JP2014004911A - 非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】船舶の海上における時系列データから前記船舶の動きを表現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法を提供する。
【解決手段】非線形の自己回帰モデルによる船舶1の航路保持方法において、船舶の海上における時系列データから前記船舶の動きを表現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルの回帰係数としてもつ統計モデルを作成し、最適制御理論により前記船舶の希望航路との航路偏差Ψを最小化する最適な指令舵角を得て、この指令舵角による前記船舶の制御により、前記航路偏差Ψがより少なくなるように前記船舶の位置制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法に関するものである。
船の古典的なオートパイロットの基本的な役割は、船首方位角のみを希望する針路角に保持する機能であった。しかしながら、今日では、GPSナビゲーション装置から得られる位置フィードバック信号を用いることによって、船舶の誘導システムであるトラッキング制御システムの開発が可能となり、船舶を希望する航路に追従させることを可能にした。最も簡単な方法は、希望する航路を保持すように、船舶の針路を変化させることである。多くの市販のトラッキングシステムは原理的にこのタイプの制御(下記非特許文献1参照)を行っている。しかしながら、それは操舵動作を直接考慮するものではない。それゆえ、操舵動作は多くの場合、無駄に大きな角度をとる。
船舶の運航者にとっての最近の重要な関心事は、できるだけ燃料を節約することにある。その実現のため、トラッキング制御は、風や波や流れによる船舶の舵を取ることによる抵抗を考慮したものでなければならない。その上で、ウェザールーティング技術を用いて、最適ルートを決める。このようにして、実際のナビゲーションにおいては、船は有効な操舵制御により、できるだけ正確に選択されたこの最適ルートを追従する必要がある。これは船舶トラッキングシステムの重要な役割である。Holzhuter(uはウムラウト付き)(下記非特許文献2参照)は、船舶の高精度トラッキング制御のための線形二次方程式のガウス近似(approach)(LQC)を提案した。そこでは、評価関数の中に操舵動作に適宜のペナルティーを課すことによって無駄な操舵動作を避けることができる。しかしながら、この論文の船舶モデルでは、厄介な水槽試験で流体力学的パラメータを含むモデルを同定しなければならない。Kvamら(下記非特許文献3参照)とFukudaら(下記非特許文献4参照)は、BrysonとHoの時間変化制御理論に基づき、このタイプのトラッキング制御を提案している。しかし、これらの制御は操舵動作によって導かれる横揺れ(ローリング)動作を考慮していないし、曲線ルートをトラッキングする一般的な方法を示していない。
船舶の流体力学的モデルを基にした船舶トラッキング制御については、非常に良いトラッキング制御性能を示すいくつかの研究がある。Pettersen&Nijimeijer(下記非特許文献5参照)とLefeberら(下記非特許文献6参照)は、前後方向制御力と船首揺れ制御モーメントのみを持つ海底探査潜水艇に対する完全な状態トラッキング問題を研究した。船舶動力学はいくつかの仮定を基に簡略化された流体力学的モデルによって表現されている。同じ流体力学的モデルを用いて、Jiang(下記非特許文献7参照)は、Lyapunovの直接法の助けをかりて2つの系統的トラッキング制御装置を設計した。さらに、それは、測定できない推進装置特性に対してトラッキング制御装置にうまく合わせる機能を持っている。Do&Pan(下記非特許文献8参照)は、強制的に海底探査潜水艇の位置と方向が広域的に参照航路をトラッキングするような制御装置を設計する方法論を提案し、そこでは、トラッキング制御のための船舶動作モデル、単純化した流体力学的モデルが用いられた。ただし、これらのモデルは生成された参照航路が船舶の動特性によって変動を持つことを考慮していない。Moreiraら(下記非特許文献9参照)は、経路追随制御を達成するために、PID船首方位制御装置と速度制御装置を設計した。誘導システムは、見透し線アルゴリズムに基づくウェイポイント誘導スキームを用いて設計された。タンカー船エッソ・オオサカの流体力学モデルに基づくシミュレーション結果が得られている。Doら(下記非特許文献10参照)は、いくつかの仮定の下に、海底探査潜水艇の安定性とトラッキングの問題とを同時に解決する普遍的な制御装置を提案した。Miyoshiら(下記非特許文献11参照)は、造船工学的経験式を用いてパラメータを容易に推測できる流体力学的モデルに基づくトラッキング制御の線形化最適制御装置を設計した。Du&Guo(下記非特許文献12参照)は、不確定非線形数学モデルを構築し、航路トラッキング制御に対する非線形最適化制御装置を設計した。適応型制御装置の実行可能性は2つの数値シミュレーション研究で例示された。
しかしながら、実際の船舶、特に大きな商業用海上輸送船について海上における流体力学的モデルの正確な要素を得ることは水槽試験を必要とし容易ではない。この困難を克服した、船舶の舵を取った時の船の運動に関する動力学モデルを得るために実際の船舶航行データを用いるシステム同定技術は、非常に魅力あるアプローチとなる。Ohtsuら(下記非特許文献13〜15参照)は、海上での船舶の動作を記述する多変数自動操舵モデルを提案した。海上で同定されたモデルを使って、船舶の挙動が分析され最適化制御システムが船舶針路保持システムのために設計された。Parkら(下記非特許文献16参照)は、オンライン最小化AIC(赤池情報量規準;Akaike′s Information Criterion)を用い、横揺れ減少針路保持システムとノイズ適合化システムで設計された手順に基づいて、局所定常的プロセスに対する実用的なバッチ適応同定法を提案した。Iseki&Ohtsu(下記非特許文献17参照)は、船舶の動作と船舶装備の波高計を用いて波分布を推定する逆問題的手順を提案した。Odaら(下記非特許文献18参照)は、MARモデルに基づく方位維持のための最適化制御装置を設計した。そこでは、操舵動作からのたった1つの入力で、ヨー(船首揺れ)とロール(横揺れ)動作の2つの出力を制御し得る。このようにして船舶動作と航路保持制御を記述する統計学的モデル化方法は、実際の応用に効果的で実行可能であることが実証されてきた。この文献は、予め定められた参照航路に沿ったトラッキング制御を目的として船舶動力学を同定する1つの線形な統計学的モデル化方法を提案するものである。
