以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行ない表示結果を導出する可変表示手段を備え、表示結果として予め定めた特定表示結果が導出されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘が植設されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(以下単に変動ともいう。また、可変表示、更新表示、巡回表示ともいう)が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が進入したこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、第1保留記憶表示部18c、および、第2保留記憶表示部18dで行なわれる保留記憶数等の保留記憶に関する表示は、保留記憶表示と呼ばれる。このように、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、第1保留記憶表示部18c、および、第2保留記憶表示部18dでは、変動表示を行なう権利の数を視認可能な態様で各権利に対応する保留記憶表示が行なわれる。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。たとえば、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cは、繰返し変動パターンとしての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときには、点滅する制御が行なわれる。
繰返し変動パターンとは、特別図柄および演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに所定の演出表示を所定回数繰返し実行した後リーチ演出を実行するような変動パターンをいう。ここで、所定の演出表示は、たとえば、再変動をする演出表示等の演出表示であり、所定回数繰返し実行可能な演出表示であれば、たとえば予告表示等の再変動表示以外の演出表示であってもよい。この実施形態では、繰返し変動パターンの一例として、再変動を所定の演出表示として所定回数繰返し実行可能である擬似連の変動パターンを用いる例を説明する。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(擬似連再変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
打球供給皿3の右側の所定位置には、押圧操作により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。操作ボタン130には、操作を検出するための操作検出スイッチ131が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別毎に、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
また、通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータには、操作ボタン130の操作を検出するための操作検出スイッチ131の操作検出信号が入力される。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、操作検出スイッチ131から入力ドライバ106および入力ポート107を介して、操作検出信号の入力を受ける。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数、ラウンド数決定用乱数、および、開放パターン決定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口(第1大入賞口71、第2大入賞口72)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1) ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、通常大当り、および、確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる例を示すが、大当り判定用乱数としては、ランダム1〜5のようなソフトウェアにより生成される乱数を用いてもよい。
図7は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図7(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図7(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。
また、図7(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図7(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「2」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このように、図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、次のような関係でデータが設定されている。
図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルと、図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合が高くなる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。図8に示される表示結果1〜3指定コマンドは、変動表示結果がはずれに決定されていることの指定、変動表示結果が通常大当りに決定に決定されていることの指定、および、変動表示結果が確変大当りに決定に決定されていることをそれぞれ指定するコマンドである。始動入賞が生じたときの入賞時判定結果の内容を示すコマンドであり、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の等の所定種類の判定結果を示すものである。また、図8に示される入賞時判定結果指定コマンドは、始動入賞が生じたときの入賞時判定結果の内容を示すコマンドであり、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の等の所定種類の判定結果を示すものである。
図9は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、後述する始動口スイッチ通過処理(S311)を実行する。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。
変動パターン設定処理(S301):変動パターンの決定および変動時間タイの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。
特別図柄変動中処理(S303):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。
特別図柄停止処理(S304):第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305):大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。
大入賞口開放中処理(S306):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。
大当り終了処理(S307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ520における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図11(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図11(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図11(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図11(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAM55に形成されている」とは、RAM55内の領域であることを意味する。
