JP2014016867A - メモリシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】信号の波形品質を改善可能にしたメモリシステムを提供する。
【解決手段】複数の第1の外部端子を備えたコントローラと、複数の第2の外部端子を備えたメモリチップと、複数の第1および第2の外部端子をそれぞれ接続する複数の配線を含む配線基板と、を有する。複数の配線は、複数の第1の外部端子の第1の順番に沿って配列され、かつ複数の第1の外部端子とそれぞれ接続する第1の部分と、複数の第2の外部端子の第1の順番とは異なる第2の順番に沿って配列され、かつ複数の第2の外部端子とそれぞれ接続する第2の部分と、を有する。そして、第1の部分における複数の配線の順番が第2の順番と一致するように、第1の部分および第2の部分を互いの順番を並び替えて接続する並び替え部が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、メモリチップおよびコントローラチップを含むメモリシステムに関する。
複数の半導体チップが基板上に積層された半導体パッケージの一例が特許文献1に開示されている。また、複数のメモリチップが基板に搭載されたメモリモジュールが知られている。高速動作を可能としたメモリモジュールでは、コマンド(CMD)信号を伝送するための配線およびアドレス(ADD)信号を伝送するための配線には、波形品質を確保するため、Fly−byトポロジーが適用されている。
複数のメモリチップが設けられているが、メモリモジュールを使用しないシステムにおいても、メモリモジュールと同様に、複数のメモリチップにFly−byトポロジーを採用することがある。例えば、複数のメモリチップとコントローラとが直接にシステム基板に実装され、これらのメモリチップがコントローラと接続された構成のメモリシステムに、Fly−byトポロジーが採用されている。
図11は関連するメモリシステムの一構成例を示す外観図である。
図11に示すメモリシステムは、メモリチップ100−1〜100−n(nは2以上の整数)と、メモリチップ100−1〜100−nを制御するコントローラ120と、コントローラ120およびメモリチップ100−1〜100−nが搭載された配線基板110とを有する。メモリチップ100−1〜100−nは、外部端子の役目を果たすボールが設けられたBGA(Ball Grid Array)等のメモリパッケージの構成である。
配線基板110には、複数の配線を有するバス131、135が設けられている。コントローラ120から伸びるバス131を介して、メモリチップ100−1〜100−nが直列に接続されている。バス131はメモリチップ100−1〜100−nを経由して終端抵抗130に達している。コントローラ120からバス131を介してメモリチップ100−1〜100−nに、CMD信号、ADD信号およびクロック(CLK)信号が伝送される。
以下では、バス131を介してコントローラ120からメモリチップ100−1〜100−nに伝送される信号を、Fly−by信号と称する。
また、メモリチップ100−1〜100−nのそれぞれはコントローラ120とバス135を介して接続されている。図11に示すように、バス135に含まれる複数の配線がコントローラ120とメモリチップ100−1〜100−nの間に並列に設けられている。バス135を介して、コントローラ120とメモリチップ100−k(kは1からnの任意の整数)との間で、データ(DQ)信号、データマスク(DM)信号およびデータストローブ(DQS)信号が送受信される。
バス135は、メモリチップ毎に異なる信号を、メモリチップ100−1〜100−nのそれぞれとコントローラチップ120との間で伝送するための信号線として機能する。バス131は、メモリチップ100−1〜100−nで共有される信号をメモリチップ間に伝送するための信号線として機能する。
以下では、バス131に含まれる複数の配線のそれぞれを「メイン配線」と称する。また、メモリチップ100−1〜100−nのそれぞれをバス131と接続するために、各メモリチップの外部端子と接続されるボールランドからバス131に伸びる配線を、「スタブ配線」と称する。
特開2004−282058号公報
メモリモジュールの場合、メモリチップを搭載するための基板に、通常、8層基板などの多層基板が使用されることが多い。8層基板に設けられた8つの配線層のうち、4つの配線層がメイン配線に使用され、残りの4層が電源/GNDプレーンに使用される。Fly−byトポロジーのメイン配線は4つの配線層を使用してルーティングされている。
