JP2014020831A - 混合物試料の属性を識別する方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】混合物試料の属性識別装置1は、被検混合物試料と同種で属性の明らかな複数の混合物試料(既知混合物試料)のそれぞれから得られた信号を一つのデータとして処理することによって前記既知混合物試料の特徴を抽出すると共に、前記既知混合物試料の属性毎の特徴に基づいて前記被検混合物試料の属性を識別するための解析指標を設定する解析指標設定部2Aと、前記既知混合物試料のそれぞれから得られた上記信号と同様の方法によって前記被検混合物から得られた信号を一つのデータとして処理することによって前記被検混合物試料の特徴を抽出する特徴抽出部3Aと、前記被検混合物試料の特徴と前記解析指標とを比較する比較部4Aと、前記解析指標と前記被検混合物試料の特徴とを対比可能に出力する出力部5Aと、を備える。
【選択図】図1
Description
例えば二つの同種混合物試料が同定・定量の不可能な未知の成分を含む場合、前記従来の解析方法では、未知の成分についての情報が切り捨てられてしまうので、両者の識別に時間と手間がかかる上に、識別の精度が低くならざるを得ない。特に、例えば生体試料(血液、髄液、細胞、組織等)のように、二つの同種混合物試料が同定・定量が不可能な未知の成分を含むと共に構成成分同士が相互作用を示すような場合には、未知の成分についての情報が切り捨てられることに加えて、構成成分同士の相互作用が全く考慮されないので、前記従来の解析方法では、実質的に両者を識別することができない。
本発明の重要な特徴の一つは、混合物試料に対して電磁波や熱を含む所定のエネルギー若しくは化学反応物質を作用させて得られた信号又は混合物試料自体が発する電磁波や熱や振動などに基づいて得られた信号(以下、単に「混合物試料から得られた信号」という)を当該混合物試料に固有の一つのデータとして取り扱う点である。このことは、混合物試料を各構成成分の集合体としてではなく、一つの統合体として扱うことを意味する。
これに対し、本発明は、混合物試料から得られた信号を一つのデータとして取り扱う、すなわち、混合物試料を一つの統合体として取り扱う。また、本発明は、属性の不明な被検混合物試料の属性を識別するために、当該被検混合物試料と同種で属性の明らかな複数の混合物試料(既知混合物試料)から得られた各信号に基づいて解析指標を設定する。これらの点において、本発明は従来の混合物試料の解析方法とは本質的に相違している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による混合物試料の属性識別装置の構成例を示すブロック図である。この混合物試料の属性識別装置1は、属性の不明な混合物試料(被検混合物試料)の属性を識別するために用いられる。
例えば前記既知混合物試料から得られた各信号がNMR分析装置の出力信号、すなわち、NMR信号(FID信号)である場合には、第1データ変換部21は、入力された各信号に対してNMR解析用ソフトウエア等による通常のNMRデータ処理(フーリエ変換、位相補正、ベースライン補正、ケミカルシフト補正(Reference値設定)、ピーク検出)を行ってNMRスペクトルに変換し、その後、各帯域の信号強度値の分布をヒストグラムデータとして出力する。ここで、前記既知混合物試料から得られた各信号がスペクトルデータ(例えば、前記NMRスペクトルやマススペクトル)である場合には、スペクトル変換に関する処理が省略される。
ステップS1では、前記既知混合物試料から得られた各信号(例えば、NMR信号)を入力する。
ステップS2では、ステップS1で入力した各信号を多変量データ(例えば、ヒストグラムデータ)に変換する。
ステップS4では、前記既知混合物試料の多変量データの合成変量値を算出する。
ステップS5では、属性毎の前記既知混合物試料の多変量データの合成変量値に基づいて前記被検混合物試料の属性を識別するための解析指標を設定する。
ステップS7では、ステップS2と同様、前記被検混合物試料から得られた信号を多変量データ(例えば、ヒストグラムデータ)に変換する。
ステップS8では、前記被検混合物試料の多変量データの合成変量値を算出する。
ステップS9では、ステップS8で算出された前記被検混合物試料の多変量データの合成変量値とステップS5で設定された解析指標とを比較して前記被検混合物試料の属性を識別(判別)する。
ステップS11では、ステップS9で実施された前記被検混合物試料の属性の識別(判別)結果とステップS10で作成したスコアプロットとを出力する。
次に、本実施形態の具体的な実施例として混合物試料がヒト脳脊髄液(以下単に「髄液」という)である場合に混合物試料の属性処理装置1が実施する処理について説明する。
ここでは「急性脳症」又は「複雑熱性けいれん」が疑われる新規患者から採取した髄液を属性が不明な被検混合物試料とし、「急性脳症」又は「複雑熱性けいれん」を発症した複数の患者から採取した髄液を被検混合物試料と同種で属性の明らかな複数の混合物試料とする。
