JP2014030927A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】1種類の撥水剤を用いることで、複数の異なる材質からなる液体吐出ヘッドのインクのフェイス面に、高い撥水性が一様に付与されて、付着したインクの除去が容易にでき、さらに、付与された撥水機能の持続性を高めることで、印字を安定化させるとともに寿命の長い耐久性に優れる液体吐出ヘッド、該ヘッドを搭載した液体吐出記録装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出することで画像を記録する液体吐出記録装置に使用される液体吐出ヘッド110において、シリコン基板で挟み込んだ感光性樹脂によって形成された液体吐出ノズル105を有し、該液体吐出ノズルの吐出口を有する面にある感光性樹脂部517とシリコン部502の両方に、分子内にケイ素原子を有し、かつ、フッ素原子が結合した鎖状の炭素原子を3〜6個の範囲で有するケイ素含有フッ素化合物が塗布されて撥水性が付与されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクなどの液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドを搭載してなる液体吐出記録装置に関するものである。
液体吐出(インクジェット)記録装置には、電気熱変換体(以下、ヒータと称す)やピエゾ素子などを用いて、インクなどの液体を吐出可能な液体吐出ヘッドが用いられている(特許文献1参照)。
例えば、図1(a)に、ヒータ101を用いた方式の、液体吐出ヘッドの液体吐出ノズルの吐出口部Hを示したが、この場合には、図1(b)、(c)のように、そのヒータ101の発熱により流路102内の液体を発泡させ、そのときに生じる気泡Bの発泡エネルギーを利用して、吐出口103から液体を吐出させることができる。気泡Bは、その後、図1(d)、(e)のように消泡する。また、図示した例の液体吐出ヘッドには、気泡Bの発泡エネルギーを吐出口103の方向に効果的に作用させるために、流路102内に可動弁104が備えられている。液体吐出記録装置は、上記に例示したような方式で、液体吐出ヘッドの吐出口103から吐出された液体を、記録媒体上に付着させることによって記録媒体上に画像を記録するものであり、事務処理用や家庭用として広範な使用がされているが、近年、産業用印刷機への展開の要請が高まってきている。
このような産業用途への展開に伴い、上記した液体吐出ヘッドにおいて、下記に述べるように、その耐久性・寿命向上に伴う印字安定性の確保のための新たな問題が顕在化してきている。液体吐出ヘッドの液体(インク)を吐出するノズルおよびその近傍は、均一な材料特性をもたせることが理想である。これはぬれ性を一定にしてインクの吐出を安定させるためである。そのための一つの方法として、液体吐出ヘッドのインクを吐出するノズルの吐出口103を有する面(以下、フェイス面と称する)を、樹脂でコーティングする方法がある。この方法は、異なる材質の複数の材料で構成されている液体吐出ヘッドのフェイス面の場合に特に有効である。さらに、コーティング用の樹脂に、撥水機能を有するフッ素系樹脂やシリコン系樹脂を選定することによって、液体吐出ヘッドのフェイス面に付着したインクを容易に取り除きやすくする性能を付与することができる(特許文献2参照)。本発明では、このような機能を発現させ得る物質を撥水剤と称することとする。図1中に、フェイス面にコーティングされた撥水剤を示した。
液体吐出ヘッドの特性上、長時間の連続印字の途中で回復動作(ワイピング動作)が必要となり、下記のような回復動作が行われている。回復動作の方法には種々のものがあり、例えば、フェイス面をエアで吹き付けたり、インク吸収部材を接触させたり、ワイパーによって表面を拭いたりしている。このような回復動作を行うことで、印刷中に液体吐出ヘッドのフェイス面に付いたゴミによるインク不吐や、ミスト状になって付着したインクによるインク不吐や、インク液滴の落下を防いでいる。
特開2010−94900号公報 特開2001−71510号公報
しかしながら、インクの吐出口を有するフェイス面に塗布した撥水剤により付与された撥水機能が均一でないことや、繰り返される回復動作に起因する撥水持続性の低下によって、液体吐出ヘッドのインク吐出が不安定になり、印字の不安定化に繋がってしまうという問題がある。特に、長時間連続印字の途中で必要になる前述した回復動作では、フェイス面にワイパーが直接的に触れて擦るため、回復動作回数を重ねるごとに、フェイス面にコーティングされた撥水剤がインクとともに剥がれ落ちることがあった。また、長時間インクと接触していることによって撥水剤が変質し、効力を失い、フェイス面の均一な材料特性を保てなくなることが生じる場合もある。このため、回復動作を重ねていくと、当初発揮されていたフェイス面の撥水性が低下し、このことが、印字の不安定化や印刷物の品位低下の原因となっていた。また、上記したことに起因して、液体吐出ヘッドのヒータやノズル材料など、ほかの耐久性は満たしていても、撥水剤の剥離や撥水剤の変質が、液体吐出ヘッドの寿命を決定づけている場合も見られた。したがって、フェイス面に撥水機能を付与するための撥水剤の選択は極めて重要である。
