JP2014009960A - 微小流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】0.1mL/min以下の高精度な微小流量計測を可能にする。
【解決手段】液体である被測定流体を流通可能な管状の測定管部11と、測定管部11内を流通する被測定流体を加熱するように設けられた加熱器21と、加熱器21よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第1の温度検出部31と、第1の温度検出部31よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第2の温度検出部32とを備え、第1の温度検出部31による温度検出時から第2の温度検出部32による温度検出時までの時間差に基づき被測定流体の流量を求めるようにした微小流量計において、加熱器21よりも下流側であって二つの温度検出部31,32を含む流路の管壁を、被測定流体が透過しない紙により形成し、0.01〜0.1mL/minの少なくとも一部の範囲を含む流量を測定するようにした。
【選択図】図4
【解決手段】液体である被測定流体を流通可能な管状の測定管部11と、測定管部11内を流通する被測定流体を加熱するように設けられた加熱器21と、加熱器21よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第1の温度検出部31と、第1の温度検出部31よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第2の温度検出部32とを備え、第1の温度検出部31による温度検出時から第2の温度検出部32による温度検出時までの時間差に基づき被測定流体の流量を求めるようにした微小流量計において、加熱器21よりも下流側であって二つの温度検出部31,32を含む流路の管壁を、被測定流体が透過しない紙により形成し、0.01〜0.1mL/minの少なくとも一部の範囲を含む流量を測定するようにした。
【選択図】図4
Description
本発明は、TOF(TIME OF FLIGHT)法を用いて、10mL/min以下、さらには0.1mL/min以下の流量を測定可能にする微小流量計に関するものである。
流量計の計測は工業分野において必要不可欠であり、これまでに多種多様な検出方法が考案されている。特に、マイクロポンプの流量計測や薬液の混合等の分野では、安価かつ高精度の工業用微小流量計が求められている。
そして、このような工業用微小流量計としては、ヒータと、該ヒータの下流側に設けられた第1の温度センサと、この第1の温度センサよりもさらに下流側に設けられた第2の温度センサとを備え、前記ヒータによる温度マーカーが、前記2つの温度センサを通過する時間差に基づき流量を計算するようにした、TOF式(TIME OF FLIGHTタイプ)流量計がある。
そして、このような工業用微小流量計としては、ヒータと、該ヒータの下流側に設けられた第1の温度センサと、この第1の温度センサよりもさらに下流側に設けられた第2の温度センサとを備え、前記ヒータによる温度マーカーが、前記2つの温度センサを通過する時間差に基づき流量を計算するようにした、TOF式(TIME OF FLIGHTタイプ)流量計がある。
ところで、従来のTOF式流量計では、特に、流量0.01〜0.1mL/minの範囲での測定ができなかった。そこで、例えば、特許文献1に記載される流量計では、0.1mL/minよりも大きい範囲の流量測定にTOF法を用い、0.1mL/min以下の範囲の流量測定には温度差法を用いるようにしている。このため、二種類の流量測定法をレンジ切り替えする必要があり、構造が複雑であった。
本発明は、上記従来事情に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、0.1 mL/min以下の極微小流量計測を可能にすること、レンジ切り替えする必要がなくTOF式流量計のみによって幅広い流量範囲の測定を可能にすること、簡素な構造でもって微小流量計測を可能にすること等、が本発明の目的である。
上記課題を解決するための一手段は、液体である被測定流体を流通可能な管状の流路と、該流路内を流通する被測定流体を加熱するように設けられた加熱器と、該加熱器よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第1の温度検出部と、該第1の温度検出部よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第2の温度検出部とを備え、第1の温度検出部による温度検出時から第2の温度検出部による温度検出時までの時間差に基づき被測定流体の流量を求めるようにした微小流量計において、前記加熱器よりも下流側であって前記二つの温度検出部を含む流路の管壁を、被測定流体が透過しない紙により形成したことを特徴とする。
本発明は、以上説明したように構成されているので、0.1 mL/min以下の極微小流量計測を可能にすること、レンジ切り替えする必要がなくTOF式流量計のみによって幅広い流量範囲の測定を可能にすること、簡素な構造でもって微小流量計測を可能にすること等、本発明の目的を達成することができる。
本実施の形態の第一の特徴は、液体である被測定流体を流通可能な管状の流路と、該流路内を流通する被測定流体を加熱するように設けられた加熱器と、該加熱器よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第1の温度検出部と、該第1の温度検出部よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第2の温度検出部とを備え、第1の温度検出部による温度検出時から第2の温度検出部による温度検出時までの時間差に基づき被測定流体の流量を求めるようにした微小流量計において、前記加熱器よりも下流側であって前記二つの温度検出部を含む流路の管壁を、被測定流体が透過しない紙により形成した。
この構成によれば、二つの温度検出部を含む流路の管壁の熱拡散率及び熱容量を小さくすることができ、ひいては、0.1mL/min以下の微小流量域において、高精度な流量測定を可能にすることができる。
この構成によれば、二つの温度検出部を含む流路の管壁の熱拡散率及び熱容量を小さくすることができ、ひいては、0.1mL/min以下の微小流量域において、高精度な流量測定を可能にすることができる。
第二の特徴は、被測定流体の流通方向が略上向きになるように前記流路を支持し、被測定流体によるポアズイユ流を崩さないように前記加熱器の加熱量を設定した。
この構成によれば、流路を流れる被測定流体の加熱平均流速を、主流であるポアズイユ流の最大流速に、加熱によって生じた浮力流の速度が加わった流速とすることができ、ひいては、流速と流量の関係の線形性(換言すれば直線性)をより向上し、さらに高精度な流量測定を可能にすることができる。
