実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図5を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図5を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図5を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図5を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図5を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色)で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には(例えば、突然確変大当りの場合には、他の大当りと同様にラウンド数が15ラウンドであるものの、最初の2ラウンドのみ大入賞口の開放時間が長く、その後のラウンドでは大入賞口の開放時間が短いため、見た目上2ラウンドとなる)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色)で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された後に、演出表示装置9の右方に設けられた可変入賞球装置200内のいずれかの特定口に遊技球が入賞したときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。また、前面枠の左上方には、大当りが発生したときに点灯する大当り状態表示灯51が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
次に、演出表示装置9の右方に設けられた可変入賞球装置200の動作態様について説明する。図2は、可変入賞球装置200の動作態様を説明するための説明図である。図2に示すように、可変入賞球装置200の上部には入賞口204が設けられ、入賞口204に入賞した遊技球は共通流路206を流下して分岐部207に至り、分岐部207で第1流路208または第2流路209のいずれかに振分けられる。
図2に示すように、分岐部207には、第1流路208または第2流路209の切り替えを行うための振分部材203が設けられており、ソレノイド203aによって駆動される。この実施の形態では、ソレノイド203aが駆動されていない状態では、図2(A)に示すように、振分部材203の状態が第1流路208を選択している状態となり、ソレノイド203aが駆動されている状態では、図2(B)に示すように、振分部材203の状態が第2流路209を選択している状態となる。
また、図2(A)に示すように、第1経路208が選択されている状態では、入賞口204から入賞した遊技球は、共通流路206を流下し振分部材203によって第1経路208に導かれ、可変入賞球装置200の下方に設けられた排出口205から排出される。また、第1経路208の入口部分は特定口としての役割を果たしており(以下、特定口としての第1経路208の入口部分を特定口A201という)、特定口A201を通過した遊技球を検出可能な特定口Aスイッチ201aが設けられている。
また、図2(B)に示すように、第2経路209が選択されている状態では、入賞口204から入賞した遊技球は、共通流路206を流下し振分部材203によって第2経路209に導かれ、可変入賞球装置200の下方に設けられた排出口205から排出される。また、第2経路209の入口部分は特定口としての役割を果たしており(以下、特定口としての第2経路200の入口部分を特定口B202という)、特定口B202を通過した遊技球を検出可能な特定口Bスイッチ202aが設けられている。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8b、演出表示装置9に大当り図柄が導出表示されて大当りが発生する場合に、直ちに大当り遊技状態が開始されるのではなく、大当り図柄が導出表示された後、遊技球が可変入賞球装置200内に進入し特定口A201または特定口B202で検出されたことにもとづいて大当り遊技状態が開始される。この場合、この実施の形態では、大当り遊技における見た目上のラウンド数は、5ラウンド、10ラウンドおよび15ラウンドの3種類があるのであるが、「安定」の文字が示されている特定口A201で遊技球が検出された場合には、一律に見た目上のラウンド数が10ラウンドの大当り遊技が行われる。一方、「勝負」の文字が示されている特定口B202で遊技球が検出された場合には、見た目上のラウンドが15ラウンドの大当り遊技が行われる可能性があるものの、見た目上のラウンドが5ラウンドの大当り遊技が行われる可能性もある。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。図3に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施の形態では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施の形態では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチ301によって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチ301は、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図53に示す図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、第1報知信号、第2報知信号、賞球情報)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチを押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
この実施の形態では、バックアップRAMであるRAM55には、遊技制御手段の制御状態に応じたデータとして、特別図柄プロセスフラグや確変フラグなどに加えて、少なくとも、特別図柄の表示結果(大当りや小当りと決定したか否か(例えば、大当りフラグや小当りフラグ)や、大当り種別の決定結果)およびラウンド数カウンタの値が記憶される。そして、後述するように、大当り遊技中に停電が発生した後に停電復旧時の処理が行われる場合には、バックアップされた特別図柄の表示結果とラウンド数カウンタの値で特定されるラウンド数とを含む停電復旧指定コマンドが送信される(後述するステップS43,S44参照)。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、特定口Aスイッチ201a、特定口Bスイッチ202aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および振分部材203を駆動するソレノイド203aを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図4に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図6は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図6に示すように、出力ポート0からは、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続信号)が出力される。また、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。また、出力ポート0から、ターミナル基板160を介して外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して出力される信号のうち第1報知信号および第2報知信号も出力される。
なお、図6に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ370では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。ただし、既に説明したように、外部出力される信号のうち第1報知信号および第2報知信号については、出力ポート0から出力される。なお、この実施の形態では、後述する賞球情報(賞球払出を10個検出するごとに出力される信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
なお、ターミナル基板160を介して外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号や、後述する賞球信号1(賞球払出を1個検出するごとに出力される信号)、遊技機エラー状態信号(遊技機がエラー状態(本例では、球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力されるようにしてもよい。この場合、払出制御基板37側において、遊技枠が開放状態であることや、賞球払出、遊技機のエラー状態も検出され、ドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、この場合も、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
また、例えば、特別図柄の変動回数を通知するための図柄確定回数信号として図柄確定回数1信号に加えて図柄確定回数2信号も、ターミナル基板160を介して外部出力するようにしてもよい。この場合、例えば、第1特別図柄の変動回数のみを通知するための信号として図柄確定回数2信号を外部出力するようにし、第1特別図柄および第2特別図柄の両方の変動回数を通知するための信号として図柄確定回数1信号を外部出力するように構成すればよい。そのように構成すれば、ホールコンピュータなどの外部装置側において、第1特別図柄のみの変動回数に加えて、第1特別図柄および第2特別図柄合計の変動回数や、第2特別図柄のみの変動回数も把握することができる。
図7は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図7に示すように、入力ポート0のビット0,2〜3には、それぞれ、カウントスイッチ、特定口Aスイッチ201a、特定口Bスイッチ202aの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット4〜7には、それぞれ、電波センサ信号、磁石センサ信号、ドア開放信号、賞球情報が入力される。また、入力ポート2のビット0〜4には、それぞれ、第1始動口スイッチ13aの検出信号、第2始動口スイッチ14aの検出信号、ゲートスイッチ32aの検出信号、電源基板910からのクリアスイッチの検出信号および電源断信号が入力される。
図8は、ターミナル基板160の内部構成を示す回路図である。図8に示すターミナル基板160において、左側上段のコネクタCN−1,CN−2は、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタであり、左側下段のコネクタCN−3は、払出制御基板37からの信号を、主基板31を経由して伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、右側のコネクタCN1〜CN11は、ホールコンピュータなど外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC11が搭載されている。
主基板31からのケーブルがコネクタCN−1,CN−2に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「3」に始動口信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に大当り1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「5」に大当り2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「6」に大当り3信号が入力され、コネクタCN−1の端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCN−1の端子「8」に入賞信号が入力され、コネクタCN−1の端子「9」にセキュリティ信号が入力され、コネクタCN−2の端子「8」に第1報知信号が入力され、コネクタCN−2の端子「9」に第2報知信号が入力される。
また、払出制御基板37からのケーブルが主基板31を経由してコネクタCN−3に接続されることにより、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)からの信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−3の端子「9」に賞球情報が入力される。
図8に示すように、ターミナル基板160では、コネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3の端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCN−1の端子「2」〜「9」、コネクタCN−2のコネクタ「8」〜「9」、およびコネクタCN−3のコネクタ「9」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R11を介して半導体リレーPC1〜PC11の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC11の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN11の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC11の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN11の端子「2」に接続されている。
半導体リレーPC1〜PC11では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC11の動作により、入力側のコネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3から入力された信号が出力側のコネクタCN1〜CN11に伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN2から始動口信号が出力され、コネクタCN3から大当り1信号が出力され、コネクタCN4から大当り2信号が出力され、コネクタCN5から大当り3信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から入賞信号が出力され、コネクタCN8からセキュリティ信号が出力され、コネクタCN9から第1報知信号が出力され、コネクタCN10から第2報知信号が出力され、コネクタCN11から賞球情報が出力される。なお、ターミナル基板160における各外部出力信号に対するコネクタの割り当ては、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、セキュリティ信号については、ターミナル基板160に設けられた一番端のコネクタ(例えば、コネクタCN11)から出力されるようにしてもよい。
なお、コネクタCN7から出力される入賞信号は、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、特定口A201、特定口B202への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。)を示す信号である。入賞信号を確認することによって、払い出される賞球数の予定数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、コネクタCN9から出力される第1報知信号は、所定条件が成立した後(例えば、当り図柄を導出表示させた後や、特定の期間(例えば、変動時間等)が経過した後)、所定の無効期間(本例では、当り図柄が停止表示された時点から所定の待機期間を経過した時点までの期間)が経過したこと(すなわち、特定口への入賞が有効になったこと)を報知するための信号である。第1報知信号を確認することによって、無効期間経過後に特定遊技状態に制御されていない遊技機をホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、コネクタCN10から出力される第2報知信号は、所定条件が成立した後、所定の無効期間が経過し、さらに所定の期間が経過したこと(すなわち、特定口への入賞が有効になった後に所定の期間が経過したこと)を報知するための信号である。第2報知信号を確認することによって、無効期間経過後さらに所定の期間が経過しても特定遊技状態に制御されていない遊技機をホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN11から出力される賞球情報は、特定数(この実施の形態では、10個)の賞球が払い出されたこと(球払出装置97が駆動されて実際に賞球が払い出されたこと)を示す信号である。賞球情報を確認することによって、実際に払い出された賞球数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、入賞信号で示される賞球の予定数と賞球情報で示される払出済みの賞球数とを確認することによって、賞球払出が正常に行われたか否かや賞球過不足数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN8から出力されるセキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、後述するように、第2始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認スイッチ14bの検出結果とにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、電波などを用いて第2始動入賞口14への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、上記のように、異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行われたことにもとづいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号をターミナル基板160の共通のコネクタCN8から外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板160上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のコネクタCN8からセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
なお、セキュリティ信号として共通のコネクタから外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2始動入賞口14への異常入賞にかぎらず、第1始動入賞口13や、大入賞口、特定口A201、特定口B202への異常入賞を検出して、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13や、大入賞口、特定口A201、特定口B202についても、第2始動入賞口14と同様に、遊技球の入賞を検出するためのスイッチとして検出方式の異なる2種類のスイッチ(近接スイッチとフォトセンサ)を設けるようにし、第2始動入賞口14と同様の判定方法に従って、異常入賞の有無を判定するようにすればよい。
また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
上記のように、大入賞口への異常入賞や異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から後述する接続OKコマンドや賞球個数受付コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505のステータスレジスタ(図示せず)のいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
また、セキュリティ信号出力用の信号線とは別に、初期化処理実行の検出や、第1始動入賞口13への異常入賞の検出、第2始動入賞口14への異常入賞の検出、大入賞口への異常入賞の検出、異常磁気エラーの検出、異常電波エラーの検出、通信エラーの検出について、それぞれ別々の信号線を設けるようにし、ターミナル基板160から、セキュリティ信号とともに、それぞれのエラーに対応した外部出力信号も、ホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、セキュリティ信号を確認することによって何らかのエラーが発生していることを認識できるとともに、さらにエラーの種類ごとに出力される信号を確認することによって遊技店側でエラーの種類を確認することができる。従って、遊技店側からエラーの種類の確認まで要求されているような場合には、セキュリティ信号とは別にエラー種類ごとの外部出力信号を設けることによって、より遊技店のニーズに応えた外部出力を行えるようにすることができる。一方で、何らかのエラーが発生していることの確認のみを要求しているような遊技店の場合には、外部出力される信号のうち、セキュリティ信号のみをホールコンピュータなどの外部装置に接続して確認するようにすればよい。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC11をターミナル基板160に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、ターミナル基板160に半導体リレーPC1〜PC11を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC11ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図9および図10は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、特別図柄の表示結果、ラウンド数カウンタなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、RAM55(バックアップRAM)にバックアップされている記憶内容にもとづいて、停電復旧指定コマンドを生成する(ステップS43)。この場合、例えば、CPU56は、RAM55にバックアップされている特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて停電発生時に大当り遊技中であったか否か(具体的には、特別プロセスフラグの値が大当り遊技中であることを示す5〜6の値であったか否か)を特定する。そして、大当り遊技中であった場合には、RAM55にバックアップされている特別図柄の表示結果とラウンド数カウンタの値で特定されるラウンド数とを含む停電復旧指定コマンドを生成する。また、大当り遊技中でなかった場合には、停電発生時にその他の遊技状態(図柄の変動表示中や小当り遊技中、デモ表示中)であったことを特定可能な停電復旧指定コマンドを生成する。次いで、CPU56は、生成した電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。
なお、ステップS43,S44において、CPU56は、例えば、停電発生時に変動表示中であったか否かや、変動表示後であったか否か、大当り遊技開始前であったか否か、大当り遊技中であったか否かを特定し(例えば、バックアップされている特別図柄プロセスフラグの値や、大当りフラグの有無で特定し)、これらを特定可能な情報を付加した停電復旧指定コマンドを生成して送信するように構成してもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した停電復旧指定コマンドにもとづいて、これらの情報を特定し、停電発生時に変動表示中であったか否かや、変動表示後であったか否か、大当り遊技開始前であったか否か、大当り遊技中であったか否かを報知するようにしてもよい。この場合、例えば、演出表示装置9の表示画面上でこれらの情報を表示してよいし、専用のランプなどを設けておき、その専用のランプを点灯させることによって報知してもよい。また、専用のランプを用いて報知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の制御によりランプを点灯させて報知するように構成してもよい。
また、CPU56は、RAM55(バックアップRAM)に大当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS45A)、大当りフラグがセットされていれば、特別図柄プロセスフラグの値が5であるか否かを確認する(ステップS45B)。特別図柄プロセスフラグの値が5であれば、CPU56は、大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行う(ステップS46)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS45A,S45B,S46において、特別図柄プロセスフラグの値が後述するラウンド数設定演出中であったことを示す5である場合に、ステップS46の処理に移行して大当り報知を行うようにしているが、この実施の形態で示した処理方法にかぎらず、例えば、特別図柄プロセスフラグの値をバックアップしていない場合には、ステップS45Aにおいて大当りフラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合に大当り報知を行うようにしてもよい。また、大当り発生後であったことを特定可能なその他のフラグやデータが用いられる場合には、これらのフラグやデータにもとづいて大当り報知を行うように構成してもよい。
また、図9に示す例に限らず、ステップS45Aの処理を省略し、大当りフラグがセットされているか否かに関わらず、特別図柄プロセスフラグの値が5のときに大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行うようにしてもよい。また、所定条件が成立したこと(例えば、当り図柄を導出表示させたことや、特定の期間(例えば、変動時間等)が経過したことなど)を示す所定条件フラグを設け、所定条件が成立したときに所定条件フラグをセットし、ステップS45Bの処理に代えて、所定条件フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS45C(図示せず))、所定条件フラグがセットされているときに(ステップS45CのY)、ステップS46で大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行うようにしてもよい。
また、ステップS45Bの処理に代えて、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認し(ステップS45D(図示せず))、タイムアウトしているときに(ステップS45DのY)、ステップS46で大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行うようにしてもよい。また、ステップS45Bの処理に代えて、特別図柄プロセスフラグの値が4(特別図柄停止処理を示す)であるか否かを確認し(ステップS45E(図示せず))、特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに(ステップS45EのY)、ステップS46で大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、停電時に特定口への入賞が無効になる無効期間であった場合には、ステップS45A〜S46の処理によって大当り状態表示灯51を点灯させる制御が行われるが、これに限らず停電時に無効期間であった場合には、大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行わないようにしてもよい。例えば、ステップS45Bの処理に代えて、特定口無効フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS45F(図示せず))、特定口無効フラグがセットされているときには(ステップS45FのY)、ステップS15に移行し、ステップS46で大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行わないようにしてもよい。また、ステップS45B〜S45Eの処理のうちのいずれかを実行し、ステップステップS45B〜S45EがYのときに、さらに特定口無効フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS45F)、特定口無効フラグがセットされているときには、大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行わなず、特定口無効フラグがセットされていないときには、大当り状態表示灯51を点灯させる制御を行うようにしてもよい。また、上記のいずれの変形例においても、ステップS45Aの処理を省略し、大当りフラグがセットされているか否かに関わらず、ステップS45B〜S45Eの処理のうちのいずれかを実行するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、大当り状態表示灯51を点灯することによって遊技制御用マイクロコンピュータ560側で所定条件が成立していることを報知する場合を示しているが、この実施の形態で示した報知態様にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当りが発生していたことを示すコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で演出表示装置9の表示画面に大当りが発生していたことを表示して報知するように構成してもよい。また、例えば、遊技機上で大当り報知を行う場合にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ560は、大当りが発生していたことを示す信号をホールコンピュータなどに外部出力してもよく、様々な大当り報知の態様が考えられる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
