JP2014030505A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より短時間で撮影視野を設定することが可能なMRI装置を提供する。
【解決手段】 被検体を収容する空間に均一な静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記静磁場へ重畳して傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生手段と、前記被検体へ照射する高周波磁場を発生する高周波コイルと、前記被検体から発生するNMR信号を検出する手段と、前記検出された信号を画像化する手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置であって、前記高周波コイルの位置を検出する高周波コイル位置検出手段と、前記検出した高周波コイルの位置に応じて、前記被検体の所望の部位を撮影するための撮影視野を設定する設定手段を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、MRIという。)装置に係り、特に、受信コイルの位置を検出して撮影視野を好適に設定可能なMRI装置に関する。
MRI装置は、磁場中に置かれた被検体の核磁気共鳴(以下「NMR」という)現象から得られる信号を計測し演算処理することにより、被検体中の核スピンの密度分布、緩和時間分布等を断層像として画像表示するものであり、人体を被検体として各種の診断等に使用されている。NMR現象から信号を得るためには、空間的、時間的に一様な静磁場中に被検体を置き、高周波コイルによりパルス状に電磁波を被検体に照射し、それによって発生するNMR信号を高周波コイルにより受信する。さらにNMR信号に位置情報を与えるために静磁場に傾斜磁場が重畳される。
MRI装置において、撮影視野(FOV:Field of View)を設定する技術に、特許文献1記載の従来技術がある。より具体的に特許文献1では、被検体の全身を位置決め画像(スカウト画像)として撮像した後に、該位置決め画像上に複数のFOVを複数のROI(関心領域:Region of Interest)により設定して、該ROIの配置に応じて、被検体を載せたテーブルを連続的あるいはステップ毎に動かすことにより、被検体の広範囲の画像を取得する技術が開示されている。特に特許文献1記載の従来技術によれば、例えば、被検体の体軸がテーブルの長手方向から傾いていたり、被検体の撮像部位が所望の位置からずれていたりした場合に、該傾きあるいはずれを考慮して被検体を載せたテーブルを移動させることができる。
特許第4219388号公報
しかしながら、本発明者らは、上記従来技術を検討した結果次の問題に気がついた。すなわち、MRI装置において装置の静磁場中心以外に撮影視野を設定してする撮像は、被検体がテーブルの長手方向に対して傾いていて、被検体の撮像部位が所望の位置からずれている場合以外に、被検体の片腕や片足の撮像等のように、被検体の非対称的な部分を撮像する場合もある。そのような装置の静磁場中心以外の位置に撮影視野を配置して撮像する場合、先ず大きな視野で位置決め画像の撮影を行い、位置決め画像上に撮影視野をROIにより設定する必要があった。このような場合、予め必要より大きな撮影視野について位置決め画像の撮影を行うことが必要となるため、余分な時間を必要とした。
本発明の目的は、より短時間に撮影視野を設定することが可能なMRI装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、被検体を収容する空間に均一な静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記静磁場へ重畳して傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生手段と、前記被検体へ照射する高周波磁場を発生する高周波コイルと、前記被検体から発生するNMR信号を検出する手段と、前記検出された信号を画像化する手段と、を備えたMRI装置であって、
前記高周波コイルの位置を検出する高周波コイル位置検出手段と、前記検出した高周波コイルの位置に応じて、前記被検体の所望の部位を撮影するための撮影視野を設定する設定手段を備える。
本発明によれば、より短時間で撮影視野を設定することが可能なMRI装置を提供することができる。
本発明のMRI装置の一例の全体概要 MRI装置において位置決めをする際における、従来のレーザーの用いられ方である。 図2(a)の26で示したガントリの内側に、レーザー固定金具31を配置する位置を示したもの 寝台27の一部及び、レーザー固定具31の斜視図 図4と同じ寝台27の一部及び、レーザー固定具31の斜視図を示した図であるが、レーザーの向きを受信コイルの配置される位置へ向くように変えた後、その向きより、受信コイルの寝台27上での位置を割り出すための計算の一部を示したもの 図5で一部を説明した計算により受信コイルの位置を求めた後、その位置を中心として撮影視野を設定して撮影を行う場合の概念図
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
最初に、本発明に係るMRI装置の一例の全体概要を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施形態の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るものである。図1に示すように、MRI装置は静磁場発生系2と傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4を備えて構成される。
静磁場発生系2は、垂直磁場方式であれば、被検体1の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に均等な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場パルスを印加する傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシーケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場gxin、gyin、gzinを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルスを印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルスと周波数エンコード方向傾斜磁場パルスを印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
