JP2014047191A - 抗神経変性疾患剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリグルタミン病などの神経変性疾患に対する治療戦略の確立を目指し、新たな作用機序に基づく薬剤や治療法などを提供することを目的とする。
【解決手段】
サイクリン依存性キナーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗神経変性疾患剤が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、神経変性疾患に対する薬剤(抗神経変性疾患剤)及びその利用に関する。
ポリグルタミン病はCAG繰り返し塩基配列の異常延長を原因とする遺伝性の神経変性疾患であり、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、ハンチントン病および脊髄小脳変性症などを含む。いずれの疾患も成人で発症し、進行性の神経障害を呈し死に至るが、病態を抑制する有効な治療薬はない。これら一群の疾患では、原因遺伝子の産物である、異常延長したポリグルタミン鎖を含有する変異蛋白が主として神経細胞の核内に蓄積して細胞死を誘導すると考えられているが、そのメカニズムは解明されていない。
本発明者らは既に、SBMAのモデル動物であるトランスジェニックマウスを用い、病因蛋白である変異アンドロゲン受容体(AR)のテストステロン依存性核内集積がその病態の根幹をなしていることを見いだし(非特許文献1)、黄体形成ホルモン刺激ホルモン(LHRH)アナログによるテストステロン分泌の抑制が劇的な治療効果につながることを発表してきた(非特許文献2、特許文献1)。同治療薬については現在臨床試験を実施中である。
国際公開第2004/016083号パンフレット
Katsuno M, Adachi H, Kume A, Li M, Nakagomi Y, Niwa H, Sang C, Kobayashi Y, Doyu M, Sobue G. Testosterone reduction prevents phenotypic expression in a transgenic mouse model of spinal and bulbar muscular atrophy. Neuron.35, 843-854(2002). Katsuno M, Adachi H, Doyu M, Minamiyama M, Sang C, Kobayashi Y, Inukai A, Sobue G. Leuprorelin rescues polyglutamine-dependent phenotypes in a transgenic mouse model of spinal and bulbar muscular atrophy. Nat Med. 9, 768-773 (2003). Katsuno M, Adachi H, Minamiyama M, Waza M, Doi H, Kondo N, Mizoguchi H, Nitta A, Yamada K, Banno H, Suzuki K, Tanaka F and Sobue G: Disrupted transforming growth factor-beta signaling in spinal and bulbar muscular atrophy. J Neurosci, 30, 5702-5712 (2010) Wang W, Bu B, Xie M, Zhang M, Yu Z, Tao D. Neural cell cycle dysregulation and central nervous system diseases. Prog Neurobiol, 89, 1-17 (2009).
LHRHアナログについては球脊髄性筋萎縮症に対する効果がマウスモデルで示されているが、アンドロゲン受容体を特異的な標的としているため、他のポリグルタミン病への効果は期待できない。また、ポリグルタミン病の病態は不明な部分も多く、そのことが適切且つ有効な治療戦略の確立の妨げとなっている。このため、ポリグルタミン病の病態の更なる解明と、それに基づいた治療法開発が必要である。
このような状況下、本発明は、ポリグルタミン病などの神経変性疾患に対する治療戦略の確立を目指し、新たな作用機序に基づく薬剤(医薬)、治療法などを提供することを目的とする。
