JP2013538573A - 黄色ブドウ球菌特異的なヒト組換えポリクローナル抗体およびその使用 - Google Patents

黄色ブドウ球菌特異的なヒト組換えポリクローナル抗体およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2013538573A
JP2013538573A JP2013527358A JP2013527358A JP2013538573A JP 2013538573 A JP2013538573 A JP 2013538573A JP 2013527358 A JP2013527358 A JP 2013527358A JP 2013527358 A JP2013527358 A JP 2013527358A JP 2013538573 A JP2013538573 A JP 2013538573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
amino acid
acid sequence
cdr2
cdr1
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2013527358A
Other languages
English (en)
Inventor
ビンセント ダブリュー. コルジー,
Original Assignee
エクセリミューン, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エクセリミューン, インコーポレイテッド filed Critical エクセリミューン, インコーポレイテッド
Publication of JP2013538573A publication Critical patent/JP2013538573A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/12Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria
    • C07K16/1267Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-positive bacteria
    • C07K16/1271Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-positive bacteria from Micrococcaceae (F), e.g. Staphylococcus
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
    • A61K2039/507Comprising a combination of two or more separate antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/21Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin from primates, e.g. man
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/55Fab or Fab'

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

メチシリン耐性株などの1つまたは複数の黄色ブドウ球菌株に結合するヒト抗体について開示する。また、ヒト組換えポリクローナル抗体組成物および該抗体を使用した治療方法についても開示する。本発明の特定の実施形態では、1つまたは複数のS.aureus株に個々に結合する少なくとも3つの異なるヒト抗体を含む1つまたは複数の黄色ブドウ球菌株に結合するヒト組換えポリクローナル抗体組成物が提供される。本発明の別の実施形態では、1つまたは複数のS.aureus株に個々に結合する少なくとも5つの異なるヒト抗体を含む、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物が提供される。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本願は、2010年9月2日に出願された米国仮特許出願第61/379,580号、および2010年9月8日に出願された米国仮特許出願第61/380,934号の利益および優先権を主張し、各出願の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
本発明の分野は、分子生物学、免疫学および感染疾患である。より具体的には、本分野は、抗黄色ブドウ球菌抗体および治療ヒト組換えポリクローナル抗体である。
黄色ブドウ球菌(S.aureus)の抗生剤耐性株が増加中であり、院内環境において、および全般的な地域において次第に、健康上の主な懸念事項となっている。メチシリン耐性S.aureus(MRSA)は、現在、米国において主な感染疾患による死因であり、HIV/AIDSおよび結核合併症による死亡率を凌ぎつつある。侵襲性MRSA感染による死亡率は、現在、20%である(非特許文献1)。S.aureus耐性型は、新規クラスの抗生剤をそれぞれ導入して数年以内に出現している(非特許文献2;非特許文献3)。例えば、過去10年間において、バンコマイシン耐性S.aureus(VRSA)、およびバンコマイシン媒介性耐性S.aureus(VISA)の初例が報告されている。現状の新規抗生剤の研究開発を考慮すると、耐性株に対処する新規抗生剤を開発する我々の能力より急速に細菌耐性が増加している(非特許文献4;非特許文献5)。したがって、次第に無効となる治療に替わる代替療法が必要とされている。
最近の研究により、S.aureus感染者は有機体に対して様々な体液性免疫反応を示すことが示されている(非特許文献6;非特許文献7)。同様に、S.aureusエキソプロテオーム研究により、抗原と同じスペクトルを発現する株は少なく、株間に発現する共通抗原でさえ、類似しない一時的な発現パターンで幅広く異なるレベルで発現する場合があることが示されている(非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10)。
S.aureus株間で保有され、S.aureusの溶血活性における役割を果たすと思われる1つのペプチドは、デルタ−溶血素(δ−HL;デルタ毒素としても知られている)である。最近の試験により、デルタ毒素の溶血活性は、細胞膜の脂質ラフト領域との相互作用により調節される場合があることが示されている(非特許文献11)。デルタ毒素の他に、さらに6つの小細胞溶解性ペプチドが識別されている。これらのペプチドは、ゲノム分析により識別された(非特許文献12)。該ペプチドは、Wang et al. (2007)(非特許文献12)により試験された全株を代表し、市中感染型(CA)MRSA株発現レベルがより高かった。これらのペプチド発現は、理論上、院内感染型(HA)株より毒性の高いCA−MRSA株による一手段であると理論上想定される。様々なインビトロモデルおよびインビボモデルにおいて、6つの細胞溶解性ペプチドのいずれかの欠失により、MRSA株の毒性が低下している(非特許文献12)。
したがって、S.aureus感染の治療および/または予防のために使用できる改善された治療薬が必要とされている。
Heron, M.P. et al., 2008. 56: p. 1−52 Kirby, W.M., Science (1944) 99:452−453 Boucher, H.W. et al., Clin Infect Dis (2009) 48:1−12 Boucher, H.W. and G. Sakoulas, Clin Infect Dis (2007) 45:601−8 Walsh, C., Nat Rev Microbiol (2003) 1:65−70 Verkaik, N.J. et al., Eur J Clin Microbiol Infect Dis (2010) 29:509−18 Verkaik, N.J. et al., Clin Infect Dis (2010) 50:61−8 von Eiff, C. et al., Diagn Microbiol Infect Dis (2004) 49:157−62 Bania, J. et al., Int J Food Microbiol (2006) 108: 36−41 Ziebandt, A.K. et al., Proteomics (2010) 10:1634−44 Pokorny, A. and P.F. Almeida, Biochemistry (2005) 44(27): 9538−44 Wang, R. et al., Nature Medicine (2007) 13: 1510−1514
本発明は、1つまたは複数のS.aureus株に結合するヒトポリクローナル抗体組成物の発見に部分的に基づく。1つの態様では、開示のポリクローナル抗体組成物は、1つまたは複数のS.aureus株に個々に結合する少なくとも3つの異なるヒト抗体を含む。ある実施形態では、開示のポリクローナル抗体組成物は少なくとも3つの異なるS.aureus株に結合する。本明細書に記載の例示的なポリクローナル抗体は、ポリクローナル抗体組成物の各抗体のCDRに基づき特異的なS.aureus結合部位を含む。ポリクローナル抗体組成物の各抗体は、S.aureus毒性(例えば、デルタ毒素)に関与することが知られているかまたは関与する可能性の高いタンパク質に結合してもよく、または、代替として、過去に特性付けされていないS.aureus標的タンパク質に結合してもよい。開示のヒトポリクローナル抗体組成物は、S.aureus毒素、細胞表面抗原および/または免疫調整抗原の活性を中和することができる。例示的実施形態では、開示のヒトポリクローナル抗体組成物は、1つまたは複数のS.aureus株上に存在する複数のS.aureusタンパク質に対する活性の中和された広域スペクトル治療抗体である。ある実施形態では、開示の組換えポリクローナル抗体組成物は、天然ヒト免疫反応を模倣する。開示の組換えポリクローナル抗体組成物は、毒性因子範囲に対して保護を提供することが本明細書において企図される。かかるポリクローナル抗体は、抗生剤耐性S.aureus株などのS.aureus感染を治療する治療薬として使用することができる。
さらに本明細書では、抗生剤耐性株(例えば、MRSA)を含む1つもしくは複数のS.aureus株に特異的結合する、単離された各ヒト抗体またはその抗原結合断片について開示する。1つの実施形態では、本明細書に記載の単離されたヒト抗体は、S.aureusデルタ毒素(例えば、抗体5.6.H9および抗体5.55.D2)に結合する(例えば、特異的結合する)。別の実施形態では、本明細書に記載の単離されたヒト抗体は、毒素フェノール可溶性モジュリンβ−1(例えば、抗体22.18A.E9)に結合する(例えば、特異的結合する)。
本発明のこれらおよび他の態様および利点は、以下の図、発明を実施するための形態、および特許請求の範囲を考慮すると明らかとなるであろう。本明細書で使用される場合、「含む」とは限定しないことを意味し、引用例は非限定的である。
本発明は、以下の図を参照してより完全に理解できる。
(先行技術)。典型的な天然抗体の図式である。天然抗体は、4本のポリペプチド鎖を含む多量体タンパク質である。2本のポリペプチド鎖は重鎖(H鎖)と呼ばれ、2本のポリペプチド鎖は軽鎖(L鎖)と呼ばれる。免疫グロブリン重および軽鎖は、鎖内ジスルフィド結合により対合している。免疫グロブリン重鎖は、鎖内ジスルフィド結合により連結している。軽鎖は、1つの可変領域(V)と1つの定常領域(C)からなる。重鎖は、1つの可変領域(V)と少なくとも3つの定常領域(CH、CHおよびCH)からなる。可変領域は、抗体特異性を決定する。可変領域はそれぞれ、4つの比較的保有されているフレームワーク領域(FR)に挟まれた相補性決定領域(CDR)としても知られている3つの超可変領域を含む。3つのCDRは、CDR、CDR、およびCDRと呼ばれ、抗体結合特異性に寄与する。 単離された完全ヒト抗体の代表的なプレート(プレート5.6)データを示す一連のパネルである。図2Aは、クローニングを対象としたCD38+/CD19+血漿細胞集団を示す代表的なFACS分析である。図2Bは、96ウェルプレート内の各血漿細胞からの増幅した可変重および軽抗体遺伝子を示す。図2Cは、大部分の増幅した抗体同族対はクローン化され、抗体を発現できることを示す抗体発現ELISA由来の代表的なデータを示す。図2Dおよび図2Eは、ELISAアッセイのスクリーニングからのデータを示し、図2DにおいてウェルH9をS.aureusタンパク質陽性としてスコア化し、図2EにおいてウェルH2およびA12を陽性としてスコア化した。図2Fに示すELISAにおける複数の複製を用いてヒットを確認した。 5つの抗体の抗S.aureus組換えポリクローナル抗体混合物が、生S.aureus(市中感染型MRSA株、USA300)3.5×10CFUまたは5×10CFU(◇、5つの抗体組成物3.5×10CFU;□、5つの抗体組成物5×10CFU;▲、PBS 3.5×10CFU(陰性対照);ならびにx、バンコマイシン2×10CFU(陽性対照))投与からマウスを保護することができることを示すグラフである。 5つの抗体の抗S.aureus組換えポリクローナル抗体混合物の1mg/kg用量で、マウスにおける生S.aureus細菌投与(市中感染型MRSA株、USA300)のLD50曲線が72時間目にシフトすること(例えば、S.aureus感染耐性を高めること)を示すグラフである(◆、PBS LD50=2.75×10CFU;○、5つの抗体組成物LD50=5.0×10CFU)。 7つの抗体の抗S.aureus組換えポリクローナル抗体混合物が、生S.aureus(メチシリン感受性S.aureus株、Wood−46)2×10CFUまたは4×10CFU(◇、7つの抗体組成物2×10CFU;■、7つの抗体組成物4×10CFU;○、PBS 2×10CFU(陰性対照);▲、PBS 4×10CFU(陰性対照);ならびにx、バンコマイシン4×10CFU(陽性対照))投与からマウスを保護することができることを示すグラフである。 7つの抗体の抗S.aureus組換えポリクローナル抗体混合物の1mg/kg用量で、マウスにおける生S.aureus細菌投与(メチシリン感受性S.aureus株、Wood−46)のLD50が72時間目にシフトすること(例えば、S.aureus感染耐性を高めること)を示すグラフである(◆、PBS LD50=1.8×10CFU;○、7つの抗体組成物LD50=3.75×10CFU)。 5つ、10および19抗体の抗S.aureus組換えポリクローナル抗体混合物が、生S.aureus(USA300)1×10CFU(□、5つの抗体組成物#2、1×10CFU;x、5つの抗体組成物#3、1×10CFU;●、10抗体組成物1×10CFU;◇、19抗体組成物1×10CFU;ならびに▲、PBS 1×10CFU(陰性対照))投与からマウスを保護できることを示すグラフである。 様々なS.aureus株と反応する抗S.aureus抗体数を示すグラフである。 Wood−46 S.aureus株細胞表面への結合能を有する抗S.aureus組換えポリクローナル抗体混合物が、細菌をオプソニン化する白血球の能力を増強することができることを示すグラフである。