次いで、CPU56は、ソレノイド203aの駆動信号に対応した出力ポートをクリアする(ステップS16a)。これにより、ソレノイド203aが駆動された状態で停電が発生し、バックアップRAMの記憶内容にもとづいて停電復旧されて振分部材203が可変入賞球装置200内の第2流路209を選択(第2特定口202を選択)した状態で遊技機が起動された場合には、ソレノイド203aへの駆動信号の出力が停止され、振分部材203が可変入賞球装置200内の第1流路208を選択(第1特定口201を選択)した状態となる。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、特定口Aスイッチ201a、および特定口Bスイッチ202a等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常入賞報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特定期間ごとに可変入賞球装置200の振分部材203を可動させる処理を実行する(振分部材可動処理:ステップS29A)。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。なお、後述する図58に示す報知信号出力処理を図11のS31の処理で行うようにしてもよい。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、大当りが発生した場合には、大当り図柄を停止表示したタイミングで大当りが発生したことを示す大当り状態表示灯51の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)や時短状態に制御されたときに、高確率状態や時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。また、見た目上のラウンド数が選択される通常大当りまたは確変大当りの場合には、大当り図柄を停止表示したタイミングではなく、無効期間経過後に特定口に入賞したタイミングで大当り状態表示灯51の表示を行うように制御してもよい。また、大当り図柄が停止表示されたが、大当り遊技状態が開始されていないことを示す状態表示灯を、大当り状態表示灯51とは別に設けてもよい。また、大当り状態表示灯51において、大当り図柄が停止表示されたが大当り遊技状態が開始されていない状態と、大当り遊技状態とを、異なる態様(例えば、異なる色)で表示するように制御してもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある。)
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数は同じであるものの1回あたりの開放時間が極めて短い(この実施の形態では1秒間の開放を15回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が他の大当りと同じ回数まで許容されるものの1回あたりの開放時間が極めて短い(この実施の形態では1秒間の開放を15回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の1秒間の開放が15回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りとなった場合に、1回あたりの開放時間を短くするだけで、大入賞口の開放回数は通常大当りや確変大当りと同じである場合を示しているが、さらに、大入賞口の開放回数を大当りと比較して少なくしてもよい。例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合には、大入賞口を2回だけ開放するように制御してもよい。また、例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合に、大入賞口の開放時間は通常大当りや確変大当りと同じであるものの、大入賞口の開放回数を少なく(例えば2回)するようにしてもよい。そのように、突然確変大当りや小当りとなる場合には、通常大当りや確変大当りと比較して、大入賞口の開放回数を少なくしたり、または1回あたりの大入賞口の開放時間を短くしたりすることによって、少なくとも通常大当りや確変大当りと比較して大入賞口への遊技球の入賞数が少なくなるものであればよい。
図12は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1−1(MR1−1):大当り種別(後述する通常大当り、確変大当り、15R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム1−2(MR1−2):大当り種別として通常大当りまたは確変大当りが決定されたときに、見た目上のラウンド数を決定する(ラウンド数判定用)
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図11に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図13(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図13(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図13(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図13(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図13(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図13(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図13(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図13(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図13(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図13(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当りA〜F、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図13(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図13(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図13(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図13(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図14(A),(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図14(A)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図14(B)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1−1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「15R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、この実施の形態では、図14(A),(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示が行われる場合と第2特別図柄の変動表示が行われる場合とで、「通常大当り」に対する割り振りはともに判定値40個で同じであるが、「確変大当り」、「15R確変大当り」、および「突然確変大当り」に対する割り振りが異なる。例えば、図14(A)に示すように、第1特別図柄の変動表示が行われる場合には、「確変大当り」に対して40個の判定値が割り当てられ、「15R確変大当り」および「突然確変大当り」に対してそれぞれ10個の判定値が割り当てられているのに対して、図14(B)に示すように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、「確変大当り」に対して50個の判定値が割り当てられ、「15R確変大当り」および「突然確変大当り」に対してそれぞれ5個の判定値が割り当てられている。従って、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「15R確変大当り」や「突然確変大当り」に決定される割合が若干高い。
なお、この実施の形態で示した大当り種別の割り振りの仕方は一例であり、例えば、「15R確変大当り」や「突然確変大当り」に対して15個や20個の判定値を割り当てるようにしてもよい。また、例えば、図14に示す例とは逆に、第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「15R確変大当り」や「突然確変大当り」に決定される割合が高くなるように構成してもよく、様々な割り振り方法が考えられる。
また、この実施の形態では、図14(A),(B)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して合計10個の判定値が割り当てられている(100分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(100分の5の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。言い換えれば、この実施の形態では、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値が高い(本例では、1回あたりの大入賞口の開放時間が30秒と長いラウンドが含まれ射幸性が高い)「15R確変大当り」や「確変大当り」、「通常大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図14(A),(B)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として1回あたりの大入賞口の開放時間が30秒と長いラウンドを含む大当り(15R確変大当り、確変大当り、または通常大当り)と、該遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として1回あたりの大入賞口の開放時間が全て1秒と短い突然確変大当りとを決定する場合を説明するが、特定遊技状態に遊技価値の異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を少なくした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の大入賞口の開放回数を少なくした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい(例えば、第1特定遊技状態の場合には大入賞口を15回開放し、第2特定遊技状態の場合には大入賞口を2回だけ開放する)。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を1回だけ開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に少なくなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を低くするようにしてもよい。このように、第1特定遊技状態と比較して、大入賞口の開放回数を少なくしたり開放時間を短くしたりすることによって、大入賞口に遊技球が入賞しにくくなるようにした第2特定遊技状態が設けられていればよい。
また、例えば、特定遊技状態(大当り遊技状態)の終了後に確変状態や時短状態に制御し、その後、変動表示を所定回数実行すると確変状態や時短状態を終了するように構成する場合に、その確変状態や時短状態が継続される変動表示の実行回数を異ならせた第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを設けるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態の場合には変動表示を所定回数(例えば100回)終了するまで確変状態や時短状態を継続するようにし、第2特定遊技状態の場合には変動表示を第1特定遊技状態の場合よりも少ない回数(例えば20回)終了すると確変状態や時短状態を終了するようにして、第1特定遊技状態と比較して遊技価値が低くなるようにしてもよい。
この実施の形態では、図14(A),(B)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」、「15R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、「確変大当り」および「15R確変大当り」を包括的に表現する場合に、単に「確変大当り」ともいう。
「確変大当り」および「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS167,S168参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。また、この実施の形態では、「確変大当り」と「15R確変大当り」とで内部制御上のラウンド数は15ラウンド固定であるが、見た目上のラウンド数が異なる場合がある。すなわち、この実施の形態では、「15R確変大当り」となった場合には、見た目上のラウンド数も必ず15ラウンドとなるが、「確変大当り」となった場合には、後述する図15に示すラウンド数判定テーブルを用いた抽選処理により、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドのいずれかとなる。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するステップS169参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するステップS141〜S144参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS132参照)。また、この実施の形態では、「通常大当り」となる場合には、内部制御上のラウンド数は15ラウンド固定であるが、後述する図15に示すラウンド数判定テーブルを用いた抽選処理により、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドのいずれかとなる。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が15回で同じであるものの、1回あたりの開放時間が1秒と短い大当りであり、その大当り遊技の終了後に確変状態(高確率状態)に制御されるとともに時短状態に制御される(後述するステップS167,S168参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が1秒間ずつ15回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の15回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するステップS145〜S149参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1−1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「15R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図15(A),(B)は、ROM54に記憶されているラウンド数判定テーブル132a,132bを示す説明図である。このうち、図15(A)は、可変入賞球装置200内の特定口A201を遊技球が通過した場合の見た目上のラウンド数を決定する場合のラウンド数判定テーブル(特定口A用)132aである。また、図14(B)は、可変入賞球装置200内の特定口B202を遊技球が通過した場合の見た目上のラウンド数を決定する場合のラウンド数判定テーブル(特定口B用)132bである。
ラウンド数判定テーブル132a,132bは、大当り種別を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされたときに、ラウンド数判定用の乱数(ランダム1−2)にもとづいて、見た目上のラウンド数を5ラウンド、10ラウンド、または15ラウンドのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ラウンド数判定テーブル132a,132bには、ランダム1−2の値と比較される数値であって、5ラウンド、10ラウンド、および15ラウンドのそれぞれに対応した判定値(ラウンド数判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1−2の値がラウンド数判定値のいずれかに一致した場合に、見た目上のラウンド数を、一致したラウンド数判定値に対応するラウンド数に決定する。
次に、大当りおよび小当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。図16および図17は、大入賞口の開放パターンを示す説明図である。この実施の形態では、大当り遊技状態に制御される場合、大当り種別にかかわらず、大当り遊技中の内部制御上のラウンド数は15ラウンド一定である。しかし、この実施の形態では、大当り種別が通常大当り、確変大当り、15R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるか、および見た目上のラウンド数の決定結果によって、各ラウンドの大入賞口の開放時間が異なっており、ラウンドによっては大入賞口が極めて短い時間(本例では1秒間)しか開放されない制御(以下、高速開放制御ともいう)が行われることによって、見た目上のラウンド数が異なって見える。
まず、図16(1)を用いて、大当り種別が15R確変大当りと決定された場合、および大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を15ラウンドとすると決定された場合における大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、大当り種別が15R確変大当りと決定された場合や、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を15ラウンドとすると決定された場合、1ラウンドあたり大入賞口を30秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが15回繰り返されることによって、図16(1)に示すように、大入賞口を30秒間開放状態に制御した後に1秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。そのため、この実施の形態では、大当り種別が15R確変大当りと決定された場合や、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を15ラウンドとすると決定された場合には、大入賞口の開放時間が30秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が15回連続して実行され、見た目上のラウンド数は内部制御上のラウンド数15回と一致している。
次に、図16(2)を用いて、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を10ラウンドとすると決定された場合における大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を10ラウンドとすると決定された場合、まず、ラウンド1〜ラウンド10では、1ラウンドあたり大入賞口を30秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。また、ラウンド11〜ラウンド15では、1ラウンドあたり大入賞口を1秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御され(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)、大入賞口が高速開放制御される。そのため、この実施の形態では、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を10ラウンドとすると決定された場合には、大入賞口の開放時間が30秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が10回連続して実行された後、遊技球の入賞があまり期待できない高速開放制御が5回連続して実行され、内部制御上のラウンド数は15ラウンドであるものの、見た目上のラウンド数は10ラウンドとなる。
次に、図17(1)を用いて、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を5ラウンドとすると決定された場合における大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を5ラウンドとすると決定された場合、まず、ラウンド1〜ラウンド5では、1ラウンドあたり大入賞口を30秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。また、ラウンド6〜ラウンド15では、1ラウンドあたり大入賞口を1秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御され(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)、大入賞口が高速開放制御される。そのため、この実施の形態では、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りと決定されるとともに見た目上のラウンド数を5ラウンドとすると決定された場合には、大入賞口の開放時間が30秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が5回連続して実行された後、遊技球の入賞があまり期待できない高速開放制御が10回連続して実行され、内部制御上のラウンド数は15ラウンドであるものの、見た目上のラウンド数は5ラウンドとなる。
次に、図17(2)を用いて、突然確変大当りおよび小当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドあたり大入賞口を1秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが15回繰り返されることによって、図17(2)に示すように、大入賞口を1秒間開放状態に制御した後に1秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。
また、この実施の形態では、小当り遊技状態に制御される場合、その小当り遊技中において、大入賞口を1秒間開放状態に制御した後に1秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される(ただし、突然確変大当りとは異なり、ラウンドという概念はない)。そのため、突然確変大当りと小当りの場合とでは、図17(2)に示すように、見た目上、全く同様の態様で大入賞口の高速開放制御が行われ、突然確変大当りであるのか小当りであるのかを認識しにくくしている。
図18および図19は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図18および図19に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。具体的には、コマンド9000(H)は、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行された場合に送信される(ステップS10〜S14参照)。
コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。具体的には、コマンド9200(H)は、遊技機への電力供給開始時に停電復旧処理が実行された場合に送信される(ステップS41〜S46参照)。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「15R確変大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、通常大当りと決定した場合であるか、15R確変大当りを含む確変大当りと決定した場合であるかに応じて、大当り開始1指定コマンドおよび大当り開始2指定コマンドを区別して送信する場合を示しているが、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、見た目上のラウンド数の決定結果に応じてさらに細分化した大当り開始指定コマンドを送信するように構成してもよい。そのように構成すれば、大当り開始指定コマンドを確認することによって、見た目上のラウンド数が何ラウンドであるかに応じて、ファンファーレ演出など大当り遊技に関して実行される演出の演出態様を異ならせることができる。また、例えば、逆に、通常大当りである場合と15R確変大当りを含む確変大当りとを区別することなく、共通の大当り開始指定コマンドを送信するように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドは、内部制御上のラウンド数(見た目上のラウンド数ではない)を示す値がEXTデータにセットされて演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータを確認すれば、大当り遊技中の何ラウンドを開始する場合であるかを認識することができる。例えば、EXTデータとして「01(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド1の開始であることを認識することができ、EXTデータとして「07(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド7の開始であることを認識することができる。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドは、内部制御上のラウンド数(見た目上のラウンド数ではない)を示す値がEXTデータにセットされて演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後指定コマンドのEXTデータを確認すれば、大当り遊技中の何ラウンドを終了する場合であるかを認識することができる。例えば、EXTデータとして「01(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド1の終了であることを認識することができ、EXTデータとして「07(H)」がセットされていれば、大当り遊技のラウンド7の終了であることを認識することができる。
コマンドA301(H)〜A303(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り終了1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り終了1指定コマンド(A301(H))が用いられ、「15R確変大当り」や「確変大当り」である場合には大当り終了2指定コマンド(A302(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A303(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドAA00(H)は、振分部材203により可変入賞球装置200内において特定口A201を遊技球が入賞(通過)可能な状態となったことを指定する演出制御コマンド(特定口A可動指定コマンド)である。コマンドAA01(H)は、振分部材203により可変入賞球装置200内において特定口B202を遊技球が入賞(通過)可能な状態となったことを指定する演出制御コマンド(特定口B可動指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合であれば、MODEデータを共通として、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
コマンドD000(H)は、報知演出の開始を指定する演出制御コマンド(報知演出開始指定コマンド)である。コマンドD000(H)は、特定口に遊技球を入賞させることを促す第1報知演出の開始を指定する演出制御コマンド(第1報知演出開始指定コマンド)である。コマンドD001(H)は、第1報知演出と同一または異なる態様で特定口に遊技球を入賞させることを促す第2報知演出の開始を指定する演出制御コマンド(第2報知演出開始指定コマンド)である。この実施の形態では、第1報知演出は、所定条件が成立した後(例えば、当り図柄を導出表示させた後や、特定の期間(例えば、変動時間等)が経過した後)に、特定口への入賞が無効となる無効期間(例えば、大当り図柄が停止表示された時点を始点として所定の待機期間を経過した時点を終点とする期間。以下、単に無効期間ともいう)が経過すると実行される。また、第2報知演出は、無効期間が経過した後に、所定の期間(例えば、無効期間が終了した時点を始点として所定の待機期間を経過した時点を終点とする期間)が経過すると実行される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図18および図19に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
