JP2014039708A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】記憶表示の表示態様を変化させる予告演出の演出効果や遊技者への訴求力を向上させることで、遊技の興趣を高めることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うことが可能な記憶表示部7530と、記憶表示部7530に対応して設けられ、記憶表示に関連して所定の演出動作を行うことが可能な回転筒部材7510と、を有する保留表示ユニット7000を備え、予告演出手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づき、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様を事前判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に応じた表示態様に変化させることが可能な表示態様制御手段と、表示態様制御手段(演出制御装置300)による記憶表示の表示態様の変化に関連して回転筒部材7510に演出動作を行わせることが可能な演出動作制御手段と、を備えている。
【選択図】図103

Description

本発明は、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置と、遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞により始動記憶を上限数まで記憶可能な始動記憶手段と、を備え、前記始動記憶に基づき実行した前記変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機に関する。
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞を上限数の範囲内で始動記憶として記憶し、該始動記憶に基づいて複数の識別情報による変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものが一般的である。
このような遊技機では、始動記憶数に対応した記憶表示を行うための記憶表示部を設け、所定条件の成立に基づき該記憶表示部に表示された記憶表示の表示態様を事前判定の結果に応じて変化させる予告演出を行う遊技機が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2010−227150号公報 特開2012−024265号公報
ところで、上述した特許文献に記載されたような遊技機では、変動表示ゲームの実行に伴い記憶表示の表示態様が変化するだけなので、遊技者が気付きにくく演出効果や遊技者への訴求力が低いという問題があった。
そこで、本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、記憶表示の表示態様を変化させる予告演出の演出効果や遊技者への訴求力を向上させることで、遊技の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置と、遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞により始動記憶を上限数まで記憶可能な始動記憶手段と、を備え、
前記始動記憶に基づき実行した前記変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記始動記憶手段に記憶された始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うことが可能な記憶表示手段と、
前記記憶表示手段に対応して設けられ、前記記憶表示に関連して所定の演出動作を行うことが可能な可動演出手段と、
前記始動記憶手段に記憶された前記始動記憶を該始動記憶に対応する変動表示ゲームが実行される以前に判定することが可能な事前判定手段と、
前記事前判定手段の判定結果に基づき前記記憶表示手段及び前記可動演出手段を制御して予告演出を行うことが可能な予告演出手段と、を備え、
前記予告演出手段は、
所定条件の成立に基づき、前記記憶表示の表示態様を前記事前判定手段の判定結果に応じた表示態様に変化させることが可能な表示態様制御手段と、
前記表示態様制御手段による前記記憶表示の表示態様の変化に関連して前記可動演出手段に演出動作を行わせることが可能な演出動作制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、記憶表示の表示態様の変化に関連して可動演出手段が演出動作を行うので、予告演出の演出効果や遊技者への訴求力を向上させることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記可動演出手段は、前記記憶表示を視認不能とする第1状態と該記憶表示を視認可能とする第2状態とに変換可能であり、
前記演出動作制御手段は、前記記憶表示の表示態様が変化するタイミングに合わせて前記可動演出手段を前記第1状態と前記第2状態とに変換することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、記憶表示の表示態様が変化するタイミングに合わせて当該記憶表示の視認状態を変化させることができるので、より効果的な予告演出を行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
前記演出動作制御手段は、前記記憶表示の表示態様の変化前に前記可動演出手段を前記第1状態に変換するとともに、前記記憶表示の表示態様の変化後に前記可動演出手段を前記第2状態に変換することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、記憶表示の表示態様の変化前と変化後とを演出可動部材の変換動作によって切り分けて視認させることができるので、予告演出の訴求力が向上して遊技の興趣がさらに高まる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一つに記載の遊技機において、
前記記憶表示手段及び前記可動演出手段を常態位置と特定位置との間で移動させることが可能な位置移動手段を備え、
前記位置移動手段は、前記予告演出手段による予告演出の実行に基づき前記記憶表示手段及び前記可動演出手段を常態位置から特定位置に移動させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、予告演出時に記憶表示手段及び可動演出手段を特定位置に移動させることによって、記憶表示手段及び可動演出手段に遊技者の視線を集め易くなるので、遊技者が予告演出を見逃してしまうということがなくなる。また、予告演出の演出効果が飛躍的に向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
前記位置移動手段は、前記特別結果となる期待度の高い予告演出が実行される場合ほど高確率で前記記憶表示手段及び前記可動演出手段を前記常態位置から前記特定位置に移動させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、記憶表示手段及び可動演出手段が特定位置に移動するか否かに遊技者の期待感を集めることができるので、予告演出の演出効果が飛躍的に向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の遊技機において、
前記常態位置は、前記表示装置の表示領域の端部に対応する位置であり、
前記特定位置は、前記常態位置よりも前記表示装置の表示領域の中央寄りの位置であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、特定位置が常態位置よりも表示装置の表示領域の中央寄りの位置であるので、記憶表示手段及び可動演出手段が特定位置に移動することによって、変動表示ゲームに集中していたとしても、遊技者が予告演出を見逃すことがなくなる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか一つに記載の遊技機において、
前記始動口は、
常態において遊技球が入賞可能な第1始動口と、
遊技球が入賞不可能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに変換可能な第2始動口と、を含み、
前記始動記憶手段は、
前記第1始動口への遊技球の入賞により第1始動記憶を記憶する第1始動記憶手段と、
前記第2始動口への遊技球の入賞により第2始動記憶を記憶する第2始動記憶手段と、を有し、
前記第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも前記第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを優先して実行させることが可能な優先変動制御手段と、
前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも前記第2始動口が開状態に変換され易くなる特定遊技状態を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段と、を備え、
前記記憶表示手段は、
前記通常遊技状態では予め定められた第1表示形式で前記第1始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行う一方、
前記特定遊技状態では前記第1表示形式とは異なる第2表示形式で前記第2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、単一の記憶表示手段で第1始動記憶の記憶表示と第2始動記憶の記憶表示を行うことができる。また、遊技状態に応じて記憶表示手段の使い分けをするため遊技者が混乱することがなくなる。また、表示形式を異ならせることで第1始動記憶の記憶表示なのか第2始動記憶の記憶表示なのかが判別し易くなる。
本発明によれば、記憶表示の表示態様の変化に関連して可動演出手段が演出動作を行うので、予告演出の演出効果や遊技者への訴求力を向上させることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
第1実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。 第1実施形態の遊技機が備える遊技盤の正面図である。 第1実施形態の遊技機が備える前面構成部材を前面側から見た斜視図である。 第1実施形態の遊技機が備える前面構成部材を前面側から見た分解斜視図である。 第1実施形態の遊技機が備える裏面構成部材を前面側から見た斜視図である。 第1実施形態の遊技機が備える裏面構成部材を前面側から見た分解斜視図である。 球貯留装置を前面側から見た斜視図である。 球貯留装置を前面側から見た分解斜視図である。 球貯留ユニットの内部構造を説明するための断面図である。 球貯留ユニットの貯留制御機構を説明するための断面図である。 球演出ユニットの内部構造を説明するための断面図である。 球演出ユニットを前面側から見た斜視図である。 入賞球演出装置を裏面側から見た分解斜視図である。 入賞球演出装置の揺動演出部材の配設態様を説明するための図である。 裏面構成部材下部を前面側から見た斜視図である。 サブ表示ユニットを前面側から見た斜視図である。 回転駆動部の分解斜視図である。 回転駆動部の内部構造を説明するための断面図である。 サブ表示ユニットを前面側から見た分解斜視図である。 スライド機構の内部構造を説明するための斜視図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 メイン処理を説明するフローチャートである。 メイン処理を説明するフローチャートである。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 特図普段処理を説明するフローチャートである。 特別結果の種類を説明するための図である。 変動パターン設定処理を説明するフローチャートである。 変動グループ選択テーブルを説明する図である。 変動グループ選択テーブルを説明する図である。 変動グループ選択テーブルを説明する図である。 変動開始情報設定処理を説明するフローチャートである。 1stメイン処理を説明するフローチャートである。 割込み処理を説明するフローチャートである。 2ndメイン処理を説明するフローチャートである。 1stシーン制御処理を説明するフローチャートである。 客待ち処理を説明するフローチャートである。 変動中処理を説明するフローチャートである。 擬似連チャンス制御処理を説明するフローチャートである。 擬似連チャンス演出の一例を示す図である。 擬似連チャンス演出の一例を示す図である。 擬似連チャンス演出の一例を示す図である。 変動領域増加演出の一例を示す図である。 擬似連チャンス演出及び変動領域増加演出の実行態様を説明するタイムチャートである。 変動演出パターン設定テーブルを説明する図である。 変動演出切替処理を説明するフローチャートである。 変動演出パターンの切り替えの一例を示す図である。 変動演出パターンの切り替えの一例を示す図である。 変動演出パターンの切り替えの一例を示す図である。 変動演出パターンの切り替えの一例を示す図である。 サブ表示装置の動作を伴う演出の一例を示す図である。 サブ表示装置の動作を伴う演出の一例を示す図である。 サブ表示装置の動作を伴う演出の一例を示す図である。 サブ表示装置の動作を伴う演出の一例を示す図である。 補助ゲーム制御処理を説明するフローチャートである。 獲得ポイント選択テーブルを説明する図である。 補助ゲームの一例を示す図である。 補助ゲームの一例を示す図である。 補助ゲームの一例を示す図である。 補助ゲームの一例を示す図である。 事前判定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。 事前(先読み)演出設定処理を説明するフローチャートである。 保留(始動)記憶領域の内容を説明する図である。 特殊保留予告態様振分テーブルを説明する図である。 通常保留予告態様振分テーブルを説明する図である。 事前(先読み)演出実行処理を説明するフローチャートである。 特殊保留予告実行処理を説明するフローチャートである。 エフェクト追加の要否を決定するためのテーブルを説明する図である。 特殊保留予告の一例を示す図である。 特殊保留予告の一例を示す図である。 連続予告実行処理を説明するフローチャートである。 通常保留予告実行処理を説明するフローチャートである。 連続予告及び通常保留予告の一例を示す図である。 連続予告及び通常保留予告の一例を示す図である。 第1変形例におけるサブ表示装置の動作態様を説明する図である。 第2変形例におけるサブ表示装置の動作態様を説明する図である。 第2実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。 第2実施形態の遊技機の背面図である。 第2実施形態の遊技機が備える枠部分の分解斜視図である。 本体枠から幕板スピーカユニットを取り外した状態を前面側から見た斜視図である。 幕板スピーカユニットの分解斜視図である。 幕板部材を前面側から見た斜視図である。 内部に下部スピーカが配設された状態の裏箱部材を前面側から見た斜視図である。 幕板スピーカユニットの断面図である。 幕板スピーカユニットと島設備が備えるアウトタンク装置との位置関係を説明するための図である。 幕板スピーカユニットと前面枠との位置関係を説明するための図である。 幕板スピーカユニットと操作部との位置関係を説明するための図である。 ガラス枠本体の前面に取り付けられる各ユニットの正面図である。 可動演出装置(右側枠演出装置)の分解正面図である。 駆動部を説明するための図である。 図93のX−X線に沿った断面図である。 可動演出部材の状態を説明するための図である。 (a)は、可動演出部材の状態を説明するための図であり、(b)は、可動演出部材の変形例を説明するための図である。 可動演出装置による演出動作を、スピーカの音と連動して行う場合の一例を説明するための図である。 可動演出装置による演出動作を、スピーカの音と連動して行う場合の一例を説明するための図である。 可動演出装置による演出動作を、スピーカの音と連動して行う場合の一例を説明するための図である。 第2実施形態の遊技機が備える遊技盤の正面図である。 第2実施形態の遊技機が備える前面構成部材を前面側から見た斜視図である。 第2実施形態の遊技機が備える裏面構成部材を前面側から見た斜視図である。 保留表示ユニットを前面側から見た分解斜視図である。 回転演出ユニットを前面側から見た分解斜視図である。 (a)は回転演出ユニットの正面図であり、(b)は図106(a)のY−Y線に沿った断面図である。 (a)は可動ユニットを前面側から見た分解斜視図であり、(b)は可動ユニットを後面側から見た分解斜視図である。 可動ユニットの上下方向へのスライド動作を説明する図である。 第2実施形態の事前(先読み)演出設定処理を説明するフローチャートである。 (a)は保留予告動作振分テーブルの一例を説明する図であり、(b)は保留予告態様振分テーブルの一例を説明する図である。 事前(先読み)演出実行処理を説明するフローチャートである。 保留予告実行処理を説明するフローチャートである。 保留予告の一例を示す図である。 保留予告の一例を示す図である。 保留予告の他の一例を示す図である。 保留予告の他の一例を示す図である。 保留予告の他の一例を示す図である。 保留表示ユニットのを説明するための図である。 保留表示ユニットのを説明するための図である。 保留表示ユニットのを説明するための図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が開閉可能に取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23、打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作部をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、メイン表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)に関連して、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、平板状の遊技盤本体30aの前面及び裏面に各種部材を取り付けることにより構成されている。遊技盤本体30aは不透明な材質(例えば木材)からなるものであっても良いし、透明な材質(例えば透明樹脂)からなるものであっても良い。遊技盤本体30aの表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に遊技の進行に伴うメイン演出を表示可能なメイン表示装置41を備えた包囲枠体(センターケース)40が配置されている。メイン表示装置41は、包囲枠体40に設けられた凹部に、当該包囲枠体40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、包囲枠体40はメイン表示装置41の表示領域の周囲を囲い、メイン表示装置41の表示部41aよりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
メイン表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示部41a)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。メイン表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
さらに、包囲枠体40に設けられた凹部には、メイン演出の補助演出を表示可能なサブ表示装置801が配されている。サブ表示装置801はLCD(液晶表示器)等の表示装置を備え、少なくとも表面に画像を表示可能となっている。このサブ表示装置801は、メイン表示装置41よりも前方に配設されており、メイン表示装置41の右方であってメイン表示装置41と前後に重ならない待機領域830から、メイン表示装置41と前後に重なる位置へ移動可能であるとともに、表裏を反転するように回転することが可能となっている。
遊技領域32の包囲枠体40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。包囲枠体40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、包囲枠体40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a(図21参照)が配設されている。
また、包囲枠体40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1特図1始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b,37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図21参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
また、遊技機10は、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(大入賞口)38と、第2特別変動入賞装置(大入賞口)39とを備えている。
第1特別変動入賞装置38は、普通変動入賞装置37の下方に配設されている。そして、第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカー形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図21参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1特別変動入賞装置(大入賞口)38の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図21参照)が配設されている。第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口32aが設けられている。
第2特別変動入賞装置39は、包囲枠体40の上部左側に配設されている。この第2特別変動入賞装置39は、一対の可動部材39c,39cを備えている(図3参照)。第2特別変動入賞装置39の一対の可動部材39c,39cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2特別変動入賞装置39の上方には、規制壁39dが延出しており、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図21参照)により駆動される一対の可動部材39c,39cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から逆「ハ」の字状に開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2特別変動入賞装置(大入賞口)39の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図21参照)が配設されている。
また、包囲枠体40の左部には、左方に向けて開口する第2特図1始動入賞口641(第3始動始動入賞口)が設けられている。この第2特図1始動入賞口641に入賞した遊技球は、包囲枠体40に設けられた入賞球演出装置770の流路772を通り遊技機10の外部に排出される。この過程において遊技球は、包囲枠体40に設けられた揺動演出部材776に作用してこれを揺動させるようになっており、第2特図1始動入賞口641への入賞に伴う演出を実行できるようにされている。また、包囲枠体40の左部であって第2特図1始動入賞口641の下方には、左方に向けて開口するワープ装置610が設けられている。このワープ装置610に流入した遊技球は、包囲枠体40の下部内周面に形成されたステージ621に流入し、該ステージ621部を経て包囲枠体40の下方の遊技領域32へ流下する。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、メイン表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1特図1始動入賞口36及び第2特図1始動入賞口641への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
確率状態表示部は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口32aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図21参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図21参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、普図低確率状態ならば0.3秒間×1回、普図高確率状態ならば0.8秒間×3回)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図21参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、普図低確率状態ならば0.3秒間×1回、普図高確率状態ならば0.8秒間×3回)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。なお、普図低確率状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図当り確率が0)しても良いし、0.3秒間の開放を行う確率よりも低い確率で5秒間の開放をさせても良い。
第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ644によって検出され、普通変動入賞装置37への入賞球は内部に設けられた始動口2スイッチ37aによって検出される。第1特図1始動入賞口36及び第2特図1始動入賞口641へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図21参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、包囲枠体40のメイン表示装置41においても保留表示47(図44参照)として表示される。
遊技制御装置100は、第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、各特図変動表示ゲームに対応して、メイン表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応してメイン表示装置41の結果態様も特別結果態様となる。
メイン表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、メイン表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域42a(第1特別図柄)、右変動表示領域42c(第2特別図柄)、中変動表示領域42b(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域42a、右変動表示領域42c、中変動表示領域42bの順に順次停止させて、左変動表示領域42a、右変動表示領域42c、中変動表示領域42bの各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、メイン表示装置41やサブ表示装置801では、興趣向上のためのキャラクタや情報の表示など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、メイン表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、メイン表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1特図1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2特図1始動入賞口641内の始動口3スイッチ644、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図2から図20を参照して包囲枠体(センターケース)40の詳細な構造について説明する。包囲枠体40は、メイン表示装置41等を備える裏面構成部材(制御ユニット)700と、裏面構成部材700の前面に装着される前面構成部材(前側飾りユニット)600と、から構成されている。図3には前面構成部材600の前面側から見た斜視図を、図4には前面構成部材600の前面側から見た分解斜視図を示した。
図4に示すように、前面構成部材600は、開口部600aが形成された枠状をなすベースフレーム部材601を備え、このベースフレーム部材601に各種部材を取り付けることで構成されている。ベースフレーム部材601は、遊技盤本体30aに形成された前後に貫通する開口(開口窓部)に挿入される周囲壁602と、該周囲壁602の前端に周囲壁602に対して垂直に形成された板状(フランジ状)の前面壁603と、該前面壁603の前方に突出するように形成され、遊技領域32から開口部600a側への遊技球の流入を規制する装飾鎧部604(進入規制部)と、を備える。
前面壁603のうち、周囲壁602で囲まれた空間より外側に形成された部分は、遊技盤本体30aに形成された開口に前面構成部材600を前面側から挿入した際に、当該開口の周縁よりも外側に延出して遊技盤本体30aの前面にその裏面が当接する。これによって、遊技盤本体30aに対する前面構成部材600が所定の前後位置に配されるようになる。また、この部分には複数のねじ穴が形成されており、ねじによって前面構成部材600を遊技盤本体30aに固定できるようになっている。
さらに、前面壁603の一部は遊技盤本体30aの前面側であって遊技者から視認可能な位置に配されるものであり、その前面には装飾が施されている。また、前面壁603には、この他にもねじ穴やねじ止め部、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。
装飾鎧部604は、ベースフレーム部材601における下部のステージ621が設けられる部分と、これに連続する左部の第2特図1始動入賞口641及びワープ装置610が設けられる部分、さらに上部の第2特別変動入賞装置39が設けられる第2特別変動入賞装置取付部605を除き、開口部600aを囲むように形成されている。
この装飾鎧部604は、前面壁603よりも遊技領域32の前後幅(遊技盤本体30aの前面から遊技盤30の前方を覆うカバーガラス(透明部材)14の裏面までの幅)の分だけ前方へ延出するようになっている。よって、前面構成部材600を遊技盤本体30aの所定位置に取り付けることで、前面壁603よりも前側に位置する装飾鎧部604が遊技領域32内に延出し、遊技領域32を流下する遊技球が開口部600a側に流入することを規制するようになっている。これにより、メイン表示装置41の視認性を確保できるとともに、ステージ621への遊技球の流入数を制限することができる。すなわち、ベースフレーム部材601の内部となる装飾鎧部604で囲まれた領域が、遊技球の進入が規制された進入規制領域をなす。
また、ベースフレームの右下部には、装飾鎧部604と同様に、前面壁603よりも遊技領域32の前後幅の分だけ前方へ延出する装飾部606が形成され、この装飾部606と装飾鎧部604との間に、包囲枠体40の右側の遊技領域32を流下した遊技球を流下させる装飾部間流路607が形成されている。
ベースフレーム部材601の左部に設けられたワープ装置610は、包囲枠体40の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れるための左方に開口した流入口611と、この流入口611に流入した遊技球をステージへ誘導する筒状のワープ流路を有し、ワープ流路を流下した遊技球はステージ621の左端へ誘導される。
ステージ621は、ベースフレーム部材601に取り付けられるステージ部材620の上面により形成される。このステージ621は、遊技球が転動可能な所定の前後幅を有し、左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、第1特図1始動入賞口36の直上に配される中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。なお、ステージ621の中央部は上向きに突出しているが左右両端よりは低くなっている。この略W字状に形成されたステージ621において、上向きに突出した中央部の両側に位置する最も低くなった部分には、前方に下る傾斜面622が形成されている。この傾斜面622により、ステージ621上で流下勢が弱まった遊技球は遊技領域32へ流下する。
また、略W字状に形成されたステージ621において上向きに突出した部分の前側には、前方へ向かって遊技球を誘導する誘導凹部623が形成されている。ステージ621上の遊技球は、左右に転動する勢いが強い場合は誘導凹部623に落ち込まずに左右に転動するが、勢いがこの部分でちょうど弱まって誘導凹部623に落ち込んだ遊技球は前方へ誘導される。誘導凹部623の前方には、遊技球が通過可能な内径を有する上下に貫通する環状の通過部624が形成されており、この通過部624を通過した遊技球は、第1特図1始動入賞口36の直上に誘導されるようになっている。
また、ベースフレーム部材601には、ステージ部材620の後方に区画壁部材630が取り付けられている。この区画壁部材630は、ステージ621の後方に位置する部分に当該ステージ621上の遊技球が転動する領域と前面構成部材600の開口部600aとを仕切る透明な区画壁631(透明パネル部)を備える。また、区画壁部材630の前面側から見た左側部分には、ワープ装置610を保持する保持部632が形成され、さらに左端部には、ワープ装置610と第2特図1始動入賞口641との間から開口部600a側へ遊技球が流入することを防ぐ規制壁633が形成されている。
ベースフレーム部材601におけるワープ装置610の上方には、第2特図1始動入賞口641を形成する始動口形成部材640が取り付けられている。始動口形成部材640は、包囲枠体40の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れるための左方に開口した第2特図1始動入賞口641と、この第2特図1始動入賞口641に流入した遊技球を開口部600a内へ誘導する筒状の流路642を有する。また、流路642の途中にはスイッチ取付部643が形成され、このスイッチ取付部643には、流入した遊技球を検出する始動口3スイッチ644が取り付けられる。流路642の下流側端部は、裏面構成部材700に設けられた入賞球演出装置770における流路772の上流側端部に接続されており、第2特図1始動入賞口641に流入した遊技球は、流路642及び流路772を経て遊技機の外部へ排出される。
また、ベースフレーム部材601における左上部には、第2特別変動入賞装置39が取り付けられている。この第2特別変動入賞装置39は、上述したように一対の可動部材39c,39cを備えている。そして、この可動部材39c,39cを開閉駆動するための駆動装置をなす大入賞口ソレノイド39bを備えている。一対の可動部材39c,39cは、閉状態である場合において遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態となっているが、この遊技球の直径程度の間隔があいた部分の上方から右側の外周を囲むように規制壁39dが設けられており、閉状態では遊技球が流入できないようにされている。さらに、閉状態においては、規制壁39dと左側の可動部材39cが、第2特別変動入賞装置取付部605で途切れている装飾鎧部604と連続するように配され、装飾鎧部604と一体となって開口部600a側に遊技球が進入することを防止するようになっている。
一対の可動部材39c,39cが開状態となり、逆「ハ」の字状に開いた状態になると、左側の可動部材39c,39cと規制壁39dの左端との間から遊技球が流入可能となる。また、第2特別変動入賞装置(大入賞口)39の内部(入賞領域)には、流入した遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図21参照)が配設されている。第2特別変動入賞装置39に流入した遊技球は、裏面構成部材700に配された貯留球演出装置730へ誘導され、特図変動表示ゲームの演出に用いられるようになっている。
図5に示すように、裏面構成部材700は、前方に開口する凹室を有する制御ベースユニット710を備える。また、制御ベースユニット710の下方には、各種入賞口に入賞した遊技球の検出や排出のためのスイッチベースユニット790が配されている。さらに、制御ベースユニット710の後方にはメイン表示装置41を備える表示制御ユニット840が配されており、制御ベースユニット710の制御ベース部材720の後壁に形成された窓部721からメイン表示装置41の表示部41aが視認可能となるようにされている。
図6に示すように、制御ベースユニット710は、前方に開口する凹室を有するとともに後方のメイン表示装置41の表示部41aを視認可能とする窓部721が後壁に開口した制御ベース部材720を備え、この制御ベース部材720に種々の部材が取り付けられることで構成されている。制御ベース部材720の凹室内には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球による演出を行う球貯留ユニット740及び球演出ユニット750からなる貯留球演出装置730や入賞球演出装置770から排出される遊技球をスイッチベースユニット790へ誘導する排出球流路部材780が配されている。また、制御ベース部材720の凹室内には、第2特図1始動入賞口641へ入賞した遊技球を誘導するとともに揺動演出部材776による演出が可能な入賞球演出装置770、サブ表示装置801を備えるサブ表示ユニット800が配されている。
図5から8に示すように貯留球演出装置730は、第2特別変動入賞装置39に流入した遊技球を貯留するとともに所定のタイミングで排出する球貯留ユニット740と、球貯留ユニット740から排出された遊技球の転動態様による球演出を行う球演出ユニット750とを備える。
球貯留ユニット740は、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球を受け入れる導入口741aを供える導入流路741と、導入流路741から導入された遊技球を貯留する貯留流路742、貯留流路742から排出される遊技球を誘導する導出流路743、貯留流路742で貯留しきれない遊技球を排出するためのオーバーフロー流路744とを備える。これらの流路は何れも遊技球が一列で流下可能な筒状の流路となっている。
導入流路741は、導入口741aが第2特別変動入賞装置39に設けられた排出口と連通するように、第2特別変動入賞装置39の下方の位置で上方に開口するように配される。そして、ここから左方へ向けて遊技球を流下させるように延設され、窓部721の左方に垂直に配された貯留流路742に遊技球を誘導するようになっている(図2、図5参照)。
図7から図10に示すように貯留流路742は、下流側端部に遊技球の貯留と解除を制御するための貯留制御機構745を備える。この貯留制御機構745は、貯留制御ソレノイド745aにより貯留流路742の延在方向に対して垂直方向に動作されるストッパ部材745bを備えている。ストッパ部材745bは貯留制御ソレノイド745aにより、図9に示すように貯留流路742に形成された開口部742aから貯留流路742に進出して遊技球の流下を規制する貯留状態と、図10に示すように貯留流路742から退避して遊技球の流下を許容する許容状態と、に変換可能となっており、これにより遊技球の貯留と解除が制御されるようになっている。また、貯留流路742における貯留制御機構745が配設される部分の直上には、センサ収容部746が形成され、ここに貯留球の有無を検出する貯留球センサ746aが配設される。貯留球センサ746aの配設位置は、貯留球のうち最も下流側に位置する遊技球を検出可能な位置となっている。
すなわち、第2特別変動入賞装置39が遊技領域32を流下する遊技球が流入可能な入球口をなす。また、貯留流路742が、入球口に流入した遊技球を受け入れて貯留するとともに、該貯留された遊技球を放出することが可能な球貯留部をなす。また、貯留球センサ746aが、球貯留部に遊技球が貯留されているか否かを判定することが可能な貯留判定手段の一部をなす。
また、図7に示すように貯留流路742の上流側端部にはオーバーフロー流路744との分岐部742bが設けられ、貯留流路742で貯留しきれない遊技球は、オーバーフロー流路744へ誘導されるようになっている。なお、貯留流路742における貯留制御機構745が設けられた部分から分岐部742bまでの長さは、特図変動表示ゲームの演出で用いるのに必要な遊技球数(例えば6個)を貯留可能な長さとされている。図5に示すようにオーバーフロー流路744に流入した遊技球は、スイッチベースユニット790を経て遊技機10の外部に誘導されるようになっている。また、導出流路743は、貯留流路742の下流側端部から右方へ遊技球を誘導するように延設され、その下流側端部は球演出ユニット750の球見せ流路751に遊技球を流下させるように開口している。
図5に示すように球演出ユニット750は、制御ベース部材720の下部内周面に配設される排出球流路部材780の上部に配設される。この球演出ユニット750の配設位置は、メイン表示装置41の下部中央の前方となる位置であって、図2に示すように、メイン表示装置41の下部前方に配される透明な材質からなる区画壁631の後方となる位置であり、区画壁631を介して前方から視認可能となっている。図5から図8に示すようにこの球演出ユニット750は、球貯留ユニット740から排出された遊技球の流路等を形成する演出ステージ部材760と、遊技球を振り分ける演出回転体753と、演出回転体753を回転駆動する駆動機構755とを備える。
図7、図8に示すように演出ステージ部材760は、円弧状に湾曲したベース部761と、該ベース部761の上方に突出するように形成された回転体取付部766とを有する。ベース部761の上面の前側部分には、左端から回転体取付部766が形成された中央部にかけて、球貯留ユニット740の導出流路743から導出された遊技球を流下案内する球見せ流路751が形成されている。この球見せ流路751は、ベース部761の前端から遊技球の直径以上の間隔をおいて左右に延在するように立設された第1案内壁762により後壁が形成され、導出流路743から排出された遊技球を円弧状の傾斜面に沿って右方へ誘導するようになっている。なお、ベース部761は、前端がステージ部材620の後方に取り付けられる区画壁部材630の区画壁631(透明パネル部)に当接するように配され、球見せ流路751の前壁は、区画壁631により形成される。
また、球見せ流路751の下流側端部となる回転体取付部766の前方の位置には、右方へ流下する遊技球の流下方向を回転体取付部766に取り付けられた演出回転体753へ向かう後方へ変換する円弧状の第2案内壁763が立設されている。この第2案内壁763に案内された遊技球は、回転体取付部766の前方に形成された振分領域764に流入する。
振分領域764は、回転体取付部766、第1案内壁762及び隔壁765により囲まれた領域である。この振分領域764には、第2案内壁763により案内された遊技球が流入する流入部764aから前後方向に沿って延在する振分流路764bと、この振分流路764bの左右に形成された排出口764cと、を有する。また、振分流路764bの後方には、回転体取付部766に形成された特定流入口767aが位置しており、振分領域764に流入した遊技球は、排出口764cと特定流入口767aの何れかに流入するようになっている。なお、振分流路764bは流入部764aから後方へ下る傾斜を有するとともに中央を境に緩やかに左右に下る傾斜を有し、振分領域764に流入した遊技球が球見せ流路751に戻ることや振分領域764内で停留することがないようにされている。
図8に示すように回転体取付部766は、ベース部761上の中央後方部分に突出するように形成されている。この回転体取付部766には、円柱状の演出回転体753を収容する回転体収容部767が形成され、回転体収容部767の後方には演出回転体753を回転可能に保持する回転体保持部768が形成されている。図11に示すようにこの回転体収容部767及び回転体保持部768は、演出回転体753の回転軸754が前後方向に沿い、かつ、演出回転体753の回転軸754と、振分流路764bの延在方向(遊技機の前後方向に沿った方向)に沿った中心線とが、鉛直な同一面内に位置するように形成されている。
図8に示すように回転体収容部767は、演出回転体753の形状に合わせて円弧状に窪んだ形状に形成され、円弧状の窪みの最下部には特定流入口767aが形成されている。また、特定流入口767aには、ここに流入した遊技球を検出する特定球センサ752が取り付けられる。回転体保持部768は、演出回転体753の後面を覆うことのできる円盤状に形成され、中心には演出回転体753の回転軸を挿通して保持する軸受部768aが形成されている。また、回転体保持部768の前面には、軸受部768aを中心として放射状に複数のLED769aが配されたLED基板769が取り付けられており、光を透過可能な材質からなる演出回転体753を後方から照らして光による演出を行うことができるようにされている。
演出回転体753は円柱状に形成されており、中心を通る前後方向に沿った回転軸754により回転可能に軸支される(図11、図12参照)。この演出回転体753における前面の中心を挟んで対向する位置には、中心に向かって切欠状に窪んだ流入許容凹部753aが形成されている。この流入許容凹部753aは遊技球を収容可能な大きさに形成されている。
図7に示すように流入許容凹部753aが特定流入口767aと上下に一致して対向する状態では、振分流路764bを後方に向かって流下する遊技球の特定流入口767aへの流入が許容される。すなわちこの状態が許容状態となる。また、図12に示すように流入許容凹部753aが特定流入口767aの直上に一致しない状態では遊技球の特定流入口767aへの流入が規制されるようになっている。すなわちこの状態が規制状態となる。すなわち、演出回転体753を回転させることで、許容状態と規制状態とが切り替えられるようになっている。よって、演出回転体753が、特定領域(特定流入口767a)への遊技球の流入を規制する規制状態と該特定領域への遊技球の流入を許容する許容状態とに変換可能な流入規制部材をなす。
図8に示すように駆動機構755は、駆動モータ756と、該駆動モータ756の駆動軸756aに取り付けられた主導ギア755a、主導ギア755aにより回転駆動される従動ギア755bとを備える。従動ギア755bは、回転体保持部768の裏面側に配され、中心に演出回転体753の回転軸754が取り付けられるようになっており、駆動モータ756を駆動することにより演出回転体753を回転駆動できるようになっている。
このような構成を有する貯留球演出装置730は、第2特別変動入賞装置39に流入した遊技球を球貯留ユニット740の貯留流路742で貯留する。そして、特図変動表示ゲームの進行に応じた所定のタイミングで演出ボタン25が操作されることに基づき貯留制御ソレノイド745aが動作され、貯留していた1個の遊技球が球演出ユニット750へ排出される。排出された遊技球は、球見せ流路751を通り振分領域764に流入し、演出回転体753の動作状態により特定流入口767a又は排出口764cに流入する。そして、遊技球が特定流入口767a流入することに応じて所定の演出が行われるようになっている。すなわち、球演出ユニット750が、球貯留部(貯留流路742)から放出された遊技球を転動させて特定領域(特定流入口767a)に流入するか否かの球演出を行うことが可能な球演出部をなす。
図13、図14に示すように入賞球演出装置770は、第2特図1始動入賞口641へ入賞した遊技球を誘導する入賞球流路部材771と、入賞球流路部材771を流下する遊技球による演出を行う揺動演出部材776とを備える。入賞球流路部材771は、遊技球が一列で流下可能となるように筒状に形成された屈曲した流路772を有する。図5に示すようにこの流路772は、上流側端部772aが第2特図1始動入賞口641を形成する始動口形成部材640の流路642の下流側端部と連通するように前方に開口するように配され、ここから流入した遊技球をメイン表示装置41の近傍まで後方へ向けて誘導した後に下方へ向けて誘導するように配設される。
図13に示すように入賞球流路部材771における流路772が屈曲した部分には、流路772内を流下する遊技球の作用により揺動することで演出を行う揺動演出部材776を支持する支持部773が形成されている。この支持部773は、流路772の上方へ延出するように形成され、制御ベース部材720に入賞球演出装置770を配設した際に、流路772よりもメイン表示装置41側となる部分に、揺動演出部材776の揺動中心となる揺動軸777を回動可能に支持する軸支部773aが形成されている。また、軸支部773aに近接して揺動演出部材776の揺動範囲を規制するストッパ部773bが形成されている。
また、入賞球流路部材771における流路772が屈曲した部分の直下には、センサ収容部774が形成され、ここに流路772を流下する遊技球を検出する通過検出センサ774aが取り付けられる。さらに、センサ収容部774の下方であって、制御ベース部材720に入賞球演出装置770を配設した際にメイン表示装置41側となる部分には、流路772の内外に貫通する進入開口775が形成されている。
揺動演出部材776は足の形を模した形状をしている。この揺動演出部材776の裏面上部には、前後方向に沿って後方へ向けて延出する揺動軸777が配されており、この揺動軸777が支持部773の軸支部773aにより回動可能に支持されることで、揺動演出部材776が揺動軸777を中心としてメイン表示装置41の表示部41a(表示面)に沿う方向に揺動可能となる。また、揺動演出部材776の下部であって流路772側に配される部分には、側方へ延出する球受部(衝接部)776aが形成されている。この球受部776aは、進入開口775を介して流路内に突出可能となっている。さらに、揺動演出部材776の上端部には、支持部773に形成されたストッパ部773bに当接することで揺動演出部材776の揺動範囲を規制するストッパ受部776bが上方に延出するように形成されている。
図14に示すように揺動演出部材776は、揺動していない状態において球受部776aが進入開口775を介して流路内に突出するような重心位置となっている。そして、流路772を流下する遊技球が球受部776aに衝突することで、揺動演出部材776の下部に流路772から離れる方向に向かう力がかかり、これを契機に揺動軸777を中心として揺動するようになっている。これにより、第2特図1始動入賞口641への入賞を揺動演出部材776の動作により演出することができる。また、揺動演出部材776の下部が流路772から離れる方向に向けて所定角度回動すると、ストッパ受部776bがストッパ部773bに当接し、これ以上の流路772から離れる方向への回動を規制するようになっている。
このように、揺動演出部材776を揺動動作することで遊技者の注目を集め易くなり、遊技球の入賞に対する演出効果を高めることができ、例えば、遊技価値が付与(賞球の付与や始動記憶の発生)される入賞口に遊技球が流入したことを効果的に遊技者に認識させることができる。また、表示面に沿う方向に動作するので揺動演出部材776の揺動動作を遊技者に視認させ易くなるとともに、表示面での演出を揺動演出部材776の動作に合わせ易くなる。
すなわち、第2特図1始動入賞口641が、遊技領域32を流下する遊技球が流入可能な球流入部をなし、流路772が球流入部に流入した流入球を流下させる球流路部をなす。また、揺動演出部材776が、流入球が衝突することで表示部41aの前方で動作可能な可動部材をなし、始動口3スイッチ644、通過検出センサ774aが、可動部材に衝突する前の流入球を検出可能な球検出部をなす。
図5、図6、図15に示すように排出球流路部材780は、各種部材を保持するとともに、貯留球演出装置730や入賞球演出装置770から排出される遊技球をスイッチベースユニット790へ誘導する流路を形成する。図6に示すように排出球流路部材780の中央及び右側部分は、球演出ユニット750を配設する配設部781とされており、その上面は球演出ユニット750における演出ステージ部材760の円弧状に形成されたベース部761に合わせた円弧状となっている。この配設部781には、球演出ユニット750の特定流入口767a及び排出口764cに流入した遊技球を受け入れる演出球導入部781aが形成されている。この演出球導入部781aは、受け入れた遊技球を左方の集約部786へ誘導するように底面が左側に下る傾斜面となっている。
また、排出球流路部材780の左側部分は、貯留球演出装置730のオーバーフロー流路744から排出される遊技球や、入賞球演出装置770から排出される遊技球を案内する流路形成部782とされている。この流路形成部782の上面には、入賞球演出装置770の流路772から排出された遊技球を受け入れる入賞球導入部783が形成され、流路772の下流側端部がここに接続されるようになっている。また、流路形成部782の上面置ける入賞球導入部783よりも左方には、オーバーフロー流路744から排出された遊技球を受け入れるオーバーフロー球導入部784が形成されており、オーバーフロー流路785の下流側端部がここに接続されるようになっている。
オーバーフロー球導入部784から導入された遊技球は、右方に向けて下るように傾斜したオーバーフロー流路785を流下し、集約部786へ誘導される。また、入賞球導入部783から導入された遊技球は下方に誘導されてオーバーフロー流路785に流入し、集約部786へ誘導される。また、制御ベース部材720の下部壁には、集約部786に対応して切欠部722が形成されており、図15に示すように集約部786に集約された遊技球は切欠部722を通ってスイッチベースユニット790へ流下するようになっている。
図15に示すようにスイッチベースユニット790は、各種部材を取り付けるとともに、スイッチベースユニット790を遊技盤本体30aの裏面に固定するためのスイッチベース部材791を備える。このスイッチベース部材791の左右端部及び下端部にはそれぞれ遊技盤本体30aの裏面に接合される取り付け部792が形成されている。また、スイッチベース部材791の裏面側には中継基板や遊技制御装置100が取り付けられている。
スイッチベース部材791の前面左部には、遊技盤30の中央より左側に設けられた一般入賞口35に流入した遊技球や、排出球流路部材780の集約部786からの遊技球を流下案内する左入賞球流路部材793が取り付けられている。また、スイッチベース部材791の前面右部には、遊技盤30の中央より右側に設けられた一般入賞口35に流入した遊技球や、普通変動入賞装置37に流入した遊技球を流下案内する右入賞球流路部材794が取り付けられている。
左入賞球流路部材793は、遊技盤30の中央より左側に設けられた3つの一般入賞口35のそれぞれに対応して、当該一般入賞口35に流入し、遊技盤30の裏面側へ誘導された遊技球を受け入れる導入部793aと、各導入部793aに流入した遊技球を集約して外部へ誘導する集約流路793bとを備える。集約流路793bには、流下する遊技球を検出する入賞口スイッチ35aが設けられており、これにより左側の一般入賞口35への入賞が検出される。集約流路793bを流下する遊技球は、スイッチベースユニット790の下方へ案内され、図示しない排出流路を経由して遊技機の外部へ誘導される。
また、左入賞球流路部材793には、排出球流路部材780の集約部786からの遊技球を流下させる排出球流路793cが形成されている。この排出球流路793cは、上流側端部が制御ベース部材720の切欠部722の下部に一致するように配されて排出球流路部材780の集約部786と連通するようになっており、ここから下方に向けて遊技球を誘導する。この排出球流路793cには遊技球を検出するセンサは設けられていない。排出球流路793cを流下する遊技球は、スイッチベースユニット790の下方へ案内され、図示しない排出流路を経由して遊技機の外部へ誘導される。
右入賞球流路部材794は、遊技盤30の中央より右側に設けられた一般入賞口35に対応して、当該一般入賞口35に流入し、遊技盤30の裏面側へ誘導された遊技球を受け入れる導入部794aと、導入部794aに流入した遊技球を外部へ誘導する誘導流路794bとを備える。導入部794aと誘導流路794bの連通部分には、流下する遊技球を検出する入賞口スイッチ35aが設けられており、これにより右側の一般入賞口35への入賞が検出される。