作用点の時間変化とその動的挙動が各作用点で線形モデルによって表されうる滑らかな動きをも示す非線形、非定常的な、RBF−ARXモデル(Radial Basis Function network−style coefficients Auto Regresive model with eXogennous variable model)とそのパラメータ最適化法(下記非特許文献19〜21参照)が、非線形性を持つ一般的なシステムを効率的に特性化するべく提案された。RBF−ARXモデルは、ガウスRBFニューラルネットワークと線形ARXモデル構造とを組み合わせた融合擬似線形時間変化モデルの一種である。オフライン同定されたRBF−ARXモデルに基づく非線形モデル予測制御(MPC)シミュレーションと実用との両者で研究(下記非特許文献20〜22参照)され、提案の非線形MPC(NMPC)の満足のゆく非線形モデル化精度と有効性と実現性が確認された。さらに、オフライン同定されたRBF−ARXモデルに基づくNMPCのいくつかの安定条件が研究された(下記非特許文献22参照)。
さらに、本発明の先行特許文献としては、(1)予め設定された短区間毎に船体運動モデル及び制御ゲインを更新しつつ、短区間よりも短い制御周期毎に針路偏差を解消し得る命令舵角を求める自動操舵装置及び方法(特開2011−42284号公報(下記特許文献1参照)、(2)設定針路に対する方位角の針路偏差を被制御変数とし舵角を操作変数とする制御型自己回帰モデルを用いる自動操舵装置(特開2008−230484号公報(下記特許文献2参照)、(3)最適制御則に基づいて最適操舵量を算出する自動操舵装置(特開2003−104291号公報(下記特許文献3参照)、(4)評価関数を用いて舵角を決定する自動操舵装置(特開2008−137545号公報(下記特許文献4参照)、(5)予め得られた航走体の運動性能に基づいて針路偏差(被制御変数)に応じた舵角(操作変数)を出力する自己回帰モデルを用いた自動操舵装置において、所定の時間間隔で針路偏差の平均値を求め、当該平均値に基づいて設定針路を修正する設定針路を修正する設定針路修正部を備える自動操縦装置(特開2009−179263号公報(下記特許文献5参照)などが挙げられる。
特開2011−042284号公報 特開2008−230484号公報 特開2003−104291号公報 特開2008−137545号公報 特開2009−179263号公報
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しかしながら、上記した特許文献1〜5は、本発明の特徴である、船舶の海上における時系列データから舵を取った時の船舶の動きを表現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルとする点や、針路のみを保つ自動操舵ではなく、船舶の位置制御を目的とする点について何ら開示していないという点で相違している。
本発明は、上記状況に鑑みて、船舶の海上における時系列データから船舶の動きを統計的に表現する動径基底関数が非線形の自己回帰モデルであり、船舶の位置制御を少ない舵角量で航路偏差(クロストラック誤差)がより少なくなるように前記船舶の位置制御を行う船舶の航路保持方法を提供することを目的とする。
具体的には、RBF−ARXモデル化法のフレームワークに従って、本発明では、まず、SISO(Single−input Single−output;単一入力単一出力)RBF−ARXモデルを、船を操舵した時の船首角偏差の動的挙動を特性付けるために構築する。船首方位動作はyaw−heel効果と呼ばれる横揺れ運動から強い影響を受けるので、横揺れ角をRBF−ARXモデルパラメータとして用いて、モデルパラメータが船舶の航海状態に合わせて変動するようにした(下記非特許文献23参照)。船舶トラッキング制御の動的モデルは、船から観測された実データを用いてオフラインで同定された。そしてモデルパラメータは非線形要素最適化法(SNPOM)(上記非特許文献19参照)によって推定される。その後、船のトラッキング挙動を表すために、船首方位偏差とトラッキング位置誤差との関係を表す状態空間モデルを構築する。そこでは、トラッキング制御のために船の将来動作が予測される。船舶状態・空間モデルに基づく予測制御装置を、予め定められた参照トラッキング経路に沿って定速で航行するように舵によって操作するシステムが設計される。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、船舶の海上における時系列データから前記船舶の動きを表現する動径基底関数を統計的モデルのパラメータとする非線形の自己回帰モデルの回帰係数としてもつ統計モデルを作成し、最適制御理論により前記船舶の希望航路との航路偏差を最小化する最適な指令舵角を得て、できるだけ少ない指令舵角による前記船舶の制御により、前記航路偏差がより少なくなるように前記船舶の位置制御を行うことを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、前記船舶の船首揺れ及び前記船舶の横揺れを考慮し、前記指令舵角に反映させることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、前記船舶の位置を得るために、前記船舶の船首の方位角、前記船舶の横揺れ角、前記船舶の舵角、前記船舶の速度のそれぞれの情報を前記船舶の船舶情報装置から取得することを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、前記船舶の実験データを用いて、前記船舶の舵角を変化させた場合のこの船舶の位置及び揺れを非線形の自己回帰モデルで表現した後、前記非線形の自己回帰モデルを状態表現モデルに変換し、トラッキング制御のための二次形式の評価関数を作成し、前記船舶の位置を計測し、前記船舶の船首の方位角、前記船舶の横揺れ角、前記船舶の舵角、前記船舶の速度の情報を前記船舶の船舶情報装置から取得し、前記横揺れ角の変化による、前記状態表現モデルの変化を考慮した前記評価関数のもとで最適制御則を計算することを特徴とする。