なお、上記に示した演出制御コマンドに加えて、例えば、大当り発生時における可変入賞球装置200内の振分部材203の可動状態を指定するコマンドを用いるように構成してもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示結果として大当り図柄を停止表示したときに、そのコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したコマンドにもとづいて、振分部材203によって特定口A201が選択されている状態であるか特定口B202が選択されている状態であるかを特定し、その特定結果に応じて異なる演出を実行するように構成してもよい。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図18および図19に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS28)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321,S322)。そして、ステップS300〜S311のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S311のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S311の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされ且つ大当り種別が15R確変大当り、確変大当りまたは通常大当りに決定されている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当りフラグがセットされ且つ大当り種別が突然確変大当りに決定されている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図32参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
ラウンド数設定処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。ラウンド数設定処理では、可変入賞球装置200内の特定口A201または特定口B202を遊技球が通過したか否かを確認する処理を行う。また、いずれかの特定口を遊技球が通過した場合には、大当り種別が確変大当りまたは通常大当りであれば、大当り遊技における見た目上のラウンド数を決定する処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS311に対応した値(この例では11)に更新する。
小当り終了処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図21は、ステップS322の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図22参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1−1)、ラウンド数判定用乱数(ランダム1−2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図22は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図22に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1−1)、ラウンド数判定用乱数(ランダム1−2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図22参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1−1)、ラウンド数判定用乱数(ランダム1−2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのいずれもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S311の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図13参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図13(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図13(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図13(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図13(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図13(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図13(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図13(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図14(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図14(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1−1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」、「15R確変大当り」、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図14(A),(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値の高い(1回あたりの大入賞口の開放時間が30秒と長く射幸性が高い)通常大当りや確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「2」、「3」、「4」、「6」、「7」、「8」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「通常大当り」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS80)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS81)。そして、ステップS89に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS82)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS83)。そして、ステップS89に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS84)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当り、15R確変大当り、または突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS84のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS85)。そして、ステップS89に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS84のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS86)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS86のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS87)。そして、ステップS89に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS86のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS88)。そして、ステップS89に移行する。
この実施の形態では、ステップS84〜S88の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS89の処理で変動パターン種別として短縮変動用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS91の処理で変動パターンとして短縮変動の変動パターンが決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、時短状態で用いる確変/時短用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS84でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS81,S83,S85,S87またはS88の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS89)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS89の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS90)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS90の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS91)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS93)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS94)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS95)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS84〜S88,S89の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図18参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。セットされていない場合には、ステップS107に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が15R確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS102,S103)。なお、15R確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。
また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS104,S105)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「04」であるか否かを確認することによって判定できる。
また、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S107)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
そして、15R確変大当り、確変大当り、および突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS108)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS101のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS109)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS110)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS109のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS112)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS132)。なお、セットされていれば、時短回数カウンタもリセットする。
次いで、CPU56は、大当り種別が突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS133)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「04」であるか否かを確認することによって判定できる。突然確変大当りでなければ(すなわち、15R確変大当り、確変大当り、または通常大当りでれば)、CPU56は、見た目上のラウンド数の設定を開始するまでの待機期間を計測するためのラウンド数設定開始タイマに所定期間(例えば、5秒)をセットする(ステップS134A)。そして、CPU56は、特定口への入賞が無効にされていることを示す特定口無効フラグをセットする(ステップS134B)。その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値をラウンド数設定処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS135)。
大当り種別が突然確変大当りであれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技や小当り遊技中に大入賞口を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。具体的には、大当り遊技の開始時には、ステップS137において、変動表示を停止してから第1ラウンドが開始されるまでに要する時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動表示を停止し大当り図柄を停止表示してから第1ラウンドが開始されるまでのファンファーレ演出を行う時間に相当)が大入賞口開放前タイマに設定される。また、第1ラウンド以降については、各ラウンド間のインターバル時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側でラウンド間のインターバル演出を行う時間に装置)が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのラウンド数カウンタに1をセットする(ステップS138)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS139)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動回数をカウントするための時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS141)。時短回数カウンタの値が0でなければ(この場合、通常大当りとなったことにもとづいて時短状態に制御されるとともに時短回数カウンタがセットされている場合である)、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、時短フラグをリセットする(ステップS144)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS145)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS146)。また、大入賞口開放前タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。なお、小当りとなる場合には、小当り遊技の開始時に、ステップS147において、変動表示を停止してから小当り遊技が開始されるまでに要する時間が大入賞口開放前タイマに設定される。また、小当り遊技中においては、大入賞口の各開放間のインターバル時間が大入賞口開放前タイマに設定される。
なお、この実施の形態では、既に説明したように、突然確変大当りと小当りの場合とでは、見た目上、全く同様の態様で大入賞口の高速開放制御が行われ(図17(2)参照)、突然確変大当りであるのか小当りであるのかを認識しにくくしている。
また、CPU56は、開放回数カウンタに開放回数をセットする(ステップS148)。なお、この実施の形態では、ステップS148において、開放回数カウンタに15回がセットされる。なお、大当り種別に応じてラウンド数が異なるように構成する場合、例えば、突然確変大当りを2ラウンド大当りとして構成する場合には、ステップS148でも開放回数カウンタに2回をセットするようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS149)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS145のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図29は、特別図柄プロセス処理におけるラウンド数設定処理(ステップS305)を示すフローチャートである。ラウンド数設定処理において、CPU56は、まず、ラウンド数設定開始タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS1300)。既にラウンド数設定開始タイマの値が0となっていれば、ステップS1303に移行する。ラウンド数設定開始タイマの値が0でなければ、CPU56は、ラウンド数設定開始タイマの値の値を1減算し(ステップS1301)、減算後のラウンド数設定開始タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS1302)。減算後のラウンド数設定開始タイマの値が0となっていなければ、そのまま処理を終了する。
なお、この実施の形態では、特別図柄停止処理におけるステップS134Aでラウンド数設定開始タイマがセットされ、ステップS1300〜S1302の処理が実行されることによって、大当り図柄を停止表示した後に直ちに見た目上のラウンド数の設定を行うのではなく、所定の待機期間(例えば、5秒)を経過してから、見た目上のラウンド数の設定の処理を開始するようにしている。そのようにすることによって、この実施の形態では、後述するように、大当り図柄を停止表示した後に演出表示装置9において可変入賞球装置200の方を狙って遊技球を発射することを促す表示などの遊技説明の表示を行う(ステップS8207参照)のであるが、その遊技説明の表示を行うための期間を十分に確保するようにしている。また、所定の待機期間を設けることによって、大当り図柄が停止表示されたことを認識する前に発射した遊技球が偶然に可変入賞球装置200に進入していずれかの特定口を遊技球が通過してしまい、遊技者が意識して可変入賞球装置200を狙って遊技球を発射することなく大当り遊技が開始されてしまうことを防止している。
ラウンド数設定開始タイマの値が0となっていれば(すなわち、見た目上のラウンド数の設定を開始するまでの待機期間を経過していれば)、CPU56は、ステップS134Bでセットされた特定口無効フラグをリセットし(ステップS1302A)、第1報知演出開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1302B)。そして、CPU56は、第2報知演出を行うタイミングを計測するための第2報知演出タイマに所定期間(例えば、60秒)に応じた値をセットする(ステップS1302C)。ステップS1302Aにおいて特定口無効フラグがリセットされることによって、後述するスイッチ処理で特定口への入賞が検出される。また、ステップS1302Cでセットされる所定期間は、第1報知演出が行われるタイミングと第2報知演出が行われるタイミングとの間の期間を示している。
ステップS1302Cの処理に続いて、CPU56は、可変入賞球装置200の振分部材203の可動間隔を計測するための可動間隔計測タイマに特定期間(本例では、20秒)に応じた値をセットする(ステップS1302D)。また、CPU56は、特定口A可動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1302E)。そして、CPU56は、見た目上のラウンド数の設定の処理中であることを示すラウンド数設定中フラグをセットし(ステップS1303C)、見た目上のラウンド数の設定の処理を開始する。
ステップS1302D〜S1302Fの処理が実行されることによって、この実施の形態では、大当り図柄が停止表示された後の所定の待機期間を経過してから、可動間隔計測タイマがセットされて振分部材203の切り替え間隔の計測が開始され、後述する振分部材可動処理によって振分部材203が可動されて交互に特定口A201を遊技球が通過可能な状態と特定口B202を遊技球が通過可能な状態とに切り替わる制御が開始される。
なお、この実施の形態では、遊技機に電源が投入されたときにはステップS16aの処理が実行されることによって可動部材203が特定口A201を選択している状態とされ、遊技機への電源投入後少なくとも1回大当り(突然確変大当りを除く)が発生している場合には、前回の大当り遊技が開始される直前に可動部材203が特定口A201を選択している状態に制御されるので、大当り図柄が停止表示されて振分部材203の可動制御が最初に開始されるときには必ず特定口A201を選択している状態から制御が開始され、特定口A可動指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1302E参照)。
次いで、CPU56は、特定口Aスイッチ201aがオンとなっていれば(ステップS1303のY)、特定口A用のラウンド数判定テーブル132aを選択する(ステップS1304)。また、特定口Bスイッチ202aがオンとなっていれば(ステップS1305のY)、特定口B用のラウンド数判定テーブル132bを選択する(ステップS1306)。そして、ステップS1307に移行する。
特定口Aスイッチ201aおよび特定口Bスイッチ202aのいずれもオンとなっていなければ(ステップS1305のN)、CPU56は、第2報知演出タイマの値が0より大きいか否かを判定し(ステップS1314)、第2報知演出タイマの値が0より大きい場合には、第2報知演出タイマを1減算する(ステップS1315)。次いで、CPU56は、第2報知演出タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップS1315)。そして、第2報知演出タイマの値が0であれば、CPU56は、第2報知演出開始指定コマンドを送信し(ステップS1317)、ラウンド数設定処理を終了する。また、ステップS1314で第2報知演出タイマの値が0より大きくないと判定した場合(ステップS1314のY)、またはステップS1316で第2報知演出タイマの値が0でないと判定した場合(ステップS1316のN)には、そのままラウンド数設定処理を終了する。
ステップS1304またはステップS1306でラウンド数判定テーブルを選択すると、CPU56は、大当り種別が15R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS1307)。なお、15R確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。15R確変大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは通常大当りであれば)、CPU56は、ステップS1304,S1306で選択したラウンド数判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納されたラウンド数判定用の乱数(ランダム1−2)の値と一致する値に対応したラウンド数(5ラウンド、10ラウンド、または15ラウンド)を見た目上のラウンド数に決定する(ステップS1308)。
なお、この実施の形態では、特定口A201を遊技球が通過したことにもとづいて特定口A用のラウンド数判定テーブル132aを選択した場合には、図15(A)に示すように、見た目上のラウンド数が100パーセントの割合で10ラウンドとすることに決定される。また、特定口B202を遊技球が通過したことにもとづいて特定口B用のラウンド数判定テーブル132bを選択した場合には、図15(B)に示すように、見た目上のラウンド数が25パーセントの割合で5ラウンドとすることに決定され、50パーセントの割合で10ラウンドとすることに決定され、25パーセントの割合で15ラウンドとすることに決定される。
上記のように、この実施の形態では、特定口A201を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときに獲得される獲得価値期待度の偏差(最も高い期待度と最も低い期待度との差)は0であるのに対し、特定口B202を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときには、最も高い期待度が得られるのが見た目上のラウンド数が15ラウンドのときで最も低い期待度が得られるのが見た目上のラウンド数が5ラウンドのときであり、獲得される獲得価値期待度の偏差は10ラウンドと大きい。従って、この実施の形態では、特定口A201を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときは、比較的ローリスクローリーターンな獲得価値が期待でき、特定口B202を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときは、比較的ハイリスクハイリターンな獲得価値が期待できる。
一方で、この実施の形態では、特定口B202を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御される場合であっても、決定される見た目上のラウンド数は5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドなのであるから、獲得される平均の獲得価値期待度は10ラウンドであり、特定口A201を遊技球が通過したときと特定口B202を遊技球が通過したときとで平均の獲得価値期待度は同じである。そのように、この実施の形態では、平均の獲得価値期待度を同一とすることによって、いずれの特定口を遊技球が通過したかによって不公平感が生じないようにしている。
なお、この実施の形態では、特定口A201を遊技球が通過したときと特定口B202を遊技球が通過したときとで平均の獲得価値期待度が10ラウンドで全く同じである場合を示しているが、全く同じである必要はなく、平均の獲得価値期待度が略同一であるといえる範囲(例えば、5パーセント以内の差)であればよい。
また、図15に示した割り振りの仕方は一例であって、ラウンド数判定テーブルを様々な割り振りで設定することが可能である。例えば、特定口A用のラウンド数判定テーブルにおいて、10ラウンド以外に5ラウンドや15ラウンドにも割り振りを行うように構成し、1パーセントや2パーセントの極めて低い割合で見た目上のラウンド数が5ラウンドや15ラウンドと決定される場合があるように構成してもよい。また、この実施の形態では、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドの3種類の中から決定される場合を示したが一例であり、例えば、見た目上のラウンド数が8ラウンドや12ラウンドに決定される場合もあるようにラウンド数判定テーブルを割り振ってもよい。
また、この実施の形態では、特定口A201を遊技球が通過した場合にもステップS1308の抽選処理を行う場合を示しているが、特定口A201を遊技球が通過した場合には100パーセントの割合で見た目上のラウンド数を10ラウンドと決定するのであるから、ステップS1308の抽選処理を行うことなく、そのまま見た目上のラウンド数を10ラウンドと決定するように構成してもよい。そのようにすれば、特定口A用のラウンド数判定テーブル132aが不要になるとともにステップS1308の抽選処理の実行が不要となり、処理負担を軽減することができる。
また、CPU56は、決定した見た目上のラウンド数を示すデータをRAM55におけるラウンド数バッファに設定する(ステップS1309)。例えば、見た目上のラウンド数を5に決定した場合には見た目上のラウンド数を示すデータとして「05」がセットされ、見た目上のラウンド数を10に決定した場合には見た目上のラウンド数を示すデータとして「10」がセットされ、見た目上のラウンド数を15に決定した場合には見た目上のラウンド数を示すデータとして「15」がセットされる。
一方、大当り種別が15R確変大当りであった場合には、ステップS1308,S1309を実行することなく、ステップS1309Bに移行する。すなわち、15R確変大当りである場合には既に大当り種別を決定した段階で見た目上のラウンド数が15ラウンドと決まっているのであるから、ステップS1308,S1309の見た目上のラウンド数の決定は行わない。従って、この実施の形態では、15R確変大当りである場合には、大当り図柄が停止表示された後、可変入賞球装置200内の特定口A201または特定口B202を遊技球が通過したことを確認してから大当り遊技が開始されるものの、見た目上のラウンド数自体は大当り図柄が停止表示されるまでに既に決まっており、特定口A201または特定口B202を遊技球が通過したことにもとづく見た目上のラウンド数の決定は行われない。
なお、15R確変大当りであった場合には、見た目上のラウンド数を決定する処理を行う必要はないのであるから、ステップS1303,S1305の特定口Aスイッチ201aや特定口スイッチ202aのオン状態を確認する処理のみを行うようにし、ステップS1304,S1306の処理は行わないようにしてもよい。そのようにすれば、無駄な処理の実行を行わないようにすることができる。
なお、15R確変大当りとなる場合には、既に見た目上のラウンド数が決まっているのであるから、大当り図柄が停止表示が停止表示されると直ちに大当り遊技が開始されるようにしてもよい。また、逆に、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りの場合には、突然確変大当り図柄や小当り図柄が停止表示されると直ちに突然確変大当り遊技や小当り遊技が開始されるのであるが、突然確変大当りや小当りの場合にも、特定口A201または特定口B202を遊技球が通過するまで待ってから突然確変大当り遊技や小当り遊技が開始されるようにしてもよい。
