JP2014035256A - 内反射型顕微エリプソメータ - Google Patents

内反射型顕微エリプソメータ Download PDF

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荘一 大槻
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Abstract

【課題】カバーガラス上に作製した試料を対象として、回折限界の水平分解能でかつ高精度な測定を行う、内反射型顕微エリプソメータを提供する。
【解決手段】液浸型の対物レンズ1と、無偏光ビームスプリッタ5と、入射光学系6と、射出光学系7とを備え、屈折率がカバーガラスと略一致する液体で対物レンズ1とカバーガラスとの間を満たして測定を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、内反射型顕微エリプソメータに関し、さらに詳しくは、液浸型の対物レンズと無偏光ビームスプリッタと入射光学系と射出光学系とを備え、カバーガラス上に形成された試料を対象として、屈折率がカバーガラスと略一致する液体で対物レンズとカバーガラスとの間を満たし、屈折率の高いガラス側から光を入射し、試料の表面で反射した光を測定する内反射型顕微エリプソメータに関する。
無機化合物や金属などの無機系物質の薄膜、生体物質や有機化合物などの有機系物質の薄膜など、薄膜の物性や厚さに関する様々な測定技術が開発され、多くの技術分野で利用されている。また、電子デバイス、表示素子、センサの微細化など、技術開発の高度化に従い、より微細な領域における薄膜の物性や厚さ測定の必要性が高まっている。
近年、バイオテクノロジーの分野においても、試料溶液中に存在する生体分子を高感度かつ高速に測定するため、数10nm〜μmスケールの表面構造を有するデバイスの作製が盛んに行われており、作製したデバイスの実際の表面構造を調べる手法が必要とされている。また、細胞膜の構造や機能を研究するために、生きた細胞や人工の二分子膜を用いて、脂質やタンパク質が二分子膜上に存在する数10nm〜μmスケールのドメインへの局在や結合を検出する手法を開発することが求められている。特に、タンパク質はDNAと比べ色素による標識化が困難なため、試料からの蛍光を用いることなく、サブμmスケールの水平分解能と、nmスケールの深さ分解能で物質の光学的性質および厚さを調べることのできる計測技術が必要である。
エリプソメータは、基板上に形成された薄膜試料に光を照射し、反射または透過した光の偏光状態を解析することにより、試料の光学的性質および厚さを調べることのできる装置である。試料に対して垂直に設置した高倍率の対物レンズを用いる高解像度のエリプソメータが開発されている(非特許文献1〜3)。中でも、対物レンズの後側焦点面の性質jを利用するいくつかの手法は、光学顕微鏡と同じく回折限界の水平分解能が得られる(非特許文献4〜7)。図1に示すように、対物レンズ101に入射した平行光102は後側焦点面103を通り、試料面104で焦点を結び、反射した光は対物レンズ101を経て平行光102として射出する。この時、図2に示すように、射出光の強度Iは後側焦点面103において対物レンズ101の中心を原点とする極座標(θ, φ)上に分布する。収差が補正された対物レンズでは、後側焦点面における中心からの距離dと試料面での角度θとの間にはアッベの正弦条件といわれる次の関係が成り立つ。
sinθ = d / f (1)
ここで、fは焦点距離である。また、後側焦点面においてx軸となす角φは入射光の方位角である。すなわち、後側焦点面に入射した位置によって、試料面に入射する光の入射角θと方位角φとが決まる。後側焦点面における光強度の分布I (θ, φ)を計測することにより、エリプソメトリのパラメータの測定が実現できる。測定の解像度は対物レンズの解像度εに等しいから、
ε ≒ λ/ NA (2)
で与えられる。ここで、λは光の波長、NAは対物レンズの開口数である。したがって、開口数が1に近い高開口数の対物レンズを用いた場合、解像度はほぼ光の波長に等しく、試料の微小領域における測定が可能である。
対物レンズの後側焦点面における光強度分布から試料の光学定数や膜厚を測定するためには、後側焦点面において入射角および方位角を座標とする極座標を定めることが必要である。測定の際に対物レンズに平行光を入射するので、対物レンズの前面に試料を設置し、正確に焦点を合わせた場合、射出光の径は射出瞳の径に等しい。そのため、先行文献には明確に記載されていない(特許文献4〜7、特許文献1)が、従来は、CCDで測定された射出光の円の中心および半径を求め、これを前記極座標の基準としていた。また、極座標の基準を定めるために、回折格子を用いる方法がある(非特許文献8)。対物レンズの前側焦点位置に回折格子を置くと、後側焦点面の中心を挟んで両側に直線状の光が現れる。これは回折光であり、回折格子に特有の入射角で光が反射するために生じることから、入射角の基準となり得る。射出光の径と比べ、回折光の位置は焦点位置によってあまり影響を受けないという利点がある。
米国特許第5,042,951号明細書
Europhys. Lett. 49, 14 (2000). Appl. Opt. 41, 4443 (2002). Rev. Sci. Instrum. 76, 063701 (2005). Appl. Phys. Lett. 60, 1301 (1992). J. Vac. Sci. Technol. A. 17, 380 (1999). Appl. Opt. 37, 1796 (1998). Opt. Express 26, 18056 (2007). Phys. Stat. Sol. 205, 747 (2008).