メモリモジュールは主にパーソナルコンピュータ等の装置で使用される。一方、TVやブルーレイ・レコーダ等の装置では、メモリモジュールは使用されず、複数のメモリチップとコントローラとが直接にシステム基板に実装され、これらのメモリチップがコントローラと接続された構成のメモリシステムが使用される。
近年、このようなメモリシステムにおいても、信号処理の動作が高速化される傾向があり、高速動作するメモリを使用する場合、メモリモジュールと同様に、図11を参照して説明したメモリシステムのように、Fly−byトポロジーが用いられる。図11に示したメモリシステムでは、設計制約により、メイン配線からボールランドまでのスタブ配線が長くなり、Fly−by信号の波形品質に影響を与え、システムが安定動作しないことがある。以下に、その内容を詳しく説明する。
図11を参照して説明したメモリシステムでは、高速動作による高性能化と同時に、低コスト化が必須である。システムの低コスト化を実現するために、メモリモジュールで使用される8層基板よりも安価な4層基板が使用される。
図12は図11に示した配線基板が4層基板の場合の構成を説明するための断面図である。図12に示すように、配線基板110は、トップ層TLと、トップ層TL側から2番目の配線層となる第2層L2と、トップ層TL側から3番目の配線層となる第3層L3と、ボトム層BLとを有する。これら4つの配線層は、一般的には、次のように役割が分担されている。
第2層L2および第3層L3は、信号線の特性インピーダンスの不連続による反射の影響をなくすために、電源/GNDプレーン層として使用される。トップ層TLおよびボトム層BLは、信号線をルーティングするための配線層として使用される。つまり、4層基板の場合、実質的には、信号線を2層の配線層でルーティングしなければならないという設計制約がある。
各種の信号線をトップ層TLとボトム層BLでルーティングすればよいが、メモリチップが実装されているトップ層TLで、Fly−by信号用のメイン配線をルーティングしようとすると、多数あるFly−by信号用のメイン配線が交差してしまう。そのため、大多数のFly−by信号用のメイン配線を、メモリチップが実装されていないボトム層BLでルーティングする必要がある。そのルーティングの一例を説明する。
図13は、図11に示した配線基板において、メモリチップが搭載される部位に設けられるボールランドの配置を示す平面図である。
図13では、配線基板110に配置されるメモリチップの外周となる四角形を実線で示している。ボールランドは、配線基板110において、メモリチップのボールに対応する位置に配置される。図13では、説明のために、ボールランドの数を実際のメモリチップに設けられるボールの数よりも少なくし、ボールランドのサイズを実際のボールランドのサイズよりも大きく表している。図13に示す24個のボールランドに注目して説明する。
図13において、メモリチップの長手方向を横方向と称し、その長手方向に垂直な方向を縦方向と称する。複数のボールランドについて、縦方向の並びを「列」と称し、横方向の並びを「行」と称する。そして、複数のボールランドのそれぞれを識別可能にするために、メモリチップの横方向に数字の1〜6を割り当て、メモリチップの縦方向にアルファベットのA〜Dを割り当て、各ボールランドの座標を「アルファベット(行)+数字(列)」の組み合わせで表す。この座標を、ボールランドの符号に使用する。
例えば、図13の左端および最上段のボールランドの符号は「A1」となる。24個のボールランドのうち、ボールランドA2〜A5、B2〜B5、C2〜C5、D2〜D5がFly−by信号を伝送するためのボールランドであり、伝送される信号の種類が異なるものとする。また、Fly−by信号を伝送するための複数の配線を区別するために、ボールランドの符号をそのまま配線名に使用する。例えば、ボールランドA2と接続される配線を「A2配線」と称する。
図14は図11に示した配線基板のトップ層に設けられたスタブ配線のパターンを示す平面図である。図15はボトム層に設けられたメイン配線のパターンを示す平面図である。
図14には、2つのメモリチップ100−1、100−2の外周を実線で示し、これら2つのメモリチップのスタブ配線のパターンを示す。図14では、他のメモリチップを表記することを省略している。図14に示すように、メモリチップ100−1、100−2のボールランドA2〜A5、B2〜B5、C2〜C5、D2〜D5のそれぞれからスタブ配線143がビア141に伸びている。
