<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿55aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は操作ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37及び普図ユニット38等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合又は第2作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ないものの具体的な賞球個数が上記ものとは異なる構成としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
ここで、第1作動口33及び第2作動口34に対しては、両作動口33,34に対して共通となる一の作動口入賞検知センサが設けられており、第1作動口33に入球した遊技球は当該作動口入賞検知センサにより検知されるとともに、第2作動口34に入球した遊技球も当該作動口入賞検知センサにより検知される。
図4を参照しながら、両作動口33,34に共通して設けられた作動口入賞検知センサ45にて遊技球を検知するための構成について説明する。図4は作動口用回収通路46及び作動口入賞検知センサ45を説明するための作動口用回収通路46の縦断面図である。
作動口用回収通路46には、遊技球が通過可能な通路領域46aが形成されている。通路領域46aは、縦方向に延びている。通路領域46aは、1個の遊技球の通過は可能とするが、同一の位置を複数の遊技球が並んだ状態で通過することがないように、その通路幅が設定されている。
作動口入賞検知センサ45は、通路領域46aの途中位置に設けられており、通路領域46aを通過する遊技球を検知する。作動口入賞検知センサ45は、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、遊技球の通過を検知するための検知部45aを備えている。検知部45aには、通過部又は検知領域として、作動口入賞検知センサ45の厚み方向に貫通した貫通孔45bが形成されている。貫通孔45bは、貫通方向に対して直交する方向の断面が円形状となるように形成されている。また、貫通孔45bは、その全体に亘って同一方向に延びるように形成されているとともに、その全体に亘って孔の直径が同一又は略同一となっている。孔の直径は、遊技球の直径11.0mmよりも若干大きい11.5mmとなっている。作動口入賞検知センサ45は、通路領域46aの軸線に対して貫通孔45bの軸線が同一直線上となるように設置されている。これにより、通路領域46aを落下する遊技球が貫通孔45bを通過することとなる。
作動口入賞検知センサ45は、貫通孔45bを遊技球が通過することにより信号形態が変化する検知信号SG1を出力する。詳細には、検知部45aには、貫通孔45bの外周側に沿うようにして図示しない検出コイルが内蔵されており、さらには作動口入賞検知センサ45には検出コイルを一部とする発振回路、検波回路、コンパレータ回路及び出力回路を有する図示しないセンサ基板が内蔵されている。これにより、貫通孔45b内に遊技球が存在している場合には、検出コイルを磁束が貫き、発振が停止する。
作動口入賞検知センサ45は、上記発振の停止に基づき検知信号SG1の信号形態を変化させる。詳細には、作動口入賞検知センサ45は、貫通孔45b内に遊技球が存在していない状況(発振している状況)では検知信号SG1として非検知対応信号であるLOW信号を出力する。そして、作動口入賞検知センサ45は、貫通孔45b内に遊技球が存在している状況(発振が停止している状況)では検知信号SG1として検知対応信号であるHI信号を出力する。つまり、遊技球が貫通孔45bを通過することにより、検知信号SG1が立ち上がる。当該立ち上がりを把握することにより、遊技球の入賞を検知することが可能となる。
なお、貫通孔45b内に遊技球が存在していない状況では非検知対応信号であるHI信号を出力し、貫通孔45b内に遊技球が存在している状況では検知対応信号であるLOW信号を出力する構成としてもよい。また、検知信号SG1の立ち下がりを把握することにより、遊技球の入賞を検知する構成としてもよい。
図3の説明に戻り、第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には特図表示部37aが設けられている。特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭い。特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、特図表示部37aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部37aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット37において、特図表示部37aに隣接した位置には、特図保留表示部37bが設けられている。遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部37bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置41では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する後述の開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図6は図柄表示装置41の表示面41aを示す図である。
図5(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面41aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図6(b)に示すように、表示面41aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面41aには、図6(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて表示面41aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する最有利大当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の奇数図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する低確大当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが形成される。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
図3の説明に戻り、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
図2に示すように、上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル52を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部51の上方には表示発光部53が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部54が設けられている。また、窓部51の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部55と下側膨出部56とが上下に並設されている。上側膨出部55内側には上方に開口した上皿55aが設けられており、下側膨出部56内側には同じく上方に開口した下皿56aが設けられている。上皿55aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿56aは、上皿55a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置60が搭載されている。主制御装置60は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。なお、基板ボックスに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置60を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿55a又は下皿56aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源・発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック72には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うとともに、遊技ホールの管理コンピュータからパチンコ機10に所定の信号を入力するための基板である。
<パチンコ機10の電気的構成>
図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板68と、を具備している。主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とが内蔵されている。また、MPU62には、所定周期のクロック信号を出力するクロック回路66が設けられており、さらにクロック回路66とMPU62の制御部との間の信号経路の途中位置には分周回路65が設けられている。
分周回路65は、クロック回路66からのクロック信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU62にて特定するための変更クロック信号を出力するように構成されている。詳細には、分周回路65は、特定周期である4msec周期の間隔の変更クロック信号をMPU62に出力する。MPU62では、かかる変更クロック信号の立ち上がり又は立ち下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を少なくとも一の条件として定期処理(タイマ割込み処理)を起動する。この場合、定期処理の実行周期は、変更クロック信号の周期(4msec)である。
なお、MPU62には、上記のもの以外にも、割込回路、データ入出力回路などが内蔵されている。また、MPU62に対してROM63及びRAM64などが1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、主制御装置60に設けられた停電監視基板68が接続されているとともに、払出制御装置77が接続されている。停電監視基板68には、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置78が接続されており、MPU62には停電監視基板68を介して電力が供給される。
MPU62の入力側には、作動口入賞検知センサ45が接続されているとともに、その他入賞検知センサ69a〜69cが接続されている。その他入賞検知センサ69a〜69cには、一般入賞口31、特電入賞装置32、及びスルーゲート35といった入賞部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれている。MPU62では、作動口入賞検知センサ45及びその他入賞検知センサ69a〜69cから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定が行われる。この場合、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33又は第2作動口34への入賞を特定した場合には、各入賞対象に対応した遊技球の払い出しが実行されるようにするための処理を実行する。また、第1作動口33又は第2作動口34への入賞を特定した場合には、各種カウンタの数値情報を取得して保留情報として記憶するとともに、保留情報が記憶されている場合には、特電入賞装置32が複数回に亘って開閉される開閉実行モードに移行させるか否かの当否判定や当該開閉実行モード後の遊技状態を決定するための振分判定を行う。そして、それら当否判定や振分判定の結果に基づいて、遊技を進行させる。
MPU62の出力側には、停電監視基板68、払出制御装置77及び音声発光制御装置80が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入賞部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置80には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
MPU62の出力側には、特電入賞装置32の開閉扉32aを開閉動作させる特電用の駆動部32b、第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34b、特図ユニット37及び普図ユニット38が接続されている。ちなみに、特図ユニット37には、特図表示部37a及び特図保留表示部37bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット38には、普図表示部38a及び普図保留表示部38bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置32が開閉されるように、MPU62において特電用の駆動部32bの駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、MPU62において普電用の駆動部34bの駆動制御が実行される。また、遊技回及び開閉実行モードに際しては、MPU62において特図ユニット37の表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU62において普図ユニット38の表示制御が実行される。
停電監視基板68は、主制御基板61と電源・発射制御装置78とを中継し、また電源・発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置60から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置60や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置78にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置60のRAM64や払出制御装置77のRAMに記憶保持用の電力が供給される。また、電源・発射制御装置78は遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置80は、主制御装置60から受信したコマンドに基づき、表示発光部53及びスピーカ部54を駆動制御するとともに、表示制御装置90にコマンドを送信する。表示制御装置90は、音声発光制御装置80から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41における画像の表示を制御する。
<ハード乱数を用いた抽選に係る構成>
ここで、主制御基板61には、MPU62にて行なわれるタイマ割込み処理とは別に独立して動作するハード乱数回路67が設けられている。ハード乱数回路67は、MPU62にて実行される当否判定に用いられる数値情報を更新及び取得するためのものである。ハード乱数回路67は、作動口入賞検知センサ45及びMPU62に接続されている。ハード乱数回路67は、MPU62のタイマ割込み処理とは非同期のタイミングで数値情報を更新するとともに、作動口入賞検知センサ45により遊技球の入賞が検知されたことに基づいてその数値情報を取得し、取得された数値情報をMPU62の要求に応じて伝送する。
ハード乱数回路67について図8を用いて詳細に説明する。図8は、ハード乱数回路67を説明するためのブロック図である。
図8に示すように、ハード乱数回路67は、乱数発生手段として、当否判定に用いられる大当たり乱数を更新するための更新回路101を備えている。更新回路101は、所定の周波数(例えば16MHz)のクロック信号を出力するクロック回路101aと、大当たり乱数が格納される更新用バッファ101bとを備えている。更新用バッファ101bは、2バイトの記憶領域を有しており、更新可能な大当たり乱数の数値範囲は「0〜65535」に設定されている。但し、詳細は後述するように、大当たり乱数の更新は、MPU62から指定される数値範囲の範囲内で行われる。
更新回路101は、クロック回路101aのクロック信号の立ち上がり及び立ち下がりのうち所定の信号態様に同期して、更新用バッファ101bに格納されている大当たり乱数を1加算する。そして、大当たり乱数が、指定された数値範囲の最大値に達した後は「0」にリセットする。これにより、大当たり乱数は、MPU62のタイマ割込み処理とは非同期に更新されることとなる。
大当たり乱数の更新間隔は、クロック回路101aのクロック信号の周期となり、詳細には62.5nsecである。既に説明したとおり、MPU62にて実行されるタイマ割込み処理の実行周期は4msecであるため、大当たり乱数の更新間隔は、タイマ割込み処理の実行周期よりも十分に短いものとなっている。
ハード乱数回路67は、更新回路101にて更新されている大当たり乱数をラッチするための大当たり乱数レジスタ102を備えている。大当たり乱数レジスタ102は、更新用バッファ101bと同一記憶領域を有しており、詳細には2バイトの記憶領域を有している。大当たり乱数レジスタ102は更新用バッファ101bに第1信号線群SL1を介して接続されている。大当たり乱数レジスタ102は、ラッチ信号が入力されたことに同期して、その時点における更新用バッファ101bの各記憶領域に記憶されているデータを自身の記憶領域に書き込む。これにより、ラッチ信号の入力タイミングの大当たり乱数が取得されることとなる。
ここで、第1信号線群SL1は、1バイトのビット数と同一数(具体的には8本)の信号線を備えている。この場合に、上記のとおり更新用バッファ101b及び大当たり乱数レジスタ102のそれぞれは2バイトの記憶領域を有しており、これら更新用バッファ101b及び大当たり乱数レジスタ102に格納される大当たり乱数は2バイトの容量となっている。したがって、更新用バッファ101bから大当たり乱数レジスタ102に大当たり乱数が送信される場合、2バイトの容量の大当たり乱数のうち、最初に上位1バイトの数値情報がパラレルで送信され、当該上位1バイトの数値情報の送信が完了した後に、残りの下位1バイトの数値情報がパラレルで送信される。
ハード乱数回路67は、コントロール回路103を備えている。コントロール回路103は、作動口入賞検知センサ45に接続されており、コントロール回路103には作動口入賞検知センサ45からの検知信号SG1が入力される。コントロール回路103は、検知信号SG1の立ち上がりに同期して(各作動口33,34のいずれかへの入賞に同期して)、ラッチ信号を大当たり乱数レジスタ102に出力する。これにより、大当たり乱数レジスタ102には、作動口入賞検知センサ45により入賞が検知された入賞検知タイミング(各作動口33,34の入賞タイミング)の大当たり乱数が格納される。
詳細な構成について説明すると、コントロール回路103は、作動口入賞検知センサ45と直接的に接続され、作動口入賞検知センサ45の検知信号SG1が入力される入力端子と、大当たり乱数レジスタ102に接続された出力端子とを有する制御ICを備えている。制御ICは、入力端子に入力される検知信号SG1がLOW信号からHI信号に立ち上がることに同期して、出力端子からの信号をLOW信号からHI信号に立ち上げる。大当たり乱数レジスタ102は、制御ICからの信号がLOW信号からHI信号に立ち上がることに基づいて更新用バッファ101bのデータをラッチする。
なお、作動口入賞検知センサ45とハード乱数回路67とを接続する信号経路と、作動口入賞検知センサ45とMPU62とを接続する信号経路とは、別系統で形成されている。これにより、一方にノイズ等が混入した場合であっても、その影響が他方にまで及ぶ事態を避けることができる。また、作動口入賞検知センサ45は一の信号経路を通じて主制御基板61と接続されており、当該主制御基板61上に形成された配線回路により2つの信号経路に分岐されていることで、作動口入賞検知センサ45の信号は、MPU62及びハード乱数回路67のそれぞれにて受信される構成となっている。
コントロール回路103及び大当たり乱数レジスタ102は、MPU62に接続されている。コントロール回路103は、MPU62から所定の要求信号を受信した場合に、大当たり乱数レジスタ102に格納されている大当たり乱数を、第2信号線群SL2を通じてMPU62に出力するよう、大当たり乱数レジスタ102を制御する。これにより、MPU62は、要求信号を出力することにより、大当たり乱数レジスタ102に格納されている大当たり乱数を取得することができる。
ここで、第2信号線群SL2は、1バイトのビット数と同一数(具体的には8本)の信号線を備えている。この場合に、上記のとおり大当たり乱数は2バイトの容量となっている。したがって、大当たり乱数レジスタ102からMPU62に大当たり乱数が送信される場合、2バイトの容量の大当たり乱数のうち、最初に上位1バイトの数値情報がパラレルで送信され、当該上位1バイトの数値情報の送信が完了した後に、残りの下位1バイトの数値情報がパラレルで送信される。
このパラレル通信について詳細には、ハード乱数回路67は、上位1バイトのデータを出力した場合にはストローブ信号をHIレベルにし、MPU62から送信されるビジ―信号がHIレベルになるのを待ち、当該ビジ―信号がLOWレベルとなった場合にストローブ信号をLOWレベルに戻し、その後、上位1バイトのデータ出力を終了する。その後に、ハード乱数回路67は、下位1バイトのデータの出力を開始するとともにストローブ信号をHIレベルにし、MPU62から送信されるビジ―信号がHIレベルになるのを待ち、当該ビジ―信号がLOWレベルとなった場合にストローブ信号をLOWレベルに戻し、その後、下位1バイトのデータ出力を終了する。つまり、各1バイトのデータが出力される場合には、送信単位を示す所定信号の通信も行われる。
コントロール回路103は、ステータスフラグ103aを備えている。ステータスフラグ103aは、大当たり乱数レジスタ102の状態を把握するためのフラグである。コントロール回路103は、大当たり乱数レジスタ102に大当たり乱数が格納されたことに同期して、ステータスフラグ103aに「1」をセットする。コントロール回路103は、ステータスフラグ103aに「1」がセットされている場合には、検知信号SG1の信号形態に関わらず、大当たり乱数のラッチを禁止する。これにより、ステータスフラグ103aに「1」がセットされている状況においては、大当たり乱数レジスタ102に格納されている大当たり乱数の更新は行われない。よって、チャタリングが発生した場合であっても、最初にラッチされた大当たり乱数が維持される。
なお、詳細な構成について説明すると、コントロール回路103は、制御ICの出力端子に並列に接続されたスイッチング素子を備えている。スイッチング素子は、例えばn型のMOSFETで構成されている。MOSFETのドレインは、制御ICの出力端子に接続され、ソースは接地されている。MOSFETのゲートは、ステータスフラグ103aに接続されている。かかる構成によれば、ステータスフラグ103aに「1」がセットされていない場合には、ゲートに閾値電圧よりも小さいLOW信号が印加されるため、MOSFETはオフとなる。この場合、制御ICの出力状態が維持される。一方、ステータスフラグ103aに「1」がセットされた場合には、MOSFETのゲートに閾値電圧よりも大きいHI信号が印加され、MOSFETがオンとなる。この場合、OR回路からの出力は強制的にLOW信号となり、立ち上がることはない。
コントロール回路103は、MPU62からの要求信号に基づく大当たり乱数の出力が完了した場合、又はMPU62から無効化信号を受信した場合には、ステータスフラグ103aを「0」クリアするとともに、大当たり乱数レジスタ102に格納されている大当たり乱数をクリアする。これにより、次の遊技球の入賞に基づく大当たり乱数のラッチが可能となる。