第2スコア算出部31は、第2データ変換部31から出力されたヒストグラムデータ及び多変量解析部22から出力された識別用合成変量を入力し、前記新規患者の髄液のヒストグラムデータの合成変量値を算出する。
図4に示すように、適切な識別用合成変量を作成することによって、前記複数の患者から採取した髄液のヒストグラムデータを、「急性脳症」のデータ群と「複雑熱性けいれん」のデータ群とに明確に分離することができる。これにより、混合物試料の属性識別装置1の利用者等は、比較部4Aによる前記新規患者の髄液の属性の識別結果に加えて又は代えて、例えば新規患者から採取した髄液のヒストグラムデータの合成変量値が、いずれのデータ群に属する又は非常に近いかを前記スコアプロットで確認することよって、新規患者の髄液の属性(「急性脳症」であるか「複雑熱性けいれん」であるか)を容易に識別することができる。
このようにすると、混合物試料の属性識別装置1の利用者等は、前記新規患者の髄液の属性が「急性脳症」、「複雑熱性けいれん」及び「単純熱性けいれん」のいずれであるかを容易に識別することができる。
前記実施例1では、「急性脳症」又は「複雑熱性けいれん」が疑われる新規患者から採取した髄液を属性が不明な被検混合物試料とし、「急性脳症」又は「複雑熱性けいれん」を発症した複数の患者から採取した髄液を被検混合物試料と同種で属性の明らかな複数の混合物試料としている。これに対し、実施例2では、髄膜炎が疑われる新規患者から採取した髄液を属性が不明な被検混合物試料とし、「細菌性髄膜炎」若しくは「ウイルス性髄膜炎」を発症し又は髄膜炎ではないが髄膜炎に類似する症状を有する複数の患者から採取した髄液を被検混合物試料と同種で属性の明らかな複数の混合物試料とする。
したがって、混合物試料の属性識別装置1の利用者等は、前記新規患者の髄液の属性が「細菌性髄膜炎」、「ウイルス性髄膜炎」又は「髄膜炎以外」のいずれであるかを容易に識別することができる。
前記実施例1,2では、混合物試料の属性識別装置1がNMR信号、すなわち、NMR分析装置の出力信号を処理している。これに対し、実施例3では、混合物試料の属性識別装置1が質量分析(英語の頭字語はMS、以下、MS)装置の出力信号(MS信号、MSデータ)を処理する。この場合には、前記複数の患者から採取した髄液及び前記新規患者から採取した髄液のそれぞれについてMSを行なって、個々の髄液のMS信号(MSデータ)を得る。その後、得られた各髄液のMS信号(MSデータ)を混合物試料の属性識別装置1によって処理する。
MS装置は、試料導入部、イオン化室、分析部、検出部、記録部等を含む。イオン化法としては、電子衝撃イオン化(EI)法、化学イオン化(CI)法、フィールドデソープション(FD)法、二次イオン化(SIMS)法、速原子衝突(FAB)法、matrix-assisted laser desorption ionization(MALDI)法、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法等を用いればよい。また、分析部は、二重収束質量分析計、四重極型質量分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換質量分析計、イオンサイクロトロン質量分析計等が用いられる。
まず混合物試料をあらかじめ特殊な化学修飾をした基板に結合させる。洗浄により、捕捉されなかった他のペプチド等を除く。その後、基板上に捕捉されたペプチドをMALDI-TOF-MS、SELDI-TOF-MSなどを用いた質量分析によって分析し、ペプチドのピークの質量数とピーク強度を計測する。ここで、SELDIとはチップ表面の化学官能基や固定化された分子を利用して、試料中から特定の性質を有する分子をチップ上に捕捉し、その後にレーザーを照射することにより捕捉された分子の脱離・イオン化を行う方法をいう。また、SELDI-TOF-MSは、例えば特表2005-509173に記載の方法に従って行うことができる。質量分析の前にトリプシンなどの特定のタンパク質分解酵素によってすべてペプチドに分解してもよい。これらの計測からタンパク質及び部分ペプチドの質量分析ピーク(質量スペクトル)とピークパターン(質量スペクトルパターン)を前記質量分析信号(質量分析データ)として得る。なお、前記プロテインチップとしては、例えばSELDI-TOF MSを利用したProteinChip SELDI System(バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社)を利用することができる。
