JP2014055270A - 塗料並びに塗装物品及びうちわ - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物である茶殻を有効活用でき、抗菌・消臭効果に富み、時間経過による退色を抑制した塗料及び塗装物品を提供する。
【解決手段】茶殻とバインダーと酸化防止剤とを含有することを特徴とする塗料並びにこれを塗布した塗装物品及びうちわである。茶殻は、固形分が銅イオン水溶液に分散したペースト体であることが好ましい。この場合、バインダーがポリ乳酸であり、酸化防止剤がビタミンCであることが好ましい。あるいは、バインダーがキトサンであり、このキトサンが酸化防止剤としての機能を兼ねてもよい。塗料は防水材をさらに含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌・消臭性を有する塗料並びにこれを塗布した塗装物品及びうちわに関する。
お茶は、急須などで茶葉を煎じて抽出したものやペットボトル飲料などとして、多くの人に愛飲されている。お茶には、抗菌・消臭効果があることが知られており、従来、その特性を生かした抗菌性塗料が開発されている(例えば、特許文献1参照)。この抗菌性塗料は、塗膜形成成分(すなわち、バインダー)と茶又は茶成分とを含んでおり、抗菌性成分として天然由来の茶や茶成分を使用しているため、安全性が高い。
特許文献1の茶や茶成分は、茶葉を粉砕して粉末状としたものや、茶を微細化したものを使用している。すなわち、原料として茶を抽出する前の通常の茶葉を使用しているため、抗菌性塗料の製造コストが高くなるという不都合があった。
一方で、家庭や茶飲料の製造工場などからは、お茶を抽出したあとの茶葉である茶殻が大量に廃棄されており、その有効な活用方法が模索されている。そこで、茶殻を塗料として使用する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−298459号公報(請求項1、段落0009等参照) 国際公開第2004/089092号(請求項2,8参照)
特許文献2のように茶殻を塗料として用いると茶殻の緑色が時間の経過とともに退色して茶褐色になりやすいという不都合があった。特に、茶殻は熱湯などで茶の成分を抽出した後の茶葉なので、特許文献1のような抽出前の茶葉に比べて時間経過による退色が生じやすい。
本発明の目的は、廃棄物である茶殻を有効活用でき、抗菌・消臭効果に富み、時間経過による退色を抑制した塗料並びにこれを用いた塗装物品及びうちわを提供することにある。
上記課題は、本発明によれば、茶殻とバインダーと酸化防止剤とを含有する塗料により解決される。このように、茶を抽出した後の廃棄物である茶殻を抗菌・消臭成分として使用するため、廃棄物を有効活用できるとともに抗菌・消臭効果に富んだ塗料を提供することができる。さらに、酸化防止剤を添加することで、時間経過によって茶殻の緑色が退色することを大幅に抑制することが可能となる。
また、前記茶殻は、固形分が金属イオン水溶液に分散したペースト体であることが好ましい。このように、固形分が金属イオン水溶液に分散したペースト体を使用することで、茶殻を鮮やかな緑色に呈色させ、かつその退色を少なくすることができる。
また、前記バインダーがポリ乳酸であり、前記酸化防止剤がビタミンCであることが好ましい。このように、塗料に含まれる成分がいずれも生分解性又は天然物であるため、環境面や安全性の観点から好ましい塗料を提供することが可能となる。
あるいは、前記バインダーがキトサンであり、該キトサンが前記酸化防止剤としての機能を兼ねることが好適である。キトサンは、バインダーとしての機能のほか、それ自身が酸化防止剤としての機能を備えるため、バインダーの他に別成分として酸化防止剤を添加する必要がなく、製造工程を簡易化したり製造コストを低減したりすることが可能となる。また、キトサンも天然物由来であるため、環境面や安全性の観点から好ましい。
また、防水材を更に含有することが好ましい。このように、防水材を使用することで、水分による塗料の劣化やカビなどの発生を抑制することが可能となる。
また、上記課題は、上記のいずれかに記載された塗料が塗布された塗装物品により解決される。このように、廃棄物である茶殻を有効活用でき、抗菌・防臭効果に富み、時間経過による退色を抑制した塗料を使用することで、抗菌・防臭効果を有する塗装物品を安価に提供するとともに、長期にわたって茶の緑色を維持することが可能となる。
また、上記課題は、扇部と把持部とを備え、上記のいずれかに記載の塗料が前記扇部に塗布されているうちわにより解決される。このように、廃棄物である茶殻を有効活用でき、抗菌・防臭効果に富み、時間経過による退色を抑制した塗料を使用することで、抗菌・防臭効果を有するうちわを安価に提供するとともに、長期にわたって茶の緑色を維持することが可能となる。また、使用者等が扇いで風を起こすと抗菌・消臭効果とともに茶の香りや色によるリラックス効果も発揮させることができる。