図15に示すように、メイン配線145は、図13に示したビア141の位置に対応して配置されている。図15には、16本のメイン配線145を示している。この16本のメイン配線145が図11に示したバス131に相当する。図15に示すメイン配線145がビア141を介して図13に示したスタブ配線143と接続されている。
図15に示すように、メイン配線145の順番が、上から下へA2配線→A3配線→A4配線→・・・→D5配線となっている。この順番は、コントローラ20のボール配置に対応している。このことを、図16を参照して説明する。
図16は、図15に示すメイン配線とコントローラとの接続の仕方を示す図である。図16では、メモリチップ100−1〜100−nのうち、メモリチップ100−1、100−2を図に示し、他のメモリチップを図に示すことを省略している。
図16に示すように、メモリチップ100−1側からの配線が接続部125を介してコントローラ20側から伸びる配線と接続されている。コントローラ20側の配線の順番は、コントローラ20のボール配置に対応している。メモリチップ100−1からのA2配線からD5配線までの各配線は、コントローラ120のボール配置と同じ配置順序で、コントローラ120と接続されている。
図16に示すメモリシステムでは、配線基板110にルーティングされるFly−by信号の配線の並びは、コントローラ120のボール配置に大きく依存する。そのため、メイン配線145の並びは、メモリチップ100−1〜100−nのボール配置に割り当てられた信号の並びとは異なることが多い。
メイン配線145の並びをコントローラ120のボール配置に合わせようとすると、図14に示したように、メイン配線145をビア141を介してボールランドに接続するスタブ配線143が長くなってしまう。その結果、Fly−by信号の波形品質が悪化し、システム動作が不安定になることがある。
図17Aおよび図17Bは、図14に示したスタブ配線の場合のFly−by信号のシミュレーション波形を示す。図17Aはメモリチップ100−kにおけるFly−by信号のシミュレーション波形であり、図17Bはメモリチップ100−(k+1)におけるFly−by信号のシミュレーション波形である。図17Aの破線部に示すように、リンギングが増加しているのがわかる。
本発明のメモリシステムは、
複数の第1の外部端子を備えたコントローラと、
前記複数の第1の外部端子とそれぞれ電気的に接続される複数の第2の外部端子を備えたメモリチップと、
前記コントローラおよび前記メモリチップが設けられ、前記複数の第1および第2の外部端子をそれぞれ接続する複数の配線を含む配線基板と、を有し、
前記複数の配線は、
前記複数の第1の外部端子から出力される信号の種類に対応した第1の順番に配列され、かつ、前記複数の第1の外部端子とそれぞれ接続する第1の部分と、
前記複数の第2の外部端子の前記第1の順番とは異なる第2の順番に沿って配列され、かつ、前記複数の第2の外部端子とそれぞれ接続する第2の部分と、を有し、
前記第1の部分における前記複数の配線の順番が前記第2の順番と一致するように、前記第1の部分および前記第2の部分を互いの順番を並び替えて接続する並び替え部が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、コントローラとメモリチップの間に設けられた並び替え部が、第1の部分の複数の配線の順番が第2の順番に一致するようにして第1の部分と第2の部分とを接続しているため、メモリチップに設けられた複数の第2の外部端子と接続される配線の配置をコントローラ側の第1の順番に対応させる必要がなく、その配線の長さが長くなることを抑制することが可能となる。
本発明によれば、信号をルーティングするための配線層の数に制限があっても、信号の波形品質を改善することができ、システムを安定動作させることができる。
