JP2014020769A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
高炉ガスなどのCO2を多量に含む低カロリーガスを安定に燃焼できるガスタービン燃焼器を提供する。
【解決手段】
内周スワラと外周スワラの2つのスワラで構成する2重旋回バーナの内周スワラに、ガス噴孔と空気噴孔を交互に配置し、且つ、外側の外周スワラにガス噴孔のみを配置したバーナにおいて、前記内周スワラでガス燃料に旋回を与えるためのガス噴孔内に燃料噴出速度の異なる複数のガス流路を設けた構造を基本構成とする。
また、前記内周スワラのガス噴孔内を第1のガス流路と第2のガス流路の2つに分け、半径方向の内側に設けた第1のガス流路の入口面積を出口面積よりも小さくすることを特徴とする。さらに、前記第1のガス流路に、バーナの半径中心方向へガス燃料を噴射するための傾斜角を設けたことを特徴とする。
このようなバーナ構成とすることで、CO2を多量に含む高炉ガスの安定燃焼が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスタービン燃焼器に係るものであり、特に、難燃性ガスで、且つ、発熱量が低いガスを安定に燃焼するためのガスタービン燃焼器のバーナ構造に関する。
一般に発熱量の低い燃料は、ガスタービンの主要燃料であるLNG(Liquefied Natural Gas)に比べて火炎温度が低く燃焼速度が遅いため、燃えにくい燃料である。また、燃焼の際にNOx排出量が少ないことも特徴の一つである。このような低カロリーガスの代表例として、高炉ガスが挙げられる。高炉ガスは製鉄プロセスにおいて高炉から発生する副生ガスで、近年、このガスをガスタービン燃料として利用したいというニーズが高まっている。
高炉ガスは一酸化炭素(CO)や水素(H2)を主要可燃成分とし、その他に不活性ガスとしてN2やCO2を多量に含む難燃性のガスである。このため、ガスタービンの着火から定格負荷範囲を高炉ガス専焼で運転することは難しく、着火から燃焼温度の低い部分負荷範囲を安定に運転(燃焼)するには、水素を含むコークス炉ガスなどを高炉ガスに混合し発熱量を高くして運転(増熱)するか、液体燃料などの起動用燃料を別に設ける必要がある。また、難燃性ガスを安定に燃焼する必要があるため、ガスタービン燃焼器では、燃料と空気を別々の流路から供給する拡散燃焼方式を採用するのが一般的である。
一方、低カロリーガス焚きバーナの構造例として、特許文献1には、バーナの半径方向中心部に起動用の油ノズルを備え、その外周にガス噴孔を配置し、さらにその外周にガス噴孔と空気噴孔を交互に配置した構造が開示されている。
一般に、旋回噴流によって保炎するバーナにおいて、火炎を保持するためにはバーナの半径方向中心部近傍に、燃焼ガスが循環しバーナより噴出する燃料と空気に熱を与えるための循環ガス領域を形成する必要がある。特許文献1の構造は、循環ガス領域を形成するために低カロリーガスを積極的に利用したものである。内周スワラにガス噴孔のみを配置し、内周スワラに供給する燃料流量を増やすことで大量の低カロリーガスの運動量を利用して、強い旋回流を形成する。そして、これにより保炎を強化することを特徴としている。
特開平5-86902
特許文献1のバーナ構造において、石炭ガス化ガスに比べてCO2含有量の多い高炉ガスを燃焼する場合には、バーナ(内外周スワラ)に形成される火炎の温度が低くなる。特に、内周スワラの火炎温度の低下は、循環ガス領域の火炎温度低下につながり、それに伴い外周スワラの火炎温度も低下する。このため燃焼反応が緩慢となり、燃焼器出口におけるCO排出濃度が増加しやすかった。さらに、高炉ガスの燃焼において、高炉から発生するガスの発熱量が低下したときには、火炎が吹き飛びやすくなる場合もあった。
本発明の目的は、CO2を多量に含む高炉ガスなどの難燃性ガスで、且つ、発熱量が低いガスをも安定に燃焼できるガスタービン燃焼器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料と空気を混合して燃焼するための燃焼室と、前記燃焼室のガス流れ方向上流に設けられた、前記燃焼室内に燃料と空気を供給して火炎を保持するためのバーナとを備え、前記バーナが、燃料を噴射する複数のガス噴孔と空気を噴射する複数の空気噴孔とがその円周方向に交互に配置された第1のスワラ(内周スワラ)と、前記第1のスワラの外周に設けられた、燃料を噴射するガス噴孔が複数配置された第2のスワラ(外周スワラ)とを有し、前記第1のスワラに配置されたガス噴孔内が、燃料の噴出速度の異なる複数の流路に分割されていることを特徴とする。