測定には外部標準としてhuman angiotensin I (1296.5 Da), Fibrinopeptide B (1570.6 Da), porcine Dynorphin A [209-225] (2147.5 Da), human ACTH[1-24] 2933.5 Da, human β-endorphin [61-91] 3465.0 Da, bovine insulin (5733.6 Da),bovine Ubiquitin (8564.8 Da), bovine cytochrome-C (12230.9 Da), bovine superoxide dismutase (15591.4 Da), equine myoglobin (16951.5 Da), bovine β-lactogloburin A (18363.3 Da), horseradish peroxidase (43240.0 Da), bovine albumin (66410 Da), chicken conalbumin (77490.0 Da) bovine IgG (147300.0 Da)を用いた。得られたデータをProteinChip Data Manager software version 3.0 (Bio-Rad).のExport Raw SpectraのプログラムによりCSVファイルにて抽出した。
以上説明した実施形態では、混合物試料の属性識別装置1が、すべての処理を実施しているが、複数の装置によって実施するようにしてもよい。例えば、混合物試料の属性識別装置が、解析指標設定部2Aに代えて、外部の装置(データベース等)から前記解析指標等を取得する解析指標取得部6Aを有する構成としてもよい。このような混合物試料の属性識別装置の一例を前記実施形態の変形例として以下に説明する。ここで、前記実施形態による混合物試料の属性識別装置1と共通する構成要素については同じ符号を付し、同じ符号が付された構成要素の基本的な機能は同じであるものとする。
図9は、本発明の第2実施形態による混合物試料の属性識別装置の構成例を示すブロック図である。第1実施形態による混合物試料の属性識別装置1と同様、この第2実施形態による混合物試料の属性識別装置20も、属性の不明な混合物試料(被検混合物試料)の属性を識別するために用いられる。
また、前記利用者等は、表示部53に表示された前記被検混合物試料の特徴に対応する色画像と前記解析指標の色画像(すなわち、前記既知混合物試料が有する各属性に対応する色画像)とを比較することにより、例えば、前記被検混合物試料の特徴に対応する色画像がどの属性に対応する色画像に近いかを判断することにより、前記被検混合物試料の属性を識別することができる。
汎用の信号処理技術(信号解析ソフトウエア)によって前記既知混合物試料のそれぞれから得られた信号や前記被検混合物試料から得られた信号の解析・処理が可能になる。
汎用の信号再生ソフトウエアによってオーディオ信号での出力や色画像での出力ができる。
また、汎用の信号処理技術は高度に成熟しており、例えばサンプル中に含まれる不純物や溶媒に由来する信号や外来のノイズ除去なども容易に行なうことができるので、解析精度を向上させることも可能である。
ステップS21では、前記被検混合物試料と同種で属性の明らかな前記既知混合物試料から得られた各信号(例えば、NMR信号やNMRスペクトルデータ)を入力する。
上述したように、前記前記既知混合物試料から得られた各信号が時間情報を含まない場合(例えば、NMRスペクトルデータである場合)にはステップS21で入力した各信号に対して周波数解析を行ない、前記既知混合物試料から得られた各信号が時間情報を含む場合(例えば、NMR信号(FID信号)である場合)にはステップS21で入力した各信号に対して時間周波数解析を行なう。
ステップS24では、前記既知混合物試料から前記信号を得た方法と同様の方法によって前記被検混合物試料から得られた信号(例えば、NMR信号やNMRスペクトルデータ)を入力する。
ステップS27では、前記被検混合物試料の特徴及び前記解析指標を可視領域又は可聴領域に周波数変換する。
ステップS28では、前記被検混合物試料の特徴及び前記解析指標をそれぞれ固有の色画像又は固有の音として出力する。
ここで、本実施形態による混合物試料の属性識別装置20についても前記第1実施形態の変形例と同様にデータベースを利用した構成とすることができる。このような混合物試料の属性識別装置30を本実施形態の変形例として以下に説明する。なお、前記実施形態による混合物試料の属性識別装置20と共通する構成要素については同じ符号を付し、その基本的な機能は同じであるものとする。
すなわち、前記各実施形態における各機能や各処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム及びこれを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明に含まれる。
・細胞の種類の識別(骨髄組織由来幹細胞及び脂肪組織由来幹細胞の識別)
・薬剤の感受性の識別(白血病細胞の薬剤感受性株及び耐性株の識別)