本明細書に開示するヒト組換えポリクローナル抗S.aureus抗体組成物は、1つまたは複数のS.aureus株の結合および中和活性に基づき選択されたあるヒト抗体の抗原結合部位に部分的に基づく。「抗S.aureusポリクローナル抗体」および「抗S.aureus組換えポリクローナル抗体」という用語は、ポリクローナル組成物の各メンバがS.aureusまたはS.aureus分泌タンパク質(例えば、毒素または免疫モジュレーター)または細胞表面抗原上の少なくとも1つのエピトープへ結合可能であり、ポリクローナル組成物が全体としてS.aureus中和可能である、組換え産生した多様な抗体分子の組成物について表す。例示的実施形態では、抗S.aureusポリクローナル抗体はS.aureusならびに/または1つもしくは複数の抗生剤耐性S.aureus株を中和する。開示の抗S.aureusポリクローナル抗体は、S.aureusまたはその変異株に結合しない免疫グロブリン分子から本質的に遊離している(例えば、ポリクローナル組成物に含まれる抗体の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%が1つまたは複数のS.aureus株に結合する)ことが企図される。
本明細書に記載のように、抗S.aureus組換えポリクローナル抗体組成物に含まれる抗体の多様性は、S.aureus感染を予防または治療するためにポリクローナル抗体組成物を低用量で投与してよいため、モノクローナルおよび2クローン性(例えば、2つのモノクローナル抗体混合物)抗体に勝る驚くべき便益を提供する。例えば、ポリクローナル組成物中の各成分抗体の相乗効果は、ポリクローナル組成物を従来のモノクローナル抗体療法にて可能なものより低用量で効果的にさせることが本明細書において企図される。さらに、ポリクローナル抗体組成物は複数の異なるタンパク質に結合するため、組成物は全体として、S.aureus感染を予防または治療するために各抗体それぞれより低量で使用できる。さらに、モノクローナルまたは2クローン性抗体組成物とは異なり、ポリクローナル抗体組成物には、単剤または数剤の薬剤に対する薬剤耐性の出現(例えば、モノクローナル抗体の作用様式の一価性質に起因するS.aureus株耐性出現)に関する同じ懸念が存在しない。ポリクローナル抗体組成物中のヒト抗体の使用はまた、ポリクローナル組成物の複合体性質のために、完全ヒトモノクローナル抗体でさえ、モノクローナル抗体ほど免疫反応を惹起しないことも本明細書において企図される。
開示のポリクローナル抗体の中和活性を考慮して、それらは、宿主細胞内の抗生剤耐性S.aureus株を含む1つもしくは複数のS.aureus株の増殖および/もしくはコロニー化;抗生剤耐性S.aureus株を含む1つもしくは複数のS.aureus株の低減もしくは殺菌;ならびに/または哺乳類における抗生剤耐性株感染などのS.aureus感染の治療もしくは予防の調整に有用である。抗S.aureusポリクローナル抗体は、多価様式でS.aureus抗原に結合してよく、これは相乗的中和、改善されたマクロファージによる感染細胞の食作用、感染細胞に対する改善された抗体依存性細胞障害(ADCC)、および/または高まった相補性活性に至る場合がある。S.aureusは様々な抗原を標的とし、それによって、免疫系(例えば、オプソニン化)能力を増強し、これらの細菌を除去する多面性抗体アプローチを使用して中和される場合がある多面性病原菌であることが本明細書において企図される。
1つの実施形態では、組換えポリクローナル抗体の多様性は、ポリクローナル抗体組成物中の各抗体の可変領域(例えば、VおよびV領域)、特に、免疫グロブリン重鎖および/または軽鎖のCDR、CDR、およびCDR領域中に位置する。例えば、ポリクローナル抗体組成物の各抗体は、(a)CDRH1−CDRH2−CDRH3構造を含む免疫グロブリン重鎖可変領域および(b)CDRL1−CDRL2−CDRL3構造を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含み、該重鎖可変領域および軽鎖可変領域は共に、S.aureus抗原またはS.aureus抗原性エピトープへの結合による1つまたは複数のS.aureus株への結合において単一の結合部位を定義する。ポリクローナル組成物の各抗体はまた、S.aureus分泌タンパク質に結合してもよく、分泌タンパク質上の抗原性エピトープに結合してもよい。いくつかの実施形態では、ポリクローナル組成物の他のいずれのメンバとも結合しないエピトープにポリクローナル組成物の各抗体はそれぞれ結合する。他の実施形態では、1つまたは複数のS.aureus抗原または抗原性エピトープは、ポリクローナル組成物の複数の各抗体と結合してよい。
組換えポリクローナル抗体組成物の各抗体分子は、その可変領域配列(すなわち、VおよびV領域)、または免疫グロブリン重鎖および軽鎖のそのCDR、CDR、およびCDR領域によって特徴付けられてよい。ポリクローナル組成物の各抗体がそれらの重鎖および軽鎖CDR領域により定義される場合、CDR領域はヒト免疫グロブリンフレームワーク領域(FR)間に介入することが企図される。
上に論じられる抗体はそれぞれ、無傷の四量体抗体とすることができることが理解される。あるいは、抗体は、抗体の抗原結合断片とすることができる。抗体断片としては、Fab、Fab’、F(ab’)、およびFv断片、ならびに単鎖抗体(例えば、scFv)が挙げられる。
抗体またはその抗原結合断片は、標準的なインビトロ接合化学反応を使用してエフェクター剤(低分子毒素、薬剤、または放射核種など)に抱合体化されてもよい。エフェクター剤がポリペプチドである場合、抗体はエフェクターに化学的に抱合体化するかまたは融合タンパク質としてエフェクターに結合することができる。融合タンパク質の構築は、当該技術の範囲内である。
ヒト抗体は、1つまたは複数のS.aureus株への結合に基づき選択される。ポリクローナル組成物の各抗体は、凝固酵素、ロイコシジン(Luk)、パントン・バレンタイン(Panton−Valentine)ロイコシジン(PVL)、アウレオリシン、スタフィロキナーゼ(SAK)、ベータ−溶血素(β−HL)、デルタ−溶血素(δ−HL)、ガンマ−溶血素(γ−HL)、アルファ−毒素(α−毒素)、黄色ブドウ球菌相補性阻害剤(SCIN)、エンテロトキシン、および接着剤(例えば、クランピング因子A(ClfA)、クランピング因子B(ClfB)、フィブロネクチン結合タンパク質(FnbpA)、およびフィブロネクチン結合タンパク質B(FnbpB)などが挙げられるが、これらに限定されないS.aureus毒性関連タンパク質に結合する場合がある。S.aureus抗体による結合のためのさらなるS.aureus標的タンパク質としては、SdrD(フィブリノーゲン結合クランピング因子ClfAおよびClfBに類似した組織および配列とセリン−アスパラギン酸塩(SD)反復を含む細胞表面タンパク質)、IsaA、Aux1(トランス膜タンパク質ホスファターゼ)、およびLP309(リポタンパク質)が挙げられる。開示の抗体はまた、特徴付けされていないS.aureusタンパク質に結合してもよい。
ある実施形態では、抗S.aureusポリクローナル抗体は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25またはそれ以上のS.aureusタンパク質に結合する。例示的実施形態では、抗S.aureusポリクローナル抗体は、少なくとも3つのS.aureusタンパク質に結合する。ある実施形態では、3つのタンパク質は、細胞表面抗原、S.aureusによって産生した毒素および/または免疫モジュレーターを含んでよい。1つの実施形態では、抗S.aureusポリクローナル抗体は、1つもしくは複数のS.aureus株ならびに1つもしくは複数のS.aureus株によって産生した毒素上の少なくとも1つの細胞表面抗原に結合する。別の実施形態では、抗S.aureusポリクローナル抗体は、1つもしくは複数のS.aureus株ならびに1つもしくは複数のS.aureus株によって産生した免疫モジュレーター上の少なくとも1つの細胞表面抗原に結合する。さらに別の実施形態では、抗S.aureusポリクローナル抗体は、1つもしくは複数のS.aureus株によって産生した少なくとも1つの毒素ならびに1つもしくは複数のS.aureus株によって産生した1つの免疫モジュレーターに結合する。ある実施形態では、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、10、15、20、25またはそれ以上のタンパク質が複数のS.aureus株上にある。開示の抗S.aureus抗体組成物の広域スペクトル性質は、複数のS.aureus株(例えば、保存されたタンパク質)上に存在するタンパク質に結合する各抗体の含有に起因する場合があることが本明細書において企図される。さらに、開示のポリクローナル抗体の広域スペクトル有効性は、1つまたは2つのみのS.aureus株関連抗原に結合するある抗体の含有に起因する場合がある。
抗S.aureusポリクローナル抗体組成物はまた、S.aureusの予防接種済またはこれに感染したドナー(例えば、ヒト)の免疫反応により増加した各抗体からも構成されてもよい。さらに、特定抗原に対する抗体がS.aureus感染の予防、中和および/または除去において関連するおよび/または効果的であることが知られている場合、かかる抗体は、特定抗原を用いたドナーの免疫化により増加する場合がある。
開示の組換えポリクローナル抗体は、ヒト血液から単離される天然抗体ではないことが本明細書において企図される。本明細書に記載の例示的な組換えポリクローナル抗体は抗体混合物であり、各抗体はそれぞれ、細胞と天然で関連しない抗体コード配列を含む発現ベクターでトランスフェクションされた細胞または細胞系から発現する場合がある。
本明細書に開示するヒト組換えポリクローナル抗S.aureus抗体は、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも7つ、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25またはそれ以上の抗体を含んでよい。例示的な実施形態では、本明細書に開示する組換えポリクローナル抗体は、約3〜約30抗体、約3〜約25抗体、約3〜約20抗体、約3〜約15抗体、約3〜約10抗体、約3〜約5抗体、約5〜約30抗体、約5〜約25抗体、約5〜約20抗体、約5〜約15抗体、約5〜約10抗体、約8〜約30抗体、約8〜約25抗体、約8〜約20抗体、約8〜約15抗体、約8〜約10抗体、約10〜約30抗体、約10〜約25抗体、約10〜約20抗体、約10〜約15抗体、約15〜約25抗体、約15〜約20抗体、約20〜約25抗体、および約25〜約30抗体を含んでよい。
ポリクローナル抗S.aureus抗体は、本明細書に開示する以下の抗体、1.62.B9、5.11.H10、5.6.H2、5.6.H9、5.17.F8、5.19.F12、5.23.C9、5.23.C12、5.27.A11、8.51.G11、9.51.H9、18.43.D8、22.22.E7、8.51.G10、5.24A.A7、5.24A.F3、5.8B.H4、26.51.E1、22.21.A7、22.18A.E9、5.52.H10、5.15.C1、5.54.E6、5.55.D2、22.14.A1、26.53.B4、5.63.E2、5.64.G4、43.52.A11、43.52.E12および43.62.E2の2つ、3つ、4つ、5つ、10またはそれ以上から免疫グロブリン重鎖および軽鎖可変領域または、重鎖および軽鎖CDR領域を含んでよく、開示の抗体はそれぞれ表3に説明される免疫グロブリン重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、CDR3配列を含む。例えば、抗体5.6.H9は、配列番号38の免疫グロブリン重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、およびCDR3配列ならびに配列番号40の免疫グロブリン軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む。また、表3に開示のように、例えば、抗体5.6.H9は、配列番号41のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号42のアミノ酸配列を含むCDRH2および配列番号43のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖;ならびに配列番号44のアミノ酸配列を含むCDRL1、DASのアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号45のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖を含む。
本明細書に開示する2つの抗体を含む例示的な組換えポリクローナル抗体組成物を表1に示す。

本明細書に開示する3つの抗体を含む例示的な組換えポリクローナル抗体組成物としては、5.6.H9、22.18A.E9および5.55.D2;5.6.H9、22.18A.E9および9.51.H9;5.6H9、22.18A.E9および5.11.H10;5.6H9、22.18A.E9および5.23.C12;5.6.H9、22.18A.E9および5.52.H10;5.6.H9、22.18A.E9および18.43.D8;5.6H9、22.18A.E9および8.51 G10;5.6.H9、22.18A.E9および8.51.G11が挙げられる。
開示の組換えヒトポリクローナル抗体組成物は、例えば、実施例4に記載する条件下で、1つまたは複数のS.aureus株への結合において開示の抗体のうちの1つと競合する1つまたは複数の抗体を含む場合があることもまた本明細書において企図される。開示の抗体への結合において抗体と競合するかどうか決定するための例示的なS.aureus株としては、ATCC株BAA−1717(USA300としても知られている)、ATCC株10832(Wood−46としても知られている)、NRS071(Sanger252としても知られている)、NRS100(COLとしても知られている)、NRS382(626株としても知られている)、NRS384(LACとしても知られている)、NRS123(MW2としても知られている)、NRS001(Mu50としても知られている)、NRS072(Sanger476としても知られている)、NRS102(Reynoldsとしても知られている)、NRS111(FRI913としても知られている)、NRS144(RN4220としても知られている)およびUSA300が挙げられる。他の例示的なS.aureus株としては、USA100、USA200、USA400およびUSA500タイプが挙げられる。
開示のポリクローナル抗体組成物は、少なくとも3つの異なるS.aureus株に結合することが本明細書において企図される。例えば、例示的な実施形態では、開示のポリクローナル抗体組成物は、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、または少なくとも12の異なるS.aureus株、例えば、表4に識別された株に結合する。
