JP2014027992A - 矯正力調整システム - Google Patents

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Abstract

【課題】この矯正力調整システムは、三次元方向に矯正力を与えることを可能とし、歯列矯正装置の貼り換えを行わず、治療時間を短縮し、治療の状況や歯の位置に合わせて、随時矯正力を変更できる。
【解決手段】
矯正力調整システムは、歯列矯正装置1と、ワイヤ4と、緊締具5を備え、歯列矯正装置1は、ブラケット2と、インナーパーツ3を有し、ブラケット2は、内部にスロット20を有し、歯の表面に設置されるものであり、インナーパーツ3は、ワイヤ固定溝30を有し、歯の表面に沿ってスロット20に挿入されるものであり、ワイヤ4は、ワイヤ固定溝30で角度付けされ、緊締具5で固定されるものであり、角度付けは、ローテーション、アンギュレーション、トルクの少なくとも一つ以上に対応する矯正力をワイヤ4に生じさせるものであり、矯正力は、インナーパーツ3を入れ直すことにより、ワイヤ固定溝30の角度付け態様を変更し、調整される。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯に対してローテーション、アンギュレーション、トルク等、3次元方向に矯正力を与える歯列矯正装置の矯正力調整システムに関する。
歯の審美性を向上させるために、不揃いな歯を矯正させる治療が従来から行われている。
〔特許文献1に記載の技術〕
従来の歯列矯正装置として、ワイヤを挿入するための横溝を有するブラケットの前方に縦溝を形成し、縦溝に薄板状のスライド部材を挿入したものが存在する。スライド部材は縦溝に沿って上下方向に移動可能であり、スライド部材を下方に移動すると横溝が閉じられてワイヤが保持される。しかし、スライド部材が薄板状であるから強度が乏しいと共に、スライド部材の正面側の殆どの部分が正面方向に露出しているため外力を受け易く、外力を受けた時に破損する恐れがある。
〔特許文献2に記載の技術〕
特許文献1に記載の技術の課題を解決したものとして、上下のアーム部間に形成されたスロットの開口を、連結部が左右に移動するための空間とすることで、インナーパーツを左右方向に移動させてスロットに挿入できるとともに、アーム部に形成された縦スリットを、前記連結部が上下に移動するための空間とすることで、インナーパーツを回動させて、スロットの開口がインナーパーツのソケットを除いた他の部分に塞がれた状態にできる歯列矯正装置を例示することができる。
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、角ワイヤを用いてトルクをかけようとする時に困難が伴うものであった。
〔その他の従来技術〕
また、特許文献2以外の歯科矯正ブラケットを装着した場合であっても、角度の変更や治療段階ごとのワイヤ角度微調整には、歯列矯正装置を交換して歯面に貼りなおす必要があった。
特許第3512466号公報
特許第4505815号広報
そこで、この発明は、ローテーション、アンギュレーション、トルクといった三次元方向に矯正力を与えることを可能とし、歯列矯正装置の貼り換えを行わず、治療時間を短縮し、治療の状況や歯の位置に合わせて、随時矯正力を変更できる矯正力調整システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本件発明は以下の手段を用いた。
(請求項1記載の発明)
請求項1記載の発明は、歯に矯正力を与える歯列矯正装置の矯正力調整システムであって、矯正力調整システムは、歯列矯正装置と、ワイヤと、緊締具を備え、歯列矯正装置は、ブラケットと、インナーパーツを有し、ブラケットは、内部にスロットを有し、歯の表面に設置されるものであり、インナーパーツは、ワイヤ固定溝を有し、歯の表面に沿ってスロットに挿入されるものであり、ワイヤは、ワイヤ固定溝で角度付けされ、緊締具で固定されるものであり、角度付けは、ローテーション、アンギュレーション、トルクの少なくとも一つ以上に対応する矯正力をワイヤに生じさせるものであり、矯正力は、インナーパーツを入れ直すことにより、ワイヤ固定溝の角度付け態様を変更し、調整されることを特徴とする。
