JP2014004012A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】得られた磁気共鳴スペクトルに関して脂肪信号が混入しているスペクトルを自動的に特定可能な手段を提供する。
【解決手段】生体の機能情報としてケミカルシフトに関する情報を含む磁気共鳴信号を複数得る磁気共鳴イメージング装置において、得られた磁気共鳴スペクトルに関して、ある標準スペクトルとの相関を算出し、求めた相関が閾値未満の場合に脂肪信号混入ボクセルとして表示する手段を有する。
【選択図】図6
【解決手段】生体の機能情報としてケミカルシフトに関する情報を含む磁気共鳴信号を複数得る磁気共鳴イメージング装置において、得られた磁気共鳴スペクトルに関して、ある標準スペクトルとの相関を算出し、求めた相関が閾値未満の場合に脂肪信号混入ボクセルとして表示する手段を有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に生体の機能情報としてケミカルシフトに関する情報を含む磁気共鳴信号を複数得るのに好適なMRI装置に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
このMRIに対して、化学構造の違いにより生じる共鳴周波数の違いをもとに各物質の磁気共鳴信号を分離するスペクトロスコピー法により、体内の代謝物質の種類・成分を調べることができる。原子核の中でもプロトン1Hを利用したものを1Hスペクトロスコピーという。また、複数の領域の磁気共鳴スペクトルを同時に取得して、その空間分布における代謝物質ごとの濃度分布を画像化する方法は、ケミカルシフトイメージング(以下、CSIと称する)、または磁気共鳴スペクトロスコピックイメージング(以下、MRSIと称する)と呼ばれている。1Hスペクトロスコピーにおいて、観察対象とする代謝物質の中には水と脂肪のケミカルシフトの間に存在する物質(N−アスパラギン酸(以下、NAAと称する)、クレアチン、コリン、乳酸等)がある。水および脂肪は代謝物質と比較して高い信号値を持つため水および脂肪の信号が混入すると、所望の代謝物質のピークが埋もれるなど所望の代謝物質の定量評価ができない場合がある。通常、1Hスペクトロスコピーにおいては水信号を抑圧してスペクトルを取得するが、脂肪信号については乳酸のケミカルシフトが脂肪のケミカルシフトとほぼ同じ周波数領域に存在するため脂肪を抑圧することができず、脂肪組織を可能な限り含めないよう関心領域を設定する必要がある。
しかし、例えば頭蓋に近接する脳腫瘍を対象とする場合など脂肪組織近くに関心領域を設定する場合、操作者が脂肪組織を含めないよう関心領域を設定したとしても、意図せず脂肪信号が混入している場合がある。これは各代謝物質がケミカルシフトにより関心領域に対して少し異なる位置で共振するためである。
この問題を解決するために、操作者が設定した関心領域と共に脂肪組織が励起される領域を示すことで、関心領域の設定を容易にする手法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
あるいは、この問題を解決するために、被検体の断層像と計測領域におけるケミカルシフト情報を含むスペクトルとの対応画像を基に、観察対象領域のスペクトルと、比較対象領域のスペクトルの一致度を演算により求め、ケミカルシフトスペクトルに基づく被検体の状態を容易に把握することができる手法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
しかし、脂肪信号が混入した場合に検査ルーチンにおいて再計測を行うことは検査時間の制限などのため困難なことも多い。
CSIでは複数のスペクトルが得られるため、一部のスペクトルに脂肪信号が混入しても、残りのスペクトルの定量解析を実施することがある。その際、脂肪信号が混入したスペクトルは定量解析には不適であるため解析対象から除外する必要があるが、従来は操作者が目視により信号形状やスペクトルの計測位置などの情報を基に脂肪信号が混入しているスペクトルを抽出していた。このとき、信号値が高く形状が大きく歪んだスペクトル(図2中の符号29a)については容易に特定できるが、脂肪信号が混入していても信号値が相対的に低くスペクトル形状が把握し辛い場合(図2中の符号29b)など、目視による判定が容易でない場合があった。
また、演算により観察対象領域のスペクトルと比較対象領域のスペクトルの一致度を求める手法は、結果を得るまでに時間を要する場合があった。
以上から、観察対象スペクトル中に脂肪信号混入の度合いを容易に、限られた検査時間内で判定することが可能な手法が望まれる。
以上から、観察対象スペクトル中に脂肪信号混入の度合いを容易に、限られた検査時間内で判定することが可能な手法が望まれる。
そこで、本発明の目的は、得られたスペクトルに関して脂肪信号が混入しているスペクトルを自動で特定することが可能なMRI装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の磁気共鳴イメージング装置の主な特徴は以下の通りである。