また、15R確変大当りとなる場合にも、特定口を遊技球が通過したことにもとづいて見た目上のラウンド数を決定するための抽選処理を実行するように構成してもよい。この場合、例えば、15R確変大当りである場合には、100パーセントの割合で見た目上のラウンド数が15ラウンドとなるように割り振りを行うようにすればよい。
また、この実施の形態では、確変大当りや通常大当りである場合と、15R確変大当りである場合とを区別することなく、可変入賞球装置200内の特定口A201または特定口B202への遊技球の通過を待ってから大当り遊技を開始する場合を示しているが、例えば、15R確変大当り専用の特定口を設けるようにし、確変大当りや通常大当りで用いる特定口A201や特定口B202とは区別してもよい。そして、15R確変大当りとなった場合には、その専用の特定口を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技を開始するように構成してもよい。また、例えば、突然確変大当りや小当りについても専用(または共通(特定口201a、特定口202aのいずれか))の特定口を設けるようにし、その専用の特定口を遊技球が通過したことにもとづいて突然確変大当り遊技や小当り遊技を開始するように構成してもよい。
次いで、CPU56は、ラウンド数設定中フラグをリセットして、見た目上のラウンド数の設定の処理を終了するとともに、セットされていれば、振分部材可動中フラグや可動間隔計測タイマをリセットする(ステップS1309B)。
ステップS1309Bの処理が実行されることによって、大当り遊技が開始される直前のタイミングで、ラウンド数設定中フラグがリセットされることにより、振分部材203が可動されて交互に特定口A201を遊技球が通過可能な状態と特定口B202を遊技球が通過可能な状態とに切り替わる制御を終了する。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り種別に応じた大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1310)。この場合、CPU56は、通常大当りであれば大当り開始1指定コマンドを送信する制御を行い、15R確変大当りまたは確変大当りであれば大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1311)。また、CPU56は、ラウンド数カウンタに1をセットする(ステップS1312)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1313)。
図30は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。また、大当りの種別が15R確変大当りまたは確変大当りである場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当り、15R確変大当り、または突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、通常大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りでなければ(すなわち、15R確変大当り、確変大当り、または突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS168)。そして、ステップS171に移行する。
通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS169)。また、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS170)。そして、ステップS171に移行する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図31は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する振分部材可動処理(ステップS29A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。振分部材可動処理では、CPU56は、可動間隔計測タイマの値を1減算する(ステップS3001)。次いで、CPU56は、可変入賞球装置200の振分部材203を可動中であることを示す振分部材可動中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3002)。
振分部材可動中フラグがセットされていなければ(すなわち、ソレノイド203aが駆動されておらず、振分部材203が第1経路208を選択し特定口A201に入賞可能な状態であれば)、CPU56は、可動間隔計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3003)。可動間隔計測タイマがタイムアウトしていれば(すなわち、振分部材203が第1経路208を選択し特定口A201に入賞可能な状態となってから特定期間(本例では、20秒)が経過していれば)、CPU56は、ソレノイド203aを駆動して振分部材203を可動させる(ステップS3004)。すなわち、振分部材203が第2経路209を選択し特定口B202に入賞可能な状態に制御する。次いで、CPU56は、振分部材可動中フラグをセットし(ステップS3005)、可動間隔計測タイマに特定期間(本例では、20秒)に応じた値をセットする(ステップS3006)。そして、CPU56は、特定口B可動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS3007)。
振分部材可動中フラグがセットされていれば(すなわち、ソレノイド203aが駆動されて、振分部材203が第2経路209を選択し特定口B202に入賞可能な状態であれば)、CPU56は、可動間隔計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3008)。可動間隔計測タイマがタイムアウトしていれば(すなわち、振分部材203が第2経路209を選択し特定口A202に入賞可能な状態となってから特定期間(本例では、20秒)が経過していれば)、CPU56は、ソレノイド203aの駆動を停止して振分部材203の可動を停止させる(ステップS3009)。すなわち、振分部材203が第1経路208を選択し特定口A201に入賞可能な状態に制御する。次いで、CPU56は、振分部材可動中フラグをリセットし(ステップS3010)、可動間隔計測タイマに特定期間(本例では、20秒)に応じた値をセットする(ステップS3011)。そして、CPU56は、特定口A可動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS3012)。
以上の処理が実行されることによって、可変入賞球装置200において振分部材203が特定期間(本例では、20秒)ごとに可動状態および可動停止状態を繰り返し、特定口A201に入賞可能な状態と特定口B202に入賞可能な状態とが繰り返される。
なお、この実施の形態では、可動間隔計測タイマにセットされる特定期間は、打球発射装置によって発射された遊技球が遊技領域7に投入されてから可変入賞球装置200内の振分部材203に到達するまでに要する期間よりも長い時間に設定されている。そのようにすることによって、この実施の形態では、打球発射装置によって発射された遊技球が振分部材203の次の可動タイミングまでに間に合わずに、遊技者が意図しない方の特定口を遊技球が通過してしまうことを防止している。なお、この実施の形態では、特定期間が20秒である場合を示しているが、打球発射装置によって発射された遊技球が遊技領域7に投入されてから可変入賞球装置200内の振分部材203に到達するまでに要する期間よりも長い時間であればよく、例えば、特定期間を25秒や30秒としてもよい。
また、この実施の形態では、ソレノイド203aを駆動させることによって振分部材203を可動させる場合を示しているが、振分部材203を可動させる制御方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、振分部材203を可動させるためのモータ(例えば、ステッピングモータ)を設けるようにし、モータを正方向または逆方向に回転させることによって振分部材203を可動させて特定口A201に遊技球が入賞(通過)可能に切り替えたり特定口B202に遊技球が入賞(通過)可能に切り替えたりしてもよい。
図32は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図33は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図34は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図18および図19参照)であるのか解析する。
図35〜図38は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド)であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信したコマンドに応じた大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドがいずれかの停電復旧指定コマンドであれば(ステップS658)、演出制御用CPU101は、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(大当り終了1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド)であれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、受信したコマンドに応じた大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS661)。
受信した演出制御コマンドが特定口A可動指定コマンドであれば(ステップS662)、演出制御用CPU101は、振分部材203により可変入賞球装置200内において特定口A201を遊技球が入賞(通過)可能な状態となっていることを示す特定口A入賞可フラグをセットする(ステップS663)。受信した演出制御コマンドが特定口B可動指定コマンドであれば(ステップS664)、演出制御用CPU101は、振分部材203により可変入賞球装置200内において特定口B202を遊技球が入賞(通過)可能な状態となっていることを示す特定口B入賞可フラグをセットする(ステップS665)。そして、演出制御用CPU101は、可変入賞球装置200の振分部材203の可動間隔を計測するための振分部材可動時間計測タイマに所定値をセットする(ステップS666)。なお、振分部材可動時間計測タイマには、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で用いられる可動間隔計測タイマにセットされる特定期間(本例では、20秒)に応じた値と同じ値が所定値としてセットされる。従って、この実施の形態では、特定口A可動指定コマンドや特定口B可動指定コマンドの受信を契機として振分部材可動時間計測タイマがセットされることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100側でも振分部材203が次に可動状態または可動停止状態となるまでの残り時間を把握可能となる。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS667)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS668)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS669)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS671)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS672)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS673)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS674)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS675)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS676)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS677)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS678)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS680)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数および第2留記憶数保存領域に格納する第2留記憶数をクリアする(ステップS681)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれもが0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する保留記憶数をリセットする。ステップS681の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS683)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS684)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS686)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS687)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS688)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS689)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS690)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS691)、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS692)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS693)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS694)、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS695)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS696)。
受信した演出制御コマンドが報知演出開始指定コマンドであれば(ステップS697)、演出制御用CPU101は、報知演出開始指定コマンドの種類に応じて、報知演出開始指定コマンドを受信したことを示す報知演出開始指定受信フラグ(例えば、第1報知演出開始指定受信フラグまたは第2報知演出開始指定受信フラグ)をセットする(ステップS698)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS699)。そして、ステップS611に移行する。
図39は、図33に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、振分部材可動時間計測タイマの値を1減算する(ステップS800A)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り前演出処理(ステップS804)、大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り前演出処理(ステップS804):演出図柄の表示結果(停止図柄)が導出表示された後、可変入賞球装置200内の特定口A201または特定口B202を遊技球が通過して大当り遊技を開始するまでの期間の大当り前演出を実行する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレ指定コマンド)を受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS806):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS807):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS808):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図40は、図33に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図41は、図39に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、以下のステップS8002〜S8008の処理を実行し、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する。
図42は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて、通常大当りであるか否かを確認する(ステップS8002)。通常大当りであれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄として非確変図柄の大当り図柄を決定する(ステップS8003)。具体的には、図42に示すように、演出図柄の停止図柄として、左中右の3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、この場合、演出制御用CPU101は、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、「2」、「4」、「6」または「8」のいずれかの偶数図柄で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。
なお、この実施の形態では、確変状態となることを想起させる確変図柄が奇数図柄であり、確変状態とならないことを想起させる非確変図柄が偶数図柄である場合を示しているが、確変図柄と非確変図柄は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、確変図柄と非確変図柄とを図柄の表示色で区別したり、図柄の字体の違いで区別したりしてもよい。
通常大当りでなければ、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて、15R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS8004)。15R確変大当りであれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄として、左中右の3図柄が同じ図柄「7」で揃った演出図柄の組み合わせを決定する(ステップS8005)。なお、15R確変大当りである場合に決定される「777」の図柄の組み合わせは、後述するように確変図柄の大当り図柄のうちの1つでもある。従って、この実施の形態では、確変図柄の大当り図柄のうち「777」の図柄の組み合わせが停止表示された場合には、高い割合で見た目上のラウンド数が15ラウンドの大当り遊技となることを期待することができる。
15R確変大当りでなければ、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて、突然確変大当りまたは小当りであるか否かを確認する(ステップS8006)。突然確変大当りまたは小当りであれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄として小当り/突然確変大当り図柄を決定する(ステップS8007)。具体的には、図42に示すように、演出図柄の停止図柄として、「135」の演出図柄の組み合わせを決定する。
突然確変大当りでも小当りでもなければ、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドにもとづいて、確変大当りであるか否かを確認する(ステップS8008)。確変大当りであれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄として非確変図柄または確変図柄の大当り図柄を決定する(ステップS8009)。具体的には、図42に示すように、演出図柄の停止図柄として、非確変図柄の大当り図柄を決定する場合には、左中右の3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出図柄の停止図柄として、確変図柄の大当り図柄を決定する場合には、左中右の3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、この場合、演出制御用CPU101は、非確変図柄の大当り図柄を決定する場合には、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、「2」、「4」、「6」または「8」のいずれかの偶数図柄で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU101は、確変図柄の大当り図柄を決定する場合には、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、「1」、「3」、「5」、「7」または「9」のいずれかの奇数図柄で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、ステップS8009では、「7」の図柄で揃った演出図柄の組み合わせを用いないようにしてもよい。すなわち、15R確変大当りの場合のみ「7」の図柄で揃った演出図柄の組み合わせが用いる。このようにすることで、「7」」の図柄で揃った演出図柄の組み合わせが停止表示されると、15R確変大当りが確定するようにできる。
なお、この実施の形態では、ステップS8009において、乱数を用いた抽選処理によって、50パーセントの割合で非確変図柄の大当り図柄が決定され、50パーセントの割合で確変図柄の大当り図柄が決定されるものとする。そのようにすることによって、この実施の形態では、確変大当りとなって大当り遊技終了後に確変状態に制御される場合であっても、演出図柄の停止図柄として確変図柄の大当り図柄が停止表示されて確変状態となることが直ちに報知される場合と、非確変図柄の大当り図柄が停止表示されて確変状態となることが直ちには報知されない場合とがある。
なお、この実施の形態では、確変大当りとなる場合に非確変図柄の大当り図柄が停止表示されて確変状態となることが直ちに報知されなかった場合には、大当り遊技終了後に演出図柄の変動表示が実行されるときに確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)が表示されることによって、確変状態であることを認識することができる。
なお、確変大当りとなる場合に非確変図柄の大当り図柄が停止表示されて確変状態となることが直ちに報知されなかった場合に、例えば、大当り遊技中のラウンド中演出やインターバル演出、または大当り遊技終了時のエンディング演出において、恰も確変大当りに昇格したかのような態様で確変状態となることを報知する確変昇格演出を実行するように構成してもよい。また、例えば、大当り遊技終了後に、確変状態であるか否かを認識不能な態様で確変潜伏演出を実行するように構成してもよく、確変潜伏中の特定のタイミングで確変状態であることを報知する演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、ステップS8009において50パーセントの割合で確変図柄の大当り図柄を決定する場合を示しているが、一例であり、例えば、30パーセントや40パーセントの割合で確変図柄の大当り図柄を決定するようにして、確変状態であることが直ちに報知されない割合の方が高くなるようにしてもよい。また、例えば、逆に、60パーセントや70パーセントの割合で確変図柄の大当り図柄を決定するようにして、確変状態であることが直ちに報知される割合が高くなるようにしてもよい。
確変大当りでもなければ(すなわち、はずれであれば)、演出制御用CPU101は、上記以外の演出図柄の組み合わせ(はずれ図柄)を決定する(ステップS8010)。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせ(リーチ図柄)を決定する(図42参照)。
なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。
また、演出制御用CPU101は、ステップS8003,S8005,S8007,S8009で決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドではなく、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りや、はずれ、突然確変大当り、小当りであることを特定して、演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、演出制御CPU101は、大当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には、左右中が同じ図柄で揃った大当り図柄を決定し、突然確変大当り/小当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には「135」などの停止図柄を決定し、はずれ用の変動パターンコマンドを受信した場合には、これら以外のはずれ図柄を決定するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8011)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8012)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8013)。
図43は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う(ステップS8014)。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図43に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8011の処理で予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8015)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8016)。
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8106)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8107)。
図45は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS868に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS867で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS869で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄または小当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS868に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、または小当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、ステップS862において、確変図柄の大当り図柄を停止表示させる場合には、「確変」などの文字列も重畳表示して、大当り遊技終了後に確変状態に制御されることも報知する(図49参照)。また、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
次いで、ステップS862で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図40のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
ステップS862で大当り図柄または小当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り図柄を停止表示した場合であれば(ステップS866のY)、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS867)、ファンファーレフラグ(大当り開始指定コマンド受信フラグ:ステップS622参照)がセットされたか否か確認する(ステップS868)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS868のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS869)とともに、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS870)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS871)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS872)。ただし、小当りである場合には、大当りではないのであるから、大当り表示処理(ステップS805)〜大当り終了演出処理(ステップS808)の大当り中の演出を実行するのではなく、ステップS870でセットしたプロセスデータに従って所定の演出期間にわたって小当り遊技に応じた演出を実行し、ステップS800の変動パターンコマンド受信待ち処理に戻るようにすることが好ましい。