(請求項2記載の発明)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の矯正力調整システムであって、スロットとインナーパーツとは、多角形柱に形成されており、矯正力を調整する為のインナーパーツの入れ直しは、スロットとインナーパーツの接触面の変更であることを特徴とする。
(請求項3記載の発明)
請求項3記載の発明は、請求項2記載の矯正力調整システムであって、スロットとインナーパーツとは、円柱に形成され、双方に対応するストッパが形成されていることを特徴とする。
(請求項4記載の発明)
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の矯正力調整システムであって、反対方向の矯正力を生じさせる為にインナーパーツ(3)の上下を反転させた挿入を行うことを特徴とする
(請求項5記載の発明)
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の矯正力調整システムであって、インナーパーツは、突起部を有することを特徴とする。
(請求項1記載の発明の効果)
請求項1記載の発明であると、矯正治療対象の歯に対し、治療期間中のそれぞれ異なるローテーション、アンギュレーション、トルクといった三次元方向の角度付け要求に応じ、複数個のインナーパーツからそれぞれの歯に合わせて最適なものを選出しそれぞれの歯一本ずつに最適な矯正力を与えることができる。これによって歯列矯正装置の貼り換えを行わず、治療時間を短縮し、治療の状況や歯の角度や位置に合わせて、随時矯正力を変更できる矯正力調整システムを提供することができる。
(請求項2記載の発明の効果)
請求項2記載の発明であると、別のインナーパーツを用いなくても、多角形の角度を利用して、角度付けを変更し、矯正力調整を行なうことができる。多角形柱の角数は多くすれば多くするほど正確な治療が可能になる。
(請求項3記載の発明の効果)
多角柱の角は多いほど(極端な場合は円に近いほど)耐久性が増加し、上記請求項の効果上も好ましい。しかし、角数が大きくなればなるほど、インナーパーツは、製品製造上の公差(誤差)などにより回転方向の力に抵抗できないものとなり、滑りを起こして所定の角度が保てない恐れが生じる。この場合でも、インナーパーツのストッパがブラケットのスロットのストッパに当たることによって滑り回転を阻止することで、所定の角度が保持され、本来の目的を果たすことが可能となる。
(請求項4記載の発明の効果)
上述の発明において、インナーパーツを上下逆方向に挿入して、角度調整を行なうこともできる。上下逆方向に挿入すると、矯正対象の歯に対する応力は、両隣の歯には反対向きの応力として作用する。この応力を利用できるようにインナーパーツを上下逆方向でスロットに挿入して、両隣の歯それぞれの回転を抑えることもできる。
(請求項5記載の発明の効果)
インナーパーツが突起部(操作ハンドル)を有すると、スロットへの挿入およびスロットからの取り外しを、突起部をつまむことによって可能となるため、利便性が向上する。
図1は歯列矯正装置の取付後の全体斜視図である。 図2は歯列矯正装置の取付中の全体斜視図である。 図3はインナーパーツの全体斜視図である。 図4はトルク矯正力を与えるインナーパーツの図である。 図5はトルク矯正力を与える歯列矯正装置の正面図である。 図6はトルク矯正力を与える歯列矯正装置の側面図である。 図7はアンギュレーション矯正力を与えるインナーパーツの図である。 図8はアンギュレーション矯正力を与える歯列矯正装置の正面図である。 図9はアンギュレーション矯正力を与える歯列矯正装置の側面図である。 図10はローテーション矯正力を与えるインナーパーツの図である。 図11はローテーション矯正力を与える歯列矯正装置の正面図である。 図12はローテーション矯正力を与える歯列矯正装置の側面図である。 図13は矯正力変更における歯列矯正装置の全体斜視図である。 図14は矯正力変更における歯列矯正装置の側面図である。
以下にこの発明の矯正力調整システムを実施例として示す各図と共に説明する。
〔1.矯正力調整システムの全体的な構成について〕
図1は歯列矯正装置の取付後の全体斜視図であり、図2は歯列矯正装置の取付中の全体斜視図であり、図3はインナーパーツの全体斜視図である。
実施例1に記載の矯正力調整システムは、図1に示す歯列矯正装置1の接着部11を歯の表面に取り付け、歯に矯正力を与えるものであり、歯列矯正装置1と、ワイヤ4と、緊締具5を備えている。
