JP2014010686A - 顔画像認証装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顔画像認証装置1は、所定の撮影領域を撮影した入力画像を順次取得する撮像部3と、入力画像から人物領域画像を抽出する人物検出手段12と、人物領域画像を系列化する追跡手段14と、系列ごとに、その系列の各人物領域画像について、その人物領域画像に写っている顔の撮影時における撮影条件を示す特徴を算出する顔撮影条件算出手段15と、系列ごとに、その系列の各人物領域画像についての撮影条件を示す特徴が変化したか否かを判定し、変化しなかった場合、顔写真を用いた不正行為が行われたと判定し、変化した場合、不正行為が行われていないと判定する不正行為判定手段16と、を有する。
【選択図】図3
Description
このような顔画像認証装置において、登録されていない未登録者が登録者の顔写真または登録顔画像を引き延ばして印刷した紙を自分の顔の前に掲げることにより、登録者と判定されようとする不正行為を試みるようなことが想定される。
しかしながら、特許文献1にかかる個人認証装置は、予め認証対象者に顔の位置を特定させ、その上で照明を制御しなければならず、使い勝手が悪い上、装置コストが高いという問題がある。
このようなウォークスルー型の顔画像認証装置では、人物の歩行にともなって入力画像に写っている人物の位置が変わるので、入力画像ごとに、人物と照明との位置関係・人物とカメラの位置関係など撮影条件が異なる。
他方、写真は、照明方向、カメラから顔までの距離、アングル、使用カメラの性能など写真撮影時に撮影条件が定められ、顔を撮影したときの撮影条件が固定される。つまり、顔が写っている写真をカメラで撮影した場合、写された顔部分は、先の写真撮影時における顔の撮影条件が残存することになる。
発明者は、写真に写った顔画像が先の写真を撮影した時の撮影条件が残っているのに対し、実際の顔を撮影した顔画像は、実際の撮影時における撮影条件が顔画像に表れることを見出した。
本発明を適用した顔画像認証装置は、歩行する人物を順次撮影した複数の入力画像のそれぞれから同一の人物の顔が写っている領域を抽出して顔領域画像とする。各顔領域画像について、顔領域画像に写っている人物の顔に照射されている光源方向を求める。この顔領域画像から求められる光源方向は、凹凸のある実際の顔を撮影した時の光源方向を表している。ところで、実際に歩行している人物の顔を撮影した際の顔領域画像では、歩行に伴う照明位置の変化によって、顔に存在する鼻や唇等の凹凸によって生じる顔領域画像に現れる陰影が変化し、これにより求まる光源方向も変化する。他方、顔写真を撮影した際の顔領域画像では、かかる顔写真を撮影した時の光源方向は、歩行に伴う照明位置が変化しても、写真に写った顔領域画像に現れる全体的な明暗は変化するが、陰影は基本的に変化せず、これにより求まる光源方向も基本的に変化しない。すなわち、かかる光源方向は、顔撮影時の撮影条件を示す特徴の一つである。そこで、顔画像認証装置は、各入力画像から抽出された顔領域画像についての撮影条件を示す特徴の一つである光源方向が、同一人物として追跡された顔領域画像の中で変化していなければ、顔領域画像に写っているのが顔写真であると判定する。これにより、顔画像認証装置は、顔写真を使用した不正行為の有無の適切な判定を図る。
図1(a)では、撮像部3が、所定時間間隔の時刻(t1)、(t1+1)、(t1+2)において入口100に向かう同一の人物110、111、112を順次撮影する様子を示している。一方、図1(b)では、撮像部3が、所定時間間隔の時刻(t2)、(t2+1)、(t2+2)において入口100に向かう同一の人物120、121、122を順次撮影する様子を示している。この人物120、121、122は、顔画像認証装置1に登録されていない未登録者であり、顔画像認証装置1に予め登録されている登録者の顔写真103を自分の顔の前に掲げている。つまり、この人物は、自分の顔の代わりに、登録者の顔写真103を撮像部3に撮影させて、登録者の顔写真103により認証を受けようとする不正行為を行っている様子を示している。このような顔写真を用いた不正行為を以下では写真画策と称する。
同様に、図1(b)では、撮像部3から見ると、時刻(t2)において、人物120はダウンライト102より奥側に位置し、ダウンライト102により登録者の顔写真103の前面が照射される。そして、時刻(t2+1)において、人物121はダウンライト102の直下に位置し、ダウンライト102により頭上から照射されるが、写真103には背面が照射されている。そして、時刻(t2+2)において、人物122はダウンライト102より手前側に位置し、ダウンライト102により背後から照射され、写真103の背面が照射されている。
