JP2014027939A - 改良された増幅のための核酸の修復 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリヌクレオチドを修復し、これにより、例えば増幅反応における改良された忠実度及び/又は収量で前記ポリヌクレオチドを複製することができる方法の提供。
【解決手段】(a)少なくとも1つの脱プリン部位/脱ピリミジン部位(AP)エンドヌクレアーゼの有効量;DNAリガーゼ;及び補助因子としてのNAD若しくはATPの少なくとも1つを含む反応混合物中で、ポリヌクレオチドを温置すること;及び(b)複製された若しくは増幅された産物の忠実度及び収量の少なくとも1つを増大させることを含む、複製された若しくは増幅された産物の忠実度及び収量の少なくとも1つを増大させるための、ポリヌクレオチドを修復する方法。
【選択図】図11

Description

ポリヌクレオチドの複製、より具体的には増幅は、例えば遺伝子の特性を研究するために、分子生物学において一般的に使用されている。ポリヌクレオチドが何らかの方法で損傷された場合に、複製上の問題が生じる。
例として、米国特許第5,035,996号は、修飾されたヌクレオチドdUTPを増幅反応において使用するポリメラーゼ連鎖反応増幅反応の汚染を抑制するための方法を記載している。この方法は、ウラシルを含有するPCR産物を除去し、その後のPCR反応物の汚染を防止するために、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)を使用する。米国特許公報第2004−0067559A1号も、増幅及び使用の前に、プライマーDNA中の修飾された塩基、例えば単位複製配列中へ組み込むためのdUTPに依存している。次いで、単位複製配列は、例えばUDG及びエンドヌクレアーゼ(Endo)IVを添加することによって断片化されることが可能である。
ホットスタート核酸増幅と呼ばれる1つの増幅方法は、PCR中の誤プライミングを低下させるために使用されてきた。ホットスタート増幅の1つの種類において、ポリメラーゼによる伸長の防止は、PCR反応中に、封鎖された3’末端を有するPCRプライマーが存在することに依存している(例えば、米国公報第2003−0119150号参照)。プライマーは、37℃超の温度で活性のある耐熱性3’−5’エキソヌクレアーゼによって封鎖解除される。従って、エキソヌクレアーゼが37℃超の温度で3’末端の封鎖を解除すると、DNAポリメラーゼは、PCRプライマーを伸長するのみである。あるいは、サーマス・アクアティクス(Thermus aquaticus;Taq)ポリメラーゼは、封鎖された後、増幅温度で活性化される。
Barnes,W.M.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:2216−2220(1994)は、増幅中のみにTaqポリメラーゼを使用することに対する改良として、Vent(登録商標)ポリメラーゼ及びTaqポリメラーゼを使用することを記載している。Ghadessy et al.は、損傷された部位又は脱塩基部位によって停止されていない変異体Taqポリメラーゼを報告した(Ghadessy et al.Nature Biotechnol.22(6):755−9(2004))。
DNAが実質的に損傷を受けている場合、従来の増幅技術が危ういことが報告されている(Di Bernardo et al.Nucl.Acids Res.30:e16(2002))。DNAヌクレアーゼを含有する環境及び微生物への曝露から得られるDNAの分解及び/又は断片化は、法医学、診断検査及び定型的な増幅においてしばしば問題となっており、増幅産物の忠実度及び収量に影響を及ぼす。さらに、保存され、絶滅した生物又は保存された生物から得られたDNAを分析している研究者も、分解されたDNAの問題に直面する。
Fromenty,B.,et al.Nucl.Acids Res.28(11):e50(2000)及び国際公報第WO01/51656は、エキソヌクレアーゼIIIによる処理が、長時間のPCRの収量を改良することを報告した。しかしながら、Fromentyは、エキソヌクレアーゼIIIを使用した場合に、500塩基対未満のDNAに関して、低下した単位複製配列の収量も報告した。エキソヌクレアーゼIIIの使用と関連した問題の1つは、エキソヌクレアーゼIIIがテンプレート及びプライマーを分解することである。AccuTaqLA DNAポリメラーゼ及びDTT(参考文献の実施例2)からもなる酵素配合物中の、DNA修復のためのエキソヌクレアーゼIIIの使用は、米国公報第05/0026147号においてWalkerらによっても記載されている。前記参考文献は、エキソヌクレアーゼIIIを失活した後にオリゴヌクレオチドプライマーを添加するさらなる熱失活段階の必要性を記載する。調製物は、Sigma,St.Louis,MO及びQbiogene(現MP Biomedicals),Irvine,CAによって市販されており、DNA増幅の前にDNAと共に使用するが、これらの調製物の内容物は、供給者によって指定されてはいない。これらの参考文献において記載されるアプローチに関する制限は、修復後及び増幅前の変性段階に関する報告された必要性である。単一の段階で修復を達成し、さらなる分離又は変性段階なしで増幅を達成するために試薬を単に添加することが望ましい。
Di Benardo et al.Nucl.Acids Res.30(4):e16(2002)は、二本鎖DNAの架橋結合された領域間で一本鎖DNAの短い領域を増幅するための前処理としての、T4 DNAリガーゼ(T4リガーゼ)及びイー・コリポリメラーゼの使用を記載した。
損傷を受けたDNAの増幅に対する別のアプローチは、米国公報第2003−0077581号に記載されている。分解された核酸と相同な配列を有する分解されていない核酸に、分解された核酸がハイブリッド形成された。次いで、分解された核酸の領域をヌクレオチド前駆体で充填した。次に、重合酵素及び/又は連結酵素を使用して、断片化された鎖を共有結合させた。
イー・コリDNA polIと増幅前修復のためのT4 DNAリガーゼとの組み合わせの使用が他者により報告されている(Pusch,et al.,Nucl.Acids Res.26:857(1998))。しかしながら、Puschらによると、増幅前産物は、増幅の開始前に精製されなければならない。Eschoo(米国公報第2006/0014154号)も、増幅前の精製段階に関する必要性を記載する。
米国特許第5035996号明細書 米国特許出願公開第2004/0067559号明細書 米国特許出願公開第2003/0119150号明細書 国際公開第2001/51656号 米国特許出願公開第2005/0026147号明細書 米国特許出願公開第2003/0077581号明細書 米国特許出願公開第2006/0014154号明細書
Barnes,W.M.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:2216−2220(1994) Ghadessy et al.Nature Biotechnol.22(6):755−9(2004) Di Bernardo et al.Nucl.Acids Res.30:e16(2002) Fromenty,B.,et al.Nucl.Acids Res.28(11):e50(2000) Di Benardo et al.Nucl.Acids Res.30(4):e16(2002) Pusch,et al.,Nucl.Acids Res.26:857(1998)
要旨
本発明の一実施形態において、DNA等の(但し、DNAに限定されない。)損傷を受けたポリヌクレオチドを修復することによって、複製された又は増幅された産物の忠実度及び収量の少なくとも1つを増大させるための方法が提供される。この方法は、少なくとも1つのAPエンドヌクレアーゼの有効量、DNAリガーゼ及び共因子としてのNAD又はATPのうちの少なくとも1つとを含む反応混合物中で、ポリヌクレオチドを温置することが含まれる。NAD依存性DNAリガーゼは、PCR増幅又は全ゲノム増幅等の方法の特定の使用のために選択される。ATPが利用される場合、DNAのその後の増幅に及ぼす負の効果を最小化する500μM未満のATPの濃度が使用され得る。
反応混合物中でのポリヌクレオチドの修復は、増幅又は複製前に、(標準的な恒温器の温度変動の限界内の)単一温度で達成され得る。例えば、等温性の温度は、1分間から12時間の範囲の温置時間で、4℃から52℃の範囲から選択され得る。
本明細書に記載される本発明の実施形態において、修復中又は修復後及び複製又は増幅前の温度又は他の変性段階は、必要とされない。Norは、修復と複製又は増幅との間に必要とされる精製段階である。従って、修復及び増幅又は複製は、単一段階で達成することが可能である。
増幅は、PCR増幅、ヘリカーゼ依存的増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、全ゲノム増幅または本分野で公知の他の増幅プロトコールによって達成することが可能である。
本方法の実施形態において、ポリヌクレオチドは、天然源、保存された生物材料、法医学的証拠品、生物由来の古代材料、組織生検及び化学合成からなる群から選択される源から得られる。ポリヌクレオチドに対する損傷の種類は、脱プリン塩基/脱ピリミジン塩基(AP)部位、変異誘発されたヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド、ニック、ギャップ、DNA−DNA又はDNA−タンパク質架橋結合及びDNA−RNA架橋結合を含む。
反応混合物中のDNAリガーゼは、耐熱性リガーゼであり得る。例えば、9°Nリガーゼ等のATP依存的リガーゼ、又はTaqDNA等のNAD依存的リガーゼが使用され得る。あるいは、必要とされる共因子がNADであるイー・コリDNAリガーゼ等の中温性リガーゼが使用され得る。
特異的APエンドヌクレアーゼ活性の有効量を有する1つ又はそれ以上のAPエンドヌクレアーゼは、イー・コリ等の細菌、ヒト等の哺乳動物、サーモコッカス(Thermococcus)等の古細菌、又はアフリカブタ熱ウイルス等のウイルスから得られ得る。
反応混合物はさらに、TaqDNAポリメラーゼ、イー・コリDNAポリメラーゼ、BstDNAポリメラーゼ、ファージT4 DNAポリメラーゼ又はファージT7 DNAポリメラーゼ等のファミリーA、B又はY DNAポリメラーゼ、イー・コリpolIV、イー・コリpolV、ヒトpolκ、ヒトpolη、Sso Dpo4、Sac Dbh、Sce polζ、及びヒトpolιを含む。
T4ピリミジン二量体グリコシラーゼ(PDG)及び/又はホルムアミドピリミジン[fapy]−DNAグリコシラーゼ(Fpg)、及び/又はUvrA、UvrB及びUvrC及び場合によってはUvrD又はChoのうちの少なくとも1つをさらに含む反応混合物が提供される。場合によっては、反応混合物はさらに、米国公報第2007/0042379号に記載されるものなどのT7エンドヌクレアーゼI又はその変異体を含み得る。
さらなる実施形態において、反応混合物はさらに、エンドヌクレアーゼVIII、エンドヌクレアーゼV又はエンドヌクレアーゼIII、UDG及びアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(Aag)のうちの少なくとも1つを含み得る。
本発明の一実施形態において、酵素の少なくとも1つがDNAリガーゼであり、酵素の少なくとも1つが、反応混合物の0.0001単位/μLから100単位/μLの濃度を有するAPエンドヌクレアーゼであり、ポリヌクレオチドの修復を増大させるために、2つ又はそれ以上の酵素が、損傷を受けたポリヌクレオチド調製物への添加用に調合された、2つ又はそれ以上の酵素と、その使用のための説明書とを含むキットが提供される。
本発明の別の実施形態において、(1)増幅混合物へ添加すること;及び(2)ポリヌクレオチド修復混合物の不在下で複製された又は増幅されたポリヌクレオチドと比較して、複製された又は増幅されたポリヌクレオチドの収量及び忠実度の少なくとも1つの増大が可能であることに適した緩衝液中で、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ及び少なくとも1つのAPエンドヌクレアーゼの有効量を含むポリヌクレオチド修復混合物が提供される。
DNAポリメラーゼは、BstDNAポリメラーゼであり得る。ポリヌクレオチド修復混合物はさらに、T4 PDGを含み得る。さらに、ポリヌクレオチド修復混合物は、イー・コリFpgを含み得る。ポリヌクレオチド修復混合物はさらに、UvrA、UvrB、UvrC及び場合によってはUvd又はChoのうちの少なくとも1つを含み得る。UvrA、UvrB、UvrC、UvrD及びChoは、イー・コリ等の細菌から得られ得、又は真核生物の等価物が使用され得る。ポリヌクレオチド修復混合物はさらに、エンドヌクレアーゼVIII、エンドヌクレアーゼV又はエンドヌクレアーゼIIIのうちの少なくとも1つを含み得る。ポリヌクレオチド修復混合物はさらに、UDG及びAagのうちの少なくとも1つを含み得る。組成物はさらに、PDG、UDG、エンドヌクレアーゼVIII及び/又はFpgを含み得る。
本発明の実施形態において、ポリヌクレオチド修復混合物は、イー・コリから得られたDNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、APエンドヌクレアーゼ、PDG、UDG、エンドヌクレアーゼVIII及びFpgのうちの1つ又はそれ以上を含む。例えば、ポリヌクレオチド修復混合物中のAPエンドヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼVIII、UDG及びFpgは全て、イー・コリから得ることが可能である。これらの実施形態において、PDGは、T4 PDGであり得、DNAリガーゼは、TaqDNAリガーゼであり得、DNAポリメラーゼは、BstDNAポリメラーゼであり得る。
本発明の実施形態において、ポリヌクレオチド修復混合物中の酵素濃度は、以下に記載される範囲にある:T4 PDGの濃度範囲は、0.0001単位/μLから4単位/μLの濃度範囲である。TaqDNAリガーゼの濃度範囲は、0.00001単位/μLから100単位/μLであり、BstDNAポリメラーゼの濃度範囲は、0.00001単位/μLから2単位/μLであり、イー・コリエンドヌクレアーゼIVの範囲は、0.0001単位/μLから100単位/μLであり、エンドヌクレアーゼVIIIの範囲は、0.00001単位/μLから20単位/μLであり、UDGの範囲は、0.00001単位/μLから20単位/μLであり、及びFpgの範囲は、0.000001単位/μLから0.1単位/μLである。
本発明の一実施形態において、上述のポリヌクレオチド修復混合物によってポリヌクレオチド断片中の配列エラーを修復することと及びポリヌクレオチド断片をクローニング又は配列決定することとを含む、ポリヌクレオチド断片をクローニング又は配列決定するための方法が提供される。ポリヌクレオチド修復混合物は、ベクター中にクローニングするために、ポリヌクレオチドの平滑末端化を生じ得る。
本発明の一実施形態において、(a)少なくとも第一対と、ポリヌクレオチドにハイブリッド形成される場合、プライマーの第一セット内で入れ子状態にあるプライマーの第二対とを得ること;(b)上述の修復混合物にポリヌクレオチドを供すること;(c)プライマーの第一セットでポリヌクレオチドを増幅すること;(d)(c)の産物をプライマーの第二セットで増幅すること;及び(e)増幅されたポリヌクレオチドの増大した収量を得ることを含む、複製された又は増幅されたポリヌクレオチドの収量を増大させるための方法が提供される。
クローニングの方法及び上述の複製された又は増幅されたポリヌクレオチドの収量を増大させるための方法において、組成物は、TaqDNAリガーゼ等のDNAリガーゼ、BstDNAポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼ、T4 PDG等のPDG、及びエンドヌクレアーゼIV、エンドヌクレアーゼVIII、Fpg及び場合によってはイー・コリ由来のものなどのUDGを含有し得る。
本発明の一実施形態において、(a)DNAリガーゼの有効量、DNAポリメラーゼ及び配列決定反応に適合する緩衝液中で実質的に非特異的DNA分解活性を欠失しているAPエンドヌクレアーゼのある濃度を含む組成物と、ポリヌクレオチドとを接触させること;及び(b)ポリヌクレオチドを配列決定することを含む、ポリヌクレオチドを配列決定するための方法が提供される。
本発明の別の実施形態において、(a)増幅反応又は複製反応に適合する緩衝液中で、DNAリガーゼの有効量、DNAポリメラーゼ及び、実質的なエキソヌクレアーゼ活性を欠失しているAPエンドヌクレアーゼのある濃度を含有する組成物と、断片化されたDNAとを接触させること;(b)イー・コリrecA又はファージλβタンパク質等の組換え形質転換受容性タンパク質を場合によって添加すること;及び(c)断片化されたDNAを増幅又は複製することを含む、断片化されたDNAを複製又は増幅するための方法が提供される。
図面の簡単な説明
図1A−1Dは、特定の酵素との前温置後の、熱損傷を受けたλDNAからの増大した単位複製配列収量を示す。
図1Aは、熱による異なる程度に損傷を受けたDNAテンプレート、及びλDNAの5kbセグメントの増幅に及ぼすこの損傷の効果を示す。ここにおいて、λDNAを99℃で0秒間、30秒間、60秒間、90秒間、120秒間又は180秒間熱処理することによって前損傷後、熱処理されたλDNA5ng、2ng及び1ngを増幅する。損傷を受けたDNAは、増幅前の酵素処理に供されなかった。増幅量を電気泳動後に測定し、120秒間の熱処理によって実質的に減少することを発見した。ゲル上の第一のレーンは、2ログラダーのサイズ標準物質(NEB#N3200、New England Biolabs,Inc.,(NEB),Ipswich,MA)1μgを含有している。
図1Bは、λDNAの5kbセグメントの増幅において、TaqDNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及びイー・コリpolIを使用する、熱損傷を受けたλDNAからの増大した単位複製配列収量を示す。DNAを図1Aにおいて記載されるように熱損傷したが、増幅前に、損傷を受けたDNAを酵素処理に供した。TaqDNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及びイー・コリpolIによる10分間の前処理反応後の増幅結果を示す。単位複製配列収量は全体的に増大したが、120秒間及び180秒間の熱損傷を受けたDNAで特に顕著であった。ゲル上の最初と最後のレーンは、2ログラダーのサイズ標準物質(NEB#N3200,NEB,Ipswich,MA)1μgを含有している。
図1Cは、TaqDNAリガーゼ、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)(Tth)エンドヌクレアーゼIV及びイー・コリpolIを使用する、熱損傷を受けたλDNAからの増大した単位複製配列収量を示す。増幅前の酵素処理は図1Bに従って増幅を実施したが、イー・コリエンドヌクレアーゼIVの代わりに、TthエンドヌクレアーゼIVを含有していた。TaqDNAリガーゼ、TthエンドヌクレアーゼIV及びイー・コリpolIによる10分間の前処理反応後の増幅の結果を示す。単位複製配列収量は全体的に増大したが、120秒間及び180秒間の熱損傷を受けたDNAで特に顕著であった。第一のレーンのみが、分子量マーカーラダーを含有している。
図1Dは、イー・コリDNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及びイー・コリDNA polIを使用する、熱損傷を受けたλDNAからの増大した単位複製配列収量を示す。増幅前の酵素処理は図1Bに従って増幅を実施したが、TaqDNAリガーゼの代わりに、イー・コリDNAリガーゼを含有していた。99℃で180秒間に供したλDNAをテンプレートとして使用した。使用されたテンプレートDNAの量を、各レーンの上に示す。5kb単位複製配列の収量は、酵素前処理によって、テンプレートの各量に関して増大する。
図2A及び図2Bは、単位複製配列収量に及ぼすテンプレートDNAのクエン酸緩衝液(pH5)の処理の効果を示す。
図2Aは、クエン酸緩衝液(pH5)中で0、20、40、80、120及び160分間、λDNAを70℃まで加熱した場合の、λDNAの5kbセグメントの増幅の結果を示す。クエン酸で処理された各試料50ng、10ng及び5ngを増幅し、得られた産物をゲル上で可視化し、増幅の程度を決定した。DNAは、増幅前に、選択された酵素で処理されなかった。右側の最後のレーンは、2ログラダー1μgを含有している。
図2Bは、DNAポリメラーゼを酵素混合物中で使用したにもかかわらず、λDNAの5kb単位複製配列の収量が増大したことを示す。クエン酸で120分間損傷を受けたλDNAを、増幅前に多様な酵素で処理した。
レーン1:2ログラダー(NEB# N3200、NEB、Ipswich、MA)1μg。
レーン2:前処理無し。
レーン3:Taq DNAリガーゼ、Taq DNAポリメラーゼ及びイー・コリエンドヌクレアーゼIVによる前処理。