第1の実施形態のメモリシステムの一構成例を示す外観図である。 第1の実施形態のメモリシステムの構成を説明するための図である。 図1に示した配線基板のトップ層に設けられたスタブ配線のパターンを示す平面図である。 図1に示した配線基板のボトム層に設けられたメイン配線のパターンを示す平面図である。 図3に示したスタブ配線の場合のFly−by信号のシミュレーション波形を示す図である。 図3に示したスタブ配線の場合のFly−by信号のシミュレーション波形を示す図である。 第2の実施形態のメモリシステムの一構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態のメモリシステムのメモリチップの外部端子の配置を説明するための図である。 第3の実施形態における信号入れ替え回路の一構成例を示す回路図である。 第4の実施形態のメモリシステムの構成を説明するための図である。 第5の実施形態のメモリシステムのコントローラの構成を説明するための図である。 関連するメモリシステムの一構成例を示す外観図である。 図11に示した配線基板が4層基板の場合の構成を説明するための断面図である。 図11に示した配線基板に設けられたボールランドの配置を示す平面図である。 図11に示した配線基板のトップ層に設けられたスタブ配線のパターンを示す平面図である。 図11に示した配線基板のボトム層に設けられたメイン配線のパターンを示す平面図である。 図15に示すメイン配線とコントローラとの接続の仕方を示す図である。 図14に示したスタブ配線の場合のFly−by信号のシミュレーション波形を示す図である。 図14に示したスタブ配線の場合のFly−by信号のシミュレーション波形を示す図である。
(第1の実施形態)
本実施形態のメモリシステムの構成を説明する。図1は本実施形態のメモリシステムの一構成例を示す外観図である。
図1に示すように、メモリシステムは、複数のメモリチップ10−1〜10−n(nは2以上の整数)と、メモリチップ10−1〜10−nを制御するコントローラ20と、コントローラ20およびメモリチップ10−1〜10−nが搭載された配線基板5とを有する。配線基板5は4層基板である。
配線基板5には、複数の配線を有するバス31、35が設けられている。コントローラ20から伸びるバス31を介して、メモリチップ10−1〜10−nが直列に接続されている。バス31はメモリチップ10−1〜10−nを経由して終端抵抗30に達している。コントローラ20からバス31を介してメモリチップ10−1〜10−nに、CMD信号、ADD信号およびCLK信号等のFly−by信号が伝送される。
バス35に含まれる複数の配線のそれぞれが、コントローラ20とメモリチップのそれぞれとの間に並列に接続されている。バス35を介して、コントローラ20とメモリチップ10−k(kは1からnの任意の整数)との間で、DQ信号、DM信号およびDQS信号が送受信される。そして、本実施形態では、図1に示すように、バス31の途中に、配線並び替え部40が配線基板5に設けられている。
図2は本実施形態のメモリシステムの構成を説明するための図である。図2では、メモリチップ10−1〜10−nのうち、メモリチップ10−1、10−2のみを図に示し、他のメモリチップを図に示すことを省略している。
図2に示すように、コントローラ20とメモリチップ10−1との接続を中継する配線並び替え部40が配線基板5に設けられている。
配線並び替え部40は、メモリチップ10−1側の配線と、コントローラ20側の配線とをビア41を介して接続する。メモリチップ10−1から配線並び替え部40に伸びる複数の配線を第1の部分と称し、コントローラ20のボール(不図示)から配線並び替え部40に伸びる複数の配線を第2の部分と称する。第1の部分は配線基板5のボトム層BLに設けられ、第2の部分は配線基板5のトップ層TLに設けられている。第1の部分の複数の配線の長手方向と第2の部分の複数の配線の長手方向が異なっている。
メモリチップ10−1側の第1の部分では、図2に示すように、配線の順番がA2配線→B2配線→A3配線→A4配線→・・・→D5配線となっている。一方、コントローラ20側の第2の部分では、図2に示すように、配線の順番がA2配線→A3配線→A4配線→・・・→D5配線となっており、第1の部位と対応していない。
第1の部分と第2の部分とで配線の順番が異なる構成に対して、本実施形態では、図2に示すように、配線並び替え部40が、第1の部分と第2の部分とで同種の配線同士を、ビア41を介して接続させている。ビア41を設ける位置を調整することで、第1の部分の配線と第2の部分の配線との組み合わせを自由に行うことが可能となる。
第1の部分と第2の部分とで配線の順番が異なっていても、本実施形態では、コントローラ20とメモリチップ10−1との間に配線並び替え部40を設けることで、同種の配線同士を接続可能にしている。第1の部分の配線の並びがコントローラ20のボール配置と対応していない構成にした理由を、図3および図4を参照して説明する。
