JP2014012871A - 高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バンカーに供給する前の原料石炭の水分量と粒径0.3mm以下の微粉の割合を測定し、原料石炭の水分量が8.8%以上で、かつ粒径0.3mm以下の微粉の割合が13%以上の場合に、石炭バンカーに供給する前の原料石炭に表面活性剤を添加する。
【選択図】図3
Description
このような微粉炭吹き込み操業法は、安価な微粉炭を吹き込むことによりコークス装入量を低減でき、オールコークス操業に比べて燃料費を低減できる等の点で優れている。現在、微粉炭吹込み能力の上限レベルまで微粉炭によるコークスへの代替が進み、還元材比における微粉炭比の割合が増加している。
この場合には、微粉炭の高炉への供給が停止するため、高炉では微粉炭に代えてコークスの使用量を増加せざるを得ず、そのため大幅なコスト増となるという問題が発生する。
特許文献1では、表面活性剤を添加する微粉炭の対象は、HGI30%以上の炭種、また水分量5−30%以上かつ粉砕後粒度106μm以下の割合10以上と非常に広く、ほぼ全部の微粉炭に対して活性剤の添加を行う必要性がある。
そこでまず、バンカー内での石炭の棚吊りについては、不定期に発生するため、原料全体に界面活性剤を添加するのは無駄が多いため、棚吊りの発生をあらかじめ予測して、必要な時だけ界面活性剤を添加することを検討した。また、効果的な界面活性剤の添加方法についても合わせて検討した。
そして、そのような検討の結果、次のような本発明に到達した。
(2)原料石炭をコンベアにより前記バンカーに搬送する際、コンベアからバンカー内に落下する原料石炭に対してノズルから表面活性剤を噴霧して、原料石炭に表面活性剤を添加するようにしたことを特徴とする上記(1)に記載の高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法。
(3)原料石炭をコンベアにより貯炭場から前記バンカーに搬送する際、途中のコンベアの乗継部において、前のコンベアから次のコンベアへの落下途中の原料石炭に対してノズルから表面活性剤を噴霧して、原料石炭に表面活性剤を添加するようにしたことを特徴とする上記(1)に記載の高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法。
(4)ノニオン性活性剤とアニオン性活性剤を混合した表面活性剤を用いることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法。
また、石炭の輸送過程において、コンベアからバンカーに落下する途上で表面活性剤を噴霧することで、より効率的に石炭に表面活性剤を付着することができ、さらに、石炭とバンカーとの付着及び石炭同士の付着の防止の両方を図れる表面活性剤を用いて効率的に石炭がバンカー内で棚吊りの発生を防止することができる。
本発明者らは、石炭が相互に付着したりバンカー壁に付着したりするのを防止する手段として、微粉炭の搬送性の向上に使用されている界面活性剤に着目した。そして、粉砕前の石炭については、原料全体に界面活性剤を添加するのは無駄が多いため、棚吊りの発生をあらかじめ予測して、必要な時だけ界面活性剤を添加する方法について検討した。
その結果、図2に示すように、原料石炭の粒径と水分量について、それぞれ個別にはバンカーでの棚吊り発生との間に特に関係があるとは言えないが、原料石炭の粒径と水分量のそれぞれが同時に特定の範囲にある場合のみ、棚吊り発生との間に関係があることを見出した。
その結果、バンカーに供給する直前の石炭に対して表面活性剤を散布することにより、バンカー内での石炭の棚吊りの発生を抑制することができることを見いだした。
また、表面活性剤の散布は、バンカーに供給するすべての石炭に対して連続的に行う必要はなく、バンカーに装入する前の石炭の粒径0.3mm以下の割合と水分量を測定し、粒径0.3mm以下の割合が13%以上で、かつ水分量が8.8質量%以上の場合のみ、石炭に散布すれば十分であることも見出した。
原料石炭は、船から貯炭場(石炭ヤード)への荷役が完了され次第、その性状の分析が行われる。石炭性状の分析では、1.5kg程度のサンプルを取り、それを乾燥させた後、篩いサイズ75〜0.3mmの篩いを用いて分級して、粒度分布を測定する。
原料石炭の粒径0.3mm以下の割合は、その際の0.3mm篩下の石炭の割合を用いる。原料石炭の粒径は、原料の産地や種類ごとに一定であるので、原料の産地などが変わった場合に測定すればよい。
そのようにすることにより、石炭がばらけた状態で表面活性剤を散布することができるので、石炭全体に均一に散布することができる。
図3に示す例では、最終のコンベア11の末端部に対向する位置に、支持体16を介してノズル10を配置し、タンク12からポンプ13で表面活性剤を、配管15を通してノズル10に圧送して、コンベア11からバンカー2内に落下する原料石炭18に対して、ノズル10から表面活性剤を噴霧するようにしている。なお、この例では、配管15の途中のバルブ14で希釈水の供給系17と接続して、表面活性剤の濃度を調整できるようにしているが、予め所定の濃度に調整した表面活性剤をタンク12に入れてもよい。
図3に示されるように、パイプコンベアの端末部に対向するように表面活性剤添加設備(ノズル)を設置した。表面活性剤としては、コールファイア9000F(商品名)を使用し、その原液120リットル/日を10倍に希釈して、パイプコンベアからバンカーに落下する途中の石炭に効率良く噴霧するようにした。
原料石炭としては、粒径0.3mm以下の微粉の割合が13%以上のものを使用し、その水分量を測定して、水分量が8.8質量%以上となった場合に表面活性剤をノズルより石炭に対して噴霧した。1回の噴霧量は石炭1トンあたり約0.5リットルとした。
このように、棚吊りの発生率は、表面活性剤の噴霧をしない54%が、水分量が8.8質量%以上となった場合のみの噴霧でも、28.6%まで低下し、棚吊の発生割合を47%低減することができた。
2 バンカー
3 粉砕機
4 ホッパー
5 加圧ホッパー
6 微粉炭吹込みノズル
7 高炉
10 表面活性剤を噴霧するためのノズル
11 コンベア
12 表面活性剤を貯蔵するタンク
13 表面活性剤をノズルに圧送するためのポンプ
14 表面活性剤と水を混合するバルブ
15 表面活性剤を供給する配管
17 希釈水の供給系
18 原料石炭
Claims (4)
- バンカーに貯蔵された原料石炭を粉砕機に供給して微粉炭に粉砕する、高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法において、
バンカーに供給する前の原料石炭の水分量と粒径0.3mm以下の微粉の割合を測定し、原料石炭の水分量が8.8質量%以上で、かつ粒径0.3mm以下の微粉の割合が13%以上の場合に、バンカーに供給する前の原料石炭に表面活性剤を添加することにより、バンカー内での原料石炭の棚吊りを防止することを特徴とする高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法。 - 原料石炭をコンベアにより前記バンカーに搬送する際、コンベアからバンカー内に落下する原料石炭に対してノズルから表面活性剤を噴霧して、原料石炭に表面活性剤を添加するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法。
- 原料石炭をコンベアにより貯炭場から前記バンカーに搬送する際、途中のコンベアの乗継部において、前のコンベアから次のコンベアへの落下途中の原料石炭に対してノズルから表面活性剤を噴霧して、原料石炭に表面活性剤を添加するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法。
- ノニオン性活性剤とアニオン性活性剤を混合した表面活性剤を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高炉吹き込み用の微粉炭の製造方法。
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