レーン4:Taq DNAリガーゼ、イー・コリpolI及びイー・コリエンドヌクレアーゼIVによる前処理。
レーン5:Taq DNAリガーゼ、Taq:Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ混合物及びイー・コリエンドヌクレアーゼIVによる前処理。
図3は、オキアミのエタノール保存された試料から抽出され、多様なDNAポリメラーゼのうちの1つ、DNAリガーゼ及び増幅収量を増大させるAPエンドヌクレアーゼを含有する酵素混合物で前処理されたオキアミゲノムの200塩基対セグメントの増幅結果を示す。
レーン1:オキアミDNAの酵素による前処理無し。
レーン2:オキアミDNAの、Taq DNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及びTaq DNAポリメラーゼによる前処理。
レーン3:オキアミDNAの、Taq DNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及びVent(登録商標)ポリメラーゼによる前処理。
レーン4:オキアミDNAのTaq DNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及び50:1のTaq:Vent(登録商標)DNAポリメラーゼによる前処理。
図4は、熱損傷を受けたDNAからの10kb単位複製配列の収量の増大を示す。180秒間の熱損傷を受けたDNAを、酵素混合物で前処理した後、増幅した。
レーン1:2ログラダーサイズ標準(NEB# N3200、NEB、Ipswich、MA)1μg。
レーン2:Taq DNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及びイー・コリpolIによる前処理。
レーン3:Taq DNAリガーゼ及びイー・コリエンドヌクレアーゼIVによる前処理。
レーン4:Taq DNAリガーゼによる前処理。
レーン5:対照、処理されていないDNA。
図5は、DNAリガーゼ前処理によって、環境DNA(土壌試料抽出物)からの単位複製配列収量が増大することを示す。
レーン1:2ログラダーサイズ標準(NEB# N3200、NEB、Ipswich、MA)。
レーン1:酵素前処理無し。
レーン2:T4 DNAリガーゼによる前処理。
レーン3:酵素前処理無し。
レーン4:Taq DNAリガーゼによる前処理。
図6A−1から6A―9及び6B−1から6B−2:イー・コリDNAリガーゼ(A)及びT4 DNAリガーゼ(B)を使用するNCBIでのBlast P検索。
図7は、TthエンドヌクレアーゼIVのDNA配列(配列番号11)を示す。
図8A、8B及び8Cは、λDNAを使用する単位複製配列収量に及ぼす紫外線の効果を示す。
図8Aは、λDNAを50秒間まで紫外線照射に供し、生じた2kb単位複製配列の収量のわずかな減少を示す。
図8Bは、λDNAを50秒間まで紫外線照射に供し、5kb単位複製配列の収量の減少を示す。
図8Cは、紫外線照射後の5kb単位複製配列の収量に及ぼすλDNAに添加された多様な反応混合物の効果を示す。
レーン2−7は、反応混合物が存在しない対照である。
レーン8−13は、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼプラスT4 pdg10単位の添加による増加した有益な効果を示す。
レーン14−19は、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼプラスT4 pdg80単位の添加による増加した有益な効果を示す。
レーン1及び20:2ログラダーサイズ標準(NEB# N3200、NEB、Ipswich、MA)。
図9A及び9Bは、T7エンドヌクレアーゼIへDNAリガーゼを添加すると、産物が分解されないEndoI:DNA比の有用な範囲が拡大することを示す。Taq DNAリガーゼ及びT7エンドヌクレアーゼIが高次コイルDNAに各レーンに示されている種々の量にて添加された。
図9Aは、TaqDNAリガーゼは添加されていないが、T7エンドヌクレアーゼIの増大する量が使用された対照である。高次コイルDNAは、T7エンドヌクレアーゼIの12.5から25単位を有する多様なサイズの断片に主に切断された。
図9Bは、TaqDNAリガーゼの100単位の添加が、T7エンドヌクレアーゼIの存在下で、非特異的切断からDNAをどのように保護するかを示す。T7エンドヌクレアーゼの200単位でさえ、DNAリガーゼの不在下では存在しない直鎖DNAに相当する明確なバンドがあるよう保護される。
図10A及び10Bは、酸化的損傷を受けたDNA又は損傷を受けていないテンプレートからの単位複製配列収量に及ぼす修復酵素処理の効果を示す。
図10Aは、損傷を受けていないテンプレートpWB407へ修復酵素を添加しても、単位複製配列収量に何ら効果がないことを示す。
図10Bは、メチレンブルーの存在下であらかじめ温置された損傷を受けたテンプレートであるプラスミドpWB407にFpgを添加すると、一貫しない収量への効果が付与されることを示す。Fpgの存在下又は不在下でのTaqDNAリガーゼ、イー・コリDNAポリメラーゼ及びイー・コリエンドヌクレアーゼIVの添加は、一貫して、単位複製配列の収量を増大させる。
図11は、修復酵素による処理後の損傷を受けたDNAからの増大したPCR反応忠実度を示す。PCR前に損傷を受けていないテンプレートであるプラスミドpWB407の修復酵素処理は、忠実度に有意な効果を何ら及ぼさない。メチレンブルーと共に温置された損傷を受けたテンプレートであるプラスミドpWB407を、Fpg単独又はTaqDNAリガーゼ、イー・コリDNAポリメラーゼI及びイー・コリエンドヌクレアーゼでも処理すると、PCRの忠実度が増大する。忠実度の測定結果は、以下に論議されるlacZを含有する単位複製配列をクローニングした後の白色コロニー数対青色コロニー数である。白色コロニーの割合が高ければ高いほど、エラー率は大きい。
図12は、損傷を受けたDNAを処理するための又は忠実度若しくは収量のうちの少なくとも1つを増大させるための、流れ図を示す。
図13A及び13Bは、単位複製配列の収量が、室温で15分間又は4℃で一晩、多重酵素修復混合物と共に温置された、30秒間紫外線損傷を受けたDNAの5kb断片をどのように増大するかを示す。
図13A:室温での温置:
レーン1:2ログラダーのDNA分子量標準物質
レーン2及び3:多重酵素修復混合物なしで室温で15分間温置した2つの反応物
レーン4及び5:室温で15分間修復混合物と共に温置した反応物は、期待された5kbの単位複製配列を有している。
図13B:4℃での温置:
レーン1:2ログラダーのDNA分子量標準物質
レーン2及び3:多重酵素修復混合物なしで4℃で一晩温置した2つの反応物
レーン4及び5:修復混合物と共に4℃で一晩温置した反応物は、期待された5kbの単位複製配列を有している。
図14は、室温にて修復酵素混合物にて15分間処理した後のウラシル含有プラスミドからの増大した単位複製配列収量及び、古細菌DNAポリメラーゼを使用するPCR増幅を示す。レーン1及び2は、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼを使用するpNEB0.92UのPCR増幅の産物を示す。920塩基対にかすかに見えるバンドがある。レーン3及び4は、修復酵素混合物で処理されたpNEB0.92UからのPCR増幅の産物を示す。
図15は、620塩基対の増幅されたDNAに相当するバンドが同定されたアガロースゲルを示す。48ヌクレオチド又はそれより小さな20個の重複する一本鎖オリゴヌクレオチドから、620塩基対の単位複製配列を得た。
レーン1:2ログラダー分子量標準(NEB# N3200、NEB、Ipswich、MA)1μg。
レーン2:組立段階の間、Taq DNAリガーゼ400単位、イー・コリpolI0.1単位、T4pdg5単位及びイー・コリエンドヌクレアーゼIV20単位と共に20のオリゴヌクレオチドを温置。
レーン3:組立段階の間、Taq DNAリガーゼ400単位、イー・コリpolI0.1単位、T4pdg5単位、イー・コリエンドヌクレアーゼIV20単位及びλβタンパク質と共に20のオリゴヌクレオチドを温置。
レーン4:組立段階の間、Taq DNAリガーゼ400単位、イー・コリpolI0.1単位、T4PDG5単位、イー・コリエンドヌクレアーゼIV20単位及びイー・コリRecAと共に20のオリゴヌクレオチドを温置。
レーン5:組立段階の間、Taq DNAリガーゼ400単位、イー・コリpolI0.1単位、T4PDG5単位、エンドヌクレアーゼIV20単位、λβタンパク質及びRecAと共に20のオリゴヌクレオチドを温置。
レーン6:組立段階の間、修復酵素が添加されなかった20のオリゴヌクレオチド、対照。
図16は、選択マーカーを含有するDNAを使用して細胞を形質転換する場合に得られるコロニー数によって決定される、非照射DNA及び照射DNAに及ぼすDNA修復処理の効果を示す。
図17は、入れ子状態の異なるプライマー対を使用する2セットの増幅反応の古代ホラアナグマDNAからの単位複製配列の改良された収量を示す。遺伝子マップは、プライマー対F1−R1、F1−R2及びF1−R4の位置を示す。ゲルの上に、各試料中のミトコンドリアDNAの概算量を表す数のセットが提供される(88、79、10、11、1868及び1314)。レーン3A及び3Bは、最多のDNAを含有している。+/−は、F1−R1を使用する第一の増幅前に、修復混合物を使用したかどうかを示す。レーン3Bにおいて、修復の不在下で存在しない修復されたホラアナグマDNAに相当する鋭いバンドを観察した。
図18は、プラスミドpNEB0.92UのDNA配列(配列番号42)を示す。
図19は、対照と比較した、修復されたDNAから得られる増幅産物を示す。
レーン1及び2は、対照DNA及びUV損傷されたλDNAを示す。
レーン3及び4は、対照DNA及び熱損傷されたλDNAを示す。
レーン5及び6は、対照DNA及び酸化されたプラスミドDNAを示す。
レーン7及び8は、対照DNA及びUV損傷されたヒトゲノムDNAを示す。
レーン9及び10は、対照DNA及びUV損傷された及びAP損傷されたλDNAを示す。
レーン11及び12は、対照DNA及びAP損傷されたλDNAを示す。
図20A―20Bは、λDNAテンプレートから5kb単位複製配列を増幅する能力に及ぼすATPの増大する濃度の効果を示す。検査される8個のATP濃度の各々について3重で反応を実施した。図20Aは、0、15、30及び60μMATPを含有した反応を示す。図20Bは、力価の持続であり、120、240、480及び960μMでのATPの効果を示す。960μMATPの存在によって、PCR反応において960μMのATP濃度にて検出可能な単位複製配列が何ら生じなかった。1%アガロースゲル上での電気泳動に反応物を供し、臭化エチジウム染色によって可視化した。図20A及び20Bの左側のレーンは、広範な範囲の分子量DNAマーカーである。
熱による異なる程度に損傷を受けたDNAテンプレート、及びλDNAの5kbセグメントの増幅に及ぼすこの損傷の効果を示す。 λDNAの5kbセグメントの増幅において、TaqDNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及びイー・コリpolIを使用する、熱損傷を受けたλDNAからの増大した単位複製配列収量を示す。 TaqDNAリガーゼ、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)(Tth)エンドヌクレアーゼIV及びイー・コリpolIを使用する、熱損傷を受けたλDNAからの増大した単位複製配列収量を示す。 イー・コリDNAリガーゼ、イー・コリエンドヌクレアーゼIV及びイー・コリDNA polIを使用する、熱損傷を受けたλDNAからの増大した単位複製配列収量を示す。 クエン酸緩衝液(pH5)中で0、20、40、80、120及び160分間、λDNAを70℃まで加熱した場合の、λDNAの5kbセグメントの増幅の結果を示す。 DNAポリメラーゼを酵素混合物中で使用したにもかかわらず、λDNAの5kb単位複製配列の収量が増大したことを示す。 オキアミのエタノール保存された試料から抽出され、多様なDNAポリメラーゼのうちの1つ、DNAリガーゼ及び増幅収量を増大させるAPエンドヌクレアーゼを含有する酵素混合物で前処理されたオキアミゲノムの200塩基対セグメントの増幅結果を示す。 熱損傷を受けたDNAからの10kb単位複製配列の収量の増大を示す。 DNAリガーゼ前処理によって、環境DNA(土壌試料抽出物)からの単位複製配列収量が増大することを示す。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 イー・コリDNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 T4 DNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 T4 DNAリガーゼを使用するNCBIでのBlast P検索。 TthエンドヌクレアーゼIVのDNA配列(配列番号11)を示す。 Aは、λDNAを50秒間まで紫外線照射に供し、生じた2kb単位複製配列の収量のわずかな減少を示す。Bは、λDNAを50秒間まで紫外線照射に供し、5kb単位複製配列の収量の減少を示す。 Cは、紫外線照射後の5kb単位複製配列の収量に及ぼすλDNAに添加された多様な反応混合物の効果を示す。 T7エンドヌクレアーゼIへDNAリガーゼを添加すると、産物が分解されないEndoI:DNA比の有用な範囲が拡大することを示す。Taq DNAリガーゼ及びT7エンドヌクレアーゼIが高次コイルDNAに各レーンに示されている種々の量にて添加された。Aは、TaqDNAリガーゼは添加されていないが、T7エンドヌクレアーゼIの増大する量が使用された対照である。Bは、TaqDNAリガーゼの100単位の添加が、T7エンドヌクレアーゼIの存在下で、非特異的切断からDNAをどのように保護するかを示す。 酸化的損傷を受けたDNA又は損傷を受けていないテンプレートからの単位複製配列収量に及ぼす修復酵素処理の効果を示す。Aは、損傷を受けていないテンプレートpWB407へ修復酵素を添加しても、単位複製配列収量に何ら効果がないことを示す。Bは、メチレンブルーの存在下であらかじめ温置された損傷を受けたテンプレートであるプラスミドpWB407にFpgを添加すると、一貫しない収量への効果が付与されることを示す。Fpgの存在下又は不在下でのTaqDNAリガーゼ、イー・コリDNAポリメラーゼ及びイー・コリエンドヌクレアーゼIVの添加は、一貫して、単位複製配列の収量を増大させる。 修復酵素による処理後の損傷を受けたDNAからの増大したPCR反応忠実度を示す。 損傷を受けたDNAを処理するための又は忠実度若しくは収量のうちの少なくとも1つを増大させるための、流れ図を示す。 単位複製配列の収量が、室温で15分間、多重酵素修復混合物と共に温置された、30秒間紫外線損傷を受けたDNAの5kb断片をどのように増大するかを示す。 単位複製配列の収量が、4℃で一晩、多重酵素修復混合物と共に温置された、30秒間紫外線損傷を受けたDNAの5kb断片をどのように増大するかを示す。 室温にて修復酵素混合物にて15分間処理した後のウラシル含有プラスミドからの増大した単位複製配列収量及び、古細菌DNAポリメラーゼを使用するPCR増幅を示す。 620塩基対の増幅されたDNAに相当するバンドが同定されたアガロースゲルを示す。48ヌクレオチド又はそれより小さな20個の重複する一本鎖オリゴヌクレオチドから、620塩基対の単位複製配列を得た。 選択マーカーを含有するDNAを使用して細胞を形質転換する場合に得られるコロニー数によって決定される、非照射DNA及び照射DNAに及ぼすDNA修復処理の効果を示す。 入れ子状態の異なるプライマー対を使用する2セットの増幅反応後の古代ホラアナグマDNAからの単位複製配列の改良された収量を示す。 プラスミドpNEB0.92UのDNA配列(配列番号42)を示す。 プラスミドpNEB0.92UのDNA配列(配列番号42)を示す。 対照と比較した、修復されたDNAから得られる増幅産物を示す。 λDNAテンプレートから5kb単位複製配列を増幅する能力に及ぼすATPの増大する濃度の効果を示す。Aは、0、15、30及び60μMATPを含有した反応を示す。Bは、力価の持続であり、120、240、480及び960μMでのATPの効果を示す。
実施形態の詳細な説明
本方法の実施形態は、分子生物学研究において、例えば法医学的分析にて見出されるような断片化された及び損傷を受けたDNAを分析することを含む応用生物学における問題を解決する上において、古代源由来のDNAを分析することが望ましい生物考古学において、生物事業のバーコード(Barcode of Life Project)に必要とされるような環境試料由来のDNAを分析することが望ましい分類学のために、並びに疾病への感受性又は状態を決定するための組織生検などの診断アッセイのために、広範な用途を有する。他の使用には、高い忠実度の配列決定、遺伝子組立、断片分析及び複製、クローニングのための連結並びに一段階修復及び平滑末端化が含まれる。
単離された多くのポリヌクレオチド又はインビトロで複製された多くのポリヌクレオチドは、ある程度損傷を受けている。ポリヌクレオチドの損傷は、個々のヌクレオチドの化学的修飾又はポリヌクレオチド骨格の破壊から生じ得る。ポリヌクレオチドは、ホルムアルデヒド及びメチルメタンスルホナートなどの化学物質、環境因子、極端な温度、酸化、乾燥及び紫外線(UV)光等の多岐にわたる源からの損傷を受ける。損傷の多様な種類には、(a)例えば熱、及びHO若しくはpHの極限等の環境中の因子への曝露によって生じた脱プリン部位又は脱ピリミジン部位損傷、(b)例えば脱アミノ化、アルキル化及び酸化によって生じた個々のヌクレオチドの修飾、(c)例えば熱、及びHO若しくはpHの極限等の環境中の因子への曝露によって生じたニック及びギャップ、(d)例えばホルムアルデヒド、光又は環境因子によって生じた架橋結合、(e)例えばDNAポリメラーゼによるヌクレオチドの誤取り込みによって生じた誤って組み合わさったDNA、並びに、(f)DNAの断片化が含まれる。
損傷は、保存された組織、乾燥した標本又は環境へ曝露されたポリヌクレオチドにおいてより著しい。損傷は、試料又はその源又はその調製物の保存の結果として生じ得る。さらに、損傷は、高温段階を包含するPCR増幅中に生じるなど、ポリヌクレオチド合成のための方法の適用中に生じ得る。それゆえ、ほとんどのポリヌクレオチドは、ある程度の損傷を受けている。増幅中に損傷を受ける見込みが増すので、より長い単位複製配列を分析する場合に、この損傷の有する影響はより大きい。
ポリヌクレオチドは、多様な方法で損傷を持続することが可能である。異なるポリヌクレオチド調製物は、例えばインビトロでのポリヌクレオチド調製物の保存又は取り扱い、ポリヌクレオチドを含有する原核細胞、古細菌又は真核細胞がどのように保存されているか、及びポリヌクレオチドが抽出される細胞の特徴に依存して、損傷の異なる種類を受ける。合成ポリヌクレオチドは、化学合成の間に損傷を持続し得る。
本発明の実施形態は、損傷を受けたポリヌクレオチドを複製又は増幅するための方法における改良を提供する。これらの改良は、損傷を受けたポリヌクレオチドが、複製段階又は増幅段階の前及び/又は間に反応混合物と混合される場合に達成され、複製された又は増幅されたDNAの収量及び/又は忠実度を増大することが可能である。これは、修復酵素と共因子との混合物を含有する反応混合物に該ポリヌクレオチドを添加することによって容易に達成される。増大した収量及び/又は忠実度は、複製された又は増幅された産物の特徴付けに依存する検査の感度及び特異性を改良することが可能である(「増大した」とは、修復混合物の不在下で観察される割合と比較して、収量及び/又は忠実度に関して、出発材料に対する複製された又は増幅された産物の改良された比を得ることを指す。)。
本発明の一実施形態において、本方法は、ポリヌクレオチドにおいて共通して生じる損傷の異なる複数の種類を修復することが可能である酵素の1セットをポリヌクレオチドに添加するために提供する。この酵素のセットは本明細書では、普遍的混合物と呼ぶ。しかしながら、損傷の特定の種類が標的とされる場合、普遍的混合物のサブセットが使用可能であるが、ただし、サブセットは最小でも、DNAリガーゼ、APエンドヌクレアーゼ及び共因子を含む。一般的に、1つの段階で複数の酵素をポリヌクレオチドに添加することは、1つ又はそれ以上の酵素を連続して添加することを除外するものではない。図12は、ポリヌクレオチドによって持続される損傷の種類が知られているか又は知られていないかに従って、適切な修復混合物が、どのように選択され得るのかを示す。
実例となる多様な実施形態において、普遍的酵素混合物は、BstDNAポリメラーゼ、イー・コリDNAポリメラーゼI又はTaqポリメラーゼ、及び中温性エンドヌクレアーゼIV、例えばイー・コリエンドヌクレアーゼIV又は好熱性エンドヌクレアーゼIV、例えばTthエンドヌクレアーゼIV等のAPエンドヌクレアーゼ、及びイー・コリDNAリガーゼ、TaqDNAリガーゼ又は9°N DNAリガーゼ等の古細菌DNAリガーゼから選択されるDNAリガーゼを含有する。普遍的混合物はさらに、以下のうちの1つ又はそれ以上を含有し得る:T4 PDG、イー・コリFpg、UvrA、UvrB、UvrC及び場合によってはUvrD又はChoのうちの少なくとも1つ、エンドヌクレアーゼVIII、エンドヌクレアーゼV又はエンドヌクレアーゼIII、UDG及び/又はAag。