液体吐出ヘッドのフェイス面に撥水性を付与する場合、後述の実施例に示したような、シリコン部と感光性樹脂部といった異なる材質の材料で構成されている液体吐出ヘッドにおいては、下記の課題がある。すなわち、異なる材質で構成されている液体吐出ヘッドの場合、使用する撥水剤は、該ヘッドを構成するシリコン部と感光性樹脂部の両方に対して、高い密着性と、優れた耐剥離性を示すものが求められる。しかし、種々の撥水剤が知られているものの、材料物性が異なるそれぞれの部分に対して、同じ処理をすることで同水準の撥水性を付与でき、付着したインクの除去が容易にでき、しかも同様の撥水持続性(耐久性)が発揮される撥水剤は少なかった。
この場合、いずれか一方の材質に対して有用な撥水剤を塗布することで、全ての部分で撥水性を発揮させることは可能ではあるが、材質の異なる複数の部分のいずれに対しても撥水効果を最大限に発揮させることができる撥水剤を見出すことは困難である。さらに、上記した液体吐出ヘッドのフェイス面においては、材質が異なる部分があることに起因して下記の課題が生じる。すなわち、当初は、いずれの材質からなる部分においても発揮されていた撥水性が、上記した回復動作を重ねていくと、材質が異なることが原因して部分的に低下し、このことが印字の不安定化につながり、結果として液体吐出ヘッドの寿命を縮めてしまう原因となっていた。このように、液体吐出ヘッドのフェイス面において、撥水性及び撥水持続性が均一に保たれないと、装置そのものの品質及び維持に重大な問題を生じる場合があり、特に、液体吐出記録装置を産業用印刷機などに展開した場合には、産業用の記録装置において特に重要な、十分な製品メンテナンス性が保持できなくなる恐れもある。
上記した液体吐出ヘッドのフェイス面の材質が異なることに起因する課題に対しては、フェイス面を構成する個々の材質に最適な撥水剤をそれぞれに付与することで解決することができ、従来より行われている。しかし、従来の、液体吐出ヘッドのフェイス面の、材質が異なる個々の部分に、それぞれに適した撥水剤を選択的に塗らなければならない塗布作業は、非常に手間がかかり、量産性の観点から考えると非常に不利である。
また、別の問題として、近年、環境残存性のあるフッ素化合物の使用が問題視されている。具体的には、米国環境保護庁において、フッ素原子が結合した炭素原子が8個以上鎖状に連なった分子構造を有するフッ素化合物の人体への蓄積性が注目されており、該化合物を含む撥水剤を用いた各種の製品についても、これらの製品を製造・販売する企業が中心となって、上記化合物を2015年までに全廃する動きがある。このため、フッ素系の化合物を利用した撥水剤においては、かかる観点からの改善が必要になっている。ここで、フッ素系の樹脂においては、類似の分子構造では、フッ素原子が結合した炭素鎖が短くなるとともに撥水性能が低下する傾向が顕著であることが知られており、その構造を含めて、撥水性及び撥水持続性を十分に満たす撥水剤の検討が必要である。
上記したように、従来技術においては、1種類の撥水剤を液体吐出ヘッドのフェイス面に塗布することで、複数の異なる材質からなる表面に撥水機能を一様に付与でき、しかも、ヘッドの回復動作を重ねた場合に、その撥水機能が長期間にわたって持続できる撥水剤は知られていない。また、先に述べた事情から、2015年以降に、液体吐出記録装置において現在使用している撥水剤の使用が制限されるものがでる可能性も高く、代替できる優れた撥水剤の開発が急務となっている。
したがって、本発明の目的は、1種類の撥水剤を用いることで、複数の異なる材質からなる液体吐出ヘッドのインクのフェイス面に、高い撥水性が一様に付与されて、付着したインクの除去が容易にでき、さらに、付与された撥水機能の持続性を高めることで、印字を安定化させるとともに寿命の長い耐久性に優れる液体吐出ヘッドを提供することにある。
上記した課題は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、液体を吐出することで画像を記録する液体吐出記録装置に使用される液体吐出ヘッドにおいて、シリコン基板で挟み込んだ感光性樹脂によって形成された液体吐出ノズルを有し、該液体吐出ノズルの吐出口を有する面にある感光性樹脂部とシリコン部の両方に、分子内にケイ素原子を有し、かつ、その分子構造中における、2個のフッ素原子が結合してなる炭素鎖の炭素の数が3〜6個の範囲内であるケイ素含有フッ素化合物が塗布されて撥水性が付与されていることを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