1つの実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号38の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号40の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.6.H9と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.6.H9を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号173の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号175の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む22.18A.E9と、1つもしくは複数のS.aureusへの結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、22.18A.E9を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号11の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号13の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.11.H10と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.11.H10を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号20の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号22の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.27.A11と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.27.A11を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号47の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号49の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.17.F8と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.17.F8を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号56の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号58の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.19.F12と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.19.F12を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号65の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号67の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.23.C9と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.23.C9を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号74の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号76の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.23.C12と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.23.C12を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号83の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号85の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む8.51.G11と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、8.51.G11を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号92の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号94の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む9.51.H9と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、9.51.H9を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号101の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号103の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む18.43.D8と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、18.43.D8を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号110の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号112の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む22.22.E7と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、22.22.E7を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号149の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号151の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む8.51.G10と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、8.51.G10を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号153の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号155の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.24A.A7と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.24A.A7を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号157の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号159の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.24A.F3と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.24A.F3を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号161の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号163の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.8B.H4と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.8B.H4を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号165の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号167の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む26.51.E1と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、26.51.E1を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号169の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号171の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む22.21.A7と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、22.21.A7を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号177の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号179の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.52.H1と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.52.H1を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号181の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号183の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.15.C1と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.15.C1を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号185の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号187の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.54.E6と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.54.E6を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号189の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号191の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.55.D2と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.55.D2を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号193の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号195の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む22.14.A1と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、22.14.A1を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号197の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号199の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む26.53.B4と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、26.53.B4を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号201の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号203の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.63.E2と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.63.E2を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号205の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号207の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む5.64.G4と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、5.64.G4を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号209の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号211の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む43.52.A11と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、43.52.A11を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号213の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号215の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む43.52.E12と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、43.52.E12を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の実施形態では、本明細書に提供する抗体は、配列番号217の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号219の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む43.62.E2と、1つもしくは複数のS.aureus株への結合において競合する。例えば、実施例4に説明する条件下で、43.62.E2を用いた競合結合アッセイの例示的な株を表4に説明する。
別の態様では、単離されたヒト抗体もまた開示する(例えば、単離された各抗体またはその抗原結合断片)。例示的なヒト抗体としては、S.aureusデルタ毒素に結合する単離されたヒト抗体が挙げられる。S.aureusデルタ毒素に結合する1つの例示的な抗体は、5.6.H9の、配列番号38の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号40の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む。S.aureusデルタ毒素に結合する別の例示的な抗体は、5.55.D2の、配列番号189の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号191の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む。
さらに本明細書において、S.aureusフェノール可溶性モジュリンβ−1に結合する単離されたヒト抗体を提供する。抗体は、22.18A.E9の、配列番号173の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号175の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む。