〔5〕上記〔4〕記載の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、(a)船舶の船首の方位角、前記船舶の横揺れ角、前記船舶の舵角、前記船舶の速度の情報を有し、(b)前記船舶のランダムな操舵信号による船首揺れ及び前記船舶の横揺れの信号を得て、(c)前記船舶の横揺れを統計的な前記船舶の動きを表現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルの回帰係数としてもつ操縦性能基本モデルを作成し、(d)船舶の希望航路と刻々と測位される前記船舶の位置との航路偏差Dyを検出し、(e)前記操縦性能に基づくモデルを線形トラッキングのための状態表現モデルに変換し、(f)前記船舶がトラッキングのための状態空間モデルによって移動することとして、適切な長さの将来の区間における各時刻予測平均モデルを作成し、(g)トラッキング運動の2次形式の評価関数を作成し、(h)前記操縦性能基本モデル及び最適制御則をコンピュータに実装し、統計的線形最適制御理論を用い、船首揺れ、希望する航路と船首方位との偏差信号、これまでの舵角、および操縦性能に及ぼす横揺れ角を基に航路偏差量、船首揺量、舵角量、舵角速度量を考慮した2次形式評価関数を最小とする次のステップに対する最適命令舵角信号を得て、前記船舶の最適制御を実行することを特徴とする。
さらに、制御モデルと制御方法について説明すると、
[A]モデル同定のための実船データの収録
以下の操縦運動モデルをつくるため、対象船を用い出来る限りランダムな操舵信号による船首揺れ(ヨーイング)、横揺れ(ローリング)など関連信号を採取する。
[B]操縦性能基本モデル
船舶の舵を取った時の船首揺れを統計的な非線形の自己回帰モデルによって表す。この自己回帰モデルは、その非線形の自己回帰係数に例えば船の操縦性能に及ぼす横揺れの現時点までの影響などを表現するため、自己回帰係数にそれらを考慮した非線形の動径基底関数を用いる。これにより、操縦性能に及ぼす非線形影響が全体として線形モデルの制御問題の範疇で扱える。
ここで、Ψn ;時刻nにおける船首方位角偏差、δn-i ;時刻n−iにおける舵角、Sn-1 ;n−1時刻における船首揺れに影響を及ぼす横揺れ、風外乱など既知の値、ξn ;雑音項、Zk ;k要素から成るネットワークの中心、λk ;ネットワーク要素への重み係数を示す。
[C]航路偏差検出方法
図1に示す希望する航路とGPSなどによって刻々と測位される自船の位置との偏差(航路偏差:cross track error)Dyを計算により検出する。また、船舶の速度Uを船の既存の自動操舵装置などによって得る。
[D]トラッキングのための状態空間モデル
下式に表すように、操縦性能基本モデルを線形最適制御理論における状態表現モデルに変換する。
ここで、Xn ;状態変数ベクトル、yn ;観測ベクトル、Dyn ;n時刻の航路偏差である。さらに Dyn −Dyn-1 =Uo Δtsin(ψn-1 )の関係を用いる(Uo Δtはサンプリング時間内の進出距離)。
[E]船舶は上記式(C)によって移動するとして、適切な長さの将来の区間における各時刻予測平均モデルを作る。
[F]トラッキング運動の2次形式の評価関数を作る。その際、舵を取る速度を制限するため、直前の時刻の舵角との差(舵を取る速度)への制限を加える。
[G]以上の用意のもと、操縦性能モデルおよび最適制御則を計算機に実装し、統計的線形最適制御理論を用い、船首揺れ、GPS等による位置信号から計算するクロストラック誤差信号、これまでの舵角、および操縦性能に及ぼす横揺れ角等をもとに次のステップに対する最適命令信号を計算し、次々と制御を行う。
なお、航路とは、GPS(全地球衛星測位装置)などによって与えられた地球上のある地点からある地点を結ぶ線のことであり、通常船長が指示する。
動径基底関数とは、上記式(A)の係数aおよびbの値が原点から距離のみに依存する実数値関数であり、本発明では船の横揺れ等が操縦性能に与える非線形な影響をこれで表現する。
また、円弧状の航路のように曲線航路を追従させる場合は、現時刻ではなく、適切な長さの将来の船の位置を予測し、その点と希望航路との航路偏差を最小とする評価関数を用いる。
なお、評価関数内の重みは設計時シミュレーション等を行い出来る限り舵を取らないような係数を選択し、適切に決定する。
本発明によれば、船舶の航路保持方法において、最適制御理論により前記船舶の希望航路との航路偏差を最小化する最適な指令舵角を得て、この指令舵角による前記船舶の制御により、前記航路偏差がより少なくなるように前記船舶の位置制御を行うことができる。これにより、直線航路と曲線航路で一体的に横揺れ角と偏差に対応した制御を行うことができ、船舶に無駄に大きな舵角をとらせることなく、省燃料で航行することができる。
船舶の希望航路、航路偏差、船首方位角偏差を示す模式図である。 本発明の実施例を示す非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持システムのブロック図である。 本発明の実施例を示す地球固定座標XOY及びその追従航路を示す図である。 本発明の実船実験において用いる相対座標システムX′OY′(OB=L,BR=R)を示す図である。 本発明の実船実験において用いるポイント0からポイントBへの直線トラッキングにおける希望航路の設計を示す図である。 本発明の実船実験において用いるポイントBからポイントCへの曲線トラッキング線分における希望航路の設計を示す図である。 本発明の実船実験において用いる第2の直線トラッキング線分における希望航路の設計を示す図である。 本発明の実船実験において用いる曲線トラッキング線分における1ステップ先の予測を示す図である。 実験船汐路丸を示す図面代用写真である。 実験船汐路丸からの観察データを示す図であり、ここで、図10(a)は船首方位角偏差Ψ(°)、図10(b)は舵角δ(°)、図10(c)は横揺れ角S(°)である。 船首方位角偏差の実際の値及び1ステップ先の予測出力、モデリング残差、及び推定されたRBF−ARXモデル(1)からのヒストグラムを示す図、図11(a)は船首方位角偏差Ψ(°)、図11(b)はモデリング残差、図11(c)は残差ヒストグラムを示す図である。 ローリング角の変位に合わせて変化する推定されたRBF−ARXモデル(1)の極位置(ポール)を示す図である。 初期位置誤差が30m;制御装置における評価関数における重み係数はQ2 =200,r1 =120,r2 =160,−15≦δ≦15、−3≦Δδ≦3で、定速度10.7ノットで直線に沿ったトラッキング制御シミュレーション航行における航路偏差、船首方位角偏差及び舵角を示す図であり、図13(a)は航路偏差Dy、図13(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図13(c)は舵角δ(°)、図13(d)は横揺れ角s(°)を示す図である。 第1にx軸負方向直線に沿って定速度11.7ノットで600m前進航行し、次いで半径600mの1/2円弧に沿って航行し、最後にx軸正方向垂直ラインに沿って航行するトラッキング制御シミュレーションにおける船舶位置を示す図である。