾ[1,2−a]ピリジル基)、イミダゾピラジル基(例えば1−イミダゾ[1,5−a]ピラジル基、3−イミダゾ[1,5−a]ピラジル基、5−イミダゾ[1,5−a]ピラジル基、8−イミダゾ[1,5−a]ピラジル基、2−イミダゾ[1,2−a]ピラジル基、3−イミダゾ[1,2−a]ピラジル基、5−イミダゾ[1,2−a]ピラジル基、8−イミダゾ[1,2−a]ピラジル基)、ピラゾロピリミジル基(例えば2−ピラゾロ[1,5−a] ピリミジル基、3−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジル基、5−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジル基、6−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジル基、2−ピラゾロ[1,5−c]ピリミジル基、3−ピラゾロ[1,5−c] ピリミジル基、4−ピラゾロ[1,5−c]ピリミジル基、5−ピラゾロ[1,5−c]ピリミジル基)、トリアゾロピリミジル基(例えば3−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジル基、5−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジル基、6−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジル基、3−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジル基、4−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジル基、5−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジル基、2−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジル基、5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジル基、6−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジル基、7−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジル基、2−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジル基、5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジル基、7−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジル基、8−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジル基)、チエノチエニル基(例えば2−チエノ[2,3−b]チエニル基、3−チエノ[2,3−b]チエニル基、2−チエノ[3,2−b]チエニル基、3−チエノ[3,2−b]チエニル基)、イミダゾチアゾリル基(例えば2−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル基、3−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル基、5−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル基、2−イミダゾ[5,1−b]チアゾリル基、3−イミダゾ[5,1−b]チアゾリル基、5−イミダゾ[5,1−b]チアゾリル基)等が挙げられる。
「4〜8員の飽和複素環基」とは、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子(酸化されていてもよい)から任意に選ばれた1〜3個の原子を環構成原子として含む4〜8員の飽和複素環基であり、架橋構造を有していてもよく、アゼチジニル基、オキセタニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、オキソラニル基、チオラニル基、テトラヒドロチエニル基、ジオキソテトラヒドロチエニル基、イソチアゾリジニル基、ジオキソイソチアゾリジニル基、オキサゾリジニル基、チアジアゾリジニル基、ジオキソチアジアゾリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ジオキソテトラヒドロチオピラニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ジオキソチオモルホリニル基、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基、3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル基等が挙げられる。「4〜8員の飽和複素環基」は、オキソ基で置換される場合もあり、例えば、2,5−ジオキソイミダゾリジニル基、2−オキソオキサゾリジニル基、2−オキソイミダゾリジニル基が挙げられる。
「4〜8員の含窒素飽和複素環基」とは、上記の「4〜8員の飽和複素環基」の内、環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を含む飽和複素環基である。
「スピロ炭素を有する7〜10員の含窒素飽和複素環基」とは、スピロ炭素を有する二環性骨格を有しており、環内に少なくとも1個の窒素原子を有しており、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子(酸化されていてもよい)から任意に選ばれた1〜2個の原子をさらに環構成原子として含んでもよい7〜10員の飽和複素環基であり、2,6−ジアザスピロ[3.5]ノナニル基、5−チア−2−アザスピロ[3.4]オクタニル基、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル基等が挙げられる。「スピロ炭素を有する7〜10員の含窒素飽和複素環基」はオキソ基で置換されてもよい。
「6員の含窒素一部飽和複素環基」とは、1〜3個の窒素原子を環構成原子として含む6員の含窒素一部飽和複素環基であり、例えばテトラヒドロピリジル基等が挙げられる。
「ヘテロアラルキル基」とは、前記「アルキル基」の1つの水素原子が前記「ヘテロアリール基」で置換されたアルキル基である。「ヘテロアラルキル基」としては、例えばピリジルメチル基等が挙げられる。
「アルカノイル基」とは、水素原子、又は前記「アルキル基」がカルボニル基を介して結合した基であり、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基等が挙げられる。
「アルカノイルオキシ基」とは、前記「アルカノイル基」が酸素原子を介して結合した基であり、例えばホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基等が挙げられる。
「アルキレン基」とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基であり、例えば−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CH(CH3)−、−CH(CH3)CH2−、−(CH(CH3))2−、−(CH2)2−CH(CH3)−、−(CH2)3−CH(CH3)−、−CH(CH(CH32)−CH2−、−(CH2)2−CH(C25)−、−(CH2)6−などが挙げられる。
上記式(I)においてR1からR6、及びZについての好ましい範囲は下記のとおりである。R1からR6、及びZのいずれか1つが下記に説明する好ましいR1からR6、及びZに該当する化合物は好ましい化合物であり、さらに2以上の好ましいR1からR6、及びZを有する化合物はさらに好ましい化合物である。もっとも、本発明の範囲は下記の好ましい範囲に限定されることはない。
1がC1-6アルキル基であることが好ましい。
2が置換基群1から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたC1-6アルキル基であることが好ましく、式−NR1718で示される基で置換されたC1-6アルキル基であることがより好ましい。
3がヒドロキシ基、又はC1-6アルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基であることがより好ましい。
4が水素原子、C1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1-6アルキルスルファニル基、C1-6アルキルスルホニル基、フェニル基、4〜8員の飽和複素環基、フタルイミド基、式−NR2526、式−NR27SO228、又は式−NR29COR30で置換されてもよい)であることが好ましい。
5が、水素原子、又はC1-6アルキル基であることが好ましい。
6が、ヒドロキシ基であることが好ましい。
Zが式C(=O)で示される基であることが好ましい。
上記式(I)で表される化合物の塩は、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれでもよい。酸付加塩としては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ステアリン酸、コハク酸、エチルコハク酸、ラクトビオン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アジピン酸、システイン、N−アセチルシステイン、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、ヨウ化水素酸、ニコチン酸、シュウ酸、ピクリン酸、チオシアン酸、ウンデカン酸、アクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマーなどの酸との塩を挙げることができ、塩基付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの無機塩基との塩、モルホリン、ピペリジンなどの有機アミン、アミノ酸との塩を挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらのうち、生理学的に許容される塩が好ましい。
上記式(I)で表される本発明の化合物又はその塩は、水和物又は任意の溶媒和物として存在する場合があるが、これらの水和物又は溶媒和物も本発明の範囲に包含される。また、上記式(I)で表される本発明の化合物は複数の不斉炭素を有しているが、これらの不斉炭素は任意の立体配置であってもよい。これらの不斉炭素に基づく純粋な形態の光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体、任意の立体異性体の混合物、ラセミ体などはいずれも本発明の範囲に包含される。また、上記式(I)で表される本発明の化合物は1以上の二重結合を有する場合があり、二重結合又は環構造に由来する幾何異性体も存在する場合がある。純粋な形態の任意の幾何異性体又は任意の幾何異性体の混合物も本発明の範囲に包含されることは言うまでもない。好ましい立体異性体の一つを下記に示すが、本発明の化合物は下記の特定の立体異性体に限定されることはない。下記の構造式において示す配置は絶対配置であり、その表記は通常の表記に従っている。
Figure 2014058507
上記式(I)で表される本発明の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物は、優れた安全性を示す。安全性は、種々の試験によって評価されるが、たとえば、細胞毒性試験、hERG試験、シトクロムP450(CYP)活性阻害試験などで評価することができる。
上記式(I)で表される本発明の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物は、優れた代謝安定性を示す。代謝安定性は、種々の試験によって評価されるが、たとえば、ヒト肝ミクロソーム代謝安定性試験などで評価することができる。
本発明の化合物は、例えば以下の方法によって合成することができるが、本発明の化合物の製造方法はこれらに限定されるものではない。例えば、以下の各スキームにおけるそれぞれの反応は適宜入れ替えて行うことができる。
本発明の化合物は、いずれも刊行物に未記載の新規化合物であるが、刊行物に記載の公知の方法又はそれと類似した方法で製造することができる。刊行物としては、例えばオーガニック・ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ(Organic Functional Group Preparations),S.R.サンドラーら著、アカデミック・プレス・インコーポレイテッド(Academic Press Inc.) (New York and London) (1968)、シンセティック・オーガニック・ケミストリー(Synthetic Organic Chemistry),S.R.ワーグナーら著, (John Wiley) (1961)、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations),R.C.ラロック著 (1989)、エンサイクロペディア・オブ・レージェンツ・フォー・オーガニック・シンセシス(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis),L.A.パケットら著 (1995)、コンペンジアム・オブ・オーガニック・シンセティック・メソッド(Compendium of Organic Synthetic Methods)等があげられる。
以下の説明において、塩基とは特に示さない限り、例えば有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、ピリジン若しくは4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類、又はナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド等)、又は無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、又は水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の金属水酸化物等)を意味するが、これらに限定されることはない。
溶媒とは特に示さない限り、例えば極性溶媒(例えば、水、メタノール等のアルコール系の溶媒等)、不活性溶媒(例えば、クロロホルム若しくは塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素類、又はシクロヘキサン等の炭化水素類等)、又はこれらの混合溶媒を意味するが、これらに限定されることはない。
縮合剤とは特に示さない限り、例えば、クロロギ酸エステル(例えば、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル等)、酸クロリド(例えば、ピバロイルクロリド、オキザリルクロリド若しくは2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド等)、又は脱水縮合剤(例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド・塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド試薬、1,1’−カルボニルジイミダゾール、若しくは2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ化物塩等)等を意味するが、これらに限定されることはない。
以下の説明においてPは水素原子又は保護基を示し、保護基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等のシリル系保護基、若しくはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル系保護基、若しくはベンジル基、p−メトキシベンジル基、2−クロロベンジル基等のエーテル系保護基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、若しくは1−エトキシエチル基などのアセタール系保護基、若しくはベンジルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基等のカーボネート系保護基等が好ましく、さらに好ましくはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基又はトリメチルシリル基、トリエチルシリル基が挙げられるが、上記の保護基に限定されることはなく、Protective Groups in Organic Synthesis(第3版,1999年,P.G.M.Wuts,T.Green編)等に記載の保護基を示す。
化合物中に示されるPは、以下に述べるような方法に従って、適宜、水素原子と保護基に相互変換することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
Pがアシル系保護基の場合には、以下のように水素原子に変換することができる。すなわち、塩基(例えば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等が挙げられる)存在下若しくは非存在下、アルコール系溶媒(例えばメタノールが好ましい)中、反応することで、水素原子へと変換することができる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から溶媒の沸点の範囲が好ましい。
また、Pが水素原子の場合には、以下のようにアシル系保護基へと変換することができる。すなわち、カルボン酸無水物若しくはカルボン酸ハライドと塩基(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン若しくはピリジン等が挙げられる)存在下若しくは非存在下、4−ジメチルアミノピリジン存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばアセトン、クロロホルム若しくはジクロロメタン等が挙げられる)中、反応することで、アシル系保護基へと変換することができる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
Pがシリル基系保護基の場合には、以下のように水素原子に変換することができる。すなわち、フッ素化剤(例えばフッ化水素若しくはテトラブチルアンモニウムフルオリド等が挙げられる)と溶媒(例えばテトラヒドロフラン等が挙げられる)中、反応することで水素原子へと変換することができる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
また、Pが水素原子の場合には、以下のようにシリル系保護基へと変換することができる。すなわち、シリルハライドと塩基(例えばイミダゾール若しくはトリエチルアミン等が挙げられる)存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばクロロホルム若しくはジメチルホルムアミド等が挙げられる)中、反応することでシリル系保護基へと変換することができる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
<スキーム1>
Figure 2014058507
(式中、Y1は、水素原子、又はC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基はフェニル基で置換されてもよい)を示し、
2は、R4またはR5を示し、
1は保護基を示し、保護基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等のシリル系保護基が挙げられ、
1、R2、R3、R4、R5、R34、R35及びPの各記号は前記と同意義である)
式(1)で示される化合物は、例えば、刊行物(例えばEuropean Journal of Medicinal Chemistry,2011年,46巻,3105ページ、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2010年,20巻,5527ページ、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2007年,17巻,3330ページ、Tetrahedron Letters,2007年,48巻,1321ページ、Journal of Medicinal Chemistry,2001年,44巻,4137ページ、Bioorganic & Medicinal Chemistry,1999年, 7巻,2749ページ、The Journal of Antibiotics,1993年,46巻,1163ページ、The Journal of Antibiotics,1993年,46巻,647ページ、Heterocycles,1990年,31巻,2121ページ、Journal of Organic Chemistry,1998年,53巻,2340ページ、国際公開WO10/0122571、国際公開WO09/023191、国際公開WO01/077135、国際公開WO00/039142、国際公開WO98/18807、国際公開WO92/06991、欧州特許第222186号、欧州特許第158467号等)に記載された方法に準拠した方法によって合成することができる。
式(2)で示される化合物は、式(1)で示される化合物を有機塩基(例えばピリジン等のアミン類が好ましい)の存在下若しくは非存在下、カーボネート化剤(例えばトリホスゲン若しくは炭酸ジエチルが挙げられ、この中でもトリホスゲンが好ましい)と不活性溶媒(クロロホルムおよびジクロロメタンが好ましい)中、反応することで得られる。反応温度は例えば、−20 ℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、この中でも0℃から室温が好ましい。
式(3)で示される化合物は式(2)で示される化合物を原料に用い、文献(Tetrahedron, 1978年, 34巻, 1651ページ、Journal of American Chemical Society, 1965年, 87巻, 5661ページ、Journal of American Chemical Society, 1972年, 94巻, 7586ページ、Journal of Organic Chemistry, 1983年, 48巻, 4155ページ)に記載された方法に準拠した方法、すなわち、スワン酸化、モファット酸化若しくはコーリー-キム酸化、デスマーチン酸化等によって酸化することで得られる。そのうちでも、特にコーリー‐キム酸化が好ましく、スルフィド試薬(例えばジメチルスルフィド、ドデシルメチルスルフィド等が好ましい)を活性化剤(例えばN−クロロスクシンイミド等が好ましい)で不活性溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタンが好ましい)中、活性化した後に、式(2)で表される化合物と有機塩基(例えばトリエチルアミン等が好ましい)を順次加えて、反応することで得られる。反応温度は例えば−78℃から室温の範囲で選択され、特に−40℃から0℃が好ましい。
式(4)で示される化合物のうち4”位の立体化学が(R)配置である化合物は、刊行物(例えば国際公開WO98/56801号)に記載された手法に準拠した方法、すなわち式(3)で示される化合物を(CH33S(O)W1、(ここでW1は例えばハロゲン、−BF4若しくは−PF6が挙げられるが、ヨウ素が好ましい)と有機塩基若しくは無機塩基存在下(例えば水素化ナトリウムが好ましい)、溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いても良い)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、0℃から60℃の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
式(4)で示される化合物のうち4”位の立体化学が(S)配置である化合物は、刊行物(例えば国際公開WO98/56801号)に記載された方法に準拠した方法、すなわち式(3)で示される化合物を(CH33SW2、(ここでW2は例えばハロゲン、−BF4若しくは−PF6が挙げられるが、−BF4が好ましい)と有機塩基若しくは無機塩基存在下、溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いても良い)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、−50℃から60℃の範囲から選択され、−30℃から室温の範囲が好ましい。