本発明によれば、CO2を多量に含む高炉ガスなどの難燃性ガスで、且つ、発熱量が低いガスをも安定に燃焼できるガスタービン燃焼器を提供することができる。
本発明の第1の特徴を示す燃焼器構造、およびシステム系統図である。 本発明の第1の特徴を示すバーナの正面図である。 本発明の第1の特徴を示すバーナの断面図である。 本発明の第2の特徴を示すバーナの断面図である。 本発明の第2の特徴を示すバーナの部分断面図である。 本発明の他の変形例を示すバーナの断面図である。 本発明のさらに他の変形例を示すバーナの断面図である。
以下に示す本発明の実施例は、高炉ガスや石炭ガス化ガス、バイオマスガス化ガスなど窒素(N2)や二酸化炭素(CO2)含有量の多い難燃性ガスで、且つ、発熱量が低いガスを安定に燃焼するためのガスタービン燃焼器のバーナ構造に関する。
高炉ガス以外の代表的な低カロリーガスとして、石炭やバイオマスのガス化ガスが挙げられる。これらの石炭やバイオマスを原料とした燃料も資源有効利用の観点から、ガスタービン燃料として利用したいというニーズは高まっている。石炭あるいは木屑などを原料として空気でガス化して得られた燃料は、N2を多量に含む低カロリーガスである。
一般に、低カロリーガスは、LNGなどの高カロリー燃料に比べて火炎温度が低く燃焼速度が遅いため、燃えにくい燃料である。したがって、ガスタービン燃焼器においては、低カロリーガスの安定燃焼技術が重要な課題となる。また、発熱量が低いために、LNGなどの高カロリーガスと同等の燃焼ガス温度を得るためには、燃焼器に供給する燃料流量を増加させる必要がある。このため、低カロリーガス焚き燃焼器では供給する燃料流量が多くなる。
特許文献1のような従来のバーナ構造において、石炭ガス化ガスに比べてCO2含有量の多い高炉ガスを燃焼させた場合、バーナ(内外周スワラ)に形成される火炎の温度が低くなる。特に、内周スワラの火炎温度の低下は、循環ガス領域の温度低下につながり、それに伴い外周スワラの火炎温度も低下するため燃焼反応が緩慢となり、燃焼器出口におけるCO排出濃度が増加しやすかった。さらに、燃焼器の出口ガス温度が低くなる部分負荷条件では、燃料流量が少なくなるためバーナ近傍の火炎温度も低くなる。その場合、特に、高炉ガスの燃焼においては、燃料にCO2を含むために密度が大きくなり、保炎のための強い旋回に対し慣性力によって燃料が外側に貫通しやすくなるため、循環ガス領域内の燃料濃度が低くなり、火炎が吹き飛びやすくなるという課題もある。
上記の課題を解決するためには、内周スワラに形成する火炎温度を高くし、燃焼反応を促進させるとともに、循環ガス領域内の燃料濃度を高める必要がある。このためには、内周スワラにガス噴孔と空気噴孔を設けガス燃料と空気の混合によって火炎温度を高めるとともに、内周スワラから噴出する燃料の流速を適正化し、密度の大きいガス燃料が旋回による慣性力で外周側へ貫通することを抑えることが重要である。
そこで、以下に示す本発明の各実施例は、内周スワラと外周スワラで構成する2重旋回バーナにおいて、内周スワラにはガス噴孔と空気噴孔を設けそれらを交互に配置するとともに、内周スワラに設けた複数のガス噴孔を第1と第2の2つの流路に分けることを基本構成とする。
さらに、前記第1のガス流路は、燃焼室に面するガス噴孔出口の面積よりも上流側の入口面積を小さくすることで燃料の噴孔出口流速を低下させ、ガス燃料の貫通を抑制するように供給する。それによって、循環ガス領域内に低流速のガス燃料が取り込まれ、燃料濃度の増加によって前記領域の火炎温度が上昇し、保炎を強化することが可能となる。
そして、以下に示す実施例によれば、安定燃焼範囲が狭くなる部分負荷条件でも、保炎を賄う内周スワラから噴出する燃料の貫通を抑制できるため、循環ガス領域の燃料濃度が高くなり火炎温度の上昇によってCO2を多量に含む高炉ガスの専焼が可能である。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