また、コントロール回路103は更新回路101に対して双方向通信可能なように電気的に接続されているとともに、コントロール回路103にはエラーフラグ103bが設けられている。コントロール回路103では、MPU62から大当たり乱数の数値範囲を指定する指定信号を受信した場合に、その数値範囲の上限値を更新回路101に対して設定する。これにより、更新回路101では、その設定された上限値の範囲内で大当たり乱数の更新を実行する。また、コントロール回路103は、更新回路101において大当たり乱数の更新が正常に行われているか否かを監視して、大当たり乱数の更新が正常に行われていないと判定した場合には、エラーフラグ103bに「1」をセットする。エラーフラグ103bに「1」がセットされることで、MPU62において異常対応処理が実行される。
MPU62は遊技に際し大当たり乱数を含む各種数値情報を用いて、当否判定、特図表示部37aの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしている。各種カウンタの構成について図9を用いて説明する。図9は、各種カウンタの構成を示す説明図である。
MPU62は、各種抽選に際し、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、特図表示部37a及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電開放カウンタC4を用いることとしている。なお、大当たり乱数は既に説明したとおりハード乱数回路67から提供され、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS及び普電開放カウンタC4は、RAM64の各種カウンタエリア64bに設けられている。
各カウンタC2,C3,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっており、これら各カウンタC2,C3,CS,C4は短時間間隔で更新される。ハード乱数回路67の大当たり乱数、並びに大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口33への入賞が発生した場合又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、RAM64に取得情報記憶手段として設けられた保留格納エリア64aに格納される。
保留格納エリア64aは、保留用エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数、並びに大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部37aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電開放カウンタC4について説明する。普電開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電開放カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では、普電役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部38aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
次に、ハード乱数回路67にて更新される大当たり乱数について説明する。ハード乱数回路67では、既に説明したとおり、0〜65535の範囲で大当たり乱数を更新可能となっている。この場合に、ハード乱数回路67では、上記更新可能な数値範囲内において、MPU62から指定された数値範囲で大当たり乱数の更新を行う。具体的には、MPU62は、数値範囲の上限値として39999を指定するため、ハード乱数回路67では、0〜39999の範囲内で大当たり乱数の更新を行う。つまり、大当たり乱数は、0〜39999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻ることとなる。大当たり乱数は、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したことに基づいて保留格納エリア64aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM63に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は100個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値の数は低確率モード用の当否テーブルが参照される場合よりも多く設定されており、具体的には2000個である。
各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。外れ結果となった場合には、開閉実行モード、当否抽選モード、及びサポートモードの全てについて、当該抽選結果を契機とした移行は発生しない。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したことに基づいて保留格納エリア64aに格納される。
ここで、本パチンコ機10では大当たり結果が複数種類設定されているが、これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードの内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードの内容、(3)開閉実行モード終了後のサポートモードの内容という3つの内容のうち、少なくとも1つの内容が相違している。
大当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
ラウンド数規定モードには、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、本パチンコ機10では、特電入賞装置32の1回の開放態様が、特電入賞装置32が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い時間である0.1secに設定された短時間態様と、が設定されている。本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で特電入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で特電入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度とり、さらに入賞が発生しない確率が高くなることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。つまり、長時間態様による特電入賞装置32の開放が15回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。つまり、短時間態様による特電入賞装置32の開放が15回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置32の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、ROM63に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルには、大当たり結果の種類の振分先として、低確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示面41aにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置60において行うのではなく、音声発光制御装置80において行われる。この場合、音声発光制御装置80では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部37aにおける表示継続時間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間とをMPU62において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。
<主制御装置60のMPU62における前提となる処理構成について>
次に、主制御装置60のMPU62にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図10のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRAM64のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU62の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置78に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM64の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM64の初期化として当該RAM64をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM64の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置80に送信する。
ステップS109の処理を実行した後は、ステップS110にて、数値範囲の設定処理を実行する。数値範囲の設定処理では、ハード乱数回路67において更新される大当たり乱数の数値範囲を本パチンコ機10に対応した数値範囲に指定するために、ハード乱数回路67に数値範囲の指定信号を送信する。具体的には、数値範囲の上限値の情報として、「39999」を指定するための指定信号を送信する。これにより、ハード乱数回路67では、大当たり乱数が0〜39999の範囲内で更新されることとなる。ちなみに、このようにメイン処理にて数値範囲の設定処理を実行することで、ハード乱数回路67に対する数値範囲の指定を主制御装置60のMPU62への動作電力の供給が開始される度に行うことが可能となり、ハード乱数回路67において数値範囲の指定情報をバックアップする必要がなくなる。
その後、ステップS111〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU62はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS111〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS111〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS111にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS112では、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。当該更新処理では、変動種別カウンタCSから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS111に戻り、ステップS111〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では、抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS203にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
続くステップS204では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、後述するステップS206にて肯定判定をするようになる。
その後、ステップS205にて、ハード乱数回路67において大当たり乱数の更新が正常に行われているか否かを監視するための乱数更新の監視処理を実行する。当該乱数更新の監視処理の処理内容については、後に説明する。
続くステップS206では、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。遊技の進行を停止している状態には、上記ステップS204の不正検知処理にて、不正用の監視対象として設定されている所定の事象の発生が確認された場合に設定される。また、上記ステップS205の乱数更新の監視処理にて、ハード乱数回路67において大当たり乱数の更新が正常に行われていないことが特定された場合に設定される。また、後述する保留情報の取得処理(図13)にて、ハード乱数回路67からの大当たり乱数の取得が正常に行われていないことが特定された場合に設定される。ステップS206にて否定判定をした場合に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32b,34bに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、作動口入賞検知センサ45及びその他入賞検知センサ69a〜69cから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入球の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RAM64に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS212では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、作動口入賞検知センサ45及びその他入賞検知センサ69a〜69cの断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS213では、遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
続くステップS214では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普電開放カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図表示部38aにて普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部37bに反映させるための出力情報の設定、及び普図表示部38aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS216では、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS217では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。続くステップS218では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS218の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<特図特電制御処理>
次に、MPU62のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS213にて実行される特図特電制御処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まずステップS301にて、保留情報の取得処理を実行する。これについては、後述する。
ステップS301にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS302に進む。ステップS302では、RAM64に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS303では、ROM63に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS304にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS306)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS307)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS308)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS309)と、特電入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS310)と、特電入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS311)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS312)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU62にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS306)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS307)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS308)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS309)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS310)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS311)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS312)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として「0」が設定されている。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305にて、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS306の特図変動開始処理にジャンプする。
特図変動開始処理では、保留情報が保留記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。詳細には、保留情報が存在するか否かを判定し、保留情報が存在する場合には、保留情報をシフトさせる処理を実行する。つまり、第1保留エリアRE1に格納されている保留情報を実行エリアAEにシフトさせるとともに、第n保留エリアREn(n=2〜4)に格納されている保留情報を第(n−1)保留エリアRE(n−1)にシフトさせる。そして、当否判定処理として、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数が、大当たり当選に対応した数値情報であるか否かの判定を行う。また、振分判定処理として、大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり結果の区分に対応しているか否かの判定を行う。
当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、大当たり乱数が大当たり当選に対応していない場合には、リーチを発生させるか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。なお、リーチ判定処理に際しては、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否か判定する。
継続時間の情報を選択した場合には、当該継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音声発光制御装置80に送信するとともに、特図表示部37aにおける絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。
ちなみに、このように遊技回用の演出を開始させた場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特図変動開始処理に対応したものから特図変動中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS307の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であれば特図表示部37aにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS308の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置41にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置80に送信するとともに、特図表示部37aにおける絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該開閉実行モード移行用の処理を実行する。
ちなみに、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、確定表示が開始された後は、確定表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS309の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置80に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS310の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS311の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS312の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置80に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
<保留情報の取得処理>
次に、特図特電制御処理(図12)のステップS301にて実行される保留情報の取得処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS401では、作動口入賞検知センサ45から入賞の発生に対応した検知信号SG1を受信しているか否かを判定することで、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。
ここで、作動口入賞検知センサ45からの検知信号SG1の監視は、タイマ割込み処理(図11)におけるステップS209の入賞検知処理にて実行される。詳細には、入賞検知処理では、前々回の処理回でLOW信号の検知信号SG1を受信し、前回の処理回と今回の処理回とでHI信号の検知信号SG1を受信しているか否かを判定する。このような信号パターンを受信していた場合に、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生したと特定する。なお、作動口入賞検知センサ45は、遊技球の入賞を検知した場合には、少なくともタイマ割込み処理(図11)が3処理回実行されるのに要する期間以上に亘って、入賞に対応した信号であるHI信号を出力するよう構成されているため、遊技球の検知漏れが発生しないようになっている。
ステップS401にて否定判定をした場合にはそのまま本取得処理を終了し、ステップS401にて肯定判定をした場合には、ステップS402に進む。ステップS402では、保留格納エリア64aの保留用エリアREを確認することで、当該保留用エリアREに保留記憶されている保留情報の個数が上限個数に達しているか否かを判定する。
上限個数に達している場合には、ステップS403にて、無効化処理を実行した後に、本取得処理を終了する。当該無効化処理では、ハード乱数回路67に無効化信号を送信することで、今回の入賞によりハード乱数回路67にて取得した大当たり乱数をクリアさせる。