被検体を収容する空間に静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場へ重畳して傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生部と、被検体へ照射する高周波磁場を発生する高周波磁場発生部と、被検体から発生するNMR信号を検出する信号検出部と、傾斜磁場発生部、高周波磁場時発生部および信号検出部を制御して所定のパルスシーケンスを実行させ、取得したNMR信号から所定の情報を生成する制御部とを有し、制御部は、被検体の断層像を再構成する手段と、被検体の複数の計測領域について、それぞれケミカルシフト情報を含むスペクトルを発生する手段と、表示制御手段を含み、表示制御手段は、複数の計測領域の各々から得られたスペクトルの形状と比較基準とする標準スペクトルの形状との形状類似の度合を示す類似度を算出し、該類似度に基づいてスペクトル中に所定以外の成分が混入しているか否か判定することを特徴とする。
本発明のMRI装置によれば、得られたスペクトルに関して、脂肪信号が混入しているスペクトルを自動で特定し表示することが可能となる。これにより、操作者は定量解析に不適なスペクトルを容易に判断することができる。
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置の全体概要の一例を説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、MRI装置は静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えて構成される。
静磁場発生系2は、垂直磁場方式であれば、被検体1の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシ−ケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1にRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル(送信コイル)14aとから成る。高周波発振器11から出力されたRFパルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調されたRFパルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1の応答のNMR信号が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ20とを有する。受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18、ROM21、RAM22等に記録する。
入力部25は、MRI装置の各種制御情報や上記信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス23、及び、キーボード24から成る。この入力部25はディスプレイ20に近接して配置され、操作者がディスプレイ20を見ながら入力部25を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
なお、図1において、送信側の高周波コイル14aと傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体1に対向して、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、或いは取り囲むように設置されている。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
本実施形態では、上記MRI装置を用いて被検体の断面画像の撮像およびCSI撮像を行う。断面像の撮像は、CPU8がシーケンサ4にスピンエコー法やグラディエント法等の公知のパルスシーケンスを実行させることにより行う。得られたNMR信号は、CPU8がフーリエ変換することにより断層像を再構成する。CSIはCPU8がシーケンサ4において、例えば図3に示したパルスシーケンスを実行させる。これにより、断層像と同一断面についてNMR信号を取得する。このとき、図2中の符号27に示した所定の大きさの計測領域(例えば、1cm角)ごとにNMR信号が取得されるように、スライス厚および位相エンコード量、読み出しエンコード量を設定する。図3に示したパルスシーケンスにおいてRFパルスは、計測を所望する所定の複数の代謝物(例えば、NAA、クレアチン、コリン、乳酸など)のプロトン共鳴周波数帯域がカバーできるように周波数帯域を設定する。これにより、各計測領域から得られたNMR信号をフーリエ変換することにより、図2中の符号27bxに示したように各計測領域におけるケミカルシフトのスペクトルを得ることができる。