従来の後側焦点面の性質を利用する顕微エリプソメータでは、金属および半導体基板上に形成された試料の測定を行うため、金属用の対物レンズが用いられる。一方、生体分子や細胞などの生体関連試料は水や生理食塩水に浸した状態で測定することが必要であることが多いが、従来の装置は、そのような状態で測定を行うことができない。また、これらの試料をカバーガラス上に作製することで、通常の光学顕微鏡または蛍光顕微鏡、特に全反射蛍光顕微鏡と合わせて測定を行うことが可能になる。しかしながら、カバーガラス上に作製した試料を金属用対物レンズを用いて測定すると、裏面反射光の影響により、後焦点面上の光強度分布が擾乱されるという問題があった。
また、従来の後側焦点面の性質を利用する顕微エリプソメータでは、CCDで測定される射出光の円の中心および半径を求め、後側焦点面における光強度の分布を解析するための極座標の基準として用いている。しかしながら、CCDで測定される射出光の径は、対物レンズの焦点位置によって大きく変化するので、精度がよいとは言えない。一方、入射角の較正に回折格子を用いる方法は、回折光が直線状の光であるため、極座標の中心を精度良く求めることが難しい。また、較正の際に試料と回折格子とを入れ替える必要があり、試料設置の条件を完全に同一とするのが困難であるため、基準の設定を高精度で行うことができない。
また、膜厚や光学定数の変動に対して、偏光解析パラメータが最も鋭敏に変化する入射角(ブリュースター角)が存在し、表面が一様に酸化したシリコン基板では約75°である。一方、測定が可能な最大の入射角は対物レンズの開口数によって規定される。対物レンズの開口数は最大で0.95程度(入射角71.8°に相当)であるので、高感度で測定できるブリュースター角は、測定可能な入射角の限界から3°以上離れている。
また、後側焦点面の性質を利用する顕微エリプソメータでは、後側焦点面における中心からの距離によって入射角を定めるが、距離は入射角θの正弦(sinθ)に比例するため、入射角が高くなるほど、距離で制御できる入射角の精度は減少してしまう。ところが、高感度の測定を行うためには、ブリュースター角に近い高入射角を用いる必要があるため、入射角の精度が小さくなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、カバーガラス上に作製した試料を対象として、回折限界の水平分解能でかつ高精度な測定を行う、内反射型顕微エリプソメータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る内反射型顕微エリプソメータ(1)は、
無限遠補正系の対物レンズと、無偏光ビームスプリッタと、入射光学系と、射出光学系と、解析装置とを備え、
前記入射光学系が、光源と、前記対物レンズに平行光を入射する第1のレンズ系と、第1偏光子とを備え、
前記射出光学系が、第2偏光子と、前記対物レンズの後側焦点面の像を二次元検出器に結像する第2のレンズ系と、該二次元検出器とを備え、
前記対物レンズが液浸型の対物レンズであり、
カバーガラス上に形成された試料を前記対物レンズの前側焦点面に設置し、
屈折率が前記カバーガラスと略一致する液体で前記対物レンズと前記カバーガラスとの間を満たし、
前記第1偏光子および前記第2偏光子がそれぞれ任意の方位角に設定され、
前記二次元検出器が前記後側焦点面の画像を測定し、
前記解析装置が、
前記二次元検出器で測定した画像から、前記後側焦点面上に入射角および方位角による極座標を定め、
前記極座標に基づき、前記後側焦点面の光強度分布の方位角および入射角依存性を求め、
前記第1偏光子および前記第2偏光子の方位角と、前記光強度分布の方位角および入射角依存性とから、前記試料の偏光解析パラメータを算出することを特徴とする。
また、本発明に係る内反射型顕微エリプソメータ(2)は、上記した内反射型顕微エリプソメータ(1)において、
前記入射光学系内における前記第1偏光子の後段、または前記射出光学系内における前記第2偏光子の前段のどちらか一方に、位相遅延子を備え、
前記第1偏光子、前記第2偏光子および前記位相遅延子がそれぞれ任意の方位角に設定され、
前記第1偏光子、前記第2偏光子および前記位相遅延子のそれぞれの方位角と、前記光強度分布の方位角および入射角依存性とから、前記試料の偏光解析パラメータを算出することができる。