本発明によれば、廃棄物である茶殻を有効活用でき、抗菌・消臭効果に富み、時間経過による退色を抑制した塗料並びにこれを用いた塗装物品及びうちわを提供することができる。
塗装物品の一例を示した平面図である。 塗装物品の他の例を示した平面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、本発明は以下に説明する部材や材料等によって限定されず、これらの部材等は本発明の趣旨に沿って適宜改変することができる。
(1)塗料
以下、本発明の塗料について説明する。本発明の塗料は、茶殻とバインダーと酸化防止剤とを主要な成分として含有している。以下、塗料を構成する各成分について説明する。
(a)茶殻
茶殻は、茶を煎じた後に残る残渣であり、茶飲料の製造工場や家庭などから大量に排出される廃棄物である。原料となる茶としては、例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶、麦茶及びプーアル茶などを挙げることができる。茶殻としては、これらの茶のうち一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。これらの茶由来の茶殻のうち、抗菌・消臭効果に優れ、高い癒し効果を与える点から、特に緑茶が好ましい。
茶殻としては、茶殻をペースト状に加工したペースト体が好ましい。ペースト体とは、茶殻の固形分が溶媒に分散し、適度な粘度と流動性を有する状態のものをいう。茶殻のペースト体としては、優れた色調の緑色のものを得る目的で、溶媒として金属イオン水溶液、特に銅イオン水溶液を含むものが好ましい。以下、このような銅イオンを含むペースト体の製造方法の概略について説明する。
銅イオンを含むペースト体の茶殻は、例えば撹拌装置と、ミキサー装置と、圧力銅釜と、段階式銅濃縮装置と、濾過装置と、を有する製造システムで製造することができる。まず、使用済み茶殻に対して所定の割合となるように水を混合し、撹拌羽根などを備えた撹拌装置で茶殻と水を混合する。このとき、水に代えて所定濃度の銅イオンを含む銅イオン水を用いてもよい。次に、摩砕手段を備えたミキサー装置で撹拌混合物を破砕する。この段階で、茶殻の固形分は1〜10ミクロンの平均粒径となる。続いて、圧力銅釜で破砕液に圧力を加え、対流により抽出を行う。この段階での圧力は、通常1.2MPa〜4.0MPa程度、温度は120〜160℃、加圧時間は30〜60分間程度である。この圧力を加えた段階で抽出物は緑色化する。
次に、表面に銅板が設けられたスローブを有する段階式銅濃縮装置で抽出液を銅板に接触させながら循環させることで、抽出物の濃縮と緑色の安定化を行う。最後に、濃縮後の抽出物を濾過装置で液状部とペースト状の固形部に分離する。ここで得られたペースト状の部分が茶殻のペースト体となる。このようにして得られた茶殻は、銅イオンを含むため、銅イオンの作用で茶殻の本来持つ緑色を復元し、かつ長期にわたって緑色を保持することが可能となる。なお、濾過装置で分離されたペースト体に同じく分離された液体を適量添加することで、ペースト体の粘度を調整してもよい。なお、ペースト体の製造方法の詳細については、特開2009−254270号公報や実用新案登録第3156885号公報などを参照することができる。
(b)バインダー
バインダーは、茶殻どうしを結合し、塗膜を形成するための不揮発性成分である。本発明のバインダーとしては、塗料に用いることができる公知の樹脂材料を用いることができるが、環境面や安全性の観点から特に生分解性樹脂を用いることが好ましい。このような生分解性樹脂としては、例えば、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル系樹脂、キチン、キトサン、セルロース系樹脂、澱粉又は変性澱粉、変性ポリビニルアルコール、ポリカプロラクタムなどを挙げることができる。これらの生分解性樹脂のうち、入手が容易で安全性の高いポリ乳酸が好ましい。
ポリ乳酸としては、市販のものを入手することができ、このような市販品としては例えばランディPL−1000、ランディPL−2000、ランディPL−3000(いずれもミヨシ油脂株式会社製)を挙げることができる。これらのうち、常温で硬化する性質を有し、塗工作業が容易となることから、ランディPL−3000が最も好ましい。
また、後述するように茶殻の色や香りを生かした塗装物品を製造するためには、バインダーとしては硬化後に透明・無臭となるものが好ましい。ランディシリーズの樹脂は、硬化前の液体の段階では乳白色であるが、硬化後は透明・無臭となることから、この点からも生分解性樹脂としてはランディシリーズが好適である。