図3は図1に示した配線基板のトップ層を示す平面図である。
図3には、2つのメモリチップ100−1、100−2の外周を破線で示し、これら2つのメモリチップのスタブ配線のパターンを示す。図3では、他のメモリチップのスタブ配線を図に示すことを省略している。チップ内の黒丸印がボールランドの位置に相当し、ボールランドを区別するための符号は図13に示した符号と同じとする。
図13で説明したボールランドA2〜A5、B2〜B5、C2〜C5、D2〜D5のそれぞれについて、図3に示すように各ボールランドにスタブ配線43が接続されている。スタブ配線43はビア41と接続されている。図14に示したスタブ配線143と比較すると、一部を除いて、ほとんどのスタブ配線43の方がスタブ配線143よりも、配線長が短くなっている。
図4は図1に示した配線基板のボトム層に設けられたメイン配線のパターンを示す平面図である。図4に示すメイン配線は図3に示した部位に対応している。
図4に示すように、メイン配線45は、図3に示したビア41の位置に対応して配置されている。16本のメイン配線45が図1に示したバス31に相当する。メイン配線45がビア41を介して図3に示したスタブ配線43と接続されている。メイン配線45の順番は、図4に示すように、A2配線→B2配線→A3配線→・・・→D5配線となっており、図15に示す順番とは異なっている。
図15に示した構成では、コントローラ20のボール配置に対応してメイン配線145の順番が決められていたが、本実施形態では、スタブ配線43の長さを図14に示したスタブ配線143よりも短くすることを優先させている。そして、各スタブ配線43に接続されるビア41の位置にメイン配線45を配置することで、メイン配線45の順番が図15に示した順番とは異なるものになっている。
なお、図4に示すメイン配線の順番は一例である。図4に示すように、メイン配線45を3つのグループA〜Cに分類すると、同じグループ内であれば、ビア配置の変更でスタブ配線43の長さが変わらない範囲で、メイン配線の順番を入れ替えてもよい。
次に、スタブ配線の長さを短くしたことによる効果を説明する。図5Aおよび図5Bは図3に示したスタブ配線の場合のFly−by信号のシミュレーション波形を示す。
図5Aはメモリチップ10−kにおけるFly−by信号のシミュレーション波形であり、図5Bはメモリチップ10−(k+1)におけるFly−by信号のシミュレーション波形である。図17Aおよび図17Bの場合と比較すると、図5Aおよび図5Bの方が、リンギングが減少していることがわかる。
本実施形態によれば、Fly−by信号の種類に対応したメイン配線の順番を、メモリチップの外部端子に割り当てられた信号の並びに合わせることで、スタブ配線を短くしている。そして、コントローラとメモリチップとの間の基板エリアに、図16に示した接続部とは異なるようにビアが配置された配線並び替え部が設けられている。この配線並び替え部によって、Fly−by信号の種類に対応して、コントローラのボール配置の順番とメモリチップ側のメイン配線の順番とが一致するように、信号の入れ替えが可能となる。
スタブ配線の長さを、コントローラのボール配置に合わせる必要がなく、メモリチップの外部端子に合わせて短くすることが可能となる。その結果、スタブ配線の長さに起因する、Fly−by信号の伝送の遅れが抑制される。上述したように、信号をルーティングするための配線層の数に制限のある、安価な4層基板を使用しても、図5Aおよび図5Bに示したシミュレーション波形のように、信号の波形品質を改善することができ、システムを安定動作させることが可能となる。
また、4層基板では、ビア径がボールランドよりも大きくなることがある。この場合、ボトム層にルーティングされたメイン配線はボールランドとビアを介して接続されるが、ビア径が大きいと、ビア間のスペースを大きくとる必要がある。このような場合でも、本実施形態では、図14に示したスタブ配線に比べて、スタブ配線が長くなることを抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、トップ層とボトム層で信号線をルーティングする場合で説明した。この場合に限らず、4層の割り当てを、トップ層とボトム層を電源/GNDプレーン層とし、第2層と第3層を信号線のルーティング用配線層とする場合にも本発明を適用することが可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。