JP2014015639A - 塩排水の処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス田採掘における随伴水などの塩排水を、低コスト及び低環境負荷で、有効利用可能な物質に高収率、高効率で転換することが可能な塩排水の処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】塩化ナトリウムを含む塩排水から水分を分離することで塩排水を濃縮して高濃度塩排水を製造し、高濃度塩排水を、正極と負極がナトリウムイオンを透過する半透膜で仕切られた電解槽の正極側に投入して、電気分解により高濃度塩水中に水酸化ナトリウムを生成させ、この水酸化ナトリウムに、塩排水を排出するプラント又は塩排水の処理装置を作動する電気エネルギーを得るために設置されているガスタービン発電装置又はエンジン発電装置の排ガスを接触させることにより炭酸ナトリウム及び/または炭酸水素ナトリウムを含む水溶液を得て、この水溶液から炭酸ナトリウム及び/または炭酸水素ナトリウムを分離回収する。
【選択図】図9

Description

本発明は、塩排水の処理方法及び装置に係り、特に、油田やガス田の採掘の際に発生する随伴水の減容処理に好適な塩排水の処理装置及びその処理方法に関する。
油田やガス田の採掘では、石油や天然ガスと共に塩分を含む随伴水が発生する。随伴水は、地盤沈下抑制等のため、通常、油田やガス田の井戸に返送される場合が多い。しかし、採掘に用いる蒸気注入等の増大に伴い、井戸への返送量と比べて過剰量の随伴水が発生する傾向にある。過剰な随伴水については、環境保護の観点から、処理により最終的な発生量を限りなくゼロに近づけることが望ましい。また、海水淡水化においても、海水淡水化の際に発生する濃縮された塩水の扱いが課題となる。濃縮された塩水を海に返送することで環境への変動を招く場合もあり、塩を含む排水を出来るだけ低減することが望ましい。
従来、これらの塩化ナトリウム等の塩を含んだ排水の処理について、逆浸透膜(RO膜)や加熱を用いた濃縮処理により排水(塩排水)量を低減することが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、排水を蒸発濃縮しており、蒸発濃縮に用い熱源としてガスタービンの排熱を利用した排熱回収ボイラからの発生蒸気を用いている。
一方、特許文献2に、脱塩プラント由来の塩水廃液に二酸化炭素およびアンモニアを反応させてソーダ灰を生成することが記載されている。また、特許文献2では、二酸化炭素として、燃焼発生源に直接または間接に由来する廃ガス流から得ている。
また、特許文献3及び4に、炭酸ナトリウムの結晶を得る方法として、塩化ナトリウム水溶液を膜タイプの電気分解セルを用いて電気分解して水酸化ナトリウム水溶液を収集し、水酸化ナトリウム水溶液と二酸化炭素との直接接触により炭酸ナトリウムの結晶のスラリーを得ることが記載されている。また、特許文献3及び4では、二酸化炭素として、電気分解で生じた塩素と水素を反応させて得られた塩酸水溶液に石灰石を作用させて得た二酸化炭素、又は、熱電併給設備から放出される煙道ガスを用いることが記載されている。
国際公開2012/008013 特表2012-509237号公報(国際公開2010/057261) 特表2008-532904号公報(国際公開2006/094982) 特表2010-503600号公報(国際公開2008/031834)
特許文献1では、塩排水を濃縮して最終的に排出する塩排水量を低減している。しかしながら、廃棄物をできるだけ低減するためには減容だけでなく、廃棄物を有価物に転換して、社会で引き取りやすい状態にする、あるいはできれば有効利用してもらうことで消化する工夫が追加されることが望ましい。
この観点から特許文献2では、塩水廃液を、他の価値が付加された材料(ソーダ灰)の形成に用いており、経済的および/または環境的なコストを低減できる。しかしながら、特許文献2では、所謂、ソルベー法を用いており、反応にはアンモニアが必要となる。例えば、濃縮処理に蒸発濃縮処理を用いている特許文献1に適用した場合、濃縮廃液の温度は比較的高く、アンモニアが蒸発して反応させるのが難しい。濃縮廃液の温度を低下させてから反応に供するのでは、濃縮廃液が持つ熱エネルギーを無駄にすることになり、また、温度低下させるための設備が必要となり、好ましくないと考えられる。
特許文献3および4では、岩塩を加えて濃縮塩水とし、濃縮塩水を電気分解して、水酸化ナトリウム水溶液を得て、この水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素を気液接触させて炭酸ナトリウムの結晶のスラリーを得ている。この電気分解を用いた方法では、特許文献2のように炭酸ナトリウムを得るのにアンモニアを用いる必要がない。しかしながら、特許文献3では、油田やガス田の採掘の際に発生する随伴水のような排水を対象としたものではない。即ち、塩排水の処理については考慮されていない。また、塩排水に岩塩を加えて濃縮塩水とすることは現実的ではない。また、随伴水などの塩排水には、マグネシウムやカルシウムなどのナトリウムイオン以外の金属イオンや、有機物が含まれており、随伴水等の塩排水を電解槽に入れる前に、これらを効果的に除去することが望ましい。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、随伴水などの塩排水を、低コスト及び低環境負荷で、有効利用可能な物質に高収率、高効率で転換することが可能な塩排水の処理方法及び装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明では、塩化ナトリウムを含む塩排水から水分を分離することで塩排水を濃縮して高濃度塩排水を製造し、高濃度塩排水を、正極と負極がナトリウムイオンを透過する半透膜で仕切られた電解槽の正極側に投入して、電気分解により高濃度塩水中に水酸化ナトリウムを生成させ、この水酸化ナトリウムに、塩排水を排出するプラント又は塩排水の処理装置を作動する電気エネルギーを得るために設置されているガスタービン発電装置又はエンジン発電装置の排ガスを接触させることにより炭酸ナトリウム及び/または炭酸水素ナトリウムを含む水溶液を得て、この水溶液から炭酸ナトリウム及び/または炭酸水素ナトリウムを分離回収するようにしたことを特徴とする。そして、電解槽を多段に直列に設置した電解装置を用いることを特徴とする。
本発明によれば、随伴水などの塩排水を、低コスト及び低環境負荷で、有効利用可能な物質に高収率、高効率で転換することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例の塩排水の処理装置を石炭ガス田の随伴水処理に適用した場合のシステム構成図である。 本発明の塩排水の処理装置に用いられる電解槽の一例を示す概念図である。 本発明の塩排水の処理装置に用いられるCO2吸収装置の一例を示す概念図である。 本発明の一実施例における塩排水の処理装置のシステム構成図である。 本発明の他の実施例における塩排水の処理装置のシステム構成図である。 本発明の他の実施例における塩排水の処理装置のシステム構成図である。 本発明の他の実施例における塩排水の処理装置のシステム構成図である。 本発明の他の実施例における塩排水の処理装置のシステム構成図である。 本発明の塩排水の処理装置で用いられる多段直列式の電解槽の一例を示す概念図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明に至った経緯について説明する。