本発明者らは、SBMAにおける神経変性の分子メカニズムとして、変異アンドロゲン受容体がTGF-βシグナルの異常を引き起こすことを明らかにしてきた(非特許文献3)。また、マウス初代培養ニューロンやSBMAモデルマウスを用いた検討により、TGF-βシグナルの異常が細胞周期の異常を惹起することも示してきた(2011年第52回日本神経学会学術大会)。ところで、神経細胞は分裂後細胞であり、通常、細胞周期は不活化されているが、アルツハイマー病などの神経変性疾患では神経細胞に細胞周期の異常活性化が生じていることが示唆されている(例えば非特許文献4)。この点に着目するとともに、これまでの研究成果を踏まえ、細胞周期の異常を是正する薬剤であるサイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDK阻害剤)がSBMAをはじめとするポリグルタミン病に有効であるとの期待の下、検討を重ねた。具体的には、G1/S調節因子であるE2F1を強制発現させたマウス初代培養大脳皮質ニューロンに対するCDK阻害剤フラボピリドール(flavopiridol)の効果を調べた。その結果、フラボピリドールは神経細胞における細胞周期の異常を是正し、細胞障害を軽減させた。一方、SBMAモデルマウスにフラボピリドールを投与し、その効果を検討したところ、マウスの運動機能の向上及び寿命の延長等を認めた。以上の結果から、SBMAの治療戦略として、CDK阻害剤による細胞周期の抑制が極めて有効であることが示唆された。また、細胞周期異常は他の神経変性疾患(例えば筋萎縮性側索硬化症やアルツハイマー病)のモデルでも示されていることから、各種神経変性疾患の治療手段として、CDKによる細胞周期の制御が有効であるといえる。
以下に列挙する本発明は、以上の知見及び考察に基づき完成されたものである。
[1]サイクリン依存性キナーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗神経変性疾患剤。
[2]サイクリン依存性キナーゼ阻害剤が、サイクリン依存性キナーゼ5に対する阻害活性を有する化合物である、[1]に記載の抗神経変性疾患剤。
[3]サイクリン依存性キナーゼ阻害剤が、フラボピリドール、ロスコビチン、オロモウシン及びディナシクリブからなる群より選択される化合物である、[1]に記載の抗神経変性疾患剤。
[4]神経変性疾患がポリグルタミン病である、[1]〜[3]のいずれかに記載の抗神経変性疾患剤。
[5]ポリグルタミン病が球脊髄性筋萎縮症である、[4]に記載の抗神経変性疾患剤。
[6]サイクリン依存性キナーゼ阻害剤を対象に投与するステップを含む、神経変性疾患の予防又は治療方法。
細胞周期の抑制によるレスキュー効果。マウス初代培養皮質ニューロンにTGF-β阻害剤SD-208とフラボピリドールを投与し、SD-208によって誘導されるE2F1や活性化されたカスパーゼ3の量を調べた。FPはフラボピリドールを表す。内因性の細胞周期阻害剤としてCip/Kipファミリー(p21、p27、p57)、INK4ファミリー(p15、p16、p18)が知られている。また、外因性の細胞周期阻害剤としてフラボピリドール(全てのCDKメンバーに対して阻害活性を示す)、ロスコビチン(CDK2とCDK5を阻害する)、オロモウシン(CDK2とCDK5を阻害する)等が知られている。本実験ではフラボピリドールを使用した。 細胞周期阻害による細胞毒性の軽減。マウス初代培養皮質ニューロンにSD-208とフラボピリドールを投与し、SD-208によって誘導される細胞数の変化を調べた。また、LDHアッセイにより細胞毒性を評価した。 細胞周期阻害による細胞形態の改善。マウス初代培養皮質ニューロンにSD-208とフラボピリドールを投与し、SD-208によって誘導される軸索伸長阻害が改善されるか調べた。 細胞周期阻害による変異ARの毒性抑制。マウス初代培養皮質ニューロンにヒト正常AR(AR24Q)および変異AR(AR97Q)のN末断片を発現させた場合のE2F1の発現を調べた。また、LDLアッセイにより細胞毒性を評価した。 SBMAマウス表現型に対するフラボピリドールの効果。SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与し、筋萎縮及び歩幅の変化を調べた。 SBMAマウス表現型に対するフラボピリドールの効果。SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与し、運動機能の変化を調べた。また、生存期間に対する効果も評価した。 SBMAマウス神経病理に対するフラボピリドールの効果。SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与し、細胞周期のマーカー分子の発現の変化を調べた。 SBMAマウス神経病理に対するフラボピリドールの効果。SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与し、舌下神経核の運動ニューロンの変化(萎縮の程度)を調べた。 SBMAマウス神経病理に対するフラボピリドールの効果。SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与し、脊髄前角の運動ニューロンにおける細胞周期のマーカー分子の発現の変化を調べた。 SBMAマウス神経病理に対するフラボピリドールの効果。SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与し、脊髄前角の運動ニューロンの変化(萎縮の程度)を調べた。 SBMAマウス神経病理に対するフラボピリドールの効果。SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与し、骨格筋における神経原生萎縮が改善するか調べた。