小当り/突然確変大当り図柄を停止表示した場合でなければ(すなわち、確変図柄の大当り図柄または非確変図柄の大当り図柄を停止表示した場合であれば)、演出制御用CPU101は、15R確変大当りとなる場合であるか否かを確認する(ステップS873)。なお、15R確変大当りとなる場合であるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドであるか否かを確認することにより判定できる。15R確変大当りであれば、演出制御用CPU101は、15R確変大当り用の大当り前演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS874)。一方、15R確変大当りでなければ(すなわち、通常大当りまたは確変大当りであれば)、演出制御用CPU101は、通常の大当り前演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS875)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS876)。
なお、ステップS875において、例えば、確変図柄の大当り図柄を停止表示した場合と非確変図柄の大当り図柄を停止表示した場合とで、異なる演出態様の大当り前演出に応じたプロセスデータを選択するようにしてもよい。そして、確変図柄の大当り図柄を停止表示した場合と非確変図柄の大当り図柄を停止表示した場合とで、異なる演出態様の大当り前演出を実行することにより、確変状態に制御されるか否かを遊技者が認識可能に構成してもよい。
また、例えば、可変入賞球装置200において振分部材203が今までに何回切り替えられたかや、前回の振分部材203の切り替えが行われてから何秒経過したかに応じてプロセスデータを切り替えて選択して、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技が開始されるまでの間に実行する演出の切り替えを行うように構成してもよい。そのように構成すれば、振分部材203の切り替え状況を把握しやすくして、遊技者に特定口を狙った操作を促進させるための促進報知を行うことができる。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り前演出処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS877)。
図46は、演出制御プロセス処理における大当り前演出処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り前演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1報知演出開始指定コマンド受信フラグがセットされたか否かを確認し(ステップS8201)、セットされている場合には、第1報知演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS8202)。その後、ステップS8210に移行し、プロセスタイマをスタートさせる。また、第1報知演出開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第2報知演出開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS8203)、セットされている場合には、第2報知演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS8204)。その後、ステップS8210に移行し、プロセスタイマをスタートさせる。ステップS8201〜S8204の処理を実行することによって、所定のタイミングで特定口への入賞を促す第1報知演出または第2報知演出を実行することができる。
第1報知演出開始指定コマンド受信フラグおよび第2報知演出開始指定コマンド受信フラグのいずれもセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグ(大当り開始指定コマンド受信フラグ:ステップS622参照)がセットされたか否か確認する(ステップS8205)。ファンファーレフラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS8206)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS8207)。
例えば、ステップS874で選択された15R確変大当り用の大当り前演出に応じたプロセスデータに従ってステップS8207を実行する場合であれば、演出表示装置9に「超 大当り 右を狙って」などの文字列を含む表示画面を表示し、可変入賞球装置200を狙って遊技球を発射することを促す演出を行う。また、例えば、ステップS875で選択された通常の大当り前演出に応じたプロセスデータに従ってステップS8207を実行する場合であれば、演出表示装置9に「選択チャンス 右を狙って自分の意志で出玉を決めろ」などの文字列を含む表示画面を表示し、可変入賞球装置200を狙って遊技球を発射して見た目上のラウンド数を決定させることを促す演出を行う。
また、例えば、ステップS8202で選択された第1報知演出に応じたプロセスデータに従ってステップS8207を実行する場合であれば、演出表示装置9に「入賞有効期間開始」などの文字列を含む表示画面を表示し、特定口に遊技球を入賞させることを促す演出を行う。また、例えば、ステップS8204で選択された第2報知演出に応じたプロセスデータに従ってステップS8207を実行する場合であれば、演出表示装置9に「入賞有効期間中」などの文字列を含む表示画面を表示し、第1報知演出後にあらためて特定口に遊技球を入賞させることを促す演出を行う。なお、上記の15R確変大当り用の大当り前演出または通常の大当り前演出を、第1報知演出として、第1報知演出開始指定コマンド受信フラグがセットされたときに実行するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS8208)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS8209)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8210)。
次いで、演出制御用CPU101は、振分部材可動時間計測タイマの値にもとづいて、振分部材203が可動状態または可動停止状態となるまでの残り時間が5秒または1秒となっているか否かを確認する(ステップS8211)。残り時間が5秒または1秒となっていれば、演出制御用CPU101は、残り時間に応じた切替残時間表示を演出表示装置9の表示画面に重畳表示する制御を行う(ステップS8212)。
ステップS8212では、例えば、振分部材203が可動状態または可動停止状態となるまでの残り時間が5秒であると判定した場合には「切換えまで 5秒」などの文字列を重畳表示し、振分部材203が可動状態または可動停止状態となるまでの残り時間が5秒であることを報知する。また、例えば、振分部材203が可動状態または可動停止状態となるまでの残り時間が1秒であると判定した場合には「切換えまで 1秒」などの文字列を重畳表示し、振分部材203が可動状態または可動停止状態となるまでの残り時間が1秒であることを報知する。そのように、この実施の形態では、振分部材203が可動状態または可動停止状態となるまでの残り時間をカウントダウンするような表示が実行される。
また、この実施の形態では、ステップS8212において、特定口A入賞可フラグまたは特定口B入賞可フラグ(ステップS663,S665参照)のいずれがセットされているかを確認し、特定口A入賞可フラグがセットされていれば「今打つと10Rの可能性 大」などの文字列を表示して、安定して見た目上のラウンド数が10ラウンドの大当り遊技となりやすいこをと報知する。また、特定口B入賞可フラグがセットされていれば「今打つと 5R or 10R or 15R」などの文字列を表示して、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンドおよび15ラウンドのいずれの大当り遊技にもなる可能性がありハイリスクハイリターンであることを報知する。
ファンファーレフラグがセットされたときには(ステップS8205のY)、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS8213)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS8214)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS8215)。
図47は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、演出表示装置9において大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1907)。次いで、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1908)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS1910)。
図48は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS971)。なお、演出期間計測タイマは、ラウンド後処理(ステップS807参照)において、大当り遊技の全てのラウンドを終了したことにもとづいてセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS972のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS978)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS979)。
次に、この実施の形態における大当り図柄が停止表示されて大当り遊技が開始されるまでの演出態様について説明する。図49は、大当り図柄が停止表示されて大当り遊技が開始されるまでの演出態様の具体例を説明する説明図である。
まず、大当り種別として通常大当りと決定した場合の演出態様について説明する。大当り種別として通常大当りと決定された場合には、図49(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示が実行され、変動時間を経過すると、図49(2−1)に示すように、演出図柄の停止図柄として非確変図柄の大当り図柄(図49では、「666」の図柄の組み合わせ)が停止表示される(ステップS8002,S8003,S862参照)。
次いで、直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、演出表示装置9の表示画面において通常の大当り前演出が実行され、可変入賞球装置200を狙って遊技球を発射させていずれかの特定口に遊技球を通過させることを促す演出が実行される。この場合、例えば、図49(3−1)に示すように、「選択チャンス 右を狙って自分の意志で出玉を決めろ」などの文字列を含む表示画面が表示されることにより通常の大当り前演出が実行される(ステップS875,S8207参照)。
そして、図49(4−1)に示すように、可変入賞球装置200内の特定口A201を遊技球が通過すると、見た目上のラウンド数を10ラウンドとすることに決定され(ステップS1303,S1304,S1308参照)、見た目上のラウンド数が10ラウンドの大当り遊技が開始される。一方、図49(4−2)に示すように、可変入賞球装置200内の特定口B202を遊技球が通過すると、見た目上のラウンド数を5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドのいずれかとすることに決定され(ステップS1305,S1306,S1308参照)、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドのいずれかの大当り遊技が開始される。
次に、大当り種別として確変大当りと決定した場合の演出態様について説明する。大当り種別として確変大当りと決定された場合には、図49(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示が実行され、変動時間を経過すると、図49(2−1)に示すように、演出図柄の停止図柄として非確変図柄の大当り図柄(図49では、「666」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合と、図49(2−2)に示すように、演出図柄の停止図柄として確変図柄の大当り図柄(図49では、「333」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合とがある(ステップS8008,S8009,S862参照)。なお、確変図柄の大当り図柄が停止表示される場合には、図49(2−2)に示すように、例えば、「確変」などの文字列が重畳表示されることにより、確変状態に制御されることが認識可能に報知される。
次いで、直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、演出表示装置9の表示画面において通常の大当り前演出が実行され、可変入賞球装置200を狙って遊技球を発射させていずれかの特定口に遊技球を通過させることを促す演出が実行される。この場合、例えば、図49(3−1)に示すように、「選択チャンス 右を狙って自分の意志で出玉を決めろ」などの文字列を含む表示画面が表示されることにより通常の大当り前演出が実行される(ステップS875,S8207参照)。なお、所定の無効期間が経過したときに、図49(3−1)に例示する大当り前演出を実行するようにして、大当り前演出と第1報知演出とを兼ねるようにしてもよいし、大当り前演出を実行し、所定の無効期間が経過したときに特定口への入賞を促す(すなわち特定口への入賞有効期間が開始したことを報知する)第1報知演出を実行するようにしてもよい。
そして、図49(4−1)に示すように、可変入賞球装置200内の特定口A201を遊技球が通過すると、見た目上のラウンド数を10ラウンドとすることに決定され(ステップS1303,S1304,S1308参照)、見た目上のラウンド数が10ラウンドの大当り遊技が開始される。一方、図49(4−2)に示すように、可変入賞球装置200内の特定口B202を遊技球が通過すると、見た目上のラウンド数を5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドのいずれかとすることに決定され(ステップS1305,S1306,S1308参照)、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドのいずれかの大当り遊技が開始される。
次に、大当り種別として15R確変大当りと決定した場合の演出態様について説明する。大当り種別として15R確変大当りと決定された場合には、図49(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示が実行され、変動時間を経過すると、図49(2−3)に示すように、演出図柄の停止図柄として確変図柄の大当り図柄(図49では、「777」の図柄の組み合わせ)が停止表示される(ステップS8004,S8005,S862参照)。なお、確変図柄の大当り図柄(本例では、「777」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合には、図49(2−3)に示すように、例えば、「確変」などの文字列が重畳表示されることにより、確変状態に制御されることが認識可能に報知される。
次いで、直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、演出表示装置9の表示画面において15R確変大当り用の大当り前演出が実行され、可変入賞球装置200を狙って遊技球を発射させていずれかの特定口に遊技球を通過させることを促す演出が実行される。この場合、例えば、図49(3−2)に示すように、「超 大当り 右を狙って」などの文字列を含む表示画面が表示されることにより15R確変大当り用の大当り前演出が実行される(ステップS874,S8207参照)。なお、所定の無効期間が経過したときに、図49(3−2)に例示する大当り前演出を実行するようにして、大当り前演出と第1報知演出とを兼ねるようにしてもよいし、大当り前演出を実行し、所定の無効期間が経過したときに特定口への入賞を促す(すなわち特定口への入賞有効期間が開始したことを報知する)第1報知演出を実行するようにしてもよい。
そして、図49(4−3)および図49(4−4)に示すように、可変入賞球装置200内の特定口A201または特定入賞口B202のいずれかを遊技球が通過すると、見た目上のラウンド数が15ラウンドの大当り遊技が開始される。
また、この実施の形態では、大当り前演出の実行中に振分部材203の可動状態または可動停止状態までの残り時間が5秒または1秒となったことを報知する表示(残り時間をカウントダウンするような態様の表示)が実行される。図50は、大当り前演出の実行中に振分部材203の可動状態または可動停止状態までの残り時間を表示する演出態様の具体例を示す説明図である。
図50(1)に示すように、大当り図柄が停止表示され、大当り前演出の実行期間に移行した後、いずれの特定口も遊技球がまだ通過しておらず大当り遊技が開始されていない場合に、振分部材203の可動状態または可動停止状態までの残り時間が5秒となると、図50(2)に示すように、例えば「切換えまで 5秒」などの文字列が表示され、残り時間が5秒であることが報知される(ステップS8211,S8212参照)。また、図50(2)に示す例では、切換部材203によって第1流路208が選択され特定口A201を遊技球が通過可能な状態となっていることにもとづいて(例えば、特定口A入賞可フラグがセットされていることにもとづいて)、「今打つと10Rの可能性 大」などの文字列が表示され、安定して見た目上のラウンド数が10ラウンドの大当り遊技となりやすいこをと報知する。
次いで、振分部材203の可動状態または可動停止状態までの残り時間が1秒となると、図50(3)に示すように、例えば「切換えまで 1秒 注意!」などの文字列が表示され、残り時間が1秒であることが報知される(ステップS8211,S8212参照)。
そして、可動部材203の切り替えが行われると、図50(4)に示すように、「切換え!」などの文字列が表示され、可動部材203の切り替えが行われて、遊技球が通過可能な特定口が切り替わったことが報知される。図50(4)に示す例では、特定口A201を遊技球が通過可能な状態から特定口B202を遊技球が通過可能な状態となったことにもとづいて、特定口B可動指定コマンドが送信され、図50(4)に示す表示が行われた場合が示されている。
次いで、特定口B202を遊技球が通過可能な状態に切り替わった後に、振分部材203の可動状態または可動停止状態までの残り時間が5秒となると、図50(5)に示すように、例えば「切換えまで 5秒」などの文字列が表示され、残り時間が5秒であることが報知される(ステップS8211,S8212参照)。また、図50(5)に示す例では、切換部材203によって第2流路209が選択され特定口B202を遊技球が通過可能な状態となっていることにもとづいて(例えば、特定口B入賞可フラグがセットされていることにもとづいて)、「今打つと 5R or 10R or 15R」などの文字列が表示され、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンドおよび15ラウンドのいずれの大当り遊技にもなる可能性がありハイリスクハイリターンであることを報知する。
なお、この実施の形態では、大当り前演出の実行中のみ、図50に示すようなカウントダウン表示を行う場合を示しているが、大当り前演出の実行中であるか否かにかかわらず、常に振分部材203の切り替えが行われるごとに図50に示す表示を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図50に示すような態様で振分部材203の切り替えが行われる5秒前および1秒前に報知することによりカウントダウン報知を行う場合を示しているが、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、切り替えが行われる3秒前や10秒前でも報知するようにしてもよい。また、例えば、振分部材203の切り替えが行われた直後から直ちに次に振分部材203の切り替えが行われるまでのカウントダウン報知を開始するように構成してもよく、様々な報知態様が考えられる。
次に、タイマ割込処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図51は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力したポート0,2の内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に2バイト(16ビット)のうちの対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に2バイト(16ビット)のうちの対応ビットが0に設定されるバッファである。なお、図51に示す前回ポートバッファ、ポートバッファ、およびスイッチオンバッファは、入力ポート0,2ごとに用意される。例えば、この実施の形態では、2つのスイッチオンバッファ1,2が用意されており、入力ポート0のスイッチの状態がスイッチオンバッファ1に設定され、入力ポート2のスイッチの状態がスイッチオンバッファ2に設定される。
図52は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ポート0,2(図7参照)に入力されているデータを入力し(ステップS2101)、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS2102)。
次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS2103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS2104,S2105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0,2のデータを入力し(ステップS2106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS2108)。ステップS2103〜S2108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0,2から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS2109)。排他的論理和の演算結果において、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS2111)、ステップS2108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS2112)。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特定口無効フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS2113)、セットされている場合には、スイッチオンバッファのうち特定口スイッチに対応するビットの値を「0」にする(ステップS2114)。この実施の形態では、特定口無効フラグがセットされている無効期間には、特定口への入賞を検出しないように制御される。ステップS2113〜S2114の処理が行われることによって、無効期間において特定口への入賞を検出しないようにすることができる。
図53は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図53に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160に対して、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、第1報知信号および第2報知信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の情報出力処理(ステップS31参照)によって出力される。また、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370から、主基板31を経由して、ターミナル基板160に対して、賞球情報が、払出制御用マイクロコンピュータ370側の情報出力処理(ステップS759参照)によって出力される。
図柄確定回数1信号は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を通知するための信号である。始動口信号は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、15ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。
また、入賞信号は、既に説明したように、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。)を示す信号である。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
なお、セキュリティ信号として外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2始動入賞口14への異常入賞にかぎらず、第1始動入賞口13や、大入賞口、特定口201a、特定口202aへの異常入賞を検出して、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。そのように、大入賞口への異常入賞や異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から後述する接続OKコマンドや賞球個数受付コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505のステータスレジスタのいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
第1報知信号は、所定条件が成立した後(例えば、当り図柄を導出表示させた後や、特定の期間(例えば、変動時間等)が経過した後)、所定の無効期間(本例では、大当り図柄が停止表示された時点から所定の待機期間を経過した時点までの期間)が経過したこと(すなわち、特定口への入賞が有効になったこと)を報知するための信号である。第2報知信号は、所定条件が成立した後、所定の無効期間が経過し、さらに所定の期間が経過したこと(すなわち、特定口への入賞が有効になった後に所定の期間が経過したこと)を報知するための信号である。
また、賞球情報は、既に説明したように、賞球払出を特定数(本例では10個)検出するごとに出力される信号である。なお、この実施の形態では、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと)にもとづいて入賞信号が外部出力され、入賞信号にもとづいてホール側で賞球数の把握を行うことができる。そのため、賞球情報については、外部出力しないように構成してもよい。
図54〜図57は、ステップS31の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図54〜図57に示す処理のうち、ステップS1002〜S1020が始動口信号を出力するための処理であり、ステップS1021〜S1023が入賞信号を出力するための処理であり、ステップS1031〜S1036が図柄確定回数1信号を出力するための処理であり、ステップS1050〜S1068が大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、第1報知信号および第2報知信号を出力するための処理である。また、ステップS1069〜S1074がセキュリティ信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、CPU56は、まず、始動口情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1002)、ポインタの指す処理数をロードする(ステップS1003)。始動口情報設定テーブルには、処理数(=2)と2つの始動口スイッチ入力ビット(第1始動口スイッチ入力ビット判定値(01(H)))と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(02(H)))とが設定されている。なお、第1始動口スイッチ入力ビット判定値とは、第1始動入賞口13への始動入賞の有無を判定するための判定値であり、第2始動口スイッチ入力ビット判定値とは、第2始動入賞口14への始動入賞の有無を判定するための判定値である。ステップS1003では、ポインタが始動口情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口情報設定テーブルにおける処理数(=2)のデータがロードされることになる。
次いで、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビットをレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。この場合、処理数が1である場合には第1始動口スイッチ入力ビットをロードしてスイッチ入力データの論理積をとることになり、処理数が2である場合には第2始動口スイッチ入力ビットをロードしてスイッチ入力データの論理積をとることになる。処理数が1であって第1始動口スイッチ13aがオンしているときは、論理積の演算結果は01(H)になる。また、処理数が2であって第2始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は02(H)になる。第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(ステップS1009のY)、ステップS1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1009のN)、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたと判定し、始動口情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1010)。始動口情報記憶カウンタは、始動口信号の残り出力回数(つまり、始動口信号の未出力の始動入賞の残り入賞個数)をカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、始動口情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1012)。演算結果が0のときは(ステップS1012のN)、演算結果を1減算する(ステップS1013)。そして、演算結果を始動口情報記憶カウンタにストアする(ステップS1014)。