図11(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図11(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)が記憶される。
このような第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファにおいては、第1保留記憶バッファの保留記憶データに対応する判定結果保留記憶データが、第1判定結果保留記憶バッファ記憶され、第2保留記憶バッファの保留記憶データに対応する判定結果保留記憶データが、第2判定結果保留記憶バッファに記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S215)。S215の入賞時演出処理においては、S214で保存(記憶)した各種乱数のデータに基づいて、予め大当りとなるか否か、大当り種別、および、変動パターン種別を判定する処理を実行し、その判定結果を示す入賞時判定結果コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理が行なわれる。次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S216)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S216で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。次いで、CPU56は、前述したS214と同様に、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S225)。S225の入賞時演出処理においては、S224で保存(記憶)した各種乱数のデータに基づいて、予め大当りとなるか否か、大当り種別、および、変動パターン種別を判定する処理を実行し、その判定結果を示す入賞時判定結果コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理が行なわれる。次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S226)処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(図11(A)参照)に保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図11(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、たとえば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S64の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S57)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S58)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S58のY)、S59に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件といずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S58のN)、後述するS63に進む。
S58において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S59)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図7(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S61)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図7(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S60で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S61)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S62)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S63)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S61により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「2」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S64)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、後述する演出制御処理を実行する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/Oに含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御基板80に搭載されたRAMにおける演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出し、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。
この実施の形態では、始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、入賞時判定結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンド、第2保留記憶数してコマンド等のコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。なお、入賞時判定結果指定コマンドには、大当り、はずれを示すデータが含まれている。
演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域に格納していく。コマンド受信が正常に行なわれれば、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、コマンドが格納されていく。格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。各種乱数には、停止図柄決定用、演出決定用、先読み予告決定用、先読み特定演出決定用等の乱数が含まれ、演出決定用乱数には、図16に示されるような楽曲線楽用の乱数、先読み特定演出決定用の乱数等が含まれる。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。具体的に、前述の第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータに対応して第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留記憶数を表示する制御を行なう。また、前述の第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータに対応して第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留記憶数を表示する制御を行なう。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。図14に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、後述する先読み予告決定処理(S161)を実行する。
演出制御プロセス処理において、先読み予告決定処理を実行した後には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
図15は、先読み予告決定処理を示すフローチャートである。先読み予告決定処理において、演出制御用CPU101は、先読み予告実行フラグがONであるか否かを判定する(S720)。先読み予告実行フラグは、乱数抽選にて先読み予告を実行すると決定された場合にONとなるフラグである。なお、ここで述べる「先読み予告」とは、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示(ターゲットの変動表示)を開始するより前に、保留記憶データなどに基づいて変動表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。本実施の形態では、ターゲットの変動表示が大当りの場合にターゲットの変動表示の直前の変動表示において先読み予告が実行される可能性がある。そして、先読み予告の演出態様には、後述する先読みカットイン予告と先読み特定演出とが含まれる。