ここで、符号28で示すスペクトルは、脂肪混入のない例であり、符号29aで示すスペクトルは、脂肪混入の判別が難しい例であり、符号29bで示すスペクトルは、脂肪混入のある例である。
本発明の実施例1について図4、図5を用いて説明する。
図4は、本実施例の画面の一例を示す図である。図中の符号26は被検体の断層像を示し、符号27bxはスペクトルを計測する計測領域27(図2参照)における各々のボクセルを示している。また、符号31は、ボクセル27bxの中に脂肪信号混入ボクセルが計測領域27中に存在する例を示している。
図4は、本実施例の画面の一例を示す図である。図中の符号26は被検体の断層像を示し、符号27bxはスペクトルを計測する計測領域27(図2参照)における各々のボクセルを示している。また、符号31は、ボクセル27bxの中に脂肪信号混入ボクセルが計測領域27中に存在する例を示している。
また、本図の右側には、各ボクセル27bxに対応するケミカルシフトのスペクトル32を相関の低い順に表示している。例えば、図の最上段の(4,4)は、計測領域27の右下の(4,4)で示すボクセルに対応している。(4,3)以降の表示も同様である。
操作部33をスクロールすれば、順次に計測されたスペクトル32を表示することができる。操作者は、表示されたスペクトルを見ながら標準スペクトルを設定することが可能である。
実施例1では、標準スペクトルに対する各計測領域(図4中に示す(1,1)乃至(4,4))におけるスペクトルの相関を算出する。標準スペクトルとしてあらかじめ磁気ディスク18に格納された理想的なスペクトルを用いる。
ここで、標準スペクトルは、例えば、対象とする被検体の臓器に対して医師が知見に基づいて比較の基準となると判断できるスペクトルを選定する。あるいは、過去の被検体の臓器に対する蓄積データから選定する。
ここで、標準スペクトルは、例えば、対象とする被検体の臓器に対して医師が知見に基づいて比較の基準となると判断できるスペクトルを選定する。あるいは、過去の被検体の臓器に対する蓄積データから選定する。
本実施例において、脂肪信号混入の判定の考え方を以下に示す。
スペクトル算出した相関があらかじめ設定された閾値未満である場合、脂肪信号混入の疑いがあるスペクトルとしてディスプレイに表示する。このとき、各計測領域のスペクトルを同じ計測面で撮像した断層像にそれらの位置関係を対応づけて表示することで、操作者は計測領域のどのスペクトルに脂肪信号が混入しているかが容易に判断可能となる。
スペクトル算出した相関があらかじめ設定された閾値未満である場合、脂肪信号混入の疑いがあるスペクトルとしてディスプレイに表示する。このとき、各計測領域のスペクトルを同じ計測面で撮像した断層像にそれらの位置関係を対応づけて表示することで、操作者は計測領域のどのスペクトルに脂肪信号が混入しているかが容易に判断可能となる。
以下に、具体的にスペクトル中に脂肪信号が混入しているか否かの判定手順を述べる。
先ず、実施例1の動作フローについて図5を用いて説明する。
CPU8は、磁気ディスク18のプログラム格納領域にあらかじめ格納されたプログラムを読込み実行することにより、以下のように各部を動作させる。
ステップ101:未判定の対象スペクトルを抽出する。
ステップ102:標準スペクトルとの相関(ρ)が閾値(T)以下か判定する。
閾値以下の時、ステップ103へ。閾値以下でない時、ステップ104へ。
ステップ103:対象スペクトルは脂肪混入の疑いありと判定し、ステップ105へ。
ステップ104:対象スペクトルは脂肪混入の疑いなしと判定し、ステップ105へ。
ステップ105:未判定のスペクトルがあるかないか判定する。
未判定のスペクトルがある時は、ステップ101に戻る。
未判定のスペクトルがない時は、ステップ106へ。
ステップ106:脂肪混入ありスペクトルと、脂肪混入なしスペクトルとを区別して画面に表示する。
先ず、実施例1の動作フローについて図5を用いて説明する。
CPU8は、磁気ディスク18のプログラム格納領域にあらかじめ格納されたプログラムを読込み実行することにより、以下のように各部を動作させる。
ステップ101:未判定の対象スペクトルを抽出する。
ステップ102:標準スペクトルとの相関(ρ)が閾値(T)以下か判定する。
閾値以下の時、ステップ103へ。閾値以下でない時、ステップ104へ。
ステップ103:対象スペクトルは脂肪混入の疑いありと判定し、ステップ105へ。
ステップ104:対象スペクトルは脂肪混入の疑いなしと判定し、ステップ105へ。
ステップ105:未判定のスペクトルがあるかないか判定する。
未判定のスペクトルがある時は、ステップ101に戻る。
未判定のスペクトルがない時は、ステップ106へ。
ステップ106:脂肪混入ありスペクトルと、脂肪混入なしスペクトルとを区別して画面に表示する。