本明細書に開示するさらなる例示的な単離されたヒト抗体は、以下を含む:9.51.H9の、配列番号92の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号94の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つもしくは複数のS.aureus株に結合するヒト抗体;
5.11.H10の、配列番号11の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号13の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つもしくは複数のS.aureus株に結合するヒト抗体;
5.23.C12の、配列番号74の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号76の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つもしくは複数のS.aureus株に結合するヒト抗体;
5.52.H10の、配列番号177の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号179の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つもしくは複数のS.aureus株に結合するヒト抗体;
18.43.D8の、配列番号101の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号103の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つもしくは複数のS.aureus株に結合するヒト抗体;
8.51.G10の、配列番号149の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号151の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つもしくは複数のS.aureus株に結合するヒト抗体;ならびに
8.51.G11の、配列番号83の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号85の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
抗体産生
本発明の抗体の産生方法は、当該技術分野において知られている。ある実施形態では、抗S.aureusポリクローナル抗体組成物は、各モノクローナル抗体を産生する細胞系の単一の製造細胞系または混合物から産生されてもよい。他の実施形態では、軽鎖可変領域および重鎖可変領域をコードするDNA分子は、本明細書に提供する配列情報を使用して化学的に合成することができる。合成DNA分子は、例えば、配列をコードする定常領域、および発現対照配列などの他の適切なヌクレオチド配列と結紮して、所望の抗体をコードする従来の遺伝子発現構築物を産生することができる。定義した遺伝子構築物の産生は、当該技術の日常的な熟練作業の範囲内である。あるいは、本明細書に提供する配列は、ハイブリドーマ細胞内ヒト抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に関する、本明細書に提供する配列情報または先行技術の配列情報に基づく、配列の合成核酸プローブを使用して、従来のハイブリッド化技術またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術によりハイブリドーマまたはB細胞をクローン化することができる。
本明細書に開示したように、各抗S.aureus抗体は、抗体の可変領域(VおよびV配列)または抗体の重鎖および軽鎖CDR配列によって特徴付けされる場合がある。抗体はそれぞれ、その可変領域配列(すなわち、VおよびV同族対)により定義される場合は配列対、またはそのCDR配列(すなわち、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDR)により定義される場合は一連の配列を有する。VとVの対は、S.aureus関連抗原に対して結合特異性を有する完全長抗体、Fab断片または他の抗体断片として発現することができる。具体的なVとVの対を実施例1の表2において識別する。具体的な重鎖および軽鎖CDRセットを実施例1の表3において識別する。
所望の抗体をコードする核酸(例えば、VとVの対)は、従来のトランスフェクションまたは形質転換技術を介して宿主細胞内に導入することができる発現ベクター内に組み込む(結紮する)ことができる。例示的な宿主細胞は、導入しなければIgGタンパク質を産生しない大腸菌細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児腎臓293(HEK293)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌腫細胞(例えば、Hep G2)、および骨髄腫細胞である。形質転換宿主細胞は、宿主細胞における免疫グロブリン軽鎖および/または重鎖可変領域をコードする遺伝子発現を可能とする条件下で増殖することができる。
具体的な発現および精製条件は、使用される発現系に依存して変わる。例えば、遺伝子が大腸菌内に発現する場合、適切な細菌性促進剤、例えば、TrpもしくはTac、ならびに原核生物のシグナル配列から下流に操作した遺伝子を位置付けることにより、発現ベクター内にまずクローン化される。発現する分泌タンパク質は屈折体または封入体に累積し、フレンチプレスまたは超音波処理により細胞破壊後に採取できる。次いで、屈折体を当該技術分野において知られている方法により可溶化し、タンパク質を再び折り重ねて切断する。
操作した遺伝子が真核宿主細胞、例えば、CHO細胞内で発現する場合、まず適切な真核促進剤、分泌シグナル、IgGエンハンサー、および様々なイントロンを含む発現ベクター内に挿入する。この発現ベクターは、完全または部分的な重鎖または軽鎖の発現を可能とする完全または部分的定常領域をコードする配列を任意選択的に含む。遺伝子構築物は、従来技術を使用して真核宿主細胞内に導入できる。宿主細胞は、それぞれ別の機能(例えば、細胞障害性)を有する部分に結合してよいVもしくはV断片、V−Vヘテロ二量体、V−VもしくはV−V単鎖ポリペプチド、完全な重もしくは軽免疫グロブリン鎖、またはそれらの部分を発現する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、完全または部分的な重鎖(例えば、重鎖可変領域)または軽鎖(例えば、軽鎖可変領域)を発現するポリペプチドを発現する単一ベクターでトランスフェクションする。他の実施形態では、宿主細胞は、(a)重鎖可変領域を含むポリペプチドと軽鎖可変領域を含むポリペプチド、または(b)完全免疫グロブリン重鎖と完全免疫グロブリン軽鎖をコードする単一ベクターでトランスフェクションする。さらに他の実施形態では、宿主細胞を複数の発現ベクターで共トランスフェクションする(例えば、1つの発現ベクターは完全または部分的な重鎖または重鎖可変領域を含むポリペプチドを発現し、別の発現ベクターは、完全または部分的な軽鎖または軽鎖可変領域を含むポリペプチドを発現する)。
発現ベクターは、重鎖および/または軽鎖の定常領域も含んでもよい。定常領域の選択は、ポリクローナル組成物に含まれる各抗体に対して変えてよいことが企図される。例えば、抗原を一掃または破壊する所望のエフェクター機能に応じて(例えば、ADCC、食作用、増加した相補性活性(例えば、従来型および/または代替的な相補性経路を介して)、大量細胞および/または好塩基球へ結合する)、ある抗体においてはIgG1定常領域を有することが所望される場合もあり、他の抗体に対してはIgG2定常領域を有することが所望される場合もある。重鎖定常領域は、アイソタイプIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgM、IgD、およびIgEから選択されてもよい。軽鎖定常領域は、κまたはλのいずれであってもよい。
免疫グロブリン重鎖可変領域または軽鎖可変領域を含むポリペプチドは、ポリペプチド発現を可能とする条件下でかかる可変領域をコードする発現ベクターでトランスフェクションされた宿主細胞を増殖させることにより産生することができる。発現後、ポリペプチドは、当該技術分野において周知である技術、例えば、親和性タグ(グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)およびヒスチジンタグなど)を使用して採取および精製することができる。
1つまたは複数のS.aureus株に結合するヒト抗体または該抗体の抗原結合断片は、(a)完全もしくは部分的な免疫グロブリン重鎖をコードする発現ベクターと、別々の完全もしくは部分的な免疫グロブリン軽鎖をコードする発現ベクター;または(b)両鎖の発現を可能とする条件下で両鎖をコードする単一発現ベクター、でトランスフェクションされた宿主細胞を増殖させることによって産生することができる。無傷の抗体(または抗原結合断片)は、当該技術分野において周知である技術、例えば、Aタンパク質、Gタンパク質、親和性タグ(グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)およびヒスチジンタグなど)を使用して採取および精製することができる。単一の発現ベクターまたは2つの別々の発現ベクターから重鎖および軽鎖を発現することは当該技術の範囲内である。
抗体の使用
抗生剤耐性S.aureus株、例えば、ペニシリン耐性株、メチシリン耐性株(MRSA)(例えば、市中感染型MRSA(CA−MRSA)、院内感染型MRSA(HA−MRSA))、バンコマイシン耐性株(VRSA)、およびバンコマイシン媒介性耐性株(VISA)など、本明細書に記載の抗S.aureusポリクローナル抗体は、1つもしくは複数のS.aureus株を治療し、ならびに/または1つもしくは複数のS.aureus株感染を予防するために使用することができる。開示の抗体はまた、メチシリン感受性株(例えば、MSSA)を治療するために使用されてもよい。S.aureus感染宿主細胞(例えば、哺乳類宿主細胞、例えば、ヒト宿主細胞)は、増殖および/もしくはコロニー化を阻害することにより、ならびに/または食作用を誘発すること、ならびに/またはS.aureusを殺菌することにより、S.aureus感染を阻害するように治療有効量の抗体に曝露される。いくつかの実施形態では、抗体は、S.aureus感染を少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、または100%阻害する。
ある実施形態では、各ヒト抗S.aureus抗体は、1つもしくは複数のS.aureus株を治療し、ならびに/または1つもしくは複数のS.aureus株感染を予防するために使用されてよい。
本明細書で使用する場合、「治療する(treat)」、「治療(treating)」および「治療(treatment)」とは、哺乳類、例えば、ヒトにおける疾患の治療を意味する。これは、(a)疾患もしくは感染の阻害、すなわち、その発現もしくは進行の停止;(b)疾患もしくは感染の緩和、すなわち、疾患状態もしくは感染の退化の惹起;ならびに/または(c)疾患もしくは感染の治癒を含む。
開示の抗体を使用して治療または予防することができる例示的な疾患としては、病原菌S.aureus株に関連した侵襲性または毒素疾患が挙げられるが、これらに限定されない。侵襲性疾患としては、肺炎(例えば、S.aureus肺炎)、髄膜炎、菌血症、骨脊髄炎、敗血症(例えば、敗血症関節炎、敗血症血栓性静脈炎)、および心内膜炎(例えば、急性細菌性心内膜炎)が挙げられる。毒性疾患としては、ブドウ球菌食中毒、熱傷様皮膚症候群、および毒素性ショック症候群(TSS)が挙げられるが、これらに限定されない。治療してよい疾患および障害のさらなる例としては、皮膚膿瘍、蜂巣炎、上気道感染(例えば、中耳炎、細菌性気管炎、急性喉頭蓋炎、甲状腺炎)、下気道感染(例えば、膿胸、肺膿瘍)、心臓、胃腸(例えば、分泌性下痢、脾臓膿瘍、後腹膜膿瘍)、CNS(例えば、脳膿瘍)、眼部(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、眼内炎、眼窩隔膜前蜂巣炎、涙嚢炎)、腎臓、尿、皮膚(例えば、膿痂疹、毛包炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、創部感染、細菌性筋炎)、ならびに骨および関節感染が挙げられる。S.aureus感染を含む複数菌感染に関連するある障害は、開示の抗体を使用して治療または予防してよいことが本明細書において企図される。複数菌感染に関連する例示的な障害(S.aureus感染を含む)としては、嚢胞性線維症(例えば、S.aureusおよびシュードモナス感染)、上および下気道感染、肺炎、敗血症および皮膚感染が挙げられる。
一般に、活性成分の治療有効量は、0.1mg/kg〜100mg/kg、例えば、1mg/kg〜100mg/kg、1mg/kg〜10mg/kgの範囲である。例示的実施形態では、ヒト組換えポリクローナル抗体は1mg/kgで投与されてよい。投与量は、治療する疾患または適応のタイプおよび範囲、患者の全身健康、抗体のインビボ効能、医薬品、および投与経路などの変数に依存する。初回投与量は、所望の血液レベルまたは組織レベルに迅速に達するために、上限を超えて増量することができる。あるいは、初回投与量は最適条件より少ない量にすることができ、投与量は治療経過中に漸増してよい。ヒト投与量は、例えば、0.5mg/kg〜20mg/kgを実施するために設計された従来の第I相用量漸増試験において最適化することができる。投薬頻度は、投与経路、投与量および治療する疾患などの要因に応じて変更することができる。例示的な投薬頻度は、1日1回、2日ごとに1回、3日ごとに1回、4日ごとに1回、5日ごとに1回、6日ごとに1回、週1回、2週間ごとに1回、月1回、6ヶ月ごとに1回、および年1回である。本発明のいくつかの実施形態では、投薬は2週間ごとに1回行われる。好ましい投与経路は、非経口、例えば、静注または皮下である。抗体ベースの製剤は、当該技術の範囲内である。本発明のいくつかの実施形態では、抗体は凍結乾燥されており、投与時に緩衝食塩水中で再構成される。
治療使用において、1つもしくは複数の開示の抗体またはその抗原結合断片は、医薬上許容可能な担体と併用できる。本明細書で使用する場合、「医薬上許容可能な担体」とは、過剰な毒性、炎症、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織と接触させる用途に適し、ベネフィット/リスク比が妥当な緩衝液、担体、および賦形剤を意味する。担体(1つまたは複数)は、他の製剤成分と適合し、レシピエントに有害ではないという意味で「許容可能」であるべきである。医薬上許容可能な担体としては、医薬投与に適合する緩衝液、溶媒、分散培地、コーティング、等張および吸収遅延化剤などが挙げられる。製薬的活性物質のかかる培地および薬剤の使用は、当該技術分野において知られている。
1つまたは複数の開示の抗体を含む医薬組成物は、投与単位形態にて存在させることができ、任意の適切な方法により調製することができる。医薬組成物は、意図された投与経路と適合するように製法されるべきである。投与経路の例は、静注(IV)、皮内、吸入、経皮、局所、経粘膜的、および直腸投与である。モノクローナル抗体の例示的な投与経路は、IV注入である。有用な製剤は、医薬分野において周知の方法により調製することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18版(Mack Publishing Company, 1990)を参照されたい。非経口投与に適した製剤成分としては、滅菌希釈液(注射液、食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒など);抗菌剤(ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなど);抗酸化剤(アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなど);キレート化剤(EDTAなど);緩衝液(酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩など);ならびに張化調節剤(塩化ナトリウムまたはデキストロースなど)が挙げられる。