先読み予告実行フラグがONされていない場合(S720のN)、演出制御用CPU101は、始動入賞時受信コマンドバッファに新たな入賞時判定結果指定コマンドが記憶されているか否かを判定する(S721)。始動入賞時受信コマンドバッファに新たな入賞時判定結果指定コマンドが記憶されていない場合(S721のN)には、処理を終了する。
始動入賞時受信コマンドバッファに記憶される入賞時判定結果指定コマンドには、図10のS215、S225の入賞時演出処理で遊技制御用マイクロコンピュータ560によって始動入賞時に大当りとなるか否か等が判定されたデータが含まれている
始動入賞時受信コマンドバッファに新たな入賞時判定結果指定コマンドが記憶されている場合(S721のY)には、演出制御用CPU101は、新たな入賞時判定結果指定コマンドのデータにより特定される始動入賞時の判定結果が大当りであるか否かを確認することにより、新たな入賞時判定結果指定コマンドのデータが大当りのデータであるか否かを判定する(S722)。新たな入賞時判定結果指定コマンドのデータが大当りでない場合(S722のN)には、S724処理へ移行する。
新たな入賞時判定結果指定コマンドのデータが大当りの場合(S722のY)には、演出制御用CPU101は、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されたデータを確認することにより、保留記憶内に他の大当りデータが記憶されているか否かを判定する(S723)。保留記憶内に他の大当りデータが記憶されていると判定した場合(S723のY)には、処理を終了する。
保留記憶内に他の大当りデータが記憶されていないと判定した場合(S723のN)には、演出制御用CPU101は、S706で更新される先読み予告決定用の乱数値による乱数抽選にて先読み予告の有無を決定する(S724)。S724の処理では、乱数値を抽出し、抽出したデータに応じて予め定められた先読み予告の有無の割合が設定されたテーブルを用いて先読み予告の有無を決定する。このように、保留記憶内に他の大当りデータがない場合にのみ乱数抽選が行なわれるので、先読み予告が重複して実行されることが防がれるため、演出が複雑になるようなことはない。なお、S724の処理では、S723の処理で演出制御用CPU101が保留記憶内を参照する場合に、現在の保留記憶数が0または1である場合には先読み予告無しとして決定される。
次に、S725では、S724での先読み予告の決定結果に基づいて、先読み予告の実行が有りに決定されたか否かが判定される。S724の処理で先読み予告の実行が無しに決定されている場合(S725のN)には、処理を終了する。
先読み予告の実行が有りに決定されている場合(S725のY)には、演出制御用CPU101は、先読み予告実行フラグをONに設定する(S726)。次いで、現在の保留記憶数に基づいて、先読み予告を実行する変動表示が終了するまでに消化する保留記憶数nを特定する(S727)。本実施の形態では、後述するように先読み予告はターゲットの直前において実行されるので、S727において、ターゲットの直前までに消化する保留記憶数が特定されることとなる。
そして、図16(a)に示す楽曲選択用テーブルに基づいて、次回の変動から用いる先読み予告のための特定の楽曲を決定する(S728)。ここで、次回の変動とは、今回新たに入賞した始動入賞が発生した時点において次に開始される変動のことである。すなわち次回の変動は、始動入賞が変動中に発生すれば現在実行中の変動が終了した後の変動であり、始動入賞が変動表示がされていないときに発生すれば、その後に開始される変動が次回の変動ということになる。そして、S728の処理の後は、処理を終了する。
なお、楽曲の再生は新たな入賞時判定結果指定コマンドのデータが大当りでない場合においても行なわれる。具体的には、図15のS722においてNとなる場合に、S724以降の処理と同様に先読み予告の有無を決定する抽選を行い、実行する場合には次回の変動から楽曲の再生を開始するための設定を行なう。
ここで、図16は、楽曲選択用テーブル、先読み特定演出決定テーブル、曲変更テーブル、優先度判定テーブルを示す説明図である。これらのテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROM内に記憶されている。図16(a)に示す楽曲選択用テーブルでは、再生曲として、歌詞Aが流れる楽曲A、歌詞Bが流れる楽曲B、歌詞Cが流れる楽曲Cが用意されている。また、各々の楽曲は、予め割振られた乱数値の個数により、決定割合が異なっている。この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドのデータが大当りとなるものであった場合は、楽曲Aの割振数が50、楽曲Bの割振数が30、楽曲Cの割振数が20となっており、入賞時判定結果指定コマンドのデータが大当りとなるものでなかった場合は、楽曲Aの割振数が20、楽曲Bの割振数が30、楽曲Cの割振数が50となっている。すなわち、楽曲Aの再生が開始された場合は大当りとなる割合が最も高く、楽曲Cの再生が開始される場合は大当りとなる割合が最も低くなっている。S728では、乱数値を抽出し、抽出したデータに応じて図16(a)のテーブルを用いて楽曲を選択決定する。
S720で先読み予告実行フラグがONの場合(S720のY)には、演出制御用CPU101は、1回の変動が終了しているか否かを判定する(S729a)。1回の変動が終了していない場合(S729aのN)には、処理を終了する。
1回の変動が終了している場合(S729aのY)には、先読み予告を実行するまでに消化する保留記憶数nをn−1に更新する(S729b)。ここで、1回の変動が終了するとは、S727で特定される現在の保留記憶数に基づいて、先読み予告を実行する変動までに消化する保留記憶数nの変動が1回行なわれることである。つまり、新たな始動入賞が発生した時点が変動中であれ、変動中以外であれ、その後に開始される変動が1回消化されたか否かがS729aにて判定される。S726で先読み予告実行フラグがONとなっている場合には、S727で設定される保留記憶数はn=0,1の場合は含まれていない(S724で先読み予告無しに決定される)のでS729aで行なわれる処理にこれらの場合(S724の先読み予告決定時点で保留記憶数が1以下の場合)は含まれない。
そして、更新後のnがn=1となっているか否かを判定する(S730)。n=1となっていない場合(S730のN)には、処理を終了する。n=1となっている場合(S730のY)には、先読み予告実行フラグをOFFに設定する(S731)。n=1となっている場合とは、後述するように本実施の形態の場合、先読み予告のターゲットの直前の変動であることを示す。
そして、ターゲットの直前の変動で行なう先読み予告の演出態様として、先読み予告カットイン予告有に決定する(S732)。ここで、先読みカットイン予告とは、楽曲の特定部分であるサビ部分が演奏されるタイミングにおいて、そのサビ部分に関連する態様で歌詞をカットインする表示を行なう予告のことである。歌詞をカットインする表示が演出表示装置9で行なわれることで、遊技者は、特別な予告が行なわれたことを確認でき、その後の遊技に期待を持つことができる。なお、楽曲におけるサビ部分とは、その楽曲の中でメインとなる部分(一番盛り上がる部分)を指す。
さらに、演出制御用CPU101は、乱数抽選にて先読み特定演出の実行の有無を決定する(S733)。S733の処理では、乱数値を抽出し、抽出したデータに応じて予め定められた先読み特定演出の有無の割合が設定されたテーブルを用いて先読み特定演出の有無を決定する。次いで、S733での決定結果に基づいて先読み特定演出の実行の有無を判定する(S734)。先読み特定演出が実行されない場合(S734のN)には、先読みカットイン予告演出のみが行なわれると決定された状態で、処理を終了する。