また、バインダーとしては、キトサンも好ましい。キトサンは、それ自体がバインダーとしての機能のほか、後述する酸化防止剤や防水材としての機能も有している。したがって、バインダーとしてキトサンを用いることで、別成分として酸化防止剤や防水材を添加する必要がなく、製造工程を簡略化したり製造コストを低減させたりすることができる。なお、キトサンは水に溶解しにくいため、酸で溶解して水溶液としたものを用いるか、あるいは可溶性の変性キトサンを用いることが好ましい。この場合の酸としては、ビタミンC(L−アスコルビン酸)を挙げることができる。
茶殻に対するバインダーの配合量は、バインダーの種類にもよるが、通常は茶殻100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部、特に好ましくは5〜10重量部である。茶殻に対するバインダーの配合量が1重量部を下回ると塗膜を形成しにくくなり、30重量部を上回ると抗菌・消臭効果が低下しやすくなる。
(c)酸化防止剤
酸化防止剤は、茶殻の酸化を防止して色素の退色を抑制するための成分である。特に上記のように茶殻を水溶液に分散させたペースト体の場合、酸化等により茶殻の色素が退色しやすくなるため、酸化防止剤による退色抑制効果が顕著に発揮される。酸化防止剤としては、環境面や安全性等の観点から天然由来のものが好ましく、例えば、ビタミンC(L−アスコルビン酸)、エリソルビン酸(イソアスコルビン酸)、カテキン、ビタミンE(トコフェロール)、ロスマリン酸、ローズマリーエキスなどを挙げることができる。これらのうち、茶にもともと含まれており安全性が高く、かつ退色防止効果の高いビタミンCが特に好ましい。
茶殻に対する酸化防止剤の配合量は、酸化防止剤の種類にもよるが、通常は茶殻100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部、特に好ましくは2〜7重量部である。茶殻に対する酸化防止剤の配合量が0.5重量部を下回ると塗装物品が退色しやすくなり、20重量部を上回ると塗料や塗装物品の製造コストが高くなりやすくなる。
(d)防水材
本発明の塗料は茶殻を主成分の1つとして使用していることから、塗装物品が水などに濡れるとカビが発生しやすい。このため、防水性を高める目的で、任意成分として防水材を塗料に配合することが好ましい。防水材としては、公知のものを採用することができるが、特に、天然由来の成分が好ましい。このような防水材としては、サイズパイン(松脂)、蜜蝋、ステアリン酸、セラック蝋、カルナバ蝋、木蝋、米糠蝋、キャンデリラワックスなどを挙げることができる。これらのうち、入手が容易である点などから、サイズパインが好ましい。
茶殻に対する防水材の配合量は、防水材の種類にもよるが、通常は茶殻100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部、特に好ましくは0.5〜2重量部である。茶殻に対する酸化防止剤の配合量が0.1重量部を下回ると防水効果が低くなり、10重量部を上回ると塗料や塗装物品の製造コストが高くなりやすくなる。
(e)他の成分
本発明の塗料には、上記の成分の他に、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他の成分を配合することができる。他の成分としては、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤、顔料、顔料分散剤、レベリング剤、造膜助剤、中和剤、消泡剤、防錆剤、粘度調整剤、界面活性剤、帯電防止剤、凍結防止剤などを挙げることができる。
(f)塗料の製造方法
本発明の塗料は、上記の各成分を所定の容器の中で混合することで製造することができる。成分を添加する順序は特に制限はなく、それぞれの成分を同時に又は任意の順で添加して混合することができる。成分の混合には手作業による撹拌のほか、公知の撹拌機を用いて行うこともできる。混合時の温度は、バインダー等の種類にもよるが、常温で乾燥するタイプの塗料の場合、通常は10〜35℃程度で行うことが好ましい。
(2)塗装物品
次に、本発明の塗装物品について説明する。本発明の塗装物品は、被塗装物品に対して上記の塗料を塗装したものである。被塗装物品としては、木材、紙、布(織布、不織布)、プラスチック、ガラスなど、各種の材質の物品を挙げることができる。表面が滑らかな被塗装物品の場合、塗料を付着させることが若干困難ではあるが、この場合でもサンドペーパー等で表面を粗面化することで塗料の付着性を向上させることができる。
塗料は、公知の方法で被塗装物品に塗装することができる。塗料の塗装方法としては、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等の装置を用いることができるほか、被塗装物品を塗料に直接浸漬する方法(いわゆるじゃぶ漬け)や、刷毛やへらなどを用いて塗布する方法などを採用することができる。塗料の塗布量としては目的物に応じて適宜設定すればよいが、例えば10〜500g/m・wetとすることができる。