ここで、制御装置における評価関数における重み係数は、Q2 =400,r1 =120,r2 =160,−15≦δ≦15,−3≦Δδ≦3である。 トラッキングシミュレーションを示す図であり、定速度11.7ノットで図14に示される追従航路に沿って前進航行のトラッキングシミュレーションを示す図であり、図15(a)は航路偏差Dy(m)、図15(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図15(c)は舵角δ(°)、図15(d)は横揺れ角s(°)を示す。 トラッキング制御シミュレーションで用いられたローリング角信号及びプロセスノイズを示す図であり、図16(a)は横揺れ角、図16(b)はプロセスノイズを示す図である。 直線に沿った一定速度9.8ノットでの前進航行におけるリアルタイムトラッキング制御での航路偏差、船首方位角偏差及び舵角を示す図であり、図17(a)は航路偏差Dy(m)、図17(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図17(c)は舵角δ(°)、図17(d)は横揺れ角s(°)を示す。ここで、制御装置における評価関数における重み係数はQ2 =550,r1 =600,r2 =500,−5≦δ≦5、−2.5≦Δδ≦2.5である。 直線に沿った一定速度10.6ノットでの前進航行におけるリアルタイムトラッキング制御での航路偏差、船首方位角偏差及び舵角を示す図であり、図18(a)は航路偏差Dy(m)、図18(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図18(c)は舵角δ(°)、図18(d)は横揺れ角s(°)を示す。ここで、制御装置における評価関数における重み係数はQ2 =600,r1 =550,r2 =1000,−10≦δ≦10、−3≦Δδ≦3である。 直線に沿った一定速度10.7ノットでの前進航行におけるリアルタイムトラッキング制御での航路偏差、船首方位角偏差及び舵角を示す図であり、図19(a)は航路偏差Dy(m)、図19(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図19(c)は舵角δ(°)、図19(d)は横揺れ角s(°)を示す。ここで、制御装置における評価関数における重み係数はQ2 =600,r1 =550,r2 =5000,−10≦δ≦10、−3≦Δδ≦3である。 直線に沿った一定速度10.7ノットでの航行のトラッキング制御における航路偏差、船首方位角偏差及び舵角を示す図であり、波線はそのシミュレーション結果を示しており、図20(a)は航路偏差Dy(m)、図20(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図20(c)は舵角δ(°)、図20(d)は横揺れ角s(°)を示す。ここで、初期位置誤差は30m、制御装置における評価関数における重み係数はQ2 =600,r1 =550,r2 =5000であった。また、実線はそのリアルタイムトラッキング制御結果を示している。 直線に沿った一定速度10.0ノットでの前進航行におけるリアルタイムトラッキング制御での航路偏差、船首方位角偏差及び舵角を示す図であり、図21(a)は航路偏差Dy(m)、図21(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図21(c)は舵角δ(°)、図21(d)は横揺れ角s(°)を示す。ここで、制御装置における評価関数における重み係数はQ2 =550,r1 =600,r2 =500,−5≦δ≦5、−2.5≦Δδ≦2.5である。 30°円軌道追従回転テストでの船舶航路を示す図であり、その半径は500m、Q2 =600,r1 =550,r2 =1000である。なお、点線は追従航路、実線はリアルタイムトラッキング制御航路を示す。 30°円軌道追従回転テストでのリアルタイム制御結果を示す図であり、図23(a)は航路偏差Dy(m)、図23(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図23(c)は舵角δ(°)、図23(d)は横揺れ角s(°)を示す。ここで、−15≦δ≦15、−3°/sec≦Δδ≦3°/secである。 180°円軌道追従回転テストでの船舶航路を示す図であり、その半径は600m、Q2 =600,r1 =550,r2 =1000である。なお、点線は追従航路、実線はリアルタイムトラッキング制御航路を示す。 180°円軌道追従回転テストでのリアルタイム制御結果を示す図であり、図25(a)は航路偏差Dy(m)、図25(b)は船首方位角偏差Ψ(°)、図25(c)は舵角δ(°)、図25(d)は横揺れ角s(°)を示す。ここで、−10≦δ≦10、−3°/sec≦Δδ≦3°/secである。 本発明にかかる最適操舵記録を示す図であり、図26(a)は船首角偏差角、図26(b)は舵角、図26(c)は横揺れ角を示している。 従来のオートパイロットによる操舵記録を示す図であり、図27(a)は船首角偏差角、図27(b)は舵角、図27(c)は横揺れ角を示している。
本発明の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法は、船舶の海上における時系列データから前記船舶の動きを表現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルの回帰係数としてもつ統計モデルを作成し、最適制御理論により前記船舶の希望航路との航路偏差を最小化する最適な指令舵角を得て、この指令舵角による前記船舶の制御により、前記航路偏差がより少なくなるように前記船舶の位置制御を行う。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
従来の船舶の航路追従システムはECDIS(電子海図)に見られるように船首の針路を適切に与えることによって実現してきた。これに対して本発明は、航路偏差、横揺れ、船首角偏差等を考慮し、舵に直接指令舵角を与える新しい方式による最適航路追従方法である。この方法では実際の船舶の海上における時系列データから船舶の動きを実現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルの回帰係数としてもつ新たな統計モデルを作成し、航路偏差、船首角偏差、舵角量、舵角速度を考慮する評価関数の下で最適制御理論により最適な指令舵角を計算する。このことにより、少ない舵角で希望する航路からの偏差を出来る限り少なくするシステムの設計が可能であり、省エネルギー効果を期待できる。この動径基底関数による自己回帰モデル実現法は船舶の非線形性に対応できる柔軟なモデルであることから、このようなトラッキングシステムの他に針路保持システム(オートパイロット)や船舶の主機関のガバナ制御にも応用が可能である。東京海洋大学練習船汐路丸による実船試験により本システムは極めて有効であることが既に実証されている。