・腫瘍再発の予測(手術時摘出材料を用いた髄膜腫の予後予測)
・細胞を用いた病態研究(ラット腸管上皮細胞のストレス負荷による代謝変化)
・薬剤投与後の組織代謝の変化(麻酔薬の種類によるラット脳及び肝臓内代謝変化の相違)
・成長ホルモン分泌不全児における成長ホルモン投与前後での体内の代謝変化(尿を用いた1H−NMRによる解析)
Claims (21)
- 属性の不明な混合物試料(被検混合物試料)の属性を識別する方法であって、
前記被検混合物試料と同種で属性の明らかな複数の混合物試料(既知混合物試料)のそれぞれに電磁波や熱を含む所定のエネルギー若しくは化学反応物質を作用させて得られた前記既知混合物試料についての信号又は前記既知混合物試料自体が発する電磁波や熱や振動に基づいて得られた前記既知混合物試料についての信号を一つのデータとして処理することによって前記既知混合物試料の特徴を抽出すると共に、前記既知混合物試料の属性毎の特徴に基づいて前記被検混合物試料の属性を識別するための解析指標を設定する第1の工程と、
前記被検混合物試料に前記既知混合物試料と同様の前記所定エネルギー若しくは前記化学反応物質を作用させて得られた前記被検混合物試料についての信号又は前記被検混合物試料自体が発する電磁波や熱や振動に基づいて得られた前記被検混合物試料についての信号を一つのデータとして処理することによって前記被検混合物試料の特徴を抽出し、抽出された前記被検混合物試料の特徴と前記解析指標とを比較する第2の工程と、
を含む、方法。 - 前記第2の工程は、前記被検混合物試料の特徴と前記解析指標とを対比可能に出力することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記第1の工程は、
前記既知混合物試料についての信号を多変量データに変換すること、
変換によって得られた前記既知混合物試料の多変量データに対して多変量解析を行なって前記既知混合物試料の多変量データを属性毎のデータ群に分離させる合成変量を作成すること、
前記既知混合物試料の多変量データの前記合成変量に対するスコアを算出し、属性毎のスコアに基づいて前記解析指標を設定すること、を含み、
前記第2の工程は、
前記被検混合物試料についての信号を多変量データに変換すること、
変換によって得られた前記被検混合物試料の多変量データの前記合成変量に対するスコアを算出すること、
算出された前記被検混合物試料の前記合成変量に対するスコアを前記解析指標と比較すること、を含む、
請求項1又は2に記載の方法。 - 前記第2の工程は、前記合成変量を軸とする座標上に、前記既知混合物試料の多変量データの前記合成変量に対するスコアの一部又は全部と、前記被検混合物試料の多変量データの前記合成変量に対するスコアとがプロットされたスコアプロットを出力すること、を含む、請求項3に記載の方法。
- 前記第1の工程は、
前記既知混合物試料についての信号に対して周波数解析又は時間周波数解析を行なって前記既知混合物試料の特徴を抽出すること、
属性毎の前記既知混合物試料の特徴に基づいて前記解析指標を設定すること、を含み、
前記第2の工程は、前記被検混合物試料についての信号に対して周波数解析又は時間周波数解析を行なって前記被検混合物試料の特徴を抽出すること、
抽出された前記被検混合物試料の特徴を前記解析指標と比較すること、を含む、
請求項1又は2に記載の方法。 - 前記第1の工程及び前記第2の工程は、
前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号を可視領域又は可聴領域に周波数変換すること、
周波数変換された前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号を色画像又は音として出力すること、を含む、
請求項5に記載の方法。 - 前記第1の工程及び前記第2の工程は、
前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号が時間情報を含まない場合に、前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号に対して前記周波数解析を行なう一方、
前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号が時間情報を含む場合に、前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号に対して前記時間周波数解析を行なう、
請求項5又は6に記載の方法。 - 前記被検混合物試料についての信号と前記既知混合物試料についての信号は、核磁気共鳴分析装置、質量分析装置、クロマトグラフ装置、吸光分析装置及び発光分析装置を含む各種の物質分析装置の出力信号である、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
- 前記物質分析装置の出力信号を複数組み合わせて解析を行う、請求項8に記載の方法。