図2(a)、(b)、(c)は、図1(a)における写真画策を行っていない人物110,111,112がそれぞれの位置にてダウンライト102から照射されている時に撮影された入力画像から抽出した人物領域画像の例を示し、図2(d)、(e)、(f)は、図1(b)における写真画策を行っている人物120,121,122がそれぞれの位置にてダウンライト102から照射されているときに撮影された入力画像から抽出した人物領域画像の例を示している。同図では、照明による陰影を右上方から左斜め下方への斜線で示し、陰影が濃いほど斜線を太くしている。
図2(b)は、図1(a)の時刻(t1+1)において、人物111を撮影した入力画像から抽出した人物領域画像201を示す。人物領域画像201は、人物111は略直上からダウンライト102の光が照射されている。人間の顔には凹凸が存在し、凹んでいる部分には直上からの光が当たらずに陰影が生じるため、額、頬上部及び鼻筋のみが明るくなり、眼窩付近、頬下部から顎にかけて陰影が生じている。このように、人物領域画像201は、顔上に人物領域画像201と異なる陰影が表れた画像となっている。
図2(c)は、図1(a)の時刻(t1+2)において、人物112を撮影した入力画像から抽出した人物領域画像202を示す。人物領域画像202は、人物112は後方から照射され、ダウンライト102が逆光となり、人物領域画像201や人物領域画像202とは異なり全体が照明の影となり、全体的な陰影が生じている。
図2(f)は、図1(b)の時刻(t2+2)において、人物122が登録者の顔写真103を自分の顔の前に掲げた状態で撮影された入力画像から抽出した人物領域画像207を示す。人物122は、自分の顔の前に顔写真103を掲げているので、人物領域画像207には、顔写真103が顔領域208のように写っている。人物領域画像207は、顔写真103は後方から光を照射され、ダウンライト102が逆光となり、顔領域208の全体に陰影が生じている。図2(e)の場合と同様に、顔写真103の全体に陰影が生じているが写真撮影時の陰影はそのまま保存されている。この顔領域208には、図2(b)の場合のような顔の凹凸による新たな陰影は生じず、写真全体が暗くなる。
記憶部30には入口100の通行を許可されている人物の氏名、登録者ID及び登録顔画像などの登録者データ31、入力画像から抽出した人物の追跡データの履歴情報である履歴テーブル32、および人物の標準的な顔形状をモデル化した3次元顔形状モデル33を記憶している。記憶部30には、図示していないが顔画像認証装置1を制御するためのコンピュータプログラム及び各種パラメータなどが予め記憶されている。
画像処理部10の各手段は、マイクロプロセッサ、メモリ、その周辺回路及びそのマイクロプロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。これらの手段を、ファームウェアにより一体化して構成してもよい。また、これらの手段の一部または全てを、独立した電子回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成してもよい。以下、画像処理部10の各手段について詳細に説明する。
この場合において、顔抽出手段13は、例えば、一般化ハフ変換を用いて、楕円形状のエッジ分布を検出することができる。なお、顔領域画像の抽出方法は、種々存在するので適宜、他の方法を採用しても良い。例えば、Adaboost識別器を用いて顔領域を検出してもよい。この方法についてはP.Violaと M.Jonesによる論文「Rapid Object Detection Using a Boosted Cascade of Simple Features」(Proc. the IEEE International Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, vol.1, pp.511-518, 2001)を参照することができる。
追跡手段14は、所定の時間間隔で順次取得される現フレームの入力画像の人物領域画像それぞれについて、前フレームの入力画像(1時点前の入力画像)から抽出された人物領域画像との対応関係を用いてトラッキングを実行する。例えば、人物領域ごとに、現フレームの人物領域画像の重心位置と前フレームの人物領域画像の重心位置との距離を求めて、その距離が所定の閾値以下である場合に、その人物領域を同一人物によるものとして系列データとして対応付ける。また、追跡手段321は、人物領域と対応付けることができなかった場合、その現フレームの人物領域は、新たに撮影領域内に入ってきた人物が写っているものとして、履歴テーブル32にその人物についての系列データとして、試行番号70の行を新たに追加する。
