JP2014021994A - 不揮発性記憶装置及び不揮発性記憶装置の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特殊な構造とすることなく、検査のために書き込んだ値を紫外線照射で消去する工程を省略でき、製造コストを抑えることができる不揮発性記憶装置等を提供する。
【解決手段】 フローティングゲートFGを含むメモリーセルMCと、カップリング容量部FCと、フローティングゲートとカップリング容量部を介して接続され、メモリーセルに所定の電位を印加できる制御線CLと、を含み、メモリーセルに対して第1の条件による書き込みに比べてフローティングゲートへの電荷の注入量の少ない第2の条件による書き込みが行われた場合に、制御線に第1の電位が印加される第1の読み出し動作では、第1の値を出力し、制御線に第2の電位が印加される第2の読み出し動作では、第2の値を出力する。
【選択図】図1
【解決手段】 フローティングゲートFGを含むメモリーセルMCと、カップリング容量部FCと、フローティングゲートとカップリング容量部を介して接続され、メモリーセルに所定の電位を印加できる制御線CLと、を含み、メモリーセルに対して第1の条件による書き込みに比べてフローティングゲートへの電荷の注入量の少ない第2の条件による書き込みが行われた場合に、制御線に第1の電位が印加される第1の読み出し動作では、第1の値を出力し、制御線に第2の電位が印加される第2の読み出し動作では、第2の値を出力する。
【選択図】図1
Description
本発明は、不揮発性記憶装置及び不揮発性記憶装置の検査方法等に関する。
近年、フラッシュメモリーのような大容量の不揮発性記憶装置を利用することが可能である。その一方で、製品によりばらつきが生じ得るアナログ回路のキャリブレーションの用途等で、小容量で安価なOTP(One Time Programmable)メモリーへの需要がある。
OTPメモリーは1回だけ書き込みが可能な不揮発性メモリーである。例えば、FAMOS(Floating gate Avalanche-injection MOS)は、不揮発性メモリーの一種であって、紫外線により書き込み情報の消去が可能である。しかし、紫外線照射用窓のない一般に用いられるICパッケージで覆われた後は、小容量のOTPメモリーとして使用可能である。
例えば特許文献1の発明は、フローティングゲートの上に絶縁膜を介してコントロールゲートが形成されるFAMOSを開示している。このとき、コントロールゲートから測定した閾値電圧が一方の記憶状態で負、他方の記憶状態で正になるように設定し、2V程度の定電圧でも動作可能にしている。そのため、開発時にFAMOSを用いて、量産時には同一特性のマスクROMで置き換えることが可能である。
しかし、特許文献1の発明では、コントロールゲートをフローティングゲートよりも上の階層に形成する必要があり、2つの層の電極が必要な特殊な構造となる。そのため、設計の上での制約が大きく、トータルの製造コストを上昇させてしまう。また、特許文献1に開示されたFAMOSについても、例えば出荷検査において、検査のために書き込んだ値は紫外線照射を行って完全に消去する必要がある。そのため、出荷検査に時間がかかり、トータルの製造コストを上昇させてしまう。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、特殊な構造が不要であるにもかかわらず、出荷検査等において、検査のために書き込んだ値を紫外線照射によって消去するステップを省略でき、製造コストを抑えることができる不揮発性記憶装置及び不揮発性記憶装置の検査方法を提供することができる。
(1)本発明は、フローティングゲートを含む不揮発性記憶装置であって、前記フローティングゲートを含むメモリーセルと、カップリング容量部と、前記フローティングゲートと前記カップリング容量部を介して接続され、前記メモリーセルに所定の電位を印加できる制御線と、を含み、前記メモリーセルに対して第1の条件による書き込みに比べて前記フローティングゲートへの電荷の注入量の少ない第2の条件による書き込みが行われた場合に、前記制御線に第1の電位が印加される第1の読み出し動作では、第1の値を出力し、前記制御線に第2の電位が印加される第2の読み出し動作では、第2の値を出力する。
(2)この不揮発性記憶装置において、前記第1の値は前記メモリーセルに対して前記第1の条件による書き込みが行われていないことに相当する値であり、前記第2の値は前記メモリーセルに対して前記第1の条件による書き込みが行われていることに相当する値であってもよい。
本発明の不揮発性記憶装置では、フローティングゲートを含むメモリーセルと、カップリング容量部と、メモリーセルの外部から所定の電位を印加することでカップリング容量部を介してフローティングゲートの電位を制御できる制御線と、を含む。このとき、フローティングゲートの電位を直接に与えることはできないが、制御線に印加される電位を変化させることで間接的な調整が可能になる。
そして、本発明の不揮発性記憶装置は、メモリーセルに対して第1の条件による書き込みに比べてフローティングゲートへの電荷注入量の少ない第2の条件による書き込みが行われた場合に、その扱いが異なる2つの読み出し動作を行うことが可能である。つまり、制御線に印加する電圧を変えることで、フローティングゲートの電位を操作して、一方の読み出し動作では“0”が、他方の読み出し動作では“1”が出力されるようにする。
より具体的には、制御線に第1の電位(例えば0V)が印加される第1の読み出しでは第1の値(例えば“1”)を出力し、制御線に第2の電位(例えば−3V)が印加される第2の読み出しでは第2の値(例えば“0”)を出力する。