先読みカットイン予告演出が実行される場合(S734のY)には、演出制御用CPU101は、図16(b)に示す先読み特定演出決定テーブルを用いて先読み特定演出の種類を決定する(S735)。S735では、乱数値を抽出し、抽出したデータに応じて図16(b)のテーブルを用いて楽曲を選択決定する。ここで、図16(b)に示す先読み特定演出決定テーブルでは、先読み特定演出の種類として、桜柄予告、ステップアップ予告、背景予告がある。「桜柄予告」とは、桜柄の画像が演出表示装置9に表示されるような演出表示を行なう予告であり、桜柄の画像は、変動中に登場するキャラクタの服を桜柄に変更するもの、演出図柄を桜柄にするものなど、表示画像の一部もしくは全体を桜柄に変更するような演出である。
また、「ステップアップ予告」とは、演出図柄の変動表示中に、例えば演出表示装置9の表示画面にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作を行なう予告である。なお、「ステップアップ予告」の演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り換えられることなく、特別演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、「ステップアップ予告」の演出では、演出図柄の変動表示中に、例えば可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われてもよい。なお、「ステップアップ予告」の変動中予告演出では、可動部材が1種類の動作態様で演出動作を行った後、2段階目の演出動作に切り換えられることなく、予告演出における演出動作を終了させることがあるようにしてもよい。
また、「背景予告」とは、演出表示装置9の表示画面に表示される背景が、たとえば通常は昼の背景としていたものを夜の背景とし、表示画面を暗くするような演出表示を行なう予告のことである。なお、各々の先読み特定演出は、予め割振られた乱数値の個数により、決定割合が異なっている。この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドのデータが大当りとなるものであった場合は、桜柄予告の割振数が50、ステップアップ予告の割振数が30、楽背景予告の割振数が20となっており、入賞時判定結果指定コマンドのデータが大当りとなるものでなかった場合は、桜柄予告の割振数が20、ステップアップ予告の割振数が30、背景予告の割振数が50となっている。すなわち、桜柄予告が実行される場合は大当りとなる割合が最も高く、背景予告が実行される場合は大当りとなる割合が最も低くなっている。
なお、特定演出は先読みの変動だけではなく先読みを行なわない通常の変動(当該変動)においても行なわる。この場合には、先読みではなく特定演出が行なわれる変動自体を予告している。具体的には、図16(e)に示すように通常時の変動において大当り時には、先読み用に行なわる演出と同様、桜柄予告の割振数が50、ステップアップ予告の割振数が30、楽背景予告の割振数が20となっている。また、通常時の変動においてはずれ時には、桜柄予告の割振数が20、ステップアップ予告の割振数が30、楽背景予告の割振数が50となっている。このように、通常時にも先読み時と同様に楽曲特定演出が実行され、さらに、特定演出は大当り時には背景予告、ステップアップ予告、桜柄予告の順に高い割合で選択され、はずれ時はその逆となっているので、桜柄予告の大当り期待度が最も高いと言える。つまり、遊技者は桜柄予告が実行されることで、先読み時にも大当り期待度の高い予告演出であることが認識可能となる。
次に、S736では、演出制御用CPU101は、今回の変動(先読み予告をする変動)において、楽曲のサビ部分(先読みカットイン予告に対応する部分)が到来するタイミングを特定する処理を行なう。タイミングの特定は、パチンコ遊技機1に備えられた楽曲の変動の開始から曲の進行に合わせて時間を計測するカウンタ(図示せず)を使用することで行なう。具体的には、楽曲によってサビ部分の位置は予め決まっているので、変動を開始した時点で先読みカットイン予告が発生するまでの残り時間を計算し、その時間を元に今回の変動中のどの時点でカットイン予告が行なわれるかをこのようなカウンタの計測値に基づいて特定する。
そして、演出制御用CPU101は、特定したサビ部分のタイミングが先読み特定演出のタイミングと重複するか否かを判定する(S737)。ここで、先読み特定演出の実行タイミングについては、予め定められた変動パターンにより、変動開始から所定の期間で実行されることが決まっている。よって、変動開始から先読み特定演出までの期間と上述した先読みカットイン予告までの期間とが重複するかを判定することができる。特定したサビ部分のタイミングが先読み特定演出のタイミングと重複しない場合(S737のN)には、先読みカットイン予告および先読み特定特定演出の双方を行なうように決定し、処理を終了する。
特定したサビ部分のタイミングが先読み特定演出のタイミングと重複する場合(S737のY)には、演出制御用CPU101は、乱数抽選にて楽曲を変更するか否かを決定する(S738)。S738の処理では、乱数値を抽出し、抽出したデータに応じて予め定められた楽曲変更をするか否かの割合が設定されたテーブルを用いて楽曲変更をするか否かを決定する。
そして、S739の処理では、楽曲の変更有りか否かが判定される。S739の処理で楽曲の変更が有りの場合(S739のY)には、図16(c)に示す曲変更決定テーブルに基づいて変動後の楽曲を決定し、現在演奏されている楽曲から決定した楽曲へと楽曲を変更する(S741)。そして、先読み予告決定処理を終了する。図16(c)の曲変更決定テーブルでは、変更前の曲として歌詞Aが流れる楽曲A、歌詞Bが流れる楽曲B、歌詞Cが流れる楽曲Cがある。また、各々に対して変更後の楽曲として、歌詞A’が流れる楽曲A’、歌詞B’が流れる楽曲B’、歌詞C’が流れる楽曲C’がある。たとえば、変更前に楽曲Aであれば、変更後は楽曲A’となる。このように、現在演奏されている楽曲を別の楽曲へと変更することで、先読みカットイン予告が行なわれる位置をずらすことが可能となる。詳細については後述する。
S739の処理で楽曲の変更が無しの場合(S739のN)には、図16(d)に示す優先度判定テーブルに基づいて、先読み特定演出と先読みカットイン予告とのうち、優先度の高い演出を行なうことに決定する(S740)。これにより、先読み特定演出の実行タイミングと先読みカットイン予告の実行タイミングとが重複するときには、図16(d)に示す優先度の高い方が実行され、優先度の低い方が実行されない。そして、処理を終了する。
図16(d)の優先度判定テーブルでは、演出の種類によって1〜6の優先度が予め設定されている。ここで、優先度とは、数字が小さくなるほど高い優先度を示しており、優先度が最も高い順から桜柄予告、楽曲A(歌詞A)による先読みカットイン予告、ステップアップ予告、楽曲B(歌詞B)による先読みカットイン予告、背景予告、楽曲C(歌詞C)による先読みカットイン予告となっている。たとえば、優先度3のステップアップ予告と優先度4の楽曲Bによる先読みカットイン予告とでは、優先度の高いステップアップ予告の方が優先度の低い先読みカットイン予告よりも優先して実行される。また、このような優先度の決定の仕方として、大当り期待度の高い順に優先度が高くなるように設定されている。たとえば、桜柄予告は大当り期待度の高い演出であるので、遊技者は桜柄予告が発生するとその後の変動が大当りになることに期待を持つことができる。
図17は、図14に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する(S603)。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、S161により決定された先読み予告に関する演出および先読みカットイン予告の演出を行なうための楽曲に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに設けられた(記憶された)変動表示演出制御パターンテーブルに格納されている複数種類の変動表示演出制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの変動表示演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
具体的に、変動表示演出制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから変動表示結果としての最終停止図柄が停止表示されるまでの制御期間における、演出図柄の変動演出、リーチ演出、および、予告演出等の変動表示の演出に関する演出表示装置等の各演出装置での制御動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、変動表示演出制御パターンとして複数種類格納されている。