なお、トラッキング技術には、重心位置ばかりでなく、色の類似度、形状の類似度、移動速度など種々のパラメータを用いたものが数多く存在するが、本発明にとって本質ではないので詳細の説明は省略する。なお、人物領域の追跡を行なえる方式であればオプティカルフロー、パーティクルフィルタ等の方法などいかなる方式を採用しても良い。
先ず、顔撮影条件算出手段15は、記憶部30に記憶されている3次元顔形状モデル33に回転、拡大/縮小などの処理をしつつ、3次元顔形状モデル33が有する複数の顔形状特徴点と、当該顔形状特徴点に相当する顔領域画像における特徴点との位置合わせを行ない、図6に示すような位置合わせされた位置合わせ済み形状モデル600を作成する。
顔撮影条件算出手段15は、位置合わせ済み形状モデル600に対して種々の光源方向から光を照射した際に生じる顔の凹凸に起因する位置合わせ済み形状モデル600における陰影画像を求める。また、当該陰影画像ごとに、陰影が付けられたときの光源601への方向ベクトルを光源方向として記憶している。
そして、顔撮影条件算出手段15は、顔抽出手段13が抽出した顔領域画像と図6(b)の光源方向ごとに生成された陰影画像と比較し、陰影が略合致する位置合わせ済み形状モデルを特定する。そして、対応する位置合わせ済み形状モデル600の光源方向を履歴テーブル32の光源方向75に記憶させる。
なお、光源方向を推定するための方法は、これに限られるものではなく、種々の公知な方法を用いることができる。
ここで、所定の範囲とは、光源方向の算出誤差の範囲と考えられる程度の範囲が好ましい。この範囲は、撮像部3の設置が想定される環境での光源方向の変動量と、顔撮影条件算出手段15での算出誤差の程度を考慮し、これらを区別可能な程度に実験または経験から予め設定される。
なお、本実施の形態では、光源方向のレコードが3レコード以上で判断しているが、2レコードでもよいし、それ以上の数としてもよい。これは、認証結果を出すにあたっての必要な時間的な制約や物理的な制約等に応じて設定する。
認証手段18は、履歴テーブル32を参照し、追跡フラグ71がONとなっている系列データにおける候補人物ID77ごとの平均類似度を算出し、平均類似度が認証閾値、例えば「0.9」を超えていれば当該IDの登録者であると判定し、認証OKとの認証結果を履歴テーブル32に記憶する。また、平均類似度が認証閾値以下であれば、認証NGとの認証結果として、履歴テーブル32に記憶する。
更に、登録者と判定すると、結果出力手段19に出力部20から電気錠の解錠信号を出力させるとともに、履歴テーブル32の追跡フラグ71をOFFにする。他方、登録者と判定できなければ、履歴テーブル32における系列データが作成された時刻から所定の認証時間が経過したか判定し、認証時間が経過していれば、認証失敗信号を結果出力手段19から出力部20に出力させ、履歴テーブル32の追跡フラグ71をOFFにする。認証時間が経過していなければ、特段の処理は行なわない。
追跡フラグ71は、追跡中の人物に対する追跡が継続しているか否かをあらわすフラグを記憶する領域であり、追跡対象の人物領域の系列ごとに追跡手段14がその人物の追跡を開始するとONになり、追跡を終了するとOFFに設定される。
時刻72は、人物領域画像を抽出した入力画像を撮像部3が取得した時刻を記憶する領域である。追跡手段14にて抽出した追跡対象の人物領域画像ごとに記憶される。
追跡位置73は、人物領域画像が入力画像内に所在する位置座標を記憶する領域であって、追跡対象の人物領域画像ごとに記憶される。
人物領域画像74は、追跡対象となっている人物領域画像を記憶する領域である。追跡手段14による追跡処理で1フレーム前の人物領域画像と同一人物のものとして対応付けられた人物領域画像を同一の系列データとして記憶している。
光源方向75は、顔撮影条件算出手段15にて人物領域画像の顔領域画像から算出した光源方向を記憶する領域である。
類似度76は、顔照合手段17にて算出したその顔領域画像と複数の登録顔画像のそれぞれとの類似度のうち、最も値が高かった類似度(照合スコア)を記憶する領域である。