ここで、第1の値は、メモリーセルに対して第1の条件による書き込みが行われていないことに相当する値であり、第2の値は、メモリーセルに対して第1の条件による書き込みが行われていることに相当する値であってもよい。
このとき、動作モードを第2の読み出しとしておけば、第2の条件による書き込みを用いてのメモリーセルの検査が可能である。そして、検査で異常がないことを確認した後に動作モードが第1の読み出しとなるように制御線の電位を変化させることができる。第1の読み出しにおいて、第2の条件による書き込みは、第1の条件による書き込みが行われていない初期状態と同じように扱われるため、検査のために書き込んだ値を紫外線照射によって消去するステップを省略することができる。
さらに、異なる2つの読み出し動作は制御線に印加する電圧を変えるだけで切り換え可能であり、例えば引用文献1の発明のような2つの異なる階層に電極を設けるといった特殊構造を必要としない。そのため、特殊な構造が不要であるにもかかわらず、出荷検査等において検査のために書き込んだ値を紫外線照射で消去するステップ(工程)を省略でき、製造コストを抑えることが可能な不揮発性記憶装置を実現できる。
(3)この不揮発性記憶装置において、前記メモリーセルは、半導体基板上に積層される層構造を有し、前記カップリング容量部を、前記フローティングゲートと同じ層で構成してもよい。
(4)この不揮発性記憶装置において、前記メモリーセルは、前記フローティングゲートを挟み、対称的に配置された2つのキャパシタを含んでもよい。
これらの発明の不揮発性記憶装置では、カップリング容量部を、フローティングゲートと同じ層で構成する。そして、フローティングゲートに対応する部分とカップリング容量部であるキャパシタに対応する部分の面積比の調整により、キャパシタの容量を所望の値にすることができる。従って、制御線の電位の変化により、第1の条件による書き込みと第2の条件による書き込みとを適切に切り換えることができ、正確な検査を実行可能とす
る。
る。
ここで、キャパシタは2つの部分で構成されており、フローティングゲートを挟んで対称的に配置されてもよい。2つのキャパシタを配置する方向は特定の方向に限られない。このとき、製造時におけるマスクずれが生じたとしても、フローティングゲートを含む1つの層全体がずれるために、フローティングゲートに対応する部分とキャパシタに対応する部分の面積比を一定に保つことができる。従って、正確な検査を実行可能とする不揮発性記憶装置を容易に製造することができる。
(5)この不揮発性記憶装置において、前記メモリーセルを第1の方向及び前記第1の方向と直交する第2の方向にアレイ状に配置し、前記第1の方向又は前記第2の方向に隣接して配置された第1のメモリーセルと第2のメモリーセルとの間に、前記フローティングゲートと同じ層で構成された信号線を配置してもよい。
(6)この不揮発性記憶装置において、前記信号線がアレイ状に配置された前記メモリーセルの選択を行うワード線と電気的に接続されてもよい。
(7)この不揮発性記憶装置において、前記メモリーセルは、直列に接続された2つのトランジスタを含み、前記2つのトランジスタは、前記フローティングゲートを含むFAMOSトランジスタと、前記ワード線によって選択される選択トランジスタであってもよい。
これらの発明の不揮発性記憶装置では、フローティングゲートを含むメモリーセルが、第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向にアレイ状に配置されている。一般に、メモリーセルは行アドレスと列アドレスで選択されるが、第1の方向は行方向であってもよいし、列方向であってもよい。第1の方向が行方向であれば第2の方向は列方向であり、第1の方向が列方向であれば第2の方向は行方向である。
これらの発明の不揮発性記憶装置は積層構造をとる。フローティングゲートも1つの層(例えば、ポリシリコン層)で構成されるが、基本的に周囲を酸化層(例えばSiO2層)によって絶縁されているため、一般に加工不良等によって隣接するフローティングゲートとの短絡が生じても検出は困難である。
これらの発明の不揮発性記憶装置は、メモリーセルのレイアウト構造として、第1の方向及び第2の方向の少なくとも一方の隣接するメモリーセル間に、フローティングゲートと同じ層の電圧制御可能な信号線を配置している。従って、例えば隣接するフローティングゲートとの短絡が生じても、フローティングゲート間に配置された同層の信号線とも短絡することになり短絡の検出が容易にできる。
なお、この信号線は電圧制御可能であるため、フローティングゲートに電荷が注入されているメモリーセルについても、電荷が注入されていないメモリーセルについても、短絡の検出が可能である。そして、この信号線を設けることで、隣接するメモリーセル間の短絡を検査する特殊なテストパターン(例えば、チェッカーパターン)が不要になる。
また、これらの発明の不揮発性記憶装置において、メモリーセルの間に配置される信号線は、アレイ状に配置されたメモリーセルの選択を行うワード線と電気的に接続されていてもよい。このとき、隣接するメモリーセルの間に配置される信号線の電圧制御をワード線の制御と共用できるので、別途制御回路を設ける必要がない。そのため、回路を単純化でき、回路規模を小さくすることができる。
さらに、不揮発性記憶装置はFAMOSであってもよい。前記の通りFAMOSはOTPメモリーとして使用可能である。このとき、隣接するメモリーセルのフローティングゲート間の短絡を特殊なテストパターンを使用せずとも容易に検出できる。そのため、出荷検査にかかる時間を短縮でき、トータルの製造コストを抑えることができる。
(8)本発明は、前記のいずれかの不揮発性記憶装置の検査方法であって、検査対象である前記メモリーセルに対して、前記第2の条件による書き込みを行うステップと、検査対象である前記メモリーセルのそれぞれについて、前記第2の読み出し動作を行い、前記第2の値が出力されない場合に異常であると判断する故障判断ステップと、を含む。