また、右入賞球流路部材794には、普通変動入賞装置37に流入した遊技球を流下させる入賞球流路794cが形成されている。この入賞球流路794cには、流下する遊技球を検出する始動口2スイッチ37aが設けられており、これにより普通変動入賞装置37への入賞が検出される。入賞球流路794cは誘導流路794bと合流し、合流した遊技球は、スイッチベースユニット790の下方へ案内され、図示しない排出流路を経由して遊技機の外部へ誘導される。
また、スイッチベース部材の前面中央部には、第1特図1始動入賞口36や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38の後部を収納する後方へ窪んだ収納部795が形成されている。また、第1特図1始動入賞口36や第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球は、収納部795内の流路を経てスイッチベースユニット790の下方へ案内され、図示しない排出流路を経由して遊技機の外部へ誘導される。
図16から図20に示すようにサブ表示ユニット800は、サブ表示装置801と、サブ表示装置801を保持するとともに回転駆動する回転駆動部810と、回転駆動部810を保持するとともにスライド移動させるスライド機構820とを備える。このサブ表示ユニット800は、図5に示すようにスライド機構820が制御ベース部材720の凹室内の上部に取り付けられることで所定の位置に配設される。
図17、図18に示すようにサブ表示装置801は、LCD(液晶表示器)等の表示装置を備え、一方の面(表面)に画像を表示する表示部802が臨んでいる。このサブ表示装置801は、表裏一側を前方に向けた状態において、メイン表示装置41に設定される変動表示領域42a、42b、42cの一つを遮蔽可能な大きさとなっている。また、サブ表示装置801における表示部802が位置する表側と対向する裏側には装飾が施されている。すなわち装飾部とされている。サブ表示装置801の上端部には、サブ表示装置801が回転可能に保持されるようにするための軸部803が上方へ延出するように形成されている。このサブ表示装置801の上方には、軸部803を保持するとともに軸部803を中心としてサブ表示装置801を回転させる回転駆動部810が配されている。
回転駆動部810は、回転ベース部材811、カバー部材812及び蓋部材813により構成される空間内に、サブ表示装置801の保持及び回転を行う回転機構が収容されている。回転ベース部材811は円形の底面811aを有し、該底面811aの周囲を囲むように底面811aに対して垂直に上方へ延出する周壁811bが形成されている。また、底面811aの中央にはサブ表示装置801の軸部803を挿通する挿通部811cが形成されている。
カバー部材812は、上方へ向けて内径が狭まるように形成された上下に貫通する筒状の部材で、内部に駆動モータ814の取付部814bと連結され、駆動モータ814を固定するための取付用ボス812aが形成されている。このカバー部材812の下端部は、回転ベース部材811の周壁811bの上端部にちょうど重なる大きさに形成され、嵌合やビス止め等の適当な接合方法によりカバー部材812と回転ベース部材811を接合した際に、段差無く接合されるようになっている。
蓋部材813は、カバー部材812の上端部と同じ大きさに形成され、上端部の開口を閉鎖可能な閉鎖部813aと、該閉鎖部813aの前端部から垂直に上方へ延出するように形成された連結部813bとを備える。連結部813bの後面には、スライド機構820の連結ピン822bを接合する連結受部813cが形成されており、これによりスライド機構820と回転駆動部810が連結される。
回転機構は、駆動モータ814と、該駆動モータ814により回転駆動される回転部材815、回転部材815の回転ベース部材811に対する回転を容易にする複数のベアリング球816を備える。回転部材815は円盤状の部材で、中央にサブ表示装置801の軸部803を挿通して保持する軸保持部815aが形成されている。また、回転部材815の上面には、軸保持部815aを中心としたギア部815bが形成され、このギア部815bが駆動モータ814のギア814cと噛み合うことで、駆動モータ814の駆動に伴い回転部材815が回転するようになっている。また、回転部材815の下面にはベアリング球816を回転可能に保持する保持部815cが形成され、回転部材815はベアリング球816を介して回転ベース部材811の内側の底面811a上に配される。
図19、図20に示すように、スライド機構820は、内部に各種部材を収容する箱状のスライド機構ベース821と、回転駆動部810と連結されるラック部材822と、ラック部材822をスライド駆動する駆動モータ824とを備える。
スライド機構ベース821の前面には、内部に収容されるラック部材822に形成された連結ピン822bを前方へ露出させるとともに左右方向への移動を案内するための、前後に貫通し左右方向に延在するスリット部821aが形成されている。このスリット部821aを介して前方に露出した連結ピン822bと回転駆動部810の蓋部材813に形成された連結受部813cが結合されるようになっている。
また、スリット部821aの上方には、装飾パネル825を取り付けるパネル取付部821bが形成されている。ここに取り付けられる装飾パネル825は矩形板状であって、前面には装飾(ここでは遊技機の名称等)が施され遊技機の装飾を行うためのものである。また、この装飾パネル825は、スリット部821aの前方を覆うように取り付けられ、スリット部821aが遊技者から見えないようにする機能も有する。また、パネル取付部821bは、スライド機構ベース821の前面から前方に突出するように形成されており、スライド機構ベース821の前面と装飾パネル825の裏面との間に回転駆動部810の連結部813bを通過させることのできる間隔を形成するようになっている。なお、スリット部821aの右端部近傍は装飾パネル825では覆われないが、包囲枠体40の装飾部材により覆われ、遊技者から見えないようになっている(図2参照)。
また、スライド機構ベース821の左側面には左右に貫通する挿通孔821cが形成されている。この挿通孔821cは、ラック部材822を挿通可能な大きさに形成されており、ラック部材822が左方へスライド移動された際にこの挿通孔821cを通ってスライド機構ベース821の外部に露出するようになっている。なお、挿通孔821cから左方に突出したラック部材822は、第2特別変動入賞装置39の後方及び遊技盤本体30aの後方に位置するようになっており、遊技者からは見えないようにされている(図2参照)。
スライド機構ベース821の内部に配されるラック部材822は長尺な板状であって、一側面に駆動モータ824のピニオン824aと噛み合う歯822aが形成されている。また、歯822aが形成された面と対向する面における延在方向の端部には、回転駆動部810と連結するための連結ピン822bが面に対して垂直に突出するように形成されている。さらに、連結ピン822bが形成された部分には、検出センサ823によりラック部材822の初期位置を検出可能とするための遮光板822cが形成されている。
スライド機構ベース821の内部にはラック部材822の配設位置を規定するとともにスライド方向に案内するための図示しない配設部が形成されている。この配設部により、図20に示すようにラック部材822は、歯822aが形成された面を後面とするような向きで左右方向に沿って延在するように配設される。これにより、駆動モータ824のピニオン824aと歯822aが噛み合い、駆動モータ824の駆動によりラック部材822が左右方向に沿ってスライド可能となる。
また、このような配設位置に配設された状態では、ラック部材822における前面となる面に形成された連結ピン822bは、延在方向における右端に位置するように配設され、さらに、スリット部821aを通ってスライド機構ベース821の前方へ延出するような位置に配設される。また、挿通孔821cとラック部材822の位置が一致するように配設され、ラック部材822を左方にスライド移動させた場合に、ラック部材822が挿通孔821cを通過可能となる。
検出センサ823は、発光部823aと受光部823bとが対向して配された光センサで、受光部823bにおける発光部823aからの光の検出の有無を信号として出力するものである。この検出センサ823は、スライド機構ベース821の内部であって、図20に示すようにラック部材822が移動範囲の右端である初期位置にある際に遮光板822cが発光部823aと受光部823bの間に配されるような位置に取り付けられている。すなわち、ラック部材822が初期位置にある場合は遮光板822cが受光部823bと発光部823aとの間に位置して光を検出できない状態となり、ラック部材822が初期位置にない場合は遮光板822cが受光部823bと発光部823aとの間から退避して発光部823aからの光を検出可能な状態となる。これにより、検出センサ823によりラック部材822が初期位置にあるか否かを検出することが可能となる。
以上のような構成を有するサブ表示ユニット800は、図2に示すように初期状態ではサブ表示装置801が表示部802を前側に向けた状態でメイン表示装置41の右方であって、メイン表示装置41と前後に重ならない位置形成された待機領域830に配される。この状態では、スライド機構820がラック部材822を初期位置に配した状態としているとともに、回転駆動部810がサブ表示装置801を初期位置に配した状態としている。そして、待機領域830にある状態から特図変動表示ゲームの進行に応じて、図20に示すようにスライド機構820によりサブ表示装置801を回転駆動部810とともに左方へ移動してメイン表示装置41の前方に重なる状態とすることが可能である。さらに、回転駆動部810により、サブ表示装置801をメイン表示装置41の前方において表裏を反転させるように回転することが可能である。スライド機構820による移動と回転駆動部810による回転は独立して制御可能であり、これらの動作を組み合わせて種々の演出動作を実現することができる。例えば、サブ表示装置801を移動先で表裏反転させることができるため、サブ表示装置801による演出効果を効率的に向上させ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
ここで、待機領域830の広さは、サブ表示装置801を回転させて表側と裏側とを反転させることができない広さとされており、この待機領域830からのスライド移動により回転が可能な位置に移動してから回転を行うように回転駆動部810が制御される。このようにすることで、待機領域830の広さを狭くすることができ、遊技盤30のスペースを効率よく使用することが可能となる。なお、待機領域830の広さを、サブ表示装置801を回転させて表側と裏側とを反転させることができる広さとし、待機領域830内で回転するようにしても良い。
すなわち、スライド機構820が、メイン表示装置41の表示部41aの前方でサブ表示装置801を移動させることが可能な移動手段をなす。また、回転駆動部810が、移動手段(スライド機構820)による移動後の位置でサブ表示装置801の表側と裏側とを反転させることが可能な表裏反転手段をなす。なお、回転駆動部810が、サブ表示装置801を表側が視認可能となる第1状態と裏側が視認可能となる第2状態とに変換することが可能な状態変換手段をなすとも言える。
なお、サブ表示装置801に接続される通信線については図示を省略したが、遊技者から見えないように配設することが好ましい。例えば、表示部802の裏面に接続される配線を、軸部803内に形成した空間を通し、カバー部材812及び蓋部材813により構成される空間内に配設する。さらに、ここから蓋部材813における閉鎖部813aに形成した挿通孔を介して連結部813bの後ろ側に配設し、スリット部821aを通して遊技盤30の裏面側へ配設するようにする。
図21は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチに接続されたインタフェースチップ(I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111C、個別ICレジスタ111Dを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域42a、42b、42cによる変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域42a、42b、42cの表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域42a、42b、42cの各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域42a、42cで、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域42a、42b、42cの変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ、プレミアリーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。また、遊技用マイコン111は、電源投入時や、大当り時などのイベント発生時、磁石や電波等による不正の検出時に個別IDレジスタ111Dに記憶されたIDを、情報伝達部71から出力する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットと電気的に接続されていることを条件に発射装置を制御する発射制御装置201に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
遊技用マイコン111の入力部120には、第1特図1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2特図1始動入賞口641内の始動口3スイッチ644、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aが近接I/F121を介して接続される。近接I/F121は、接続されるスイッチが近接スイッチである場合に、スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップである。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644の検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644からの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2特図1始動入賞口641内の始動口3スイッチ644、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39b、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。情報伝達部(外部情報端子板)71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38b、39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置1000へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置1000との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図22を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従ってメイン表示装置41やサブ表示装置801への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式でメイン表示装置41やサブ表示装置801へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へはメイン表示装置41やサブ表示装置801の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像をメイン表示装置41やサブ表示装置801に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。すなわち、演出制御装置300が、メイン表示装置41及びサブ表示装置801における表示を制御する表示制御手段をなす。なお、サブ表示装置801に補助演出を表示させることが可能な補助演出制御手段をなすとも言える。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド、エラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(包囲枠体40を含む)に設けられているLEDを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332が設けられている。また、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(包囲枠体40を含む)に設けられている盤演出装置44(演出回転体753を駆動する駆動モータ756、球貯留ユニット740の貯留制御ソレノイド745a、サブ表示ユニット800における回転機構の駆動モータ814やスライド機構820の駆動モータ824等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置45(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。すなわち、演出制御装置300が、流入規制部材(演出回転体753)の動作を制御することが可能な動作制御手段をなすとともに、移動手段(スライド機構820)及び表裏反転手段(回転駆動部810)や状態変換手段(回転駆動部810)によるサブ表示装置801の動作を制御する動作制御手段をなす。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44の各種スイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。なお、盤演出装置44の各種スイッチには、貯留球演出装置730の貯留球センサ746aや特定球センサ752、サブ表示ユニット800における回転機構の初期位置を検出するセンサ(図示略)やスライド機構820の初期位置を検出する検出センサ823、入賞球演出装置770の通過検出センサ774a等が含まれる。また、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b,37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36a又は第2特図1始動入賞口641内の始動口3スイッチ644からの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、メイン表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光、サブ表示装置801の表示及び動作、貯留球演出装置730や入賞球演出装置770での演出に関連した演出の実行を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38c又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の可動部材39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回や2回など)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態(確率変動状態)を発生可能となっている。この高確率状態(確率変動状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態(確率変動状態)となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態(確率変動状態)となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000ミリ秒が600ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604ミリ秒が704ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、300ミリ秒が800ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。なお、以下の説明や図中では、時短状態を特定遊技状態や普電サポート状態又は電サポ状態と称することがある。なお、普図低確率状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図当り確率が0)しても良いし、0.3秒間の開放を行う確率よりも低い確率で5秒間の開放をさせても良い。
次に、遊技機10の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に、図23及び図24に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば、4ミリ秒)で行われる図25に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、遊技機10の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図23に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次いで、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため、例えば4ミリ秒の時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、遊技機10の電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。次いで、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態に設定するOFFデータを出力する(ステップS6,S7)。次いで、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
次いで、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9で、初期化スイッチがOFFと判定した場合(ステップS9;No)には、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかをチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11で、停電検査領域1の値が正常であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかをチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13で、停電検査領域2の値が正常であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、チェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16で、チェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図24のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)や、ステップS11又はステップS13で停電検査領域の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No又はステップS13;No)、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図24のステップS24へ移行して、初期化の処理を行う。
図24のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次いで、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20で、高確率状態でないと判定した場合(ステップS20;No)には、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
一方、ステップS20で、高確率状態であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(確率状態表示部)をON(点灯)させるONデータをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。次いで、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。次いで、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
ステップS29では、個別IDレジスタ111Dから個体識別情報を取得してシリアル通信回路にセットし、情報伝達部71から出力する処理を行う。次いで、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う(ステップS30)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS30のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS31)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。次いで、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS32)、割込みを許可する(ステップS33)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
次いで、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS34)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS34の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS35)、停電監視信号がONであるか否かの判定を行う(ステップS36)。ステップS36で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS36;No)には、初期値乱数更新処理(ステップS34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS34)の前に割り込みを許可する(ステップS33)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS34での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、ステップS36で、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS36;Yes)には、ステップS35で設定したチェック回数の分だけ停電監視信号のON状態が継続しているか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37で、継続していないと判定した場合(ステップS37;No)には、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS36)に戻る。一方、ステップS37で、継続していると判定した場合(ステップS37;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS39)を行う。
次いで、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS40)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS41)。次いで、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS42)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS43)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。CPU111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図25のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次いで、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ644、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aなど)からの入力の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。次いで、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b,39b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次いで、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。次いで、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ644、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。次いで、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次いで、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)、振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する振動不正監視処理(ステップS62)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS63)を行う。次いで、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS64)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS65)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS66)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644の入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図26に示すように、特図ゲーム処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。この始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす第1特図1始動入賞口36及び第2特図1始動入賞口641、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次いで、カウントスイッチ監視処理1(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理1では、第1特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aのカウント数を監視する処理を行う。
次いで、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしているか、又は、当該特図ゲーム処理タイマの更新(−1)によりタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。次いで、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
次いで、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。次いで、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図27に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、第1始動口(第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
次いで、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(ステップA113)。ステップA113で、普通電動役物が作動中であると判定した場合(ステップA113;Yes)には、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113で、普通電動役物が作動中でないと判定した場合(ステップA113;No)には、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA115)。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上でないと判定した場合(ステップA115;No)には、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。一方、ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定した場合(ステップA115;Yes)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644からの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図28に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるかをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA202)。ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力がないと判定した場合(ステップA202;No)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力があると判定した場合(ステップA202;Yes)には、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
次いで、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。次いで、始動口信号出力回数を更新(+1)して出力回数がオーバーフローするかをチェックし(ステップA206)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA207)。ステップA207で、出力回数がオーバーフローしないと判定した場合(ステップA207;No)には、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207で、出力回数がオーバーフローすると判定した場合(ステップA207;Yes)には、処理をステップA209に移行する。
そして、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する(ステップA210)。
ステップA210で、特図保留数が上限値未満であると判定した場合(ステップA210;Yes)には、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA215)を行う。次いで、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ644のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA216)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA217)、コマンド設定処理(ステップA218)を行う。次いで、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出して(ステップA219)、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA220)。
次いで、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA221)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA222)。次いで、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブし(ステップA223、A224、A225)、特図保留情報判定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210で、特図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップA210;No)には、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36a又は始動口3スイッチ644の入力であるかをチェックして(ステップA211)、始動口1スイッチ36a又は始動口3スイッチ644の入力であるか否かを判定する(ステップA212)。ステップA212で、始動口1スイッチ36a又は始動口3スイッチ644の入力であると判定した場合(ステップA212;Yes)には、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA212で、始動口1スイッチ36a又は始動口3スイッチ644の入力でないと判定した場合(ステップA212;No)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞口(第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて乱数を抽出して変動表示ゲームを実行するための始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA226)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図29に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口2の入賞(普通変動入賞装置37への入賞)であるか否かを判定する(ステップA231)。ステップA231で、始動口2の入賞であると判定した場合(ステップA231;Yes)には、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定を行う(ステップA233)。一方、ステップA231で、始動口2の入賞でないと判定した場合(ステップA231;No)には、電サポ(時短状態)又は大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する(ステップA232)。
ステップA232で、電サポ又は大当り中であると判定した場合(ステップA232;Yes)には、特図保留情報判定処理を終了する。一方、ステップA232で、電サポ又は大当り中でないと判定した場合(ステップA232;No)には、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定を行う(ステップA233)。
ステップA233で、高確率時であると判定した場合(ステップA233;Yes)には、高確率時の判定値を設定し(ステップA234)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA236)。そして、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かによって大当りであるか否かを判定する(ステップA237)。一方、ステップA233で、高確率時でないと判定した場合(ステップA233;No)には、低確率時(通常確率状態)の判定値を設定し(ステップA235)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA236)。そして、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かによって大当りであるか否かを判定する(ステップA237)。
ステップA237で、大当りであると判定した場合(ステップA237;Yes)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブル(図31参照)を設定し(ステップA238)、対象の大当り図柄乱数をロードする(ステップA239)。その後、設定した大当り図柄情報テーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得し(ステップA240)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA242)、コマンド設定処理を行う(ステップA243)。図柄情報コマンドには、特図始動記憶が第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641及び普通変動入賞装置37の何れに入賞することで発生したものかの情報が含まれる。一方、ステップA237で、大当りでないと判定した場合(ステップA237;No)には、はずれ図柄情報を取得し(ステップA241)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA242)、コマンド設定処理を行う(ステップA243)。
次いで、対象の変動パターン乱数1をロードし(ステップA244)、対象の変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備して(ステップA245)、コマンド設定処理を行い(ステップA246)、特図保留情報判定処理を終了する。この処理により、始動記憶の発生に基づき、演出制御装置300に対して飾り特図保留数コマンドが送信され、その後、事前判定情報(事前判定コマンド)として特図種別・図柄情報コマンドと変動パターン乱数コマンドとが送信される。そして、演出制御装置300では、飾り特図保留数コマンドに基づき特図始動記憶数を増加し、図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドに基づき事前演出(先読み演出)を行う。
すなわち、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができる。そして、演出制御装置300は、メイン表示装置41に表示される保留表示47を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。よって、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶された乱数を当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段をなす。
ここで、秘匿性を高める必要がある(結果に影響を及ぼす)大当り乱数及び大当り図柄乱数については、判定後の結果情報を図柄情報コマンドとして演出制御装置300に送信している。これに対して秘匿性を高める必要のない(結果に影響を及ぼさない)変動パターン乱数については変動パターン乱数コマンドとして、乱数値のまま、若しくは、乱数値を示す情報に変換して演出制御装置300に送信するようにしている。なお、変動パターン乱数1は後半変動のリーチ系統(変動グループ)を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動を選択するための乱数である。事前判定時点ではリーチ系統さえ演出制御装置300側に伝達できれば良いので、変動パターン乱数1に関する情報を送信すれば良い。
なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。また、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3を変動パターン乱数コマンドに含めるようにしても良いし、変動パターン乱数コマンドに代えて変動パターン乱数1〜3により判定した変動パターンを示すコマンドを送信するようにしても良い。すなわち、変動パターン乱数1〜3を全て演出制御装置300に送信しても良いし、変動開始時のように変動パターンを決定してから変動パターン番号を演出制御装置300に送信するようにしても良い。
〔特図普段処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図30に示すように、特図普段処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるかをチェックして(ステップA301)、特図2保留数が0であるか否かを判定する(ステップA302)。ステップA302で、特図2保留数が0であると判定した場合(ステップA302;Yes)には、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるかをチェックして(ステップA303)、特図1保留数が0であるか否かを判定する(ステップA304)。ステップA304で、特図1保留数が0であると判定した場合(ステップA304;Yes)には、既に客待ちデモが開始されているかをチェックして(ステップA305)、既に客待ちデモが開始されているか否か、すなわち、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定する(ステップA306)。
ステップA306で、客待ちデモが開始済みでないと判定した場合(ステップA306;No)には、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップA307)。そして、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)、特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA306で、客待ちデモが開始済みであると判定した場合(ステップA306;Yes)には、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグがセーブ(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。この特図普段処理移行設定処理1では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
また、ステップA302で特図2保留数が0でないと判定した場合(ステップA302;No)や、ステップA304で特図1保留数が0でないと判定した場合(ステップA304;No)には、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグにはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理(ステップA311)を行う。
次いで、特図停止図柄(図柄情報)の設定に係る処理、具体的には、大当りフラグの有無及び図柄乱数に基づいて特図停止図柄を決定する処理である特図停止図柄設定処理(ステップA312)を行った後、設定された特図停止図柄の特図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA313)、図柄情報を特図(特図1又は特図2)に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA314)。
次いで、特図(特図1又は特図2)に対応する特図変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA315)、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備する(ステップA316)。次いで、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA317)、変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA318)を行う。この変動開始情報設定処理では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、メイン表示装置41に表示される保留表示47に係る飾り特図保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
次いで、特図変動中処理移行設定処理(ステップA319)を行って、特図普段処理を終了する。この特図変動中処理移行設定処理では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号又は第2特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)又は特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行う。
このように、ステップA301とステップA302における特図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、第2始動記憶に基づく大当りフラグ設定処理(ステップA311)から特図変動中処理移行設定処理(ステップA319)が実行され、特図2保留数が0であり特図1保留数が0でない場合には、第1始動記憶に基づく大当りフラグ設定処理(ステップA311)から特図変動中処理移行設定処理(ステップA319)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
図31には、結果が特別結果(大当り)である場合に特別結果の種類を決定するための大当り図柄情報テーブルを示した。図31(a)は第1特図変動表示ゲームに対応する大当り図柄情報テーブルであり、図31(b)は第2特図変動表示ゲームに対応する大当り図柄情報テーブルである。
特別結果には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値等の遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では始動口への遊技球の入賞に基づき抽出された大当り図柄乱数に基づき特別結果を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき特別遊技状態の実行態様や付加遊技価値の量が決定されるといえる。本実施形態の遊技機10における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放可能時間(すなわち、特別遊技状態で獲得可能な遊技球(賞球)の数)や開放する大入賞口の種類(上AT(第2特別変動入賞装置39)、下AT(第1特別変動入賞装置38))である。また、付加遊技価値とは、特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を高確率状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とすることである。また、大当り図柄乱数に基づいて、特別遊技状態の終了後に確率状態を報知する(確率明瞭)か報知しない(確率曖昧)かも決定される。
大当り図柄乱数が1から20である場合には、上AT(第2特別変動入賞装置39)の開放が選択される。この場合、一のラウンド(R)において所定の閉鎖時間を挟んで3回の開放が行われるようになっており、例えば3ラウンドを実行する場合は9回の開放が行われる。後述するように、上AT(第2特別変動入賞装置39)が開放される特別結果となる特図変動表示ゲームでは、この開放回数を示唆する補助ゲームが行われる。ただし、補助ゲームにおいては実際の開放回数よりも少ない開放回数が示唆される場合もある。
これらの大当りのうち、確変3R大当りと確変12R大当り、確変6R大当りと確変9R大当りは、それぞれ飾り特図変動表示ゲームの結果態様が共通である。これらは特図1表示器51、特図2表示器52の表示態様でのみ判別可能であり、何れの大当りであるかが識別し難くされている。これにより、特別遊技状態中において、補助ゲームで示唆された開放回数よりも多い開放回数となることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めるようにしている。
また、大当り図柄乱数が31から35である場合(確変2R大当り)と、大当り図柄乱数が46から50である場合(通常2R大当り)は、特別遊技状態の終了後に確率状態を明確に報知しない確率曖昧状態となる。これらの大当りでは、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が共通であり、特別遊技状態の実行態様も同一である。これらは特図1表示器51、特図2表示器52の表示態様でのみ判別可能であり、何れの大当りであるかが識別し難くされている。これにより、確率曖昧状態において高確率状態であることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めるようにしている。また、特別結果の振り分けは、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームの方が遊技者にとって有利な特別結果が選択される確率が高くなるようにされている。
すなわち、特別結果態様には、第1の特別結果態様と、該第1の特別結果態様よりも遊技者に有利な第2の特別結果態様があり、第1の特別結果態様と第2の特別結果態様とは、飾り特図変動表示ゲームにおける複数の識別情報の組合せ態様が共通となっている。遊技者に有利とは、特別遊技状態で獲得可能な遊技球(賞球)の数が多いことや、特別遊技状態の終了後に始動入賞領域への入賞が容易になること(いわゆる時短状態が発生すること)、特別遊技状態の終了後に変動表示ゲームで特別結果が導出される確率が高くなること(いわゆる確変状態が発生すること)などである。
上述の特別結果態様のうち、確変2R大当り及び通常2R大当りについては、通常2R大当りの結果態様が第1の特別結果態様をなし、特別遊技状態の終了後に変動表示ゲームで特別結果が導出される確率が高くなる確変状態が発生する確変2R大当りの結果態様が第1の特別結果態様よりも遊技者に有利な第2の特別結果態様をなす。
また、確変3R大当りと確変12R大当りについては、確変3R大当りの結果態様が第1の特別結果態様をなし、特別遊技状態での開放回数が多い確変12R大当りの結果態様が第1の特別結果態様よりも遊技者に有利な第2の特別結果態様をなす。さらに、確変6R大当りと確変9R大当りについては、確変6R大当りの結果態様が第1の特別結果態様をなし、特別遊技状態での開放回数が多い確変9R大当りの結果態様が第1の特別結果態様よりも遊技者に有利な第2の特別結果態様をなす。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述の特図普段処理における変動パターン設定処理(ステップA317)の詳細について説明する。図32に示すように、変動パターン設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であるかをチェックして(ステップA321)、はずれ図柄情報であるか否かを判定する(ステップA322)。
ステップA322で、はずれ図柄情報であると判定した場合(ステップA322;Yes)には、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブル(図34、図35参照)を準備して(ステップA323)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA325)。一方、ステップA322で、はずれ図柄情報でないと判定した場合(ステップA322;No)には、特図(特図1又は特図2)に対応する大当り時の変動グループ選択テーブル(図33参照)を準備して(ステップA324)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA325)。
