JP2014025892A - 破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラム - Google Patents

破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2014025892A
JP2014025892A JP2012168669A JP2012168669A JP2014025892A JP 2014025892 A JP2014025892 A JP 2014025892A JP 2012168669 A JP2012168669 A JP 2012168669A JP 2012168669 A JP2012168669 A JP 2012168669A JP 2014025892 A JP2014025892 A JP 2014025892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint
fracture
stress
risk
rupture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012168669A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5896150B2 (ja
Inventor
Saneki Higashiyama
実樹 東山
Yutaka Hanada
裕 花田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2012168669A priority Critical patent/JP5896150B2/ja
Publication of JP2014025892A publication Critical patent/JP2014025892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5896150B2 publication Critical patent/JP5896150B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

【課題】計算負荷の増大を抑制しつつ、複数の板材を接合する接合部の破断を高精度に判定することができる、破断判定装置を提供する。
【解決手段】破断判定装置4は、相互に重ねられた複数の板材を接合する接合部に作用する応力テンソルを特定する応力テンソル特定部6と、応力テンソル特定部6により特定された応力テンソルと、接合部の破断応力とに基づき、接合部の破断リスクを算出する破断リスク算出部8と、破断リスク算出部8によって算出された破断リスクに基づき、接合部の破断を判定する破断判定部10と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラムに係わり、特に、相互に重ねられた複数の板材を接合する接合部の破断を判定するための破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラムに関する。
従来より、外力による構造物の変形量や構造物に作用する応力をコンピュータシミュレーションによって評価する技術が知られている。
例えば、自動車工学の分野においては、車両衝突時における車体の変形や構成部材の破壊をシミュレーションすることにより、車両の衝突安全性能の向上を図ることが行われている。特に近年では、車体の軽量化への要求から、車体を構成する金属板の薄板化が進んでおり、金属板同士を接合するスポット溶接部周辺への応力集中が一層発生しやすくなっていることから、さらなる衝突安全性能の向上のため、スポット溶接部の破断をより高精度に予測することが求められている。
例えば、特許文献1には、有限要素法によりスポット溶接部の破断を判定する破断判定方法が開示されている。この方法では、2枚の金属板がナゲットにより結合された構造を有するスポット溶接部において、金属板をシェル要素によりモデル化すると共に、ナゲットをビーム要素によりモデル化し、このビーム要素に作用する軸力、曲げモーメント、及びせん断力に基づいてナゲット周縁部の破断を判定する。
特開2007−24788号公報
ところで、解析精度向上のため、構造物をモデル化する際のメッシュの詳細化が進むにつれて、メッシュサイズがスポット溶接部のナゲット径よりも小さくなることが想定される。
しかしながら、上述した特許文献1の方法では、ナゲットをモデル化したビーム要素と金属板をモデル化したシェル要素とを1点で結合しているため、シェル要素のメッシュサイズが実際のナゲット径よりも小さい場合には、ビーム要素との結合点の周辺において、実際の現象とは異なる局所的な歪みが発生し、解析精度が低下する可能性がある。
また、ビーム要素によりナゲットをモデル化する場合、ビーム要素の破断は、このビーム要素に作用する引張荷重とせん断荷重とモーメントによって評価されるに過ぎないため、引張とせん断の複合モードによる破断を高精度に予測することが困難な場合がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、計算負荷の増大を抑制しつつ、複数の板材を接合する接合部の破断を高精度に判定することができる、破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明によれば、破断判定装置は、相互に重ねられた複数の板材を接合する接合部の破断を判定する破断判定装置であって、接合部に作用する応力テンソルを特定する応力テンソル特定手段と、応力テンソル特定手段により特定された応力テンソルと、接合部の破断応力とに基づき、接合部の破断リスクを算出する破断リスク算出手段と、破断リスク算出手段によって算出された破断リスクに基づき、接合部の破断を判定する破断判定手段と、を有し、破断リスク算出手段は、板材の法線方向を直交座標系のz軸とする応力テンソルを(σx、σy、σz、τzy、τzx)、破断応力を(σT)、重み付け係数を(A、B、C)とした場合、以下の式により破断リスク(FR)を算出することを特徴とする。