本発明の好ましい形態としては、下記のことが挙げられる。
上記ケイ素含有フッ素化合物が、下記一般式(1)で示される化合物であり、かつ、分子量が10,000以下であること。
Figure 2014030927
(ただし、式中の、n、m、pは整数、Rはアルキル基またはアルコキシ基であり、Xはハロゲン原子であり、aは1〜4の整数であり、b、cはそれぞれ独立に0〜3の整数であって、かつ、b+c=3である。)
上記ケイ素含有フッ素化合物が、ハイドロフルオロエーテル溶媒に溶解されて塗布されていること。
上記感光性樹脂部と前記シリコン部の両方の面における表面エネルギーが13〜15mN/mであり、かつ、これらの面の、表面張力が30mN/m以上のインクに対しての接触角が75度以上であり、これらの面の摩擦係数が0.3以下であることである。当該摩擦係数とは、クリーニングワイパー ダスパー(商品名、小津産業)で上記面を擦った場合における摩擦係数のことである。
本発明の別の実施形態では、液体を吐出することで画像を記録する液体吐出記録装置において、上記いずれかの液体吐出ヘッドであって、かつ、液体吐出ノズルの吐出口から液体を吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を含んでなる液体吐出ヘッドが搭載されていることを特徴とする液体吐出記録装置を提供する。その好ましい形態として、液体吐出ノズルの吐出口を有する面を拭く機構が、さらに搭載されていることである。
本発明によれば、複数の異なる材質からなる液体吐出ヘッドのフェイス面に、1種類の特有の撥水剤をコーティングすることによって、印字が安定化し、回復動作の際に付着したインクの除去が容易となる液体吐出ヘッドが提供される。さらに本発明によれば、異なる材質の材料で構成された液体吐出ヘッドのフェイス面を、回復動作を複数回行っても、撥水機能を同一の状態に長期間保持する耐久性を示し、さらに、異なる材質からなる部分に対して同一の処理で撥水剤をコーティングできることで、製造工程に負荷をかけることなく製造できる、量産性の観点からも有利な液体吐出ヘッドの提供が可能になる。さらに、本発明で使用する撥水剤は、環境残存性のあるフッ素化合物に該当するものではないので、この点からも有用である。
本発明の実施形態の液体吐出ヘッドの吐出口の部分の断面を示す図である。 本発明の実施形態の液体吐出ヘッドの斜視図である。 本発明の実施形態の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出記録装置の概略的な内部構成を示す図である。 本発明の実施形態の液体吐出ヘッドの切り欠き斜視図である。 本発明の液実施形態の体吐出ヘッドの吐出口を有する面にインクが付着した状態を示す図である。 本発明の実施形態の液体吐出ヘッドの吐出口を有する面をワイパーで拭くことを示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の液体吐出ヘッドの一例である液体吐出ヘッド110の分解斜視図である。図示した例は、インクジェット記録装置に用いられる、液体のインクを吐出するための液体吐出ヘッド110としての適用例である。図2中の111は、液体吐出ヘッド110の主要部をなす吐出エレメントであり、その一側面においてセラミック製のベースプレート112に支持されている。吐出エレメント111には、後述するように、共通液室と、複数の吐出口と、共通液室と吐出口との間を連通する複数のインク流路(液流路)と、吐出エネルギー発生素子とが備えられている。後述するように、本例の場合、吐出エネルギー発生素子として熱エネルギーを発生する電気熱変換体であるヒータが備えられている。
図2に示したように、吐出エレメント111の他側面には配線基板113が配されており、その配線基板113は、吐出エレメント111上に設けられる配線(吐出エネルギー発生素子やその駆動素子用などの配線)の電極部(不図示)に対して、ワイヤボンディング(不図示)により電気的に接続される。図2中の114は、吐出エレメント111に対するインクの供給経路を形成するためのインク流路形成部材であり、配線基板113に設けた開口を通して、吐出エレメント111内に設けられる共通液室に接続される。
図3は、上記構成の液体吐出ヘッド110を用いて画像を記録可能な、フルラインタイプの本発明のインクジェット記録装置120の内部構造を説明するための概略正面図である。記録装置120には、紙等の記録媒体Wを矢印Y1の搬送方向に搬送するための搬送部121、その搬送部121に記録媒体を供給するための給送部122が備えられている。また、本例の記録装置120には6つの液体吐出ヘッド110が交換可能に装着されており、それぞれのヘッドには、対応するインクタンク123から、イエロー(Y)、淡マゼンタ(LM)、マゼンタ(M)、淡シアン(LC)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクが供給される。6つの液体吐出ヘッド110は、記録媒体Wの搬送方向にずれて配備され、また、それぞれの液体吐出ヘッド110における液体吐出ノズル列は、記録媒体Wの搬送方向に対して交差する方向(本例においては、直交する方向)に延在する。