上述したように、廃棄物をできるだけ低減するためには減容だけでなく、廃棄物を有価物に転換することが望ましい。有価物とするためには、例えば、塩排水を固体塩まで減容の後、精製し食塩に転換することが考えられる。しかし、通常の食塩との製造コストと比較すると、様々な不純物除去工程を必要とする点で、塩排水から食塩を製造するのは経済的に著しく不利である。また、廃棄物から回収した製品を口にすることの生理的な拒絶感もある。このような観点からは、できるだけ通常の製造プロセスに近い方式で人間の健康を含めた環境への負荷が低い形で利用される製品に、廃棄物である塩排水を高収率、かつ高効率で転換することが望ましい。
そこで、本発明者等は、塩排水を電気分解して水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を得て、これに二酸化炭素を曝気などで反応させることにより、炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)あるいは炭酸ナトリウム(Na2CO3)を生成させることを考えた。
油田やガス田の採掘の際に発生する随伴水などには、マグネシウムやカルシウムなど
のナトリウムイオン以外の金属イオンや、有機物が含まれており、随伴水等の塩排水を電解槽に入れる前に、これらを効果的に除去することが望ましい。
アルカリ土類金属のマグネシウム、カルシウムなどの塩の溶解度は、ナトリウム塩に比べて低い。そこで、塩排水を濃縮することにより、アルカリ土類金属のマグネシウム、カルシウムなどの塩を析出させて、電解槽に入れる前に、塩排水から分離可能とすることを考えた。また、有機物についても、塩析を利用して分離可能とすることを考えた。このように、塩排水を濃縮処理することによって、電解処理で塩排水から苛性ソーダを得るのに適したナトリウム塩がリッチな処理液とすることができる。
また、塩排水を排出するプラント(例えば、油田やガス田の採掘プラント)では、電気エネルギーが必要であり、ガスタービン発電装置が設置される場合が多い。そこで、炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)あるいは炭酸ナトリウム(Na2CO3)を生成させる際に用いる二酸化炭素としてガスタービン発電装置のガスタービン排ガスを用いれば、排ガスに含まれる二酸化炭素の固定化にも活用でき、また、塩排水処理装置の設備コスト低減につながると考えた。なお、塩排水の処理装置にも多大な直流電流を必要とするため、塩排水の処理装置の電気エネルギーを得るためにガスタービン発電装置やエンジン発電装置を設置し、苛性ソーダの炭酸化の反応に用いる二酸化炭素としてその排ガスを用いるようにしても良い。
そして、本発明者等は、電解槽を多段とすることにより電解槽の正極側の排出液における塩素イオンの残留を抑制することを考えた。正極側の排出液における塩素イオンが残留しないようにすることにより、排出液を電解槽の負極側に供給しても次亜塩素酸イオンが生成しないようにすることができる。正極の排出液を負極側に供給することができれば、負極側の水位を維持に利用でき、系外に放出する排水を削減することができる。また、塩排水の炭酸ソーダなどが多く含まれている場合に有効に炭酸ソーダを回収することができる。
これらにより、塩排水処理においてより有価性の高い塩を優先的に製造することが可能となり、かつ最終的に排出する塩排水中の塩濃度を最低限にすることが可能となる。さらに、塩排水の処理装置に使用する電力を賄うため化石由来燃料の発電装置から排出される二酸化炭素量を低減できるなど、環境に対する影響を少なくすることができる。また、発電装置の排ガス由来の熱を利用して塩排水の濃縮処理などを行うことにより、システム全体としての効率を向上ことができる。
次に、本発明の塩排水の処理方法及び装置の好適な適用例である油田やガス田の採掘の際に発生する随伴水の処理システムを用いて、様々な工夫点を含めて本発明の実施例の概要を説明し、その後、塩排水の処理装置のシステム構成例を詳細に説明し、最後に多段の電解槽の構成例を説明する。
図1は、本発明の一実施例の塩排水の処理装置を石炭ガス田の随伴水処理に適用した場合のシステム構成図である。
本処理システムは、ガス田の採掘の際の随伴水である塩排水を処理するRO膜システム、多重効用型蒸発法(Multi-Effect Distillation:MED)システムによって上水を得るシステムと、これらのシステムを駆動するための電気エネルギーや蒸気などを発生する電力・熱供給システムと、MEDシステムで生じる高濃度塩排水を処理して炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの有価塩を得る電解・減容システムと、電解によって生じる塩素ガスを処理する塩素精製・液化システムから構成される。電力・熱供給システムは、ガス田の採掘プラントに必要な電気エネルギーも発生する。
図1において、101はガス田、102はガス処理装置、103は給水ポンプ、104はストレーナ、105は精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)等の前処理装置、106は加圧空気タンク、107はアルカリ供給タンク、108は酸供給タンク、109は中和タンク、110は高圧水ポンプ、111はRO膜淡水化装置、112は薬品洗浄/排水処理装置、113は圧力エネルギー回収装置、114は表面逆洗装置(ブロア)、115は製品ガス供給ブロア、116はMED装置、117は熱交換器、118は放熱部、119、120はエジェクター、121はガスタービン、122は発電機、123は排熱回収ボイラ、124、125、126は送液ポンプ、127は変圧器/コンバータ、128は電解槽、129はスクラバ、130は粉体分離機、131、132は送液ポンプ、133はCO2吸収装置、134は粉体分離機、135は炭酸ソーダ槽、136は熱交換式冷却器、137は気液分離器、138は乾燥機、139は濃硫酸槽、140、141、142は送液ポンプ、143は硫酸濃縮槽、144は塩素ガス液化装置、145は送液ポンプ、146は液化塩素槽、147は蒸気タービン、148は発電機、152は送液ポンプである。
ガス田101から採掘される天然ガスは、ガス処理装置102により精製された後、製品ガス供給ブロア115により送気される。また、採掘される天然ガスと共にガス田101から湧き出てくる随伴水については、給水ポンプ103により汲み出されRO膜システムに導入される。
RO膜システムでは、RO膜への負荷を低減するため、先ず、ストレーナ104で、随伴水から固形分の不純物が除去される。その後、前処理装置105において随伴水から細かい固形分の不純物が除去される。前処理装置105としては、MF膜やUF膜、あるいはその両方の組み合わせが用いられる。前処理装置105では、膜前後における差圧の上昇をモニターし(圧力計は図示省略)、差圧が設定値よりも上昇した場合には、給水ポンプ103を停止し、バルブを適宜開閉して膜洗浄を行う。例えば、表面逆洗装置(ブロア)114から高圧空気を吹き込み、膜を洗浄する。また、必要に応じて、加圧空気タンク106からの高圧空気吹込みによる膜の逆洗、アルカリ供給タンク107からのアルカリ溶液(苛性ソーダ)、酸供給タンク108からの酸を用いた膜面の薬洗を行う。薬洗に用いた酸やアルカリを中和し、必要に応じて還元剤を加えて処理した後、廃液を中和タンク109に回収する。回収した廃液はその後排水される。