「ポリヌクレオチド」という用語は特に、二本鎖DNA、二本鎖RNA、ハイブリッドDNA/RNA二本鎖、一本鎖DNA及び一本鎖RNAを指す。
「修復酵素」とは、特に、ポリヌクレオチドの修復の過程に関与する好冷性、中温性又は好熱性の酵素を指す。例えば、修復酵素は、結合においてポリヌクレオチドの破損を誘導し、これによりポリヌクレオチドの損傷を受けた領域の除去又は単一ヌクレオチドの除去を促進し得る。DNAリガーゼ及びDNAポリメラーゼ等の合成上の役割を有する酵素も修復酵素である。しかしながら、本発明の一実施形態において、本明細書で使用される修復酵素は、キナーゼを含むことは意図されない。損傷を受けたDNAは、DNAの複製及び/又は増幅を増大させるために、反応混合物へ供される。修復反応は、「単一」温度が、水槽又は冷蔵庫又は反応温度を設定するのに使用される他の装置と関連する温度の微小な変動を含む単一温度で実施することが可能である。
DNA修復酵素は、科学文献に記載されており、例えば、Wood,R.D.,et al.Mutat.Res.577(1−2):275−83(2005)及びEisen,J.A. and Hanawalt,P.C.Mutat.Res.435(3):171−213(1999)を参照されたい。ヒト修復酵素のリストは、以下の表1に提供されている。表1には記載されていないが、列挙されている酵素の相同体及び機能的に関連した他の酵素が、修復酵素の記述に含まれる。上述の酵素のいずれも、天然、組換え又は合成であり得る。これらの酵素のいずれも、幾つもの活性を有する天然の又はインビトロで作製されたキメラタンパク質であり得る。保存された配列モチーフを共有し、類似の酵素活性を有する関連酵素を同定するためのデータベースを検索する方法は、当業者に知られている。例えば、NCBIウェブサイト(www.ncbi.com)は、保存されたドメインデータベースを提供する。例えば、データベースがエンドヌクレアーゼIVの相同体に関して検索される場合、74個の配列の一致が得られる(DNAリガーゼに関しては、図6A−1から6A−9及び6B−1から6B−2も参照されたい。)。
損傷を受けたDNAを修復するための酵素混合物中で使用される「ポリヌクレオチド切断酵素」とは、特に、修復酵素の1クラスを指し、APエンドヌクレアーゼ、グリコシラーゼ及び塩基除去修復に必要とされるリアーゼを含む。
APエンドヌクレアーゼは、ポリヌクレオチドを分解せずに修復に寄与する有効量によって特徴付けられる。APエンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼと付随するエキソヌクレアーゼを有し得る。例えば、エキソヌクレアーゼIIIは、DNAに対して有意な分解活性を及ぼすことが発見された(Fromenty et al.Nucl.Acids Res.28(11):e50(2000)及び米国公報出願第2005−0026147号参照)。本明細書において、有効量とは、例えばオリゴヌクレオチド上のAP部位で特異的に切断するが、標準的なゲル電気泳動によって測定された場合にオリゴヌクレオチドの非特異的分解の検出可能な量を示さない酵素の量として定義される。本明細書において特定されるAPエンドヌクレアーゼの有効量は、0.0001から100単位/μLの範囲である。この範囲の上限を超えると、非特異的分解が、エンドヌクレアーゼVIに対して測定されるように問題となる。以前は、エンドヌクレアーゼVIの活性はエキソヌクレアーゼ活性の単位で測定された。エキソヌクレアーゼ活性の量は、本明細書に記載されているエンドヌクレアーゼ濃度の上限を超過した。
損傷を受けた塩基は、デオキシリボース糖部分と塩基との間のN−グリコシル結合を加水分解するDNAグリコシラーゼ酵素によって除去することができる。例えば、イー・コリのグリコシラーゼ及びUDGエンドヌクレアーゼは、脱アミノ化されたシトシンに作用するのに対して、イー・コリ由来の2つの3−mAdeグリコシラーゼ(TagI及びTagII)は、アルキル化剤による損傷に作用する。
損傷を受けた塩基のグリコシラーゼによる除去の産物は、正しく置換されなければならないAP部位である。これは、AP部位に隣接する糖ホスファート骨格に切れ目を入れるエンドヌクレアーゼによって達成することができる。脱塩基糖は除去され、DNAポリメラーゼ/DNAリガーゼ活性によって、新たなヌクレオチドが挿入される。これらの修復酵素は、原核細胞及び真核細胞中に見出される。一実施形態において、本普遍的混合物中で使用するためのAPエンドヌクレアーゼは、指定された活性範囲で及び個の活性範囲内で使用されるべきであり、増幅前に不活化段階を必要とするべきではない。APエンドヌクレアーゼは、実施例20に記載されているアッセイを使用して、本方法及び組成物におけるその使用に関して検査されることができる。
本明細書において適用可能な幾つかの酵素は、1分子中にグリコシラーゼ及びAPエンドヌクレアーゼ活性を有する。脱塩基部位は、APエンドヌクレアーゼ及び/又はAPリアーゼによって認識及び切断されることが可能である。クラスIIのAPエンドヌクレアーゼは、AP部位で切断して、ポリヌクレオチドの重合化に使用することが可能な3’OHを残す。さらに、APエンドヌクレアーゼは、ポリヌクレオチドの重合化を阻害する3’OHへ付着される部分を除去することができる。例えば、3’ホスファートは、イー・コリのエンドヌクレアーゼIVによって3’OHへ変換されることができるンドヌクレアーゼは、グリコシラーゼとともに作用することができる。
グリコシラーゼ基質の例には、ウラシル、ヒポキサンチン、3−メチルアデニン(3−mAde)、ホルムアミドピリミジン(FAPY)、7,8−ジヒドロ−8−オキシグアニン及びヒドロキシメチルウラシルが含まれる。DNA中のウラシルの存在は、重硫酸塩、亜硝酸、又は自発性脱アミノ化によるシトシンの誤組み込み又は脱アミノ化により生じ得る。ヒポキサンチンは、一般に、亜硝酸又は自発性脱アミノ化によるアデニンの脱アミノ化により生じる。これに関連して、3−mAdeは、アルキル化剤の産物である。FAPY(7−mGua)は、DNAのメチル化剤の共通産物である。7,8−ジヒドロ−8オキソグアニンは、グアニンの変異原性酸化産物である。γ照射は、4,6−ジアミノ−5−FAPYを生じる。ヒドロキシメチルウラシルは、チミジンに対するイオン化照射又は酸化的損傷によって作られる。
損傷のこれらの異なる種類は、上述の及び表1中の種類のグリコシラーゼを使用して修復され得る。
修復酵素の別の種類はリアーゼである。この酵素は、ポリヌクレオチド中のホスホジエステル結合を破壊することができる。
協調された様式で又は順次に組み合わされたAPエンドヌクレアーゼ又はリアーゼ及びグリコシラーゼ活性を有すると思われる幾つもの酵素が単離されている。
複製又は増幅反応において収量又は忠実度の少なくとも1つを増大させる上での使用に適していることがここに明らかとなったポリヌクレオチド切断酵素の例には、あらゆる生物又はウイルスに由来する酵素の以下の種類が含まれるが、これらに限定されるものではない。1)イー・コリエンドヌクレアーゼIV、TthエンドヌクレアーゼIV(図7)及びヒトAPエンドヌクレアーゼ等のAPエンドヌクレアーゼ、2)UDG、イー・コリ3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ(AlkA)及びヒトAag等のグリコシラーゼ、3)イー・コリエンドヌクレアーゼIII、イー・コリエンドヌクレアーゼVIII、イー・コリFpg、ヒトOGG1及びT4 PDG等のグリコシラーゼ/リアーゼ並びに4)リアーゼである。
既に記載されているよりも低濃度で、すなわち前記範囲でこの酵素を使用することによって、従来技術において記載されているエンドヌクレアーゼVI種の分解が回避されるので、本方法の本実施形態は、修復後及び増幅前に修復酵素を不活化する必要がない。
本明細書において「DNAポリメラーゼ」とは、DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を指すが、他の活性を有していてよい。修復及び複製反応を通じて、単一のDNAポリメラーゼ又は複数のDNAポリメラーゼを使用し得る。同一のDNAポリメラーゼ又はDNAポリメラーゼのセットは、本方法の異なる段階で使用され得、又はDNAポリメラーゼは変動し得、又はその後の操作のために修復後にさらなるポリメラーゼが添加され得る。ポリメラーゼには、Vent(登録商標)ポリメラーゼ及びTaqDNAポリメラーゼ等の超好熱性酵素、BstDNAポリメラーゼ等の好熱性酵素及び中温性ポリメラーゼが含まれる。酵素のこれら3群の何れかに由来するポリメラーゼが、本明細書で使用され得る。好ましくは、これらの群のうち、ギャップ充填ポリメラーゼ又はニック翻訳ポリメラーゼが、本実施形態において使用される。DNAポリメラーゼの有効量は、実施例において記載されているような公知のDNAを使用して、DNAリガーゼとAPエンドヌクレアーゼとの一定濃度でDNAポリメラーゼを力価測定することによって容易に確認することが可能である。
ポリメラーゼの例には、TaqDNA及びTthポリメラーゼ等の耐熱性細菌ポリメラーゼ並びにVent(登録商標)、Deep Vent(商標)及びPfu等の古細菌ポリメラーゼ;Bstポリメラーゼ等のより耐熱性が低い酵素、テルモミクロビウム・ロゼウム(thermomicrobium roseum)DNAポリメラーゼ、及び(phi29 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ及びT4 DNAポリメラーゼ等の)幾つかのファージDNAポリメラーゼ、イー・コリpolIV、イー・コリpolV等のイー・コリpolI及びイー・コリpolII YファミリーDNAポリメラーゼ、ヒトpolκ、ヒトpolη、Sso Dpo4、Sac Dbh、Sce polζ、ヒトpolι(MacDonald et al.Nucleic Acids Res.34:1102−1111(2006);Valsman et al.DNA Repair 5:210(2006);Ohmori et al.Mol.Cell.8:7−8(2001);Goodman Ann.Rev.Biochem.71:17−50(2002))又はこれら由来の変異体、誘導体若しくは修飾物が含まれる。誘導体の例には、Phusion(商標)酵素(Finnzymes Espoo,Finland)及び、二本鎖結合タンパク質を1つ又は数個の源から得られるポリメラーゼ配列と組み合わせる他のDNAポリメラーゼが含まれる。
本明細書に記載されている酵素混合物中で使用される「DNAリガーゼ」とは、ポリヌクレオチドの一本鎖の5’末端をポリヌクレオチドの別の一本鎖の3’末端へ連結する酵素を指す。リガーゼの有効量は、生化学的適用において一般的に使用される量である。修復反応においてDNAリガーゼの過剰を使用する際の有害な結果は限定されており、又は存在しない。このようなDNAリガーゼは、実質的に全ての真核細胞、原核細胞及び古細菌細胞中で見出され、幾つかのバクテリオファージ及びウイルス中でも見出され得る。適切なDNAリガーゼの例には、9°Nリガーゼ(PCT/US06/35919)、イー・コリDNAリガーゼ及びTaqDNAリガーゼが含まれる。T4 DNAリガーゼも、限定された状況下で使用され得る。このDNAリガーゼは、DNAを効率的に平滑末端化して、その後の増幅段階又は複製段階中に望ましくないキメラを生じる。
本発明において有用性を有し得る他のDNAリガーゼ又はリガーゼ様タンパク質は、これらの公知のDNAリガーゼと少なくとも6個の連続したアミノ酸を共有する何れかの酵素が、本発明の実施形態に従って、修復混合物中に含まれ得るデータベース(図6A−1から6A−9並びに図6B−1及び6B−2を参照)を検索するために、例えば、イー・コリDNAリガーゼを使用するBlast検索によって明らかにされる。
いずれもの共因子の不存在下における、エキソヌクレアーゼIIIと組み合わせたDNAリガーゼの公表された使用(米国公報第2005−0026147号)とは異なり、リガーゼを含む酵素混合物中には、NAD又はATPが必要とされることが本発明において見い出された。より具体的には、TaqDNAリガーゼ及びイー・コリDNAリガーゼはNADを必要とするのに対し、9°NDNAリガーゼ及びT4DNAリガーゼはATPを必要とする。図20A及び20Bは、500μM超の濃度のATPが、増幅をどのように妨害するかを示している。
ある種のDNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ及びエンドヌクレアーゼは、NEB,Ipswich,MAから市販されており(2005から2006年のカタログの107から117ページが、参照により組み入れられ(DNAリガーゼに関しては102から108ページ)。)、国際出願第PCT/US06/35919号及び国際公報第WO2005/052124号に記載されている。さらに、耐熱性修復酵素は、増幅前混合物中の耐熱性修復酵素と互換的に使用されることが可能である。耐熱性酵素は、40℃超又はより具体的には、65℃若しくはそれ以上で活性を保持する。
普遍的混合物中で例示される酵素の単位の定義は、以下のとおりである:
(a)好熱性UDG
1単位は、二本鎖のウラシル含有DNAから1分間あたりウラシル60pmolの放出を触媒する酵素の量として定義される。活性は、0.2μgのDNAを含有する50μLの反応物中での[3H]−ウラシルの65℃で30分間の放出(104から105cpm/μg)によって測定される。(反応緩衝液:10mMKCl、10mM(NHSO、20mMトリス−HCl、0.1%トリトンX−100、25℃でpH8.8。)
(b)中温性UDG
1単位は、二本鎖のウラシル含有DNAから1分間あたりウラシル60pmolの放出を触媒する酵素の量として定義される。活性は、0.2μgDNAを含有する50μL反応物中での[3H]−ウラシルの37℃で30分間の放出(104から105cpm/μg)によって測定される。(反応緩衝液:20mM KCl、1mM EDTA、1mM DTT、25℃でpH8.0。)
(c)中温性又は好熱性エンドヌクレアーゼVIII
1単位は、蛍光標識されたオリゴヌクレオチド二本鎖10pmolを含有する1×エンドヌクレアーゼVIII反応緩衝液中において、37℃で1時間、10μLの総反応容積で、単一のAP部位を含有する34マーのオリゴヌクレオチド二本鎖1pmolを切断するために必要とされる酵素の量として定義される。(AP部位は、単一ウラシル残基を含有する34マーのオリゴヌクレオチド二本鎖10pmolを、UDG1単位で、37℃で2分間処理することによって作製される;反応緩衝液:10mMトリス−HCl、75mM NaCl、1mM EDTA、25℃でpH8.0。)
(d)中温性又は好熱性エンドヌクレアーゼIII
1単位は、蛍光標識されたオリゴヌクレオチド二本鎖10pmolを含有する1×エンドヌクレアーゼIII反応緩衝液中において、37℃で1時間、10μLの総反応容積で、単一AP部位を含有する34マーのオリゴヌクレオチド二本鎖1pmolを切断するために必要とされる酵素の量として定義される。(反応緩衝液:20mMトリス−HCl、1mM EDTA、1mM DTT、25℃でpH8.0。)
(e)中温性又は好熱性Fpg
1単位は、蛍光標識されたオリゴヌクレオチド二本鎖10pmolを含有する1×NEBuffer1(NEB,Ipswich,MA)中において、37℃で1時間、10μLの総反応容積で、シトシンと対形成された単一8−オキソグアニン塩基を含有する34マーのオリゴヌクレオチド二本鎖1pmolを切断するために必要とされる酵素の量として定義される。(反応緩衝液:10mMビス−トリス−プロパン−HCl、10mM MgCl2、1mMジチオトレイトール、25℃でpH7.0及び0.1mg/mL BSA。)
(f)中温性又は好熱性8−オキソグアニンDNAグリコシラーゼ
1単位は、蛍光標識されたオリゴヌクレオチド二本鎖10pmolを含有する1×NEBuffer2(NEB,Ipswich,MA)中において、37℃で1時間、10μLの総反応容積で、シトシンと対形成された単一8−オキソグアニン塩基を含有する34マーのオリゴヌクレオチド二本鎖1pmolを切断するのに必要とされる酵素の量として定義される。(反応緩衝液:10mMトリス−HCl、50mM NaCl、10mM MgCl、1mMジチオトレイトール、25℃でpH7.9及び0.1mg/mL BSA。)
(g)中温性又は好熱性PDG
1単位は、20μLの総反応容積で、37℃で30分間、紫外線照射された高次コイルpUC19DNAを、切れ目を入れられた95%超のプラスミドに変換するのを触媒する酵素の量として定義される。切れ目の入り具合は、アガロースゲル電気泳動によって評価される。照射されたプラスミドは、平均3から5個のピリミジン二量体を含有する。(反応緩衝液:100mM NaCl、1mM DTT、1mM EDTA、25mM NaHPO、25℃でpH7.2及び0.1mg/mL BSA。)
(h)イー・コリエンドヌクレアーゼV
1単位は、10μLの総容積で、単一デオキシイノシン部位を含有する34マーのオリゴヌクレオチド二本鎖1pmolを、37℃で1時間切断するのに必要とされる酵素の量として定義される。(デオキシイノシン部位は、34マーのオリゴヌクレオチド二本鎖の片側の鎖の中間において、デオキシイノシンを用いた合成的に調製される;反応緩衝液:20mMトリス−酢酸、50mM酢酸カリウム、10mM酢酸マグネシウム、1mMジチオトレイトール、25℃でpH7.9。)
(i)好熱性DNAリガーゼ
1単位は、45℃で15分間、50μLの総反応容積で、BstEIIによって消化されたλDNA1μgの50%連結を付与するのに必要とされる酵素の量として定義される。TaqDNAリガーゼは、NEB,Ipswich,MAから市販されている。(反応緩衝液:20mMトリス−HCl、25mM酢酸カリウム、10mM酢酸マグネシウム、10mMジチオトレイトール、0.1%トリトンX−100、25℃でpH7.6。リガーゼの共因子の必要性に応じて、1mMのATP又は0.5mMのNADの何れかが反応中に含まれる。)
(j)中温性DNAリガーゼ
1単位は、16℃で30分間、20μLの総反応容積で、HindIIIで消化されたλDNA(0.12μMの5’DNA終端濃度、300μg/mL)の50%連結を付与するのに必要とされる酵素の量として定義される。イー・コリDNAリガーゼは、NEB,Ipswich,MAから市販されている。(反応緩衝液:30mMトリス−HCl、4mM MgCl2、1mMジチオトレイトール、50μg/mLBSA、25℃でpH8.リガーゼの共因子の必要性に応じて、0。1mMのATP又は0.5mMのNADの何れかが反応中に含まれる。)
(k)APエンドヌクレアーゼ
1単位は、37℃で1時間、10μLの総反応容積で、単一のAP部位を含有する34マーのオリゴヌクレオチド二本鎖1pmolを切断するために必要とされる酵素の量として定義される。(反応緩衝液:50mMトリス−HCl、100mM NaCl、10mM MgCl、1mMジチオトレイトール、25℃でpH7.9。)
(i)中温性DNAポリメラーゼ
1単位は、50μLの総反応容積で、[3H]−dTTPを含む33μMのdNTP及び70μg/mLの変性したヘリンボーン状の精子DNAと共に、酸不溶性材料中にdNTP10nmolを組み込む酵素の量として定義される。(反応緩衝液:10mMトリス−HCl、50mM NaCl、10mM MgCl、1mMジチオトレイトール、25℃でpH7.9。)
(j)好熱性DNAポリメラーゼ
1単位は、[3H]−dTTPを含む200μMdNTP及び200μg/mL活性化されたウシ胸腺DNAを用いて、75℃で30分間、50μLの総反応容積で、酸不溶性材料中にdATP10nmolを組み込む酵素の量として定義される。好熱性DNAポリメラーゼ−Taqポリメラーゼ及び古細菌DNAポリメラーゼは、NEB,Ipswich,MAから市販されている。
好熱性UDG、Fpg、エンドヌクレアーゼIII及びエンドヌクレアーゼVIIIに関する単位の定義は、列挙されている中温性の等価物(NEBカタログ、NEB,Ipswich,MA)に関する単位の定義と同一である。(反応緩衝液:20mMトリス−HCl、10mM(NHSO、10mMKCl、2mMMgSO、0.1%トリトンX−100、25℃でpH8.8。)
Figure 2014027939
Figure 2014027939
酵素の普遍的混合物中の酵素の濃度の例は、0.001単位/μLから4単位/μLの濃度範囲のT4PDG、0.00001単位/μLから100単位/μLの濃度範囲のTaqDNAリガーゼ、0.00001単位/μLから2単位/μLの濃度範囲のBstDNAポリメラーゼ、0.0001単位/μLから100単位/μLの範囲のイー・コリエンドヌクレアーゼIV、0.00001単位/μLから20単位/μLの範囲のエンドヌクレアーゼVIII、0.00001単位/μLから20単位/μLの範囲のUDG、及び0.000001単位/μLから0.1単位/μLの範囲のFpgである。