歯列矯正装置1は、ブラケット2と、インナーパーツ3と、フック10を有している。
ブラッケト2は、歯の表面に設置されるものであり、図1〜2に示すようにスロット20を有しており、インナーパーツ3をスロット20にスライド挿入するものである。
インナーパーツ3は、図3に示すように、ワイヤ固定溝30を有している。
歯に与える矯正力は、ワイヤ4によって生じるものであり、図2に示す態様でワイヤ4をスロット20に挿入されたインナーパーツ3のワイヤ固定溝30に入れ込み、フック10に緊締具5を引っ掛けて、図1に示す態様でワイヤ4を固定する。
緊締具5には、メタル結紮線、結紮糸、エラスティックなどを用いることができる。
〔2.ブラケット2とインナーパーツ3について〕
ブラケット2とインナーパーツ3とは、図1および図2に示すように組み合わせて用いるものである。歯科矯正の施術は、ブラケット2を歯の内側表面または外側表面に取り付け、ブラケット2のスロット20に、インナーパーツ3を挿入するものである。この挿入を、固定する為に、インナーパーツ3は突起部31を有するものとし、ブラケット2は凹部21を有するものとし、突起部31と凹部21とが嵌り合う態様とし、インナーパーツ3とブラケット2の双方に対応するストッパとすることができる。
また、上下の凹部21に対応する2つの突起部31を有するインナーパーツ3とすることもできる。このようにすると、スロット20の内壁面とインナーパーツ3の外壁面とを円筒形状にすることができると共に、円筒形状となったインナーパーツ3の回転を防止することができる。
突起部31を、スロット20挿入時に、ブラケット2から少なくとも突出する態様とすると、突起部31をハンドルとすることができる。突起部31をハンドルとすると、インナーパーツ3の挿入および取り外しが簡単なものとなり、好ましい。
この発明は、ワイヤ固定溝30の形状が異なるインナーパーツ3を複数種類準備し、必要な矯正力にあわせてインナーパーツ3を選出し、スロット20に挿入する矯正力調整システムであるから、交換作業を容易なものとするのである。
各矯正力について説明を簡潔なものとするため、トルク矯正力用、アンギュレーション矯正力用、ローテーション矯正力用、といった単一の矯正力それぞれに対応したインナーパーツ3について説明する。
〔3.トルク矯正力用インナーパーツ3について〕
図4はトルク矯正力を与えるインナーパーツ図であり、図5はトルク矯正力を与える歯列矯正装置の正面図であり、図6はトルク矯正力を与える歯列矯正装置の側面図である。
歯並びの円弧軸(X軸)に対して歯が回転してしまった症状において、歯を元の位置に戻すには、歯が回転してしまった方向と逆向きに矯正力を加える必要がある。このような場合、ワイヤ4を角型のものとし、ワイヤ4に対応してワイヤ固定溝30を上面、下面、底面(底面は歯表面側の側面)を形成し、図4〜図6に示すように、ワイヤ固定溝30が角型のワイヤ4を挟んで捻るように、ワイヤ固定溝30に角度変化を設けるのである。
そして、トルク矯正力の大きさは、ワイヤ固定溝30の角度付けの大きさに依存するものである。図4〜図6に示すワイヤ固定溝30の場合、水平に近づくほど(ワイヤ固定溝30の開口が横向きになるほど)トルク矯正力は小さくなり、垂直に近づくほど(ワイヤ固定溝30の開口が上または下向きになるほど)トルク矯正力は大きくなる。
したがって、トルク矯正力の大きさの調整は、ワイヤ固定溝30の角度付けが異なる複数種類のインナーパーツ3を準備し、必要なトルク矯正力に応じて選出する。
例えば、ワイヤ固定溝30を水平面に対し±45°の角度付けするのであれば、5°刻みに−45°〜−5°、+5°〜45°の18種類のインナーパーツ3を準備し、必要なトルク矯正力に応じてインナーパーツ3を選び、スロット20に挿入するのである。そして、長期間の歯科矯正治療中に、歯の位置が正常な位置にX軸回転してきた場合は、再度トルク矯正力を調整する為に、インナーパーツ3を交換することもできる。この時、ブラケット2を歯面から取外す必要がなく、患者の費用負担を軽減することができる。
〔4.アンギュレーション矯正力用インナーパーツ3について〕
図7はアンギュレーション矯正力を与えるインナーパーツの図であり、図8はアンギュレーション矯正力を与える歯列矯正装置の正面図であり、図9はアンギュレーション矯正力を与える歯列矯正装置の側面図である。