(9)この不揮発性記憶装置の検査方法において、前記故障判断ステップにおいて異常がないと判断した場合に、前記制御線を第1の電位に固定するステップを含んでもよい。
これらの発明は、前記のいずれかの不揮発性記憶装置の検査方法である。まず、検査対象となるメモリーセルの全てについて、第2の条件による書き込みによってフローティングゲートに電荷を注入するステップを含む。そして、故障判断ステップとして、制御線に第2の電位を印加して第2の読み出しを行い、第1の条件による書き込みが行われていることに相当する第2の値が出力されない場合に異常であると判断する。つまり、第2の条件による書き込みを用いながらも、メモリーセルに対する書き込みを検査できる。
そして、故障判断ステップにおいて異常がないことを確認した後に、制御線を第1の電位に固定するステップをさらに含んでいてもよい。このステップにおいては、以後の読み出し動作モードが第1の読み出しとなるように制御線の電位を変化させる。第1の読み出しにおいては、第2の条件による書き込みは、第1の条件による書き込みが行われていない初期状態と同じように扱われる。そのため、検査のために書き込んだ値を紫外線照射によって消去するステップ、完全に消去されたことを確認するステップ等を省略することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1.1.不揮発性記憶装置の回路図
図1は、本実施形態の不揮発性記憶装置の回路図である。本実施形態の不揮発性記憶装置1は、半導体基板上に積層されて製造されるFAMOS(Floating gate Avalanche-injection MOS)の記憶装置である。不揮発性記憶装置1は、メモリーセルMCをX方向(本発明の第1の方向に対応)、及びY方向(本発明の第2の方向に対応)にアレイ状に配置している。なお、図1は不揮発性記憶装置1の一部を示したものであり、不揮発性記憶装置1は図示した以外のメモリーセルMCを含んでいてもよいし、図示したメモリーセルMCの一部を削ってもよい。
1.1.不揮発性記憶装置の回路図
図1は、本実施形態の不揮発性記憶装置の回路図である。本実施形態の不揮発性記憶装置1は、半導体基板上に積層されて製造されるFAMOS(Floating gate Avalanche-injection MOS)の記憶装置である。不揮発性記憶装置1は、メモリーセルMCをX方向(本発明の第1の方向に対応)、及びY方向(本発明の第2の方向に対応)にアレイ状に配置している。なお、図1は不揮発性記憶装置1の一部を示したものであり、不揮発性記憶装置1は図示した以外のメモリーセルMCを含んでいてもよいし、図示したメモリーセルMCの一部を削ってもよい。
メモリーセルは、ワード線WLとビット線BLとによって選択されて、書き込み及び読み出しが行われる。ワード線WLとビット線BLとは、制御部(不図示)によって電圧制御される。ワード線WLとビット線BLとは直交しているが、ワード線WLはX軸に平行に、ビット線BLはY軸に平行に配線されている。例えば行と列とで表現すると、Y方向を行方向に、X方向を列方向に対応させることができる。
メモリーセルMCは、フローティングゲートFGを含むFAMOSトランジスタFTrとワード線WLによって選択される選択トランジスタCTrが直列に接続された構造となっている。そして、図1のように、FAMOSトランジスタFTrはキャパシタFC(本発明のカップリング容量部に対応)を含み、キャパシタFCには制御線CLが接続されている。フローティングゲートの電位を直接制御することはできないが、制御線CLに印加される電位を変化させることで間接的な調整が可能になる。なお、制御線CLは例えば不揮発性記憶装置1の端子に割り当てられて不揮発性記憶装置1の外部から制御されてもよいし、制御部(不図示)によって電圧制御されてもよい。
ここで、フローティングゲートFGに電荷が注入された状態では、読み出しされた時に電流が流れるので、このことを検出してメモリーセルMCの値が“0”であるとする。“0”は本発明の第2の値に対応する。また、フローティングゲートFGに電荷が注入されていない状態では、読み出しされた時に電流が流れないので、このことを検出してメモリーの値が“1”であるとする。例えば、書き込み(すなわち、フローティングゲートFGへの電荷の注入)をしていない、初期のメモリーセルMCを読み出すときの期待値は“1”である。そして、“1”は本発明の第1の値に対応する。
図1のように、メモリーセルMCにおいて、FAMOSトランジスタFTr、選択トランジスタCTrはP型トランジスタであり、基板の電位を制御する電源線PLと接続されている。なお、P型トランジスタでなくN型トランジスタで構成することもできる。また、ソース線SLは、FAMOSトランジスタFTrのソースと接続される。
1.2.不揮発性記憶装置のレイアウト図
図2〜図4は、本実施形態の不揮発性記憶装置のレイアウト図である。図2〜図4は、図1の一部の4つのメモリーセルMCに対応するものである。また、図2は金属配線層より下のバルク層を、図3は第1〜第2金属配線層を、図4は第2〜第3金属配線層をそれぞれ示している。そして、図2〜図4は、図1の回路図の通りに電気的な接続がなされていることを示すものである。なお、図1と同じ要素には同じ符号を付しており詳細な説明を省略する。
図2〜図4は、本実施形態の不揮発性記憶装置のレイアウト図である。図2〜図4は、図1の一部の4つのメモリーセルMCに対応するものである。また、図2は金属配線層より下のバルク層を、図3は第1〜第2金属配線層を、図4は第2〜第3金属配線層をそれぞれ示している。そして、図2〜図4は、図1の回路図の通りに電気的な接続がなされていることを示すものである。なお、図1と同じ要素には同じ符号を付しており詳細な説明を省略する。