(燃焼器の構成)
図1に、本発明の第1の実施例に係るガスタービンの系統と燃焼器の拡大断面図を示す。ガスタービン5は、圧縮機2、燃焼器3、タービン4、発電機6、及び起動用モータ8等で構成される。
ガスタービン5では、圧縮機2が大気より吸込んだ空気101を圧縮して得られる燃焼空気102をガスタービン燃焼器3に供給する。燃焼器3は、圧縮機2による燃焼空気102と低カロリーガスである高炉ガス60にコークス炉ガス80を混合した増熱ガス70(着火〜部分負荷範囲で供給)とが混合して燃焼し、タービン4に供給される燃焼ガス140を発生させる。タービン4は燃焼ガス140の供給により回転動力が与えられ、タービン4の回転動力が圧縮機2及び発電機6に伝達される。圧縮機2に伝えられた回転動力は圧縮動力に用いられ、発電機6に伝えられた回転動力は電気エネルギーに変換される。
燃焼器3においては、圧力容器である外筒10内に燃料と空気を混合して燃焼するための燃焼室12を備え、燃焼室12の外周に燃焼室冷却用のフロースリーブ11を備える。
また、燃焼室12の燃焼ガス流れ方向上流には、燃焼室12内に燃料と空気を供給して火炎を保持するためのバーナ300を配置している。燃焼器3に供給された燃焼空気102は、フロースリーブ11と燃焼室12との間の空間内を流れ、燃焼室12を冷却しながら燃焼室の側壁に設けた燃焼空気孔13、およびバーナ300に設けた空気噴孔402等より燃焼室12内に供給される。
バーナ300は、第1のスワラである内周スワラ201と、内周スワラ201の外周に設けられた第2のスワラである外周スワラ202で構成される2重旋回構造を採用している。内周スワラ201、および外周スワラ202に供給する低カロリーガスの流量および発熱量は、ガスタービンの負荷条件によって変化可能とすることを特徴とする。ガスタービンの着火から部分負荷範囲は、高炉ガス60にコークス炉ガス80を混合した増熱ガス70を供給し、燃料流量を増加させ燃焼温度が高くなるにつれて負荷が上昇し、高負荷条件(たとえば中間負荷から定格負荷範囲)になると、高炉ガス60のみの供給も可能である。
低カロリーガスの供給圧力は燃料系統に設けた圧力調整弁150によって調整が可能であり、その下流には、内周スワラ201に内周燃料201fを供給するための第1の燃料系統51と、外周スワラ202に外周燃料202fを供給する第2の燃料系統52を備える。各燃料系統は、それぞれ、第1の燃料流量調節弁41、および第2の燃料流量調節弁42を備えており、制御装置200によって、ガスタービンの着火や負荷条件に応じて、第1の燃料系統および第2の燃料系統に供給する燃料流量を制御することが可能である。
(バーナ構造1)
図2にバーナ300の正面図を示す。この図は、バーナ300を下流から見たものである。本実施例のバーナは、内周スワラ201と外周スワラ202で構成する2重旋回バーナ構造であり、CO2を多量に含む高炉ガスの燃焼でも内周スワラの火炎温度を高めるため、内周スワラ201にはガス噴孔401と空気噴孔402を円周方向に交互に配置し、その外側に設けた外周スワラ202には、ガス噴孔403のみを配置したことを特徴とする。それぞれの噴孔には、図2のA−A断面図に示すような旋回角θが設けられており、旋回成分を与えることでバーナの半径方向中心部近傍は負圧となり、低速となる保炎領域(循環ガス領域)が形成され燃焼安定性を強化できる。
また、前述のように、高炉ガスはCO2を多量に含むためLNGに比べて燃料の密度が大きく、旋回によって保炎するバーナにおいては慣性力によって燃料が外周側に貫通しやすくなる。その場合、バーナの半径方向中心部近傍に形成する循環ガス領域の燃料濃度が低下するため、保炎性能が低下する恐れがある。
このため、本実施例では図2に示すように、内周スワラ201に設けた複数のガス噴孔401において、噴孔内を内周スワラ201の半径方向について2つの流路に分割し、それらのうち半径方向内側に設けた第1のガス流路(噴孔501a)から噴出するガスの流速を第2のガス流路(噴孔502a)から噴出する流速よりも遅くすることを特徴とする。内周スワラのガス噴孔内に設けた2つのガス流路のうち、第1のガス流路より噴出するガス流速を低下させることで、燃料の貫通を抑え循環ガス領域の濃度低下を防止し、安定燃焼を可能としている。