式(5)で示される化合物は式(4)で示される化合物を原料に用い、文献(例えばJournal of Organic Chemistry, 1988年, 53巻, 2340ページ、欧州特許第248279号等)に記載された手法に準拠した方法によって、例えば1,1’−カルボニルジイミダゾールを塩基(例えば水素化ナトリウムが好ましい)存在下、溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いても良い)中、反応することで得られる。反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温が好ましい。
式(6)で示される化合物は式(5)で示される化合物を原料に用い、文献(例えばJournal of Organic Chemistry, 1988年, 53巻, 2340ページ、欧州特許第248279号、国際公開WO97/31929号等)に記載された手法に準拠した方法によって、アンモニアガス若しくはアンモニア水と塩基(例えば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンおよび1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等が挙げられる)の存在下若しくは非存在下に、溶媒(例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル等が挙げられる)中、反応することで得られる。アンモニアは酸付加塩であってもよく、酸付加塩としては、例えば塩酸等との塩が好ましい。上記の反応の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から50℃の範囲が好ましい。
式(7)で示される化合物は式(6)で示される化合物と対応するアミンを、ハロゲンイオンを含む塩(例えばヨウ化カリウム、塩化アンモニウム若しくはピリジン塩酸塩等)若しくはルイス酸(例えばイッテルビウムトリフラート)の存在下若しくは非存在下に、塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン等が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばエタノール、ブタノール若しくはジメチルホルムアミド等が好ましい)の存在下若しくは非存在下で反応することで得られる。上記の反応温度は例えば室温から溶媒の沸点の範囲が好ましい。本反応は常圧下でも実施可能であるが、封管中でも実施可能である。また、反応はマイクロウェーブ装置を用いて行うことができ、その際の反応温度は例えば溶媒の沸点から200℃の範囲が好ましい。上記反応のアミンは酸付加塩であってもよく、酸付加塩としては、例えば塩酸等との塩が好ましい。
式(8)で示される化合物は式(7)で示される化合物を原料として、アルキルオキシカルボニル化剤(例えば二炭酸ジ−t−ブチル若しくは二炭酸ジ−アミル等が好ましい)存在下、有機塩基若しくは無機塩基存在下(例えば4−ジメチルアミノピリジンが好ましい)、溶媒(例えばテトラヒドロフランが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の温度の範囲が好ましい。
式(9)で示される化合物は式(8)で示される化合物を原料として、有機塩基若しくは無機塩基存在下(例えば水酸化カリウムが好ましい)、溶媒(例えばテトラヒドロフラン、メタノール、水等の混合溶媒が挙げられる)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の温度の範囲が好ましい。
式(10)で示される化合物は式(9)で示される化合物を原料として、シリル化剤存在下(例えばトリフルオロメタンスルホン酸 t−ブチルジメチルシリルが好ましい)、有機塩基若しくは無機塩基存在下(例えば2,6−ルチジンが好ましい)、不活性溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタンが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の温度の範囲が好ましい。
式(11)で示される化合物は式(10)で示される化合物を原料として、フッ素化剤存在下(例えばフッ化水素ピリジン錯体が好ましい)、溶媒(例えばテトラヒドロフランが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の温度の範囲が好ましい。
式(12)で示される化合物は式(11)で示される化合物と対応するアルデヒド若しくはケトンを原料として、還元剤(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ピナコールボラン、カテコールボラン等が挙げられ、シアノ水素化ホウ素ナトリウムが好ましい)の存在下、酸(例えば酢酸が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばクロロホルム、エタノール、アセトン等が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いても良い)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から50℃の温度の範囲が好ましい。
また、式(12)で示される化合物は、式(11)で示される化合物と対応するカルボン酸を原料として、縮合剤(例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドが好ましい)の存在下、溶媒(例えばテトラヒドロフラン、メタノール、エタノールが挙げられ、テトラヒドロフランが好ましい)中、反応することでも得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の温度の範囲が好ましい。
また、式(12)で示される化合物は、式(11)で示される化合物と対応する酸クロリドを原料として、有機塩基若しくは無機塩基(例えばピリジンが好ましい)の存在下、不活性溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタンが好ましい)中、反応することでも得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の温度の範囲が好ましい。
式(13)で示される化合物は式(12) のY2がR5で示される化合物と対応するアルデヒド若しくはケトンを原料として、還元剤(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ピナコールボラン、カテコールボラン等が挙げられ、シアノ水素化ホウ素ナトリウムが好ましい)の存在下、酸(例えば酢酸が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばクロロホルム、エタノール、アセトン等が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いても良い)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から50℃の温度の範囲が好ましい。
また、式(13)で示される化合物は、式(12) のY2がR5で示される化合物と対応するカルボン酸を原料として、縮合剤(例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドが好ましい)の存在下、溶媒(例えばテトラヒドロフラン、メタノール、エタノールが挙げられ、テトラヒドロフランが好ましい)中、反応することでも得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の温度の範囲が好ましい。
また、式(13)で示される化合物は、式(12) のY2がR5で示される化合物と対応する酸クロリドを原料として、有機塩基若しくは無機塩基(例えばピリジンが好ましい)の存在下、不活性溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタンが好ましい)中、反応することでも得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の温度の範囲が好ましい。
式(14)で示される化合物は式(12)で示される化合物と対応するアルデヒド若しくはケトンを原料として、酸(例えば酢酸が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばクロロホルム、エタノール、アセトン等が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いても良い)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から50℃の温度の範囲が好ましい。
式(15)で示される化合物は式(14)で示される化合物を原料として、還元剤(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ピナコールボラン、カテコールボラン等が挙げられ、シアノ水素化ホウ素ナトリウムが好ましい)の存在下、酸(例えば酢酸が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばクロロホルム、エタノール、アセトン等が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いても良い)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から50℃の温度の範囲が好ましい。
また、スキーム1の式(11)で示される化合物はスキーム2中に示される工程によって変換して、スキーム1の式(14)で示される化合物を得ることができる。
<スキーム2>
Figure 2014058507
(式中、R1、R2、R3、R4、R34、R35及びPの各記号は前記と同意義であり、
例えば、R4、R34、R35の組み合わせとして、R4がプロピルのときはR34がエチル、R35が水素原子である)
式(14)で示される化合物は式(11)で示される化合物と対応する1種類のアルデヒド若しくはケトンを原料として、還元剤(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ピナコールボラン、カテコールボラン等が挙げられ、シアノ水素化ホウ素ナトリウムが好ましい)の存在下若しくは非存在下、酸(例えば酢酸が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばクロロホルム、エタノール、アセトン等が挙げられる。また、これらの溶媒を2種類以上混合して用いても良い)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から50℃の温度の範囲が好ましい。
また、スキーム1の式(13)で示される化合物のうちR4が−X1OH若しくは−X1NH Y2'で示される基で示されるスキーム3中に示される化合物は、スキーム3中に示される工程によって変換して、対応する式(18)、及び式(19)で示される化合物を得ることができる。
<スキーム3>
Figure 2014058507
(式(16)から式(19)はスキーム1における式(13)で示される化合物の11、12位の部分構造を示したものであり、
式中、
Lはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基若しくはp−トルエンスルホニルオキシ基を示したものであり、
式中X1は、C1-6アルキレン基を示し、
2は、
4〜8員の飽和複素環基
フタルイミド基
6員の含窒素一部飽和複素環基
ヘテロアリール基
式−NR2526で示される基
式−NR27SO228で示される基
式−NR29COR30で示される基を示し、
Y2'は水素原子、R25、R27又はR29を示す。
5、R25、R26、R27、R28、R29及びR30は前記と同意義である)
式(18)で示される化合物は、式(16)で示される化合物を原料に用い、スルホニルハライド(例えばメタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドが好ましい)の存在下、塩基(例えばトリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンが好ましい)の存在下、不活性溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタンが好ましい)中、反応することで得られる。0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
式(19)で示される化合物のうちY2が式−NR2526で示される基である化合物は、式(18)で示される化合物と対応するアミンを原料に用い、塩基(トリエチルアミン等が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばクロロホルムが好ましい)中、反応することで得られる。上記反応は0℃から溶媒の沸点の範囲が好ましい。
また、式(19)で示される化合物のうちY2が式−NR2526で示される基である化合物は、式(17)で示される化合物のうちY2'が水素原子若しくはR25である化合物を原料に用い、対応するアルデヒドをヒドリド還元剤(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、若しくはシアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下に溶媒(例えばクロロホルムおよびメタノール等が挙げられる)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、0℃から50℃の範囲が好ましい。
式(19)で示される化合物のうちY2が式−NR27SO228で示される基である化合物は、式(17)で示される化合物のうちY2'がR27である化合物を原料に用い、対応するスルホニルハライド存在下、塩基(例えばトリエチルアミンが好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(クロロホルムおよびジクロロメタンが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から60℃の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
式(19)で示される化合物のうちY2が式−NR29COR30で示される基である化合物は、式(17)で示される化合物のうちY2'がR29である化合物を原料に用い、対応するカルボン酸および脱水縮合剤の存在下、又は対応するカルボン酸無水物、若しくは対応するカルボン酸ハライドを用いてアミド化反応することで得られる。脱水縮合剤には、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルホスホリルアジド、1,1’−カルボニルジイミダゾール等が挙げられ、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシスクシンイミド等の活性化剤を用いることができる。この場合、反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等や、それらの混合溶媒が挙げられる。この際、塩基を用いて行うことができ、塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。また4−ジメチルアミノピリジン存在下若しくは非存在下にて反応を行うことができる。上記の反応温度は例えば、−50℃から反応溶媒の沸点の範囲が好ましい。また、カルボン酸無水物は対応するカルボン酸と活性化剤(例えばクロロギ酸イソブチルが好ましい)を反応することでも得ることができ、式(17)で示される化合物とカルボン酸無水物を塩基(例えばトリエチルアミンが好ましい)と溶媒(例えばテトラヒドロフランが好ましい)中、反応することにより得られる。上記反応は−78℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、−78℃から室温の範囲が好ましい。また、カルボン酸ハライドを用いる場合は、カルボン酸ハライド存在下、塩基(例えばトリエチルアミンが好ましい)中、溶媒(例えばクロロホルムが好ましい)を用いて行うことができる。上記反応は−30℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
また、スキーム1の式(9)から式(15)で示される化合物はスキーム4中に示される工程によって変換して、対応する式(21)、式(22)及び式(23)で示される化合物を得ることができる。
<スキーム4>
Figure 2014058507
(式(20)から式(23)はスキーム1における式(11)及び式(12)の9位部分の変換を示したものであり、
式中、R24'は水素原子を除くR24を示し、
24は前記と同意義である)
式(21)で示される化合物は式(20)で示される化合物とヒドロキシルアミンを塩基(例えばイミダゾールが好ましい)の存在下若しくは非存在下に溶媒(例えばメタノールが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、室温から溶媒の沸点の範囲が好ましい。上記反応で用いるヒドロキシルアミンは酸付加塩であってもよく、酸付加塩としては、例えば塩酸等との塩が好ましい。
式(22)で示される化合物は式(20)で示される化合物と式H2NOR24'で示される化合物を塩基(例えばイミダゾールが好ましい)の存在下若しくは非存在下に溶媒(例えばメタノールが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、室温から溶媒の沸点の範囲が好ましい。上記反応で用いる式H2NOR24'で示される化合物は酸付加塩であってもよく、酸付加塩としては、例えば塩酸等との塩が好ましい。
また、式(22)で示される化合物は式(21)で示される化合物と対応するアルキルハライド等を塩基(例えば水酸化カリウム等が挙げられる)存在下若しくは非存在下に、溶媒(例えばテトラヒドロフラン等が挙げられる)中、反応することでも得られる。上記の反応の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
また、式(22)で示される化合物は式(21)で示される化合物と対応するアルキルアルコール等をアゾカルボン酸エステル(例えば(シアノメチレン)トリブチルホスホランが望ましい)存在下、アルキルホスフィン(例えばトリフェニルホスフィン等が好ましい)存在下若しくは非存在下に、溶媒(例えばテトラヒドロフランが好ましい)中、反応することでも得られる。上記の反応の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から溶媒の沸点の範囲が好ましい。
式(23)で示される化合物は式(20)で示される化合物と還元剤(水素化ホウ素ナトリウムが好ましい)を溶媒(例えばテトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、メタノール等が挙げられる。また、これらの溶媒を混合して用いてもよい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
また、スキーム1の式(7)から式(15)で示される化合物のうちR2が−X1NHY3’で示される基で示されるスキーム5中に示される化合物は、スキーム5に示される工程によって変換して、対応する式(25)で示される化合物を得ることができる。
<スキーム5>
Figure 2014058507
(式(24)及び式(25)はスキーム1における式(7)から式(15)の4”位部分の変換を示したものであり、
式中X2は、C1-6アルキレン基を示し、
3は、
式−NR11COR12で示される基、
式−NR13CO214で示される基、
式−NR15SO216で示される基又は
式−NR1718で示される基を示し、
Y3'は水素原子、R11、R13、R15又はR17を示し、
1、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は前記と同意義である)
式(25)で示される化合物のうちY3が式−NR11COR12で示される基である化合物は、式(24)で示される化合物のうちY3’がR11である化合物を原料に用い、対応するカルボン酸および脱水縮合剤の存在下、又は対応するカルボン酸無水物、若しくは対応するカルボン酸ハライドを用いてアミド化反応することで得られる。脱水縮合剤には、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルホスホリルアジド、1,1’−カルボニルジイミダゾール等が挙げられ、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシスクシンイミド等の活性化剤を用いることができる。この場合、反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等や、それらの混合溶媒が挙げられる。この際、塩基を用いて行うことができ、塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。また4−ジメチルアミノピリジン存在下若しくは非存在下にて反応を行うことができる。上記の反応温度は例えば、−50℃から反応溶媒の沸点の範囲が好ましい。また、カルボン酸無水物は対応するカルボン酸と活性化剤(例えばクロロギ酸イソブチルが好ましい)を反応することでも得ることができ、式(24)で示される化合物とカルボン酸無水物を塩基(例えばトリエチルアミンが好ましい)と溶媒(例えばテトラヒドロフランが好ましい)中、反応することにより得られる。上記反応は−78℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、−78℃から室温の範囲が好ましい。また、カルボン酸ハライドを用いる場合は、カルボン酸ハライド存在下、塩基(例えばトリエチルアミンが好ましい)中、溶媒(例えばクロロホルムが好ましい)を用いて行うことができる。上記反応は−30℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
式(25)で示される化合物のうちY3が式−NR13CO214で示される基である化合物は、式(24)で示される化合物のうちY3'がR13である化合物を原料に用い、対応するハロギ酸エステル存在下、塩基(例えばトリエチルアミンが好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(クロロホルムおよびジクロロメタンが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から60℃の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
式(25)で示される化合物のうちY3が式−NR15SO216で示される基である化合物は、式(24)で示される化合物のうちY3'がR15である化合物を原料に用い、対応するスルホニルハライド存在下、塩基(例えばトリエチルアミンが好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(クロロホルムおよびジクロロメタンが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から60℃の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
式(25)で示される化合物のうちY3が式−NR1718で示される基である化合物は、式(24)で示される化合物のうちY3'が水素原子若しくはR17である化合物を原料に用い、対応するアルデヒドをヒドリド還元剤(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、若しくはシアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下に溶媒(例えばクロロホルムおよびメタノール等が挙げられる)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、0℃から50℃の範囲が好ましい。