塗料を被塗装物品に塗布した後、所定の温度で放置して乾燥させることでバインダー成分を硬化させて塗膜を形成させる。乾燥温度は、バインダーの種類にもよるが、例えば上述したランディPL−3000の場合は室温(約20℃)で、ランディPL−2000の場合は80℃以上で乾燥させることができる。乾燥時間は、バインダーの種類にもよるが、通常1時間〜1週間程度である。バインダー硬化の際には、ドライヤー等の乾燥機を用いることで塗料の乾燥を早めることもできる。
このようにして得られる塗装物品は、塗料に含まれる茶殻成分が抗菌・消臭効果を発揮する。また、硬化後に透明・無臭となるバインダーを使用した場合、得られる塗装物品は、ほのかに緑茶の香気を発するとともにきれいな緑色を呈する。この緑茶の香気と色は、後述する実施例でも説明するように、使用者やその周囲の者に癒し効果を与える。したがって、本発明の塗料は、安全・清潔のほか癒しの要素も要求される分野、例えば医療、介護、福祉や飲食、教育等において特に好ましく使用することができる。具体的な塗装物品としては、例えばうちわ、抗菌・消臭材、空調機用フィルター、壁紙、壁板などを挙げることができる。
以下、図面を参照して塗装物品の具体例について説明する。図1は、本発明の塗装物品の一例である消臭板を示している。図1(a)に示す消臭板1は、平面視がひし形の板部材3を備えており、その表面に本発明の塗料が塗布されている。板部材3には、意匠性を高めるために刻印部5が設けられている。本実施形態の刻印部5は、板部材3の表面から裏面まで貫通しているが、板面を貫通しない態様であってもよい。板部材3の上側角部付近には、貫通孔7が設けられており、紐などを通して消臭板1を吊下げることが可能となっている。このような消臭板1は、消臭効果を発揮する消臭剤としての機能とともに、室内の装飾品としての機能も兼ね備える。
消臭板の形状としては、上記のようなひし形に限定されず、図1(b)に示すような楕円型などであってもよい。また、図1(a)では刻印部5には文字が刻設されていたが、文字に限定されず図1(b)のような模様や絵などであってもよい。
図2は、塗装物品の他の例として消臭うちわを示している。図2(a)に示すように、消臭うちわ11は、使用者が扇いで風を起こす扇部13と、使用者が把持する把持部15とを備えている。扇部13は、紙などの素材で形成され、把持部15の基端部から放射状に広がる複数の骨部材の表面に固定されている。本発明の塗料は、扇部13に使用されている。扇部13に使用する紙などの素材に予め塗料を塗布又は浸漬して乾燥させた後で骨部材に貼り付けてもよく、骨部材に紙などの素材を予め貼り付けた後でスプレーガンなどを用いて扇部13に塗料を塗布してもよい。扇部13の表面には、文字や模様などの図柄17を設ける意匠性を向上させることができる。このような消臭うちわ11は、使用者が扇いで風を起こすと抗菌・消臭効果とともに茶の香りによるリラックス効果も発揮することができる。また、消臭うちわ11を使用しないときには、室内にインテリアとして飾ることで、抗菌・消臭材としての機能も発揮することができる。
消臭うちわとしては、図2(a)に限定されず、例えば図2(b)のように把持穴19を設けてこれに指を通すようなタイプのものや、図2(c)のように扇部と把持部とが一体化したようなタイプであってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。例中、含有量ないし使用量を表す「%」や「部」は、特記ない限り重量基準である。
(1)塗料の作製
(実施例1)
茶殻のペースト体として「工業用緑の緑茶ペースト」(株式会社ゼロワン製)を使用した。この茶殻の100重量部に対して、バインダーとして液体状のランディPL−3000(ミヨシ油脂株式会社製)を8重量部、酸化防止剤として粉末状のビタミンC(株式会社ゼロワン製)を5重量部、防水材として液体状のサイズパイン(ミヨシ油脂株式会社製)を1重量部となるように容器内に添加した。容器内で撹拌棒を用いて室温(25℃)で5分間撹拌して塗料を得た。
(2)塗装物品の作製
上記で得られた塗料をスプレーガン(W−200(1000mlコンテナ PC−1):アネスト岩田製)に充填し、木製板(10×10cm)の表面に厚みが0.5〜1mmとなるように約30秒間塗布した。室温(25℃)で1日乾燥させて塗料を硬化させ、図1(a)に示すものと同じ形状の消臭板(塗装物品)を得た。得られた消臭板は、少し深い緑色をしており、臭いを嗅ぐと緑茶の香気がした。また、茶殻の固形分で表面が若干ザラザラした自然な風合いを有していた。
(3)退色性試験
実施例1で作製した消臭板を生活空間内で長期間保管し、退色試験を行った。その結果を表1に示す。また、比較例1として、酸化防止剤(ビタミンC)を添加しなかった以外は実施例1と同じ条件で塗料と消臭板(塗装物品)を作製した。得られた消臭板について上記と同様に保管し、退色試験を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 2014055270