次いで、2バイト振り分け処理(ステップA326)を行い、振り分けた結果得られたリーチ系統のアドレスを取得して準備する(ステップA327)。次いで、対象の領域から変動パターン乱数2をロードして準備し(ステップA328)、振り分け処理(ステップA329)を行って、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得する(ステップA330)。次いで、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブし(ステップA331)、後半変動番号がリーチなし変動の番号かをチェックして(ステップA332)、リーチなし変動の番号であるか否かを判定する(ステップA333)。
ステップA333で、リーチなし変動の番号であると判定した場合(ステップA333;Yes)には、前半変動選択テーブル1(リーチなし用)を準備し(ステップA334)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA336)。一方、ステップA333で、リーチなし変動の番号でないと判定した場合(ステップA333;No)には、前半変動選択テーブル2(リーチ用)を準備し(ステップA335)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA336)。
次いで、振り分け処理を行い(ステップA337)、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得して準備し(ステップA338)、変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、変動パターン乱数1に基づき変動グループ(リーチなし、ノーマルリーチ、SP1〜4リーチの何れか)が選択され、変動パターン乱数2に基づき変動グループの中から詳細な演出の振り分け(変動パターンの選択)が行われるとともに、変動パターン乱数3に基づきリーチ状態となるまでの前半変動の変動態様が選択される。
図33に示す大当り時の変動グループ選択テーブルでは、リーチ状態となる変動グループのみが選択可能である。また、第2特図変動表示ゲームの場合のみSP4リーチが選択可能である。図34、図35に示す第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブル及び第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、時短状態(普電サポート状態)であるか否かにより使用するテーブルが異なり、時短状態(普電サポート状態、低サポ)でない場合(普図低確率状態である場合)は図34のテーブルを用い、時短状態である場合(普図高確率状態である場合、高サポ)は図35のテーブルを用いる。
図34(a)、(b)に示す時短状態でない場合における第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第1始動記憶数によって使用するテーブルが異なっている。時短状態でない場合は、第1始動記憶数が1である時、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図34(a)のテーブルを用い、第1始動記憶数が2、3又は4である時に図34(b)のテーブルを用いる。第1始動記憶数が多いほどリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。
また、図34(c)、(d)に示す時短状態でない場合における第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでも同様に、第2始動記憶数によって使用するテーブルが異なっている。時短状態でない場合は、第2始動記憶数が1である時、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図34(c)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である時に図34(d)のテーブルを用いる。第2始動記憶数が多いほどリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。
また、図35(a)、(b)に示す時短状態である場合における第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第1始動記憶数が1である時、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図35(a)のテーブルを用い、第1始動記憶数が2、3又は4である時に図35(b)のテーブルを用いる。この場合も、第1始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。また、第1始動記憶数が1である場合におけるリーチなしの変動時間は、時短状態でない場合におけるリーチなしの変動時間よりも長く、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な時短状態において特図変動表示ゲームが途切れてしまうことを防止するようにしている。
また、図35(c)、(d)に示す時短状態である場合における第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第2始動記憶数が1である時、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図35(c)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である時に図35(d)のテーブルを用いる。この場合も、第2始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述の特図普段処理における変動開始情報設定処理(ステップA318)の詳細について説明する。図36に示すように、変動開始情報設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA401)。次いで、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA402)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA403)。次いで、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA404)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA405)。
次いで、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA406)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA407)。次いで、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA408)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA409)、コマンド設定処理を行う(ステップA410)。
次いで、飾り特図コマンド領域から図柄情報コマンドをロードして準備し(ステップA411)、コマンド設定処理を行う(ステップA412)。次いで、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA413)、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定して(ステップA414)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(ステップA415)。次いで、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA416)、コマンド設定処理を行う(ステップA417)。次いで、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA418)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップA419)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定され、この情報基づき特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、遊技制御装置100が、複数の変動パターンの何れかによって変動表示ゲームを実行することが可能な変動表示ゲーム実行手段をなし、特図変動表示ゲームは、実行時間が異なる複数の変動パターンの何れかにより実行されるようになっている。また、この情報は後に演出制御装置300に送信されることとなる。事前判定時は変動パターン乱数1の値をそのまま演出制御装置300に送信したが、変動開始時は遊技制御装置100で変動パターン乱数に基づく詳細な変動パターンを決定し、判定後の変動パターン情報(番号)を演出制御装置300に送信するようにしている。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。前述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、当該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。そして、主制御用マイコン(1stCPU)311による制御処理は、主に、図37に示す1stメイン処理と、所定時間周期(例えば、2ミリ秒)に行われる図38に示す割込み処理とからなる。
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理について説明する。この1stメイン処理においては、図37に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップB1)、CPUの初期化やRAMの初期値設定、乱数の初期化等を行う各種初期化処理を行う(ステップB2)。そして、各種割込みのタイマを起動して(ステップB3)、割込みを許可する(ステップB4)。
この1stメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB5)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB6)を行う。次いで、遊技制御コマンド解析処理(ステップB7)を行う。この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次いで、メイン表示装置41やサブ表示装置801、装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB8)を行う。このテストモード処理によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいてメイン表示装置41やサブ表示装置801での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理(後述のステップB11〜B13)において制御を行う。なお、テストモードは遊技機10の電源遮断で終了するようになっている。
次いで、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB9)を行い、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB10)を行う。次いで、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB11)、盤装飾装置46、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB12)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB13)を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB14)を行い、WDTをクリアする処理(ステップB5)に戻る。
〔割込み処理〕
次に、割込み処理について説明する。この割込み処理においては、図38に示すように、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップB21)を行う。次いで、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップB22)、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップB23)を行う。次いで、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップB24)を行って、割込み処理を終了する。
〔2ndメイン処理〕
演出制御装置300の映像制御用マイコン(2ndCPU)312は、図39に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、図39に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップC1)を行い、RAMを0クリアして(ステップC2)、RAMの初期値を設定する(ステップC3)。次いで、VDP313を初期化するVDP初期化処理(ステップC4)を行い、各種割込みを許可する(ステップC5)。次いで、各種制御処理の初期化処理(ステップC6)を行い、画面描画を許可する(ステップC7)。
この2ndメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップC8)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップC9)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップC9)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップC9;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC10)。
次いで、受信コマンドチェック処理(ステップC11)を行う。この受信コマンドチェック処理では、主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されるコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次いで、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップC12)を行う。この2ndシーン制御処理では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像をメイン表示装置41やサブ表示装置801に表示する処理を行う。
次いで、背景の設定を行う背景処理(ステップC13)を行う。この背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン等に応じた背景を表示する処理を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理である変動表示処理(ステップC14)を行い、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動してメイン表示装置41に表示される保留表示47の設定を行う保留表示処理(ステップC15)を行う。この保留表示処理では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づき、保留表示47の表示態様を変化させる事前演出(先読み演出)の表示に関する処理も行う。
次いで、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップC16)を行う。この客待ちデモ処理では、キャラクタや映像等を表示する客待ち画面の設定に関する処理や、客待ち画面に表示する告知表示の設定に関する処理等を行う。次いで、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップC17)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述の1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB9)の詳細について説明する。図40に示すように、1stシーン制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(ステップB31)。ステップB31で、テストモード中であると判定した場合(ステップB31;Yes)には、1stシーン制御処理を終了する。一方、ステップB31で、テストモード中でないと判定した場合(ステップB31;No)には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB32)。このシーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンド(電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、大当りファンファーレコマンド、大入開放n回目コマンド、インターバルコマンド等)である。
ステップB32で、シーン変更コマンドを受信したと判定した場合(ステップB32;Yes)には、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB33)、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるか否か、すなわち、有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップB34)。ステップB34で、有効なコマンドであると判定した場合(ステップB34;Yes)には、受信コマンドをセーブし(ステップB35)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB36)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。
一方、ステップB32でシーン変更コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB32;No)や、ステップB34で有効なコマンドでないと判定した場合(ステップB34;No)には、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合には、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB38)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合には、停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB39)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合には、客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB40)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB41)を行う。この変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB42)を行う。この図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の開始に関する処理である大当りファンファーレ処理(ステップB43)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合には、ラウンド遊技に関する処理である大当りラウンド中処理(ステップB44)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合には、ラウンド間のインターバルに関する処理である大当りインターバル処理(ステップB45)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の終了に関する処理である大当りエンディング処理(ステップB46)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)により選択された前述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB47)を行い、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う飾り特図コマンド受信処理(ステップB48)を行う。
次いで、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)に基づく処理を行う事前判定コマンド受信処理(ステップB49)を行う。次いで、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づき、対応する値を内部設定するとともに背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)312に送信する処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB50)を行って、1stシーン制御処理を終了する。
〔客待ち処理〕
次に、前述の1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB40)の詳細について説明する。図41に示すように、客待ち処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、客待ち状態となり客待ち画面を表示するまでの間に設定される客待ち開始フラグがあるか否かを判定する(ステップB101)。ステップB101で、客待ち開始フラグがあると判定した場合(ステップB101;Yes)には、演出ボタン25等の操作に基づく演出モード(遊技モード)選択中であるか否か、具体的には、例えば、メイン表示装置41等に演出モード選択画面を表示しているか否かを判定する(ステップB105)。一方、ステップB101で、客待ち開始フラグがないと判定した場合(ステップB101;No)には、客待ち状態となった場合に遊技制御装置100から送信される客待ちデモコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB102)。
ステップB102で、客待ちデモコマンドを受信していないと判定した場合(ステップB102;No)には、客待ち処理を終了する。一方、ステップB102で、客待ちデモコマンドを受信したと判定した場合(ステップB102;Yes)には、客待ち開始タイマをセットし(ステップB103)、客待ち開始フラグをセットして(ステップB104)、演出ボタン25等の操作に基づく演出モード(遊技モード)選択中であるか否か、具体的には、例えば、メイン表示装置41等に演出モード選択画面を表示しているか否かを判定する(ステップB105)。
ステップB105で、演出モード(遊技モード)選択中であると判定した場合(ステップB105;Yes)には、遊技者による選択ボタン(図示省略)等の操作によって演出モード(遊技モード)を選択するためのモード選択操作があったか否かを判定する(ステップB107)。一方、ステップB105で、演出モード(遊技モード)選択中でないと判定した場合(ステップB105;No)には、遊技者による演出ボタン25等の操作によって演出モード(遊技モード)を切り替えるよう指示するためのモード切替操作(所定時間以上(例えば5秒)の長押し操作)があったか否か、具体的には、例えば、メイン表示装置41等に演出モード選択画面を表示するよう指示する操作があったか否かを判定する(ステップB106)。
ステップB106で、モード切替操作があったと判定した場合(ステップB106;Yes)には、例えば、メイン表示装置41等に演出モード選択画面を表示し、その後、遊技者による選択ボタン等の操作によって演出モード(遊技モード)を選択するためのモード選択操作があったか否かを判定する(ステップB107)。ステップB107で、モード選択操作がなかったと判定した場合(ステップB107;No)には、遊技者による演出ボタン25等の操作によって演出モード(遊技モード)を確定するためのモード確定操作があったか否かを判定する(ステップB109)。一方、ステップB107で、モード選択操作があったと判定した場合(ステップB107;Yes)には、当該モード選択操作に対応する演出モード(遊技モード)をメイン表示装置41等に表示して(ステップB108)、遊技者による演出ボタン25等の操作によって演出モード(遊技モード)を確定するためのモード確定操作があったか否かを判定する(ステップB109)。
ステップB109で、モード確定操作があったと判定した場合(ステップB109;Yes)には、当該モード確定操作に対応する演出モード(遊技モード)を設定して(ステップB110)、客待ち開始タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップB111)。また、ステップB106でモード切替操作がなかったと判定した場合(ステップB106;No)や、ステップB109でモード確定操作がなかったと判定した場合(ステップB109;No)には、客待ち開始タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップB111)。
そして、客待ち開始タイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップB112)、客待ち開始タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップB112;No)には、客待ち処理を終了する。一方、客待ち開始タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップB112;Yes)には、客待ち画面で表示する告知表示情報の種類やレイアウト等を設定する客待ちデモ設定処理を行い(ステップB113)、客待ち開始フラグをリセットして(ステップB114)、客待ち処理を終了する。
なお、設定されている演出モード(遊技モード)が第2演出モード(第2遊技モード)から第1演出モード(第1遊技モード)に切り替わった場合には、メイン表示装置41に表示されている背景画像を第1モード用背景画像(帝国モード用背景画像)に切り替え、メイン表示装置41に表示されている図柄を第1モード図柄(帝国図柄)に切り替える。また、設定されている演出モード(遊技モード)が第1演出モード(第1遊技モード)から第2演出モード(第2遊技モード)に切り替わった場合には、メイン表示装置41に表示されている背景画像を第2モード用背景画像(同盟モード用背景画像)に切り替え、メイン表示装置41に表示されている図柄を第2モード図柄(同盟図柄)に切り替える。
すなわち、演出制御装置300が、所定条件の成立(本実施形態の場合、モード選択操作及びモード確定操作)に基づいて遊技モード(演出モード)を第1遊技モード(第1演出モード)又は第2遊技モード(第2演出モード)に設定することが可能な遊技モード設定手段と、遊技モード設定手段により設定された遊技モード(演出モード)に対応する遊技演出を行うことが可能な遊技演出手段をなす。また、演出ボタン25や選択ボタン(図示省略)が、遊技モード(演出モード)を選択するための操作を受付可能なモード選択操作部をなし、遊技モード設定手段(演出制御装置300)は、モード選択操作部(演出ボタン25、選択ボタン)の操作入力に基づいて遊技モード(演出モード)を第1遊技モード(第1演出モード)又は第2遊技モード(第2演出モード)に設定するよう構成されている。
なお、演出モード(遊技モード)を確定するためのモード確定操作が実行される前に始動入賞球が検出された場合には、その時点で選択されている演出モード(遊技モード)を設定することも可能であるし、前回の設定(モード切替操作がある前の設定)をそのまま引き継いでもよい。また、本実施形態では、客待ち状態である間にモード変更を終了するよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、客待ち状態である間に遊技者による演出ボタン25等の操作(モード確定操作)に応じて演出モード(遊技モード)を設定し、その後、変動開始を契機に当該設定されている演出モード(遊技モード)に対応した演出を開始させるよう構成することも可能である。
また、本実施形態では、客待ち処理において演出モード(遊技モード)切替処理(ステップB105〜B110)を行う、すなわち、客待ち状態である間に演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、変動表示ゲームの実行中に演出モードを切り替えるよう構成することも可能である。その場合、変動演出パターン(後述)は、演出モードの切替時に実行していた変動表示ゲームの最中に切り替えてもよいし、演出モードの切替時に実行していた変動表示ゲームの次に実行される変動表示ゲームの開始時に切り替えてもよい。ただし、後述するリーチ中における変動演出パターンの切り替えの際には演出モードの切り替えは行わない。
また、本実施形態では、遊技者による演出ボタン25等の操作(モード確定操作)に応じて演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、確率状態に応じて演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成することも可能である。すなわち、例えば、特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)に応じて演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成することも可能であるし、普図変動表示ゲームの確率状態(普図低確率状態又は普図高確率状態)に応じて演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成することも可能である。
〔変動中処理〕
次に、前述の1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB41)の詳細について説明する。図42に示すように、変動中処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB201)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
ステップB201で、演出リクエストフラグがあると判定した場合(ステップB201;Yes)には、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB202)、可動体リクエストセット処理(ステップB203)を行う。次いで、第2演出モード用選択テーブル(図49参照)をセットして(ステップB204)、第1演出モード(第1遊技モード)が設定されているか否かを判定する(ステップB205)。
ステップB205で、第1演出モード(第1遊技モード)が設定されていないと判定した場合(ステップB205;No)、すなわち、第2演出モード(第2遊技モード)が設定されている場合には、セットされている第2演出モード用選択テーブルを参照し、遊技制御装置100からの変動開始コマンド(図柄情報コマンド及び変動パターンコマンド)に基づいて、変動演出パターンの詳細を設定する変動演出パターン設定処理(ステップB207)を行う。
一方、ステップB205で、第1演出モード(第1遊技モード)が設定されていると判定した場合(ステップB205;Yes)には、ステップB204でセットした第2演出モード用選択テーブルに替えて、第1演出モード用選択テーブル(図49参照)をセットする(ステップB206)。そして、セットされている第1演出モード用選択テーブルを参照し、遊技制御装置100からの変動開始コマンド(図柄情報コマンド及び変動パターンコマンド)に基づいて、変動演出パターンの詳細を設定する変動演出パターン設定処理(ステップB207)を行う。
次いで、サブ表示装置801等の役物動作パターン設定処理(ステップB208)、乱数シード初期化処理(ステップB209)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB210)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間、サブ表示装置801の動作を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB211)を行い、最初のシーン及びシーン更新タイマをセットする(ステップB212)。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB213)、変動中処理を終了する。
また、ステップB201で、演出リクエストフラグがないと判定した場合(ステップB201;No)には、貯留球演出装置730による演出の制御に関する擬似連チャンス制御処理(ステップB214)を行う。その後、リーチ中の演出の切り替えに関する変動演出切替処理を行い(ステップB215)、第2特別変動入賞装置39の開放回数の示唆を行う補助ゲーム制御処理(ステップB216)を行って、シーン更新タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップB217)。シーン更新タイマは、シーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、このシーン更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。
ステップB217で、シーン更新タイマの値が0でないと判定した場合(ステップB217;No)は、役物の動作を制御する役物動作制御処理(ステップB219)を行って、変動中処理を終了する。一方、ステップB217で、シーン更新タイマの値が0であると判定した場合(ステップB217;Yes)には、次の通常シーンデータを設定する(ステップB218)。これにより、新たなシーンが開始されるとともにシーン更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。そして、サブ表示装置801等の役物の動作を制御する役物動作制御処理(ステップB219)を行って、変動中処理を終了する。
〔擬似連チャンス制御処理〕
図43には、変動中処理における擬似連チャンス制御処理(ステップB214)を示した。この擬似連チャンス制御処理では、貯留球演出装置730における遊技球の転動態様と、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行う擬似連変動とを関連付けた擬似連チャンス演出の制御を行う。この擬似連チャンス演出では、貯留球演出装置730を転動する遊技球が特定流入口767aへ流入することに基づき再変動表示を行うようになっている。
擬似連チャンス制御処理では、まず、擬似連チャンス演出中であるかを判定する(ステップB221)。擬似連チャンス演出中である場合(ステップB221;Yes)は、球貯留ユニット740の貯留流路742に貯留された遊技球を排出可能な球放出チャンス期間中であるかを判定する(ステップB224)。また、擬似連チャンス演出中でない場合(ステップB221;No)は、擬似連チャンス演出の実行条件が成立しているか否かをチェックする(ステップB222)。
擬似連チャンス演出の実行条件とは、球貯留ユニット740の貯留流路742に遊技球が貯留されており、かつ、擬似連チャンス演出を実行可能な変動演出パターン(少なくとも擬似連変動を実行可能な特定の変動演出パターン)が選択されていることである。なお、遊技球の貯留の有無は貯留球センサ746aからの検出信号に基づき判定する。この擬似連チャンス演出の実行条件が成立していない場合(ステップB223;No)は、擬似連チャンス制御処理を終了する。また、擬似連チャンス演出の実行条件が成立している場合(ステップB223;Yes)は、球放出チャンス期間中であるかを判定する(ステップB224)。このように貯留球がない場合に擬似連チャンス演出の実行を選択しないことで、遊技球が貯留されていない状態で球演出が行われ、遊技球が放出されないという不都合を防止することができる。また、特定の変動パターンの実行時に球演出を行うことで、球演出の終了を待たずに特図変動表示ゲームが終了してしまうことを防止できる。
球放出チャンス期間中である場合(ステップB224;Yes)は、演出ボタンの操作があるかを判定する(ステップB227)。また、球放出チャンス期間中でない場合(ステップB224;No)は、球放出チャンス期間の開始タイミングであるかを判定する(ステップB225)。そして、球放出チャンス期間の開始タイミングでない場合(ステップB225;No)は、擬似連チャンス制御処理を終了する。また、球放出チャンス期間の開始タイミングである場合(ステップB225;Yes)は擬似連回数を1減算して球放出チャンス期間を開始し(ステップB226)、演出ボタンの操作があるかを判定する(ステップB227)。
なお、擬似連回数は、選択された変動演出パターンにおいて実行可能な再変動表示の最大回数である最大擬似連回数(1〜4回)が初期値として設定され、球放出チャンス期間の開始毎に1減算することで再変動表示の残り実行可能回数を管理するようになっている。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの変動表示パターンの種類に応じて当該変動表示ゲームで実行可能とする球演出の実行回数を決定することが可能な実行回数決定手段をなす。
演出ボタンの操作があった場合(ステップB227;Yes)は、貯留制御ソレノイド745aの駆動による貯留球の1個放出動作を設定し(ステップB228)、特定球センサで球を検出したかを判定する(ステップB229)。また、演出ボタンの操作がない場合(ステップB227;No)は、特定球センサ752で球を検出したかを判定する(ステップB229)。
特定球センサ752で球を検出していない場合(ステップB229;No)、すなわち、特定流入口767aへの流入を検出していない場合は、球放出チャンス期間が経過したかを判定する(ステップB230)。球放出チャンス期間が経過していない場合(ステップB230;No)は、擬似連チャンス制御処理を終了する。また、球放出チャンス期間が経過した場合(ステップB230;Yes)は、擬似連回数が0であるかを判定する(ステップB231)。
擬似連回数が0である場合(ステップB231;Yes)、すなわち実行中の特図変動表示ゲームにおいて次回の再変動表示が予定されていない場合は、擬似連チャンス演出の終了を設定し(ステップB235)、擬似連チャンス制御処理を終了する。また、擬似連回数が0でない場合(ステップB231;No)は、残り擬似連回数に応じた変動領域増加(画面分割)演出を設定し(ステップB232)、擬似連チャンス制御処理を終了する。この場合は実行中の特図変動表示ゲームにおいて次回の再変動表示が予定されていた場合であって、予定されていた再変動表示の実行に替えて変動領域増加演出を行う。この変動領域増加演出では、予定されていた再変動表示の数に応じてメイン表示装置41の表示領域を分割し、各領域で独立して飾り特図変動表示ゲームを表示する。
一方、特定球センサ752で球を検出した場合(ステップB229;Yes)、すなわち、特定流入口767aへの流入を検出した場合は、は、擬似連回数が0であるかを判定する(ステップB233)。擬似連回数が0でない場合(ステップB233;No)は、次回の球放出チャンス演出を設定し(ステップB235)、擬似連チャンス演出を終了する。また、擬似連回数が0である場合(ステップB233;Yes)は、擬似連チャンス演出の終了を設定し(ステップB234)、擬似連チャンス演出を終了する。
すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの実行中に操作部(演出ボタン25)が操作されたことに基づいて、球貯留部(貯留流路742)から遊技球を放出させて球演出を実行させることが可能な球演出実行手段をなすとともに、球演出において特定領域(特定流入口767a)に遊技球が流入したか否かによって実行中の変動表示ゲームの演出態様を変更することが可能な演出態様変更手段をなす。また、演出制御装置300が、球貯留部(貯留流路742)に遊技球が貯留されているか否かを判定することが可能な貯留判定手段の一部をなすとともに、球演出実行手段(演出制御装置300)によって球演出を実行するか否かを決定することが可能な球演出実行決定手段をなす。
図44から図48には、擬似連チャンス演出の一例を示した。図44(a)に示すように、特図変動表示ゲームが開始されると、メイン表示装置41に設定される変動表示領域42a、42b、42cのそれぞれで識別情報の変動表示が開始され、飾り特図変動表示ゲームが実行される。なお、区画壁631の後方に設定された変動表示領域においても、変動表示ゲームが実行中であることを示すとともに、変動表示領域42a、42b、42cに停止表示される識別情報と共に飾り変動表示ゲームの結果を導出する第4図柄(図44中の白黒のポッチ部分)の変動表示が行われる。ここでは、擬似連チャンス演出を実行可能な変動演出パターンとして、少なくとも再変動表示(擬似連変動)を2回以上実行可能な変動演出パターンが選択されており、さらに球貯留ユニット740の貯留流路742に遊技球が貯留されていて、擬似連チャンス演出の実行条件を満たしている状態であり、一回目の識別情報の仮停止タイミングよりも前に擬似連チャンス演出が開始される。
球放出チャンス期間では、図44(b)に示すようにサブ表示装置801をメイン表示装置41での変動表示領域42a、42b、42cに重ならない位置まで移動させ、表示部802に「擬似連チャンス」の表示を行う。また、メイン表示装置41では、演出ボタン25を操作して貯留されている遊技球の排出を指示するために「ボタン操作で中央の穴に球を入れろ!」という進行説明情報(補助情報)の表示がなされる。さらに、演出回転体753の回転とLED基板769による発光が開始され、特定流入口767aへの遊技球の流入状態を変化させるようにし、球演出のゲーム性を向上するようにしている。なお、サブ表示装置801に進行説明情報を表示しても良い。このようにすることで、擬似連チャンス演出(球演出)の進行を遊技者に把握させることができる。
遊技者が演出ボタン25を操作すると、貯留制御ソレノイド745aが遊技球を一つ排出するように動作し、図44(c)に示すように貯留されていた遊技球が球見せ流路751に排出され、図45(a)に示すように振分領域764に流入する。ここでは、回転する演出回転体753の状態が、流入許容凹部753aが特定流入口767aと上下に一致する許容状態となるタイミングで遊技球が到達しており、遊技球は特定流入口767aに流入する。
このように、演出ボタン25の操作に基づき貯留していた遊技球を排出するようにしたことで、球演出において特定流入口767aに遊技球が流入するように遊技球を排出させようとする意欲を遊技者に持たせることができて球演出の興趣が向上する。また、特図変動表示ゲームの演出態様を変更させるか否かが遊技者の自由意志に委ねられることになり、ゲーム性の幅が広がる。
遊技球の特定流入口767aへの流入は特定球センサ752により検出され、これに基づき再変動表示(擬似連変動)の実行が決定される。これに伴い、図45(b)に示すようにサブ表示装置801が待機領域830に戻り、表示部802に「継続〜」という進行説明情報(補助情報)の表示がなされて再変動表示が行われることが報知され、所定のタイミングで識別情報が仮停止した状態となる。識別情報が仮停止した状態では識別情報が揺れるように表示され、仮停止であることが視覚的に認識できるようにされている。そして、図45(c)に示すように識別情報の仮停止期間の終了に伴い再変動表示が行われ、球放出チャンス期間となる。なお、この後は変動パターンに応じて再変動表示を実行可能な回数だけ上述のような演出を繰り返し実行可能であり、その後変動パターンに応じてリーチ演出を実行可能となる。
図46には、擬似連チャンス演出において特定流入口767aに遊技球が流入しなかった場合を示した。図46(a)に示すように回転する演出回転体753の状態が、流入許容凹部753aが特定流入口767aと上下に一致しない規制状態となるタイミングで遊技球が到達すると、遊技球は排出口764cに流入する。このように特定流入口767aに遊技球が流入せず、球放出チャンス期間が終了(タイムアップ)した場合は、図46(b)に示すようにサブ表示装置801が待機領域830に戻り、表示部802に「失敗」という進行説明情報(補助情報)の表示がなされ、識別情報の仮停止及び再変動表示が行われないことが報知される。
そして、擬似連チャンス演出が終了して演出回転体753の回転が停止し、図46(c)に示すように変動領域増加演出が開始される。ここでは、この後に2回の再変動表示が予定されていたため、メイン表示装置41の表示領域が3つに分割され、各領域で独立して飾り特図変動表示ゲームが表示される。その後、図47(a)、(b)に示すように順次変動表示が停止して結果態様が表示される。この特図変動表示ゲームで選択されている変動演出パターンはリーチ状態となる変動演出パターンであり、図47(c)に示すように最後に変動表示が停止する領域での飾り特図変動表示ゲームではリーチ状態となる。以降は、画面の分割が解除され、リーチ状態となった領域での飾り特図変動表示ゲームのみが表示される。
また、図47(c)に示すようにリーチ状態の発生に伴い、演出回転体753を回転させることによる演出も行われる。なお、擬似連チャンス演出が行われない特図変動表示ゲームにおいても表示部41aの前方に重なるように配設されている演出回転体753を回転させるとともに、当該演出回転体753をLED基板769によって発光させることによる演出を実行可能である。これにより、演出回転体753によって球演出を行っていない場合にも特図変動表示ゲームを盛り上げることができる。この場合、擬似連チャンス演出の場合とは反対方向に回転させるようにするが、同方向の回転としても良い。また、擬似連チャンス演出の場合よりも高速で回転させるようにすると良い。なお、擬似連チャンス演出の場合と異なる回転態様とすることで、飾り特図変動表示ゲームを盛り上げる演出(煽り演出)であることが理解し易くなる。
図48には、同一の変動時間の変動演出パターンにおける演出の実行態様を示した。図48(a)には、擬似連チャンス演出の実行が選択されない変動演出パターンの場合を示した。この場合は、特図変動表示ゲームの開始(t1)からリーチ状態の発生(t2)までの前半変動時間においてリーチ状態となるように変動表示領域42a、42b、42cでの変動表示を順次停止するリーチ前変動が行われ、リーチ状態の発生(t2)から特図変動表示ゲームの終了(t3)までの後半変動時間においてリーチ状態での演出を行うリーチ変動が行われる。
図48(b)から(f)には擬似連チャンス演出の実行が可能な変動演出パターンの場合を示した。この変動演出パターンでは前半変動時間(t1からt2)において3回の再変動表示が実行可能となっている。図48(b)から(d)は貯留球があり擬似連チャンス演出の実行が選択された場合であり、図48(f)は貯留球がなく擬似連チャンス演出の実行が選択されなかった場合である。
図48(b)では、各回の球放出チャンス期間で球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入した場合を示した。特図変動表示ゲームの開始(t1)に伴い識別情報の変動表示が開始され、識別情報の仮停止が可能な擬似1変動となる(t1からt12)。この擬似1変動では球放出チャンス期間が設定され、球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入している(t11)。これに基づき再変動表示の実行が決定され、擬似1変動の終了タイミングで識別情報が仮停止する(t12、図45(b)参照)。
この後、仮停止していた識別情報の再変動表示が行われ(t12)、識別情報の仮停止が可能な擬似2変動となる(t12からt14)。この擬似2変動でも球放出チャンス期間が設定され、球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入しており(t13)。これに基づき再変動表示の実行が決定され、擬似2変動の終了タイミングで識別情報が仮停止する(t14、図45(b)参照)。
そして、上述の擬似2変動と同様に仮停止していた識別情報の再変動表示が行われ(t14)、識別情報の仮停止が可能な擬似3変動となる(t14からt16)。この擬似3変動でも球放出チャンス期間が設定され、球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入しており(t15)。これに基づき再変動表示の実行が決定され、擬似3変動の終了タイミングで識別情報が仮停止する(t16、図45(b)参照)。
その後、仮停止していた識別情報の再変動表示が行われるが(t16)、この変動演出パターンでは、最大で3回の再変動表示が実行可能であるので、ここで擬似連チャンス演出が終了してリーチ前変動となり(t16からt2)、リーチ状態が発生して前半変動時間が終了し、リーチ変動となる後半変動時間が開始される(t2)。
図48(c)には、擬似3変動における球放出チャンス期間において球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入しなかった場合を示した。擬似1変動及び擬似2変動では図48(b)の場合と同様に、球放出チャンス期間で球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入し、識別情報の仮停止と再変動表示が行われている(t1からt24)。
そして、擬似3変動における球放出チャンス期間において球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入せず、球放出チャンス期間が終了することに基づき擬似連チャンス演出が終了して変動領域増加演出が開始され、画面分割変動となる(t25からt2)。この場合は、残り1回の再変動表示が予定されていたため、変動領域増加演出においてメイン表示装置41の表示領域を2つに分割し、各々の領域で独立して飾り特図変動表示ゲームを表示する。そして、最後に結果態様を停止表示する領域においてリーチ状態が発生して前半変動時間が終了し、リーチ変動となる後半変動時間が開始される(t2)。
図48(d)には、擬似2変動における球放出チャンス期間において球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入しなかった場合を示した。この場合は、擬似2変動における球放出チャンス期間の終了に基づき擬似連チャンス演出が終了して変動領域増加演出が開始され、画面分割変動となる(t33からt2)。ここでは、残り2回の再変動表示が予定されていたため、変動領域増加演出においてメイン表示装置41の表示領域を3つに分割し、各々の領域で独立して飾り特図変動表示ゲームを表示する。そして、最後に結果態様を停止表示する領域においてリーチ状態が発生して前半変動時間が終了し、リーチ変動となる後半変動時間が開始される(t2)。
図48(e)には、擬似1変動における球放出チャンス期間において球演出ユニット750に排出された遊技球が特定流入口767aに流入しなかった場合を示した。この場合は、擬似1変動における球放出チャンス期間の終了に基づき擬似連チャンス演出が終了して変動領域増加演出が開始され、画面分割変動となる(t41からt2)。ここでは、残り3回の再変動表示が予定されていたため、変動領域増加演出においてメイン表示装置41の表示領域を4つに分割し、各々の領域で独立して飾り特図変動表示ゲームを表示する。そして、最後に結果態様を停止表示する領域においてリーチ状態が発生して前半変動時間が終了し、リーチ変動となる後半変動時間が開始される(t2)。
図48(f)には、擬似連チャンス演出の実行が可能な変動演出パターンであったが、貯留球がなく擬似連チャンス演出の実行が選択されなかった場合を示した。この場合は、前半変動時間(t1からt2)において、リーチになれば大当りとなる可能性が高いことを示唆する演出を行うリーチ煽り変動を行う。
このような球演出により、貯留していた遊技球の転動結果によって実行中の特図変動表示ゲームの実行態様に変化を与えることができ、さらに球演出の結果により特図変動表示ゲームが特別結果となるチャンスが広がったと遊技者に思わせることができて遊技の興趣を向上することができる。なお、図48(b)から(f)では、球演出ユニット750に排出された遊技球の転動結果や貯留球の有無により演出内容が異なるが、前半変動時間(t1からt2)及び後半変動時間(t2からt3)の長さは演出内容にかかわらず不変である。このように演出内容にかかわらず変動時間を不変とすることで、球演出の実行によって特図変動表示ゲームの実行時間がいたずらに延びてしまうことを防止し、遊技機の稼動が低下することを防止できる。
以上のことから、遊技領域32に設けた始動入賞領域(第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、メイン表示装置41、サブ表示装置801)で複数の識別情報による変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技者が操作可能な操作部(演出ボタン25)と、遊技領域32を流下する遊技球が流入可能な入球口(第2特別変動入賞装置39)と、入球口に流入した遊技球を受け入れて貯留するとともに、該貯留された遊技球を放出することが可能な球貯留部(貯留流路742)と、球貯留部から放出された遊技球を転動させて特定領域(特定流入口767a)に流入するか否かの球演出を行うことが可能な球演出部(球演出ユニット750)と、変動表示ゲームの実行中に操作部が操作されたことに基づいて、球貯留部から遊技球を放出させて球演出を実行させることが可能な球演出実行手段(演出制御装置300)と、球演出において特定領域に遊技球が流入したか否かによって実行中の変動表示ゲームの演出態様を変更することが可能な演出態様変更手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、変動表示ゲームは、実行時間が異なる複数の変動表示パターンの何れかにより実行され、演出態様変更手段(演出制御装置300)は、実行中の変動表示ゲームの実行時間を変更せずに識別情報の変動態様を変更するようにしていることとなる。
また、演出態様変更手段(演出制御装置300)は、球演出において特定領域(特定流入口767a)に遊技球が流入した場合には、識別情報の仮停止及び再変動を行うことで擬似連演出を発生させるようにしていることとなる。
また、球演出実行手段(演出制御装置300)は、一の変動表示ゲームで複数回の球演出を実行可能であり、演出態様変更手段(演出制御装置300)は、球演出において特定領域(特定流入口767a)に遊技球が流入する毎に、識別情報の仮停止及び再変動を行う擬似連演出を発生させるようにしていることとなる。
また、変動表示ゲームの変動表示パターンの種類に応じて当該変動表示ゲームで実行可能とする球演出の実行回数を決定することが可能な実行回数決定手段(演出制御装置300)を備え、球演出実行手段(演出制御装置300)は、一の変動表示ゲームにおける複数回の球演出のいずれかにおいて特定領域(特定流入口767a)に遊技球が流入しなかった場合に、当該変動表示ゲームにおける特定領域に遊技球が流入しなかった球演出より後の球演出の実行を中止するようにしていることとなる。
また、球貯留部(貯留流路742)に遊技球が貯留されているか否かを判定することが可能な貯留判定手段(演出制御装置300、貯留球センサ746a)と、球演出実行手段(演出制御装置300)によって球演出を実行するか否かを決定することが可能な球演出実行決定手段(演出制御装置300)と、を備え、球演出実行決定手段(演出制御装置300)は、少なくとも貯留判定手段により遊技球が貯留されていると判定されるとともに、変動表示ゲームの実行時間が所定時間よりも長い特定の変動パターンによって実行される場合に、球演出の実行を決定するようにしていることとなる。
また、特定領域(特定流入口767a)への遊技球の流入を規制する規制状態と該特定領域への遊技球の流入を許容する許容状態とに変換可能な流入規制部材(演出回転体753)と、流入規制部材の動作を制御することが可能な動作制御手段(演出制御装置300)を備え、動作制御手段(演出制御装置300)は、球演出が実行されない変動表示ゲームにおいて、当該球演出を実行する場合とは異なる動作態様で流入規制部材を動作させるようにしていることとなる。