認証候補人物77は、顔照合手段17にて算出した顔領域画像と複数の登録顔画像のそれぞれとの類似度のうち、最も値が高かった類似度を示した登録顔画像を持つ登録者データ31における登録者の識別ID(登録者ID)を記憶する領域である。
認証結果78は、認証手段18にて認証処理をした結果である認証OK、認証NGまたは不正行為の何れかを記憶する領域である。
以上のステップS801〜S809の処理を実施することで、同一の人物を追跡した系列データが履歴テーブル33記憶される。
顔抽出手段13は、処理対象の系列データの最新の人物領域画像から顔領域を検出し、その顔領域を人物領域画像から切り出して顔領域画像を抽出する(ステップS810)。
次に、顔照合手段17は、顔領域画像と登録者データ31に記憶されている登録顔画像との類似度を算出し、最も高い類似度を類似度76に記憶するとともに、当該登録顔画像の登録者IDを候補人物ID77に記憶する(ステップS811)。
次に、顔撮影条件算出手段15は、顔抽出手段13が抽出した顔領域画像について、それが撮影されたときの撮影条件を示す特徴として光源方向を算出し、履歴テーブル32の光源方向75に記憶する(ステップS812)。
ステップS816にて、認証閾値を超えていると判断すると、ステップS817にて当該登録人物であると判定し、認証OKを認証結果78に記憶するともに追跡フラグ71をOFFに設定する。そして、結果出力手段19から出力部20を介して電気錠への解錠信号及び認証結果OK信号を出力させる。
他方、ステップS816にて認証閾値を超えていないと判断すると、ステップS818にて、認証手段18は時刻72を参照し、系列データが作成された最初の時刻から本フレームの時刻までの経過時間である認証時間が既定の時間以上か判定する。この既定の時間は、撮影条件を示す特徴の変化を判定する程度の時間は経過していても顔認証に充分なだけの人物領域画像を得られるようにするための時間である。充分な時間が経過していれば、ステップS819に進み、認証NGを認証結果78に記憶するとともに追跡フラグ71をOFFに設定する。他方、ステップS818にて既定の時間未満であれば次の系列データの処理に移行する。
全ての系列データについて処理が終わると、図4のステップS801に戻り、次の入力画像の処理を繰り返す。
なお、以下では、説明を容易にするため、入力画像は1秒間隔で取得され、図7の履歴テーブル32もそれに応じて1秒間隔で更新されるものとする。
図1(a)に示すように、時刻t1において人物110は撮像部3により撮影され、画像取得手段11を経由して入力画像が取得される。本実施例では、入力画像が取得された時刻t1は「2012/06/20 10:12:35」であるので、時刻72にはその時刻が記録される。
そして人物検出手段12は、入力画像から人物110の人物領域画像を抽出して、追跡手段14は入力画像中での位置、即ち人物領域画像の重心位置を求めて、追跡位置73に記録する。本実施の形態では、入力画像の座標は、左上を原点とし、右に向かってX座標が増え、下に向かってY座標が増えるよう定義してあり、人物110の位置は「(610,320)」として、その座標値が追跡位置73に記録される。
また、人物検出手段12により抽出された人物領域画像は、履歴テーブル33の人物領域画像74に記録される。記録される人物領域画像は図2(a)に示すものである。
図1(a)に示すように、時刻t1における人物110の場合、ダウンライト102は人物110のやや左前方かつ上方に位置している。光源方向を表す方向ベクトルのXYZ座標は「(0.09,0.87,-0.5)」であるので、その座標値が光源方向75に記憶される。このXYZ座標の値は、ダウンライト102が人物110に対し、水平方向から60度上方向のピッチ角(仰角)、人物110から見た正面方向から10度左方向のヨー角の方向に位置していることに対応するものである。
また顔照合手段17は、当該類似度が求められた登録顔画像に写っている登録者を表すIDとして「A」が記録される。
そして時刻t1と同様に人物領域画像の重心位置の座標として「(630,530)」が追跡位置73に記録される。
また人物領域画像74に記録される人物領域画像は図2(b)に示すものである。
時刻t1+1における人物111の場合、ダウンライト102は人物111の略直上に位置している。この場合、方向ベクトルのXYZ座標は「(0,1,0)」であるので、その座標値が光源方向75に記憶される。このXYZ座標の値は、ダウンライト102が登録者111に対し、水平方向から90度上方向のピッチ角(仰角)、人物111から見た正面方向から0度のヨー角の方向に位置していることに対応するものである。