上限個数に達していない場合には、ステップS404にて、ハード乱数回路67のステータスフラグ103aに「1」がセットされているか否かを判定する。
ステータスフラグ103aに「1」がセットされていない場合、ハード乱数回路67の大当たり乱数レジスタ102において大当たり乱数が更新回路101からラッチされていないことを意味する。この場合、ステップS405にて遊技停止設定処理を実行した後に、本取得処理を終了する。遊技停止設定処理では、RAM64に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。これにより、タイマ割込み処理(図11)のステップS206にて肯定判定をすることとなり、ステップS207〜ステップS218の処理が実行されなくなることで、遊技を進行させるための所定の処理の実行が禁止される。つまり、入賞検知処理(ステップS209)が実行されなくなることで入賞部への入賞が無効化され、発射制御処理(ステップS211)が実行されなくなることで遊技球の発射が禁止され、特図特電制御処理(ステップS213)が実行されなくなることで遊技回及び開閉実行モードの進行が禁止され、普図普電制御処理(ステップS214)が実行されなくなることで普電開放状態の実行が禁止される。この遊技の進行が制限された状態は、異常解除操作が行われるまで継続される。具体的には、MPU62への動作電力の供給を停止させるための電源OFF操作を行った後に、遊技機本体12の背面側から電源・発射制御装置78のRAM消去スイッチを操作しながら電源ON操作を行うことで、上記のように遊技の進行が制限された状態が解除される。
また、遊技停止設定処理では、異常発生コマンドを音声発光制御装置80に送信する。これにより、表示発光部53において異常報知用の発光が開始されるとともに、スピーカ部54から異常報知用の音の出力が開始される。また、音声発光制御装置80から表示制御装置90に異常発生コマンドが送信されることで、図柄表示装置41において異常報知用の画像が表示される。当該異常報知は、パチンコ機10の電源がOFF操作されることで解除される。なお、異常報知の態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知内容のうち一部の内容のみが実行される構成としてもよく、上記報知内容に加えて、又は上記報知内容の少なくとも一部に代えて、遊技ホールのホールコンピュータに対して異常用の外部出力がされる構成としてもよい。
ステータスフラグ103aに「1」がセットされている場合、作動口入賞検知センサ45から入賞の発生に対応した検知信号SG1がハード乱数回路67にて受信され、大当たり乱数レジスタ102において大当たり乱数が更新回路101からラッチされていることを意味する。この場合、ステップS406にて要求処理を実行する。具体的には、ハード乱数回路67のコントロール回路103に要求信号を送信する。これにより、コントロール回路103は、大当たり乱数レジスタ102に格納されている大当たり乱数をMPU62に送信する。
要求処理を実行した後は、ステップS407にて、取得乱数の監視処理を実行する。当該取得乱数の監視処理では、ハード乱数回路67から受信した大当たり乱数を利用して、ハード乱数回路67からの大当たり乱数の提供が正常に行われているか否かを判定するための演算処理を実行する。そして、ステップS408にて、その演算処理の結果を利用して、大当たり乱数の提供が正常に行われているか否かを判定し、異常であった場合にはステップS405にて、既に説明した遊技停止設定処理を実行する。これらステップS407及びステップS408の処理内容については、後に詳細に説明する。
ハード乱数回路67から受信した大当たり乱数が正常であった場合には、ステップS408にて否定判定をしてステップS409に進む。ステップS409では、ハード乱数回路67から取得した16ビットの大当たり乱数を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアにおける大当たり乱数用のエリアに格納する。
その後、ステップS410にて、RAM64の抽選用カウンタエリア64bから大当たり種別カウンタC2の値及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得し、それら取得した数値情報を、上記ステップS409にて大当たり乱数が格納された保留エリアにおける対応するエリアに格納する。その後、本取得処理を終了する。
<ハード乱数回路67のコントロール回路103における管理動作>
次に、ハード乱数回路67のコントロール回路103における管理動作について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
コントロール回路103では、動作電力の供給が開始された場合、MPU62から数値範囲の指定信号を受信するまで待機する(ステップS501)。数値範囲の指定信号を受信した場合には、その指定信号に含まれる最大値の情報を特定し、大当たり乱数の数値範囲の最大値として更新回路101に対して設定する(ステップS502)。
既に説明したとおり、更新回路101の更新用バッファ101bは2バイトの記憶領域となっているため0〜65535の範囲内で大当たり乱数の更新が可能な構成である。この場合に、本パチンコ機10では、最大値として39999が指定されるため、0〜39999の範囲内で大当たり乱数の更新が行われることになる。
ちなみに、最大値が39999の場合、大当たり乱数の更新に際しては、2バイト分の全ビットが使用されることとなり、更新用バッファ101bから大当たり乱数レジスタ102に提供される大当たり乱数は2バイト分のデータであるとともに、大当たり乱数レジスタ102からMPU62に提供される大当たり乱数も2バイト分のデータである。ここで、最大値として30000を設定することも可能であり、この場合、更新対象となる大当たり乱数は2バイト分のデータである16ビットではなく、15ビット分のデータとなる。但し、このように更新対象となる大当たり乱数が16ビット未満であったとしても、更新用バッファ101b及び大当たり乱数レジスタ102では大当たり乱数は16ビットとして扱われ、更新用バッファ101bから大当たり乱数レジスタ102に提供される大当たり乱数は16ビット分のデータとなるとともに、大当たり乱数レジスタ102からMPU62に提供される大当たり乱数も16ビット分のデータとなる。
最大値の設定を行った後は、更新回路101に対して更新開始の信号を送信することで、大当たり乱数の更新を開始させる(ステップS503)。これにより、更新回路101は、クロック回路101aのクロック信号の立ち上がり及び立ち下がりのうち所定の信号態様に同期して、更新用バッファ101bに格納されている大当たり乱数を1加算する。そして、大当たり乱数が最大値に達した場合、更新用バッファ101bを「0」クリアする。
大当たり乱数の更新を開始させた後は、ステップS504〜ステップS514に示す動作を繰り返す。具体的には、まず作動口入賞検知センサ45から入賞の発生に対応した検知信号SG1を受信しているか否かを判定する(ステップS504)。当該入賞の発生に対応した検知信号SG1を受信している場合には、ステータスフラグ103aに「1」をセットし(ステップS505)、さらに大当たり乱数レジスタ102にラッチ信号を送信する(ステップS506)。これにより、更新用バッファ101bに現状格納されている大当たり乱数が信号線群SL1を通じて、大当たり乱数レジスタ102に送信される。この場合、既に説明したとおり、16ビットの大当たり乱数は、まず上位バイトとして上位側8ビット分のデータがパラレルで大当たり乱数レジスタ102に送信され、その後に、下位バイトとして残りの8ビット分のデータがパラレルで大当たり乱数レジスタ102に送信される。
また、コントロール回路103では、MPU62から要求信号を受信しているか否かを判定する(ステップS507)。要求信号を受信している場合には、大当たり乱数の送信設定を行う(ステップS508)。この送信設定が行われることで、大当たり乱数レジスタ102に格納されている大当たり乱数が信号線群SL2を通じて、MPU62に送信される。この場合、既に説明したとおり、16ビットの大当たり乱数は、まず上位バイトとして上位側8ビット分のデータがパラレルでMPU62に送信され、その後に、下位バイトとして残りの8ビット分のデータがパラレルでMPU62に送信される。
大当たり乱数の送信設定を行った場合には、ステータスフラグ103aを「0」クリアする(ステップS509)。また、大当たり乱数レジスタ102からの大当たり乱数の送信が完了していることを条件に、当該大当たり乱数レジスタ102を「0」クリアする(ステップS510)。
また、コントロール回路103では、MPU62から無効化信号を受信しているか否かを判定する(ステップS511)。無効化信号を受信している場合には、第1作動口33又は第2作動口34への入賞は発生したものの、MPU62の保留格納エリア64aに既に上限個数分の保留情報が記憶されていることを意味する。したがって、作動口入賞検知センサ45から入賞の発生に対応した検知信号SG1を受信した際に取得した大当たり乱数を無効化するために、ステータスフラグ103aを「0」クリアするとともに(ステップS512)、大当たり乱数レジスタ102を「0」クリアする(ステップS513)。
また、コントロール回路103では、更新回路101が正常に動作しているか否かを監視する(ステップS514)。当該監視を行うための動作内容については後に説明する。
<大当たり乱数が保留情報として取得される様子>
次に、図15のタイミングチャートを参照しながら、大当たり乱数が保留情報として取得される様子について説明する。
図15(a)はMPU62における保留情報の取得処理(図13)の実行タイミングを示し、図15(b)は検知信号SG1の状態を示し、図15(c)はステータスフラグ103aの状態を示し、図15(d)は大当たり乱数レジスタ102の状態を示し、図15(e)は遊技停止の設定状況を示す。
まず、ハード乱数回路67からの大当たり乱数の取得が正常に行われる場合について説明する。
図15(a)に示すように、保留情報の取得処理は、t1のタイミング、t3のタイミング、t4のタイミング、t5のタイミング、t6のタイミング、t7のタイミング、t9のタイミングといったように、遊技停止設定がなされていない状況ではタイマ割込み処理(図11)の起動に合わせて定期的に起動される。
この場合に、t1のタイミングで保留情報の取得処理が実行された後であって、t3のタイミングにて保留情報の取得処理が実行されるよりも前のタイミングであるt2のタイミングで、図15(b)に示すように、作動口入賞検知センサ45の検知信号SG1が入賞の発生に対応したHIレベルとなる。したがって、当該t2のタイミングで、図15(c)に示すように、ハード乱数回路67においてステータスフラグ103aに「1」がセットされるとともに、図15(d)に示すように、大当たり乱数レジスタ102に大当たり乱数がラッチされる。その後、t3のタイミングで、図15(a)に示すように、保留情報の取得処理が実行されることで、大当たり乱数レジスタ102にラッチされた大当たり乱数がMPU62に送信されて保留情報として保留格納エリア64aの保留用エリアREに格納される。また、このt3のタイミングで、図15(c)に示すように、ステータスフラグ103aが「0」クリアされるとともに、図15(d)に示すように、大当たり乱数レジスタ102が「0」クリアされる。
なお、t2のタイミングで入賞発生に対応したHIレベルとなった検知信号SG1は、図15(b)に示すように、保留情報の取得処理の3周期分以上に亘ってHIレベルを維持した後に、LOWレベルに復帰する。
次に、ハード乱数回路67からの大当たり乱数の取得が正常に行われない場合について説明する。
t7のタイミングで保留情報の取得処理が実行された後であって、t9のタイミングにて保留情報の取得処理が実行されるよりも前のタイミングであるt8のタイミングで、図15(b)に示すように、作動口入賞検知センサ45の検知信号SG1が入賞の発生に対応したHIレベルとなる。しかしながら、作動口入賞検知センサ45とハード乱数回路67との間の信号経路が遮断されていたり、当該信号経路にノイズが乗って検知信号SG1の受信が正常に行われなかったことにより、図15(c)に示すようにステータスフラグ103aは「0」のままであるとともに、図15(d)に示すように大当たり乱数レジスタ102において大当たり乱数がラッチされない。この場合、図15(a)に示すように、t9のタイミングで実行された保留情報の取得処理において、MPU62にて作動口入賞検知センサ45から入賞の発生に対応した検知信号SG1を受信しているにも関わらず、ハード乱数回路67においてステータスフラグ103aが「0」のままであることが確認されることで、図15(e)に示すように、当該t9のタイミングで遊技禁止設定が行われる。これにより、ハード乱数回路67において大当たり乱数のラッチが正常に行われていないにも関わらず、正常な遊技の進行が継続されてしまわないようにすることが可能となる。
<取得乱数の監視処理>
次に、MPU62において保留情報の取得処理(図13)におけるステップS407にて実行される取得乱数の監視処理について説明する。
当該取得乱数の監視処理では、ハード乱数回路67から受信した大当たり乱数を利用して、当該ハード乱数回路67において大当たり乱数の提供が正常に行われているか否かを監視する。当該監視に際しては、主制御装置60のRAM64に設けられた各種エリアが利用される。図16は、当該各種エリアの構成を説明するための説明図である。
図16(a)はRAM64に設けられた今回取得エリア111を示し、図16(b)はRAM64に設けられた前回取得エリア112を示し、図16(c)はRAM64に設けられた変化ビットエリア113を示し、図16(d)はRAM64に設けられた変化ビット記憶エリア114を示す。
今回取得エリア111、前回取得エリア112、変化ビットエリア113及び変化ビット記憶エリア114は、それぞれ1バイトに設定されており、それぞれ8ビットにより構成されている。つまり、これら各エリア111〜114のデータ容量×m(mは1以上の自然数)が大当たり乱数のデータ容量と同一となっており、本パチンコ機10ではmは「2」となっている。また、既に説明したとおり、大当たり乱数は、全体として16ビットであるものの、大当たり乱数レジスタ102からMPU62への送信に際しては8ビットずつに分けて送信される。この点、上記各エリア111〜114のデータ容量は、大当たり乱数における一度の送信ビット数と同一となっていると言える。
今回取得エリア111には、16ビットの大当たり乱数が8ビット単位で送信される構成において(以下、8ビット単位のデータを乱数送信用単位データともいう)、送信された最新の乱数送信用単位データが格納される。前回取得エリア112には、1送信回前の乱数送信用単位データが格納される。変化ビットエリア113には、今回取得エリア111に格納されている乱数送信用単位データと、前回取得エリア112に格納されている乱数送信用単位データとのビット単位での比較結果に対応したデータが格納される。変化ビット記憶エリア114には、乱数送信用単位データの各ビットについてデータ送信が正常に行われているか否かを示すデータが、大当たり乱数レジスタ102とMPU62との間の信号経路を形成する信号線群SL2の各信号線単位で対応するように格納される。
図17は、取得乱数の監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS601では、乱数送信用単位データの受信が完了したか否かを判定する。ステップS601にて否定判定をした場合には、そのまま本ステップS601にて待機する。ステップS601にて肯定判定をした場合には、ステップS602にて、今回取得した乱数送信用単位データを、今回取得エリア111に格納する。この場合、今回取得エリア111の各ビットは、信号線群SL2の各信号線に1対1で対応しており、対応する信号線から送信される二値データ(「0」又は「1」のデータ)が格納される。つまり、今回取得エリア111の各ビットには、常に同一の信号線からのデータが格納されることとなる。
続くステップS603では、前回取得エリア112に前回の乱数送信用単位データが格納されているか否かを判定する。格納されていない場合には、前回取得エリア112が「0」クリアされた直後であることを意味するため、ステップS604にて、今回取得エリア111に格納した今回の乱数送信用単位データを前回取得エリア112にそのままコピーする。この場合、前回取得エリア112の各ビットは、今回取得エリア111の各ビットと1対1で対応しており、対応するビットに格納されている二値データが格納される。つまり、前回取得エリア112の各ビットには、今回取得エリア111において対応する同一のビットに格納されているデータが常に格納されることとなる。
ステップS603にて肯定判定をした場合又はステップS604の処理を実行した場合には、ステップS605にて、今回取得エリア111に格納されているデータを読み出すとともに、前回取得エリア112に格納されているデータを読み出し、それら読み出した各データの対応するビット同士についてXOR処理を実行する。そして、そのXOR処理の結果を、ステップS606にて、変化ビットエリア113に格納する。この場合、変化ビットのエリア113の各ビットは、今回取得エリア111の各ビットと1対1で対応しており、XOR処理結果の対応するビットに格納されている二値データが格納される。
ステップS606の処理を実行した後は、ステップS607にて、今回取得エリア111への各ビットに格納されているデータを、前回取得エリア112の対応するビットにシフトし、その後、今回取得エリア111を「0」クリアする。
続くステップS608では、変化ビット記憶エリア114に前回の変化ビットエリア113のデータが格納されているか否かを判定する。格納されていない場合には、変化ビット記憶エリア114が「0」クリアされた直後であることを意味するため、ステップS609にて、変化ビットエリア113に格納したデータを変化ビット記憶エリア114にそのままコピーする。この場合、変化ビット記憶エリア114の各ビットは、変化ビットエリア113の各ビットと1対1で対応しており、対応するビットに格納されている二値データが格納される。つまり、変化ビット記憶エリア114の各ビットには、変化ビットエリア113において対応する同一のビットに格納されているデータが常に格納されることとなる。
ステップS608にて肯定判定をした場合、又はステップS609の処理を実行した場合には、ステップS610にて、変化ビットエリア113に格納されているデータを読み出すとともに、変化ビット記憶エリア114に格納されているデータを読み出し、それら読み出した各データの対応するビット同士についてOR処理を実行する。そして、そのOR処理の結果を、ステップS611にて、変化ビット記憶エリア114に上書きする。また、ステップS611では、変化ビットエリア113を「0」クリアする。
その後、ステップS612にて、変化ビット記憶エリア114のデータを読み出し、その読み出したデータの全ビットをAND処理する。そして、ステップS613にて、そのAND処理の結果が「1」となっているか否かを判定する。ステップS613にて肯定判定をした場合には、ステップS614にて、RAM64に設けられた規定回数カウンタの値を「0」クリアするとともに、変化ビット記憶エリア114を「0」クリアする。規定回数カウンタは、上記ステップS612のAND処理の結果が「1」とならなかった回数を計測するためのカウンタである。
その後、ステップS615にて、今回、ステップS601にて受信した乱数送信用単位データが、2バイトの大当たり乱数において送信順序が後側となる下位バイトのデータに対応しているか否かを判定する。ステップS615にて否定判定をした場合には、MPU62からの今回の要求信号の送信に対して大当たり乱数の受信が完了していないことを意味するため、ステップS601に戻る。ステップS615にて肯定判定をした場合には、MPU62からの今回の要求信号の送信に対する大当たり乱数の受信が完了していることを意味するため、そのまま本監視処理を終了する。
一方、ステップS613にて否定判定をした場合には、ステップS616にて、RAM64の規定回数カウンタの値を1加算し、続くステップS617にて、当該規定回数カウンタの値が複数として定められた異常基準回数(具体的には「100」)以上となっているか否かを判定する。ステップS617にて否定判定をした場合には、ステップS615に進む。この場合の処理内容は既に説明したとおりである。ステップS617にて肯定判定をした場合には、ステップS618にて、RAM64に設けられた乱数異常フラグに「1」をセットした後に、本監視処理を終了する。
乱数異常フラグに「1」がセットされることで、保留情報の取得処理(図13)におけるステップS408にて肯定判定をすることとなる。そうすると、ステップS405にて遊技停止設定処理を実行する。遊技停止設定処理が実行されることで、既に説明したとおり、遊技を進行させるための所定の処理の実行が制限されるとともに、異常報知が実行される。
ここで、図18を参照しながら、上記取得乱数の監視処理における演算内容、及び当該監視処理が実行されることによる作用について説明する。
まず、図18(a)〜(c−1)を参照しながら、ステップS605及びステップS606による演算内容について説明する。
図18(a)に示すように、今回取得エリア111に「10100101」が格納されており、図18(b)に示すように、前回取得エリア112に「11001100」が格納されている状況において、これら今回取得エリア111及び前回取得エリア112の対応する各ビットについてXOR処理が実行されることで、図18(c−1)に示すように、変化ビットエリア113には、「01101001」が格納される。つまり、今回取得エリア111の各ビットのうち、二値データの値が前回取得エリア112の対応するビットから変化しているビットについては、変化ビットエリア113の対応するビットにおいて「1」が格納され、変化していないビットについては、変化ビットエリア113の対応するビットにおいて「0」が格納される。したがって、変化ビットエリア113の値により、前回の乱数送信用単位データから今回の乱数送信用単位データにおいて二値データが変化したビットを特定することが可能となる。
次に、図18(c−1)〜(e−1)及び図18(c−2)〜(e−2)を参照しながら、ステップS610〜ステップS612の演算内容、及び本監視処理が実行されることによる作用について説明する。
まず図18(c−1)〜(e−1)を参照しながら監視処理の結果が正常な場合について説明する。図18(c−1)に示すように、変化ビットエリア113に「01101001」が格納されており、図18(d−1)に示すように、変化ビット記憶エリア114に「10110111」が格納されている状況において、これら変化ビットエリア113及び変化ビット記憶エリア114の対応する各ビットについてOR処理が実行されることで、図18(e−1)に示すように、変化ビット記憶エリア114には、「11111111」が格納される。この場合、変化ビット記憶エリア114の全ビットについてAND処理を実行すると、演算結果は「1」となる。そうすると、取得乱数の監視処理(図17)のステップS613にて肯定判定をすることとなり、ハード乱数回路67からの大当たり乱数の取得が正常に行われているとして、通常どおり遊技が進行することとなる。
次に、図18(c−2)〜(e−2)を参照しながら監視処理の結果が異常な場合について説明する。図18(c−2)に示すように、変化ビットエリア113に「01101001」が格納されており、図18(d−2)に示すように、変化ビット記憶エリア114に「10101111」が格納されている状況において、これら変化ビットエリア113及び変化ビット記憶エリア114の対応する各ビットについてOR処理が実行されることで、図18(e−2)に示すように、変化ビット記憶エリア114には、「11101111」が格納される。この場合、変化ビット記憶エリア114の全ビットについてAND処理を実行すると、演算結果は「0」となる。そうすると、取得乱数の監視処理(図17)のステップS613にて否定判定をすることとなる。そして、このようにAND処理の演算結果が「0」となる状況が異常基準回数(具体的には「100」)以上発生した場合には、遊技停止設定が行われる。