静注投与に適した担体としては、生理的食塩水、静菌水、クレモホールEL(登録商標)(BASF、米国ニュージャージ州パーシッパニー)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられる。担体は、製造および保存条件下で安定しているべきであり、微生物から保護されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散培地とすることができる。
医薬品は、好ましくは滅菌されている。滅菌は、例えば、滅菌濾過膜を通した濾過により行うことができる。組成物が凍結乾燥されている場合、フィルター滅菌は、凍結乾燥および再構成の前に実行することも後に実行することもできる。
以下の実施例は単なる例証であり、いかなる形でも本発明の範囲または内容を限定することは意図されない。
抗S.aureus抗体の配列分析
本実施例は、本明細書に開示する抗S.aureus抗体の配列分析について説明する。
S.aureus株メチシリン感受性S.aureus(MSSA)、院内感染型MRSA、および市中感染型MRSAを含むS.aureusに曝露したヒトドナー個体(例えば、健常個体)から各抗S.aureus抗体を単離した。各抗体(例えば、VおよびV領域)をサンガージデオキシ配列により配列し、IMGT/V−Questソフトウェア(Montpellier、フランス)を使用して分析して可変領域配列を識別および確認した。
抗S.aureus抗体の重鎖および軽鎖可変領域をコードする核酸配列ならびにこれらを定義するタンパク質配列を以下に示す(アミノ末端シグナルペプチド配列は示さない)。CDR配列(IMGT定義)は、核酸およびアミノ酸配列中の太字および下線で示す。
表2は、本明細書に記載の抗S.aureus抗体それぞれの完全ヒト同族対として重鎖および軽鎖可変領域アミノ酸配列の配列番号を示す一致表である。
開示のS.aureus抗体の重鎖および軽鎖CDR配列(IMGT定義)について表3に要約する。
完全な重鎖および/または軽鎖抗体配列を作製するため、上の各可変配列を定常領域と併用することができる。重鎖、κ鎖、およびλ鎖に対するヒト定常領域は、当該技術分野において知られている。例えば、完全な重鎖は重可変配列、続いてヒト重鎖定常配列(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgM、IgD、またはIgEなど)を含む。完全なκ鎖はκ可変配列、続いてヒトκ軽鎖定常配列を含み、完全なλ鎖はλ可変配列、続いてヒトλ軽鎖定常配列を含む。例示的なヒト重鎖、κ鎖、およびλ鎖を以下に示す。
しかしながら、本明細書に記載の可変領域配列は、活動的な完全長免疫グロブリン重鎖および軽鎖を産生するために当業者に知られているいくつかの他の定常領域配列のそれぞれと結紮できることが理解される。
以下の配列は、本明細書に記載の抗S.aureus抗体に対する実際のまたは企図される完全長免疫グロブリン重鎖配列および軽鎖配列(すなわち、可変領域配列と定常領域配列の両方を含む)を表す。免疫グロブリン重鎖および軽鎖可変領域は大文字で示し、ヒトIgG1、IgG2、κおよびλ定常領域は完全長の重鎖配列および軽鎖配列中の太字大文字で示す。CDR配列は下線付きである。
ヒトS.aureus抗体の識別
Roger Williams医療センターキャンパス全体に設置されたポスターにて健常ヒト対象を募集した。フィコール勾配を通して適任の対象由来の血液を処理し、PBMCを単離した。細胞表面マーカーにより識別した抗体分泌血漿細胞を96ウェルプレート内に単細胞ソートし、RT−PCRに供して抗体遺伝子を増幅した(図2A)。図2Aに示す上の2パネルは、透明なCD38高/CD19+集団(R3ゲート)を有する血漿細胞を示す。下の2パネルは、λ陽性およびκ陽性の血漿細胞集団(R4)を示す。λおよびκ陽性集団由来の細胞を96ウェルPCRプレートの各ウェル内にソートし、重鎖および軽鎖を同族対収集率73%でRT−PCRにより単細胞から収集した(図2B)。重鎖ゲルにおける各アンプリコンのサイズ差により、単一重鎖は各ウェル内で増幅されることが示唆される。クローン抗体由来の配列データにより、本結論が支持される。増幅した生成物(図2B)をスクリーニング用96ウェル型内の哺乳類細胞(CHO−K1細胞)内でクローン化および発現させた。
発現抗体をELISAによりスクリーニングし、S.aureus特異的結合剤を識別した(図2C〜E)。抗体が検出された(背景の2倍超の値)ウェルは斜線部分であり、背景と比較した相対的発現レベルを色で示す。背景は、ソート中に空のまま残した陰性対照ウェル(紫色)の平均値として算出される。図2Dは、S.aureusペプチド抗原に対するELISAスクリーニングからのプレート5.6データを示す表である。2倍背景(紫色ウェルの平均値)を示すウェルを陽性としてスコア化した(例えば、ウェルH9を陽性としてスコア化した)。図2Eは、S.aureus表面タンパク質に対するELISAスクリーニングからのプレート5.6由来のデータを示す表である。2倍背景(紫色ウェルの平均値)を示すウェルを陽性としてスコア化した(例えば、ウェルH2およびA12を陽性としてスコア化した)。さらにELISA試験を通して陽性を再確認し(図2F)、配列して、インビトロ試験および動物試験の大規模バッチ培養中に発現させた。2倍背景(紫色ウェルの平均値)を示すウェルを陽性としてスコア化した。ウェルB12およびC12は陽性対照であった。クローン5.6.H2(ウェルB1、B2、B7およびB8)および5.6.H9(ウェルC7、C8)、ならびに他のスクリーニングプレート由来のいくつかのクローンを本実験において陽性として確認した。クローン5.6.A12は確認せずに廃棄した。
生S.aureus感染からマウスを保護するヒト組換えポリクローナル抗S.aureus抗体
総濃度1mg/mlに等しくなるように各抗体を混合することによりヒト組換えポリクローナルS.aureus抗体を生成した(1.62.B9、5.11.H10、5.27.A11、5.6.H2、および5.6.H9;本明細書において5つの抗体混合物#1と称す)。
市中関連メチシリン耐性(MRSA)株USA300を用いて、3.5×10コロニー形成単位(CFU)または5×10CFU用量で、腹腔内注射によりマウスを感染させた。感染直後、マウス10匹の群のそれぞれにPBS(対照集団)、バンコマイシン110mg/kg、または5つの抗体混合物#1の1.0mg/kgのいずれかを腹腔内注射して治療した。2、6、18、24、48および72時間治療後に動物を観察し、生死状態を記した。
3.5×10CFUでは、5つの抗体混合物#1で治療した全マウスが72時間試験全体を通して生存した。5×10CFUでは、5つの抗体混合物#1で治療したマウスの50%が72時間試験全体を通して生存した(図3)。PBS対照マウスはいずれも、S.aureusのいずれの用量においても72時間目まで生存しなかった。バンコマイシン(陽性対照)では、全マウスが救助された。
図4に示すように、本実験結果は、PBS単独で治療した動物ではLD50 2.75×10CFU感染による急死が示された。5つの抗体混合物#1の1.0mg/kg用量で治療したマウスは3.5×10CFU用量から完全に保護され、LD50の5.0×10CFU感染に対してより耐性であり、これはPBS治療動物におけるLD50用量の約2倍であった。これは、5つの抗体混合物のLD50曲線における2.75×10CFUから5×10CFUへのシフトを表し、これは受動的免疫療法アプローチを用いて既に示されている効果より著しく強い。したがって、本実験結果から、5つの抗体混合物#1で治療したマウスはS.aureus感染に対してより耐性であり、完全ヒト組換えポリクローナル抗体療法は、高死亡率のMRSA感染からマウスを保護する能力があることが示唆される。
総濃度1mg/mlに等しくなるように各抗体を混合することにより第2ヒト組換えポリクローナルS.aureus抗体を生成した(1.62.B9、5.11.H10、5.27.A11、5.6.H2、5.7.D3、5.27.G2、および8.11.G6;本明細書において7つの抗体混合物と称す)。
メチシリン感受性(MSSA)株Wood46を用いて、2×10コロニー形成単位(CFU)または4×10CFU用量で、腹腔内注射によりマウスを感染させた。感染直後、マウス5匹の群のそれぞれにPBS(対照集団)、バンコマイシン110mg/kg、または7つの抗体混合物1.0mg/kgを腹腔内注射して治療した。2、6、18、24、48および72時間治療後に動物を観察し、生死状態を記した。
2×10CFUでは、PBS対照マウス40%と比較して、7つの抗体混合物で治療した全マウスが72時間試験全体を通して生存した。4×10CFUでは、PBS対照マウスの10%と比較して、7つの抗体混合物で治療したマウスの40%が、72時間試験全体を通して生存した(図5)。バンコマイシン(陽性対照)では、全マウスが救助された。
図6に示すように、本実験結果は、PBS単独で治療した動物と比較して、7つの抗体混合物1.0mg/kg用量で治療したマウスは2×10CFU用量から完全に保護され、4.0×10CFU用量感染に対してより耐性であったことを示した。これは、7つの抗体混合物によるLD50曲線における1.8×10CFUから3.75×10CFUへのシフトを表し、これは受動的免疫療法アプローチを用いて既に示されている効果より著しく強い。したがって、本実験結果から、7つの抗体混合物で治療したマウスはS.aureus感染に対してより耐性であり、完全ヒト組換えポリクローナル抗体療法は、高死亡率のMSSA感染からマウスを保護する能力があることが示唆される。
第三の試験では、2種類の5つの抗体混合物、10抗体混合物および19抗体混合物を比較した。5つの抗体混合物#2は抗体5.11.H10、18.43.D8、5.23.C9、5.27.A11および5.6.H9からなる。5つの抗体混合物#3は抗体22.18.E9、5.52.H10、9.51.H9、8.51.G10および5.23.C12からなる。10抗体混合物は抗体5.11.H10、18.43.D8、5.23.C9、5.27.A11、5.6.H9、22.18.E9、5.52.H10、9.51.H9、8.51.G10および5.23.C12からなる。19抗体混合物は抗体5.11.H10、18.43.D8、5.23.C9、5.27.A11、5.6.H9、22.18.E9、5.52.H10、9.51.H9、8.51.G10、5.23.C12、5.24.F3、5.24.A7、5.8.H4、26.51.E1、5.19.F12、8.51.G11、22.22.E7、22.21.A7、および5.17.F8からなる。各混合物中、成分抗体を等しい割合で総濃度が1mg/mlとなるように混合した。
市中関連メチシリン耐性(MRSA)株USA300を用いて、1×10コロニー形成単位(CFU)用量で、腹腔内注射によりマウスを感染させた。感染直後、マウス8匹の群のそれぞれにPBS(対照集団)、バンコマイシン10mg/kg、または抗体混合物1.0mg/kgを腹腔内注射して治療した。8、16、24、32、48、56および72時間治療後に動物を観察し、生死状態を記した。
1×10CFUでは、PBS対照マウスの50%と比較して、5つの抗体混合物#2または5つの抗体混合物#3のいずれかで治療した全マウスが、72時間試験全体を通して生存した(図7)。10抗体混合物または19抗体混合物のいずれかで治療したマウスの75%が72時間試験全体を通して生存した。バンコマイシン(陽性対照)では、全マウスが救助された。
様々なS.aureus株に対する抗体反応
本実施例において、トリプチックソイ寒天(TSA)培地上で増殖させた12の異なるS.aureus株に対する本明細書に開示する抗体の反応を試験した。TSAは、S.aureusが増殖する場合がある1つまたは多くの条件であり、各条件は異なるプロテオームの発現をもたらす場合があることを当業者は理解するであろう。
各菌株がTSA上に広がり、各株由来の単一コロニーを使用して、5mLのトリプチケースソイブロス(TSB)培養を植菌した。培養を37℃で増殖させてから希釈後にTSAプレート上に平板培養を散布した。収集前にプレートを一晩増殖させた。細菌をPBSで洗浄した。上清を濾過し、使用前に−20℃で保存した。ELISAプレートを上清でコーティングし、アジドブロッキング緩衝液中に置いた。Aタンパク質ブロックの存在下でいずれも1:10希釈したFab断片として26の異なる抗体クローンに対してELISAを実施した。背景より十分に高いことにより、反応性であると判定されたFabはいずれも(+)にてマークし、高反応性Fabはいずれも(++)で示した。表4に反映するように、無反応であったFAbはいずれも(−)で示した。様々なS.aureus株と反応する抗S.aureus抗体数を図8に示す
本結果は、必ずしもすべての抗体がそれぞれのS.aureus株に結合しないことを示唆する。表4に示すように、各種株は、結合する異なる抗体の部分集合を有する。これらの結果は、各株により発現する異なるゲノムおよびプロテオームを反映することが本明細書において企図される。TSA条件下、抗体5.6.H9、5.55.D2、22.18A.E9、9.51.H9、5.11.H10、5.23.C12、5.52.H10、18.43.D8、8.51.G10および8.51.G11はそれぞれ、試験した8つ以上のS.aureus株と反応した。
ヒト血中S.aureusのインビトロのオプソニン化は、特異的抗体混合物により増強される
本実施例において、ヒト血液細胞によるS.aureus細菌のオプソニン化を増強する特異的抗体混合物の能力を試験した。
以下の抗体混合物を試験した:抗体混合物#1は、抗体5.11.H10、5.23.C9、5.52.H10、26.51.E1および22.21.A7を総濃度1.0mg/mlで含む5つの抗体混合物であり;抗体混合物#2は、抗体5.11.H10、5.27.A11、5.6.H9、18.43.D8および5.23.C9を総濃度1.0mg/mlで含む5つの抗体混合物であり;かつ抗体混合物#3は、抗体5.11.H10、5.23.C9および5.52.H10を総濃度1.0mg/mlで含む3つの抗体混合物であった。
抗体混合物1、2のそれぞれの抗体100μl(総量100μg)およびS.aureus株Wood−46細菌(1×10細胞)100μlを混合して、37℃で30分間インキュベートした。ヘパリン化ヒト血液100μlを抗体/細菌懸濁液に添加した。0時点およびインキュベーション1時間後に300μl容量から試料を採取し、TSA上の連続希釈に置いて細菌を計数した。殺菌%は、[(細菌、時間=0時間)−(細菌、時間=1時間)]/(細菌、時間=0)×100%として算出する。
抗体混合物#1および#3は、S.aureus株をオプソニン化する白血球の能力をそれぞれ増強した(図9)。1×10CFU用量のUSA300株感染マウスに保護を提供し(実施例3を参照)、細胞表面に対する抗体(例えば、5.11.H10)を含むことが既に示されている抗体混合物#2はオプソニン化を増強しなかったことから、オプソニン化はインビボ保護を提供する必要がある基準の1部分であることが示唆される。また、本データにより、ヒト血中S.aureusのオプソニン化は、ポリクローナル抗体、例えば、細胞表面結合抗体と他の細胞機序を標的とする他の抗体との混合物を含むポリクローナル抗体により増強されることも示唆される。