また、図柄変動の開始とともに通常の楽曲から、先読みカットイン予告を行なうための楽曲へと変更するための楽曲制御データ、楽曲とは異なる効果音を出力するための効果音制御データも変動表示演出制御パターンに含まれる。ここで、楽曲は複数の変動に亘って演奏され、楽曲が変更される場合もあるので、切替タイミングや開始、終了といったデータも含まれる。
また、各変動表示演出制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、演出制御用CPU101は、S604で決定した変動演出制御パターンの演出制御内容に応じたプロセステーブルを選択し(S604)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出制御プロセスタイマ)をスタートさせる(S605)。
演出制御用CPU101は、S605の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27L、27R)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27L、27Rからの音声出力(楽曲の出力、効果音の出力を含む)を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S607)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S608)。
図18は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動表示時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
次に、演出制御用CPU101は、変動表示時間タイマの値に基づいて、変動表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S846)。変動表示時間タイマがタイムアウトしていれば(S846でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S848)。一方、変動表示時間タイマがタイムアウトしていないときは(S846でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S847)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S847でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S847でY)、S848に移行する。このように、変動表示時間タイマがタイムアウトしていなくても(S846でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図19は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。前述したように、演出図柄変動中処理において、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件、または、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに、この演出図柄変動停止処理が実行される。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。
演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S881)。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときに演出制御プロセス処理に進んだ場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間で変動表示の終了タイミングについての認識がずれないようにするために、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにS881の処理を実行するのが望ましい。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S886に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せを表示した場合には、S884で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S886に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、通常大当り図柄、または、確変大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S882)。
S883では、停止図柄として、通常大当り図柄の組合せ、または、確変大当り図柄の組合せを表示したか否か(すなわち、大当りとなるか否か)を確認する(S883)。大当りとならないときには、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S885)、処理を終了する。
一方、大当りとなるときには、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S884)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(S886)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(S887)。
そして、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S888)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをリセットする。また、S888の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S889)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27L,27R等)の制御を実行する(S890)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S891)。
図20は、先読み特定演出と先読みカットイン予告の実行パターンを示す説明図である。図20に示すようにこの実施の形態では、(a)に示すような「先読み特定演出」を実行し、「先読みカットイン予告」を制限するパターン、(b)に示すうような「先読みカットイン予告」を実行し、「先読み特定演出」を制限するパターン、および(c)に示すような曲変更をして、「先読みカットイン予告」と「先読み特定演出」との双方を実行するパターンがある。
(a)に示すような「先読み特定演出」を実行し、「先読みカットイン予告」を制限するパターンでは、楽曲Aが演奏されている場合に、楽曲Aの歌詞Aのサビ部分の表示のカットインが行なわれる先読みカットイン予告の実行タイミングと、変動中に行なわれる先読み特定演出の実行タイミングとが重複するおそれがある。この場合、変動の開始から先読み特定演出が行なわれるまでの時間T0は予め演出の種類により決まっている。そして、演出制御用CPU101は、楽曲Aについて、変動開始から歌詞Aの特定部分であるサビ部分までの時間を計測し、その計測した時間が時間T0と重複すると判定すると、先読みカットイン予告を実行しないように制御する。つまり、先読み特定演出のみが行なわれる。その後ターゲットの変動では、キャラクタが登場し、「大当りかも」という表示を行なうリーチ演出などの変動中の演出が実行される。
(b)に示すような「先読みカットイン予告」を実行し、「先読み特定演出」を制限するパターンでは、楽曲Aが演奏されている場合に、楽曲Aの歌詞Aのサビ部分の表示のカットインが行なわれる先読みカットイン予告の実行タイミングと、変動中に行なわれる先読み特定演出の実行タイミングとが重複するおそれがある。この場合、変動の開始から先読み特定演出が行なわれるまでの時間T0は予め計測することが可能である。そして、演出制御用CPU101は、楽曲Aについて、変動開始から歌詞Aの特定部分であるサビ部分までの時間を計測し、その時間がT0と重複すると判定すると、先読み特定演出を実行しないように制御する。つまり、先読みカットイン予告のみが行なわれる。その後ターゲットの変動では、キャラクタが登場し、「大当りかも」という表示を行なうリーチ演出などの変動中の演出が実行される。
