JP2014003787A - 電力制御システム及びそれに用いる電気機器 - Google Patents

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Yasuyuki Umenaka
靖之 梅中
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知久 宮谷
Kazuhiro Deguchi
和広 出口
Yuka Utsumi
夕香 内海
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Abstract

【課題】本発明は、電気機器の所望の機能を保ちつつ、消費電力量を許容範囲内に抑えることができる電力制御システム及びそれに用いる電気機器を提供することを目的とする。
【解決手段】電力制御システム1は、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる第1の電気機器群として、冷蔵庫30と、電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない第2の電気機器群として、IHクッキングヒータ40と、第1及び第2の電気機器群の双方に供給すべき総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、第1の電気機器群への電力の供給を低下又は停止させる制御部12とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力制御システム及びそれに用いる電気機器に関する。
従来、家庭内の電気機器をネットワーク化し、自動制御するホームエネルギーマネージメントシステム(HEMS)が知られている。例えば、特許文献1には、HEMSとして、電気機器に対する電力供給の制御を行う電力供給制御システムが開示されている。当該電力供給制御システムは、家庭内の複数の電気機器をネットワーク化し、許容電力量の範囲内で電気機器に電力を供給できるか否か判断し、電気機器への電力供給の可否を決定する。当該電力供給制御システムは、消費電力量が許容電力量を超えないように制御して、家庭内への電力供給の遮断の防止、すなわち、ブレーカが落ちるのを防いでいる。
特開平10−94199号公報
しかしながら、電力供給量が低下して消費電力量が制限されたり、電力供給が停止されたりすると、本来の機能を発揮し得ない電気機器もある。例えば、冷蔵庫において、消費電力量が制限されたり、電力供給が停止されたりすると、冷凍機を十分な出力で作動させることができず、庫内温度が上昇してしまう。冷蔵庫の庫内温度が上昇すると庫内に貯蔵されている食品が傷んでしまうという問題がある。また、IHクッキングヒータの場合は、消費電力量が制限されたり、電力供給が停止されたりすると、必要な加熱温度での加熱調理ができなくなってしまうという問題がある。
本発明の目的は、電気機器の所望の機能を保ちつつ、消費電力量を許容範囲内に抑えることができる電力制御システム及びそれに用いる電気機器を提供することにある。
上記目的は、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる第1の電気機器群と、電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない第2の電気機器群と、前記第1及び第2の電気機器群の双方に供給すべき総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、前記第1の電気機器群への電力の供給を低下又は停止させる制御部とを有することを特徴とする電力制御システムによって達成される。
上記本発明の電力制御システムであって、前記制御部は、前記第1の電気機器群の少なくともいずれか1つの電気機器への電力の供給を低下又は停止させることを特徴とする。
上記本発明の電力制御システムであって、前記第1の電気機器群に含まれる電気機器は蓄熱材を備え、前記蓄熱材の保温作用により、電力の供給が低下又は停止しても所定時間だけ所定領域を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えていることを特徴とする。
また、上記目的は、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる第1の電気機器群と、電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない第2の電気機器群と、前記第1の電気機器群に含まれており、前記第1及び第2の電気機器群に供給すべき総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、自己に供給される電力を低下又は停止させる制御部を備えた電気機器とを有することを特徴とする電力制御システムによって達成される。
上記本発明の電力制御システムであって、前記電気機器は蓄熱材を備え、前記蓄熱材の保温作用により、電力の供給が低下又は停止しても所定時間だけ所定領域を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えていることを特徴とする。
また、上記目的は、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮する機構と、他の電気機器と同時に消費される総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、自己に供給される電力を低下又は停止させる制御部とを有することを特徴とする電気機器によって達成される。
上記本発明の電気機器であって、前記機構は蓄熱材を備え、前記蓄熱材の保温作用により、電力の供給が低下又は停止しても所定時間だけ所定領域を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、電気機器の所望の機能を保ちつつ、消費電力量を許容範囲内に抑えることができる。
本発明の第1の実施の形態による電力制御システム1及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫30の外観構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例による電力制御システム2及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態による電力制御システム3及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態による電気床下暖房機32が配置されている家屋60の断面図である。 本発明の第2の実施の形態による電気こたつ34の断面図である。 本発明の第2の実施の形態による制御部12が備えるルックアップテーブルに格納されるデータ構造の例を示している。 本発明の第2の実施の形態の変形例による制御部12が備えるルックアップテーブルに格納されるデータ構造の例を示している。 本発明の第3の実施の形態による電力制御システム5及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態の変形例による電力制御システム6及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。 本発明の第4の実施の形態によるエアコンディショナ80が配置されている家屋60の断面図である 本発明の第4の実施の形態による追焚き電気加熱器92が備えられている浴槽90の断面図である。 本発明の第4の実施の形態による電気給湯器100の概略構成を示す模式図である。 本発明の第5の実施の形態による電力制御システム7及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。 本発明の第5の実施の形態による電力制御システム7及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態による電力制御システム1及びそれに用いる電気機器について、図1及び図2を用いて説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などを適宜異ならせて図示している。図1は、第1の実施の形態による電力制御システム1及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。