本例におけるインクの供給経路は、液体吐出ヘッド110とインクタンク123との間においてインクを循環可能な循環経路を形成している。すなわち、インクタンク123内のインクは、インク流路形成部材114を介して吐出エレメント111内の共通液室に移送され、その移送されたインクが共通液室から、それぞれのノズルに分配される。また、共通液室内のインクは、インク流路形成部材114を介してインクタンク123に還流させることができる。
図3中の124は、液体吐出ヘッド110のインクの吐出状態を良好に維持するための回復処理や回復動作を行う回復ユニットである。その回復処理や回復動作として、例えば、画像の記録に寄与しないインクを吐出口から吸引排出または加圧排出させる処理、画像の記録に寄与しないインクを吐出口から吐出させるための処理(予備吐出)、および液体吐出ヘッド110のフェイス面(吐出口が位置する面)のワイピング動作などを含むことができる。125は、記録装置120を操作するためのオペレーションパネル部である。
図4は、液体吐出ヘッド110における吐出エレメント111(図2参照)のノズル近傍部分の一部切欠き斜視図である。ヒータボード502には、シリコン基板からなり、インクを加熱発泡させるためのヒータ101が複数配置されている。ヒータ101としてはチッ化タンタル等の抵抗体が用いられ、例えば、その厚さは0.01〜0.5μm、そのシート抵抗値は単位正方形当たり10〜300Ωである。ヒータには、通電のためのアルミニウム等の電極(不図示)が接続されており、その電極の一方には、ヒータに対する通電を制御するためのスイッチングトランジスタ(不図示)が接続されている。スイッチングトランジスタは、制御用のゲート素子等の回路からなるICによって駆動制御され、記録装置からの信号に応じてヒータを制御する。
ヒータ101は、複数の流路102のそれぞれに形成されている。それぞれの流路102の一端は対応するノズル105の吐出口面520の吐出口103に連通され、それぞれの流路102の他端は共通液室109に連通されている。流路102は、ヒータボード502、ノズル壁107、厚さ5〜10μm程度のノズル土手107a、厚さ5〜10μm程度のノズル補強壁516、および厚さ2μm程度の天板ノズル517によって囲まれて管状を成している。本例において、ノズル壁107、ノズル土手107a、天板ノズル517は感光性エポキシ樹脂により形成されている。また、天板ノズル517は、シリコン基板により形成される流路形成部材511に貼り付けられている。
つまり、液体吐出ヘッド110のフェイス面は、シリコン基板からなるヒータボード502のシリコン部と、該ヒータボード502と流路形成部材511で挟み込まれた感光性樹脂で形成されている感光性樹脂部(ノズル壁107やノズル土手107aの吐出口面520、ノズル補強壁516、天板ノズル517)とからなっている。
本発明の液体吐出ヘッドは、このようなフェイス面を形成している感光性樹脂部とシリコン部の材質の異なる両方の部分に対し、分子内にケイ素原子を有し、かつ、フッ素原子が結合した炭素原子を3〜6個の範囲で有するケイ素含有フッ素化合物を塗布して撥水性を付与したことを特徴とする。撥水性をもつケイ素含有フッ素化合物をコーティングする方法としては、例えば、下記のようにすればよい。まず、溶媒に、撥水性のあるケイ素含有フッ素化合物を溶解して適度な濃度に調整し、この溶液を均一な凹凸をもったプラスチックシート上に、まんべんなくのせる。そして、液体吐出ヘッドのフェイス面をこのプラスチックシート上に押し当てることで、ケイ素含有フッ素化合物をフェイス面に均一の厚さに塗布する。その後、乾燥させて溶媒を蒸発させる。この結果、液体吐出ヘッドのフェイス面にケイ素含有フッ素化合物を強固に固着させることができる。
以下、本発明を特徴づけるケイ素含有フッ素化合物について説明する。
本発明で使用するケイ素含有フッ素化合物は、分子内にケイ素原子を有し、かつ、その分子構造中における、2個のフッ素原子が結合してなる炭素鎖の炭素の数が3〜6個の範囲内であることを特徴とする。該化合物は、分子内にケイ素原子およびフッ素原子を有するため、付与されると、フェイス面に撥水機能を与えることができる。また、該化合物の分子内のケイ素原子が、例えば、アルコキシ基やハロゲン基などの加水分解性基を有するとシランカップリング剤として機能するので、該化合物をフェイス面に付与した場合に、無機物であるシリコン基板とも、有機物である感光性樹脂のいずれとも反応し、該化合物は、これらの表面に強固に結合される。このため、フェイス面に対してワイピング等の回復動作が繰り返されたとしても、撥水性が長く保たれ、撥水持続性に優れたものになる。また、本発明者らの検討によれば、該化合物は、分子構造中における、2個のフッ素原子が結合した炭素原子が連なった炭素鎖の炭素数が3〜6個の範囲内と短い構造のものでありながら、高い撥水機能を付与できる。