即ち、燃料の噴出速度の異なる複数の流路に分割することで、必要な燃料流量は確保しつつ、燃料流速の遅い流路から供給される燃料が循環ガス領域における燃料濃度の低下を防止し、高炉ガスのような燃料をも安定に燃焼させることができる。そして、内周側の流路の燃料噴出速度が、外周側の流路の燃料噴出速度よりも遅くなるようにガス噴孔401に流路が形成されていることにより、内周スワラ201に形成される火炎温度の低下を防止し、より安定した燃焼を可能となる。
一方、図1に示したように、外周スワラ202においては、ガス噴孔403よりガス燃料202fが供給される。ガス燃料202fは内周スワラ201から供給される空気102aや、燃焼空気孔13から供給されるバーナ近傍の空気と混合し、内周スワラ201に形成される火炎(内周火炎)を基点に、外周スワラに火炎(外周火炎)が形成される。外周火炎の形成によって、内周火炎周囲の温度は高くなるため、さらに保炎を強化できる。特に、高炉ガスのようなCO2を多量に含む低カロリーガスの燃焼には有効である。
次に、図3にバーナ300の断面図を示す。内周スワラ201、および外周スワラ202は、ガス燃料をバーナに供給するためのボディー(配管)125を固定するためのフランジ126に接続している。内周スワラ201に供給するガス燃料201fは、ボディー125の中心部に設けた配管を通って供給され、内周スワラの空気102aは外周スワラ202の側面に設けた空気導入孔402aより供給される。
内周スワラ201に供給されたガス燃料201fは、ガス噴孔内に設けた第1と第2の2つのガス流路501と502とに分配される。第1のガス流路501は出口面積A2に対し上流側の入口面積A1が小さく、第2のガス流路は出口面積A4と入口面積A3を同等としている。供給された燃料は、第1のガス流路で面積が最も小さいA1と、第2のガス流路の出口面積A4(またはA3)との比率で分配される。第1のガス流路では入口面積A1よりも出口面積A2が大きいため、第1のガス流路を流下する燃料の流速は入口から出口にかけて徐々に低下する。そのため、第1のガス流路出口の燃料流速Uf1は、第2のガス流路出口の燃料流速Uf2よりも遅くなる。
これらのガス流路内で分配された燃料201fおよび空気102aには旋回成分が与えられ、これによりバーナの半径方向中心部は負圧となり、バーナの前面には循環ガス領域30が形成される。
特に、本実施例では、第2のガス流路502より噴出する燃料201f-2の運動量を利用して、強い旋回により保炎を強化する構造としている。循環ガス領域30は、内周スワラ201から噴出するガス燃料201f-1、201f-2、および空気102aに火炎からの熱を連続的に与えるため、火炎250が連続的に形成され保炎に至る。
また、本実施例では、第1のガス流路出口の燃料流速を第2のガス流路出口の燃料流速よりも遅くしているため、例えば、発熱量が低下し燃料流量を増加させ同一負荷運転を維持しようとした場合でも、慣性力によって燃料が外周側に貫通することを抑えることが可能であり、保炎強化に重要な循環ガス領域内の燃料濃度の低下を防止できる。
一方、外周スワラ202のガス燃料202fは、ボディー125の外側に設けた配管より供給される。外周スワラ202に供給されたガス燃料202fには旋回成分が与えられ、内周スワラ201で形成された循環ガス領域30を包み込むように、循環ガス領域31が形成される。
ガス燃料202fは、内周火炎250より連続的に熱が与えられ、外周火炎260が形成される。循環ガス領域31によって、外周火炎260の燃焼ガスの一部が循環ガス領域30に取り込まれ、内周スワラ201と外周スワラ202で形成する火炎(250、260)の相互作用によって、火炎が安定化される。また、本実施例では外周スワラ202よりガス燃料202fを供給しているため、内周スワラ201において、空気噴孔402周囲(半径方向外側)の燃料濃度低下を防止でき、火炎温度の高い領域を増加できるため、火炎安定化に寄与できる。
さらに、本実施例では増熱ガス70によるガスタービンの着火、負荷変化を想定して説明してきたが、2重旋回バーナの半径方向中心部(内周スワラ201の半径方向中心部)に、液体燃料用の油ノズルを配置して、更なる安定燃焼を図ることも可能である。