本発明において「抗神経変性疾患剤」とは、神経変性疾患の発症を抑制するために使用される薬剤(医薬)、又は神経変性疾患の症状を改善(部分的又は完全な治癒を含む)するために使用される薬剤(医薬)のことをいう。したがって本発明の抗神経変性疾患剤には、神経変性疾患の予防的処置に使用可能な薬剤、及び神経変性疾患の治療に使用可能な薬剤が含まれる。
神経変性疾患の例は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、パーキンソン病、ポリグルタミン病である。「ポリグルタミン病」は、遺伝子のコード領域においてCAGリピートの伸長(異常伸長)が認められることを特徴とする。これまでにポリグルタミン病として球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、ハンチントン病、脊髄小脳変性症1型(SCA1)、脊髄小脳変性症2型(SCA2)、Machado-Joseph病(MJD、SCA3)、脊髄小脳変性症6型(SCA6)、脊髄小脳変性症7型(SCA7)、脊髄小脳変性症17型(SCA17)、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)が見出されている。ポリグルタミン病の患者には表現促進現象(anticipation)やCAGリピート数のばらつき(体細胞モザイク)、主に神経組織が選択的に障害されるという共通の病態が観察される。本発明の薬剤はこれらのポリグルタミン病の予防薬又は治療薬として用いられ得る。本発明の薬剤は、特にSBMAに対して好適に適用される。SBMAの病態は脊髄前角細胞や顔面神経核、舌下神経核の変性、脱落であり、その原因はアンドロゲン受容体(AR)第1エクソン内のCAGリピートの異常延長である(La Spada, A.R., Wilson, E.M., Lubahn, D.B., Harding, A.E., and Fischbeck, K.H. (1991). Androgen receptor gene mutations in X-linked spinal and bulbar muscular atrophy. Nature 352, 77-79.)。ARのCAGリピート数は、正常では12〜34程度であるが患者では40〜62程度に延長している。他のポリグルタミン病と同様SBMAにおいても、CAGリピート数は筋力低下の発症年齢と負の相関を示し、年齢補正した重症度とは正の相関を示す(Doyu, M., Sobue, G., Mukai, E., Kachi, T., Yasuda, T., Mitsuma, T., and Takahashi, A. (1992). Severity of X-linked recessive bulbospinal neuronopathy correlates with size of the tandem CAG repeat in androgen receptor gene. Ann. Neurol. 32, 707-710.)。
本発明は、「サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤が神経変性の抑制に有効である」という、詳細な検討の末に判明した知見に基づく。ここで、CDKはサイクリンとともに細胞周期のチェックポイントにおいて中心的役割を果たす。この極めて重要な生理機能を考慮すると、CDK阻害剤によってCDKを阻害すればニューロンに悪影響を及ぼすことも予想された。特に、ニューロン特異的なCDK5(CDKファミリーの他のメンバーと異なり、細胞周期の調節に関与するのではなく、ニューロン特異的な機能を示す)は、ニューロンの生存と死の両方に関わっており(Hisanaga S, and Endo R., J Neurochem. 2010 Dec;115(6):1309-21.;Seyb KI, and et al., J, Michaelis ML, Dobrowsky RT. J Mol Neurosci. 2007;31(1):23-35.)、これを阻害すればニューロンに悪影響が出る可能性が高い。本発明者らの検討によって明らかになった事実、即ち、CDK阻害剤によって神経変性が抑えられたことは、以上の予想に反するものであり、その意義は大きい。特に、CDK5に対する阻害活性も有するフラボピリドールが神経変性抑制効果を発揮したことは注目に値し、神経変性を抑制するための標的としてCDK5が重要であることを示唆する。