本発明で使用し得るケイ素含有フッ素化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。理想的には、一般式(1)中のaは1〜4であり、Rはアルコキシ基であることが望ましいが、この限りではない。
Figure 2014030927
(ただし、式中の、n、m、pは整数、Rはアルキル基またはアルコキシ基であり、Xはハロゲン原子であり、aは1〜4の整数であり、b、cはそれぞれ独立に0〜3の整数であって、かつ、b+c=3である。)
上記した一般式(1)に記載したものの中でも特に、本発明に好適なものの具体例を、aの数毎に列挙する。
〔a=1のもの〕
Figure 2014030927
〔a=2のもの〕
Figure 2014030927
〔a=3のもの〕
Figure 2014030927
〔a=4のもの〕
Figure 2014030927
有機ケイ素重合体の市販品の例としては、ディックガード(商品名、DIC株式会社製)、FPX−30G(商品名、JSR株式会社製)、ノベックEGC−1720(商品名、住友3M社製)、Patinalシリーズ(substance WR1、WR2、WR3)(商品名、メルク株式会社製)が挙げられる。
上記したようなフッ素を含む上記化合物が高い撥水性を示す理由は、フッ素原子は、立体的に水素についで小さな原子(ファンデルワールス半径が、H=1.2Å;F=1.35Å)であり、電気陰性度が最も高く、炭素との結合力(C−F間=116kcal/mol)が、水素やフッ素原子以外のハロゲン原子(C−H間=99.5kcal/mol;C−Cl間=78kcal/mol)に比べ強く、炭素−フッ素結合の結合距離(C−F間=1.32Å)は、炭素−塩素結合距離(C−Cl間=1.77Å)より短く、柔軟性がなく、分極率が低い等の性質に起因する。
上記したケイ素含有フッ素化合物のフェイス面への付与は、先に説明したような方法で該化合物の溶液を使用することで簡易に行うことができるが、その際、溶液化に使用する溶剤には、ハイドロフルオロエーテル溶媒を用いることが好ましい。具体的には、例えば、C37OCH3、C49OCH3、C49OC25、C25CF(OCH3)C37などを使用することができる。その際に使用する溶液のケイ素含有フッ素化合物の有効成分濃度は、ハイドロフルオロエーテル溶媒に対して0.05〜0.15質量%の範囲が好ましく、さらには0.10〜0.15質量%の範囲とすることが望ましい。後述するが、本発明者らの検討試験によれば、有効成分濃度が0.05質量%の場合は、付与した後のフェイス面に対して長期間にわたって回復動作を行った場合、0.10〜0.15質量%の範囲とした場合よりも撥水持続性が若干劣る傾向がみられた。有効成分濃度が0.20質量%であると、液体吐出ヘッドのノズル内部に影響を及ぼし、正常な印字ができなくなる傾向があるので好ましくない。上記した溶媒は、例えば、住友3M社製のノベックシリーズとして市販されている。
液体吐出ノズルのフェイス面にある感光性樹脂部とシリコン部の両方に、上記したような本発明を特徴づけるケイ素含有フッ素化合物によって撥水性が付与された本発明の液体吐出ヘッドは、優れた撥水性及び撥水持続性を示すものになる。すなわち、後述するが、例えば、表面張力が30mN/m以上のインクに対しての接触角が75度以上と高い撥水性を示し、摩擦係数が0.3と低く、前記した耐ワイピング試験を行った結果から、優れた撥水持続性を示すことを確認した。
ここで、上記した撥水性・撥水維持性に優れるフェイス面を有する本発明の液体吐出ヘッドにおいて、熱エネルギーを発生するヒータによって、液体吐出ノズルの吐出口からインク等の液体を吐出する機構について説明する。
図1は、吐出口103からのインクの液滴の吐出過程の説明図である。図1(a)は、ヒータ101が通電されず、流路102内のインクが加熱される前の状態である。この場合、吐出口103付近のインクはメニスカスを形成している。
図1(b)および(c)は、ヒータ101が通電され、その発熱によりインクが加熱されることによって、インクの膜沸騰を伴って発泡Bが生じた状態である。このとき、気泡Bの発生に基づく圧力の伝播方向は、可動弁104が弁台座を支点として変位することにより、インクの吐出方向に導かれる。流路102内のインクは、発泡によって生じた圧力によって吐出口103から押し出され、気泡Bの成長に伴って図1(c)のような液柱を形成する。
図1(d)および(e)は、ヒータ101によるインクの加熱が終了して、気泡Bが収縮過程にある状態である吐出口103付近のインクは、気泡Bの収縮に伴って流路102に引き込まれる。液柱の先端部分には吐出方向への慣性力が働いているため、その液柱は、流路102内のインクから切り離される。その切り離された液柱は、インクの表面張力によって液滴(主滴Dm、副滴Ds)を形成し、液滴は速度(Vm、Vs)を有して記録媒体に向かって飛翔し、記録媒体に到達する。