実施例1では、上記ステップ102で用いる標準スペクトルは、磁気ディスク18に格納されている標準スペクトルをCPU8により読み込んでおく。また、判定に用いる閾値(T)も同時に読み込んでおくこともできる。この標準スペクトルに対して得られた各計測領域のスペクトルとの相関ρを算出する。以後、各計測領域のスペクトルを対象スペクトルと表記する。
相関ρの算出方法としては、例えば、標準スペクトルに対する対象スペクトルの正規化相互相関ρを用いる。正規化相互相関の算出式を式(1)に示す。
正規化相互相関は、対象スペクトルの信号強度が標準スペクトルの信号強度と相対的な大小関係がある場合においても安定に類似度を算出することが可能である。ここで、相関ρが閾値T未満の時、「類似度が低い」と規定し、相関ρが閾値T以上の時、「類似度が高い」と規定するものとする。類似度の高低により、対象スペクトルに脂肪信号混入の程度を判断する指標とする。すなわち、「類似度が低い」時、対象スペクトルに脂肪信号混入がある可能性が高いと判断できる。
その後、相関ρと磁気ディスク18に格納されている閾値Tを式(2)により比較し、相関ρが閾値T未満である対象スペクトルを脂肪信号混入のあるスペクトルとして操作者が判別できる形式でディスプレイ20に表示する。その表示例を図4に示す。本図では、例えば、(4,4)で示すボクセル27bxに示すスペクトルは標準スペクトルに対して相関が低い、すなわち、閾値Tより相関ρが小さい場合を示している。
得られた全スペクトルをそれぞれ対象スペクトルとし、相関ρを求める。
得られた全スペクトルをそれぞれ対象スペクトルとし、相関ρを求める。
上記の差分絶対値和は、計算量が正規化相互相関よりも少なく高速に評価値を算出可能なことが利点として挙げられる。しかし、正規化相互相関のように対象スペクトルの信号強度の大小関係が評価値に影響を及ぼす算出方法であるため、信号強度が常に同程度ということが既知の場合に有効である。
相関ρが閾値T未満となる対象スペクトルを操作者が判別可能な表示方法としては、定量解析実施の対象となる閾値T以上の対象スペクトルを線種や色などにより強調表示する方法が考えられる。
図4では、脂肪信号が混入していないスペクトルに関する計測領域のボクセルを囲む線幅を変更することにより強調表示する例であり、該当ボクセルは太枠で囲んで表示している。このとき、閾値T未満のスペクトルがどの計測領域のスペクトルであるかを判断可能とするために同じ計測面で撮像した断層像上に位置を対応付けてディスプレイ20上に表示することも有用である。また、標準スペクトルとの相関の低い対象スペクトルを低い順に並べて操作者が容易に判別できる形式でディスプレイ20上に表示する方法もある。
次に、実施例2について図6、図7を用いて説明する。
図6は、本実施例の画面例を示す図である。図7は、本実施例の動作を示すフローチャートである。
図6は、本実施例の画面例を示す図である。図7は、本実施例の動作を示すフローチャートである。
実施例2が実施例1と異なる点は、標準スペクトルや相関を算出する範囲、閾値を操作者が決定可能とした点である。以下、異なる箇所のみ説明し、同じ箇所の説明は省略する。
まず、実施例2の動作フローについて図7を用いて説明する。
ステップ201:操作者が標準スペクトルを設定する。
ステップ202:操作者が相関の算出範囲を設定する。
ステップ203:操作者が閾値を設定する。
ステップ204:全対象スペクトルについて相関を算出する。
ステップ205:相関を閾値と比較し、脂肪混入あり・なしを判定する。
ステップ206:脂肪混入あり・なしのスペクトルを区別して表示する。
ステップ201:操作者が標準スペクトルを設定する。
ステップ202:操作者が相関の算出範囲を設定する。
ステップ203:操作者が閾値を設定する。
ステップ204:全対象スペクトルについて相関を算出する。
ステップ205:相関を閾値と比較し、脂肪混入あり・なしを判定する。
ステップ206:脂肪混入あり・なしのスペクトルを区別して表示する。
ステップ201で設定する標準スペクトルは、実施例1では磁気ディスク18にあらかじめ格納された理想的なスペクトルを用いていたが、本実施例では、得られた対象スペクトルの中から標準スペクトルを選択する例を示す。標準スペクトルの選択方法としては、例えば、計測領域の中央のスペクトルを自動的に標準スペクトルとする方法や操作者が手動で標準スペクトルを選択する方法がある。操作者が手動で標準スペクトルを選択する場合は、まず、得られたスペクトルがそれらの計測領域との対応関係を操作者が容易に認識できる形式で表示させる。つまり、同じ計測面で撮像した断層像上に計測領域および対応するスペクトルの位置関係が一致した状態で重畳して画像を表示させる。CPU8は、操作者から標準スペクトルを選択する動作を受け付ける。標準スペクトルは対象スペクトルの1つとし操作者による手動操作により決定する。選択する動作としては、例えば、マウス操作により該当する計測領域をクリックにより選択することにより決定する。受付後、CPU8はどのスペクトルを標準スペクトルして選択したかをディスプレイ20上で認識できるようにする。