(運転方法)
以上述べてきたバーナ構造の運転方法について、図1をもとに説明する。始動時、ガスタービンは起動用モータ8などの外部動力によって駆動される。ガスタービンの回転数を燃焼器の着火条件相当の回転数に保持することで、燃焼器3には着火に必要な燃焼空気102が供給され、着火条件が成立する。高炉ガス60にコークス炉ガス80を混合し、増熱ガス70をバーナ300に供給することで、燃焼器3内で着火が可能となる。
燃焼器の着火後、燃焼ガス140がタービン4に供給され、増熱ガス70の流量増加とともにタービン4が昇速、起動用モータ8の離脱によりガスタービンは自立運転に入り、無負荷定格回転数に到達する。ガスタービンが無負荷定格回転数に到達後は、発電機6の併入、さらには増熱ガス70の流量増加によりタービン4の入口ガス温度が上昇し、負荷が上昇する。負荷の上昇に伴い、燃焼器出口の燃焼ガス温度が高くなると燃焼安定性が増加するため、増熱用に供給していたコークス炉ガスの供給を停止することが可能となる。バーナにおいては、内周スワラ201に形成される火炎250と外周スワラ202に形成される火炎260の相互作用によって、高炉ガス60の専焼条件であっても火炎を安定に保持できる。
(変形例)
なお、図5に示す変形例のように、第1のガス流路に縮流部を設けるような構成としても良い。この場合、第1のガス流路で面積が最も小さい縮流部面積A5と、第2のガス流路の出口面積A4(またはA3)との比率で分配される。第1のガス流路では宿流部面積A5よりも出口面積A2が大きいため、宿流部から出口にかけて燃料流速が低下する。したがって、第1のガス流路出口の燃料流速Uf1は、第2のガス流路出口の燃料流速Uf2よりも遅くなる。そのため、図3に示した第一の実施例に係るバーナ同様、空気噴孔402周囲(半径方向外側)の燃料濃度低下を防止でき、火炎の安定化が可能である。
また、図6に示す他の変形例は、第1のガス流路501の上流側にガス燃料201fの流れを阻害するプレート510を備えている。プレート510を備えることによって第1のガス流路501へのガス燃料201fの流入が抑制され、第1のガス流路501に流入するガス燃料201fの流量が低下する。これにより、第1のガス流路出口の燃料流速Uf1はさらに低下するため、慣性力によって燃料が外周側に貫通することを抑制し、保炎強化に重要な循環ガス領域内の燃料濃度の低下を防止することができる。
(バーナ構造2)
図4に、本発明の第2の実施例であるバーナの断面図を示す。本実施形態が第1の特徴と異なる点は、内周スワラ201の第1のガス流路501に半径中心方向の傾斜角を設けたことにある。
内周スワラ201のガス噴孔に設けた2つのガス流路は、図2および図3で説明したように、ガス燃料および空気に旋回を与えるための旋回角を設けている。これにより、バーナの半径方向中心部近傍が負圧となり、燃焼ガスが循環する逆流領域(循環ガス領域)を形成し安定燃焼が可能となる。
本発明の第2の特徴では、内周スワラ201のガス噴孔に設けた第1のガス流路501において、旋回流路の入口面積A1よりも出口面積A2を大きくし、ガス燃料201f-1の噴出流速を低下させ、前記循環ガス領域内に燃料が取り込まれるように噴射したことに加え、図4aの部分拡大図に示すように、前記第1のガス流路501にはバーナの半径中心方向にガス燃料201f-1を噴射するための傾斜角αを設けたことを特徴とする。
これにより、第1のガス流路より供給する燃料201f-1が循環ガス領域30内にさらに取り込まれやすくなり、循環ガス領域30内の燃料濃度が高くなる。燃料濃度の上昇によって循環ガス領域内の火炎温度は高くなり、内周スワラ201に安定した火炎が形成できる。また、内周スワラ201に形成する内周火炎250により、外周スワラ202にも外周火炎260が安定に形成され、外周スワラ202の旋回によって形成する循環ガス領域31により、高温の燃焼ガスが循環ガス領域30内に取り込まれる。すなわち、2重旋回の内外周火炎の相互作用によって、CO2を多量に含む高炉ガスの安定燃焼が可能となる。
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
5 ガスタービン
6 発電機
8 起動用モータ
10 外筒
11 フロースリーブ