この構成によれば、流路を流れる被測定流体の加熱平均流速を、主流であるポアズイユ流の最大流速に、加熱によって生じた浮力流の速度が加わった流速とすることができ、ひいては、流速と流量の関係の線形性(換言すれば直線性)をより向上し、さらに高精度な流量測定を可能にすることができる。
第三の特徴は、前記流路は、前記紙により形成されるとともに前記二つの温度検出部を内在する測定管部と、該測定管部の上流側に連続するとともに管壁に前記加熱器を有する加熱管部と、該加熱管部の上流側に連続する助走管部とを具備してなる。
この構成によれば、高精度な微小流量計を、生産性の良好な簡素構造でもって提供することができる。
この構成によれば、高精度な微小流量計を、生産性の良好な簡素構造でもって提供することができる。
第四の特徴は、流速と流量との関係を示す検量関数を記憶した記憶装置を備え、第1の温度検出部による温度検出時から第2の温度検出部による温度検出時までの時間差と、第1の温度検出部から第2の温度検出部までの距離との関係により流速を求め、この流速に対応する流量を前記検量関数から求めるようにした。
この構成によれば、生産性が良好で且つ高精度な微小流量計の具体的構造を提供することができる。
この構成によれば、生産性が良好で且つ高精度な微小流量計の具体的構造を提供することができる。
第五の特徴は、0.01〜10mL/minの少なくとも一部の範囲を含む流量を測定するようにしたことを特徴とする。
この構成によれば、精度と応答性の良好な流量測定を行うことができる。
この構成によれば、精度と応答性の良好な流量測定を行うことができる。
第六の特徴は、0.01〜0.1mL/minの少なくとも一部の範囲を含む流量を測定するようにした。
この構成によれば、流速と流量の関係の線形性(換言すれば直線性)が特に良好な領域で流量測定を行うことになり、ひいては、より高精度な流量測定を可能にすることができる。
この構成によれば、流速と流量の関係の線形性(換言すれば直線性)が特に良好な領域で流量測定を行うことになり、ひいては、より高精度な流量測定を可能にすることができる。
次に、上記形態の特に好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
この微小流量計1は、液体である被測定流体を流通可能な管状の流路10と、該流路10内を流通する被測定流体を加熱するように設けられた加熱器21と、加熱器21よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第1の温度検出部31と、第1の温度検出部31よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第2の温度検出部32と、平均流速と流量との関係を示す検量関数を記憶した記憶装置(本実施例によれば情報処理装置50内の図示しない記憶装置)と、第1及び第2の温度検出部31,32により検出されるデータ等を演算処理する情報処理装置50とを具備し、情報処理装置50が、第1の温度検出部31による温度検出時から第2の温度検出部32による温度検出時までの時間差に基づき被測定流体の流量を求める(図1及び図4参照)。
流路10は、前記紙により形成されるとともに第1及び第2の温度検出部31,32の先端部分を該流路の略中心線上に配置する測定管部11と、測定管部11の上流側に連続するとともに管体22に加熱器21を有する加熱管部20と、加熱管部20の上流側に連続する助走管部40とを具備し、被測定流体の流通方向が略上向きになるように支持されている。
なお、前記「略上向き」とは、重力方向と180度反対向きの方向だけでなく、重力方向と逆向き方向のベクトル成分を含む方向(例えば斜め上方向等)を含むことを意味するが、本実施例では、特に好ましい態様として、被測定流体を重量方向と180度反対向きの真上方向へ流通させるように支持される。
なお、前記「略上向き」とは、重力方向と180度反対向きの方向だけでなく、重力方向と逆向き方向のベクトル成分を含む方向(例えば斜め上方向等)を含むことを意味するが、本実施例では、特に好ましい態様として、被測定流体を重量方向と180度反対向きの真上方向へ流通させるように支持される。
測定管部11は、被測定流体が透過せず且つ可撓性を有する比較的薄い紙を、略円筒状に丸め、その周方向の端部同士を隙間のないように接着してなる。
この測定管部11に用いられる紙は、被測定流体が厚み方向へ透過せず、且つ、略円筒状に加工した状態での剛性を有するものであればよい。
ここで、「紙」とは、日本工業規格JIS等に定義されるように「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」を意味する。特に好ましくは、植物繊維を主原料とする紙を用いる。
また、「被測定流体が透過しない紙」は、例えば、前記「紙」の少なくとも片面に、合成樹脂(例えば、ポリエチレンや、シリコン、テフロン等)製をコーティングしたもの、あるいは、前記「紙」に合成樹脂を含浸させたもの等とすればよい。
この「被測定流体が透過しない紙」は、より好ましくは、熱拡散率(κ= λ/ρcP [m2/s])、ならびに管の肉厚が比較的薄い、すなわち熱容量Mcp [J/K])の比較的小さい紙が用いられる。
この測定管部11に用いられる紙は、被測定流体が厚み方向へ透過せず、且つ、略円筒状に加工した状態での剛性を有するものであればよい。
ここで、「紙」とは、日本工業規格JIS等に定義されるように「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」を意味する。特に好ましくは、植物繊維を主原料とする紙を用いる。
また、「被測定流体が透過しない紙」は、例えば、前記「紙」の少なくとも片面に、合成樹脂(例えば、ポリエチレンや、シリコン、テフロン等)製をコーティングしたもの、あるいは、前記「紙」に合成樹脂を含浸させたもの等とすればよい。
この「被測定流体が透過しない紙」は、より好ましくは、熱拡散率(κ= λ/ρcP [m2/s])、ならびに管の肉厚が比較的薄い、すなわち熱容量Mcp [J/K])の比較的小さい紙が用いられる。
前記「被測定流体が透過しない紙」の具体的な一例としては、熱拡散率κ=約0.053x10−6 m2/s at 293K, 熱伝導率λ=約0.06 W/(m・K), 密度ρ=約900 kg/m3, 比熱cP=約1.3 kJ/(kg・K)の耐水性を有する紙が挙げられる。また、他例としては、熱拡散率κ=約0.056x10−6 m2/s, 熱伝導率λ=約0.13 W/(m・K), 密度ρ=約930 kg/m3, 比熱cP=約2.5 kJ/(kg・K)の耐水性を有する紙(後述する表1参照)が挙げられる。