さらに、配線基板は4層基板に限定されるものではなく、6層基板や8層基板など、他の多層基板を用いる場合にも、本発明を適用することが可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、コントローラ20からの信号配線を介して出力されるFly−by信号の並びが、図2に示すようにメモリチップに割り当てられた信号の並びとマッチングしていないが、Fly−by信号の並びをメモリチップに入力される直前で入れ替えることを特徴とするものであった。
Fly−byトポロジーでは、コントローラから配線が引き出された直後に、シリーズ抵抗が配置されていることがある。このシリーズ抵抗は、複数の抵抗素子が1つのパッケージ内に収められたものがよく用いられている。4つの抵抗素子が1パッケージに収められているものは、4連抵抗と呼ばれている。
本実施形態は、このシリーズ抵抗と、信号入れ替え機能とを備えた半導体チップを設けた構成である。
図6は本実施形態のメモリシステムの一構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態のメモリシステムでは、図16に示した接続部125とコントローラ20との間に中継チップ25が配線基板5に搭載されている。中継チップ25は、第1の実施形態で説明した配線並び替え部40を有する構成である。
本実施形態によれば、配線並び替え部40を配線基板に予め形成しておく必要がなく、接続部125が設けられた配線基板に中継チップ25を搭載することで、第1の実施形態と同様な効果が得られる。
(第3の実施形態)
本実施形態のメモリシステムは、信号入れ替えの機能がメモリチップに設けられた構成である。
本実施形態のメモリシステムでは、図1に示した構成において、バス31に配線並び替え回路40が設けられておらず、メモリチップ10−1〜10−nが第1の実施形態と異なる構成であることを除いて、第1の実施形態と同様な構成である。そのため、第1の実施形態と同様な構成についての詳細な説明を省略する。
図7は本実施形態のメモリシステムのメモリチップの外部端子の配置を説明するための図である。図7の上側の図は本実施形態のメモリチップの外部端子の配置を示し、図7の下側の図は図13に示したボールランドの配置との違いを示している。
ここでは、説明のために、図7の上側の図において、縦方向をY軸方向とし、横方向をX軸方向とする。そして、X軸方向に列x(xは1〜6のいずれかの整数)を割り当て、Y軸方向に行y(yは1〜4のいずれかの整数)を割り当て、外部端子の座標を(x,y)で表記する。
本実施形態のメモリチップ10−1〜10−nでは、図7に示すように、例えば、列2に注目すると、座標(2,1)→(2,4)の外部端子の符号がD2→B4→A3→A2となっている。図13において、座標(2,1)→(2,4)に対応する箇所を見ると、ボールランドの符号がD2→C2→B2→A2となっている。このように、列2において、メモリチップ10−1〜10−nの外部端子の配置が図13の場合と異なっている。このことは、図7の下側の図を見てわかるように、列3〜5についても同様である。
各メモリチップの外部端子を図7に示す配置にし、それぞれの外部端子を図3に示したスタブ配線および図4に示したメイン配線に接続すると、図4に示したメイン配線45の順番が図7の下側の図の右側に示す順番となる。この順番は図15に示した順番と同じである。よって、メモリチップ10−1とコントローラ20との接続には、図6に示した接続部125が用いられる。
上述したように、外部端子の配置を図13とは異なるようにすることを可能にするために、本実施形態では、メモリチップ10−1〜10−nに信号入れ替え回路が設けられている。
次に、その信号入れ替え回路の構成を説明する。
ここでは、説明を簡単にするために、2つの外部端子と2つの内部信号線との接続を切り替える場合で説明する。また、外部端子となる2つのパッドに入力される信号を、信号Aおよび信号Bとする。
図8は本実施形態における信号入れ替え回路の一構成例を示す回路図である。メモリチップ10−1〜10−nのそれぞれは、図8に示すように、レシーバ52a、52bと、信号入れ替え回路50と、内部信号線Sa、Sbとを有する。