前処理装置105を通過した随伴水は高圧水ポンプ110により、RO膜淡水化装置111に送られ、淡水が製造されると共に残された液では塩分が濃縮される。RO膜淡水化装置111においても、必要に応じて、酸や還元剤を用いた膜面洗浄を行い、その排水は薬品洗浄/排水処理装置112に送られ処理される。また、RO膜淡水化装置111から排出された淡水はシステムの外部に送水され、濃縮水は圧力エネルギー回収装置113を通してエネルギー回収がなされ、MEDシステムに供給原水として送水される。
本実施例のMEDシステムでは、RO膜淡水化装置111からの供給原水を加熱するのに用いる蒸気として、排熱回収ボイラ123で発生させた蒸気に由来する蒸気、即ち、蒸気タービン147で仕事をした後の蒸気(排気蒸気)を用いている。
そして、本実施例のMEDシステムでは、RO膜淡水化装置111から排出された濃縮水(供給原水)は、一部が直接MED装置116に送水され、他の一部が蒸気タービン147からの排気蒸気の一部を用いて加熱されてMED装置116に送水される。この加熱は、エジェクター119を介して熱交換器117に排気蒸気の一部を供給し、供給原水が熱交換器117を経由するようにして行っている。
MED装置116内の供給原水の一部が、蒸気タービンからの排気蒸気の一部が流れるエジェクター120に誘引され、蒸気との混合により加熱された後、MED装置116に還流する。その際、蒸気の流れによる誘引でMED装置116内は大気圧よりも減圧され、MED装置内の供給原水は蒸発しやすくなる。MED装置116内で発生した蒸気は放熱部118で冷却され、蒸留水(淡水)となり、一部が送液ポンプ126により系外への供給水として、他の一部が送液ポンプ124により排熱回収ボイラ123へのボイラ給水として送液される。また、蒸発により濃縮された随伴水(濃縮廃水)は送液ポンプ125により、電解槽128に送液される。なお、蒸発による随伴水の濃縮については、多重効用型蒸発法を適用した装置が最も望ましいが、それ以外の蒸留濃縮装置についても適用可能である。
本実施例では、RO膜システムとMEDシステムとによって随伴水の濃縮を行っている。これらの濃縮によって、随伴水に含まれる溶解度が低いアルカリ土類金属のマグネシウム、カルシウムなどの塩が析出する。また、随伴水に含まれ有機物も塩析する。これらによって、塩排水(随伴水)を電解槽に入れる前に、苛性ソーダを得るのに不純物となるものを塩排水から分離可能となる。なお、図示していないが、MED装置と電解槽との間に、析出した不純物を補足するフィルターを設けるのが望ましい。このように、塩排水を濃縮処理することによって、電解処理で塩排水から適したナトリウム塩がリッチな処理液とすることができる。
MED装置116からの濃縮廃水は、電解・減容システムの電解槽128に供給され電解される。図2を用いて本実施例で用いる電解槽128の概念を説明する。但し、本発明で用いる電解装置は、後述するように、電解槽を多段化したものであり、図2は塩排水処理装置における電解の概念を説明するものである。電解槽128は、正極側セルと負極側セルが半透膜150で仕切られた構造で、両電極間の電位差は例えば3−5V程度に制御される。MED装置116からの濃縮廃水は、電解槽128の正極側セルに供給される。
塩化ナトリウムを含む水を電気分解した場合、下記(1)式と(2)式に示す電解化学反応ように、苛性ソーダ、塩素、水素が生成する。即ち、この反応では、塩素イオンが正極151で酸化され塩素分子(ガス)となり正極側セル上部から排出され、残るナトリウムイオンは半透膜150を通過し電解槽128の負極側セルに移行する。一方、負極153側では水素イオンが還元され生成した水素分子(ガス)となり負正極側セル上部から排出され、残された水酸化物イオンがナトリウムイオンと共に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を生成する。
2NaCl → 2Na+− + 2Cl → 2Na+ + Cl2+ 2e … (1)
2H2O + 2e → 2OH+ + H2 … (2)
この反応では、苛性ソーダ生成量と等モル量の電荷が必要となるので、大規模に継続的に実施する場合、膨大な直流電流が必要となる。
電解槽128で生成したナトリウムイオンと水酸化物イオンは苛性ソーダ水として電解槽から排出され、送液ポンプ132によりCO2吸収装置133に供給される。
なお、ガス田によっては、随伴水に、炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウム、即ち、炭酸イオンや重炭酸イオンが含まれている場合もある。随伴水の濃縮廃水に炭酸イオンや重炭酸イオンが含まれている場合、電位差を上記値よりも極めて大きな値としない限り、これらのイオンは影響を受けず、塩素イオンが酸化される。随伴水の濃縮廃水に塩素イオンが少なく炭酸イオンや重炭酸イオンが多く含まれている場合などには、電解により正極側セルでは、塩素イオンが除去され、炭酸イオンや重炭酸イオン(炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウム)が残ることになる。本実施例では、塩素イオンが除去された排水(電解水)を、必要に応じて所定の処理を行った後(例えば塩素イオンの有無を確認し、塩素イオンが未検出の場合に加温処理など行った後)、送液ポンプ152により電解槽128の負極側セルに送液している。これにより、高純度で炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウムを得ることができる。また、負極側は水の電気分解により水位が低下する傾向にあるが負極側に、外部から電解水を補給することなく、負極側の水位を維持することができる。
電解槽128の正極側セル上部から排出された塩素ガスは、塩素精製・液化システムに送られる。塩素ガスは湿分を含んでおり腐食性が高いため、送気配管はガラスライニング材等の耐食材料で作られるのが望ましい。
電解槽128から排出された湿分を含む塩素ガスは、熱交換式冷却器136で0〜15℃程度に冷却されることで、湿分の大部分が凝縮する。この状態で気液分離器137を通過することで、凝縮液が除去される。気液分離器137を通過した塩素ガスは乾燥機138に送られる。乾燥機138は例えば濃硫酸への曝気槽であり、これにより塩素ガスに残存する微量の水分が除去される。乾燥機138へは濃硫酸槽139から送液ポンプ140により濃硫酸が供給される。塩素ガスの湿分を吸収した硫酸は送液ポンプ141により硫酸濃縮槽143に送られる。硫酸濃縮槽143は例えば加熱装置であり、水分を加熱蒸発することで濃硫酸を再生する。再生された濃硫酸は送液ポンプ142により、濃硫酸槽139に回収される。乾燥機138から排出された乾燥塩素ガスは、塩素ガス液化装置144に送られ液化する。塩素ガス液化装置144は例えば、冷却装置や圧縮機、あるいはその両方の併用で構成される。冷却装置の場合、塩素の液化温度(−35℃)以下に冷却することで、単独で塩素ガスを液化することが可能となる。塩素ガス液化装置144から排出された液化塩素は送液ポンプ145により液化塩素槽146に送られ蓄えられる。液化塩素は、塩酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩化ビニルモノマー等、有用な製品の原料として利用される。