また顔照合手段17は、当該類似度が求められた登録顔画像に写っている登録者を表すIDとして、「A」を候補人物ID77に記録する。
そして時刻t1と同様に人物領域画像の重心位置の座標として「(620,710)」が追跡位置73に記録される。
また人物領域画像74に記録される人物領域画像は図2(c)に示すものである。
時刻t1+2における登録者112の場合、ダウンライト102は人物112の後方かつ上方に位置している。この場合、方向ベクトルのXYZ座標は「(0,0.98,0.17)」であるので、その座標値が光源方向75に記憶される。このXYZ座標の値は、ダウンライト102が人物112に対し、水平方向から100度上方向のピッチ角(仰角)、人物112から見た正面方向から0度のヨー角の方向に位置していることに対応するものである。
また顔照合手段17は、当該類似度が求められた登録顔画像に写っている登録者を表すIDとして、「A」を候補人物ID77に記録する。
従って、不正行為判定手段16は、試行番号70が「1」の人物は不正行為を行っていないと判定し、その旨認証手段18に出力する。
図1(b)に示すように、人物120は登録者の顔写真103を自らの顔の前に掲げている。本実施例では、入力画像が取得された時刻t2は「2012/06/20 11:25:14」であるので、時刻72にはその時刻が記録される。
そして試行番号70が「1」の人物と同様に、人物領域画像の重心位置の座標として「(580,310)」が追跡位置73に記録される
また人物領域画像74に記録される人物領域画像は図2(d)に示すものである。
時刻t2における人物120の場合、方向ベクトルのXYZ座標は「(0.99,0.09,-0.09)」であるので、その座標値が光源方向75に記憶される。この方向ベクトルのXYZ座標「(0.99,0.09,-0.09)」という値は、顔領域画像204に写っている顔から見た光源方向が、水平方向から5度上方向のピッチ角(仰角)、その顔から見た正面方向からほぼ左真横の85度のヨー角の方向に位置していることに対応するものである。尚、このXYZ座標の値は、図2(d)に示す人物領域画像の顔部分である顔領域画像204から求められているものの、当該顔領域画像204に表れている陰影情報は、人物120が掲げる写真が撮影されたときの陰影情報であり、それに基づいて方向ベクトルのXYZ座標の値が求まっているものである。これは、以下に述べるt2+1とt2+2でも同様である。
また顔照合手段17は、当該類似度が求められた登録顔画像に写っている登録者を表すIDとして「A」が記録される。
そして試行番号70が「1」の人物と同様に、人物領域画像の重心位置の座標として「(590,500)」が追跡位置73に記録される
また人物領域画像74に記録される人物領域画像は図2(e)に示すものである。
時刻t2+1における人物121の場合の方向ベクトルのXYZ座標は「(0.99,0.10,-0.09)」であるので、その座標値が光源方向75に記憶される。この方向ベクトルのXYZ座標「(0.99,0.10,-0.09)」という値は、顔領域画像206に写っている顔から見た光源方向が、水平方向から6度上方向のピッチ角(仰角)、その顔から見た正面方向からほぼ左真横の85度のヨー角の方向に位置していることに対応するものである。
また顔照合手段は、当該類似度が求められた登録顔画像に写っている登録者を表すIDとして「A」を候補人物ID77に記録する。
そして時刻t2と同様に、人物領域画像の重心位置の座標として「(595,650)」が追跡位置73に記録される
また人物領域画像74に記録される人物領域画像は図2(f)に示すものである。
時刻t2+2における人物122の場合の方向ベクトルのXYZ座標は「(0.99,0.09,-0.07)」であるので、その座標値が光源方向75に記憶される。この方向ベクトルのXYZ座標「(0.99,0.09,-0.07)」という値は、顔領域画像208に写っている顔から見た光源方向として、水平方向から5度上方向のピッチ角(仰角)、その顔から見た正面方向からほぼ左真横の86度のヨー角の方向に位置していることに対応するものである。
また顔照合手段は、当該類似度が求められた登録顔画像に写っている登録者を表すIDとして「A」を候補人物ID77に記録する。
従って、不正行為判定手段16は、試行番号70が「2」の人物は不正行為を行っていると判定し、その旨認証手段18に出力する。
当該人物についての処理は、不正行為を行ってはいないので試行番号70が「1」の登録者の場合と同様であり、詳細は省略するが、類似度76と候補人物ID77の様子は大きく異なっている。