また、スキーム1の式(12)で示される化合物のうちY2がR4で示される化合物は、スキーム6中に示される工程によって変換して、対応する式(27)及び式(28)で示される化合物を得ることができる。
<スキーム6>
Figure 2014058507
(式(26)から式(28)はスキーム1における式(12)で示される化合物の3位置換基以外の部分構造を示したものであり、
式中、R1、R4及びPは前記と同意義である)
式(27)で示される化合物は式(26)で示される化合物と還元剤(水素化ホウ素ナトリウムが好ましい)を溶媒(例えばテトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、メタノール等が挙げられる。また、これらの溶媒を混合して用いてもよい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から室温の範囲が好ましい。
式(28)で示される化合物は、式(27)で示される化合物を有機塩基(例えばピリジン等のアミン類が好ましい)の存在下若しくは非存在下、カーボネート化剤(例えばトリホスゲン若しくは炭酸ジエチルが挙げられ、この中でもトリホスゲンが好ましい)と不活性溶媒(クロロホルムおよびジクロロメタンが好ましい)中、反応することで得られる。反応温度は例えば、−20 ℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、この中でも0℃から室温が好ましい。
また、スキーム1の式(12)で示される化合物のうちY2がR4であり、R4が−C(R32) (R33)CH2NH2で示される基で示される化合物は、スキーム7中に示される工程によって変換して、対応する式(30)から式(34)で示される化合物を得ることができる。
<スキーム7>
Figure 2014058507
(式(29)から式(34)はスキーム1における式(12)の3位置換基以外の部分構造を示したものであり、
式中、R1、R31、R32、R33、R34、R35及びPは前記と同意義である)
式(30)で示される化合物は、式(29)で示される化合物を原料として、酸(例えば酢酸等が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばトルエンが好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から溶媒の沸点の温度の範囲が好ましい。
式(31)で示される化合物は、式(30)で示される化合物を原料として、還元剤(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムが好ましい)の存在下、酸(例えば酢酸等が好ましい)の存在下若しくは非存在下、溶媒(例えばエタノール等が好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、室温から溶媒の沸点の範囲が好ましい。
式(32)で示される化合物は、式(31)で示される化合物と対応するアルデヒド若しくはケトンの存在下に溶媒(例えばクロロホルム若しくはメタノール等が好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、0℃から50℃の範囲が好ましい。
式(33)で示される化合物は、式(32)で示される化合物と対応するアルデヒドをヒドリド還元剤(例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム若しくはシアノ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下に溶媒(例えばクロロホルム若しくはメタノール等が好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、0℃から50℃の範囲が好ましい。
また、式(33)で示される化合物は、式(32)で示される化合物と対応するアルキルハライド等を塩基(例えば水酸化カリウム、トリエチルアミン等が挙げられる)存在下若しくは非存在下に、溶媒(例えばテトラヒドロフラン、クロロホルム等が挙げられる)中、反応することでも得られる。上記の反応の反応温度は例えば、−20℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から沸点の範囲が好ましい。
式(34)で示される化合物は、式(30)で示される化合物と対応するアルデヒド若しくはケトンの存在下に溶媒(例えばクロロホルム若しくはメタノール等が好ましい)中、反応することで得られる。上記の反応の反応温度は例えば、0℃から溶媒の沸点の範囲から選択され、0℃から50℃の範囲が好ましい。
本合成法の式(1)〜(34)で示される化合物中のヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、オキシム基は選択的に除去可能な当該分野において公知の保護基により保護されてもよく、所望の段階で脱保護することで、式(I)で表される化合物を合成するための中間体を供給することができる。保護基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等のシリル系保護基、若しくはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル系保護基、若しくはベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−クロロベンジル基等のエーテル系保護基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、若しくは1−エトキシエチル基などのアセタール系保護基、若しくはベンジルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基等のカーボネート系保護基等があげられるが、その他にもProtective Groups in Organic Synthesis(第3版, 1999年, P.G.M.Wuts,T.Green編)等に記載の保護基を用いることが可能である。また、本合成法の式(1)〜(34)で示される化合物の置換基は公知の方法により、相互に変換可能である。
上記各製造方法における中間体及び目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば中和、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮の他、酢酸エチル、酢酸エチル−ヘキサン、イソプロピルアルコール、エタノール、含水エタノール、アセトン、含水アセトン等の溶媒を用いた再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、中間体においては、特に精製することなく、次の反応に供することも可能である。
上記の式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質は新規なマクロライド系抗生物質として微生物感染症の予防及び/又は治療のための医薬として用いることができる。好ましくは、通常用いられる製剤用添加物の1種又は2種以上とともに上記の物質を含む医薬組成物を調製してヒトを含む哺乳類動物の微生物感染症の予防及び/又は治療のために投与することができる。投与経路は特に限定されず、経口投与又は非経口投与のいずれの投与経路を選択してもよい。経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、又はシロップ剤などを例示することができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、皮下注射、筋肉内注射、又は静脈内注射用の注射剤のほか点滴剤や坐剤などを例示することができるが、これらに限定されることはない。注射剤又は点滴剤は凍結乾燥形態の医薬組成物として調製することもできる。錠剤やカプセル剤などの固形製剤の製造のためには、通常用いられる賦形剤、安定化剤、結合剤、コーティング剤などを適宜用いることができ、注射剤又は点滴剤などの調製のためには、通常用いられる製剤用添加物、例えば賦形剤、pH調節剤、無痛化剤、安定化剤、溶解補助剤などを適宜用いることができるが、これらは当業者が適宜選択可能である。
本発明の医薬の適用対象である微生物感染症の種類は特に限定されないが、好ましくは細菌感染症などを挙げることができる。細菌感染症としては、マイコプラズマ感染症およびクラミジアまたはクラミドフィラ感染症などを含むグラム陽性菌又はグラム陰性菌感染症を例示することができ、従来用いられているマクロライド系抗生物質に準じて使用することができるが、本発明の医薬は、特に従来のマクロライド系抗生物質では十分な抗菌活性が得られなかったエリスロマイシン耐性菌(例えば耐性肺炎球菌、レンサ球菌)などに対しても優れた抗菌活性を有するという特徴があり、極めて広い抗菌スペクトルを有しているので、感染症において起炎菌が特定されていない場合にも使用可能である。
例えば、本発明の医薬は、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ属、カンピロバクター属、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、クラミジア属、クラミドフィラ属、マイコプラズマ属などの微生物により引き起こされる感染症の予防及び/又は治療に用いることができ、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷および手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染(慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎を含む)、気管支拡張症、尿道炎、子宮頸管炎、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱百日咳、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症、胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症などに用いることができるが、これらに限定されることはない。
本発明の医薬の投与量は特に限定されず、感染症の種類、治療又は予防の目的、患者の年齢・体重など、あるいは感染症の重篤度などに応じて適宜選択可能である。例えば、経口投与の場合には一日量として100〜1,000 mgを一回又は数回に分けて投与することができる。また、他の抗菌剤又は抗生物質の1種又は2種以上と併用することも可能である。
以下、本発明を参考例、実施例、及び試験例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1:4,4-ジメチル-3-[2-(メチルアミノ)エチル]-1,3-オキサゾリジン-2-オン
の合成
(1)N-メチル-2-アミノエタノール 5.0gをクロロホルム200mlに溶解し、トリエチルアミン 11.1mlとベンジルクロロホルメート5.7gを氷冷下加えて、室温にて、4時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と蒸留水を加えて分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1から1:2)にて精製してN-ベンジルオキシカルボニル体 790mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物2.0gをクロロホルム 100mlに溶解し、氷冷下、Dess-Martin試薬4.3gを加えて1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1から1:2)にて精製してアルデヒド体 2.05gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物500mgをクロロホルム 5mlに溶解し、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール 215mgとトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム 767mgを加えて、室温にて1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1から1:2)にて精製してアミノアルコール体 473mgを得た。
(4)上記(3)で得られた化合物 473mgをクロロホルム 20mlに溶解し、氷冷下、ピリジン 1.36mlとトリホスゲン 501mgを加えて4時間撹拌した。反応液に蒸留水を加えた後に酢酸エチルで希釈して、1規定塩酸で3回洗浄した。有機層を飽和重曹水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1から1:2)にて精製してオキサゾリジノン体 355mgを得た。
(5)上記(4)で得られた化合物355mgをメタノール10mlに溶解し、10%パラジウム-炭素355mgを加えて、1気圧の水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。反応液を濾過後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1)にて精製して標記化合物193mgを得た。
MS m/z= 173.1 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.30 (s, 6 H) 2.46 (s, 3 H) 2.79 (t, J=6.8 Hz, 2 H) 3.23 (t, J=7.0 Hz, 2 H) 4.00 (s, 2 H)
参考例2:エチル[2-(メチルアミノ)エチル]カルバミン酸メチルの合成
(1)2-(エチルアミノ)エタノール 30gをクロロホルム336mlに溶解し、室温下、t-ブチルジカーボネート77.12gを加えて終夜撹拌した。反応液に1規定 水酸化ナトリウム水溶液を加えて1時間攪拌した後、クロロホルムにて分液した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過、減圧濃縮した。残渣に再度、蒸留水とクロロホルムを加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過した。得られた濾液に酸性シリカゲルを加えて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30から酢酸エチルのみ)にて精製して保護体 60.6gを得た。
(2)クロロホルム500mlに、-30℃前後にてオキサリルクロリド42.35mlを加えて10分間攪拌した。反応液にジメチルスルホキシド68.9mlを内温が-20℃を超えないように滴下して加え、発熱が収まった後、一気に加えて10分間攪拌した。反応液に上記(1)で得られた化合物60.6gのクロロホルム150ml溶液を滴下して10分攪拌した。トリエチルアミン225.6mlを滴下して1時間攪拌した。反応液に蒸留水500mlを加えて、室温まで昇温した。クロロホルムにて分液し、得られた有機層を蒸留水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過した。得られた濾液に酸性シリカゲルを加えて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10から酢酸エチルのみ)にて精製してアルデヒド体33.2gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物2gとN-ベンジル-メチルアミン1.29gを原料として、参考例1(3)と同様の方法にて2.25gのアルキル体を得た。
(4)上記(3)で得られた化合物2.25gのエタノール20ml溶液に2mol/L塩酸―エタノール溶液38.5mlを加えて室温下4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して脱保護体を粗生成物として得た。
(5)上記(4)で得られた化合物をピリジン18.6mlに溶解し、氷冷下、クロロギ酸メチル1.18mlを加えて2時間攪拌した。反応液にクロロギ酸メチル1.18mlを加えて2時間攪拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加えて分液し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムのみからクロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10 : 1 : 0.1)にて精製してメチルカーバメート体280mgを得た。
(6)上記(5)で得られた化合物280mgのメタノール1.4ml溶液に20%水酸化パラジウム-炭素140mgを加えて1気圧の水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。反応液を濾過後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1)にて精製して標記化合物60mgを得た。
MS m/z= 161.1 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.07 - 1.15 (m, 3 H) 2.45 (s, 3 H) 2.70 - 2.77 (m, 2 H) 3.25 - 3.40 (m, 4 H) 3.69 (s, 3 H)
参考例3:N,N'-ジエチル-N-メチルエタン-1,2-ジアミンの合成
(1)参考例2(2)で得られた化合物2.0gとエチルメチルアミン1.19mlを原料として、参考例1(3)と同様の方法にてアルキル体2.75gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物2.75gに氷冷下、4mol/L 塩酸-酢酸エチル溶液12mlを加えて室温にて15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、得られた残渣にクロロホルムと2規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて分液した。得られた有機層をフェイズセパレーター(登録商標)にて濾過、減圧濃縮した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホルム=4:1から0:1)にて精製して標記化合物1.95gを得た。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.05 (t, J=7.22 Hz, 3 H) 1.11 (t, J=7.22 Hz, 3 H) 2.21 (s, 3 H) 2.42 (q, J=7.16 Hz, 2 H) 2.47 (t, J=6.19 Hz, 2 H) 2.64 - 2.71 (m, 4 H)
参考例4:2-(2,2-ジメチルピロリジン-1-イル)-N-メチルエタンアミンの合成
(1)2,2-ジメチルピロリジン716mgをクロロホルム 12.5mlに溶解し、文献(Journal of American Chemical Society, 2010年, 132巻, 47号, 16962ページ)に記載の方法にて得られたN-t-ブトキシカルボニル-N-メチルグリシナール1.25g、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム2.95mgを加えて、室温にて終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100:1:0.1から5:1:0.1)にて精製してアルキル体1.25gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1.25gに室温下、2mol/L塩酸―エタノール溶液50mlを加えて4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に飽和炭酸カリウム水溶液とクロロホルムを加えて分液した。有機層をフェイズセパレータ―(登録商標)にて濾過、減圧濃縮した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30 : 70 から酢酸エチルのみ)にて精製して標記化合物780mgを得た。
MS m/z= 157.2 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.97 (s, 6 H) 1.59 - 1.64 (m, 2 H) 1.69 - 1.77 (m, 2 H) 2.44 (s, 3 H) 2.48 - 2.54 (m, 2 H) 2.60 - 2.65 (m, 2 H) 2.69 - 2.75 (m, 2 H)
参考例5:N-シクロブチル-N-エチル-N'-メチルエタン-1,2-ジアミンの合成
(1)シクロブチルアミン10.3gを原料として、参考例4(1)と同様の方法にてアルキル体6.80gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物3.4g、アセトアルデヒド 3.64mlを原料として、参考例1(3)、参考例4(2)と同様の方法にて標記化合物358mgを得た。
MS m/z= 157.2 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.96 (t, J=7.02 Hz, 3 H) 1.56 - 1.71 (m, 2 H) 1.81 - 1.88 (m, 2 H) 1.97 - 2.04 (m, 2 H) 2.43 (s, 3 H) 2.47 - 2.54 (m, 4 H) 2.57 - 2.63 (m, 2 H) 3.04 - 3.11 (m, 1 H)
参考例6:N-シクロプロピル-N,N'-ジメチルエタン-1,2-ジアミンの合成
(1)シクロプロピルアミン3.30gを原料として、参考例4(1)と同様の方法にてアルキル体を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物と37%ホルムアルデヒド水溶液を原料として、参考例1(3)、参考例4(2)と同様の方法にて標記化合物575mgを得た。
MS m/z= 129.0 [M+H]+
参考例7:N-エチル-N'-メチル-N-(プロパン-2-イル)エタン-1,2-ジアミン
の合成
(1)文献(Journal of American Chemical Society, 2010年, 132巻, 47号, 16962ページ)に記載の方法にて得られたN-t-ブトキシカルボニル-N-メチルグリシナール4.0gのクロロホルム50ml溶液にN-エチルイソプロピルアミン2.0g、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム9.8gを加えて、室温にて1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムのみからクロロホルム:メタノール:28%アンモニア水= 10 : 1 : 0.1)にて精製してアルキル体5.8gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物5.8gのメタノール58ml溶液に4mol/L塩酸-ジオキサン溶液58mlを室温下加えて、そのまま終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣にクロロホルムと飽和炭酸カリウム溶液を加えて分液した。得られた有機層を減圧濃縮して標記化合物2.1gを得た。
MS m/z= 145.2 [M+H]+
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.94 - 1.06 (m, 9 H) 2.39 - 2.63 (m, 9 H) 2.86 - 3.01 (m, 1 H)
参考例8:N'-メチル-N-(プロパン-2-イル)-N-プロピルエタン-1,2-ジアミンの合成