つまり、今回取得エリア111と前回取得エリア112とのXOR処理が実行されることにより、前回の乱数送信用単位データから今回の乱数送信用単位データにおいて二値データが変化していないビットが存在しているか否かを特定することが可能となる。また、そのXOR処理結果について、今回と前回との分を、乱数送信用単位データを受信する毎にOR処理することで、二値データが継続して変化していないビットが存在しているか否かを特定することが可能となる。そして、異常基準回数以上に亘って上記AND処理の結果が「1」にならないということは、少なくとも一のビットについて異常基準回数以上に亘って二値データが変化していないことを意味する。
ハード乱数回路67から送信されるデータは大当たり乱数であるため、不規則に選択されるものであり、各ビットにおいて二値データは不規則に選択されるはずである。この場合に、異常基準回数以上に亘って少なくとも一のビットにおいて二値データが変化していないということは、
(a)更新回路101において更新用バッファ101bの数値情報の更新が正常に行われていない
(b)更新用バッファ101bと大当たり乱数レジスタ102との間の第1信号線群SL1において断線が生じている
(c)大当たり乱数レジスタ102とMPU62との間の第2信号線群SL2において断線が生じている
といった異常が発生している可能性が高い。
このような状況においては、既に説明したとおり遊技停止設定処理を実行して、遊技の進行を制限するとともに異常報知を行うことで、上記異常の発生に対処することが可能となる。
また、上記演算処理によれば、乱数異常フラグに「1」をセットしたタイミングにおける変化ビット記憶エリア114の値を確認することで、いずれのビットにおいて二値データが変化していないか、すなわちいずれの信号経路において異常が発生している可能性があるのかを特定することが可能となる。したがって、異常報知に際しては、MPU62にて、変化ビット記憶エリア114の各ビットを確認し、「0」となっているビットを特定可能な態様で異常報知が行われるように異常発生コマンドを出力するようにしてもよい。また、変化ビット記憶エリア114の内容を遊技ホールの管理者が所有する読み取り装置にて読み取り可能とし、当該読み取り作業を通じて、異常が発生している信号経路を特定可能としてもよい。
また、取得乱数の監視に際して、16ビットの大当たり乱数の全体を単位として監視を行うのではなく、乱数送信用単位データの単位で監視を行う構成となっている。これにより、一の大当たり乱数の送信に際して、取得乱数の監視用の演算を複数回行うことが可能となり監視を実行する頻度が高められる。また、監視処理の処理負荷の軽減が図られる。
<更新回路の監視動作>
次に、ハード乱数回路67のコントロール回路103にて実行される更新回路の監視動作について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
コントロール回路103では、更新用バッファ101bの数値情報が更新されているか否かを監視することで更新回路101において数値情報が更新されているか否かを監視する(ステップS701)。数値情報が更新されていない場合には、コントロール回路103のエラーフラグ103bに「1」をセットする(ステップS702)。
また、コントロール回路103では、更新回路101において大当たり乱数の更新が1周したか否かを判定し(ステップS703)、1周している場合にはさらにその更新周期がMPU62から指定された最大値との関係で正常な周期であるか否かを判定する(ステップS704)。具体的には、コントロール回路103には、指定された最大値に対応した更新周期を計測可能なタイマ回路が設けられており、当該タイマ回路において時間の計測が完了した後に、更新回路101から大当たり乱数の更新が1周した旨の信号を受信した場合に、更新周期が異常であると判定する。更新周期が異常である場合には、コントロール回路103のエラーフラグ103bに「1」をセットする(ステップS705)。
MPU62では、タイマ割込み処理(図11)のステップS205における乱数更新の監視処理にて、コントロール回路103のエラーフラグ103bを監視し、エラーフラグ103bに「1」がセットされていることを確認した場合、遊技停止用の設定処理を実行する。当該設定処理の処理内容は、保留情報の取得処理(図13)における遊技停止設定処理の処理内容と同一である。したがって、エラーフラグ103bに「1」がセットされた場合には、遊技を進行させるための所定の処理の実行が禁止されるとともに、異常報知が行われる。この状態の解除操作も遊技停止設定処理が実行された場合と同様である。
ちなみに、ハード乱数回路67内においては、指定数値範囲内における大当たり乱数の更新が1周した場合、更新回路101からコントロール回路103に大当たり乱数の更新が1周したことを示す信号が出力されるが、当該大当たり乱数の更新が1周したことを示す信号はMPU62に送信されない、すなわちハード乱数回路67の外部には送信されない。したがって、ハード乱数回路67から送信されるデータを不正に読み取って、大当たり乱数の1周の周期や、1周したタイミングを不正に把握しようとしても、それが行いづらくなる。
以上詳述した第1の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
大当たり乱数レジスタ102から受信した大当たり乱数に対して取得乱数の監視処理を実行することで、大当たり乱数が変化しない場合には、遊技停止設定処理が実行される。これにより、異常な大当たり乱数を利用したまま、当否判定処理が実行され続けてしまう可能性を低減することが可能となる。
また、上記監視処理では、大当たり乱数レジスタ102から受信した数値情報について、対応するビット同士の数値が変化しているか否かの監視が行われ、同一のビット同士において数値が変化しない事象が繰り返し発生した場合に、遊技停止設定処理が実行される。これにより、ビット単位で同一の数値が提供されている状態であるか否かを監視することが可能となる。よって、大当たり乱数レジスタ102から受信した数値情報全体で見て数値が変化していないか否かを監視する場合に比べ、数値情報の異常監視を細かく行うことが可能となる。
今回取得エリア111に格納された数値情報と前回取得エリア112に格納された数値情報とで対応するビット同士の排他的論理和を演算し、さらにその演算結果とその直前の当該演算結果とで対応するビット同士の論理和を演算する構成である。これにより、ビット単位で連続的に数値が変化していないか否かの監視を、比較的簡易な演算手法により実現することが可能となる。
また、上記論理和による演算結果の全ビットについて論理積を演算し、その演算結果が「0」となっている場合に、ビット単位で数値が変化していない事象が発生していると判断する。これにより、数値が変化していない異常が発生しているか否かをビット単位で確認しなくても、いずれかのビットにおいて通信異常が発生していることを簡易な演算手法により特定することが可能となる。
また、取得乱数の監視に際して、16ビットの大当たり乱数の全体を単位として監視を行うのではなく、乱数送信用単位データの単位で監視を行う構成となっている。これにより、一の大当たり乱数の送信に際して、取得乱数の監視用の演算を複数回行うことが可能となり、監視を実行する頻度が高められる。
作動口入賞検知センサ45の検知信号SG1は、MPU62だけでなくハード乱数回路67に送信され、ハード乱数回路67では、入賞の発生に対応した検知信号SG1を受信したタイミングで大当たり乱数レジスタ102に大当たり乱数をラッチする。これにより、MPU62において各種処理が実行されることとの関係で、作動口入賞検知センサ45からの入賞の発生に対応した検知信号SG1の送信タイミングに対して大当たり乱数の取得タイミングが遅れたとしても、作動口入賞検知センサ45からの当該検知信号SG1の送信タイミングにおいて既にハード乱数回路67にて大当たり乱数が提供用に取得されている。したがって、作動口入賞検知センサ45における入賞の発生に対応した検知信号SG1の送信タイミングに対応した大当たり乱数を利用して、当否判定処理を実行することが可能となる。
また、ハード乱数回路67では、大当たり乱数レジスタ102に大当たり乱数を格納した場合にステータスフラグ103aに「1」がセットされる。そして、ハード乱数回路67からの大当たり乱数の取得は、ハード乱数回路67のステータスフラグ103aに「1」がセットされていることが確認された場合に行われる。したがって、入賞の発生に対応した検知信号SG1の送信に対して大当たり乱数が大当たり乱数レジスタ102に格納されたことを条件に、MPU62における大当たり乱数の取得が行われるため、大当たり乱数の取得を正確に行うことが可能となる。
また、入賞の発生に対応した検知信号SG1をMPU62において受信しているにも関わらず、ハード乱数回路67のステータスフラグ103aに「1」がセットされていない場合には、遊技停止設定処理が実行される。これにより、作動口入賞検知センサ45からMPU62及びハード乱数回路67の両方に検知信号SG1が送信される構成において、MPU62には入賞の発生に対応した検知信号SG1は送信されるが、ハード乱数回路67には入賞の発生に対応した検知信号SG1が送信されないという通信異常が発生した場合には、それに対処することが可能となる。
ハード乱数回路67はMPU62により指定された数値範囲において大当たり乱数の更新を行う構成であるため、ハード乱数回路67の汎用性が高められる。この場合に、その指定された数値範囲における大当たり乱数の更新の1周期が当該数値範囲に対応した基準周期に対応していない場合には、遊技の進行が停止されるとともに、異常報知が実行される。これにより、大当たり乱数の指定数値範囲内での更新に関して異常が発生している場合には、それに対処することが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、取得乱数の監視処理の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図20は、本実施形態における取得乱数の監視処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、図21を適宜参照しながら、当該監視処理にて利用される各種エリア121〜124について説明するとともに、当該監視処理における演算内容について説明する。
まずステップS801にて、16ビットの数値情報の受信、すなわち大当たり乱数の全ビット分のデータの受信が完了したか否かを判定する。つまり、上記第1の実施形態では、監視処理の対象となるデータ量が乱数送信用単位データ分である8ビットであったのに対して、本実施形態では、当該監視処理の対象となるデータ量が大当たり乱数の全体のビット分である16ビットとなっている。したがって、大当たり乱数の全ビット毎を単位として監視処理が実行される。また、このように大当たり乱数の全ビット毎を単位として監視処理が実行されることに対応させて、本実施形態では、今回取得エリア121、前回取得エリア122、変化ビットエリア123及び変化ビット記憶エリア124のそれぞれが2バイトの記憶エリアとなっている。
その後、ステップS802では、今回受信が完了した大当たり乱数を今回取得エリア121に格納する。例えば、図21(a)に示すように、2バイトの今回取得エリア121に対して、「00000001」「01100101」という大当たり乱数の数値情報が格納される。そして、ステップS803にて、前回取得エリア122に前回の大当たり乱数が格納されているか否かを判定し、ステップS803にて否定判定をした場合には、ステップS804にて、今回取得エリア121に格納されているデータを前回取得エリア122にコピーする。
その後、ステップS805にて、今回取得エリア121に格納されているデータを読み出すとともに、前回取得エリア122に格納されているデータを読み出し、それら読み出した各データの対応するビット同士についてXOR処理を実行する。そして、そのXOR処理の結果を、ステップS806にて、変化ビットエリア123に格納する。
例えば、図21(a)に示すように、今回取得エリア121には「00000001」「01100101」が格納されており、図21(b)に示すように、前回取得エリア122には「00000000」「01010010」が格納されている場合には、XOR処理後において変化ビットエリア123には、図21(c)に示すように、「00000001」「00110111」が格納されることとなる。
ステップS806の処理を実行した後は、ステップS807にて、今回取得エリア121への各ビットに格納されているデータを、前回取得エリア122の対応するビットにシフトし、その後、今回取得エリア121を「0」クリアする。
続くステップS808では、変化ビット記憶エリア124に前回の変化ビットエリア123のデータが格納されているか否かを判定する。格納されていない場合には、ステップS809にて、変化ビットエリア123に格納したデータを変化ビット記憶エリア124にそのままコピーする。
その後、ステップS810にて、変化ビットエリア123に格納されているデータを読み出すとともに、変化ビット記憶エリア124に格納されているデータを読み出し、それら読み出した各データの対応するビット同士についてOR処理を実行する。そして、そのOR処理の結果を、ステップS811にて、変化ビット記憶エリア124に上書きする。また、ステップS811では、変化ビットエリア113を「0」クリアする。
例えば、図21(c)に示すように、変化ビットエリア123には「00000001」「00110111」が格納されており、図21(d)に示すように、変化ビット記憶エリア124には「00000001」「11011001」が格納されている場合には、OR処理後において変化ビット記憶エリア124には、図21(e)に示すように、「00000001」「11111111」が格納されることとなる。
なお、以上のステップS802〜ステップS811の処理内容は、上記第1の実施形態における取得乱数の監視処理(図17)におけるステップS602〜ステップS611の処理内容と基本的に同一である。
その後、ステップS812にて、変化ビット記憶エリア124のデータを読み出し、その読み出したビットのうち大当たり乱数の更新対象として設定されている数値範囲内の全ビットについてAND処理を実行する。つまり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、大当たり乱数の最大値として「1023」が設定されているため、図21(e)に示すように、下位側の10ビットのみが更新対象のビットとなる。したがって、ステップS812では、当該下位側の10ビットについてAND処理を実行する。図21(e)の場合、下位側から10ビット目が「0」となっているため、AND処理の結果は「0」となる。
続くステップS813では、AND処理の結果が「1」となっているか否かを判定する。ステップS813にて肯定判定をした場合には、ステップS814にて、RAM64に設けられた規定回数カウンタの値を「0」クリアするとともに、変化ビット記憶エリア124を「0」クリアする。その後、本監視処理を終了する。
一方、ステップS813にて否定判定をした場合には、ステップS815にて、RAM64の規定回数カウンタの値を1加算し、続くステップS816にて、当該規定回数カウンタの値が複数として定められた異常基準回数(具体的には「100」)以上となっているか否かを判定する。ステップS816にて否定判定をした場合には、そのまま本監視処理を終了する。ステップS816にて肯定判定をした場合には、ステップS817にて、RAM64に設けられた乱数異常フラグに「1」をセットした後に、本監視処理を終了する。乱数異常フラグに「1」がセットされた場合の作用は、上記第1の実施形態と同様である。
以上詳述した第2の実施形態によれば、大当たり乱数の全ビット毎に、数値が変化しない事象が継続していないか否かを監視することができるとともに、MPU62においてハード乱数回路67に指定した数値範囲に対応するビットの範囲内で適切に通信異常の監視を行うことが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、取得乱数の監視処理の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図22は、取得乱数の監視処理にて利用される各種エリア131〜134を説明するための説明図である。
主制御装置60のRAM64には、各種エリア131〜134として、今回取得エリア131と、シフト後エリア132と、変化ビットエリア133と、変化ビット記憶エリア134とが設けられている。
今回取得エリア131、シフト後エリア132、変化ビットエリア133及び変化ビット記憶エリア134は、それぞれ1バイトに設定されており、それぞれ8ビットにより構成されている。つまり、これら各エリア131〜134のデータ容量×m(mは1以上の自然数)が大当たり乱数のデータ容量と同一となっており、本パチンコ機10ではmは「2」となっている。また、既に説明したとおり、大当たり乱数は、全体として16ビットであるものの、大当たり乱数レジスタ102からMPU62への送信に際しては8ビットずつに分けて送信される。この点、上記各エリア131〜134のデータ容量は、大当たり乱数における一度の送信ビット数と同一となっていると言える。
今回取得エリア131には、16ビットの大当たり乱数が8ビット単位で送信される構成において(以下、8ビット単位のデータを乱数送信用単位データともいう)、送信された最新の乱数送信用単位データが格納される。シフト後エリア132には、今回取得エリア131に格納された乱数送信用単位データの各ビットを1ビットずつ同一方向にシフトさせた場合のシフト後単位データが格納される。つまり、今回取得エリア131において最上位のビット以外のビットについては、第k番目のビットが第k+1番目のビットとなるようにシフトされる。また、最上位のビットである第7番目のビットは第0番目のビットとなるようにシフトされる。
変化ビットエリア133には、今回取得エリア131に格納されている乱数送信用単位データと、シフト後エリア132に格納されているシフト後単位データとのビット単位での比較結果に対応したデータが格納される。変化ビット記憶エリア134には、乱数送信用単位データの隣り合うビット間で同一の二値データとなり続けていないか否かを判定するためのデータが、大当たり乱数レジスタ102とMPU62との間の信号経路を形成する第2信号線群SL2の各信号線単位で対応するように格納される。
図23は、本実施形態における取得乱数の監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS901にて、乱数送信用単位データの受信が完了したか否かを判定する。ステップS901にて否定判定をした場合には、そのまま本ステップS901にて待機する。ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS902にて、今回取得した乱数送信用単位データを、今回取得エリア131に格納する。なお、これら処理内容は、上記第1の実施形態における取得乱数の監視処理(図17)におけるステップS601及びステップS602の処理内容と同一である。
続くステップS903では、今回取得エリア131に格納された数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1ビットずつ同一方向にシフトさせ、そのシフト後のデータをシフト後単位データとしてシフト後エリア132に格納する。
その後、ステップS904にて、今回取得エリア131に格納されているデータを読み出すとともに、シフト後エリア132に格納されているデータを読み出し、それら読み出した各データの対応するビット同士についてXOR処理を実行する。そして、そのXOR処理の結果を、ステップS905にて、変化ビットエリア133に格納する。これら処理内容は、上記第1の実施形態における取得乱数の監視処理(図17)におけるステップS605及びステップS606の処理内容と同一である。その後、ステップS906にて、今回取得エリア131を「0」クリアする。
続くステップS907では、変化ビット記憶エリア134に前回の変化ビットエリア133のデータが格納されているか否かを判定する。格納されていない場合には、変化ビット記憶エリア134が「0」クリアされた直後であることを意味するため、ステップS908にて、変化ビットエリア133に格納したデータを変化ビット記憶エリア134にそのままコピーする。
ステップS907にて肯定判定をした場合、又はステップS908の処理を実行した場合には、ステップS909にて、変化ビットエリア133に格納されているデータを読み出すとともに、変化ビット記憶エリア134に格納されているデータを読み出し、それら読み出した各データの対応するビット同士についてOR処理を実行する。そして、そのOR処理の結果を、ステップS910にて、変化ビット記憶エリア134に上書きする。また、ステップS910では、変化ビットエリア133を「0」クリアする。
その後、ステップS911にて、変化ビット記憶エリア134のデータを読み出し、その読み出したデータの全ビットをAND処理する。なお、この場合に全ビットをAND処理するのではなく、隣り合うビット間で二値データが変化しているか否かを示すデータが格納されているビットについてのみAND処理を実行する構成としてもよい。
続くステップS912では、上記AND処理の結果が「1」となっているか否かを判定する。ステップS912にて肯定判定をした場合には、ステップS913にて、RAM64に設けられた規定回数カウンタの値を「0」クリアするとともに、変化ビット記憶エリア134を「0」クリアする。
その後、ステップS914にて、今回、ステップS901にて受信した乱数送信用単位データが、2バイトの大当たり乱数において送信順序が後側となる下位バイトのデータに対応しているか否かを判定する。ステップS914にて否定判定をした場合には、MPU62からの今回の要求信号の送信に対して大当たり乱数の受信が完了していないことを意味するため、ステップS901に戻る。ステップS914にて肯定判定をした場合には、MPU62からの今回の要求信号の送信に対する大当たり乱数の受信が完了していることを意味するため、そのまま本監視処理を終了する。
一方、ステップS912にて否定判定をした場合には、ステップS915にて、RAM64の規定回数カウンタの値を1加算し、続くステップS916にて、当該規定回数カウンタの値が複数として定められた異常基準回数(具体的には「100」)以上となっているか否かを判定する。ステップS916にて否定判定をした場合には、ステップS914に進む。この場合の処理内容は既に説明したとおりである。ステップS916にて肯定判定をした場合には、ステップS917にて、RAM64に設けられた乱数異常フラグに「1」をセットした後に、本監視処理を終了する。上記ステップS907〜ステップS917の処理内容は、上記第1の実施形態における取得乱数の監視処理(図17)におけるステップS608〜ステップS618の処理内容と同一である。
ここで、図24を参照しながら、上記取得乱数の監視処理における演算内容、及び当該監視処理が実行されることによる作用について説明する。
まず、図24(a)〜(c−1)を参照しながら、ステップS903〜ステップS905による演算内容について説明する。
図24(a)に示すように、今回取得エリア131に「10100101」が格納されている状況において、ステップS903の処理が実行されることにより、図24(b)に示すように、今回取得エリア131のデータが1ビットずつシフトされた「01001011」というシフト後単位データがシフト後エリア132に格納される。そして、今回取得エリア131及びシフト後エリア132の対応する各ビットについてXOR処理が実行されることで、図24(c−1)に示すように、変化ビットエリア133には、「11101110」が格納される。つまり、今回取得エリア131の各ビットのうち、二値データの値がシフト後エリア132の対応するビットから変化しているビットについては変化ビットエリア133の対応するビットにおいて「1」が格納され、変化していないビットについては変化ビットエリア133の対応するビットにおいて「0」が格納される。したがって、変化ビットエリア133の値により、今回取得した乱数送信用単位データにおいて隣り合うビット間で同一の二値データとなったビットを特定することが可能となる。
次に、図24(c−1)〜(e−1)及び図24(c−2)〜(e−2)を参照しながら、ステップS909〜ステップS911の演算内容、及び本監視処理が実行されることによる作用について説明する。