なお、球放出チャンス期間の経過(タイムアップ)に基づき擬似連チャンス演出を終了するようにしたが、排出口764cにも遊技球を検出するセンサを設け、排出口764cへの流入を検出した時点で擬似連チャンス演出を終了するようにしても良い。また、一の球放出チャンス期間においては演出ボタン25の操作を1回のみとするようにしても良い。また、一の演出ボタン25の操作により複数個の遊技球が排出されるようにしても良い。また、貯留球の個数をセンサにより検出できるようにし、当該貯留球の個数に応じて擬似連演出の最大実行回数を設定するようにしても良い。
また、演出回転体753の回転方向を、一方向のみだけではなく双方向としても良く、さらに回転速度も一定とするだけでなく、変化をもたせるようにしても良い。また、球貯留ユニット740をメイン表示装置41の左方に設けたが、右方に設けるようにしても良いし、左右両方に設けるようにしても良い。
また、球貯留ユニット740に貯留可能な遊技球の最大数を、一の特図変動表示ゲームで実行可能な再変動表示の最大回数である最大擬似連回数と同数としても良いし、それ以上、それ以下としても良い。また、条件装置の動作を伴わない小当り(特図1又は特図2の変動表示ゲームが小当り結果態様となることで発生する当り)において第2特別変動入賞装置39を開放するようにし(小当りの場合には第1特別変動入賞装置38を開放させない)、球貯留ユニット740に遊技球が貯留されやすくしても良い。また、貯留球演出装置730による球演出を実行可能な期間を、第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態の終了後や上述の小当りのように第2特別変動入賞装置39が開放された後の所定期間に限るようにしても良い。
また、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が球貯留ユニット740に貯留されるようにしたがこれに限られるものではなく、遊技領域32を流下する遊技球が流入可能な入球口に流入(遊技の結果が確定)した遊技球が貯留されるようにすれば良い。さらに、球貯留ユニット740に貯留される遊技球を、遊技領域32を流下する遊技球ではなく、遊技に供されない遊技球(演出球)とするようにしても良い。
次に、演出モードの選択と変動演出パターンの選択及びリーチ中の演出の切り替えについて説明する。図49には、第1演出モード(第1遊技モード)に対応する変動演出パターンと第2演出モード(第2遊技モード)に対応する変動演出パターンを示した。演出制御装置300では、遊技制御装置100で決定された変動パターンと、現在の演出モードとに基づき、変動演出パターンを選択して実行する。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)が実行する変動パターンに対応する複数の演出態様の何れかにより演出表示を実行することが可能な演出表示手段をなす。
図49(a)に示すように、結果がはずれの場合、リーチなし、ノーマルリーチ及びSP1リーチの各変動演出パターンにおいては、第1演出モードと第2演出モードとで背景のみが異なる演出態様となっている。これらの変動演出パターンは、第1演出モードと第2演出モードとで同一の内容(演出態様)となっていて、各変動演出パターンは遊技制御装置100で選択された変動パターンと一対一で対応している。
また、SP2リーチとSP3リーチでは、遊技制御装置100で選択された変動パターンに対して第1演出モードと第2演出モードとで異なる内容の変動演出パターンが選択される。すなわち、一の変動パターンに対して第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとの二つの変動演出パターンが対応しており、現在選択されている演出モードによって何れかが選択される。
また、後述するように第1演出モードと第2演出モードとで選択される変動演出パターンが異なるSP2リーチとSP3リーチの場合は、当該リーチ演出中における遊技者の演出切替操作に基づき、実行中の変動パターンに対応する他の演出態様(変動演出パターン)に切り替えることができるようになっている。すなわち、第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとを切り替えることができるようになっており、例えば、SP2変動演出パターンA1とSP2変動演出パターンB1の何れかを選択する変動パターンの場合は、表示する変動演出パターンを演出切り替え操作の度に切り替えることができる。
また、図49(b)に示すように、結果が大当りの場合、ノーマルリーチ及びSP1リーチ、SP4リーチの各変動演出パターンにおいては、第1演出モードと第2演出モードとで背景のみが異なる演出態様となっている。これらの変動演出パターンは、第1演出モードと第2演出モードとで同一の内容(演出態様)となっていて、各変動演出パターンは遊技制御装置100で選択された変動パターンと一対一で対応している。なお、SP4リーチは第2特図変動表示ゲームで結果が大当りである場合にのみ選択可能な変動パターンである。このSP4リーチが選択された場合に、特別結果が第2特別変動入賞装置39を動作させる特別結果となる場合には、当該特別結果に基づく特別遊技状態での第2特別変動入賞装置39の開放回数を示唆する補助ゲームを行うSP4変動演出パターン1が選択され、これ以外の場合はSP4変動演出パターン2が選択される。
また、SP2リーチ及びSP3リーチでは、遊技制御装置100で選択された変動パターンに対して第1演出モードと第2演出モードとで異なる内容の変動演出パターンが選択される。すなわち、一の変動パターンに対して第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとの二つの変動演出パターンが対応しており、現在選択されている演出モードによって何れかが選択される。
また、後述するように第1演出モードと第2演出モードとで選択される変動演出パターンが異なるSP2リーチとSP3リーチの場合は、当該リーチ演出中における遊技者の演出切替操作に基づき、実行中の変動パターンに対応する他の演出態様(変動演出パターン)に切り替えることができるようになっている。すなわち、第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとを切り替えることができるようになっており、例えば、SP2変動演出パターンC1とSP2変動演出パターンD1の何れかを選択する変動パターンの場合は、表示する変動演出パターンを演出切り替え操作の度に切り替えることができる。さらに、遊技者の演出切替操作があった場合に所定の確率で、SP2変動演出パターンE又はSP3変動演出パターンEに切り替わるようになっている。この変動演出パターンEは、結果が大当りである場合のみ出現可能な演出変動パターンであり、大当りであることを確定的に報知する演出となっている。
すなわち、第1演出モードと第2演出モードとで共通の変動演出パターンが対応付けられた変動パターン(ここではリーチなし、ノーマルリーチ、SP1リーチ及びSP4リーチの変動パターン)が第1変動パターンをなし、第1演出モードと第2演出モードとで異なる変動演出パターンが対応付けられた変動パターン(ここではSP2リーチ及びSP3リーチ)が第2変動パターンをなす。ここでは、特別結果となる期待感を持てるリーチ状態(SP2リーチ及びSP3リーチ)において演出態様を切替可能としており、これにより遊技者に対して切替操作を促すことができる。
〔変動演出切替処理〕
次に、前述の変動中処理における変動演出切替処理(ステップB215)の詳細について説明する。図50に示すように、変動演出切替処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、演出切替用演出パターンであるかを判定する(ステップB231)。演出切替用演出パターンとは、第1演出モードと第2演出モードで変動パターンに応じて異なる変動演出パターンが選択される変動演出パターンであり、図49に示したようにSP2リーチ及びSP3リーチに対応する変動演出パターンである。
この演出切替用演出パターンでない場合(ステップB231;No)は、変動演出切替処理を終了する。また、演出切替用演出パターンである場合(ステップB231;Yes)は、演出切替可能タイミングであるかを判定する(ステップB232)。演出切替可能タイミングはリーチ状態中の所定期間であって、例えばリーチ状態となってから結果態様が導出されるまでの期間とされている。この演出切替可能タイミングでない場合(ステップB232;No)は、変動演出切替処理を終了する。また、演出切替可能タイミングである場合(ステップB232;Yes)は、演出切替操作があるかを判定する(ステップB233)。
演出切替操作は遊技者による演出ボタン25の操作であり、この演出切替操作がない場合(ステップB233;No)は、変動演出切替処理を終了する。また、演出切替操作がある場合(ステップB233;Yes)は、実行中の変動演出パターンに対応する変動演出パターンを選択する(ステップB234)。実行中の変動演出パターンに対応する変動演出パターンとは、一の変動パターンに対して選択可能な変動演出パターンのうち、実行中でない変動演出パターンであって、例えば、SP2変動演出パターンA1を実行中である場合は、SP2変動演出パターンB1を選択する。
その後、大当りとなる特図変動表示ゲームでの変動演出である当り変動演出中であるかを判定し(ステップB235)、当り変動演出中でない場合(ステップB235;No)は、選択した変動演出パターンによる変動演出の実行を設定し(ステップB238)、変動演出切替処理を終了する。
また、当り変動演出中である場合(ステップB235;Yes)は、プレミア抽選を行って当選したかを判定し(ステップB236)、当選していない場合(ステップB236;No)は、選択した変動演出パターンによる変動演出の実行を設定し(ステップB238)、変動演出切替処理を終了する。また、当選した場合(ステップB236;Yes)は、実行中の変動演出パターンに対応するプレミア変動演出パターン(SP2変動演出パターンE又はSP3変動演出パターンE)を選択し(ステップB237)、選択した変動演出パターンによる変動演出の実行を設定し(ステップB238)、変動演出切替処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲーム中の切替操作に基づき、演出表示手段が(演出制御装置300)実行中の演出表示の演出態様を切り替えることが可能な演出態様切替手段をなす。
図51から図54には、変動演出パターンの切り替えの一例を示した。図51(a)に示すように、リーチ演出が表示されていない状態では、メイン表示装置41の表示部41aにおける中央に設定された変動表示領域42a、42b、42cで識別情報が変動表示される。また、右下部に設定された記憶表示領域43では、第1始動記憶(ここでは1つ)に対応する保留表示47及び記憶されている第2始動記憶(ここでは0)に対応する保留表示47が表示される。なお、優先的に消化される第2始動記憶に対応する保留表示47は、第1始動記憶に対応する保留表示47の前方に重なるように表示される。さらに、上部の演出モード表示部41dには現在の演出モードが表示されるようになっており、ここでは第1演出モード(帝国モード)となっている。
そして、図51(b)に示すように切替可能なSPリーチ演出が開始されると、中央の変動表示領域42a、42b、42cであった場所が主となるリーチ演出であるメイン演出表示を表示する演出表示領域41eとされ、変動表示領域42a、42b、42cは上部の右側に移動する。ここでのリーチ演出は、帝国軍と同盟軍とが戦い、帝国軍が勝てば大当りであることが示され、帝国軍が負ければはずれとなることが示される演出となっている。遊技者が第1演出モードである帝国モードを選択している場合には、帝国軍側の視点での演出が行われ、帝国軍が勝てば大当りとなり、負ければはずれとなる。なお、第2演出モードである同盟モードを選択している場合には、同盟軍側の視点での演出が行われ、同盟軍が負ければ大当りとなり、勝てばはずれとなる。
図51(b)に示すように第1演出モードである帝国モードを選択している場合には、まず、リーチ演出として現在の演出モードである帝国モードに対応した変動演出パターンである帝国軍側の演出が表示される。そして、演出表示領域41eの一部に、切り替え先の演出表示(実行中の変動演出パターンに対応する変動演出パターン)であるサブ演出表示を表示するザッピングウインドウ41fが表示され、このザッピングウインドウ41fに同盟軍側の演出が表示される。このようにザッピングウインドウ41fに切り替え先の演出表示を表示することにより、遊技者が切替後の演出態様を即座に把握することができ、切替操作により任意の演出態様を選択することが可能となる。
遊技者が演出ボタン25を操作すると、図51(e)に示すように演出表示領域41eに表示されるメイン演出表示が同盟軍側の演出に切り替わり、ザッピングウインドウ41fに表示されるサブ演出表示が帝国軍側の演出となる。ただし、リーチ演出の切り替えを行った場合でも演出モード自体は切り替わらずに第1演出モードである帝国モードのままとされる。このように遊技者が演出ボタン25を操作する毎に帝国軍側の演出と同盟軍側の演出、すなわち第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとを切り替えることが可能である。なお、帝国軍側の演出と同盟軍側の演出の進行は並行して行われ、切替後の演出態様は切替前の演出態様と同じ進行状態から開始される。これにより、演出表示の演出態様を切り替えたとしても変動パターンに変更を加えるといったような煩雑な処理をしなくて済むようになり、制御の負担を軽減することができる。
図51(d)に示すようにメイン演出表示として帝国軍側の演出が進行し、結果がはずれである場合は、図52(a)、(b)に示すように、帝国軍が負ける演出がなされ、図52(c)に示すように、はずれの結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了する。その後、図52(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始される。また、結果が大当りである場合は、図52(e)、(f)に示すように帝国軍が勝つ演出がなされ、図52(g)に示すように特別結果が表示されて、図52(h)に示すように特別遊技状態が開始される。
また、図51(g)に示すようにメイン演出表示として同盟軍側の演出が進行し、結果がはずれである場合は、図53(a)、(b)に示すように、同盟軍が勝つ(帝国軍が負ける)演出がなされ、図53(c)に示すように、はずれの結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了する。その後、図53(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始される。また、結果が大当りである場合は、図53(e)、(f)に示すように同盟軍が負ける(帝国軍が勝つ)演出がなされ、図53(g)に示すように特別結果が表示されて、図53(h)に示すように特別遊技状態が開始される。
また、図54(a)に示すように結果が大当りとなるリーチ状態となり、図54(b)、(c)に示すように切替可能なリーチ演出が行われている場合において遊技者が演出ボタン25を操作すると、所定の確率で図54(d)に示すように切替時限定プレミア演出(特別演出態様、SP2変動演出パターンE又はSP3変動演出パターンE)に切り替わるようになっている。この切替時限定プレミア演出は上述した帝国軍側の演出や同盟軍側の演出とは異なる演出であって、大当りとなる場合のみ出現する演出である。また、切替時限定プレミア演出が選択された場合には、切り替えと同時に大当り確定報知音が出力される。このような切替時限定プレミア演出(特別演出態様)を設定することで、遊技者に驚きと喜びを与えることができる。また、切替時限定プレミア演出の出現を期待させることで、演出態様の切り替え操作を行うことを促すことができる。
なお、大当りの可能性の高さをザッピングウインドウ41fの枠の色により示唆するようにしても良い。また、切替時限定プレミア演出が選択された場合は、以降の切替操作を無効とするようにしても良い。また、切替時限定プレミア演出は、リーチ演出と同じ実行時間を有する演出でも良いし、切替操作時に所定時間表示されるもの(いわゆるカットイン)でも良いし、リーチ演出に特定の画像(背景やキャラクタ)を表示するものでも良い。
このように、遊技者の切替操作により演出表示態様が切り替わるので、遊技者を飽きさせることなく変動表示ゲームを繰り返し実行することが可能となり、遊技の興趣が向上する。また、切替操作毎に演出態様を切替可能なので、同一の変動表示ゲームで複数の演出態様を遊技者に見せることが可能となり、効果的に遊技の興趣を向上することができる。さらに、変動パターンの種類によって演出態様の切替制御の可否を設定しておくことで、演出態様の切替制御の制御負荷を軽減することができる。
以上のことから、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの始動権利を発生させる始動入賞領域(第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37)と、変動表示ゲームの演出表示を行うための表示装置41(メイン表示装置41)とを備え、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となったことに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技者が所定の切替操作を行うことが可能な操作部(演出ボタン25)と、識別情報を変動表示するための複数の変動パターンの何れかによって変動表示ゲームを実行することが可能な変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲーム実行手段が実行する変動パターンに対応する複数の演出態様の何れかにより演出表示を実行することが可能な演出表示手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲーム中の切替操作に基づき、演出表示手段が実行中の演出表示の演出態様を切り替えることが可能な演出態様切替手段(演出制御装置300)と、を備え、変動パターンには、演出表示に単一の演出態様が対応付けられた第1変動パターンと、演出表示に複数の演出態様が対応付けられた第2変動パターンとを含み、演出態様切替手段は、第2変動パターンによる演出表示が実行されている場合に、当該演出表示の演出態様を実行中の変動パターンに対応する他の演出態様に切り替えるようにしたこととなる。
また、演出態様切替手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲーム中に設定される切替可能期間中の切替操作毎に、演出表示の演出態様を実行中の変動パターンに対応する他の演出態様に切り替えるようにしたこととなる。
また、切替可能期間は、変動表示ゲームが特別結果となる可能性があるリーチ状態となってから当該変動表示ゲームが結果を導出するまでの間に設定されるようにしたこととなる。
また、演出態様切替手段(演出制御装置300)は、演出表示の演出態様を他の演出態様に切り替える場合には、切替後の演出態様を切替前の演出態様と同じ進行状態から開始させるようにしたこととなる。
また、演出表示は、メイン表示装置41の表示部41aに主として表示されるメイン演出表示と、該表示部41aの一部に縮小表示されるサブ演出表示とを含み、演出表示手段(演出制御装置300)は、実行中の演出表示をメイン演出表示として表示する一方、切替候補となる他の演出態様をサブ演出表示として表示し、演出態様切替手段(演出制御装置300)は、演出表示手段が表示部41aに表示しているメイン演出表示とサブ演出表示とを入れ替えさせることで演出態様を切り替えるようにしたこととなる。
また、演出表示の演出態様には、変動パターンに対応せずに変動表示ゲームが特別結果となることを示唆する特別演出態様が含まれ、演出態様切替手段(演出制御装置300)は、特別結果となる変動表示ゲーム中に切替操作が行われた場合には、演出表示の演出態様を所定の確率で特別演出態様に切り替えるようにしたこととなる。
次に、サブ表示装置801の動作を伴う演出について説明する。本実施形態の遊技機ではサブ表示装置801の動作や表示部802での表示により特図変動表示ゲームの実行態様や結果などについての報知や示唆を行うようになっている。なお、以下に説明するようなサブ表示装置801の動作を伴う演出は、特図変動表示ゲームの結果や選択された変動演出パターンに応じて、変動中処理(図42)における役物動作パターン設定処理(ステップB207)や、シーンシーケンステーブルを設定する処理(ステップB210)において設定され、特図変動表示ゲームの進行に伴い順次シーンを実行することで実現されるようになっている。なお、待機領域830にあるサブ表示装置801の表示部802にザッピングウインドウ41f(所謂ワイプ)を表示させるようにしても良い。
図55(a)に示すように、待機領域830にあるサブ表示装置801の表示部802に特図変動表示ゲームの実行態様を示唆する表示を行う補助演出を実行可能である。ここでは、表示部802に「リーチか?」と表示することで、リーチ状態となる可能性があることを示唆(予告演出)している。
さらにこれに引き続き図55(b)に示すように、左変動表示領域42aでの変動表示が停止した後、表示部802を後方に向けた状態でサブ表示装置801を未だ変動表示中の一の変動表示領域(ここでは右変動表示領域42c)の前方を覆うように移動させ、図55(c)、(e)や図56(a)、図57(a)に示すように当該一の変動表示領域(ここでは右変動表示領域42c)における変動表示の停止タイミングで表示部802を前方に向けるように回転させる補助演出を行うことが可能である。これにより、すでに他の変動表示領域(ここでは左変動表示領域42a)に停止表示又は仮停止された識別情報の視認を妨げることなく補助演出を行うことが可能となる。また、メイン表示装置41だけでは表現することができない立体感のある識別情報の停止表示演出を行うことができる。
なお、表示部802を後方に向けた状態でサブ表示装置801を未だ変動表示中の変動表示領域42a、42b、42cの何れかの前方を覆うように移動した場合には、回転駆動部810により軸部803を中心としてサブ表示装置801を揺動させ、変動表示中であることを視覚的に認識できるようになっている。
図55(c)に示す例はリーチ状態とならずにはずれとなる場合であって、前方に向いた表示部802には既に停止(仮停止)している左変動表示領域42aの識別情報とは異なる識別情報が表示部802に表示され、リーチ状態とならないことが示される。この時点では識別情報が表示部802に仮停止した状態であるので、識別情報を揺れるように表示して仮停止であることを視覚的認識できるようにしている。なお、回転駆動部810により軸部803を中心としてサブ表示装置801を揺動させ、仮停止であることを視覚的認識できるようにしても良い。
この後、図55(d)に示すように、サブ表示装置801が待機領域830に戻り、表示部802の表示が「残念」と変更される。このとき、サブ表示装置801により覆われていたメイン表示装置41の右変動表示領域42cには、サブ表示装置801の表示部802に表示されていた識別情報と同じ識別情報が表示される。また、これとともに中変動表示領域42bの変動表示も停止し、メイン表示装置41においてはずれの結果態様が表示され、特図変動表示ゲームが終了する。なお、表示部802に表示されていた識別情報とは異なる識別情報(左変動表示領域42aと同じ識別情報)を右変動表示領域42cに表示してリーチ状態を発生させるようにしても良い。このようにすると意外感が高まり、変動表示ゲームの興趣が向上する。
図55(e)に示す例は擬似連変動である場合であって、中変動表示領域42bの変動表示をリーチ状態とならない識別情報で停止した後にサブ表示装置801の表示部802を前方へ向ける。表示部802には、「REP擬似」という擬似連図柄の表示がなされ、擬似連変動であって再変動表示が行われることが報知される。なお、擬似連変動でない場合に、表示部802に左変動表示領域42及び中変動表示領域42bとは異なる識別情報を停止表示する補助演出を行うようにしても良い。
その後、図55(f)に示すように再変動表示(擬似連変動)が行われ、この後、はずれの結果態様の表示や再度の仮停止及び再変動表示の実行、リーチ状態への発展などが行われる。なお、ここではサブ表示装置801を右変動表示領域42cの前方に位置する状態としたままで、右変動表示領域42cの変動表示を表示部802で行っているが、サブ表示装置801を待機領域830に戻し、メイン表示装置41のみで変動表示を行うようにしても良い。
図56(a)に示す例はリーチ状態となる場合であって、前方に向いた表示部802には既に停止している左変動表示領域42aの識別情報と同じ識別情報が表示部802に表示されてリーチ状態となる。そして、図56(b)に示すように、サブ表示装置801が待機領域830に戻り、表示部802にSPリーチ等への発展を示唆する「発展か?」の表示(予告演出)が行われる。このとき、サブ表示装置801により覆われていたメイン表示装置41の右変動表示領域42cには、サブ表示装置801の表示部802に表示されていた識別情報と同じ識別情報が表示される。
SPリーチに発展しない場合は、図56(c)に示すように表示部802の表示が「リーチ」に変更され、図56(d)に示すように結果態様(ここでははずれ)が表示されて特図変動表示ゲームが終了する。また、擬似連変動である場合は、図56(e)に示すように、中変動表示領域42bに再変動表示の実行を報知する「REP擬似」の表示がなされ、図56(f)に示すように再変動表示が行われる。もちろんこの他にSPリーチに発展する場合もあり、この場合は図58(b)に示すような発展図柄の表示を経てSPリーチとなる。
図57(a)にもリーチ状態となる場合を示したが、この例では図57(b)に示すように、サブ表示装置801を一旦待機領域830に戻した後に、表示部802を後方に向けた状態でサブ表示装置801を未だ変動表示中の中変動表示領域42bの前方を覆うように再度移動させるようになっている。このようなサブ表示装置801の複数回の移動は、特図変動表示ゲームの結果と選択された変動演出パターンに基づき演出制御装置300で決定されるようになっており、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合の方がはずれとなる場合よりも高い確率で複数回の移動を選択するようにしている。すなわち、演出制御装置300が、移動手段(スライド機構820)によるサブ表示装置801の移動回数を設定することが可能な移動回数設定手段をなす。
つまり、このようなサブ表示装置801の複数回の動作により、識別情報の停止表示の順序に合わせて補助演出を繰り返し行うことで、大当りの期待度がより高いことを示す演出を効果的に行うことができ、サブ表示装置801の動きと特図変動表示ゲームの期待度とを関連付けることで、サブ表示装置801の移動回数に遊技者の関心を引きつけることができる。また、このサブ表示装置801の再度の動作に合わせて、演出回転体753の回転による演出も行われ、大当りの期待度が高いことを示唆するようになっている。
その後、ロングリーチ(ノーマルリーチ)となる場合は図57(c)に示すように、変動表示の停止タイミングより前に表示部802を前方に向けるように回転させて表示部802で変動表示を行い、図57(d)に示すように変動表示を停止して結果態様(ここでははずれ)を表示する。また、擬似連変動である場合は、図57(e)に示すように、変動表示の停止タイミングで表示部802を前方に向けるように回転させ、表示部802に再変動表示の実行を報知する「REP擬似」の表示を行い、図57(f)に示すように再変動表示が行われる。なお、ここではサブ表示装置801を中変動表示領域42bの前方に位置する状態としたままで、中変動表示領域42bの変動表示を表示部802で行っているが、サブ表示装置801を待機領域830に戻し、メイン表示装置41のみで変動表示を行うようにしても良い。
また、SPリーチに発展する場合は、図58(c)に示すように、変動表示の停止タイミングで表示部802を前方に向けるように回転させ、表示部802にSPリーチへの発展を報知する発展図柄を表示する。その後、図58(d)に示すようにSPリーチ状態となり、サブ表示装置801を待機領域830に戻すとともに、演出回転体753の回転を停止するようになっている。またこのとき表示部802に「激アツ!」と表示することで大当りの期待度が高いことを報知するようになっている。
このようなSPリーチへの発展の報知としては、図58(a)に示すように先に左変動表示領域42aでの変動表示を停止し、右変動表示領域42cの前方に位置するサブ表示装置801の表示部802に左変動表示領域42aと同じ識別情報を表示することで発生したリーチ状態から、中変動表示領域42bに発展図柄を表示することによる報知も可能である。また、図58(b)に示すように、サブ表示装置801が待機領域830にある状態で発展図柄を表示することによる報知も可能であり、この場合は表示部802に「CHANCE」と表示することでもSPリーチへの発展を報知する。
このようなサブ表示装置801の動作と表示部802における表示により、サブ表示装置801によりメイン表示装置41の変動表示領域42a、42b、42cに表示される識別情報を遮蔽したり露出させたりすることができ、従来にはない演出を行うことが可能となり遊技の興趣を向上することが可能となる。なお、メイン表示装置41の前方で裏面が前方を向いたサブ表示装置801を表面が前方を向くように回転させ、視認可能となった表示部802の表示により情報を報知する場合に、サブ表示装置801の後方に位置し、サブ表示装置801が回転する過程で視認可能となるメイン表示装置41の表示領域に、予告画像、エフェクト、期待度示唆画像などを表示し、表示部802の表示により報知される情報に加えて更なる情報を提供するようにしても良い。
以上のことから、遊技の進行に伴うメイン演出を表示可能なメイン表示装置41と、メイン演出の補助演出を表示可能なサブ表示装置801とを備えた遊技機において、メイン表示装置41の表示部41aの前方でサブ表示装置801を移動させることが可能な移動手段(スライド機構820)と、移動手段による移動後の位置でサブ表示装置801の表側と裏側とを反転させることが可能な表裏反転手段(回転駆動部810)と、移動手段及び表裏反転手段によるサブ表示装置801の動作を制御する動作制御手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、遊技機10は、複数の変動表示領域42a、42b、42cの各々に複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームをメイン演出としてメイン表示装置41に表示し、該変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるよう構成され、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行状態に応じて移動手段(スライド機構820)により複数の変動表示領域42a、42b、42cのいずれかの前方にサブ表示装置801を移動させることが可能であることとなる。
また、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲーム中にサブ表示装置801を移動させる場合には、未だ変動表示中の変動表示領域42a、42b、42cの前方にサブ表示装置801を移動させるようにしていることとなる。
また、変動表示ゲームは、複数の変動表示領域42a、42b、42cに識別情報を所定の順序で停止表示することで行われ、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示の順序に合わせて識別情報が停止する変動表示領域42a、42b、42cへのサブ表示装置801の移動を繰り返すことが可能であることとなる。
また、動作制御手段(演出制御装置300)は、移動手段(スライド機構820)によるサブ表示装置801の移動回数を設定することが可能な移動回数設定手段(演出制御装置300)を備え、移動回数設定手段は、変動表示ゲームが特別結果となる期待度が高いほどサブ表示装置801の移動回数を高確率で多く設定するようにしていることとなる。
また、サブ表示装置801に補助演出を表示させることが可能な補助演出制御手段(演出制御装置300)を備え、補助演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行過程でサブ表示装置801の後方に位置する変動表示領域42a、42b、42cに仮停止表示される識別情報を、補助演出としてサブ表示装置801に仮停止表示させることが可能であることとなる。
また、表裏反転手段(演出制御装置300)は、回動軸(軸部803)を中心にサブ表示装置801を回動させることで当該サブ表示装置801の表裏を反転するよう構成され、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行過程においてサブ表示装置801に識別情報が仮停止表示された場合には、回動軸を中心にサブ表示装置801を揺動させるようにしていることとなる。
また、遊技の進行に伴うメイン演出を表示可能なメイン表示装置41と、メイン演出の補助演出を表示可能なサブ表示装置801とを備えた遊技機において、サブ表示装置801は、表側に補助演出を表示する表示領域(表示部802)が設定されるとともに、裏側に装飾部が設けられ、サブ表示装置801を表側が視認可能となる第1状態と裏側が視認可能となる第2状態とに変換することが可能な状態変換手段(回転駆動部810)と、状態変換手段により状態変換されるサブ表示装置801をメイン表示装置41の表示部41aの前方で移動させることが可能な移動手段(スライド機構820)と、移動手段及び状態変換手段によるサブ表示装置801の動作を制御する動作制御手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、遊技機10は、複数の変動表示領域42a、42b、42cの各々に複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームをメイン演出としてメイン表示装置41に表示し、該変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるよう構成され、サブ表示装置801は、表裏一側を前方に向けた状態においてメイン表示装置41に設定される一の変動表示領域42a、42b、42cを遮蔽可能な大きさに設定されてなり、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行状態に応じて移動手段(スライド機構820)により複数の変動表示領域42a、42b、42cのいずれかの前方にサブ表示装置801を移動させることが可能であることとなる。
また、サブ表示装置801を回転させ、表側と裏側とを反転させることが可能な表裏反転手段(回転駆動部810)を備え、動作制御手段(演出制御装置300)が表裏反転手段によるサブ表示装置801の動作を制御するように構成され、動作制御手段は、サブ表示装置801を移動手段(スライド機構820)により変動表示領域42a、42b、42cの前方に移動した後に、表裏反転手段により回転させるようにしていることとなる。
また、変動表示領域42a、42b、42cの前方に位置しない所定位置にサブ表示装置801を待機させる待機領域830を備え、当該待機領域830は、サブ表示装置801を回転させて表側と裏側とを反転させることができない広さとされ、動作制御手段(演出制御装置300)は、サブ表示装置801を待機領域830から脱した位置に移動した際にサブ表示装置801を回転させるようにしていることとなる。
また、サブ表示装置801は、少なくとも表側に補助演出を表示する表示領域(表示部802)を備え、動作制御手段(演出制御装置300)は、サブ表示装置801を、特定の変動表示領域42a、42b、42cの前方において表側に反転させるように動作させ、表示制御手段(演出制御装置300)は、サブ表示装置801が裏側から表側に回転する際に、当該特定の変動表示領域42a、42b、42cに仮停止表示される識別情報をサブ表示装置801に仮停止表示することが可能であることとなる。
次に、第2特別変動入賞装置39を開放する特別結果となる特図変動表示ゲームにおいて、当該特別結果に基づく特別遊技状態における第2特別変動入賞装置39の開放回数を示唆する補助ゲームについて説明する。この補助ゲームに関する処理として、図42に示した変動中処理における補助ゲーム制御処理(ステップB216)において、図59に示す処理を行う。
〔補助ゲーム制御処理〕
補助ゲーム制御処理においては、まず、補助ゲーム中であるかを判定し(ステップB241)、補助ゲーム中でない場合(ステップB241;No)は、補助ゲーム用演出パターンであるかを判定する(ステップB242)。ここでの補助ゲーム用演出パターンとは、図49(b)に示すSP4変動演出パターン1(補助ゲーム用)である。この補助ゲーム用演出パターンでない場合(ステップB242;No)は、補助ゲーム制御処理を終了する。また、補助ゲーム用演出パターンである場合(ステップB242;Yes)は、進行情報設定済みであるかを判定する(ステップB243)。
進行情報とは、補助ゲームにおける獲得可能なポイントの上限値やポイントの獲得パターンを導出される特別結果に応じて設定した情報であり、この進行情報が設定済みである場合(ステップB243)は、補助ゲームの実行タイミングであるかを判定する(ステップB246)。また、進行情報が設定済みでない場合(ステップB243;No)は、大当りの種類に応じて獲得ポイント上限値を設定し(ステップB244)、大当りの種類に応じた獲得ポイント選択テーブルをセットして(ステップB245)、補助ゲームの実行タイミングであるかを判定する(ステップB246)。
大当りの種類に応じて獲得ポイント上限値を設定する処理(ステップB244)では、図60(a)に示す獲得ポイント上限値設定テーブルに従い、導出される特別結果に応じて上限値が設定される。ここで設定される上限値は、第2特別変動入賞装置39の開放回数に対応した上限値となっている。また、大当りの種類に応じた獲得ポイント選択テーブルをセットする処理(ステップB245)では、導出される特別結果の種類に応じて図60(b)から(e)の獲得ポイント選択テーブルをセットする。補助ゲームにおいてはこのテーブルに基づき、累積ポイントが上限値を超えないように獲得ポイントが決定される。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの結果に基づき発生する特別遊技状態の種類に応じて補助ゲームで獲得可能なポイントの上限値を設定する上限値設定手段をなす。また、演出制御装置300が、補助ゲームにおいて獲得するポイントの累積値が上限値を超えないように当該補助ゲームの進行を規制する進行規制手段をなす。
図59に戻り、補助ゲームの実行タイミングである場合(ステップB246;Yes)は、補助ゲームの開始を設定し(ステップB247)、ポイント獲得演出期間中であるかを判定する(ステップB248)。また、補助ゲームの実行タイミングでない場合(ステップB246;No)は、ポイント獲得演出期間中であるかを判定する(ステップB248)。そして、ポイント獲得演出期間中でない場合(ステップB248;No)は、補助ゲーム期間が終了するかを判定する(ステップB249)。また、ポイント獲得演出期間中である場合(ステップB248;Yes)は、演出ボタンの操作があるかを判定する(ステップB249)。
演出ボタンの操作がない場合(ステップB249;No)は、累積ポイントが、図60(a)に示した獲得ポイント上限値設定テーブルに基づき設定された上限値であるかを判定する(ステップB255)。また、演出ボタンの操作がある場合(ステップB249;Yes)は、獲得ポイントに0をセットし(ステップB250)、演出ボタンの操作がポイントの獲得条件成立操作であるかを判定する(ステップB251)。
獲得条件成立操作でない場合(ステップB251;No)は、セットされた獲得ポイントに対応するポイント獲得演出を設定する(ステップB254)。この場合は、ポイントが獲得できなかった旨の演出が設定される。また、獲得条件成立操作である場合(ステップB251;Yes)は、獲得ポイント選択テーブルから獲得ポイントを選択しセットして(ステップB252)、累積ポイントに選択された獲得ポイントを加算する(ステップB253)。
その後、セットされた獲得ポイントに対応するポイント獲得演出を設定する(ステップB254)。この場合は、獲得ポイント選択テーブルから選択された獲得ポイントを獲得した旨の演出が設定されるとともに、累積ポイントを表示する累積ポイント表示領域41g(図61参照)に獲得したポイントを加算する演出が設定される。この累積ポイントは後の特別遊技状態での第2特別変動入賞装置39の開放回数を示唆するものである。すなわち、演出制御装置300が、補助ゲームにおいて操作部(演出ボタン25)の操作により獲得したポイントの累積値を報知することが可能な累積ポイント報知手段をなす。また、演出制御装置300が、累積ポイント報知手段により報知された累積ポイントに対応する回数の変動入賞装置(第2特別変動入賞装置39)の開状態への変換を示唆する開放示唆手段をなす。
そして、累積ポイントが、図60(a)に示した獲得ポイント上限値設定テーブルに基づき設定された上限値であるかを判定し(ステップB255)、上限値である場合は、ポイント獲得期間終了演出を設定する(ステップB258)。また、上限値でない場合(ステップB255;No)は、ポイント獲得演出期間が終了したかを判定する(ステップB256)。ポイント獲得演出期間が終了していない場合(ステップB256;No)は、補助ゲーム制御処理を終了する。また、ポイント獲得演出期間が終了した場合(ステップB256;Yes)は、上限値から累積ポイントを減算した分のポイント加算演出を設定し(ステップB257)、ポイント獲得期間終了演出を設定する(ステップB258)。すなわち、演出制御装置300が、累積ポイントが上限値に到達せずに補助ゲームのポイント獲得期間が終了した場合に、その差分となるポイントの獲得を演出する追加演出(加算演出)を行う追加演出手段をなす。ここで設定された加算演出は、特別遊技状態の開始前や特別遊技状態中に行われる。この実行タイミングは特別結果の種類や累積ポイント値等により選択される。
その後、補助ゲーム期間が終了するかを判定し(ステップB259)、終了する場合(ステップB259;Yes)は、補助ゲームの終了を設定して(ステップB260)、補助ゲーム制御処理を終了する。また、終了しない場合(ステップB259;No)は、補助ゲーム制御処理を終了する。この場合、次回の補助ゲーム制御処理において補助ゲーム中である(ステップB241;Yes)と判定され、ステップB238以降の処理が行われる。すなわち、演出制御装置300が、特別結果となる変動表示ゲームの実行中に操作部(演出ボタン25)の操作に応じてポイントを獲得可能な補助ゲームを実行することが可能な補助ゲーム実行手段をなす。
図61から図64には、補助ゲームの一例を示した。ここでは第2特別変動入賞装置39(上AT)が27回開放される特別結果(確変9R大当り)となる特図変動表示ゲームにおける補助ゲームを示した。演出変動パターンとしてSP4変動演出パターン1(補助ゲーム用)が選択された特図変動表示ゲームにおいて、図61(a)に示すように変動表示が行われている状態から、所定の補助ゲーム実行タイミングとなると図61(b)に示すように表示が切り替わり、図61(c)に示すように補助ゲームが開始される。
図61(c)に示すように補助ゲームが開始された時点で変動表示領域42a、42b、42cは縮小表示される。すなわち、演出制御装置300が、補助ゲームの実行中において識別情報の変動表示を縮小表示することが可能な縮小表示手段をなす。また、識別情報が特別結果(ここでは「135」と「246」)となった状態で変動表示が行われる特殊態様(ここではいわゆる全回転リーチ)となり、大当りとなることが示唆される。なお、特殊態様は、ここで示したように、複数の識別情報が複数種類の特別結果を構成した状態で変動表示を行う態様(いわゆる全回転リーチ)の他、特定の種類の特別結果を表示した状態で揺れるように変動表示する態様など、特別結果となることを示唆するものであれば何でも良い。このように特殊態様を表示することで、補助ゲームの発生と特別遊技状態の発生とが関連したものであることを遊技者に把握させることができる。
ここでの補助ゲームは、敵機41hを撃墜することでポイントが獲得できるゲームであって、図61(d)に示すように演出表示領域41e内を移動する敵機41hが、図61(e)に示すように中央の照準に合致した際に遊技者が演出ボタン25を操作(獲得条件成立操作)することで、図61(f)に示すように敵機41hが撃墜され、図61(g)に示すようにポイントが付与される。このようにして獲得されたポイントの累積値である累積ポイントは、累積ポイント表示領域41gに表示される。
図61(h)、図62(a)から(c)に示すようにゲームが継続し、図62(c)に示すように、特別結果に応じた上限値(ここでは27ポイント)に到達すると、図62(d)に示すように補助ゲームが終了し、図62(e)に示すように累積ポイントが表示される。この累積ポイントは後の特別遊技状態での第2特別変動入賞装置39の開放回数を示唆するものであり、少なくとも27回の開放が行われることを示唆している。
その後、図62(f)に示すように識別情報の変動表示速度が徐々に遅くなり、図62(g)に示すように結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了し、図62(h)に示すように特別遊技状態が開始される。ここでの特別遊技状態では、ラウンド遊技を9ラウンド行い、第2特別変動入賞装置39(上AT)が27回開放される。
図63には、所定の補助ゲーム期間においてポイントを上限値まで獲得できなかった例を示した。図63(a)から(c)に示すように補助ゲームを行ったが、獲得ポイントが上限値(ここでは27ポイント)に到達せず、図63(d)に示すように補助ゲーム期間が終了した場合は、図63(e)に示すように、現時点での獲得ポイントで補助ゲームが終了する。その後、図63(f)に示すように識別情報の変動表示速度が徐々に遅くなり、図63(g)に示すように結果態様が表示される際に、上限値までの不足分のポイントを加算する加算演出(追加演出)が行われる。すなわち、特別遊技状態の開始前に加算演出が行われる。そして、図63(h)に示すように特別遊技状態が開始される。なお、特別遊技状態の開始前に不足分のポイントを加算するとしたが、特別遊技状態中に加算するようにしても良い。
図64にも所定の補助ゲーム期間においてポイントを上限値まで獲得できなかった例を示した。図64(a)に示すように、この場合も獲得ポイントが上限値(ここでは27ポイント)に到達せず、現時点での獲得ポイントで補助ゲームが終了している。ただし、この場合の獲得ポイントは、今回の特別結果に対応するラウンド数である9ラウンドよりも下のランクとなる特別結果でのラウンド数である6ラウンドを示唆する18ポイントとなっている。
この場合は、図64(b)、(c)に示すように特別結果も6ラウンドの大当りに対応する結果態様とし、図64(d)、(e)に示すように、特別遊技状態での演出態様も6ラウンドの大当りに対応するものとする。すなわち、特別遊技状態の開始前に加算演出(追加演出)が行なわれない。そして、図64(f)に示すように、補助ゲームで示唆された開放回数となる18回目の開放が終了した際に、図64(g)に示すように不足分のポイントが加算され、図64(h)に示すように特別遊技状態が継続される。すなわち、特別遊技状態中に加算演出(追加演出)が行われる。このように、特別遊技状態の終了を匂わせるタイミングで加算演出を行うことで、加算演出の演出効果が向上する。
なお、図64の例においては加算演出(追加演出)を特別遊技状態中に実行するとしたが、この例においても特別遊技状態の開始前に加算演出行うことも可能とし、この例のように累積ポイントが導出される特別結果に対応するラウンド数よりも下のランクとなる特別結果でのラウンド数を示唆する値である場合には、特別遊技状態の開始前よりも特別遊技状態中に高い確率で実行するようにしても良い。また、特別遊技状態中に加算演出を実行する場合に、累積ポイントに対応する開放(ここでは18回目の開放)の終了時に加算演出を実行するとしたが、累積ポイントに対応する開放の終了時以前に加算演出を実行するようにしても良い。また、一度の加算演出で不足分を全て加算するのではなく、数回に分けて加算するようにし、ランクが徐々に上がるように演出しても良い。このように、ポイントの獲得状態と異なる種類の特別遊技状態のポイント上限値とを関連付けて加算演出の発生タイミングに偏りを持たせることで、特別遊技状態の成り上がり感を持たせ、効果的に興趣を向上させることができる。
上述のような補助ゲームを行うことで、補助ゲームにおいて獲得したポイントにより特別遊技状態の種類(第2特別変動入賞装置39の開放回数)が示唆されるので、補助ゲームの発生に対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、補助ゲームへの遊技者の参加意欲を高めることも可能となる。また、報知された累積ポイントに対応する回数の第2特別変動入賞装置39の開状態への変換が示唆されるので、遊技者が演出ボタン25を積極的に操作するようになる。また、加算演出を行うことで遊技者が得をした感じになるし、加算演出のタイミングを変化させることで遊技者を一喜一憂させることができる。
なお、補助ゲームで第2特別変動入賞装置39の開放回数を示唆するとしたが、第1特別変動入賞装置38の開放回数を示唆するようにしても良い。また、補助ゲームは、結果により開放回数を示唆するものであればどのような内容でも良い。さらに、特別結果とならない場合にも補助ゲームを実行するようにしても良く、この場合は、例えば累積ポイントが0ポイントとなるような演出を行うようにする。また、操作部は、遊技者の操作を受け付けることができるものであれば何でも良く、演出ボタン25のようなボタンの他、タッチセンサや所定空間内での遊技者の手の動きを検出可能なセンサなどを用いても良い。
以上のことから、始動入賞領域(第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、メイン表示装置41、サブ表示装置801)で複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となった場合に、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種の特別遊技状態の何れかを発生する遊技機において、遊技者が操作することが可能な操作部(演出ボタン25)と、特別結果となる変動表示ゲームの実行中に操作部の操作に応じてポイントを獲得可能な補助ゲームを実行することが可能な補助ゲーム実行手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームの結果に基づき発生する特別遊技状態の種類に応じて補助ゲームで獲得可能なポイントの上限値を設定する上限値設定手段(演出制御装置300)と、補助ゲームにおいて獲得するポイントの累積値が上限値を超えないように当該補助ゲームの進行を規制する進行規制手段(演出制御装置300)と、補助ゲームにおいて操作部の操作により獲得したポイントの累積値を報知することが可能な累積ポイント報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、複数種の特別遊技状態は、変動入賞装置(第2特別変動入賞装置39)を閉状態から開状態に変換する開放回数がそれぞれ異なり、上限値設定手段は、特別遊技状態における変動入賞装置の開放回数に対応するポイント数を上限値に設定するようにしたこととなる。
また、累積ポイント報知手段(演出制御装置300)により報知された累積ポイントに対応する回数の変動入賞装置(第2特別変動入賞装置39)の開状態への変換を示唆する開放示唆手段(演出制御装置300)と、累積ポイントが上限値に到達せずに補助ゲームのポイント獲得期間が終了した場合に、その差分となるポイントの獲得を演出する追加演出を行う追加演出手段(演出制御装置300)と、を備え、追加演出手段は、特別遊技状態の開始前又は特別遊技状態中に追加演出を行うようにしたこととなる。
また、追加演出手段(演出制御装置300)は、補助ゲームの終了時点で報知されている累積ポイントが、これから発生する特別遊技状態よりも変動入賞装置(第2特別変動入賞装置39)の開放回数が少ない特別遊技状態に対応する累積ポイントの上限値と一致する場合には、追加演出を特別遊技状態中に実行又は特別遊技状態の開始前よりも特別遊技状態中に高い確率で実行するようにしたこととなる。
また、追加演出手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態中の追加演出を補助ゲームの終了時点で報知されている累積ポイントに対応する回数の変動入賞装置(第2特別変動入賞装置39)の開状態の変換が終了したタイミングで実行するようにしたこととなる。
また、補助ゲームの実行中において識別情報の変動表示を縮小表示することが可能な縮小表示手段(演出制御装置300)を備え、縮小表示手段は、変動表示ゲームが特別結果となることを示唆する特殊態様で縮小表示させた識別情報を変動表示させるようにしたこととなる。
次に、記憶されている特図始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの実行前に、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や演出内容等を示唆、報知する事前演出(先読み演出)について説明する。この事前演出では、始動入賞領域をなす第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641及び普通変動入賞装置37への入賞に基づき発生した特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や演出内容等を示唆、報知する演出を行う。また、第2特図1始動入賞口641への入賞に基づき発生した特図始動記憶についての事前演出では、入賞球演出装置770の揺動演出部材776の動作に関連した演出も行うようになっている。
〔事前判定コマンド受信処理〕
図65には、1stシーン制御処理(図40参照)における事前判定コマンド受信処理(ステップB49)を示した。この事前判定コマンド受信処理では、まず、事前判定コマンド(特図種別・図柄情報コマンドと変動パターン乱数コマンド)を受信したかを判定する(ステップB271)。
事前判定コマンドを受信していない場合(ステップB271;No)は、事前演出の実行を制御する事前(先読み)演出実行処理(ステップB284)を行って、事前判定コマンド受信処理を終了する。また、事前判定コマンドを受信した場合(ステップB271;Yes)は、事前判定コマンドの内容を対応する保留(始動)記憶領域にセーブし(ステップB272)、図柄情報コマンドをチェックして(ステップB273)、はずれ図柄であるかを判定する(ステップB274)。
はずれ図柄である場合(ステップB274;Yes)、すなわち結果がはずれとなる場合は、遊技状態フラグを取得し(ステップB275)、現在の保留記憶数を取得する(ステップB276)。さらに、遊技状態フラグと保留記憶数に応じたはずれ変動選択テーブルをセットし(ステップB277)、変動パターン乱数コマンドをチェックする(ステップB279)。一方、はずれ図柄でない場合(ステップB274;No)、すなわち結果が大当りとなる場合は、大当り後半変動選択テーブルをセットし(ステップB278)、変動パターン乱数コマンドをチェックする(ステップB279)。
そして、2バイト振り分け処理を行い(ステップB280)、振り分けた結果得られたリーチ系統の情報を取得し(ステップB281)、取得したリーチ系統情報を対象の保留(始動)記憶領域にセーブする(ステップB282)。その後、事前演出の設定を行う事前(先読み)演出設定処理(ステップB283)を行い、事前演出の実行を制御する事前(先読み)演出実行処理(ステップB284)を行って、事前判定コマンド受信処理を終了する。
〔事前(先読み)演出設定処理〕