(1)N-イソプロピルプロパン-1-アミン1.17gを原料として、参考例4(1)と同様の方法にてアルキル体3.28gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物2.4gに氷冷下、4mol/L 塩酸-酢酸エチル溶液21.3mlを加えて10分間、室温にて3時間攪拌した。減圧濃縮して塩酸塩2.21gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物400mgに飽和炭酸カリウム水溶液を加えて室温下1時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加えて分液し、得られた有機層をフェイズセパレーター(登録商標)にて濾過、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=95: 5 : 0.5から4 : 1 : 0.1)にて精製して標記化合物266mgを得た。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.86 (t, J=7.22 Hz, 3 H) 0.96 (d, J=6.61 Hz, 6 H) 1.36 - 1.44 (m, 2 H) 2.30 - 2.34 (m, 2 H) 2.43 (s, 3 H) 2.48 - 2.57 (m, 4 H) 2.90 (dt, J=13.21, 6.61 Hz, 1 H)
参考例9:N-シクロブチル-N,N'-ジメチルエタン-1,2-ジアミンの合成
(1)シクロブチルアミン821.5mgを原料として、参考例4(1)と同様の方法にてアルキル体を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物と37%ホルムアルデヒド水溶液を原料として、参考例1(3)、参考例4(2)と同様の方法にて標記化合物1.16gを得た。
MS m/z= 142.9 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.57 - 2.05 (m, 6 H) 2.05 - 2.07 (m, 3 H) 2.32 - 2.35 (m, 2 H) 2.42 - 2.45 (m, 3 H) 2.61 - 2.65 (m, 2 H) 2.72 - 2.79 (m, 1 H)
参考例10:2-(7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-7-イル)-N-メチルエタンアミンの合成
(1)7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン122mgを原料として、参考例4(1)と同様の方法にてアルキル体150mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物145mgに氷冷下、4mol/L塩酸―ジオキサン溶液5mlを加えて16時間攪拌した。反応液に飽和重曹水、クロロホルムを加えて、フェイズセパレーター(登録商標)にて濾過することで分液し、有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホルム=4:1から0:1)にて精製して標記化合物20.4mgを得た。
MS m/z= 155.2 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.23 - 1.29 (m, 4 H) 1.61 - 1.66 (m, 2 H) 1.69 - 1.74 (m, 4 H) 2.45 (s, 3 H) 2.48 (t, J=6.40 Hz, 2 H) 2.66 (t, J=6.61 Hz, 2 H)
参考例11:N-[2-(2-メトキシフェニル)プロパン-2-イル]-N,N'-ジメチルエタン-1,2-ジアミンの合成
(1)2-(2-メトキシフェニル)プロパン-2-アミン5.0gを原料として、参考例4(1)と同様の方法にてアルキル体10.5gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物10.5gと37%ホルムアルデヒド水溶液12mlを原料として参考例1(3)と同様の方法にてメチル体5.3gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物5.3gにトリフルオロ酢酸17.3mlを室温下加えて1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、1規定 水酸化ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて分液した。得られた有機層を炭酸カリウムにて乾燥、濾過、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1)にて精製して標記化合物3.0gを得た。
MS m/z= 237.1 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.48 (s, 6 H) 2.18 (s, 3 H) 2.44 (s, 3 H) 2.64 (t, J=5.73 Hz, 2 H) 2.87 (t, J=5.73 Hz, 2 H) 3.90 (s, 3 H) 6.92 - 6.98 (m, 2 H) 7.24 - 7.33 (m, 2 H)
参考例12:N-(シクロプロピルメチル)-N'-エチル-N-メチルエタン-1,2-ジアミンの合成
(1)参考例2(2)で得られた化合物2.5gとシクロプロピルメチルアミン4.75gを原料として、参考例1(3)と同様の方法にてモノアルキル体2.09gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物2.09gと37%ホルムアルデヒド水溶液4.32mlを原料として、参考例1(3)、参考例10(2)と同様の方法にて標記化合物1.90gを得た。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.08 - 0.11 (m, 2 H) 0.48 - 0.52 (m, 2 H) 0.86 (ddt, J=8.05, 5.06, 1.50, 1.50 Hz, 1 H) 1.12 (t, J=7.22 Hz, 3 H) 2.25 (d, J=6.61 Hz, 2 H) 2.29 (s, 3 H) 2.54 (t, J=6.40 Hz, 2 H) 2.64 - 2.72 (m, 4 H)
参考例13:N'-エチル-N,N-ジ(プロパン-2-イル)エタン-1,2-ジアミンの合成
(1)参考例2(2)で得られた化合物2.0gとジイソプロピルアミン1.95mlを原料として、参考例1(3)と同様の方法にてアルキル体2.80gを得た。
(2)上記で得られた化合物2.80gを原料として、参考例3(2)と同様の方法にて標記化合物1.84gを得た。
MS m/z= 173.2 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.99 (s, 6 H) 1.00 (s, 6 H) 1.11 (t, J=7.02 Hz, 3 H) 2.54 - 2.61 (m, 4 H) 2.64 (q, J=7.02 Hz, 2 H) 3.00 (quin, J=6.61 Hz, 2 H)
参考例14:エチル[2-(メチルアミノ)エチル]カルバミン酸メチル t-ブチルの合成
参考例2(3)で得られた化合物740mgを原料として、参考例2(6)と同様の方法にて標記化合物270mgを得た。
MS m/z= 203.2 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.10 (t, J=7.02 Hz, 3 H) 1.46 (s, 9 H) 2.45 (s, 3 H) 2.73 (t, J=6.81 Hz, 2 H) 3.19 - 3.35 (m, 4 H)
参考例15:(4S)-4-メチル-3-[2-(メチルアミノ)エチル]-1,3-オキサゾリジン-2-オンの合成
参考例1(2)で得られた化合物500mgと(S)-2-アミノ-1-プロパノール 181mgを原料として、参考例1(3)、(4)、(5)と同様の方法にて標記化合物126mgを得た。
MS m/z= 159.1 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.28 (d, J=6.2 Hz, 3 H) 2.45 (s, 3 H) 2.75 - 2.80 (m, 2 H) 3.14 - 3.24 (m, 1 H) 3.48 - 3.57 (m, 1 H) 3.83 (dd, J=8.7, 7.0 Hz, 1 H) 3.91 - 4.01 (m, 1 H) 4.41 (t, J=8.5 Hz, 1 H)
参考例16:(4R)-4-メチル-3-[2-(メチルアミノ)エチル]-1,3-オキサゾリジン-2-オンの合成
参考例1(2)で得られた化合物500mgと(R)-2-アミノ-1-プロパノール 181mgを原料として、参考例1(3)、(4)、(5)と同様の方法にて標記化合物128mgを得た。
MS m/z= 159.1 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.29 (d, J=6.2 Hz, 3 H) 2.45 (s, 3 H) 2.73 - 2.81 (m, 2 H) 3.15 - 3.23 (m, 1 H) 3.49 - 3.55 (m, 1 H) 3.83 (dd, J=8.7, 7.0 Hz, 1 H) 3.91 - 3.99 (m, 1 H) 4.41 (t, J=8.3 Hz, 1 H)
参考例17:2-(2-エチルピロリジン-1-イル)-N-メチルエタンアミンの合成
(1)文献(Journal of American Chemical Society, 2010年, 132巻, 47号, 16962ページ)に記載の方法にて得られたN-t-ブトキシカルボニル-N-メチルグリシナール280mgをクロロホルム15mlに溶解し、2-エチルピロリジン塩酸塩200mg、トリエチルアミン230μl、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム 773mgを加えて、室温にて2時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムからクロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してアルキル体0.46gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物0.46gを原料として、参考例4(2)と同様の方法にて、標記化合物0.15gを得た。
MS m/z= 157.2 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.81 - 0.94 (m, 3 H) 1.09 - 2.25 (m, 9 H) 2.45 (s, 3 H) 2.64 - 2.74 (m, 2 H) 2.88 - 3.20 (m, 2 H)
参考例18:[(2S)-1-[2-(メチルアミノ)エチル]ピロリジン-2-イル]メタノールの合成
プロリノール500mgを原料として、参考例17(1)、参考例4(2)と同様の方法にて標記化合物0.17gを得た。
MS m/z= 159.0 [M+H]+
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.59 - 1.93 (m, 4 H) 2.27 - 2.42 (m, 1 H) 2.44 (s, 3 H) 2.46 - 2.58 (m, 1 H) 2.61 - 2.97 (m, 4 H) 3.10 - 3.23 (m, 1 H) 3.32 - 3.43 (m, 1 H) 3.53 - 3.64 (m, 1 H)
参考例19:2-[(2S)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル]-N-メチルエタンアミンの合成
O-メチル(S)-プロリノール500mgを原料として、参考例17(1)、参考例004(2)と同様の方法にて標記化合物0.45gを得た。
MS m/z= 173.1 [M+H]+
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.58 - 1.96 (m, 4 H) 2.12 - 2.26 (m, 1 H) 2.33 - 2.47 (m, 4 H) 2.54 - 2.72 (m, 3 H) 2.94 - 3.17 (m, 2 H) 3.20 - 3.43 (m, 2 H) 3.35 (s, 3 H)
参考例20:N-メチル-2-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]エタンアミンの合成
(1)文献(Journal of American Chemical Society, 2010年, 132巻, 47号, 16962ページ)に記載の方法にて得られたN-t-ブトキシカルボニル-N-メチルグリシナール11.2gをクロロホルム200mlに溶解し、(R)-2-メチルピロリジン5.0g、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム 18.7gを加えて、室温にて2時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えて分液し、有機層をフェイズセパレーター(登録商標)にて濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1から10:1:0.1)にて精製してアルキル体11.8gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物3.0gに、氷冷下、4mol/L塩酸―酢酸エチル溶液10.0mlを加えて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣に15% 水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、ジオキサンにて抽出した。得られた有機層を炭酸カリウムにて乾燥、濾過、減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1から5:1:0.1)にて精製して標記化合物790mgを得た。
MS m/z= 143.2 [M+H]+
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.08 (d, J=5.96 Hz, 3 H) 1.35 - 1.43 (m, 1 H) 1.62 - 1.79 (m, 2 H) 1.86 - 1.94 (m, 1 H) 2.08 (q, J=8.71 Hz, 1 H) 2.12 - 2.19 (m, 1 H) 2.25 - 2.33 (m, 1 H) 2.45 (s, 3 H) 2.63 - 2.75 (m, 2 H) 2.91 - 2.99 (m, 1 H) 3.12 (td, J=8.71, 2.75 Hz, 1 H)
参考例21:3-(メチルスルホニル)プロパナールの合成
(1)3-(メチルチオ)プロパン-1-オール5gをクロロホルム50mlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン8.58ml、無水酢酸、5.34ml、4-ジメチルアミノピリジン288mgを加えて、室温にて2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してアセチル体8.99gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物8.99gをクロロホルム150mlに溶解し、氷冷下、m-クロロ過安息香酸25.5gを5分間かけて加えて、室温で1時間攪拌した。反応液にチオ硫酸ナトリウム6.91gの水溶液35mlを加え、室温にて15分攪拌した。反応液にクロロホルム、飽和重曹水を加え分液した。有機層を飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してスルホン体7.23gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物6.24gをメタノール20mlに溶解し、0.5mol/Lナトリウムメトキシド-メタノール溶液3.6mlを加え、室温にて一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮して、クロロホルムを加えセライト濾過した。濾液を減圧濃縮してアルコール体4.43gを得た。
(4)上記(3)で得られた化合物2.00gをジクロロメタン40mlに溶解し、氷冷下、Dess-Martin試薬6.75gを加えて室温にて2時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残査に、さらに酢酸エチルを加え濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=80:20から0:100 ) にて精製して標記化合物1.48 g を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 2.97 (s, 3 H) 3.11 (t, J=7.2 Hz, 2 H) 3.37 (t, J=7.2 Hz, 2 H) 9.84 (s, 1 H)
参考例22:3-(メチルスルホニル)プロパン酸の合成
(1)メチルスルフィン酸ナトリウム1.1g、3-ヨードプロパン酸2.15gを蒸留水とエタノールの1:1混合溶媒10mlに溶解し、70℃で2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮してクロロホルム、飽和食塩水で分液し、水層を減圧濃縮し得られた残渣をクロロホルムとメタノールの10:1混合溶媒で抽出した。抽出液を減圧濃縮してメタノール30mlに溶解し、塩化チオニル788μlを加えて加熱還流下1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して、酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20から0:100)にて精製してメチルエステル体303mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物303mgにテトラヒドロフラン1ml、メタノール1.5ml、水1.5ml、水酸化バリウム8水和物861mgを加え、70℃で6時間攪拌した。反応液にドライアイス、1規定塩酸6mlを加え減圧濃縮して、得られた残査をクロロホルムとメタノールの10:1の混合溶媒20mlで抽出して標記化合物225mgを得た。
MS m/z= 151 [M-H]-
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 2.68 (t, J=7.6 Hz, 2 H) 3.00 (s, 3 H) 3.33 (t, J=7.6 Hz, 2 H) 12.57 (brs, 1 H)
参考例23:(メチルスルファニル)アセトアルデヒドの合成
トシル酸一水和物8.54gを蒸留水50mlに溶解し、(2,2-ジメトキシエチル)メチルスルファン5.99mlのジクロロメタン溶液50mlを加えて、室温で4時間攪拌した。反応液にジクロロメタン、食塩を加えて分液した。水層をジクロロメタンで分液し、合わせた有機層を飽和重曹水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して標記化合物を含む残渣を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 2.30 (s, 3 H) 3.15 (d, J=3.4 Hz, 2 H) 9.46 (t, J=3.4 Hz, 1 H)
参考例24:ベンジル メチル(2-オキソエチル)カーバメートの合成
(1)2-メチルアミノエタノール1.0gに氷冷下、テトラヒドロフラン10ml、トリエチルアミン2.23ml、クロロギ酸ベンジル1.9mlを加えて、室温にて2.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和重曹水を加えて分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25から25:75)にて精製してアルコール体1.01gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1.01gをクロロホルム20mlに溶解し、氷冷下、Dess-Martin試薬2.11gを加えて室温にて1.5時間攪拌した。氷冷下、ジイソプロピルエーテル50mlを加えてセライト濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣に飽和重曹水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加えて分液し、有機層を食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して標記化合物0.92gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 3.01 (s, 1.8 H), 3.02 (s, 1.2 H) 4.04 (s, 1.2 H) 4.12 (s, 0.8 H) 5.12 (s, 1.2 H) 5.16 (s, 0.8 H) 7.26 - 7.38 (m, 5 H) 9.59 (s, 0.4 H) 9.63 (s, 1.2 H)
参考例25:N-イソプロピル-N-(2-(メチルアミノ)エチル)メタンスルホンアミドの合成
(1)文献(Journal of American Chemical Society, 2010年, 132巻, 47号, 16962ページ)に記載の方法にて得られたN-t-ブトキシカルボニル-N-メチルグリシナール1000mg のクロロホルム10ml溶液に、イソプロピルアミン 681mg, トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム2445mgを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、クロロホルム にて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過して得た濾液を減圧濃縮してアルキル体を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物のクロロホルム15ml溶液に、トリエチルアミン1600μl, ジメチルアミノピリジン140mg, メタンスルホニルクロリド683μlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過して得た濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル =50:50から0:100) にて精製してスルホンアミド体110mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物1100mgのクロロホルム12ml溶液に、トリフルオロ酢酸3mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過して得た濾液を減圧濃縮して表記化合物900mgを得た。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.22 (s, 3 H) 1.25 (s, 3 H) 2.46 (s, 3 H) 2.77 - 2.86 (m, 2 H) 2.88 (s, 3 H) 3.16 - 3.27 (m, 2 H) 3.99 - 4.15 (m, 1 H)
参考例26:N-メチル-N-(2-(メチルアミノ)エチル)プロパン-2-スルホンアミドの合成
(1)N-(2-アミノエチル)-N-メチル カルバミン酸 t-ブチル エステル1000mg の クロロホルム10ml溶液に、イソプロピルスルホニルクロリド964μl, トリエチルアミン1.58ml, ジメチルアミノピリジン140mgを加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を水にあけ、クロロホルムにて抽出を行った。その有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過して得た濾液を減圧濃縮してスルホンアミド体1.0gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1.0g のジメチルホルムアミド10ml溶液に、炭酸カリウム1476mg, ヨウ化メチル443μlを加え、室温で一晩攪拌した。反応液を蒸留水にあけ、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過して得た濾液を減圧濃縮してメチル体1.0gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物1000mgのクロロホルム10ml溶液に、トリフルオロ酢酸3mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を重曹水にあけ、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過して得た濾液を減圧濃縮して表記化合物600mgを得た。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.33 (s, 3 H) 1.37 (s, 3 H) 2.46 (s, 3 H) 2.74 - 2.83 (m, 2 H) 2.94 (s, 3 H) 3.19 - 3.39 (m, 3 H)