参考までに、石英ガラスの物性値は、熱拡散率κ=約 0.85 x10−6 mm2/s at 300 K、熱伝導率 λ=約1.38 W/(m・K)、密度ρ=約2190 kg/m3、比熱cP=約 0.74 kJ/(kg・K), 熱伝導率λ=約1.38 W/(m・K)である。
すなわち、紙の熱拡散率は、石英ガラスの4%以下で非常に小さい値である。測定管部11の管壁は、熱拡散率を小さく、かつ熱容量(密度x比熱x体積:[J/K])を小さくするため、薄く丈夫な紙(表面を不透水性のコーティング加工したもの)で作成することが重要である。
すなわち、紙の熱拡散率は、石英ガラスの4%以下で非常に小さい値である。測定管部11の管壁は、熱拡散率を小さく、かつ熱容量(密度x比熱x体積:[J/K])を小さくするため、薄く丈夫な紙(表面を不透水性のコーティング加工したもの)で作成することが重要である。
本実施例に用いた紙は、厚みが流路10内径の約1/10(0.1mm)のものであり、耐水性を有する面を流路内側へ向けて用いられる。
測定管部11の管壁には、第1及び第2の温度検出部31,32が挿通され固定される。
第1及び第2の温度検出部31,32の各々は、T型のCC熱電対(copper−constantan thermocouple)であり、その線径は約0.05mm、先端部の外径(球直径)は約0.1mmである。
第1の温度検出部31は、特に好ましい本実施例によれば、加熱管部20の下流側端部から下流方向へ約4mm離れて配置される。そして、第2の温度検出部32は、第1の温度検出部31からさらに下流方向へ約4mm離れて配置される。
これら第1及び第2の温度検出部31,32によって発生する起電力は、それぞれ、熱電対増幅器33により増幅され、情報処理装置50に取り込まれる。
第1及び第2の温度検出部31,32の各々は、T型のCC熱電対(copper−constantan thermocouple)であり、その線径は約0.05mm、先端部の外径(球直径)は約0.1mmである。
第1の温度検出部31は、特に好ましい本実施例によれば、加熱管部20の下流側端部から下流方向へ約4mm離れて配置される。そして、第2の温度検出部32は、第1の温度検出部31からさらに下流方向へ約4mm離れて配置される。
これら第1及び第2の温度検出部31,32によって発生する起電力は、それぞれ、熱電対増幅器33により増幅され、情報処理装置50に取り込まれる。
情報処理装置50は、後述する検量関数や、演算処理プログラム等を予め記憶する記憶装置(図示せず)と、第1及び第2の温度検出部31,32により検出したデータ等を処理する演算処理装置(CPU等)と、後述する加熱器21を制御する制御手段等を具備している。
この情報処理装置50は、第1の温度検出部31による温度検出時から第2の温度検出部32による温度検出時までの時間差と、第1の温度検出部から第2の温度検出部までの距離との関係により流速を求め、この流速に対応する流量を前記記憶装置に記憶した検量関数から求める。
この情報処理装置50は、例えばパーソナルコンピュータとすればよいが、他例としては、マイクロプロセッサ等を用いた安価な電子回路とすることが可能である。
この情報処理装置50は、第1の温度検出部31による温度検出時から第2の温度検出部32による温度検出時までの時間差と、第1の温度検出部から第2の温度検出部までの距離との関係により流速を求め、この流速に対応する流量を前記記憶装置に記憶した検量関数から求める。
この情報処理装置50は、例えばパーソナルコンピュータとすればよいが、他例としては、マイクロプロセッサ等を用いた安価な電子回路とすることが可能である。
加熱管部20は、測定管部11と略同内径の管体22と、該管体22を外周側から加熱する加熱器21とから構成される。
管体22は、外形約1.4mm,肉厚約0.2mm、長さ約3mmの略円筒状の銅製の管体である。
加熱器21は、素線径約0.2mmのニクロム線ヒーターを、管体22の外周部にコイル状に隙間なく巻き付けてなる。
管体22は、外形約1.4mm,肉厚約0.2mm、長さ約3mmの略円筒状の銅製の管体である。
加熱器21は、素線径約0.2mmのニクロム線ヒーターを、管体22の外周部にコイル状に隙間なく巻き付けてなる。
加熱器21には、定電圧電源23から出力される電力が、パルス電圧発生回路24を介して供給される。パルス電圧発生回路24は、出力電圧、出力時間、出力のタイミング等が、情報処理装置50によって制御される。
加熱器21の加熱量は、被測定流体によるポアズイユ流を崩さないように適宜に設定される。すなわち、ポアズイユ流の最大流速点(流路中心線上)では、流速は流路内平均流速の約2倍となる。加熱器21の加熱量は、この流速の関係を崩さないように設定される。
加熱器21の加熱量は、被測定流体によるポアズイユ流を崩さないように適宜に設定される。すなわち、ポアズイユ流の最大流速点(流路中心線上)では、流速は流路内平均流速の約2倍となる。加熱器21の加熱量は、この流速の関係を崩さないように設定される。
助走管部40は、測定管部11と同材質(紙製)であって同内径の略円筒状に形成される。この助走管部40は、管内にポアズイユ流を形成する助走区間を確保するものであり、本実施例では、長さ約1mmに形成される。なお、この助走管部40の材質は、紙以外のものとしてもよく、例えばアクリルや、その他の材質とすることが可能である。
<数値計算、流量計測原理>
次に、本実施例の微小流量計1について、その計測原理を詳細に説明する。
図1、計算領域ならびに座標系を示す。円管内流において、レイノルズ数の非常に小さな流れでは、非常に短い助走区間距離 L (=0.065Re×d) [mm] でポアズイユ流が必ず発達する。この発達するポアズイユ流を前提条件として以下に流量計測原理を記す。
非常に細い円管内を外部からヒーター加熱すると、ヒーター加熱部より下流側の円管内では主流方向に比べて半径方向の流体の温度拡散が瞬時に広がり、半径方向の温度分布が一定になる。そこでヒーター加熱部よりも下流側の円管内流中に熱電対をある距離を置いて2つ設置し、それぞれで温度上昇が測定された時間を計測する。これらの熱電対で温度上昇が測定された時間差 △t [s]より、加熱平均流速 Va=L12/ △t [mm/s] を求める。ここで得られた加熱流速 Va[mm/s] と流量 Q [mL/min] との間に線形関係が得られれば、高精度の流量計として実用化できる。
ここで、本流量計測原理で取り扱う「加熱平均流速 Va[mm/s] 」について解説を行う。地面に垂直に設置された円管に、下方から上方へ、重力と逆向きに流れるように流体を流入する。助走区間距離を経て、円管内流はポアズイユ流へと発達する。円管内の場合、ポアズイユ流の最大流速点(円管中心軸上)では、流速は円管内平均流速の2倍となる。この流れを外部からヒーター加熱することで、周囲の流体との温度差によって生じる浮力流を発生させる。つまり、ヒーター部から下流側(上方)では浮力流によってさらに流体は加速される。加熱流速 Va とは、ポアズイユ流の最大流速に浮力流が加わったものである。しかし、加熱流速 Va は温度センサー(熱電対)設置位置の局所流速ではない。計測する所要時間 △t [s] は、熱電対1から熱電対2までの到達時間差で、この間の流速は浮力流の流速を含み、浮力流の大きさは温度拡散の影響で変化する。したがって、本流量計測原理で取り扱う加熱流速 Va は、熱電対間の平均流速である。