シーケンサ4は、高周波磁場パルスと傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、ディジタル信号処理装置8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
送信系5は、被検体1の生態組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1に高周波磁場パルスを照射するもので、高周波発信器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル(送信コイル)14aとから成る。高周波発信器11から出力された高周波磁場パルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調された高周波磁場パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、高周波磁場パルスが被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1の応答のNMR信号が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ20とを有し、受信系6からのデータがディジタル信号処理装置8に入力されると、ディジタル信号処理装置8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18等に記録する。
操作部25は、MRI装置の各種制御情報や上記信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス23、及び、キーボード24から成る。この操作部25は、ディスプレイ20に近接して配置され、操作者がディスプレイ20を見ながら操作部25を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
尚、図1において、送信側の高周波コイル14aと傾斜磁場コイル9は被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体1に対向して、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体に対向して、或いは取り囲むように設置されている。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
次に、図2を用い、MRI装置において位置決めをする際における、従来のレーザーの用いられ方について説明する。ただし図2(a)はガントリと寝台を横から見た図であり、図2(b)はガントリと寝台を上から見た図である。また、図2において26はガントリの内側、27は寝台、28はレーザー発信器、29は受信コイル、30はレーザー発信器28によって照射されたレーザーによる目印である。従来は、レーザー発信器28によって寝台27上の所定の位置を照射し、その照射された位置に受信コイル29が配置されるように、寝台27を移動させて、位置調整をしていた。
次に、本実施例を図3〜図6を用い説明する。図3は、図2(a)の26で示したガントリの内側に、レーザー固定具31を配置する位置を示したものである。31aで示され、撮影空間側に配置されたものは、レーザーの照射されるφ方向の向きを変更させるφ方向設定検出部であり、31bで示され、ガントリ側に配置されたものは、レーザーの照射されるθ方向の向きを変更させるθ方向設定検出部である。
図4は、寝台27の一部及び、レーザー固定具31の斜視図を示したものである。ただし、レーザー固定具31は、レーザーの照射されるφ方向の向きを変更させてその角度を角度エンコーダにより検出するφ方向設定検出部31aと、レーザーの照射されるθ方向の向きを変更させてその角度を角度エンコーダにより検出するθ方向設定検出部31bより成っている。それよりレーザーの向きを寝台上の所望の位置へ移動させられるようになっている。
図5は、図4と同じ寝台27の一部及び、レーザー固定具31の斜視図を示した図であるが、レーザーの向きを受信コイルの配置される位置へ向くように変えた後、その向きより、受信コイルの寝台27上での位置を割り出すための計算の一部を示したものである。より具体的には、レーザー発信器28の配置される高さが予めhと決まっており、図4のθで示した角度は、レーザー固定具31によりレーザーが照射される向きの、鉛直方向下向きに対する角度である。これにより、h×tanθをlとして求めて、受信コイルの位置の、レーザー発信器28の鉛直方向真下からの距離を、求めることができる。
更に図5には示していないが、φ方向設定部31aによるφ方向へのレーザーの照射される方向より、受信コイルの位置の水平方向への位置を求める。その結果、受信コイルの水平方向への位置は(1×cosφ、1×sinφ)となる。
次に図6は、図5で一部を説明した計算により受信コイルの位置を求めた後、その位置を中心として撮影視野32を設定して撮影を行う場合の概念図である。
本実施例によれば、被検体の全体を予め位置決め撮像をすることなく、受信コイル位置に合わせて最適な大きさで撮影視野の設定ができる。この場合、撮影視野の設定にかかる時間が短時間となる。
本発明は、MRI装置に利用することができる。
31a φ方向設定部、31b θ方向設定部

Claims (1)

  1. 被検体を収容する空間に均一な静磁場を発生させる静磁場発生手段と、前記静磁場へ重畳して傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生手段と、前記被検体へ照射する高周波磁場を発生する高周波コイルと、前記被検体から発生するNMR信号を検出する手段と、前記検出された信号を画像化する手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記高周波コイルの位置を検出する高周波コイル位置検出手段と、前記検出した高周波コイルの位置に応じて、前記被検体の所望の部位を撮影するための撮影視野を設定する設定手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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