また、本発明に係る内反射型顕微エリプソメータ(3)は、上記した内反射型顕微エリプソメータ(1)または(2)において、前記カバーガラスの屈折率で規定される臨界角に対応する部分反射領域と全反射領域との境界を円として識別し、当該円の中心および半径を、前記対物レンズの後側焦点面上に定める極座標の基準として用いることができる。
また、本発明に係る内反射型顕微エリプソメータ(4)は、上記した内反射型顕微エリプソメータ(1)〜(3)のいずれかにおいて、測定を行う最大の入射角が前記臨界角以下であることができる。
また、本発明に係る内反射型顕微エリプソメータ(5)は、上記した内反射型顕微エリプソメータ(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記部分反射領域と前記全反射領域との境界を規定する前記円の半径が、前記射出光学系に備えられる二次元検出器で測定される画像の短辺に対して略一致するように、前記二次元検出器に入射する光の径を調節して測定を行うことができる。
また、本発明に係る内反射型顕微エリプソメータ(6)は、上記した内反射型顕微エリプソメータ(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記測定を行う最大の入射角以下に対応する領域における光強度のコントラストが最大となるように、前記二次元検出器に入射する光の強度を調節して測定を行うことができる。
本発明に係る内反射型顕微エリプソメータによれば、液浸型の対物レンズを用いるので、カバーガラス上に作製した試料を対象として、回折限界の水平分解能でかつより高精度に試料の偏光解析パラメータを求めることができる。また、試料をカバーガラスを通して測定を行うことで、水などに浸した状態で測定することが可能である。 また、臨界角に対応する全反射領域と部分反射領域との境界を、後側焦点面における極座標定義の基準として用いるので、対物レンズの焦点位置の影響が小さく、また、測定する試料を設置したままで基準が取得できるので、高精度で極座標の定義が行える。
また、膜厚や光学定数の変動に対して偏光解析パラメータが最も鋭敏に変化するブリュースター角が、測定可能な最大の入射角よりも十分に低いので、高感度の測定と高精度での入射角設定・較正とが両立できる。
対物レンズの後側焦点面の性質を説明するための模式図であり、対物レンズを水平方向からみた図である。 対物レンズの後側焦点面の性質を説明するための模式図であり、後側焦点面を紙面手前側方向に垂直に進行する入射光に沿ってみた図である。 本発明に係る内反射型顕微エリプソメータの測定系を示す模式図である。 内反射型顕微エリプソメータの原理を説明するための模式図である。 本発明の一実施例においてCCDで測定したそのままの画像である。 本発明の一実施例において求めた平均強度画像である。 本発明の一実施例において異なる波長で測定および計算した試料の偏光解析パラメータΨの入射角依存性である。 本発明の一実施例において異なる波長で測定および計算した試料の偏光解析パラメータΔの入射角依存性である。
以下ではまず、測定原理等の理論的な説明を行い、その後、実施例として、具体的な測定手順および計算手順について説明する。
1.装置の構成
本発明の実施の形態において、内反射型顕微エリプソメトリに使用する装置は、図3に示すように、対物レンズ1と、無偏光ビームスプリッタ5と、入射光学系6と、射出光学系7とを含んで構成される。対物レンズ1は液浸型であり、カバーガラス上に形成された試料15を対物レンズの前側焦点面に設置し、屈折率がカバーガラスと略一致する液体で対物レンズとカバーガラスとの間を満たす。入射光学系6には、光源となる光ファイバの射出口9と、対物レンズ1に平行光を入射するレンズ系10と、第1偏光子11とを備える。射出光学系7には、第2偏光子12と、対物レンズの後側焦点面3の像を二次元検出器13に結像するレンズ系14と、二次元検出器13とを備える。さらに、インターフェースを介して二次元検出器から画像データを受信し、対物レンズ1の後側焦点面3における光強度の分布から試料15の偏光解析パラメータを算出するための解析装置8を備える。
また、本発明の装置は、直線偏光を楕円偏光に変える位相遅延子16を備えることができ、入射光学系6における第1偏光子11の後段、または射出光学系7における第2偏光子12の前段に設置することができる。なお、位相遅延子は直線偏光を楕円偏光に変えることができればよく、可変型の位相遅延子であってもよい。