また、実施例1では対象スペクトル全体の標準スペクトル全体に対する相関ρを算出していたが、脂肪信号周辺のみからスペクトルの相関を算出しした場合も効果があると考えられる。脂肪信号周辺のみのスペクトルから相関を算出することで計算時間の短縮の効果がある。この場合、相関算出の範囲を操作者が設定可能としてもよい。同様に、閾値Tに関しても、操作者が設定可能としてよい。
次に、図6に相関算出の範囲および閾値Tを設定可能とする方法の一例を示す。
図6の画面左側は、図2や図4で示す被検者の断層像26、計測領域27、およびボクセル27bxを図示している。また、画面の右側には、設定部を図示している。操作者は、例えば図6中の符号33に示す設定部で標準スペクトルに対応する計測位置を入力する。
図6の画面左側は、図2や図4で示す被検者の断層像26、計測領域27、およびボクセル27bxを図示している。また、画面の右側には、設定部を図示している。操作者は、例えば図6中の符号33に示す設定部で標準スペクトルに対応する計測位置を入力する。
本図では、標準スペクトル(図中の”Standard Spectrum”)としてボクセル27bxの中から(1,1)で計測されたスペクトルを選定した例であり、Xに1を、Yに1を入力して(1,1)に対応する座標を指定している。
さらに、図6中の符号34に示す設定部で相関を算出する範囲を入力する。本図では、表示されているスペクトルの右側領域を算出範囲に指定している。
さらに、図6中の符号35に示す設定部に閾値を入力する(図中の”Threshold”)。本図では、0.8を入力した例を示している。
この様に、解析対象から除外するスペクトルの評価基準を、操作者が決定可能となる。
さらに、図6中の符号34に示す設定部で相関を算出する範囲を入力する。本図では、表示されているスペクトルの右側領域を算出範囲に指定している。
さらに、図6中の符号35に示す設定部に閾値を入力する(図中の”Threshold”)。本図では、0.8を入力した例を示している。
この様に、解析対象から除外するスペクトルの評価基準を、操作者が決定可能となる。
次に、実施例3について図8を用いて説明する。図8は、図6の画面例と類似するが、画面右側における設定部において、複数の閾値Tを設定可能とする点が実施例1及び実施例2と異なる。以下、異なる箇所のみ説明し、同じ箇所の説明は省略する。
先ず、実施例3の動作フローについて図7を用いて説明する。
図7のステップ203において、実施例1および2では、単一の閾値Tにより脂肪信号混入の疑いのあるスペクトルを特定していたが、複数の閾値(例えばT1およびT2の2種類)を設定可能とする。ここでは、T1=0.8、T2=0.5を入力した例を示している。
ステップ204において、対象スペクトルと標準スペクトルとの相関ρと比較してもよい。ここで、閾値T1>T2と仮定したとき、ステップ206において、式(4)のような相関ρに応じてA、B、Cの3段階でスペクトルを区別しディスプレイ20上に表示する。区別の方法としては、例えば色や線種などによる区別がある。
図7のステップ203において、実施例1および2では、単一の閾値Tにより脂肪信号混入の疑いのあるスペクトルを特定していたが、複数の閾値(例えばT1およびT2の2種類)を設定可能とする。ここでは、T1=0.8、T2=0.5を入力した例を示している。
ステップ204において、対象スペクトルと標準スペクトルとの相関ρと比較してもよい。ここで、閾値T1>T2と仮定したとき、ステップ206において、式(4)のような相関ρに応じてA、B、Cの3段階でスペクトルを区別しディスプレイ20上に表示する。区別の方法としては、例えば色や線種などによる区別がある。
図8に2種類の閾値T1およびT2を設定する場合の画面例を示す。図8中の符号36の操作部で複数の閾値を設定可能としている。
これにより、対象スペクトルに脂肪信号が混入している疑わしさの程度を多段階で表示可能となる。
これにより、対象スペクトルに脂肪信号が混入している疑わしさの程度を多段階で表示可能となる。
1:被検体、2:静磁場発生系、3:傾斜磁場発生系、4:シーケンサ、5:送信系、6:受信系、7:信号処理系、8:中央処理装置(CPU)、9:傾斜磁場コイル、10:傾斜磁場電源、11:高周波発振器、12:変調器、13:高周波増幅器、14a:高周波コイル(送信コイル)、14b:高周波コイル(受信コイル)、15:信号増幅器、16:直交位相検波器、17:A/D変換器、18:磁気ディスク、19:光ディスク、20:ディスプレイ、21:ROM、22:RAM、23:トラックボール又はマウス、24:キーボード、25:入力部、
26:断層像、27:計測領域、27bx:計測領域中のボクセル、28:スペクトル(脂肪信号が混入していない例)、29a:スペクトル(脂肪信号が混入し大きく歪みを生じた例)、29b:スペクトル(脂肪信号が混入しているが相対的に信号強度が判断しづらい例)、30:断層像上にスペクトルを計測位置と対応付けて重畳表示した画像、