電解槽の負極側セルで発生した水素ガスについては、可燃ガスのため、電解槽内にとどまらないよう十分な排気、安全確保が必要である。本実施例では、ガスタービン121の燃焼器に送られ、燃料の一部として用いられている。これにより、ガスタービンに供給される燃料の低減が図られる利点がある。
各システムを駆動するための電気エネルギーやMEDシステムに供給する蒸気は、電力・供給システムから得ている。電力・供給システムは、本実施例では、ガスタービン121、ガスタービンにより駆動される発電機122、ガスタービンの排ガスを利用して蒸気を発生する排熱回収ボイラ123、排熱回収ボイラからの蒸気を用いて駆動する蒸気タービン147、蒸気タービンにより駆動される発電機148から構成されている。
ガスタービン121の燃焼器には、ガス処理装置102において精製され製造ガスの一部が燃料として供給されている。また、電解槽128で発生した水素ガスも燃焼器に燃料として供給され、有効利用されている。図1の例では、製造ガスの一部や電解槽で発生した水素ガスをガスタービン燃料として用いているが、系外から供給される各種液体燃料、気体燃料を用いても構わない。また、発電機122をガスタービン121に代えてガスエンジンやディーゼルエンジン等、他の内燃機関を用いても良い。
ガスタービン121の燃焼器で生成した燃焼排ガスは1000〜1600℃の高温である。排熱回収ボイラ123は、この燃焼排ガスを導入して、送液ポンプ124から送られてくるボイラ給水を加熱して蒸気を発生させる。この蒸気は、蒸気タービン147に作動媒体として供給され、蒸気タービンを回転駆動する。蒸気タービン147による発電は、システムにおける蒸気の需要が少なく、過剰量の蒸気が排熱回収ボイラ123で製造される場合、廃熱を有効利用することにつながるので有効である。また、上述したMED装置116は比較的圧力の低い蒸気でも稼動に支障が無いので、蒸気タービン147の設置有無による影響を受けない。
発電機122及び148で発生した電気エネルギーは、給水ポンプ103、高圧水ポンプ110等の各種ポンプ、及び電解槽128等へ供給される。電解槽128には、電気エネルギーが、変圧器/コンバータ127により電解に適切な直流電圧に変換された後、供給される。
大量の蒸留水精製が必要な場合、蒸気タービンを駆動するための給水の確保が困難な場合でもある。このような場合など、必要に応じて、蒸気タービン147及び発電機148は設置しないようにしても良い。この場合、MED装置116には、排熱回収ボイラからの蒸気を直接エジェクター119及び120を介して供給することになる。
排熱回収ボイラ123から排出される排ガスは、後述するCO2吸収装置133において電解槽128からの苛性ソーダ水の炭酸化に用いられる。排熱回収ボイラ123から排出される排ガスの温度は150〜200℃程度に低減している。本実施例では、先ず、排熱回収ボイラ123からの排ガスをスクラバ129に送っている。スクラバ129は、排ガス中に含まれるSOxやNOx成分を除去し、SOxやNOx成分をした排ガスをCO2吸収装置133に送るようにすることにより、CO2吸収装置133で生成される重曹や炭酸ソーダへの不純物混入を低減するものである。
スクラバ129には、電解槽128の負極側セルで生成した電解水(苛性ソーダ水)の一部が送液ポンプ131により送られる。排熱回収ボイラ123からの排ガスが導入されたスクラバ129内に苛性ソーダ水が噴霧され、苛性ソーダ水と排ガスとの気液接触(苛性ソーダ水への排ガスの曝気)が行われる。電解水中の苛性ソーダ等のアルカリ分が排ガス中に含まれるSOxやNOx成分と反応することで、これらが排ガスから除去される。即ち、電解水中のアルカリ分が燃焼排ガス中の強酸成分であるSOxやNOx成分と、弱酸成分であるCO2よりも優先的に反応し、塩が生成する。生成した塩分は排ガスとの接触による加熱で蒸発乾燥されて固体状となり、排ガスの流れに乗って粉体分離機130に送られる。ここでは排ガスから塩分が分離除去された後、排ガスがCO2吸収装置133に送られる。分離除去された塩分は必要に応じて、粉体分離機130から混合塩として排出される。粉体分離機130はバグフィルターやサイクロン等である。
このように、排ガスをCO2吸収装置133に供給前に処理することにより、最終的な製品である重曹や炭酸ソーダへの硫酸ソーダ、硝酸ソーダ等の不純物としての混入を低減し、ガラス等の原料として利用されやすい形となる。なお、スクラバ129、粉体分離機130については、排ガス中にSOxやNOxの強酸成分が少ない場合は、最終製品への不純物が少なくなるので、設置を省略しても良い。また、スクラバ129内に噴霧するのは電解槽128からのアルカリ性の電解水ではなく、系の外部から供給されるアミン等の液体や、水を用いるようにしても良い。
次に、電解・減容システムのCO2吸収装置133について説明する。CO2吸収装置133では、ガスタービンの燃焼排ガスに由来する排ガスに、電解槽128からの苛性ソーダ水を曝気させ、排ガスに含まれる二酸化炭素を苛性ソーダ水に吸収させ、苛性ソーダと反応させることで、炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)あるいは炭酸ナトリウム(Na2CO3)を生成させ、また、これにより排ガスに含まれる二酸化炭素を固定化している。
図3を用いて本実施例で用いるCO2吸収装置133の概要を説明する。CO2吸収装置133は、粉体分離機130から送られてきた排ガスが供給口154から内部に供給される。排ガスが導入されたCO2吸収装置133には、電解槽128から送液ポンプ132を介して送られてきた苛性ソーダ水(アルカリ性の電解水)が噴霧ノズル155から噴霧さされる。電解水のアルカリ分が排ガス中に含まれるCO2と反応することで、塩が生成されこれが排ガスから除去される。