Figure 2014025892
また、破断判定方法は、相互に重ねられた複数の板材を接合する接合部の破断を判定する破断判定方法であって、接合部に作用する応力テンソルを特定するステップと、特定された応力テンソルと、接合部の破断応力とに基づき、接合部の破断リスクを算出するステップと、算出された破断リスクに基づき、接合部の破断を判定するステップと、を有し、破断リスクを算出するステップにおいて、板材の法線方向を直交座標系のz軸とする応力テンソルを(σx、σy、σz、τzy、τzx)、破断応力を(σT)、重み付け係数を(A、B、C)とした場合、以下の式により破断リスク(FR)を算出することを特徴とする。
Figure 2014025892
また、破断判定プログラムは、相互に重ねられた複数の板材を接合する接合部の破断をコンピュータに判定させるための破断判定プログラムであって、コンピュータに、接合部に作用する応力テンソルを特定するステップと、特定された応力テンソルと、接合部の破断応力とに基づき、接合部の破断リスクを算出するステップと、算出された破断リスクに基づき、接合部の破断を判定するステップと、を実行させ、破断リスクを算出するステップにおいて、板材の法線方向を直交座標系のz軸とする応力テンソルを(σx、σy、σz、τzy、τzx)、破断応力を(σT)、重み付け係数を(A、B、C)とした場合、以下の式により破断リスク(FR)を算出させることを特徴とする。
Figure 2014025892
このように構成された本発明によれば、接合部に作用する応力テンソルと、接合部の破断応力とに基づき、上記式を用いて接合部の破断リスクを算出し、この破断リスクに基づき、接合部の破断を判定するので、計算負荷の増大を抑制しつつ、複数の板材を接合する接合部の破断を高精度に判定することができる。
また、本発明において、好ましくは、応力テンソル特定手段は、接合部の大きさにほぼ等しい単一ソリッド要素としてモデル化された接合部に作用する応力テンソルを特定する。
このように構成された本発明においては、ビーム要素により接合部をモデル化する場合と比較して、局所的な歪み発生を防止することができ、解析精度の低下を防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、破断リスク算出手段は、引張せん断による接合部の破断応力を(σTSS)、十字引張による接合部の破断応力を(σCTS)、ピールによる接合部の破断応力を(σLTS)とした場合、引張せん断による接合部の破断リスク(FRTSS)、十字引張による接合部の破断リスク(FRCTS)、及びピールによる接合部の破断リスク(FRLTS)を、それぞれ以下の式により算出する。
Figure 2014025892
Figure 2014025892
Figure 2014025892
このように構成された本発明においては、引張せん断、十字引張、及びピールの各破断モードによる破断リスクを、応力テンソルの各成分を用いて破断モード毎に算出し、その算出結果に基づき接合部の破断を判定するので、接合部の破断リスクをさらに高精度に予測することができ、接合部の破断を正確に判定することができる。
また、本発明において、好ましくは、相互に重ねられた複数の金属板を接合するスポット溶接部の破断を判定する。
このように構成された本発明においては、計算負荷の増大を抑制しつつ、相互に重ねられた複数の金属板を接合するスポット溶接部の破断を高精度に判定することができる。
本発明による破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラムによれば、計算負荷の増大を抑制しつつ、複数の板材を接合する接合部の破断を高精度に判定することができる。
本発明の実施形態による破断判定装置を備える衝突シミュレーション装置の電気的構成を示すブロック図である。 相互に重ねられた2枚の金属板と、これらの金属板を接合するスポット溶接部とのモデルを概略的に示す斜視図である。 衝突シミュレーション処理のフローチャートである。 スポット溶接部の破断モードを示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラムを説明する。
まず、図1により、本発明の実施形態による破断判定装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による破断判定装置を備える衝突シミュレーション装置の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示す衝突シミュレーション装置1は、衝突時における車両の構成部材の変形や破断を解析するものであり、車体解析部2と、破断判定装置4を備えている。