レシーバ52aの入力端子は、信号Aが入力されるパッド51aと接続されている。レシーバ52bの入力端子は、信号Bが入力されるパッド51bと接続されている。レシーバ52a、52bには、信号処理を同期して行うための内部クロック信号が入力される。
信号入れ替え回路50は、レシーバ52aの出力端子と接続されるトランスファーゲート53a、54bと、レシーバ52bの出力端子と接続されるトランスファーゲート53b、54aと、バッファ55a、55bとを有する。バッファ55aは、入力端子がトランスファーゲート53a、54aと接続され、出力端子が内部信号線Saと接続されている。バッファ55bは、入力端子がトランスファーゲート53b、54bと接続され、出力端子が内部信号線Saと接続されている。
各トランスファーゲートのMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのゲート電極には、Highレベル(Hレベル)またはLowレベル(Lレベル)の1ビットの切替信号が入力される。図8では、切替信号をPSおよびPSB(PSの反転信号)で表す。PSおよびPSBに相当する信号は、メモリチップ内部に予め設けられたヒューズ等の素子を切断するか否かによって設定することが可能である。
次に、図8に示した信号入れ替え回路の動作を説明する。
はじめに、信号Aおよび信号Bが入力されるタイミングで、PSをHレベルとし、PSBをLレベルとした場合の動作を説明する。この場合、トランスファーゲート53aがオンになり、レシーバ52aの出力端子がトランスファーゲート53aおよびバッファ55aを介して内部信号線Saと接続される。また、トランスファーゲート53bがオンになり、レシーバ52bの出力端子がトランスファーゲート53bおよびバッファ55bを介して内部信号線Sbと接続される。
これにより、パッド51aが内部信号線Saと接続され、信号Aが内部信号線Saに出力される。また、パッド51bが内部信号線Sbと接続され、信号Bが内部信号線Sbに出力される。
一方、信号Aおよび信号Bが入力されるタイミングで、PSをLレベルとし、PSBをHレベルとした場合は、次のように動作する。この場合、トランスファーゲート54aがオンになり、レシーバ52bの出力端子がトランスファーゲート54aおよびバッファ55aを介して内部信号線Saと接続される。また、トランスファーゲート54bがオンになり、レシーバ52aの出力端子がトランスファーゲート54bおよびバッファ55bを介して内部信号線Sbと接続される。
これにより、パッド51aが内部信号線Sbと接続され、信号Aが内部信号線Sbに出力される。また、パッド51bが内部信号線Saと接続され、信号Bが内部信号線Saに出力される。
なお、本実施形態では、1ビットの切替信号で2つの入力と2つの出力を切り替える「2対2」の場合で説明したが、例えば、4対4、8対8等にすることも可能である。
図7の下側の図に示すような信号の入れ替えに合わせて、信号入れ替え回路50に入力するPSおよびPSBの信号を設定するためのヒューズ等の素子を予め切断しておく。そして、上述の信号入れ替え回路50において、内部信号線Sa、Sbを図13に示したA3〜A5、B2〜B5、C2〜C5に対応する外部端子に当てはめ、パッド51a、51bを図7に示したA3〜A5、B2〜B5、C2〜C5に当てはめることで、図7の下側の図に示すような信号の入れ替えが可能となる。
本実施形態によれば、メモリチップに信号の入れ替え機能を持たせることで、信号の入れ替えのための構成を配線基板に設ける必要がない。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スタブ配線を短くすることができ、波形品質を確保することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態のメモリシステムは、コントローラのボール配置をメモリチップの外部端子の順番に対応させた構成である。
本実施形態のメモリシステムでは、図1に示した構成において、バス31に配線並び替え回路40が設けられておらず、コントローラが第1の実施形態と異なる構成であることを除いて、第1の実施形態と同様な構成である。そのため、第1の実施形態と同様な構成についての詳細な説明を省略する。
図9は本実施形態のメモリシステムの構成を説明するための図である。図9では、メモリチップ10−1とコントローラ20aとの接続の仕方を説明するための図であり、メモリチップ10−2〜10−nおよび終端抵抗30を図に示すことを省略している。