次に、本実施例の微小流量計1について、その計測原理を詳細に説明する。
図1、計算領域ならびに座標系を示す。円管内流において、レイノルズ数の非常に小さな流れでは、非常に短い助走区間距離 L (=0.065Re×d) [mm] でポアズイユ流が必ず発達する。この発達するポアズイユ流を前提条件として以下に流量計測原理を記す。
非常に細い円管内を外部からヒーター加熱すると、ヒーター加熱部より下流側の円管内では主流方向に比べて半径方向の流体の温度拡散が瞬時に広がり、半径方向の温度分布が一定になる。そこでヒーター加熱部よりも下流側の円管内流中に熱電対をある距離を置いて2つ設置し、それぞれで温度上昇が測定された時間を計測する。これらの熱電対で温度上昇が測定された時間差 △t [s]より、加熱平均流速 Va=L12/ △t [mm/s] を求める。ここで得られた加熱流速 Va[mm/s] と流量 Q [mL/min] との間に線形関係が得られれば、高精度の流量計として実用化できる。
ここで、本流量計測原理で取り扱う「加熱平均流速 Va[mm/s] 」について解説を行う。地面に垂直に設置された円管に、下方から上方へ、重力と逆向きに流れるように流体を流入する。助走区間距離を経て、円管内流はポアズイユ流へと発達する。円管内の場合、ポアズイユ流の最大流速点(円管中心軸上)では、流速は円管内平均流速の2倍となる。この流れを外部からヒーター加熱することで、周囲の流体との温度差によって生じる浮力流を発生させる。つまり、ヒーター部から下流側(上方)では浮力流によってさらに流体は加速される。加熱流速 Va とは、ポアズイユ流の最大流速に浮力流が加わったものである。しかし、加熱流速 Va は温度センサー(熱電対)設置位置の局所流速ではない。計測する所要時間 △t [s] は、熱電対1から熱電対2までの到達時間差で、この間の流速は浮力流の流速を含み、浮力流の大きさは温度拡散の影響で変化する。したがって、本流量計測原理で取り扱う加熱流速 Va は、熱電対間の平均流速である。
本流量計における基礎方程式は、3次元非定常の連続の式、ブシネ近似を用いた3次元ナヴィエ・ストークス式、エネルギー式である。3次元の有限体積法を用いて離散化し、対流項の離散化には2次風上法を用いた。以下に用いられている基礎方程式を示す。
なお、上記数式中の記号の意味は、以下の通りである。
円筒座標系の速度成分:u(r半径方向座標), v(θ円周方向座標), w(軸方向座標)
ν:動粘性係数
P:圧力
ρ:密度
T:温度
T0:円管入口流体温度
g:重力加速度
β:体膨張率
円筒座標系の速度成分:u(r半径方向座標), v(θ円周方向座標), w(軸方向座標)
ν:動粘性係数
P:圧力
ρ:密度
T:温度
T0:円管入口流体温度
g:重力加速度
β:体膨張率
<境界条件>
流入条件は、一様流速V0、一様温度T0 である。壁面で流速0、圧力は壁面に垂直な勾配を0である。出口条件は、輸送されるすべての物理量を自由流出とする。
流入条件は、一様流速V0、一様温度T0 である。壁面で流速0、圧力は壁面に垂直な勾配を0である。出口条件は、輸送されるすべての物理量を自由流出とする。
<流量計モデル>
数値シミレーションは、Simunet社の数値計算ソフトSTORM/CFD2000を用いた。図1の壁加熱によるヒーターの加熱時間は3.0 sec、加熱量はH=0.46 J (0.15 W) を計算した。
数値シミレーションは、Simunet社の数値計算ソフトSTORM/CFD2000を用いた。図1の壁加熱によるヒーターの加熱時間は3.0 sec、加熱量はH=0.46 J (0.15 W) を計算した。
<計算条件>
ヒーターより下流側の円管内におけるセル分割数は、主流方向に40分割、半径方向に10分割とした。座標系は物体適合座標を用いた。時間刻み幅は10−4sec とし、流体には20 ℃ の水を使用した。加熱する段階で円管内にポアズイユ流を形成させる為、ヒーター部直前にL=1 mm の助走区間距離を設けた。
ここで、物体適合座標について説明する。この座標系はしばしば、一般化座標とも呼ばれ、構造格子の境界が図形の境界の形状に正確に従う自然な座標系である。構造的なBFC(境界適合座標)の格子は、流れの領域の形状に無理矢理合わせるために押しつぶされ、伸縮し、曲がり、そしてねじれた規則正しい格子と見ることができる。セルは直交座標と同じ位相幾何学的に特性を保ったままであり、6つの面と8つの頂点を持ち、隣り合うセルはその関係を保つ。直交座標では、全ての面と辺は座標面と座標軸に平行である。円筒座標では、すべての面と辺は円筒の表面と辺に平行である。BFCでは辺と面は任意の形と向きを持っている。よって、BFCは滑らかに変化する不規則な境界の内部流あるいは外部流に適するばかりでなく、内部の障害物や他の幾何学的な不規則を表現することができる。これより、境界や物理的対象物の優れた幾何学的表現を与える。さらに、改良格子が流れの方向と一致することにより数値誤差が減少する利点がある。よって本流量計の数値シミレーションでは物体適合座標を用いる。
作動流体は水(20℃)を用い、ヒーター部(加熱管部20)を銅管、それ以外の壁面(測定管部11及び助走管部40)を紙とした。それぞれの物性値を以下の表に示す。
ヒーターより下流側の円管内におけるセル分割数は、主流方向に40分割、半径方向に10分割とした。座標系は物体適合座標を用いた。時間刻み幅は10−4sec とし、流体には20 ℃ の水を使用した。加熱する段階で円管内にポアズイユ流を形成させる為、ヒーター部直前にL=1 mm の助走区間距離を設けた。
ここで、物体適合座標について説明する。この座標系はしばしば、一般化座標とも呼ばれ、構造格子の境界が図形の境界の形状に正確に従う自然な座標系である。構造的なBFC(境界適合座標)の格子は、流れの領域の形状に無理矢理合わせるために押しつぶされ、伸縮し、曲がり、そしてねじれた規則正しい格子と見ることができる。セルは直交座標と同じ位相幾何学的に特性を保ったままであり、6つの面と8つの頂点を持ち、隣り合うセルはその関係を保つ。直交座標では、全ての面と辺は座標面と座標軸に平行である。円筒座標では、すべての面と辺は円筒の表面と辺に平行である。BFCでは辺と面は任意の形と向きを持っている。よって、BFCは滑らかに変化する不規則な境界の内部流あるいは外部流に適するばかりでなく、内部の障害物や他の幾何学的な不規則を表現することができる。これより、境界や物理的対象物の優れた幾何学的表現を与える。さらに、改良格子が流れの方向と一致することにより数値誤差が減少する利点がある。よって本流量計の数値シミレーションでは物体適合座標を用いる。