頭部の中心から水平に外方向に延びる軸(Z軸)に対して歯が回転してしまった症状において、歯を元の位置に戻すには、歯が回転してしまった方向と逆向きに矯正力を加える必要がある。このような場合、ワイヤ4は角型でも丸型でもよく、図7〜図9に示すように、ワイヤ4を上下に傾斜させるように、ワイヤ固定溝30を設けるのである。
そして、アンギュレーション矯正力の大きさは、ワイヤ固定溝30の傾斜の大きさに依存するものである。図7〜図9に示すワイヤ固定溝30の場合、水平に近づくほど(ワイヤ固定溝30が水平になるほど)アンギュレーション矯正力は小さくなり、垂直に近づくほど(ワイヤ固定溝30の一端が上に移動し、他端が下に移動するほど)アンギュレーション矯正力は大きくなる。
したがって、アンギュレーション矯正力の大きさの調整は、ワイヤ固定溝30の傾斜が異なる複数種類のインナーパーツ3を準備し、必要なアンギュレーション矯正力に応じて選出する。
例えば、ワイヤ固定溝30を水平面に対し±15°の角度付けするのであれば、3°刻みに−15°〜3°、+3〜15°の10種類のインナーパーツ3を準備し、必要なアンギュレーション矯正力に応じてインナーパーツ3を選び、スロット20に挿入するのである。そして、長期間の歯科矯正治療中に、歯の位置が正常な位置にZ軸回転してきた場合は、再度アンギュレーション矯正力を調整する為に、インナーパーツ3を交換することもできる。この時、ブラケット2を歯面から取外す必要がなく、患者の費用負担を軽減することができる。
〔5.ローテーション矯正力用インナーパーツ3について〕
図10はローテーション矯正力を与えるインナーパーツの図であり、図11はローテーション矯正力を与える歯列矯正装置の正面図であり、図12はローテーション矯正力を与える歯列矯正装置の側面図である。
歯の抜け方向の軸(Y軸)に対して歯が回転してしまった症状において、歯を元の位置に戻すには、歯が回転してしまった方向と逆向きに矯正力を加える必要がある。このような場合、ワイヤ4は角型でも丸型でもよく、図10〜図12に示すように、ワイヤ4の両端を歯面に対して遠近させるように、ワイヤ固定溝30を設けるのである。
そして、ローテーション矯正力の大きさは、ワイヤ固定溝30溝底面の歯面への遠近に依存するものである。図10〜図12に示すワイヤ固定溝30の場合、ワイヤ固定溝30溝底が歯面と沿うほど(ワイヤ固定溝30と歯面が平行なほど)ローテーション矯正力は小さくなり、ワイヤ固定溝30溝底の遠近が大きくなるほど(ワイヤ固定溝30の一端が歯面に近づき、他端が歯面から離れるほど)ローテーション矯正力は大きくなる。
したがって、ローテーション矯正力の大きさの調整は、ワイヤ固定溝30溝底の遠近が異なる複数種類のインナーパーツ3を準備し、必要なローテーション矯正力に応じて選出する。
例えば、ワイヤ固定溝30を歯表面に対し±5°の角度付けするのであれば、1°刻みに−5°〜1°、+1〜5°の10種類のインナーパーツ3を準備し、必要なローテーション矯正力に応じてインナーパーツ3を選び、スロット20に挿入するのである。そして、長期間の歯科矯正治療中に、歯の位置が正常な位置にY軸(歯の抜け方向軸)回転してきた場合は、再度ローテーション矯正力を調整する為に、インナーパーツ3を交換することもできる。この時、ブラケット2を歯面から取外す必要がなく、患者の費用負担を軽減することができる。
〔6.複合的な矯正力について〕
上述の通り、トルク矯正力はワイヤ4を捻るワイヤ固定溝30の「角度変化」によって調整され、アンギュレーション矯正力はワイヤ4を略水平に対して傾けるワイヤ固定溝30の「傾斜」によって調整され、ローテーション矯正力はワイヤ4を歯面に対して非平行とするワイヤ固定溝30「底面の歯面への遠近」という三種類の「角度付け」によって調整される。
複合的な矯正力な矯正力を必要とする場合、インナーパーツ3のワイヤ固定溝30に、「角度変化」「傾斜」「底面の歯面への遠近」から少なくとも2つ以上の角度付け態様を有するものとすることができる。この場合も複数種類のインナーパーツ3を準備し、必要な複合的矯正力に応じて選出することができる。
〔7.矯正力の調整について〕
図13は矯正力変更における歯列矯正装置の全体斜視図であり、図14は矯正力変更における歯列矯正装置の側面図である。