図5は、上記した機構の液体吐出ヘッドにおいて、撥水処理がされたフェイス面にインクが付着する様子を模式的に示したものである。図5のIは、液体吐出ヘッドの吐出口部Hのフェイス面に染料インクが付着した状態を模式的に示している。また、図5のIIは、液体吐出ヘッドの吐出口部Hのフェイス面に顔料インクが付着した状態を模式的に示している。顔料インクは、染料インクに比べて、界面活性剤や浸透剤、ノズル乾燥防止剤など有機物を多く含んでいるため、その表面張力が低く、接触角が低い値になりやすい傾向がある。
図6は、本発明でいう液体吐出ヘッドの回復動作の一例を示す図である。図6のIは、液体吐出ヘッドの吐出口部Hのフェイス面をワイパー200で、短辺方向に拭いている状態を模写したものである。また、図6のIIは液体吐出ヘッドの吐出口部Hのフェイス面をワイパー200で、長辺方向に拭いている状態を模写したものである。なお、本発明者らの検討によれば、図6のIとIIのどちらの方式であっても、撥水持続性に差は生じない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、以下の記載で「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<実施例1〜3、比較例1>(撥水剤の付与量と撥水性・撥水持続性の関係)
実施例では、撥水剤として下記の構造で示されるケイ素含有フッ素化合物を用いた。
Figure 2014030927
一方、比較例には、分子内にケイ素を含みシランカップリング剤の役割を担うことができる撥水剤A〔CF3(CF2)7(CH2)2Si(NH)3〕と、分子内にフッ素を多く含み高い撥水性を発揮する撥水剤Bを混合して使用した。該撥水剤Bは、下記式で表される、五員環エーテル構造を骨格とする、末端にカルボキシル基を有する分子構造のものである。
Figure 2014030927
これらの撥水剤をそれぞれに用い、図4に示した液体吐出ヘッド110の、液体吐出ノズルのフェイス面にある感光性樹脂部とシリコン部の両方に、それぞれ、下記のようにして撥水剤を付与して撥水処理をした。
実施例の撥水剤をフェイス面へ付与する方法は、下記のようにした。まず、ハイドロフルオロエーテル溶媒(C37OCH3)に実施例の撥水剤を溶解して、有効成分濃度が、0.05%(実施例1)、0.10%(実施例2)、0.15%(実施例3)の各濃度に調整したものを用意した。次に、これらの溶液を、それぞれ均一な凹凸をもったプラスチックシート上に、まんべんなくのせた。そして、液体吐出ヘッドのフェイス面をこのプラスチックシート上に押し当て、フェイス面に均一にこれらの撥水剤溶液を塗布した。その後、乾燥させて溶媒を十分に蒸発させた。このようにして、フェイス面にケイ素含有フッ素化合物をそれぞれ異なる濃度で固着した液体吐出ヘッドを得た。
比較例1のものについては、撥水剤Aと撥水剤Bとの混合割合を1:1となるようにし、溶剤にパーフルオロトリブチルアミンを用い、濃度4.0w%の混合溶液を用いた。そして、その付与方法は、先に記載した方法で行った。付与後、200℃、300分で乾燥させてフェイス面に撥水剤Aと撥水剤Bとの混合物が固着した比較例の液体吐出ヘッドを得た。
<評価>
上記で得た撥水処理の異なる各液体吐出ヘッドのフェイス面における撥水性および撥水持続性を下記の試験によって評価した。
(撥水性)
表面張力が、30mN/m、35mN/m、40mN/mおよび60mN/mと異なる以外は同様の構成からなる各インクを用意した。そして、各液体吐出ヘッドのフェイス面に対しての接触角を、JIS R−3257に準拠して測定し、得られた測定値で撥水性を評価した。その結果を表1に示した。
(撥水持続性)
上記で得た撥水処理の異なる各液体吐出ヘッドのフェイス面について、下記のような促進試験を行って、撥水持続性を確認した。ワイパーに、ウレタンエーテル材料からなるものを用い、ヘッドノズルから少量のインクを吐出させてフェイス面にインクを付着させてからワイプすることを繰り返し行う条件でフェイス面を1万回まで繰り返し擦り、耐ワイプ性試験を行った。そして、繰り返しの、初期、5,000回、1万回のそれぞれの時点におけるフェイス面の撥水性を調べた。撥水性は、表面張力が30mN/mのインクを用い、先に行ったと同様にして接触角を測定することで評価した。その結果を表1に示した。
Figure 2014030927