普遍的混合物中に指定されているもの以外のエンドヌクレアーゼ及びDNAポリメラーゼに関する濃度範囲は、使用される酵素及び反応温度と共に変動し得る。しかしながら、この濃度範囲は、実施例に記載されているアッセイを使用して容易に確認することができる。例えば、λDNAの標準物質調製物は、実施例1に従って加熱処理することができる。次に、DNAは、DNAリガーゼ及び共因子を含有する一連の酵素混合物に供することができる。混合物中の前記酵素に関する好ましい濃度を決定するために、さらなる酵素が力価測定される。このようにして、DNA修復は最適化することができる。各試料の増幅後、増幅されたDNAの量は、検査酵素に対する好ましい濃度範囲を明らかにするゲル電気泳動によって決定することが可能である。
実施例において説明されているように、損傷の種類に応じて、DNA損傷の性質に応じたさらなる修復酵素を普遍的酵素混合物に補充することが望ましい場合があり得る。あるポリヌクレオチドを修復するための個々の修復酵素又は修復酵素の混合物の適切性を決定するために、前記修復酵素又は修復酵素の混合物の有用性は、実施例及び図面に記載されているアッセイを使用して決定することができる。
ポリヌクレオチドに対する一般的な損傷又は特異的な損傷の修復
(a)一般的な損傷
ポリヌクレオチド中の損傷の性質を決定することには、時間がかかる。ポリヌクレオチドに対する損傷の何らかの形態が疑われる場合、例えば、ポリヌクレオチドがほとんど増幅されない場合に、障害を同定する必要性がないことが好ましい。これらの状況では、改良された増幅が得られるかどうかを決定するために、上述のような酵素の普遍的混合物を利用し得る。普遍的混合物を使用すれば、改善が十分である場合には、さらなる作用は必要ではない。改善が十分ではない場合、好ましい結果が得られるまで、本明細書に記載されている混合物へさらなる酵素を添加することができる。アッセイ全体は、96ウェル皿等の単一反応容器中で達成され得る。皿中の各微小ウェルは、普遍的混合物に加えて、以下に概略されている損傷の各クラスに対処するように選択された酵素を含む異なる酵素混合物に対して利用可能である。
DNAの一般的な損傷又は未知の損傷の修復のために酵素を選択するためのプロトコールが、図12(流れ図)及び実施例に記載されているアッセイ中に提供されている。
(b)特異的な損傷
(i)AP部位
塩基の喪失は、生理学的条件下での自発性DNA損傷の最も一般的な形態である。DAポリメラーゼ及びDNAポリメラーゼをベースとした技術は、これらの脱塩基部位の存在によって不利な影響を受ける。プライマー伸長反応の有効性は、ポリヌクレオチド中に見出される全ての脱塩基部位を修復することによって増強される。これは、一実施形態において、脱塩基部位でホスファート骨格を切断するエンドヌクレアーゼIV活性によって達成される。これは、切断された脱塩基部位に対して5’のDNA断片上に伸長可能な3’OHを残す。これは、切断された脱塩基部位に対して3’のDNA断片上にデオキシリボース−5’−ホスファート(dR5P)も残す。DNAポリメラーゼは、遊離3’OHから伸長して、切断された脱塩基部位を正しいヌクレオチドと置換することができる。dR5Pは、哺乳動物polβ又は哺乳動物polβの8KdのN末端部分等のdR5Pを特異的に標的化する酵素によって(Deterding J Biol Chem 275:10463−71(2000))、イー・コリDNAポリメラーゼI等のある種のDNAポリメラーゼ中に存在するフラップエンドヌクレアーゼ活性によって又はFENI等の別個のフラップエンドヌクレアーゼによって除去され得る。dR5Pの除去は、フラップエンドヌクレアーゼ活性によるこの群の下流の切断によっても生じ得る。dR5Pの除去及び3’OHに隣接する5’ホスファートの生成の後、DNAリガーゼは、このニックを封着し、修復を終了し得る(実施例1から3参照)。
(ii)修飾されたヌクレオチド
(a)チミジン二量体
光は、ピリミジン二量体の形成を誘導することによってDNAを損傷することができる。ピリミジン二量体は、TaqDNAポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼによって触媒されるDNA伸長反応を遮断して、DNA増幅を阻害する(Wellinger,et al.Nucleic Acids Res.24(8):1578−79(1996))。その結果、増幅前又は増幅中にピリミジン二量体を修復することが望ましい。これは、ピリミジン二量体グリコシラーゼ/リアーゼ(Vande Berg,et al.J.Biol.Chem.273(32):20276−20284(1998))を普遍的酵素混合物へ添加することによって達成することができる。DNA骨格は、ピリミジン二量体に対して5’で切断され、DNAポリメラーゼによって伸長可能な3’ヒドロキシル部分を残す。ある実施形態において、3’ヒドロキシルでの伸長並びにDNA伸長の間に生成される障害含有フラップのその後の形成及び切断は、ニックを封着できる酵素によって封着されるニックをもたらす。フラップの切断は、伸長DNAポリメラーゼ、例えばイー・コリDNAポリメラーゼIによって、又はフラップエンドヌクレアーゼの作用によって達成することが可能である(Xu,Y.,et al.J.Biol.Chem.275(27):20949−20955(2000)、Liu,Y.,et al.,Annu.Rev.Biochem.73:589−615(2004))。
(b)酸化的損傷、アルキル化及び脱アミノ化
損傷を受けた塩基の反対側への望ましくないヌクレオチドの組み込みのために、DNA増幅産物中に誤りが導入され得る(Gilbert,et al.Am.J.Hum.Gen.72:48−61(2003)、Hofreiter et al.Nucl.Acids Res.29:4793−9(2001))。これらの誤りは、同一試料を何度も増幅し、クローニングし及び配列決定した後に発見され得る。塩基損傷による誤りは、UDG等の、変異原性DNA障害の一般的種類の1つを除去する酵素による試料処理の前及び後に配列データを比較することによっても同定することが可能である(Hofreiter,et al.Nucl.Acids Res 29:4793−9(2001))。しかしながら、UDGによる処理は、プライマー伸長によるDNA増幅を阻害する脱塩基部位をDNA内に作出する。これによって、DNA試料が、UDG処理の後の増幅を受けなくなる場合があり得る。次いで、このAP部位は、DNAリガーゼ並びに好ましくはAPエンドヌクレアーゼ及びDNAポリメラーゼも含有する反応混合物によって修復され得る。ウラシルの除去により、増幅反応において本来この部位で停止されるDNAポリメラーゼが、DNAを増幅し続けることが可能となる。例えば、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ活性は、ウラシルを含有するDNAテンプレート上で阻害される。ウラシルを除去する能力によって、DNAポリメラーゼは増強された有効性を有することが可能となる。
これに対して、DNAリガーゼ及びDNAポリメラーゼを含む酵素混合物とともにUDGを含めることは、ポリヌクレオチドの複製又は増幅の産物の収量及び忠実度を増大させるために首尾よく使用され得ることが本明細書で示されている。実施例11から13は、UDGを含む多様な有益な酵素混合物の記述を提供する。
酸化的損傷の産物である修飾されたヌクレオチドは、Fpg又はhOGGによってポリヌクレオチドから除去されて、エンドヌクレアーゼIV等のAPエンドヌクレアーゼによって修復可能な封鎖されたポリヌクレオチドを残すこともできる。
複製又は増幅の前に、ポリヌクレオチドに対する酸化的損傷を修復するための酵素前処理の有効性は、複製されたポリヌクレオチド産物の改良された忠実度が、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、エンドヌクレアーゼIV及びFpgを含有する酵素混合物を使用して示されている実施例9において説明されている。
シトシンがウラシルへ、グアニンがキサンチンへ又はアデニンがヒポキサンチンへ変換されているアルキル化された塩基又は脱アミノ化された塩基等の修飾された他のヌクレオチドは、ミスコードを生じる。修飾されたこれらのヌクレオチドの除去が望ましい。修飾されたこれらの塩基は、上に論述されているUDGによって、又は実施例10に記載されているAlkA若しくはAagによって除去され得る。
(iii)架橋
ホルムアルデヒド及び巨大な付加物から生じる損傷並びにDNA−タンパク質架橋結合を形成する化学的に修飾された塩基をもたらす損傷を修復するために、さらなるヌクレオチド切除修復(NER)タンパク質(Minko et al.Biochemistry 44:3000−3009(2005)、Costa et al.Biochimie 85(11):1083−1099(2003)、Sancar Ann.Rev.Biochem 65:43−81(1996))を使用することができる。5’末端において、及び場合によって、損傷を受けた部位の周囲の3’末端において切り込みを作るために、イー・コリUvrA、UvrB、変異体UvrB、UvrC、UvrD又はChoのうちの少なくとも1つ(Moolenar et al.Proc.Natl Acad.Sci USA 99:1467−72(2002))を使用することが可能である。これらの酵素の特性及び精製プロトコールについての詳細は、Zou,Y.,et al.Biochemistry 43:4196−4205(2004)から取得することができる。修復過程は、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼを用いることによって、及び場合によりフラップエンドヌクレアーゼを用いることによって完了され得る。
NER酵素がDNAを切断するが、プライマー伸長を阻害するDNA上の封鎖された3’末端を残す場合には、5’切り込み部位に3’ヒドロキシルが生成することが有用であり得る。一例は、NER酵素がDNAを切断し、3’ホスファートを残した場合である。これは、3’ホスファートが、例えばイー・コリエンドヌクレアーゼIVによって除去されなければ、公知のDNAポリメラーゼによって伸長可能ではない。
NER酵素がDNA障害に対して5’及び3’を切断する場合には、新たに放出されるオリゴヌクレオチドがDNAから解離するときに、損傷が除去される。DNAポリメラーゼは、ニックを残すDNAの切り出された領域を単に充填することができ、次に、修復を完了するようにリガーゼが封着する。ある種の事例では、DNAポリメラーゼはDNAを充填した後に、残りのDNA鎖を置換し続け得る。これらの状況では、フラップ分解酵素活性を有する酵素によって、DNAリガーゼが封着することができるニックが形成可能となる。NER酵素が損傷に対して5’のみを切断する場合には、DNAポリメラーゼは好ましくは、損傷を過ぎるまで元のDNA鎖を置換し、その地点でフラップ分解酵素は、DNAフラップを切断して連結可能なニックを作出する。好ましくは、DNAポリメラーゼ及びフラップ分解酵素活性は、連結可能なニックを残すDNA障害を最終的に置換及び除去して、DNAテンプレートを修復するように作用する。上述のアプローチの有効性の一例は、実施例7に提供されている。
(iv)ニック、ギャップ及び誤対合されたポリヌクレオチド
DNA骨格中のニック及びギャップは、末端切断されたプライマー伸長産物及び一本鎖領域の望ましくないハイブリッド形成によるキメラの形成をもたらし得る。ヘテロ二本鎖DNAは、多重テンプレートPCRにおいて及び均一テンプレートPCRにおいて問題となり得る(Lowell,J.L.& Klein,D.A.Biotechniques 28:676−681(2000)、Thompson,J.R.,et al.Nucl.Acids Res.30(9):2083−2088(2002)、Smith,J.& Modrich,P.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:6847−6850(1997))。例えば、キメラは、誤対合部位に形成され得る。T4 DNAリガーゼ等のATP依存性リガーゼは、DNAを効率的に平滑末端化して、増幅中にキメラが形成する可能性を高める。
場合によって、普遍的酵素混合物内に含有されるヘテロ二本鎖部位(T7エンドヌクレアーゼI及びその変異体)において認識及び切断する酵素と一緒にされた、DNAリガーゼ及びDNAポリメラーゼの複合的効果は、DNA中のニック、ギャップ、ヘテロ二本鎖及びキメラの修復をもたらすことにより、ポリヌクレオチドの複製及び増幅反応の収量及び忠実度を増大させる。実施例8及び図9は、上に例示されているT7エンドヌクレアーゼI及びDNAリガーゼを使用する有益な効果を示している。T7エンドヌクレアーゼI又は変異体にDNAリガーゼを添加することによって、DNAの非特異的分解を生じずに、エンドヌクレアーゼの増大した濃度を使用することができる。このアプローチは、DNAの定量化を必要とせず、Lowell,et al.Biotechniques 28:676−681(2000)、及びSmith,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:6847−6850(1997)によって必要とされるPCR反応後の余分な段階を回避する。
幾つかのポリヌクレオチドに関して、損傷の性質は公知であり得る。実例として、酵素の混合物は、特異的な損傷を修復するために、上述の(b)章に従って選択されることが可能である。損傷が未知である場合、又は源が混合されている場合、実施例を含む本明細書中に記載されている普遍的混合物を使用し得る。
DNAマイクロアレイ
DNAマイクロアレイは、DNA試料を分析するために使用される強力な方法である(Lipshutz et al.Curr Opinion in Structural Biology 4:376−380(1994)、Kozal,et al.Nat Med 2(7):753−9(1996))。まず、損傷を受けたDNAを修復することが、損傷を受けたDNAのマイクロアレイ分析から得られる情報の量及び質に対して有益である。
増幅
ポリヌクレオチドの複製によってDNAポリメラーゼ依存性増幅が生じる場合、長さ約500塩基対未満(100塩基対と同程度に短い)の短い単位複製配列又は500塩基超の若しくは約100kbと等しい大きさの長い単位複製配列が、(PCR、RT−PCR及び定量的PCR増幅のために)増幅され得る。増幅の他の種類は、広範な範囲の大きさの単位複製配列を生じ得る。例えば、100塩基と同程度に小さな、又は全ゲノムと同程度に大きな(ヒトに関しては30億塩基の)サイズを有するポリヌクレオチドが増幅可能である。単位複製配列のサイズの制限は、増幅プロトコールによって決定される。
本明細書に記載されている方法を使用して試料のポリヌクレオチドを事前温置することで、増幅された産物の再現性及び正確性が改良される。上述の事前温置によって利益を受ける増幅プロトコールには、PCR、鎖置換増幅(SDA)(米国特許第5,455,166号及び第5,470,723号);ヘリカーゼ依存的増幅(HDA)(米国公報第2004−0058378−A1号);転写仲介性増幅(TMA)(Guatelli et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878(1990));インビボのローリングサークルDNA複製から応用したインビトロでのDNA増幅において使用するために配列の複数の複製を生じるローリングサークル増幅(RCA)(例えば、Fire and Xu,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:4641−4615(1995);Lui,et al.,J.Am.Chem.Soc.118:1587−1594(1996);LIZARDI,ET AL.,NATURE Genetics 19:225−232(1998));及び全ゲノム増幅法(Hawkins et al.Current Opinions in Biotechnology 13:65−67(2002))がある。ポリヌクレオチド合成の他の種類には、配列決定反応等のプライマー伸長反応がある。
本発明の実施形態は、実施例1から20で説明される。これらの実施例は、以下のことを示す。
(I)ポリヌクレオチド修復は、単位複製配列の収量を増大させる(実施例1、2、3、4、5、6、7、9、13、14、17、18及び19参照)。これらの実施例と関連して、図1Bから1D及び4は、修復混合物と共に事前温置した後の熱損傷を受けたλDNAからの増大した単位複製配列収量を示している。図2Bは、pH損傷を受けたDNAからの増大した単位複製配列収量を示している。図8Cは、多様な修復混合物による処理後の紫外線損傷を受けたDNAからの増大した単位複製配列収量を示している。図14は、修復混合物と共に事前温置した後のウラシル含有プラスミドからの増大した単位複製配列収量を示している。図15は、短いオリゴヌクレオチドを修復し、修復されたDNAを増幅することによって、620塩基対のDNAの増大した収量を示す。図3は、修復混合物と共に事前温置した後のエタノール試料から抽出したオキアミDNAからの増大した単位複製配列収量を示している。図5は、修復混合物と共に事前温置した後の環境DNAからの増大した単位複製配列収量を示している。図17は、ホラアナグマDNAの増大した単位複製配列収量を示す。図19は、紫外線照射、熱、酸化及びpHによって損傷を受けたDNA試料に及ぼす修復混合物の事前温置の効果を示している。
(II)ポリヌクレオチド修復は、ポリヌクレオチドテンプレートからの複製の忠実度を増大させる(実施例8、9、10及び11)。これは、図11でも図示されている。図11は、損傷を受けたテンプレートがPCR前に修復される場合、lacZ遺伝子の単位複製配列をクローニングすることによって、白色コロニーの非常により低い割合が生じることを示す。白色コロニーの割合が低ければ低いほど、正しい配列を有する単位複製配列の数はより多い。
(III)ポリヌクレオチド修復は、例えば、形質転換のための(実施例15参照)、クローニングのための(実施例16参照)及び配列決定のための(実施例11参照)下流加工を容易にする。これは、図16にも図示されている。図16は、DNA修復混合物で最初に処理する場合、より多くのイー・コリ形質転換体が、紫外線損傷を受けたプラスミドから回収されることを示している。
(IV)単一温度での温置(実施例12参照)、単一混合物からの修復の広範な範囲(実施例19参照)、共因子阻害の調節(実施例20参照)及び望ましくないエキソヌクレアーゼが影響を及ぼすのを最小化すること(実施例21参照)など、修復のためにパラメータが改良される。これは、図13、19及び20にも図示されている。図13は、室温(13A)又は4℃(13B)の何れかの単一温度での温置が、紫外線損傷を受けたDNAからの増幅を助けることができることを示している。図19は、単一の酵素混合物が損傷の広範な範囲を修復することが可能であることを示す。図20は、最適なATP濃度が、ATPによるPCR阻害を最小化することが見出され得ることを示している。
本明細書で引用される全ての参考文献、並びに2005年10月20日に出願された米国出願第11/255,290号及び2004年10月21日に出願された米国仮出願第60/620,896号、2005年1月24日に出願された第60/646,728号、2005年4月21日に出願された第60/673,925号及び2006年4月11日に出願された第60/791,056号は、参照により組み入れられる。
実施例
熱処理によって損傷を受けたDNA由来の単位複製配列収量の増大
増幅前にDNAを修復するための選択された試薬の使用を最適化するためのアッセイを開発した。
熱損傷の多様な程度の生成
DNA損傷の多様な量を熱処理により誘導した。これは、次のとおり達成した。PE2700サーマルサイクラー中にて、それぞれ99℃で30秒間、60秒間、90秒間、120秒間及び180秒間熱処理するために、0.5mg/mLのλDNA100μL(NEB#N3011,NEB,Ipswich,MA)を個々のチューブ中へ分注した。前処理なしで増幅するためのテンプレートとして、試料を使用した。
損傷を受けた残りのDNAを、次のとおり、酵素の混合物によって前処理した。次の混合物中において、室温で10分間、損傷を受けたDNAテンプレートを温置した。
DNA(5ng、2ng及び1ng);
100μM dNTP(NEB#M0447、NEB,Ipswich,MA);
1mM NAD(Sigma#N−7004,Sigma,St.Louis,MO);
80単位のTaqDNAリガーゼ(NEB#M0208,New England Biolabs,Ipswich,MA)又はイー・コリDNAリガーゼ(NEB#M0205S)40から100単位;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI(イー・コリpolI)(NEB#M0209,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA);
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV(NEB#M0304,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)又はTthエンドヌクレアーゼIV10単位;
