JP2014028835A - 基底細胞癌及び他の腫瘍の治療におけるシクロパミンの使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
がら、腫瘍細胞の分化、及びこれと同時にアポトーシス及びこれらの腫瘍細胞の除去を生
じることによって治療効果を達成するためのin vivoでの基底細胞癌(BCC)へ
のシクロパミンの使用に関する。シクロパミンによりアポトーシスを引き起こすことは、
非遺伝毒性の機構によるものであり、従って、DNAに損傷を引き起こす作用を有する放
射線治療及び、現在使用されるほとんどの癌の化学療法薬とは異なっている。従来の癌の
化学療法薬により達成されなかった、これらの新規の効果により、癌治療に、さらにBC
Cと、増殖の防止のため、及びアポトーシスのためのヘッジホッグ/スムーズンドシグナ
ル信号伝達経路を使用する他の腫瘍との治療において、シクロパミンの使用が、非常に望
ましいものとなった。
Cの治療は、正常組織の縁と共に腫瘍を外科的に削除することと、手術の実現可能性がな
いか、又は望ましくない場合における、電離放射線又は他の手段による、腫瘍細胞の破壊
とを含む。潜在的な副作用として、傷及び美感を損なうことがあるが、腫瘍細胞を残さな
い外科的切除は、回復を実現する。放射線治療は、回復不可能なほどの大量のDNAの損
傷を起こし、次に、腫瘍細胞のアポトーシスを引き起こすことにより、作用する。放射線
治療の作用の形態、すなわちDNAの損傷に続く、アポトーシスは、癌治療に現在使用さ
れている多くの化学療法剤と同様である。しかし、放射線治療、及び細胞障害性の癌の化
学治療は、腫瘍細胞に加えて、患者の正常細胞内のDNA損傷を生じる可能性を有する。
その結果、癌治療におけるそれらの有効性及び実用性は著しく限定される。さらに、放射
線及び遺伝毒性癌の化学療法の使用に伴うジレンマとして、最初の腫瘍の治療が実現でき
たとしても、最初の腫瘍の治療中に被ったDNAの損傷及び生じた変異により、患者の新
規癌の発生リスクが著しく上昇していくという、不安な要因がある。従って、非遺伝毒性
手段により、選択的に腫瘍細胞にアポトーシスを起こすことは、癌治療の分野において、
最適であり得る。
定されたヘッジホッグ(hedgehog)タンパク質に対する受容体として作用する、
膜貫通型のタンパク質をエンコードするパッチド(patched)遺伝子の非活性変異
を示している。ヘッジホッグによってリガンドされない場合、パッチドタンパク質は、他
の膜貫通タンパク質スムーズンド(smoothened)による細胞内情報伝達を抑制
するように作用する。ヘッジホッグとパッチドの結合は、この抑制の緩和を生じる。スム
ーズンドによって緩和された細胞内情報伝達は、次に、ヘッジホッグ標的遺伝子の発現、
及び細胞内の役割の変性を最終的に生じる一連の細胞内の事象を開始する。ヘッジホッグ
/スムーズンド経路の情報伝達の一般的な形態は、ショウジョウバエ(Drosophi
la)で同定され、ショウジョウバエからヒトまで多様な生体組織へ受け継がれている。
しかし、経路は、より進化した組織では、より複雑である(ヒトにおいては、ショウジョ
ウバエの単一パッチド遺伝子に非常に類似を示す一つ以上の遺伝子が存在する等)。パッ
チドの非活性変異は、ヘッジホッグ/スムーズンド経路を経由する構造的な(リガンドな
しの)信号伝達を生じることが見出された。ヘッジホッグ/スムーズンド経路の過活性は
、パッチド及び/又は更に下流の経路の要素の変異により生じ、全てのBCC内で見出さ
れる。母斑性基底細胞癌症候群(NBCCS)は、パッチドのハプロ不全により生じる。
NBCCSの患者は、全ての細胞が既に変異パッチドのため、老化するにつれ、複数のB
CCを発生させる。
、シクロパミン、又は医学的に許容可能なシクロパミン塩の使用方法を提供する。
請求項2に記載の発明は、基底細胞癌の局所治療に使用するために、シクロパミン、又
は医学的に許容可能な化合物を製造するためのシクロパミン、又は医学的に許容可能なシ
クロパミン塩の使用方法を提供する。
おける、シクロパミン、又は医学的に許容可能なシクロパミン塩の使用方法を提供する。
請求項4に記載の発明は、腫瘍内注射を含む、非局所的手段による基底細胞癌の治療に
使用のための医学的に許容可能な化合物を製造するための、シクロパミン、又は医学的に
許容可能なシクロパミン塩の使用方法を提供する。