よって、認証手段18は、当該人物について、登録されている人物ではないとの判断を行い認証結果78に「認証NG(未登録者)」と記録する。
なお、顔画像認証装置は、距離センサーを備え、距離センサーから取得した距離情報に基づいて、人物が一定距離以上移動したか否かを判断してもよい。これにより、撮影領域内の現実の位置に基づいて、より高精度に人物の移動距離を求めることができる。
そのために、歩行している人物の顔が写っているサンプル通常顔領域画像と、歩行している人物が自分の顔の前に掲げている顔写真が写っているサンプル画策顔領域画像とを大量に用意する。この顔写真に写っている人物は、サンプル通常顔領域画像に写っている人物と同一人物である。また、サンプル通常顔領域画像は、歩行に応じて陰影が大きく変化し、サンプル画策顔領域画像は、歩行に応じても陰影が変化しないものを用意する。
そして、顔画像認証装置は、以下に述べるように部分空間を事前学習処理により求める。あるいは、別途専用の装置によって部分空間を求めて顔画像認証装置の記憶部に記憶してもよい。さらには、サーバークライアントタイプの装置構成を採用している場合には、サーバーマシンにより求めても良い。本願発明おいては、上記何れの方法を採用するかは限定されるものではないので、以下の説明では部分空間を求める装置を総称して簡単に「コンピュータ」と表記する。
以下、顔領域画像から求められる特徴量についての固有空間から画策特徴量空間を抽出する手順について説明する。固有空間を導くために用いる顔領域画像の学習サンプルの集合をL、各学習サンプルの顔領域画像から求めた振幅スペクトルの共分散行列をΣとすると、固有空間を表す固有値Λ=diag(λk)(kは1≦k≦Dの整数)及び固有ベクトルΦ=(φ1,…,φD)は、次式から求められる。
上記の説明では、分散σNlを求めるためのサンプル通常顔領域画像と、分散σPlを求めるためのサンプル画策顔領域画像に写っている人物は同一人物として説明したが、それぞれの分散を求めるための顔領域画像が、十分に多くの人物について得られている場合には、人物ごとの分散σNlと分散σPlのそれぞれを平均して、合成順位を求めるなどの処理を行っても同様に判定できる。
3 撮像部
10 画像処理部
12 顔抽出手段
14 追跡手段
15 顔撮影条件算出手段
16 不正行為判定手段
20 出力部
32 履歴テーブル
Claims (5)
- 所定の撮影領域を撮影した入力画像に写っている人物の顔画像と、予め登録された人物の登録顔画像に基づき人物を認証する顔画像認証装置であって、
前記撮影領域を撮影した入力画像を順次取得する画像取得手段と、
前記入力画像から人物領域画像を抽出する人物検出手段と、
順次取得される複数の前記入力画像から抽出された前記人物領域画像を追跡し、追跡できた人物領域画像を対応付けた系列データを生成する追跡手段と、
前記人物領域画像における顔領域画像から顔の撮影時における撮影条件を示す特徴を算出する顔撮影条件算出手段と、
前記系列データごとに、当該系列データに含まれる前記人物領域画像の撮影条件を示す特徴が略同一とされる所定範囲内か否かを判定する不正行為判定手段と、
前記不正行為判定手段にて所定範囲内と判定されると、不正行為と認証する認証手段を有する顔画像認証装置。 - 前記人物検出手段は、人物領域画像として顔領域画像を抽出する請求項1に記載の顔画像認証装置。
- 前記顔撮影条件算出手段は、前記顔領域画像から光源方向を求めて、前記撮影条件を示す特徴に少なくとも当該光源方向を含める請求項1または請求項2に記載の顔認証装置。
- 前記顔撮影条件算出手段は、前記顔領域画像から輝度値の分散を求めて、前記撮影条件を示す特徴に少なくとも当該分散を含める請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の顔画像認証装置。
- 更に、人物を直接撮影したサンプル顔領域画像と顔が写っている写真を撮影したサンプル顔領域画像を用いた学習により求めた、人物を直接撮影したサンプル顔領域画像と写真を撮影したサンプル顔領域画像とを識別可能な部分空間を予め記憶している記憶部を有し、
前記顔撮影条件算出手段は、前記顔領域画像を前記部分空間に投影したときの部分空間における位置を求めて、前記撮影条件を示す特徴に前記部分空間における位置を含める請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の顔画像認証装置。
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