噴霧により苛性ソーダ水に排ガスを曝気させる場合、重曹と炭酸ナトリウムの生成比率はガス中の炭酸ガス濃度に依存する。即ち、苛性ソーダの場合、CO2との反応で生成する塩は排ガス中のCO2濃度により異なり、CO2濃度が5%を大きく超えると重曹の生成が支配的となり、5%よりも極めて少ないと炭酸ソーダの生成が支配的となる。5%付近では両者の混合物となる。従って、排ガス中のCO2濃度を変えることにより目的とする最終製品(重曹または炭酸ソーダなど)を得ることができる。ガスタービン121の燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素の濃度は小さい(2%程度)ので、CO2吸収装置133に供給する排ガスの二酸化炭素濃度を増大する場合には、例えば、燃焼排ガスにCO2ガスを追加する方法が考えられる。本実施例では、ガス田101から採掘された天然ガスをガス処理装置102で精製する際に製造ガスから分離除去された、CO2ガスを含む随伴ガスを、排熱回収ボイラ123からの排ガスに合流させて、排ガスをスクラバ129に供給している。ガス処理装置102により随伴ガスから適切な量のCO2ガス分を分離回収し、排ガスに混合することで、二酸化炭素濃度の調整が可能である。なお、随伴ガスを排ガスに混合するということは、排ガスの温度を調整(例えば低減)する観点でも役立つ。また、排ガスに含まれる二酸化炭素の濃度を増大する他の方法として、例えば、ガスタービン121に代えてガスエンジンやディーゼルエンジン等のエンジン発電装置を用い、その排ガス(CO2濃度が10%程度)を利用することが考えられる。また、目的とする最終製品(重曹または炭酸ソーダなど)を得ることためにガス中のCO2濃度を変えるという特徴は、ガスタービン排ガスが必須という訳ではなく、上述のようにガス田からの随伴ガスなどを用いて、ガス中のCO2濃度を変えるようにしても良い。
CO2吸収装置133で生成した塩分は排ガスとの接触による加熱で蒸発乾燥され固体状となる。固体状の塩分は排ガスの流れに乗ってミストセパレータ160を通過することで微量の残存水分が除去された後、粉体分離機134に送られる。また、排ガスは、噴霧ノズル155から噴霧されたアルカリ液(苛性ソーダ水)との熱交換で温度が低下し、二酸化炭酸の濃度も低減する。粉体分離機134では、固体状の塩分が排ガスから分離除去された後、最終製品として炭酸ソーダ槽135に送られる。粉体分離機134は粉体分離機130と同様、バグフィルター、セラミックフィルター、サイクロン等が用いられる。噴霧ノズル155から噴霧されたアルカリ液のうちで、蒸発乾燥せず液相として残ったもの、あるいはミストセパレータ160で除去された液体はプール156に流下し溜まる。これはポンプ157によりバルブ158を経由して噴霧ノズル155にもどり再度噴霧される。プラントの運転停止時等でプール156を抜き出す場合は、バルブ159を開いて排出する。粉体分離機134からは、温度が低下し、二酸化炭素濃度が低減した状態の排ガスが系外に排出される。
CO2吸収装置133での処理により、随伴水由来の濃縮廃液の水分が排ガスの熱エネルギーを有効利用することで蒸発除去され、廃水の著しい減容が可能となる。また、随伴水由来の濃縮廃液に含まれる塩化ナトリウムから生成したソーダ分が、排ガスの二酸化炭素と結びつき固定化されることで、廃棄物を工業利用が可能な引き取りやすい有価物に転換することができ、また、温暖化防止にも資することができる。後者については、塩排水を、苛性ソーダの水溶液に変換することで、塩化ナトリウムの水溶液と比べて、二酸化炭素の溶解吸収量が増大し、二酸化炭素の排出量低減に役立つ。
なお、後述の実施例で詳述するが、排ガスへの苛性ソーダ水の曝気の方法については、電解槽において直接曝気を実施する方法、電解槽から排出された苛性ソーダ水を曝気する方法、排ガスに電解槽から排出された苛性ソーダ水を噴霧する方法等がある。
電解槽での直接曝気実施や電解槽から排出された苛性ソーダ水に曝気する場合、電解や排ガスの熱により反応液の温度が高くなるため、NaHCO3やNa2CO3の溶解度が増大し、重曹や炭酸ソーダを溶液として回収できるメリットがある。電解槽での直接曝気実施の場合、温度としては、塩素ガスに含まれる湿分低減の観点から反応液からの水分の蒸発を低減するため、50〜70℃程度が望ましい。電解槽から排出されたアルカリ溶液に曝気する方法については、例えばエジェクターを用いて溶液の流速及び流路狭化に伴う負圧により排ガスを引き込み溶解する方式等がある。
また、アルカリ溶液に曝気する場合、通常150〜200℃程度はある排ガスの温度をあらかじめアルカリ溶液が沸騰しない温度まで下げておく必要がある。排ガスを直接導入すると急激乾燥し、固体が系内堆積するおそれがあるからである。また、最終的な製品状態とするプロセス(乾燥・固化)までは、搬送しやすいように液体であることが望ましい。この観点からは、例えば、80〜100℃程度まで排ガスの温度を下げる。排ガスの熱エネルギーを有効利用する観点からは、例えば、炭酸化した溶液の水分を排ガス排熱で蒸発除去し、NaHCO3やNa2CO3を乾燥させる。これにより、排ガスの熱を利用して固体として最終製品を回収可能と出来る。その際、蒸発するのは自由水だけでなくNaHCO3、Na2CO3の結晶水も脱揮可能となる。排ガスの熱エネルギーの回収の具体的な方法としては、例えば、炭酸ガスを吸収させた後の溶液を排ガス中に噴霧して蒸発乾燥させる方法、熱交換器を介して行う方法等がある。なお、最終製品としてガラス原料であるNa2CO3を想定する場合、ガラス製造時の高温工程での安全性の観点からは結晶水が除去されていることが望ましい。
次に、図4〜図8を用いて、本発明の塩排水の処理装置の構成例を幾つか説明する。
<システム構成例1>
図4は塩排水の処理装置のシステム構成1を示す。本構成例では、塩排水の濃縮装置として、MED(蒸発濃縮装置)2のみを設置しているが、上述したように、RO膜システムを組み合せても良いし、MED(蒸発濃縮装置)2に代えてRO膜システムを用いるようにしても良い。また、電力・熱供給システムとしてガスタービン12のみ設置しているが、上述したように排熱回収ボイラや蒸気タービンも併せて設置しても良い。
図4に示すように、本システム構成例では、塩排水41は、MED(蒸発濃縮装置)2に供給され、ここで濃縮及び浄化されて上水30と高濃度塩排水28とに分離される。図示していないが、MED(蒸発濃縮装置)2と電解槽14との間には、MED(蒸発濃縮装置)2における濃縮化によって析出したカルシウム塩などを除去するためのフィルターを設置するのが望ましい。なお、分離された上水30は、電解槽の負極側の水位を維持する補給水として供給することも可能である。
高濃度塩排水28は、ポンプ7を介して電解槽14に供給される。この時、MED(蒸発濃縮装置)2を運転する電力は、ガスタービン12で駆動される発電機24から供給される電気エネルギー23である。ガスタービン12及び発電機24は、動力が不足する場合等は必要に応じて、その台数を2台以上に増やしてよい。また、このように複数台のガスタービンを備えることにより、不良時のバックアップとして利用することができる。
上述したように、MED(蒸発濃縮装置)2からの高濃度塩排水28は、電解槽14の正極室に供給される。正極室及び負極室には、水位を計測する水位計(+)3及び水位計(−)4と、塩濃度を計測する塩濃度計(+)5及び塩濃度計(−)6がそれぞれ設置されており、これらの水位計(+)3及び水位計(−)4と塩濃度計(+)5及び塩濃度計(−)6で計測された計測値は、演算装置1に入力されている。また、正極室及び負極室の正極及び負極の電流を計測する電流計51、電圧を計測する電圧計52が設置され、この電流計51及び電圧計52で計測された電流及び電圧は、演算装置1に入力され、これらの計測値に基づき電気分解に必要な電力の印加量が制御される。
電解槽14においては、正極室の高濃度塩排水28が、正極室及び負極室に挿入されている電極から流れる電流により電気分解され、高濃度塩水29と水酸化ナトリウム水溶液26に変換される。