参考例27:N1-(2-(2-メトキシフェニル)プロパン-2-イル)エタン-1,2-ジアミンの合成
(1)t-ブチル 2-ヒドロキシエチルカーバメート500μlをクロロホルム10mlに溶解し、0℃にてDess-Martin試薬1.43gを加えて、室温にて2時間撹拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを加えて濾過した。得られた濾液を飽和重曹水、チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を減圧濃縮し、アルデヒド体400mgを得た。
(2)無水塩化セシウム(III)3.72gにアルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン22mlを加え、45℃にて3時間撹拌した。室温にて2-メトキシベンゾニトリル910μlを加えて、-10℃にて1.12Mメチルリチウムジエチルエーテル溶液16.8mlを15分かけて滴下し、-10℃にて30分間攪拌した。反応液にアンモニア水を加えて、室温にて1時間撹拌し、メタノールを加えて、セライト濾過した。濾液に2mol/L塩酸-メタノール溶液12mlを加えて、室温にて2時間撹拌し、5規定水酸化ナトリウム水溶液8mlを加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過後、濾液を減圧濃縮してアミン体1.35gを得た。
(3)上記(1)で得られた化合物400mgと上記(2)で得られた化合物415mgをクロロホルム6mlに溶解し、室温にて20分間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム1.07gを加えて室温にて5時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加えて、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=24:1:0.1)にて精製して、アルキル体186mgを得た。
(4)上記(3)で得られた化合物186mgに2mol/L塩酸-メタノール溶液2.5mlを加えて、室温にて2時間、50℃にて2時間攪拌した。反応液に5規定水酸化ナトリウム水溶液1.2mlを加えて中和した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、水、クロロホルム、炭酸カリウムを加えて分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=12:1:0.1)にて精製して、標記化合物49.3mgを得た。
MS(ESI) m/z= 209 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.51 (s, 6 H) 1.58 - 1.97 (m, 2 H) 2.25 (t, J= 6.1 Hz, 2 H) 2.70 (t, J= 6.1 Hz, 2 H) 3.86 (s, 3 H) 6.86 - 6.97 (m, 2 H) 7.19 - 7.26 (m, 2 H)
参考例28:ベンジル2-オキソエチルカーバメートの合成
2-アミノエタノール3gを原料として、参考例24(1)、(2)と同様の方法にて標記化合物329mgを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 4.05 - 4.25 (m, 2 H) 5.02 - 5.18 (m, 2 H) 7.27 - 7.38 (m, 5 H) 9.66 (s, 1 H)
参考例29: (2R)-2-アミノ-3-[エチル[(1S)-1-(2-メトキシフェニル)エチル]アミノ]プロパン-1-オールの合成
(1)刊行物(特開昭54/154724号公報)に記載の方法にて得られた(1S)-1-(2-メトキシフェニル)エチルアミン8.86gをクロロホルム100mlに溶解し、無水酢酸12.0g、4-ジメチルアミノピリジン14.3gを加え、70℃にて30分間攪拌した。放冷後、1mol/L塩酸、10%水酸化ナトリウム水溶液で反応液を順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した後、濾液を減圧濃縮してアセチル体11.23gを得た。水素化アルミニウムリチウム590.5mgのテトラヒドロフラン20ml懸濁液に、上記で得られた化合物のテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下し、室温にて0.5時間攪拌、加熱還流下6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、氷冷下、蒸留水、25%水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順に加えて、室温にて1時間攪拌した。反応液をセライト濾過、濾液を減圧濃縮してアルキル体510mgを得た。
(2)N-t-ブトキシカルボニル-O-ベンジル-(L)-セリン2.14g、ヒドロキシベンゾトリアゾール980mgをジメチルホルムアミド20mlに溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミド1.50gを加え、室温にて5分間攪拌後、上記(1)で得られた化合物1.0gを加え、室温にて5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣に酢酸エチルと飽和重曹水を加え分液した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンのみからヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製してアミド体1.76gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物197mgをメタノールに溶解し、アルゴン雰囲気下10%パラジウム-炭素を加えて1気圧の水素雰囲気下、室温にて1時間攪拌した。反応液を濾過後、濾液を減圧濃縮して脱ベンジル体155mgを得た。
(4)上記(3)で得られた化合物155mgを塩化メチレンに溶解し、アニソール、トリフルオロ酢酸を加え、室温にて3時間攪拌した。反応液に5mol/L塩酸、酢酸エチルを加えて分液し、水層を炭酸カリウムで中和後、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した後、濾液を減圧濃縮して脱保護体を得た。水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン懸濁液に、上記で得られた脱保護体のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、室温にて0.5時間攪拌、加熱還流下6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、氷冷下、蒸留水、25%水酸化ナトリウム水溶液、蒸留水の順に加えて、室温にて1時間攪拌した。反応液をセライト濾過、濾液を減圧濃縮して標記化合物68.6mgを得た。
MS(FAB) m/z= 253 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.06 (t, J=7.1 Hz, 3 H) 1.36 (d, J=6.8 Hz, 1 H) 2.37 - 2.57 (m, 3 H) 2.63 - 2.75 (m, 1 H) 3.02 - 3.11 (m, 1 H) 3.47 - 3.58 (m, 2 H) 3.83 (s, 3 H) 4.45 (q, J=6.8 Hz, 1 H) 6.88 (d, J=8.3 Hz, 1 H) 6.96 (dt, J=7.6, 1.0 Hz, 1 H) 7.21 - 7.31 (m, 2 H)
参考例30:2-(1,1-ジオキシド-1,2-チアゾリジン-2-イル)-N-メチルエタンアミンの合成
(1)N-(2-アミノエチル)-N-メチルカルバミン酸 t-ブチルエステル1.0gをテトラヒドロフラン60mlに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン1.2mlを加えた後、3-クロロプロパンスルホニルクロリド768μlを加えて、室温にて2時間攪拌した。反応液に飽和重曹水、酢酸エチルを加えて分液し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製してスルホンアミド体1.35gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1.33gをジメチルホルムアミド42mlに溶解し、70%水素化ナトリウム173.8mgを加えて、室温にて3時間攪拌した。反応液に飽和重曹水、酢酸エチルを加えて分液し、有機層を蒸留水にて3回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムからクロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製して環化体460mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物460mgを原料として、参考例3(2)と同様の方法にて標記化合物89mgを得た。
MS(ESI) m/z= 179.1 [M+H]+
1H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 2.25 - 2.49 (m, 5 H) 2.76 - 2.84 (m, 2 H) 3.11 - 3.22 (m, 4 H) 3.30 (t, J=6.59 Hz, 2 H)
参考例31: N,N-ジイソプロピル-N-メチルエタン-1,2-ジアミンの合成
(1)N,N-ジイソプロピルエタン-1,2-ジアミン3.0gをクロロホルム30mlに溶解し、氷冷下、ジ-t-ブチルジカーボネート4.3mlを加え、室温にて一晩撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、酢酸エチルと蒸留水を加えて分液し、有機層を蒸留水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した後、濾液を減圧濃縮して保護体 4.6gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物4.6gを原料として、参考例29(5)と同様の方法にて標記化合物2.3gを得た。
MS(ESI) m/z= 159 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.99 (d, J=1.71 Hz, 6 H) 1.00 (d, J=1.71 Hz, 6 H) 2.43 (s, 3 H) 2.54 - 2.57 (m, 4 H) 2.96 - 3.03 (m, 2 H)
参考例32:4-(キノリン-4-イル)ブタナールの合成
(1)ブロモ[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル]トリフェニルホスフォラン1.00gにテトラヒドロフラン10mlを加えて氷冷し、アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム10mgを加えて10分間攪拌した後、キノリン-4-カルボキシアルデヒド300mgを加えて3時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液にて分液し、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン:酢酸エチル=9:1から1:1)にて精製してオレフィン体348mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物335mgにメタノール15ml、蒸留水1.7mlを加え、アルゴン雰囲気下、10%パラジウム-炭素67mgを加えて1気圧の水素雰囲気下、室温にて3.5時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、酢酸エチルにて希釈し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して還元体298mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物298mgにテトラヒドロフラン3.0ml、5mol/L塩酸0.6mlを加え、室温にて5時間攪拌した。反応液を炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルにて分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過後、減圧濃縮して標記化合物224mgを得た。
MS(ESI) m/z = 200[M+H]
1H-NMR(400 MHz , CDCl3) δ(ppm): 2.05 - 2.20 (m, 2 H) 2.60 (td, J=7.08, 1.22 Hz, 2 H) 3.07 - 3.20 (m, 2 H) 7.24 (d, J=4.39 Hz, 1 H) 7.52 - 7.64 (m, 1 H) 7.66 - 7.78 (m, 1 H) 8.03 - 8.18 (m, 2 H) 8.82 (d, J=4.39 Hz, 1 H) 9.84 (t, J=1.22 Hz, 1 H)
参考例33:3-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)プロピオンアルデヒド
3-t-ブチルジメチルシリルオキシ-1-プロパノール1.22 gをクロロホルム24mlに溶解し、氷冷下、Dess-Martin試薬2.81gを加えて室温にて2時間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを加えて濾過後、反応液に飽和重曹水、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して標記化合物1.11gを得た。
MS(EI) m/z= 189 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.07 (s, 6 H) 0.88 (s, 9 H) 2.60 (td, J= 6.0, 2.1 Hz, 2 H) 3.99 (t, J= 6.1 Hz, 2 H) 9.81 (t, J= 2.2 Hz, 1 H)
参考例34:N-イソプロピル-N'-メチルエチレンジアミン
(1)メチル-(2-オキソエチル)-カルバミン酸t-ブチルエステル2.00g、イソプロピルアミン991μlを原料として参考例1(3)と同様な方法にてジアミン体2.73gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1.20gを原料として、参考例4(2)と同様な方法にて標記化合物549mgを得た。
MS(EI) m/z= 117 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.09 (d, J=6.1 Hz, 6 H) 1.75 (s, 2 H) 2.44 (s, 3 H) 2.72 (s, 4 H) 2.80 (tt, J=6.1 Hz, 1 H)
参考例35:N-イソプロピル-N'-メチルエチレンジアミン
メチル-(2-オキソエチル)-カルバミン酸t-ブチルエステル1.00g、t-ブチルアミン617μlを原料として参考例1(3)、参考例4(2)と同様な方法にて標記化合物763mgを得た。
MS(EI) m/z= 131 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.11 (s, 9 H) 2.43 (s, 3 H) 2.69 (s, 4 H)
参考例36:2-メチル-2-[メチル[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ]-1-プロパノール
(1)メチル-(2-オキソエチル)-カルバミン酸 t-ブチルエステル3.01g、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール1.06gを原料として、参考例1(3)と同様な方法にてジアミン体4.01gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1.50gを原料として、実施例44(1)、参考例4(2)と同様な方法にて標記化合物1.10 gを得た。
MS(EI) m/z= 161 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.01 (s, 6 H) 2.24 (s, 3 H) 2.45 (s, 3 H) 2.47 (t, J= 5.9 Hz, 1 H) 2.64 (t, J= 5.6 Hz, 1 H) 3.35 (s, 2 H)
参考例37:2-メチル-2-[[(2-メチルアミノ)エチル]アミノ]-1-プロパノール
参考例36(1)で得られた化合物408mgを原料として、参考例4(2)と同様な方法にて標記化合物294 mgを得た。
MS(EI) m/z= 147 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.06 (s, 6 H) 2.10 - 2.33 (m, 3 H) 2.45 (s, 3 H) 2.61 - 2.74 (m, 4 H) 3.31 (s, 2 H)
参考例38:2-メチル-2-[[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ]-1-プロパノール
参考例36(1)で得られた化合物1.5g、アセトアルデヒド535μlを原料として、参考例1(3)、参考例4(2)と同様な方法にて標記化合物250mgを得た。
MS(EI) m/z= 175 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 1.03 - 1.08 (m, 9 H) 2.52 (s, 3 H) 2.51 - 2.75 (m, 6 H) 3.34 (s, 2 H)
参考例39:2-(1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-N-メチルエタンアミン
(1)2-[ベンジロキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル メタンスルホネート0.5g をN,N-ジメチルホルムアミド5ml に溶解し、ベンゾイミダゾール616mg を加え、0℃に冷却し、55%水素化ナトリウム 227mg を加え、70℃にて1時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製して置換体320mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物 320mg をメタノール 3.2ml に溶解し、10%パラジウム炭素112mg を加え、アルゴン置換し、水素置換し、室温にて3時間攪拌した。反応液を濾過後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製して標記化合物123mgを得た。
MS(EI) m/z= 176 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 2.47 (s, 3 H) 3.10 (t, J=5.98 Hz, 2 H) 4.37 (t, J=5.98 Hz, 2 H) 7.25 - 7.31 (m, 2 H) 7.44 - 7.46 (m, 1 H) 7.74 - 7.76 (m, 1 H) 7.99 (s, 1 H)
参考例40:N',N'-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-エタン-1,2-ジアミン
(1)メチル-(2-オキソエチル)-カルバミン酸t-ブチルエステル1.0gをクロロホルム10ml に溶解し、ジエタノールアミン0.61g、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム1.83g を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してBoc体1.32gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1.32gをメタノール13ml に溶解し、5mol/L塩酸4mlを加え、50℃にて10時間攪拌した。反応液を 5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で中和し、減圧濃縮し、クロロホルムを加え、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過後、減圧濃縮して標記化合物306mgを得た。
MS(EI) m/z= 163 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm) : 2.47 (s, 3 H) 2.62 - 2.66 (m, 6 H) 2.71 - 2.75 (m, 2 H) 3.59 - 3.61 (m, 4 H) 4.23 (s, 3 H)
実施例1〜53
表1で規定したR4a、R1aをもつ、式(A)に示される化合物および式(B)に示される化合物の製造法を以下に示す。
式(A)
Figure 2014058507
式(B)
Figure 2014058507
Figure 2014058507
Figure 2014058507
Figure 2014058507
Figure 2014058507
Figure 2014058507
実施例1
(1)クラリスロマイシン200gをアセトン1.5Lに溶解し、無水酢酸30.3mlを滴下して、室温にて終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣に酢酸エチル、ヘキサン、水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、飽和重曹水を加えてpH=9に調整した。析出した固体をグラスフィルターにて濾取、蒸留水で洗浄した後、減圧乾燥してアセチル体202gを得た。
MS(ESI) m/z= 790.6 [M+H]+
(2)N-クロロコハク酸イミド160.6gをクロロホルム1.5Lに溶解し、-5℃以下に冷却した。反応液にジメチルスルフィド93mlを35分かけて滴下後、0℃以下にて1時間攪拌した。上記(1)で得られた化合物500gのクロロホルム1.5L溶液を1時間かけて0℃以下を維持して滴下した後、50分間攪拌した。反応液にピリジン153mlを5分かけて加えた後、15℃以下にて3.5時間攪拌した。反応液に飽和重曹水2Lを加えて室温まで昇温し、クロロホルムにて分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した後、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣に酢酸エチル500mlを加えて60℃にて加熱下、ヘプタン1.5Lを加えて2時間、室温にて2時間攪拌した。生じた固体を濾取し、酢酸エチルとヘプタンの1:4混合溶媒で洗浄してケトン体280gを得た。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を同様の条件で結晶化してケトン体142gを得た。
MS(ESI) m/z= 788.5 [M+H]+