本実施の形態による電力制御システム1は、ブレーカ部10に接続されている。ブレーカ部10は、電力会社の変電所から家庭内へ電力を供給する配電線20に接続されている。配電線20から家庭内へ供給される電力は、まずブレーカ部10に供給される。ブレーカ部10は、電力会社と家庭との間で契約された所定の許容電力量を超える電力量が供給される、すなわち契約アンペアを超える電流が流れると、家庭内への電力供給を遮断するメインブレーカ装置(不図示)を有している。一般にブレーカ部10に供給された電力は、メインブレーカ装置を介して家庭内の各電気機器に供給される。本実施の形態では、ブレーカ部10から供給される電力は電力制御システム1の制御部12を介して家庭内の各電気機器に供給される。
電力制御システム1は、第1の電気機器群と第2の電気機器群と制御部12とを有している。第1の電気機器群は、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる電気機器で構成されている。本実施の形態では、第1の電気機器群に含まれる電気機器として冷蔵庫30を例示している。第2の電気機器群は、電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない電気機器で構成されている。本実施の形態では、第2の電気機器群に含まれる電気機器としてIHクッキングヒータ40を例示している。制御部12は、第1の電気機器群に含まれる冷蔵庫30と第2の電気機器群に含まれるIHクッキングヒータ40の双方に供給すべき総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、第1の電気機器群に属する冷蔵庫30への電力の供給を低下又は停止させるように制御する。
制御部12は、ブレーカ部10と電灯線22により接続されている。制御部12は、冷蔵庫30及びIHクッキングヒータ40のそれぞれに電力を供給する電灯線24に接続されている。また、電灯線24は、電力輸送に加えて、制御部12と冷蔵庫30及びIHクッキングヒータ40との間でデータ通信ができるようになっている。このため、電灯線24により、冷蔵庫30及びIHクッキングヒータ40に電力を供給するとともに、制御部12と冷蔵庫30及びIHクッキングヒータ40との間でデータやコマンドの送受信ができるようになっている。
電力制御システム1は、第1の電気機器群として、冷蔵庫30を有している。冷蔵庫30は、電力の供給により、断続的に冷凍機(不図示)を運転して、庫内(貯蔵室内)を所望の温度範囲内に保冷している。また、冷蔵庫30は、蓄熱材53(図1では不図示)を有している。冷蔵庫30は、電力が供給され冷凍機を運転させている場合には、蓄熱材53を冷却し冷熱を蓄熱している。冷蔵庫30は、電力の供給が低下又は停止しても、蓄熱材53から冷熱を放熱して、所定時間だけ庫内を所望の温度範囲に維持することができる。
冷蔵庫30は、冷凍機の運転中におよそ100Wの電力を消費する。電力制御システム1は、冷蔵庫30の冷凍機の運転を停止させることにより、第2の電気機器群に100Wの電力を融通することができる。
冷蔵庫30は、制御部12とデータ通信を行い、冷凍機等の各装置を制御する内部制御部30aを有している。内部制御部30aは、電灯線24から電力とともに送信されるデータを抽出するフィルタ機能を有している。冷蔵庫30の内部制御部30aは、フィルタ機能により抽出したデータを受信する。さらに冷蔵庫30の内部制御部30aは、冷蔵庫30の消費電力等のデータを生成する。冷蔵庫30の内部制御部30aは、電灯線24を介して、生成した当該データを制御部12に送信する。また、内部制御部30aは、不図示のバッテリを有している。このため、内部制御部30aは、冷蔵庫30への電力供給が停止しても、所定時間稼働することができる。
また、電力制御システム1は、第2の電気機器群として、IHクッキングヒータ40を有している。IHクッキングヒータ40は、電力の供給により、不図示の加熱装置を作動させて、所望の設定温度での加熱調理を行う。IHクッキングヒータ40では、加熱調理中の消費電力が相対的に大きくなっている。また、IHクッキングヒータ40は、加熱調理中以外には電力供給をほとんど必要としない。このように、IHクッキングヒータ40の加熱調理中には相対的に多くの電力供給量が必要である。
IHクッキングヒータ40は、制御部12とデータ通信を行う内部制御部40aを有している。内部制御部40aは、電灯線24から電力とともに送信されるデータを抽出するフィルタ機能を有している。IHクッキングヒータ40の内部制御部40aは、フィルタ機能により抽出したデータを受信する。IHクッキングヒータ40では、電源をオン状態にした後に、不図示の設定部で加熱調理の設定温度を入力することができる。さらにIHクッキングヒータ40の内部制御部40aは、入力された設定温度から加熱調理に必要な消費電力を算出し、当該消費電力のデータを生成する。IHクッキングヒータ40の内部制御部40aは、電灯線24を介して、生成した当該データを制御部12に送信する。
制御部12は、冷蔵庫30及びIHクッキングヒータ40から送信されるデータを抽出するフィルタ機能を有している。制御部12は、当該フィルタ機能により抽出したデータを受信する。制御部12は、受信したデータに基づいて、冷蔵庫30やIHクッキングヒータ40が消費している消費電力を監視する消費電力監視機能を有している。さらに、制御部12は、IHクッキングヒータ40で設定された設定温度での加熱調理に必要な消費電力のデータを受信すると、冷蔵庫30の消費電力とIHクッキングヒータ40の加熱調理に必要な消費電力との合計値を算出する。制御部12は、当該合計値が所定の許容電力量を超えて、ブレーカ部10のメインブレーカ装置により家庭内への電力供給が遮断されると判断すると、冷蔵庫30の内部制御部30aに冷凍機の運転を停止するように命令するコマンドを送信する。冷蔵庫30の内部制御部30aは、当該コマンドを受信すると冷凍機の運転を停止させ、冷凍機の運転が停止したことを含む信号を制御部12に送信する。当該信号を受信した制御部12は、冷蔵庫30の消費電力量とIHクッキングヒータ40の加熱調理に必要な消費電力量との合計値を再度算出する。制御部12は、当該合計値が所定の許容電力量未満であると判断すると、IHクッキングヒータ40に調理開始許可コマンド(稼働許可コマンド)を送信する。IHクッキングヒータ40は調理開始許可コマンドを受信すると、設定温度での加熱調理を開始する。
また制御部12は、冷蔵庫30とIHクッキングヒータ40との双方に供給すべき総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、冷蔵庫30への電力の供給を低下させて、冷蔵庫30の消費電力とIHクッキングヒータ40の加熱調理に必要な消費電力との合計の消費電力量が所定の許容電力量を超えないようにしてもよい。
本実施の形態による冷蔵庫30は蓄熱材53を備え、蓄熱材53の保温作用により、電力の供給が低下又は停止して冷凍機の冷凍能力が低下又は機能しなくなっても、所定時間だけ庫内を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えている。冷蔵庫30について、図2を用いて詳細に説明する。図2は、冷蔵庫30の外観構成を示す斜視図である。図2に示すように、冷蔵庫30は、直方体形状の容器本体50と、図中両端矢印で示すように、不図示のヒンジ部を介して容器本体50に回転自在に設けられた薄板形状の扉部材51とを有している。容器本体50は、長方形状の開口部52と、開口部52で開口された箱状の壁部55と、貯蔵物を貯蔵する貯蔵室(庫内)56とを有している。扉部材51は、扉部材51の外周囲に設けられた枠状のパッキン58を有している。パッキン58は、扉部材51を閉じた場合に、開口部52の外周囲の外側に配置されるようになっている。パッキン58は、扉部材51が閉じた場合に、壁部55に対向配置されるようになっている。貯蔵室54は、扉部材51が閉じられると、扉部材51と、パッキン58と、壁部55とにより囲まれる密閉空間になる。これにより、冷蔵庫30は、貯蔵室54内を所望の温度範囲に維持することができる。