本発明の抗神経変性疾患剤はCDK阻害剤を有効成分として含有することを特徴とする。CDK阻害剤とは、CDKに対する特異的阻害活性を示す化合物である。CDK阻害剤の例を挙げると、アロイシンA(Aloisine A)(例えばEnzo Biochem Inc.が提供する)、アロイシンRP106(Aloisine RP106)(例えばToronto Research Chemicalsが提供する)、アルステルポーロン(Alsterpaullone)、アミノプルバラノールA(Aminopurvalanol A)(例えばTocris Bioscienceが提供する)、CGP74514A(例えばEnzo Biochem Inc.が提供する)、フラボピリドール(Flavopiridol; Alvocidibとも呼ばれる)(例えば、Sigma-AldrichやSanta cruz biotechnology, inc.が提供する)、ケンパウロン(Kenpaullone)(例えばToronto Research Chemicalsが提供する)、NSC625987(例えばTocris Bioscienceが提供する)、NU6102(例えばEnzo Biochem Inc.が提供する)、NU6140(例えばEnzo Biochem Inc.が提供する)、オロモウシン(Olomoucine)(例えば和光純薬工業株式会社やSigma-Aldrichが提供する)、プルバラノールA(Purvalanol A)(例えばEnzo Biochem Inc.が提供する)、ロスコビチン(Roscovitine)(Merck Ltd.やSigma-Aldrichが提供する)、SU9516(例えばTocris Bioscienceが提供する)、ディナシクリブ(例えばSchering-Plough Research Instituteが提供する)である。CDK阻害剤の例はWO/2001/044217、WO/2001/044242、WO/1999/024416、WO/1999/07705、WO/1998/05335、WO/1997/020842にも記載されている。ニューロンにおいて特に重要なCDK5に対する阻害活性を有するフラボピリドールが神経変性を抑制した事実に鑑みれば、CDK5に対する阻害活性を有するCDK阻害剤を採用することが好ましい。該当するCDK阻害剤の例は、フラボピリドール、ロスコビチン、オロモウシン、アロイシンA、アロイシンRP106、アミノプルバラノールA、ディナシクリブである。
本発明における有効成分は塩の形態であってもよい。塩の例としてはハロゲン化水素酸塩(具体的にはフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等)、無機酸塩(具体的には硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩等)、有機カルボン酸塩(具体的には酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(具体的にはメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等)、アミノ酸塩(具体的にはアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等)、四級アミン塩、アルカリ金属塩(具体的にはナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(具体的にはマグネシウム塩、カルシウム塩等)を挙げることができる。
本発明の抗神経変性疾患剤の製剤化は常法に従って行うことができる。製剤化する場合には、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を含有させることができる。賦形剤としては乳糖、デンプン、ソルビトール、D-マンニトール、白糖等を用いることができる。崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等を用いることができる。緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等を用いることができる。乳化剤としてはアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント等を用いることができる。懸濁剤としてはモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができる。無痛化剤としてはベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビトール等を用いることができる。安定剤としてはプロピレングリコール、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等と用いることができる。