容可能なシクロパミン塩、又はシクロパミン誘導体の使用方法を提供する。
請求項6に記載の発明は、基底細胞癌の局所治療に使用のための、医学的に許容可能な
化合物を製造するための、シクロパミン、医学的に許容可能なシクロパミン塩、又はシク
ロパミン誘導体の使用方法を提供する。
における、シクロパミン、医学的に許容可能なシクロパミン塩、又はシクロパミン誘導体
の使用方法を提供する。
使用のための医学的に許容可能な化合物を製造するための、シクロパミン、医学的に許容
可能なシクロパミン塩、又はシクロパミン誘導体の使用方法を提供する。
クロパミン塩の使用方法を提供する。
シクロパミン、医学的に許容可能なシクロパミン塩、又はシクロパミン誘導体の使用方法
を提供する。
医学的に許容可能な化合物を製造するための、シクロパミン、医学的に許容可能なシクロ
パミン塩、又はシクロパミン誘導体の使用方法を提供する。
となる(ベース)クリーム、軟膏、又はゲルの混合物により溶解され得る。シクロパミン
は、ハイドロゲル、又は放出制御可能な医学的に適用可能な形態により取り込まれ得、且
つ皮膚班において吸収され得る。図1A〜図1D、図2A〜図2F、図3A〜図3G、図
4A〜図4Dに示される効果は、クリーム内に最終濃度が18mMのシクロパミンを得る
ために、エタノール内のシクロパミンの溶液をベースクリームと混合することにより取得
されたクリーム調合液により得られてきた。使用したベースクリームは、重パラフィンオ
イル(10重量%)、ワセリン(10重量%)、ステアリルアルコール(8重量%)、ポ
リオキシルステアレス−40(3重量%)及び水(68重量%)から主に製造されるが、
他の適切に調合したベースクリームがさらに可能である。最適な投薬量として医学的に適
用可能な形態のシクロパミンの最適な濃度及び投与のスケジュールは、特定の医学的に適
用可能な形態、局在化、腫瘍を含む皮膚の特性(表皮の厚さ等)、及び腫瘍の大きさ等の
因子により、明らかに影響を受け得る。しかしこれは、周知の公開された最適化の方法に
従って、判定され得る。図1A(鼻唇溝上のBCC、表面に約4×5mm)及び図1C(
額のBCC、表面に約4×4mm)に示される腫瘍に従った、投薬量及び投与のスケジュ
ールは、以下の通りである。10±2μlのクリームが、約午前9時から開始して、約3
時間半の間隔で一日に4回、鉄へらを使用して、BCC上に直接塗布された。睡眠中に患
者の皮膚からシーツへ、クリームを失う可能性のために避けられた、夜間の塗布は、適切
な皮膚班に対して実施され得る。本発明に記載された、シクロパミンへの露出による、正
常な上皮細胞及び毛包細胞の未分化細胞の維持は、水溶液を直接腫瘍内に注射、水溶液又
は、リポソームに取り込まれたシクロパミンの全身投与等の他の可能な投薬形態により耐
容投薬量についての情報を提供する。
臨床的退行を示している。シクロパミンの露出の一週間以内の幾つかの腫瘍領域の視覚的
な消失の他に、図1Bと図1A、図1Dと図1Cの比較により見られるように、典型的な
半透明の外観が失われる。
対象となった、腫瘍領域の顕微鏡による外観を示し、BCCが、ほとんどの前治療領域で
消失されるが、ほんの一部の領域で、高さの著しい減少はあるが、完全には未だ消失して
おらず、従って、顕微鏡観察の対象の残留腫瘍細胞を有している。
域を示している。腫瘍は、非常に少量の物質の内部と、検出不可能な腫瘍細胞とを含む嚢
胞性の構造を残して、消失したように観察され得る。
微鏡の外観を示している。これらの領域は、腫瘍の中心内の巨大な嚢胞を示す残留BCC
、及び外周に向かう、様々な大きさにより、残留BCC細胞の間に位置した小さな嚢胞構
造が含まれることが観察される。
を示し、腫瘍領域には関係なく、残留BCC細胞の間の大規模なアポトーシス活性の存在
を示している。高倍率は、アポトーシスの形態、及び、図2Dにおいて実証されたように
、アポトーシス性の中隔細胞の除去により、三つの小さな嚢胞が、大きな嚢胞に近接結合
する、細胞のアポトーシス性の除去による、嚢胞構造の形成を示すBCC細胞の非常に増
加した頻度を示している。
、シクロパミンクリームと同一の調合のクリーム)による治療後のBCCを示し、対照的
に、腫瘍性BCC細胞とアポトーシス活性が検出されないことを示している。
されることが公知であり、ヘマトキシリン エオジン染色済みの切片上の形態学的な基準