作動流体は水(20℃)を用い、ヒーター部(加熱管部20)を銅管、それ以外の壁面(測定管部11及び助走管部40)を紙とした。それぞれの物性値を以下の表に示す。
<ヒーターの設置>
図2は、銅管に隙間なく巻き付けるコイル状ヒーターを想定した加熱壁(加熱管部20)の概略図を示す。
計算では、加熱壁に与える加熱量を以下のように検討した。
まず、外径1.4 mm、内径1.0 mm、長さ3 mm、密度8954 kg/m3、比熱384.9 J/(kg・K) の銅管の周りの加熱壁の面積は
さらに、銅管の熱容量は、
円管内の作動流体である水(20℃)を10 K 程温めるためには、銅管から作動流体への熱伝達を考慮して、加熱壁の内側にある銅管を58 K 温めなければならない。よって、計算で加熱壁に与えるべき単位面積当たりの熱量の計算は以下のようになる。
となる。
なお、数5〜7の数式中の記号の意味は、以下の通りである。
d1:銅管の外径
d2:銅管の内径
L:銅管の長さ
図2は、銅管に隙間なく巻き付けるコイル状ヒーターを想定した加熱壁(加熱管部20)の概略図を示す。
計算では、加熱壁に与える加熱量を以下のように検討した。
まず、外径1.4 mm、内径1.0 mm、長さ3 mm、密度8954 kg/m3、比熱384.9 J/(kg・K) の銅管の周りの加熱壁の面積は
なお、数5〜7の数式中の記号の意味は、以下の通りである。
d1:銅管の外径
d2:銅管の内径
L:銅管の長さ
そして、前記数7の結果より、加熱壁に与えるべき単位面積当たりの熱量は、
J=1.15×104[W/m2]=1.15×10−2[W/mm2] となる。
本実施の形態で用いる加熱管部20は、外径φ1.4mm、長さ3mmの銅管であるから、その表面積は、1.4π×3=13.188mm2である。
よって、この加熱管部20に与える熱量は、
1.15×10−2×13.188≒0.152W となる。
この熱量0.152 Wは、ベースとなるポアズイユ流の流速分布に影響を与えないが(passive scalarとして作用する)、下流に設置した熱電対が温度マーカーとして温度変化を十分に感知できる最小のジュール発熱量である。
J=1.15×104[W/m2]=1.15×10−2[W/mm2] となる。
本実施の形態で用いる加熱管部20は、外径φ1.4mm、長さ3mmの銅管であるから、その表面積は、1.4π×3=13.188mm2である。
よって、この加熱管部20に与える熱量は、
1.15×10−2×13.188≒0.152W となる。
この熱量0.152 Wは、ベースとなるポアズイユ流の流速分布に影響を与えないが(passive scalarとして作用する)、下流に設置した熱電対が温度マーカーとして温度変化を十分に感知できる最小のジュール発熱量である。
<温度センサー(熱電対)設置位置>
計算では、加熱後に発生する加熱流速Va と入口流量Q との関係を示すことで、本流量計測原理の妥当性を明らかにする。さらに、加熱流速Va と入口流量Q の関係が最も高感度で線形な関係となるように、最適化を行う。加熱流速Va は次式で表される。
ここで、L12 [mm]は熱電対(第1及び第2の温度検出部31,32)間の距離、△t はヒーター(加熱管部20)による加熱後に各熱電対が温度を感知した時の時間差を示している。そこで、計算ではヒーター(加熱管部20)から熱電対1(第1の温度検出部31)までの距離L1、熱電対(第1及び第2の温度検出部31,32)間の距離L12 を最適化パラメータとして検討した。
図3は、熱電対の位置の概略図を示す。円管中心軸上に、2種類の場合分けをして設置した。場合分けについては後述する。
計算では、加熱後に発生する加熱流速Va と入口流量Q との関係を示すことで、本流量計測原理の妥当性を明らかにする。さらに、加熱流速Va と入口流量Q の関係が最も高感度で線形な関係となるように、最適化を行う。加熱流速Va は次式で表される。
図3は、熱電対の位置の概略図を示す。円管中心軸上に、2種類の場合分けをして設置した。場合分けについては後述する。
<実験装置および方法>
<計測装置>
図4は、実験装置概略図を示す。円管は、内径1 mm、厚さ0.1 mm の紙筒(測定管部11)に、内径1 mm、外径1.4 mm の銅管(管体22)をつなげて使用し、鉛直方向に設置する。さらに、円管内に流入する作動流体は、重力と逆向きに流れるように下方から上方へと流される。実験では、作動流体は水のみを採用した。円管内に取り込まれた水流は、非常に短い助走区間距離L (=0.065Re×d)でポアズイユ流へと発達する。ニクロム線ヒーター(加熱器21)を長さ3 mm の銅管(管体22)の外側に隙間なく巻き付け、外部加熱することで、円管内の水が温められ、浮力流れを伴う加熱流速を得る。そして、ヒーター(加熱管部20)上部から4 mm 離れた円管内の中心軸上に熱電対1(第1の温度検出部31)を設置し、さらに下流方向に4 mm 離れた位置に熱電対2(第2の温度検出部32)を設置する。加熱後、加熱流速 が各熱電対に到達する(熱電対が温度上昇を感知する)時間を計測し、その時間差を△t とすることで、加熱平均流速Va (=L12/△t)を得る。
実験では、素線径0.2 mm のニクロム線をコイル状に加工し、銅管に巻き付けたものをパルス電圧発生装置で一定電圧を与えることで、通電加熱しジュール発熱させる。熱電対はT型熱電対を使用した。T型熱電対とは、銅とコンスタンタンの2種類の金属をはんだ付けし、ゼーベック効果を利用し、温度変化を熱起電力で出力する装置である。熱電対の出力電圧は、データ処理を容易にする為、適当に増幅させた。
<計測装置>
図4は、実験装置概略図を示す。円管は、内径1 mm、厚さ0.1 mm の紙筒(測定管部11)に、内径1 mm、外径1.4 mm の銅管(管体22)をつなげて使用し、鉛直方向に設置する。さらに、円管内に流入する作動流体は、重力と逆向きに流れるように下方から上方へと流される。実験では、作動流体は水のみを採用した。円管内に取り込まれた水流は、非常に短い助走区間距離L (=0.065Re×d)でポアズイユ流へと発達する。ニクロム線ヒーター(加熱器21)を長さ3 mm の銅管(管体22)の外側に隙間なく巻き付け、外部加熱することで、円管内の水が温められ、浮力流れを伴う加熱流速を得る。そして、ヒーター(加熱管部20)上部から4 mm 離れた円管内の中心軸上に熱電対1(第1の温度検出部31)を設置し、さらに下流方向に4 mm 離れた位置に熱電対2(第2の温度検出部32)を設置する。加熱後、加熱流速 が各熱電対に到達する(熱電対が温度上昇を感知する)時間を計測し、その時間差を△t とすることで、加熱平均流速Va (=L12/△t)を得る。