電解槽14での電気分解時に正極室で発生した塩素ガス18は、冷却器8に供給され、冷却器8で冷却された後に、ミストセパレータ9にて水蒸気と塩類とに分離・洗浄される。その後、濃硫酸19が供給される乾燥塔10で乾燥された後、冷却器11にて冷却・加圧され、タンクに液体塩素21として貯蔵される。乾燥塔10で用いた濃硫酸は廃硫酸20として排出され、必要な処理を行って再利用に供される。電解槽14での電気分解時に負極室で発生した水素は、ガスタービン12に燃料として供給される。電解槽14の正極室から排出された高濃度塩水29は、ポンプ7を介して、再度、MED(蒸発濃縮装置)2に供給され、塩排水41と共に濃縮される。
一方、電解槽14の負極室から排出された水酸化ナトリウム水溶液26は、ポンプ7により反応槽である炭酸化槽32(CO2吸収装置)に供給され、この炭酸化槽32内でスプレーされて細かな液滴に変換され、表面積が増大される。このような状態の炭酸化槽32に、ガスタービン12からブロア33により熱交換器13を介して二酸化炭素を含む排ガス25を供給し、水酸化ナトリウム水溶液26と二酸化炭素を含む排ガス25を接触させる。これにより、水酸化ナトリウム水溶液26と排ガス25中の二酸化炭素が反応し、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを含む水溶液となる。
炭酸化槽32において得られた炭酸水素ナトリウムを含む水溶液は、回収装置である遠心分離機構17に供給され、遠心分離機構17において炭酸水素ナトリウムが回収され、タンクに炭酸水素ナトリウム27として貯蔵される。ここでは、炭酸水素ナトリウムの低い飽和溶解度を利用して水溶液中の炭酸水素ナトリウムを析出させ、遠心分離機構17で析出した炭酸水素ナトリウムを水溶液から分離している。
なお、炭酸化槽32において生成した炭酸水素ナトリウム水溶液を、排ガスの排熱などにより150〜200℃で加熱することにより、脱水と脱炭酸反応を起こし、炭酸ナトリウムの固体に変換するようにしても良い。特に、本システム構成では、図1における排熱回収ボイラを設置していないので、ガスタービン排ガスの温度が高い。排ガスを苛性ソーダの炭酸化に用いる場合には、ガスタービン排ガスを冷却してから炭酸化槽32に供給することが望ましいので、排ガスを炭酸水素ナトリウム水溶液の蒸発乾燥に用いて排ガスの温度を低下させてから炭酸化槽32に供給するのが望ましい。
また、本実施例では、炭酸化槽32において、炭酸塩は水溶液のままとしているが、図1に示すシステムのように、炭酸化槽32において排ガスの熱で炭酸塩を蒸発乾燥化させるようにしても良い。
なお、遠心分離機構17で回収されなかった炭酸ナトリウム水溶液および/または炭酸水素ナトリウム溶液34は、熱交換器13によって加熱され、ポンプ7を介して電解槽14の負極室に供給される。電解槽14における水溶液の温度が例えば60℃程度に制御している場合、熱交換器13によって水溶液を60℃程度まで加熱する。負極室は水の電気分解により水位が低下する傾向にあるが、電解水(炭酸ナトリウム水溶液および/または炭酸水素ナトリウム溶液34)を供給することにより、水位が維持される。また、供給水が純水ではなく電解水であるので、電解槽での電気分解が効率良く行われる。
このような構成とすることにより、塩排水を電気分解により水酸化ナトリウムに転換し、この水酸化ナトリウムと二酸化炭素を反応させることで、炭酸水素ナトリウム(重曹)及び/又は炭酸ナトリウムを生成する効率を高めることができる。
従って、本実施例により、低コストであることは勿論、塩化ナトリウムを、低環境負荷で有効利用可能な物質に高収率、かつ、高効率で転換できる効果が得られる。また、塩排水処理において、より有価性の高い塩を優先的に製造することが可能となり、かつ、塩排水中の塩濃度を最低限にすることが可能となる。更に、本設備に使用する電力を賄うために設置される化石由来燃料のガスタービンから排出される二酸化炭素量を低減できるほか、排水の温度も低温化でき、環境に対する影響を少なくすることができる。
また、本実施例では、炭酸化槽32において水酸化ナトリウムの水溶液をスプレーし、細かな液滴に変換し、表面積を高め排ガスに接触させるようにしているので、高効率で炭酸水素ナトリウム、或いは炭酸ナトリウムに変換が可能である。
<システム構成例2>
図5は塩排水の処理装置のシステム構成2を示す。本構成例は、図4に示すシステム構成例1における炭酸化槽32をなくし、代わりに、排ガス25のCO吹き込み部16を電解槽14の負極側につなぎ、電解槽14の負極室中に排ガス25を直接導入し、電気分解で生成した水酸化ナトリウムを炭酸水素ナトリウム、或いは炭酸ナトリウムに変換するようにしたものである。即ち、電解と炭酸化を同じ電解槽で行うようにしたものである。これにより電解後の排水に、排ガスを接触させる機構が不要となる。
さらに、本システムでは、電解槽14からの炭酸水素ナトリウム、或いは炭酸ナトリウムを含む水溶液が冷却析出槽15に供給されている。炭酸水素ナトリウムなどを含む水溶液は、冷却析出槽15で冷却されることにより(例えば5℃程度)、飽和溶解度の低い炭酸水素ナトリウムが析出される。炭酸水素ナトリウムの結晶は、回収装置である遠心分離機構17において回収され、タンクに炭酸水素ナトリウム27として貯蔵される。その他は、図4に示すシステム構成と同じであり、説明を省略する。尚、図5において、実際には、遠心分離機構17は冷却析出槽15の直下に設置するのが望ましい。
<システム構成例3>
図6は塩排水の処理装置のシステム構成3を示す。本構成例は、図5に示すシステム構成例2において、排ガス25のCO吹き込み部16を、電解槽14の負極側に代えて、冷却析出槽15につなぎ、冷却析出槽15に排ガスを供給している。冷却析出槽15には、電解槽14の負極室から排出された水酸化ナトリウム水溶液26が供給され、CO吹込み部16から排ガスが供給されている。電解槽14から供給された水酸化ナトリウム水溶液26と、CO吹込み部16から導入された排ガス25中の二酸化炭素とが反応し、炭酸水素ナトリウム水溶液となり、これが冷却析出槽15で冷却されることにより炭酸水素ナトリウムの結晶として析出される。炭酸水素ナトリウムの結晶は、回収装置である遠心分離機構17において炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合水溶液から分離され、タンクに炭酸水素ナトリウム27として貯蔵される。
また、本システムでは、電気分解後の正極側の排水を負極側にも投入するようにしたものである。この方式は、塩排水中の炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの濃度が塩化ナトリウム濃度より大きい場合に有効である。
即ち、上述したように、電気分解では炭酸イオンは影響を受けずに、塩素イオンが正極で酸化され、その結果、塩化ナトリウムのほとんどが水酸化ナトリウムに変換される。正極と負極の間にナトリウムイオンの濃度差がある場合には、低濃度の電極側にナトリウムイオンが移動する。そのため、正極側の炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの濃度が塩化ナトリウム濃度より大きい場合は、塩化ナトリウムが全量電気分解されても、正極側のナトリウムイオン濃度が負極側のナトリウムイオン濃度を上回ることができる。