製剤化する場合の剤形も特に限定されない。剤形の例は錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤、外用剤、及び座剤である。本発明の抗神経変性疾患剤には、期待される治療効果(又は予防効果)を得るために必要な量(即ち治療上有効量)の有効成分が含有される。本発明の抗神経変性疾患剤中の有効成分量は一般に剤形によって異なるが、所望の投与量を達成できるように有効成分量を例えば約0.1重量%〜約95重量%の範囲内で設定する。
本発明の抗神経変性疾患剤はその剤形に応じて経口投与又は非経口投与(静脈内、動脈内、皮下、皮内、筋肉内又は腹腔内注射、経皮、経鼻、経粘膜、脳内注射など)によって患者に適用される。これらの投与経路は互いに排他的なものではなく、任意に選択される二つ以上を併用することもできる(例えば、経口投与と同時に又は所定時間経過後に静脈注射等を行う等)。全身投与によらず、局所投与することにしてもよい。局所投与として、目的の組織への直接注入又は塗布を例示することができる。
本発明の抗神経変性疾患剤の投与量及び投与スケジュールは、期待される治療効果が得られるように設定される。治療上有効な投与量の設定においては一般に患者の症状、年齢、性別、及び体重などが考慮される。尚、当業者であればこれらの事項を考慮して適当な投与量を設定することが可能である。例えば、成人(体重約60kg)を対象として一日当たりの有効成分量が約0.1mg〜約2,000mgとなるよう投与量を設定することができる。神経変性疾患が慢性疾患であることを考慮すれば、長期間に亘って連続的な投与が行われるように投与スケジュールを作成することが好ましい。「長期間に亘る連続的な投与」とは、症状又はその兆候が現れたときに投与する(単回投与)のとは異なり、長期間に亘る投薬期間内に複数回の投薬を行うことを意味する。ここでの「長期間」とは1週間以上の期間を意味し、具体的には例えば1月〜数年の間で投与期間を設定することができる。一日当たりの投与回数は例えば1〜5回とする。神経変性疾患が慢性疾患であり、その治療のためには薬剤が常に作用していることが好ましいことや有効成分の血中半減期を考慮すれば、投与スケジュールとして連日投与を採用することが好ましい。但し、患者の状態や経過によっては、投与しない日を設けることにしてもよい(即ち、隔日投与などの投与スケジュールを採用してもよい)。
本発明の抗神経変性疾患剤はCDK阻害剤を有効成分とするが、CDK阻害剤と異なる作用機序で神経変性疾患に対して薬効を示す他の成分を併用することにしてもよい。当該態様によれば相加的ないし相乗的治療効果が得られ、治療効果の増大や副作用の軽減など、治療成績の向上を図ることができる。ここでの他の成分の例として黄体形成ホルモン放出ホルモンのアナログであり、テストステロンの分泌を抑制する作用を有する化合物(具体例はリュープロレリン、ゴセレリン、ブセレリン、ナファレリン)(特許第3820485号を参照)、17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(特許第4956737号を参照)、ゲラニルゲラニルアセトン(特開2006−063012号公報を参照)、トリプタン又はその薬理学的に許容される塩(具体例はナラトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン)(国際公開第2011/068208号パンフレットを参照)を挙げることができる。他の成分として2以上の物質を採用することにしてもよい。以上の如き他の成分を併用する場合の態様として様々なものが想定される。例えば、CDK阻害剤と他の成分とを混合した配合剤として本発明の抗神経変性疾患剤を提供することができる。また、CDK阻害剤を含有する第1構成要素(第1医薬)と他の成分を含有する第2構成要素(第2医薬)とからなるキットの形態で提供することもできる。更には、CDK阻害剤を含有する抗神経変性疾患剤とし、その投与時に他の成分が併用投与されるようにしてもよい。
以上の記述から明らかな通り本出願は、神経変性疾患(特にSBMA)の患者に対して本発明の抗神経変性疾患剤を治療上有効量投与することを特徴とする、神経変性疾患の治療法も提供する。
細胞周期の異常を是正する薬剤であるサイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDK阻害剤)がSBMAをはじめとするポリグルタミン病に有効であるとの期待の下、以下の実験を行った。
1.方法
(1)免疫組織化学
マウスをペントバルビタールで麻酔後、各臓器を摘出し、ホルマリン固定した。ヒトに関してはSBMA患者(52歳男性)およびコントロール患者(58歳男性:悪性リンパ腫)の剖検脊髄組織を用いた。6 mmのパラフィン包埋切片を脱パラフィン後、0.1 Mクエン酸に浸透し10分間マイクロウェーブ処理を行い、1次抗体と4℃オーバーナイトで反応させた。2次抗体及び発色にはEnvision+ system(Dako)を用いた。使用した1次抗体は以下の通りである。p15(#4822, Cell Signaling Technology, 1:1000)、p21(c19, Santa Cruz, 1:500)、Cyclin D1(#2978, Cell Signaling Technology, 1:2000)、pRbThr821(sc16669, Santa Cruz, 1:20000)、E2F1(sc251, Santa Cruz, 1:50)、PCNA(sc7907, Santa Cruz, 1:500)、GFAP(#2301-1, Epitomics, 1:4000)、Iba-1(019-19741, Wako, 1:1000)。