図2において、斜線で示された部分は同一の層であり、本実施形態ではポリシリコン層であるとする。図2のように、本実施形態ではフローティングゲートFG、ワード線WLは同じポリシリコン層にある。
白色で示された拡散領域DLは例えばソース/ドレイン拡散領域であり、図2のようにFAMOSトランジスタFTr、選択トランジスタCTrを構成する。また、拡散領域DLはポリシリコン層の一部との間でキャパシタFCa、FCbを構成する。キャパシタFCa、FCbはフローティングゲートFGを挟んでX軸方向に対称的に配置されている。2つのキャパシタFCa、FCbは図1のキャパシタFCを構成する。
なお、本実施形態のように拡散領域DLとポリシリコン層とではなく、ポリシリコン層と金属配線層(図3の第1金属配線が対応)との間でキャパシタFCa、FCbが構成されてもよい。
ここで、キャパシタFCa、FCbがフローティングゲートFGと同じポリシリコン層で形成されるので、フローティングゲートFGとの面積比を調整することで、所望のカップリング容量を得ることが可能になる。カップリング容量が所望の値となることで、フローティングゲートFGの電位を計算により正確に求めることができる。そして、計算の結果に基づいて、制御線CLの電位を制御して「通常の書き込み」(本発明の「第1の条件による書き込み」に対応)と「弱い書き込み」(本発明の「第2の条件による書き込み」に対応)とを適切に切り換えることが可能になる。そのため、不揮発性記憶装置1の正確な検査が可能になる。
また、図2のようにキャパシタFCa、FCbはフローティングゲートFGを中心に左右対称に形成される。このとき、フローティングゲートFGの寄生容量を減らして、制御線によって効果的にフローティングゲートFGの電位を制御できる。また、製造時にマスクずれ、すなわちポリシリコン層全体がある方向にずれる事態が生じても、キャパシタFCa、FCbとフローティングゲートFGとの面積比を保つことができるので、結果として容量比を一定に保つことが可能である。
例えば、ポリシリコン層全体がX軸正方向にずれた場合には、キャパシタFCaの面積の減少分がキャパシタFCbの面積の増加分となる。フローティングゲートFGの面積は変わらず、キャパシタFCa、FCbの面積の合計は変わらないので容量比を一定に保つことができる。
なお、図2のCTはコンタクトである。そのうち、コンタクトCTBと表したものはビット線BL(図1参照)と電気的に接続され、コンタクトCTSと表したものはソース線SL(図1参照)と電気的に接続されることを示す。
図4の上位の金属配線層ではビット線BLはY軸方向に配線されており、図3のメモリーセルMCの紙面下部のコンタクトを介して、図2のコンタクトCTBと電気的に接続される。そして、図4の上位の金属配線層でもソース線SLはY軸方向に配線されており、1つ下の階層の金属配線層ではX軸方向に配線されている。そして、図3のメモリーセルMCの紙面上部のコンタクトを介して、図2のコンタクトCTSと電気的に接続される。
なお、図3の斜線で示された金属配線と図4の斜線で示された金属配線は同じ第2金属配線を表す。また、図3の白色で示された金属配線は第2金属配線よりも下位の第1金属配線であり、図4の白色で示された金属配線は第2金属配線よりも上位の第3金属配線である。
図3及び図4のように、他にも電源線PL、制御線CL、ワード線WLが配線されており、コンタクトを介して図2の所定の部分と電気的に接続されて、図1に示したような回路を構成する。電源線PLは、FAMOSトランジスタFTr、選択トランジスタCTrの基板の電位を制御する。制御線CLは図1のキャパシタFC(図2のキャパシタFCa及びキャパシタFCb)と接続され、間接的にフローティングゲートFGの電位を制御する。そして、ワード線WLは選択トランジスタCTrと接続され、メモリーセルの選択を制御する。
1.3.不揮発性記憶装置の動作モード
図1〜図4を用いて構成を説明した本実施形態の不揮発性記憶装置1の動作について、図5〜図11を参照して下記に説明する。不揮発性記憶装置の動作は大別して、書き込み、読み出し、消去がある。ここで、本実施形態の不揮発性記憶装置1はFAMOSであって、消去は外部からの紫外線照射によって行われるものであるため説明を省略する。
図1〜図4を用いて構成を説明した本実施形態の不揮発性記憶装置1の動作について、図5〜図11を参照して下記に説明する。不揮発性記憶装置の動作は大別して、書き込み、読み出し、消去がある。ここで、本実施形態の不揮発性記憶装置1はFAMOSであって、消去は外部からの紫外線照射によって行われるものであるため説明を省略する。
図5は本実施形態の不揮発性記憶装置1の書き込み動作モードと信号線の電位との関係を示す図である。不揮発性記憶装置1の書き込み動作モードは、「通常の書き込み」以外に「弱い書き込み」がある。弱い書き込みは、通常の書き込みに比べてフローティングゲートへの電荷注入量の少ない書き込み動作である。
具体的には、図5に示すように、通常の書き込みの場合にはソース線SLをHVDD(例えば−6.0V)、ビット線BL及び電源線PLをGND(例えば0V)にすることで行う。なお、ワード線WLについては表記を省略しているが、対象のメモリーセルが選択されるように適宜必要な電位が設定されるものとする。
一方、弱い書き込みの場合には、HVDDよりも電位差が小さくなるような電位を用いるためフローティングゲートへの電荷注入量が少なくなる。この電位として、図5の例ではHVDDの8割程度の電位が使用されるが、例えばメモリーセルの特性曲線(図6参照)によって適宜選択されるものであり、これに限るものではない。本実施形態では、弱い書き込みは、ソース線SLを0.8×HVDD(例えば−4.8V)、ビット線BL及び電源線PLをGND(例えば0V)にすることで行う。