2.測定原理
本発明は収差が補正された対物レンズの後側焦点面の性質を利用し、エリプソメトリの測定を行う。対物レンズに入射した並行光は試料面で焦点を結び、反射した光は対物レンズを経て並行光として射出する。この時、射出光の強度は後側焦点面において対物レンズの中心を原点とする極座標上に分布する。収差が補正された対物レンズでは、アッベの正弦条件が成立し、後側焦点面における中心からの距離と試料面での角度(入射角)は1対1に対応する。そこで、二次元検出器で後側焦点面の画像を測定し、後側焦点面上に入射角および方位角による極座標を定め、光強度分布の方位角および入射角依存性を求めることにより、偏光解析パラメータが算出できる。
さらに本発明では、図4に示すように、液浸型の対物レンズ105を用い、カバーガラス上に作製された試料106の裏面を対物レンズ105の前側に設置し、屈折率がカバーガラスと略一致する液体、すなわち屈折液107で対物レンズ105とカバーガラスとの間を満たし、カバーガラス側から光を照射する内反射型配置で測定を行う。
内反射型配置で測定を行う場合、試料15に入射した光は臨界角以上で全反射する。このため、この領域では試料の光学特性や膜厚に対する偏光解析パラメータの感度が小さく、高感度で測定を行うことができない。そこで、本発明の内反射型顕微エリプソメータでは、臨界角以下の部分反射領域において光強度の分布の測定を行う。なお、表面に金属の薄膜を形成させたカバーガラスを試料として用いた場合、表面プラズモンなどの現象が全反射領域で観測される。偏光解析パラメータを用いてこれらの現象を測定する場合は、全反射領域での測定も有用である。
通常、エリプソメトリによる測定は、高感度が期待されるブリュースター角付近で行う。内反射型配置の場合、光は屈折率が高いガラス側から、ガラス−空気界面に入射するので、通常の外反射型配置で観測される現象が、より低い入射角で観測される。これに伴い、ブリュースター角もより低い入射角に移行する。したがって、測定が可能な最大の入射角は、対物レンズの開口数によって規定されるが、それよりもずっと低い入射角で、高感度の測定が可能になる。一方、入射角が低いほど、高精度で設定・較正が可能になるので、内反射型配置で測定を行うことにより、高感度の測定と入射角の高精度の設定・較正との両立が可能となる。
本発明の内反射型顕微エリプソメータでは、臨界角以下の部分反射領域において光強度の分布を測定するので、この部分反射領域において光強度のコントラストが最大となるように、画像全体の光強度を調節することが必要である。また、測定する最大の入射角が臨界角以下である場合は、その入射角に対応する領域内において最大のコントラストが得られるように、画像全体の光強度を調節することがさらに望ましい。部分反射領域において光強度分布を最適化すると、もともと強度の大きい全反射領域では、部分的に光強度が測定限界を超えることになる。しかし、後側焦点面は仮想的な面であり、対物レンズ内の実際の界面には対応しないので、画素間の光強度の干渉がほとんど起こらない。そのため、全反射領域で光強度が最大の画素に隣接して、部分反射領域で光強度が最小の画素を観測することも可能である。
3.極座標の定義
カバーガラスの屈折率によって決まる臨界角以下の入射光は、一部が反射し、臨界角以上では全反射を起こす。そのため、対物レンズで観測される射出光は、内側が部分反射によって相対的に強度が小さく、外側が全反射によって相対的に強度が大きい2重の円形として観測される。外側の円は射出光に対応し、その径は、焦点が完全に合っている場合対物レンズの瞳径に等しいが、わずかな焦点距離のずれによって、その径は大きく変化する。一方、内側の円の径は臨界角に対応し、カバーガラスの屈折率によって決まり、焦点位置による影響が小さい。
そこで、本発明では、後側焦点面における光の強度分布を高精度に解析するために、臨界角以下の部分反射領域に対応する内側の円を、極座標定義の基準として用いる。内側の円の径は焦点位置による影響が小さいので、極座標を高精度で定義することができる。また、入射角の基準として回折格子を用いる場合と比べ、本発明による方法は、基準が直線ではなく円として得られるため、中心や半径が高精度で決定できるという利点がある。また、試料を測定面においたまま、基準が得られるという利点もある。