まず図24(c−1)〜(e−1)を参照しながら監視処理の結果が正常な場合について説明する。図24(c−1)に示すように、変化ビットエリア133に「11101110」が格納されており、図24(d−1)に示すように、変化ビット記憶エリア134に「10110111」が格納されている状況において、これら変化ビットエリア133及び変化ビット記憶エリア134の対応する各ビットについてOR処理が実行されることで、図24(e−1)に示すように、変化ビット記憶エリア134には、「11111111」が格納される。この場合、変化ビット記憶エリア134の全ビットについてAND処理を実行すると、演算結果は「1」となる。そうすると、取得乱数の監視処理(図23)のステップS912にて肯定判定をすることとなり、ハード乱数回路67からの大当たり乱数の取得が正常に行われているとして、通常どおり遊技が進行することとなる。
次に、図24(c−2)〜(e−2)を参照しながら監視処理の結果が異常な場合について説明する。図24(c−2)に示すように、変化ビットエリア133に「11101110」が格納されており、図24(d−2)に示すように、変化ビット記憶エリア134に「10101111」が格納されている状況において、これら変化ビットエリア133及び変化ビット記憶エリア134の対応する各ビットについてOR処理が実行されることで、図24(e−2)に示すように、変化ビット記憶エリア134には、「11101111」が格納される。この場合、変化ビット記憶エリア134の全ビットについてAND処理を実行すると、演算結果は「0」となる。そうすると、取得乱数の監視処理(図23)のステップS912にて否定判定をすることとなる。そして、このようにAND処理の演算結果が「0」となる状況が異常基準回数(具体的には「100」)以上発生した場合には、遊技停止設定が行われる。
つまり、今回取得エリア131とシフト後エリア132とのXOR処理が実行されることにより、今回取得した乱数送信用単位データにおいて隣り合うビット間で同一の二値データとなったビットが存在しているか否かを特定することが可能となる。また、そのXOR処理結果について、今回と前回との分を、乱数送信用単位データを受信する毎にOR処理することで、隣り合うビット間で同一の二値データとなっている状態が継続しているビットが存在しているか否かを特定することが可能となる。そして、異常基準回数以上に亘って上記AND処理の結果が「1」にならないということは、少なくとも一組の隣り合うビット間において異常基準回数以上に亘って同一の二値データとなっていることを意味する。
ハード乱数回路67から送信されるデータは大当たり乱数であるため、不規則に選択されるものであり、各ビットにおいて二値データは不規則に選択されるはずである。この場合に、異常基準回数以上に亘って、少なくとも一組の隣り合うビット間で同一の二値データとなるということは、
(a)更新回路101において更新用バッファ101bの数値情報の更新が正常に行われていない
(b)更新用バッファ101bと大当たり乱数レジスタ102との間の第1信号線群SL1において短絡が生じている
(c)大当たり乱数レジスタ102とMPU62との間の第2信号線群SL2において短絡が生じている
といった異常が発生している可能性が高い。
このような状況においては、既に説明したとおり遊技停止設定処理を実行して、遊技の進行を制限するとともに異常報知を行うことで、上記異常の発生に対処することが可能となる。
また、上記演算処理によれば、乱数異常フラグに「1」をセットしたタイミングにおける変化ビット記憶エリア134の値を確認することで、いずれのビット間において同一の二値データとなっているか、すなわちいずれの信号線間において異常が発生している可能性があるのかを特定することが可能となる。したがって、異常報知に際しては、MPU62にて、変化ビット記憶エリア134の各ビットを確認し、「0」となっているビットを特定可能な態様で異常報知が行われるように異常発生コマンドを出力するようにしてもよい。また、変化ビット記憶エリア134の内容を遊技ホールの管理者が所有する読み取り装置にて読み取り可能とし、当該読み取り作業を通じて、異常が発生している信号経路を特定可能としてもよい。
また、取得乱数の監視に際して、16ビットの大当たり乱数の全体を単位として監視を行うのではなく、乱数送信用単位データの単位で監視を行う構成となっている。これにより、一の大当たり乱数の送信に際して、取得乱数の監視用の演算を複数回行うことが可能となり、監視を実行する頻度が高められる。また、監視処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
特に、更新回路67は1チップ化されており、配線間の距離は狭いものとなっているため、短絡が生じやすい。これに対して、上記のように隣り合うビット間についての通信異常の監視を行うことで、更新回路67が1チップ化された構成において、配線間の短絡が発生している場合にそれに対処することが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、取得乱数の監視処理の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図25は、取得乱数の監視処理にて利用される各種エリア140〜144を説明するための説明図である。
主制御装置60のRAM64には、各種エリア140〜144として、取得エリア140と、今回判定用エリア141と、前回判定用エリア142と、変化ビットエリア143と、変化ビット記憶エリア144とが設けられている。
取得エリア140は、1バイトに設定されており、8ビットにより構成されている。つまり、取得エリア140のデータ容量×m(mは1以上の自然数)が大当たり乱数のデータ容量と同一となっており、本パチンコ機10ではmは「2」となっている。また、既に説明したとおり、大当たり乱数は、全体として16ビットであるものの、大当たり乱数レジスタ102からMPU62への送信に際しては8ビットずつに分けて送信される。この点、取得エリア140のデータ容量は、大当たり乱数における一度の送信ビット数と同一となっていると言える。
一方、今回判定用エリア141、前回判定用エリア142、変化ビットエリア143及び変化ビット記憶エリア144は、取得エリア140のビット数よりも少ないビットにより構成されている。具体的には2ビットにより構成されている。つまり、今回判定用エリア141、前回判定用エリア142、変化ビットエリア143及び変化ビット記憶エリア144のデータ容量×n(nは2以上の自然数)が取得エリア140のデータ容量と同一となっており、本パチンコ機10ではnは「4」となっている。
取得エリア140には、16ビットの大当たり乱数が8ビット単位で送信される構成において(以下、8ビット単位のデータを乱数送信用単位データともいう)、送信された最新の乱数送信用単位データが格納される。
今回判定用エリア141には、取得エリア140に格納された8ビットの乱数送信用単位データのうち、判定対象となるビット分のデータ(具体的には2ビット分)が格納される。この場合、判定対象となるビットは監視処理の結果が正常であったことを条件として順次変更され、取得エリア140の全ビットが判定対象となった場合には再度、最初に判定対象となったビットに復帰する構成となっている。前回判定用エリア142には、1送信回前の乱数送信用単位データにおいて現状の判定対象のビットに対応したデータが格納される。変化ビットエリア143には、今回判定用エリア141に格納されている判定用データと、前回判定用エリア142に格納されている判定用データとのビット単位での比較結果に対応したデータが格納される。変化ビット記憶エリア144には、判定用データの各ビットについてデータ送信が正常に行われているか否かを示すデータが格納される。
図26は、本実施形態における取得乱数の監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS1001では、乱数送信用単位データの受信が完了したか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合には、そのまま本ステップS1001にて待機する。ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002にて、今回取得した乱数送信用単位データのうち、現状の判定対象となっているビットの各データを、今回判定用エリア141に格納する。
続くステップS1003では、前回判定用エリア142に前回の判定用データが格納されているか否かを判定する。格納されていない場合には、前回判定用エリア142が「0」クリアされた直後であることを意味するため、ステップS1004にて、今回判定用エリア141に格納した今回の判定用データを前回判定用エリア142にそのままコピーする。この場合、前回判定用エリア142の各ビットは、今回判定用エリア141の各ビットと1対1で対応しており、対応するビットに格納されている二値データが格納される。つまり、前回判定用エリア142の各ビットには、今回判定用エリア141において対応する同一のビットに格納されているデータが常に格納されることとなる。
ステップS1003にて肯定判定をした場合又はステップS1004の処理を実行した場合には、ステップS1005にて、今回判定用エリア141に格納されているデータを読み出すとともに、前回判定用エリア142に格納されているデータを読み出し、それら読み出した各データの対応するビット同士についてXOR処理を実行する。そして、そのXOR処理の結果を、ステップS1006にて、変化ビットエリア143に格納する。この場合、変化ビットのエリア143の各ビットは、今回判定用エリア141の各ビットと1対1で対応しており、XOR処理結果の対応するビットに格納されている二値データが格納される。
ステップS1006の処理を実行した後は、ステップS1007にて、今回判定用エリア141の各ビットに格納されているデータを、前回判定用エリア142の対応するビットにシフトし、その後、今回判定用エリア141を「0」クリアする。
続くステップS1008では、変化ビット記憶エリア144に前回の変化ビットエリア143のデータが格納されているか否かを判定する。格納されていない場合には、変化ビット記憶エリア144が「0」クリアされた直後であることを意味するため、ステップS1009にて、変化ビットエリア143に格納したデータを変化ビット記憶エリア144にそのままコピーする。この場合、変化ビット記憶エリア144の各ビットは、変化ビットエリア143の各ビットと1対1で対応しており、対応するビットに格納されている二値データが格納される。つまり、変化ビット記憶エリア144の各ビットには、変化ビットエリア143において対応する同一のビットに格納されているデータが常に格納されることとなる。
ステップS1008にて肯定判定をした場合、又はステップS1009の処理を実行した場合には、ステップS1010にて、変化ビットエリア143に格納されているデータを読み出すとともに、変化ビット記憶エリア144に格納されているデータを読み出し、それら読み出した各データの対応するビット同士についてOR処理を実行する。そして、そのOR処理の結果を、ステップS1011にて、変化ビット記憶エリア144に上書きする。また、ステップS1011では、変化ビットエリア143を「0」クリアする。
その後、ステップS1012にて、変化ビット記憶エリア144のデータを読み出し、その読み出したデータの全ビットをAND処理する。そして、ステップS1013にて、そのAND処理の結果が「1」となっているか否かを判定する。ステップS1013にて肯定判定をした場合には、ステップS1014にて、RAM64に設けられた規定回数カウンタの値を「0」クリアするとともに、変化ビット記憶エリア144を「0」クリアする。
続くステップS1015では、判定対象のビットを次の2ビットにシフトする。その後、ステップS1016にて、今回、ステップS1001にて受信した乱数送信用単位データが、2バイトの大当たり乱数において送信順序が後側となる下位バイトのデータに対応しているか否かを判定する。ステップS1016にて否定判定をした場合には、MPU62からの今回の要求信号の送信に対して大当たり乱数の受信が完了していないことを意味するため、ステップS1001に戻る。ステップS1016にて肯定判定をした場合には、MPU62からの今回の要求信号の送信に対する大当たり乱数の受信が完了していることを意味するため、そのまま本監視処理を終了する。
一方、ステップS1013にて否定判定をした場合には、ステップS1017にて、RAM64の規定回数カウンタの値を1加算し、続くステップS1018にて、当該規定回数カウンタの値が複数として定められた異常基準回数(具体的には「100」)以上となっているか否かを判定する。ステップS1018にて否定判定をした場合には、ステップS1016に進む。この場合の処理内容は既に説明したとおりである。ステップS1018にて肯定判定をした場合には、ステップS1019にて、RAM64に設けられた乱数異常フラグに「1」をセットした後に、本監視処理を終了する。乱数異常フラグに「1」がセットされた場合の作用は、上記第1の実施形態と同様である。
以上詳述した第4の実施形態によれば、一部のビットを各監視処理回で監視する構成であるため、監視処理の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
また、一部のビットについて通信異常が発生していないことが特定された場合には、新たな一部のビットに監視対象が変更される。これにより、一部のビットを各監視処理回で監視することで監視処理の処理負荷の軽減を図った構成において、最終的には数値情報の全ビットを監視対象とすることが可能となる。これにより、監視処理の処理負荷の軽減を図りながら、通信異常を細かく監視することが可能となる。
<第5の実施形態>
上記各実施形態では、第1作動口33及び第2作動口34に対して共通の作動口入賞検知センサ45を設け、いずれの作動口33,34に入賞したとしてもそれが作動口入賞検知センサ45により検知される構成としたが、本実施形態では、第1作動口33に入賞した遊技球と第2作動口34に入賞した遊技球とがそれぞれ別の検知センサにより検知される。この場合、主制御装置60の保留格納エリア64aには、保留用エリアREとして、第1作動口33用の保留エリアと、第2作動口34用の保留エリアとが設けられており、各作動口33,34への入賞に対する保留情報は区別して記憶される。また、主制御装置60のMPU62における当否判定及び振分判定に際しては、第1作動口33側の保留情報と第2作動口34側の保留情報とで遊技者の有利度が相違するように各判定が行われる。具体的には、第2作動口34側の方が遊技者にとって有利となる。なお、第2作動口34側の保留情報の方が第1作動口33側の保留情報よりも当否判定及び振分判定に際して優先される構成としてもよい。
上記のように第1作動口33と第2作動口34とで保留情報が区別して記憶される構成であることに伴って、ハード乱数回路67において大当たり乱数を提供するための構成が上記各実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について具体的に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図27は本実施形態におけるハード乱数回路67を説明するためのブロック図である。
図27に示すように、第1作動口33に入賞した遊技球を検知するための第1作動口入賞検知センサ151は検知信号SG11を主制御装置60のMPU62に送信するとともに、ハード乱数回路67のコントロール回路103に送信する。また、第2作動口34に入賞した遊技球を検知するための第2作動口入賞検知センサ152は検知信号SG12を主制御装置60のMPU62に送信するとともに、ハード乱数回路67のコントロール回路103に送信する。
コントロール回路103は、第1作動口入賞検知センサ151から入賞の発生に対応した検知信号SG11を受信した場合、更新回路101の更新用バッファ101bに格納されている大当たり乱数を、ハード乱数回路67に設けられた第1大当たり乱数レジスタ153に格納する。また、コントロール回路103は、第2作動口入賞検知センサ152から入賞の発生に対応した検知信号SG12を受信した場合、更新回路101の更新用バッファ101bに格納されている大当たり乱数を、ハード乱数回路67に設けられた第2大当たり乱数レジスタ154に格納する。これら第1大当たり乱数レジスタ153及び第2大当たり乱数レジスタ154はそれぞれ、更新用バッファ101bと同一の記憶領域を有しており、具体的には2バイトの記憶領域を有している。
第1大当たり乱数レジスタ153は更新用バッファ101bに第3信号線群SL3を介して接続されている。第1大当たり乱数レジスタ153は、ラッチ信号が入力されたことに同期して、その時点における更新用バッファ101bの各記憶領域に記憶されているデータを自身の記憶領域に書き込む。これにより、ラッチ信号の入力タイミングの大当たり乱数が取得されることとなる。
ここで、第3信号線群SL3は、1バイトのビット数と同一数(具体的には8本)の信号線を備えている。この場合に、上記のとおり更新用バッファ101b及び第1大当たり乱数レジスタ153のそれぞれは2バイトの記憶領域を有しており、これら更新用バッファ101b及び第1大当たり乱数レジスタ153に格納される大当たり乱数は2バイトの容量となっている。したがって、更新用バッファ101bから第1大当たり乱数レジスタ153に大当たり乱数が送信される場合、2バイトの容量の大当たり乱数のうち、最初に上位1バイトの数値情報がパラレルで送信され、当該上位1バイトの数値情報の送信が完了した後に、残りの下位1バイトの数値情報がパラレルで送信される。
第2大当たり乱数レジスタ154は更新用バッファ101bに第4信号線群SL4を介して接続されている。第2大当たり乱数レジスタ154は、ラッチ信号が入力されたことに同期して、その時点における更新用バッファ101bの各記憶領域に記憶されているデータを自身の記憶領域に書き込む。これにより、ラッチ信号の入力タイミングの大当たり乱数が取得されることとなる。
ここで、第4信号線群SL4は、1バイトのビット数と同一数(具体的には8本)の信号線を備えている。この場合に、上記のとおり更新用バッファ101b及び第2大当たり乱数レジスタ154のそれぞれは2バイトの記憶領域を有しており、これら更新用バッファ101b及び第2大当たり乱数レジスタ154に格納される大当たり乱数は2バイトの容量となっている。したがって、更新用バッファ101bから第2大当たり乱数レジスタ154に大当たり乱数が送信される場合、2バイトの容量の大当たり乱数のうち、最初に上位1バイトの数値情報がパラレルで送信され、当該上位1バイトの数値情報の送信が完了した後に、残りの下位1バイトの数値情報がパラレルで送信される。
コントロール回路103には、第1大当たり乱数レジスタ153に大当たり乱数が格納されていることを示すための第1ステータスフラグ155が設けられているとともに、第2大当たり乱数レジスタ154に大当たり乱数が格納されていることを示すための第2ステータスフラグ156が設けられている。第1ステータスフラグ155には、第1大当たり乱数レジスタ153に大当たり乱数が格納されることで「1」がセットされ、第1ステータスフラグ155に「1」がセットされている状況では、第1作動口入賞検知センサ151から入賞の発生に対応した検知信号SG11がコントロール回路103に送信されたとしても、大当たり乱数の新たな取得は行われない。同様に、第2ステータスフラグ156には、第2大当たり乱数レジスタ154に大当たり乱数が格納されることで「1」がセットされ、第2ステータスフラグ156に「1」がセットされている状況では、第2作動口入賞検知センサ152から入賞の発生に対応した検知信号SG12がコントロール回路103に送信されたとしても、大当たり乱数の新たな取得は行われない。
MPU62では、第1作動口入賞検知センサ151から入賞の発生に対応した検知信号SG11を受信した場合、コントロール回路103の第1ステータスフラグ155を確認し、「1」がセットされている場合には、コントロール回路103に第1要求信号を送信することで、第1大当たり乱数レジスタ153から大当たり乱数を取得する。具体的には、MPU62は、第5信号線群SL5を通じて第1大当たり乱数レジスタ153から大当たり乱数を取得する。
ここで、第5信号線群SL5は、1バイトのビット数と同一数(具体的には8本)の信号線を備えている。この場合に、上記のとおり大当たり乱数は2バイトの容量となっている。したがって、第1大当たり乱数レジスタ153からMPU62に大当たり乱数が送信される場合、2バイトの容量の大当たり乱数のうち、最初に上位1バイトの数値情報がパラレルで送信され、当該上位1バイトの数値情報の送信が完了した後に、残りの下位1バイトの数値情報がパラレルで送信される。
MPU62では、第2作動口入賞検知センサ152から入賞の発生に対応した検知信号SG12を受信した場合、コントロール回路103の第2ステータスフラグ156を確認し、「1」がセットされている場合には、コントロール回路103に第2要求信号を送信することで、第2大当たり乱数レジスタ154から大当たり乱数を取得する。具体的には、MPU62は、第6信号線群SL6を通じて第2大当たり乱数レジスタ154から大当たり乱数を取得する。
ここで、第6信号線群SL6は、1バイトのビット数と同一数(具体的には8本)の信号線を備えている。この場合に、上記のとおり大当たり乱数は2バイトの容量となっている。したがって、第2大当たり乱数レジスタ154からMPU62に大当たり乱数が送信される場合、2バイトの容量の大当たり乱数のうち、最初に上位1バイトの数値情報がパラレルで送信され、当該上位1バイトの数値情報の送信が完了した後に、残りの下位1バイトの数値情報がパラレルで送信される。
次に、主制御装置60のMPU62にて実行される本実施形態における保留情報の取得処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1101にて、第1作動口33への入賞が発生しているか否かを判定する。入賞が発生している場合には、ステップS1102にて、第1作動口33及び第2作動口34のうち今回入賞が発生している側の保留情報が上限個数となっているか否かを判定する。ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103にて無効化処理を実行した後にステップS1111に進む。この無効化処理では、第1作動口33への入賞に基づく処理回であれば、第1大当たり乱数レジスタ153及び第1ステータスフラグ155を「0」クリアさせ、第2作動口34への入賞に基づく処理回であれば、第2大当たり乱数レジスタ154及び第2ステータスフラグ156を「0」クリアさせる。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、ステップS1104にて、ハード乱数回路67の対応するステータスフラグ155,156に「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS1104にて否定判定をした場合には、ステップS1105にて遊技停止設定処理を実行した後に、本取得処理を終了する。ステップS1105の処理内容は、上記第1の実施形態における保留情報の取得処理(図13)のステップS405と同様である。
ステップS1104にて肯定判定をした場合には、ステップS1106にて、対応する要求処理を実行する。具体的には、第1作動口33への入賞に基づく処理回であれば、コントロール回路103に第1要求信号を送信し、第2作動口34への入賞に基づく処理回であれば、コントロール回路103に第2要求信号を送信する。したがって、第1作動口33への入賞に基づく処理回であれば、第1大当たり乱数レジスタ153から大当たり乱数が送信され、第2作動口34への入賞に基づく処理回であれば、第2大当たり乱数レジスタ154から大当たり乱数が送信される。
続くステップS1107では、対応する取得乱数の監視処理を実行する。この場合、第1作動口33への入賞に基づく処理回であれば、第1大当たり乱数レジスタ153から送信される大当たり乱数について監視処理を実行し、第2作動口34への入賞に基づく処理回であれば、第2大当たり乱数レジスタ154から送信される大当たり乱数について監視処理を実行する。なお、当該監視処理では、上記第1〜第4の実施形態におけるいずれかの監視処理が実行される。