96μLの最終容積にするための1×Thermopol緩衝液(NEB#B9004,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)。
反応の終了時に、試料を氷へ移した後、増幅した。
DNA増幅反応
Wang et al.Nucl.Acids Res.32:1197−1207(2004)の方法に従って、次のプライマー:CGAACGTCGCGCAGAGAAACAGG(L72−5R)(配列番号1)及びCCTGCTCTGCCGCTTCACGC(L30350F)(配列番号2)を使用して、λのDNA増幅を実施した。
増幅混合物4μLを上述の修復混合物96μLへ添加した。増幅混合物は、1×Thermopol緩衝液中の100μM dNTP、5単位のTaqDNAポリメラーゼ、0.1単位のVent(登録商標)(exo+)DNAポリメラーゼ、5×10−11MのプライマーL72−5R及び5×10−11MのプライマーL30350Fを含有した。
いずれもの酵素保存緩衝液効果を補正するために、修復酵素が反応から除外された場合には、その保存緩衝液の適切な容積を反応物へ添加した。全ての事例で、増幅反応は、次のパラメータ、すなわち95℃で20秒間を1周期の後、94℃で5秒間、次に、72℃で5分間の25周期を使用するサーマルサイクラー中で実施した。増幅される単位複製配列の大きさは、5kbであった。
1%アガロースゲル電気泳動によって、DNA(5kb)の増幅の結果を決定した。6×添加染色剤(Molecular Cloning;A Laboratory Manual,3rd ed.,eds.Sambrook and Russell,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY,2001,pp.5.4−5.17)を100μLの増幅反応物へ添加した。次に、この溶液20μLをアガロースゲルへ、サイズ標準物質としての2ログラダー(NEB#N3200,New England Biolabs.Inc.,Ipswich,MA)1μgとともに添加した。
各試料に対して増幅されたDNA量を、ゲル電気泳動によって比較し、結果を図1AからDに示した。熱処理後であるが、増幅の前に、酵素の混合物で試料を処理した場合に、増幅収量の有意な増大が達成された(図1B、1C及び1D)。
酵素混合物での前処理後の低pHによって誘導された脱塩基部位を有するDNAから得られる増大した単位複製配列収量
脱塩基部位から生じる損傷の多様な程度の発生
損傷を受けたDNAの修復の程度をアッセイするために、まずDNA損傷の多様な量を酸性pHによって誘導した。これは、以下のように達成した。
Ide,H.,et al.Biochemistry 32(32):8276−83(1993)によって記載されているとおり、DNAを脱プリン化し、エタノール沈殿した。0.5mg/mLの濃度で、脱プリン化緩衝液(100mMNaCl、10mMクエン酸塩、pH5.0)中にDNAを再懸濁し、70℃で0、20、40、80、120、及び160分間温置した。次に、試料をエタノール沈殿し、0.01Mトリス、0.001M EDTA、pH8.0中に再懸濁した。緩衝液対照で較正した後、DNAを含有する溶液のA260を測定することによって、DNA濃度を決定した。
酵素混合物によるDNAの前処理
次の混合物中で、室温で10分間、損傷を受けたDNAを温置した。
DNA(低pH処理の120分後の損傷を受けたDNA2.5ng);
100μM NTP;
1mM NAD
80単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のTaqDNAポリメラーゼ又は0.1単位のイー・コリPolI(NEB#M0209,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)又は0.1単位のTaq:Vent(登録商標)Pol(NEB#M0254,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)0.002単位;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
96μLの最終容積にするための1×Thermopol緩衝液。
室温で10分間、上述の混合物を温置した後、増幅前に氷へ移した。
DNA増幅反応
実施例1に記載されているように増幅を実施し、5kbの単位複製配列を得た。脱塩基部位を含有するλDNAを酵素の混合物で処理することによって、陰性対照(図2A)と比較して、単位複製配列収量が増大した。異なる酵素混合物を使用する一連の前処理に関する結果を図2Bに示す。酵素混合物は、TaqDNAリガーゼの存在下で、DNAポリメラーゼ(イー・コリPolI又はTaq Vent(登録商標)polI、Taq pol)に関して変動した。
保存料中での保存後の未変性生物から抽出されたDNAの増大した単位複製配列収量
Bucklin,A.& Allen,L.D.Mol.Phylogenet.Evol.30(3):879−882(2004)に記載されているとおり、メガニクチファネス・ノルベギカ(Meganyctiphanes norvegica)(オキアミ)からゲノムDNAを単離した。オキアミをエタノール中で約5年間保存した。
酵素の混合物によるオキアミDNAの前処理は、次のとおり実施した。
M.ノルベギカゲノムDNA50ng;
100μM dNTP;
1mM NAD
TaqDNAリガーゼ40単位;
0.5単位のTaqDNAポリメラーゼ、0.2単位のVent(登録商標)(exo+)DNAポリメラーゼ、又はTaqDNAポリメラーゼ0.05単位及びVent(登録商標)(exo+)0.001単位を含有するTaq:Vent(登録商標)(exo+)混合物;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
96μLの最終容積にするための1×Thermopol緩衝液。
増幅段階に進行する前に、室温で15分間、本反応物を温置した。
DNA増幅反応
Bucklin,A.& Allen,L.D.Mol.Phylogenet.Evol.30(3):879−82(2004)に記載されているとおり、増幅プライマーは52F及び233Rに相当し、200bpの単位複製配列を生成した。
52F:TTTTTAGCAATACACTACACAGCAA(配列番号3)
233R:ATTACGCCAATCGATCACG(配列番号4)
プライマーを0.5μMの最終濃度になるように、各dNTPを200μMの最終濃度になるように添加した。次に、50:1のTaq:Vent(登録商標)混合物(反応物へ添加された5単位のTaqDNAポリメラーゼ及び0.1単位のVent(登録商標)(exo+)DNAポリメラーゼ)1μLを各反応物へ添加し、100μLの最終容積にした。
対照反応物(レーン1)については、エンドヌクレアーゼIV、TaqDNAリガーゼ又は前処理DNAポリメラーゼを添加しなかった。容積を適宜調整した。修復酵素が省略された反応では、緩衝液効果を調節するために、酵素保存緩衝液の適切な容積を対照へ添加した。
サイクリング条件は次のとおり、すなわち94℃で30秒間、52℃で30秒間及び72℃で1分40秒間を40周期であった。上述のとおり、25μL(反応物の1/4)を調製し、1%アガロースゲルに添加し、電気泳動し、可視化した。
上述の酵素混合物を使用する試料の事前温置後に、オキアミゲノムDNA由来の増大した単位複製配列収量を観察した(図3)。
熱によって損傷を受けたDNA由来の大きな(10kbの)単位複製配列の増大した収量
熱によって損傷を受けたDNAを、実施例1に記載されているとおりに調製した。λDNAを99℃まで180秒間加熱した。
酵素の混合物による損傷を受けたDNAの前処理は、次のとおり実施した。
λDNA(180秒間熱処理したDNA1μg);
100μM dNTP;
1mM NAD
TaqDNAリガーゼ80単位;
イー・コリPolI0.1単位
イー・コリエンドヌクレアーゼIV100単位;
96μLの容積にするための1×Thermopol緩衝液。
増幅前に混合物を10分間温置した。
以下に明記される場合を除き、DNA増幅は、実施例1に記載のとおり実施した。上述の事前温置混合物96μLへプライマーを添加した。実施例1におけるL72−5RをプライマーL71−10R(配列GCACAGAAGCTATTATGCGTCCCCAGG)(配列番号5)に置き換えた。iCyclerサーマルサイクラープログラム(Bio−Rad,Hercules,CA)は、95℃で20秒間を1周期、95℃で5秒間、72℃で10分間を25周期、次いで72℃で10分間を1周期であった。単位複製配列の大きさは、10kbであった。
以下の例外を除き、実施例1に記載されているとおりにDNAを可視化した。6×添加緩衝液20μLを100μLの増幅反応物へ添加した。この溶液10μLを、HO及び1×添加緩衝液で100μLになるように希釈した。これを、20μLずつ各レーンへ添加した。ゲルは0.8%アガロースゲルであった。結果は、図4に示されている。
(土壌試料から抽出された)環境DNA由来のDNAの改良された増幅収量
MoBio Laboratories,Inc.,Carlsbad,CA製UltraClean Soil DNAキット(カタログ番号12800−50)を使用して、環境DNAを土壌から単離した。
DNAリガーゼによるDNAの前処理
土壌から単離された環境DNA0.6μg並びに以下の(a)及び(b)に記載されている2つのDNAリガーゼのうちの1つを含有する100μLの最終容積によって、反応混合物が形成された。次に、室温で15分間、この反応混合物を温置した。
(a)1×TaqDNAリガーゼ緩衝液(NEB,Ipswich,MA)及びTaqDNAリガーゼ80単位
(b)1×T4DNAリガーゼ緩衝液(NEB,Ipswich,MA)及びT4DNAリガーゼ(NEB#M0202,NEB,Ipswich,MA)800単位。
以下に記載されている増幅反応において、反応混合物1μLを使用した。
DNA増幅反応
DNA増幅は、プライマーGGGGGXAGAGTTTGATCMTGGCTCA(配列番号6)及びGGGGGXTACGGYTACCTTGTTACGACTT(配列番号7)(M=C若しくはA、Y=C若しくはT、X=8−オキソ−グアニン)を使用して実施した。これらのプライマーは、1.6Kbの単位複製配列の大きさを有する16SrDNAを標的とする。
50μLの反応物は、各プライマー10pmol、修復された環境DNA1μL、200μM dNTP、1×Thermopol緩衝液及び1.25単位のTaqDNAポリメラーゼを含有した。次のサイクリングパラメータを使用して、増幅を実施した。94℃で5分間を1周期、94℃で30秒間、55℃で1分間、72℃で1分40秒間を32周期、次いで72℃で5分間を1周期。
実施例1に記載されているように、ゲル電気泳動を実施した。結果は、図5に示されている。
紫外線光により損傷を受けたDNAの増大した単位複製配列収量
DNA修復の有効性をアッセイするための条件を決定するために、50μgのλDNA(NEB#N3011,NEB,Ipswich,MA)をTE緩衝液(10mMトリス−HCl、1mM EDTA、pH7.5)中に、50μg/mLの濃度に希釈し、36J/mの紫外線光で0、10、20、30、40及び50秒間照射した。
酵素の混合物による損傷を受けたDNAの前処理は、次のとおり実施した。
次の混合物中において、室温で15分間、損傷を受けたDNAを温置した。
DNA(0、10、20、30、40又は50秒間損傷を受けたλDNA50ng);
200μM dNTP;
1mM NAD
400単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
80単位又は10単位の(T4エンドヌクレアーゼVとも呼ばれる。)T4 PDG(Trevigen,Gaithersburg,MD);
1×Thermopol緩衝液
50μLになるように、容積を水で調整。
15分間の温置の後、50μLの反応混合物を増幅溶液50μLへ添加した。増幅溶液は、各プライマー(実施例1に記載のL72−5R及びL30350F又はL72−2R(DNA配列は、CCATGATTCAGTGTGCCCGTCTGGであった。)(配列番号8))40pmol、1×Thermopol緩衝液、1mM NAD、200μM dNTP、2.5単位のTaqDNAポリメラーゼ(NEB#M0267,NEB,Ipswich,MA)、及び50μLの最終容積にするためのHOからなった。50μLの修復反応物を50μLの増幅溶液と組み合わせることによって、100μLの最終容積が得られた。
100μLの溶液をサーマルサイクラー中へと配置した。L72−5R及びL30350Fのプライマーの組み合わせに関しては、94℃で5分間を1周期、94℃で30秒間、58℃で60秒間、及び72℃で4分間を30周期、72℃で5分間を1周期であった。
L72−2R及びL30350Fのプライマーの組み合わせに関しては、94℃で5分間を1周期、94℃で30秒間、58℃で60秒間、及び72℃で2分間を30周期、72℃で5分間を1周期であった。
臭化エチジウムを使用して、1.8%アガロースゲル上で、増幅産物の存在を可視化した。2ログラダー(NEB#N3200S,NEB,Ipswich,MA)のサイズ標準物質を含有するレーンに対して、全てのバンドの大きさを比較した。結果は、図8に示されている。
ヌクレオチド切除修復タンパク質UvrA、UvrB及びUvrCを使用するDNAの増大した単位複製配列収量
ヌクレオチド切除修復に関与するタンパク質を含有する酵素混合物を使用して、試料の事前温置後に、オキアミゲノムDNA由来の増大した単位複製配列収量を決定した。
酵素の混合物による保存されたDNAの前処理は、次のとおり実施する。
保存されたDNAを次の混合物中で4から37℃で1から180分間温置する。
DNA:M.ノルベギカゲノムDNA50ng;
100μM dNTP;
1mM ATP;
TaqDNAリガーゼ400単位;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10nMイー・コリUvrA、250nMイー・コリUvrB(又は変異体UvrB)、+又は−50nMイー・コリUvrC;
96μLの最終容積にするための1×Thermopol緩衝液。
変異体UvrBに関しては、Zou,Y.,et al.Biochemistry 43:4196−4205(2004)を参照されたい。
DNA増幅反応は、実施例3に記載されているとおりに実施される。
ヘテロ二本鎖の酵素切断によって少なくとも1つの鎖において誤ったヌクレオチドを除去した後のDNAの増大した配列正確性
A.TaqDNAリガーゼをT7エンドヌクレアーゼIへ添加することが、DNAを無作為に分解せずに、DNA調製物中でT7エンドヌクレアーゼIの増大した濃度の使用が可能となった。
本アッセイは、T7エンドヌクレアーゼIの増大する量とともに十字型構造を含有する高次コイルDNAを処理することに依存する。
T7エンドヌクレアーゼI(NEB#M0302,NEB,Ipswich,MA)0、1.6、3.1、6.2、12.5、25、50、100、200又は400単位を、pUC(AT)(Guan,C., et al.Biochemistry 43:4313−4322(2004))1μg及び1×NEBuffer2(NEB#B7002S,NEB,Ipswich,MA)からなる50μLの反応物へ添加した。プラスミドpAT25tetAをpUC(AT)の代わりに使用することが可能である(Parkinson,M.J.& Lilley,D.M.J.Mol.Biol.270:169−178(1997)及びBowater,R.P.,et al.Biochemistry 33:9266−9275(1994))。反応の別のセットを同時に準備し、1mM NAD(Sigmaカタログ番号N−7004,Sigma,St.Louis,MO)及び(NEB#M0208(NEB,Ipswich,MA)の原液を100μ/μLの濃度で使用する)TaqDNAリガーゼ100単位の添加とともに、上述の同一構成成分を使用した。全ての反応物を37℃で60分間温置した。
0.9%TBEアガロースゲル上で反応物を泳動することによって結果を分析し、臭化エチジウムで染色し、紫外線光を使用して可視化した(図9A及び9B参照)。T7エンドヌクレアーゼIを有さないpUC(AT)プラスミドは、高次コイル型(下部バンド)及び弛緩した環状型(上部バンド)に相当する2つのバンドをゲル上で生じた。
T7エンドヌクレアーゼIは、高次コイル型pUC(AT)を弛緩した環状型及び直鎖型へ分解し、直鎖型は、高次コイル型及び弛緩した環状型に対して中間に泳動した。あるT7エンドヌクレアーゼI:DNAの比で、T7エンドヌクレアーゼIが非特異的酵素活性によってDNAを分解したことを示すスメアが生じた。TaqDNAリガーゼの存在は、使用可能なT7エンドヌクレアーゼI:DNA比を有意に増大させた。この比は、T7エンドヌクレアーゼIを国際公報第WO2005/052124号に記載されているT7エンドヌクレアーゼI変異体と置換することによってさらに改良される。
B.PCR反応からヘテロ二本鎖を除去するための方法Aの使用
土壌からのDNAの単離及び精製されたDNAの増幅は、5単位のT7エンドヌクレアーゼI又はその変異体を場合によって添加しながら、実施例5に記載されているとおりに実施する。T7エンドヌクレアーゼI又はその変異体を添加する場合には、さらなる増幅周期(37℃で15分間を1周期)を付加する。最後の段階は、T7エンドヌクレアーゼIに、形成された全てのヘテロ二本鎖を切断させることである。
ゲル電気泳動は、実施例1に記載されているとおり実施する。Lowell,J.L.& Klein,D.A.Biotechniques 28:676−681(2000)に記載されているとおり、ヘテロ二本鎖DNAをゲル上で可視化する。T7エンドヌクレアーゼI又はその変異体の存在下でヘテロ二本鎖DNAが存在しないことは、DNAリガーゼとともにT7エンドヌクレアーゼI又はその変異体の有効性を示す。
単位の定義は、本明細書中に引用されているNEBカタログ(NEB,Ipswich,MA)中の各酵素に関する産物の記述とともに記載されている。例えば、T7エンドヌクレアーゼI又はその変異体に関する単位の定義は、高次コイルプラスミド1μgの90%超を、50μLの反応容積中の90%超の直鎖DNAへと37℃で1時間変換するために必要な酵素の量である。
DNAリガーゼの存在下で、DNAの非特異的な切断を増大させずに、T7エンドヌクレアーゼI:DNAを増大させることが可能である。
酸化的損傷後のDNA増幅反応の配列の正確性の増大
酸化的損傷を伴うDNAの作製
pWB407 DNA(Kermekchiev,M.B.et al.Nucl.Acids Res.31:6139−47(2003))が、酸化的損傷へ供された。既に記載されているとおりに(Sattler,et al.Arch.Biochem Biophys.376(1):26−3(2000))、メチレンブルー(MB)と可視光との組み合わせを使用して、損傷を誘発した。プラスミドDNA(蒸留水中の200μg/mL)を、パラフィルム伸縮性材料上に滴下した(50μL滴)。0から50(0、3、6、12.5、25及び50)μg/mLの範囲に及ぶ最終濃度になるように、MBを滴へ添加した(100μL最終容積)。これらのパラフィルム伸縮性材料を有するプレートを氷上に配置し、1×100Wの電球で8分間照明を当てた。MB光で処理されたDNAを沈殿させ、乾燥させた後、TE緩衝液(pH8.0)50μL中に再懸濁した。260nmでの光の吸光度によって、最終的なDNA濃度を測定した。
DNA増幅条件
プライマー316−138(TGTCGATCAGGATGATCTGGACGAAGAGC(配列番号9))及び316−137(CGAAAGCTTTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGA(配列番号10))を使用して、lacZを含有するpWB407の一部を増幅した。プライマー316−138及び316−137はそれぞれ、既に記載されているプライマーKfd−29及びH3Bla34(Kermekchiev,M.B.et al.Nucl.Acids Res.31:6139−47(2003))をベースにした。100μLのPCR反応物は、テンプレートDNA10ng又は50ngの何れかを含有し、及び各プライマー40pmolを場合によって含有した。利用されるサイクリング条件は、増幅に使用されるDNAポリメラーゼの耐熱性によって変動した。
TaqDNAポリメラーゼ(NEBカタログ番号M0267S,NEB,Ipswich,MA)を使用するときのサイクリング条件は、94℃で5分間を1周期の初期変性段階、次いで94℃で30秒間、58℃で60秒間、及び72℃で3分30秒間を30周期、並びに最後に72℃で5分間であった。
Phusion(商標)DNAポリメラーゼ(NEBカタログ番号F−530S,NEB,Ipswich,MA)を使用するときのサイクリング条件は、98℃で30秒間を1周期、次いで98℃で10秒間、62℃で30秒間、及び72℃で1分30秒間を30周期、並びに最後に72℃で5分間を有した。
1.6%アガロースゲルに反応物25μLを添加することによって反応産物を分析し、調製し、電気泳動し、上述のとおり可視化した(図10)。使用されるマーカーは、2ログDNAラダー(NEBカタログ番号N3200S,NEB,Ipswich,MA)であった。