31:計測領域に配列された各ボクセル及び各ボクセルの対応位置におけるスペクトル例、
32:相関の低い順にスペクトルを並べた表示例、
33:標準スペクトルを設定可能とする操作部例、
34:相関算出範囲を設定可能とする操作部例、
35:閾値を設定可能とする操作部例、
36:閾値を複数設定可能とする操作部例。
26:断層像、27:計測領域、27bx:計測領域中のボクセル、28:スペクトル(脂肪信号が混入していない例)、29a:スペクトル(脂肪信号が混入し大きく歪みを生じた例)、29b:スペクトル(脂肪信号が混入しているが相対的に信号強度が判断しづらい例)、30:断層像上にスペクトルを計測位置と対応付けて重畳表示した画像、
31:計測領域に配列された各ボクセル及び各ボクセルの対応位置におけるスペクトル例、
32:相関の低い順にスペクトルを並べた表示例、
33:標準スペクトルを設定可能とする操作部例、
34:相関算出範囲を設定可能とする操作部例、
35:閾値を設定可能とする操作部例、
36:閾値を複数設定可能とする操作部例。
Claims (11)
- 被検体を収容する空間に静磁場を発生させる静磁場発生部と、
前記静磁場へ重畳して傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生部と、
前記被検体へ照射する高周波磁場を発生する高周波磁場発生部と、
前記被検体から発生するNMR信号を検出する信号検出部と、
前記傾斜磁場発生部、前記高周波磁場時発生部および前記信号検出部を制御して所定のパルスシーケンスを実行させ、取得した前記NMR信号から所定の情報を生成する制御部とを有し、
前記制御部は、前記被検体の断層像を再構成する手段と、前記被検体の複数の計測領域について、それぞれケミカルシフト情報を含むスペクトルを発生する手段と、表示制御手段を含み、
前記表示制御手段は、前記複数の計測領域の各々から得られた前記スペクトルの形状と比較基準とする標準スペクトルの形状との形状類似の度合を示す類似度を算出し、
該類似度に基づいて前記スペクトル中に所定以外の成分が混入しているか否か判定すること特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 前記類似度は、前記複数の計測領域の各々から得られたスペクトルと前記標準スペクトルとから演算により求めた相関と、予め設定された閾値とに基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記類似度は、前記相関の値と前記閾値との大小関係に基づいて決定されること特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記制御部に接続された表示部に、前記閾値未満の相関を持つスペクトルを操作者が判別可能な表現形式で表示することを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記閾値の設定は、前記制御部に接続された入力部から操作者の入力によりなされることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記標準スペクトルの設定は、前記制御部に接続された入力部から操作者の入力によりなされることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記標準スペクトルは、前記複数の計測領域の各々から得られた前記スペクトルの中から操作者によって選定されることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記標準スペクトルと前記計測領域のスペクトルの相関の算出範囲の設定は、前記制御部に接続された入力部から操作者の入力によりなされることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記制御部に接続された入力部は、前記閾値を複数設定可能な手段と、
前記標準スペクトルと前記計測領域のスペクトルの相関を前記複数の閾値に応じて表示する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記表示する手段は、
前記計測領域に配列された各ボクセルを前記複数の閾値を基準としてグループ分けし、該グループ分けされた各ボクセルの周囲を前記各グループに対応したそれぞれ異なる表示形式で各ボクセルを強調表示することを特徴とする請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 前記強調表示は、前記各ボクセルの周囲を囲む線の色彩、あるいは線種を前記各グループに応じて変化させて表示することを特徴とする請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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