図66には、事前判定コマンド受信処理における事前(先読み)演出設定処理(ステップB283)を示した。この事前(先読み)演出設定処理では、まず、事前判定コマンドがどの始動口に対応するものかをチェックし(ステップB291)、特1始動口B(第2特図1始動入賞口641)に対応するものかを判定する(ステップB292)。そして、特1始動口Bに対応するものである場合(ステップB292;Yes)は、特殊保留予告を実行するための条件が成立しているかをチェックし(ステップB293)、実行条件が成立しているかを判定する(ステップB294)。
この特殊保留予告を実行するための条件とは、リーチ状態中、擬似連変動中、連続予告の実行中、揺動演出部材776の動作と関連した特殊保留予告の実行中でなく通常変動をしていることである。この実行条件が成立していない場合(ステップB294;No)は、事前(先読み)演出設定処理を終了する。これにより演出が重複して演出内容が分かりにくくなることを防止することができる。
また、実行条件が成立している場合(ステップB294;Yes)は、図柄情報及びリーチ系統情報に基づき図68に示す特殊保留予告態様振分テーブルを参照して特殊保留予告態様を決定し(ステップB295)、保留表示47へのエフェクトの追加に係わる計測タイマをセットする(ステップB296)。計測タイマは、始動口3スイッチ644での遊技球の検出から通過検出センサ774aでの遊技球の検出までの時間を計測するためのもので、これにより流路772を流下する遊技球の流下速度(時間)を検出する。揺動演出部材776の揺動幅は流下速度に依存するので、流下速度の大きさに合わせて保留表示47にエフェクトを追加することで演出効果を高めるようにしている。その後、特殊保留予告の実行情報を対応する保留(始動)記憶領域にセーブし(ステップB297)、事前(先読み)演出設定処理を終了する。これにより、揺動演出部材776の動作と関連して事前判定情報を報知、示唆する特殊保留予告の実行に関する情報が設定される。
一方、事前判定コマンドが特1始動口Bに対応するものでない場合(ステップB292;No)は、事前判定コマンドが特1始動口A(第1特図1始動入賞口36)に対応するものかを判定する(ステップB298)。そして、特1始動口Aに対応するものである場合(ステップB298;Yes)は、連続予告を実行するための条件が成立しているかをチェックし(ステップB299)、実行条件が成立しているかを判定する(ステップB300)。
この連続予告を実行するための条件とは、事前判定コマンドに対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動演出パターンがSP2〜4リーチであり、かつ、連続予告や特殊保留予告の実行中でなく、受信した事前判定コマンドに対応する特図始動記憶より先に特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が存在することである。
この実行条件が成立している場合(ステップB300;Yes)は、図柄情報及びリーチ系統情報に基づき連続予告態様を決定し(ステップB301)、現在の始動記憶数から連続予告回数を決定する(ステップB302)。なお、連続予告の予告態様にはサブ表示装置801を動作させるものと動作させないものとがあるが、サブ表示装置801を動作させる連続予告は、例えば図55から図58に示したようなサブ表示装置801を動作させる演出が連続予告の実行対象となる特図変動表示ゲームで実行されないことを条件に選択可能となっている。また、連続予告回数は、連続予告の対象となる特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行までに消化される第1特図始動記憶の数が設定される。
その後、連続予告の実行情報を対応する保留(始動)記憶領域にセーブし(ステップB303)、事前(先読み)演出設定処理を終了する。これにより、特定の始動記憶について、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘る複数の連続した特図変動表示ゲームにおいて演出を実行することにより、当該始動記憶についての事前判定情報を報知、示唆する連続予告の実行に関する情報が設定される。
また、実行条件が成立していない場合(ステップB300)及び事前判定コマンドが特1始動口Aに対応するものでなく第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対応するものである場合(ステップB298;No)は、図柄情報及びリーチ系統情報に基づき図69に示す通常保留予告態様振分テーブルを参照して通常保留予告態様を決定し(ステップB304)、通常保留予告の実行情報を対応する保留記憶領域にセーブする(ステップB305)。これにより、保留表示47の表示態様を変更することなどにより事前判定情報を報知、示唆する通常保留予告の実行に関する情報が設定される。
図67には演出制御装置300の保留(始動)記憶領域の内容を示した。この保留(始動)記憶領域には、特図1始動記憶に関する情報を記憶する特図1保留(始動)記憶領域と、特図2始動記憶に関する情報を記憶する特図2保留(始動)記憶領域とが設定されている。そして、特図1保留(始動)記憶領域と特図2保留(始動)記憶領域にはそれぞれ、保留数を記憶する保留数情報記憶領域が設定された記憶領域0と、各特図始動記憶に関する情報を記憶する記憶領域1から4が設定されている。
記憶領域1から4には各特図始動記憶の情報が消化順序に従い格納されるようになっており、消化順序が早いものから記憶領域1、2、3、4の順に情報が格納される。そして、特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行に伴い、対応する記憶領域1の情報をクリアするとともに、記憶領域2から4の情報を順次繰り上げて格納するようになっている。記憶領域1から4にはそれぞれ、事前判定コマンドに関する情報(図柄情報、変動パターン乱数1情報)を記憶する事前判定コマンド領域と、事前判定コマンドに基づき設定される情報等(リーチ系統情報、事前演出実行情報、特殊保留予告や連続予告、通常保留予告の実行情報等)を記憶する事前判定情報領域が設定されており、特図変動表示ゲームの実行の際には、この情報を参照して実行態様を設定する。
図68には、図柄情報及びリーチ系統情報に基づき特殊保留予告態様を決定する処理(ステップB295)で参照する特殊保留予告態様振分テーブルを示した。ここでの特殊保留予告は、図73、図74に示すように、揺動演出部材776の揺動動作に合わせて、メイン表示装置41に表示された記憶表示画像をなす保留表示47を初期表示領域48から移動表示し、当該保留表示47がゴール49を通過する演出や、その表示態様を変化させる演出により結果や変動パターンを報知、示唆するものである。
特殊保留予告振分テーブルでは、図柄情報及びリーチ系統情報に応じて選択可能な予告態様とその割合(報知割合)が設定されている。なお、予告態様の欄に示す情報は、初期表示領域48での保留表示47の色(白、青、黄又は赤)→ゴール49の通過の有無(ゴール又ははずれ)→ゴール49通過後の保留表示47の色(白、青、黄、赤又は虹)を示すものである。なお、保留表示47の色は大当りの期待度を示すものであって、白が最も低く、青、黄、赤、虹の順に大当りの期待度が高くなる。
例えば、図柄情報がはずれでありリーチ系統情報がリーチなしである場合は、49%の確率で保留表示47の初期表示領域48での表示色を白色とし、ゴール49を通過せず(はずれ)、その後の表示色も白色のままとする予告態様が選択される。また、49%の確率で保留表示47の初期表示領域48での表示色を白色とし、ゴール49を通過し(ゴール)、ゴール49通過後の表示色を白色のままとする予告態様が選択される。また、1%の確率で保留表示47の初期表示領域48での表示色を白色とし、ゴール49を通過し(ゴール)、ゴール49通過後の表示色を青色とする予告態様が選択される。また、1%の確率で保留表示47の初期表示領域48での表示色を青色とし、ゴール49を通過し(ゴール)、ゴール49通過後の表示色を青色とする予告態様が選択される。すなわち、演出制御装置300が、事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づいて、記憶表示画像(保留表示47)の表示態様を変化させることが可能な表示態様変化手段をなす。
図69には、図柄情報及びリーチ系統情報に基づき通常保留予告態様を決定する処理(ステップB304)で参照する通常保留予告態様振分テーブルを示した。ここでの通常保留予告は、図77に示すように記憶表示領域43での保留表示47の表示色により、結果や変動パターンを報知、示唆するものである。例えば、図柄情報がはずれでありリーチ系統情報がリーチなしである場合は、97%の確率で白色が選択され、3%の確率で青色が選択される。
〔事前(先読み)演出実行処理〕
図70には、事前判定コマンド受信処理における事前(先読み)演出実行処理(ステップB284)を示した。この事前(先読み)演出実行処理では、まず、保留(始動)記憶領域に特殊保留予告の実行情報があるかをチェックする(ステップB311)。そして、特殊保留予告の実行情報がある場合(ステップB312;Yes)は、特殊保留予告実行処理(ステップB317)を行い、事前(先読み)演出実行処理を終了する。これにより特殊保留予告の実行が設定される。また、特殊保留予告の実行情報がない場合(ステップB312;No)は、保留(始動)記憶領域に連続予告の実行情報があるかをチェックする(ステップB313)。
そして、連続予告の実行情報がある場合(ステップB314;Yes)は、連続予告実行処理(ステップB318)を行い、事前(先読み)演出実行処理を終了する。これにより連続予告の実行が設定される。また、連続予告の実行情報がない場合(ステップB314;No)は、保留(始動)記憶領域に通常保留予告の実行情報があるかをチェックする(ステップB315)。
通常保留予告の実行情報がある場合(ステップB316;Yes)は、通常保留予告実行処理(ステップB319)を行い、事前(先読み)演出実行処理を終了する。これにより通常保留予告の実行が設定される。また、通常保留予告の実行情報がない場合(ステップB316;No)は、事前(先読み)演出実行処理を終了する。
〔特殊保留予告実行処理〕
図71には、事前(先読み)演出実行処理における特殊保留予告実行処理(ステップB317)を示した。この特殊保留予告実行処理では、まず、初期表示済みであるかを判定する(ステップB321)。初期表示とは、第2特図1始動入賞口641への入賞に基づき発生した特図始動記憶に対応する保留表示47が、メイン表示装置41における揺動演出部材776の配設位置に対応する初期表示領域48に表示された状態である。
初期表示済みでない場合(ステップB321;No)は、実行情報に対応する保留表示を初期表示領域48に表示し(ステップB322)、通過検出センサ774aを入賞球が通過したかをチェックする(ステップB323)。また、初期表示済みである場合(ステップB321;Yes)は、通過検出センサ774aを入賞球が通過したかをチェックする(ステップB323)。そして、通過検出センサ774aを入賞球が通過していない場合(ステップB324;No)は、特殊保留予告実行処理を終了する。また、通過検出センサ774aを入賞球が通過した場合(ステップB324;Yes)は、実行情報と計測タイマの値に基づきエフェクト追加の要否を決定する(ステップB325)。
エフェクト追加の要否は、図72に示すように計測タイマの値が1秒未満であるか否か、及び、初期表示領域48での表示色よりもゴール通過後の表示色の方が期待度の高い表示色となるようにする(昇格する)か否かにより異なる割合で決定される。例えば、計測タイマの値が1秒未満であり、初期表示領域48での表示色とゴール49通過後の表示色が同じ(昇格なし)である場合は、50%の確率でエフェクトの追加が決定される。なお、計測タイマの値が1秒未満であるほうが1秒以上である場合よりも流下速度が高く揺動演出部材776の揺動幅が大きくなるため、エフェクトの追加が決定される確率が高くされている。また、昇格がある場合のほうが昇格がない場合よりもエフェクトの追加が決定される確率が高くされている。
図71に戻り、エフェクトが追加された場合(ステップB326;Yes)は、初期表示領域48に表示された保留表示にエフェクトを追加し(ステップB327)、保留表示の態様変化演出の実行を設定する(ステップB328)。保留表示47の態様変化演出とは、保留表示47の移動表示や表示色の変化、エフェクトの表示、消滅などを含む演出である。また、エフェクトが追加されなかった場合(ステップB326;No)は、保留表示47の態様変化演出の実行を設定する(ステップB328)。その後、計測タイマをクリアして特殊保留予告の実行情報をクリアし(ステップB329)、特殊保留予告実行処理を終了する。
すなわち、演出制御装置300が、球検出部(始動口3スイッチ644、通過検出センサ774a)で流入球が検出されたことに基づき、表示部41aで可動部材(揺動演出部材776)の動作に関連させた特定演出(特殊保留予告演出)を実行可能な特定演出実行手段をなす。また、演出制御装置300が、球検出部(始動口3スイッチ644、通過検出センサ774a)で入賞口に入賞した入賞球を検出したことに基づいて、所定の画像を可動部材(揺動演出部材776)に対応する位置に表示させることが可能な画像表示手段をなす。また、演出制御装置300が、画像表示手段(演出制御装置300)により表示された所定の画像を可動部材(揺動演出部材776)の動作に合わせて移動表示させることが可能な移動表示手段をなす。
図73、図74には、特殊保留予告の一例を示した。図73(a)に示すように、遊技球が第2特図1始動入賞口641に流入し、始動口3スイッチ644により検出されると、当該入賞に基づく始動記憶の事前判定が行われる。ここでは特殊保留予告の実行が選択されており、演出制御装置300では事前判定の結果に基づき、特殊保留予告態様を決定し、これに従い初期表示領域48に保留表示を行う。ここでは白色の保留表示47が表示されている。
そして、図73(b)に示すように遊技球が通過検出センサ774aを通過して揺動演出部材776の球受部776aに衝突すると、揺動演出部材776の下部が右方へ回動する。演出制御装置300では、遊技球が通過検出センサ774aを通過することにより計測タイマの値に基づきエフェクトの追加の要否を決定する。ここではエフェクトの追加は選択されていない。さらに、揺動演出部材776の下部が右方へ回動するのに合わせて保留表示47を初期表示領域48から右方へ向けて移動させる態様変化演出の実行を設定する。これにより、足の形を模した揺動演出部材776により保留表示47が右方へ蹴り出されたよう演出表示が行われる。
図73(c)に示すように、メイン表示装置41の右側の領域には、ゴール49としてバスケットボールのゴールを模した表示がなされ、保留表示47はこのゴール49へ向けて移動表示される。ゴール49の通過が選択されている場合は、図73(c)、(d)に示すように保留表示47がゴール49を通過する表示がなされる。このときサブ表示装置801には、ゴール49を通過することを示唆する「CHANCE」の表示がなされる。さらに、ゴール49通過後の保留表示47の色の変化が設定されている場合は、図73(d)に示すように、保留表示47の色を変化させる。ここではゴール49通過後に黄色に変化している。このときサブ表示装置801には保留表示47の色の変化があったことを示す「CHANGE」の表示がなされる。
ゴール49を通過した保留表示47は、メイン表示装置41の右下部に表示された記憶表示領域43に流入するように表示される。記憶表示領域43は、左側へ向けて下るように傾斜した横長の領域とされ、保留表示47は記憶表示領域43の右端から流入し、左方へ下るように表示される。
また、ゴール49の通過が選択されていない場合は、図73(e)、(f)に示すように保留表示47がゴール49を通過せずに記憶表示領域43に流入するように表示される。このときサブ表示装置801には、ゴール49を通過しないことを示唆する「ヤバイ」の表示がなされる。さらにここでは、保留表示47の色の変化も設定されておらず、図73(f)に示すように、保留表示47の色は白色のままとなっている。このときサブ表示装置801には、表示色の変化がなかったことを示す「ち〜ん…」の表示がなされる。
図74にはエフェクト47aが追加される場合を示した。図74(a)に示すように、遊技球が第2特図1始動入賞口641に流入し、始動口3スイッチ644により検出されて当該入賞に基づく特図始動記憶の事前判定が行われ、特殊保留予告の実行が選択されてここでは青色の保留表示47が初期表示領域48に表示されている。そして、図74(b)に示すように遊技球が通過検出センサ744aを通過して揺動演出部材776の球受部776aに衝突して揺動演出部材776の下部を右方へ回動させている。
ここでは計測タイマの値に基づきエフェクトの追加が選択されており、保留表示47の周囲を囲むようにエフェクト47aが表示されている。このエフェクト47aが表示された状態で、揺動演出部材776の下部が右方へ回動するのに合わせて保留表示47を初期表示領域48から右方へ向けて移動する。
そして、ゴール49の通過及び表示色の変化が選択されている場合は、図74(c)、(d)に示すように保留表示47がゴール49を通過する表示がなされるとともにゴール49通過後に保留表示47の色が変化する。ゴール49を通過した場合はエフェクト47aが表示されたまま保留表示47が記憶表示領域43に流入するように表示される。また、ゴール49の通過が選択されていない場合は、図74(e)、(f)に示すように保留表示47がゴール49を通過せずに記憶表示領域43に流入するように表示される。この場合、ゴール49を通過しなかった時点でエフェクト47aの表示が終了するようになっている。
このように揺動演出部材776の動作に関連して特殊保留予告を行うことで、揺動演出部材776の動作時における演出効果を効果的に向上させることが可能となるとともに、事前演出についても演出効果を効果的に向上させることができる。
なお、保留表示47の表示色の変化が行われる可能性が高いことを報知するような保留表示(キャラクタやアイコン)などを行うようにしても良い。この場合、初期表示領域48での表示色を白色のみとしても良い。また、表示色の変化を大当りの期待度が高い表示色への変化のみとしたが、大当りの期待度が低い表示色へ変化させる降格変化も可能としても良い。この場合、ゴール49を通過しなかったことを契機として表示色を降格変化させるようにすることが好ましい。
また、表示色の変化をゴール49の通過を契機として行うようにしたが、これ以外のタイミングで表示色を変化させても良いし、複数段階に亘り変化させるようにしても良い。例えば、揺動演出部材776の揺動時に表示色の変化など表示態様を変化させるようにしても良い。また、揺動演出部材の後方や近傍に発光部を設け、発光部の発光色によって保留表示47の表示態様が変化することを示唆しても良いし、発光部の発光をエフェクトとして用いても良い。
また、始動口3スイッチ644を、第2特図1始動入賞口641を形成する始動口形成部材640に設けたが、入賞球演出装置770における流路772に設けても良い。また、通過検出センサ774aを設けずに、始動口3スイッチ644を通過検出センサ774aの位置に設けるようしても良い。さらに、流路772に入賞球の流下速度を計測(検出)するセンサを設け、このセンサによって計測(検出)された流下速度によりエフェクトの有無を決定するようにしても良い。
また、揺動演出部材776の動作に関連して特殊保留予告を行うようにしたが、特殊保留予告を単純に始動入賞があったことを報知する画像演出としても良い。また、第2特図1始動入賞口641への入賞について特殊保留予告を行うようにしたが、これ以外の始動入賞口への入賞についても特殊保留予告を行うことができるようにしても良い。第2特図1始動入賞口641への入賞により第1始動記憶が発生するようにしたが、この始動入賞口を第2特図2始動入賞口として第2始動記憶を発生させるものとしても良い。
また、第2特図1始動入賞口641に入賞した遊技球により揺動演出部材776を揺動させ、これに応じて演出表示を行うようにしたがこれに限られるものではなく、遊技領域32を流下する遊技球が流入可能な球流入部に流入した遊技球がにより揺動演出部材776を揺動させ、これに応じて演出表示を行うようにすれば良い。すなわち球流入部は、他の入賞口でも良いし、ワープ装置610のような入賞口以外の流入部でも良い。また、揺動により演出を行うものとしたが、これ以外の動作により演出を行う可動部材を用いても良く、流入球が衝突することで表示部41aの前方で動作可能な可動部材であれば良い。
以上のことから、表面に遊技領域32が形成される遊技盤30と、表示部41aが視認可能となるように遊技盤30に対応して配設される表示装置(メイン表示装置41)と、を備えた遊技機において、遊技領域32を流下する遊技球が流入可能な球流入部(第2特図1始動入賞口641)と、球流入部に流入した流入球を流下させる球流路部(流路772)と、流入球が衝突することで表示部41aの前方で動作可能な可動部材(揺動演出部材776)と、可動部材に衝突する前の流入球を検出可能な球検出部(始動口3スイッチ644、通過検出センサ774a)と、球検出部で流入球が検出されたことに基づき、表示部41aで可動部材の動作に関連させた特定演出を実行可能な特定演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
ここで、遊技盤に対応して配設される表示装置とは、遊技盤の所定位置に配設される表示装置のほか、遊技盤を取り付ける枠などの遊技盤以外の箇所に配設され、遊技盤の所定位置に臨むようにされた表示装置も含む。
また、可動部材(揺動演出部材776)は、流入球が衝突することで表示部41aに沿う方向に揺動動作するようにしていることとなる。
また、球流入部(第2特図1始動入賞口641)は、遊技球の入賞により遊技者に遊技価値を付与する入賞口であり、特定演出実行手段(演出制御装置300)は、球検出部(始動口3スイッチ644、通過検出センサ774a)で入賞口に入賞した入賞球を検出したことに基づいて、所定の画像を可動部材(揺動演出部材776)に対応する位置に表示させることが可能な画像表示手段(演出制御装置300)と、画像表示手段により表示された所定の画像を可動部材の動作に合わせて移動表示させることが可能な移動表示手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、入賞口(第2特図1始動入賞口641)は、遊技球の入賞により表示装置(メイン表示装置41)で複数の識別情報による変動表示ゲームを実行させるための始動入賞口であり、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて乱数を抽出して変動表示ゲームを実行するための始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、表示部41aには、始動記憶手段に記憶された始動記憶を報知するための記憶表示領域43が設定され、画像表示手段(演出制御装置300)は、所定の画像として始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて記憶された始動記憶に対応する記憶表示画像(保留表示47)を表示し、移動表示手段(演出制御装置300)は、画像表示手段により表示された記憶表示画像を記憶表示領域まで移動表示させるようにしていることとなる。
また、入賞口(第2特図1始動入賞口641)は、遊技球の入賞により表示装置(メイン表示装置41)で複数の識別情報による変動表示ゲームを実行させるための始動入賞口であり、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて乱数を抽出して変動表示ゲームを実行するための始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、画像表示手段(演出制御装置300)は、所定の画像として始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて記憶された始動記憶に対応する記憶表示画像(保留表示47)を表示し、移動表示手段(演出制御装置300)は、事前判定手段の判定結果に基づいて、記憶表示画像の移動表示態様を変更するようにしていることとなる。ここで、移動表示態様を変更するとは、記憶表示画像に対するエフェクトの追加や、移動経路の変更などである。
また、事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づいて、記憶表示画像(保留表示47)の表示態様を変化させることが可能な表示態様変化手段(演出制御装置300)を備え、表示態様変化手段は、移動表示手段(演出制御装置300)による移動表示の途中又は結果として記憶表示画像の表示態様を変化させるようにしている。したがって、特定演出の演出効果を向上することができることとなる。
〔連続予告実行処理〕
図75には、事前(先読み)演出実行処理における連続予告実行処理(ステップB318)を示した。この連続予告実行処理では、まず、変動表示の開始タイミングであるかを判定する(ステップB341)。そして、変動表示の開始タイミングでない場合(ステップB341;No)は、大当りが発生したかを判定する(ステップB346)また、変動表示の開始タイミングである場合(ステップB341;Yes)は、特1変動(第1特図変動表示ゲーム)であるかを判定する(ステップB342)。
特1変動である場合(ステップB342;Yes)は、連続予告態様と残り連続予告回数に応じた連続予告動作を設定し(ステップB343)、連続予告回数を1減算し(ステップB344)、大当りが発生したかを判定する(ステップB346)。また、特1変動でない場合(ステップB342;No)は、前回特1変動時の連続予告動作と同じ連続予告動作を再設定し(ステップB345)、大当りが発生したかを判定する(ステップB346)。なお、連続予告動作を設定する処理(ステップB343、B345)では、メイン表示装置41やサブ表示装置801での表示内容の他、サブ表示装置801の動作態様も設定され、ここでの設定に従って表示制御手段や動作制御手段がメイン表示装置41及びサブ表示装置801での表示や動作を制御する。
大当りが発生していない場合(ステップB346;No)は、連続予告実行処理を終了する。また、大当りが発生した場合(ステップB346;Yes)は、連続予告の実行情報をクリアして(ステップB347)、連続予告実行処理を終了する。これにより、例えば、第1始動記憶を対象に連続予告を実行している際に、第2始動記憶が発生して当該第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合は連続予告が終了するようになる。すなわち、演出制御装置300が、事前判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に基づき、複数の変動表示ゲームに亘って連続的な演出を実行する連続演出実行手段をなす。
〔通常保留予告実行処理〕
図76には、事前(先読み)演出実行処理における通常保留予告実行処理(ステップB319)を示した。この通常保留予告実行処理では、まず、保留記憶領域に記憶された通常保留予告態様を取得し(ステップB351)、通常保留予告態様に基づき各保留表示の表示態様を設定する(ステップB352)。そして、保留記憶数に応じて各保留表示の表示位置を設定し(ステップB353)、通常保留予告実行処理を終了する。これにより、記憶表示領域43に表示される保留表示47の表示態様(例えば、表示色)を変更することによる事前演出が実行される。
図77、図78には、連続予告及び通常保留予告の一例を示した。この例は、第1始動記憶が4つある状態で4番目に消化される第1始動記憶を対象として連続予告の実行が決定された例である。なお、図77(a)、図78(a)に示すように、ここでは連続予告の対象となる第1始動記憶について通常保留予告が実行されており、記憶表示領域43に表示された対応する保留表示47の表示色が通常の白色から赤色に変更されている。
図77には連続予告の各回におけるサブ表示装置801の動作態様が異なる連続予告の例を示した。消化順序が1番目の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、連続予告の1回目が行われる。この1回目の連続予告では、図77(a)、(b)に示すように待機領域830にあるサブ表示装置801の表示部802に1回目の連続予告であることを示す予告画像1が表示された状態で特図変動表示ゲームが行われる。なお、連続予告であることを示す予告画像はメイン表示装置41では表示されない画像である。
次の消化順序が2番目の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、連続予告の2回目が行われる。この2回目の連続予告では、図77(c)に示すように、サブ表示装置801の表示部802に2回目の連続予告であることを示す予告画像2を表示した状態で、サブ表示装置801を変動表示中の右変動表示領域42cの前方に移動する。そして、図77(d)に示すように、サブ表示装置801をこの位置に配したまま変動表示を終了し、右変動表示領域42cに停止表示される識別情報をサブ表示装置801の表示部802に表示する。
次の消化順序が3番目の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、連続予告の3回目が行われる。この3回目の連続予告では、図77(e)に示すように、右変動表示領域42cの前方に位置していたサブ表示装置801の表示部802に3回目の連続予告であることを示す予告画像3を表示し、サブ表示装置801を中変動表示領域42bの前方へ移動する。そして、図77(f)に示すように、サブ表示装置801をこの位置に配したまま変動表示を終了し、中変動表示領域42bに停止表示される識別情報をサブ表示装置801の表示部802に表示する。
消化順序が4番目の連続予告の対象である第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム、すなわち、この例での予告対象となる第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、連続予告の4回目が行われる。この4回目の連続予告では、図77(g)に示すように、中変動表示領域42bの前方に位置していたサブ表示装置801の表示部802に4回目の連続予告であることを示す予告画像4を表示する。そして、図77(h)に示すように、左変動表示領域42a及び右変動表示領域42cに同じ識別情報が停止したリーチ状態となった後にサブ表示装置801を回転させて一旦表示部802を視認不能とし、SPリーチに発展することを示す発展図柄を表示部802に表示した状態で表示部802が再度視認可能となるようにサブ表示装置801を回転させる。なお、連続予告の各回においてサブ表示装置801を移動する際に回転を挟むようにしても良い。また、左変動表示領域42aを覆う位置までサブ表示装置801を移動させる動作を含んでも良い。
図78には連続予告の各回におけるサブ表示装置801の動作態様が同じ連続予告の例を示した。連続予告の1回目では、図78(a)に示すように特図変動表示ゲームが開始されると、待機領域830にあるサブ表示装置801の表示部802に連続予告が実行されることを示す「いくぞ〜」の表示がなされる。
次に、図78(b)から(d)に示すように、サブ表示装置801が右変動表示領域42cの前方へ向けて移動するとともに表示部802が視認不能となるように回転し、図78(e)に示すように1回目の連続予告であることを示す予告画像1を表示部802に表示した状態で表示部802が右変動表示領域42cの前方で再度視認可能な状態となる。そして、図78(f)に示すように、サブ表示装置801をこの位置に配したまま変動表示を仮停止し、右変動表示領域42cに停止表示される識別情報をサブ表示装置801の表示部802に表示する。なおこのときサブ表示装置801を、軸部803を中心として揺れるように回転させることで仮停止状態であることを示すようにしても良い。
その後、図78(g)に示すようにサブ表示装置801を待機領域830へ戻す。このとき右変動表示領域42cにはサブ表示装置801の表示部802に表示されていた識別情報と同じ識別情報が停止表示されている。また、サブ表示装置801を待機領域830に戻す際には、回転させずにスライド移動するようにし、待機領域830へすばやく戻すことができるようにしている。
そして、図78(h)に示すようにサブ表示装置801が待機領域830に戻った状態で識別情報を停止表示する。このときサブ表示装置801の表示部802には、次回の特図変動表示ゲームで連続予告が継続する可能性を示唆する「続くか?」の表示がなされる。次の特図変動表示ゲームで連続予告が継続する場合は、再度図78(a)から(h)のの演出が行われる。なお、サブ表示装置801に表示する予告画像は連続予告の実行回数に対応した画像とされる。また、次の特図変動表示ゲームで連続予告が継続しない場合は、通常の演出が実行される。
このような連続予告の実行態様とすることで、メイン表示装置41とは別個に設けられるサブ表示装置801を用いて連続的な演出の演出効果を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、遊技の進行に伴うメイン演出を表示可能なメイン表示装置41と、メイン演出の補助演出を表示可能なサブ表示装置801とを備えた遊技機において、メイン表示装置41の表示部41aの前方でサブ表示装置801を移動させることが可能な移動手段(スライド機構820)と、移動手段によるサブ表示装置801の動作を制御する動作制御手段(演出制御装置300)と、メイン表示装置41及びサブ表示装置801における表示を制御する表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、メイン表示装置41の前方で、当該メイン表示装置41には表示されない画像を補助演出として表示可能であることとなる。
また、始動入賞口(第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて乱数を抽出して変動表示ゲームを実行するための始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段の判定結果に基づき、複数の変動表示ゲームに亘って連続的な演出を実行する連続演出実行手段(演出制御装置300)と、を備え、動作制御手段(演出制御装置300)及び表示制御手段(演出制御装置300)は、連続演出実行手段により連続演出が実行される場合に、連続的な演出を行う複数の変動表示ゲームの各々においてサブ表示装置801の動作を伴う補助演出を実行するようにしていることとなる。
なお、サブ表示装置801の表示部802が設けられた表面と対向する裏面に設けられる装飾部としてLEDの発光により装飾を行う発光装飾部や表示部を設けるようにしても良い。また、サブ表示装置801を透過型表示器(EL等)として、表示部802を透してサブ表示装置801の後方を視認可能とし、表裏の何れからも表示部802の画像を視認可能とするとともにメイン表示装置41に表示される画像を透視可能としても良い。そして、例えばメイン表示装置41の変動表示領域42a、42b、42cでの変動表示や停止図柄を透視可能としたり、サブ表示装置801の回転中に表裏で異なる演出表示を行うようにしたりしても良い。
また、サブ表示装置801の動作時には必ず演出回転体753の回転による装飾を行うようにしても良い。また、第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームよりも優先して実行するとしたが、始動記憶の発生順に特図変動表示ゲームを実行するようにし、第1始動記憶と第2始動記憶の何れも連続予告演出の対象とできるようにしても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、サブ表示装置801の配設態様が異なる。
図79に示すように、この変形例でのサブ表示装置801は、スライド機構820により上下方向に沿って移動可能とされているとともに、回転駆動部810により左右方向に沿った軸部803を中心として回動可能とされている。図79にはこのようなサブ表示装置801を用いた連続予告の例を示した。なお、サブ表示装置801を回動させずに表示部802の少なくとも一部が常に視認可能な状態としても良い。この場合には、表示部802のうち常に視認可能な領域に第4図柄の変動表示領域を設定し、該変動表示領域で第4図柄を変動表示させると、変動表示ゲームの実行中であるか否かが遊技者に理解し易くなる。
この例では、第1始動記憶が2つある状態で2番目に消化される第1始動記憶を対象として連続予告の実行が決定された例である。なお、図79(a)に示すように、ここでは連続予告の対象となる第1始動記憶について通常保留予告が実行されており、記憶表示領域43に表示された対応する保留表示47の表示色が通常の白色から赤色に変更されている。
消化順序が1番目の第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、連続予告の1回目が行われる。この1回目の連続予告では、図79(a)に示すように待機領域830にあるサブ表示装置801が、図79(b)に示すようにメイン表示装置41の前方に重なる位置に下降し、表示部802に1回目の連続予告であることを示す予告画像1が表示される。そして、特図変動表示ゲームの終了とともにサブ表示装置が待機領域830に戻り、サブ表示装置801の表示部802には、次回の特図変動表示ゲームで連続予告が継続する可能性を示唆する「続くか?」の表示がなされる。
その後、図79(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始され、図79(e)に示すようにこの特図変動表示ゲームにおいて待機領域830にあるサブ表示装置801がメイン表示装置41の前方に重なる位置に下降し、表示部802に2回目の連続予告であることを示す予告画像2が表示される。そして、図79(f)に示すように、左変動表示領域42a及び右変動表示領域42cに同じ識別情報が停止したリーチ状態となった後にサブ表示装置801が待機領域830に戻り、表示部802にSPリーチに発展することを示す「発展!」の表示がなされる。なお、連続予告の各回においてサブ表示装置801を移動する際に回転を挟むようにしても良い。このようなサブ表示装置801の配設態様によっても上述した実施形態の遊技機と同様にメイン表示装置41とは別個に設けられるサブ表示装置801による演出効果を効率的に向上させ、遊技の興趣を高めることができる。なお、サブ表示装置801を待機領域830に戻す際には、回転させずにスライド移動するようにし、待機領域830へすばやく戻すことができるようにすることが好ましい。
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、サブ表示装置801の配設態様が異なる。
本変形例では、メイン表示装置41とサブ表示装置801との距離を近くすることで両者の一体感を出し、演出効果を向上するようにしている。また、サブ表示装置801を配設するための前後幅を狭くすることで、遊技盤30のスペースを有効に活用することができるようにしている。
図80(a)に示すように待機領域830に位置するサブ表示装置801は、軸部803からサブ表示装置801の側端までの長さ(回転半径)よりも、軸部803の前後位置と待機領域830の後壁830aとの距離及び軸部803の前後位置と待機領域830の前壁830bとの距離の方が短く、待機領域830内ではサブ表示装置801の表裏を反転することができない状態となっている。
また、図80(b)に示すように、待機領域830からスライド移動させることで待機領域830の前壁830bがサブ表示装置801の回転に干渉しない状態となるが、待機領域830の後壁830aとメイン表示装置41の表示部41aが同一面上にあり、待機領域830から左右方向に沿ってメイン表示装置41の前方へスライドした状態でも依然としてサブ表示装置801の表裏を反転することができない。
このため、サブ表示装置801の表裏を反転させる際には、図80(c)に示すように軸部803を前方に移動させながら回転させた後、図80(d)に示すように軸部803を元の位置に戻すようにしている。さらに回転させる場合も同様に、図80(e)から(h)に示すように、軸部803を前方に移動させながら回転させるようになっている。このような動作を行うために、スライド機構820又は回転駆動部810を前後方向に移動させる前後移動機構を備えるようにし、サブ表示装置801の回転に応じて前後移動を行うようにする。または演出制御装置300がサブ表示装置801の回転に応じて前後移動を制御するようにする。
なお、ここでは図80(a)から(d)に示すようにサブ表示装置801を時計回り方向に回転させ、図80(e)から(h)に示すようにサブ表示装置801をさらに時計回り方向に回転させているが、図80(e)から(h)ではサブ表示装置801を反時計回り方向に回転させても良い。すなわち、先の反転の際の回転方向と、当該先の反転に続く後の反転の際の回転方向を逆にするようにしても良い。このようにすればサブ表示装置801に接続される通信線のねじれが少なくなる。また、サブ表示装置801の回転に際し一旦前方向に軸部803を移動させた場合は、待機領域830に戻るまではその位置で左右方向に移動させるようにし、更なる回転の際に軸部803の前方向への移動を行わないようにしても良い。
以上のことから、変動表示領域42a、42b、42cの前方に位置しない所定位置にサブ表示装置801を待機させる待機領域830を備え、当該待機領域830は、サブ表示装置801を回転させて表側と裏側とを反転させることができない広さとされ、動作制御手段(演出制御装置300)は、サブ表示装置801を回転可能な位置に移動した後に回転を行うようにしていることとなる。
また、サブ表示装置801は、回転軸(軸部803)のメイン表示装置41の表示部41aからの距離が、サブ表示装置801の回転半径よりも近くなるように移設され、当該サブ表示装置801を回転させる際に、回転軸のメイン表示装置41の表示部41aからの距離が、サブ表示装置801の回転半径よりも遠くなるように回転軸を移動させる軸移動手段を備えることとなる。
なお、メイン表示装置41の前方に移動したサブ表示装置801が表側と裏側とを反転させる際に視認可能となるように、サブ表示装置801によって遮蔽されていた位置に実行中の変動表示ゲームの予告画像(期待度報知画像、結果示唆画像)のようなものを表示するようにしても良い。
また、メイン表示装置41及びサブ表示装置801に表示される画像(背景画像や演出画像等)を1枚の画像データから構成し、その画像データの特定部分をメイン表示装置41に表示するとともに、残りの部分をサブ表示装置801に表示するような制御としても良い。このようにすると、メイン表示装置41及びサブ表示装置801に表示する画像を独立して生成する場合よりも演出制御装置300の負荷が軽くなる。演出制御装置300の性能が高いものならば、メイン表示装置41及びサブ表示装置801に表示する画像を独立して生成しても良い。
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、始動条件の成立(始動入賞口に遊技球が入賞する等)に基づき、複数の識別情報を表示可能な画像表示装置や複数の識別情報を備えた回転表示装置によって変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものが一般的である。
このような遊技機では、遊技領域を流下してきた遊技球の重みを利用して可動部材(風車等の回転体)を動作させるように構成し、この可動部材の動作に注目させることで演出効果を向上させるようにしたものも知られている(例えば、特開2004−081543号公報参照)。
ところで、上記した特開2004−081543号公報に記載されたような遊技機においては、遊技者の注目を可動部材の動作態様に集めるだけであったため、可動部材の動作以上の演出効果を見込めるものではなかった。
これに対し、第1実施形態の遊技機10は、表面に遊技領域32が形成される遊技盤30と、表示部41aが視認可能となるように遊技盤30に対応して配設される表示装置(メイン表示装置41)と、を備えた遊技機であって、遊技領域32を流下する遊技球が流入可能な球流入部(第2特図1始動入賞口641)と、球流入部に流入した流入球を流下させる球流路部(流路772)と、流入球が衝突することで表示部41aの前方で動作可能な可動部材(揺動演出部材776)と、可動部材に衝突する前の流入球を検出可能な球検出部(始動口3スイッチ644、通過検出センサ774a)と、球検出部で流入球が検出されたことに基づき、表示部41aで可動部材の動作に関連させた特定演出を実行可能な特定演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えている。
ここで、遊技盤に対応して配設される表示装置とは、遊技盤の所定位置に配設される表示装置のほか、遊技盤を取り付ける枠などの遊技盤以外の箇所に配設され、遊技盤の所定位置に臨むようにされた表示装置も含む。
したがって、球流入部への遊技球の流入に基づく可動部材の動作に加え、これに関連した特定演出を行うことができ、遊技球の重みを利用して動作する可動部材の動作時における演出効果を効果的に向上させることが可能となる。
また、可動部材(揺動演出部材776)は、流入球が衝突することで表示部41aに沿う方向に揺動動作するようにしている。
したがって、可動部材が揺動動作することで遊技者の注目を集め易くなり、演出効果を高めることができる。また、表示部41aに沿う方向に動作するので可動部材の揺動動作を遊技者に視認させ易くなるとともに、表示部41aでの特定演出を可動部材の動作に合わせ易くなる。
また、球流入部(第2特図1始動入賞口641)は、遊技球の入賞により遊技者に遊技価値を付与する入賞口であり、特定演出実行手段(演出制御装置300)は、球検出部(始動口3スイッチ644、通過検出センサ774a)で入賞口に入賞した入賞球を検出したことに基づいて、所定の画像を可動部材(揺動演出部材776)に対応する位置に表示させることが可能な画像表示手段(演出制御装置300)と、画像表示手段により表示された所定の画像を可動部材の動作に合わせて移動表示させることが可能な移動表示手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、可動部材の動作や特定演出により、遊技価値が付与される入賞口に遊技球が流入したことを効果的に遊技者に認識させることができる。
また、入賞口(第2特図1始動入賞口641)は、遊技球の入賞により表示装置(メイン表示装置41)で複数の識別情報による変動表示ゲームを実行させるための始動入賞口であり、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて乱数を抽出して変動表示ゲームを実行するための始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、表示部41aには、始動記憶手段に記憶された始動記憶を報知するための記憶表示領域43が設定され、画像表示手段(演出制御装置300)は、所定の画像として始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて記憶された始動記憶に対応する記憶表示画像(保留表示44)を表示し、移動表示手段(演出制御装置300)は、画像表示手段により表示された記憶表示画像を記憶表示領域まで移動表示させるようにしている。
したがって、可動部材の動作や特定演出を始動記憶の発生の報知のために有効に活用することができる。
また、入賞口(第2特図1始動入賞口641)は、遊技球の入賞により表示装置(メイン表示装置41)で複数の識別情報による変動表示ゲームを実行させるための始動入賞口であり、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて乱数を抽出して変動表示ゲームを実行するための始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、画像表示手段(演出制御装置300)は、所定の画像として始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて記憶された始動記憶に対応する記憶表示画像(保留表示44)を表示し、移動表示手段(演出制御装置300)は、事前判定手段の判定結果に基づいて、記憶表示画像の移動表示態様を変更するようにしている。
ここで、移動表示態様を変更するとは、記憶表示画像に対するエフェクトの追加や、移動経路の変更などである。
したがって、可動部材の動作や特定演出により、事前判定の結果の報知を効果的に行うことができる。
また、事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づいて、記憶表示画像(保留表示44)の表示態様を変化させることが可能な表示態様変化手段(演出制御装置300)を備え、表示態様変化手段は、移動表示手段(演出制御装置300)による移動表示の途中又は結果として記憶表示画像の表示態様を変化させるようにしている。
したがって、特定演出の演出効果を向上することができる。
また、特定演出実行手段(演出制御装置300)は、特定演出(特殊保留予告)の実行中に球検出部(始動口3スイッチ644、通過検出センサ774a)で流入球が検出された場合には、当該流入球の検出に基づく特定演出を実行しないようにしている。
したがって、先に実行している特定演出が分かり難くなることを防止することができる。
また、従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技領域に設けた始動入賞口への遊技球の入賞に基づき表示装置で複数の識別情報による変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものが一般的である。
このような遊技機の中には、入賞口やアウト口に入賞した遊技球(遊技の結果が確定した遊技球)を貯留しておき、遊技者による操作部の操作に基づいて貯留されていた遊技球を所定の球転動領域に放出して演出を行うようなものもある(例えば、特開2006−239251号公報参照)。
ところで、上記した特開2006−239251号公報に記載されたような遊技機では、貯留されていた遊技球を球転動領域に放出することで変動表示ゲームの結果を予告するものであり、球転動領域に放出された遊技球が実行中の変動表示ゲームの実行態様に変化を与えるようなものではなかった。
これに対し、第1実施形態の遊技機10は、遊技領域32に設けた始動入賞領域(第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、メイン表示装置41、サブ表示装置801)で複数の識別情報による変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、遊技者が操作可能な操作部(演出ボタン25)と、遊技領域32を流下する遊技球が流入可能な入球口(第2特別変動入賞装置39)と、入球口に流入した遊技球を受け入れて貯留するとともに、該貯留された遊技球を放出することが可能な球貯留部(貯留流路742)と、球貯留部から放出された遊技球を転動させて特定領域(特定流入口767a)に流入するか否かの球演出を行うことが可能な球演出部(球演出ユニット750)と、変動表示ゲームの実行中に操作部が操作されたことに基づいて、球貯留部から遊技球を放出させて球演出を実行させることが可能な球演出実行手段(演出制御装置300)と、球演出において特定領域に遊技球が流入したか否かによって実行中の変動表示ゲームの演出態様を変更することが可能な演出態様変更手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、球演出における貯留していた遊技球の転動結果によって実行中の変動表示ゲームの実行態様に変化を与えることで遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、変動表示ゲームは、実行時間が異なる複数の変動表示パターンの何れかにより実行され、演出態様変更手段(演出制御装置300)は、実行中の変動表示ゲームの実行時間を変更せずに識別情報の変動態様を変更するようにしている。
したがって、球演出の実行によって変動表示ゲームの実行時間がいたずらに延びてしまうことがなくなり、遊技機の稼動が低下することがない。
また、演出態様変更手段(演出制御装置300)は、球演出において特定領域(特定流入口767a)に遊技球が流入した場合には、識別情報の仮停止及び再変動を行うことで擬似連演出を発生させるようにしている。
したがって、球演出の結果により変動表示ゲームが特別結果となるチャンスが広がったと遊技者に思わせることができ遊技の興趣が向上する。
また、球演出実行手段(演出制御装置300)は、一の変動表示ゲームで複数回の球演出を実行可能であり、演出態様変更手段(演出制御装置300)は、球演出において特定領域(特定流入口767a)に遊技球が流入する毎に、識別情報の仮停止及び再変動を行う擬似連演出を発生させるようにしている。
したがって、球演出において特定領域に遊技球が流入するように操作部を操作しようとする意欲を遊技者に持たせることができて球演出の興趣が向上する。
また、変動表示ゲームの変動表示パターンの種類に応じて当該変動表示ゲームで実行可能とする球演出の実行回数を決定することが可能な実行回数決定手段(演出制御装置300)を備え、球演出実行手段(演出制御装置300)は、一の変動表示ゲームにおける複数回の球演出のいずれかにおいて特定領域(特定流入口767a)に遊技球が流入しなかった場合に、当該変動表示ゲームにおける特定領域に遊技球が流入しなかった球演出より後の球演出の実行を中止するようにしている。
したがって、変動表示ゲームの演出態様を変更させるか否かが遊技者の自由意志に委ねられることになり、変動表示ゲームのゲーム性の幅が広がる。
また、球貯留部(貯留流路742)に遊技球が貯留されているか否かを判定することが可能な貯留判定手段(演出制御装置300、貯留球センサ746a)と、球演出実行手段(演出制御装置300)によって球演出を実行するか否かを決定することが可能な球演出実行決定手段(演出制御装置300)と、を備え、球演出実行決定手段(演出制御装置300)は、少なくとも貯留判定手段により遊技球が貯留されていると判定されるとともに、変動表示ゲームの実行時間が所定時間よりも長い特定の変動パターンによって実行される場合に、球演出の実行を決定するようにしている。
したがって、遊技球が貯留されていない状態で球演出が行われ、遊技球が放出されないという不都合を防止することができる。また、特定の変動パターンの実行時に球演出を行うことで、球演出の終了を待たずに変動表示ゲームが終了してしまうことがなくなる。
また、特定領域(特定流入口767a)への遊技球の流入を規制する規制状態と該特定領域への遊技球の流入を許容する許容状態とに変換可能な流入規制部材(演出回転体753)と、流入規制部材の動作を制御することが可能な動作制御手段(演出制御装置300)を備え、動作制御手段(演出制御装置300)は、球演出が実行されない変動表示ゲームにおいて、当該球演出を実行する場合とは異なる動作態様で流入規制部材を動作させるようにしている。
したがって、特定領域への遊技球の流入状態が変化するので球演出のゲーム性が向上する。また、流入規制部材によって球演出を行っていない場合にも変動表示ゲームを盛り上げることができる。
また、従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技領域に設けた始動入賞口への遊技球の入賞に基づき表示装置で複数の識別情報による変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものが一般的である。
このような遊技機の中には、表示装置をメイン表示装置と該メイン表示装置の一側方に配設されるサブ表示装置とから構成し、サブ表示装置をメイン表示装置の前方に重なるように支軸を中心に回転させることで、サブ表示装置の表裏を遊技者に視認させるようにしたものが提案されている(例えば特開2011−087706号公報参照)。
ところで、上記特開2011−087706号公報に記載された遊技機においては、メイン表示装置の一側方に固定的に設定される支軸を中心に180度の範囲でサブ表示装置が回動するため、メイン表示装置の前方に重ならない状態ではサブ表示装置の表示画面しか見せることができず、メイン表示装置の前方に重なった状態ではサブ表示装置の裏側しか見せることができないという問題があった。そのため、メイン表示装置をサブ表示装置とは別個に設けているにも拘らず、サブ表示装置を十分に活用しているとは言えず、演出効果を効率的に向上させているものではなかった。