(c)に示すような曲変更をして、「先読みカットイン予告」と「先読み特定演出」との双方を実行するパターンでは、出制御用CPU101は、楽曲Aを楽曲A’に変更する制御を実行する。まず、変動の開始から先読み特定演出が行なわれるまでの時間T0は予め計測することが可能である。そして、演出制御用CPU101は、楽曲Aについて、変動開始から歌詞Aの特定部分であるサビ部分までの時間を計測し、その時間がT0と重複すると判定すると、楽曲Aを楽曲A’に変更する変更演出を実行し、先読みカットイン予告が行なわれるタイミングをずらす演出が実行される。
このように、楽曲Aから楽曲A’に変更することで、サビ部分の到来するタイミングが変更されるのは、楽曲Aと楽曲A’とで歌詞Aと歌詞A’とが異なることにより、サビ部分の到来する位置が異なるからである。なお、楽曲Aから楽曲A’への変更は、楽曲Aを早送りする、巻き戻しする、スロー再生するなどの演出などを行ない、サビ部分演奏タイミングが先読み特定演出のタイミングと異なるようにしてもよい。また、楽曲Aの変更は、変動の開始から先読み特定演出が実行されるまでの期間T0について行なわれているが、変動の開始からすぐに曲の変更を行なってもよい。また、楽曲の変更は楽曲Aから楽曲A’へと1対1対応ではなく、乱数抽選により複数の楽曲から選択されるようにしてもよい。
図21は、通常の楽曲から特定の楽曲への変更の仕方を示す説明図である。図21に示すように、この実施の形態では、(a)通常の楽曲から特定の楽曲への変更1と(b)通常の楽曲から特定の楽曲への変更2のパターンとがある。
(a)通常の楽曲から特定の楽曲への変更1のパターンでは、通常は図21(a)に示すように変動毎に楽曲aが演奏されている。その後、変動結果が大当りとなる始動入賞が発生することにより、変動毎に演奏される通常の楽曲aから複数回の変動に亘って演奏され、サビの部分でカットイン予告が行なわれる楽曲Aへと楽曲が変更される。この実施の形態では、大当りとなる変動であるターゲットの変動の直前の変動において先読み予告が実行される。先読み予告には、先読み特定演出と先読みカットイン予告とが含まれ、どちらか一方が実行される場合および双方が実行される場合がある。
(b)通常の楽曲から特定の楽曲への変更2のパターンでは、通常は図21(b)に示すように、複数変動に亘って通常の楽曲bが演奏されている。その後、変動結果が大当りとなる始動入賞が発生しすることにより変動毎に演奏される通常の楽曲bから複数回の変動に亘って演奏され、サビの部分でカットイン予告が行なわれる楽曲Aへと楽曲が変更される。この実施の形態では、大当りの変動であるターゲットの変動の直前の変動において先読み予告が実行される。先読み予告には、先読み特定演出と先読みカットイン予告とが含まれており、どちらか一方が実行される場合および双方が実行される場合がある。
このように、特定表示結果である大当り表示結果を導出する始動入賞が発生して、記憶領域内に大当りとなる保留記憶データとして含まれていることを条件に、特定の楽曲Aの再生が開始されるので、遊技者は、特定の楽曲Aの再生に対し期待感を持つことが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、特定の楽曲Aへの変更は、始動入賞が発生した直後に開始される変動で実行してもよいし、始動入賞が発生した後にいくつかの変動が行なわれた後に開始される変動で実行されてもよい。
図22は、楽曲の違いを示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では楽曲の特定部分であるサビ部分の音が出力されることによってサビ部分の位置や長さが異なる楽曲が複数ある。たとえば、曲の始まりから曲の終りまでの1曲の時間の長さがPである楽曲A、楽曲B、楽曲Cでは、曲の始まりから最初のサビ部分までの時間T1、T2、T3がT1>T2>T3となる関係がある。また、楽曲A、楽曲B、楽曲Cでは、サビの時間の長さ(曲における特定の歌詞の表示時間)L1、L2、L3について、L1>L2>L3の関係がある。また、楽曲A、楽曲B、楽曲Cでは、サビの始まりから次のサビの始まりまでの時間D1、D2、D3について、D1>D2>D3の関係がある。
このように、楽曲音は複数種類あり、楽曲毎に特定部分であるサビ部分の位置またはサビ部分の長さが異なるので、楽曲を用いた演出の実行タイミングが多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、1曲の時間の長さを同じPとしたが、1曲の時間の長さは異なっていてもよく、サビの始まりから次のサビの始まりまでの時間が曲中において異なるような楽曲としてもよい。ここで、楽曲Cのようにサビの始まりから次のサビの始まりまでの時間がかなり短くなっており、時間D3が1回の変動時間の長さより短くなっている場合には、1変動中に必ずサビ部分が到来するような楽曲となる。このように、サビ部分からサビ部分までの時間が短い楽曲に変更することで、楽曲音を用いた先読みカットイン予告を期待通りの出現頻度で実行することが可能となる。
図23は、効果音を示す説明図である。この実施の形態の場合、効果音は2種類ある。ここで、効果音とは、前述した楽曲とは異なる音であり、たとえば演出中にステップアップ毎に音が変更する演出を行なう場合や、爆弾が爆発するような演出を行なう場合に使用される音のことである。効果音があることで、遊技に関する演出の興趣が高まる。(a)効果音1の場合には、1つの音データS1が、有音1部分、無音1部分、有音2部分、無音2部分、有音3部分、無音3部分、有音4部分、無音4部分、有音5部分、無音5部分とから構成されている。また、効果音2の場合には、1つの音データS2が有音部分と無音部分とから構成されている。これら効果音に関するデータは、効果音データ記憶手段として用いられる音声データROM704に格納されている。
効果音1のように、1つの音データS1が有音部分と無音部分とから構成されている場合には、これら有音部分と無音部分とを含むデータを1単位として音データの調整が可能となり、音データを1つずつ登録する場合に比べ、登録するデータの数を減少させることが可能となる。そして、効果音1のような音データS1は、たとえばステップアップ毎に音が変更するような演出に使用することができる。ステップアップが3段階であるようなときには、有音1、無音1、有音2、無音2、有音3までデータを再生し、その後の無音3の部分で音データの再生を停止するように制御すればよい。
また、効果音2のように有音部分の冒頭に無音部分が設定された1つの音データとして効果音のデータが記憶されている場合には、プログラムの開発段階において、効果音の発生タイミングを調整する際に、無音部分のデータの位置を調整することで効果音の発生タイミングを調整できるので、音制御用のプログラム自体を調整(変更)することで効果音の発生タイミングを調整する場合と比べて、調整作業が煩雑とならず、効果音の発生タイミングを調整しやすい。具体的には、爆弾が爆発するような演出を行なう場合には、爆弾が爆発する映像と爆弾が爆発する効果音とを別々に作成し、それらを合わせ違和感がないようにタイミングを調整する。プログラムにより効果音を流す時間を細かく調整するのは手間がかかるが、無音部分を冒頭に用いた音データがあると無音部分の位置をずらすことでタイミングを合わせることができ、タイミング調整が容易となる。
[第2実施形態]
図24は、1回の変動中に実行されるリーチ演出とカットイン予告との関係を示す説明図である。前述した実施の形態では、楽曲のサビ部分が出力されるタイミングで実行されるカットイン予告は、先読みカットイン予告として、ターゲットの直前の変動で行なわれる場合を説明した。しかし、カットイン予告をターゲットの変動中に行なうようにしてもよい。このような場合、図24に示すように変動中にはリーチ演出が行なわれる。リーチ演出は、特定演出と区別して、特定可変表示演出と称することもできる。
図24では、変動の開始から停止までの時間(1変動)をX、変動の始まりからリーチ演出までの時間をT4、サビの始まりから次のサビの始まりまでの時間をD3としている。このような場合、X>D3という関係になっていれば1変動中に必ずサビ部分が到来することとなる。また、変動の始まりからリーチ演出までの時間T4までにカットイン予告が実行されるよう制御する場合には、T4<D3という関係になっていればよい。このように、カットイン予告をリーチ演出の前に実行することで、カットイン予告が生じた時のリーチ演出に期待を抱くことが可能となる。なお、カットイン予告のための特定の楽曲としては、サビ部分からサビ部分までの時間が短く、単位時間あたりにサビの到来する回数の多い楽曲Cなどを使用するとよい。