によるアポトーシス活性の定量は、過小評価を提供することが公知である。それにも関わ
らす、表1に示される定量データは、残留BCC細胞間にシクロパミンにより生じたアポ
トーシス活性の著しい上昇を示している。
深いBCCの分化の可能性を上昇する。BCCの免疫組織化学分析によって検査され得る
、この可能性は、本発明の事例において、見出せられ得る。正常な表皮では、基底層細胞
から上皮層細胞への分化は、Ber−Ep4モノクローナル抗体を使用した標識の喪失に
付随して実現される。さらに、Ber−Ep4はBCC細胞を標識し、それらの新生物に
対するマーカとして公知である。図3A、図3B、及びテーブル1の定量データは、Be
r−Ep4が、偽薬治療後の全ての周縁柵状細胞と、BCCの内部細胞の90%以上を強
力に標識するが、シクロパミン治療後の残留周辺細胞、又は内部細胞が、Ber−Ep4
により、標識されないことを示している。シクロパミンの影響によるBCCの分化は、今
まで他の手段は知られておらず、免疫組織化学の基準によるin Vitro及び全ての
細胞で実現するため、非常に例外的な、癌の治療の独立した価値を有する。
皮の基底層細胞を通常標識しないが、分化後の上層細胞を標識する。図3Cは、レクチン
を使用して、シクロパミン治療後のBCCの残留細胞の異質の標識を示し、Ber−Ep
4により検出される分化の工程から、Ulex EuropaeusレクチンI型により
検出される工程までずっと、BCC細胞の分化の一部を示している。
量は、遺伝子毒性剤への細胞の露出により細胞核内に増加することが公知である。DNA
損傷が、閾値を越えて増加した場合、p53は細胞にアポトーシス性の死を引き起こす。
現在一般的に公知のガンの放射線治療、及び遺伝子毒性の癌の化学療法は、この機構によ
り、即ち、DNAの損傷により生じるアポトーシスを引き起こすことにより、大部分が作
用する。モノクローナル抗体DO−7は、正常形態及びミスセンス変異形態(非機能的な
)のp53の双方に結合し得、DNA損傷剤に露出した細胞内のp53の増加を検出する
能力を有することが公知である。
度が、偽薬治療後のBCCと比較して、シクロパミン治療後のBCCでは顕著に減少され
ていることを示している。従って、シクロパミンは、シクロパミン治療後のBCC細胞の
核内のp53を増加させないだけではなく、むしろ減少を生じさせる。p53の発現が、
分化による表皮細胞の減少であると公知であるため、シクロパミン治療後のBCCのDO
−7標識の減少は、BCC細胞のシクロパミン−誘発分化のために生じる可能性が高い。
いかなる場合においても、p53の発現の顕著な減少にも関わらず、シクロパミン治療後
のBCCの大量のアポトーシス活性は、シクロパミン−誘発した腫瘍細胞のアポトーシス
が非遺伝毒性によるものであることを意味する。
が、不適切な固定及び組織の処理により人工的に生じ得るが、公知の技術的な詳細の遵守
は、このような影響の回避を保証する。図3F及び図3Gに示すように、偽薬治療ではな
いが、シクロパミン治療後のBCCでは、一貫して基質から収縮される。従って、シクロ
パミンへのBCCの露出は、さらに、増殖の停止に関連することは明白である。
織のBer−Ep4標識を示している。シクロパミンを使用して治療した、異なる表皮領
域が、図4A、図4B、及び図4Cに示されることにより、Ber−Ep4を使用して標
識した通常のパターン、即ち基底層細胞の標識を表示する。同様に図4Dは、シクロパミ
ンに露出した毛包に対する通常のBer−Ep4標識を示している。従って、通常表皮及
び毛包の未分化細胞は、BCCと同様の、同一のスケジュール及び量のシクロパミンに露
出されるにもかかわらず、維持される。
の高効率の分化、及びアポトーシスの発生は、非遺伝子毒性のシクロパミンの作用とあわ
せて、BCCだけでなく、増殖の抑制と、アポトーシスの及び/又は、分化にヘッジホ
ッグ/smoothened経路を利用する、他の内部の腫瘍へのシクロパミンの使用を
支持する、従来未知の功績である。
膚の表面から高さの顕著な減少及び、透光性の消失によって示されるように、シクロパミ
ン治療後のBCCの急速な退行の顕微鏡外観である。
び腫瘍細胞が無い嚢胞空間を残した腫瘍小塊の消失を示す、シクロパミン治療後のBCC
、及び偽薬治療後のBCCの顕微鏡の外観である。通常組織の縁と共に、BCCの前治療