実験では、素線径0.2 mm のニクロム線をコイル状に加工し、銅管に巻き付けたものをパルス電圧発生装置で一定電圧を与えることで、通電加熱しジュール発熱させる。熱電対はT型熱電対を使用した。T型熱電対とは、銅とコンスタンタンの2種類の金属をはんだ付けし、ゼーベック効果を利用し、温度変化を熱起電力で出力する装置である。熱電対の出力電圧は、データ処理を容易にする為、適当に増幅させた。
<流量調節装置>
図5は、流量調節装置の概略図を示す。図5中、左側の部分は、本実験に用いる微小流量計1であり、右側の部分は、微小流量計1の円管内に調整した一定流量の水を供給する流量調節装置である。円管内に流入する流量は、注射器をスッテピングモーターにより押しだすことで得た。以下に使用したステッピングモーターの選定方法を示す。
まず、使用した注射器1本分の容積は1.0 mL。注射器の断面積は一定。使用したモーターの回転数は60 rev/min。これを減速比360:1まで下げると、モーターの回転数は、
となる。さらに、使用したトラバース装置が1回転に進む距離は3 mm/revなので、ステッピングモーターにより進む距離は、
となる。そして、注射器は1本分1.0 mLは長さにして55 mmなので、上式を用いて、注射器1本分の分解能は、
と求まる。この注射器を10本分用いることで、流量範囲を0.0 〜 0.1 mL/min まで測定できるように調整した。注射器から測定管までは内径3 mm のビニールチューブを介している。
図5は、流量調節装置の概略図を示す。図5中、左側の部分は、本実験に用いる微小流量計1であり、右側の部分は、微小流量計1の円管内に調整した一定流量の水を供給する流量調節装置である。円管内に流入する流量は、注射器をスッテピングモーターにより押しだすことで得た。以下に使用したステッピングモーターの選定方法を示す。
まず、使用した注射器1本分の容積は1.0 mL。注射器の断面積は一定。使用したモーターの回転数は60 rev/min。これを減速比360:1まで下げると、モーターの回転数は、
<温度測定器>
図6は、使用した熱電対(第1及び第2の温度検出部31,32)を示す。第1及び第2の温度検出部31,32の各々は、素線径0.05 mm、はんだ付けの部分の球直径0.1 mm のT型熱電対を円管内の中心軸上に2つ設置し、各熱電対から出力される熱起電力を増幅回路(熱電対増幅器33)に通して適当に増幅し、(株)松山アドバンス社製のデータ収集・解析ソフトLABDAQでPC上に波形を出力した。
図6は、使用した熱電対(第1及び第2の温度検出部31,32)を示す。第1及び第2の温度検出部31,32の各々は、素線径0.05 mm、はんだ付けの部分の球直径0.1 mm のT型熱電対を円管内の中心軸上に2つ設置し、各熱電対から出力される熱起電力を増幅回路(熱電対増幅器33)に通して適当に増幅し、(株)松山アドバンス社製のデータ収集・解析ソフトLABDAQでPC上に波形を出力した。
図7及び図8は、使用した熱電対回路を示す。図7(a)は、10倍増幅回路図、図8(b)は、ローパスフィルタ回路を示す。ノイズを消去するためにローパスフィルタ回路を設けた。ローパスフィルタICは、FLT − U2、カットオフ周波数は20 Hz のものを用いた。
<加熱装置>
図9は、実験で使用したニクロム線ヒーター(加熱器21)を加熱するために作成したパルス電圧発生回路24を示す。NE555のタイマーICとリレースイッチを用い、タイマーICのオンオフの切り替えによりリレースイッチが切り替わる仕組みになっている。
通電時間と待機時間は各抵抗を調整することにより調整可能である。計算式を表2に示す。実験で使用したニクロム線(加熱器21)の全抵抗は3.37 Ω、ヒーター部は3.12 Ω、上述した与える熱量0.152 Wより、ヒーターに与えるべき電圧を計算すると、
より、
全体に与えるべき電圧は
となった。
図9は、実験で使用したニクロム線ヒーター(加熱器21)を加熱するために作成したパルス電圧発生回路24を示す。NE555のタイマーICとリレースイッチを用い、タイマーICのオンオフの切り替えによりリレースイッチが切り替わる仕組みになっている。
通電時間と待機時間は各抵抗を調整することにより調整可能である。計算式を表2に示す。実験で使用したニクロム線(加熱器21)の全抵抗は3.37 Ω、ヒーター部は3.12 Ω、上述した与える熱量0.152 Wより、ヒーターに与えるべき電圧を計算すると、
<実験データのサンプリング>
図10は、実験で得られる熱電対出力(第1及び第2の温度検出部31,32の出力)を示す。それぞれの時系列データは、データ収集・解析ソフトLABDAQを使用してPC上に取り込んだ。サンプリング周波数は0.01 s である。
加熱平均流速Va は、外部加熱によって加熱された流体が下流L1=4 mm、L12=4 mmに設置された各熱電対が温度を感知する時間差を△t を求めることで得られる。到達時間は、熱電対出力波形の最大値を利用して、しきい値を設定することで得た。しきい値は熱電対出力波形の最大値の1 % を増分量とした時点とした。
図10は、実験で得られる熱電対出力(第1及び第2の温度検出部31,32の出力)を示す。それぞれの時系列データは、データ収集・解析ソフトLABDAQを使用してPC上に取り込んだ。サンプリング周波数は0.01 s である。
加熱平均流速Va は、外部加熱によって加熱された流体が下流L1=4 mm、L12=4 mmに設置された各熱電対が温度を感知する時間差を△t を求めることで得られる。到達時間は、熱電対出力波形の最大値を利用して、しきい値を設定することで得た。しきい値は熱電対出力波形の最大値の1 % を増分量とした時点とした。
<数値計算による最適化設定>
<温度センサー(熱電対)設置位置>
本流量計測原理で取り扱う加熱平均流速Va は、円管内の主流であるポアズイユ流の最大流速に加熱によって生じた浮力流れが加わったものである。浮力流れは、温められた流体と周囲の流体の温度差によって変化する。そこで、熱電対の設置位置によりどのように変化するか確認した。
図11は各熱電対の設置位置を変えた時の加熱平均流速Va と流量Q の関係を示す。また、表3は、熱電対1(第1の温度検出部31)と熱電対2(第2の温度検出部32)の位置設定の場合分けを示す。それぞれ、入口流体温度T0=20℃、加熱量H=0.46 J(0.15W)、作動流体は水とした。
図11より、熱電対設置位置によってVa とQ の関係はほとんど変化していないと言える。さらに、線形性も非常に良い結果が得られた。しかしながら、完全に一致しないのは、加熱により、円管内の半径方向の温度分布は一瞬にして拡散されるが、主流方向は下流側にいくにつれて温度の勾配が下がり最大温度差が小さくなる。よって加熱による浮力流の影響が小さくなるので熱電対の距離をヒーター部から遠ざければ加熱平均流速は自ずと小さくなるのである。ただし、実験では素線径0.05 mm の熱電対の設置を考慮して設置しやすいと思われる(B)の場合を用いた。