表1に示したように、撥水剤にケイ素含有フッ素化合物を用いた実施例の液体吐出ヘッドでは、いずれの場合も、フェイス面にインクを滴下して測定した接触角は75度であり、従来の撥水剤を用いた比較例の液体吐出ヘッドでは、初期の接触角は65度であり、実施例で使用した撥水剤の顕著な優位性を確認した。また、表1に示したように、ケイ素含有フッ素化合物を撥水剤に用いた実施例では、特に、ハイドロフルオロエーテル溶媒中における撥水剤の有効成分濃度が0.10〜0.15w%の範囲の溶液を用いた場合に、極めて良好な結果が得られることを確認した。なお、撥水剤の有効成分濃度が0.20%の溶液を用いた場合は、液体吐出ヘッドのノズル内部に影響を及ぼし、印字に乱れを生じる傾向があった。
さらに、表1の結果から明らかなように、実施例の液体吐出ヘッドのフェイス面においては、ワイプ回数が1万回に達しても接触角の低下が殆ど見られなかった。これに対し、比較例の液体吐出ヘッドのフェイス面では、耐ワイプ性試験のワイプ回数が5,000回時の接触角が39度、1万回時の接触角が15度と、回数の増加とともに顕著に低下しており、実施例の液体吐出ヘッドのフェイス面の撥水持続性の優位性が確認された。表1に示したように、フェイス面に実施例の撥水剤を付与する場合、有効成分濃度が0.05w%の溶液を用いた場合は、耐ワイプ性試験において75度であった初期の接触角が、5,000回時では維持されたものの、1万回では58度と、撥水性が若干ではあるが低下することが示された。よって、良好な撥水持続性を実現させるためには、撥水剤の有効成分濃度が0.10〜0.15w%の範囲の溶液を用い、フェイス面の撥水処理を行うことが有効であることがわかった。
本発明者らは、比較例1で用いた従来の撥水剤と比較し、撥水性および撥水持続性が向上した理由について、恐らく次のようであると考えている。従来の撥水剤は、分子内にケイ素を含みシランカップリング剤の役割を担うことができる撥水剤Aと、これとは別に、分子内にフッ素を多く含み、これによって高い撥水性を発揮し得る撥水剤Bとを混合して使用していた。このため、従来の撥水剤を、液体吐出ノズルのフェイス面にある感光性樹脂部とシリコン部の両方に付与した場合、撥水剤Aとシリコン部、撥水剤Aと感光性樹脂部は水素結合で、さらに、撥水剤Aと撥水剤Bとは、分子同士の絡み合いとアミノ基とカルボキシル基の水素結合を形成すること、もしくは縮合反応によりアミド結合を形成することで、液体吐出ヘッドのフェイス面に結着していると考えられる。しかし、先に述べたように、シリコン部と感光性樹脂部とを有するフェイス面における耐ワイプ性試験の結果、比較例で用いた撥水剤では、ワイプ回数が増加するにしたがって撥水性の低下を生じた。このことから、比較例の液体吐出ヘッドでは、耐ワイプ性試験後のフェイス面において撥水剤の存在が少なくなっていることが容易に予想される。この確認として、実際に、エックス線で元素分析を実施してフェイス面を詳細に観察したが、比較例の液体吐出ヘッドを使用する頻度とともにフッ素原子の検出値が低くなっており、上記の予想が裏付けられている。
本発明者らは、比較例で用いた撥水剤AとBの分子構造や、それぞれにおける分子内反応活性部分の割合などが理由となって、従来の撥水剤AとBを用いた場合は、撥水処理後において未反応部分が多く存在し、その結果、撥水剤AとBの混合物を用いた比較例の場合は、長時間にわたるインクの接触と回復動作(ワイピング動作)によって撥水剤が徐々に剥離していったものと推測している。
一方、実施例で撥水剤として使用したケイ素含有フッ素化合物は、比較例1のような混合物ではなく一種類の撥水剤で、分子量は1,000〜3,000程度で、同分子内にケイ素原子を含み、さらにフッ素原子も多く含んでおり、分子内ですでに共有結合されていることから、前記した比較例で使用した混合物の場合のように、撥水剤Aと撥水剤Bとの分子同士の反応や結合を考慮することは必要ない。また、ケイ素含有フッ素化合物を撥水剤として用いた本発明の実施例において、撥水持続性(耐摩擦性)に対してより高い効果を発揮できたのは、撥水剤の分子構造が立体構造的にも有利で、より平滑性が高まるためと考えている。さらに、本発明の実施例の場合は、比較例で行ったような、複数の撥水剤を任意の比で混合させる手間がなくなるため、量産性の面においても寄与できる。
<実施例4、比較例2>(液体吐出ヘッドの耐インク試験)
フェイス面に、実施例2と同様の撥水処理をした液体吐出ヘッドを実施例4のヘッドとし、比較例1と同様の撥水処理をした液体吐出ヘッドを比較例2のヘッドとし、それぞれについて耐インク試験を下記のようにして行った。すなわち、表2に示したように、表面張力がそれぞれ、30mN/m、40mN/m、60mN/mの染料インクA〜Cと、表面張力が30mN/mの顔料インクを用意した。そして、これらの各インクの中に、上記の撥水処理した実施例4および比較例2の液体吐出ヘッドをそれぞれ浸漬し、60℃の環境下で、2ヶ月間、静置して保存した。保存後、各液体吐出ヘッドをインクから取り出して、先に述べたと同様に、表面張力が30mN/mのインクを用い、フェイス面における接触角を測定し、インク中に浸漬させたことによって撥水性が損なわれていないかの確認を行った。なお、上記したインク中への浸漬条件は、常温のインクに浸漬させたとすると2年間継続して浸漬したことに相当する。評価基準は下記の通りであり、評価結果を表2に示した。