(2)マウス初代培養皮質ニューロン
マウス胎児(E15)脳を摘出し、神経細胞分散液(MB-X9901, Sumitomo Bakelite)にてニューロンを分散後、培養液(Neuron Culture Medium(MB-X9501, Sumitomo Bakelite)とNeurobasal(Gibco)を1:2で混合したもの)で培養した。ウイルス感染を用いない場合には培養5日目から薬剤投与を行った。SD-208(Sigma)およフラボピリドール(Sigma)は各々DMSOに溶解し、各濃度で培養液に添加した。薬剤投与後24時間後にLDHアッセイ、細胞のカウント、ウエスタンブロット用のサンプル抽出および免疫細胞化学を行った。
(3)ウエスタンブロット
初代培養皮質ニューロンを回収後、Cell Lytic(Sigma)・Halt protease inhibitor(Thermo Scientific)・Halt phosphatase inhibitor(Thermofisher)で蛋白質抽出を行い、5〜20% SDS/PAGEを行い、Hybond-P membranes (GE Healthcare)にトランスファーした。5%ウシアルブミンで室温60分ブロッキングした後、1次抗体との反応をオーバーナイトで施行し、2次抗体(horseradish-peroxidase-conjugated)との反応を室温30分で行い、ECL prime kit(GE Healthcare)で発色させ、LAS-3000 imaging system (Fujifilm)で撮影した。1次抗体及び2次抗体はCan Get Signal(NKB-101, Toyobo)で希釈した。使用した1次抗体は以下の通りである。p21(c397, Santa Cruz, 1:500)、pRbSer795(#9301, Cell Signaling Technology, 1:500)、E2F1(sc251, Santa Cruz, 1:100)、caspase-3(#9661, Cell Signaling Technology, 1:100)、GAPDH(MAB374, Millipore, 1:2000)、AR(N20, Santa Cruz, 1:200)。
(4)細胞のカウント及びLDHアッセイ
初代培養皮質ニューロンを40倍視野で観察し、ランダムに選んだ5視野における細胞数をカウントした。LDHアッセイはCytotoxicity Detection Kit PLUS (Roche Diagnostics)を用い、490 nm波長の吸光度を測定した。
(5)免疫細胞化学
初代培養皮質ニューロンを4%パラホルムアルデヒドで固定し、TNB buffer(Perkin Elmer)でブロッキング後、1次抗体と4℃オーバーナイトで反応させた。2次抗体はAlexa MouseおよびAlexa Rabbitを用いて37℃30分で反応させ、DAPI含有封入剤(Vectashield, Vector)で封入し、蛍光顕微鏡(Axio Imager M1, Carl Zeiss)で観察した。使用した1次抗体は以下の通りである。β3-tubulin(TU20, Santa Cruz, 1:500)、GFP(M048-3, MBL, 1:500)、E2F1(sc251, Santa Cruz, 1:200)。
(6)マウス行動解析
全長ヒトAR-97Qを発現するトランスジェニックマウス(Katsuno et al., Neuron 2002)を用い、浸透圧ポンプ(Mini Osmotic Pump Model 2002, Alzet)及びBrain Infusion Kit(0004760, Alzet)を用い、フラボピリドール(Sigma)のPBS溶液(500 nM)を2週間かけて脳室内投与した。Brain Infusion Kitは定位脳手術用固定器(KOPF)を用い、左側脳室(anteroposterior -0.5, mediolateral +1.0 from bregma, dorsoventral -2.3)に挿入した。マウスの運動機能はロータロッド(Ugo Basile)およびGrip Strength Meter(MK-380M, Muromachikikai)を用い、薬剤の割付に関して盲検で毎週実施した。
2.結果・考察