車体解析部2は、車体を構成する各種部材の形状や物性値、スポット溶接部の位置、数、ナゲット径等を表現する車体モデルと、解析の境界条件(衝突時の初速度や衝突させる物体の形状等)とを取得し、これらの車体モデル及び境界条件に基づき、有限要素法により、車体モデルを構成する各要素に作用する荷重や変位等を計算する。この計算過程において、車体解析部2は、車体を構成する金属板とスポット溶接部との節点の変形量を計算し、破断判定装置4に出力する。
本実施形態の破断判定装置4は、相互に重ねられた複数の金属板を接合する接合部であるスポット溶接部の破断を判定する。図1に示すように、破断判定装置4は、スポット溶接部に作用する応力テンソルを特定する応力テンソル特定部6と、応力テンソル特定部6により特定された応力テンソルと、スポット溶接部の破断応力とに基づき、スポット溶接部の破断リスクを算出する破断リスク算出部8と、破断リスク算出部8によって算出された破断リスクに基づき、スポット溶接部の破断を判定する破断判定部10とを有する。
特に、応力テンソル特定部6は、車体解析部2から入力された金属板とスポット溶接部との節点の変形量に基づき、スポット溶接部に作用する応力テンソルを特定する。また、破断判定部10は、スポット溶接部の破断の判定結果を車体解析部2に出力する。
これらの各構成要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
次に、図2により、本発明の実施形態による破断判定装置4がスポット溶接部の破断を判定するために使用するモデルについて説明する。図2は、相互に重ねられた2枚の金属板と、これらの金属板を接合するスポット溶接部とのモデルを概略的に示す斜視図である。図2に示すように、金属板は、スポット溶接部の実際のナゲット径よりも小さいメッシュサイズのシェル要素としてモデル化される。また、スポット溶接部は、各辺の長さが実際のナゲット径にほぼ等しい直方体の単一ソリッド要素としてモデル化される。図2に示すモデルにおいては、金属板の法線方向を直交座標系のz軸とし、スポット溶接部を表すソリッド要素の側面(金属板に対して垂直な面)の法線方向をそれぞれx軸及びy軸とする。
この図2に示すようなモデルが、各スポット溶接部毎に車体モデルに組み込まれ、衝突シミュレーションが実行される。
次に、図3により、本発明の実施形態の破断判定装置4を備える衝突シミュレーション装置1が行う衝突シミュレーションの各処理について説明する。図3は、衝突シミュレーション処理のフローチャートである。
図3に示すように、衝突シミュレーション処理が開始されると、ステップS1において、車体解析部2は、車体を構成する各種部材の形状や物性値、スポット溶接部の位置、数、ナゲット径等を表現する車体モデルと、解析の境界条件(衝突時の初速度や衝突させる物体の形状等)とを取得する。車体モデルは、例えば予め記憶装置に記憶されており、車体解析部2は記憶装置から車体モデルを読み込む。また、境界条件は、入力装置を介してユーザにより入力される。
次に、ステップS2において、車体解析部2は、ステップS1において取得した車体モデル及び境界条件に基づき、有限要素法により、車体モデルを構成する各要素に作用する荷重や変位等を計算する。この時、車体解析部2は、車体を構成する金属板と各スポット溶接部との各節点の変形量を算出し、破断判定装置4に出力する。
次にステップS3において、車体解析部2は、ステップS2において算出した各要素に作用する荷重や変位に基づき、車体の金属板に生じる歪み、及び金属板に作用する応力を算出する。
また、ステップS4において、応力テンソル特定部6は、ステップS2において車体解析部2から入力された金属板と各スポット溶接部との各節点の変形量に基づき、各スポット溶接部に作用する応力テンソル6成分(σx、σy、σz、τzy、τzx、τxy)を算出する。
次いで、ステップS5において、破断リスク算出部8は、ステップS4において算出された応力テンソルと、スポット溶接部の破断応力とに基づき、各スポット溶接部の破断リスクを算出する。この破断リスクの詳細な算出方法は後述する。
次にステップS6において、破断判定部10は、ステップS5において破断リスク算出部8によって算出された破断リスクに基づき、各スポット溶接部の破断を判定する。そして、破断があると判定されたスポット溶接部を、ステップS4乃至S6の計算対象から除外する。
なお、車体解析部2が実行するステップS3の処理と、破断判定装置4が実行するステップS4乃至S6の処理とは、並行して実行される。
ステップS3又はS6の処理の後、ステップS7において、車体解析部2は、衝突シミュレーション処理の所定の終了条件を満たすか否かを判定する。所定の終了条件を満たさないと判定した場合、車体解析部2はステップS2に戻る。
一方、ステップS7において、所定の終了条件を満たすと判定した場合、車体解析部2は衝突シミュレーション処理を終了する。
次に、破断リスク算出部8による破断リスクの算出方法を詳細に説明する。
図4は、スポット溶接部の破断モードを示す斜視図である。スポット溶接部の破断モードには、図4(a)に示す引張せん断(TSS)、図4(b)に示す十字引張(CTS)、及び図4(c)に示すピール(LTS)の3モードがある。さらに、スポット溶接の破断形態には、母材破断(金属板が破断)、及び界面破断(ナゲットが破断)の2種類の形態が存在する。そこで、破断リスク算出部8は、3つの破断モードと2つの破断形態を組み合わせた6つの条件について、それぞれの破断リスクを算出する。