なお、これらの書き込みは、制御線CLを持たないメモリーセル(図8参照)に対して行うこともできる。本実施形態では、通常の書き込みの場合にも、弱い書き込みの場合にも、制御線CLがGND(例えば0V)に設定されるものとする。
図6は、本実施形態の不揮発性記憶装置の電流値に関する特性曲線を示す図である。図6を用いて弱い書き込みが行われたメモリーセルを読み出した場合のメモリーセル電流について説明する。なお、制御線CLはGNDであるとする。
本実施形態の不揮発性記憶装置のメモリーセルは、初期状態ではフローティングゲートFGに電子が注入されておらず、図6の(A)の状態にある。図6に示すように、この初期状態のメモリーセルの読み出しをした場合、電流は流れないため“1”が期待値となる。
通常の書き込み又は弱い書き込みが行われると、アバランシェ電流が流れ、フローティングゲートFGに電子が注入され始める。図6では(B)の状態になる。
ここで、弱い書き込みの場合には、図6では(C)の状態から印加電圧が上昇することはない。そのため、図6の点線で示される特性曲線を有することになる。つまり、印加電
圧(0〜0.8×HVDD)の変化に応じて、点線で示される曲線に従ってメモリーセル電流が変化する。このとき、読み出し電圧(図6のVDD)では、“1”に対応するメモリーセル電流しか流れない。すなわち、制御線CLをGNDとする読み出し(後述する第1の読み出しに対応)において、弱い書き込みを行ったメモリーセルを読み出しても初期状態(書き込みを行っていない状態)と同じ“1”が読み出される。
圧(0〜0.8×HVDD)の変化に応じて、点線で示される曲線に従ってメモリーセル電流が変化する。このとき、読み出し電圧(図6のVDD)では、“1”に対応するメモリーセル電流しか流れない。すなわち、制御線CLをGNDとする読み出し(後述する第1の読み出しに対応)において、弱い書き込みを行ったメモリーセルを読み出しても初期状態(書き込みを行っていない状態)と同じ“1”が読み出される。
一方、通常の書き込みの場合には、図6の(D)の状態に達し、その後は印加電圧(0〜HVDD)の変化に応じて、実線で示される曲線に従ってメモリーセル電流が変化する。このとき、読み出し電圧(図6のVDD)では、“0”に対応するメモリーセル電流が流れる。つまり、初期状態とは異なる値が読み出される。
例えば、その後に制御線CLをGNDとする読み出しだけが行われるとするならば、メモリーセルに対して弱い書き込みを実行したとしても、初期状態と同じ“1”が読み出されるので紫外線照射によって消去する必要がない。すなわち、動作モードとして弱い書き込みを用いて不揮発性記憶装置のメモリーセルを検査し、その後に制御線CLをGNDに固定すれば、紫外線照射や完全に消去されたかをチェックするステップを省略でき、製造コストを抑えることが可能である。
ここで、弱い書き込みが行われたメモリーセルを擬似的な書き込み状態と扱うような、通常とは異なる読み出し動作を備えていれば弱い書き込みを利用した適切な検査が可能である。本実施形態の不揮発性記憶装置1は、2つの読み出し動作を備えており、弱い書き込みを用いた検査を可能にする。
図7は、本実施形態の不揮発性記憶装置1の読み出し動作モードと信号線の電位との関係を示す図である。不揮発性記憶装置1の読み出し動作モードは、「第1の読み出し」と「第2の読み出し」がある。
具体的には、図7に示すように、第1の読み出しの場合には制御線CLをGND(例えば0V、本発明の第1の電位に対応)、ソース線SL及び電源線PLをGND(例えば0V)、ビット線BLをVDD(例えば−1.8V)にすることで行う。なお、ワード線WLについては表記を省略しているが、対象のメモリーセルが選択されるように適宜必要な電位が設定されるものとする。
一方、第2の読み出しの場合には、第1の読み出しと比べて制御線CLをGNDではなくVa(例えば−3.0V、本発明の第2の電位に対応)にする点が異なる。このとき、フローティングゲートFGの電位を変化させて、弱い書き込みがされたメモリーセルの電流量を増やすことができ、メモリーセルを擬似的な書き込み状態と扱って検査することが可能になる。
第2の読み出しについて図8〜図11を参照に詳しく説明する。図8は、キャパシタFCを持たない比較例のフローティングゲートFGの寄生容量を説明する図である。フローティングゲートFGの電位VGを計算するには、ソースドレイン間の電位差VDSと寄生容量を考慮する必要がある。
図8のように、フローティングゲートFG(以下、単にゲートとも表す)について、ゲート・ソース間の寄生容量CGS、ゲート・基板間の寄生容量CGB、ゲート・ドレイン間の寄生容量CGDがある。そして、書き込みによってフローティングゲートFGに注入された電荷を電荷QFGとする。このとき、フローティングゲートFGの電位VGは、以下の式(1)で表される。
一方、図9は本実施形態の不揮発性記憶装置1のフローティングゲートFGの寄生容量を説明する図である。図8と異なり、キャパシタFCa、FCb(図2参照)が形成されており、フローティングゲートFGのカップリング容量CFCを考慮する必要がある。また、図9の電位VFは制御線CLによって制御可能である。
本実施形態の不揮発性記憶装置1のフローティングゲートFGの電位VGは、以下の式(2)で表される。
ここで、式(2)を式(1)と比較すると、本実施形態の不揮発性記憶装置1では電位VFに負の電位を与えることで電位VGが大きく変化することがわかる。図7を用いて説明したように、本実施形態の不揮発性記憶装置1は、制御線CLをGND(すなわち、電位VFを0V)にする第1の読み出しと、制御線CLをVa(すなわち、電位VFを−3.0V)にする第2の読み出しとの2つの読み出し動作モードを有する。第1の読み出しでは、式(2)においてVFを0Vとした場合に対応するため、分子の“CFC×VF”の項の影響はなく、式(1)とほぼ同じ電位VGの変化になる。一方、第2の読み出しでは、式(2)においてVFを−3Vとした場合に対応するため、分子の“CFC×VF”の項の影響により、電位VGは式(1)と大きく異なる。