従って、正極側の塩化ナトリウムをほぼ完全に電気分解することにより、正極側を炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムとすることができ、電気分解後の正極側の排水を負極側に投入することが可能となる。これにより、負極室は水の電気分解により水位が低下する傾向にあるが、正極側排水(電解水)を供給することにより、水位が維持される。また、供給水が純水ではなく電解水であるので、電解槽での電気分解が効率良く行われる。
なお、本実施例では、電解槽14の正極室の塩素イオン濃度を測定する塩素イオン濃度計(+)31を備え、測定した正極室の塩素イオン濃度のデータを、演算装置1に入力するようになっている。また、正極側に塩素イオンが残っている場合、これを負極側に投入すると次亜塩素酸が生成するので、例えば、塩素イオンが検出限界値となるように、電気分解を行う。
その他は、図4、図5に示すシステム構成と同じであり、説明を省略する。
<システム構成例4>
図7は塩排水の処理装置のシステム構成4を示す。本構成例は、図5に示すシステム構成例2に、図6に示すシステム構成例3のように、電気分解後の正極側の排水を負極側にも投入する系統を追加したものである。その他は、図4、図5に示すシステム構成と同じであり、説明を省略する。
<システム構成例5>
図8は塩排水の処理装置のシステム構成5を示す。本構成例は、図6に示すシステム構成例3における、電気分解後の正極側の排水を負極側にも投入する系統を省略したものである。その他は、図4、図6に示すシステム構成と同じであり、説明を省略する。
<電解槽の構成例>
次に、本発明の実施例における多段の電解槽について説明する。
電解槽128について、図2のような単段の電解槽では、連続処理プロセスを想定する場合、ショートパス効果により電解を受けずに正極側セルから排出される塩素イオンが出てくる。正極側の排水を負極側に供給するシステム構成の場合、塩素イオンが負極側に供給され、次亜塩素酸イオンが生成する等、最終製品に対する不純物の混入やプラント構造材の腐食環境の原因となる。これを抑制する上で有効なのは、図9に示す直列多段電解プロセス(電解装置)である。
本プロセスでは電解槽を多段に直列接続し(本図では3段)、上流側の正極側セルの排出液を次段の正極側セル供給液とし、最終段の正極側セルの排出液を一段目の負極側セル供給液とする。負極側についても同様に、上流側の負極側セルの排出液を次段の負極側セル供給液とし、最終段の負極側セルからの排出液を最終的な排出液(CO2吸収装置へ供給する水溶液)とする。これにより、ショートパスの影響を低減し、最終段の正極側セルの排出液における塩素イオンの残留を抑制することができる。
その際、正極側セルの出口バルブ161、及び負極側セルの出口バルブ162については、流れを絞り、液を断続的に下段の電解槽に送液するのが望ましい。これは、本図に示すように各電解槽の電流が直列で接続しており、断続的な流れを作ることで絶縁を行うためである。変圧器・コンバータ127と並列で接続すれば上記のような処置は不要であるが、その場合には変圧器・コンバータ127に莫大な電流が流れ、電線が極めて太くなる、ジュール損失が増大する等のデメリットがある。
また、各電解槽のセルにおいては、できるだけ、液の供給口と排出口の距離を長く取るのが望ましい。これにより、正極側セルにおけるショートパス抑制による塩素イオンの残留低減、及び負極側セルにおけるショートパス抑制による水の電解効率向上が更に改善できる。正極側セル最終段の排出液を負極側初段のセルに送液するには、バルブ164を閉じ、バルブ163を開きポンプ152を駆動することにより行う。その際、必要に応じて(正極側の排水量が少ない場合などには)、バルブ165を開き、RO膜淡水化装置111やMED装置116からの淡水を負極側初段のセルに供給し、液面を正極と同レベルに調節するのが望ましい。これは、負極側では水の電解により液面低下が起こるためである。
電解槽の多段化の代替手段として、細長い横置きの電解槽とし、これに堰を設け、堰間のエリアを一つの電解槽と見立てる方式が考えられる。その場合、堰で区切られた各エリアは、半透膜で電解槽の軸方向(長手方向)に仕切られ、仕切りの左右にそれぞれ正極と負極を設置する構造となる。従って、左右のエリアがそれぞれ正極側セル及び負極側セルとなる。正極側セル及び負極側セルにおいて、上段側から下段側への液の流れは水頭差により支配される。この場合も図9に示す実施例と同様、正極側セルの最終段から排出された電解液は負極側の初段セルに供給される。また、各エリアには必要に応じて液面調整用に淡水供給を実施する。これにより、図9に示す実施例と同様の効果が得られる。
また、本発明の実施例の直列接続された多段電解槽では、後段に行くほど槽内容積を大きくして電解液の滞留時間を増大させるようにしても良い。これは、後段に行くほど正極側の塩濃度が低下し電解効率が低下するので、これを電解時間の延長で補償することを狙ったものである。この場合、電解効率向上、設備簡素化に伴うコスト低減とショートパス抑制効果の低減について、バランスをとる必要がある。
また、各槽での電解槽容積を変化させるのではなく、後段に進むに従い、槽内の電解液の温度を上昇させてイオンの活動度を増大させることで電解効率を改善・維持するようにしても良い。温度上昇のための加熱手段として、例えば、ガスタービン121の燃焼排ガスの廃熱を利用することが考えられる。具体的には熱交換器により燃焼排ガスで電解液を間接的に加熱することとなる。この場合、温度上昇による電解効率の向上と電解液中の水分の揮発によるロスのバランスに注意する必要がある。また、正極側最終段の電解槽ドレンを負極側初段に供給する際、ストレーナ等を流通させて固形分を除去するようにしても良い。これは、正極側セルにおける塩素イオンの除去により電解液はアルカリ性となっており、濃縮廃液中に含まれる二価以上の陽イオン系の不純物は水酸化物として沈殿することを利用している。これにより、不純物濃度が少なく工業製品として引き取りやすい最終製品に廃棄物(塩排水)を転換することに資することができる。
<適用例>
以下、ガス田から排出される随伴水の処理へ本発明の実施例の塩排水の処理装置を適用した場合について、物質収支計算、電力収支計算、熱収支計算などを実施し、本発明の実施例の効果を確認した。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1、図9に示すシステムを用いて、実際のあるガス田の随伴水を処理する場合について説明する。
塩化ナトリウム0.2wt%を主要分として含む随伴水1万t/dを処理対象とした。用いるシステムの主要機器としては、電気出力28MWのガスタービン1台(天然ガス燃料使用量130t/d、二酸化炭素発生量360t/d)、廃熱ボイラ(蒸気発生量1440t/d)、RO膜濃縮装置(高圧ポンプ使用電力700kW)、MED(消費電力125kW、消費蒸気量390t/d)、電解槽、及び二酸化炭素吸収装置である。電解槽については、消費電力1.15MW(電解槽数40)、電解槽一槽当たりの電力240V×120A、1槽が含む電極組数80、各電極の寸法1.5×1.8×0.1mである。CO2吸収装置について、風速2m/s、スプレーノズルは流量10L/分のものを160個設けてあるものとする。