本発明の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法の構成の概要は以下のようである。
A:まず、実船実験データを用いて、船舶の舵を取った場合の船舶の位置及び揺れを非線形の自己回帰モデルで表現する(操縦性能基本モデル)。ここで動径基底関数を用いることで、状態空間モデルに変換することが可能となりモデル推定後は線形最小二乗制御の範疇で扱えるようになる。
B:次に、トラッキング制御のための二次形式の評価関数を作る。その際、航路偏差量、船首角偏差量、舵角量の他、舵の動きを制御するため直前の時刻の舵角との差(舵を取る速度)へも制限を加える。
C:GPS等で自船の位置を計測し、方位角、横揺れ角、舵角、速度などの情報を自船の船舶情報システムから取得する。
D:次に、横揺れ角の変化により、上記Aの状態表現モデルの変化も考慮した、評価関数(不変)の下で、最適制御則を計算する。
なお、本発明の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法は、回帰モデルの係数にニューラルネットワークで用いる係数を用いているが、これを学習するのではなく、前もって実験から同定を行って係数を確定した後、そのモデルを使って最適予測制御を行うものであり、ニューラルネットワーク制御とは異なる。
従来は航路偏差Dyを最小にするために針路を与えており、どのように舵を切っても良いものであったが、本発明では将来船舶がこのような位置に来るはずだという統計モデルを作成し、これを考慮して航路偏差Dyを最小にできるような最小の舵角を指示するという予測型最適操舵制御を行う。
以下、本発明のモデル化と制御方法について詳細に説明する。
〈トラッキング制御のための船舶動作モデル〉
図1は船舶の希望航路、位置誤差、船首方位角偏差を示す模式図であり、図2は本発明の実施例を示す非線形自己回帰モデルによる船舶の航路保持システムのブロック図である。
図1において、1は船舶、2は希望航路、Dyは航路偏差、Ψは船首方位角偏差である。
図2において、3は船舶測位装置(自船の位置を測位するGPSなど)、4は船舶の舵角検出装置、5は船舶のヨーイング検出装置(船首揺れ検出装置)、6は船舶のローリング角検出装置(船舶の揺れ検出装置)、7はその他の外乱検出装置(波高検出装置,風速検出装置など)、8は船舶の速度検出装置、10はコンピュータ、11は中央処理装置(CPU)、12は記憶装置、13は入力インターフェース、14は出力インターフェース、15は操舵制御装置、20は船舶情報記憶部、21は希望航路データ記憶部、22は航路偏差Dyデータ記憶部、23は船首偏差Ψ記憶部、24は舵角δデータ記憶部、25はその他の外乱記憶部、30は船舶状態・空間モデルに基づく予測制御装置、31は操縦性能基本モデル記憶部、32は状態表現モデル記憶部、33は各時刻予測平均モデル記憶部、34は評価関数記憶部、35は統計的線形最適則記憶部である。
本発明の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法について説明する。
まず、通常非線形でありその正確な物理モデルを得るのに困難とされる、yaw−heel効果を考慮して船首方位角偏差と舵角の動的挙動のモデル化を行う。以下の式(1)で示されるSISO RBF−ARXモデル(Single−input Single−output Radial Basis Function network−style coefficients Auto Regresive model with eXogennous variable model)は1非線形動的挙動を表現するように構築されている。
ここで、Ψn は、時刻nにおける船首方位角偏差(°)、δn は舵角(°)、Sn は横揺れ角(°)、ξn はモデルと独立なガウス白色ノイズとして通常みなされるノイズを示す。ai とbi はARX構造型モデル(1)のガウスRBF−ネット型非線型時間変化要素である。Zk はRBFネットワークの中心であり、λk はスケーリング因子で、M,L,m,nw はモデル次数である。
このRBF−ARXモデル式(1)は、グローバルモデルとして構築され、リアルタイム制御中のオンライン要素推定の失敗で引き起こされる可能性のある問題を避けるように観測データからオフラインに推定される。式(1)から、モデルの局所線形化が式(1)の時刻n−1でのSn-1 を固定することによる各作用点での線形ARXとなることが容易に分かる。
RBF−ARXにおけるパラメータの作用点依存性の関数近似による表現は、状態の局所的変動と同じく、各作用点での動特性パラメータの変化のモデル化に有効である。すなわち、このRBF−ARXモデルは、非線形動力学表現における状態依存ARXモデルと関数近似におけるRBFネットワークのメリットを併せ持つ。一般的に、このモデルは複雑性を自己回帰の過去の値に埋め込むので(上記非特許文献19−21参照)、このモデルは単純なRBFニューラルネットワーク理論で用いられる単純な基底関数ネットワークモデルと比較して、多くのRBF中心を必要としない。このRBF−ARXモデル〔式(1)〕は、構造型非線形要素最適化法(SNPOM:Structured nonlinear parameter optimization method)(上記非特許文献19参照)によってオフラインで推定され得る。
図1から、サンプル期間内の船首方位角偏差と航路偏差Dyの増加との関係を示す以下の式(2)が導かれる。
Dyn −Dyn-1 =U0 Δt sin(Ψn-1 ) …(2)
ここで、Dyn はサンプル時刻nでの航路偏差〔m〕であり、U0 は航海速度(m/s)、Δtは設計されたトラッキング制御システムのサンプル期間(s)である。
RBF−ARXモデル式(1)と式(2)から、状態変数xn と出力変数yn は式(3)と定義される。
それによって、トラッキング動作を特性付ける状態・空間モデルを次の式(4)のように得られる。
ここで、式(4)でのマトリックスとベクトルは以下に与えられる。
RBF−ARXモデル〔上記式(1)〕を同定後、トラッキング誤差の動的モデル式(4)の状態・空間表現を構築する。モデル式(4)は、線形近似の代わりに正確な幾何学的非線形式(6)を導入しているので、船首方位角偏差の変動範囲が大きくてもトラッキング誤差の動的挙動を表すために用いることができる。