図10は、本実施形態の不揮発性記憶装置1のメモリーセルにおける電位VGの変化を示す図であり、シミュレーション結果に基づくものである。VFが0Vの場合、通常の書き込みをしたメモリーセルの電位VGの変化は点線で示す直線110Aのようになる。一方、弱い書き込みをしたメモリーセルの電位VGの変化は実線で示す直線100Aのようになる。これは、通常の書き込みをした場合のフローティングゲートFGへの電荷注入量が弱い書き込みをした場合に比べて大きく、式(2)における電荷QFGが異なるためである。
図11は、図10の縦軸をメモリーセル電流に置き換えたものである。すなわち、図11は本実施形態の不揮発性記憶装置1のメモリーセルにおけるメモリーセル電流(具体的にはドレイン電流)の変化を示すものであり、シミュレーション結果に基づくものである。本実施形態の不揮発性記憶装置1では、選択したメモリーセルを読み出した時に流れる電流のレベルによって、“1”又は“0”を出力する。この閾値が図11の状態判定レベルであり、メモリーセル電流が状態判定レベル以上であれば“0”を、同レベル未満であれば“1”を出力する。
図11において、点線で示されたメモリーセル電流の変化を表す曲線110Bは、図10の直線110Aに対応する。そして、実線で示されたメモリーセル電流の変化を表す曲
線100Bは図10の直線100Aに対応する。図11の曲線110B、曲線100Bから読み取れるように、VFが0V(第1の読み出し)の場合、通常の書き込みをしたメモリーセルを読み出すと“0”が、弱い書き込みをしたメモリーセルを読み出すと“1”が出力されることを表している。前記の通り“1”は初期状態のメモリーセルの読み出し値に対応するので、VFが0Vの場合には弱い書き込みをしたメモリーセルは初期状態と同じ扱いになる。なお、読み出しを行う動作電圧は図11の例では−1.8V(図7のVDD)である。
線100Bは図10の直線100Aに対応する。図11の曲線110B、曲線100Bから読み取れるように、VFが0V(第1の読み出し)の場合、通常の書き込みをしたメモリーセルを読み出すと“0”が、弱い書き込みをしたメモリーセルを読み出すと“1”が出力されることを表している。前記の通り“1”は初期状態のメモリーセルの読み出し値に対応するので、VFが0Vの場合には弱い書き込みをしたメモリーセルは初期状態と同じ扱いになる。なお、読み出しを行う動作電圧は図11の例では−1.8V(図7のVDD)である。
ここで、VFを−3Vとして読み出し動作モードを第2の読み出しとした場合について検討する。再び図10を参照すると、VFが−3Vの場合、弱い書き込みをしたメモリーセルの電位VGの変化は直線102Aのようになる。VFを0Vから−3Vに変化させると、電位VGは直線100Aから直線102Aに従うように変化する(図10の矢印参照)。これは、式(2)の分子の“CFC×VF”の項が影響するためである。そのため、VFが−3V(第2の読み出し)の場合、弱い書き込みをしたメモリーセルの電位VGは、通常の書き込み(直線110A)に近い変化を示す。
図11において、メモリーセル電流の変化を表す曲線102Bは図10の直線102Aに対応する。図11に示すように、VFを0Vではなく−3Vとすると、弱い書き込みをしたメモリーセルについて“0”が読み出される。つまり、読み出し動作モードを第2の読み出しとすると、弱い書き込みが行われたメモリーセルを擬似的な書き込み状態と扱うような、通常とは異なる読み出し動作が可能になる。
そこで、本実施形態の不揮発性記憶装置1では、メモリーセルに弱い書き込みを行い、動作モードを第2の読み出し(図7参照)にして検査し、その後に制御線を操作して第1の読み出しだけが行われるようにする。第1の読み出しでは、弱い書き込みがされたメモリーセルを読み出しても初期状態と同じ値が出力されるので、紫外線照射や完全に消去されたかをチェックするステップを省略でき、製造コストを抑えることが可能である。また、このとき、2つの異なる階層に電極を設けるような特殊構造を要することもなく、制御線に印加する電位を変えるだけで読み出し動作モードの切り換えが可能である。
1.4.検査方法
本実施形態の不揮発性記憶装置の検査方法について説明する。ここで、最初に比較例の不揮発性記憶装置の検査方法について図12を用いて説明した後に、本実施形態の不揮発性記憶装置の検査方法について図13を用いて説明する。
本実施形態の不揮発性記憶装置の検査方法について説明する。ここで、最初に比較例の不揮発性記憶装置の検査方法について図12を用いて説明した後に、本実施形態の不揮発性記憶装置の検査方法について図13を用いて説明する。
比較例の不揮発性記憶装置では、読み出し動作モードを切り換える制御線CLを持たないため(図8参照)、ただ1つの読み出し動作モードしか持たない。そのため、検査においても通常の書き込みを行い、検査のために書き込んだ値は紫外線照射を行って完全に消去する必要がある。
図12は、比較例の不揮発性記憶装置の出荷検査を表すフローチャートである。比較例の不揮発性記憶装置の検査では、まず初期データの読み出しが全てのメモリーセルに対して行われ、期待値と照合される(S10)。このとき、フローティングゲートFGへの電荷の注入がされていないため、全てのメモリーセルの期待値は“1”である。
その後、全てのメモリーセルに対して一律に書き込み(フローティングゲートFGへの電荷の注入)が行われる(S12)。比較例では、このときの書き込みは弱い書き込みではなく、通常の書き込みである。そして、保持能力を確認するために、高温ベーク(S14)が行われる。高温ベークは例えば24時間高温の状態にすることで、フローティングゲートFGに電荷が保持されるかを見る加速度試験である。