図9に示すように、コントローラ20aのボール配置がメモリチップ10−1から伸びるA2配線〜D5配線の順番に対応している。そのため、Fly−by信号用の配線の順番を、途中で入れ替えることなく、メモリチップ10−1と接続部125を介してコントローラ20aと接続することが可能となる。
本実施形態では、コントローラ20aのボール配置がメモリチップの外部端子の順番にマッチングするように設定されている。そのため、本実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果が得られる。
(第5の実施形態)
本実施形態のメモリシステムは、信号入れ替えの機能がコントローラに設けられた構成である。
本実施形態のメモリシステムでは、図1に示した構成において、バス31に配線並び替え回路40が設けられておらず、コントローラ20が第1の実施形態と異なる構成であることを除いて、第1の実施形態と同様な構成である。そのため、第1の実施形態と同様な構成についての詳細な説明を省略する。
本実施形態におけるメモリコントローラは、図8を参照して説明した信号入れ替え回路50を有し、ボール配置が第4の実施形態で説明した配置と同様な構成である。なお、信号入れ替え回路50についての詳細な説明を省略する。
図10はコントローラのボール配置を模式的に示す図である。図10の上側の図は第1の実施形態におけるコントローラ20のボール配置を示し、図10の下側の図は本実施形態におけるコントローラ20bのボール配置を示す。
図8に示した信号入れ替え回路50がコントローラ20bに設けられ、信号入れ替え回路50における内部信号線をコントローラ20aのボールとし、信号入れ替え回路50におけるパッドを図10に示すコントローラ20bのボールとした構成になっている。この構成により、図10の下側の図に示すように、コントローラ20bのボールの順番が図9に示したコントローラ20aのボールの順番と同じになる。
本実施形態では、コントローラが信号入れ替え機能を備えることで、コントローラのボール配置が第4の実施形態と同様な配置になっている。信号入れ替え機能によってコントローラから引き出される配線の順番をメモリチップのボール配置にマッチングさせることが可能となる。よって、本実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
5 配線基板
10−1〜10−n メモリチップ
20、20a、20b コントローラ
30 終端抵抗
31、35 バス
40 配線並び替え部

Claims (6)

  1. 複数の第1の外部端子を備えたコントローラと、
    前記複数の第1の外部端子とそれぞれ電気的に接続される複数の第2の外部端子を備えたメモリチップと、
    前記コントローラおよび前記メモリチップが設けられ、前記複数の第1および第2の外部端子をそれぞれ接続する複数の配線を含む配線基板と、を有し、
    前記複数の配線は、
    前記複数の第1の外部端子から出力される信号の種類に対応した第1の順番に配列され、かつ、前記複数の第1の外部端子とそれぞれ接続する第1の部分と、
    前記複数の第2の外部端子の前記第1の順番とは異なる第2の順番に沿って配列され、かつ、前記複数の第2の外部端子とそれぞれ接続する第2の部分と、を有し、
    前記第1の部分における前記複数の配線の順番が前記第2の順番と一致するように、前記第1の部分および前記第2の部分を互いの順番を並び替えて接続する並び替え部が設けられたことを特徴とするメモリシステム。
  2. 請求項1記載のメモリシステムにおいて、
    前記第1の部分における前記複数の配線の長手方向と前記第2の部分における前記複数の配線の長手方向とが異なる、メモリシステム。
  3. 請求項1または2記載のメモリシステムにおいて、
    前記並び替え部が前記配線基板に設けられている、メモリシステム。
  4. 請求項1記載のメモリシステムにおいて、
    前記コントローラと前記メモリチップとの間に、前記並び替え部を含む半導体チップがさらに設けられている、メモリシステム。
  5. 請求項1記載のメモリシステムにおいて、
    前記並び替え部が前記メモリチップに設けられている、メモリシステム。
  6. 請求項1記載のメモリシステムにおいて、
    前記並び替え部が前記コントローラに設けられている、メモリシステム。
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