<船舶の航路トラッキングのための予測制御装置の設計>
トラッキング誤差モデル式(4)に基づいて、トラッキング制御を装着した予測制御装置を設計し得る。まず、次の信号のベクトルが式(9)で定義される。
ここで、Nは予測区間であり、Nu(Nu≦N)は制御信号が変動を持たない、例えばδn+j =δn+Nu -1 (j≧Nu )である時間である。{δn+j-1 |j=1,2,…,Nu }が、時刻nでのモデル式(4)に基づいて、Ft −計測可能であると仮定すると、最適予測区間であるjステップ(j=1,2,…,Nu )の状態と出力は次のように得られる。
ここで、E(X)は、Xの統計的期待値を示し、式(10)における次のシステムマトリックスが導かれる。
式(10)から、出力統計的期待値が、次の式で記述されうる。
ここで、
制御入力シーケンスの差ΔU(n)と出力シーケンスYr (n)ベクトルを次のように定義する。
ここで、Δδn =δn −δn-1 である。これらの定義に基づき次の最適化問題を考察する。
は、正定対角重み行列である。評価関数においては制御レベルと制御動作の両方の動きに対してペナルティを課される。ここでは、シミュレーション研究とリアルタイム実験を用い、評価関数の重みは、Q1 =1と置き、他の変数への重みは誤差の許容偏差の逆数を用いることで決めた(上記非特許文献24,25参照)
式(20)に式(16)を代入し、定数項を除去すると、最適化問題式(20)が、以下の二次式に集約される。
ここで、
U(n)=U0 (n−1)+FΔU(n) …(22)
0 (n−1)={δn-1 δn-1 …δn-1 T …(23)
上記式(21)のオンライン最適化問題は、2次計画法(QP)によって解かれ得る。最適制御系U(n)への解では、得られたベクトルu(n)の最初の要素δn のみが、制御出力、すなわち操舵コマンドとして用いられる。このRBF−ARXモデルに基づく予測制御法では、オンラインのモデルパラメータの推定は要求しない。なぜならば、グローバルモデルである内部モデルは、オフラインであらかじめ推定されるからである。
<追従航路と希望航路設計>
本発明では、基本的に、船舶の位置、船首方位角偏差及びトラッキング誤差を計算するために地球固定座標(earth−fixed coordinate)を用いている。トラッキング制御のための追従航路は、3つの部分(parts)、すなわち、2つの行程(legs)(直線)とその間の1つの円弧BCの円に分けられる(図3参照)。ここで、半径はBR(またはRC)である。
座標XOYは、実行される点Oからの地球固定north−up座標軸である。まず、船は、点Oから点Bまで直線で航行し、次に点Cまで円弧航路を航行し、その後もう一つの直線航路を航行する。∠BRCは回転角である。
図1で示す航路偏差Dyと船首方位角偏差Ψを得るために、まず、船のGPS信号(緯度、経度)を次の式(25)を用いてXOY軸上の初期点Oからの座標値(x,y)に変換する。
ここで、Lat0 とLon0 は、実行初期点O(26)のGPS信号である。実際の実験では、船の位置の正確度を増すため前フィルターとしてナビゲーションカルマンフィルターを用いてGPS信号をフィルタリングしている。
それから座標値(x,y)をX′OY′座標軸(図4参照)における座標値である(x′,y′)に、次の式(26)を用いて変換する。
結局、関連座標系X′OY′において、希望航路設計は次の3つのケースに分けられる。
(i)ケース1(直線トラッキング)
図5において、船点Oから点BにX′軸に沿って直線で航行する。点A(x′,y′)は船の現在位置である。αは望ましい方位角であり、θは現船首方位角である。この直線トラッキング線分において次の関係が成立することは明らかである。
(ii)ケース2(曲線トラッキング)
点Bに到着後、船は半径がBRである円弧に沿って点Cに移動する(図6参照)。点O,B,Rの座標系X′OY′での座標値は、OB=L,BR=Rであるという仮定の下、図6に示される。曲線トラッキング線分では、次の希望針路は船の位置の変動とともに常に一定に変化している。例えば、もし点Aが船の現在位置でθが現船首方位角であれば、現在の希望航路はα+γとして選ばれる。
それゆえ、
ここで、
(iii)ケース3(再度の直線トラッキング)
曲線トラッキング線分が終わった後、船はもう一つの直線航路を航行する(図7参照)ここで、希望航路はα+γである。
図7より点(x′,y′)は、∠BRCは回転角で、θが現船首方位角であるとしての船の現在位置である。それゆえ、船首方位角偏差は、以下の(30)である。
Ψ=θ′−γ, Ψ∈(−180°,180°) ・・・(30)
ここで、θ′=θ−αであり、γ=∠BRCである。
座標系X′OY′での点Cの座標値は、以下の式(31)である。
航路偏差Dyを得るために、式(26)でなされたように、座標系X′OY′をγ度回転する必要がある。したがって、新しい相対座標系での点Cと点Aの座標は、式(32)となる。
これから、第二の直線トラッキング線分では、航路偏差は、式(33)となる。
Dy=y″−y″c・ ・・・(33)
最後に、1ステップ先の予測制御法が、点Bと点Cの周りの大きな行き過ぎを抑制するために設計される(図8参照)。
式(34)では、Vは船の航海速度(m/s)であり、Δtはサンプリング期間、kはオンラインで調整されうるステップ数である。次のシミュレーション研究とリアルタイム制御実験から、kは7として選ばれる。もしより小さいkの値が用いられた場合、船が曲線トラッキング線分の左側にある場合に航路偏差を十分に相殺することができない。もしより大きなkの値が設定されたら、より大きな変動が船が曲線の右側にある場合に生じうる。
<シミュレーション研究>
このシミュレーション研究及び実船実験に用いた船舶は、東京海洋大学練習船「汐路丸」である。図9にその「汐路丸」の図面代用写真を示す。
また、表1においてXRは船中心位置からの操舵範囲であり、Dpはプロペラ径である。Cbは船の肥大性を示すブロック係数である。L/Bは船の長さ/幅の比である。
まず、SNPOM(上記非特許文献19参照)を適用する際のRBF−ARXモデルを推定するために船からの一連の観測データを用いた。それから、状態・空間モデル〔上記式(4)〕を構築した。その後、最適化問題〔上記式(21)〕を解くことによって得られる予測制御出力を用いて、トラッキング制御を行った。