この結果から、酸化防止剤を添加した実施例1では、作製後10日を経過しても作製直後とほとんど変わらない緑色を呈しており、6ヶ月経過後も若干の退色が見られる程度であった。一方、酸化防止剤を添加しなかった比較例1では、作製後10日を経過した時点で茶褐色に退色した。以上より、酸化防止剤を添加することで、塗料の退色を大幅に低減し、長期にわたって鮮やかな緑色を維持できることがわかった。
(4)抗菌試験
標準寒天培地を用い、以下に示す菌種、菌数及び培養法にて培養した。実施例1で作製した塗料の原液を浸漬させた滅菌ガーゼ(1cm四方)を作製し、プレート上に載せて37℃、24時間培養した。その結果、いずれの菌種においても、直径約2cmのコロニーが形成されていない円形領域(阻止円)がガーゼの周囲に形成された。このことから、実施例1の塗料は細菌の繁殖を抑制する抗菌効果があることがわかった。
<培養条件>
・大腸菌:2.7×10CUF:スプレッド培養
・大腸菌群:3.5×10CUF:混釈培養
・黄色ブドウ状球菌:8.0×10CUF:混釈培養
(5)消臭試験
300mlの三角フラスコに49mlの蒸留水を入れ、28%アンモニア水を添加してガラス棒で混ぜ、フラスコの口を素早くパラフィルムで覆い密封して0.5%アンモニア水を調製した。実施例1で作製した消臭板を2.5cm角に切断してチップを作製し、テドラーバック1m(アズワン製)に1つずつ入れ、これに先に調製した0.5%アンモニア水を入れて密封した。密封後に所定時間ごとにサンプリングし、検知管式気体測定器(GV−100:株式会社ガステック製)を使ってアンモニア濃度を測定した。その結果を表2に示す。
比較例2として、三角フラスコの口に注射器を刺して1回につき50mlのアンモニア水を吸い、この操作を4回繰り返した。その後、上記と同じ検知管式気体測定器を用い、0.5%アンモニア水自体の濃度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2014055270
この結果から、実施例1の塗料を用いたサンプルでは、時間経過によってアンモニアの濃度が低下していることから、アンモニアに対する消臭効果があることがわかった。
(6)匂いと色の評価
実施例1で作製した消臭板について、一般の方、大学生、中学生94名を対象にアンケートにより匂い及び色彩の嗜好調査を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2014055270
この結果から、匂いの総合評価に関しては、「非常に好き」、「とても好き」、「やや好き」と回答したものが全体の56%を占め、半数以上が匂いに好意的であることがわかった。また、色の総合評価についても、「非常に好き」、「とても好き」、「やや好き」と回答したものが全体の65%を占め、匂いに比べてより好意的であることがわかった。このことから、本発明の塗装物品が匂い、色の両面においてよい印象を与えることがわかった。
さらに94名を10〜20代(74名)、30代以上(20名)の2グループに分け、それぞれの評価を比較したところ、匂いに関しては10〜20代で苦手としたものが若干いたが、30代以上は95%が癒されたと回答し、総合評価も90%が良いと回答した。色の評価については、消臭板の色に精神的な安心感を得ているものが、世代を問わず80%以上に上ることがわかった。このことから、特にストレス社会の現在において、本発明の塗料や塗装物品の匂いや色による癒し効果が重要であることがわかった。
1 消臭板(塗装物品)、3 板部材、5 刻印部、7 貫通孔、11 消臭うちわ(塗装物品)、13 扇部、15 把持部、17 図柄、19 把持穴

Claims (7)

  1. 茶殻とバインダーと酸化防止剤とを含有することを特徴とする塗料。
  2. 前記茶殻は、固形分が金属イオン水溶液に分散したペースト体であることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
  3. 前記バインダーがポリ乳酸であり、前記酸化防止剤がビタミンCであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料。
  4. 前記バインダーがキトサンであり、該キトサンが前記酸化防止剤としての機能を兼ねることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料。
  5. 防水材を更に含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の塗料が塗布されたことを特徴とする塗装物品。
  7. 扇部と把持部とを備え、請求項1〜5のいずれかに記載の塗料が前記扇部に塗布されていることを特徴とするうちわ。
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