次に、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(ステップS1016)。処理数が0でないときは(ステップS1016のY)、ステップS1004の処理に移行する。なお、この実施の形態では、遊技機は第1始動入賞口13および第2始動入賞口14を備えていることから、処理数の初期値として2が設定され、ステップS1004〜S1016の処理が2回実行されることになる。
ステップS1016で処理数が0であると判定されると(ステップS1016のN)、CPU56は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1017)。次いで、CPU56は、RAM55に形成されている情報出力バッファの始動口出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット1)をセットする(ステップS1018)。そして、CPU56は、始動口情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(ステップS1019)、入賞タイマセット処理を実行する(ステップS1020)。
次いで、CPU56は、情報出力バッファの入賞出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット6)をセットする(ステップS1021)。そして、CPU56は、入賞情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(ステップS1022)、入賞タイマセット処理を実行する(ステップS1023)。
なお、この実施の形態では、始動口信号を外部出力する場合と入賞信号を外部出力する場合とで共通のサブルーチン(入賞タイマセット処理)が実行されることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされて始動口信号が出力され、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされて入賞信号が出力される。なお、入賞タイマセット処理の具体的な処理内容については後述する(図59参照)。
次に、CPU56は、図柄確定回数1情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1031)、図柄確定回数1情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1032)、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1033)。この実施の形態では、特別図柄変動中処理(ステップS303参照)において、変動時間がタイムアウトすると、特別図柄の変動を停止するときに、図柄確定回数1情報タイマに図柄確定回数出力時間(本例では0.500秒)がセットされ、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(図柄確定回数1情報タイマの値が0のとき)に、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1033のN)、図柄確定回数1情報タイマを1減算し(ステップS1034)、演算結果を図柄確定回数1情報タイマにストアする(ステップS1035)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット0)をセットする(ステップS1036)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、図柄確定回数1信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1033のY)、ステップS1036の処理が実行されない結果、図柄確定回数1信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1031〜S1036の処理によって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数1信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1050)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)を比較し(ステップS1051)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(ステップS1052A)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(ステップS1052AのY)、ステップS1058の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1052AのN)、第1報知信号または第2報知信号を出力するための報知信号出力処理を実行する(ステップS1052B)。
図58は、報知信号出力処理を示すフローチャートである。図58に示すように、報知信号出力処理においてCPU56は、まず特別図柄プロセスフラグの値が大入賞口開放前処理指定値(「5」)であるか否かを確認する(ステップS2201)。特別図柄プロセスフラグの値が「5」である場合には、CPU56は、経過時間チェック処理を行う(ステップS2202)。具体的には、ラウンド数設定開始タイマと第2報知演出タイマとを参照する。そして、CPU56は、ラウンド数設定開始タイマの値が「0」であり、かつ第2報知演出タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(ステップS2203)。ラウンド数設定開始タイマの値が「0」であり、かつ第2報知演出タイマの値が「0」より大きいと判定すると(ステップS2203のY)、CPU56は、情報バッファの第1報知出力ビット位置をセットする(ステップS2204)。一方、ラウンド数設定開始タイマの値が「0」であり、かつ第2報知演出タイマの値が「0」より大きいと判定しなかった場合(ステップS2203のN)、CPU56は、ラウンド数設定開始タイマの値が「0」であり、かつ第2報知演出タイマの値も「0」であるか否かを判定する(ステップS2205)。そして、ラウンド数設定開始タイマの値が「0」であり、かつ第2報知演出タイマの値も「0」であると判定すると、CPU56は、情報バッファの第2報知出力ビット位置をセットする(ステップS2206)。情報バッファの第1報知出力ビット位置および第2報知出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート0に出力することによって、第1報知信号および第2報知信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
報知信号出力処理が終了すると、特別図柄プロセスフラグの値と小当り開放前処理指定値(「8」)を比較し(ステップS1053)、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるかどうかを判定する(ステップS1054)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS1054のY)、ステップS1058の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(ステップS1054のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(ステップS1055)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1056)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
なお、この実施の形態では、ステップS1054の処理によって小当りである場合には大当り1信号を外部出力しないように制御する場合を示しているが、この実施の形態のように後述する共通演出を実行可能に構成した遊技機では、小当りであってもステップS1055の処理に移行し、大当り1信号を外部出力可能に構成してもよい。また、逆に、大当りであっても、高確率/低ベース状態となる突然確変大当りAである場合には、ステップS1055の処理を実行するとなく、そのままステップS1058に移行するようにし、大当り1信号を外部出力しないように構成してもよい。そのように構成すれば、共通演出中に、大当り1信号によって高確率状態(確変状態)であるか否かを認識できないようにすることができる。
また、CPU56は、第1時短状態または第2時短状態であるか否かを確認する時短チェック処理を実行し(ステップS1058)、第1時短状態または第2時短状態であるか否かを判定する(ステップS1059)。具体的には、CPU56は、第1時短状態に移行するときにセットされる第1時短フラグまたは第2時短状態に移行するときにセットされる第2時短フラグがセットされているか否かを確認することによって、第1時短状態または第2時短状態であるか否かを判定する。第1時短状態または第2時短状態であるときは(ステップS1059のY)、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(ステップS1060)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、時短信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1061)。大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値と小当り開放前処理指定値(「8」)を比較し(ステップS1065)、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるかどうかを判定する(ステップS1066)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS1066のY)、ステップS1069の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(ステップS1066のN)、見た目上15ラウンドの大当りであるか否かを確認する(ステップS1067)。例えば、CPU56は、特別図柄通常処理で大当り種別判定結果にもとづいて設定される大当り種別バッファの内容をロードし、15R確変大当りであるか否かを確認する。なお、15R確変大当りであるか否かは、例えば、特別図柄通常処理において設定された大当り種別バッファの内容を確認することによって判定できる。例えば、大当り種別バッファには、特別図柄通常処理で決定された大当り種別の内容や大当り判定結果を示す内容が格納されており、例えば、「01」が通常大当り、「02」が確変大当り、「03」が15R確変大当り、「04」が突然確変大当りとされている。そして、大当り種別バッファの内容が「03」であれば、15R確変大当りであると判断される。また、大当り種別バッファの内容が通常大当りまたは確変大当りであると判断した場合には、ラウンド数設定処理で設定されるラウンド数バッファの内容をロードし、設定された見た目上のラウンド数が15Rであるか否かを確認する。ここでは、ロードしたラウンド数バッファの内容が「15」であれば、設定された見た目上のラウンド数が15Rであると判断される。以上のように、見た目上15ラウンドの大当りであると判断すると、CPU56は、情報バッファの大当り3出力ビット位置をセットする(ステップS1068)。大当り3出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り3信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
以上に示したステップS1050〜S1068の処理によって、大当りの種別や遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号が出力される(オン状態になる)。
次いで、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマをロードし(ステップS1069)、セキュリティ信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1070)、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1071)。
この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始されて初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(メイン処理におけるステップS14a参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1071のN)、セキュリティ信号情報タイマを1減算し(ステップS1072)、演算結果をセキュリティ信号情報タイマにストアする(ステップS1073)。そして、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(ステップS1074)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1071のY)、ステップS1074の処理が実行されない結果、セキュリティ信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1069〜S1074の処理によって、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されてから4分が経過するまで、または遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されてから30秒が経過するまで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8を用いてセキュリティ信号が出力される。なお、セキュリティ信号の出力中更に新たな異常入賞を検出した場合には、最後に異常入賞を検出してから4分間が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。
なお、この実施の形態では、タイマ割込ごとに図54〜図57に示す情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットして(ステップS1036,S1055,S1056,S1060,S1061,S1068,S1074参照)、ステップS1102,S1103を実行して出力ポート0,1から外部出力する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しないかぎり変化しない。例えば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、セットされている間、信号は出力が継続されることになる。
図59は、情報出力処理のステップS1020,S1023で実行される入賞タイマセット処理を示すフローチャートである。入賞タイマセット処理において、CPU56は、まず、ポインタの指す情報記憶タイマをロードし(ステップS2001)、ロードした情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS2002)、信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS2003)。この場合、情報出力処理のステップS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、始動口情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、始動口信号が出力中であるか否かを判定することになる。また、情報出力処理のステップS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、入賞情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、入賞信号が出力中であるか否かを判定することになる。
始動口情報記憶タイマは、始動口信号のオン時間およびオフ時間(例えば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。始動口情報記憶タイマの値が0でなければ始動口信号が出力中であると判定され、始動口情報記憶タイマの値が0であれば始動口信号が出力中でないと判定される。また、入賞情報記憶タイマは、入賞信号のオン時間およびオフ時間(例えば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。入賞情報記憶タイマの値が0でなければ入賞信号が出力中であると判定され、入賞情報記憶タイマの値が0であれば入賞信号が出力中でないと判定される。
信号(始動口信号または入賞信号)が出力中であれば(ステップS2003のY)、ステップS2012の処理に移行する。信号(始動口信号または入賞信号)が出力中でなければ(ステップS2003のN)、CPU56は、ポインタの値を1加算する(ステップS2004)。なお、この実施の形態では、ROM54において、始動口情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に始動口情報記憶カウンタがセットされ、入賞情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に入賞情報記憶カウンタがセットされている。従って、ステップS2004の処理が実行されることによって、ポインタの値は、始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタのアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ポインタの指す情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)をロードし(ステップS2005)、ロードした情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)の状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS2006)、信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS2007)。
なお、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオンしたときは(ステップS1009のN)、始動口情報記憶カウンタが加算される(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのいずれか一方がオンしていれば1加算され、両方ともオンしていれば2加算される。ステップS1011参照。)ので、始動口信号の出力回数の残数があると判定されることになる。また、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生した場合には、賞球予定数が10個累積するごとに入賞情報記憶カウンタが加算される(ステップS5122参照)ので、入賞信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数がなければ(ステップS2007のY)、入賞タイマセット処理を終了する。信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があれば(ステップS2007のN)、CPU56は、ポインタの指す上方記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)を1減算し(ステップS2008)、演算結果(1減算した結果)を情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)にストアする(ステップS2009)。そして、入賞情報動作時間(50)をレジスタにセットする(ステップS2010)。なお、入賞情報動作時間(50)は、4msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。なお、この実施の形態では、始動口信号を出力する場合と入賞信号を出力する場合とで、入賞情報動作時間として同じ値を設定する場合を示しているが、異なる値を設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1減算する(ステップS2011)。ステップS2011の処理が実行されることによって、ポインタの値は、再び始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマのアドレスを示している状態に戻ることになる。そして、ステップS2012に移行する。
次に、CPU56は、ステップS2010で入賞情報動作時間がセットされていなければポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)を1減算し、ステップS2010で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS2012)。そして、演算結果(1減算した結果)をポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)にストアする(ステップS2013)。
CPU56は、演算結果と入賞情報オン時間(25)を比較し(ステップS2014)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS2015)。なお、入賞情報オン時間(25)は、4msのタイマ割込みが25回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(100ms)よりも長い時間である場合は(ステップS2015のN)、CPU56は、情報バッファをロードし(ステップS2016)、ロードした情報バッファの値と情報出力バッファの値との論理和を求める(ステップS2017)。そして、CPU56は、ステップS2017の演算結果を情報バッファにストアする(ステップS2018)。
なお、ステップS2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のステップS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、ステップS1018で始動口出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット1)がセットされることになる。そして、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、始動口信号が出力ポート1から出力されることになる。
また、ステップS2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のステップS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、ステップS1011で入賞出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの入賞出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット6)がセットされることになる。そして、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、入賞信号が出力ポート1から出力されることになる。
情報出力処理のステップS1002〜S1020および図50に示す入賞タイマセット処理によって、第1始動入賞口13への入賞(第1始動口スイッチ13aのオン)、第2始動入賞口14への入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この始動口信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
始動口信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、始動入賞数の総数を確実に把握することができる。
また、情報出力処理のステップS1021〜S1023および図59に示す入賞タイマセット処理によって、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、特定口201a、特定口202a)への入賞が発生し、賞球予定数が10個累積するごとに、入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この入賞信号がホールコンピュータに入力されることによって、賞球予定数を認識させることができる。
入賞信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、賞球予定数の総数を確実に把握することができる。
なお、この実施の形態では、入賞信号を外部出力する場合に、まずステップS2012の処理を実行して入賞情報記憶タイマの値を減算してから、ステップS2018,S1102,S1103を実行して入賞信号を外部出力する場合を示したが、入賞情報記憶タイマの減算処理と入賞信号の外部出力処理との処理順は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、まず、ステップS2018,S1102,S1103と同様の処理を実行して入賞信号の外部出力処理を実行してから、ステップS2012と同様の処理を行い入賞情報記憶タイマの値を減算するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、無効期間には、スイッチ処理において特定口への入賞が検出されない(すなわちオン状態にならない)ように制御されているが、例えば変形例として、スイッチ処理において特定口への入賞を検出するが、無効期間には検出されたことに基づいて大当り遊技状態に移行しないように制御してもよい。
図60は、特別図柄停止処理の変形例を示すフローチャートである。図60に示す変形例では、図28に示す例と異なり、スイッチ処理において参照される特定口無効フラグをセットする処理(図28のステップS134B)が省略されている。したがって、スイッチ処理では、図52のステップS2113〜S2114が省略される。
図61は、ラウンド数設定処理の変形例を示すフローチャートである。図61に示す変形例では、図29に示す例と異なり、特定口無効フラグをリセットする処理(図29のステップS1302A)が省略されるとともに、ラウンド数設定開始タイマの値が「0」でない場合には(ステップS1302のN)、ステップS1303において特定口Aスイッチ201aがオンとなっているか否かを判定する処理や、ステップS1305において特定口Bスイッチ202aがオンとなっているか否かを判定する処理を実行することなく、ラウンド数設定処理を終了するように制御される。したがって、図60および図61に示す変形例によれば、スイッチ処理において特定口への入賞を検出するが、無効期間には検出されたことに基づいて大当り遊技状態に移行しないように制御することができる。なお、図29に示す例では、ステップS1303において特定口Aスイッチ201aがオンとなっているか否かを判定する処理や、ステップS1305において特定口Bスイッチ202aがオンとなっているか否かを判定する処理において、図51に示すスイッチオンバッファを参照し、スイッチオンバッファのうちの特定口スイッチに対応するビットの値に基づいてオンとなっているか否かを判定するが、例えば、図61に示す例においては、図51に示すポートバッファを参照し、ポートバッファのうちの特定口スイッチに対応するビットの値に基づいてオンとなっているか否かを判定するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、所定条件(例えば、当り図柄を導出表示させることや、特定の期間(例えば、変動時間等)が経過した後に特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて大当り遊技状態への移行を許容すること)が成立すると直ちに特定遊技状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されるのではなく、所定条件が成立した後(例えば、当り図柄を導出表示させた後や、特定の期間(例えば、変動時間等)が経過した後)、所定の有効期間(本例では、大当り図柄が停止表示された後の所定の待機期間を経過した時点を始点として大当り遊技を開始した時点を終点とするまでの期間)において複数の特定領域(本例では、可変入賞球装置200内の特定口A201および特定口B202)のうちのいずれかの特定領域を遊技球が通過したことにもとづいて、獲得価値期待度が異なる複数種類の特定遊技状態(本例では、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンド、または15ラウンドと異なる大当り遊技状態)のうちのいずれか1の特定遊技状態に制御する。また、複数の特定領域のうちのいずれの特定領域を遊技球が通過したかに応じて、異なる振り分けに従って複数種類の特定遊技状態のうちのいずれか1の特定遊技状態に制御し、複数の特定領域のうちのいずれの特定領域に遊技球を通過させるかは、遊技者の操作に応じて選択可能である。具体的には、この実施の形態では、特定口A201を遊技球が通過したときには100パーセントの割合で見た目上のラウンド数が10ラウンドの大当り遊技状態に制御されるのに対して、特定口B202を遊技球が通過したときには、見た目上のラウンド数が5ラウンド、10ラウンド、または15ラウンドのいずれかの大当り遊技状態に制御される。また、所定条件が成立した後、所定の無効期間(本例では、大当り図柄が停止表示された時点から所定の待機期間を経過した時点まで)が経過するまでは特定領域を遊技媒体が通過しても特定遊技状態に制御しない。そのため、遊技者の操作次第で安定して10ラウンドの大当り遊技に移行されるようにしたり、逆にリスクを冒して獲得価値期待度が高い15ラウンドの大当り遊技を狙ったりすることもできるので、所定条件が成立した後に特定領域を遊技球が通過したことにもとづいて特定遊技状態に制御するように構成された遊技機において、遊技者の嗜好に合わせたゲーム性を実現することができる。さらに、遊技者が意図しない特定領域を遊技媒体が通過してしまうことを防止することができる。