(3)トリメチルスルホキソニウムヨージド175.65g とt-ブトキシカリウム 89.71gのジメチルスルホキシド2.1L、テトラヒドロフラン0.63Lの混合溶液を室温下30分間攪拌したものを、上記(2)で得られた化合物420gのジメチルスルホキシド1.68L懸濁液に加えて2時間攪拌した。反応液に蒸留水2.1Lを加えて室温下1時間攪拌した。生じた固体を濾取し、蒸留水にて洗浄して粗体を得た。得られた化合物を風乾後、トルエン1.26Lを加えて50℃にて攪拌した。さらにヘキサン3.78Lを加えて1時間、室温にて2時間攪拌した。生じた固体を濾取し、トルエンとヘキサンの1:4混合溶媒で洗浄してエポキシ体375gを得た。
MS(ESI) m/z= 802.5 [M+H]+
(4)上記(3)で得られた化合物370gを室温下ジメチルホルムアミド2.22Lに溶解し、1,1'-カルボニルジイミダゾール374g、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン414mlを加えて終夜攪拌した。反応液にトルエン3.7L、蒸留水3.7Lを加えて分液した。有機層を蒸留水にて1回洗浄し、得られた有機層を減圧下、トルエン1.5L程度まで濃縮した。濃縮残渣を50℃にて加熱攪拌し、ヘキサン3Lを加えてから室温まで冷却後、終夜攪拌した。生じた固体を濾取、トルエンとヘキサンの1:3混合溶媒で洗浄してイミダゾカルボニル体325gを得た。
(5)上記(4)で得られた化合物125gをテトラヒドロフラン1.25Lとアセトニトリル0.75Lに溶解して、28% アンモニア水0.43Lを加えて室温にて終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮してから酢酸エチルを加えて分液し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100:1:0.1から5:1:0.1)にて精製してカーバメート体52.8gを得た。
(6)上記(5)で得られた化合物51.8gをテトラヒドロフラン259mlに溶解して、ジ-t-ブチルジカーボネート41g、ジメチルアミノピリジン1.5gを加えて、室温にて終夜攪拌した。反応液にジ-t-ブチルジカーボネート41g、ジメチルアミノピリジン1.5gを加えて、室温にて4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100:1:0.1から5:1:0.1)にて精製してt-ブトキシカルボニル体68gを得た。
(7)上記(6)で得られた化合物67gをテトラヒドロフラン 427 ml、メタノール285 ml に溶解し、水酸化カリウム16gを蒸留水285mlに溶解した水溶液を加えて、室温にて終夜攪拌後、さらに35℃にて2時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮した後、酢酸エチルで分液漏斗に移し、蒸留水で洗浄、続いて飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム : メタノール : 28% アンモニア水 = 100 : 1 : 0.1 から 5 : 1 : 0.1 ) にて精製し、開環体21 g を得た。
(8)上記(7)で得られた化合物21gのアセトン105mL溶液に室温下、無水酢酸2.43mlを加えて終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣に酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液し、得られた有機層を無数硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム : メタノール : 28% アンモニア水 = 100 : 1 : 0.1 から 5 : 1 : 0.1 ) にて精製してアセチル体20.8gを得た。
(9)上記(8)で得られた化合物20.8gをクロロホルム104 mlに溶解し、氷冷下、2,6-ルチジン11.7 ml およびt-ブチルジメチルシリルトリフラート11.6 mlを滴下し、氷冷下30分、室温で2.5時間攪拌した。酢酸エチルで分液漏斗に移し、飽和重曹水、続いて飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮してシリルカーバメート体の粗体を得た。
(10)上記(9)で得られた化合物をテトラヒドロフラン440 mlに溶解し、ピリジン37.4mlを加えて攪拌した。70% フッ化水素-ピリジン錯体1.44mlを滴下し、室温にて1時間攪拌した。酢酸エチルと蒸留水で分液漏斗に移し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム : メタノール : 28% アンモニア水 = 100 : 1 : 0.1 から 5 : 1 : 0.1) にて精製し、11位アミノ体7.74g を得た。
(11)上記(10)で得られた化合物2.5gをメタノール50mlに溶解し、加熱還流下4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム : メタノール : 28% アンモニア水 = 100 : 1 : 0.1 から 5 : 1 : 0.1) にて精製し、式(B)に示される化合物 2.07g を得た。
MS(ESI) m/z= 759.5 [M+H]+
(12)上記(11)で得られた化合物50mgをエタノール1mlに溶解し、参考例1で得られた化合物57mgを加えて、マイクロ波照射下140℃にて1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1)にて精製して表1に示される化合物50mgを得た。
実施例2〜31は実施例1(11)で得られた式(B)に示される化合物と対応するアミン試薬を用いて、実施例1(12)と同様の方法にて表1に示される化合物を合成した。
実施例32
(1)クラリスロマイシン200gをクロロホルム1Lに溶解し、無水酢酸88.3mlを滴下して室温にて1時間攪拌した。反応液に4-ジメチルアミノピリジン16.3gを加えて、終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えて分液し、得られた有機層を飽和重曹水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を固体が析出するまで減圧濃縮した後、酢酸エチルを加えて再度減圧濃縮した。生じた固体を濾取してヘキサンと酢酸エチルの3:1混合溶媒にて洗浄して保護体138.4gを得た。母液を減圧濃縮して得られた残渣に対して同様の操作を行い、保護体66.2gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物212gをテトラヒドロフランとジメチルホルムアミドの2:1混合溶媒900mlに溶解し、1,1'-カルボニルジイミダゾール132g、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン7.6mlを加えて、40℃にて5時間、室温にて4日間攪拌した。反応液を-20℃まで冷却後、アンモニアガスを吹き込み、-10℃まで昇温してさらにアンモニアガスを1時間吹き込んだ後、室温にて終夜攪拌した。反応液にt-ブトキシカリウム47.2gを加えて、0.5時間攪拌した後、酢酸エチルと飽和重曹水を加えて分液した。有機層を蒸留水と飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してカーバメート体274gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物638gをメタノール2.37Lに溶解し、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン63.95mlを加えて、60℃で8時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残査に酢酸エチル1Lを加え、減圧濃縮し、再度、酢酸エチルを加え減圧濃縮した。得られた残査に2-プロパノール2.372Lを加え、室温にて攪拌後、氷冷下攪拌した。析出した結晶固体を濾取し、脱保護体456.11gを得た。
(4)上記(3)で得られた化合物447.1gをアセトン3.622Lに溶解し、無水酢酸65.61mlを加えて、室温にて4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残査をクロロホルム4.471Lに溶解し、8%重曹水5Lを加えて分液した。有機層を8%重曹水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してアセチル体509gを得た。
(5)クロロホルム6.258LにN-クロロコハク酸イミド168.47gを溶解し、反応液を-20℃から-25℃に冷却し、ドデシルメチルスルフィド349mlを11分かけて滴下、10分攪拌後、上記(4)で得られた化合物447.08gをクロロホルム2.682Lに溶解した溶液を28分間かけて滴下して15分攪拌した。反応液にトリエチルアミン351.7mlを10分かけて滴下、10分攪拌した。反応液に8%重曹水4.47Lを加え分液し、有機層を水4.47Lで2回、20%食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残査をクロロホルムに溶解し、ヘプタンを加えて析出した結晶固体を濾取してケトン体333gを得た。
(6)上記(5)で得られた化合物389.9gをメタノール3.90Lに溶解し、加熱還流下3.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮してテトラヒドロフラン400mlで3回共沸し、脱保護体378.45gを得た。
(7)55%水素化ナトリウム37.64gにテトラヒドロフラン1.820L、トリメチルスルホキソニウムヨージド188.94gを加えて、ジメチルスルホキシド1.655を9分かけて滴下し、室温にて30分攪拌した後、氷冷した。上記(6)で得られた化合物330.95gをテトラヒドロフラン1.323Lに溶解した溶液を15分間かけて滴下後、10分攪拌した。反応液に酢酸エチル5L、蒸留水5Lを加えて分液し、有機層を水3.31L、5%食塩水3.31L、20%食塩水6.58Lで洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣にクロロホルム、ヘプタンを加えて、生じた結晶固体を濾取しエポキシ体263gを得た。
(8)上記(7)で得られた化合物200gをエタノール800mlに溶解し、N,N-ジエチル-N’-メチルエタン-1,2-ジアミン81.93mlを加えて、70℃で20時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチル4Lに溶解し、蒸留水2Lと20%食塩水200mlの混合溶液で5回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣に、酢酸エチルを加え、加熱溶解させた後、氷冷して得られた結晶固体を濾取し、付加体263gを得た。
(9)上記(8)で得られた化合物30.0gをアセトン140mlとテトラヒドロフラン25 mlに溶解し、無水酢酸3.16ml を加え、室温で7時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮した後、酢酸エチルを加え、飽和重曹水で3回、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してアセチル体 31.2gを得た。
(10)上記(9)で得られた化合物31.2gをテトラヒドロフラン150mlに溶解し、ジ-t-ブチルジカーボネート15.0 ml、4-ジメチルアミノピリジン0.80gを加えて、室温で2時間攪拌した。さらに、ジ-t-ブチルジカーボネート21.3gを加えて、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=190:10:1から90:10:1)にて精製してBoc体32.8g を得た。
(11)上記(10)で得られた化合物7.33g をテトラヒドロフラン42ml、メタノール28ml、蒸留水28ml に溶解し、水酸化カリウム1.56g を加えて、30℃で11時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮し、酢酸エチル、蒸留水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=190:10:1から90:10:1)にて精製して表1に示される化合物2.84gを得た。
実施例33
(1)実施例32(11)で得られた化合物2.74g をアセトン9.2mlに溶解し、無水酢酸275μlを加えて、室温下3.5時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮した後、酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してアセチル体2.80g を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物2.80gをジクロロメタン14mlに溶解し、氷冷下、2,6-ルチジン1.58ml、t-ブチルジメチルシリルトリフラート1.56mlを滴下し、氷冷下で30分、室温下2.5時間攪拌した。酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してシリルカーバメート体2.98gを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物2.95gをテトラヒドロフラン65mlに溶解し、70%フッ化水素-ピリジン錯体1.11ml、ピリジン5mlを順に滴下し、室温で1時間攪拌した。酢酸エチル、蒸留水を加えて飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してアミノ体1.65gを得た。
(4)上記(3)で得られた化合物26.3mgをメタノール2mlに溶解し、加熱還流下9時間攪拌した。反応液を濃縮後、分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製して表1に示される化合物24.3mgを得た。
実施例34
(1)実施例33(3)で得られた化合物250mg をクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒2mlに溶解し、参考例21で得られた化合物81.7mg、酢酸61.5μlを加えて、室温にて1時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和重曹水を加えて分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=24:1:0.1から4:1:0.1)にて精製してアミナール体286mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物283mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒2mlに溶解し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム33.9mgを加え、50℃で1時間攪拌した。反応液に、クロロホルム、飽和重曹水を加え分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=24:1:0.1から4:1:0.1)にて精製してアルキル体204mg を得た。
(3)上記(2)で得られた化合物20mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物10.0mgを得た。
実施例35
(1)実施例33(3)で得られた化合物75mgをテトラヒドロフラン750μlに溶解し、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホニウムクロリド水和物73.6mgを加えて、室温にて2時間攪拌した。さらに酢酸13.8μl、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホニウムクロリド水和物73.6mgを加え、室温にて40分攪拌した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加え分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してアセチル体86mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物20mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物11.2mgを得た。
実施例36
(1)実施例34(2)で得られた化合物27.0mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒400μlに溶解し、酢酸10μl、37%ホルムアルデヒド水溶液10μl、シアノ水素化ホウ素ナトリム8mgを加えて、室温にて1時間攪拌した。反応液に、さらに37%ホルムアルデヒド水溶液10μl、シアノ水素化ホウ素ナトリム8mgを加え室温にて4時間攪拌した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してメチル体5.2mg を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物5.2mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物2.5mgを得た。
実施例37
実施例33(3)で得られた化合物30mg、参考例22で得られた化合物22mgを原料として、実施例33、実施例33(4)と同様の方法にて、表1に示される化合物15mgを得た。
実施例38
(1)実施例33(3)で得られた化合物200mgと2-(t-ブチルジメチルシロキシ)アセトアルデヒド82μlを原料として、実施例34(1)、(2)と同様の方法にて、アルキル体121mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物121mgをテトラヒドロフラン1.2mlに溶解し、1mol/Lテトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン溶液0.44mlを加えて、室温にて4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してヒドロキシル体57.8mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物105mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物59.1mgを得た。
実施例39
(1)実施例33(3)で得られた化合物50mg、参考例23で得られた化合物14.5μlを原料として、実施例34(1)と同様の方法にてアミナール体33.9mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物33.9mgを原料として、実施例34(2)、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物7.5mgを得た。
実施例40
(1)実施例33(3)で得られた化合物30mg をクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒200μlに溶解し、プロピオンアルデヒド11.6μlを加えて、室温にて3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残査をクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒200μlに溶解し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム10.1mg、酢酸9.2μlを加えて室温にて6時間攪拌した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加え分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=15:1:0.1)にて精製してプロピル体17.8mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物17.8mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物12.5mgを得た。
実施例41
実施例33(3)で得られた化合物50mg、アセトアルデヒド90μlを原料として、実施例40(1)、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物15.3mgを得た。
実施例42
実施例33(3)で得られた化合物30mg、ブチルアルデヒド14.5μlを使用し、実施例40(1)、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物9mgを得た。
実施例43
(1)実施例33(3)で得られた化合物50mgをクロロホルム250μlに溶解し、ピリジン17.3μl、クロロギ酸メチル8.3μlを加えて、室温にて3.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してカーバメート体 46.8mg を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物35mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物を26.8mg得た。
実施例44
(1)実施例33(3)で得られた化合物30.0mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒300μlに溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液 12.4μl、酢酸 9.2μlを加えて室温にて2時間攪拌後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム 21.8 mgを加えて室温にて一晩攪拌した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してジメチル体16.7mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物15.2mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物8.8mgを得た。
実施例45
(1)実施例33(3)で得られた化合物62.0mg、参考例24で得られた化合物67.2mgを原料として、実施例34(1)、(2)と同様の方法にて、アルキル体28.5mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物37.3mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて、表1に示される化合物28.4mgを得た。
実施例46
実施例45で得られた化合物21.7mgにメタノール1.0ml、蒸留水0.1mlを加え、アルゴン雰囲気下、10%パラジウム-炭素4.1mgを加えて1気圧の水素雰囲気下、室温にて23時間攪拌した。反応液をセライト濾過後、酢酸エチルにて希釈し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製して表1に示される化合物6.5mgを得た。
実施例47
(1)実施例33(3)で得られた化合物50mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒400μlに溶解し、2-フェニルアセトアルデヒド7.2mg、オルトギ酸トリメチル17.6μlを加えて、室温にて1時間攪拌後、オルトギ酸トリメチル17.6μlを加えて、室温にて1.5時間攪拌後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム16.9mg、酢酸15.4μlを加えて、室温にて4時間攪拌後、さらにシアノ水素化ホウ素ナトリウム16.9mg、酢酸15.4μlを加え、室温にて16時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して分取用薄層クロマトグラフィー(ジイソプロピルエーテル:メタノール:28%アンモニア水=5:1:0.1)にて精製してフェネチル体3.6mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物3.6mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて、表1に示される化合物を2.6mg得た。