冷蔵庫30は、貯蔵室54内に配置され、食品等の貯蔵物を載置するための棚部材56を有している。扉部材51は、閉状態で貯蔵室54内に配置される扉収納部57を有している。
冷蔵庫30は、貯蔵室54を囲んで設けられ、貯蔵室54と外界との間の熱の移動を遮断する断熱材(不図示)と、貯蔵室54と断熱材との間に設けられ、冷熱を蓄熱及び放熱可能な蓄熱材53を有している。
断熱材は、所定温度に冷却されている貯蔵室54に冷蔵庫30の外部から熱が伝わらないように断熱するために配置されている。断熱材は、繊維系断熱材(グラスウール等)や発泡樹脂系断熱材等の形成材料を用いて形成される。
蓄熱材53は、潜熱蓄熱材を有している。潜熱蓄熱材は貯蔵室54の平均温度よりも高い、固相及び液相間の相変化が可逆的に生じる相変化温度を有している。潜熱蓄熱材の相変化温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
蓄熱材53の潜熱蓄熱材は、例えばパラフィンを含んでいる。パラフィンは、一般式C2n+2で表される飽和鎖式炭化水素の総称である。潜熱蓄熱材に単一のパラフィンを用いる場合、潜熱蓄熱材の相変化温度はパラフィンの炭素数nによって異なる。潜熱蓄熱材に2種以上のパラフィンの混合物を用いる場合、混合比を変えることによって潜熱蓄熱材の相変化温度を調整することが可能である。
また、蓄熱材53の潜熱蓄熱材はゲル状である。すなわち、潜熱蓄熱材には、パラフィンをゲル化(固化)するゲル化剤が含有されている。ゲルとは、分子が架橋されることで三次元的な網目構造を形成し、その内部に溶媒を吸収し膨潤したものをいう。ゲル化剤はパラフィンに対して数重量%含有させるだけでゲル化の効果を生じる。ゲル化した潜熱蓄熱材は、固相と液相との間で相変化しても全体として固体状態を維持し、流動性を有しない。ゲル状の潜熱蓄熱材は、相変化の前後で全体として固体状態を維持できるので取扱いが容易である。
蓄熱材53の潜熱蓄熱材は、冷蔵庫30の冷凍機の運転中に生成された冷気により冷却されて固相状態に相変化し、冷熱を蓄熱する。冷蔵庫30への冷凍機の運転に必要な電力供給が停止し、冷蔵庫30の冷凍機の運転が中止すると、蓄熱材53による保冷が開始される。貯蔵室54内の空気は、貯蔵室54の周囲に張り巡らされて設けられた蓄熱材53により所定時間だけ所定領域を所望の温度範囲に維持される。より具体的には、蓄熱材53の潜熱蓄熱材が固相から液相へ相変化するまでの期間において、貯蔵室54内の温度がほぼ一定に維持される。また、蓄熱材53が外側は断熱材により覆われている。このため、断熱材は蓄熱材53に蓄熱された冷熱が冷蔵庫30の外周囲に漏れるのを防止する。これにより、冷蔵庫30は、貯蔵室54内の温度が所定温度に維持される時間を長くすることができる。
このように、本実施の形態による冷蔵庫30は、電力の供給が低下あるいは停止しても、貯蔵室54を所定温度に維持可能な機能を備えている。このため、冷蔵庫30は、消費電力が低下しても、貯蔵室54を所定温度に維持することができる。
次に、図1に戻り、IHクッキングヒータ40による加熱調理が終了した後の電力制御システム1の動作について説明する。IHクッキングヒータ40の内部制御部40aは、加熱調理が終了して、電源がオフ状態にされたことの情報を含むコマンドを制御部12に送信する。制御部12は、当該コマンドを受信すると、冷蔵庫30に冷凍機の運転を開始するように命令するコマンドを送信する。冷蔵庫30の内部制御部30aは、当該コマンドを受信すると冷凍機の運転を開始させ、庫内の冷却を開始する。また、これにより、冷蔵庫30の蓄熱材53は、冷却されて冷熱を蓄熱する。
ここで、特許文献1に記載された電力供給制御システムでは、家庭内での消費電力量が許容電力量を超えないように制御している。しかしながら、当該電力供給制御システムは、既に複数の電気機器の使用中に、新たな電気機器の使用を開始しようとして、これらの電気機器の合計の消費電力が許容電力量を超えると判断すると、新たな電気機器の使用を中止させる。このようにして、当該電力供給制御システムは、電気機器の合計の消費電力が許容電力量を超えないようにして、家庭内への電力供給が遮断されるのを防止している。しかしながら、電力供給量が低下されたり、電力供給が停止されたりすると、本来の機能を発揮し得ない電気機器もある。例えば、冷蔵庫において、電力供給量が低下されたり、電力供給が停止されたりすると、庫内温度が上昇してしまい、庫内に貯蔵されている食品が傷んでしまう。また、IHクッキングヒータの場合は、電力供給量が低下されたり、電力供給が停止されたりすると、必要な加熱温度での調理ができなくなってしまう。
これに対し、本実施の形態による電力制御システム1は、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる第1の電気機器群として、冷蔵庫30と、電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない第2の電気機器群として、IHクッキングヒータ40とを有している。電力制御システム1の制御部12は、冷蔵庫30とIHクッキングヒータ40の双方に供給すべき総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、冷蔵庫30への電力の供給を低下又は停止させる。本実施の形態による電力制御システム1によれば、冷蔵庫30への電力供給が低下又は停止しても、庫内温度の上昇を防ぎ、庫内に貯蔵されている食品が傷むのを防止することができる。また、本実施の形態による電力制御システム1によれば、家庭内での総消費電力量が所定の許容電力量を超えないようにしてブレーカが落ちるのを防止するとともに、加熱調理に必要な電力をIHクッキングヒータ40に供給することができる。
また、本実施の形態による冷蔵庫30は、蓄熱材53を備え、蓄熱材53の保温作用により、電力の供給が低下又は停止しても所定時間だけ所定領域を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えている。これにより、冷蔵庫30は、電力供給量が低下、又は電力供給が停止しても、庫内の温度を所定温度に維持するという所望の機能を発揮することができる。
(変形例)
次に、第1の実施の形態の変形例による電力制御システム2について、図3を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図3は、本変形例による電力制御システム2及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。本変形例による電力制御システム2は、第2電気機器群に属するIHクッキングヒータが内部制御部40aを備えていないことに特徴を有している。
電力制御システム2は、制御部12、冷蔵庫30間のみで消費電力データのデータ通信行う。制御部12は、電灯線22を流れる電力量を監視し、当該電力量が所定の許容電力量を超えそうになったら、もしくは超えたら、冷蔵庫30に対し、冷凍機の運転停止又は低電力運転を命令するコマンドを送信する。例えば、IHクッキングヒータ40の電源がオン状態にされ、加熱調理が開始され、電灯線22を流れる電力量が著しく増加し、当該電力量が所定の許容電力量を超えた場合に、制御部12は、冷蔵庫30の冷凍機を停止させるコマンドを内部制御部30aに送信する。
本変形例による電力制御システム2は、第1の実施の形態による電力制御システム1と比較して、制御部12、第1の電気機器群間のみでデータ通信を行うため、第2の電気機器群に内部制御部を設ける必要がない。また、第1の実施の形態による電力制御システム1では、第1の電気機器群の各電気機器全てに内部制御部を設ける必要がある。一方で、本変形例による電力制御システム2では、第1の電気機器群の少なくとも一部の電気機器に内部制御部が設けられていればよい。また、第1の実施の形態による電力制御システム1は、本変形例による電力制御システム2と比較して、制御部12が、第1及び第2電気機器群との間で消費電力データのデータ通信を行い、総消費電力量に余裕があるか監視している。このため、第1の実施の形態による電力制御システム1では、瞬間的に消費電力が最大許容電力を超えないように制御できる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態による電力制御システム3について、図4乃至図8を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図4は、本実施の形態による電力制御システム3及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。本実施の形態では、第1及び第2の電気機器群がそれぞれ複数の電気機器で構成されている例について説明する。本実施の形態による電力制御システム3は、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる第1の電気機器群として、冷蔵庫30、電気床下暖房機32及び電気こたつ34を有している。