続くステップS1108では、上記監視処理の結果、乱数異常フラグに「1」がセットされたか否かを判定する。ステップS1108にて肯定判定をした場合には、ステップS1105にて遊技停止設定処理を実行した後に、本取得処理を終了する。ステップS1108にて否定判定をした場合には、ステップS1109にて、ハード乱数回路67から取得した16ビットの大当たり乱数を、保留用エリアREに格納する。この場合、第1作動口33への入賞に基づく処理回であれば、保留用エリアREのうち第1作動口33に対応したエリアに格納し、第2作動口34への入賞に基づく処理回であれば、保留用エリアREのうち第2作動口34に対応したエリアに格納する。
その後、ステップS1110にて、RAM64の抽選用カウンタエリア64bから大当たり種別カウンタC2の値及びリーチ乱数カウンタC3の値を取得し、それら取得した数値情報を、上記ステップS1109にて大当たり乱数が格納された保留エリアにおける対応するエリアに格納する。
続くステップS1111では、第2作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。第2作動口34への入賞が発生している場合には、ステップS1102の処理に戻る。第2作動口34への入賞が発生していない場合には、そのまま本取得処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、ハード乱数回路67には、第1作動口33に対応した第1大当たり乱数レジスタ153と、第2作動口34に対応した第2大当たり乱数レジスタ154とが個別に設けられている。これにより、タイマ割込み処理の1処理回の範囲内で各作動口33,34への入賞がそれぞれ発生したとしても、それぞれの入賞タイミングの大当たり乱数を取得することが可能となる。
この場合に、第1大当たり乱数レジスタ153から送信される大当たり乱数及び第2大当たり乱数レジスタ154から送信される大当たり乱数のそれぞれに対して、取得乱数の監視処理が実行されるため、各大当たり乱数レジスタ153,154から大当たり乱数が正常に送信されているか否かを特定することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を、任意の組合せで適用した構成としてもよく、その任意の組合せで適用した構成に、以下の別形態の構成を、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記各実施形態のようにビット単位で数値情報の異常を監視する構成に代えて、数値情報全体で見て異常を監視する構成としてもよい。
例えば、ハード乱数回路67から同一の乱数送信用単位データを異常基準回数に亘って連続して受信した場合に、遊技停止設定処理を実行する構成としてもよい。具体的には、乱数送信用単位データを受信した場合には、その直前に受信した乱数送信用データの全ビットを反転させたデータを、今回受信した乱数送信用単位データに対して、対応するビット同士で論理積を演算する。そして、その論理積の結果の全ビットについて論理和を演算し、その演算結果が「0」である事象が、複数回として設定された異常基準回数に亘って連続した場合に、遊技停止設定処理を実行する構成としてもよい。
また、例えば、大当たり乱数を受信した場合に、その数値情報がハード乱数回路67から提供され得ない数値情報であるか否かを監視する構成としてもよい。この場合、MPU62において指定した数値範囲外の大当たり乱数を受信したか否かを監視し、当該数値範囲外の大当たり乱数を受信した場合には遊技停止設定処理を実行する構成としてもよい。
(2)排他的論理和、論理和及び論理積を演算することで、通信異常の有無を監視する構成としたが、目的とする通信異常を監視することが可能であれば、具体的な演算手法は任意である。
(3)排他的論理和、論理和及び論理積を演算した結果が異常に対応した結果である事象が異常基準回数に亘って連続して発生した場合に、遊技停止設定処理が実行される構成において、当該異常基準回数は2以上であれば具体的な値は任意である。この場合、異常基準回数を複数段階で設定し、少ない回数側である第1異常基準回数に亘って上記異常に対応した結果である事象が連続して発生した場合には異常報知を実行し、多い回数側である第2異常基準回数に亘って上記異常に対応した結果である事象が連続して発生した場合には遊技の進行を制限する構成としてもよい。
(4)取得乱数の監視処理において通信異常の発生を特定した場合には、パチンコ機10にて異常報知を行わず、さらに遊技の進行を制限しないようにしながら、遊技ホールのホールコンピュータに通信異常の発生に対応した外部出力を行う構成としてもよい。この場合、大当たり乱数の更新又は取得に関して異常が発生していることを、遊技者に知られないようにしながら、遊技ホールにおいて対処することが可能となる。
(5)上記第3の実施形態のように、受信した数値情報とその数値情報のビットを所定方向に1ビット分ずらした数値情報とをビット単位で論理演算する手法を、乱数送信用単位データの単位で行う構成に代えて、大当たり乱数の単位で行う構成としてもよい。
(6)上記第4の実施形態において、乱数送信用単位データの一部のビットを監視処理における監視対象とする場合にその一部のビットは2ビットに限定されることはなく、3ビットであってもよく、4ビットであってもよい。また、複数ビットに限定されることはなく、1ビットであってもよい。
(7)ハード乱数回路67の更新対象となる数値情報は、大当たり乱数に限定されることはなく、当該大当たり乱数に代えて又は加えて、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普電開放カウンタC4のうち少なくとも一つのカウンタにより更新対象となっている乱数としてもよい。この場合であっても、ハード乱数回路67から送信される数値情報に対して、上記各実施形態における取得乱数の監視処理を実行することで、ハード乱数回路67から送信される乱数について通信異常の発生を監視することが可能となる。
(8)上記各実施形態のような取得乱数の監視処理による監視対象を、上記各実施形態とは異なる数値情報としてもよい。
例えば、音声発光制御装置80において主制御装置60から受信するコマンドの数値情報について通信異常が発生していないか否かを監視するために、上記各実施形態にて例示したような取得乱数の監視処理を適用してもよい。また、例えば、表示制御装置90において音声発光制御装置80から受信するコマンドの数値情報について通信異常が発生していないか否かを監視するために、上記各実施形態にて例示したような取得乱数の監視処理を適用してもよい。また、例えば、払出制御装置77において主制御装置60から受信するコマンドの数値情報について通信異常が発生していないか否かを監視するために、上記各実施形態にて例示したような取得乱数の監視処理を適用してもよい。
また、例えば、MPU62の制御部において、RAM64の大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS又は普電開放カウンタC4から取得する数値情報について、上記各実施形態にて例示したような取得乱数の監視処理を適用してもよい。
(9)ハード乱数回路67からMPU62に大当たり乱数を送信する場合の通信方式は、パラレル通信に限定されることはなく、シリアル通信であってもよい。この場合、ハード乱数回路67からMPU62に大当たり乱数を送信するための信号線群には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線と、一のコマンドの送信開始及び送信終了のうち少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線とを設けることが好ましい。本構成においては、各1バイトのデータが出力される場合には、送信単位を示す所定信号の通信も行われる。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
(10)ハード乱数回路67は、パチンコ機10の電源が投入されて、当該ハード乱数回路67への動作電力の供給が開始された場合には、大当たり乱数の更新初期値を抽選により決定する構成としてもよい。この場合、動作電力の供給が開始される度に、大当たり乱数の初期値がランダムに決定されるため、ハード乱数回路67への動作電力の供給を不正に遮断して大当たり乱数の更新を再スタートさせる不正行為が行われたとしても、その際の大当たり乱数はランダムとなるため、当該不正行為を無効化させることが可能となる。また、当該構成を、大当たり乱数の更新が1周したことを示す信号がハード乱数回路67から送信されない構成に適用することで、ハード乱数回路67において更新されている大当たり乱数が所定の値となった場合に入賞に対応した検知信号を不正に送信しようとしても、その送信タイミングを特定することができなくなり、当該不正行為を阻止することが可能となる。
(11)取得乱数の監視処理の変形例を、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
当該変形例では、16ビットの大当たり乱数のうち、「0〜255」が大当たり結果に対応した数値として設定されている。つまり、大当たり結果に対応した大当たり乱数となるときは、大当たり乱数の上位1バイトは常に「00000000」となる。この場合に、当該監視処理では、上位1バイトが「00000000」となる事象が異常基準回数(例えば10回)に亘って連続していないか否かを監視することで、大当たり乱数の通信異常が原因で、大当たり乱数が大当たり結果に対応した数値になり続ける事象が発生していないか否かを監視する。
具体的には、まずステップS1201にて、ハード乱数回路67から16ビットの大当たり乱数の受信が完了したか否かを判定する。受信が完了していない場合にはステップS1201にて待機し、受信が完了している場合にはステップS1202に進む。ステップS1202では、今回受信した16ビットの大当たり乱数のうち、判定対象となるビットをRAM64に設けられた判定用エリアに格納する。具体的には、大当たり乱数の上位1バイトの数値情報を判定用エリアに格納する。続くステップS1203では、判定用エリアの各ビットをOR処理する。これにより、いずれかのビットに「1」が格納されていれば処理結果は「1」となり、全てのビットに「0」が格納されている場合には処理結果は「0」となる。そして、ステップS1204にて判定用エリアを「0」クリアする。
その後、ステップS1205にて、上記OR処理の結果が「1」であるか否かを判定する。肯定判定をした場合には、ステップS1206にて、規定回数カウンタを「0」クリアした後に、本監視処理を終了する。一方、否定判定をした場合には、ステップS1207にて規定回数カウンタの値を1加算し、続くステップS1208にて規定回数カウンタの値が異常基準回数以上であるか否かを判定する。ステップS1208にて否定判定をした場合にはそのまま本監視処理を終了し、ステップS1208にて肯定判定をした場合にはステップS1209にて乱数異常フラグに「1」をセットした後に、本監視処理を終了する。乱数異常フラグに「1」がセットされた場合の処理内容は、上記各実施形態と同様である。
上記構成によれば、大当たり乱数が大当たり結果に対応した数値になり続ける事象が発生した場合には、遊技停止設定処理が実行されるため、大当たり乱数の通信異常が原因で大当たり結果になり続ける事象が発生した場合にはそれに対処することが可能となる。
また、16ビットの大当たり乱数における一部のビットのみを判定対象とするため、監視処理の処理負荷の軽減が図られる。
なお、上記監視処理を当否抽選モードが高確率モードの場合には行わずに、低確率モードの場合に行う構成としてもよい。
また、大当たり結果となる数値範囲は上記のものに限定されることはなく任意である。当該数値範囲を変更した場合には、当該数値範囲との関係で大当たり結果となる場合には「0」が設定されるビットを監視対象のビットとすればよい。この場合に、大当たり乱数のビットとして、大当たり結果となる大当たり乱数の場合に「1」となり得るとともに、「0」となり得るビットが存在している場合、最上位のビットから当該ビットに対して上位側に1ビットずれたビットまでを監視対象のビットとするとともに、異常基準回数をそれに対応した数に設定すればよい。
また、上位1バイトのいずれかのビットに「1」が設定され続ける事象を監視する構成としてもよい。この場合、異常基準回数は、大当たり当選確率との関係で、当該事象が連続し続けることが起こりづらい回数として設定する必要がある。
(12)ハード乱数回路67に入力ポートとして16ビットの入力端子を設け、当該16ビットの入力端子において閾値電圧以上の電力を受けている入力端子のパターンにより、大当たり乱数を更新する場合の数値範囲(又は上限値)が特定される構成としてもよい。つまり、ハード乱数回路67は、大当たり乱数の更新用として16ビットのエリアが設定されているが、当該16ビットの各エリアを上記16ビットの入力端子と1対1で対応させ、ON状態となっている入力端子に対応したビット群のエリアを利用して大当たり乱数の更新を行う構成とする。例えば、16ビットの入力端子のうち、下位側から8ビットの入力端子がON状態となっている場合には、大当たり乱数の更新用のエリアのうち下位側から8ビットのエリアを利用して大当たり乱数の更新を行う。この場合、パチンコ機10の電源が投入されてMPU62への動作電力の供給が開始された場合には、当該MPU62による制御が介在することなく、当該パチンコ機10の設計段階で設定された入力端子のビット群に自動的に電力が投入される構成とすることで、数値範囲の指定に関してMPU62において処理を実行する必要がなくなり、当該MPU62の処理負荷の軽減が図られる。なお、大当たり乱数の更新用のエリアを16ビット以外のビット数としてもよく、この場合であっても、上記入力端子のビット数を当該大当たり乱数の更新用のエリアと1対1で対応させることで、同様の作用効果を奏することが可能となる。
(13)上記各実施形態における取得乱数の監視処理において、排他的論理和及び論理和を演算した結果(以下、特定演算結果ともいう)について論理積を演算する構成に代えて、特定演算結果の全ビットを反転させて、その反転結果の全ビットが「0」となっているか否かを判定する構成としてもよい。この場合、全ビットについて論理和を演算して、その結果が「0」となっているか否かを判定する構成としてもよく、ビット毎に「0」となっているか否かを判定する構成としてもよい。また、上記特定演算結果の全ビットが「1」となっているか否かをビット毎に判定する構成としてもよい。また、上記特定演算結果から10進数で「255」を減算し、その減算結果が「0」となっているか否かを判定する構成としてもよい。
(14)上記第3の実施形態のように隣り合うビット間の通信異常を監視する構成において、上記第4の実施形態のように一部のビット毎に監視を行う構成としてもよい。
(15)特電入賞装置32の閉鎖中は特電入賞装置32が完全に閉鎖される構成としたが、特電入賞装置32の一部の領域が閉鎖されていない構成としてもよい。この場合、その一部の領域を通じて、閉鎖中であっても特電入賞装置32に遊技球が入賞し得る構成としてもよく、その一部の領域が遊技球よりも狭い領域であることにより閉鎖中において特電入賞装置32への遊技球の入賞が不可である構成としてもよい。
(16)普電役物34aの閉鎖中は第2作動口34への遊技球の入賞が不可となる構成に代えて、普電役物34aの閉鎖中であっても第2作動口34への遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。但し、その入賞のし易さは、普電役物34aの開放中よりも低い必要がある。
(17)主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置80により表示制御装置90が制御される構成に代えて、主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置90が音声発光制御装置80を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置80と表示制御装置90とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置60に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置60に集約されていてもよい。また、主制御装置60から音声発光制御装置80に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置80から表示制御装置90に出力されるコマンドの構成も任意である。
(18)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置41に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組合せによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(19)上記実施形態では、特図表示部37aにおいて各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、特図表示部37aを不具備としてもよく、いずれの遊技結果であっても特図表示部37aにおいて共通の停止結果が表示される構成としてもよく、特図表示部37aにおいて停止結果がランダムに表示されることで、結果的に特図表示部37aの表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(20)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.所定の信号経路(第1〜第4の実施形態では第2信号線群SL2、第5の実施形態では第5信号線群SL5及び第6信号線群SL6)を通じて受信した数値情報(大当たり乱数)を利用して所定処理(当否判定処理)を実行する所定制御手段(MPU62)を備え、
当該所定制御手段は、
前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報を利用して監視処理を実行する監視処理実行手段(MPU62における取得乱数の監視処理を実行する機能)と、
当該監視処理実行手段による監視結果が異常に対応したものである場合に、異常対応処理を実行する対応処理実行手段(MPU62における遊技停止設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、数値情報を利用して所定処理が実行される構成において、受信した数値情報を利用して監視処理が実行され、その監視処理の結果、異常の発生が特定された場合には、異常対応処理が実行される。これにより、異常な数値情報を利用したまま、所定処理が実行され続けてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴A2.所定の信号経路(第1〜第4の実施形態では第2信号線群SL2、第5の実施形態では第5信号線群SL5及び第6信号線群SL6)を通じて受信した数値情報(大当たり乱数)を利用して所定処理(当否判定処理)を実行する所定制御手段(MPU62)を備え、
当該所定制御手段は、
前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報と、それよりも前に前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報とを利用して、数値情報が変化しているか否かを特定するための監視処理を実行する監視処理実行手段(MPU62における取得乱数の監視処理を実行する機能)と、
当該監視処理実行手段による監視結果が異常に対応したものである場合に、異常対応処理を実行する対応処理実行手段(MPU62における遊技停止設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、数値情報を利用して所定処理が実行される構成において、所定の信号経路を通じて受信した数値情報と、それよりも前に所定の信号経路を通じて受信した数値情報とを利用して監視処理が実行され、その監視処理の結果、数値情報が変化していないことが特定された場合には、異常対応処理が実行される。これにより、異常な数値情報を利用したまま、所定処理が実行され続けてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴A3.前記監視処理実行手段は、監視対象となった複数の数値情報が同一の数値情報である事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、数値情報を提供する側において何らかの異常が発生し、同一の数値情報のみを所定制御手段に提供する状況となっている場合には異常対応処理が実行されるため、当該異常に対処することが可能となる。
特徴A4.前記数値情報は複数ビットにより構成されるものであり、
前記監視処理実行手段は、前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報と、それよりも前に前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報とで、対応するビット同士の数値が変化しているか否かを監視し、同一のビット同士において数値が変化しない事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A4によれば、ビット単位で同一の数値が提供されている状態であるか否かを監視することが可能となる。これにより、数値情報全体で見て数値が変化していないか否かを監視する場合に比べ、数値情報の異常監視を細かく行うことが可能となる。
特徴A5.前記監視処理実行手段は、監視対象となっているビットのうち少なくとも一のビットにおいて、前記対応するビット同士で数値が変化しない事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、少なくとも一のビットにおいて数値が変化しない事象が特定回数発生した場合には、異常対応処理が実行されるため、各ビットについて異常に対処することが可能となる。
特徴A6.前記監視処理実行手段は、監視対象となっているビットについて所定の演算処理を実行することで、前記対応するビット同士で数値が変化しない事象が発生しているか否かを特定するものであって、前記所定の演算処理を前記複数ビットのうち一部のビットを対象に行うものであることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、数値情報の全ビットを常に監視するのではなく、一部のビットを監視する構成であるため、監視処理の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特徴A7.複数ビットにより構成される送信用単位の数値情報を一単位として、前記所定の信号経路を通じて数値情報が伝送される構成であり、
前記監視処理実行手段は、前記所定の演算処理を前記送信用単位の数値情報に含まれる複数ビットのうち一部のビットを対象に行うものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、送信用単位の数値情報の全ビットを常に監視するのではなく、一部のビットを監視する構成であるため、監視処理の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特徴A8.前記所定制御手段は、処理用単位の数値情報(大当たり乱数)を利用して前記所定処理を実行するものであり、
前記処理用単位の数値情報は、同一のビット数である送信用単位の数値情報(乱数送信用単位データ)を所定個数含み、