実施例48
実施例33(3)で得られた化合物50mgにアセトン1.0ml、酢酸16.1mg、シアノ水素化ホウ素ナトリウム16.9mgを加え、56℃で24時間攪拌した。反応液にクロロホルム、蒸留水を加えて分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を冷暗所に9日間保存し、減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=15:1:0.1)にて精製して表1に示される化合物16mgを得た。
実施例49
(1)実施例33(3)で得られた化合物100mg、5-ヒドロキシペンタナール44μlを原料として、実施例34(1)、(2)と同様の方法にてヒドロキシペンチル体90mgを得た。
(2)上記(1)で得た化合物13mgを原料とし、実施例33(4)と同様の方法にて表1に示される化合物4mgを得た。
実施例50
(1)実施例38(2)で得られた化合物をクロロホルム250μlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン5.5μl、4-ジメチルアミノピリジン1.04mg、p-トルエンスルホニルクロリド6.0mgを加えて、室温にて2時間攪拌した。さらに、トリエチルアミン5.5μl、p-トルエンスルホニルクロリド6.4mgを加えて、室温にて2時間攪拌した。さらにトリエチルアミン5.5μl、p-トルエンスルホニルクロリド6.4mgを加え、室温にて2時間攪拌した。酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液し、有機層を蒸留水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を濃縮しパラトルエンスルホニル体の粗体22.7mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物22.7mgにクロロホルム0.46ml、モルホリン89μlを加えて、アルゴン雰囲気下50℃で19時間攪拌した。反応液を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100:10:1)にて精製してモルホリン体6.9mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物6.9mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて、表1に示される化合物3.6mgを得た。
実施例51
(1)実施例33(3)で得られた化合物52.0mgをクロロホルム347μl、エタノール173μlに溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液43.1μl、酢酸16.0μlを加えて室温にて6時間攪拌した。反応液に飽和重曹水、酢酸エチルを加えて分液後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=15:1:0.1)にて精製してアミナール体36.0mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物36.0mgを原料として、シアノ水素化ホウ素ナトリウム 25.9mgを加えてクロロホルム240μl、エタノール120μlに溶解し、酢酸10.9μlを加えて50℃で13時間攪拌した。反応液に飽和重曹水、酢酸エチルを加えて分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してメチル体30.2mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物30.2mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて、表1に示される化合物17.1mgを得た。
実施例52
(1)実施例33(3)で得られた化合物100mgと文献(Bioorg. Med. Chem., 2003年, 2901ページ) に記載の方法にて得られた N-(ベンジルオキシカルボニル)グリシナール31mgおよび酢酸0.037mlをクロロホルム2.0mlに溶解した。3時間後さらにN-(ベンジルオキシカルボニル)グリシナール31mgを加えて、13時間撹拌した。反応液にエタノール0.5mlを加えてから、シアノ水素化ホウ素ナトリウム20mgを加えて、50℃で3時間撹拌した。反応液に飽和重曹水10mlを加えて分液後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1)にて精製して11位N-アルキル体 155mgを粗成生物として得た。
(2)上記(1)で得られた化合物155mgを酢酸エチル10mlとメタノール0.5mlに溶解し、10%パラジウム-炭素155mgを加えて、1気圧の水素雰囲気下、室温にて終夜攪拌した。反応液を濾過後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1)にて精製して標記化合物71mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物70mgを原料として、実施例1(11)と同様の方法にて、表1に示される化合物13mgを得た。
実施例53
(1)実施例33(3)で得られた化合物50mgと文献(Tetrahedron Letters, 2001年, 42巻, 315ページ)に記載の方法にて得られたフタルイミドアセトアルデヒド13mg、シアノ水素化ホウ素ナトリウム5.1mgおよび酢酸0.018mlをクロロホルム2.0mlとエタノール0.2mlに溶解して16時間撹拌した。さらにフタルイミドアセトアルデヒド13mgおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウム5.1mgを加えて16時間撹拌した。反応液に飽和重曹水10mlを加えて分液後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1)にて精製して11位N-アルキル体 46mgを粗成生物として得た。
(2)上記(1)で得られた化合物45mgを原料として、実施例1(11)と同様の方法にて、表1に示される化合物37mgを得た。
実施例54〜63
表2で規定したR4b、R6aをもつ、式(C)に示される化合物の製造法を以下に示す。
式(C)
Figure 2014058507
Figure 2014058507
実施例54
(1)実施例33(3)で得られた化合物250mg をクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒2mlに溶解し、参考例21で得られた化合物81.7mg、酢酸61.5μlを加えて室温にて1時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和重曹水を加えて分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=24:1:0.1から4:1:0.1)にて精製してアミナール体286mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物20mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表2に示される化合物10.0mgを得た。
実施例55
(1)実施例34(2)で得られた化合物22mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒300μlに溶解し、無水酢酸5.93μl、4-ジメチルアミノピリジン7.7mgを加えて、室温にて1.5時間攪拌した。反応液にトリエチルアミン29.3μl、アセチルクロリド14.9μlを加えて、室温にて一晩攪拌した。さらにトリエチルアミン44μl、アセチルクロリド14.9μlを加えて、2時間攪拌した。反応液にクロロホルム、飽和重曹水を加え分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してオキソプロピリデン体5.4mg を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物5.3mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表2に示される化合物2.1mgを得た。
実施例56
(1)実施例33(3)で得られた化合物20.2mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒200μlに溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液 8.4μl、酢酸6.2μlを加えて室温にて一晩攪拌後、2-ピコリンボラン12.7mgを加えて室温にて4時間攪拌した。反応液に飽和重曹水、酢酸エチルを加え分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮してアミナール体20.0mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物19.4mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表2に示される化合物11.8mgを得た。
実施例57
(1)実施例33(3)で得られた化合物20mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒200μlに溶解し、プロピオンアルデヒド7.8μl、酢酸6.1μlを加えて、室温にて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残査をクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒200μlに溶解し、2-ピコリンボラン11.4mgを加え室温にて2時間攪拌した。さらに2-ピコリン-ボラン11.4mgを加え、室温にて30分攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製して、アミナール体7.8mg を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物6.0mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて表2に示される化合物3.0mgを得た。
実施例58
(1)実施例33(3)で得られた化合物50mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒400μlに溶解し、2-フェニルアセトアルデヒド12.0μl、酢酸12.3μlを加えて、室温にて2時間50分攪拌後、2-フェニルアセトアルデヒド12.0μlを加えて、室温にて1時間25分攪拌した。さらに2-フェニルアセトアルデヒド12.0μlを加えて、室温にて1時間5分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて分液し、得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してアミナール体25.3mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物25.3mgを原料として、実施例33(4)と同様の方法にて、表2に示される化合物16.0mgを得た。
実施例59
実施例34で得られた化合物55mgをクロロホルム1.0mlに溶解し、37%ホルマリン水溶液0.023mlと酢酸0.019mlを加えて、2日間撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1にて精製して表2に示される化合物41mgを得た。
実施例60
(1)実施例33(3)で得られた化合物50mgをクロロホルム1.0mlに溶解し、37%ホルマリン水溶液0.023mlと酢酸0.019mlを加えて、5時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加えて分液後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1にて精製してアセタール体 48mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物47mgを原料として、実施例1(11)と同様の方法にて、表2に示される化合物42mgを得た。
実施例61、実施例62
(1)実施例33(3)で得られた化合物100mgのジメチルホルムアミド1ml溶液に、室温下、ジメチルホルムアミド-ジメチルアセタール21.4μL、酢酸15μLを加えてから80℃にて4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム : メタノール : 28% アンモニア水 = 100 : 1 : 0.1 から 5 : 1 : 0.1 ) にて精製して閉環体の2成分混合物34mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物34mgを原料として実施例1(11)と同様の方法にて表2に示される実施例61の化合物3mgおよび表2に示される実施例62の化合物3mgを得た。
実施例63
(1)実施例33(3)で得られた化合物100mgのクロロホルム1ml溶液に、氷冷下、ピリジン26μL、ブロモ酢酸クロリド25.4mgを加えて1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えて分液した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム : メタノール : 28% アンモニア水 = 100 : 1 : 0.1 から 5 : 1 : 0.1 ) にて精製してアミド体98mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物24mgのテトラヒドロフラン240μL溶液に氷冷下、60%水素化ナトリウム2.7mgを加えて1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加えて分液し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮して環化体を得た。
(3)上記(2)で得られた化合物を原料として実施例1(11)と同様の方法にて表2に示される化合物3.6mgを得た。
実施例64〜68
表3で規定したRをもつ、式(D)に示される化合物の製造法を以下に示す。
式(D)
Figure 2014058507
Figure 2014058507
実施例64
実施例33(3)で得られた化合物150mgのテトラヒドロフラン1.5ml溶液に水素化ホウ素ナトリウム30.5mg、メタノール0.75mlを加えて室温下1時間攪拌した。室温下、水素化ホウ素ナトリウム30.5mgを加えて終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100:1:0.1→5:1:0.1)にて精製して表3に示される化合物20mgを得た。
実施例65
実施例64で得られた化合物30mgのクロロホルム1.0ml溶液に、ピリジン7.8μl 、トリホスゲン 9.5mgを加え、室温にて一晩攪拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=90:10:1)にて精製して表3に示される化合物5mgを得た。
実施例66
実施例52で得られた化合物25mgをトルエン1.0mlに溶解し、酢酸1μlを加えて、加熱還流下、8時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20 : 1 : 0.1 から 10 : 1 : 0.1にて精製して表3に示される化合物12mgを得た。
実施例67
実施例66で得られた化合物 30mgの エタノール3ml溶液に、酢酸0.1ml、シアノ水素化ホウ素ナトリウム6.59mgを加え、室温下、終夜攪拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=90:10:1)にて精製して表3に示される化合物10mgを得た。
実施例68
実施例66で得られた化合物11mgのクロロホルム1.5ml溶液に、37%ホルムアルデヒド水溶液5.0μl、酢酸4.12μlを加えて、室温下、終夜攪拌した。反応液を飽和重曹水にあけ、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=90:10:1)にて精製して表3に示される化合物5mgを得た。
実施例69〜72
表4で規定したZaをもつ、式(E)に示される化合物の製造法を以下に示す。
式(E)
Figure 2014058507
Figure 2014058507
実施例69
実施例33で得られた化合物143mgのエタノール1.6ml溶液に O-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩128mgおよびイミダゾール65mgを加え、90℃にて8日間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過し、濾液を減圧濃縮して残渣を得た。得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ジイソプロピルエーテル:メタノール:28%アンモニア水=50:10:1)にて精製して表4に示される化合物31.2mgを得た。
実施例70、71
実施例33で得られた化合物27mg をエタノール300μlに溶解し、ヒドロキシアミン塩酸塩10.5mg、イミダゾール12.4mgを加え、70℃で一晩攪拌した。反応液にクロロホルム、飽和重曹水を加え分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製して表4に示される実施例70の化合物9.8mg(E体)および実施例71の化合物2.3mg(Z体)を得た。
実施例72
実施例70で得られた化合物35mg をテトラヒドロフラン350μlに溶解し、水酸化カリウム4.3mg、ヨウ化メチル4.8μlを加え、室温にて3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=15:1:0.1) にて精製して表4に示される化合物3.8mgを得た。
実施例73〜88
表5で規定したR4c、R1bをもつ、式(F)に示される化合物の製造法を以下に示す。
式(F)
Figure 2014058507
Figure 2014058507
Figure 2014058507
実施例73
(1)実施例38で得られた化合物191mgを原料として、実施例1(1)と同様の方法にてアセチル体混合物170mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物170mgを原料として、実施例50(1)と同様の方法にて、表5に示される化合物12.9mgを得た。
実施例74
(1)実施例50(1)で得られた化合物34.1mgに2mol/Lジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液1mlを加え、マイクロ波照射下80℃で1時間、100℃で3時間攪拌した。反応液を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100:7:0.7)にて精製してジメチルアミノ体6.7mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物6.7mgを原料として、実施例1(11)と同様の方法にて、表5に示される化合物4.9mgを得た。
実施例75
実施例50(1)で得られた化合物30.1mg、ピペリジン120.3mgを原料として、実施例50(2)、実施例1(11)と同様の方法にて、表5に示される化合物3.9mgを得た。
実施例76
実施例50(1)で得られた化合物30mg、ピペラジン9.15mgを原料として、実施例50(2)、実施例1(11)と同様の方法にて、表5に示される化合物2.1mgを得た。
実施例77
(1)実施例1(11)で得られた化合物300mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒2.1mlに溶解し、(t-ブチルジメチルシリルオキシ)アセトアルデヒド151μlを加え、室温にて3時間20分攪拌後、さらに(t-ブチルジメチルシリルオキシ)アセトアルデヒド151μlを加えて、室温にて1時間40分攪拌した。反応液を減圧濃縮し得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=19:1:0.1)にて精製してアミナール体の混合物322mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物292mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒2.9mlに溶解し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム100mg、酢酸91μlを加え、室温にて16時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取高速液体クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液=5:95から95:5)にて精製してアルキル体72.5mgとアルデヒド二量体のアルキル体53mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物79.1mgをテトラヒドロフラン790μlに溶解し、1mol/Lテトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン溶液129μlを加え、室温にて1時間20分攪拌後、さらに1mol/Lテトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン溶液129μlを加え、室温にて3時間40分攪拌した。反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製してヒドロキシエチル体53.4mgを得た。
(4)上記(3)で得られた化合物17mg、N,N-ジイソプロピル-N'-メチルエチレンジアミン6.7mgを原料として実施例1(12)と同様の方法にて表5に示される化合物13.0mgを得た。
実施例78
実施例1(11)で得られた化合物60.3mg、参考例27で得られた化合物49.3mgを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて表5に示される化合物42.8mgを得た。
実施例79
実施例33(3)で得られた化合物50.0mg、3-(メチルチオ)プロピオンアルデヒド16.8mgを原料として、実施例34(1)、(2)、実施例1(11)と同様の方法にて、表5に示される化合物7.7mgを得た。
実施例80
実施例77(3)で得られた化合物17mg、N-シクロブチル-N-エチル-N'-メチルエチレンジアミン13.3mgを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて、表5に示される化合物を9.4mg得た。
実施例81
(1)実施例1(11)で得られた化合物50mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒350μlに溶解し、アセトアルデヒド110μlを加えて、室温にて2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、アミナール体52.7mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物52.7mgをクロロホルムとエタノールの2:1混合溶媒500μlに溶解し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム20.7mg、酢酸19μlを加え、室温にて17時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=19:1:0.1)にて精製してエチル体41.8mgを得た。