図3に示すように、電気床下暖房機32は、冷蔵庫30と同様に電灯線24により制御部12に接続されている。電気床下暖房機32は、ヒータ部68(図4では、不図示)に電力を供給することにより熱を発生させている。また、電気床下暖房機32は、制御部12とデータ通信を行い、ヒータ部68等の各装置を制御する内部制御部32aを有している。内部制御部32aは、電灯線24から電力とともに送信されるデータを抽出するフィルタ機能を有している。電気床下暖房機32の内部制御部32aは、フィルタ機能により抽出したデータを受信する。さらに電気床下暖房機32の内部制御部32aは、電気床下暖房機32の消費電力等のデータを生成する。電気床下暖房機32の内部制御部32aは、電灯線24を介して、生成した当該データを制御部12に送信する。また、内部制御部32aは、不図示のバッテリを有している。このため、内部制御部32aは、電気床下暖房機32への電力供給が停止しても、所定時間稼働することができる。
次に、図5を用いて、電気床下暖房機32についてより具体的に説明する。図5は、電気床下暖房機32が配置されている家屋60の断面図である。家屋60は、居住空間部62を有している。居住空間部62の下端には床板64が配置されている。床板64の下方には床下空間部66が設けられている。電気床下暖房機32は、床下空間部66に配置されている。電気床下暖房機32は、蓄熱材69を備え、蓄熱材69の保温作用により、電力の供給が低下又は停止して、ヒータ部68の加熱能力が低下又は機能しなくなっても、所定時間だけ居住空間部62を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えている。蓄熱材69は、ヒータ部68と床板64との間に配置されている。
蓄熱材69は、潜熱蓄熱材を有している。蓄熱材69の潜熱蓄熱材は、例えばパラフィンを含んでいる。また、蓄熱材69の潜熱蓄熱材はゲル状である。蓄熱材69の潜熱蓄熱材は、ヒータ部68により加熱されて固相状態に相変化する。電気床下暖房機32へのヒータ部68の熱生成に必要な電力供給が停止しすると、蓄熱材69による保温が開始される。居住空間部62内は、床板64の下面に設けられた蓄熱材69により所定時間だけ所望の温度範囲に維持される。より具体的には、蓄熱材69の潜熱蓄熱材が固相から液相へ相変化するまでの期間において、居住空間部62内の温度がほぼ一定に維持される。このように、本実施の形態による電気床下暖房機32は、電力の供給が低下あるいは停止しても、居住空間部62内を所定温度に維持可能な機能を備えている。
また、電気床下暖房機32は、家屋60の外気温度が相対的に高い日中に蓄熱材69を暖めて熱を蓄熱する。電気床下暖房機32は、家屋60の外気温度が相対的に低くなる夜間にヒータ部68による加熱と、蓄熱材69による放熱を組みあわて暖房機能を発揮することができる。電気床下暖房機32は、外気温度が相対的に低くなる夜間に蓄熱材69による放熱を用いることで、夜間でのヒータ部68が消費する消費電力を抑えることができる。このため、電気床下暖房機32は、1日の合計での消費電力量を低減することができる。
電気床下暖房機32は、ヒータ部68による加熱時に約800Wの電力を消費する。電力制御システム3は、電気床下暖房機32のヒータ部68による加熱を停止させることにより、第2の電気機器群に約800Wの電力を融通することができる。
次に図4に戻り、第1の電気機器群を構成する電気こたつ34について説明する。電気こたつ34は、電灯線24により制御部12に接続されている。電気こたつ34は、ヒータ部76(図4では、不図示)に電力を供給することにより熱を発生させている。また、電気こたつ34は、制御部12とデータ通信を行い、ヒータ部76等の各装置を制御する内部制御部34aを有している。内部制御部34aは、電灯線24から電力とともに送信されるデータを抽出するフィルタ機能を有している。電気こたつ34の内部制御部34aは、フィルタ機能により抽出したデータを受信する。さらに電気こたつ34の内部制御部34aは、電気こたつ34の消費電力等のデータを生成する。電気こたつ34の内部制御部34aは、電灯線24を介して、生成した当該データを制御部12に送信することができる。また、内部制御部34aは、不図示のバッテリを有している。このため、内部制御部34aは、電気こたつ34への電力供給が停止しても、所定時間稼働することができる。
次に、図6を用いて、電気こたつ34について詳細に説明する。図6は、電気こたつ34の断面図である。電気こたつ34は、机70、こたつ布団72、床板64を切って床を下げた床下げ部74及びヒータ部76を有している。電気こたつ34は、机70、こたつ布団72及び床下げ部74で囲まれた空間部78を床下げ部74に配置されているヒータ部76により所定温度に暖めることができる。なお、図6に示す電気こたつは、いわゆる掘りごたつである。
電気こたつ34は、蓄熱材79を備え、蓄熱材79の保温作用により、電力の供給が低下又は停止してヒータ部76の加熱能力が低下又は機能しなくなっても、所定時間だけ空間部78を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えている。蓄熱材79は、机70の空間部78側、床下げ部74の側面及び底面に配置されている。
蓄熱材79は、潜熱蓄熱材を有している。蓄熱材79の潜熱蓄熱材は、例えばパラフィンを含んでいる。また、蓄熱材79の潜熱蓄熱材はゲル状である。蓄熱材79の潜熱蓄熱材は、ヒータ部76により加熱されて固相状態に相変化する。電気こたつ34へのヒータ部76の熱生成に必要な電力供給が停止すると、蓄熱材79による保温が開始される。空間部78内は蓄熱材79により所定時間だけ所望の温度範囲に維持される。より具体的には、蓄熱材79の潜熱蓄熱材が固相から液相へ相変化するまでの期間において、空間部78内の温度がほぼ一定に維持される。このように、本実施の形態による電気こたつ34は、電力の供給が低下あるいは停止しても、空間部78を所定温度に維持するという所望の機能を発揮することができる。
電気こたつ34は、ヒータ部76による加熱時に約900Wの電力を消費する。電力制御システム3は、電気こたつ34のヒータ部76による加熱を停止させることにより、第2の電気機器群に約900Wの電力を融通することができる。
次に、図4に戻り、本実施の形態による電力制御システム3の第2の電気機器群について説明する。本実施の形態による電力制御システム3は、電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない第2の電気機器群として、IHクッキングヒータ40、電子レンジ42及びアイロン44を有している。IHクッキングヒータ40、電子レンジ42及びアイロン44は電灯線24により制御部12に接続されている。電子レンジ42は、電力の供給により、マイクロ波を発生させ、加熱調理を行う。電子レンジ42では、加熱調理中の消費電力が相対的に大きくなっている。また、電子レンジ42は、加熱料理中以外には電力供給をほとんど必要としない。このように、電子レンジ42の加熱調理中には相対的に多くの電力供給量が必要である。
電子レンジ42は、制御部12とデータ通信を行う内部制御部42aを有している。内部制御部42aは、電灯線24から電力とともに送信されるデータを抽出するフィルタ機能を有している。電子レンジ42の内部制御部42aは、フィルタ機能により抽出したデータを受信することができる。電子レンジ42の内部制御部42aは、設定された加熱調理に必要な消費電力を算出し、当該消費電力のデータを生成する。電子レンジ42の内部制御部42aは、電灯線24を介して、生成した当該データを制御部12に送信することができる。