前記監視処理実行手段は、前記所定の演算処理を前記送信用単位の数値情報に含まれるビットを対象に行うものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A8によれば、処理用単位の数値情報の全ビットを常に監視するのではなく、送信用単位の数値情報のビット毎に監視する構成であるため、監視処理の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特徴A9.前記監視処理実行手段は、監視対象となっているビットについて異常が発生していないことに対応した監視結果を導出した場合に、前記複数ビットのうち当該監視対象となっているビットとは異なるビットを新たな監視対象として設定する監視対象設定手段(第4の実施形態におけるMPU62のステップS1015の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、一部のビットを各監視処理回で監視することで、監視処理の処理負荷の軽減を図った構成において、最終的には数値情報の全ビットを監視対象とすることが可能となる。これにより、監視処理の処理負荷の軽減を図りながら、異常を細かく監視することが可能となる。
特徴A10.前記監視対象となり得るビットは、前記所定情報を複数回受信した場合に異なる値をとり得るビットであることを特徴とする特徴A6乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、所定の頻度で数値が変化し得るビットに対して、異常の監視を行うことが可能となる。
特徴A11.前記所定制御手段は、前記所定処理として、前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報を利用して抽選処理を実行するものであり、
前記数値情報の一部の所定ビットは、前記抽選処理にて当選結果となる場合、二値データのうち一方のデータのみが格納されるビットであり、
前記監視処理実行手段は、前記所定ビットが前記一方のデータとなっている事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴A6乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、抽選処理にて当選結果となり続けるという異常が発生した場合に、それに対処することが可能となる。しかも、この監視を、抽選用の数値情報を利用して行うことが可能となる。
特徴A12.前記監視処理実行手段は、
前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報と、それよりも前に前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報とで、対応するビット同士の排他的論理和を演算する第1演算手段(第1の実施形態ではMPU62におけるステップS605の処理を実行する機能、第2の実施形態ではMPU62におけるステップS805の処理を実行する機能、第4の実施形態ではMPU62におけるステップS1005の処理を実行する機能)と、
当該第1演算手段の演算結果と、それよりも前の当該第1演算手段の演算結果とで、対応するビット同士の論理和を演算する第2演算手段(第1の実施形態ではMPU62におけるステップS610の処理を実行する機能、第2の実施形態ではMPU62におけるステップS810の処理を実行する機能、第4の実施形態ではMPU62におけるステップS1010の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A5乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、ビット単位で連続的に数値が変化していないか否かの監視を、比較的簡易な演算手法により実現することが可能となる。
特徴A13.前記監視処理実行手段は、前記第2演算手段の演算結果の全ビットについて論理積を演算する第3演算手段(第1の実施形態ではMPU62におけるステップS612の処理を実行する機能、第2の実施形態ではMPU62におけるステップS812の処理を実行する機能、第4の実施形態ではMPU62におけるステップS1012の処理を実行する機能)を備え、当該論理積の結果が「0」となる事象が前記特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、異常が発生しているか否かをビット単位で確認しなくても、いずれかのビットにおいて異常が発生していることを簡易な演算手法により特定することが可能となる。
特徴A14.前記所定制御手段は、処理用単位の数値情報(大当たり乱数)を利用して前記所定処理を実行するものであり、
前記処理用単位の数値情報は、同一のビット数である送信用単位の数値情報(乱数送信用単位データ)を所定個数含み、
前記監視処理実行手段は、前記所定の信号経路を通じて受信した前記送信用単位の数値情報と、それよりも前に前記所定の信号経路を通じて受信した前記送信用単位の数値情報とを利用して前記監視処理を実行するものであることを特徴とする特徴A2乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、処理用単位の数値情報毎に監視処理を実行するのではなく、送信用単位の数値情報毎に監視処理を実行することにより、監視処理の実行頻度を高めることが可能となる。また、送信用単位の数値情報は同一のビット数であるため、送信用単位の数値情報毎に監視処理を実行したとしても、一定の態様で監視処理を実行することが可能となる。
特徴A15.前記所定の信号経路は、複数の単位信号経路を備え、
前記監視処理実行手段は、前記所定の信号経路を通じて数値情報を受信した場合に、当該数値情報のうち一の単位信号経路を通じて受信した数値と、当該数値情報のうち当該一の単位経路に対して隣り合う単位信号経路を通じて受信した数値とが同一であるか否かを監視し、同一である事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、隣り合う単位信号経路を通じて受信した数値が変化しない事象が特定回数発生した場合には、異常対応処理が実行される。これにより、隣り合う単位信号経路において短絡が発生している場合にはそれに対処することが可能となり、異常な数値情報を利用したまま、所定処理が実行され続けてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴A16.前記数値情報は複数のビットが配列されることにより構成されるものであり、
前記監視処理実行手段は、
前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報を格納エリア(今回取得エリア131)に格納する格納手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS902の処理を実行する機能)と、
前記格納エリアに格納されている数値情報の各ビットの値を配列方向の所定方向に1ビットずつシフトさせるシフト手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS903の処理を実行する機能)と、
前記格納手段に格納されている数値情報と、前記シフト手段によりシフトされた数値情報とで、ビットの配列順序において対応するビット同士の数値が変化しているか否かを監視し、同一の配列順序のビット同士において数値が変化しない事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出する監視結果導出手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS904〜ステップS917の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、所定の信号経路を通じて受信した数値情報に対してビット単位で所定の演算処理を実行するという比較的簡素な処理構成により、隣り合う単位信号経路において短絡が発生しているか否かを監視することが可能となる。
特徴A17.前記監視結果導出手段は、
前記格納手段に格納されている数値情報と、前記シフト手段によりシフトされた数値情報とで、ビットの配列順序において対応するビット同士の排他的論理和を演算する第1演算手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS904の処理を実行する機能)と、
当該第1演算手段の演算結果と、それよりも前の当該第1演算手段の演算結果とで、ビットの配列順序において対応するビット同士の論理和を演算する第2演算手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS909の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、隣り合う単位信号経路において連続的に数値が変化していないか否かの監視を、比較的簡易な演算手法により実現することが可能となる。
特徴A18.前記監視結果導出手段は、前記第2演算手段の演算結果の全ビットについて論理積を演算する第3演算手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS911の処理を実行する機能)を備え、当該論理積の結果が「0」となる事象が前記特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、異常が発生しているか否かをビット単位で確認しなくても、いずれかの単位信号経路間で短絡が発生していることを簡易な演算手法により特定することが可能となる。
特徴A19.前記所定制御手段は、処理用単位の数値情報(大当たり乱数)を利用して前記所定処理を実行するものであり、
前記処理用単位の数値情報は、同一のビット数である送信用単位の数値情報(乱数送信用単位データ)を所定個数含み、
前記監視処理実行手段は、前記所定の信号経路を通じて前記送信用単位の数値情報を受信した場合に、当該送信用単位の数値情報のうち一の単位信号経路を通じて受信した数値と、当該送信用単位の数値情報のうち当該一の単位経路に対して隣り合う単位信号経路を通じて受信した数値とが同一であるか否かを監視し、同一である事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴A15乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、処理用単位の数値情報毎に監視処理を実行するのではなく、送信用単位の数値情報毎に監視処理を実行することにより、監視処理の実行頻度を高めることが可能となる。また、送信用単位の数値情報は同一のビット数であるため、送信用単位の数値情報毎に監視処理を実行したとしても、一定の態様で監視処理を実行することが可能となる。
特徴A20.前記対応処理実行手段は、前記異常対応処理として、異常報知を実行するための処理、及び遊技の進行を制限するための処理のうち少なくとも一方を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、異常が発生していることが特定された場合に、それに対処することが可能となる。
特徴A21.前記所定制御手段は、前記所定処理として、前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報を利用して抽選処理を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、抽選処理に利用される数値情報の提供に異常が生じると、抽選処理が機能しなくなってしまう。特に、その抽選処理が、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行うものである場合には、遊技者に特典が付与されない状態が不当に連続したり、遊技者に特典が付与され続けてしまうといった問題が生じる。これに対して、上記特徴A1や上記特徴A2等の構成を備えていることにより、数値情報の提供について異常が発生した場合にはそれに対処することが可能となる。
特徴A22.予め定められた更新タイミングとなる度に抽選用数値情報を更新する更新手段(ハード乱数回路67)を備え、
当該更新手段は、予め定められた取得条件が成立した場合に、前記所定の信号経路を通じて前記所定制御手段に前記抽選用数値情報を送信するものであることを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
更新手段から提供される抽選用数値情報を利用して抽選処理が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A23.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
当該入球部に遊技球が入球したことを検知する検知手段(第1〜第4の実施形態では作動口入賞検知センサ45、第5の実施形態では第1作動口入賞検知センサ151及び第2作動口入賞検知センサ152)と、
を備え、
当該検知手段は、前記入球部に遊技球が入球したことを検知した場合、それに対応した検知信号を、前記更新手段及び前記所定制御手段に送信し、
前記更新手段は、前記検知信号を受信したタイミングにおける前記抽選用数値情報を前記所定制御手段への送信用のエリア(第1〜第4の実施形態では大当たり乱数レジスタ102、第5の実施形態では第1大当たり乱数レジスタ153及び第2大当たり乱数レジスタ154)に格納する更新側格納手段(コントロール回路103)を備え、
前記所定制御手段は、
前記検知信号を受信したか否かを定期的に監視する定期監視手段(MPU62における入賞検知処理を実行する機能)と、
当該定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合に、前記更新側格納手段に格納されている前記抽選用数値情報の送信を前記更新手段に要求する要求手段(MPU62における要求処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A22に記載の遊技機。
特徴A23によれば、所定制御手段において各種処理が実行されることとの関係で、検知手段からの検知信号の送信タイミングに対して抽選用数値情報の取得タイミングが遅れたとしても、検知手段からの検知信号の送信タイミングにおいて既に更新手段にて抽選用数値情報が提供用に取得されている。したがって、検知手段における検知信号の送信タイミングに対応した抽選用数値情報を利用して、抽選処理を実行することが可能となる。
特徴A24.前記更新手段は、前記送信用のエリアに前記抽選用数値情報が格納された場合に、格納済み情報が記憶される格納済み記憶手段(第1〜第4の実施形態ではステータスフラグ103a、第5の実施形態では第1ステータスフラグ155及び第2ステータスフラグ156)を備え、
前記要求手段は、前記定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合であって、前記格納済み記憶手段に前記格納済み情報が記憶されている場合に、前記更新側格納手段に格納されている前記抽選用数値情報の送信を前記更新手段に要求するものであり、
前記所定制御手段は、前記定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合であって、前記格納済み記憶手段に前記格納済み情報が記憶されていない場合、それに対応した異常処理を実行する異常処理実行手段(第1〜第4の実施形態ではMPU62におけるステップS404にて否定判定をしてステップS405の処理を実行する機能、第5の実施形態ではMPU62におけるステップS1104にて否定判定をしてステップS1105の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A23に記載の遊技機。
特徴A24によれば、検知手段から更新手段及び所定制御手段の両方に検知信号が送信される構成において、所定制御手段には検知信号が送信されるが、更新手段には検知信号が送信されないという異常が発生した場合には、それに対して異常処理が実行される。これにより、当該異常に対処することが可能となる。
特徴A25.前記更新手段は、前記所定制御手段により指定される指定数値範囲において前記抽選用数値情報の更新を行うものであり、
前記指定数値範囲における前記抽選用数値情報の更新の1周期が、前記指定数値範囲に対応した基準周期に対応しているか否かを監視する周期監視手段(コントロール回路103)と、
当該周期監視手段の監視結果が周期異常に対応した結果である場合に、異常処理を実行する周期異常対応手段(MPU62におけるステップS205の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A22乃至A24のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A25によれば、更新手段は所定制御手段により指定された数値範囲において抽選用数値情報の更新を行う構成であるため、更新手段の汎用性が高められる。また、その指定された数値範囲における抽選用数値情報の更新の1周期が当該数値範囲に対応した基準周期に対応していない場合には、異常処理が実行される。これにより、抽選用数値情報の指定数値範囲内での更新に関して異常が発生している場合には、それに対処することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.所定の信号経路(第3の実施形態で第2信号線群SL2、第5の実施形態では第5信号線群SL5及び第6信号線群SL6)を通じて受信した数値情報(大当たり乱数)を利用して所定処理(当否判定処理)を実行する所定制御手段(MPU62)を備え、
前記所定の信号経路は、複数の単位信号経路を備え、
前記所定制御手段は、
前記所定の信号経路を通じて数値情報を受信した場合に、当該数値情報のうち一の単位信号経路を通じて受信した数値と、当該数値情報のうち当該一の単位経路に対して隣り合う単位信号経路を通じて受信した数値とが同一であるか否かを監視し、同一である事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出する監視処理実行手段(第3の実施形態におけるMPU62の取得乱数の監視処理を実行する機能)と、
当該監視処理実行手段による監視結果が異常に対応したものである場合に、異常対応処理を実行する対応処理実行手段(MPU62における遊技停止設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、数値情報を利用して所定処理が実行される構成において、隣り合う単位信号経路を通じて受信した数値が変化しない事象が特定回数発生した場合には、異常対応処理が実行される。これにより、隣り合う単位信号経路において短絡が発生している場合にはそれに対処することが可能となり、異常な数値情報を利用したまま、所定処理が実行され続けてしまう可能性を低減することが可能となる。
特徴B2.前記数値情報は複数のビットが配列されることにより構成されるものであり、
前記監視処理実行手段は、
前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報を格納エリア(今回取得エリア131)に格納する格納手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS902の処理を実行する機能)と、
前記格納エリアに格納されている数値情報の各ビットの値を配列方向の所定方向に1ビットずつシフトさせるシフト手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS903の処理を実行する機能)と、
前記格納手段に格納されている数値情報と、前記シフト手段によりシフトされた数値情報とで、ビットの配列順序において対応するビット同士の数値が変化しているか否かを監視し、同一の配列順序のビット同士において数値が変化しない事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出する監視結果導出手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS904〜ステップS917の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、所定の信号経路を通じて受信した数値情報に対してビット単位で所定の演算処理を実行するという比較的簡素な処理構成により、隣り合う単位信号経路において短絡が発生しているか否かを監視することが可能となる。
特徴B3.前記監視結果導出手段は、
前記格納手段に格納されている数値情報と、前記シフト手段によりシフトされた数値情報とで、ビットの配列順序において対応するビット同士の排他的論理和を演算する第1演算手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS904の処理を実行する機能)と、
当該第1演算手段の演算結果と、それよりも前の当該第1演算手段の演算結果とで、ビットの配列順序において対応するビット同士の論理和を演算する第2演算手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS909の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、隣り合う単位信号経路において連続的に数値が変化していないか否かの監視を、比較的簡易な演算手法により実現することが可能となる。
特徴B4.前記監視結果導出手段は、前記第2演算手段の演算結果の全ビットについて論理積を演算する第3演算手段(第3の実施形態におけるMPU62のステップS911の処理を実行する機能)を備え、当該論理積の結果が「0」となる事象が前記特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、異常が発生しているか否かをビット単位で確認しなくても、いずれかの単位信号経路間で短絡が発生していることを簡易な演算手法により特定することが可能となる。
特徴B5.前記所定制御手段は、処理用単位の数値情報(大当たり乱数)を利用して前記所定処理を実行するものであり、
前記処理用単位の数値情報は、同一のビット数である送信用単位の数値情報(乱数送信用単位データ)を所定個数含み、
前記監視処理実行手段は、前記所定の信号経路を通じて前記送信用単位の数値情報を受信した場合に、当該送信用単位の数値情報のうち一の単位信号経路を通じて受信した数値と、当該送信用単位の数値情報のうち当該一の単位経路に対して隣り合う単位信号経路を通じて受信した数値とが同一であるか否かを監視し、同一である事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、処理用単位の数値情報毎に監視処理を実行するのではなく、送信用単位の数値情報毎に監視処理を実行することにより、監視処理の実行頻度を高めることが可能となる。また、送信用単位の数値情報は同一のビット数であるため、送信用単位の数値情報毎に監視処理を実行したとしても、一定の態様で監視処理を実行することが可能となる。
特徴B6.前記対応処理実行手段は、前記異常対応処理として、異常報知を実行するための処理、及び遊技の進行を制限するための処理のうち少なくとも一方を実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、異常が発生していることが特定された場合に、それに対処することが可能となる。
特徴B7.前記所定制御手段は、前記所定処理として、前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報を利用して抽選処理を実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、抽選処理に利用される数値情報の提供に異常が生じると、抽選処理が機能しなくなってしまう。特に、その抽選処理が、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行うものである場合には、遊技者に特典が付与されない状態が不当に連続したり、遊技者に特典が付与され続けてしまうといった問題が生じる。これに対して、上記特徴B1等の構成を備えていることにより、数値情報の提供について異常が発生した場合にはそれに対処することが可能となる。
特徴B8.予め定められた更新タイミングとなる度に抽選用数値情報を更新する更新手段(ハード乱数回路67)を備え、
当該更新手段は、予め定められた取得条件が成立した場合に、前記所定の信号経路を通じて前記所定制御手段に前記抽選用数値情報を送信するものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
更新手段から提供される抽選用数値情報を利用して抽選処理が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴B9.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