その後、メモリーセル毎に読み出され、期待値“0”との照合が行われる(S16)。ここでは、全てのメモリーセルが検査対象であり、全てのメモリーセルの期待値が“0”である。なお、一部のメモリーセルだけが検査対象であってもよい。そして、検査のために書き込んだ値を消去するために、紫外線が照射され(S18)、消去を確認するための消去確認試験が行われる(S19)。ここで、消去確認試験はS10と同じように期待値である“1”との照合を行う。
このように、比較例の不揮発性記憶装置の出荷検査では、検査のために書き込んだ値を消去するための紫外線照射(S18)と消去確認試験(S19)が必要である。そのため、検査に時間がかかり、検査コストが増大して安価なOTPメモリーとして使用されることが困難になる可能性がある。
一方、本実施形態の不揮発性記憶装置の検査方法では、図13に示すように、比較例の不揮発性記憶装置の検査におけるステップS18〜S19が不要である。なお、図12と同じステップについては同じ符号を付しており、重複する説明は省略する。
本実施形態の不揮発性記憶装置1の検査方法では、初期データの読み出しと期待値との照合(S10)の後で、比較例の場合と異なり、弱い書き込みによってFGに一律に電荷を注入する(S12A)。その後、高温ベーク(S14)が行われる。
次に、本実施形態の不揮発性記憶装置の出荷検査では、制御線CLにVaを印加(図9を用いて説明すると、VFをVaすなわち−3Vに設定)して、読み出し動作モードを第2の読み出しにする(S16A)。そして、弱い書き込みが行われたメモリーセルを擬似的な書き込み状態と扱い、全てのメモリーセルの検査、すなわち期待値“0”との照合をする(S16A)。このとき、読み出したメモリーセルの値が期待値“0”と違う場合には、メモリーセルの故障(異常)であると判断する。
そして、制御線CLをGND(図9を用いて説明すると、VFをGNDすなわち0V)に設定して、読み出し動作モードを第1の読み出しにする(S20)。このとき、弱い書き込みは、動作モードが第1の読み出しの場合、書き込みが行われていない初期状態と同じように扱われる。そのため、紫外線照射(S18)と消去確認試験(S19)のステップが不要になる。
このように、本実施形態の不揮発性記憶装置の検査方法では、紫外線照射や完全に消去されたかをチェックするステップを省略でき、製造コストを抑えることが可能である。また、このとき、検査対象の不揮発性記憶装置に対して、2つの異なる階層に電極を設けるような特殊構造を要することもない。
なお、読み出し動作モードを第1の読み出しにするステップ(S20)は、故障判断ステップにおいて異常がないことを確認できた場合にだけ実行されてもよい。ここで、故障判断ステップとは、弱い書き込みが行われたメモリーセルを擬似的な書き込み状態と扱って期待値“0”との照合をするステップ(S16A)が対応する。
2.変形例
第1実施形態の不揮発性記憶装置の変形例について図14を用いて説明する。また、本変形例の不揮発性記憶装置の検査方法について図15を用いて説明する。図14は、変形例の不揮発性記憶装置1のメモリーセルのレイアウト図である。図14は、第1実施形態の図2に対応し、金属配線層より下のバルク層を示している。なお、金属配線層については第1実施形態の図3〜4と同じであり、回路図についても図1と同じである。なお、図
14において、図1〜図13と同じ要素には同じ符号を付しており、異なる部分のみについて説明する。
第1実施形態の不揮発性記憶装置の変形例について図14を用いて説明する。また、本変形例の不揮発性記憶装置の検査方法について図15を用いて説明する。図14は、変形例の不揮発性記憶装置1のメモリーセルのレイアウト図である。図14は、第1実施形態の図2に対応し、金属配線層より下のバルク層を示している。なお、金属配線層については第1実施形態の図3〜4と同じであり、回路図についても図1と同じである。なお、図
14において、図1〜図13と同じ要素には同じ符号を付しており、異なる部分のみについて説明する。
近年の微細化の進展に伴って隣接するメモリーセル(図14では第1のメモリーセルMC1、第2のメモリーセルMC2が対応)のフローティングゲート(図14ではフローティングゲートFG1、FG2が対応)で短絡が発生する可能性がある。このような短絡を検出するために、出荷検査で隣接するメモリーセルの書き込み状態が互いに異なる特殊なテストパターン(例えばチェッカーパターン)を用いる必要があった。
しかし、本変形例の不揮発性記憶装置1では、図14のようにX方向に隣接するメモリーセル間に、ポリシリコン層の信号線20が存在する。もし、仮に隣接するフローティングゲートFG1、FG2が短絡しても、これらの間に配置された同じポリシリコン層の信号線20とも短絡することになるので短絡を容易に検出できる。そのため、チェッカーパターンを用いた検査を行っていた場合には、そのステップが不要になり、製造コストを抑えることができる。
このとき、図14のように、信号線20はワード線WLと電気的に接続されていることが好ましい。信号線20の電圧制御をワード線の制御と共用できるので、別途制御回路を設ける必要がない。そのため、回路を単純化でき、回路規模を小さくすることができる。
なお、図14ではX軸方向に隣接するメモリーセル間に信号線20が配置されているが、Y軸方向に隣接するメモリーセル間にも信号線20が配置されていてもよい。このとき、隣接するフローティングゲート間のY軸方向の短絡も容易に検出することができる。
図15は、比較例(図8参照)の不揮発性記憶装置1のチェッカーパターンを用いる出荷検査を表すフローチャートである。なお、図12と同じステップには同じ符号を付しており説明を省略する。