これに対し、第1実施形態の遊技機10は、遊技の進行に伴うメイン演出を表示可能なメイン表示装置41と、メイン演出の補助演出を表示可能なサブ表示装置801とを備えた遊技機であって、メイン表示装置41の表示部41aの前方でサブ表示装置801を移動させることが可能な移動手段(スライド機構820)と、移動手段による移動後の位置でサブ表示装置801の表側と裏側とを反転させることが可能な表裏反転手段(回転駆動部810)と、移動手段及び表裏反転手段によるサブ表示装置801の動作を制御する動作制御手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、サブ表示装置801の移動と状態変換とを独立して行うことができ、サブ表示装置801を移動先で表裏反転させることができるため、メイン表示装置41とは別個に設けられるサブ表示装置801による演出効果を効率的に向上させ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、遊技機10は、複数の変動表示領域42a、42b、42cの各々に複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームをメイン演出としてメイン表示装置41に表示し、該変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるよう構成され、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行状態に応じて移動手段(スライド機構820)により複数の変動表示領域42a、42b、42cのいずれかの前方にサブ表示装置801を移動させることが可能である。
したがって、サブ表示装置801により変動表示領域42a、42b、42cに表示される識別情報を遮蔽したり露出させたりすることができ、変動表示ゲームを効果的に盛り上げることができる。
また、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲーム中にサブ表示装置801を移動させる場合には、未だ変動表示中の変動表示領域42a、42b、42cの前方にサブ表示装置801を移動させるようにしている。
したがって、すでに停止表示又は仮停止された識別情報の視認を妨げることなく補助演出を行うことが可能となる。
また、変動表示ゲームは、複数の変動表示領域42a、42b、42cに識別情報を所定の順序で停止表示することで行われ、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示の順序に合わせて識別情報が停止する変動表示領域42a、42b、42cへのサブ表示装置801の移動を繰り返すことが可能である。
したがって、識別情報の停止表示の順序に合わせて補助演出を繰り返し行うことができる。
また、動作制御手段(演出制御装置300)は、移動手段(スライド機構820)によるサブ表示装置801の移動回数を設定することが可能な移動回数設定手段(演出制御装置300)を備え、移動回数設定手段は、変動表示ゲームが特別結果となる期待度が高いほどサブ表示装置801の移動回数を高確率で多く設定するようにしている。
したがって、サブ表示装置801の動きと変動表示ゲームの期待度とを関連付けることで、サブ表示装置801の移動回数に遊技者の関心を引きつけることができる。
また、サブ表示装置801に補助演出を表示させることが可能な補助演出制御手段(演出制御装置300)を備え、補助演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行過程でサブ表示装置801の後方に位置する変動表示領域42a、42b、42cに仮停止表示される識別情報を、補助演出としてサブ表示装置801に仮停止表示させることが可能である。
したがって、メイン表示装置41だけでは表現することができない立体感のある識別情報の停止表示演出を行うことができる。
また、表裏反転手段(演出制御装置300)は、回動軸(軸部803)を中心にサブ表示装置801を回動させることで当該サブ表示装置801の表裏を反転するよう構成され、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行過程においてサブ表示装置801に識別情報が仮停止表示された場合には、回動軸を中心にサブ表示装置801を揺動させるようにしている。
したがって、サブ表示装置801の揺動により仮停止状態であることを表現することができる。また、仮停止状態であることをハッキリと遊技者に認識させることができる。
また、第1実施形態の遊技機10は、遊技の進行に伴うメイン演出を表示可能なメイン表示装置41と、メイン演出の補助演出を表示可能なサブ表示装置801とを備えた遊技機であって、サブ表示装置801は、表側に補助演出を表示する表示領域(表示部802)が設定されるとともに、裏側に装飾部が設けられ、サブ表示装置801を表側が視認可能となる第1状態と裏側が視認可能となる第2状態とに変換することが可能な状態変換手段(回転駆動部810)と、状態変換手段により状態変換されるサブ表示装置801をメイン表示装置41の表示部41aの前方で移動させることが可能な移動手段(スライド機構820)と、移動手段及び状態変換手段によるサブ表示装置801の動作を制御する動作制御手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、サブ表示装置801の移動と状態変換とを独立して行うことができ、サブ表示装置801を移動先で表裏反転させることができるため、メイン表示装置41とは別個に設けられるサブ表示装置801による演出効果を効率的に向上させ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、遊技機10は、複数の変動表示領域42a、42b、42cの各々に複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームをメイン演出としてメイン表示装置41に表示し、該変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるよう構成され、サブ表示装置801は、表裏一側を前方に向けた状態においてメイン表示装置41に設定される一の変動表示領域42a、42b、42cを遮蔽可能な大きさに設定されてなり、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行状態に応じて移動手段(スライド機構820)により複数の変動表示領域42a、42b、42cのいずれかの前方にサブ表示装置801を移動させることが可能である。
したがって、サブ表示装置801により変動表示領域42a、42b、42cに表示される識別情報を遮蔽したり露出させたりすることができ、変動表示ゲームを効果的に盛り上げることができる。
また、サブ表示装置801に補助演出を表示させることが可能な補助演出制御手段(演出制御装置300)を備え、補助演出制御手段は、変動表示ゲームの進行過程でサブ表示装置801の後方に位置する変動表示領域42a、42b、42cに仮停止表示される識別情報を、補助演出としてサブ表示装置801に仮停止表示させることが可能である。
したがって、メイン表示装置41だけでは表現することができない立体感のある識別情報の停止表示演出を行うことができる。
また、状態変換手段(回転駆動部810)は、回動軸(軸部803)を中心にサブ表示装置801を回動させることで当該サブ表示装置801を第1状態と第2状態とに変換するよう構成され、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行過程において表側が視認可能となったサブ表示装置801に識別情報が仮停止表示された場合には、回動軸を中心にサブ表示装置801を揺動させるようにしている。
したがって、サブ表示装置801の揺動により仮停止状態であることを表現することができる。また、仮停止状態であることをハッキリと遊技者に認識させることができる。
また、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲーム中にサブ表示装置801を移動させる場合には、未だ変動表示中の変動表示領域42a、42b、42cの前方にサブ表示装置801を移動させるようにしている。
したがって、すでに停止表示又は仮停止された識別情報の視認を妨げることなく補助演出を行うことが可能となる。
また、変動表示ゲームは、複数の変動表示領域42a、42b、42cに識別情報を所定の順序で停止表示することで行われ、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示の順序に合わせて識別情報が停止する変動表示領域42a、42b、42cへのサブ表示装置801の移動を繰り返すことが可能である。
したがって、識別情報の停止表示の順序に合わせて補助演出を繰り返し行うことができる。
また、動作制御手段(演出制御装置300)は、移動手段(スライド機構820)によるサブ表示装置801の移動回数を設定することが可能な移動回数設定手段(演出制御装置300)を備え、移動回数設定手段は、変動表示ゲームが特別結果となる期待度が高いほどサブ表示装置801の移動回数を高確率で多く設定するようにしている。
したがって、サブ表示装置801の動きと変動表示ゲームの期待度とを関連付けることで、サブ表示装置801の移動回数に遊技者の関心を引きつけることができる。
また、上記特開2011−087706号公報に記載された遊技機では、メイン表示装置とサブ表示装置とを別個に設けているにも拘らず、サブ表示装置の特性を十分に活用できているとは言えず、演出効果を効率的に向上させているものではなかった。
これに対し、第1実施形態の遊技機10は、遊技の進行に伴うメイン演出を表示可能なメイン表示装置41と、メイン演出の補助演出を表示可能なサブ表示装置801とを備えた遊技機であって、メイン表示装置41の表示部41aの前方でサブ表示装置801を移動させることが可能な移動手段(スライド機構820)と、移動手段によるサブ表示装置801の動作を制御する動作制御手段(演出制御装置300)と、メイン表示装置41及びサブ表示装置801における表示を制御する表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、メイン表示装置41の前方で、当該メイン表示装置41には表示されない画像を補助演出として表示可能である。
したがって、メイン表示装置41とは別個に設けられるサブ表示装置801による演出効果を効率的に向上させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技機10は、複数の変動表示領域42a、42b、42cの各々に複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームをメイン演出としてメイン表示装置41に表示し、該変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるよう構成され、サブ表示装置801は、メイン表示装置41に設定される一の変動表示領域42a、42b、42cを遮蔽可能な大きさに設定されてなり、動作制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの進行状態に応じて複数の変動表示領域42a、42b、42cのいずれかの前方にサブ表示装置801を移動させることが可能である。
したがって、変動表示領域42a、42b、42cでの表示に替えてサブ表示装置801での表示を行うことができ、メイン表示装置41だけでは表現することができない立体感のある表示を行うことができるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、サブ表示装置801を回転させ、表側と裏側とを反転させることが可能な表裏反転手段(回転駆動部810)を備え、動作制御手段(演出制御装置300)が表裏反転手段によるサブ表示装置801の動作を制御するように構成され、動作制御手段は、サブ表示装置801を移動手段(スライド機構820)により変動表示領域42a、42b、42cの前方に移動した後に、表裏反転手段により回転させるようにしている。
したがって、サブ表示装置801を移動先で反転させることができるため、メイン表示装置41とは別個に設けられるサブ表示装置801による演出効果を効率的に向上させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、変動表示領域42a、42b、42cの前方に位置しない所定位置にサブ表示装置801を待機させる待機領域830を備え、当該待機領域830は、サブ表示装置801を回転させて表側と裏側とを反転させることができない広さとされ、動作制御手段(演出制御装置300)は、サブ表示装置801を待機領域830から脱した位置に移動した際にサブ表示装置801を回転させるようにしている。
したがって、待機領域830の広さを狭くすることができ、遊技盤30のスペースを効率よく使用することが可能となる。
また、サブ表示装置801は、少なくとも表側に補助演出を表示する表示領域(表示部802)を備え、動作制御手段(演出制御装置300)は、サブ表示装置801を、特定の変動表示領域42a、42b、42cの前方において表側に反転させるように動作させ、表示制御手段(演出制御装置300)は、サブ表示装置801が裏側から表側に回転する際に、当該特定の変動表示領域42a、42b、42cに仮停止表示される識別情報をサブ表示装置801に仮停止表示することが可能である。
したがって、メイン表示装置41での表示をサブ表示装置801での表示で置き換えることができ、メイン表示装置41とは別個に設けられるサブ表示装置801による演出効果を効率的に向上させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、動作制御手段(演出制御装置300)は、表示制御手段(演出制御装置300)が、特定の変動表示領域42a、42b、42cに仮停止される識別情報をサブ表示装置801に停止表示した場合には、サブ表示装置801を揺動させるようにしている。
したがって、仮停止状態であることを明確に認識させることが可能となる。
また、始動入賞口(第1特図1始動入賞口36、第2特図1始動入賞口641、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて乱数を抽出して変動表示ゲームを実行するための始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段の判定結果に基づき、複数の変動表示ゲームに亘って連続的な演出を実行する連続演出実行手段(演出制御装置300)と、を備え、動作制御手段(演出制御装置300)及び表示制御手段(演出制御装置300)は、連続演出実行手段により連続演出が実行される
場合に、連続的な演出を行う複数の変動表示ゲームの各々においてサブ表示装置801の動作を伴う補助演出を実行するようにしている。
したがって、サブ表示装置801を用いて連続的な演出の演出効果を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第2実施形態の遊技機10においては、照明装置16が配設されていた位置に上スピーカ19aを備えている点、幕板にかえて幕板スピーカユニット500を備えている点、照明装置16および枠装飾装置18にかえて可動演出装置900を備えている点が、第1実施形態の遊技機10と異なる。また、遊技盤30の構成が、第1実施形態の遊技機10と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
《幕板スピーカユニット》
図81は、本実施形態の遊技機10を前面側から見た斜視図である。
図81に示すように、本実施形態の遊技機10は、第1実施形態の遊技機10には備えられていた照明装置16を備えておらず、第1実施形態の遊技機10において照明装置16が設けられていた位置に、上スピーカ19a(上左スピーカ19a1、上右スピーカ19a2)を備えている。
また、本実施形態の遊技機10は、第1実施形態の遊技機10には備えられていた幕板を備えておらず、第1実施形態の遊技機10において幕板が設けられていた位置に、幕板スピーカユニット500を備えている。
幕板スピーカユニット500は、内部に空間を有する蓋付き箱状の部材(空間形成部材520)と、当該蓋付き箱状の部材の内部に配設されるスピーカ(下部スピーカ510)と、を備えている。
なお、図示は省略するが、本実施形態の演出制御装置300には、アンプ回路337a,337b(図22参照)に並列して、幕板スピーカユニット500が備えるスピーカ(下部スピーカ510)を駆動するアンプ回路が設けられている。すなわち、演出制御装置300が、遊技の進行に応じてスピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b、下部スピーカ510)から出力する遊技音を制御可能な遊技音制御手段をなす。
また、本実施形態の場合、遊技機10は、下スピーカ19bを備えていなくてもよい。
また、本実施形態の遊技機10は、第1実施形態の遊技機10には備えられていた枠装飾装置18を備えておらず、第1実施形態の遊技機10において枠装飾装置18が設けられていた位置(すなわち、ガラス枠15の左部及び右部)とガラス枠15の上部とに、可動演出装置900(左側枠演出装置(左側可動演出装置)901、右側枠演出装置(右側可動演出装置)902、上側枠演出装置(上側可動演出装置)903)を備えている。
なお、図示は省略するが、複数の可動演出装置900、すなわち左側枠演出装置901、右側枠演出装置902及び上側枠演出装置903は、演出制御装置300が備える枠装飾LED制御回路333及び枠演出モータ制御回路335(図22参照)に駆動制御されるよう構成されている。すなわち、演出制御装置300が、複数の可動演出装置900により行う演出動作を制御可能な動作制御手段をなす。
図82は、本実施形態の遊技機10の背面図である。
図82に示すように、前面枠12の裏面上部には、払出し前の遊技球を貯留する球貯留タンク81や、外部への情報(例えば、図柄確定信号、大当り信号、確率変動信号、賞球信号、貸球信号等)を出力する外部情報端子板71が設けられている。また、前面枠12の裏面上部には、球貯留タンク81の底部に接続され、緩やかな傾斜を有し遊技球を遊技機10の一側へ向けて誘導するシュートと、当該シュートの終端に接続され、遊技球の流下方向を水平方向から垂直方向へと変換する屈曲流路装置と、を備える球整流路82が設けられている。そして、球整流路82の屈曲流路装置の下端には、駆動源を有する払出ユニット83が配設され、この払出ユニット83によって所定数の遊技球を払出し可能に構成されている。
さらに、前面枠12の裏面中央部には、演出制御装置300や遊技制御装置100等が設けられ、前面枠12の裏面下部には、払出ユニット83を制御する払出制御装置200、遊技制御装置100等の各種制御装置に電源供給を行う電源装置400、幕板スピーカユニット500等が設けられている。
なお、第1実施形態の遊技機10の裏面構造は、幕板スピーカユニット500が幕板である点以外は、本実施形態の遊技機10の裏面構造と略同一である。
図83は、本実施形態の遊技機10が備える枠部分の分解斜視図である。
図83に示すように、遊技機10は、遊技店の島設備に固定される矩形フレーム状の本体枠(外枠、機枠)11と、本体枠11に開閉可能に支持され、遊技球が流下可能な遊技領域32が形成される遊技盤30を収納するための遊技盤収納部12aを有する前面枠(内枠、収納枠、マスターユニット)12と、前面枠12の前面側に開閉可能に設けられ、遊技領域32を視認可能とする窓部15aに対応させて透明部材(カバーガラス14)を保持するガラス枠(保持枠、装飾枠)15と、を備えている。
スピーカユニット(幕板スピーカユニット500)は、前面枠12を閉めた状態において外枠(本体枠11)の底板(下框11b)と内枠(前面枠12)の下部との間に配設されるように、本体枠11の下部に取り付けられている。
また、球貯留タンク81は、前面枠12の後面上部に配設されている。
また、上スピーカ19a(上左スピーカ19a1、上右スピーカ19a2)は、ガラス枠15の前面上部に配設されており、複数の可動演出装置900(左側枠演出装置901、右側枠演出装置902、上側枠演出装置903)は、ガラス枠15の前面のうち窓部15aの周縁に配設されている。
図84は、本体枠11から幕板スピーカユニット500を取り外した状態を前面側から見た斜視図である。
図84に示すように、本体枠11は、上下の横框(上框11a、下框11b)と、左右の縦框(左框11c、右框11d)と、を縦長矩形枠状に接合したものである。
本体枠11の左右一側(本実施形態の場合、左側)の上下には、本体枠11に前面枠12を開閉回動可能に組み付けるためのヒンジ13が設けられている。
幕板スピーカユニット500は、下框11bと下側のヒンジ13との間に配されるように、本体枠11の前方から本体枠11に取り付けられている。
図85は、幕板スピーカユニット500の分解斜視図である。図86は、幕板部材540を前面側から見た斜視図であり、図87は、内部に下部スピーカ510が配設された状態の裏箱部材530を前面側から見た斜視図である。図88は、幕板スピーカユニット500の断面図である。なお、図88では、便宜上、断面に付すべきハッチングを省略している。
スピーカユニット(幕板スピーカユニット500)は、遊技に関連した遊技音を出力するためのスピーカ(下部スピーカ510)と、スピーカ(下部スピーカ510)から出力された遊技音を音導出部540cに導くための導音空間Sを形成する空間形成部材520と、を備えている。
なお、第1実施形態や本実施形態においては、スピーカ本体や当該スピーカ本体の前方に設けられたパンチングネット等からなるスピーカユニットを上スピーカ19a、下スピーカ19bと称しているが、下部スピーカ510は、スピーカ本体だけを指す。
ここで、遊技機10において、遊技に使用された遊技球は、何れかの入賞口に入賞して、あるいは、何れの入賞口にも入賞せずにアウト口32aに入って、遊技領域32から排出される。そして、遊技領域32から排出された遊技球は、電源装置400の前方に配設されている流路形成ユニット84(図89参照)に流入する。
流路形成ユニット84の上部には、遊技領域32から排出された遊技球を流路形成ユニット84の内部へと導入するための球回収部(排出球導入口)84aが設けられ、流路形成ユニット84の下部には、遊技球を外部へ排出するための球排出部(球排出口)84bが設けられ、流路形成ユニット84の内部には、賞球として払い出された遊技球を下皿23へと誘導するための下皿誘導路や遊技領域32から回収された遊技球を球排出部84bへと誘導するための排出誘導路等が設けられている。
流路形成ユニット84の球排出部84bから排出された遊技球は、遊技店の島設備に遊技機10毎に設けられたアウトタンク装置Tを介して、遊技店の島設備の下部に設けられたアウト樋(図示省略)に排出される。
すなわち、内枠(前面枠12)の裏面側には、スピーカユニット(幕板スピーカユニット500)の上方に臨むように遊技領域32から回収した遊技球を外部へ排出するための球排出部84bが設けられている。
図85に示すように、空間形成部材520は、外形が略直方体状を成し前方に開口する凹室を内部に有する裏箱部材(裏面部材)530と、裏箱部材530の開口を前方から塞ぐ幕板部材(前面部材)540と、が組み合わされて成る。そして、空間形成部材520(本実施形態の場合、裏箱部材530)には、球排出部84b(図89参照)に対応する上部を所定範囲に亘って窪ませた窪み部(凹状部)520aが形成されている。
幕板スピーカユニット500は、低音域の遊技音を出力することが多く、良質な遊技音を出力するためには、空間形成部材520の内部空間(すなわち、導音空間S)が大きい方が好ましい。その一方で、空間形成部材520の内部空間を大きくすると、幕板スピーカユニット500の外形サイズが大きくなるため、幕板スピーカユニット500が、球排出部84bの下方に配置されるアウトタンク装置Tの球受皿部Ta(図89参照)の邪魔になってしまう。
例えば、幕板スピーカユニットの空間形成部材に窪み部520aが設けられていない場合には、空間形成部材の厚さ(前後方向の長さ)や高さ(上下方向の長さ)を、球受皿部Taの邪魔にならないような厚さや高さに設定する必要がある。すなわち、空間形成部材の上面が球受皿部Taの下面よりも下側に位置し、空間形成部材の後面が球受皿部Taの前面よりも前側に位置するように設定する必要がある。
これに対し、本実施形態の場合は、窪み部520aが設けられているため、空間形成部材の厚さや高さを球受皿部Taの邪魔にならないような厚さや高さに設定する必要がない。
具体的には、本実施形態において、空間形成部材520の上面は、球受皿部Taの下面よりも上側に位置している。また、空間形成部材520は球排出部84bの直下(あるいは、直下よりも後側であるが、下框11bの後端よりは前方となる位置)まで迫り出しており、空間形成部材520の後面は、球受皿部Taの前面よりも後側に位置している。そして、窪み部520a内に、球受皿部Taの下部前側が配されている(図89参照)。
なお、空間形成部材520のうち本体枠11(下框11b)を遊技島に固定するための固定具が取り付けられる位置(空間形成部材の背面部分の左右2箇所)を前方に向けて窪ませることで退避凹部を形成しても良い。
このように、本実施形態では、窪み部520aによって、アウトタンク装置Tの球受皿部Taが幕板スピーカユニット500にぶつかることがない。したがって、アウトタンク装置Tの邪魔になることなく、空間形成部材520の内部空間(すなわち、導音空間S)を大きく確保することができ、良質な遊技音を出力可能な幕板スピーカユニット500を構成することが可能となる。
ここで、「球排出部84bに対応する上部を所定範囲に亘って窪ませた窪み部(凹状部)520a」の「所定範囲」とは、空間形成部材520や球受皿部Taのサイズに応じて変化するものであるため一律には規定できないが、空間形成部材520に窪み部520aを形成しない場合にアウトタンク装置Tにぶつかってしまう部分を少なくとも含む範囲である。無論、所定範囲が小さいほど空間形成部材520の内部空間を大きくすることができるので、所定範囲は無駄に大きくない方が好ましい。
図85、図87、図88に示すように、裏箱部材530の内部には、スピーカ(下部スピーカ510)を支持するスピーカ支持部(スピーカ支持壁部531)が、左右方向に対して略垂直に配設されている。
スピーカ支持壁部531の中央部には、下部スピーカ510の表側と同等の径を有する略円形状の左右方向に貫通する貫通孔531aが形成されている。下部スピーカ510は、表裏を左右方向に向けて表側を貫通孔531aに対応させた状態で、表側の周囲(四隅)に設けられた固定片511のネジ穴に通されたネジが取付ボス531bに螺入されることでスピーカ支持壁部531に止着され、裏箱部材530の内部に固定されている。
なお、本実施形態では、下部スピーカ510の固定片511のネジ穴に対応させて幕板スピーカユニット500に取付ボス531bを4つ設けるよう構成したが、幕板スピーカユニット500に設ける取付ボス531bの個数は適宜任意に変更可能である。
スピーカ支持部(スピーカ支持壁部531)は導音空間Sの上下に亘って形成されている。また、スピーカ支持壁部531に下部スピーカ510を取り付けると、スピーカ支持壁部531の貫通孔531aが下部スピーカ510によって塞がれる。そのため、スピーカ支持壁部531に下部スピーカ510が取り付けられることで、裏箱部材530の内部(すなわち、導音空間S)が左右に分断される。
以下、導音空間Sのうちスピーカ支持壁部531よりも左側を左音響空間SL、スピーカ支持壁部531よりも右側を右音響空間SRと称する。すなわち、導音空間Sは、スピーカ(下部スピーカ510)の表裏一側(本実施形態の場合、表側)から出力された遊技音を導くための第1導音空間(左音響空間SL)と、スピーカ(下部スピーカ510)の表裏他側(本実施形態の場合、裏側)から出力された遊技音を導くための第2導音空間(右音響空間SR)と、を備えている。
本実施形態において、スピーカ支持壁部531は、裏箱部材530の内部のうち窪み部520aを避けた位置(本実施形態の場合、窪み部520aよりも右側の位置)に配設されている。すなわち、スピーカ(下部スピーカ510)は、表裏を左右方向に向けた状態(本実施形態の場合、表側を左方向に向けて裏側を右方向に向けた状態)で窪み部520aから左右方向にずらした位置(本実施形態の場合、右方向にずらした位置)に配設されている。
図87に示すように、裏箱部材530の前面開口の周縁部は、幕板部材540(具体的には、幕板部材540の嵌合受部540a)に嵌合する嵌合部530aになっている。
また、裏箱部材530の嵌合部530aの後端には、外側に向けて突出するストッパリブ532が設けられている。
また、裏箱部材530の上面には、上側に向けて突出する傾斜リブ533が、前後方向に略沿って複数設けられている。傾斜リブ533は、後側に向かうにつれて徐々に突出高さが低くなるように形成されている。これにより、幕板スピーカユニット500の上面に落ちた遊技球を、遊技店の島設備の下部に設けられたアウト樋(図示省略)へと誘導できるようになっている。
図85、図86、図88に示すように、裏箱部材530の前面開口を塞ぐ蓋である幕板部材540は、外形(奥行き)が裏箱部材530よりも薄い略直方体状を成し、後方に開口する凹室を内部に有している。
幕板部材540の後面開口の周縁部は、裏箱部材530の嵌合部530aが嵌合する嵌合受部540aになっている。本実施形態の場合、例えば図88に示すように、幕板部材540を裏箱部材530に取り付けた状態において、嵌合受部540aは、嵌合部530aを外側から覆い、当該嵌合受部540aの後端が嵌合部530aを縁取るストッパリブ532に当接するよう構成されている。したがって、幕板部材540を裏箱部材530に取り付けた状態において不要な隙間が生じることがないので、より良質な遊技音の出力が可能となっている。
幕板部材540の前面部(装飾部540b)の左右には、下部スピーカ510から出力され導音空間Sによって導かれた遊技音を、幕板スピーカユニット500の外部(前方)に放出するための音導出部540cが設けられている。
具体的には、幕板部材540の左部には、音導出部540cとして、導音空間Sのうち左音響空間SLによって導かれた遊技音を放出するための左放音孔540c1が形成されており、幕板部材540の右部には、音導出部540cとして、導音空間Sのうち右音響空間SRによって導かれた遊技音を放出するための右放音孔540c2が形成されている。すなわち、音導出部540cは、第1導音空間(左音響空間SL)により導かれた遊技音を遊技機10の前面側に導出する第1音導出部(左放音孔540c1)と、第2導音空間(右音響空間SR)により導かれた遊技音を遊技機10の前面側に導出する第2音導出部(右放音孔540c2)と、を含んでいる。
第2音導出部(右放音孔540c2)は、スピーカ(下部スピーカ510)から出力された遊技音により共振する振動板(パッシブラジエータ(ドロンコーン)560)によって後方から覆われており、第1音導出部(左放音孔540c1)は、複数の透音孔が設けられたパンチングネット550によって後方から覆われている。
なお、左放音孔540c1をパッシブラジエータ560で覆って、右放音孔540c2をパンチングネット550で覆ってもよい。また、左放音孔540c1と右放音孔540c2の両方を、パンチングネット550で覆ってもよいし、パッシブラジエータ560で覆ってもよい。
パッシブラジエータ560は、導音空間S内を伝播してきた音波により共振して、音導出部540cから放出される音波(特に、低音域の音波)を増強することができるので、左放音孔540c1及び右放音孔540c2の何れか一方にパッシブラジエータ560を配設して、何れか他方にパンチングネット550を配設することで、2種類の音(具体的には、特に低音が増強された音と、増強されていない音)を同時に出力することが可能となる。
また、音導出部540cをパッシブラジエータ560で覆うパッシブラジエータ型は、電気的な駆動系を備える必要がないので手軽であるが、パッシブラジエータ型にかえてバスレフ型(バスレフ型エンクロージャ)を採用することも可能である。
ここで、本実施形態において、パッシブラジエータ560で覆われる音導出部540c(本実施形態の場合、右放音孔540c2)の向きは、スピーカユニット(幕板スピーカユニット500)の上方となる遊技機10前面に設けられた発射操作ハンドル(操作部24)に向けて遊技音が導出されるよう、斜め上向きに設定されている(図91参照)。
これにより、低音振動によって操作部24を操作する遊技者の手を刺激することができるため、音による演出効果が向上する。
また、パッシブラジエータ560で覆われる音導出部540cの向きを、遊技機10の前方に座る遊技者の腹部(遊技機10の中央方向)に向けて遊技音が導出されるように設定することも可能である。この場合、低音振動によって遊技者の腹部を刺激することができるため、音による演出効果が向上する。
また、例えば、左放音孔540c1及び右放音孔540c2の両方をパッシブラジエータ560で覆う場合には、左右2つの音導出部540cのうち操作部24により近い音導出部540c(本実施形態の場合、右放音孔540c2)の向きを、操作部24に向けて遊技音が導出されるように設定し、左右2つの音導出部540cのうち操作部24により遠い音導出部540c(本実施形態の場合、左放音孔540c1)の向きを、遊技機10の前方に座る遊技者の腹部に向けて遊技音が導出されるように設定することで、効果的な音による演出が可能となる。
幕板部材540の上下方向の長さは、幕板部材540を裏箱部材530に取り付けた状態において幕板部材540の下端部が裏箱部材530の下面よりも下方に突出するよう、裏箱部材530の上下方向の長さよりも長く設定されている。
また、幕板部材540の左右方向の長さは、幕板部材540を裏箱部材530に取り付けた状態において幕板部材540の左端部が裏箱部材530の左面よりも左方に突出するとともに幕板部材540の右端部が裏箱部材530の右面よりも右方に突出するよう、裏箱部材530の左右方向の長さよりも長く設定されている。
これにより、幕板スピーカユニット500を本体枠11に取り付けた状態において、幕板部材540の下端部(下框当接部540d)の後面が本体枠11の下框11bの前面に当接し、幕板部材540の左端部の後面が本体枠11の左框11cの下部前面に当接し、幕板部材540の右端部の後面が本体枠11の右框11dの下部前面に当接するので、幕板スピーカユニット500の本体枠11に対する前後方向及び左右方向の位置決めが容易になる。また、幕板部材540によって、本体枠11の下框11b、左框11cの下部前面及び右框11dの下部前面が前方から覆われるので、本体枠11を隠して美観を向上させることが可能となる。
また、図86に示すように、幕板部材540の上面のうち本体枠11に設けられた下側のヒンジ13に対応する位置には、当該下側のヒンジ13を下側から支持するためのヒンジ支持部541が設けられている。
ヒンジ支持部541は、下側のヒンジ13の平板部の下面と当接する当接部541aと、下側のヒンジ13の突起部(ヒンジ本体部)に対応する位置に前後方向に略沿って形成された溝部541bと、を備えている。
本実施形態において、下側のヒンジ13の突起部は、下側のヒンジ13の平板部の下面からも突出している。そのため、幕板スピーカユニット500を本体枠11に対して着脱する際や、幕板スピーカユニット500を本体枠11に取り付けた際に、突起部のうち平板部の下面から突出している部分が邪魔にならないよう、ヒンジ支持部541には当該部分が進入可能な溝部541bが設けられている。
また、幕板部材540の上面のうち前面枠12本体の下端部に取り付けられた摺接金具12b(図82参照)に対応する位置には、内枠(前面枠12)の下部と当接して該内枠(前面枠12)の荷重を支持する荷重支持部542が設けられている。
前面枠12を閉めた状態において、幕板スピーカユニット500と前面枠12とは、主に荷重支持部542と摺接金具12bとで接触するよう構成されている。これにより、幕板部材540の上面略全体が前面枠12と接触する場合と比較して、前面枠12の開閉をスムーズに行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、幕板スピーカユニット500に荷重支持部542を3つ設けるよう構成したが、幕板スピーカユニット500に設ける荷重支持部542の個数は適宜任意に変更可能である。
ここで、荷重支持部542は、スピーカ支持部(スピーカ支持壁部531)と上下に並ぶように空間形成部材520(本実施形態の場合、幕板部材540)の上部に形成されている(図90参照)。具体的には、本実施形態の場合、左右に並ぶ3つの荷重支持部542のうち最も右側の荷重支持部542が、スピーカ支持壁部531と上下に並ぶように幕板部材540の上部に形成されている。
このように、スピーカ支持壁部531を荷重支持部542に対応する位置に配設することで、スピーカ支持壁部531によって、下部スピーカ510とともに、幕板スピーカユニット500の変形(前面枠12の荷重で空間形成部材520が変形してしまうこと)を防止することができる。また、摺接金具12bを介して前面枠12の荷重を荷重支持部542で受けることによって、遊技音の出力中に下部スピーカ510の周辺が振動(共振)してしまうことを抑制することができるので、音割れを防止してより良質な遊技音を出力することが可能となる。
図86に示すように、幕板部材540の上面のうち前面枠12に対応する位置には、荷重支持部542を避けるようにして、上側に向けて突出する折り返し部(忍び返し部)543が設けられている。
折り返し部543には、前面枠12本体の下部に形成された進入防止壁(図示省略)が係合するようになっており、この進入防止壁と折り返し部543とによって、遊技機10前方からの不正部材の進入を防止可能となっている。
このように、本実施形態の遊技機10は、幕板にかえて幕板スピーカユニット500を備えているが、幕板スピーカユニット500の空間形成部材520には、球排出部84bに対応する上部を所定範囲に亘って窪ませた窪み部520aが形成されているので、空間形成部材520の内部空間(導音空間S)を大きく確保するような場合であっても、球排出部84bの下方にアウトタンク装置Tの球受皿部Taを配置する際に幕板スピーカユニット500が邪魔となることがない。したがって、幕板スピーカユニット500は、空間形成部材520の内部空間(導音空間S)を大きく確保することができるため、良質な音(特に低音)を出力することが可能となる。
《可動演出装置》
図92は、ガラス枠15本体(ガラス枠15のベース板)の前面に取り付けられる各ユニットの正面図である。
図92に示すように、ガラス枠15本体の前面には、左側枠演出装置(左側可動演出装置)901と右側枠演出装置(右側可動演出装置)902と上側枠演出装置(上側可動演出装置)903と下部装飾部29とが窓部15aを取り囲むように取り付けられているとともに、下部装飾部29よりも下側に上皿ユニット21Uが取り付けられている。すなわち、収納枠(前面枠12)の前面側に開閉可能に設けられた保持枠(ガラス枠15)は、遊技の進行に応じて演出動作を行うことが可能な複数の可動演出装置900(左側枠演出装置901、右側枠演出装置902、上側枠演出装置903)を備えている。
上側枠演出装置903は、エラー報知ランプ(払出異常報知用のランプ)17や上スピーカ19a(上左スピーカ19a1、上右スピーカ19a2)と一体的に構成されている。
下部装飾部29は、LED基板等を有しており、装飾や演出のために発光するよう構成されている。下部装飾部29は、球貸ボタン27や排出ボタン28等を有する球貸パネル部27Pと一体的に構成されている。
上皿ユニット21Uには、上皿21の他に、演出ボタン25(決定ボタン251やセレクトボタン252)、下スピーカ19b等が備えられている。
なお、下皿23等を備える下皿ユニット23U(図91参照)や、鍵穴26及び鍵穴26の周囲を装飾するための鍵穴飾り部材26D(図91参照)等は、前面枠12本体(前面枠12のベース板)の前面に取り付けられている。
左側枠演出装置901、右側枠演出装置902及び上側枠演出装置903は、演出動作を実行するための複数の可動演出部材910と、複数の可動演出部材910に演出動作を実行させるための駆動部920と、をそれぞれ備えている。
ここで、保持枠(ガラス枠15)は、収納枠(前面枠12)の前面に左右一側(本実施形態の場合、左側)が軸着されて左右他側(本実施形態の場合、右側)が左右方向へ移動することで開閉変換するよう構成されている。具体的には、本実施形態の場合、ヒンジ13は遊技機10の左側に配設されている。したがって、ヒンジ13側となるガラス枠15の左側は、ガラス枠15の開放の都合上、あまり前方に突出させることができない。
そのため、本実施形態において、各可動演出装置900の前後幅は、左側枠演出装置901<上側枠演出装置903<右側枠演出装置902の順に大きくなっている。すなわち、窓部15aの左右他側に配置される他側可動演出装置(本実施形態の場合、右側枠演出装置902)の前方への突出量よりも、窓部15aの左右一側に配置される一側可動演出装置(本実施形態の場合、左側枠演出装置901)の前方への突出量の方が小さくなるように設定されている。
なお、右側枠演出装置902と上側枠演出装置903の前方への突出量は同じであっても良い。
また、可動演出装置900の前後幅に比例して、可動演出部材910の大きさ又は動作幅も大きくなるよう構成されている。具体的には、本実施形態において、可動演出部材910の大きさ又は動作幅は、左側枠演出装置901に備わる可動演出部材910<上側枠演出装置903に備わる可動演出部材910<右側枠演出装置902に備わる可動演出部材910の順に大きくなっている。すなわち、窓部15aの左右一側に配置される一側可動演出装置(本実施形態の場合、左側枠演出装置901)に備わる可動演出部材910の大きさ又は動作幅よりも、窓部15aの左右他側に配置される他側可動演出装置(本実施形態の場合、右側枠演出装置902)に備わる可動演出部材910の大きさ又は動作幅の方が大きくなるように設定されている。
各可動演出装置900の構成は、前方への突出量、可動演出部材910の大きさ又は動作幅が異なる以外は略同一であるため、以下、右側枠演出装置902を用いて可動演出装置900の具体的な構成を説明する。
図93は、可動演出装置900(右側枠演出装置902)の分解正面図である。図94は、駆動部920を説明するための図であり、図95は、図93のX−X線に沿った断面図である。なお、図95では、便宜上、断面に付すべきハッチングを省略している箇所がある。
図93〜図95に示すように、可動演出装置900は、窓部15aの周縁に沿って並ぶように保持枠(ガラス枠15)の前面側に配置される複数の可動演出部材910と、可動演出部材910を動作させる駆動部920と、発光により装飾や演出を行う発光装飾部930と、可動演出部材910、駆動部920及び発光装飾部930をガラス枠15本体に取り付けるためのベース部材940と、ベース部材940を前方から覆う透明カバー部材950と、を備えて構成される。
なお、本実施形態では、左側枠演出装置901に可動演出部材910を5つ、右側枠演出装置902に可動演出部材910を5つ、上側枠演出装置903に可動演出部材910を3つ設けるよう構成したが、各可動演出装置900に設ける可動演出部材910の個数は複数であれば適宜任意に変更可能である。
図95に示すように、ベース部材940は、ベース本体部材941と、ベース本体部材941を前方から覆うカバーレンズ部材942と、からなる。
図94に示すように、駆動部920は、湾曲棒状の第1リンク部材(湾曲ロッド)921と、第1リンク部材921よりも外側(窓部15aとは反対側)に配置された湾曲棒状の第2リンク部材(湾曲ロッド)922と、可動演出部材910のそれぞれに対応して設けられ、リンク部材921,922と可動演出部材910とを連結するためのリンクスライダー923と、リンク部材921,922のそれぞれに対応して設けられ、可動演出部材910を動作させるための駆動力を発生する駆動モータ924と、を備えて構成される。
リンクスライダー923は、リンクスライダー923の前部を構成する山形平板部923aと、後部を構成する矩形平板部923bと、が接合されてなる部材であり、互いに直交するリンクピン923cと摺動ピン923dとを備えている。
具体的には、リンクピン923cは、矩形平板部923bの一方の面に立設されている山形平板部923aに対して略垂直に配設されるよう、当該山形平板部923aの一方の面から突出している。また、摺動ピン923dは、矩形平板部923bに対して略垂直に配設されるよう、当該矩形平板部923bの他方の面(山形平板部923aが立設されている面とは反対側の面)から突出している。
第1リンク部材921は、リンクスライダー923を介して奇数番目の可動演出部材910に連結されるリンク部材であり、ベース部材940のベース本体部材941内に配設されている。
ここで、左側枠演出装置901及び右側枠演出装置902において「奇数番目の可動演出部材910」とは、上下に並ぶ複数(本実施形態の場合、5つ)の可動演出部材910を上下一側から順番に数えた場合に奇数番目となる可動演出部材910のことである。また、上側枠演出装置903において「奇数番目の可動演出部材910」とは、左右に並ぶ複数(本実施形態の場合、3つ)の可動演出部材910を左右一側から順番に数えた場合に奇数番目となる可動演出部材910のことである。
第1リンク部材921の一端部は、外側(窓部15aとは反対側)に向けて突出する複数の歯が形成されたギア部921aになっている。このギア部921aが第1リンク部材921用の駆動モータ924のギア924aと噛み合うことで、第1リンク部材921は、駆動モータ924からの駆動力によって可動演出部材910を動作(本実施形態の場合、回動動作)させるための駆動動作(本実施形態の場合、窓部15aの周縁に沿った円弧状のスライド動作)を行うようになっている。
また、第1リンク部材921には、奇数番目の可動演出部材910のそれぞれに対応して外側(窓部15aとは反対側)に向けて突出する突出片921bが設けられており、各突出片921bには、前後方向に貫通する長孔状のスライドガイド溝921cが形成されている。
第2リンク部材922は、リンクスライダー923を介して偶数番目の可動演出部材910に連結されるリンク部材であり、ベース部材940のベース本体部材941内にて第1リンク部材921と並設されている。
ここで、左側枠演出装置901及び右側枠演出装置902において「偶数番目の可動演出部材910」とは、上下に並ぶ複数(本実施形態の場合、5つ)の可動演出部材910を上下一側から順番に数えた場合に偶数番目となる可動演出部材910のことである。また、上側枠演出装置903において「偶数番目の可動演出部材910」とは、左右に並ぶ複数(本実施形態の場合、3つ)の可動演出部材910を左右一側から順番に数えた場合に偶数番目となる可動演出部材910のことである。
第2リンク部材922の一端部は、外側(窓部15aとは反対側)に向けて突出する複数の歯が形成されたギア部922aになっている。このギア部922aが第2リンク部材922用の駆動モータ924のギア924aと噛み合うことで、第2リンク部材922は、駆動モータ924からの駆動力によって可動演出部材910を動作(本実施形態の場合、回動動作)させるための駆動動作(本実施形態の場合、窓部15aの周縁に沿った円弧状のスライド動作)を行うようになっている。
また、第2リンク部材922には、偶数番目の可動演出部材910のそれぞれに対応して内側(窓部15a側)に向けて突出する突出片922bが設けられており、各突出片922bには、前後方向に貫通する長孔状のスライドガイド溝922cが形成されている。
リンク部材921,922に設けられたスライドガイド溝921c,922cは、リンクスライダー923の摺動ピン923dをスライド移動自在に挿通可能な大きさに形成されている。
また、図95に示すように、ベース本体部材941には、リンクスライダー923の摺動ピン923dをスライド移動自在に挿通可能な大きさに形成された長孔941aが設けられている。
そして、リンクスライダー923とリンク部材921,922とは、リンクスライダー923の摺動ピン923dが、ベース部材940のベース本体部材941の前方から当該ベース本体部材941の長孔941aを介して、リンク部材921,922のスライドガイド溝921c,922cに挿入されることで、接続されるようになっている。
ここで、図94に示すように、リンク部材921,922のスライドガイド溝921c,922cは、リンク部材921,922の法線方向(以下、単に「法線方向」と言う。)に対して斜め方向に延在している。また、ベース本体部材941の長孔941aは、法線方向に略沿って延在している。
リンクスライダー923の摺動ピン923dは、長孔941aに挿通された状態で、スライドガイド溝921c,922cに挿入されている。すなわち、摺動ピン923dは、長孔941aに沿った方向以外の方向(すなわち、法線方向に略沿った方向以外の方向)への移動が規制された状態で、スライドガイド溝921c,922cと係合している。したがって、リンクスライダー923は、リンク部材921,922が窓部15aの周縁に沿ってスライド移動すると、摺動ピン923dがリンク部材921,922のスライドガイド溝921c,922cに押されるので、法線方向に略沿った方向にスライド移動する。
さらに、図95に示すように、ベース部材940のカバーレンズ部材942には、リンクスライダー923の山形平板部923aをスライド移動自在に挿通可能な大きさに形成された第1長孔942aが設けられている。この第1長孔942aは、ベース本体部材941の長孔941aと同一方向(すなわち、法線方向に略沿った方向)に延在している。これにより、リンクスライダー923が、ベース本体部材941の長孔941aに沿った方向以外の方向(すなわち、法線方向に略沿った方向以外の方向)へと移動することを確実に規制することが可能となる。
図93に示すように、可動演出部材910は、窓部15aの周縁に沿って外側(窓部15aとは反対側)に湾曲した形状を成している。また、図95に示すように、可動演出部材910は、法線方向に沿った断面が鋭角(直角や鈍角であってもよい。以下同じ)部分と湾曲部分とからなる略涙滴形状を成しており、鋭角部分が前方を向き、湾曲部分が後方を向くようにベース部材940のカバーレンズ部材942の前方に配設されている。
可動演出部材910を構成する2つの平坦面(左側枠演出装置901及び右側枠演出装置902の場合は上面及び下面、上側枠演出装置903の場合は左面及び右面)からは、法線方向に対して略直交する回動軸911が突出している。ベース部材940のカバーレンズ部材942には軸受部(図示省略)が設けられており、可動演出部材910は、回動軸911の先端部をカバーレンズ部材942の軸受部に差し込むことで、ベース部材940に回動自在に取り付けられる。
また、図95に示すように、可動演出部材910の湾曲面(略涙滴形状のうちの湾曲部分を構成する面)からは、リンクスライダー923のリンクピン923cと係合する係合ピン912が突出している。
ベース部材940のカバーレンズ部材942には、可動演出部材910の湾曲面に対応する凹部が設けられており、この凹部には、可動演出部材910の係合ピン912をスライド移動自在に挿通可能な大きさに形成された第2長孔942bが設けられている。この第2長孔942bも、ベース本体部材941の長孔941aと同一方向(すなわち、法線方向に略沿った方向)に延在している。
そして、リンクスライダー923と可動演出部材910とは、可動演出部材910の係合ピン912が、ベース部材940のカバーレンズ部材942の前方から当該カバーレンズ部材942の第2長孔942bを介して、リンクスライダー923のリンクピン923cと係合することで、接続されるようになっている。
ここで、可動演出部材910は、リンク部材921,922が窓部15aの周縁に沿ってスライド移動し、それに伴いリンクスライダー923が法線方向に略沿った方向にスライド移動すると、係合ピン912がリンクスライダー923のリンクピン923cに押されて、法線方向に略沿った方向に回動する。
すなわち、複数の可動演出部材910は、窓部15aの中心に近づく第1状態と窓部15aの中心から遠のく第2状態とに動作可能であり、透明部材(カバーガラス14)の表面と平行な回動軸911を中心とした回動動作によって第1状態と第2状態とに変換するよう構成されている。
したがって、複数の可動演出部材910を第1状態から第2状態へと変換させることによって、窓部15aがあたかも拡大したように見せることができる(図96(b)参照)。また、複数の可動演出部材910を第2状態から第1状態へと変換させることによって、窓部15aがあたかも縮小したように見せることができる(図96(a)参照)。
なお、可動演出部材910のすべてが内向きの状態(図96(a)参照)と、可動演出部材910のすべてが外向きの状態(図96(b)参照)と、のいずれの状態をデフォルトに設定してもよい。
また、複数の可動演出部材910の変換動作によって遊技盤30の一部が見え隠れする(露出したり遮蔽されたりする)ようにしても良く、当該遊技盤30の一部は遊技球が流下しない(可動演出部材910によって流下する遊技球が遮蔽されない)ように装飾領域に設定しておくか装飾部材を配設しておくと良い。
図96〜図100においては、便宜上、各可動演出装置900の透明カバー部材950の図示を省略している。
また、第1リンク部材921は、奇数番目の可動演出部材910と連結され、第2リンク部材922は、偶数番目の可動演出部材910と連結されている。そのため、第1リンク部材921用の駆動モータ924のみを動かして第1リンク部材921のみをスライド移動させると、奇数番目の可動演出部材910のみが回動(状態変換)し、第2リンク部材922用の駆動モータ924のみを動かして第2リンク部材922のみをスライド移動させると、偶数番目の可動演出部材910のみが回動(状態変換)する。
したがって、複数の可動演出部材910の約半分が外向きで、残りの約半分が内向きとなるようにすることもできる(図97(a)参照)。これにより、変動表示ゲームの演出として、例えば、特別結果(大当り)への期待度が高いほど、可動演出部材910の略半分が外向きとなる状態(図97(a)参照)よりも、可動演出部材910のすべてが外向きとなる状態(図96(b)参照)の方が高確率で出現する等の演出を行うことが可能である。
なお、特別結果となる期待度に応じて、状態変換する可動演出部材910の個数を変化させるように(例えば、特別結果となる期待度が高いほど、状態変換する可動演出部材910の個数が増加するように)制御することも可能である。
図95に示すように、発光装飾部930は、複数のLED931aを有するLED基板931と、レンズ部932と、により構成され、前方に向けて光を照射可能となっている。本実施形態の場合、ベース部材940のカバーレンズ部材942のうち、LED基板931と対向する部分が、レンズ部932となっている。
また、可動演出部材910の表面は、反射膜(メッキや蒸着等で形成された反射膜)で覆われている。したがって、可動演出部材910の表面のうち発光装飾部930側の面、すなわち略涙滴形状のうちの鋭角部分を構成する2つの面のうち外側を向いた面は、発光装飾部930から照射された光を反射可能な光反射面910aになっている。
ここで、可動演出部材910が第1状態と第2状態とに変換することで、LED基板931に対する光反射面910aの角度が変化する。すなわち、光反射面910aは、可動演出部材910が第1状態と第2状態とに変換することで、発光装飾部930から照射された光の反射方向を変化させるようになっている。したがって、発光装飾部930による発光演出の演出効果が向上する。また、光反射面910aが外側を向いているので、発光装飾部930による発光演出が周囲の遊技者へのアピールにもなる。
なお、本実施形態では、可動演出部材910の表面全体を反射膜で覆うよう構成したが、少なくとも光反射面910aとなる面が反射膜で覆われていればよい。
このように、本実施形態の遊技機10は、照明装置16及び枠装飾装置18にかえて可動演出装置900を備えている。
すなわち、第1実施形態の遊技機10のガラス枠15には、発光演出及び演出動作を行うことが可能な演出装置(枠装飾装置)として照明装置16が設けられているが、照明装置16は、ガラス枠15の上部のみに設けられている。また、第1実施形態の遊技機10のガラス枠15には、枠装飾装置18も設けられているが、枠装飾装置18は、発光演出を行うことは可能であるが、演出動作を行うことはできない。
これに対し、本実施形態の遊技機10のガラス枠15には、発光演出及び演出動作を行うことが可能な装置として、窓部15aの周縁に沿うように配設された複数の可動演出装置900を備えているので、ガラス枠15前面の広い範囲において演出動作を行うことが可能となり、遊技者への訴求力を高め、効果的に演出効果を向上させることが可能となる。
なお、可動演出部材910にLEDを設けてもよい。
具体的には、例えば図97(b)に示すように、可動演出部材910の先端(略涙滴形状のうちの鋭角部分の先端)に凹部を形成し、その凹部内にLED913aを有するLED基板913を収容するよう構成することも可能である。これにより、発光装飾部930だけでなく、可動演出部材910からも光を照射できるので、演出効果を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、発光装飾部930を、可動演出部材910よりも外側(窓部15aとは反対側)に配置したが、これに限ることはなく、発光装飾部930を可動演出部材910よりも内側(窓部15a側)に配置することも可能である。