サイクリン依存性キナーゼ阻害剤であるフラボピリドールは細胞周期を抑制する作用を有している(Schwartz 2002)。TGF-βシグナルの異常によるニューロン障害が細胞周期の異常を介して誘導されることを明らかにするため、マウス初代培養皮質ニューロンにTGF-β阻害剤であるSD-208とフラボピリドールを投与したところ、SD-208によって誘導されるE2F1や活性化されたカスパーゼ3の増加はフラボピリドールによって抑制された(図1)。一方、マウス初代培養皮質ニューロンにSD-208とフラボピリドールを投与したところ、SD-208によって誘導される細胞数の減少やLDHの増加がフラボピリドールによって抑制された(図2)。また、マウス初代培養皮質ニューロンにSD-208とフラボピリドールを投与したところ、SD-208によって誘導される軸索伸長阻害がフラボピリドールによって抑制された(図3)。これらの結果から、TGF-βシグナルの異常によるニューロン障害は細胞周期の異常を介して誘導されることが示された。
変異ARが細胞周期の異常を介してニューロン障害を誘導することを明らかにするため、レンチウイルスベクターを用い、マウス初代培養皮質ニューロンにヒト正常AR(AR24Q)および変異AR(AR97Q)のN末断片を発現させたところ、AR24Qに比べAR97QでE2F1の発現増加が認められた(図4左)。また、AR97Qによりリン酸化RbやE2F1の発現増加が認められた(図4中央)。さらに、LDHを測定し細胞毒性を評価したところ、LDHはAR97Qの発現により上昇したが、フラボピリドールの投与により抑制された(図4右)。これらの結果から、変異ARはTGF-βシグナル異常による細胞周期を介してニューロン障害を惹起すると考えられた。
脳梗塞の動物モデルにフラボピリドール投与すると細胞周期の抑制により虚血性障害が抑制されることが報告されている(Osuga et al., 2000)。SBMAの病態に細胞周期異常が寄与していることを明らかにするため、SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与したところ、筋萎縮(図5左)および歩幅(図5中央・右)の有意な改善が認められた。
SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与したところ、ロータロッド(図6左)および握力(図6中央)で評価した運動機能が有意に改善し、生存期間(図6右)の有意な延長が認められた。
SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与したところ、舌下神経核の運動ニューロンにおけるcyclin D1、リン酸化Rb、E2F1などの細胞周期のマーカー分子の発現が抑制された(図7)。
SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与したところ、舌下神経核の運動ニューロンの萎縮が改善した(図8)。
SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与したところ、脊髄前角の運動ニューロンにおけるcyclin D1、リン酸化Rb、E2F1などの細胞周期のマーカー分子の発現が抑制された(図9)。
SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与したところ、脊髄前角の運動ニューロンの萎縮が改善した(図10)。
SBMAモデルマウスの脳室内にフラボピリドールを投与したところ、骨格筋における神経原生萎縮が抑制された(図11左)。脊髄前角のGFAP(アストロサイトのマーカー)およびIba-1(ミクログリアのマーカー)の発現には著明な変化はないことから(図11右)、フラボピリドールによる治療効果はグリアを介したものではないことが示唆された。
以上の結果(図5〜10)から、フラボピリドールによる細胞周期阻害によって、変異ARによる運動ニューロン変性が抑制されることが示された。ニューロンにおける細胞周期の異常はDNA損傷などを介してニューロン死を誘導すると考えられている(Klein et al., 2002; Kruman et al., 2004)。細胞周期異常は筋萎縮性側索硬化症やアルツハイマー病など他の神経変性疾患のモデルでも示されていることから、フラボピリドール等のCDK阻害剤による細胞周期制御が各種神経変性疾患の治療となりうると考えられる(Nguyen et al., 2005; Varvel et al., 2009)。
<参考文献>
1.Katsuno M, Adachi H, Minamiyama M, Waza M, Doi H, Kondo N, Mizoguchi H, Nitta A, Yamada K, Banno H, Suzuki K, Tanaka F, Sobue G. Disrupted transforming growth factor-beta signaling in spinal and bulbar muscular atrophy. J Neurosci. 2010 Apr 21;30(16):5702-12.