12 燃焼室
13 燃焼空気孔
30 内周スワラの循環ガス領域
31 外周スワラの循環ガス領域
41 第1の燃料流量調節弁(内周燃料系統)
42 第2の燃料流量調節弁(外周燃料系統)
51 第1の燃料系統(内周燃料系統)
52 第2の燃料系統(外周燃料系統)
60 高炉ガス
70 増熱ガス
80 コークス炉ガス
101 空気
102 燃焼空気
102a 内周スワラの燃焼空気
125 燃料ノズルボディー(配管)
126 ノズルボディーフランジ
140 燃焼ガス
150 圧力調整弁
200 制御装置
201 内周スワラ
201f 内周燃料
201f-1 第1のガス流路より噴出する内周燃料
201f-2 第2のガス流路より噴出する内周燃料
202 外周スワラ
202f 外周燃料
250 内周火炎
260 外周火炎
300 バーナ
401 内周スワラのガス噴孔
402 内周スワラの空気噴孔
402a 内周スワラの空気導入孔
403 外周スワラのガス噴孔
500 内周スワラのガス燃料に旋回を与えるための助走区間
501 内周スワラのガス噴孔内に設けた第1のガス流路
501a 内周スワラのガス噴孔内に設けた第1のガス流路の出口噴孔
502 内周スワラのガス噴孔内に設けた第2のガス流路
502a 内周スワラのガス噴孔内に設けた第2のガス流路の出口噴孔
A1 内周スワラのガス噴孔に設けた第1のガス流路の入口面積
A2 内周スワラのガス噴孔に設けた第1のガス流路の出口面積
A3 内周スワラのガス噴孔に設けた第2のガス流路の入口面積
A4 内周スワラのガス噴孔に設けた第2のガス流路の出口面積

Claims (6)

  1. 燃料と空気を混合して燃焼するための燃焼室と、前記燃焼室のガス流れ方向上流に設けられた、前記燃焼室内に燃料と空気を供給して火炎を保持するためのバーナとを備えたガスタービン燃焼器であって、
    前記バーナが、燃料を噴射する複数のガス噴孔と空気を噴射する複数の空気噴孔とが円周方向に交互に配置された第1のスワラと、前記第1のスワラの外周に設けられた、燃料を噴射するガス噴孔が複数配置された第2のスワラとを有し、
    前記第1のスワラに配置されたガス噴孔内が、燃料の噴出速度の異なる複数の流路に分割されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第1のスワラに配置されたガス噴孔内に、前記第1のスワラの半径方向について複数の流路に分割され、
    前記複数の流路は、内周側の流路が、外周側の流路よりも燃料の噴出速度が遅くなるように構成されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項1又は2に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第1のスワラのガス噴孔内が、第1のガス流路と、外周側の第2のガス流路の2つの流路に分割され、
    前記第1のガス流路は、流路面積が最小となる最小断面積部を有すると共に、出口面積が前記最小断面積部の面積よりも大きいことを特徴としたガスタービン燃焼器。
  4. 請求項3に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記最小断面積部は、前記第1のガス流路の入口であることを特徴としたガスタービン燃焼器。
  5. 請求項3又は4に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第1のスワラのガス噴孔内に設けた第1のガス流路には、前記第1のスワラの半径方向内周側に向けてガス燃料を噴射するための傾斜角が設けられていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 請求項1−5の何れか一項に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第1のスワラの半径方向中心部に、液体燃料を微粒化して噴射する油ノズルを配置したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
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