RO膜濃縮により、淡水8千t/dが生成し、塩化ナトリウム濃度1wt%を含む濃縮廃水2千t/dが排出される。この濃縮廃水をMEDで処理すると、蒸留水1667t/dが生成すると共に、塩化ナトリウム濃度6wt%を含む濃縮廃水333t/dが排出される。排出される濃縮廃水を電解処理し、NaOH13t/dを含む電解水321t/d、水素ガス0.3ton/d(ガスタービン燃料に使用)、塩素ガス11.5ton/d(液化塩素に変換)が生成する。その際、金属不純物の水酸化物沈殿が0.2ton/d除去される。得られる電解水を燃焼排ガスにスプレーして炭酸ガスを吸収させる。燃焼排ガスは全体量の40%(2880t/d、150℃)を使用する。使用する燃焼排ガスのうちの5%が炭酸ガス(124t/d)である。その結果、この中の7.5t/dの炭酸ガスが電解水中のNaOHと反応し、固定化される。また、燃焼排ガスの熱により水分が完全に蒸発除去され、炭酸ソーダの固形分18t/dが得られる。
得られる炭酸ソーダの純度は99wt%以上で、不純物については塩化ナトリウム含有量0.5wt%以下、酸化鉄含有量30ppm以下であり、ガラス原料用途に耐えられるものが得られる見通しを得た。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加,削除,置換をすることが可能である。
また、水や蒸気の流れ,熱交換などは説明上必要と考えられるものを示しており、プラント上必ずしも全ての水や蒸気の流れ,熱交換などを示しているとは限らない。実際にはプラントの熱効率などを向上させるために、水や蒸気の流れ、熱交換などの工夫が種々行われる。
1…演算装置、2…MED(蒸発濃縮装置)、3…水位計(+)、4…水位計(−)、5…塩濃度計(+)、6…塩濃度計(−)、7…ポンプ、8、11…冷却器、9…ミストセパレータ、10…乾燥塔、12、121…ガスタービン、13、117…熱交換器、14,128…電解槽、15…冷却析出槽、16…CO吹き込み部、17…遠心分離機構、18,209…塩素ガス、19…濃硫酸、20…廃硫酸、21…液体塩素、22…水素ガス、23…電気エネルギー、24,122,148…発電機、25…排ガス、26…水酸化ナトリウム水溶液、27…炭酸水素ナトリウム、28…高濃度塩排水、29…高濃度塩水、30…上水、31…塩素イオン濃度計(+)、32…炭酸化槽、33…ブロア、34…炭酸ナトリウム水溶液、41…塩排水、51…電流計、52…電圧計、101…ガス田、102…ガス処理装置、103…吸水ポンプ、104…ストレーナ、105…前処理装置、106…加圧空気タンク、107…アルカリ供給タンク、108…酸供給タンク、109…中和タンク、110…高圧水ポンプ、111…RO膜淡水化装置、112…薬品洗浄/排水処理装置、113…圧力エネルギー回収装置、114…逆洗装置、115…製品ガス供給ブロア、116…MED装置、118…放熱部、119,120…エジェクター、123…排熱回収ボイラ、124〜126,131,132,140〜142,145…送液ポンプ、127…変圧器、129…スクラバ、130,134…粉体分離機、133…CO吸収装置、135…炭酸ソーダ槽、136…熱交換式冷却器、137…気液分離器、138…乾燥機、139…濃硫酸槽、143…硫酸濃縮槽、144…塩素ガス液化装置、146…液化塩素槽、147…蒸気タービン、148…発電機、150…半透膜、151…正極、152…送液ポンプ、153…負極、154…供給口、155…噴霧ノズル、156…プール、157…ポンプ、158,159…バルブ、160…ミストセパレータ、161,162…出口バルブ、163〜165…バルブ。

Claims (9)

  1. 塩化ナトリウムを含む塩排水から水分を分離することで塩排水を濃縮して高濃度塩排水を製造し、
    正極と負極がナトリウムイオンを透過する半透膜でそれぞれ仕切られた複数の電解槽を備え、最上流段の電解槽の正極側に前記高濃度塩排水を投入して電気分解を行い、前記最上流段の電解槽の正極側排水を次段の電解槽の正極側に投入すると共に前記最上流段の電解槽の負極側排水を前記次段の電解槽の負極側に投入して電気分解を行い
    前記複数の電解槽の最下流段の電解槽の負極側排水または負極側セルの水溶液に、塩排水を排出するプラント又は塩排水の処理装置を動作させる電気エネルギーを得るために設置されているガスタービン発電装置又はエンジン発電装置の排ガスを接触させることにより炭酸塩を含む水溶液を得て、
    この水溶液から炭酸塩を分離回収することを特徴とする塩排水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記複数の電解槽の最下流段の電解槽の正極側排水を前記複数の電解槽の最上流段の負極側に投入することを特徴とする塩排水の処理方法。
  3. 請求項2において、前記複数の電解槽の上流段の電解槽の正極側排水又は負極側排水を次段の電解槽の正極側又は負極側に断続的に供給することを特徴とする塩排水の処理方法。
  4. 請求項2において、前記複数の電解槽の下流段の電解槽内の処理液の温度を上流段の電解槽の処理液の温度よりも高くすることを特徴とする塩排水の処理方法。
  5. 塩化ナトリウムを含む塩排水を処理する塩排水処理装置であって、
    前記塩排水から水分を分離することで塩排水を濃縮する濃縮装置と、
    正極と負極がナトリウムイオンを透過する半透膜でそれぞれ仕切られ、前記塩排水中の塩化ナトリウムを電気分解する複数の電解槽からなる電解装置であって、最上流段の電解槽の正極側給水口に前記濃縮装置からの前記高濃度塩排水を供給する供給配管が接続され、前記最上流段の電解槽の正極側排水口と次段の電解槽の正極側給水口とが管路で接続され、前記最上流段の電解槽の負極側排水口と前記次段の電解槽の負極側給水口とが管路で接続された電解装置と、
    前記電解装置の最下流段の電解槽の負極側排水又は負極側セル中の溶液に、塩排水を排出するプラント又は塩排水処理装置を動作させる電気エネルギーを得るために設置されているガスタービン発電装置又はエンジン発電装置の排ガスと接触させ、前記負極側排水又は負極側セル中の水溶液に含まれる塩を炭酸化する炭酸化装置と、
    前記炭酸化装置で生成した炭酸化塩の回収装置とを有することを特徴とする塩排水処理装置。
  6. 請求項5において、前記電解装置の最下流段の電解槽の正極側排水口と最下流段の電解槽の負極側給水口とを接続する管路を有することを特徴とする塩排水処理装置。
  7. 請求項6において、前記電解装置の上流段の電解槽の正極側排水口と次段の電解槽の正極側給水口とを接続する前記管路、及び、上流段の電解槽の負極側排水口と次段の電解槽の負極側給水口とを接続する前記管路にそれぞれ設けられたバルブであって、流れを断続的に調節するバルブが設けられていることを特徴とする塩排水処理装置。
  8. 請求項6において、前記電解装置の下流段の電解槽内の処理液の温度を上流段の電解槽の処理液の温度よりも高くする加熱装置を有することを特徴とする塩排水処理装置。
  9. 請求項6において、前記電解装置の下流段の電解槽の槽内容積を上流段の電解槽の槽内溶液よりも大きくしたことを特徴とする塩排水処理装置。
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