アイロン44は、電力の供給により熱を発生させ、衣服のしわをのばす。アイロン44は、使用中に相対的に多くの電力供給量が必要である。アイロン44は、制御部12とデータ通信を行う内部制御部44aを有している。内部制御部44aは、電灯線24から電力とともに送信されるデータを抽出するフィルタ機能を有している。アイロン44の内部制御部44aは、フィルタ機能により抽出したデータを受信する。アイロン44の内部制御部44aは、設定された加熱温度に必要な消費電力を算出し、当該消費電力のデータを生成する。アイロン44の内部制御部44aは、電灯線24を介して、生成した当該データを制御部12に送信することができる。
制御部12は、第1及び第2の電気機器群のそれぞれから受信した各データに基づいて、第1及び第2の電気機器群のそれぞれが消費している消費電力を監視している。制御部12は、第1及び第2の電気機器群の消費電力が所定の許容電力量を超えると判断したら、第1の電気機器群に属する冷蔵庫30、電床下暖房機32又は電気こたつ34への電力の供給を低下又は停止させるように第1の電気機器群に含まれる電気機器を制御する。
次に、本実施の形態による電力制御システム3が実行する、電力供給の低下又は停止する電気機器の順番決定方法について説明する。ここでは、第2の電気機器群の全ての電気機器を同時に使用しても所定の許容電力量を超えないことを前提として、当該順番決定方法について説明する。
制御部12は、不図示のROM(読み込み専用のメモリ)を有している。当該ROMには、第1及び第2の電気機器群の各電気機器を使用した場合の最大消費電力に関するルックアップテーブルが格納されている。図7を用いて、制御部12のROMに格納されているルックアップテーブルについて説明する。図7は、ルックアップテーブルに格納されるデータ構造の例を示している。ルックアップテーブルの最上行において、「30」は冷蔵庫30を示し、「32」は、電気床下暖房機32を示し、「34」は、電気こたつ34を示し、「40」はIHクッキングヒータ40を示し、「42」は電子レンジ42を示し、「44」はアイロン44を示し、「max」は第1及び第2の電気機器群の各電気機器を同時に稼働した場合の最大消費電力が所定の許容電力量を超えるか否か示している。図7中の「max」の以外の列において、「○」はその列の電気機器が稼働していることを示し、「×」はその列の電気機器が停止していることを示している。また図7中の「max」の列において、「○」は最大消費電力が所定の許容電力量を超えていないことを示し、「×」は最大消費電力が所定の許容電力量を超えていることを示している。第1及び第2の電気機器群は合計6つの電気機器を有しているので、これら6つの電気機器のうち少なくとも一つ以上が同時に稼働する場合の組み合わせは63通りである。一般的に、m個の電気機器について、各電気機器には稼働又は停止の2つの状態がある場合、少なくとも一つ以上の電気機器が同時に稼働する組み合わせは全部で2−1通りである。ルックアップテーブルの6×63行列のそれぞれには、各電気機器の最大消費電力がデータとして格納されている。
制御部12は、第1及び第2の電気機器群に含まれるいずれかの電気機器の稼働開始を知らせる信号を受信すると、ルックアップテーブルを用いて、最大消費電力量を把握する。制御部12は、最大消費電力量が許容電力量を超えないと判断すると、稼働開始を知らせる信号を送信した電気機器に稼働開始コマンドを送信する。当該コマンドを受信した電気機器は、稼働を開始する。
また、制御部12は、最大消費電力量が許容電力量を超えると判断すると、第1の電気機器群に含まれる一又は複数の電気機器への電力の供給を停止させるように当該電気機器を制御する。この際、制御部12は、ルックアップテーブルを参照し、最大消費電力量が許容電力量を超えず、かつ、電力の供給を停止させるように制御する電気機器の数が最小になる電気機器の同時稼働の組み合わせを検索する。制御部12は、当該検索結果に基づいて、第1の電気機器群に属する電気機器に稼働を停止させるコマンドを送信する。
例えば、「n」(図7において、2<n<60)の行には、冷蔵庫30、電気床下暖房機32、電気こたつ34及びIHクッキングヒータ40が同時に稼働している場合の最大消費電力量が格納されている。この場合には、「max」の列の「○」が示すように、最大消費電力量が許容電力量を超えていない。
ここで、電子レンジ42の電源がオン状態にされたことを受信データに基づき制御部12が検出したとする。冷蔵庫30、電気床下暖房機32、電気こたつ34、IHクッキングヒータ40及び電子レンジ42が同時に稼働している場合には、「n+1」行の「max」列が示すように、最大消費電力量が許容電力量を超えている。この場合において、制御部12は、第1の電気機器群に含まれる電気機器の稼働を停止させて、最大消費電力量が許容電力量を超えないように制御する。この際、制御部12は、ルックアップテーブルを参照して、第2の電気機器群のIHクッキングヒータ40及び電子レンジ42が同時に稼働しており、かつ、最大消費電力量が許容電力量を超えない所定の電気機器の同時稼働の組み合わせを検出する。この時、第1の電気機器群のうち、使用者が意図的に使用を停止している電気機器(例えば、主電源がオフ状態の電気機器)が稼働している場合の組み合わせは除外する。
当該検出結果として、制御部12は、「n+2」及び「n+3」の行に示す電気機器の同時稼働の組み合わせを検出したとする。「n+2」及び「n+3」の行に示す組み合わせにおいては、いずれも「max」の列に示すように、最大消費電力量が許容電力量を超えていない。しかしながら、「n+2」行に示す組み合わせの場合には、第1の電気機器群の電気機器では、冷蔵庫30と電気床下暖房機32とが稼働している。これに対し、「n+3」行に示す組み合わせの場合には、第1の電気機器群の電気機器は、冷蔵庫30のみが稼働している。この場合には、制御部12は、第1の電気機器群の電気機器がより多く稼働している組み合わせを選択する。このため、制御部12は、電気こたつ34に稼働を停止させるコマンドを送信する。制御部12は、電気こたつ34から稼働停止したことを示す信号を受信した後に、第2の電気機器群の電子レンジ42に稼働許可コマンドを送信する。電子レンジ42は、制御部12から稼働許可コマンドを受信すると、所定の消費電力で加熱調理を開始する。
このように、本実施の形態による電力制御システム3によれば、第1の電気機器群に属し、稼働停止する電気機器を最小にしつつ、第1及び第2の電気機器群の消費電力が所定の許容電力量を超えないようにすることができる。
本実施の形態による電力制御システム3の制御部12では、ルックアップテーブルの格納のためにROMが用いられているが、他のメモリを用いてルックアップテーブルを格納してもよい。例えば、制御部12の電源が切れてもデータ保存可能なフラッシュメモリなど、書き換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。これにより、制御部12は、電気機器の追加又は削減に伴うルックアップテーブルの変更や、各電気機器の使用状況に基づいてルックアップテーブルを書き換えて、各電気機器の使用状況に応じた制御を行うことができる。
また、本実施の形態による電力制御システム3は、電気機器を稼働状態又は停止状態の二通りの状態で各電気機器を制御しているが、各電気機器の制御方法はこれに限られない。例えば、電力制御システム3は、第1の電気機器群に含まれる電気機器に対し、通常稼働状態、低電力稼働状態又は停止状態等の複数の状態で各電気機器を制御してもよい。この場合には、全ての電気機器の全ての状態の組み合わせの消費電力データを格納したルックアップテーブルを制御部12に記憶させておくことで、電力制御システム3は、本実施の形態と同様に、電力供給の低下または停止する電気機器の順番決定を行うことができる。
(変形例)
次に、図8を用いて、電力制御システム3の制御部12が実行する、電力供給の低下又は停止する電気機器の順番決定方法の変形例について説明する。図8を用いて、本変形例で用いられるルックアップテーブルについて説明する。図8は、ルックアップテーブルに格納されるデータ構造の例を示している。図8(a)及び(b)は、第1の電気機器群の消費電力に関するデータが格納されるデータ構造の例を示している。図8(c)は、第2の電気機器群の消費電力に関するデータが格納されるデータ構造の例を示している。