なお、この実施の形態においても前述した第1実施形態のように、カットイン予告(先読みカットイン予告に相当)と、特定可変表示演出(特定演出に相当)とが、同時に発生した場合には、どちらか一方を実行しないようにするか双方を実行するように楽曲を変更するようにしてもよい。また、リーチ演出が実行される前にカットイン予告が発生する場合には、リーチ演出中はカットイン予告演出を実行しないようにすることで演出が煩雑になることがない。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図20(b)に示すように、変動表示(可変表示)が開始される前から演奏されている楽曲で変動表示の実行中に楽曲のサビ部分(特定部分)が演奏されるタイミングにおいてサビ部分(特定部分)に関連する態様で先読みカットイン予告(所定の予告演出)が実行される。そして、楽曲のサビ部分(特定部分)が到来するタイミングが、変動表示(可変表示)中に実行される先読み特定演出(特定演出)の実行タイミングと重複することになる場合に、先読み特定演出(特定演出)の実行が制限される。これにより、変動表示(可変表示)に関連せずに楽曲音を用いて行なう先読みカットイン予告(予告演出)の実行タイミングと、変動表示に関連して行なう先読み特定演出(特定演出)の実行タイミングとが重複することによる不具合を抑止することができる。
(2) 図20(a)に示すように、変動表示(可変表示)が開始される前から演奏されている楽曲で変動表示の実行中に楽曲のサビ部分(特定部分)が演奏されるタイミングにおいてサビ部分(特定部分)に関連する態様で先読みカットイン予告(所定の予告演出)が実行される。そして、楽曲のサビ部分(特定部分)が到来するタイミングが、変動表示(可変表示)中に実行される先読み特定演出(特定演出)の実行タイミングと重複することになる場合に、先読みカットイン予告(予告演出)の実行が制限される。これにより、変動表示(可変表示)に関連せずに楽曲音を用いて行なう先読みカットイン予告(予告演出)の実行タイミングと、変動表示に関連して行なう先読み特定演出(特定演出)の実行タイミングとが重複することによる不具合を抑止することができる。
(3) 図20(c)に示すように、変動表示(可変表示)が開始される前から演奏されている楽曲で変動表示の実行中に楽曲のサビ部分(特定部分)が演奏されるタイミングにおいてサビ部分(特定部分)に関連する態様で先読みカットイン予告(所定の予告演出)が実行される。そして、楽曲のサビ部分(特定部分)が到来するタイミングが、変動表示(可変表示)中に実行される先読み特定演出(特定演出)の実行タイミングと重複することになる場合に、サビ部分(特定部分)が到来するタイミングが変更される。これにより、変動表示(可変表示)に関連せずに楽曲音を用いて行なう先読みカットイン予告(予告演出)の実行タイミングと、変動表示に関連して行なう先読み特定演出(特定演出)の実行タイミングとが重複することによる不具合を抑止することができる。
(4) 図15のS740、図16(d)に示すように、先読み特定演出(特定演出)と先読みカットイン予告(予告演出)とのうちいずれの実行を制限するかが、予め定められた優先度に基づいて決定されるので、優先度の関係によりどちらの演出が制限されるかが変化するから、様々な演出を実行することができる。
(5) 図15の先読み予告決定処理に示すように、保留記憶バッファ(保留記憶手段)に記憶されている保留データ(保留情報)に基づく変動表示(可変表示)が実行されるより前の変動表示(可変表示)において当該保留データ(保留情報)に関する先読みカットイン予告(予告演出)が実行されるので、先読みカットイン予告(予告演出)が実行されるための予告条件の成立期間を長くすることができ、先読みカットイン予告(予告演出)の実行頻度を高めることができる。
(6) 図21に示すように、大当り表示結果(特定表示結果)を導出する保留データ(保留情報)が含まれていることを条件として特定の楽曲の再生が開始されるので、遊技者は、特定の楽曲の再生に対し期待感を持つことが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 図22に示すよに、楽曲音は複数種類あり、楽曲毎にサビ部分(特定部分)の位置またはサビ部分(特定部分)の長さが異なるので、演出の実行タイミングが多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図23に示すように、少なくとも第1の有音部分と無音部分と第2の有音部分とを順番に含む一の音データとして効果音のデータが記憶されているので、それらのデータを1単位として音データの調整が可能となり、登録する音データの数を減少させることができる。
(9) 図23に示すように、有音部分の冒頭に無音部分が設定された一の音データとして効果音のデータが記憶されているので、開発段階において効果音の発生タイミングを調整する際に、データの位置を調整することで効果音の発生タイミングを調整できるので、音制御用のプログラム自体を調整(変更)することで効果音の発生タイミングを調整する場合と比べて、調整作業が煩雑とならず、効果音の発生タイミングを調整しやすい。
(10) 図22に示すように、先読み特定演出(特定可変表示演出)が実行される変動表示(可変表示)において、少なくとも変動表示(可変表示)の開始から先読み特定演出(特定可変表示演出)が実行されるまでの期間に、楽曲音のサビ部分(特定部分)が到来するように楽曲を演奏することにより、先読み特定演出(特定可変表示演出)が実行される変動表示(可変表示)において楽曲のサビ部分(特定部分)が到来するように楽曲音を制御可能であるので、期待通りの出現頻度で楽曲音を用いた先読みカットイン予告(予告演出)を実行することができる。
(11) 図22に示すように、第1のサビ部分(特定部分)から次に到来する第2のサビ部分(特定部分)までの期間が変動表示期間(可変表示期間)より短い楽曲の音を音出力部より出力させることにより、先読み特定演出(特定可変表示演出)が実行される変動表示(可変表示)において楽曲のサビ部分(特定部分)が到来するように制御するので、期待通りの出現頻度で先読みカットイン予告(予告演出)を実行することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(6) 前述の実施の形態では、再生される楽曲は、3曲のみとなっていたが、4曲以上に楽曲を増加させてもよいし、特定の1曲または2曲だけ演奏されるようにしてもよい。また、楽曲が決定される決定割合を適宜変更してもよい。
(7) 前述の実施の形態では、先読み予告決定処理において、先読みカットイン予告を実行することが先読み特定演出を実行する場合より先に決定されていたが、先読み特定演出を実行することが、先読みカットイン予告を実行するより先に決定されてもよい。なお、先読みカットイン予告と先読み特定演出とのどちらか一方しか行なわれない、あるいは重複しないタイミングで行なわれる場合には、どちらか一方のみを行なってもよいし、双方行なわないように決定してもよい。
(8) 前述の実施の形態では、先読み予告決定処理として、S724の処理でn=0、n=1の場合には、先読み予告を実行しないように設定していた。しかし、n=1となる場合にも先読み予告演出を行なうようにしてもよい。n=1となる場合には、ターゲットの変動までに保留が1つあることを示しており、その変動において先読みカットイン予告を実行するための楽曲へ変更し、先読み予告を行なうようにしてもよい。また、n=0の場合には、ターゲットの変動の回なので、先読み予告行は行なわれない。しかし、ターゲットの変動において、楽曲のサビ部分に関する所定の予告演出と、変動中に行なわれる特定演出とを行なうようにしてもよい。
(9) 前述の実施の形態では、変動表示が行なわれる場合に、ランプや音によって演出を行なっていたが、それとは別に変動表示に伴って可動する可動部材をパチンコ遊技機1に設け、可動部材を使用した演出を行なってもよい。また、可動部材は、楽曲の変更に合わせて通常の楽曲から先読みカットイン予告を行なう楽曲へ変更することに合わせて可動させるようにしてもよいし、楽曲の変更に合わせ通常とは異なる動きを行なうようにしてもよい。
(10) 前述の実施の形態では、先読みカットイン予告を行なうのは、ターゲットの直前の変動のみであったが、複数変動に亘って先読みカットイン予告が行なわれるようにしてもよい。この場合、先読み特定演出としては、連続した演出を行なうことで遊技者の期待感を高めることができる。また、変動毎に異なる楽曲を演奏するようにし、重複するタイミングで先読みカットイン予告の演出と先読み特定演出とが実行されないようにしてもよいし、いずれか一方が実行されるようにしてもよい。