当該入球部に遊技球が入球したことを検知する検知手段(第1〜第4の実施形態では作動口入賞検知センサ45、第5の実施形態では第1作動口入賞検知センサ151及び第2作動口入賞検知センサ152)と、
を備え、
当該検知手段は、前記入球部に遊技球が入球したことを検知した場合、それに対応した検知信号を、前記更新手段及び前記所定制御手段に送信し、
前記更新手段は、前記検知信号を受信したタイミングにおける前記抽選用数値情報を前記所定制御手段への送信用のエリア(第1〜第4の実施形態では大当たり乱数レジスタ102、第5の実施形態では第1大当たり乱数レジスタ153及び第2大当たり乱数レジスタ154)に格納する更新側格納手段(コントロール回路103)を備え、
前記所定制御手段は、
前記検知信号を受信したか否かを定期的に監視する定期監視手段(MPU62における入賞検知処理を実行する機能)と、
当該定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合に、前記更新側格納手段に格納されている前記抽選用数値情報の送信を前記更新手段に要求する要求手段(MPU62における要求処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、所定制御手段において各種処理が実行されることとの関係で、検知手段からの検知信号の送信タイミングに対して抽選用数値情報の取得タイミングが遅れたとしても、検知手段からの検知信号の送信タイミングにおいて既に更新手段にて抽選用数値情報が提供用に取得されている。したがって、検知手段における検知信号の送信タイミングに対応した抽選用数値情報を利用して、抽選処理を実行することが可能となる。
特徴B10.前記更新手段は、前記送信用のエリアに前記抽選用数値情報が格納された場合に、格納済み情報が記憶される格納済み記憶手段(第1〜第4の実施形態ではステータスフラグ103a、第5の実施形態では第1ステータスフラグ155及び第2ステータスフラグ156)を備え、
前記要求手段は、前記定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合であって、前記格納済み記憶手段に前記格納済み情報が記憶されている場合に、前記更新側格納手段に格納されている前記抽選用数値情報の送信を前記更新手段に要求するものであり、
前記所定制御手段は、前記定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合であって、前記格納済み記憶手段に前記格納済み情報が記憶されていない場合、それに対応した異常処理を実行する異常処理実行手段(第1〜第4の実施形態ではMPU62におけるステップS404にて否定判定をしてステップS405の処理を実行する機能、第5の実施形態ではMPU62におけるステップS1104にて否定判定をしてステップS1105の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、検知手段から更新手段及び所定制御手段の両方に検知信号が送信される構成において、所定制御手段には検知信号が送信されるが、更新手段には検知信号が送信されないという異常が発生した場合には、それに対して異常処理が実行される。これにより、当該異常に対処することが可能となる。
特徴B11.前記更新手段は、前記所定制御手段により指定される指定数値範囲において前記抽選用数値情報の更新を行うものであり、
前記指定数値範囲における前記抽選用数値情報の更新の1周期が、前記指定数値範囲に対応した基準周期に対応しているか否かを監視する周期監視手段(コントロール回路103)と、
当該周期監視手段の監視結果が周期異常に対応した結果である場合に、異常処理を実行する周期異常対応手段(MPU62におけるステップS205の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B8乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B11によれば、更新手段は所定制御手段により指定された数値範囲において抽選用数値情報の更新を行う構成であるため、更新手段の汎用性が高められる。また、その指定された数値範囲における抽選用数値情報の更新の1周期が当該数値範囲に対応した基準周期に対応していない場合には、異常処理が実行される。これにより、抽選用数値情報の指定数値範囲内での更新に関して異常が発生している場合には、それに対処することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.所定の信号経路(第1〜第4の実施形態では第2信号線群SL2、第5の実施形態では第5信号線群SL5及び第6信号線群SL6)を通じて受信した数値情報(大当たり乱数)を利用して所定処理(当否判定処理)を実行する所定制御手段(MPU62)を備え、
前記数値情報は複数ビットにより構成されるものであり、
前記所定制御手段は、
前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報と、それよりも前に前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報とで、対応するビット同士の数値が変化しているか否かを監視し、同一のビット同士において数値が変化しない事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出する監視処理実行手段(第4の実施形態におけるMPU62の取得乱数の監視処理を実行する機能)と、
当該監視処理実行手段による監視結果が異常に対応したものである場合に、異常対応処理を実行する対応処理実行手段(MPU62における遊技停止設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記監視処理実行手段は、監視対象となっているビットについて所定の演算処理を実行することで、前記対応するビット同士で数値が変化しない事象が発生しているか否かを特定するものであって、前記所定の演算処理を前記複数ビットのうち一部のビットを対象に行うものであることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、数値情報を利用して所定処理が実行される構成において、受信した数値情報を利用して監視処理が実行され、その監視処理の結果、異常の発生が特定された場合には、異常対応処理が実行される。これにより、異常な数値情報を利用したまま、所定処理が実行され続けてしまう可能性を低減することが可能となる。
特に、ビット単位で同一の数値が提供されている状態であるか否かを監視することが可能となる。これにより、数値情報全体で見て数値が変化していないか否かを監視する場合に比べ、数値情報の異常監視を細かく行うことが可能となる。
また、数値情報の全ビットを常に監視するのではなく、一部のビットを監視する構成であるため、監視処理の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特徴C2.複数ビットにより構成される送信用単位の数値情報を一単位として、前記所定の信号経路を通じて数値情報が伝送される構成であり、
前記監視処理実行手段は、前記所定の演算処理を前記送信用単位の数値情報に含まれる複数ビットのうち一部のビットを対象に行うものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、送信用単位の数値情報の全ビットを常に監視するのではなく、一部のビットを監視する構成であるため、監視処理の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特徴C3.前記所定制御手段は、処理用単位の数値情報(大当たり乱数)を利用して前記所定処理を実行するものであり、
前記処理用単位の数値情報は、同一のビット数である送信用単位の数値情報(乱数送信用単位データ)を所定個数含み、
前記監視処理実行手段は、前記所定の演算処理を前記送信用単位の数値情報に含まれるビットを対象に行うものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C3によれば、処理用単位の数値情報の全ビットを常に監視するのではなく、送信用単位の数値情報のビット毎に監視する構成であるため、監視処理の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特徴C4.前記監視処理実行手段は、監視対象となっているビットについて異常が発生していないことに対応した監視結果を導出した場合に、前記複数ビットのうち当該監視対象となっているビットとは異なるビットを新たな監視対象として設定する監視対象設定手段(第4の実施形態におけるMPU62のステップS1015の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、一部のビットを各監視処理回で監視することで、監視処理の処理負荷の軽減を図った構成において、最終的には数値情報の全ビットを監視対象とすることが可能となる。これにより、監視処理の処理負荷の軽減を図りながら、異常を細かく監視することが可能となる。
特徴C5.前記監視対象となり得るビットは、前記所定情報を複数回受信した場合に異なる値をとり得るビットであることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、所定の頻度で数値が変化し得るビットに対して、異常の監視を行うことが可能となる。
特徴C6.前記所定制御手段は、前記所定処理として、前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報を利用して抽選処理を実行するものであり、
前記数値情報の一部の所定ビットは、前記抽選処理にて当選結果となる場合、二値データのうち一方のデータのみが格納されるビットであり、
前記監視処理実行手段は、前記所定ビットが前記一方のデータとなっている事象が特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、抽選処理にて当選結果となり続けるという異常が発生した場合に、それに対処することが可能となる。しかも、この監視を、抽選用の数値情報を利用して行うことが可能となる。
特徴C7.前記監視処理実行手段は、
前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報と、それよりも前に前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報とで、対応するビット同士の排他的論理和を演算する第1演算手段(第4の実施形態ではMPU62におけるステップS1005の処理を実行する機能)と、
当該第1演算手段の演算結果と、それよりも前の当該第1演算手段の演算結果とで、対応するビット同士の論理和を演算する第2演算手段(第4の実施形態ではMPU62におけるステップS1010の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、ビット単位で連続的に数値が変化していないか否かの監視を、比較的簡易な演算手法により実現することが可能となる。
特徴C8.前記監視処理実行手段は、前記第2演算手段の演算結果の全ビットについて論理積を演算する第3演算手段(第1の実施形態ではMPU62におけるステップS612の処理を実行する機能、第2の実施形態ではMPU62におけるステップS812の処理を実行する機能、第4の実施形態ではMPU62におけるステップS1012の処理を実行する機能)を備え、当該論理積の結果が「0」となる事象が前記特定回数発生した場合に、異常に対応した監視結果を導出するものであることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、異常が発生しているか否かをビット単位で確認しなくても、いずれかのビットにおいて異常が発生していることを簡易な演算手法により特定することが可能となる。
特徴C9.前記所定制御手段は、処理用単位の数値情報(大当たり乱数)を利用して前記所定処理を実行するものであり、
前記処理用単位の数値情報は、同一のビット数である送信用単位の数値情報(乱数送信用単位データ)を所定個数含み、
前記監視処理実行手段は、前記所定の信号経路を通じて受信した前記送信用単位の数値情報と、それよりも前に前記所定の信号経路を通じて受信した前記送信用単位の数値情報とを利用して前記監視処理を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C9によれば、処理用単位の数値情報毎に監視処理を実行するのではなく、送信用単位の数値情報毎に監視処理を実行することにより、監視処理の実行頻度を高めることが可能となる。また、送信用単位の数値情報は同一のビット数であるため、送信用単位の数値情報毎に監視処理を実行したとしても、一定の態様で監視処理を実行することが可能となる。
特徴C10.前記対応処理実行手段は、前記異常対応処理として、異常報知を実行するための処理、及び遊技の進行を制限するための処理のうち少なくとも一方を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、異常が発生していることが特定された場合に、それに対処することが可能となる。
特徴C11.前記所定制御手段は、前記所定処理として、前記所定の信号経路を通じて受信した数値情報を利用して抽選処理を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、抽選処理に利用される数値情報の提供に異常が生じると、抽選処理が機能しなくなってしまう。特に、その抽選処理が、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行うものである場合には、遊技者に特典が付与されない状態が不当に連続したり、遊技者に特典が付与され続けてしまうといった問題が生じる。これに対して、上記特徴C1等の構成を備えていることにより、数値情報の提供について異常が発生した場合にはそれに対処することが可能となる。
特徴C12.予め定められた更新タイミングとなる度に抽選用数値情報を更新する更新手段(ハード乱数回路67)を備え、
当該更新手段は、予め定められた取得条件が成立した場合に、前記所定の信号経路を通じて前記所定制御手段に前記抽選用数値情報を送信するものであることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
更新手段から提供される抽選用数値情報を利用して抽選処理が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴C13.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
当該入球部に遊技球が入球したことを検知する検知手段(第1〜第4の実施形態では作動口入賞検知センサ45、第5の実施形態では第1作動口入賞検知センサ151及び第2作動口入賞検知センサ152)と、
を備え、
当該検知手段は、前記入球部に遊技球が入球したことを検知した場合、それに対応した検知信号を、前記更新手段及び前記所定制御手段に送信し、
前記更新手段は、前記検知信号を受信したタイミングにおける前記抽選用数値情報を前記所定制御手段への送信用のエリア(第1〜第4の実施形態では大当たり乱数レジスタ102、第5の実施形態では第1大当たり乱数レジスタ153及び第2大当たり乱数レジスタ154)に格納する更新側格納手段(コントロール回路103)を備え、
前記所定制御手段は、
前記検知信号を受信したか否かを定期的に監視する定期監視手段(MPU62における入賞検知処理を実行する機能)と、
当該定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合に、前記更新側格納手段に格納されている前記抽選用数値情報の送信を前記更新手段に要求する要求手段(MPU62における要求処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
特徴C13によれば、所定制御手段において各種処理が実行されることとの関係で、検知手段からの検知信号の送信タイミングに対して抽選用数値情報の取得タイミングが遅れたとしても、検知手段からの検知信号の送信タイミングにおいて既に更新手段にて抽選用数値情報が提供用に取得されている。したがって、検知手段における検知信号の送信タイミングに対応した抽選用数値情報を利用して、抽選処理を実行することが可能となる。
特徴C14.前記更新手段は、前記送信用のエリアに前記抽選用数値情報が格納された場合に、格納済み情報が記憶される格納済み記憶手段(第1〜第4の実施形態ではステータスフラグ103a、第5の実施形態では第1ステータスフラグ155及び第2ステータスフラグ156)を備え、
前記要求手段は、前記定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合であって、前記格納済み記憶手段に前記格納済み情報が記憶されている場合に、前記更新側格納手段に格納されている前記抽選用数値情報の送信を前記更新手段に要求するものであり、
前記所定制御手段は、前記定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合であって、前記格納済み記憶手段に前記格納済み情報が記憶されていない場合、それに対応した異常処理を実行する異常処理実行手段(第1〜第4の実施形態ではMPU62におけるステップS404にて否定判定をしてステップS405の処理を実行する機能、第5の実施形態ではMPU62におけるステップS1104にて否定判定をしてステップS1105の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C13に記載の遊技機。
特徴C14によれば、検知手段から更新手段及び所定制御手段の両方に検知信号が送信される構成において、所定制御手段には検知信号が送信されるが、更新手段には検知信号が送信されないという異常が発生した場合には、それに対して異常処理が実行される。これにより、当該異常に対処することが可能となる。
特徴C15.前記更新手段は、前記所定制御手段により指定される指定数値範囲において前記抽選用数値情報の更新を行うものであり、
前記指定数値範囲における前記抽選用数値情報の更新の1周期が、前記指定数値範囲に対応した基準周期に対応しているか否かを監視する周期監視手段(コントロール回路103)と、
当該周期監視手段の監視結果が周期異常に対応した結果である場合に、異常処理を実行する周期異常対応手段(MPU62におけるステップS205の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C12乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C15によれば、更新手段は所定制御手段により指定された数値範囲において抽選用数値情報の更新を行う構成であるため、更新手段の汎用性が高められる。また、その指定された数値範囲における抽選用数値情報の更新の1周期が当該数値範囲に対応した基準周期に対応していない場合には、異常処理が実行される。これにより、抽選用数値情報の指定数値範囲内での更新に関して異常が発生している場合には、それに対処することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
当該入球部に遊技球が入球したことを検知する検知手段(第1〜第4の実施形態では作動口入賞検知センサ45、第5の実施形態では第1作動口入賞検知センサ151及び第2作動口入賞検知センサ152)と、
予め定められた更新タイミングとなる度に抽選用数値情報を更新する更新手段(ハード乱数回路67)と、
当該更新手段から提供される抽選用数値情報を利用して抽選処理を実行する所定制御手段(MPU62)と、
を備え、
前記検知手段は、前記入球部に遊技球が入球したことを検知した場合、それに対応した検知信号を、前記更新手段及び前記所定制御手段に送信し、
前記更新手段は、
前記検知信号を受信したタイミングにおける前記抽選用数値情報を前記所定制御手段への送信用のエリア(第1〜第4の実施形態では大当たり乱数レジスタ102、第5の実施形態では第1大当たり乱数レジスタ153及び第2大当たり乱数レジスタ154)に格納する更新側格納手段(コントロール回路103)と、
前記送信用のエリアに前記抽選用数値情報が格納された場合に、格納済み情報が記憶される格納済み記憶手段(第1〜第4の実施形態ではステータスフラグ103a、第5の実施形態では第1ステータスフラグ155及び第2ステータスフラグ156)と、
を備え、
前記所定制御手段は、
前記検知信号を受信したか否かを定期的に監視する定期監視手段(MPU62における入賞検知処理を実行する機能)と、
当該定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合であって、前記格納済み記憶手段に前記格納済み情報が記憶されている場合に、前記更新側格納手段に格納されている前記抽選用数値情報の送信を前記更新手段に要求する要求手段(MPU62における要求処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、所定制御手段において各種処理が実行されることとの関係で、検知手段からの検知信号の送信タイミングに対して抽選用数値情報の取得タイミングが遅れたとしても、検知手段からの検知信号の送信タイミングにおいて既に更新手段にて抽選用数値情報が提供用に取得されている。したがって、検知手段における検知信号の送信タイミングに対応した抽選用数値情報を利用して、抽選処理を実行することが可能となる。また、更新手段からの抽選用数値情報の取得は、更新手段に格納済み情報が記憶されていることが確認された場合に行われるため、抽選用数値情報の取得を正確に行うことが可能となる。
特徴D2.前記所定制御手段は、前記定期監視手段により前記検知信号を受信したことが特定された場合であって、前記格納済み記憶手段に前記格納済み情報が記憶されていない場合、それに対応した異常処理を実行する異常処理実行手段(第1〜第4の実施形態ではMPU62におけるステップS404にて否定判定をしてステップS405の処理を実行する機能、第5の実施形態ではMPU62におけるステップS1104にて否定判定をしてステップS1105の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、検知手段から更新手段及び所定制御手段の両方に検知信号が送信される構成において、所定制御手段には検知信号が送信されるが、更新手段には検知信号が送信されないという異常が発生した場合には、それに対して異常処理が実行される。これにより、当該異常に対処することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.予め定められた更新タイミングとなる度に抽選用数値情報を更新する更新手段(ハード乱数回路67)と、
予め定められた取得条件が成立した場合に、前記抽選用数値情報を取得して抽選処理を実行する所定制御手段(MPU62)と、
を備え、
前記更新手段は、前記所定制御手段により指定される指定数値範囲において前記抽選用数値情報の更新を行うものであり、
当該遊技機は、
前記指定数値範囲における前記抽選用数値情報の更新の1周期が、前記指定数値範囲に対応した基準周期に対応しているか否かを監視する周期監視手段(コントロール回路103)と、
当該周期監視手段の監視結果が周期異常に対応した結果である場合に、異常処理を実行する周期異常対応手段(MPU62におけるステップS205の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、更新手段は所定制御手段により指定された数値範囲において抽選用数値情報の更新を行う構成であるため、更新手段の汎用性が高められる。また、その指定された数値範囲における抽選用数値情報の更新の1周期が当該数値範囲に対応した基準周期に対応していない場合には、異常処理が実行される。これにより、抽選用数値情報の指定数値範囲内での更新に関して異常が発生している場合には、それに対処することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。