1秒間隔のサンプリングでの観測データは、図10に示されている。なお、モデル化残差の標準偏差は、0.1621°である。船首方位信号と舵信号は船のオートパイロットからサンプリングされた。横揺れ角信号は高精度光ファイバージャイロからサンプリングされた。図10から、航行中の全体的な動的情報を含むデータを得るために、よく訓練された船員が、危険が及ばない限り、ランダムに舵を操作していたことが分かる。モデル化結果は図11及び図12に表現されている。ここでは、同定されたモデル〔上記式(1)〕の次数は、M=11,L=7,m=1,nw =3である。図12は、図10で示されるロール角信号の変動を変換した推定モデル〔上記式(1)〕の極位置(pole)をプロットしており、そこからモデルの動的挙動は船の状態と共に変化していることが分かる。したがって、異なる作用ポイントで船の局所線形化動力学を示すために、本モデルを用いることが有効であることが分かる。
船に対するトラッキング制御のシミュレーション結果は、図13−図15に示されている。ここで制御システムは推定モデル〔上記式(1)〕であり、N=27,Nu =15である。
図16で示されるノイズ過程とその標準偏差は、図11でのモデル化残差の偏差と同じであり、そのノイズシリーズが制御システムに加えられている。なお、プロセスノイズの標準偏差は0.1621°であり、これは同定されたモデル〔上記式(1)〕のモデル化残差の標準偏差と同じである。そして実際の状態をシミュレーションするために図16で生じているように横揺れ角が時間と共に変動するようにセットされている。
図13は、定速で航行中初期位置が大きくずれていた状態から、希望する直線航路に戻る際の性能を示している。図14と図15は予めセットされた推奨トラック(図14)に沿ったトラッキング性能(図15)を示している。直線トラッキングと曲線トラッキングでの動的プロセスと安定プロセスは、迅速な応答、僅かな行き過ぎと僅かなトラッキング誤差となっており、非常に良い結果を示している。特に回転点B,Cでは、1ステップ先の予測法(図8参照)を用いているので大きな変動が生じていない。曲線トラッキング線分では、希望航路として7ステップ先の希望船首方位角を用いているので、航路偏差Dyは効果的に減少した。図13−図15から、提案するアプローチが直線トラッキングゴールと曲線トラッキングゴールの両者とも良好に達成できることがわかった。
<リアルタイムトラッキング制御結果>
RBF−ARXモデルと本発明のシミュレーション研究と以下のリアルタイム制御で用いられた制御装置設計及び追従航路設計方法は全く同一である。<シミュレーション研究>の項で示したシミュレーション解析では、汐路丸でサンプリングされた船の横揺れ角は、モデルのパラメータを船の航行状態で変化させるRBF−ARXモデルに用いられる一連のデータである。それゆえ、シミュレーション研究での船の舵動作には左右されない。しかしながら、リアルタイム制御では、ロール角度は海の条件の影響を受けるだけでなく、舵の運動に直接的、連続的に影響される。大きな横揺れ動作は常に危険であり、避けられるべきである。そのため、リアルタイム制御実験では、舵動作を制御する制御因子を再調整しなければならなかった。
実験は、東京湾で実施した。その時の海の条件は、穏やかで微風(風力2)であった。以下の図において、横揺れ角は船の状態依存変数として用いられている。図17−図21は異なる制御要素と異なる初期条件下での汐路丸の直線トラッキングでのリアルタイム制御結果である。ここでは、提案する方法が船に適用される前に、図17の74秒目までの航行保持制御装置によって操舵され、目標航路は210°にセットされていた。図から提案するトラッキング制御法(74秒目がシフトポイント)に制御モードを移行した後、制御モードの変更により漸次増加した航路偏差Dyを低減するように制御装置が迅速に応答し、約200秒で船が安定した状態に保たれたことがわかる。
図18は、別の目標航路に対するリアルタイム直線トラッキング制御結果を示す。ここでは、目標航路は10°であり、別の一連の制御システムパラメータが用いられた。初期の大きな舵変化は、目標航路の変更により起こったものである。図17,図18から制御装置の挙動は制御パラメータと初期条件下が異なる直線トラッキング制御の場合でも非常に良いことが分かった。トラッキングのモードチェンジあるいは目標航路変更後のトラッキング過程での航路偏差は、図17,図18に示されるように、±2m内に制御できた。船の幅が10mであることから(表1参照)、本発明のアプローチで適用される航路偏差の目標値は0.5B(Bは船の幅)としたが、本実験はそれ以内で制御された。この結果は、他の論文、例えば非特許文献2や非特許文献4と比較して最良の性能を達成した。なお、実験当日の海の状態は、風力階級2〜3の状態であった。
図18と図20は動力学過程における制御性能をより明確に示している。大きな初期トラッキング誤差の除去能力の効果をみるために、船は50秒から100秒目までに操舵手によって、初期航路偏差をなすように制御された。100秒目から制御モデルが手動制御からRBF−ARXモデルに基づく予測制御装置による自動制御モードにされた。制御装置が図19に示す航路偏差Dyの大きなずれを戻すべく早い応答をすることが分かった。大きな初期航路偏差Dyの修復能に対するシミュレーションとリアルタイム結果を比較するために、図19に示すシミュレーションを行った。ここでは、図19でのリアルタイム制御と同じ制御装置要素を用いている。2つの図における動的挙動は非常に類似していることが分かる。言い換えると、図20は本発明で提案するRBF−ARXモデル化と制御方法の有効性を示している。
図21では、300秒目から400秒目に航路偏差Dyの大きな振幅があるが、これは海流方向の変化によって引き起こされている。図21から本発明の制御方法は、大きな乱れ(擾乱)の影響下でも優れた制御性能を示すことが分かる。
図22−図25に示される曲線トラッキング実験では、円弧に沿って30°と180°回転させるトラッキング実験を行った。実験船の長さは46mであるので、2つの回転半径としてはそれぞれ500mと600mを選択した。(船の長さの約10倍)。希望航路設計方法は上記<追従航路と希望航路設計>の項で示されている。希望航路とリアルタイムトラッキング制御結果を図22−図25に示した。ここでも非常に良い曲線トラッキング制御性能を示している。
図24,図25の180°円形トラッキング中間過程では、船は180°回転後、逆の方向に航行したので、この円弧航路追従では、これに対応して海の条件が徐々に船の動作に対して反対の影響を及ぼす。このことが図25での約200秒後に大きなロール動作が起こっている理由であると考えられる。このような特別なケースでさえ、本発明の制御方法は、RBF−ARXモデルの要素が、船の状態に合わせてオンラインに修正されるので、非常に良好な曲線トラッキング制御性能を達成している。