増幅の正確性の測定
pWB407テンプレートからのDNA増幅の正確性を、Barnes,et al.Gene 112:29−35(1992)及びKermekchiev,et al.Nucl.Acids Res.31:6139−47(2003)によって記載されるとおりに測定した。酸化的損傷の異なる量へ供したプラスミドpWB407から、lacZ遺伝子を含有する単位複製配列を作製した。上述のとおり、メチレンブルーを使用して、酸化的損傷を実施した。上述のとおりテンプレート50ngを使用して、PCR反応を実施した。サイクリング後、制限エンドヌクレアーゼDpnI(NEB,Ipswich,MA)10単位を各100μLのPCR反応物へ添加し、37℃で2時間温置した。この段階は、元のテンプレートプラスミドを排除した。次に、得られた増幅産物をフェノール/クロロホルムで抽出し、イソプロパノールを使用して沈殿させた(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,eds.Sambrook and Russell,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY,2001,pp.6.25,A8.12−A8.24)。沈殿した産物をHO中に再懸濁し、製造元(NEB,Ipswich,MA)によって推奨される条件を使用して、制限エンドヌクレアーゼStyI及びHindIIIにより切断した。65℃に20分間加熱することによって、HindIII及びStyI酵素を失活させることによって、DNA消化反応を停止した。短いDNA断片を除去するために、microcon YM−100カラム(Millipore,Billerica,MA)を使用して、制限消化産物を精製した。
合計50μLの修復反応混合物は、pWB407単位複製配列10又は50ng±メチレンブルー温置物を含有した。修復反応物は、20mMトリス−HCl(25℃でpH8.8)、10mM KCl、10mM(NHSO、2mM MgSO、0.1%トリトンX−100、1mM NAD、200μM dNTP(dATP、dTTP、dCTP、及びdGTP)及び多様な修復酵素混合物を含有した。
50μLの合計容積中で個別に又は多様な組み合わせで使用される修復酵素混合物は、次のとおりであった。
0.4単位のFpg(NEBカタログ番号M0240S,NEB,Ipswich,MA);
200単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
1mMNAD
100μM dNTP;
1×Thermopol緩衝液。
反応物を25℃で15分間温置した。温置後、PCR混合物(20mMトリス−HCl(25℃でpH8.8)、10mM KCl、10mM(NHSO、2mM MgSO、0.1%トリトンX−100、1mM NAD、200μM dNTP(dATP、dTTP、dCTP、及びdGTP)及び2.5単位のTaqDNAポリメラーゼ(NEBカタログ番号M0267S,NEB,Ipswich,MA)又はPhusion(商標)DNAポリメラーゼ1単位の何れか)50μLを50μLの修復反応物へ添加し、この新たな溶液をPCR用の温熱サイクリング条件へ供した。これらの反応物由来の単位複製配列を精製し、上述の他の単位複製配列に関して記載されているとおり、制限酵素で消化した。
単位複製配列をpWB407プラスミド中へクローニングした。制限エンドヌクレアーゼStyI及びHindIIIで消化した後、南極ホスファターゼ(NEBカタログ番号M0289S,NEB,Ipswich,MA)1単位/DNAμgとともに37℃で30分間温置することによって、プラスミドpWB407を調製した。脱リン酸化したpWB407ベクター骨格をアガロースゲル電気泳動により精製した。QIAquickゲル抽出キット(Qiagen,Valencia,CA)を使用してゲル抽出を実施した。
消化された単位複製配列を、30μLの反応物中の調製されたpWB407プラスミド中へ、約0.1μgのベクターDNA及び約0.5μgの単位複製配列を使用して連結した。製造元(NEB,Ipswich,MA)によって推奨される条件に従い、T4DNAリガーゼを使用して連結を実施した。連結産物をイー・コリ系WB441中へと電気穿孔した(Barnes,W.Gene112:29−35(1992))。使用される選択された指示薬プレートは、50μg/mLのアンピシリン及び80μg/mLのXgalを含有するLBプレートであった。播種の前に、栄養分の豊かなブロス中で細菌を37℃で1時間温置し、アンピシリン耐性を発現させた。リガーゼ処理を欠失する対照形質転換物は、コロニーをまったく生成しなかった。37℃で1日後、及び25℃で1又は2日後、青色に関してコロニーをスコア化した。結果は、図10Aから10B及び11に示されている。
脱アミノ化損傷後のDNA増幅反応の配列の正確性の増大
脱アミノ化されたDNAの発生
脱アミノ化へ供されたDNAは、pWB407(Kermekchiev,et al.Nucl Acids Res 31:6139−6147(2003))である。Yan,W.et al.J Virol.77(4):2640−50(2003)に記載されているとおり、亜硝酸による無作為な変異原性を使用して、損傷を発生させる。亜硝酸は、DNA中のグアニンをキサンチンへ、シトシンをウラシルへ、及びアデニンをヒポキサンチンへ脱アミノ化することが可能である。
プラスミドDNA(2μg)を1M酢酸緩衝液(pH4.6)中の0.7M NaNOで処理する。氷冷1Mトリス−HCl(pH7.9)4容積の添加によって、様々な時点で反応を終結させる。プラスミドDNAをアルコール沈殿させ、乾燥させた後、TE緩衝液100μL中に再懸濁する。
脱アミノ化された塩基を修復するための前処理反応
50μLの合計容積中で個別に又は多様な組み合わせで使用される修復酵素混合物は、次のとおりである。
(a)
1単位のヒトAag;
2単位のエンドヌクレアーゼ(NEBカタログ番号M0268S,NEB,Ipswich,MA);
2単位のエンドヌクレアーゼV(NEBカタログ番号M0305S,NEB,Ipswich,MA);
2単位のUDG(NEBカタログ番号M0280S,NEB,Ipswich,MA);
200単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
1mM NAD
100μM dNTP;
1×Thermopol緩衝液。
(b)
2単位のエンドヌクレアーゼV(NEBカタログ番号M0305S,NEB,Ipswich,MA);
2単位のUDG(NEBカタログ番号M0280S,NEB,Ipswich,MA);
200単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
1mM NAD
100μM dNTP;
1×Thermopol緩衝液。
(c)
2単位のエンドヌクレアーゼV(NEBカタログ番号M0305S,NEB,Ipswich,MA);
200単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
1mM NAD
100μM dNTP;
1×Thermopol緩衝液。
(d)
1単位のヒトAag(NEB,Ipswich,MA);
2単位のエンドヌクレアーゼIII(NEBカタログ番号M0268S,NEB,Ipswich,MA);
200単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
1mM NAD
100μM dNTP;
1×Thermopol緩衝液。
(e)
1単位のヒトAag(NEB,Ipswich,MA);
2単位のUDG(NEBカタログ番号M0280S,NEB,Ipswich,MA);
200単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
1mM NAD
100μM dNTP;
1×Thermopol緩衝液。
(f)
1単位のヒトAag(NEB,Ipswich,MA);
2単位のエンドヌクレアーゼV(NEBカタログ番号M0305S,NEB,Ipswich,MA);
200単位のTaqDNAリガーゼ;
0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI;
10単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV;
1mM NAD
100μM dNTP;
1×Thermopol緩衝液。
実施例9に記載されているとおり、増幅反応条件及び増幅正確性測定を実施する。
配列決定反応の感度を増大させるためにDNA配列決定反応において使用する前のDNAの修復
配列決定反応の感度とは、配列決定前に正確な配列を有するテンプレートDNAの量が、低下した背景ノイズ及び増大したシグナルを生じることを意味するものとする。これによって、より長い及び/又はより完全な配列の読み取りが可能となる。配列読み取りの改良された忠実度は、さらなる利点である。以下に記載されているような修復混合物の有益な使用が、配列決定方法に関して一般的に観察され得る。例えば、配列決定法には、454配列決定、単一分子配列決定、サンガー配列決定及びマクサム−ギルバート配列決定がある。
DNA修復の前及び後に、2つのDNA試料をDNA配列決定に供する。2つのDNA試料を40秒間紫外線処理し(実施例6参照)、25μg/mLメチレンブルーの存在下でλDNAを光へ曝露する。
DNA配列決定反応における使用の前に、修復酵素の活性を可能にする条件下で、配列決定されるべきDNAを1つ又はそれ以上の修復酵素と接触させる。例えば、配列決定用の0.5μgのテンプレートDNAを、1×濃度になるようにNEB Thermopol緩衝液(NEB,Ipswich,MA)と混合し(Thermopol緩衝液の1×濃度は、20mMトリス−HCl(25℃でpH8.8)、10mM KCl、10mM(NHSO、2mM MgSO、0.1%トリトンX−100を含有する。)、室温で15分間DNA修復酵素(200単位のTaqDNAリガーゼ、0.1単位のイー・コリPolI、1単位のT4 PDG、15単位のエンドヌクレアーゼIV、2.5単位のエンドヌクレアーゼVIII、0.1単位のFpg、及び必要に応じて0.5単位のイー・コリUDG)とともに温置する。修復されたDNAを、配列決定のために即時使用するか、又はDNA配列決定前に、市販のキット(例えばQiagen,Inc.,Valencia,CAキット)を使用して精製及び濃縮する。配列決定反応は、古典的なサンガー配列決定反応によって、又は米国公報第2005/0100932号、米国特許第6,897,023号、又はMargulies,et al.Nature 437(7057):376−80(2005)に記載の方法によって実施され得る。
修復混合物による事前温置の結果、配列決定反応の感度及び結果の忠実度が改善される。
損傷を受けたDNAを修復するための多重酵素修復混合物は単一の温度において効果的である
紫外線で30秒間照射することによって、λDNAを処理した(実施例6参照)。事前修復を行い又は行わずに、紫外線処理されたλDNAから5キロベースの単位複製配列を増幅するために、L72−5R(配列番号1)及びL30350F(配列番号2)プライマーを選択した。DNA修復混合物は、20mMトリス−HCl(25℃でpH7.5)、100mM NaCl及び50%グリセロール中の、200単位/μLのTaqDNAリガーゼ、0.1単位/μLのイー・コリPolI、1単位/μLのT4 PDG、15単位/μLのエンドヌクレアーゼIV、0.5単位/μLのイー・コリUDG、2.5単位/μLのエンドヌクレアーゼVIII及び0.1単位/μLのFpgを含有した。1×Thermopol緩衝液、100μM dNTP及び0.5mM NADを各々含有するサーモサイクラーチューブへ、30秒間紫外線処理されたλDNA50ngを添加した。修復酵素混合物1μLを、8本のチューブのうちの4本へ添加し、全てをHOで47μLの最終容積にした。修復酵素を含有する2本のチューブと、酵素を欠失する2本のチューブとを、室温で15分間温置した。残りの溶液を4℃で一晩温置した。表記定温時間の後、プライマー(1μM)、dNTP(100μM)及び2.5単位のTaqDNAポリメラーゼを各サーモサイクラーチューブへ添加し、95℃で2分間を1周期、95℃で10秒間、60℃で30秒間及び72℃で5分間を25周期、72℃で5分間を1周期、及び4℃で保持するプログラムを実行するMyCyclerサーモサイクラー(Bio−Rad,Hercules,CA)中に溶液を配置した。各反応物25μLを1%アガロースゲルで分析した。
修復を達成するために複数の異なる温度を使用することを必要とした他者の知見(米国公報第2006/0014154号)とは対照的に、紫外線による損傷を受けたDNAを上述の修復混合物とともに、室温で15分間又は4℃で一晩温置すると、正確な大きさの増幅産物が生じた(図13A及び13B)。
複数のウラシルを含有するプラスミドDNAの修復、及びVent(登録商標)DNAポリメラーゼを使用する増幅
イー・コリCJ236からプラスミドpNEB0.92Uを精製した(NEB#E4141S,NEB,Ipswich,MA)。配列を図18に示す。イー・コリCJ236は、dUTPase及びウラシル−N−グリコシラーゼを欠失しているので、本プラスミドは、その配列を通じて無作為に分布されたウラシルを含有する。古細菌ポリメラーゼVent(登録商標)DNAポリメラーゼは、ウラシル含有テンプレートによって阻害される。事前修復を行い又は行わずに、プライマーS1224S(CGCCAGGGTTTTCCCAGTCACGAC)(配列番号12)及びS1233S(AGCGGATAACAATTTCACACAGGA)(配列番号13)を使用して、pNEB0.92UDNA由来の920塩基の単位複製配列の増幅を実施した。DNA修復混合物は、200単位/μLのTaqDNAリガーゼ、0.1単位/μLのイー・コリPolI、1単位/μLのT4 PDG、15単位/μLのエンドヌクレアーゼIV、0.5単位/μLのイー・コリUDG、2.5単位/μLのエンドヌクレアーゼVIII及び0.1単位/μLのFpgを含有し、20mMトリス−HCl(25℃でpH7.5)、100mM NaCl及び50%グリセロール中に保存した。0.5ng pNEB0.92U、1×Thermopol緩衝液、100μM dNTP及び0.5mM NADを各々含有する4本のサーモサイクラーチューブのうちの2本へ、修復酵素混合物1μLを添加した。全てHOで45μLの最終容積にした。反応溶液を、室温で15分間温置した後、プライマー(最終濃度:0.4μM)、dNTP(最終濃度:100μM)及び1単位のVent(登録商標)DNAポリメラーゼを各チューブへ添加した。95℃で2分間を1周期、95℃で10秒間、65℃で30秒間及び72℃で1分間を25周期、72℃で5分間を1周期、次いで4℃で保持というプログラムを実行するMcCyclerサーモサイクラー中へ溶液を配置した。各反応物25μLを1%アガロースゲルで電気泳動することによって検討した。
ウラシルを除去せずにVent(登録商標)DNAポリメラーゼを使用してpNEB0.92Uから増幅すると、わずかに検出可能な望ましい大きさの産物が生じた。pNEB0.92Uを修復混合物で処理すると、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼを使用して本プラスミドから生じた単位複製配列の量が有意に増大した(図14)。
DNA断片由来の増大した単位複製配列収量
本反応におけるテンプレートは、平均的な大きさが約45ヌクレオチドの20の重複する合成一本鎖オリゴヌクレオチドのセットであった。オリゴヌクレオチド配列を以下に示す。
Figure 2014027939
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組立反応は、組立段階及び増幅段階という2つの部分からなる。組立段階については、標準的な反応物は50μLであり、各オリゴ70nM、100μM dNTP、0.5mM NAD、10mMトリス−HCl(25℃でpH7.5)、2mM MgCl及び50mM NaClを含有した。対照反応物には、酵素は添加されなかった。第一の実験反応物は、400単位のTaqDNAリガーゼ、0.1単位のイー・コリPolI、5単位のT4 PDG、及び20単位のエンドヌクレアーゼIVも含有した。反応物の第二のセットは、第一の反応物中で使用される酵素及び、1:1のβタンパク質:ヌクレオチドモル比で添加されるλβタンパク質(Kmiec,et al.J.Biol.Chem.256:12636−12639(1981)、Rybalchenko,N.,et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101:17056−17060(2004))を含有した。第三の反応物セットは、400単位のTaqDNAリガーゼ、0.1単位のイー・コリPolI、5単位のT4 PDG、20単位のエンドヌクレアーゼIV、0.3mM ATP、及び3:1のモル比のヌクレオチド:RecAを含有した。RecAは、イー・コリ由来であった(NEBカタログ番号M0249L,NEB,Ipswich,MA)。第四の反応物セットは、400単位のTaqDNAリガーゼ、0.1単位のイー・コリPolI、5単位のT4 PDG、20単位のエンドヌクレアーゼIV、0.3mM ATP、3:1のモル比のヌクレオチド:RecA、及び1:1のモル比のβタンパク質:ヌクレオチドを含有した。各反応物中のグリセロール含有量を調節した。反応混合物を、室温で30分間温置した。
室温で温置した後、200μM dNTP、500nMのオリゴヌクレオチド316−219及び316−266、6mM MgSO、Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ1単位、及び100μLの最終容積にするための1×Thermopol緩衝液を使用して、組立反応物5μLを増幅した。反応物を混合し、MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)中に配置し、次の温熱サイクラータッチダウンプログラム、すなわち94℃で2分間(1周期)、94℃で30秒間、72℃ないし62℃(1周期当たり1℃低下)で30秒間、72℃で45秒間(10周期)、94℃で30秒間、62℃で30秒間、72℃で45秒間(20周期)、72℃で5分間(1周期)、及び4℃で保持を使用した。各反応を二つ組で実施した。10×試料緩衝液11μLを各試料へ添加し、電気泳動用の1%アガロースゲルへ、25μLを添加した。
結果を図15に示す。組立反応物が修復タンパク質の添加を含有しない場合には、増幅段階後に増幅産物は検出されなかった。しかしながら、修復タンパク質が組立反応物中に添加された場合には、増幅段階から正確な620bpの単位複製配列を得た。λβタンパク質及び/又はイー・コリRecAを含めることによって、単位複製配列収量はさらに増大した。DNAテンプレートが断片から構成されるシステムにおいて、DNA修復タンパク質を含めることによって、単位複製配列を生じる能力を促進することが結論付けられた。さらに、前記DNA修復タンパク質の幾らかが、DNA組換えに関与することが知られている場合には、この効果は増大される。
イー・コリへの損傷を受けたプラスミドDNAによる増大した形質転換効率性
プラスミドpUC19(GenBank受託番号L09137)を1%アガロースゲルへ適用し、臭化エチジウムの存在下で、プラスミドがゲル中へ移動するまで電気泳動を行った。ゲル中のDNAを254nmの紫外線光へ60秒間供した。紫外線曝露の間、pUC19プラスミドを含有するゲルプラグを切り出した。Qiagenゲル抽出キット(Qiagen,Valencia,CA)を使用して、ゲルプラグからプラスミドを抽出した。それぞれ0.5mM及び100μMまでNAD(Sigma製品#N−7004,Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)及びdNTP(NEB#N0447S,NEB,Ipswich,MA)が添加された1×Thermopol緩衝液(NEB#B9004S,NEB,Ipswich,MA)中の、50単位のイー・コリDNAリガーゼ(NEBM0205S,NEB,Ipswich,MA)、0.1単位のイー・コリPolI、5単位のT4 PDG及び20単位のエンドヌクレアーゼIVで、25μLの最終容積中の紫外線照射されたDNA又は照射されていないDNA30ngを処理した。室温で15分間、反応物を温置した後、DNAを使用してイー・コリDH−5α(NEB#C2991H,NEB,Ipswich,MA)を形質転換した。対照として、紫外線照射されたDNA及び照射されていないDNAを両者とも、添加された酵素のない状態で上述のとおり処理した。修復酵素で処理され又は処理されなかった紫外線照射されたプラスミドDNA及び照射されていないプラスミドDNAにより、DH5α細胞を形質転換した。プラスミドDNAの存在下で、イー・コリに熱ショックを与えることによって、形質転換を実施した。イー・コリ及びプラスミド50μLを氷上で30分間温置した後、42℃で30秒間温置した。次に、形質転換反応物を氷上で2分間放置した後、100μg/mLのアンピシリンを含有するLBアガープレート上に細胞を播種した。各形質転換物の異なる希釈を有するLBアガープレートを37℃恒温器中に一晩放置し、プラスミドの形質転換効率性を決定した。