(3)上記(2)で得られた化合物20mg、N-シクロブチル-N-エチル-N'-メチルエチレンジアミン15.8mgを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて表5に示される化合物を9.9mg得た。
実施例82
(1)実施例77(2)で得られたアルデヒド二量体のアルキル体53.0mgを原料として、実施例77(3)と同様の方法にて脱保護体38.8mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物20mg、N-シクロブチル-N-エチル-N'-メチルエチレンジアミン14.6mgを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて表5に示される化合物9.7mgを得た。
実施例83
実施例10で得られた化合物125mg、2-(t−ブチルジメチルシロキシ)アセトアルデヒド21.9μlを原料として、実施例34(1)、(2)、実施例38(2)と同様の方法にて表5に示される化合物75mgを得た。
実施例84
実施例77(3)で得られた化合物19mg、 2-(2,2-ジメチルピロリジン-1-イル)-N-メチルエタンアミン14.8mgを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて、表5に示される化合物10.2mgを得た。
実施例85
実施例81(2)で得られた化合物22mg、2-(2,2-ジメチルピロリジン-1-イル)-N-メチルエタンアミン17.5mgを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて、表5に示される化合物8.2mgを得た。
実施例86
実施例33(3)で得られた化合物200mg、参考例28で得られた化合物160mgを原料として、実施例34(1)、(2)、実施例1(1)と同様の方法にて表5に示される化合物92.6mgを得た。
実施例87
実施例6で得られた化合物124mg、アセトアルデヒド228μlを原料として、実施例40(1)と同様の方法にて表5に示される化合物22.7mgを得た。
実施例88
実施例52で得られた化合物23.9mgをクロロホルム0.5mlに溶解し、氷冷下、トリエチルアミン7.2μl、ピリジン-3-スルホニルクロリド4.7μlを加えて、室温にて2時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加えて分液し、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残査を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=100:10:1)にて精製して表5に示される化合物10.7mgを得た。
実施例89〜118
表6で規定したR'、R1cをもつ、式(G)に示される化合物の製造法を以下に示す。
式(G)
Figure 2014058507
Figure 2014058507
Figure 2014058507
Figure 2014058507
Figure 2014058507
実施例89
(1)実施例33(3)で得られた化合物50mg をテトラヒドロフラン 300μl に溶解し、3-オキセタノン200μl、酢酸16μl を加え、室温にて2時間攪拌後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム16.8mg を加え、室温にて16時間攪拌後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム16.8mg を加え、50℃にて4時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液=5:95から95:5)にて精製してオキセタン体 14.2mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物 14.2mg を原料として、実施例33(4)と同様な方法にて、表6に示される化合物を 5.8mg得た。
実施例90
実施例6で得られた化合物124mgを原料として、実施例51と同様な方法にて表6に示される化合物を5.8mg得た。
実施例91
実施例33(3)で得られた化合物100mg、参考例32で得られた化合物86mgを原料として、実施例34(1)、(2)、実施例33(4)と同様な方法にて、表6に示される化合物40.6mgを得た。
実施例92
実施例33(3)で得られた化合物9mg をクロロホルム90μl に溶解し、酢酸 3.3μl、37%ホルムアルデヒド水溶液4.0μl を加え、室温にて18時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液=5:95から95:5)にて精製して、表6に示される化合物を 3.7mg得た。
実施例93
実施例52で得られた化合物100mg、文献(Journal of Fluorine Chemistry, 1982年, 20巻, 425ページ)に記載の方法にて得られたピペリジン-1-スルホニルクロリド60mgを原料として、実施例88と同様な方法にて、表6に示される化合物21.7mgを得た。
実施例94
実施例52で得られた化合物100mg、メタンスルホニルクロリド9.1μlを原料とし、実施例88と同様な方法にて、表6に示される化合物49.0mgを得た。
実施例95
実施例52で得られた化合物50mgをクロロホルム1mlに溶解し、氷冷下、ピリジン4.7μl、無水酢酸5.6μlを加えて1時間撹拌後、室温にて一晩撹拌した。反応液に飽和重曹水、クロロホルムを加えて分液後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製して表6に示される化合物18.0 mgを得た。
実施例96
実施例52で得られた化合物50mg、ピペリジン-1-カルボニルクロリド8.7mgを原料とし、実施例88と同様な方法にて、表6に示される化合物37.3mgを得た。
実施例97
実施例52で得られた化合物50mgをテトラヒドロフラン1mlに溶解し、氷冷下、ニコチン酸7.3mg、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩11.3mg、ヒドロキシベンゾトリアゾール9.0mgを加え、1時間撹拌後、室温にて一晩撹拌した。反応液に飽和重曹水、クロロホルムを加えて分液後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製して表6に示される化合物24.0mgを得た。
実施例98
(1)実施例33(3)で得られた化合物102mgと参考例33で得られた化合物83.1mgを原料として、実施例34(1)、(2)、実施例38(2)、実施例33(4)と同様の方法にて表6に示される化合物112mgを得た。
実施例99
実施例83で得られた化合物35.0mgにテトラヒドロフラン0.35ml、メタノール0.18mlを加えて、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム6.37mgを加え室温にて1.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=8:1:0.1)にて精製して表6に示される化合物13.2mgを得た。
実施例100
実施例10で得られた化合物77.9mgを原料として、実施例99と同様な方法にて、表6に示される化合物15.0mgを得た。
実施例101
実施例52で得られた化合物51.8mg、ブチリルクロリド5.9mgを原料とし、実施例88と同様な方法にて、表6に示される化合物7.0mgを得た。
実施例102
(1)実施例1(10)で得られた化合物300mg、t-ブチルジメチルシロキシアセトアルデヒド6.28gを原料として、実施例34(1)、(2)、実施例38(2)、実施例33(4)と同様の方法にてエポキシ体4.93gを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物50mgとN,N-ジイソプロピルエチレンジアミン43.3mgを原料として実施例1(12)と同様の方法にて表6に示される化合物43.6mgを得た。
実施例103
実施例102(1)で得られた化合物50.1mg、トリエチルエチレンジアミン90.0μlを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて表6に示される化合物43.1mgを得た。
実施例104
(1)実施例77(4)で得られた化合物50.1mgをクロロホルム334μl、エタノール167μlに溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液40.2μl、酢酸 14.9μlを加えて室温にて2時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルを加え水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過後、減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=12:1:0.1)にて精製して、アミナール体49.6mgを得た。
(2)上記(1)で得られた化合物を原料として、実施例34(2)と同様の方法にて表6に示される化合物24.3mgを得た。
実施例105
実施例102(1)で得られた化合物100mgと参考例27で得られた化合物62mgを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて表6に示される化合物を78mg得た。
実施例106
実施例102(1)で得られた化合物100mgと2-(2-メチルアミノエチル)ピリジン68mg を原料として、実施例1(12)と同様の方法にて表6に示される化合物を105mg得た。
実施例107
実施例102(1)で得られた化合物100mgと参考例34で得られた化合物57.9μlを原料として、実施例1(12)と同様の方法にて表6に示される化合物を85.6mg得た。
実施例108
実施例102(1)で得られた化合物100mg、参考例35で得られた化合物66.3mgを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される化合物86.7mgを得た。
実施例109
実施例102(1)で得られた化合物100mg、参考例25で得られた化合物97.0μlを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される化合物67.8mgを得た。
実施例110
(1)実施例77で得られた化合物200mgをクロロホルム4mlに溶解し、氷冷下、イミダゾール28.3mg、t-ブチルジメチルシリルクロリド34.4mgを加えて、室温にて一晩撹拌した。さらに、t-ブチルジメチルシリルクロリド28.2mgを加えて、室温にて8時間撹拌した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加えて分液し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濾過した後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1)にて精製してTBS体183mgを得た。
(2)上記(1)で得られたTBS体90mgを原料として、実施例51(1)、(2)、実施例38(2)と同様な方法にて表6に示される化合物16.4mgを得た。
実施例111
実施例102(1)で得られた化合物100mg、参考例36で得られた化合物97.0μlを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される化合物67.8mgを得た。
実施例112
実施例102(1)で得られた化合物100mg、参考例37で得られた化合物79.8μlを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される化合物91.7mgを得た。
実施例113
実施例1(11)で得られた化合物100mg、参考例36で得られた化合物88.8μlを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される化合物84.2mgを得た。
実施例114
実施例1(11)で得られた化合物65.0mg、参考例38で得られた化合物59.2mgを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される化合物45.7mgを得た。
実施例115
実施例102(1)で得られた化合物100mg、参考例38で得られた化合物91.8mgを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される化合物60mgを得た。
実施例116、117
実施例102(1)で得られた化合物100mg、参考例39で得られた化合物87mgを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される実施例116の化合物を33.2mgと表6に示される実施例117の化合物33.8mgを得た。
実施例118
実施例102(1)で得られた化合物100mg、参考例40で得られた化合物81mgを原料として、実施例1(12)と同様な方法にて、表6に示される化合物68mgを得た。
試験例1(インビトロ抗菌活性)
本発明品の各種試験菌に対するインビトロ抗菌力は、微量液体希釈法(CLSI法)に準じて測定した。使用した試験菌を表7に示した。このうち菌体番号C及びDはエリスロマイシン耐性菌である。菌体番号A、B、C及びDの試験菌に対するMIC値(微生物生育最小阻止濃度 μg/ml)を表8に示した。
Figure 2014058507
Figure 2014058507
本発明の化合物は、各種微生物に対して強い抗菌活性を有しており、しかも従来のマクロライド系抗生物質では十分な抗菌活性が得られなかったエリスロマイシン耐性菌(例えば耐性肺炎球菌、レンサ球菌)などに対しても優れた抗菌活性を有することから、多様な微生物感染症の予防及び/又は治療のための医薬として利用可能である。

Claims (8)

  1. 式(I):
    Figure 2014058507
    (式中、
    Meはメチル基を示し、
    1は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
    2は、水素原子、C1-6アルカノイル基(該C1-6アルカノイル基は、アミノ基、又はC1-6アルキルアミノ基で置換されてもよい)、C1-6アルキルスルホニル基、又は置換基群1から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、或いは
    1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、4〜8員の含窒素飽和複素環基(該含窒素飽和複素環基は、ヘテロアラルキル基、又はC1-6アルキルアミノ基で置換されてもよい)、又はスピロ炭素を有する7〜10員の含窒素飽和複素環基(該含窒素飽和複素環基は、C1-6アルキル基、又はオキソ基で置換されても良い)を形成してもよく、
    置換基群1は、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基(該フェニル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)、4〜8員の飽和複素環基(該飽和複素環基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、ヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は、C1-6アルキル基で置換されてもよい)、式−CONR78で示される基、式−SO2NR910で示される基、式−NR11COR12で示される基、式−NR13CO214で示される基、式−NR15SO216で示される基、及び式−NR1718で示される基からなる群であり、
    7、R8、R9、R10、R11、R13、R14、及びR15は、同一又は異なって、水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
    12は、フェニル基(該フェニル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)を示し、
    16は、C1-6アルキル基、又はフェニル基(該フェニル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)を示し、
    17、及びR18は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、及び4〜8員の飽和複素環基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい)、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、4〜8員の飽和複素環基、C1-6アルカノイル基、C7-12アラルキル基(該C7-12アラルキル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)、又はヘテロアラルキル基(該ヘテロアラルキル基は、1〜3個のC1-6アルコキシ基で置換されてもよい)を示すか、或いは
    17、及びR18は結合する窒素原子と一緒になって、置換基群2から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい4〜8員の含窒素飽和複素環基、又は置換基群2から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい6員の含窒素一部飽和複素環基を形成してもよく、
    置換基群2は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、オキソ基、C1-6アルコキシイミノ基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、式−CONR1920(R19、及びR20は、同一又は異なって、水素原子、又はC1-6アルキル基を示す)で示される基、C1-6ハロアルキル基、及びC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、及びC1-6アルキルアミノ基から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい)からなる群であり、
    3は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、又は式OCONR2122(R21、及びR22は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、又は1個のヘテロアリール基で置換されたC2-6アルケニル基を示す)を示し、
    Zは、式CHR23(R23は、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、又はアミノ基を示す)で示される基、式C(=O)で示される基、又は式C(=N−OR24)で示される基を示し、
    24は、水素原子、C1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、C1-6アルコキシ基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、又はフェニル基で置換されてもよい)、又は4〜8員の飽和複素環基を示し、
    4は、水素原子、C1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1-6アルキルスルファニル基、C1-6アルキルスルホニル基、フェニル基、4〜8員の飽和複素環基、ヘテロアリール基、フタルイミド基、C1-6アルカノイルオキシ基、式−NR2526、式−NR27SO228、及び式−NR29COR30から選ばれる1〜3個の置換基で置換されてもよい)、フェニル基で置換されたC2-6アルケニル基、C1-6アルカノイル基(該C1-6アルカノイル基は、C1-6アルキルスルホニル基で置換されてもよい)、C2-7アルコキシカルボニル基、4〜8員の飽和複素環、6員の含窒素一部飽和複素環基、ヘテロアリール基、又は式C(=N)−NH2を示し、
    25、及びR26は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、又はベンジルオキシカルボニル基を示すか、或いは
    25、及びR26は結合する窒素原子と一緒になって、4〜8員の含窒素飽和複素環基を形成してもよく、
    27、及びR29は、同一又は異なって、水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
    28、及びR30は、同一又は異なって、C1-6アルキル基、4〜8員の飽和複素環基、ヘテロアリール基を示し、
    5は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、或いは
    4、及びR5は結合する窒素原子と一緒になって、4〜8員の含窒素飽和複素環基を形成してもよく、或いは
    Z、及びR5は一緒になって形成する式(II)、又は式(III)
    Figure 2014058507
    で示される環状構造を示してもよく、
    31は、破線を含む二重線が二重結合の場合には存在せず、破線を含む二重線が単結合の場合には水素原子を示し、
    32、及びR33は、共に水素原子を示し、
    6は、ヒドロキシ基を示し、或いは
    5とR6はそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって形成する式(IV)、又は式(V)
    Figure 2014058507
    で示される環状構造を示してもよく、
    34、及びR35は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、又はC1-6アルキル基(該C1-6アルキル基は、C1-6アルキルスルホニル基、又はフェニル基で置換されてもよい)を示し、或いは
    34、及びR35は、一緒になってC1-6アルカノイル基で置換されたメチリデン基を示してもよく、或いは
    4、及びR34は、一緒になって結合を示してもよく、或いは
    Z、R4、R5、及びR6は、一緒になって、式(VI)
    Figure 2014058507
    で示される環状構造を示してもよく、或いは
    Z、及びR6は、一緒になって、式(VII)
    Figure 2014058507
    で示される環状構造を示してもよい)で示される化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物。
  2. 2が、置換基群1から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたC1-6アルキル基である請求項1に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物。
  3. 2が、式−NR1718で置換されたC1-6アルキル基である請求項1に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物。
  4. 1が、C1-6アルキル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物。
  5. 3が、ヒドロキシ基、又はC1-6アルコキシ基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物。
  6. 3が、メトキシ基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物若しくはその塩、又はその水和物若しくはその溶媒和物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物及びその塩、並びにその水和物及びその溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含有する医薬。
  8. 感染症の予防及び/又は治療のために用いる請求項7に記載の医薬。
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