なお、「所定の有効期間」とは、いずれの種類の特定遊技状態とするかを決定するに際して特定領域への遊技球の通過を有効とする期間のことである。すなわち、この所定の有効期間内に発生した特定領域への遊技球の通過のみを有効として、いずれの種類の特定遊技状態とするかが決定され、この所定の有効期間以外の期間に特定領域への遊技球の通過が発生しても、特定遊技状態の種類の決定は行われず、特定遊技状態は開始されない。なお、この実施の形態では、「所定の有効期間」は、具体的には、大当り図柄が停止表示された後の所定の待機期間を経過した時点を始点として大当り遊技を開始した時点を終点とするまでの期間であることから、(1)大当り図柄の停止表示後に「所定の無効期間」を経てから「所定の有効期間」に移行するのであるが、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、(2)大当り図柄を停止表示した後に直ちに所定の有効期間に移行するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、所定の無効期間が経過した後に、特定領域に遊技媒体を通過させることを促す第1報知演出と、第1報知演出が行われた後に特定遊技状態に制御されることなく特定期間が経過したことを条件に、第1報知演出とは異なる第2報知演出とを実行するように構成されている。そのため、所定条件が成立しているにもかかわらず特定遊技状態に制御されていないことを、遊技者や店員が容易に認識することができる。
また、上記の実施の形態では、所定条件が成立したものの特定遊技状態に制御されていないことを示す第1報知信号または第2報知信号を外部出力するように構成されている。そのため、所定条件が成立しているにもかかわらず特定遊技状態に制御されていないことを、遊技者や店員が容易に認識することができる。
また、上記の実施の形態では、無効期間は、大当り図柄が停止表示された時点から所定の待機時間を経過した時点までと定められているが、例えば、打球発射装置から発射された遊技球と排出口205から排出された遊技球とをそれぞれ監視し、大当り図柄が停止表示された時点から、大当り図柄が停止表示された時点までに発射された遊技球の数と排出口205から排出された遊技球の数とが一致する時点までを無効期間として定めるようにしてもよい。そのようにすることで、大当り図柄が停止表示される前に発射した遊技球が、遊技者が意図しない特定領域を通過してしまうことを防止することができる。
また、所定の無効期間を経てから所定の有効期間に移行するように構成する場合、所定の有効期間の開始タイミングで可変入賞球装置200内において振分部材203を第1流路208側に制御し特定口A201を選択した状態として可動間隔計測タイマの計測を開始するように制御してもよい。また、例えば、振分部材203が第1流路208側に切り替えられて特定口A201を選択した状態に変化したタイミングを見計らって所定の有効期間を開始するように制御してもよい。
また、この実施の形態によれば、特別遊技状態(本例では、確変状態)とするか否か(本例では、確変大当りとするか否か)の決定に関しては、いずれの特定領域を遊技球が通過したかに依存することなく、始動領域(本例では、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技球が通過したことのみにもとづいて決定している。そのため、例えば、確変状態中に連続して確変大当りが発生する割合(いわゆる連荘率)にまで遊技者の操作を関連させないようにし、遊技者の射幸心を必要以上に煽りすぎることを防止することができる。
なお、例えば、見た目上のラウンド数を決定する場合と同様に、いずれの特定口を遊技球が通過したかに応じて、確変大当りと決定する割合を異ならせてもよい。また、例えば、見た目上のラウンド数の決定と確変大当りとするか否かの決定とのいずれか一方のみを、いずれの特定口を遊技球が通過したかに応じて異なる割合で決定するように構成してもよく、その両方を、いずれの特定口を遊技球が通過したかに応じて異なる割合で決定するように構成してもよい。また、例えば、大当り種別として時短大当りを決定可能に構成する場合において、いずれの特定口を遊技球が通過したかに応じて異なる割合で時短大当りとするか否かを決定するように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、複数の特定領域として可変入賞球装置200内に2つの特定口201,202が設けられ、振分部材203の可動タイミングを見て遊技球を入賞(通過)させる特定口をある程度選択可能(見た目上のラウンド数の振り分けを選択可能)とする場合を示しているが、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、遊技領域の左方と右方にそれぞれ特定口を設けるようにし、遊技球を左方と右方とに打ち分けることによって、遊技者がいずれの特定口に遊技球を入賞(通過)させるかをある程度選択可能としてもよい。また、必ずしも遊技球を入賞(通過)させることによって見た目上のラウンド数の振り分けを選択可能とする場合にかぎらず、例えば、複数設けられた操作ボタンのいずれかを押下することによって、見た目上のラウンド数の振り分けを選択可能に構成してもよい。
また、この実施の形態において、流路切替手段(本例では、振分部材203)によって可変入賞球装置200内の第1流路208が選択されているときに、切替条件が成立(本例では、特定期間(20秒)が経過)したことにもとづいて、流路切替手段に第1流路208から第2流路209に切り替えさせる制御をい、所定条件が成立してから切替条件が成立するまでの期間には、流路切替手段に第1流路208を選択させるようにしてもよい。具体的には、大当り図柄が停止表示された後の所定の待機期間を経過して見た目上のラウンド数の設定処理を開始したタイミングでは、最初に特定口A201を選択した状態から振分部材203の可動制御を開始する。このようにすることで、所定条件が成立してから切替条件が成立するまでの期間に選択される流路は第1流路208固定なので、遊技者が混乱することを防止することができる。
なお、この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始された時点から可動間隔計測タイマをセットして振分部材203の可動間隔の計測を開始するようにし、遊技機への電力供給を開始して遊技を開始可能となった時点から振分部材203の可動制御を常時実行可能に構成する場合を示したが、この実施の形態で示した制御方法にかぎられない。例えば、大当り図柄が停止表示された後の所定の待機期間を経過してから大当り遊技が開始されるまでの間のみ、振分部材可動処理にて振分部材203の可動制御が行われるように構成するようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、第1流路208に設けられた特定領域(本例では、特定口A201を遊技球が通過したことにもとづいて特定遊技状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されるときに獲得される獲得価値期待度の偏差は、第2流路209に設けられた特定領域(本例では、特定口B202)を遊技球が通過したことにもとづいて特定遊技状態に制御されるときに獲得される獲得価値期待度の偏差よりも小さい。具体的には、この実施の形態では、特定口B202を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときには、最も高い期待度が得られるのが見た目上のラウンド数が15ラウンドのときで最も低い期待度が得られるのが見た目上のラウンド数が5ラウンドのときであり、獲得される獲得価値期待度の偏差(最も高い期待度と最も低い期待度との差)は10ラウンドと大きいのに対して、特定口A201を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときには、見た目上のラウンド数は一律に10ラウンドであり、獲得される獲得価値期待度の偏差は0と小さい。そのため、遊技者が意図せず第2流路209に設けられた特定領域を遊技球が通過して特定遊技状態に制御されたときに、獲得価値期待度が最も低い特定遊技状態に制御された場合の遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、特別遊技状態(本例では、確変状態)に制御すると決定された場合に(本例では、確変大当りと決定された場合に)、所定条件を成立させると判定されてから特定領域を遊技球が通過するまでに、特別遊技状態に制御されることを報知する場合(本例では、確変図柄の大当り図柄を停止表示する場合)と特別遊技状態に制御されることを報知しない場合(本例では、非確変図柄の大当り図柄を停止表示する場合)とがある。そのため、例えば、遊技者は、確変状態となるか否かの報知内容に応じて、リスクを冒さず10ラウンドの大当り遊技を確実に狙っていくか、リスクを冒して15ラウンドの大当り遊技を狙っていくかなどの遊技上の戦略も考えることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。例えば、確変報知された場合には思い切ってリスクを冒して15ラウンドの大当りを狙っていく一方で、確変報知されなかった場合にはリスクを冒さず10ラウンドの大当り遊技を確実に狙うように戦略を選択することができ、遊技上の戦略性が増してゲーム性を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、大当り種別として15R確変大当りや確変大当り、通常大当りを決定することによって、確変状態とするか否かを変動開始時に決定する場合を示しているが、確変状態とするか否かの決定タイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大当り図柄を停止表示した後に可変入賞球装置200内の特定口を遊技球が入賞(通過)したタイミングで確変状態とするか否かを決定してもよく、大当り遊技中に確変状態とするか否かを決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特定領域の遊技球の通過にかかわらず、始動領域(本例では、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技球が通過した後に特別条件が成立(本例では、15R確変大当りと決定)したことにもとづいて、特定遊技状態のうちの特別特定遊技状態(本例では、見た目上のラウンド数が15ラウンドの大当り遊技状態)に制御する場合(すなわち、いずれの特定口に遊技球が入賞(通過)したかにかかわらず、一律に見た目上のラウンド数が15ラウンドに決定されるので、遊技者による見た目上のラウンド数の選択の余地がない大当りといえる)がある。また、可変表示手段(本例では、演出表示装置9)に導出表示された特定表示結果(本例では、大当り図柄)の種類に応じて、特定領域の遊技球の通過にもとづいて見た目上のラウンド数を決定して特定遊技状態に制御されるか、特別条件が成立して特別特定遊技状態に制御されるかの割合が異なる。具体的には、本例では、大当り図柄として「777」の図柄の組み合わせが停止表示されたときには見た目上のラウンド数が15ラウンドの大当り遊技状態に高い割合で制御され、それ以外の大当り図柄が停止表示されたときには見た目上のラウンド数が5ラウンドや10ラウンドの大当り遊技状態に制御される場合もある。そのため、いずれの特定表示結果が導出表示されるかに対して期待感をもたせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がない15R確変大当りが見た目上のラウンド数が15ラウンドとなるものであり、遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がある通常大当りや確変大当りでも、見た目上のラウンド数が5ラウンドや10ラウンドに加えて15ラウンドにも決定される場合を示しているが、遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がない場合にのみ見た目上のラウンド数を15ラウンドとするようし、遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がある場合には見た目上のラウンド数を5ラウンドまたは10ラウンドにのみ決定可能とするように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図14に示すように、大当りが発生した場合に、遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がない場合よりも、遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がある場合の割合が高い。具体的には、この実施の形態では、図14に示すように、15R確変大当りと決定される割合は10パーセントまたは5パーセントであるのに対して、通常大当りまたは確変大当りと決定される割合は80パーセントまたは90パーセントと高い。そのため、遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がある大当りとなる割合を高めることによって、遊技への参加意欲を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、図14に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がある大当りとなる割合が異なる。具体的には、この実施の形態では、図14に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には80パーセントの割合で通常大当りまたは確変大当りと決定されるのに対して、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には90パーセントの割合で通常大当りまたは確変大当りと決定される。そのため、いずれの特別図柄の変動表示にもとづく大当りが発生したかによってゲーム性が異なり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、特別特定遊技状態(遊技者による見た目上のラウンド数の選択余地がない大当り)は、獲得価値期待度が最も高い見た目上のラウンド数が15ラウンドの大当り遊技状態である。そのため、見た目上のラウンド数の選択操作を行えなくても、遊技者に不満感を与えないようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、流路切替手段(本例では、振分部材203)によって可変入賞球装置200内の第1流路208が選択されているときに、切替条件が成立(本例では、特定期間(20秒)が経過)したことにもとづいて、流路切替手段に第1流路208から第2流路209に切り替えさせる制御を行う。また、流路切替手段によって流路が切り替えられるまでに流路の切り替えが行われることを報知(本例では、図50(2),(3),(5)に示すような残り時間の表示)する。そのため、流路の切り替えが行われることを報知することによって、遊技者に流路が切り替わることを認識させ、遊技者が意図しない特定領域を遊技球が通過してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、流路切替手段によって流路が切り替えられる前の所定のタイミングからカウントダウン報知(本例では、図50(2),(3),(5)に示すような残り時間5秒および1秒を報知するカウントダウン報知)を行う。そのため、事前に流路の切り替えが行われるタイミングを認識しやすくすることができ、遊技者が意図しない特定領域を遊技球が通過してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、振分部材203の切り替えを行うごとに特定口A可動指定コマンドや特定口B可動指定コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータが、特定口A可動指定コマンドや特定口B可動指定コマンドを受信したタイミングで振分部材可動時間計測タイマをセットして次の切り替えまでの時間を把握することにより、図50に示すようなカウントダウン報知を行う場合を示したが、この実施の形態で示した処理方法にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄が停止表示された後の所定の待機期間を経過して見た目上のラウンド数の設定処理を開始したタイミングで1回だけコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドを受信したときから計測を開始して特定期間(本例では、20秒)ごとに切り替えタイミングが到来すると判断してカウントダウン報知を行うように構成してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100側でカウントダウン報知を行うのではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でカウントダウン報知を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可動間隔計測タイマにもとづいて切り替えまでの残り時間を判断し、残り時間が所定時間(例えば、残り5秒や1秒)となると、その残り時間に対応したランプやLEDを点灯させることによってカウントダウン報知を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置200内で2つの流路208,209に分岐され、特定口201,202が2つ設けられている場合を示しているが、流路および特定口の数は2つにかぎられない。例えば、可変入賞球装置200内で3以上の流路に分岐されるようにし、可変入賞球装置200内に3以上の特定口が設けられているように構成してもよい。
また、この実施の形態では、振分部材203が特定期間(本例では、20秒)ごとに交互に切り替えられる場合を示しているが、必ずしも交互に往復切り替えを行う必要はなく、例えば、大当り図柄が停止表示された後の大当り遊技が開始されるまでの間に振分部材203が1回だけ切り替えられるようなものであってもよい。
また、この実施の形態では、振分部材203が殆ど瞬時に第1流路208側または第2流路209側に切り替わる場合を示しているが、振分部材203がある程度の時間をかけてゆっくりと可動することにより、第1流路208側または第2流路209側に切り替わるようなものであってもよい。
また、この実施の形態では、振分部材203を可動停止状態としているときには第1流路208側が選択されて100パーセント特定口A201にのみ入賞(進入)可能とし、振分部材203を可動状態としているときには第2流路209側が選択されて100パーセント特定口B202にのみ入賞(進入)可能に構成する場合を示しているが、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、振分部材203を可動停止状態としているときには90パーセント程度の高確率で特定口A201に入賞(進入)しやすいものの特定口B202にも10パーセント程度の低確率で入賞(進入)可能であるように構成したり、振分部材203を可動状態としているときには90パーセント程度の高確率で特定口B202に入賞(進入)しやすいものの特定口A201にも10パーセント程度の低確率で入賞(進入)可能であるように構成したりしてもよい。
また、振分部材203は、この実施の形態で示したような形状のものにかぎらず、様々な形状のものを適用可能である。例えば、複数の特定口の上方に開口部やスリットが設けられた円盤形状の可動部材を回転動作させ、その可動部材の開口部やスリットから流下した遊技球が下方のいずれかの特定口に入賞(進入)するように構成することにより、可動部材の回転角度位置に応じていずれかの特定口に入賞(進入)可能となったり入賞(進入)しやすくなったりするように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特定期間(本例では、20秒)ごとに流路切替手段に流路を切り替えさせる制御を行い、特定期間は、遊技球が遊技領域に投入されてから流路切替手段に到達するまでに要する期間よりも長い時間に設定されている。そのため、遊技者が意図しない特定領域を遊技球が通過してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、振分部材203が特定期間(本例では、20秒)ごとに交互に切り替えられる場合を示しているが、必ずしも交互に往復切り替えを行う必要はなく、例えば、大当り図柄が停止表示された後の大当り遊技が開始されるまでの間に振分部材203が1回だけ切り替えられるようなものであってもよい。
また、この実施の形態によれば、複数の特定領域のうちの1の特定領域を遊技球が通過したことにもとづいて特定遊技状態に制御されるときに獲得される獲得価値期待度の偏差と、1の特定領域以外の特定領域を遊技球が通過したことにもとづいて特定遊技状態に制御されるときに獲得される獲得価値期待度の偏差とが異なる。具体的には、特定口A201を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときに獲得される獲得価値期待度の偏差(最も高い期待度と最も低い期待度との差)は0であるのに対し、特定口B202を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときには、最も高い期待度が得られるのが見た目上のラウンド数が15ラウンドのときで最も低い期待度が得られるのが見た目上のラウンド数が5ラウンドのときであり、獲得される獲得価値期待度の偏差は10ラウンドと大きい。従って、この実施の形態では、特定口A201を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときは、比較的ローリスクローリーターンな獲得価値が期待でき、特定口B202を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御されるときは、比較的ハイリスクハイリターンな獲得価値が期待できる。
また、この実施の形態によれば、1の特定領域を遊技球が通過したことにもとづいて特定遊技状態に制御されるときに獲得される平均の獲得価値期待度と、1の特定領域以外の特定領域を遊技球が通過したことにもとづいて特定遊技状態に制御されるときに獲得される平均の獲得価値期待度とは略同一である。具体的には、特定口B202を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に制御される場合であっても、決定される見た目上のラウンド数は5ラウンド、10ラウンドまたは15ラウンドなのであるから、獲得される平均の獲得価値期待度は10ラウンドであり、特定口A201を遊技球が通過したときと特定口B202を遊技球が通過したときとで平均の獲得価値期待度は同じである。そのため、平均の獲得価値期待度を略同一とすることによって、いずれの特定領域を遊技球が通過したかによって不公平感が生じないようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技機への電力供給が開始されたときに、バックアップRAMに所定条件が成立したと判定されたことを示す情報(本例では、大当りフラグおよび特別図柄プロセスフラグ)が記憶されていることにもとづいて、所定条件が成立したと判定されたことを報知(本例では、大当り状態表示灯51を点灯)する。そのため、遊技店において所定条件が成立している状態で遊技が開始されてしまうような不適切なサービスが提供されることを防止することができる。
なお、この実施の形態では、大当り状態表示灯51を点灯することによって遊技制御用マイクロコンピュータ560側で所定条件が成立していることを報知する場合を示しているが、この実施の形態で示した報知態様にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当りが発生していたことを示すコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で演出表示装置9の表示画面に大当りが発生していたことを表示して報知するように構成してもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、確変大当りである場合に一律に50パーセントの割合で確変図柄の大当り図柄を停止表示して確変状態となることを報知する場合を示したが、特別条件の成立の有無に応じて確変状態となることを報知する割合を異ならせてもよい。例えば、現在の遊技状態が確変状態であるときに大当りとなった場合に特別条件が成立しているものとして、確変状態でないときに大当りとなった場合とは異なる割合で確変図柄の大当り図柄を停止表示して確変状態となることを報知するようにしてもよい。以下、大当りが発生したときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて確変状態となることを報知する割合を異ならせる第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図62は、第2の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、ステップS8001〜S8008の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、ステップS8008で確変大当りであれば、演出制御用CPU101は、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを確認する(ステップS8009A)。なお、確変状態であるか否かは、具体的には、確変状態フラグ(ステップS684,S690参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。確変状態であれば、演出制御用CPU101は、確変大当り時の演出図柄の大当り図柄を決定するためのテーブルとして大当り図柄決定テーブルAを選択する(ステップS8009B)。一方、確変状態でなければ、演出制御用CPU101は、確変大当り時の演出図柄の大当り図柄を決定するためのテーブルとして大当り図柄決定テーブルBを選択する(ステップS8009C)。なお、この実施の形態では、大当り図柄決定テーブルAと大当り図柄決定テーブルBとで、確変図柄の大当り図柄を決定する割合と非確変図柄の大当り図柄を決定する割合とが異なるように、それぞれ判定値が割り振られている。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS8009B,S8009Cで選択した大当り図柄決定テーブルを用いて、大当り図柄決定用乱数にもとづく抽選処理を行い、演出図柄の停止図柄として非確変図柄または確変図柄の大当り図柄を決定する(ステップS8009D)。
例えば、確変状態であることにもとづいてステップS8009Bで選択した大当り図柄決定テーブルAを用いてステップS8009Dの抽選処理を実行した場合には30パーセントの低い確率で確変図柄の大当り図柄を決定して、確変状態であることを報知する割合を低くする一方で、確変状態でないことにもとづいてステップS8009Cで選択した大当り図柄決定テーブルBを用いてステップS8009Dの抽選処理を実行した場合には70パーセントの高い確率で確変図柄の大当り図柄を決定して、確変状態であることを報知する割合を高くする。そのようにすれば、確変状態でないときに最初に大当りとなる場合には高い割合で確変報知することによって遊技者が失望感を抱かないようにするとともに、確変状態に移行した後に大当りが発生した場合には確変状態が継続するのか否かの不安感を煽ることによって、演出効果を高めることができる。
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、逆に、確変状態であるときに大当りとなった場合に高い割合で確変報知するようにし、確変状態でないときに大当りとなった場合に低い割合で確変報知するように構成してもよい。
なお、ステップS8010〜S8016の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、特別条件が成立しているか否か(本例では、確変状態に制御されているときに大当りとなったか否か)に応じて異なる割合で特別遊技状態に制御されることを報知(本例では、確変報知)する。そのため、特別条件が成立したか否かによってゲーム性が変化するので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、確変状態に制御されているときに大当りとなったことにもとづいて特別条件が成立しているものとして確変報知する割合を異ならせる場合を示したが、特別条件は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、確変状態の継続中に確変大当りが連続して発生した回数をカウントし、その確変大当りの連続回数が所定回数(例えば、3回以上)となったことにもとづいて特別条件が成立したものとして確変報知する回数を異ならせるようにしてもよい。
また、例えば、特定のリーチ(例えば、スーパーリーチ)を伴う変動表示において大当りとなったときや、特定のリーチを伴う変動表示において連続して所定回数(例えば、3回以上)大当りとなったことにもとづいて特別条件が成立したものとして確変報知する回数を異ならせるようにしてもよい。
また、例えば、遊技状態が時短状態に制御されているときに大当りとなったことにもとづいて特別条件が成立したものとして確変報知する回数を異ならせるようにしてもよい。
実施の形態3.