上述した3つの破断モードの何れにおいても、スポット溶接部には、金属板の板面に沿った引張と、金属板を板面の法線方向に向かって凹又は凸に湾曲させる曲げが、複合的に作用する。これを図2に示したモデルに当てはめると、引張によってスポット溶接部を表す単一ソリッド要素に作用する応力テンソルは、(σx、σy、τzx、τzy)の4成分となる。また、曲げによって単一ソリッド要素に作用する応力テンソルは、(σz、τxz、τyz)の3成分となる。
従って、スポット溶接部に作用する応力の状態を、これらの応力テンソルの関数f(σx、σy、τzx、τzy、σz、τxz、τyz)として表現し、予め実験的に導出された破断応力と比較することにより、スポット溶接部の破断リスクを算出することができると考えられる。
まず、引張によって単一ソリッド要素に作用する応力テンソル(σx、σy、τzx、τzy)について検討する。スポット溶接部は、金属板の板面に沿ったあらゆる方向(図2におけるxy平面に沿ったあらゆる方向)から引張を受ける可能性がある。そこで、引張を受ける方向にかかわらず、引張により単一ソリッド要素に作用する応力を評価するため、垂直応力成分(σx、σy)の二乗和の平方根((σx 2+σy 21/2)と、せん断応力成分(τzx、τzy)の二乗和の平方根((τzx 2+τzy 21/2)とを、関数f(σx、σy、τzx、τzy、σz、τxz、τyz)の項として含めることにする。
次に、曲げによって単一ソリッド要素に作用する応力テンソル(σz、τxz、τyz)について検討する。これらの各成分は、何れもz軸方向に沿った成分であるため、金属板の板面に沿った方向の影響を考慮する必要がない。そこで、垂直応力成分(σz)と、せん断応力成分(τxz+τyz)とを、関数f(σx、σy、τzx、τzy、σz、τxz、τyz)の項として含めることにする。
以上により、関数f(σx、σy、τzx、τzy、σz、τxz、τyz)を次の式により表すことができる
Figure 2014025892
・・・(1)
上述した3つの破断モードのそれぞれについて、破断試験の試験体をモデル化し、破断時の荷重を境界条件として与えることにより算出した応力テンソルの各成分を式(1)に代入することによって、次の式が得られる。
Figure 2014025892
・・・(2)
Figure 2014025892
・・・(3)
Figure 2014025892
・・・(4)
ここで、σTSSは引張せん断による母材破断時の破断応力であり、σCTSは十字引張による母材破断時の破断応力であり、σLTSはピールによる母材破断時の破断応力である。これらの破断応力は、破断試験の結果に基づいて導出される。また、添え字を付した応力テンソルの各成分は、それぞれの添え字に対応する破断モードによる母材破断時の境界条件に基づき算出された、応力テンソル各成分の算出値である。
これらの式(2)乃至(4)に基づいて、係数A、B1、B2、及びCを決定することにより、単一ソリッド要素に作用する応力テンソルの各成分を式(1)に代入し、各破断モードについてスポット溶接部の破断が発生するか否かを評価することが可能になる。
しかしながら、式(1)において未知数である係数がA、B1、B2、及びCの4つ存在するのに対し、未知数を決定するための方程式は式(2)乃至(4)の3式しかないため、このままでは係数A、B1、B2、及びCを決定することができない。そこで、破断リスクの算出精度への影響が小さい項(τxz+τyz)を式(1)から省略し、次式のように変更する。
Figure 2014025892
・・・(5)
従って、式(2)乃至(4)を以下のように変更できる。
Figure 2014025892
・・・(6)
Figure 2014025892
・・・(7)
Figure 2014025892
・・・(8)
これらの式(6)乃至(8)から、式(5)の係数A、B、Cを決定することができる。
そして、式(5)の右辺を引張せん断による母材破断時の破断応力σTSSにより除算した値を、引張せん断による母材破断リスクBFRTSSと定義すると、BFRTSSは次式により算出できる。
Figure 2014025892
・・・(9)
同様に、十字引張による母材破断リスクBFRCTS、及びピールによる母材破断リスクBFRLTSは、以下のように算出できる。
Figure 2014025892
・・・(10)
Figure 2014025892
・・・(11)
さらに、引張せん断による界面破断リスクSFRTSS、十字引張による界面破断リスクSFRCTS、及びピールによる界面破断リスクSFRLTSについても、上述した説明と同様の検討に基づき、以下のように算出できる。
Figure 2014025892
・・・(12)
Figure 2014025892
・・・(13)
Figure 2014025892
・・・(14)
図3を参照して説明した衝突シミュレーション処理のステップS5において、破断リスク算出部8は、応力テンソル特定部6により特定された応力テンソルの各成分を式(9)乃至(14)に代入することにより、母材破断リスクBFRTSS、BFRCTS、BFRLTS、及び界面破断リスクSFRTSS、SFRCTS、SFRLTSを算出する。これらの式(9)乃至(14)により算出される各破断リスクは、0乃至1の値をとり得る。
さらに、ステップS6において、破断判定部10は、何れかの破断モードにおいて破断リスク算出部8によって算出された破断リスクが1となった場合、その破断モードによりスポット溶接部において破断が発生すると判定する。
次に、上述した本実施形態の破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラムによる作用効果を説明する。