紫外線照射に供され修復されていなかったプラスミドpUC19は、修復酵素混合物で処理された損傷を受けていないpUC19プラスミドと比較して、形質転換効率性が有意に低下した(図16参照)。
PCR、クローニング又は固定に必要なその後の連結のためのDNAの同時修復及び平滑末端化
DNAライブラリは、環境、組織、又は細胞培養物から共通して作製される(Brady,S.F.,et al.Applied and Environmental Microbiology,70(11):6865−6870(2004)、Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,Ausubel,F.,et al(editors),John Wiley & Sons,Inc.,Hboken,NJ、Chapter 5:“Construction of Recombinant DNA Libraries”(2004)、Coutois,S.,et al.,Applied and Environmental Microbiology,(69(1):49−55(2003)、米国特許第6,444,426号)。これらのライブラリは、超音波処理、酵素処理又は噴霧によって望ましい源からDNAを剪断し、DNA末端を調製し、混合物をオリゴヌクレオチド又はプラスミドDNAと連結することによって、定型的に作製される(Weinmann,A.S.,Molecular and Cellular Biology,21(20):6820−6832(2001))。オリゴヌクレオチドへの連結によって、連結されたオリゴと相補的なDNA配列を含有するアレイ上で、その後のPCR又は固定を行うことが可能である。プラスミドへの連結によって、異種性の宿主中での伝播が可能となる。最近ライブラリが使用されているのは、染色質の免疫沈降においてである(Guenther,M.G.,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102(24):8603−8608(2005)、Ren,B.,et al.Genes Dev.16:245−256(2002)、及びOdom,D.T.,et al.Science 303:1378−1381(2004))。平滑末端の連結のためのDNA末端を調製することの一環として、研究者は、しばしば、T4 DNAポリメラーゼ等のポリメラーゼを使用する。しかしながら、本実施例では、精製、調製及び保存の間にDNAが獲得し得る損傷を修復することが可能であるのみならず、平滑末端も作製することが可能な酵素混合物が提供される。本酵素混合物は、DNAリガーゼ、APエンドヌクレアーゼの有効量、校正DNAポリメラーゼ及び酵素活性を可能にするために必要な全ての共因子を含む。好ましくは、混合物は、DNAリガーゼ、校正DNAポリメラーゼ、脱プリン塩基/脱ピリミジン塩基エンドヌクレアーゼ、UDG、FPG、及びT4 PDGからなる。
一例として、染色質免疫沈降(ChIP)は、既に記載されているとおり、E2F1、E2F2、E2F3、E2F4、E2F5又はE2F6に対する抗体を使用して、HeLa細胞DNAにおいて実施される(Weinmann,A.S.Molecular and Cellular Biology 21(20):6820−6832(2001))。ChIPで濃縮されたDNAのクローニングは、既に記載されているとおりである(Weinmann,A.S.Molecular and Cellular Biology 21(20):6820−6832(2001))。DNAを平滑末端化するためのT4 DNAポリメラーゼ単独の使用は、少なくともDNAリガーゼと校正DNAポリメラーゼとの組み合わせを含有する酵素混合物によって置換される。例えば、0.5mM NAD及び100μM dNTPの補充された1×Thermopol緩衝液中で、400単位のTaqDNAリガーゼ、0.1単位のイー・コリDNAポリメラーゼI、20単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV、5単位のT4 PDGとともに、室温で15分間、DNAを温置する。連結段階の前に、平滑末端化され及び修復されたDNAを75℃で20分間温置することによって、イー・コリDNAポリメラーゼIを不活性化することが可能である。
反応混合物中の校正DNAポリメラーゼの混合物は、プライマー若しくはプラスミドの何れかへのその後の連結のために、DNA末端を平滑末端化することが可能である。
DNA断片由来の増大した単位複製配列収量。増幅、DNA配列決定、マイクロアレイ分析及びハイブリッド形成分析等の下流段階のための、断片化されたDNA由来のより大きなDNA片の生成
5から1000μLの最終容積中の標準反応緩衝液及び必要な全ての共因子中のイー・コリRecA(NEB#M0249S,NEB,Ipswich,MA、West,S.C.Ann.Rev.Biochem.61, 603−640(1992))及び/又はλβタンパク質(Rybalchenko,N.,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,101(49):17056−17060(2004)、Kmeic,E.,& Holloman,W.K.,J.Biol.Chem.256(24):12636−12639(1981))等の組換え/DNAアニーリング能の高いタンパク質とともに、0.1から1000ngの断片化されたDNAを温置する。標準的な反応緩衝液の一例は、10mMトリス−HCl(25℃でpH7.5)、2mM MgCl及び50mM NaClである。RecAを使用する場合には、1mM ATPが標準的な反応に含まれる。RecA及び/又はβタンパク質との温置と同時に又は温置の後に、少なくともDNAリガーゼ活性、DNAポリメラーゼ活性及び必要な全ての共因子、すなわちATP、NAD及びdNTPからなる修復混合物とも、DNAを接触させる。修復混合物は、400単位のTaqDNAリガーゼ及び0.1単位のイー・コリPolIを含有し、さらに、5単位のT4 PDG、20単位のエンドヌクレアーゼIV、0.5単位のイー・コリUDG、2.5単位のエンドヌクレアーゼVIII及び/又は0.1単位のFpgが添加される。修復タンパク質との温置の前に、DNA断片は熱変性され得、温度は39℃未満まで低下され得る。例えば、反応緩衝液中のDNAを、98℃に5分間加熱した後、39℃未満に冷却し得る。標準的な反応容積は、5から1000μLであり、温置時間は、4から37℃で1から60分である。典型的には、0.5:1から5:1のヌクレオチド:タンパク質モル比で、RecA又はβタンパク質を使用する。
上述の方法に対する改変には、RecA及び/又はβタンパク質を耐熱性の等価物と置換することが含まれる。これらのタンパク質の幾つかの例は、ttRecA(Kato R,& Kuramitsu S.,Eur J Biochem.259(3):592−601(1999))、Taq RecA、Tma RecA及びApy RecA(Wetmur,J.G.,et al.J Biol Chem.269(41):25928−35(1994))である。耐熱性タンパク質の使用は、耐熱性RecA又はβ様タンパク質が、変性段階中にDNAと混合されることが可能であることを意味する。タンパク質活性に必要な全ての共因子も含まれる。さらに、上記修復酵素は、変性の前又は後に添加される。耐熱性組換えタンパク質(RecA又はβ様タンパク質)に関して、前記タンパク質を反応混合物へ45から75℃で1から60分間添加して、非耐熱性修復タンパク質の添加前に39℃未満の温度で最適な活性にすることが可能であることに留意されたい。
次に、修復されたDNAは、その後の段階、例えばPCRにおいて使用されることが可能である。例えば、検査系として、超音波を使用してヒトゲノムDNAを断片化し、大きさを分画して、約200bpにクラスター化される平均的な断片の大きさを付与する。大きさで分画された材料500ngを上述のとおり処理する。損傷を受けていないヒトゲノムDNAから1、2及び4kbの単位複製配列を確実に発生させるプライマーを使用するPCR反応において、この修復された材料5から100ngの用量設定を使用する。プライマーセットの例は、
DNMT−R:
GGGGCACCTTCTCCAACTCATACT(配列番号34)、
DNMT−1Fb:
cctcatttggggaggggttatct(配列番号35)、
DNMT−2Fc:
cctgaaacaaggttgtggcatagc(配列番号36)、及び
DNMT−4Fb:
gagtgagttgaaagtgctccataca(配列番号37)
である。
断片化されたDNAを用いて、同じテンプレートの用量設定を実施する。修復されていないDNA及び修復されたDNAを比較すると、修復されたテンプレートは、紫外線光及び臭化エチジウムで可視化されるアガロースゲル上で可視的単位複製配列をテンプレートDNAの少なくとも2倍低い量で生じさせた。
少なくともDNAリガーゼ活性及びDNAポリメラーゼ活性とともにRecA及び/又はβタンパク質様活性を使用することによって、修復されていないDNAと比べて、より低いテンプレート量で、PCR単位複製配列が検出される。
DNA損傷の修復後の保存されたホラアナグマ組織試料からのDNAの増幅
現代の材料とは異なり、古代の骨から抽出されるDNAは、様々な損傷の種類を示す。損傷の最も普遍的種類は、一本鎖の破損によって生じる断片化であり、これは、照射及び活性酸素種等の非酵素的攻撃に加えて、抽出されたDNAの平均分子長を低下させる(Hoss,et al.Nucleic Acids Res.24(7):1304−7(1996))。古代のDNA(aDNA)の損傷を修復することは、抽出されたDNAの有用性を向上させるのに重要である。
Paabo Proc Natl Acad Sci USA 86(6):1939−43(1989)に記載されているとおり、古代のDNAを抽出した。事前修復を行い又は行わずに、プライマーCBF1(CTATTTAAACTATTCCCTGGTACATAC)(配列番号38)及びCBR1(GGAGCGAGAGGTACACGT)(配列番号39)を使用して、330bpのホラアナグマDNA(約44,000年経たもの)の増幅を実施した。DNA修復混合物は、200単位/μLのTaqDNAリガーゼ、0.1単位/μLのイー・コリPolI、1単位/μLのT4 PDG、15単位/μLのエンドヌクレアーゼIV、0.5単位/μLのイー・コリUDG、2.5単位/μLのエンドヌクレアーゼVIII及び0.1単位/μLのFpgを含有し、20mMトリス−HCl(25℃でpH7.5)、100mM NaCl及び50%グリセロール中で保存した。2μLのaDNA、1×Phusion(商標)DNAポリメラーゼ緩衝液、100μM dNTP及び0.5mM NADを各々含有する4本のサーモサイクラーチューブのうちの2本へ、修復酵素混合物1μLを添加した。全てをHOで45μLの最終容積にした。反応溶液を室温で15分間温置した後、プライマー(最終濃度0.4μM)、dNTP(最終100μM)及び1単位のPhusion(商標)DNAポリメラーゼを各々へ添加した。98℃で30秒間を1周期、98℃で10秒間、58℃で20秒間及び72℃で20秒間を30周期、72℃で5分間を1周期、次いで4℃で保持というプログラムを実行するMcCyclerサーモサイクラー(Bio−Rad,Hercules,CA)中へ溶液を配置した。修復されたPCR増幅されたDNA及び対照のPCR増幅されたDNA(修復なし)を、入れ子状態のプライマーを使用する第二のPCR増幅において直ちに使用した。入れ子状態のプライマーとの増幅反応は、1×Taq Master Mix(カタログ番号M0270S,NEB,Ipswich,MA)、先行段階の増幅物2μL並びに0.2μMの最終濃度のプライマーCB F1(CTATTTAAACTATTCCCTGGTACATAC)(配列番号40)及びCB F3(GCCCCATGCATATAAGCATG)(配列番号41)を使用した。反応容積全体は50μLであった。1%アガロースゲルへ各反応物5μLを適用することによって反応物を分析し、調製し、電気泳動し及び上述のとおり可視化した。
プライマー5’−AAAATGCCCTTTGGATCTTAAA−3’(配列番号43)及び5’−ACTGCTGTATCCCGTGGG−3’(配列番号44)を使用するTaqMan(登録商標)アッセイ(Applied Biosystems,Foster City,CA)により、ホラアナグマ骨試料中のミトコンドリアDNAの量を概算した。
増幅されたDNAは、DNA配列決定法において即時使用し、又はDNA精製及び濃縮へ供した。精製後、DNAをDNA配列決定へ供する(実施例11参照)。
入れ子状態のPCRにおいて、Phusion(商標)DNAポリメラーゼ及びTaqDNAポリメラーゼを使用するホラアナグマDNAからの増幅は、1試料(CB3A)中で望ましい単位複製配列の大きさの検出可能な産物を生じた。修復混合物による処理は、試料CB3Bから別の単位複製配列を生じた。処理された及び処理されていないホラアナグマDNA(CB3B試料)からの単位複製配列の配列分析は、Hoss,et al.Nucleic Acids Res.24(7):1304−7(1996)に記載されているDNA修飾と関連したPCR増幅誤差を除去するために、修復混合物による処理が有意に役立ったかどうかを明らかにする。
修復酵素混合物によるホラアナグマDNAテンプレートの処理によって、Phusion(商標)DNAポリメラーゼは、望ましい単位複製配列をより効果的に生じ、PCR増幅誤差を除去することが可能となった(図17)。
単一修復混合物によるDNA損傷の多様な種類の修復
紫外線照射、熱又は酸性pHによって、DNAに対する損傷を誘導した。7種酵素混合物が、損傷を受けたDNAを効果的に修復することを発見した。
(a)紫外線損傷を受けたDNAの生成
(i)実施例6に記載されるように、紫外線への曝露によって、λDNA尾を損傷したが、例外は、紫外線温置時間が5分であることであった。紫外線ランプの出力は、14.6mW/cmであった。UVP,Inc.,San Gabriel,CAによって製造されたUVX Digital Radiometerを使用して、紫外線光の強度を測定した。DNAの濃度は、50ng/μLであった。
(ii)実施例6において記載されるように、ヒトゲノムDNA(カタログ番号70572−3、Novagen,Madison,WI)を20秒間紫外線損傷した。DNAの濃度は、50ng/μLであった。
(b)酸性pH及び紫外線により損傷を受けたλDNAの生成
実施例2に記載されるように、低pH中でDNAをまず処理することによって、酸及び紫外線により損傷を受けたλDNAを生成した。DNAを70℃で120分間温置した。損傷を受けたDNAを50ng/μLに希釈し、実施例6に記載されるように、紫外線光へ30秒間曝露した。
(c)酸性pHにより損傷を受けたλDNAの生成
(i)実施例2に記載されるように、λDNA(500ng/μL)の調製物を処理し、酸損傷を生じた。酸損傷を受けたDNAの最終濃度は、232ng/μLであった。
(d)熱損傷を受けたλDNAの生成
実施例1に記載されるように、熱処理によってλDNAを損傷した。本実施例では、180秒間の時点のみを使用した。
(e)酸化されたプラスミドDNAの生成
実施例9に記載されるように、プラスミドpWB407を酸化した。反応物中のメチレンブルーの量は、12ng/μLであった(これをチェックすること)。DNAの濃度は、50ng/μLであった。
DNA修復
上述のように損傷を受けたDNAを、PCR前にDNA修復混合物で処理した。
酵素カクテルから、修復混合物を形成し、混合物1μLは以下を含有した:
200単位のTaqDNAリガーゼ
0.01単位から200単位のBstDNAポリメラーゼ
0.01単位から5000単位のイー・コリエンドヌクレアーゼIV
0.01単位から200単位のT4 PDG
0.001単位から1000単位のイー・コリUDG
0.001から1000単位のイー・コリエンドヌクレアーゼVIII
0.001から5単位のイー・コリFpg
Bst単位アッセイの定義は、BstDNAポリメラーゼ(全長)に関してNEBカタログに記載されている。Aliotta et al.(1996)Genet.Anal.12:185−95も参照されたい。
修復酵素カクテルに関する保存緩衝液は、100mM NaCl及び50%グリセロールを含有する20mMトリス(pH7.5)であった。本実施例において、修復反応物あたり、修復カクテル1μLを使用した。100μM dNTP及び0.5mM NADをカクテルに添加した。
修復反応において使用される緩衝液は、PCR用にどのDNAポリメラーゼが使用されるかに従って変動した。例えば、ThermoPol緩衝液(NEB,Ipswich,MA)は、TaqDNAポリメラーゼに対して好ましく使用され、従って、1×Thermopol緩衝液が、紫外線損傷を受けたλDNA、熱損傷を受けたλDNA、酸及び紫外線により損傷を受けたλDNA並びに低pHにより損傷を受けたλDNAのための修復混合物用に選択された。GC緩衝液は、Phusion(商標)DNAポリメラーゼ用に好ましく使用され、従って、1×GC緩衝液(NEB,Ipswich,MA)は、メチレンブルーにより損傷を受けたpWB407、及びPhusion(商標)DNAによる増幅前の紫外線損傷を受けたヒトゲノムDNAを含む修復混合物のために選択された。上述の温度及び時間での温置の後、反応物を氷上に配置した。
紫外線照射されたλDNA及び酸化されたpWB407を、DNA修復混合物と共に何れかの37℃で5分間温置した。熱損傷を受けたλDNA、紫外線損傷を受けたヒトDNA、酸及び紫外線により損傷を受けたλDNA並びに低pHにより損傷を受けたλDNAを室温で10から15分間交互に温置した。反応容積は、48.5μLであった。
各修復反応におけるDNAの量は以下のとおりであった。紫外線損傷を受けたλDNA、熱損傷を受けたλDNA並びに酸及び紫外線損傷を受けたλDNAに関しては1ng;又は酸化されたλDNA10ng;又は紫外線損傷を受けたヒトゲノムDNA及び低pHにより損傷を受けたλDNA50ng。
修復が生じない負の対照反応物を上述のとおり処理したが、例外は、修復酵素を添加しなかったことである。しかしながら、酵素保存緩衝液の適切な容積を使用した。
以下に記載される増幅反応全てに関して、温熱サイクリングを次のように実施した。
以下のプログラム、すなわち、95℃で2分間を1周期、次に、95℃で10秒間、65℃で30秒間及び72℃で1分間を25周期、及び最後に72℃で5分間を1周期及び4℃で保持を実行するBio−Rad MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)を使用した。
臭化エチジウムで染色した1%アガロースゲルで、増幅産物を可視化した(図19参照)。
DNA増幅反応
(a)紫外線損傷を受けたλDNAからの増幅。Wang et al.Nucl.Acids Res.32:1197−1207(2004)の方法に従って、プライマーL30350F(配列番号2)及びGATGACGCATCCTCACGATAATATCCGG(L71−1R)(配列番号47)を使用して、DNA増幅を実施した。
紫外線損傷を受けたλDNA又は負の対照を含有する修復混合物に、プライマー(最終濃度0.4μM)を添加した。100μM dNTP(最終濃度200μM)及びTaqDNAポリメラーゼ2.5単位も添加した。反応混合物の容積は、50μLであった。
以下のプログラム、すなわち95℃で2分間を1周期、次に、95℃で10秒間、65℃で30秒間及び72℃で1分間を25周期、及び最後に72℃で5分間を1周期及び4℃で保持を実行するBio−Rad MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)を使用した。
(b)熱損傷を受けたλDNAからの増幅
Wang et al.Nucl.Acids Res.32:1197−1207(2004)の方法に従って、プライマーL30350F(配列番号2)及びL77−2R(配列番号8)を使用して、DNA増幅を実施した。
熱損傷を受けたλDNA又は負の対照を含有する修復混合物へ、プライマー(最終濃度0.4μM)を添加した。100μM dNTP(最終濃度200μM)及びTaqDNAポリメラーゼ2.5単位も添加した。反応混合物の容積は、50μLであった。
以下のプログラム、すなわち95℃で2分間を1周期、次に95℃で10秒間、65℃で39秒間及び72℃で2分間を25周期、及び最後に4℃で保持を実行するBio−Rad MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)に反応物を転移した。
(c)酸化されたpWB407プラスミドDNAからの増幅
プライマー316−138(配列番号9)及び316−137(配列番号10)を使用して、DNA増幅を実施した。
酸化されたpWB407DNA又は負の対照を含有する修復混合物へ、プライマー(最終濃度0.4μM)を添加した。100μM dNTP(最終濃度200μM)及びPhusion(商標)DNAポリメラーゼ1単位も添加した。反応混合物の容積は、50μLであった。