◎:非常に良い
○:良い
△:やや劣るが実用可能
×:劣る
Figure 2014030927
上記した実施例4および比較例2で行ったインクに浸漬させた後の液体吐出ヘッドを用い、先に行ったと同様にして1万回の耐ワイプ性試験を行った。撥水剤で処理したヘッドのフェイス面をワイパーで拭き、1万回後における撥水状態を、先に行ったと同様にして確認した結果である。評価基準は下記の通りであり、評価結果を表3に示した。
◎:非常に良い
○:良い
△:やや劣る
×:劣る
Figure 2014030927
表2、3に示されているように、従来の撥水剤を用いた比較例2の液体吐出ヘッドと、本発明で規定する撥水剤を用いた実施例4の液体吐出ヘッドとを比較した結果、実施例4のものは、従来のものに比べて耐インク性や耐ワイプ性が向上することが確認された。
<実施例5、比較例3>
表4は、従来の撥水剤(比較例3)、本発明で規定する特有の撥水剤(実施例5)を感光性樹脂部とシリコン部とを有するシリコンウエハにスピンコートしたサンプルを用い、撥水剤塗布有無の差と、従来の撥水剤と、本発明で規定する特有の撥水剤との静的摩擦係数測定結果を示したものである。
表4に示した結果は、クリーニングワイパー ダスパー(小津産業)と200gの銅重りを使用し、滑り出しの角度を実測した値より算出した値で示した。
実施例5の結果から、本発明で規定する特有の撥水剤を塗布すると、表面処理無しや従来の撥水剤を塗布した面よりも顕著に摩擦係数が低いことから、ウレタンエーテル性のワイパーでヘッドフェイス面を何度も拭く耐ワイプ性に対して有利に働くことが容易に想像できる。
Figure 2014030927
H 液体吐出ヘッドのノズルの吐出口部
101 ヒータ
102 流路
103 吐出口
104 可働弁
105 ノズル
107 ノズル壁
107a ノズル土手
110 液体吐出ヘッド
111 吐出エレメント
112 セラミックプレート
113 配線基板
502 ヒータボード
511 流路形成部材
517 天板ノズル
516 ノズル補強壁

Claims (6)

  1. 液体を吐出することで画像を記録する液体吐出記録装置に使用される液体吐出ヘッドにおいて、
    シリコン基板で挟み込んだ感光性樹脂によって形成された液体吐出ノズルを有し、
    該液体吐出ノズルの吐出口を有する面にある感光性樹脂部とシリコン部の両方に、
    分子内にケイ素原子を有し、かつ、その分子構造中における、2個のフッ素原子が結合してなる炭素鎖の炭素の数が3〜6個の範囲内であるケイ素含有フッ素化合物が塗布されて撥水性が付与されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記ケイ素含有フッ素化合物が、下記一般式(1)で示される化合物であり、かつ、分子量が10,000以下である請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
    Figure 2014030927
    (ただし、式中の、n、m、pは整数、Rはアルキル基またはアルコキシ基であり、Xはハロゲン原子であり、aは1〜4の整数であり、b、cはそれぞれ独立に0〜3の整数であって、かつ、b+c=3である。)
  3. 前記ケイ素含有フッ素化合物が、ハイドロフルオロエーテル溶媒に溶解されて塗布されている請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記感光性樹脂部と前記シリコン部の両方の面における表面エネルギーが13〜15mN/mであり、かつ、これらの面の、表面張力が30mN/m以上のインクに対しての接触角が75度以上であり、これらの面の摩擦係数が0.3以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 液体を吐出することで画像を記録する液体吐出記録装置において、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドであって、かつ、液体吐出ノズルの吐出口から液体を吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を含んでなる液体吐出ヘッドが搭載されていることを特徴とする液体吐出記録装置。
  6. 前記液体吐出ノズルの吐出口を有する面を拭く機構が、さらに搭載されている請求項5に記載の液体吐出記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018034311A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置

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