- 前記被検混合物試料と前記既知混合物試料が同種の生体試料であり、
前記属性が疾患又は症状である、
請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。 - 属性の不明な混合物試料(被検混合物試料)の属性を識別する装置であって、
前記被検混合物試料と同種で属性の明らかな複数の混合物試料(既知混合物試料)のそれぞれに電磁波や熱を含む所定のエネルギー若しくは化学反応物質を作用させて得られた前記既知混合物試料についての信号又は前記既知混合物試料自体が発する電磁波や熱や振動に基づいて得られた前記既知混合物試料についての信号を一つのデータとして処理することによって前記既知混合物試料の特徴を抽出すると共に、前記既知混合物試料の属性毎の特徴に基づいて前記被検混合物試料の属性を識別するための解析指標を設定する解析指標設定部と、
前記被検混合物試料に前記既知混合物試料と同様の前記所定エネルギー若しくは前記化学反応物質を作用させて得られた前記被検混合物試料についての信号又は前記被検混合物試料自体が発する電磁波や熱や振動に基づいて得られた前記被検混合物試料についての信号を一つのデータとして処理することによって前記被検混合物試料の特徴を抽出する特徴抽出部と、
前記被検混合物試料の特徴と前記解析指標とを比較する比較部と、
を備えた、装置。 - 前記被検混合物試料の特徴と前記解析指標とを対比可能に出力する出力部をさらに備えた、請求項11に記載の装置。
- 前記解析指標設定部は、
前記既知混合物試料についての信号を多変量データに変換する第1変換部と、
前記既知混合物試料の多変量データに対して多変量解析を行なって前記既知混合物試料の多変量データを属性毎のデータ群に分離させる合成変量を作成する多変量解析部と、
前記既知混合物試料の多変量データの前記合成変量に対するスコアを算出する第1スコア算出部と、を有し、
前記第1スコア算出部で算出された属性毎のスコアに基づいて前記解析指標を設定し、
前記特徴抽出部は、
前記被検混合物試料についての信号を多変量データに変換する第2変換部と、
前記被検混合物試料の多変量データの前記合成変量に対するスコアを前記被検混合物試料の特徴として算出する第2スコア算出部と、を有する、
請求項11又は12に記載の装置。 - 前記出力部は、前記合成変量を軸とする座標上に、前記既知混合物試料の多変量データの前記合成変量に対するスコアの一部又は全部と、前記被検混合物試料の多変量データの前記合成変量に対するスコアとがプロットされたスコアプロットを出力する、請求項13に記載の装置。
- 前記解析指標設定部は、前記既知混合物試料についての信号に対して周波数解析又は時間周波数解析を行なって前記既知混合物試料の特徴を抽出し、属性毎の前記既知混合物試料の特徴に基づいて前記解析指標を設定し、
前記特徴抽出部は、前記被検混合物試料についての信号に対して周波数解析又は時間周波数解析を行なって前記被検混合物試料の特徴を抽出する、
請求項11又は12に記載の装置。 - 前記出力部は、前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号を可視領域又は可聴領域に周波数変換し、周波数変換された前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号を色画像又は音として出力する、請求項15に記載の装置。
- 前記解析指標設定部及び前記特徴抽出部は、
前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号が時間情報を含まない場合に、前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号に対して周波数変換を行なう一方、
前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号が時間情報を含む場合に、前記被検混合物試料と前記既知混合物試料についての信号に対して時間周波数解析を行なう、請求項15又は16に記載の装置。 - 前記被検混合物試料についての信号と前記既知混合物試料についての信号は、核磁気共鳴分析装置、質量分析装置、クロマトグラフ装置、吸光分析装置及び発光分析装置を含む各種の物質分析装置の出力信号である、請求項11〜17のいずれか一つに記載の装置。
- 前記被検混合物試料と前記既知混合物試料が同種の生体試料であり
前記属性が疾患又は症状である、
請求項11〜18のいずれか一つに記載の装置。 - 請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
- 請求項20に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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