また、部分反射領域に対応する円の中心および半径を正確に測定するため、部分反射領域ができるだけ大きく表示されるように、二次元検出器14に入射する光の径を調節する。前記部分反射領域の径が二次元検出器14で測定される画像の短辺に対し、略一致するように調節することが望ましい。
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
本発明に用いる対物レンズは、カバーガラス上に作製された試料をカバーガラスを通して測定することができればよく、屈折率がカバーガラスの材質のそれと一致する液浸型の対物レンズであればよい。なお、測定する入射角の範囲を大きくするために、開口数はできるだけ高いほうが望ましい。
測定に使用する装置として、図3に示す装置を使用した。キセノンランプからの光をモノクロメータで分光し、単色化した光をコア径0.6 mmの光ファイバを用いて装置に導いた。さらに、入射側レンズ系にシャープカットフィルタ(sharp cut filter)を設置し、高次の散乱光を除去するとともに、減光(ND:Neutral Density))フィルタを設置し、対物レンズに入射する光強度の調整を行った。また、ビームスプリッタは広帯域無偏光キューブ型のものを使用した。また、対物レンズは倍率60倍でNA1.42の像面湾曲・色収差を補正したプランアポクロマートのものを使用した。また、二次元検出器には画素数640×486の1/2型CCDを使用した。表面に膜厚85 nmの酸化タンタルを蒸着したカバーガラスを測定試料として用いた。このカバーガラスを対物レンズの前側に裏返して設置し、その間を屈折液で満たし、焦点を合わせた。屈折率がこのカバーガラスと略一致する屈折液として、屈折率が1.515(589.3 nm)のものを用いた。
まず、CCDの前面に入射する光をさえぎり、ダーク信号を測定した。測定したCCD画像は次の処理を行う前にダーク信号を差し引いた。次に、第1偏光子、第2偏光子および位相遅延子をそれぞれ0°、0°および22.5°に設定し、CCDで画像を取得した。CCDで測定したそのままの画像を図5に示す。内側は相対的に強度が小さく、外側は相対的に強度が大きい2重の円形が観測される。相対的に強度の小さい部分反射領域の径が、CCDで測定した画像の高さと略一致するように、レンズ系を調節した。また当該領域のコントラストが最大になるように、CCDに入射する光の強度を調節した。その結果、全反射領域には光強度が測定限界を超える個所が生じた。また、部分反射領域で光強度が最小の個所と全反射領域で光強度が最大の個所とが近い位置にあるにも関わらず、ほとんど干渉していないことを確認した。
また、第1および第2偏光子の方位角{φ1 , φ2}を{0°, 0°}、{0°, 90°}、{90°, 0°}および{90°, 90°}の4通りに設定し、位相遅延子を一定角度おきに回転し、その度に前記検出器で後側焦点面の像を測定し、位相遅延子の方位角に依存しない直流成分に対応する画像を求め、前記偏光子方位角の4通りの場合の画像の強度を画素単位で平均した。このようにして求めた平均強度画像を図6に示す。図5で示したCCDのそのままの画像では、入射角および方位角に依存した強度分布が認められるが、図6に示す平均強度画像にはそれが見られない。そこで、この平均強度画像を用いて、射出光の中心と半径とを求め、後側焦点面上における極座標(図2)の基準とした。
第1偏光子、第2偏光子および位相遅延子をそれぞれ0°、0°および22.5°に改めて設定し、CCDで射出光の画像を取得し、前記平均強度画像で規格化した。前記極座標に従い、入射角の範囲を30〜40°にわたり0.5°おきに分割し、方位角の範囲を0〜180°および180°〜360°にわたって、それぞれ等しい間隔で16区画に分割し、同心円状のセクタを定義した。第1偏光子、第2偏光子および位相遅延子をそれぞれ0°、0°および22.5°に設定したとき、対物レンズへ入射する光の規格化された強度は、次式で表わされる。ここで、SおよびCはそれぞれsin関数およびcos関数を表す(例えば、Sはsin2Ψ)。
セクタごとに規格化した強度の平均値を計算し、正弦および余弦関数の定積分の性質を考慮して、式(3)内のフーリエ係数を計算し、偏光解析パラメータを求めた。
測定で得た結果と計算値とのフィッティングを行った。対物レンズの影響を補正するため、偏光解析パラメータΨObおよびΔObは入射角θの関数としてそれぞれ次の式を用いた。
また、カバーガラスの素材はSchott社の規格であるD263Tというガラス種と同等品であり、その屈折率を計算に用いた。