図8(a)及び(b)に示すルックアップテーブルの最上行において、「30」は冷蔵庫30を示し、「32」は、電気床下暖房機32を示し、「34」は、電気こたつ34を示し、「使用量(w)」は、第1の電気機器群に含まれる電気機器を同時に稼働した場合の使用電力量(w)を示している。当該ルックアップテーブルの「消費電力(w)」の行は、各電気機器の消費電力を示し、「許容度」の行は、各電気機器の許容度を示している。
本変形例では、第1の電気機器群の各電気機器に許容度を導入し、各電気機器は、許容度の高い順に電力供給が低下又は停止させるようになっている。言い換えれば、許容度の高い順の電気機器から第2の電気機器群に電力を融通するようになっている。また、言い換えれば、許容度の低い順の電気機器から電力を消費するようになっている。許容度は、電力供給がなくてもよい時間が長くても所望の機能を発揮することができる電気機器ほど高く設定したり、稼働停止することにより生活への影響が低い電気機器ほど低く設定したりするなど、各電気機器の特性に合わせて設定する。
当該ルックアップテーブルの最左列の「許容度」の下方の列には第1の電気機器群に含まれる各電気機器の稼働又は停止の組み合わせを示している。本例では、4通りの組み合わせを示している。それぞれの組み合わせの行に示す「×」は、その列の電気機器が稼働停止中であることを示し、「○」は、その列の電気機器が稼働中であることを示している。
また、図8(c)に示すルックアップテーブルの最上行において、「40」はIHクッキングヒータ40を示し、「42」は、電子レンジ42を示し、「44」は、アイロン44を示している。当該ルックアップテーブルの「消費電力(w)」の行は、各電気機器の消費電力を示している。また、ルックアップテーブルの最左列の「許容度」の下方の列には第2の電気機器群に含まれる各電気機器の稼働又は停止の組み合わせを示している。本例では、7通りの組み合わせを示している。それぞれの組み合わせの行に示す「×」は、その列の電気機器が稼働停止中であることを示し、「○」は、その列の電気機器が稼働中であることを示している。図8(c)中の「使用量(w)」は、第2の電気機器群に含まれる電気機器のうち稼働している電気機器、すなわちその行で「○」となっている電気機器を同時に稼働した場合の使用電力量(w)を示している。
例えば、第2の電気機器群のIHクッキングヒータ40とアイロン44とが稼働中であり、電子レンジ42が稼働停止中であるとする。この場合の第2の電気機器群が同時稼働する組み合わせは、図8(c)中「6」の行に示す組み合わせである。当該組み合わせにおいて、第2の電位機器群の合計の電力使用量は「2500w」である。
本例では、例えば、所定の許容電力量が4000wである。このため、第1の電気機器群が使用できる電力量は、1500w以下である。このため、制御部12は、ルックアップテーブルを参照して、図8(a)示す、「3」の行に示す電気機器の同時稼働の組み合わせの使用量が1000wであり、1500w以下であると判断して、電気床下暖房機32の稼働を停止させる。稼働が停止した電気床下暖房機32の許容度は最も高い「50」になっている。
本変形例では、許容度は可変値になっている。例えば、図8(a)に示すルックアップテーブルの「3」の場合には、許容度が「50」であって一番大きい電気床下暖房機32が稼働停止中になっている。所定時間が経過すると、ルックアップテーブルは図(8)(b)に示すデータに書き換えられる。図8(b)に示すルックアップテーブルでは、冷蔵庫30の許容度が「30」から「40」に変化し、電気床下暖房機32の許容度は「50」のままであり、電気こたつ34の許容度が「20」から「70」に変化している。ルックップテーブルのデータが書き換えられると、制御部12は、書き換え後のルックアップテーブルを参照して、第1の電気機器群を制御する。制御部12は、図8(b)の「3」の行に基づいて電気床下暖房機32に稼働開始コマンドを送信し、電気こたつ34に稼働停止コマンドを送信する。このように、制御部12は、許容度が低くなった電気床下暖房機32を稼働させ、許容度が一番高くなった電気こたつ34の稼働を停止させる。
電気機器が稼働し、蓄熱材に熱が蓄えられるにつれて徐々に許容度が大きくなるようにする。一方で、電気機器が稼働停止した場合には徐々に許容度が小さくなるようにする。許容度の時間に対する変化率は、対象とする電気機器の特徴に合わせ設定される。例えば、蓄熱材に蓄えられる熱量が相対的に多く、電力の供給がなくても長い時間所望の機能を発揮できる電気機器の許容度は変化率を小さく設定する。また許容度には上限値が設けられている。上限値は蓄熱材に蓄えられる最大の熱量や電気機器の生活での必要性などに基づいて設定する。例えば、蓄えられる熱量が多い電気機器や、稼働していなくても生活への影響が少ない電気機器の許容度は上限値を高めに設定する。許容度の時間に対する変化率及び上限値は、予め設定されていてもよく、居住者等によって任意に設定されてもよく、随時変更可能としてもよい。このようにすると、許容度の低い電気機器、すなわち、生活により必要な電気機器や蓄熱効果が切れかかっている電気機器に優先して電力を供給することができる。許容度は随時変化するので、定期的に許容度を監視し、許容度の高い電気機器から順に電力を融通するように変更する。また、電気床下暖房機32や電気こたつ34の暖房機器などの消費電力の高い電気機器の許容度の上限値を居住者が大きく設定することで、電力制御システムによる省電力化(省エネ化)を意識的に実行することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態による電力制御システム5について、図9を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。上記第1及び第2の実施の形態による電力制御システム1及び3の制御部12は、各電気機器の消費電力を監視し、総消費電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、第1の電気機器群の所定の電気機器に対し使用電力量の上限を設定するコマンドを送信するようにして、当該電気機器への電力の供給を低下又は停止させるようにしている。このように、第1及び第2の実施の形態による電力制御システム1及び3は、第1及び第2の電気機器群の外部に設けられた制御部12で第1及び第2の電気機器群を外部制御している。
一方、本実施の形態による電力制御システム5は、第1及び第2の電気機器群の内部に設けられた内部制御部が各電気機器への電力供給量を制御するようになっている。図9は、第3の実施の形態による電力制御システム5及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。電力制御システム5は、ブレーカ部10に接続されている。ブレーカ部10から供給される電力は電力制御システム1の電力モニタ14を介して家庭内の電気機器に供給される。
電力制御システム5は、第1の電気機器群と第2の電気機器群と電力モニタ14とを有している。第1の電気機器群は、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる電気機器で構成されている。本実施の形態では第1の電気機器群に含まれる電気機器として冷蔵庫30を例示している。第2の電気機器群は、電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない電気機器で構成されている。本実施の形態では第2の電気機器群に含まれる電気機器としてIHクッキングヒータ40を例示している。
電力モニタ14は、ブレーカ部10と電灯線22により接続されている。電力モニタ14は、冷蔵庫30及びIHクッキングヒータ40と電灯線24により接続されている。電力モニタ14は、冷蔵庫30の消費電力のデータと、IHクッキングヒータ40に入力された設定温度から加熱調理に必要な消費電力のデータを受信し、これらの消費電力を合計した総消費電力量を算出する。電力モニタ14は、算出した合計の総消費電力量と所定の許容電力量のデータを第1の電気機器群に含まれる冷蔵庫30に送信する。