<温度センサー(熱電対)設置位置>
本流量計測原理で取り扱う加熱平均流速Va は、円管内の主流であるポアズイユ流の最大流速に加熱によって生じた浮力流れが加わったものである。浮力流れは、温められた流体と周囲の流体の温度差によって変化する。そこで、熱電対の設置位置によりどのように変化するか確認した。
図11は各熱電対の設置位置を変えた時の加熱平均流速Va と流量Q の関係を示す。また、表3は、熱電対1(第1の温度検出部31)と熱電対2(第2の温度検出部32)の位置設定の場合分けを示す。それぞれ、入口流体温度T0=20℃、加熱量H=0.46 J(0.15W)、作動流体は水とした。
図11より、熱電対設置位置によってVa とQ の関係はほとんど変化していないと言える。さらに、線形性も非常に良い結果が得られた。しかしながら、完全に一致しないのは、加熱により、円管内の半径方向の温度分布は一瞬にして拡散されるが、主流方向は下流側にいくにつれて温度の勾配が下がり最大温度差が小さくなる。よって加熱による浮力流の影響が小さくなるので熱電対の距離をヒーター部から遠ざければ加熱平均流速は自ずと小さくなるのである。ただし、実験では素線径0.05 mm の熱電対の設置を考慮して設置しやすいと思われる(B)の場合を用いた。
<加熱量の検討>
図12は、加熱量の違いによる加熱流速Va と流量Q の関係を示す。流量範囲はQ=0.0 〜 0.1 mL/min で評価した。青色の実線はH=0.114 J、赤色の実線はH=0.456 J を示す。それぞれの加熱量で非常に良い線形性が得られた。また、感度は加熱量が大きいH=0.456 J の方が良かった。これは、加熱量を大きくすると浮力流れの大きさが増すことに起因する。
ここで、温度変化が及ぼす影響を考える。流体の温度変化は、その温度差によって発生する浮力流の大きさに影響を及ぼす。なぜなら、浮力項における動粘性係数ν は温度の関数であるからである。しかしながら、計算では流体の温度変化は極小としたブシネ近似を用いている。ブシネ近似は浮力項以外の流体の物性値をすべて一定としている。つまり、流体の温度変化が大きくなると計算の精度が悪化してしまう。そこで、実験データとの比較は本来、加熱量が小さいものでするべきであるが実験結果が得られたのはH=0.456 J の時なので今回はこちらを採用した。
図12は、加熱量の違いによる加熱流速Va と流量Q の関係を示す。流量範囲はQ=0.0 〜 0.1 mL/min で評価した。青色の実線はH=0.114 J、赤色の実線はH=0.456 J を示す。それぞれの加熱量で非常に良い線形性が得られた。また、感度は加熱量が大きいH=0.456 J の方が良かった。これは、加熱量を大きくすると浮力流れの大きさが増すことに起因する。
ここで、温度変化が及ぼす影響を考える。流体の温度変化は、その温度差によって発生する浮力流の大きさに影響を及ぼす。なぜなら、浮力項における動粘性係数ν は温度の関数であるからである。しかしながら、計算では流体の温度変化は極小としたブシネ近似を用いている。ブシネ近似は浮力項以外の流体の物性値をすべて一定としている。つまり、流体の温度変化が大きくなると計算の精度が悪化してしまう。そこで、実験データとの比較は本来、加熱量が小さいものでするべきであるが実験結果が得られたのはH=0.456 J の時なので今回はこちらを採用した。
<円管の材質の検討>
図13は、ヒーター部以外の壁面(測定管部11及び助走管部40)を断熱した場合(理論計算値)と、紙にした場合(実験値)のVa とQ の関係を示す。本微小流量計1は、安価で高精度なものを求められているために円管の材質の検討は必須である。
図13より完全な断熱壁に近い線形性をだすために、材質を紙にすると非常に良い結果が得られると分かる。
図13は、ヒーター部以外の壁面(測定管部11及び助走管部40)を断熱した場合(理論計算値)と、紙にした場合(実験値)のVa とQ の関係を示す。本微小流量計1は、安価で高精度なものを求められているために円管の材質の検討は必須である。
図13より完全な断熱壁に近い線形性をだすために、材質を紙にすると非常に良い結果が得られると分かる。
<結果および考察>
図14は、加熱量H=0.46 J(0.15 W) における加熱平均流速Va と流量Q の関係を示す。四角形のプロットを結んだ実線は実験結果、破線は熱電対の熱容量を無視した解析結果を示す。参考にポアズイユ流の最大流速(理論計算値)を一点鎖線で示す。破線で示す計算結果は、ヒーター加熱量が小さいため、ほぼポアズイユ流の最大流速に同じ流速となることが確かめられた。
実線で示す実験結果は、破線で示す解析結果に比べて低い値を示す。これは、球直径0.1 mm 、素線系0.05 mm の熱電対を紙筒に垂直に挿入したが、流速の増加に伴い熱電対にかかる負荷が増加するため少し下流に押し流されている。それによって、熱電対間の距離が縮むことによる加熱平均流速の減少に起因している。また、実験条件下ではニクロム線ヒーター(加熱器21)が外気に触れているため、ヒーターからの加熱量が外気の熱容量に吸収されてしまう為、実際の加熱量はH=0.46 J よりも低いものと思われる。しかしながら、本実験結果より、水流 0.1 mL/min 以下の範囲で、Va 〜 Q にほぼ線形な関係が得られた。
図15は、加熱流体が各熱電対(第1又は第2の温度検出部31,32)に届いているときにおける、それらの位置での円管内の半径方向の温度分布と速度分布の解析結果を示す。黒の四角形のプロットを結ぶ二つの破線が温度部分を示し、略山形に上方へ突出する曲線が速度分布を示す。
ここでは流量Q=0.06 mL/min を例に示す。半径方向は無次元化した。浮力とベースの強制流の方向が同一であるAiding flow となるため、φ1 mm の円筒内流は、放物系の速度分布である。また、流速は加熱量が小さいため、浮力流による影響は小さい。さらに、本流量計測原理の前提条件であった、半径方向の温度分布が一定であることが良くわかる。この温度分布から熱電対の高さを同じにすれば半径方向のどの位置で設置しても同様な結果が得られることを示唆している。
図14は、加熱量H=0.46 J(0.15 W) における加熱平均流速Va と流量Q の関係を示す。四角形のプロットを結んだ実線は実験結果、破線は熱電対の熱容量を無視した解析結果を示す。参考にポアズイユ流の最大流速(理論計算値)を一点鎖線で示す。破線で示す計算結果は、ヒーター加熱量が小さいため、ほぼポアズイユ流の最大流速に同じ流速となることが確かめられた。
実線で示す実験結果は、破線で示す解析結果に比べて低い値を示す。これは、球直径0.1 mm 、素線系0.05 mm の熱電対を紙筒に垂直に挿入したが、流速の増加に伴い熱電対にかかる負荷が増加するため少し下流に押し流されている。それによって、熱電対間の距離が縮むことによる加熱平均流速の減少に起因している。また、実験条件下ではニクロム線ヒーター(加熱器21)が外気に触れているため、ヒーターからの加熱量が外気の熱容量に吸収されてしまう為、実際の加熱量はH=0.46 J よりも低いものと思われる。しかしながら、本実験結果より、水流 0.1 mL/min 以下の範囲で、Va 〜 Q にほぼ線形な関係が得られた。