隣接するフローティングゲート間の短絡を検出するために、図15の出荷検査のフローチャートでは紫外線照射(S18)の後に、チェッカーパターンの書き込み(S22)を行う。これにより、隣接するメモリーセルで書き込み状態が互いに異なるようにできる。そして、高温ベークを行い(S24)、データ(値)を読み出してチェッカーパターンに対応した期待値との照合が行われる(S26)。その後に再び紫外線照射(S28)してから、消去を確認するための消去確認試験が行われる(S29)。なお、消去確認試験(S29)は図12の同じ名称のステップ(S19)に対応する。
本変形例の不揮発性記憶装置の検査方法では、前記のようにフローティングゲート間の短絡は、信号線20とも短絡することになるので容易に検出できる。つまり、第1実施形態と同じように図13のフローチャートに従う出荷検査を実行するだけで、例えばワード線WLの動作の異常として短絡が検出され得る。このとき、比較例の不揮発性記憶装置の検査(図15)におけるステップS18〜S29が不要である。
以上のように、本変形例の不揮発性記憶装置及びその検査方法では、フローティングゲート間の短絡をチェックするための特殊なパターンを必要とせず、製造コストを抑えることが可能である。また、本変形例の不揮発性記憶装置についても、2つの異なる階層に電極を設けるような特殊構造は必要ない。
3.その他
本発明は、実施形態及び変形例で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明
は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明は、実施形態及び変形例で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明
は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 不揮発性記憶装置、20 信号線、BL ビット線、CFC カップリング容量、CGB 寄生容量、CGD 寄生容量、CGS 寄生容量、CL 制御線、CT コンタクト、CTB コンタクト、CTS コンタクト、CTr 選択トランジスタ、DL 拡散領域、FC キャパシタ、FCa キャパシタ、FCb キャパシタ、FG フローティングゲート、FG1 フローティングゲート、FG2 フローティングゲート、FTr FAMOSトランジスタ、MC メモリーセル、MC1 第1のメモリーセル、MC2 第2のメモリーセル、PL 電源線、QFG 電荷、SL ソース線、VDS 電位差、VF 電位、VG 電位、WL ワード線
Claims (9)
- フローティングゲートを含む不揮発性記憶装置であって、
前記フローティングゲートを含むメモリーセルと、
カップリング容量部と、
前記フローティングゲートと前記カップリング容量部を介して接続され、前記メモリーセルに所定の電位を印加できる制御線と、を含み、
前記メモリーセルに対して第1の条件による書き込みに比べて前記フローティングゲートへの電荷の注入量の少ない第2の条件による書き込みが行われた場合に、
前記制御線に第1の電位が印加される第1の読み出し動作では、第1の値を出力し、
前記制御線に第2の電位が印加される第2の読み出し動作では、第2の値を出力する、不揮発性記憶装置。 - 請求項1に記載の不揮発性記憶装置において、
前記第1の値は前記メモリーセルに対して前記第1の条件による書き込みが行われていないことに相当する値であり、前記第2の値は前記メモリーセルに対して前記第1の条件による書き込みが行われていることに相当する値である、不揮発性記憶装置。 - 請求項1乃至2のいずれか1項に記載の不揮発性記憶装置において、
前記メモリーセルは、
半導体基板上に積層される層構造を有し、
前記カップリング容量部を、前記フローティングゲートと同じ層で構成する、不揮発性記憶装置。 - 請求項3に記載の不揮発性記憶装置において、
前記メモリーセルは、
前記フローティングゲートを挟み、対称的に配置された2つのキャパシタを含む、不揮発性記憶装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の不揮発性記憶装置において、
前記メモリーセルを第1の方向及び前記第1の方向と直交する第2の方向にアレイ状に配置し、
前記第1の方向又は前記第2の方向に隣接して配置された第1のメモリーセルと第2のメモリーセルとの間に、前記フローティングゲートと同じ層で構成された信号線を配置した、不揮発性記憶装置。 - 請求項5に記載の不揮発性記憶装置において、
前記信号線がアレイ状に配置された前記メモリーセルの選択を行うワード線と電気的に接続されている、不揮発性記憶装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の不揮発性記憶装置において、
前記メモリーセルは、
直列に接続された2つのトランジスタを含み、
前記2つのトランジスタは、
前記フローティングゲートを含むFAMOSトランジスタと、前記ワード線によって選択される選択トランジスタである、不揮発性記憶装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の不揮発性記憶装置の検査方法であって、
検査対象である前記メモリーセルに対して、前記第2の条件による書き込みを行うステップと、
検査対象である前記メモリーセルのそれぞれについて、前記第2の読み出し動作を行い、前記第2の値が出力されない場合に異常であると判断する故障判断ステップと、を含む不揮発性記憶装置の検査方法。 - 請求項8に記載の不揮発性記憶装置の検査方法であって、
前記故障判断ステップにおいて異常がないと判断した場合に、前記制御線を第1の電位に固定するステップを含む不揮発性記憶装置の検査方法。
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