参照による組み込み
本明細書で参照する特許文献および科学論文のそれぞれの完全開示は、すべての目的のために参照することにより組み込まれる。
均等物
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態において具現化されてもよい。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載の本発明に限定されず、すべての観点から例証的であるとみなされる。したがって、本発明の範囲は、前述の明細書ではなく添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に収まる変更はすべて特許請求の範囲に包括されることが意図される。

Claims (51)

  1. 1つまたは複数のS.aureus株に個々に結合する少なくとも3つの異なるヒト抗体を含む1つまたは複数の黄色ブドウ球菌株に結合するヒト組換えポリクローナル抗体組成物。
  2. 1つまたは複数のS.aureus株に個々に結合する少なくとも5つの異なるヒト抗体を含む、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  3. 1つまたは複数のS.aureus株に個々に結合する少なくとも10の異なるヒト抗体を含む、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  4. 表3に識別された抗体のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  5. 表3に識別された前記抗体を少なくとも3つ、少なくとも5つ、少なくとも8つ、少なくとも10、少なくとも12または少なくとも15含む、請求項1または4に記載のポリクローナル抗体組成物。
  6. 前記抗体の少なくとも1つが、表4に識別された前記S.aureus株のうちの少なくとも1株に結合する、請求項1または4に記載のポリクローナル抗体組成物。
  7. 前記抗体のうちの少なくとも1つが、表4に識別された少なくとも5株、少なくとも6株、少なくとも7株、少なくとも8株、少なくとも9株、少なくとも10株、少なくとも11株、または少なくとも12株に結合する、請求項1または4に記載のポリクローナル抗体組成物。
  8. 前記抗体のうちの1つが1つまたは複数のS.aureus株上の細胞表面抗原に結合し、前記抗体のうちの1つが1つまたは複数のS.aureus株によって産生した毒素に結合する、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  9. 前記抗体の1つが1つまたは複数のS.aureus株上の細胞表面抗原に結合し、前記抗体の1つが1つまたは複数のS.aureus株によって産生した免疫モジュレーターに結合する、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  10. 前記抗体の1つが1つまたは複数のS.aureus株によって産生した毒素に結合し、前記抗体の1つが1つまたは複数のS.aureus株によって産生した免疫モジュレーターに結合する、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  11. 前記抗体の1つが1つまたは複数のS.aureus株上の細胞表面抗原に結合し、前記抗体の1つが1つまたは複数のS.aureus株によって産生した毒素に結合し、前記抗体の1つが1つまたは複数のS.aureus株によって産生した免疫モジュレーターに結合する、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  12. 前記抗体の1つがデルタ毒素に結合する、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  13. 前記抗体の1つが毒素フェノール可溶性モジュリンβ−1に結合する、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  14. 前記抗体の少なくとも1つが、
    (a)5.6.H9の配列番号38の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号40の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (b)22.18A.E9の配列番号173の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号175の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (c)5.11.H10の配列番号11の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号13の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (d)5.27.A11の配列番号20の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号22の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (e)5.17.F8の配列番号47の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号49の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (f)5.19.F12の配列番号56の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号58の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (g)5.23.C9の配列番号65の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号67の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (h)5.23.C12の配列番号74の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号76の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (i)8.51.G11の配列番号83の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号85の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (j)9.51.H9の配列番号92の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号94の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (k)18.43.D8の配列番号101の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号103の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (l)22.22.E7の配列番号110の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号112の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (m)8.51.G10の配列番号149の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号151の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (n)5.24A.A7の配列番号153の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号155の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (o)5.24A.F3の配列番号157の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号159の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (p)5.8B.H4の配列番号161の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号163の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (q)26.51.E1の配列番号165の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号167の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (r)22.21.A7の配列番号169の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号171の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (s)5.52.H10の配列番号177の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号179の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (t)5.15.C1の配列番号181の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号183の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (u)5.54.E6の配列番号185の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号187の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (v)5.55.D2の配列番号189の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号191の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (w)22.14.A1の配列番号193の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号195の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (x)26.53.B4の配列番号197の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号199の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (y)5.63.E2の配列番号201の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号203の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (z)5.64.G4の配列番号205の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号207の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (aa)43.52.A11の配列番号209の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号211の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (ab)43.52.E12の配列番号213の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号215の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (ac)43.62.E2の配列番号217の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号219の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (ad)前記抗体(a)〜(ac)のうちの2つ以上の混合物と、
    からなる群から選択される、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  15. 前記抗体の少なくとも1つが、
    (a)5.6.H9の配列番号38の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号40の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (b)22.18A.E9の配列番号173の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号175の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (c)(a)および(b)の混合物と、
    からなる群から選択される、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  16. (a)5.55.D2の配列番号189の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号191の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (b)9.51.H9の配列番号92の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号94の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (c)5.11.H10の配列番号11の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号13の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (d)5.23.C12の配列番号74の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号76の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (e)5.52.H10の配列番号177の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号179の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (f)18.43.D8の配列番号101の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号103の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (g)8.51.G10の配列番号149の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号151の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (h)8.51.G11の配列番号83の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号85の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    からなる群から選択される抗体をさらに含む、請求項15に記載のポリクローナル抗体組成物。