第1の実施の形態〜第2の実施の形態で示した構成に、さらに可変入賞球装置200内の特定口の通過履歴に応じて特定演出を実行するように構成してもよい。例えば、見た目上のラウンド数が所定回(例えば、3回)連続して獲得価値期待度の最も低い5ラウンドに決定された場合に特定演出を実行するように構成してもよい。以下、見た目上のラウンド数が所定回(例えば、3回)連続して獲得価値期待度の最も低い5ラウンドに決定された場合に特定演出を実行する第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図63は、第3の実施の形態におけるラウンド数設定処理(ステップS305)を示すフローチャートである。ラウンド数設定処理において、ステップS1300〜S1309の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、ステップS1309Bでラウンド数設定中フラグや、振分部材可動中フラグ、可動間隔計測タイマをリセットすると、演出制御用CPU101は、決定した見た目上のラウンド数が5ラウンドであるか否かを確認する(ステップS1309C)。見た目上のラウンド数を5ラウンドに決定した場合でなければ、演出制御用CPU101は、連続して見た目上のラウンド数を5ラウンドに決定した回数をカウントするための5ラウンド連続カウンタの値をクリアし(ステップS1309D)、ステップS1310に移行する。
見た目上のラウンド数を5ラウンドに決定した場合であれば、演出制御用CPU101は、5ラウンド連続カウンタの値を1加算する(ステップS1309E)とともに、加算後の5ラウンド連続カウンタの値が3以上となっているか否かを確認する(ステップS1309F)。5ラウンド連続カウンタの値が3以上でなければ、ステップS1310に移行する。5ラウンド連続カウンタの値が3以上となっていれば(すなわち、見た目上のラウンドを3回以上連続して5ラウンドに決定している場合であれば)、演出制御用CPU101は、5ラウンド連続用の大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1309G)。
なお、ステップS1310〜S1313の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図64は、第3の実施の形態における大当り前演出処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り前演出処理において、ステップS8201〜S8212の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、ステップS8205で大当り開始指定コマンド受信フラグ(ファンファーレフラグ)がセットされたときには、演出制御用CPU101は、5ラウンド連続用の大当り開始指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8213A)。なお、具体的には、ステップS8205で確認したファンファーレフラグが5ラウンド連続用の大当り開始指定コマンドを受信したことに対応したファンファーレフラグであったか否かを確認することにより判定できる。5ラウンド連続用の大当り開始指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、5ラウンド連続用のファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS8213B)。一方、5ラウンド連続用の大当り開始指定コマンドを受信した場合でなければ、演出制御用CPU101は、通常のファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS8213C)。
なお、ステップS8214〜S8215の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、5ラウンド連続用の大当り開始指定コマンドを受信した場合には、ステップS8213Bで選択した5ラウンド連続用のファンファーレ演出に応じたプロセスデータに従って大当り表示処理のステップS1903の処理が実行されることによって、5ラウンド連続用のファンファーレ演出(特定演出)が実行される。
図65は、第3の実施の形態における5ラウンド連続用のファンファーレ演出(特定演出)の演出態様の具体例を示す説明図である。図65に示すように、この実施の形態では、見た目上のラウンド数が3回以上連続して5ラウンドとすることに決定された場合には、演出表示装置9の表示画面において、所定のキャラクタを登場させるとともに、「次はガンバレ!」や「3連続5R・・・」などの文字列を含む表示画面を表示し、通常のファンファーレ演出とは異なる態様の演出を実行する。
なお、見た目上のラウンド数が4回や5回連続した場合には、例えば、「4連続5R・・・」や「5連続5R・・・」などの文字列を含む表示画面を表示するようにしてもよい。また、この実施の形態では、見た目上のラウンド数が3回以上連続して5ラウンドに決定された場合に毎回5ラウンド連続用のファンファーレ演出を実行する場合を示しているが、見た目上のラウンド数がある特定の回数(例えば、3回)連続したときのみ5ラウンド連続用のファンファーレ演出を実行するように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、特定遊技状態(本例では、大当り遊技状態)に制御される際の特定領域(本例では、可変入賞球装置200内の特定口A201および特定口B202)の遊技球の通過履歴(本例では、3回以上連続して見た目上のラウンド数が5ラウンドに決定されたこと)にもとづいて特定演出(本例では、5ラウンド連続用のファンファーレ演出)を実行する。そのため、遊技者の操作に応じて特定演出が実行される場合があるので、遊技者の操作に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、特定演出として5ラウンド連続用のファンファーレ演出を実行する場合を示したが、特定演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド中演出やエンディング演出においてプレミアな画像を表示するなどの態様で特定演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技球の通過履歴として、特定口A201を遊技球が通過した場合と特定口B202を遊技球が通過した場合とを区別することなく、3回以上連続して見た目上のラウンド数が5ラウンドに決定されたことにもとづいて特定演出を実行する場合を示したが、特定演出を実行する遊技球の通過履歴の条件は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、獲得価値期待度の偏差が大きい特定口B202に遊技球が通過したことにもとづいて決定された見た目上のラウンド数が所定回数以上(例えば、3回以上)連続して5ラウンドであったことにもとづいて特定演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、見た目上のラウンド数が獲得価値期待度の低い5ラウンドに所定回数以上(本例では、3回以上)連続して決定されたことにもとづいて特定演出を実行する場合を示したが、逆に、獲得価値期待度の高い15ラウンドに所定回数以上(本例では、3回以上)連続して決定されたことにもとづいて特定演出を実行するように構成してもよい。
また、例えば、同じ特定口を所定回数(例えば、5回)連続して遊技球が通過したことにもとづいて(すなわち、遊技者が同じ特定口を所定回数連続して狙って遊技球が通過させたことにもとづいて)、その5回目の大当り遊技の終了時に特定演出として専用のエンディング演出を実行するように構成してもよい。
また、上記のような態様以外にも、特定口の遊技球の通過履歴にもとづいて条件成立と判断して特定演出を実行したり、大当りの発生履歴にもとづいて条件成立と判断して特定演出を実行したり、特定口の遊技球の通過履歴や大当りの発生履歴、見た目上のラウンド数の決定履歴を様々に組み合わせて条件成立と判断して特定演出を実行したりするなど、様々な態様が考えられる。
実施の形態4.
第1の実施の形態〜第3の実施の形態で示した構成に、さらに大当り図柄が停止表示されている場合でないにもかかわらず可変入賞球装置200内のいずれかの特定口での遊技球の通過を検出した場合に、打球方向を左方向に戻すことを促す態様の所定演出を実行するように構成してもよい。以下、大当り図柄が停止表示されている場合でないにもかかわらず可変入賞球装置200内のいずれかの特定口での遊技球の通過を検出した場合に所定演出を実行する第4の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図66は、第4の実施の形態におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。図66に示すように、この実施の形態では、タイマ割込処理において、CPU56は、第1の実施の形態で示した処理に加えて、可変入賞球装置200内のいずれかの特定口を遊技球が通過したことを検出する処理を実行する(特定口入賞検出処理:ステップS29B)。
図67は、第4の実施の形態における特定口入賞検出処理(ステップS29B)の処理例を示すフローチャートである。特定口入賞検出処理において、CPU56は、特定口Aスイッチ201aまたは特定口Bスイッチ202bのいずれかのオン状態を検出すると(ステップS3101のY,S3102のY)、可変入賞球装置200内のいずれかの特定口を遊技球が入賞(通過)したことを指定する特定口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS3103)。
なお、この実施の形態では、特定口A201を遊技球が通過した場合と特定口B202を遊技球が通過した場合とで共通の特定口入賞指定コマンドを送信する場合を示しているが、特定口A201を遊技球が通過した場合と特定口B202を遊技球が通過した場合とで異なるコマンドを送信するように構成してもよい。
図68は、第4の実施の形態における演出制御用CPUが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出制御メイン処理において、演出制御用CPU101は、第1の実施の形態で示した処理に加えて、大当り図柄が停止表示されていないときに可変入賞球装置200内の特定口での遊技球の通過を検出したことにもとづいて特定口入賞時演出を行う特定口入賞時演出処理を実行する(ステップS708)。
図69は、第4の実施の形態における特定口入賞時演出処理(ステップS708)の処理例を示すフローチャートである。特定口入賞時演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、特定口入賞指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS5001)。特定口入賞指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値が大当り前演出処理に対応した値(本例では4)となっているか否かを確認する(ステップS5002)。
そして、演出制御プロセスフラグの値が大当り前演出処理に対応した値であれば、そのまま処理を終了する。すなわち、この場合、大当り図柄を停止表示した後の大当り遊技を開始するまでの期間に特定口A201または特定口B202での遊技球の通過を検出した場合であるので、遊技者が可変入賞球装置200を狙うべき期間であることを正しく認識して遊技をしている場合である。従って、そのまま処理を終了する。
一方、演出制御プロセスフラグの値が大当り前演出処理に対応した値でなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において、打球方向を左方向に戻すことを促す旨の表示を重畳表示する制御を行う(ステップS5003)。すなわち、この場合、大当り図柄が停止表示した後の大当り遊技を開始するまでの期間以外の期間であり、遊技領域7の左方向を狙って遊技球を発射して始動入賞口13,14や大入賞口への入賞を狙うべき期間であるから、遊技者に対して打球方向を変更させるべく、打球方向を左方向に戻すことを促す旨の表示を行う所定演出を実行する。
図70は、第4の実施の形態における打球方向を左方向に戻すことを促す旨の表示を行う所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。例えば、ステップS5003の処理が実行されることによって、図70(A)に示すように、演出表示装置9の表示画面において、「左に戻してください」などの文字列を重畳表示させることによって、遊技者に打球方向を左方向に変更することを促すようにすればよい。また、所定演出の態様は、遊技者に打球方向を促すものであれば、様々な態様が考えられ、例えば、図70(B)に示すように、所定のキャラクタを登場させるとともに、「右を狙ったらダメだよ」などの文字列を重畳表示させることによって遊技者に打球方向の変更を促すようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、所定条件(例えば、当り図柄を導出表示させることや、特定の期間(例えば、変動時間等)が経過した後に特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて大当り遊技状態への移行を許容すること)が成立していないときに特定領域(本例では、可変入賞球装置200内の特定口A201および特定口B202)を遊技球が通過したことにもとづいて所定演出(本例では、図70に示すような打球方向を左方向に戻すことを促す旨の表示を行う演出)を実行する。そのため、所定条件が成立していなければ特定遊技状態(本例では、大当り遊技状態)が発生しないことを遊技者により認識させることができる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では、大当り図柄を停止表示した後の大当り遊技を開始するまでの期間であるかを区別することなく、特定口A201または特定口B202での遊技球の通過を検出した場合には一律に特定口入賞指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、特定口入賞指定コマンドを受信したときに、大当り図柄を停止表示した後の大当り遊技を開始するまでの期間であるかを判定して所定演出を実行する場合を示したが、この実施の形態で示した処理方法にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、特定口A201または特定口B202での遊技球の通過を検出したときに、大当り図柄を停止表示した後の大当り遊技を開始するまでの期間であるか否かを判定するようにし(例えば、特別図柄プロセスフラグの値がラウンド数設定処理中であることを示す5であるか否かを判定し)、大当り図柄を停止表示した後の大当り遊技を開始するまでの期間以外の期間であると判定した場合にのみ、特定口入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定口入賞指定コマンドを受信したことにもとづいて、そのまま所定演出を実行するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図5に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態で示した大当り図柄を停止表示した後に特定口を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技を開始する構成は、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した大当り図柄を停止表示した後に特定口を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技を開始する構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。そのような封入循環式のパチンコ機において、上記に示した各実施の形態の構成を適用し、大当り図柄を停止表示した後に特定口を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技を開始するように構成したり、いずれの特定口を遊技球が通過したかに応じて見た目上のラウンド数を決定するように構成したりしてもよい。