図15は、加熱流体が各熱電対(第1又は第2の温度検出部31,32)に届いているときにおける、それらの位置での円管内の半径方向の温度分布と速度分布の解析結果を示す。黒の四角形のプロットを結ぶ二つの破線が温度部分を示し、略山形に上方へ突出する曲線が速度分布を示す。
ここでは流量Q=0.06 mL/min を例に示す。半径方向は無次元化した。浮力とベースの強制流の方向が同一であるAiding flow となるため、φ1 mm の円筒内流は、放物系の速度分布である。また、流速は加熱量が小さいため、浮力流による影響は小さい。さらに、本流量計測原理の前提条件であった、半径方向の温度分布が一定であることが良くわかる。この温度分布から熱電対の高さを同じにすれば半径方向のどの位置で設置しても同様な結果が得られることを示唆している。
<結言>
熱拡散率と熱容量の小さい薄い紙で作成した内径1 mmの円筒内(測定管部11内)で、ヒーター(加熱管部20)をパルス加熱することにより発生させた温度マーカを、下流に距離L12 (=4 mm) 離れた2点間を流れるに要する時間△t を計測する。これより求めた加熱平均流速 Va=L12/△t が、流量Q に線形な関係を示すことを数値計算により確かめた。最適化した流量計について、流量範囲(0.1 mL)/min 以下の水流実験を行い、安価かつ高い感度の流量計であることを確認した。
熱拡散率と熱容量の小さい薄い紙で作成した内径1 mmの円筒内(測定管部11内)で、ヒーター(加熱管部20)をパルス加熱することにより発生させた温度マーカを、下流に距離L12 (=4 mm) 離れた2点間を流れるに要する時間△t を計測する。これより求めた加熱平均流速 Va=L12/△t が、流量Q に線形な関係を示すことを数値計算により確かめた。最適化した流量計について、流量範囲(0.1 mL)/min 以下の水流実験を行い、安価かつ高い感度の流量計であることを確認した。
本実施例の微小流量計1に用いる前記検量関数は、上述した計算で得られた関数(図13の実線)、あるいは、この関数に適宜に補正した関数とすることが可能である。
また、前記検量関数の他例としては、上述した実験で得られた関数(図14の四角形のプロットで結ばれた実線)、この関数に適宜に補正した関数や、この関数を最小二乗法により直線化した関数(図14の直線状の実線)等とすることが可能である。
また、この検量関数は、数式化したものを情報処理装置50等の記憶装置に記憶して用いればよいが、他例としては、表やグラフのイメージで記憶されたものを用いることも可能である。
また、前記検量関数の他例としては、上述した実験で得られた関数(図14の四角形のプロットで結ばれた実線)、この関数に適宜に補正した関数や、この関数を最小二乗法により直線化した関数(図14の直線状の実線)等とすることが可能である。
また、この検量関数は、数式化したものを情報処理装置50等の記憶装置に記憶して用いればよいが、他例としては、表やグラフのイメージで記憶されたものを用いることも可能である。
なお、上記実施例では、特に0.01〜0.1mL/minの流量範囲においてVa‐Qの関係について良好な線形性を得るようにしたが、0.1mL/minを超える流量範囲においても、流路内径ならびに2つの温度検出部31,32間の距離等を適宜に調整することにより、精度と応答性の良い流量計測が可能であり、例えば、測定流量範囲を0.01〜10mL/minとし、燃料電池用微小流量計に適用することができる。
また、本実施例の微小流量計1では、特に好ましい態様として、流体の流通方向が略真上を向くように流路10を支持したが、他例としては、前記管体を斜め上方へ向けた態様とすることも可能である。さらに、他例としては、本実施例よりもVa‐Qの関係の線形性に劣る可能性があるが、前記管体を略水平方向や、真下向き、斜め下向き等に支持した態様とすることも可能である。
1:微小流量計
10:流路
11:測定管部(紙筒)
20:加熱管部
21:加熱器(ヒーター)
22:管体(銅管)
31:第1の温度検出部(熱電対1)
32:第2の温度検出部(熱電対2)
40:助走管部
50:情報処理装置
10:流路
11:測定管部(紙筒)
20:加熱管部
21:加熱器(ヒーター)
22:管体(銅管)
31:第1の温度検出部(熱電対1)
32:第2の温度検出部(熱電対2)
40:助走管部
50:情報処理装置
Claims (6)
- 液体である被測定流体を流通可能な管状の流路と、該流路内を流通する被測定流体を加熱するように設けられた加熱器と、該加熱器よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第1の温度検出部と、該第1の温度検出部よりも下流側で被測定流体の温度を検出する第2の温度検出部とを備え、第1の温度検出部による温度検出時から第2の温度検出部による温度検出時までの時間差に基づき被測定流体の流量を求めるようにした微小流量計において、前記加熱器よりも下流側であって前記二つの温度検出部を含む流路の管壁を、被測定流体が透過しない紙により形成したことを特徴とする微小流量計。
- 被測定流体の流通方向が略上向きになるように前記流路を支持し、
被測定流体によるポアズイユ流を崩さないように前記加熱器の加熱量を設定したことを特徴とする請求項1記載の微小流量計。 - 前記流路は、前記紙により形成されるとともに前記二つの温度検出部を内在する測定管部と、該測定管部の上流側に連続するとともに管壁に前記加熱器を有する加熱管部と、該加熱管部の上流側に連続する助走管部とを具備してなることを特徴とする請求項1又は2記載の微小流量計。
- 流速と流量との関係を示す検量関数を記憶した記憶装置を備え、第1の温度検出部による温度検出時から第2の温度検出部による温度検出時までの時間差と、第1の温度検出部から第2の温度検出部までの距離との関係により流速を求め、この流速に対応する流量を前記検量関数から求めるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の微小流量計。
- 0.01〜10mL/minの少なくとも一部の範囲を含む流量を測定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の微小流量計。
- 0.01〜0.1mL/minの少なくとも一部の範囲を含む流量を測定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の微小流量計。
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