まず、接合部に作用する応力テンソルと、接合部の破断応力とに基づき、上述した式(9)乃至(14)を用いて接合部の破断リスクを算出し、この破断リスクに基づき、接合部の破断を判定するので、計算負荷の増大を抑制しつつ、複数の板材を接合する接合部の破断を高精度に判定することができる。
特に、接合部の大きさにほぼ等しい単一ソリッド要素としてモデル化された接合部に作用する応力テンソルを特定し、この応力テンソルの各成分に基づいて接合部の破断リスクを算出するので、ビーム要素により接合部をモデル化する場合と比較して、局所的な歪み発生を防止することができ、解析精度の低下を防止することができる。
さらに、引張せん断、十字引張、及びピールの各破断モードによる破断リスクを、応力テンソルの各成分を用いて破断モード毎に算出し、その算出結果に基づき接合部の破断を判定するので、接合部の破断リスクをさらに高精度に予測することができ、接合部の破断を正確に判定することができる。
最後に、破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラムの変形例について説明する。
上述した実施形態においては、破断判定装置4が、相互に重ねられた複数の金属板を接合する接合部であるスポット溶接部の破断を判定する場合について説明したが、これとは異なる接合部の破断を判定するようにしてもよい。例えば、相互に重ねられた複数の金属板を接合する線溶接部や、相互に重ねられた複数の樹脂板やガラス板を接合するボルト、あるいは接着剤等の破断を判定するようにしてもよい。
1 衝突シミュレーション装置
2 車体解析部
4 破断判定装置
6 応力テンソル特定部
8 破断リスク算出部
10 破断判定部

Claims (6)

  1. 相互に重ねられた複数の板材を接合する接合部の破断を判定する破断判定装置であって、
    上記接合部に作用する応力テンソルを特定する応力テンソル特定手段と、
    上記応力テンソル特定手段により特定された上記応力テンソルと、上記接合部の破断応力とに基づき、上記接合部の破断リスクを算出する破断リスク算出手段と、
    上記破断リスク算出手段によって算出された破断リスクに基づき、上記接合部の破断を判定する破断判定手段と、を有し、
    上記破断リスク算出手段は、上記板材の法線方向を直交座標系のz軸とする上記応力テンソルを(σx、σy、σz、τzy、τzx)、上記破断応力を(σT)、重み付け係数を(A、B、C)とした場合、以下の式により上記破断リスク(FR)を算出することを特徴とする破断判定装置。
    Figure 2014025892
  2. 上記応力テンソル特定手段は、上記接合部の大きさにほぼ等しい単一ソリッド要素としてモデル化された上記接合部に作用する応力テンソルを特定する、請求項1に記載の破断判定装置。
  3. 上記破断リスク算出手段は、引張せん断による上記接合部の破断応力を(σTSS)、十字引張による上記接合部の破断応力を(σCTS)、ピールによる上記接合部の破断応力を(σLTS)とした場合、引張せん断による上記接合部の破断リスク(FRTSS)、十字引張による上記接合部の破断リスク(FRCTS)、及びピールによる上記接合部の破断リスク(FRLTS)を、それぞれ以下の式により算出する、請求項1又は2に記載の破断判定装置。
    Figure 2014025892
    Figure 2014025892
    Figure 2014025892
  4. 相互に重ねられた複数の金属板を接合するスポット溶接部の破断を判定する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の破断判定装置。
  5. 相互に重ねられた複数の板材を接合する接合部の破断を判定する破断判定方法であって、
    上記接合部に作用する応力テンソルを特定するステップと、
    上記特定された上記応力テンソルと、上記接合部の破断応力とに基づき、上記接合部の破断リスクを算出するステップと、
    上記算出された破断リスクに基づき、上記接合部の破断を判定するステップと、を有し、
    上記破断リスクを算出するステップにおいて、上記板材の法線方向を直交座標系のz軸とする上記応力テンソルを(σx、σy、σz、τzy、τzx)、上記破断応力を(σT)、重み付け係数を(A、B、C)とした場合、以下の式により上記破断リスク(FR)を算出することを特徴とする破断判定方法。
    Figure 2014025892
  6. 相互に重ねられた複数の板材を接合する接合部の破断をコンピュータに判定させるための破断判定プログラムであって、コンピュータに、
    上記接合部に作用する応力テンソルを特定するステップと、
    上記特定された上記応力テンソルと、上記接合部の破断応力とに基づき、上記接合部の破断リスクを算出するステップと、
    上記算出された破断リスクに基づき、上記接合部の破断を判定するステップと、を実行させ、
    上記破断リスクを算出するステップにおいて、上記板材の法線方向を直交座標系のz軸とする上記応力テンソルを(σx、σy、σz、τzy、τzx)、上記破断応力を(σT)、重み付け係数を(A、B、C)とした場合、以下の式により上記破断リスク(FR)を算出させることを特徴とする破断判定プログラム。
    Figure 2014025892