  17. 前記抗体の少なくとも1つが、
    (a)配列番号11のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.11.H10)、および配列番号13のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.11.H10)と、
    (b)配列番号20のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.27.A11)、および配列番号22のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.27.A11)と、
    (c)配列番号38のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.6.H9)、および配列番号40のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.6.H9)と、
    (d)配列番号47のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.17.F8)、および配列番号49のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.17.F8)と、
    (e)配列番号56のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.19.F12)、および配列番号58のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.19.F12)と、
    (f)配列番号65のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.23.C9)、および配列番号67のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.23.C9)と、
    (g)配列番号74のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.23.C12)、および配列番号76のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.23.C12)と、
    (h)配列番号83のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(8.51.G11)、および配列番号85のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(8.51.G11)と、
    (i)配列番号92のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(9.51.H9)、および配列番号94のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(9.51.H9)と、
    (j)配列番号101のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(18.43.D8)、および配列番号103のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(18.43.D8)と、
    (k)配列番号110のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(22.22.E7)、および配列番号112のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(22.22.E7)と、
    (l)配列番号149のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(8.51.G10)、および配列番号151のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(8.51.G10)と、
    (m)配列番号153のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.24A.A7)、および配列番号155のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.24A.A7)と、
    (n)配列番号157のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.24A.F3)、および配列番号159のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.24A.F3)と、
    (o)配列番号161のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.8B.H4)、および配列番号163のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.8B.H4)と、
    (p)配列番号165のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(26.51.E1)、および配列番号167のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(26.51.E1)と、
    (q)配列番号169のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(22.21.A7)、および配列番号171のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(22.21.A7)と、
    (r)配列番号173のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(22.18A.E9)、および配列番号175のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(22.18A.E9)と、
    (s)配列番号177のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.52.H10)、および配列番号179のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.52.H10)と、
    (t)配列番号181のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.15.C1)、および配列番号191のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.15.C1)と、
    (u)配列番号185のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.54.E6)、および配列番号187のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.54.E6)と、
    (v)配列番号189のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.55.D2)、および配列番号191のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.55.D2)と、
    (w)配列番号193のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(22.14.A1)、および配列番号195のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(22.14.A1)と、
    (x)配列番号197のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(26.53.B4)、および配列番号199のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(26.53.B4)と、
    (y)配列番号201のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.63.E2)、および配列番号203のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.63.E2)と、
    (z)配列番号205のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(5.64.G4)、および配列番号207のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(5.64.G4)と、
    (aa)配列番号209のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(43.52.A11)、および配列番号211のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(43.52.A11)と、
    (ab)配列番号213のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(43.52.E12)、および配列番号215のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(43.52.E12)と、
    (ac)配列番号217のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域(43.62.E2)、および配列番号219のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域(43.62.E2)と、
    (ad)前記抗体(a)〜(ac)のうちの2つ以上の混合物と、
    からなる群から選択される、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  18. 前記抗体の少なくとも1つが、
    (a)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.6.H9と競合する抗体と、
    (b)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む22.18A.E9と競合する抗体と、
    (c)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.11.H10と競合する抗体と、
    (d)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.27.A11と競合する抗体と、
    (e)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.17.F8と競合する抗体と、
    (f)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.19.F12と競合する抗体と、
    (g)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.23.C9と競合する抗体と、
    (h)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.23.C12と競合する抗体と、
    (i)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む8.51.G11と競合する抗体と、
    (j)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む9.51.H9と競合する抗体と、
    (k)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む18.43.D8と競合する抗体と、
    (l)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む22.22.E7と競合する抗体と、
    (m)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む8.51.G10と競合する抗体と、
    (n)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.24A.A7と競合する抗体と、
    (o)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.24A.F3と競合する抗体と、
    (p)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.8B.H4と競合する抗体と、
    (q)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む26.51.E1と競合する抗体と、
    (r)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む22.21.A7と競合する抗体と、
    (s)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.52.H1と競合する抗体と、
    (t)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.15.C1と競合する抗体と、
    (u)実施例4に記載する条件下で1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.54.E6と競合する抗体と、
    (v)1つまたは複数のS.aureus株への結合において表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.55.D2と競合する抗体と、
    (w)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む22.14.A1と競合する抗体と、
    (x)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む26.53.B4と競合する抗体と、
    (y)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.63.E2と競合する抗体と、
    (z)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む5.64.G4と競合する抗体と、
    (aa)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む43.52.A11と競合する抗体と、
    (ab)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む43.52.E12と競合する抗体と、
    (ac)1つまたは複数のS.aureus株への結合に対して表3に説明される重鎖および軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列を含む43.62.E2と競合する抗体と、