の位置に対応する皮膚領域が、シクロパミンの露出の5日目及び6日目に、外科的削除さ
れ、及び従来法による固定の対象とされ、切開削除、顕微鏡解析のためにヘマトキシリン
エオジン染色したものである。
のp53発現の減少により、全ての残留BCC細胞の分化を示すシクロパミン治療、及び
偽薬治療後のBCCの免疫組織化学解析である。全ての免疫組織化学標識は、ビオチン標
識の二次抗体と結合したストレプトアビジン結合ペルオキシダーゼを使用した。
p4により、検出される工程に向けて、又は工程を越えて分化されることを示している。
Ber−Ep4は、正常の表皮基底層、及び毛包の未分化細胞と同様に、BCC細胞を染
色するが、正常表皮の分化後の上層細胞は染色しない、公知の分化マーカである。
サイトの分化を減少することが公知である。細胞が遺伝毒性剤に露出された場合に、DO
−7で検出可能なp53の量が細胞内で増加することは周知である。
して染色された。
図4A〜図4Dは、BCCと同じように、シクロパミンの同一のスケジュール及び投薬
量に露出したにもかかわらず、正常の表皮及び毛包の未分化細胞が維持されることを示し
ている。免疫組織化学検出の手順は、図3A,図3Bと同様であり、標識は茶色で示され
る。
ため、12ページと同一の図のカラープリント(図1A、図1B、図1C,図1D、図2
A,図2B,図2C,図2E,図2F、図3A,図3B,図3C,図3D,図3E,図3
F,図3G,図4A,図4B,図4C,図4D)を、12aページとして加えた。出願人
は、特許庁によりこの事実を考慮され及び、12aページを特許出願の一部として扱われ
ることを要求する。しかしながら、ページ12aは、特許庁により必要であるとみなされ
た場合、本特許出願より除去され得る。
Claims (12)
- 基底細胞癌の局所治療における、シクロパミン、又は医学的に許容可能なシクロパミン
塩の使用方法。 - 基底細胞癌の局所治療に使用するために、シクロパミン、又は医学的に許容可能な化合
物を製造するためのシクロパミン、又は医学的に許容可能なシクロパミン塩の使用方法。 - 腫瘍内注射を含む、非局所的手段による基底細胞癌の治療における、シクロパミン、又
は医学的に許容可能なシクロパミン塩の使用方法。 - 腫瘍内注射を含む、非局所的手段による基底細胞癌の治療に使用のための医学的に許容
可能な化合物を製造するための、シクロパミン、又は医学的に許容可能なシクロパミン塩
の使用方法。 - 基底細胞癌の局所治療における、シクロパミン、医学的に許容可能なシクロパミン塩、
又はシクロパミン誘導体の使用方法。 - 基底細胞癌の局所治療に使用のための、医学的に許容可能な化合物を製造するための、
シクロパミン、医学的に許容可能なシクロパミン塩、又はシクロパミン誘導体の使用方法
。 - 腫瘍内注射を含む、非局所的手段による、基底細胞癌の治療における、シクロパミン、
医学的に許容可能なシクロパミン塩、又はシクロパミン誘導体の使用方法。 - 腫瘍内注射を含む、非局所的手段による基底細胞癌の治療に使用のための医学的に許容
可能な化合物を製造するための、シクロパミン、医学的に許容可能なシクロパミン塩、又
はシクロパミン誘導体の使用方法。 - 増殖のため、及び/又はアポトーシス或いは細胞分化の防止のための、ヘッジホッグ/
smoothened信号伝達経路を使用する腫瘍の治療における、シクロパミン、又は
医学的に許容可能なシクロパミン塩の使用方法。 - 増殖のため、及び/又はアポトーシス或いは細胞分化の防止のための、ヘッジホッグ/
smoothened信号伝達経路を使用する腫瘍の治療における、医学的に許容可能な
化合物を製造するための、シクロパミン、又は医学的に許容可能なシクロパミン塩の使用
方法。 - 増殖のため、及び/又はアポトーシス或いは細胞分化の防止のための、ヘッジホッグ/
smoothened信号伝達経路を使用する腫瘍の治療における、シクロパミン、医学
的に許容可能なシクロパミン塩、又はシクロパミン誘導体の使用方法。 - 増殖のため、及び/又はアポトーシス或いは細胞分化の防止のための、ヘッジホッグ/
smoothened信号伝達経路を使用する腫瘍の治療における、医学的に許容可能な
化合物を製造するための、シクロパミン、医学的に許容可能なシクロパミン塩、又はシク
ロパミン誘導体の使用方法。
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