JP2012168669A 2012-07-30 2012-07-30 破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラム Active JP5896150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168669A JP5896150B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168669A JP5896150B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014025892A true JP2014025892A (ja) 2014-02-06
JP5896150B2 JP5896150B2 (ja) 2016-03-30

Family

ID=50199662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012168669A Active JP5896150B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5896150B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170105112A (ko) * 2015-02-26 2017-09-18 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 파단 예측 방법, 파단 예측 장치, 프로그램 및 기록 매체, 및 파단 판별 기준 산출 방법
JP7472783B2 (ja) 2020-12-28 2024-04-23 日本軽金属株式会社 破断判定装置、接合体の破断判定方法、プログラム、破断負荷算出装置、接合体の破断負荷算出方法及び記録媒体

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005148053A (ja) * 2003-10-22 2005-06-09 Nippon Steel Corp スポット溶接部の破断限界荷重の推定方法
JP2005205467A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Toyota Motor Corp 破断判定装置及び方法
JP2007024788A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Toyota Motor Corp 破断判定装置及び衝突シミュレーション装置
US20100131256A1 (en) * 2008-11-26 2010-05-27 Livermore Software Technology Corporation Spot Weld Failure Determination Method in a Finite Element Analysis

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005148053A (ja) * 2003-10-22 2005-06-09 Nippon Steel Corp スポット溶接部の破断限界荷重の推定方法
JP2005205467A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Toyota Motor Corp 破断判定装置及び方法
JP2007024788A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Toyota Motor Corp 破断判定装置及び衝突シミュレーション装置
US20100131256A1 (en) * 2008-11-26 2010-05-27 Livermore Software Technology Corporation Spot Weld Failure Determination Method in a Finite Element Analysis
JP2010127933A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Livermore Software Technology Corp 有限要素解析法におけるスポット溶接部破壊判定方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170105112A (ko) * 2015-02-26 2017-09-18 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 파단 예측 방법, 파단 예측 장치, 프로그램 및 기록 매체, 및 파단 판별 기준 산출 방법
KR102008598B1 (ko) 2015-02-26 2019-10-21 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 파단 예측 방법, 파단 예측 장치, 프로그램 및 기록 매체, 및 파단 판별 기준 산출 방법
US10915679B2 (en) 2015-02-26 2021-02-09 Nippon Steel Corporation Break prediction method, break prediction device, program, recording medium, and break discernment standard calculation method