    からなる群から選択され、
    前記1つもしくは複数のS.aureus株は、ATCC株BAA−1717、ATCC株10832、NRS071、NRS100、NRS382、NRS384、NRS123、NRS001、NRS072、NRS102、NRS111、NRS144およびUSA300からなる群から選択される、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  19. 前記抗体のうちの少なくとも1つが、表4に説明される前記S.aureus株のうちの少なくとも1株への結合に対して表3に説明される前記抗体のうちの1つと競合する、請求項1に記載のポリクローナル抗体組成物。
  20. (a)5.6.H9の配列番号38の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号40の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (b)5.55.D2の配列番号189の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号191の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    からなる群から選択されるヒト抗体を含むS.aureusデルタ毒素に結合する単離されたヒト抗体。
  21. (a)5.6.H9の配列番号38の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号40の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    (b)5.55.D2の配列番号189の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号191の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む抗体と、
    からなる群から選択される抗体を少なくとも1つ含むデルタ毒素に結合するヒト抗体を含む1つもしくは複数のS.aureus株に結合するヒト組換えポリクローナル抗体組成物。
  22. 22.18A.E9の配列番号173の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号175の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含むS.aureusフェノール可溶性モジュリンβ−1に結合する単離されたヒト抗体。
  23. 22.18A.E9の配列番号173の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号175の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含むフェノール可溶性モジュリンβ−1に結合するヒト抗体を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合するヒト組換えポリクローナル抗体組成物。
  24. 5.55.D2の配列番号189の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号191の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
  25. 9.51.H9の配列番号92の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号94の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
  26. 5.11.H10の配列番号11の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号13の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
  27. 5.23.C12の配列番号74の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号76の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
  28. 5.52.H10の配列番号177の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号179の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
  29. 18.43.D8の配列番号101の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号103の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
  30. 8.51.G10の配列番号149の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号151の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
  31. 8.51.G11の配列番号83の重鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに配列番号85の軽鎖アミノ酸配列のCDR1、CDR2、CDR3を含む1つまたは複数のS.aureus株に結合する単離されたヒト抗体。
  32. 請求項14または17に記載の免疫グロブリン重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸。
  33. 請求項14または17に記載の免疫グロブリン軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸。
  34. 請求項32に記載の核酸を含む発現ベクター。
  35. 請求項33に記載の核酸を含む発現ベクター。
  36. 請求項32に記載の核酸をさらに含む、請求項35の発現ベクター。
  37. 請求項34に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  38. 請求項35に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  39. 請求項36に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  40. 請求項34の発現ベクターをさらに含む、請求項38に記載の宿主細胞。
  41. 免疫グロブリン重鎖可変領域または免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドの産生方法であって、
    (a)前記宿主細胞が前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを発現する条件下で請求項37または38の宿主細胞を増殖させることと、
    (b)前記免疫グロブリン重鎖可変領域または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む前記ポリペプチドを純化させることと、
    を含む、方法。
  42. 1つもしくは複数の黄色ブドウ球菌株に結合する抗体、または前記抗体の抗原結合断片の産生方法であって、
    (a)前記宿主細胞が前記免疫グロブリン重鎖可変領域および/または前記免疫グロブリン軽鎖可変領域を含むポリペプチドを発現する条件下で請求項39または40の宿主細胞を増殖させ、それによって、前記抗体または前記抗体の抗原結合断片を産生することと、
    (b)前記抗体または前記抗体の前記抗原結合断片を純化させることと、
    を含む、方法。
  43. 宿主細胞内のS.aureusの増殖および/またはコロニー化の阻害方法であって、請求項1乃至31のいずれか一項に記載のポリクローナル抗体組成物を有効量投与して前記宿主細胞内のS.aureusの増殖および/またはコロニー化を阻害することを含む、方法。
  44. S.aureusの低減または殺菌方法であって、請求項1乃至31のいずれか一項に記載のポリクローナル抗体組成物を有効量投与してS.aureusを低減または殺菌することを含む、方法。
  45. 哺乳類における黄色ブドウ球菌感染の治療または予防方法であって、請求項1乃至31のいずれか一項に記載のポリクローナル抗体組成物を有効量、それを必要としている哺乳類に投与することを含む、方法。
  46. 前記哺乳類がヒトである、請求項45に記載の方法。
  47. 前記黄色ブドウ球菌感染がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染である、請求項45に記載の方法。
  48. 前記黄色ブドウ球菌感染がメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)感染である、請求項45に記載の方法。
  49. 前記黄色ブドウ球菌感染がバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染である、請求項45に記載の方法。
  50. 前記黄色ブドウ球菌感染がバンコマイシン媒介性黄色ブドウ球菌(VISA)感染である、請求項45に記載の方法。
  51. 哺乳類における黄色ブドウ球菌感染を含む複数菌感染の治療または予防方法であって、請求項1乃至31のいずれか一項に記載のポリクローナル抗体組成物を有効量、それを必要としている哺乳類に投与することを含む、方法。
JP2013527358A 2010-09-02 2011-09-02 黄色ブドウ球菌特異的なヒト組換えポリクローナル抗体およびその使用 Withdrawn JP2013538573A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US37958010P 2010-09-02 2010-09-02
US61/379,580 2010-09-02
US38093410P 2010-09-08 2010-09-08
US61/380,934 2010-09-08
PCT/US2011/050422 WO2012031260A2 (en) 2010-09-02 2011-09-02 Staphylococcus aureus specific human recombinant polyclonal antibodies and uses thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013538573A true JP2013538573A (ja) 2013-10-17

Family

ID=45002103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013527358A Withdrawn JP2013538573A (ja) 2010-09-02 2011-09-02 黄色ブドウ球菌特異的なヒト組換えポリクローナル抗体およびその使用

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20140030269A1 (ja)
EP (2) EP2749570A3 (ja)
JP (1) JP2013538573A (ja)
AU (1) AU2011295702A1 (ja)
CA (1) CA2810030A1 (ja)
WO (1) WO2012031260A2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014160098A2 (en) * 2013-03-13 2014-10-02 Excelimmune, Inc. Bordetella specific human recombinant antibodies and uses thereof
WO2014153241A1 (en) 2013-03-14 2014-09-25 The Regents Of The University Of Michigan Treatment of staphylococcal disorders
EP3442567A4 (en) * 2016-04-13 2019-12-18 Orimabs Ltd. ANTI-PSMA ANTIBODIES AND THEIR USE
TW202311284A (zh) 2017-01-03 2023-03-16 美商再生元醫藥公司 抗金黃色葡萄球菌溶血素a毒素之人類抗體
WO2018165089A1 (en) * 2017-03-06 2018-09-13 Vanderbilt University Human monoclonal antibodies to staphylococcus aureus lukab toxin

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1850867A1 (en) * 2005-01-10 2007-11-07 Nabi Biopharmaceuticals Method of treating staphylococcus aureus infection
WO2009140236A2 (en) * 2008-05-12 2009-11-19 Strox Biopharmaceuticals, Llc Staphylococcus aureus-specific antibody preparations

Also Published As

Publication number Publication date
AU2011295702A1 (en) 2013-04-04
EP2749570A3 (en) 2014-09-24
EP2749570A2 (en) 2014-07-02
WO2012031260A2 (en) 2012-03-08
WO2012031260A3 (en) 2012-07-19
CA2810030A1 (en) 2012-03-08
EP2611828A2 (en) 2013-07-10
US20140030269A1 (en) 2014-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9927428B2 (en) Gram-positive bacteria specific binding compounds
JP6694269B2 (ja) S.アウレウス(S.aureus)表面決定基に対する抗体
EP2464665B1 (en) Human monoclonal antibody against s. aureus derived alpha-toxin and its use in treating or preventing abscess formation
CA2560759A1 (en) Human anthrax toxin neutralizing monoclonal antibodies and methods of use thereof
KR20170136637A (ko) 항-스타필로코커스 아우레우스 항체 배합 제제
JP2013538573A (ja) 黄色ブドウ球菌特異的なヒト組換えポリクローナル抗体およびその使用
US9732145B2 (en) Antibodies directed to Bacillus anthracis protective antigen
WO2024020236A2 (en) Monoclonal antibodies that interfere with iron uptake

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20141104