矯正力の調整は、前述のインナーパーツ3の交換以外にも、次のような変更方法を例示することができる。図2、図6記載のトルク矯正力用インナーパーツ3を引き抜き、上下逆さにしてスロット20に挿入した態様が、図13、図14に示された矯正力の変更である。
このように、上下逆転して挿入可能なものとすると、前述のトルク矯正力調整であると、「±5°〜45°」とすることができ、交換用インナーパーツ3を準備する個数を半減させることができる。ローテーション矯正力の調整においても同様にインナーパーツ3の準備する個数を半減させることができる。
また、スロット20の内壁面とインナーパーツ3の外壁面とを、多角柱形状としトルク矯正力を調整することができる。例えば、図3及び図6に記載の正八角柱である場合、多角形の角度を利用して、スロット20とインナーパーツ3それぞれの接触面を変更することにより、角度付けを変更し、矯正力調整を行なうことができる。±5°に対して、正八角柱のスロット20の内壁面とインナーパーツ3の外壁面とを一つ進角させると、±50°とすることができる。多角性柱の角数が多いほど、調整できる角度(トルク矯正力)が増加する。正十六角柱であると22.5°刻みで調整することが可能である。
そして、多角形の角を増やし続けると、結果的に円柱となってしまう。円柱となってしまうと、回転してしまいトルク矯正力を維持することが不可能となる。この回転を止めるためのストッパを設けても良い。つまり、図1〜図14に記載された凹部21と突起部31とは、挿入スライドのストッパとして作用しているが、さらに円柱回転ストッパとして凹部21と突起部31をスロット20とインナーパーツ3とに設けることができる。また円柱回転ストッパを、角度調整可能な態様とすることもできる。
この発明は、図1に示す、緊締具5(メタル結紮線、結紮糸、エラスティックなど)を用いてワイヤ4を固定する歯科矯正治療において、様々な態様で応用することができるものである。
1 歯列矯正装置
10 フック
11 接着部
2 ブラケット
20 スロット
21 凹部
3 インナーパーツ
30 ワイヤ固定溝
31 突起部
4 ワイヤ
5 緊締具

Claims (5)

  1. 歯に矯正力を与える歯列矯正装置(1)の矯正力調整システムであって、
    矯正力調整システムは、
    歯列矯正装置(1)と、ワイヤ(4)と、緊締具(5)を備え、
    歯列矯正装置(1)は、
    ブラケット(2)と、インナーパーツ(3)を有し、
    ブラケット(2)は、
    内部にスロット(20)を有し、歯の表面に設置されるものであり、
    インナーパーツ(3)は、
    ワイヤ固定溝(30)を有し、
    歯の表面に沿ってスロット(20)に挿入されるものであり、
    ワイヤ(4)は、
    ワイヤ固定溝(30)で角度付けされ、緊締具(5)で固定されるものであり、
    角度付けは、
    ローテーション、アンギュレーション、トルクの
    少なくとも一つ以上に対応する矯正力をワイヤ(4)に生じさせるものであり、
    矯正力は、
    インナーパーツ(3)を入れ直すことにより、
    ワイヤ固定溝(30)の角度付け態様を変更し、
    調整されること
    を特徴とする矯正力調整システム。
  2. スロット(20)とインナーパーツ(3)とは、
    多角形柱に形成されており、
    矯正力を調整する為のインナーパーツ(3)の入れ直しは、
    スロット(20)とインナーパーツ(3)の接触面の変更であること
    を特徴とする請求項1記載の矯正力調整システム。
  3. スロット(20)とインナーパーツ(3)とは、
    円柱に形成され、双方に対応するストッパが形成されていること
    を特徴とする請求項2記載の矯正力調整システム。
  4. 反対方向の矯正力を生じさせる為にインナーパーツ(3)の上下を反転させた挿入を行うこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の矯正力調整システム。
  5. インナーパーツ(3)は、突起部(31)を有すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の矯正力調整システム。
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