上記したように、本発明によるRBF−ARXモデルは、船首方位角偏差、トラッキング誤差、舵角間の非線形の横揺れ依存な動的相関を正確に表現できた。汐路丸でのシミュレーション解析及びリアルタイム実験によって、本発明のRBF−ARXモデルにより設計された予測制御システムは、直線トラッキング実験と曲線トラッキング問題の両者で優れた性能を示した。航路偏差Dyのより良い制御性能を得るため、さらに評価関数内の重み係数(Q1 ,Q2 ,r1 ,r2 )並びに<追従航路と希望航路設計>の項で示した希望航路設計で用いた多段予測のステップ数をリアルタイム制御結果と比較して選ぶために更なるリアルタイム実験が必要である。このRBF−ARXモデルでは、横揺れ角はモデル要素を船の動きと共に変化させる指標として用いられた。しかしながら、船首角偏差角、および/またはピッチング角のような他の船の状態変数も船の動作の非線形性をより効果的に反映するための指標に加えることができる。
最後に、汐路丸での本発明による最適操舵記録と従来のオートパイロットによる操舵記録を図26と図27に示す。
図26(a)は本発明の最適操舵記録における船首角偏差角、図26(b)はその舵角、図26(c)はその横揺れ角の変化を示している。一方、図27(a)は従来のオートパイロットによる操舵記録による船首角変位角、図27(b)はその舵角、図27(c)はその横揺れ角の変化を示している。これらの結果より本発明の方がより円滑で無駄のない最適操舵結果を示していることがわかる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の船舶の海上における時系列データから前記船舶の動きを表現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルとする船舶の航路保持方法は、直線と円弧の曲率の組み合わせでできる種々の形状の航路を航行する船舶の航路保持方法及びそのシステムとして利用可能である。
1 船舶
2 希望航路
3 船舶測位装置(自船の位置を測位するGPSなど)
4 船舶の舵角の検出装置
5 船舶のヨーイング検出装置(船首揺れ検出装置)
6 船舶のローリング角検出装置(船舶の揺れ検出装置)
7 その他の外乱検出装置
8 船舶の速度検出装置
10 コンピュータ
11 中央処理装置(CPU)
12 記憶装置
13 入力インターフェース
14 出力インターフェース
15 操舵制御装置
20 船舶情報記憶部
21 希望航路データ記憶部
22 航路偏差Dyデータ記憶部
23 船首偏差記憶部
24 舵角データ記憶部
25 その他の外乱記憶部
30 船舶状態・空間モデルに基づく予測制御装置
31 操縦性能基本モデル記憶部
32 状態表現モデル記憶部
33 各時刻予測平均モデル記憶部
34 評価関数記憶部
35 統計的線形最適則記憶部

Claims (5)

  1. 船舶の海上における時系列データから前記船舶の動きを表現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルの回帰係数としてもつ統計モデルを作成し、トラッキング制御成績を表す航路偏差量、船首角偏差量、舵角量、舵角変化量を評価する2次形式評価関数を最小化する最適な指令舵角を得て、前記船舶の希望航路との航路偏差を最小化する最適制御理論により、該指令舵角による前記船舶の制御により、最小の舵角と舵角変化量で前記航路偏差がより少なくなるように前記船舶の位置制御を行うことを特徴とする非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法。
  2. 請求項1記載の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、前記船舶の船首揺れ及び前記船舶の横揺れを考慮し、前記指令舵角に反映させることを特徴とする非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法。
  3. 請求項1記載の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、前記船舶の位置を得るために、前記船舶の船首の方位角、前記船舶の横揺れ角、前記船舶の舵角、前記船舶の速度のそれぞれの情報を前記船舶の船舶情報装置から取得することを特徴とする非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法。
  4. 請求項1、2又は3記載の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、前記船舶の実験データを用いて、前記船舶の舵角を変化させた場合の前記船舶の位置及び揺れを非線形の自己回帰モデルで表現した後、前記非線形の自己回帰モデルを状態表現モデルに変換し、トラッキング制御のための二次形式の評──数を作成し、前記船舶の位置を計測し、前記船舶の船首の方位角、前記船舶の横揺れ角、前記船舶の舵角、前記船舶の速度の情報を前記船舶の船舶情報装置から取得し、前記横揺れ角の変化により、前記状態表現モデルの変化を考慮した前記評価関数のもとで最適制御則を計算することを特徴とする非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法。
  5. 請求項4記載の非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法において、(a)船舶の船首の方位角、前記船舶の横揺れ角、前記船舶の舵角、前記船舶の速度の情報を有し、(b)前記船舶のランダムな操舵信号による船首揺れ及び前記船舶の横揺れの信号を得て、(c)前記船舶の横揺れを統計的な前記船舶の動きを表現する動径基底関数を非線形の自己回帰モデルの回帰係数としてもつ操縦性能基本モデルを作成し、(d)船舶の希望航路と刻々と測位される前記船舶の位置との航路偏差Dyを検出し、(e)前記操縦性能に基づくモデルを線形トラッキングのための状態表現モデルに変換し、(f)前記船舶がトラッキングのための状態空間モデルによって移動することとして、適切な長さの将来の区間における各時刻予測平均モデルを作成し、(g)トラッキング運動の2次形式の評価関数を作成し、(h)前記操縦性能基本モデル及び最適制御則をコンピュータに実装し、統計的線形最適制御理論を用い、船首揺れ、希望する航路と船首方位との偏差信号、これまでの舵角、および操縦性能に及ぼす横揺れ角を基に次のステップに対する最適命令舵角信号を得て、前記船舶の最適制御を実行することを特徴とする非線形の自己回帰モデルによる船舶の航路保持方法。
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