以下のプログラム、すなわち、98℃で30秒間を1周期、次に98℃で10秒間、68℃で20秒間及び72℃で15秒間を30周期、及び最後に72℃で5分間を1周期及び4℃で保持を実行するBio−Rad MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)に反応物を移した。
(d)紫外線損傷を受けたヒトゲノムDNAからの増幅
プライマーDNMT−4Fb(配列番号37)及びDNMT−R(配列番号34)を使用して、DNA増幅を実施した。
紫外線損傷を受けたヒトDNA又は負の対照を含有する修復混合物へ、プライマー(最終濃度0.4μM)を添加した。100μM dNTP(最終濃度200μM)及びTaqDNAポリメラーゼ2.5単位も添加した。反応混合物の容積は、50μLであった。
以下のプログラム、すなわち、98℃で30秒間を1周期、次に98℃で10秒間、68.5℃で30秒間及び72℃で2分間を30周期、及び最後に72℃で5分間を1周期及び4℃で保持を実行するBio−Rad MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)に反応物を転移した。
(e)酸及び紫外線損傷を受けたλDNAからの増幅
Wang et al.Nucl.Acids Res.32:1197−1207(2004)の方法に従って、プライマーL30350F(配列番号2)及びL72−5R(配列番号1)を使用して、DNA増幅を実施した。
酸及び紫外線により損傷を受けたλDNA又は負の対照を含有する修復混合物へ、プライマー(最終濃度0.4μM)を添加した。100μM dNTP(最終濃度200μM)、TaqDNAポリメラーゼ2.5単位及びVent(登録商標)DNAポリメラーゼ0.05単位も添加した。反応混合物の容積は、50μLであった。
以下のプログラム、すなわち、95℃で2分間を1周期、次に94℃で30秒間、63℃で30秒間及び72℃で5分間を25周期、及び最後に72℃で5分間を1周期及び4℃で保持を実行するBio−Rad MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)に反応物を転移した。
(f)低pHにより損傷を受けたλDNAからの増幅
Wang et al.Nucl.Acids Res.32:1197−1207(2004)の方法に従って、プライマーL30350F(配列番号2)及びL71−10R(配列番号5)を使用して、DNA増幅を実施した。
低pHにより損傷を受けたλDNA修復反応物及び負の対照へ、プライマーを各0.4μMになるよう添加し、100μM dNTP、Taq2.5単位及びVent(登録商標)DNAポリメラーゼ0.05単位を添加した。最終的なPCR容積は、50μLであった。
以下のプログラム、すなわち、95℃で20秒間を1周期、次に95℃で5秒間及び72℃で10分間を30周期、及び最後に72℃で5分間を1周期及び4℃で保持を実行するBio−Rad MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)に反応物を転移した。
PCR増幅に及ぼすATPの有害な効果
アデノシントリホスファート(ATP、Sigma Chemical Company,St.Louis,MO、カタログ番号A−2383)の異なる濃度の存在下で、λファージDNAから5kbの単位複製配列を増幅するために、プライマーL30350F(配列番号2)及びL72−5R(配列番号1)をPCRにおいて使用した。50μLのPCR反応物は、50pgのλDNA、1×HF緩衝液(NEB #F−518、NEB,Ipswich,MA)、200μM dNTP(NEB #F560PL,NEB,Ipswich,MA)、0.5μMプライマーL30350F、0.5μM L72−5R、1単位のPhusion(商標)DNAポリメラーゼ(NEB #F530PL,NEB,Ipswich,MA)、図20中のレーンに示される最終濃度のATP及び容積を50μLにするためのHOを含有した。
以下のプログラム、すなわち、98℃で30秒間を1周期、次に98℃で5秒間及び、72℃で15秒間を25周期、及び最後に72℃で5分間を1周期及び4℃で保持を実行するBio−Rad MyCycler(Bio−Rad,Hercules,CA)を使用して、温熱サイクリングを実施した。
臭化エチジウムで染色した1%アガロースゲルで、増幅産物を可視化した(図20参照)。広範な範囲の分子量マーカー(NEB #N3200S,NEB,Ipswich,MA)を各ゲルに置いて最も左側のレーンに適用した。
APエンドヌクレアーゼ活性の有効量の決定
修復反応において使用するためのAPエンドヌクレアーゼの効果的な濃度は、AP部位で特異的な円ドンクレアーゼ活性を生じる一方で、エキソヌクレアーゼ活性から得られる非特異的分解を回避する濃度である。効果的な濃度の範囲は、以下の実験プロトコールを使用して決定した。
配列の中間近くにウラシル塩基の挿入された合成オリゴヌクレオチドは、相補的DNAと塩基対形成し、二本鎖テンプレートを生成した。反応物中のUDGによってウラシル塩基を除去し、次に、検査されるべきAPエンドヌクレアーゼによって作用され得るAP部位を作製した。ウラシル基を有するオリゴヌクレオチドを5’末端及び3’末端の両方において標識することによって、前記オリゴヌクレオチドは、ゲル電気泳動によってモニターすることが可能であった。効果的なAPエンドヌクレアーゼ濃度は、生成したAP部位でオリゴヌクレオチドを検出可能に切断するが、オリゴヌクレオチドを非特異的に検出可能に分解しない濃度である。
使用される典型的な反応物、例えば、オリゴヌクレオチド287:GATTTCATTTTTATTUATAACTTTACTTATATTGT(配列番号45)及びオリゴヌクレオチド288:CAATATAAGTAAAGTTATAAATAAAAATGAAATC(配列番号46)。オリゴヌクレオチド287を5’末端及び3’末端の両方において標識した。二本鎖DNAを形成するために、オリゴヌクレオチドをアニールした。検査反応物は、0.5pmol/μLのアニールされたDNA基質、0.05単位/μLのUDG及び1×検査緩衝液を含有した。検査緩衝液は、例えば、NEBuffer3(NEB,Ipswich,MA)であり得た。1×NEBuffer3は、100mM NaCl、50mMトリス−HCl、10mM MgCl、1mM DTT、25℃でpH7.9からなった(NEB,Ipswich,MA)。これらの反応条件において、APエンドヌクレアーゼ活性物を連続的に希釈した。最終反応容積をHOで10μLにした。選択された温度、典型的にはAPエンドヌクレアーゼの最適活性温度で、反応物を1時間温置した。停止染色剤を1×に添加することによって、反応を停止した。典型的な5×停止染色剤は、12%フィコール、0.01%ブロモフェノールブルー、0.02%キシレンシアノール、7M尿素、50%ホルムアミド、1%SDS、89mMトリス、2mM EDTA及び89mMホウ酸塩、pH8.3からなった。変性ゲル電気泳動によって、反応物を分析した。

Claims (56)

  1. (a)少なくとも1つの脱プリン部位/脱ピリミジン部位(AP)エンドヌクレアーゼの有効量;DNAリガーゼ;及び補助因子としてのNAD若しくはATPの少なくとも1つを含む反応混合物中で、ポリヌクレオチドを温置すること;及び
    (b)複製された若しくは増幅された産物の忠実度及び収量の少なくとも1つを増大させること
    を含む、複製された若しくは増幅された産物の忠実度及び収量の少なくとも1つを増大させるための、ポリヌクレオチドを修復する方法。
  2. ポリヌクレオチドが、DNAである、請求項1に記載の方法。
  3. リガーゼが、NAD依存性リガーゼであり、及び反応混合物が、NADを含有する、請求項1に記載の方法。
  4. リガーゼが、TaqDNAリガーゼ又はイー・コリ(E.coli)リガーゼである、請求項3に記載の方法。
  5. 段階(a)が、反応混合物中でポリヌクレオチドを増幅することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 段階(a)中のポリヌクレオチドが、反応混合物中の少なくとも1つのAPエンドヌクレアーゼを変性又は除去せずに増幅される、請求項1に記載の方法。
  7. PCR増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅及び全ゲノム増幅からなる群から選択される手段によって増幅が生じる、請求項6に記載の方法。
  8. 増幅のためのポリヌクレオチドが、50ヌクレオチドから100,000ヌクレオチドの大きさの範囲にある、請求項5に記載の方法。
  9. ポリヌクレオチドが、天然源、保存された生物材料、法医学的証拠品、生物由来の古代材料、組織生検及び化学合成からなる群から選択される源から得られる、請求項1に記載の方法。
  10. 損傷を受けたポリヌクレオチドが、AP部位、変異誘発されたヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド、ニック、ギャップ、DNA−DNA又はDNA−タンパク質架橋結合、断片化及びDNA−RNA架橋結合から選択される損傷の1つ又はそれ以上の種類によって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
  11. 少なくとも1つのAPエンドヌクレアーゼが、細菌、哺乳動物、古細菌又はウイルスから取得可能であるエンドヌクレアーゼを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 少なくとも1つのAPエンドヌクレアーゼが、イー・コリ、ヒト細胞又はサーモコッカス(Thermococcus)種から取得可能であるエンドヌクレアーゼを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 反応混合物が、DNAポリメラーゼをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. DNAポリメラーゼが、ファミリーAポリメラーゼである、請求項13に記載の方法。
  15. DNAポリメラーゼが、ファミリーBポリメラーゼである、請求項13に記載の方法。
  16. DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼのYファミリーのメンバーである、請求項13に記載の方法。
  17. DNAポリメラーゼが、TaqDNAポリメラーゼ、イー・コリDNAポリメラーゼ、BstDNAポリメラーゼ及びファージT4DNAポリメラーゼからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  18. DNAポリメラーゼが、イー・コリpolIV、イー・コリpolV、ヒトpolκ、ヒトpolη、Sso Dpo4、Sac Dbh、Sce polζ、ファージT7DNAポリメラーゼ及びヒトpolιから選択される、請求項13に記載の方法。
  19. 反応混合物が、T7エンドヌクレアーゼI又はその変異体をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  20. 反応混合物が、T4ピリミジン二量体グリコシラーゼ(PDG)をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  21. 反応混合物が、ホルムアミドピリミジン[fapy]−DNAグリコシラーゼ(Fpg)をさらに含む、請求項1又は13に記載の方法。
  22. 反応混合物が、UvrA、UvrB及びUvrC並びに場合によってUvrD又はChoの少なくとも1つをさらに含む、請求項1又は13に記載の方法。
  23. 反応混合物が、エンドヌクレアーゼVIII、エンドヌクレアーゼV又はエンドヌクレアーゼIIIをさらに含む、請求項1又は13に記載の方法。
  24. 反応混合物が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)又はアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(Aag)の少なくとも1つをさらに含む、請求項1又は13に記載の方法。
  25. 反応混合物中でポリヌクレオチドを温置することが、実質的に単一の温度で達成され、それにより収量又は忠実度の少なくとも1つを増大させる、請求項1に記載の方法。
  26. 酵素の少なくとも1つがDNAリガーゼであり、及び酵素の少なくとも1つが反応混合物中で0.0001単位/μLから100単位/μLの範囲の濃度のAPエンドヌクレアーゼであり、2つ又はそれ以上の酵素が、ポリヌクレオチドの修復を増大させるために、損傷を受けたポリヌクレオチド調製物への添加用に調合される、反応混合物を形成するための前記2つ又はそれ以上の酵素と及びその使用のための説明書とを含む、キット。
  27. 少なくとも1つのAPエンドヌクレアーゼの有効量、DNAリガーゼ及びDNAポリメラーゼを含み、修復混合物が、ポリヌクレオチドに添加可能であり、及び前記ポリヌクレオチドが、前記ポリヌクレオチド修復混合物を除去又は分解せずに増幅可能であり;並びに前記修復混合物が、複製されたポリヌクレオチドの収量及び忠実度の少なくとも1つを増大させる、ポリヌクレオチド修復混合物。
  28. DNAリガーゼが、イー・コリDNAリガーゼ又はTaqDNAリガーゼである、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  29. APエンドヌクレアーゼが、イー・コリエンドヌクレアーゼIVである、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  30. DNAポリメラーゼが、BstDNAポリメラーゼである、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  31. T4 PDGをさらに含む、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  32. イー・コリFpgをさらに含む、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  33. UvrA、UvrB、UvrCの少なくとも1つと、場合によってUvrD又はChoとをさらに含む、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  34. エンドヌクレアーゼVIII、エンドヌクレアーゼV又はエンドヌクレアーゼIIIの少なくとも1つをさらに含む、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  35. UDG及びAagの少なくとも1つをさらに含む、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  36. PDG、UDG、エンドヌクレアーゼVIII及びFpgをさらに含む、請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  37. DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、APエンドヌクレアーゼ、PDG、UDG、エンドヌクレアーゼVIII及びFpgの1つ又はそれ以上が、イー・コリから得られる、請求項36に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  38. APエンドヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼVIII、UDG及びFpgが、イー・コリから得られる、請求項37に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  39. PDGが、T4PDGであり、DNAリガーゼが、TaqDNAリガーゼであり、及びポリメラーゼが、BstDNAポリメラーゼである、請求項37に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  40. T4 PDGの効果的な濃度が、0.0001単位/μLから4単位/μLの範囲である、請求項39に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  41. TaqDNAリガーゼの効果的な濃度が、0.00001単位/μLから100単位/μLの範囲である、請求項39に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  42. BstDNAポリメラーゼの効果的な濃度が、0.00001単位/μLから2単位/μLの範囲である、請求項39に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  43. イー・コリエンドヌクレアーゼIVの効果的な濃度が、0.0001単位/μLから100単位/μLの範囲である、請求項29に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  44. エンドヌクレアーゼVIIIの効果的な濃度が、0.0001単位/μLから20単位/μLの範囲である、請求項34に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  45. UDGの効果的な濃度が、0.00001単位/μLから20単位/μLの範囲である、請求項35に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  46. Fpgの効果的な濃度が、0.000001単位/μLから0.1単位/μLの範囲である、請求項32に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  47. BstDNAポリメラーゼ、APエンドヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼVIII、DNAリガーゼ、Fpg、PDG及びUDGを含む、ポリヌクレオチド修復混合物。
  48. Bstポリメラーゼが、0.00001単位/μLから2単位/μLの範囲の濃度を有し、APエンドヌクレアーゼが、0.0001単位/μLから100単位/μLの範囲の濃度を有し、エンドヌクレアーゼVIIIが、0.00001単位/μLから20単位/μLの範囲の濃度を有し、リガーゼが、0.00001単位/μLから100単位/μLの範囲の濃度を有し、Fpgが、0.000001単位/μLから0.1単位/μLの範囲の濃度を有し、PDGが、0.0001単位/μLから4単位/μLの範囲の濃度を有し、及びUDGが、0.00001単位/μLから20単位/μLの範囲の濃度を有する、請求項47に記載のポリヌクレオチド修復混合物。
  49. 請求項27に記載のポリヌクレオチド修復混合物によって、ポリヌクレオチド断片中の配列エラーを修復すること;及び
    前記ポリヌクレオチド断片をクローニング又は配列決定すること
    を含む、ポリヌクレオチド断片をクローニング又は配列決定するための方法。
  50. 修復混合物が、ベクター中にクローニングするためのポリヌクレオチド断片を平滑末端化し得る、請求項49に記載の方法。
  51. (a)プライマーの少なくとも1つの第一対及びポリヌクレオチドとハイブリッド形成されたときプライマーの第一セット内に入れ子状態にされる第二対を得ること;
    (b)請求項27に記載の組成物へポリヌクレオチドを供すること;
    (c)前記ポリヌクレオチドをプライマーの前記第一セットで増幅すること;
    (d)(c)の産物をプライマーの第二セットで増幅すること;並びに
    (e)増幅されたポリヌクレオチドの増大した収量を得ること
    を含む、複製された又は増幅されたポリヌクレオチドの収量を増大させるための、方法。
  52. ポリヌクレオチド修復混合物が、PDG、エンドヌクレアーゼVIII、Fpgと、場合によってUDGとをさらに含み、及びAPエンドヌクレアーゼが、エンドヌクレアーゼIVである、請求項49又は51に記載の方法。
  53. リガーゼが、TaqDNAリガーゼであり、及びPDGが、T4 PDGであり、及びDNAポリメラーゼ、エンドヌクレアーゼIV、エンドヌクレアーゼVIII、Fpg及び場合によってUDGが、イー・コリから得られる、請求項52に記載の方法。
  54. (a)ポリヌクレオチドを請求項27のポリヌクレオチド修復混合物と接触させること;及び
    (b)前記ポリヌクレオチドを配列決定すること
    を含む、ポリヌクレオチドを配列決定するための方法。
  55. (a)断片化されたDNAを請求項27に記載の修復混合物と接触させること;
    (b)組換え受容性タンパク質を場合によって添加すること;及び
    (c)前記断片化されたDNAを増幅又は複製すること
    を含む、断片化されたDNAを複製又は増幅するための方法。
  56. 組換え受容性タンパク質が、イー・コリRecA又はファージλβタンパク質である、請求項55に記載の方法。
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