2.Wang W, Bu B, Xie M, Zhang M, Yu Z, Tao D. Neural cell cycle dysregulation and central nervous system diseases. Prog Neurobiol. 2009 Sep;89(1):1-17.
3.Schwartz GK. CDK inhibitors: cell cycle arrest versus apoptosis. Cell Cycle. 2002 Mar-Apr;1(2):122-3.
4.Osuga H, Osuga S, Wang F, Fetni R, Hogan MJ, Slack RS, Hakim AM, Ikeda JE, Park DS. Cyclin-dependent kinases as a therapeutic target for stroke. Proc Natl Acad Sci U S A. 2000 Aug 29;97(18):10254-9.
5.Klein JA, Longo-Guess CM, Rossmann MP, Seburn KL, Hurd RE, Frankel WN, Bronson RT, Ackerman SL. The harlequin mouse mutation downregulates apoptosis-inducing factor. Nature. 2002 Sep 26;419(6905):367-74.
6.Kruman II, Wersto RP, Cardozo-Pelaez F, Smilenov L, Chan SL, Chrest FJ, Emokpae R Jr, Gorospe M, Mattson MP. Cell cycle activation linked to neuronal cell death initiated by DNA damage. Neuron. 2004 Feb 19;41(4):549-61.
7.Nguyen MD, Boudreau M, Kriz J, Couillard-Despres S, Kaplan DR, Julien JP. Cell cycle regulators in the neuronal death pathway of amyotrophic lateral sclerosis caused by mutant superoxide dismutase 1. J Neurosci. 2003 Mar 15;23(6):2131-40.
8.Varvel NH, Bhaskar K, Kounnas MZ, Wagner SL, Yang Y, Lamb BT, Herrup K. NSAIDs prevent, but do not reverse, neuronal cell cycle reentry in a mouse model of Alzheimer disease. J Clin Invest. 2009 Dec;119(12):3692-702.
上記の通り、本発明はSBMAの予防ないし治療に対して特に有用である。細胞周期の異常を是正するという作用に鑑みれば、各種神経変性疾患(他のポリグルタミン病やアルツハイマー病など)に対しても本発明が効果を発揮することを期待できる。本発明を適用すれば、神経細胞の変性メカニズムに即した治療によって症状の進行が抑えられ、予後の改善が図られる。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。

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  1. サイクリン依存性キナーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗神経変性疾患剤。
  2. サイクリン依存性キナーゼ阻害剤が、サイクリン依存性キナーゼ5に対する阻害活性を有する化合物である、請求項1に記載の抗神経変性疾患剤。
  3. サイクリン依存性キナーゼ阻害剤が、フラボピリドール、ロスコビチン、オロモウシン及びディナシクリブからなる群より選択される化合物である、請求項1に記載の抗神経変性疾患剤。
  4. 神経変性疾患がポリグルタミン病である、請求項1〜3のいずれかに記載の抗神経変性疾患剤。
  5. ポリグルタミン病が球脊髄性筋萎縮症である、請求項4に記載の抗神経変性疾患剤。
  6. サイクリン依存性キナーゼ阻害剤を対象に投与するステップを含む、神経変性疾患の予防又は治療方法。
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