波長590、600、610および620 nmで測定した入射角の範囲30〜40°における偏光解析パラメータΨおよびΔをそれぞれ図7および図8に示す。ΨはP偏光とS偏光との振幅比の逆正接関数であり、ΔはP偏光とS偏光との位相差である。測定で得た結果をシンボルで、フィッティングによって得た計算値を線で示している。
カバーガラスの表面に形成された酸化タンタルの屈折率および膜厚が次のように求められた。
屈折率:2.036 + 0.055 / λ2、膜厚(nm):96.66
ここで、λは波長(単位はμm)である。また、対物レンズの偏光解析パラメータを算出する式(4)および(5)の定数として次の値が得られた。
aΨ:0.27、bΨ:47.08
aΔ:0.11、bΔ:1.97
ここで、定数の単位は度である。
1 対物レンズ
2 平行光
3 後側焦点面
4 試料面
5 無偏光ビームスプリッタ
6 入射光学系
7 射出光学系
8 解析装置
9 光ファイバの射出口
10 レンズ系
11 第1偏光子
12 第2偏光子
13 二次元検出器
14 レンズ系
15 試料
16 位相遅延子

Claims (6)

  1. 無限遠補正系の対物レンズと、無偏光ビームスプリッタと、入射光学系と、射出光学系と、解析装置とを備え、
    前記入射光学系が、光源と、前記対物レンズに平行光を入射する第1のレンズ系と、第1偏光子とを備え、
    前記射出光学系が、第2偏光子と、前記対物レンズの後側焦点面の像を二次元検出器に結像する第2のレンズ系と、該二次元検出器とを備え、
    前記対物レンズが液浸型の対物レンズであり、
    カバーガラス上に形成された試料を前記対物レンズの前側焦点面に設置し、
    屈折率が前記カバーガラスと略一致する液体で前記対物レンズと前記カバーガラスとの間を満たし、
    前記第1偏光子および前記第2偏光子がそれぞれ任意の方位角に設定され、
    前記二次元検出器が前記後側焦点面の画像を測定し、
    前記解析装置が、
    前記二次元検出器で測定した画像から、前記後側焦点面上に入射角および方位角による極座標を定め、
    前記極座標に基づき、前記後側焦点面の光強度分布の方位角および入射角依存性を求め、
    前記第1偏光子および前記第2偏光子の方位角と、前記光強度分布の方位角および入射角依存性とから、前記試料の偏光解析パラメータを算出することを特徴とする内反射型顕微エリプソメータ。
  2. 前記入射光学系内における前記第1偏光子の後段、または前記射出光学系内における前記第2偏光子の前段のどちらか一方に、位相遅延子を備え、
    前記第1偏光子、前記第2偏光子および前記位相遅延子がそれぞれ任意の方位角に設定され、
    前記第1偏光子、前記第2偏光子および前記位相遅延子のそれぞれの方位角と、前記光強度分布の方位角および入射角依存性とから、前記試料の偏光解析パラメータを算出することを特徴とする請求項1に記載の内反射型顕微エリプソメータ。
  3. 前記カバーガラスの屈折率で規定される臨界角に対応する部分反射領域と全反射領域との境界を円として識別し、当該円の中心および半径を、前記対物レンズの後側焦点面上に定める極座標の基準として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の内反射型顕微エリプソメータ。
  4. 測定を行う最大の入射角が前記臨界角以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内反射型顕微エリプソメータ。
  5. 前記部分反射領域と前記全反射領域との境界を規定する前記円の半径が、前記射出光学系に備えられる二次元検出器で測定される画像の短辺に対して略一致するように、前記二次元検出器に入射する光の径を調節して測定を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内反射型顕微エリプソメータ。
  6. 前記測定を行う最大の入射角以下に対応する領域における光強度のコントラストが最大となるように、前記二次元検出器に入射する光の強度を調節して測定を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内反射型顕微エリプソメータ。
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