冷蔵庫30は、電力モニタ14から送信されたデータを内部制御部30aで受信する。冷蔵庫30の内部制御部30aは、第1及び第2の電気機器群に供給すべき総電力量、すなわち電力モニタ14が算出した合計の総消費電力量が所定の許容電力量を超えると判断すると、自己に供給される電力を低下又は停止させる。冷蔵庫30の内部制御部30aは、供給される電力を低下又はさせた後の消費電力のデータを生成し、生成したデータを電力モニタ14に送信する。
冷蔵庫30から当該データを受信した電力モニタ14は、冷蔵庫30の消費電力と、IHクッキングヒータ40に入力された設定温度から加熱調理に必要な消費電力とを総消費電力量を再度算出する。電力モニタ14は、算出した総消費電力量のデータを生成し、生成したデータをIHクッキングヒータ40に送信する。
電力モニタ14から当該データを受信したIHクッキングヒータ40の内部制御部40aは、総消費電力量が所定の許容電量を超えていないか判断する。IHクッキングヒータ40の内部制御部40aは、総消費電力量が所定の許容電量を超えていないと判断すると、設定温度での加熱調理を開始する。
このように、本実施の形態による電力制御システム5によれば、家庭内での消費電力が許容電力量を超えないようにするとともに、加熱調理に必要な電力をIHクッキングヒータ40に供給することができる。
(変形例)
次に、第3の実施の形態の変形例による電力制御システム6について、図10を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例による電力制御システム6は、制御部12及び電力モニタ14を有さない点に特徴を有している。
図10は、本変形例による電力制御システム6を示す模式図である。図10に示すように、電力制御システム6は、ブレーカ部10と第1の電気機器群である冷蔵庫30及び第2の電気機器群であるIHクッキングヒータ40とが電灯線24を介して接続されている。冷蔵庫30の内部制御部30aとIHクッキングヒータの内部制御部40aとの間でデータ通信を行う。第2の電気機器群に含まれるIHクッキングヒータ40の内部制御部40aは、IHクッキングヒータの消費電力のデータを第1の電気機器群に含まれる冷蔵庫30の内部制御部30aに送信する。第1の電気機器群に含まれる冷蔵庫30の内部制御部30aには、電気機器の消費電力に関するルックアップテーブルと、電力制御システム6を構成する電気機器の総電力の許容量が記憶されており、第2の電気機器群から送信された消費電力データを基に、ルックアップテーブルを参照しながら、冷蔵庫30の消費電力を制御する。
本変形例による電力制御システム6は、第1及び第2の電気機器群のみで構成される。このため、電力制御システム6は構成を簡略化することができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態による電力制御システムに用いられる電気機器について、図11乃至図13を用いて説明する。上記第1乃至第3の実施の形態では、電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる第1の電気機器群として、冷蔵庫30、電気床下暖房機32及び電気こたつ34を例示している。本実施の形態では、第1の電気機器群として、エアコンディショナ80、追焚き電気加熱器92、電気給湯器100をさらに例示する。
まず、図11を用いて、本実施の形態によるエアコンディショナ80について説明する。図11は、エアコンディショナ80が配置されている家屋60の断面図である。エアコンディショナ80は、蓄熱材82を備え、蓄熱材82の保温作用により、電力の供給が低下又は停止して、空調能力が低下又は機能しなくなっても、所定時間だけ居住空間部62を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えている。蓄熱材82は、エアコンディショナ80が取り付けられている内壁86の裏面側に配置されている。また、エアコンディショナ80の配置箇所以外の内壁86の裏面側及び床下空間部66にも蓄熱材84が配置されている。これにより。居住空間部62の空調効果が高まる。
蓄熱材82、84は、潜熱蓄熱材を有している。蓄熱材82、84の潜熱蓄熱材は、例えばパラフィンを含んでいる。また、蓄熱材82、84の潜熱蓄熱材はゲル状である。蓄熱材82、84の潜熱蓄熱材は、エアコンディショナ80から吹出される冷気により冷却されて固相状態に相変化する。エアコンディショナ80への電力供給が停止しすると、蓄熱材82、84による空調が開始される。居住空間部62内は、蓄熱材82、84により所定時間だけ所望の温度範囲に維持される。より具体的には、蓄熱材82、84の潜熱蓄熱材が固相から液相へ相変化するまでの期間において、居住空間部64内の温度がほぼ一定に維持される。このように、本実施の形態によるエアコンディショナ80は、電力の供給が低下あるいは停止しても、居住空間部62内を所定温度に維持可能な機能を備えている。
エアコンディショナ80は、稼働時に約600Wの電力を消費する。電力制御システムは、エアコンディショナ80を停止させることにより、第2の電気機器群に約600Wの電力を融通することができる。
次に、図12を用いて、追焚き電気加熱器92について説明する。図12は、追焚き電気加熱器92が備えられている浴槽90の断面図である。浴槽90には、後述する電気給湯器100から供給された湯が貯められている。追焚き電気加熱器92は、浴槽90の内壁に設けられた不図示の吸入口と不図示の供給口に接続されている。追焚き電気加熱器92は、当該吸入口から導入された湯をヒータ部94で加熱し、加熱した湯を供給口を介して浴槽90内に供給する。
追焚き電気加熱器92は、蓄熱材96を備え、蓄熱材96の保温作用により、電力の供給が低下又は停止してヒータ部94の加熱能力が低下又は機能しなくなっても、所定時間だけ浴槽90に貯められている湯を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えている。蓄熱材96は、浴槽90の外壁に配置されている。
蓄熱材96は、潜熱蓄熱材を有している。蓄熱材96の潜熱蓄熱材は、例えばパラフィンを含んでいる。また、蓄熱材96の潜熱蓄熱材はゲル状である。蓄熱材96の潜熱蓄熱材は、ヒータ部94により生成された湯、または電気給湯器100により浴槽90内に供給された湯により加熱されて固相状態に相変化する。追焚き電気加熱器92への電力供給が停止すると、蓄熱材96による保温が開始される。浴槽90内の湯は蓄熱材96により所定時間だけ所望の温度範囲に維持される。より具体的には、蓄熱材96の潜熱蓄熱材が固相から液相へ相変化するまでの期間において、浴槽90内の湯の温度がほぼ一定に維持される。このように、本実施の形態による追焚き電気加熱器92は、電力の供給が低下あるいは停止しても、浴槽90内の湯の温度を所定温度に維持するという所望の機能を発揮することができる。
次に、図13を用いて、電気給湯器100について説明する。図13は、本実施の形態による電気給湯器100の概略構成を示す模式図である。電気給湯器100は、温水を貯留する貯湯槽102を有している。また、電気給湯器100は、加熱器106を有している。加熱器106には、貯湯槽102に貯湯されている相対的に温度の低い湯が配管108を通じて導入される。加熱器106は、導入された湯を所定温度にまで加熱して配管110を通じて貯湯槽102に再度貯湯される。貯湯槽102に貯湯されている湯は、配管112を通じて、家庭内の各部、例えば、浴槽90に供給される。
電気給湯器100は、蓄熱材104を備え、蓄熱材104の保温作用により、電力の供給が低下又は停止して加熱器106の加熱能力が低下又は機能しなくなっても、所定時間だけ貯湯槽102に貯められている湯を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えている。蓄熱材96は、貯湯槽102の外壁に配置されている。