JP7472783B2 (ja) 2020-12-28 2024-04-23 日本軽金属株式会社 破断判定装置、接合体の破断判定方法、プログラム、破断負荷算出装置、接合体の破断負荷算出方法及び記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP5896150B2 (ja) 2016-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dirik et al. Crack path and life prediction under mixed mode cyclic variable amplitude loading through XFEM
Ehlers et al. Simulating the collision response of ship side structures: A failure criteria benchmark study
US8689637B2 (en) Fracture analysis method, device, and program for spot welded portion, and computer-readable recording medium
KR101227295B1 (ko) 파단 판정 방법, 파단 판정 장치, 프로그램 및 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
JP5090426B2 (ja) 有限要素解析法におけるスポット溶接部破壊判定方法
Villavicencio et al. Experimental and numerical analysis of a tanker side panel laterally punched by a knife edge indenter
Pei et al. A multi-axial vibration fatigue evaluation procedure for welded structures in frequency domain
CN107250758B (zh) 断裂预测方法、断裂预测装置、记录介质以及断裂判别基准计算方法
Kõrgesaar et al. Size dependent response of large shell elements under in-plane tensile loading
JP6119451B2 (ja) 薄板レーザ溶接部の疲労寿命予測方法
WO2010080196A2 (en) Path-dependent cycle counting and multi-axial fatigue evaluation of engineering structures
KR102198584B1 (ko) 파단 예측 방법 및 장치, 그리고 기록 매체
JP5896150B2 (ja) 破断判定装置、破断判定方法、及び破断判定プログラム
Ilie et al. Three‐dimensional fatigue crack growth simulation and fatigue life assessment based on finite element analysis
JP2016212863A (ja) 金属くびれ破損の発生が予想される構造の時間進行数値シミュレーションを行う方法およびシステム
Shi et al. X-FEM toolkit for automated crack onset and growth prediction
Giagopoulos et al. Structural integrity analysis and optimization of an elevator frame, through fe modeling and experimental tests
Zaoui et al. Finite element method based modeling of resistance spot-welded mild steel
JP2004013492A (ja) 計測データの解析装置及び解析方法
JP6375963B2 (ja) 構造体の力学的弱点を発見可能な構造体設計支援装置
WO2014081399A1 (en) Apparatus and method for determining and verifying of strength of a mechanically loaded machine part
JP2023059609A (ja) 破断予測方法及び破断予測装置、並びに破断予測プログラム及び記録媒体
JP2019028033A (ja) 疲労損傷解析装置及び疲労損傷解析方法
Mohamad et al. AN INVESTIGATION OF EIGENVALUES OF SHEET METAL UNDERGOING BENDING STRESSES
Olivares et al. Crashworthiness of composites structures–Coupon level material model development

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150312

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5896150

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150