また、本実施形態では、配置スペースの都合上、発光装飾部930が途中で分断されているが、発光装飾部930は途中で分断されていなくてもよい。
また、各可動演出部材910が個別に動作可能となるよう、可動演出部材910のそれぞれに独立した駆動機構を設けるよう構成することも可能である。これにより、例えば、複数の可動演出部材910を並び順に従って次々と状態変換させるウェーブ動作等を行うことができるようになるので、多様な演出動作を行うことが可能となる。
また、可動演出装置900による演出動作を、スピーカの音と連動して行うよう構成することも可能である。
ここで、可動演出装置900による演出動作を、スピーカの音と連動して行う場合の一例を、図98〜図100を参照して説明する。
本実施形態の場合、保持枠(ガラス枠15)には、可動演出装置900と隣り合うように、スピーカ(上スピーカ19a(具体的には、上スピーカ19aのスピーカ本体))から出力された遊技音を遊技機10の前方に導出するための音導出部190が設けられている。詳しくは、例えば図99に示すように、ガラス枠15には、左側枠演出装置901と隣り合うように、上左スピーカ19a1(具体的には、上左スピーカ19a1のスピーカ本体)から出力された遊技音を遊技機10の前方に導出するための左側音導出部191が設けられている。また、例えば図98に示すように、ガラス枠15には、右側枠演出装置902と隣り合うように、上右スピーカ19a2(具体的には、上右スピーカ19a2のスピーカ本体)から出力された遊技音を遊技機10の前方に導出するための右側音導出部192が設けられている。
そして、例えば図98に示すように、右側音導出部192から遊技音が出力され、左側音導出部191から遊技音が出力されない場合(あるいは、右側音導出部192から出力される遊技音の音量が、左側音導出部191から出力される遊技音の音量よりも大きい場合)には、左側枠演出装置901及び上側枠演出装置903による演出動作は行わず、右側枠演出装置902による演出動作のみを行う。
また、例えば図99に示すように、左側音導出部191から遊技音が出力され、右側音導出部192から遊技音が出力されない場合(あるいは、左側音導出部191から出力される遊技音の音量が、右側音導出部192から出力される遊技音の音量よりも大きい場合)には、右側枠演出装置902及び上側枠演出装置903による演出動作は行わず、左側枠演出装置901による演出動作のみを行う。
また、例えば図100に示すように、左側音導出部191からも右側音導出部192からも遊技音が出力される場合(あるいは、左側音導出部191から出力される遊技音の音量と、右側音導出部192から出力される遊技音の音量と、が略同一である場合)には、まず上側枠演出装置903による演出動作を行い、その後、左側枠演出装置901及び右側枠演出装置902による演出動作を行う。すなわち、複数の可動演出装置900を用いて一つの演出動作を行う。
ここで、演出制御装置300が、音導出部190から出力される遊技音と連動するように可動演出装置900による演出動作を制御する音連動演出手段をなす。
なお、図98〜図100では、スピーカの音と連動して行う演出動作としてウェーブ動作を例示したが、スピーカの音と連動して行う可動演出装置900による演出動作は、ウェーブ動作に限らず、適宜任意に変更可能である。
また、スピーカの音と連動して動作させる可動演出装置900の種類や動作順なども、適宜任意に変更可能である。
また、遊技領域32に設けた発光装飾部の発光動作と連動するように可動演出装置900による演出動作を行っても良い。
また、本実施形態では、可動演出装置900に備わる可動演出部材910を、カバーガラス14の表面と平行な回動軸911を中心とした回動動作によって第1状態と第2状態とに変換するよう構成したが、これに限ることはない。可動演出部材910が、窓部15aの中心に近づく第1状態と窓部15aの中心から遠のく第2状態とに動作可能であれば、可動演出部材910の動作態様は適宜任意に変更可能であり、例えば、可動演出部材910を、カバーガラス14の表面(カバーガラス14の中央から放射方向)に沿うように設定されたスライド動作によって第1状態と第2状態とに変換するよう構成することも可能である。
また、本実施形態では、左側枠演出装置901に備わる可動演出部材910も、右側枠演出装置902に備わる可動演出部材910も、上側枠演出装置903に備わる可動演出部材910も、カバーガラス14の表面と平行な回動軸911を中心とした回動動作によって第1状態と第2状態とに変換するよう構成したが、これに限ることはなく、一の可動演出装置900に備わる可動演出部材910の動作態様と、他の可動演出装置900に備わる可動演出部材910の動作態様と、を異ならせるように構成することも可能である。
具体的には、例えば、一の可動演出装置900に備わる可動演出部材910を、透明部材(カバーガラス14)の表面に沿うように設定されたスライド動作によって第1状態と第2状態とに変換し、他の可動演出装置900に備わる可動演出部材910を、透明部材(カバーガラス14)の表面と平行な回動軸911を中心とした回動動作によって第1状態と第2状態とに変換するよう構成することも可能である。
特に、一側可動演出装置(左側枠演出装置901)に備わる可動演出部材910を、透明部材(カバーガラス14)の表面に沿うように設定されたスライド動作によって第1状態と第2状態とに変換し、他側可動演出装置(右側枠演出装置902)に備わる可動演出部材910は、透明部材(カバーガラス14)の表面と平行な回動軸911を中心とした回動動作によって第1状態と第2状態とに変換するよう構成すると、軸着側となる左側枠演出装置901に備わる可動演出部材910を、軸着側とは反対側となる右側枠演出装置902に備わる可動演出部材910よりも、狭い動作範囲で演出動作させることが可能となる。
《遊技盤》
図101は、本実施形態の遊技機10が備える遊技盤30の正面図であり、図102は、本実施形態の遊技機10が備える前面構成部材600を前面側から見た斜視図であり、図103は、本実施形態の遊技機10が備える裏面構成部材700を前面側から見た斜視図である。
本実施形態の遊技機10は、遊技盤30が、始動口形成部材640、貯留球演出装置730、入賞球演出装置770及び排出球流路部材780にかえて、入賞球流路部材701及び保留表示ユニット7000を備えている点が、第1実施形態の遊技機10と異なる。
図102に示すように、本実施形態において、前面構成部材(センターケース)600は、第2特図1始動入賞口641を形成する始動口形成部材640と、第2特図1始動入賞口641に流入した遊技球を検出する始動口3スイッチ644と、を備えていない。
また、本実施形態において、前面構成部材600の区画壁部材630は、少なくとも遊技球が転動可能な間隔をあけてステージ621の上面と対向するように配設された庇部634を備えている。区画壁部材630に庇部634を設けることで、ステージ621の下方の釘等によって跳ねた遊技球を跳ね返したり、ステージ621上で跳ねた遊技球の飛び出しを防いだりすることができる。ここで、区画壁部材630は、少なくとも区画壁(透明パネル部)631及び庇部634が、透明な材質からなる。
なお、第1実施形態及び本実施形態において、区画壁部材630は、庇部634を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
図103に示すように、本実施形態において、裏面構成部材700は、貯留球演出装置730、入賞球演出装置770及び排出球流路部材780を備えておらず、その代わりに入賞球流路部材701及び保留表示ユニット7000を備えている。
入賞球流路部材701は、第2特別変動入賞装置(大入賞口)39に入賞した遊技球をスイッチベースユニット790の排出球流路793cへと流下させるための流路を形成する部材であり、制御ベース部材720の凹室内の左部に取り付けられている。入賞球流路部材701は、第2特別変動入賞装置39に向けて開口する導入口701aと、排出球流路793cに向けて開口する導出口701bと、を有しており、この導出口701bから排出された遊技球は、排出球流路793cによって球回収部84a(図89参照)へと誘導される。
また、保留表示ユニット(記憶表示ユニット)7000は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に関する情報を報知表示することが可能であり、区画壁部材630の区画壁631の後方に配置されるよう(図101参照)、制御ベース部材720の凹室内の下部に取り付けられている。
図104は、保留表示ユニット7000を前面側から見た分解斜視図である。
図104に示すように、保留表示ユニット7000は、可動ユニット7300と、可動ユニット7300を動作(本実施形態の場合、上下方向へのスライド動作)させるための駆動力を発生する駆動モータ7200と、駆動モータ7200及び可動ユニット7300を制御ベース部材720に取り付けるためのユニットベース部材7100と、を備えて構成される。
可動ユニット7300は、後方に開口する凹室を有し前後方向から見て略凹字状の装飾カバー部材7400と、外形が略円柱状をなす回転演出ユニット7500と、回転演出ユニット7500を支持した状態で装飾カバー部材7400の開口を後方から塞ぐ略板状の可動ベース部材7600と、装飾カバー部材7400を裏面側から照光する蛍光灯(蛍光管)7410と、を備えて構成される。
図105は、回転演出ユニット7500を前面側から見た分解斜視図であり、図106(a)は、回転演出ユニット7500の正面図であり、図106(b)は、図106(a)のY−Y線に沿った断面図である。
図105及び図106に示すように、回転演出ユニット7500は、一端側に開口を有し当該開口が左右一方(本実施形態の場合、左方)を向くように配設された有底略円筒状の回転筒部材7510と、回転筒部材7510の底壁に装着され当該回転筒部材7510を動作(本実施形態の場合、回転動作)させるための駆動力を発生する駆動モータ7520と、回転筒部材7510の開口から当該回転筒部材7510内に挿入され始動記憶に対応する記憶表示を行う記憶表示部7530と、を備えて構成される。
記憶表示部7530は、一方の面に複数のLED(本実施形態の場合、フルカラーLED)が実装され当該一方の面が前方を向くように配設されたLED基板7540と、LED基板7540の一方の面(前面)に取り付けられたレンズ部材7550と、LED基板7540の他方の面(後面)に取り付けられた基板支持部材7560と、を備えて構成される。本実施形態の場合、この記憶表示部7530が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うことが可能な記憶表示手段をなす。
LED基板7540には、実行中の変動表示ゲームの結果を予告する予告演出のための発光をする最終報知LED7541が、1つ設けられているとともに、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を予告する予告演出(保留予告演出)のための発光をする保留表示LED7542が、特図始動記憶(本実施形態の場合、特図1始動記憶)の上限数と同数(本実施形態の場合、4つ)設けられている。これらのLEDは、左右方向に沿って一列に並んでおり、最も左右一側(本実施形態の場合、最も左側)に最終報知LED7541が配されている。
また、LED基板7540の他方の面(後面)のうち左右他側(本実施形態の場合、右側)の部分には、フォトセンサ7570が取り付けられている。
レンズ部材7550は、LED基板7540が備える複数のLEDそれぞれに対応するように左右方向に沿って一列に並んだ複数の囲繞レンズ部7551と、これらの囲繞レンズ部7551を一体的に連結する略板状のレンズ連結部材7552と、レンズ連結部材7552に立設された略半円板状の回転支持フランジ部7553と、を備えて構成される。
囲繞レンズ部7551は、一端側に開口を有する有底略円筒状を成しており、当該開口が後方を向いた状態で、当該開口の周縁部がレンズ連結部材7552と接合している。
LED基板7540にレンズ部材7550を取り付けると、LED基板7540が備える複数のLEDそれぞれが、対応する囲繞レンズ部7551によって独立して取り囲まれるようになっている。囲繞レンズ部7551は、側壁が不透明な材質からなり、底壁がレンズから成っているので、各囲繞レンズ部7551が対応するLEDを独立して取り囲むことで、LED同士の色が混ざり合うことを防止することができる。すなわち、囲繞レンズ部7551の底壁(レンズ)からは、その囲繞レンズ部7551に対応するLEDが発した光のみが放出される。
なお、レンズ部材7550の全体を透明な材質により構成しても良い。
回転支持フランジ部7553は、LED基板7540にレンズ部材7550を取り付けた状態において、略半円板状の回転支持フランジ部7553の弦部分がLED基板7540側を向くように、最終報知LED7541に対応する囲繞レンズ部7551と、最終報知LED7541の隣にある保留表示LED7542に対応する囲繞レンズ部7551と、の間に配設されている。
なお、本実施形態では、レンズ部材7550に回転支持フランジ部7553を1つ設けるよう構成したが、レンズ部材7550に設ける回転支持フランジ部7553の個数は適宜任意に変更可能である。
基板支持部材7560は、LED基板7540の後面のうちフォトセンサ7570が取り付けられた部分(すなわち、左右他側(本実施形態の場合、右側)の部分)を除く部分を覆う略板状の部材である。
基板支持部材7560は、略半円板状の回転支持フランジ部7561を有している。この回転支持フランジ部7561は、LED基板7540に基板支持部材7560を取り付けた状態において、略半円板状の回転支持フランジ部7561の弦部分がLED基板7540側を向くように、基板支持部材7560のうち、レンズ部材7550の回転支持フランジ部7553に対応する位置と、左右他端(本実施形態の場合、右端)と、これらの間と、の三箇所に立設されている。
なお、本実施形態では、基板支持部材7560に回転支持フランジ部7561を3つ設けるよう構成したが、基板支持部材7560に設ける回転支持フランジ部7561の個数は適宜任意に変更可能である。
回転筒部材7510は、記憶表示部7530のうち、レンズ部材7550の回転支持フランジ部7553よりも左右他側(本実施形態の場合、右側)の部分を収納可能な大きさに形成されている。したがって、記憶表示部7530を回転筒部材7510の開口から当該回転筒部材7510内に挿入した状態において、すべての保留表示LED7542及びそれらに対応する囲繞レンズ部7551は回転筒部材7510内に配置されるが、最終報知LED7541及びそれに対応する囲繞レンズ部7551は回転筒部材7510外に配置される。本実施形態の場合、この回転筒部材7510が、記憶表示手段(記憶表示部7530)に対応して設けられ、記憶表示部7530における記憶表示に関連して所定の演出動作(本実施形態の場合、回転動作)を行うことが可能な可動演出手段をなす。
図106に示すように、回転筒部材7510の底壁外面には、軸受部7511が突設されている。この軸受部7511に駆動モータ7520の回転軸(出力軸)7521を差し込むことで、回転筒部材7510は、駆動モータ7520の駆動力によって回転動作するようになっている。
ここで、レンズ部材7550に設けられた回転支持フランジ部7553や基板支持部材7560に設けられた回転支持フランジ部7561の円弧部分の曲率は、回転筒部材7510の側壁内面の曲率と略一致するよう設定されている。したがって、回転筒部材7510が回転時にがたつくことがないよう、回転支持フランジ部7553,7561によって回転筒部材7510を内側から支持することができる。また、レンズ部材7550に設けられた回転支持フランジ部7553と、基板支持部材7560に設けられた回転支持フランジ部7561(具体的には、レンズ部材7550の回転支持フランジ部7553に対応する回転支持フランジ部7561)と、によって回転筒部材7510の開口を塞ぐこともできる。
回転筒部材7510の側壁には、回転筒部材7510内から回転筒部材7510外へと光を通す通光部7510aとして、回転筒部材7510の内外に貫通する貫通孔が複数設けられている。この複数の通光部7510aは、LED基板7540が備える複数の保留表示LED7542それぞれに対応するように左右方向に沿って一列に並んでいる。
そのため、回転筒部材7510が回転して回転筒部材7510内に配置されている囲繞レンズ部7551(すなわち、保留表示LED7542に対応する囲繞レンズ部7551)と通光部7510aとが対向した状態になると、回転筒部材7510内に配置されているすべての囲繞レンズ部7551の底壁(レンズ)が、通光部7510aを介して回転筒部材7510の外部から視認可能となる。
言い換えると、回転筒部材7510内に配置されている囲繞レンズ部7551と通光部7510aとが対向した状態にある場合には、保留表示LED7542が発光していれば通光部7510aを介して当該保留表示LED7542が発する光を視認できるが、回転筒部材7510内に配置されている囲繞レンズ部7551と通光部7510aとが対向した状態にない場合には、保留表示LED7542が発光していても当該保留表示LED7542が発する光を視認できないようになっている。
すなわち、可動演出手段(回転筒部材7510)は、記憶表示部7530における記憶表示(本実施形態の場合、保留表示LED7542の発光)を視認不能とする第1状態と、該記憶表示を視認可能とする第2状態と、に変換可能となるよう構成されている。
なお、本実施形態では、LED基板7540が備える複数の保留表示LED7542それぞれに対応するように左右方向に沿って一列に並んだ複数の通光部7510aを一組として、回転筒部材7510に通光部7510aの組を互いに対向するように2つ設けたが、回転筒部材7510に設ける通光部7510aの組の個数は適宜任意に変更可能である。
図106(b)に示すように、回転筒部材7510の内部には、LED基板7540に装着されているフォトセンサ7570によって検出される遮光板7512が設けられている。
本実施形態の場合、遮光板7512は、回転筒部材7510の側壁内面のうち、回転筒部材7510内に配置されている囲繞レンズ部7551と通光部7510aとが対向した場合にフォトセンサ7570の発光部と受光部と間に配置される位置に突設されている。
なお、本実施形態では、回転筒部材7510に2つの遮光板7512を設けるよう構成したが、回転筒部材7510に設ける遮光板7512の個数は、回転筒部材7510に設ける通光部7510aの組の個数等に応じて適宜任意に変更可能である。
また、遮光板7512は、回転筒部材7510内に配置されている囲繞レンズ部7551と通光部7510aとが対向しない場合に、フォトセンサ7570の発光部と受光部との間に配置される位置に設けられていてもよい。
図107(a)は、可動ユニット7300を前面側から見た分解斜視図であり、図107(b)は、可動ユニット7300を後面側から見た分解斜視図である。
図104及び図107(a)に示すように、可動ベース部材7600の前面には、回転演出ユニット7500を支持するための左支持アーム7611及び右支持アーム7612が突設されている。
本実施形態の場合、可動ベース部材7600は上下に並ぶ2つの左支持アーム7611を有しており、これらの左支持アーム7611に、回転演出ユニット7500の基板支持部材7560に設けられた取り付けフランジ7562をねじ止めすることで、記憶表示部7530を可動ベース部材7600に固定できるよう構成されている。また、可動ベース部材7600は上下に並ぶ2つの右支持アーム7612を有しており、これらの右支持アーム7612に、回転演出ユニット7500の駆動モータ7520に設けられた取り付けフランジ7522をねじ止めすることで、駆動モータ7520を可動ベース部材7600に固定できるよう構成されている。すなわち、回転演出ユニット7500は、回転筒部材7510のみが回転し、記憶表示部7530は回転しない。
ここで、本実施形態において、記憶表示部7530は、LED基板7540が有するLEDの向き(すなわち、レンズ部材7550が有する囲繞レンズ部7551の底壁(レンズ)の向き)が斜め上を向くように、可動ベース部材7600に固定されている。このように、LED基板7540が有するLEDの向きを斜め上に向けることで、当該LEDが遊技機10の前方に座る遊技者の顔の方を向くので、当該LEDの発する光が視認し易くなる。
図107(b)に示すように、装飾カバー部材7400の内部(後方に開口を有する凹室内)は上下に分割されており、上側が回転演出ユニット7500を収納するためのユニット収納空間7401、下側が蛍光灯(蛍光管)7410を収納するための蛍光灯収納空間7402になっている。
本実施形態の場合、回転演出ユニット7500は、回転筒部材7510が、前後方向から見て略凹字状の装飾カバー部材7400の凹部内に収まるように配設されている(図103参照)。したがって、ユニット収納空間7401には、回転演出ユニット7500のうち回転筒部材7510よりも左側の部分(本実施形態の場合、最終報知LED7541やそれに対応する囲繞レンズ部7551)と、回転演出ユニット7500のうち回転筒部材7510よりも右側の部分(本実施形態の場合、駆動モータ7520)と、が収納される。
図107(a)に示すように、装飾カバー部材7400の前面には、蛍光灯収納空間7402に収納されている蛍光灯7410によって発光する演出発光部7400aが設けられている。
なお、蛍光灯収納空間7402には、蛍光灯7410以外の光源(例えば、LED基板等)が収納されていてもよい。
また、装飾カバー部材7400には、装飾カバー部材7400内から装飾カバー部材7400外へと光を通す通光部7400bとして、装飾カバー部材7400の内外に貫通する貫通孔が1つ設けられている。この通光部7400bは、装飾カバー部材7400のうち、ユニット収納空間7401に収納される囲繞レンズ部7551(すなわち、最終報知LED7541に対応する囲繞レンズ部7551)と対向する位置に設けられている。したがって、ユニット収納空間7401内に配設されている囲繞レンズ部7551の底壁(レンズ)が、通光部7400bを介して装飾カバー部材7400の外部から視認可能となる。そのため、最終報知LED7541が発光した場合には、通光部7400bを介して当該最終報知LED7541が発する光を視認することができる。
なお、本実施形態では、回転筒部材7510の通光部7510aの形状を円形とし、装飾カバー部材7400の通光部7400bの形状を星型にしたが、通光部7510a,7400bの形状は適宜任意に変更可能である。本実施形態のように、最終報知LED7541が有する光を通す通光部7400bの形状と、保留表示LED7542が発する光を通す通光部7510aの形状と、を異ならせることで、最終報知LED7541が発した光であるか、保留表示LED7542が発した光であるか、が区別し易くなるので、好適である。
また、図104及び図107(a)に示すように、可動ベース部材7600の前面には、上下方向に沿って貫通する貫通孔を有する左スライドガイド部7621及び右スライドガイド部7622が突設されている。
可動ベース部材7600の左右幅は、装飾カバー部材7400の左右幅よりも大きく設定されている。そして、可動ベース部材7600の前面のうち、可動ベース部材7600に装飾カバー部材7400を取り付けた状態において装飾カバー部材7400よりも左側の部分(すなわち、装飾カバー部材7400の左面よりも左方に突出した部分)に、左スライドガイド部7621が配設され、可動ベース部材7600の前面のうち、可動ベース部材7600に装飾カバー部材7400を取り付けた状態において装飾カバー部材7400よりも右側の部分(すなわち、装飾カバー部材7400の右面よりも右方に突出した部分)に、右スライドガイド部7622が配設されている。
図104に示すように、ユニットベース部材7100は、主に、ユニットベース部材7100に可動ユニット7300を取り付けた状態において、可動ユニット7300の可動ベース部材7600本体と対向する後壁部7101と、可動ベース部材7600本体に突設されている左スライドガイド部7621を外側から覆う左壁部7102と、可動ベース部材7600本体に突設されている右スライドガイド部7622を外側から覆う右壁部7103と、からなる。
左壁部7102の内面(左スライドガイド部7621と対向する面)には、上下方向に対して略直交する略板状の左ストッパ部7111が設けられており、右壁部7103の内面(右スライドガイド部7622と対向する面)には、上下方向に対して略直交する略板状の右ストッパ部7112が設けられている。
そして、左ストッパ部7111の上面には、上下方向に略沿って延在する棒状の左ガイドロッド7121が突設されており、右ストッパ部7112の上面には、上下方向に略沿って延在する棒状の右ガイドロッド7122が突設されている。
左ガイドロッド7121は、可動ベース部材7600の左スライドガイド部7621が有する貫通孔にスライド移動自在に挿通可能な太さに形成されており、右ガイドロッド7122は、可動ベース部材7600の右スライドガイド部7622が有する貫通孔にスライド移動自在に挿通可能な太さに形成されている。可動ベース部材7600のスライドガイド部7621,7622が有する貫通孔に、ユニットベース部材7100のガイドロッド7121,7122を挿通することで、可動ユニット7300の動作(上下方向へのスライド動作)がガイドされるようになっている。
また、ストッパ部7111,7112がガイドロッド7121,7122の下端側に配設されているので、可動ユニット7300がガイドロッド7121,7122から抜け落ちないように、ストッパ部7111,7112によって支持できるようになっている。
図104に示すように、駆動モータ7200の前面には、略円盤状のリンクカム(駆動回転体)7210が取り付けられている。リンクカム7210には軸受部が設けられており、この軸受部に駆動モータ7200の回転軸(出力軸)を差し込むことで、リンクカム7210は、駆動モータ7200の駆動力によって可動ユニット7300を動作(本実施形態の場合、上下方向へのスライド動作)させるための駆動動作(本実施形態の場合、回転動作)を行うようになっている。
リンクカム7210の前面のうち、当該回動軸から偏心した位置には、リンクピン(係合ピン)7211が突設されている。また、可動ベース部材7600には、左右方向に延在する長孔状のスライド溝7600aが形成されている。このスライド溝7600aは、前後方向に貫通しており、リンクカム7210のリンクピン7211をスライド移動自在に挿通可能な大きさに形成されている。
図108は、可動ユニット7300の上下方向へのスライド動作を説明する図である。なお、図108では、便宜上、ユニットベース部材7100の後壁部7101の図示を省略している。
可動ユニット7300及びユニットベース部材7100の何れか一方には遮光板(図示省略)が設けられているとともに、何れか他方にはフォトセンサ(図示省略)が設けられている。そして、図108(a)に示すように、可動ユニット7300が初期位置にある場合には、当該遮光板が、当該フォトセンサの発光部と受光部との間に挿入されて、当該フォトセンサによって検出されるようになっている。すなわち、フォトセンサによって、可動ユニット7300が初期位置にあることを検出できるようになっている。なお、フォトセンサによって、可動ユニット7300が初期位置にないことを検出できるよう構成することも可能である。
リンクカム7210のリンクピン7211は、可動ユニット7300が初期位置にある場合には、最も下方に下がった最下位置に位置しており、駆動モータ7200からの駆動力によってリンクカム7210が回転すると、円弧軌道を描きながら上側へと移動する。
また、可動ユニット7300が備える可動ベース部材7600のスライドガイド部7621,7622の貫通孔には、ユニットベース部材7100のガイドロッド7121,7122が挿入されており、可動ユニット7300は、スライドガイド部7621,7611の延在方向以外の方向(すなわち、上下方向以外の方向)への移動が規制された状態となっている。
したがって、リンクピン7211が円弧軌道を描きながら上側へと移動すると、可動ユニット7300は、スライド溝7600aがリンクピン7211に押されるので、上側へとスライド移動する。また、リンクピン7211が円弧軌道を描きながら下側へと移動すると、可動ユニット7300は、リンクピン7211につられて下側へとスライド移動する。
このようにして、可動ユニット7300は上下方向にスライド移動する。
可動ユニット7300が初期位置にある場合には、回転演出ユニット7500が区画壁部材630の後方に配置されて、透明な区画壁631を介して前方から視認可能となる。リンクカム7210が回転して、リンクピン7211が最も上方に上がった最上位置に位置すると、回転演出ユニット7500は、区画壁部材630の庇部634よりも上側に配置されて、装飾カバー部材7400の演出発光部7400aが透明な区画壁631を介して前方から視認可能となる。
さらに、可動ユニット7300においては、駆動モータ7520からの駆動力によって回転筒部材7510が回転することにより、記憶表示部7530における記憶表示(すなわち、保留表示LED7542の発光)が見え隠れするよう構成されている。
ここで、本実施形態では、記憶表示部7530における記憶表示を切り替えるタイミングに合わせて、回転筒部材7510を回転(半回転)させるよう構成されている。具体的には、記憶表示部7530における記憶表示を切り替える前に回転筒部材7510の回転を開始して記憶表示部7530における記憶表示を視認不能とし、記憶表示部7530における記憶表示を切り替えた後に回転筒部材7510の回転を終了して記憶表示部7530における記憶表示(切り替え後(変化後)の記憶表示)を視認可能とするよう構成されている。
なお、回転筒部材7510の回転の仕方や回転のタイミングは、回転筒部材7510の回転動作によって保留予告演出の演出効果や遊技者への訴求力を向上させることができるのであれば、適宜任意に変更可能である。
〔事前(先読み)演出設定処理〕
本実施形態において、演出制御装置300は、図66に示す事前(先読み)演出設定処理にかえて、図109に示す事前(先読み)演出設定処理を行う。
ここで、本実施形態では、可動ユニット7300の記憶表示部7530を用いて特図1始動記憶(第1始動記憶)の記憶数に対応した記憶表示(保留表示)を行い、メイン表示装置41の表示部41aの記憶表示領域43には特図2始動記憶(第2始動記憶)に対応する保留表示47を表示する。
この事前(先読み)演出設定処理では、まず、連続予告を実行するための実行条件が成立しているかチェックし(ステップD11)、実行条件が成立しているかを判定する(ステップD12)。
ここで、連続予告を実行するための実行条件とは、事前判定コマンドに対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動演出パターンがSP2〜4リーチであり、かつ、連続予告の実行中でなく、受信した事前判定コマンドに対応する特図始動記憶より先に特図変動表示ゲームを実行する特図始動記憶が存在し、事前判定コマンドに対応する特図始動記憶が連続予告の実行抽選に当選したこと等である。
ステップD12で、実行条件が成立していると判定した場合(ステップD12;Yes)には、図柄情報及びリーチ系統情報に基づき連続予告態様を決定し(ステップD13)、現在の保留数(始動記憶数)から連続予告回数を決定する(ステップD14)。
ここで、連続予告の予告態様にはサブ表示装置801を動作させるものと動作させないものとがあるが、サブ表示装置801を動作させる連続予告は、例えば図55から図58に示したようなサブ表示装置801を動作させる演出が連続予告の実行対象となる特図変動表示ゲームで実行されないことを条件に選択可能となっている。また、連続予告回数は、連続予告の対象となる特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行までに消化される第1特図始動記憶の数が設定される。
その後、連続予告の実行情報を対応する保留(始動)記憶領域にセーブし(ステップD15)、事前(先読み)演出設定処理を終了する。
これにより、特定の始動記憶について、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘る複数の連続した特図変動表示ゲームにおいて演出を実行することにより、当該始動記憶についての事前判定情報を報知、示唆する連続予告の実行に関する情報が設定される。
一方、ステップD12で、実行条件が成立していないと判定した場合(ステップD12;No)には、保留予告中であるか否かを判定する(ステップD16)。ここで、可動ユニット7300の上下方向へのスライド動作や、可動ユニット7300が備える回転筒部材7510の回転動作の実行中である場合に、保留予告中であると判定する。
ステップD16で、保留予告中であると判定した場合(ステップD16;Yes)には、事前(先読み)演出設定処理を終了する。このように、本実施形態では、複数の保留予告を同時に実行しないので、実行されている保留予告が、どの始動記憶に対応する保留予告なのかがわかり易い。なお、複数の保留予告を同時に実行するように構成することも可能である。
一方、ステップD16で、保留予告中でないと判定した場合(ステップD16;No)には、保留予告動作振分テーブルを参照して図柄情報及びリーチ系統情報に基づき予告動作態様を決定する(ステップD17)。
図110(a)には、保留予行動作振分テーブルの一例を示した。
図110(a)に示す保留予行動作振分テーブルによれば、例えば、図柄情報が「はずれ」でありリーチ系統情報が「リーチなし」である場合は、99%の確率で「−」が選択され、1%の確率で「順回転」が選択される。
ここで、「順回転」とは、可動ユニット7300が初期位置にある状態で、可動ユニット7300が備える回転筒部材7510を順回転(通光部7510aが上から下へと移動する回転)させる動作態様のことである。
また、「逆回転」とは、可動ユニット7300が初期位置にある状態で、可動ユニット7300が備える回転筒部材7510を逆回転(通光部7510aが下から上へと移動する回転)させる動作態様のことである。本実施形態の場合、「順回転」よりも「逆回転」の方が特別結果となる信頼度(期待度)が高い。
また、「上昇+順回転」とは、可動ユニット7300を上昇させながら、または上昇させた後に可動ユニット7300が備える回転筒部材7510を順回転させる動作態様のことである。本実施形態の場合、「逆回転」よりも「上昇+順回転」の方が特別結果となる信頼度(期待度)が高い。
また、「上昇+逆回転」とは、可動ユニット7300を上昇させながら、または上昇させた後に可動ユニット7300が備える回転筒部材7510を逆回転させる動作態様のことである。本実施形態の場合、「上昇+順回転」よりも「上昇+逆回転」の方が特別結果となる信頼度(期待度)が高い。
また、「−」とは、可動ユニット7300の上下方向へのスライド動作や、可動ユニット7300が備える回転筒部材7510の回転動作を実行しないこと、すなわち、保留予告を実行しないことを示す。
次いで、決定した予告動作態様が「−」であるかを判定する(ステップD18)。
ステップD18で、決定した予告動作態様が「−」であると判定した場合(ステップD18;Yes)すなわち、直近に記憶された始動記憶を保留予告の対象としない場合には、事前(先読み)演出設定処理を終了する。
一方、ステップD18で、決定した予告動作態様が「−」でないと判定した場合(ステップD18;No)、すなわち、直近に記憶された始動記憶を保留予告の対象とする場合には、保留予告態様振分テーブルを参照してリーチ系統情報及び現在の保留数(始動記憶数)に基づき予告発光態様を決定する(ステップD19)。
図110(b)には、保留予告態様振分テーブルの一例を示した。
可動ユニット7300の記憶表示部7530において、一の始動記憶を示すLEDの位置は、始動記憶が消化される度に移動する。例えば、現在の始動記憶数が「4」である場合、直近に記憶された始動記憶を示すLEDは、始動記憶が消化される度に、最終報知LED7541から最も遠い保留表示LED7542→最終報知LED7541から2番目に遠い保留表示LED7542→最終報知LED7541から3番目に遠い保留表示LED7542→最終報知LED7541の隣にある保留表示LED7542→最終報知LED7541の順に切り替わる。
図110(b)に示す保留予告態様振分テーブルによれば、例えば、リーチ系統情報が「SP4」であり現在の始動記憶数(保留数)が「4」である場合は、まず、保留予告の対象とする始動記憶を示すLEDとして、最終報知LED7541から最も遠い保留表示LED7542が「白色」で発光し、次の始動記憶の消化時には、保留予告の対象とする始動記憶を示すLEDとして、最終報知LED7541から2番目に遠い保留表示LED7542が「青色」で発光し、次の始動記憶の消化時には、保留予告の対象とする始動記憶を示すLEDとして、最終報知LED7541から3番目に遠い保留表示LED7542が「黄色」で発光し、次の始動記憶の消化時には、保留予告の対象とする始動記憶を示すLEDとして、最終報知LED7541の隣にある保留表示LED7542が「赤色」で発光し、そして、次の始動記憶(すなわち、保留予告の対象とする始動記憶)の消化時には、最終報知LED7541が「虹色」で発光する発光態様が、100%の確率で選択される。
なお、保留予告の対象としない始動記憶を示すLEDは、デフォルトの色(本実施形態の場合、白色)で発光していることとする。
次いで、保留予告の実行情報(すなわち、ステップD17で決定した予告動作態様に関する情報や、ステップD19で決定した予告発光態様に関する情報等)を対応する保留(始動)記憶領域にセーブし(ステップD20)、事前(先読み)演出設定処理を終了する。
これにより、特定の始動記憶(保留予告の対象とする始動記憶)について、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘る複数の連続した特図変動表示ゲームにおいて演出を実行することにより、当該始動記憶についての事前判定情報を報知、示唆する保留予告の実行に関する情報が設定される。
なお、保留予告には連続予告の実行中であるか否かの条件判定がないため、連続予告と保留予告とが同時進行する場合があるが、同時進行させずに先に実行されていた一方のみを優先して実行するようにしても良い。
〔事前(先読み)演出実行処理〕
本実施形態において、演出制御装置300は、図70に示す事前(先読み)演出実行処理にかえて、図111に示す事前(先読み)演出実行処理を行う。
この事前(先読み)演出実行処理では、まず、保留(始動)記憶領域に連続予告の実行情報があるかチェックし(ステップD31)、連続予告の実行情報があるかを判定する(ステップD32)。
ステップD32で、連続予告の実行情報があると判定した場合(ステップD32;Yes)には、図75に示す連続予告実行処理を行って(ステップD33)、保留(始動)記憶領域に保留予告の実行情報があるかチェックし(ステップD34)、保留予告の実行情報があるかを判定する(ステップD35)。
一方、ステップD32で、連続予告の実行情報がないと判定した場合(ステップD32;No)には、連続予告実行処理を行わずに、ステップD34の処理に移行する。
ステップD35で、保留予告の実行情報があると判定した場合(ステップD35;Yes)には、保留予告実行処理を行い(ステップD36)、事前(先読み)演出実行処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、事前判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に基づき保留表示ユニット7000(記憶表示手段(記憶表示部7530)及び可動演出手段(回転筒部材7510))を制御して予告演出(保留予告演出)を行うことが可能な予告演出手段をなす。
ステップD35で、保留予告の実行情報がないと判定した場合(ステップD35;No)には、保留予告実行処理を行わずに、事前(先読み)演出実行処理を終了する。
〔保留予告実行処理〕
図112には、事前(先読み)演出実行処理における保留予告実行処理(ステップD36)を示した。
この保留予告実行処理では、まず、変動表示の開始タイミングであるかを判定する(ステップD41)。
ステップD41で、変動表示の開始タイミングでないと判定した場合(ステップD41;No)には、ステップD49の処理に移行する。
一方、ステップD41で、変動表示の開始タイミングであると判定した場合(ステップD41;Yes)には、保留(始動)記憶領域に上昇情報が記憶されているか否かをチェックして(ステップD42)、上昇情報が記憶されているかを判定する(ステップD43)。ここで、保留(始動)記憶領域に、保留予告の実行情報として、「上昇」を含む予告動作態様に関する情報が記憶されている場合に、上昇情報が記憶されていると判定する。
ステップD43で、上昇情報が記憶されていないと判定した場合(ステップD43;No)には、ステップD46の処理に移行する。
一方、ステップD43で、上昇情報が記憶されていると判定した場合(ステップD43;Yes)には、可動ユニット7300の上昇が済んだかを判定する(ステップD44)。
ステップD44で、可動ユニット7300の上昇が済んでいると判定した場合(ステップD44;Yes)には、ステップD46の処理に移行する。
一方、ステップD44で、可動ユニット7300の上昇が済んでいないと判定した場合(ステップD44;No)には、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)の上昇動作をセットする(ステップD45)。これにより、駆動モータ7200の駆動力によって、初期位置にある可動ユニット7300が上側へとスライド移動する。
すなわち、演出制御装置300及び駆動モータ7200が、記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)が備える記憶表示手段(記憶表示部7530)及び可動演出手段(回転筒部材7510)を常態位置と特定位置との間で移動させることが可能な位置移動手段をなす。
具体的には、位置移動手段(演出制御装置300及び駆動モータ7200)は、予告演出手段(演出制御装置300)による予告演出の実行に基づき記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)が備える記憶表示手段(記憶表示部7530)及び可動演出手段(回転筒部材7510)を常態位置から特定位置に移動させるよう構成されている。
ここで、本実施形態において、常態位置は、表示装置(メイン表示装置41)の表示領域の端部に対応する位置であり、特定位置は、常態位置よりも表示装置(メイン表示装置41)の表示領域の中央寄りの位置である。したがって、記憶表示部7530及び回転筒部材7510が常態位置にある場合、すなわち、可動ユニット7300が初期位置にある場合には、区画壁部材630の区画壁(透明パネル部)631を介して記憶表示部7530や回転筒部材7510が視認可能となる。また、可動ユニット7300が上昇して記憶表示部7530及び回転筒部材7510が特定位置に達した場合には、記憶表示部7530及び回転筒部材7510が区画壁部材630の庇部634よりも上側に位置して、区画壁部材630の区画壁(透明パネル部)631を介して装飾カバー部材7400の演出発光部7400aが視認可能となる。
次いで、保留(始動)記憶領域に回転情報が記憶されているか否かをチェックして(ステップD46)、回転情報が記憶されているかを判定する(ステップD47)。ここで、保留(始動)記憶領域に、保留予告の実行情報として、「順回転」又は「逆回転」を含む予告動作態様に関する情報が記憶されている場合に、回転情報が記憶されていると判定する。
ステップD47で、回転情報が記憶されていないと判定した場合(ステップD47;No)には、ステップD49の処理に移行する。
一方、ステップD47で、回転情報が記憶されていると判定した場合(ステップD47;Yes)には、当該回転情報に対応する回転演出ユニット7500の回転動作をセットする(ステップD48)。これにより、保留(始動)記憶領域に、保留予告の実行情報として、「順回転」を含む予告動作態様に関する情報が記憶されている場合には、駆動モータ7520の駆動力によって、回転演出ユニット7500の回転筒部材7510が順回転する。また、保留(始動)記憶領域に、保留予告の実行情報として、「逆回転」を含む予告動作態様に関する情報が記憶されている場合には、駆動モータ7520の駆動力によって、回転演出ユニット7500の回転筒部材7510が逆回転する。
さらに、回転情報に対応する回転演出ユニット7500の回転動作とともに、保留(始動)記憶領域に記憶されている発光情報に対応する記憶表示部7530の表示切替動作もセットする。ここで、発光情報とは、保留(始動)記憶領域に保留予告の実行情報として記憶されている情報のうち、予告発光態様に関する情報のことである。
すなわち、演出制御装置300が、所定条件の成立(本実施形態の場合、変動表示の開始)に基づき、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様を事前判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に応じた表示態様に変化させることが可能な表示態様制御手段と、表示態様制御手段による記憶表示の表示態様の変化に関連して可動演出手段(回転筒部材7510)に演出動作を行わせることが可能な演出動作制御手段と、をなす。
本実施形態の場合、演出動作制御手段(演出制御装置300)は、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様が変化するタイミングに合わせて回転筒部材7510を第1状態(記憶表示部7530における記憶表示を視認不能とする状態)と第2状態(記憶表示部7530における記憶表示を視認可能とする状態)とに変換するよう構成されている。より具体的には、演出動作制御手段(演出制御装置300)は、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化前に可動演出手段(回転筒部材7510)を第1状態に変換するとともに、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化後に可動演出手段(回転筒部材7510)を第2状態に変換するよう構成されている。
次いで、変動表示の実行中であるかを判定する(ステップD49)。
ステップD49で、変動表示の実行中でないと判定した場合(ステップD49;No)には、保留予告実行処理を終了する。
一方、ステップD49で、変動表示の実行中であると判定した場合(ステップD49;Yes)には、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)が上昇中であるか否かをチェックして(ステップD50)、上昇中であるかを判定する(ステップD51)。ここで、可動ユニット7300が初期位置にない場合に、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)が上昇中であると判定する。
ステップD51で、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)が上昇中でないと判定した場合(ステップD51;No)には、ステップD55の処理に移行する。
一方、ステップD51で、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)が上昇中であると判定した場合(ステップD51;Yes)には、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)の下降条件が成立したか否かをチェックして(ステップD52)、下降条件が成立したかを判定する(ステップD53)。ここで、下降条件とは、保留予告の対象となっている始動記憶に基づく特図変動表示ゲームあるいは保留予告の対象となっている始動記憶よりも以前に消化される始動記憶(先行保留記憶)に基づく特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)においてSPリーチに発展する前段階の状態(リーチ状態)になったことや、保留予告の対象となっている始動記憶に基づく特図変動表示ゲームあるいは保留予告の対象となっている始動記憶よりも以前に消化される始動記憶(先行保留記憶)に基づく特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)の結果が「当り」となったこと等である。可動ユニット7300が上昇すると、メイン表示装置41の表示領域のうち視認可能な領域が狭まってしまうが、可動ユニット7300が下降して初期位置に戻ることで視認可能な領域としてより大きな領域を確保できるので、メイン表示装置41によってダイナミックな演出表示を行うことが可能となる。
ステップD53で、下降条件が成立していないと判定した場合(ステップD53;No)には、ステップD55の処理に移行する。
一方、ステップD53で、下降条件が成立したと判定した場合(ステップD53;Yes)には、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)の下降動作をセットする(ステップD54)。これにより、駆動モータ7200の駆動力によって、上昇していた可動ユニット7300が下側へとスライド移動して初期位置に戻る。
次いで、保留予告の中止条件が成立したか否かをチェックして(ステップD55)、中止条件が成立したかを判定する(ステップD56)。ここで、中止条件とは、保留予告の対象となっている始動記憶に基づく特図変動表示ゲームあるいは保留予告の対象となっている始動記憶よりも以前に消化される始動記憶(先行保留記憶)に基づく特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)において大当りが発生したこと等である。
ステップD56で、中止条件が成立していると判定した場合(ステップD56;Yes)には、保留(始動)記憶領域に記憶されている保留予告の実行情報をクリアして(ステップD57)、保留予告実行処理を終了する。
一方、ステップD56で、中止条件が成立していないと判定した場合(ステップD56;No)には、保留(始動)記憶領域に記憶されている保留予告の実行情報をクリアせずに、保留予告実行処理を終了する。
なお、保留予告の実行情報をクリアする際に、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)が上昇中である場合には、回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)の下降動作をセットする。
また、保留予告の対象となっている始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの終了時に、保留(始動)記憶領域に記憶されている保留予告の実行情報(当該始動記憶用の保留予告の実行情報)がクリアされていない場合には、当該保留予告の実行情報をクリアする。
図113及び図114には、保留予告の一例を示した。
まず、第1特図変動表示ゲームの始動入賞球が検出されると(E11)、新たな特図1始動記憶が記憶される。
ここでは、当該新たな特図1始動記憶が記憶される前に既に特図1始動記憶が1つ記憶されていたとする。したがって、当該新たな特図1始動記憶の記憶によって、現在の保留数が「2」になる。
また、ここでは、保留予告中でないときに当該新たな特図1始動記憶が記憶されたとする。したがって、当該新たな特図1始動記憶に対応する予告動作態様や予告発光態様を決定する処理(図109のステップD17やステップD19)が実行される。この例の場合、当該新たな特図1始動記憶に対応する図柄情報は「はずれ」、リーチ系統情報は「SP1リーチ」であるとする。そして、予告動作態様として「順回転」、予告発光態様として「白⇒青⇒青」が選択されて、当該新たな特図1始動記憶が保留予告の対象となったとする。したがって、図113の上図に示すように、既に点灯していたLED7541,7542に加えて、当該新たな特図1始動記憶(すなわち、保留予告の対象となった特図1始動記憶)を示すLEDとして、最終報知LED7541から3番目に遠い保留表示LED7542が白色に点灯する。
その後、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が停止して(E12)、第1特図変動表示ゲームが終了する。
そして、次の第1特図変動表示ゲームが開始されて、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が開始されると(E13)、保留更新動作(保留更新演出)が開始される。
ここで、保留更新動作とは、可動ユニット7300による演出動作及び記憶表示部7530における記憶表示の切替動作のことである。この例の場合、保留(始動)記憶領域には上昇情報は記憶されていないが、回転情報(「順回転」)は記憶されているので、保留更新動作が開始されると、図113の中図に示すように、可動ユニット7300が初期位置にある状態で、可動ユニット7300の回転筒部材7510が回転(順回転)する。また、保留更新動作により記憶表示部7530における記憶表示が切り替わって、保留予告の対象となっている始動記憶を示すLEDとして最終報知LED7541の隣にある保留表示LED7542が青色に点灯する。
なお、回転筒部材7510を回転させている期間中は、最終報知LED7541を消灯してもよいし、デフォルトの色(白色)に点灯させてもよい。
また、回転筒部材7510を回転させている期間中、すなわち回転筒部材7510が回転して記憶表示部7530における記憶表示を隠している期間(遮蔽期間)中は、保留表示LED7542を点灯しておいてもよいし、消灯しておいてもよいが、消灯しておくと省エネになる。
本実施形態では、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が高速変動に移行するまでの間に、保留更新動作を終了するよう構成されている。
したがって、変動中(高速変動中)には(E14)、図113の下図に示すように、回転筒部材7510の通光部7510aを介して切り替わり後(変化後)の記憶表示が視認可能となっている。
なお、保留更新動作を終了するタイミングは、適宜任意に変更可能であり、例えば、高速変動から低速変動に移行するまでに保留更新動作を終了するよう構成することも可能である。
その後、図114の上図に示すように、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が停止して(E15)、第1特図変動表示ゲームが終了する。
そして、次の第1特図変動表示ゲーム(この例の場合、保留予告の対象となっている第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム)が開始されて、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が開始されると(E16)、保留更新動作(保留更新演出)が開始される。
保留更新動作が開始されると、図114の中図に示すように、可動ユニット7300が初期位置にある状態で、再び回転筒部材7510が回転(順回転)する。また、保留更新動作により記憶表示部7530における記憶表示が切り替わって、保留予告の対象となっている始動記憶を示すLEDとして最終報知LED7541が青色に点灯する。
保留更新動作の開始から終了までの間に、第1特図変動表示ゲームの始動入賞球が検出されて(E17)、新たな特図1始動記憶が記憶された場合には、その新たな特図1始動記憶を示す保留表示LED7542も点灯する。したがって、変動中(高速変動中)には(E18)、図114の下図に示すように、既に記憶されていた特図1始動記憶を示すLEDだけでなく、新たな特図1始動記憶を示す保留表示LED7542の点灯も視認可能となる。なお、その新たな特図1始動記憶は保留予告中(保留更新動作中)に記憶されたものであるので、その新たな特図1始動記憶に対応する予告動作態様や予告発光態様を決定する処理(図109のステップD17やステップD19)は実行されない。
図115〜図117には、保留予告の他の一例を示した。
まず、第1特図変動表示ゲームの始動入賞球が検出されると(E21)、新たな特図1始動記憶が記憶される。
ここでは、当該新たな特図1始動記憶が記憶される前に既に特図1始動記憶が1つ記憶されていたとする。したがって、当該新たな特図1始動記憶の記憶によって、現在の保留数が「2」になる。