(11) 前述の実施の形態では、1回の変動中において先読みカットイン予告の演出と先読み特定演出とが1回ずつ重複するような例を示したが、1回の変動の時間を長くし、両演出が複数回行なわれるようにしてもよい。このような場合、先読み特定演出としては擬似連演出を行なうようにし、擬似連の変動毎に先読みカットイン予告が行なわれるようにしてもよい。そして、変動毎に楽曲を変更し、重複するタイミングで両演出が実行されないようにしてもよいし、いずれか一方が実行されるようにしてもよい。
(12) 前述の実施の形態では、先読みカットイン予告が実行される場合に演奏される楽曲の開始時点は、変動表示結果が大当りとなる始動入賞が発生したときに次回に開始される変動からであったが、次回に開始される変動ではなく、その次の変動(次回の次に開始される変動)から変更するようにしてもよい。また、その始動入賞が発生した瞬間に変更するようにしてもよく、適宜開始タイミングを変更可能である。また、楽曲の終了タイミングについては、ターゲットの変動が終了する時点で終了するようにしてもよいが、その後の大当り遊技状態が終了した後に終了するようにしてもよく、適宜終了タイミングを変更可能である。
(13) 前述の実施の形態では、サビ部分が1変動中に1回は必ず発生するようにサビ部分を多くした楽曲を使用するようにしていたが、楽曲を早送りして再生することでサビ部分の再生位置をずらすように制御することも可能である。また、楽曲を変更することで必ず再生されるようにしてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、優先度は大当り期待度の高い順に並んでいたが、大当り期待度が高い桜柄予告と大当り期待度が低い背景予告との優先度が反対になるようにしてもよい。このように、大当りの期待度に対応して、優先度の設定を行なうようにしてもよく、大当り期待度とは全く関係なく優先度を設定してもよい。
(15) 前述の実施の形態では、楽曲に関連する予告演出としてサビ部分の歌詞のカットインが行なわれる場合を示したが、予告演出はこのような歌詞カットイン予告に限らず、サビ部分に合わせて特定のキャラクタが出現するような演出としてもよく、楽曲のサビ部分に通常の演出とは異なる何らかの演出が実行されるようにしてもよい。また、歌詞カットインと合わせて、キャラクタ予告などを行なってもよい。
(16) 前述の実施の形態では、楽曲に関連する予告演出としてサビ部分において歌詞のカットインが行なわれる場合を示したが、サビ部分以外で歌詞のカットインなどの予告演出が行なわれるようにしてもよい。たとえば、楽曲がイントロ、Aメロ、Bメロ、サビからなる場合に、Bメロ部分でカットイン予告を行ない、サビ部分でカットイン予告またはカットイン予告とは別のキャラクタ予告などを行なってもよい。なお、イントロとは前奏、Aメロとは通常のメロディー部分、BメロとはAメロと雰囲気の異なるメロディー部分を指すものである。
(17) 前述した実施の形態では、先読み特定演出は、ターゲットの変動を予告するための演出であったが、先読み特定演出が行なわれる変動自体(ターゲットの直前の変動)を予告するようにしてもよい。そして、ターゲット変動の複数前の変動から楽曲が流れる場合において、各変動毎にその変動自体を予告する演出として特定演出が設けられるようにしてもよい。
(18) 前述の実施の形態では、変動結果が大当りとなる始動入賞が発生することを契機に楽曲が変更される場合を示したが、楽曲変更の契機となるのは、大当りとなる始動入賞が発生したことに限られない。たとえば、遊技者に有利な遊技状態となる場合に楽曲を変更してもよい。具体的には、リーチとなること、確変状態となること、時短状態となること、突然確変大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行なう大当り)となること、小当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、大入賞口が短時間だけ開放する特別な演出を行なう当り)となることなどを示す変動が発生していることを契機として楽曲が変更されてもよい。また、リーチが複数種類ある場合にスーパーリーチAでは楽曲の変更割合を高くし、スーパーリーチBでは楽曲の変更割合を低くするなど、リーチの種類によって楽曲の変更割合を変えてもよい。
(19) 前述の実施の形態では、楽曲には歌詞がある場合を示したが、楽曲に歌詞がないような曲を演奏するようにしてもよい。そのような楽曲を演奏する場合は、サビの部分の音量を大きくする、サビ部分に合わせてキャラクタを登場させる、サビ部分に何らかのマークを出すようにしてもよい。
(20) 前述の実施の形態では、先読みカットイン予告と先読み特定演出とが重複する場合に一方を制限することで、楽曲の再生タイミングをずらすことで重複を避けるような場合を示したが、ここでいう重複とは、一方が他方に完全に重なる場合を含む場合だけでなく、演出の一部分のみが重なる場合も含む。なお、そのように一部分のみが重複するような場合には、その一部分のみ演出を行なわないようにし、双方の演出を実行できるよにしてもよい。
(21) 前述の実施の形態では、サビ部分でカットイン予告が行なわれる場合を示したが、サビ部分において操作ボタンなどの操作手段を用いた演出を行なってもよい。具体的には、サビの部分に合わせて(サビ部分のカットインの前や瞬間に)操作ボタンを押圧操作することを促す演出を演出表示装置9の表示画面上に表示するようにし、操作ボタンを押圧することでサビ部分のカットインが行なわれるようにしてもよい。また、操作ボタンの代わりに操作レバーを引く、ジョグダイヤルを回す、赤外線センサなどにより画面に触れるなどの演出に基づいてサビ部分のカットインが行なわれるようにしてもよい。
(22) 前述の実施の形態では、演奏される楽曲は演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定されていたが、遊技者が複数の楽曲から演奏する楽曲を選択できるようにしてもよい。このような場合には、ターゲットの変動の複数変動前に楽曲を選択できる画面を表示して楽曲の選択ができるようにすればよい。
(23) 前述の実施の形態では、楽曲の種類により大当り期待度が変化するような場合を示したが、同じ楽曲であっても、サビ部分のカットイン時の態様を変化させることで期待度を示すようにしてもよい。具体的には、カットインされたサビ部分の文字が「レインボー」のときは大当りが確定する、サビ部分の色が「赤」の場合は大当り期待度が高い、サビ部分の色が「青」の場合は大当り期待度が低いというようにすればよい。また、サビ部分の音量の大きさで期待度が異なるようにしてもよい。
(24) 前述の実施の形態では、変動中に楽曲のサビ部分が到来するようにサビの多い楽曲を選択するように制御されていたが、サビ部分を到来させるために演出の実行中に演出制御用マイクロコンピュータ100において、楽曲のデータをサビ部分から始まるように編集してもよい。具体的には、楽曲の演奏中にサビ部分が到来しない位置にある場合に、楽曲を編集しサビ部分までの曲をカットすることで、サビ部分が直ぐに到来するようにすればよい。
(25) 前述の実施の形態では、サビ部分のカットイン予告がリーチ演出の前に行なわれるように制御される場合を示したが、カットイン予告をリーチ演出の前だけでなく、リーチ演出の後で行なってもよい。また、リーチ演出の後のみでカットイン予告を行なってもよい。
(26) 前述の実施の形態では、楽曲を変更することでサビ部分の位置をずらすように制御を行なっていたが、楽曲ではなく、特定演出の実行タイミングをずらすことで双方の演出が重ならないようにしてもよい。
(27) 前述の実施の形態では、演奏される楽曲は演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定されていたが、遊技を開始する前に、遊技者の音楽に関する嗜好(たとえば、音楽好きかどうか)を特定する情報を、スティックコントローラ等の操作手段(遊技者所有の携帯端末装置(携帯電話)の操作に応じて送信されるデータを入力可能な構成として、外部に存在する携帯端末装置を操作手段として用いてもよい。)により、演出制御用マイクロコンピュータ100に入力可能としてもよい。そして、入力された情報に基づいて、遊技者が音楽好きである等、楽曲を用いた演出を好むことが確認された場合に、カットイン予告と特定演出とが重複するときに、カットイン予告を優先し、それ以外の場合は、特定演出を優先するようにしてもよい。
(28) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。