蓄熱材104は、潜熱蓄熱材を有している。蓄熱材104の潜熱蓄熱材は、例えばパラフィンを含んでいる。また、蓄熱材104の潜熱蓄熱材はゲル状である。蓄熱材104の潜熱蓄熱材は、加熱器106により生成された湯により加熱されて固相状態に相変化する。電気給湯器100への電力供給が停止すると、蓄熱材104による保温が開始される。貯湯槽102内の湯は蓄熱材104により所定時間だけ所望の温度範囲に維持される。より具体的には、蓄熱材104の潜熱蓄熱材が固相から液相へ相変化するまでの期間において、貯湯槽102内の湯の温度がほぼ一定に維持される。このように、本実施の形態による電気給湯器100は、電力の供給が低下あるいは停止しても、貯湯槽102内の湯の温度を所定温度に維持するという所望の機能を発揮することができる。
本実施の形態による電気機器である、エアコンディショナ80、追焚き電気加熱器92及び電気給湯器100のそれぞれは、冷蔵庫30と同様に、他の電気機器と同時に消費される総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、自己に供給される電力を低下又は停止させる制御部(内部制御部)を有していてもよい。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態による電力制御システム7について、図14及び図15を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図14及び図15は、本実施の形態による電力制御システム7及びそれに用いる電気機器を示す模式図である。上記実施の形態では、各電気機器を制御する内部制御部が、各電気機器に内在されている例を示した。一方で、本実施の形態による電力制御システム7は、当該内部制御部が各電気機器に電力が供給される経路上に配置されている点に特徴を有している。
図14に示すように、冷蔵庫30を制御する内部制御部30bは、電灯線24上に配置されている。また、図15に示すように、内部制御部30cは、電灯線24を介して、複数の電気機器と接続されていてもよい。内部制御部30b、30cは、第1の電気機器群に対し電力供給を制御できる位置に配置されていればよい。内部制御部30b、30cは第1の電気機器に含まれる電気機器への電力供給の停止命令又は低下命令を含むコマンドを制御部12から受信した場合、当該電気機器への電力供給を停止又は低減する。例えば、内部制御部30b、30cが制御部12より冷蔵庫30への電力供給を停止する停止命令を受信した場合、内部制御部30b、30cは、冷蔵庫30へ供給される電力を遮断し、冷蔵庫30への電力供給を停止する。
本実施の形態によれば、内部制御部を備えない電気機器を電力制御システム7に用いることができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施の形態では、制御部12及び電力モニタ14と、第1及び第2の電気機器群の各電気機器との間でのデータ通信は、電灯線24を介して行われているが、本発明はこれに限られない。制御部12及び電力モニタ14と、第1及び第2の電気機器群の各電気機器との間でのデータ通信は、電灯線とは別の有線LANを介して行われてもよいし、無線LANにより行われてもよい。
また、上記第2の実施の形態では、制御部12に第1及び第2の電気機器群の各電気機器の消費電力を記憶したルックアップテーブルが備えられているが、本発明はこれに限られない。例えば、制御部12は、ROMに記憶された消費電力算出用プログラム(消費電力算出用フロー)を用いて、当該各電気機器の消費電力を毎回算出するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、制御部12や電力モニタ14がブレーカ部10のメインブレーカ装置に接続されているが、本発明はこれに限られない。例えば、ブレーカ部10に設けられ、家庭内の各部屋に電力を分岐させ、各部屋毎に個別に定められた許容電力量を超える電力が供給されないようにするサブブレーカ装置に制御部12や電力モニタ14が接続されていてもよい。このような電力制御システムは、家庭内の各部屋毎への電力供給が遮断されるのを防ぐことができる。
なお、上記詳細な説明で説明した事項、特に上記実施の形態で説明した事項は組み合わせることが可能である。
本発明は、電力制御システム分野において広く利用可能である。
1、2、3、5、6、7 電力制御システム
10 ブレーカ部
12 制御部
14 電力モニタ
20 配電線
22、24 電灯線
30 冷蔵庫
32 電気床下暖房機
34 電気こたつ
40 IHクッキングヒータ
42 電子レンジ
44 アイロン
30a、30b、30c、32a、34a、40a、42a、44a 内部制御部
50 容器本体
51 扉部材
52 開口部
53、69、79、82、84、96、104 蓄熱材
54 貯蔵室
55 壁部
56 棚部材
57 扉収納部
58 パッキン
60 家屋
62 居住空間部
64 床板
66 床下空間部
68、76 94 ヒータ部
70 机
72 こたつ布団
74 床下げ部
78 空間部
80 エアコンディショナ
86 内壁
90 浴槽
92 追炊き電気加熱器
100 電気給湯器
102 貯湯槽
106 加熱器
108 、110、112 配管

Claims (7)

  1. 電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる第1の電気機器群と、
    電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない第2の電気機器群と、
    前記第1及び第2の電気機器群の双方に供給すべき総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、前記第1の電気機器群への電力の供給を低下又は停止させる制御部と
    を有することを特徴とする電力制御システム。
  2. 請求項1記載の電力制御システムであって、
    前記制御部は、前記第1の電気機器群の少なくともいずれか1つの電気機器への電力の供給を低下又は停止させること
    を特徴とする電力制御システム。
  3. 請求項1又は2に記載の電力制御システムであって、
    前記第1の電気機器群に含まれる電気機器は蓄熱材を備え、前記蓄熱材の保温作用により、電力の供給が低下又は停止しても所定時間だけ所定領域を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えていること
    を特徴とする電力制御システム。
  4. 電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮できる第1の電気機器群と、
    電力の供給が低下又は停止すると所望の機能を発揮できない第2の電気機器群と、
    前記第1の電気機器群に含まれており、前記第1及び第2の電気機器群に供給すべき総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、自己に供給される電力を低下又は停止させる制御部を備えた電気機器と
    を有することを特徴とする電力制御システム。
  5. 請求項4記載の電力制御システムであって、
    前記電気機器は蓄熱材を備え、前記蓄熱材の保温作用により、電力の供給が低下又は停止しても所定時間だけ所定領域を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えていること
    を特徴とする電力制御システム。
  6. 電力の供給が低下又は停止しても所望の機能を発揮する機構と、
    他の電気機器と同時に消費される総電力量が所定の許容電力量を超えると判断したら、自己に供給される電力を低下又は停止させる制御部と
    を有することを特徴とする電気機器。
  7. 請求項6記載の電気機器であって、
    前記機構は蓄熱材を備え、前記蓄熱材の保温作用により、電力の供給が低下又は停止しても所定時間だけ所定領域を所望の温度範囲に維持可能な機能を備えていること
    を特徴とする電気機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015211542A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 株式会社デンソー 電力制御装置
JP2019085452A (ja) * 2017-11-02 2019-06-06 アイシン化工株式会社 放熱成形体用組成物

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