また、ここでは、保留予告中でないときに当該新たな特図1始動記憶が記憶されたとする。したがって、当該新たな特図1始動記憶に対応する予告動作態様や予告発光態様を決定する処理(図109のステップD17やステップD19)が実行される。この例の場合、当該新たな特図1始動記憶に対応する図柄情報は「大当り」、リーチ系統情報は「SP3リーチ」であるとする。そして、予告動作態様として「上昇+順回転」、予告発光態様として「白⇒青⇒黄」が選択されて、当該新たな特図1始動記憶が保留予告の対象となったとする。したがって、図115の上図に示すように、既に点灯していたLED7541,7542に加えて、当該新たな特図1始動記憶(すなわち、保留予告の対象となった特図1始動記憶)を示すLEDとして、最終報知LED7541から3番目に遠い保留表示LED7542が白色に点灯する。
その後、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が停止して(E22)、第1特図変動表示ゲームが終了する。
そして、次の第1特図変動表示ゲームが開始されて、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が開始されると(E23)、保留更新動作(保留更新演出)が開始される。
この例の場合、保留(始動)記憶領域には上昇情報(「上昇」)も回転情報(「順回転」)も記憶されているので、保留更新動作が開始されると、図115の中図に示すように、可動ユニット7300の回転筒部材7510が回転(順回転)しながら、可動ユニット7300が上昇する。これにより、可動ユニット7300が備える装飾カバー部材7400の演出発光部7400aが遊技者から視認可能な位置、具体的には区画壁部材630の区画壁(透明パネル部)631の後方に表出(出現)してくるとともに、メイン表示装置41の表示部41aの下部に設定されている記憶表示領域43(本実施形態の場合、第2始動記憶に対応する保留表示47を表示する領域)が可動ユニット7300によって遮蔽されていく。
また、この例の場合、保留更新動作により記憶表示部7530における記憶表示が切り替わって、保留予告の対象となっている始動記憶を示すLEDとして最終報知LED7541の隣にある保留表示LED7542が青色に点灯する。
本実施形態では、保留(始動)記憶領域には上昇情報(「上昇」)が記憶されている場合には、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が高速変動に移行するまでの間に(あるいは、高速変動から低速変動に移行するまでの間等であってもよい。)、可動ユニット7300によって記憶表示領域43が完全に遮蔽された状態になるよう(すなわち、記憶表示部7530及び回転筒部材7510が特定位置に達するよう)可動ユニット7300を上昇させて、保留更新動作を終了するよう構成されている。
したがって、変動中(高速変動中)には(E24)、図115の下図に示すように、可動ユニット7300によって記憶表示領域43が完全に遮蔽された状態になっており、記憶表示領域43を遮蔽している回転筒部材7510の通光部7510aを介して切り替わり後(変化後)の記憶表示が視認可能となっている。
また、保留(始動)記憶領域には上昇情報(「上昇」)が記憶されている場合には、可動ユニット7300の上昇開始から上昇終了までの所定のタイミングで、蛍光灯(蛍光管)7410が点灯して演出発光部7400aを発光させるよう構成されている。本実施形態の場合、可動ユニット7300が上昇しない保留予告よりも上昇する保留予告の方が特別結果となる期待度(信頼度)が高いので(図110(b)参照)、演出発光部7400aは、発光することによって、期待度の高い先読み予告期間を報知(示唆)することが可能な予告期間報知部として機能する。
すなわち、位置移動手段(演出制御装置300及び駆動モータ7200)は、特別結果となる期待度の高い予告演出が実行される場合ほど高確率で記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)が備える記憶表示手段(記憶表示部7530)及び可動演出手段(回転筒部材7510)を常態位置から特定位置に移動させるよう構成されている。
その後、図116の上図に示すように、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が停止して(E25)、第1特図変動表示ゲームが終了する。
そして、次の第1特図変動表示ゲーム(この例の場合、保留予告の対象となっている第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム)が開始されて、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が開始されると(E26)、保留更新動作(保留更新演出)が開始される。
保留更新動作が開始されると、図116の中図に示すように、可動ユニット7300が上昇した状態のまま、再び回転筒部材7510が回転(順回転)する。また、保留更新動作により記憶表示部7530における記憶表示が切り替わって、保留予告の対象となっている始動記憶を示すLEDとして最終報知LED7541が黄色に点灯する。
したがって、変動中(高速変動中)には(E27)、図116の下図に示すように、可動ユニット7300によって記憶表示領域43が完全に遮蔽された状態になっており、記憶表示領域43を遮蔽している回転筒部材7510の通光部7510aを介して切り替わり後(変化後)の記憶表示が視認可能となっている。
保留予告の対象となっている始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで、リーチ状態が発生して(E28)、SPリーチに発展する前段階の状態になる、すなわち回転演出ユニット7500(可動ユニット7300)の下降条件が成立すると、図117の上図に示すように、可動ユニット7300の下降動作が開始する。
なお、この例の場合、リーチ状態が発生した後のSPリーチに発展する直前に、下降動作を開始するよう構成したが、SPリーチに発展するときに可動ユニット7300が初期位置(すなわち、記憶表示部7530及び回転筒部材7510が特定位置)にあるのであれば、下降動作の開始タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、SPリーチに発展するリーチ状態が発生する前に下降動作を開始するよう構成することも可能である。
そして、可動ユニット7300が下降して初期位置に戻る(すなわち、記憶表示部7530及び回転筒部材7510が常態位置に戻る)と、SPリーチに発展して(E29)、図117の中図に示すように、SPリーチ発展演出が実行される。
SPリーチ発展演出の実行中に、第1特図変動表示ゲームの始動入賞球が検出されて(E30)、新たな特図1始動記憶が記憶された場合には、既に点灯していたLEDに加えて、その新たな特図1始動記憶を示す保留表示LED754も点灯する。
その後、変動表示領域42a,42b,42cでの変動表示が停止して(E31)、第1特図変動表示ゲームが終了する。そして、結果が大当りである場合は、図117の下図に示すように特別結果が表示される。
なお、この例では、保留予告(先読み保留予告)の対象となっている始動記憶よりも以前に消化される始動記憶(先行保留記憶)に基づく特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)においてSPリーチが発生しない例を示したが、先行保留記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいてSPリーチが発生する場合には、当該特図変動表示ゲームの実行中に一時的に可動ユニット7300を下降させ、次の変動開始時に再度可動ユニット7300を上昇(先読み保留予告を再開)させるようにしてもよい。
また、この例では、保留予告(先読み保留予告)の対象となっている始動記憶よりも以前に消化される始動記憶(先行保留記憶)に基づく特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)において大当りが発生しない例を示したが、先行保留記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて大当りが発生する場合には、当該大当りの発生に伴って保留表示ユニット7000による保留予告(先読み保留予告)を中止するようにしてもよい。
このように、本実施形態の遊技機10は、包囲枠体(センターケース)40に設けられ、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に関する情報を報知表示することが可能な保留表示ユニット(記憶表示ユニット)7000を備えている。
この保留表示ユニット7000は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うことが可能な記憶表示部7530と、記憶表示部7530に対応して設けられ、記憶表示部7530における記憶表示に関連して所定の演出動作を行うことが可能な回転筒部材7510と、を備えている。
そして、演出制御装置300は、判定結果(先読み結果)に基づいて保留表示ユニット7000を制御して予告演出を行うことが可能となるよう構成されている。
具体的には、演出制御装置300は、所定条件の成立に基づき、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様を判定結果(先読み結果)に応じた表示態様に変化させることが可能であるとともに、当該変化に関連して回転筒部材7510に演出動作を行わせることが可能となるよう構成されている。したがって、記憶表示の表示態様を変化させるだけで当該変化に関連した演出動作を行わない場合と比較して、当該変化を遊技者が気付き易くなるので、予告演出の演出効果や遊技者への訴求力を向上させることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、可動ユニット7300の記憶表示部7530を用いて特図1始動記憶(第1始動記憶)の記憶数に対応した記憶表示(保留表示)を行い、メイン表示装置41の表示部41aの記憶表示領域43には特図2始動記憶(第2始動記憶)に対応する保留表示47を表示するよう構成したが、これに限ることはなく、可動ユニット7300の記憶表示部7530を用いて特図2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行い、メイン表示装置41の表示部41aの記憶表示領域43には特図1始動記憶に対応する保留表示47を表示するよう構成することも可能である。
また、可動ユニット7300の記憶表示部7530を用いて、特図1始動記憶の記憶数に対応した記憶表示と、特図2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示と、の双方を行うよう構成することも可能である。
具体的には、例えば図118に示す保留表示ユニット7000のように、回転演出ユニット7500に、特図1始動記憶の記憶数に対応した記憶表示と当該記憶表示に関連した演出動作とを行う特図1用回転演出領域R1と、特図2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示と当該記憶表示に関連した演出動作とを行う特図2用回転演出領域R2と、特図1用回転演出領域R1と特図2用回転演出領域R2との間に設けられ、実行中の変動表示ゲームの結果を予告する予告演出を行う最終報知領域R3と、を備えるよう構成することも可能である。
図118に示す保留表示ユニット7000において、回転演出ユニット7500が備える記憶表示部7530は、左右方向に沿って一列に並ぶ複数のLEDを備えている。この複数のLEDのうち、特図1用回転演出領域R1に配されたLEDが特図1用の保留表示LED7542となり、特図2用回転演出領域R2に配されたLEDが特図2用の保留表示LED7542となり、最終報知領域R3に配されたLEDが最終報知LED7541となる。
最終報知領域R3には、装飾カバー部材7400に形成された通光部7400bが備えられており、この通光部7400bを介して、最終報知LED7541が発する光を視認できるようになっている。
なお、図118に示す保留表示ユニット7000は、最終報知LED7541を1つだけ有しており、この1つの最終報知LED7541を特図1始動記憶と特図2始動記憶とで共用するようになっている。すなわち、最終報知LED7541は、特図1変動表示ゲームの実行中には、その特図1変動表示ゲームの結果を予告する予告演出のための発光をし、特図2変動表示ゲームの実行中には、その特図2変動表示ゲームの結果を予告する予告演出のための発光をするよう構成されている。
特図1用回転演出領域R1には、独立して回転する回転筒部材7510が備えられており、この回転筒部材7510に形成された通光部7510aを介して、この回転筒部材7510の内部に配されている特図1用の保留表示LED7542が発する光を視認できるよう構成されている。
ここで、複数の特図1用の保留表示LED7542のうち、最終報知LED7541に近い特図1用の保留表示LED7542ほど古い特図1始動記憶を示すこととする。すなわち、図118に示す保留表示ユニット7000においては、左右に並ぶ4つの特図1用の保留表示LED7542のうち、最も右側にある特図1用の保留表示LED7542(すなわち、最終報知LED7541の隣にある特図1用の保留表示LED7542)で最も古い特図1始動記憶を示し、最も左側にある特図1用の保留表示LED7542で最も新しい特図2始動記憶を示すこととする。したがって、一の特図1始動記憶を示すLEDの位置が、特図1始動記憶が消化される度に右側へと移動することになる。
特図2用回転演出領域R2には、独立して回転する回転筒部材7510が備えられており、この回転筒部材7510に形成された通光部7510aを介して、この回転筒部材7510の内部に配されている特図2用の保留表示LED7542が発する光を視認できるよう構成されている。
ここで、複数の特図2用の保留表示LED7542のうち、最終報知LED7541に近い特図2用の保留表示LED7542ほど古い特図2始動記憶を示すこととする。すなわち、図118に示す保留表示ユニット7000においては、左右に並ぶ4つの特図2用の保留表示LED7542のうち、最も左側にある特図2用の保留表示LED7542(すなわち、最終報知LED7541の隣にある特図2用の保留表示LED7542)で最も古い特図2始動記憶を示し、最も右側にある特図2用の保留表示LED7542で最も新しい特図2始動記憶を示すこととする。したがって、一の特図2始動記憶を示すLEDの位置が、特図2始動記憶が消化される度に左側へと移動することになる。
例えば図118(a)に示すように、保留予告の対象とする特図1始動記憶が記憶(保留)されている場合には、特図1用回転演出領域R1での記憶表示の表示態様の変化に関連して特図1用回転演出領域R1の回転筒部材7510を回転させ、特図2用回転演出領域R2の回転筒部材7510は回転させない。
また、例えば図118(b)に示すように、保留予告の対象とする特図2始動記憶が記憶(保留)されている場合には、特図2用回転演出領域R2での記憶表示の表示態様の変化に関連して特図2用回転演出領域R2の回転筒部材7510を回転させ、特図1用回転演出領域R1の回転筒部材7510は回転させない。なお、図118(b)の例では、特図2始動記憶だけでなく特図1始動記憶も記憶(保留)されているが、第2特図変動表示ゲームは第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるので、特図1用回転演出領域R1での記憶表示の表示態様よりも先に特図2用回転演出領域R2での記憶表示の表示態様が変化し、それに関連して特図2用回転演出領域R2の回転筒部材7510が回転する。
無論、図118に示す保留表示ユニット7000においても、可動ユニット7300は、回転筒部材7510の回転動作だけでなく、特別結果となる信頼度(期待度)等に応じて上昇動作も行う。
なお、図118に示す保留表示ユニット7000において、特図1用回転演出領域R1の回転筒部材7510が回転するのは、通常遊技状態のときだけとし、特図2用回転演出領域R2の回転筒部材7510が回転する(特図2始動記憶の先読み保留予告を実行する)のは、特定遊技状態(電サポ状態)のときだけとしてもよい。また、特図1用回転演出領域R1で記憶表示の表示態様が変化するのは、通常遊技状態のときだけとし、特図2用回転演出領域R2で記憶表示の表示態様が変化するのは、特定遊技状態のときだけとしてもよい。換言すると、特図1始動記憶の先読み保留予告は通常遊技状態においてのみ実行され、特図2始動記憶の先読み保留予告は特定遊技状態においてのみ実行されるようにしてもよい。
また、保留表示ユニット7000を、ガラス枠15に設けることも可能である。
具体的には、例えば図119及び図120に示すように、上左スピーカ19a1と上右スピーカ19a2との間に、上側枠演出装置(上側可動演出装置)903にかえて、保留表示ユニット7000を設けることも可能である。
ここで、図119及び図120に示す保留表示ユニット7000も、可動ユニット7300の記憶表示部7530を用いて、特図1始動記憶の記憶数に対応した記憶表示と、特図2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示と、の双方を行うよう構成されている。具体的には、図119及び図120に示す保留表示ユニット7000において、回転演出ユニット7500が備える記憶表示部7530は、左右方向に沿って一列に並ぶ複数のLEDを備えている。この複数のLEDのうち、最も右側(左側であってもよい)に配されたLEDが特図1用の最終報知LED7541となり、最も左側(右側であってもよい)に配されたLEDが特図2用の最終報知LED7541となり、残りのLEDが保留表示LED7542となる。
装飾カバー部材7400のうち、特図1用の最終報知LED7541に対向する位置には通光部7400bが備えられており、この通光部7400bを介して、特図1用の最終報知LED7541が発光する光を視認できるようになっている。
また、装飾カバー部材7400のうち、特図2用の最終報知LED7541に対向する位置にも通光部7400bが備えられており、この通光部7400bを介して、特図2用の最終報知LED7541が発光する光を視認できるようになっている。
図119及び図120に示す保留表示ユニット7000において、回転演出ユニット7500は、回転筒部材7510を1つだけ有しており、この1つの回転筒部材7510及び当該回転筒部材7510内に配されているLED(保留表示LED7542)を特図1始動記憶と特図2始動記憶とで共用するようになっている。すなわち、同一の記憶表示部7530及び回転筒部材7510の演出態様を切り替えることで、特図1用と特図2用とに切り替えて使用することが可能となっている。
例えば図120(a)に示すように、通常遊技状態では、回転筒部材7510の内部に配されているLEDが特図1用の保留表示LED7542となり、左右の最終報知LED7541のうち右側の最終報知LED7541(すなわち、特図1用の最終報知LED7541)が使用される。そして、記憶表示部7530における記憶表示(ここでは、特図1始動記憶の記憶数に対応した記憶表示)の表示態様の変化に関連して回転筒部材7510が回転する。
ここで、複数の保留表示LED7542のうち、特図1用の最終報知LED7541に近い保留表示LED7542ほど古い特図1始動記憶を示すこととする。すなわち、図120に示す保留表示ユニット7000においては、左右に並ぶ4つの保留表示LED7542のうち、最も右側にある保留表示LED7542(すなわち、特図1用の最終報知LED7541の隣にある保留表示LED7542)で最も古い特図1始動記憶を示し、最も左側にある保留表示LED7542で最も新しい特図1始動記憶を示すこととする。したがって、一の特図1始動記憶を示すLEDの位置が、特図1始動記憶が消化される度に右側へと移動することになる。
一方、例えば図120(b)に示すように、特定遊技状態では、回転筒部材7510の内部に配されているLEDが特図2用の保留表示LED7542となり、左右の最終報知LED7541のうち左側の最終報知LED7541(すなわち、特図2用の最終報知LED7541)が使用される。そして、記憶表示部7530における記憶表示(ここでは、特図2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示)の表示態様の変化に関連して回転筒部材7510が回転する。
ここで、複数の保留表示LED7542のうち、特図2用の最終報知LED7541に近い保留表示LED7542ほど古い特図2始動記憶を示すこととする。すなわち、図120に示す保留表示ユニット7000においては、左右に並ぶ4つの保留表示LED7542のうち、最も左側にある保留表示LED7542(すなわち、特図2用の最終報知LED7541の隣にある保留表示LED7542)で最も古い特図2始動記憶を示し、最も右側にある保留表示LED7542で最も新しい特図2始動記憶を示すこととする。したがって、一の特図2始動記憶を示すLEDの位置が、特図2始動記憶が消化される度に左側へと移動することになる。
すなわち、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動口(第1特図1始動入賞口36)への遊技球の入賞により第1始動記憶(特図1始動記憶)を記憶する第1始動記憶手段と、第2始動口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞により第2始動記憶を記憶する第2始動記憶手段と、を有している。
また、遊技制御装置100が、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを優先して実行させることが可能な優先変動制御手段と、特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも第2始動口(普通変動入賞装置37)が開状態に変換され易くなる特定遊技状態(電サポ状態)を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段と、をなす。
そして、記憶表示手段(記憶表示部7530)は、通常遊技状態では予め定められた第1表示形式で第1始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行う一方、特定遊技状態では第1表示形式とは異なる第2表示形式で第2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うよう構成されている。
なお、図120に示す保留表示ユニット7000では、一の特図1始動記憶を示す保留表示LED7542の位置を特図1始動記憶が消化される度に特図1用の最終報知LED7541側(本変形例の場合、右側)へと移動させる形式を第1表示形式とし、一の特図2始動記憶を示す保留表示LED7542の位置を特図2始動記憶が消化される度に特図2用の最終報知LED7541側(本変形例の場合、左側)へと移動させる形式を第2表示形式としたが、第1表示形式及び第2表示形式は保留表示LED7542の発光態様(点灯パターンや点灯色)を変える等のように適宜任意に変更可能である。
図120に示す保留表示ユニット7000において、可動ユニット7300は、特別結果となる信頼度(期待度)等に応じて上下方向や前後方向へのスライド動作を行ってもよいし、このようなスライド動作を行わなくてもよい。
なお、図120に示す保留表示ユニット7000のように、ガラス枠15に設けた保留表示ユニット7000の可動ユニット7300が、上下方向へのスライド動作を行う場合(具体的には、下降動作を行う場合)には、遊技領域32が遮蔽されない程度に上下動するよう構成すると、遊技領域32に打ち出された遊技球が隠れることがなく、好適である。
また、遊技盤30のうち保留表示ユニット7000のスライド動作範囲に対応する部分に遊技球が進入しない非進入領域を形成しておいても良い。
また、包囲枠体40又はガラス枠15の上部及び下部の何れか一方に特図1始動記憶に関する情報を報知表示することが可能な保留表示ユニット7000を設け、何れか他方に特図2始動記憶に関する情報を報知表示することが可能な保留表示ユニット7000を設けるよう構成することも可能であるし、包囲枠体40又はガラス枠15の左部及び右部の何れか一方に特図1始動記憶に関する情報を報知表示することが可能な保留表示ユニット7000を設け、何れか他方に特図2始動記憶に関する情報を報知表示することが可能な保留表示ユニット7000を設けるよう構成することも可能である。
また、上述した実施形態や変形例においては、LED7541,7542の並び方向が左右方向に沿うように保留表示ユニット7000を配設したが、これに限定されるものではなく、LED7541,7542の並び方向が沿う方向は保留表示ユニット7000の配設位置に応じて適宜任意に変更可能である。例えば、保留表示ユニット7000を包囲枠体40又はガラス枠15の左部(あるいは右部であってもよい。)に設ける場合には、LED7541,7542の並び方向が上下方向に沿うように保留表示ユニット7000を配設することも可能である。
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技者が発射操作ハンドルを操作することで遊技盤に形成された遊技領域に発射された遊技球が始動入賞口に入賞すると、所定の補助遊技(例えば、複数の識別情報による変動表示ゲームや内部に特別領域が設定された変動入賞装置の開閉部材を開放する等)を実行し、該補助遊技の結果が特別結果となったことに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものが一般的である。
このような遊技機では、遊技盤を収納する内枠を開閉可能に支持する矩形フレーム状の外枠の下部(詳しくは外枠の底板と内枠との間)に、遊技の進行に関連した遊技音を出力するためのスピーカユニットを配設したものが知られている(例えば、特開2009−078009号公報参照)。
ところで、従来の遊技機における内枠の裏面側には、遊技領域から回収した遊技球を外部へ排出するための球排出部が設けられており、遊技機を島設備に設置した場合には、遊技機から排出される遊技球を回収するためのアウトタンク装置の球受皿部が球排出部の下方に臨むように配置されるようになっている。
ところが、上述した特開2009−078009号公報に開示された遊技機のようにスピーカユニットをスピーカと該スピーカの音響空間(導音空間)を構成するスピーカハウジング(空間形成部材)とで構成した場合には、アウトタンク装置の球受皿部を球排出部の下方に臨ませる際にスピーカハウジングが邪魔をしてしまい、適切な位置に球受皿部を配置できないという不都合が発生する可能性がある。
これに対し、第2実施形態の遊技機10は、遊技球が流下可能な遊技領域32が形成される遊技盤30を収納する内枠(前面枠12)と、該内枠(前面枠12)を開閉可能に支持する矩形フレーム状の外枠(本体枠11)と、該外枠(本体枠11)の底板(下框11b)と内枠(前面枠12)の下部との間に配設されるスピーカユニット(幕板スピーカユニット500)と、を備えた遊技機であって、内枠(前面枠12)の裏面側には、スピーカユニット(幕板スピーカユニット500)の上方に臨むように遊技領域32から回収した遊技球を外部へ排出するための球排出部84bが設けられ、スピーカユニット(幕板スピーカユニット500)は、遊技に関連した遊技音を出力するためのスピーカ(下部スピーカ510)と、スピーカ(下部スピーカ510)から出力された遊技音を音導出部540cに導くための導音空間Sを形成する空間形成部材520と、を備え、空間形成部材520には、球排出部84bに対応する上部を所定範囲に亘って窪ませた窪み部520aが形成されている。
したがって、音響空間(導音空間S)を大きく確保するような場合であっても、球排出部84bの下方にアウトタンク装置Tの球受皿部Taを配置する際に空間形成部材520(幕板スピーカユニット500)が邪魔となることを回避することが可能となるため、アウトタンク装置Tの球受皿部Taの配置を阻害することがない。
また、スピーカ(下部スピーカ510)は、表裏を左右方向に向けた状態で窪み部520aから左右方向にずらした位置に配設されている。
したがって、下部スピーカ510の表裏を前後方向に向ける場合と比べて音響空間(導音空間S)を簡素な構造で大型化することができる。また、下部スピーカ510に対するいたずらを防止することも可能となる。
なお、下部スピーカ510は、表裏を前後方向に向けた状態で配設されていてもよい。
また、下部スピーカ510は、窪み部520aから左右方向にずらした位置に配設されていなくてもよい。
また、導音空間Sは、スピーカ(下部スピーカ510)の表裏一側から出力された遊技音を導くための第1導音空間(本実施形態の場合、左音響空間SL)と、スピーカ(下部スピーカ510)の表裏他側から出力された遊技音を導くための第2導音空間(本実施形態の場合、右音響空間SR)と、を備え、音導出部540cは、第1導音空間(左音響空間SL)により導かれた遊技音を遊技機10の前面側に導出する第1音導出部(左放音孔540c1)と、第2導音空間(右音響空間SR)により導かれた遊技音を遊技機10の前面側に導出する第2音導出部(右放音孔540c2)と、を含み、第2音導出部(右放音孔540c2)には、スピーカ(下部スピーカ510)から出力された遊技音により共振する振動板(パッシブラジエータ560)が配設されている。
したがって、下部スピーカ510から出力された遊技音をパッシブラジエータ560により強化(低音放射)することができる。
また、スピーカユニット(幕板スピーカユニット500)の上方となる遊技機10前面には、遊技領域32に遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作ハンドル(操作部24)が設けられ、第2音導出部(右放音孔540c2)は、発射操作ハンドル(操作部24)に向けて遊技音が導出されるように設定されている。
したがって、操作部24を操作する遊技者の手にパッシブラジエータ560により強化(低音放射)された遊技音(空気振動)を当てることが可能となり、遊技者の触覚を刺激して遊技の興趣を向上させることができる。
また、空間形成部材520は、導音空間Sの上下に亘って形成され、スピーカ(下部スピーカ510)を支持するスピーカ支持部(スピーカ支持壁部531)と、内枠(前面枠12)の下部と当接して該内枠(前面枠12)の荷重を支持する荷重支持部542と、を備え、荷重支持部542は、スピーカ支持部(スピーカ支持壁部531)と上下に並ぶように空間形成部材520の上部に形成されている。
したがって、下部スピーカ510を支持することにより強化されるスピーカ支持壁部531によって荷重支持部542を支えることが可能となり、空間形成部材520が変形して導音空間Sが設定値通りにならないという不都合を回避することが可能となる。
また、従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、外枠の前面に開閉可能に支持される内枠に遊技領域が形成される遊技盤を収納し、該内枠の前面には遊技領域を透視可能とする透明部材を窓部に対応して保持した保持枠(ガラス枠)を開閉可能に支持させたものが一般的である。
近年では、遊技の興趣を高める演出を実行するための可動演出装置を遊技機の前面、詳しくは保持枠(ガラス枠)に形成される窓部の上部等に設け、遊技の進行に応じて可動演出装置に演出動作を行わせるようにした遊技機も提案されている(例えば、特開2010−246711号公報及び特開2005−230221号公報参照)。
ところで、上述した特開2010−246711号公報及び特開2005−230221号公報に記載されたような遊技機では、演出動作を行う可動演出装置が保持枠(ガラス枠)の上部に設けられているだけであったため、遊技者への訴求力が低く、効果的に演出効果を高められるものではなかった。
これに対し、第2実施形態の遊技機10は、遊技領域32が形成される遊技盤30を収納する収納枠(前面枠12)の前面側に開閉可能に設けられ、遊技領域32を視認可能とする窓部15aに対応させて透明部材(カバーガラス14)を保持する保持枠(ガラス枠15)を備えた遊技機であって、保持枠(ガラス枠15)は、窓部15aの周縁に配設され、遊技の進行に応じて演出動作を行うことが可能な複数の可動演出装置900を備え、複数の可動演出装置900は、演出動作を実行するための複数の可動演出部材910と、複数の可動演出部材910に演出動作を実行させるための駆動部920と、をそれぞれ備え、複数の可動演出部材910は、窓部15aの周縁に沿って並ぶように保持枠(ガラス枠15)の前面側に配置されている。
したがって、複数の可動演出装置900それぞれに備わる複数の可動演出部材910が窓部15aの周縁に沿って並ぶように配置されているので、ガラス枠15前面の広い範囲において演出動作を行うことが可能となり、遊技者への訴求力を高め、効果的に演出効果を向上させることが可能となる。
また、複数の可動演出部材910は、窓部15aの中心に近づく第1状態と窓部15aの中心から遠のく第2状態とに動作可能である。
したがって、複数の可動演出装置900それぞれに備わる複数の可動演出部材910が窓部15aの周縁と交差する方向(放射方向)に動作するので、窓部15aを拡縮させるようなダイナミックな演出動作を行うことができ、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態では、可動演出部材910を、その先端(略涙滴形状のうち鋭角部分の先端)が窓部15aの中心に近づく第1状態と窓部15aの中心から遠のく第2状態とに動作させるよう構成したが、可動演出部材910による第1状態から第2状態への動作の仕方、第2状態から第1状態への動作の仕方は、可動演出部材910の形状等に応じて適宜任意に変更可能である。
また、可動演出部材910、窓部15aの中心に近づく第1状態と窓部15aの中心から遠のく第2状態とに動作可能なものに限ることはなく、可動演出部材910の動作態様は適宜任意に変更可能である。
また、保持枠(ガラス枠15)は、収納枠(前面枠12)の前面に左右一側(本実施形態の場合、左側)が軸着されて左右他側(本実施形態の場合、右側)が左右方向へ移動することで開閉変換するよう構成され、複数の可動演出装置900は、窓部15aの左右一側に配置される一側可動演出装置(左側枠演出装置901)と、窓部15aの左右他側に配置される他側可動演出装置(右側枠演出装置902)と、を少なくとも備え、他側可動演出装置(右側枠演出装置902)の前方への突出量よりも一側可動演出装置(左側枠演出装置901)の前方への突出量の方が小さくなるように設定されている。
したがって、軸着側となる左側枠演出装置901の突出量を小さくしておくことで、ガラス枠15を開放する際に左側枠演出装置901が設備装置(例えば、カードユニット等のサンド装置)に衝突する等の不都合を回避することが可能となる。
また、一側可動演出装置(本実施形態の場合、左側枠演出装置901)に備わる可動演出部材910は、透明部材(カバーガラス14)の表面に沿うように設定されたスライド動作によって第1状態と第2状態とに変換し、他側可動演出装置(本実施形態の場合、右側枠演出装置902)に備わる可動演出部材910は、透明部材(カバーガラス14)の表面と平行な回動軸911を中心とした回動動作によって第1状態と第2状態とに変換するよう構成することも可能である。
回動動作はスライド動作よりも広い動作範囲(前後幅)が必要になるが、このように構成することによって、可動演出部材910の動作態様を左側枠演出装置901及び右側枠演出装置902の前方への突出量(本実施形態の場合、左側枠演出装置901<右側枠演出装置902)に応じたものとすることができ、限られた空間を効率よく利用することが可能となる。
また、一側可動演出装置(本実施形態の場合、左側枠演出装置901)に備わる可動演出部材910の大きさ又は動作幅よりも、他側可動演出装置(本実施形態の場合、右側枠演出装置902)に備わる可動演出部材910の大きさ又は動作幅の方が大きくなるように設定されている。
したがって、ガラス枠15の開放を阻害しない右側枠演出装置902に備わる可動演出部材910の大きさ又は動作幅を大きく設定することで、迫力のある演出動作(遊技演出)を行うことが可能となる。
また、複数の可動演出装置900は、前方に向けて光を照射可能な発光装飾部930を備え、複数の可動演出部材910は、発光装飾部930から照射された光を反射可能な光反射面910aを備え、光反射面910aは、可動演出部材910が第1状態と第2状態とに変換することで、発光装飾部930から照射された光の反射方向を変化させるよう構成されている。
したがって、可動演出部材910による演出と発光装飾部930による演出とが互いに演出効果を高めあうことが可能となる。また、遊技をしていない遊技者へのアピール効果を高めることも可能となる。
また、複数の可動演出装置900により行う演出動作を制御可能な動作制御手段(演出制御装置300)と、遊技の進行に応じてスピーカ(上スピーカ19aのスピーカ本体、下スピーカ19bのスピーカ本体、下部スピーカ510)から出力する遊技音を制御可能な遊技音制御手段(演出制御装置300)と、を備え、保持枠(ガラス枠15)には、可動演出装置900と隣り合うように、スピーカ(本実施形態の場合、上スピーカ19aのスピーカ本体)から出力された遊技音を遊技機10の前方に導出するための音導出部190が設けられてなり、動作制御手段(演出制御装置300)に、音導出部190から出力される遊技音と連動するように可動演出装置900による演出動作を制御する音連動演出手段(演出制御装置300)を備えるよう構成することも可能である。
このように構成することによって、遊技音と連動するように可動演出装置900による演出動作を行うことができるので、演出動作を遊技者への訴求力が格段に高いものとすることができる。
また、従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞を上限数の範囲内で始動記憶として記憶し、該始動記憶に基づいて複数の識別情報による変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものが一般的である。
このような遊技機では、始動記憶数に対応した記憶表示を行うための記憶表示部を設け、所定条件の成立に基づき該記憶表示部に表示された記憶表示の表示態様を事前判定の結果に応じて変化させる予告演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2010−227150号公報及び特開2012−024265号公報参照)。
ところで、上述した特開2010−227150号公報及び特開2012−024265号公報に記載されたような遊技機では、変動表示ゲームの実行に伴い記憶表示の表示態様が変化するだけなので、遊技者が気付きにくく演出効果や遊技者への訴求力が低いという問題があった。
これに対し、第2実施形態の遊技機10は、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置(メイン表示装置41)と、遊技領域32に設けた始動口(第1特図1始動入賞口36や普通変動入賞装置37等)への遊技球の入賞により始動記憶を上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、を備え、始動記憶に基づき実行した変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うことが可能な記憶表示手段(記憶表示部7530)と、記憶表示手段(記憶表示部7530)に対応して設けられ、記憶表示に関連して所定の演出動作を行うことが可能な可動演出手段(回転筒部材7510)と、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶を該始動記憶に対応する変動表示ゲームが実行される以前に判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に基づき保留表示ユニット7000(記憶表示手段(記憶表示部7530)及び可動演出手段(回転筒部材7510))を制御して予告演出(保留予告演出)を行うことが可能な予告演出手段(演出制御装置300)と、を備え、予告演出手段(演出制御装置300)は、所定条件の成立に基づき、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様を事前判定手段(遊技制御装置100)の判定結果に応じた表示態様に変化させることが可能な表示態様制御手段(演出制御装置300)と、表示態様制御手段(演出制御装置300)による記憶表示の表示態様の変化に関連して可動演出手段(回転筒部材7510)に演出動作を行わせることが可能な演出動作制御手段(演出制御装置300)と、を備えている。
したがって、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化に関連して回転筒部材7510が演出動作を行うので、予告演出の演出効果や遊技者への訴求力を向上させることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、「所定条件」の成立を、“変動表示の開始”として、変動表示の開始に基づき記憶表示部7530における記憶表示の表示態様を変化させるよう構成したが、「所定条件」は適宜任意に変更可能である。例えば「所定条件」の成立を“演出ボタン25の押下”として、演出ボタン25の押下に基づき記憶表示部7530における記憶表示の表示態様を変化させるよう構成することも可能である。
また、図119及び図120に示すように、記憶表示手段(記憶表示部7530)と可動演出手段(回転筒部材7510)とを備え、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に関する情報を報知表示することが可能な記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)は、遊技領域32が形成される遊技盤30を収納する収納枠(前面枠12)の前面に開閉可能に支持され、遊技領域32を透視可能とする透明部材(カバーガラス14)を保持する保持枠(ガラス枠15)の前面側に設けられていてもよい。
また、可動演出手段による演出動作は、回転操作に限ることはなく、適宜任意に変更可能である。
また、可動演出手段(回転筒部材7510)は、記憶表示部7530における記憶表示を視認不能とする第1状態と該記憶表示を視認可能とする第2状態とに変換可能であり、演出動作制御手段(演出制御装置300)は、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様が変化するタイミングに合わせて可動演出手段(回転筒部材7510)を第1状態と第2状態とに変換するよう構成されている。
したがって、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様が変化するタイミングに合わせて当該記憶表示の視認状態を変化させることができるので、より効果的な予告演出を行うことが可能となる。
また、演出動作制御手段(演出制御装置300)は、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化前に可動演出手段(回転筒部材7510)を第1状態に変換するとともに、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化後に可動演出手段(回転筒部材7510)を第2状態に変換するよう構成されている。
したがって、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化前と変化後とを回転筒部材7510の変換動作によって切り分けて視認させることができるので、予告演出の訴求力が向上して遊技の興趣がさらに高まる。
なお、可動演出手段は、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化前に第1状態に変換するとともに、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化後に第2状態に変換するものでなくてもよく、例えば、記憶表示部7530における記憶表示の表示態様の変化前から変化後に亘って、第1状態と第2状態とに複数回交互に変換するものであってもよい。
また、可動演出手段は、記憶表示部7530における記憶表示を視認不能とする第1状態と当該記憶表示を視認可能とする第2状態とに変換可能なものでなくてもよく、例えば、記憶表示部7530における記憶表示を視認可能とする状態のまま演出動作(回転動作や揺動動作等)を行うものであってもよい。
すなわち、可動演出手段の動作態様は、適宜任意に変更可能である。
また、可動演出手段の動作タイミングも、適宜任意に変更可能である。
また、記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)である記憶表示手段(記憶表示部7530)及び可動演出手段(回転筒部材7510)を常態位置と特定位置との間で移動させることが可能な位置移動手段(演出制御装置300及び駆動モータ7200)を備え、位置移動手段(演出制御装置300及び駆動モータ7200)は、予告演出手段(演出制御装置300)による予告演出の実行に基づき記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)である記憶表示手段(記憶表示部7530)及び可動演出手段(回転筒部材7510)を常態位置から特定位置に移動させるよう構成されている。
したがって、予告演出時に記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)である記憶表示部7530及び回転筒部材7510を特定位置に移動させることによって、記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)である記憶表示部7530及び回転筒部材7510に遊技者の視線を集め易くなるので、遊技者が予告演出を見逃してしまうということがなくなる。また、予告演出の演出効果が飛躍的に向上する。
また、位置移動手段(演出制御装置300及び駆動モータ7200)は、特別結果となる期待度の高い予告演出が実行される場合ほど高確率で記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)である記憶表示手段(記憶表示部7530)及び可動演出手段(回転筒部材7510)を常態位置から特定位置に移動させるよう構成されている。
したがって、記憶表示部7530及び回転筒部材7510が特定位置に移動するか否かに遊技者の期待感を集めることができるので、予告演出の演出効果が飛躍的に向上する。
また、常態位置は、表示装置(メイン表示装置41)の表示領域の端部に対応する位置(表示領域に重なる位置であっても良いし表示領域の外側となる位置であっても良い)であり、特定位置は、常態位置よりも表示装置(メイン表示装置41)の表示領域の中央寄りの位置である。
したがって、特定位置が常態位置よりもメイン表示装置41の表示領域の中央寄りの位置であるので、記憶表示ユニット(保留表示ユニット7000)である記憶表示部7530及び回転筒部材7510が特定位置に移動することによって、変動表示ゲームに集中していたとしても、遊技者が予告演出を見逃すことがなくなる。
なお、常態位置及び特定位置は、適宜に任意に変更可能である。
また、始動口は、常態において遊技球が入賞可能な第1始動口(第1特図1始動入賞口36)と、遊技球が入賞不可能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに変換可能な第2始動口(普通変動入賞装置37)と、を含み、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動口(第1特図1始動入賞口36)への遊技球の入賞により第1始動記憶(特図1始動記憶)を記憶する第1始動記憶手段と、第2始動口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞により第2始動記憶(特図2始動記憶)を記憶する第2始動記憶手段と、を有し、第1始動記憶に基づく変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)よりも第2始動記憶に基づく変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)を優先して実行させることが可能な優先変動制御手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも第2始動口(普通変動入賞装置37)が開状態に変換され易くなる特定遊技状態を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、を備え、記憶表示手段(記憶表示部7530)は、通常遊技状態では予め定められた第1表示形式で第1始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行う一方、特定遊技状態では第1表示形式とは異なる第2表示形式で第2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うよう構成することも可能である。
このように構成することによって、単一の記憶表示部7530で特図1始動記憶の記憶表示と特図2始動記憶の記憶表示を行うことができる。また、遊技状態に応じて記憶表示部7530の使い分けをするため遊技者が混乱することがなくなる。また、表示形式を異ならせることで特図1始動記憶の記憶表示なのか特図2始動記憶の記憶表示なのかが判別し易くなる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、前述の実施形態及び変形例の各構成を組み合わせて適用しても良い。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 遊技機
11 本体枠(外枠)
11b 下框(底板)
12 前面枠(内枠、収納枠)
14 カバーガラス(透明部材)
15 ガラス枠(保持枠)
15a 窓部
19a 上スピーカ(スピーカ)
19b 下スピーカ(スピーカ)
24 操作部(発射操作ハンドル)
30 遊技盤
32 遊技領域
36 第1特図1始動入賞口(始動口、第1始動口)
37 普通変動入賞装置(始動口、第2始動口)
41 メイン表示装置(表示装置)
84b 球排出部
100 遊技制御装置(始動記憶手段(第1始動記憶手段、第2始動記憶手段)、事前判定手段、優先変動制御手段、特定遊技状態発生手段)
191 左側音導出部(音導出部)
192 右側音導出部(音導出部)
300 演出制御装置(動作制御手段、遊技音制御手段、音連動演出手段、予告演出手段、表示態様制御手段、演出動作制御手段、位置移動手段)
500 幕板スピーカユニット(スピーカユニット)
510 下部スピーカ(スピーカ)
520 空間形成部材
520a 窪み部
531 スピーカ支持壁部(スピーカ支持部)
540c 音導出部
540c1 左放音孔(第1音導出部)
540c2 右放音孔(第2音導出部)
542 荷重支持部
560 パッシブラジエータ(振動板)
900 可動演出装置
901 左側枠演出装置(一側可動演出装置)
902 右側枠演出装置(他側可動演出装置)
910 可動演出部材
910a 光反射面
920 駆動部
930 発光装飾部
7000 保留表示ユニット(記憶表示ユニット)
7200 駆動モータ(位置移動手段)
7510 回転筒部材(可動演出手段)
7530 記憶表示部(記憶表示手段)
S 導音空間
SL 左音響空間(第1導音空間)
SR 右音響空間(第2導音空間)

Claims (7)

  1. 複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置と、遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞により始動記憶を上限数まで記憶可能な始動記憶手段と、を備え、
    前記始動記憶に基づき実行した前記変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
    前記始動記憶手段に記憶された始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うことが可能な記憶表示手段と、
    前記記憶表示手段に対応して設けられ、前記記憶表示に関連して所定の演出動作を行うことが可能な可動演出手段と、
    前記始動記憶手段に記憶された前記始動記憶を該始動記憶に対応する変動表示ゲームが実行される以前に判定することが可能な事前判定手段と、
    前記事前判定手段の判定結果に基づき前記記憶表示手段及び前記可動演出手段を制御して予告演出を行うことが可能な予告演出手段と、を備え、
    前記予告演出手段は、
    所定条件の成立に基づき、前記記憶表示の表示態様を前記事前判定手段の判定結果に応じた表示態様に変化させることが可能な表示態様制御手段と、
    前記表示態様制御手段による前記記憶表示の表示態様の変化に関連して前記可動演出手段に演出動作を行わせることが可能な演出動作制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動演出手段は、前記記憶表示を視認不能とする第1状態と該記憶表示を視認可能とする第2状態とに変換可能であり、
    前記演出動作制御手段は、前記記憶表示の表示態様が変化するタイミングに合わせて前記可動演出手段を前記第1状態と前記第2状態とに変換することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記演出動作制御手段は、前記記憶表示の表示態様の変化前に前記可動演出手段を前記第1状態に変換するとともに、前記記憶表示の表示態様の変化後に前記可動演出手段を前記第2状態に変換することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記記憶表示手段及び前記可動演出手段を常態位置と特定位置との間で移動させることが可能な位置移動手段を備え、
    前記位置移動手段は、前記予告演出手段による予告演出の実行に基づき前記記憶表示手段及び前記可動演出手段を常態位置から特定位置に移動させることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の遊技機。
  5. 前記位置移動手段は、前記特別結果となる期待度の高い予告演出が実行される場合ほど高確率で前記記憶表示手段及び前記可動演出手段を前記常態位置から前記特定位置に移動させることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 前記常態位置は、前記表示装置の表示領域の端部に対応する位置であり、
    前記特定位置は、前記常態位置よりも前記表示装置の表示領域の中央寄りの位置であることを特徴とする請求項4又は5に記載の遊技機。
  7. 前記始動口は、
    常態において遊技球が入賞可能な第1始動口と、
    遊技球が入賞不可能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態とに変換可能な第2始動口と、を含み、
    前記始動記憶手段は、
    前記第1始動口への遊技球の入賞により第1始動記憶を記憶する第1始動記憶手段と、
    前記第2始動口への遊技球の入賞により第2始動記憶を記憶する第2始動記憶手段と、を有し、
    前記第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも前記第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを優先して実行させることが可能な優先変動制御手段と、
    前記特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも前記第2始動口が開状態に変換され易くなる特定遊技状態を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段と、を備え、
    前記記憶表示手段は、
    前記通常遊技状態では予め定められた第1表示形式で前記第1始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行う一方、
    前記特定遊技状態では前記第1表示形式とは異なる第2表示形式で前記第2始動記憶の記憶数に対応した記憶表示を行うことを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の遊技機。
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