JP2013535227A - 有機廃棄物を処理するために用いられたバイオマスからの安定化ポリヒドロキシアルカノエートの回収方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1.バイオマスからPHA樹脂を回収するための実行可能なプロセスを確立する、
2.このプロセスでバイオマスから回収したPHA質量の収率を最大化する、
3.溶媒抽出の間にPHAの分子量が制御されずに低下する可能性を最小限にする、及び
4.高い熱安定性を示すPHA樹脂を抽出する手段を容易にする。
I.PHAを有意に蓄積する既存の能力でバイオマスを産生しながら、流入液中の有機物質のいくらか又は全てを、RBCODを豊富に含む廃水に変換し、この廃水から全てのRBCODを除去するように設計されたユニットプロセス。
II.安定な廃水処理プロセスの操作及びPHA産生の目的のために作られたバイオマスの保持量を制御し、計量しつつ輸送するための手段。
III.その廃水自体又はその場所若しくは他の場所からの廃棄物有機源に由来するRBCODを豊富に含む供給物を用いることによって、産生されたバイオマス中で有意なレベルまでPHAを蓄積するためのユニットプロセス。
IV.例えば、このバイオマスから取り出された任意のPHA以外の材料からのエネルギー生成における利点を同時に確保しながら、熱に安定であり、温度上昇又は化学的な相互作用に起因する分解に耐性があるPHA含有バイオマス(PHA−in−biomas)を作製するためのユニットプロセス。
V.熱安定性のPHA樹脂を抽出するためのユニットプロセス。
本発明は、蓄積した後にこのPABを豊富に含むバイオマスから最終的な精製(V)を行うために必須な工程として、工程IV(すなわち、回収のためにPHA含有バイオマスを調製する工程)に集中するものであり、本発明は、PHA回収において生成物の質の目標を満たし、かつ廃水処理及び残留廃棄物処理能力、並びに以下にさらに説明するような節約目標を同時に満足するための現実的な解決法を提供する。
1.熱安定化剤は、最終生成物の材料特性である加工性を損なう溶融物中の望ましくないポリマー分解物を減らすことに役立つ。熱安定化剤は、無機添加剤及び有機添加剤の両方を包含していてもよく、PHAからのプラスチック生成に費用を追加する。例は、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム及びホスホン酸である。
2.核形成剤は、溶融物からのポリマーの結晶化の開始及び速度を高め、迅速な結晶化は、最終生成物の産業上のプラスチック加工及び耐用年数にとって実際上重要である。最終的なPHAのモルフォロジー(形態)が影響を受け、これにより、材料の特性が影響を受ける。例は、窒化ホウ素、滑石、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、サッカリン、塩化アンモニウム、ステアリン酸塩及びホスホン酸である。
3.可塑化化合物は、ポリマーのガラス遷移を低減し、ポリマーを柔らかくして、脆弱性を低減し、それによって伸長度および衝撃強度を大きくする。これらの添加剤は、脆弱なPHB及びPHBVと同様に、短い鎖長のPHAに対して役割を果たす。例は、クエン酸アセチルトリアルキル類、トリアセチン、フタレートエステル類、マレイン酸塩、セバシン酸塩、アジピン酸塩、PHAオリゴマー類、ジオール類及びトリオール類である。
4.着色剤は、プラスチックに対し、特殊な色を付与する。色の要件は、極めて厳しく、従って、加工に起因する樹脂からのどのような着色傾向も、一貫しており、かつ補償され得ることが望ましい。
5.複合材料は、充填剤の機能的役割を果たし、材料の機械的特性を増強する添加剤を含む。例えば、バイオマスNPCMは、充填剤であると考えてもよく、得られた複合体は、樹木の苗のための生分解性容器(機械的特性の要求は、それほど面倒ではない)として用いられてきた。また、天然の繊維をPHAとの複合体として用いてもよく、この場合、ポリマーは、繊維の網目構造のマトリックスを提供する。このような繊維強化PHAは、PHA単独をかなり上回る耐衝撃性を有するPHAの強度を示しうる。また、複合体の材料特性がその用途の要求事項を満たすものであれば、PHA含量を減らすことによってプラスチックの費用を安くするために、充填剤を使用してもよい。
1.化学的な添加剤の必要性を限定し、それによって、廃棄物バイオマスプロセスに関連するプロセスの複雑性及び費用を低減する、
2.樹脂抽出の前に高温のバイオマス乾燥を可能にする、
3.バイオマス中のPHAが、溶媒抽出前に熱的及び化学的に安定であることを確保することによって、非塩素化溶媒でのバイオマスからの高温樹脂溶媒抽出を可能にする。
4.プラスチック配合物中での安定化剤の必要性を有意に減らすために、高温安定性であるPHAの生成を容易にする、および
5.NPCM残渣の供給源を捕捉し、その無機物、有機物及び熱の含有量について容易に管理及び活用できる。
1.蓄積後の一次バイオマス脱水:
できる限り処理した廃水を排出する。蓄積後、2〜10g/LのTSSを含む混合液(そのTSSのPHAは、乾燥重量として40%を超える)が典型的には予想されるだろう。この混合液のpHは典型的には、7を超えるが、10未満である。蓄積プロセスによって、炭素除去における生物学的処理が得られる。その後のバイオマスの取扱いでは、pH調節が必要であり、そのため緩衝能力を減じるためにできるだけ多く液体を除去することが有利である。好気性のバイオマス代謝に起因するPHA損失を最小にするためには嫌気性条件が有益である。定着した(settled)バイオマスは、ポリマー含量に対するなんら有意な影響なしに最大12時間まで貯蔵された。この最初の脱水によって、1%を超えるが10%未満に乾燥した固体を得ることが予想される。化合物の添加を用いてバイオマス凝集を補助してもよい。脱水工程への空気の取り込みは、回避されなければならないが、不可避である場合、空気取り込みの量及び期間は最小限にすべきである。
一方でバイオマス中のPHAの熱安定性及び化学薬品安定性も高めつつ、微生物活性を阻害するために、混合液pHを2〜5に調節する。PHA含有バイオマスの熱安定性の改善は、標準的な方法による熱重量分析(Thermal Gravimetric Analysis)(TGA)によって評価することができる。バイオマス乾燥及び引き続く溶媒抽出が両方とも100℃を超える温度の場合、熱安定性を高めることが好ましい。熱安定性は、バイオマスの無機物含量と、かつ最も顕著には、カルシウムのような陽イオンと正の相関関係がある。
このバイオマスをさらに、例えば、溶存ガスの浮遊を含む種々の手段によって脱水する。このガスは、一部は、酸性化によって形成される二酸化炭素の泡に起因するものであろう。浮遊によってバイオマスの分離を達成するために、分散空気も添加してもよい。さらに、バイオマス脱水を改善するために、分離中に化合物を添加してもよい。混合液のpHを下げた後、バイオマスの代謝活性が低下し、それによって、バイオマス中のPHAは、溶解した空気の浮遊又は他の形態の空気取り込みの間に代謝による分解を受けにくくなる。バイオマスを、好ましくは20%を超えて乾燥した固体にまで脱水する。溶解した空気の浮遊によって、4%を超えて乾燥した固体が達成されることがあり、そのため追加の手段、例えば、遠心分離が必要であろう。バイオマスの水含量を下げる他の方法を、溶存空気の浮遊及び/又は遠心分離の代わりに適用してもよい。
高温溶媒抽出のための最適条件を達成するためには、バイオマスを乾燥しなければならず、又は水を置換しなければならない。乾燥後の最終水分含量は好ましくは、5%を超えてはならない。PHA含有バイオマスの安定性を達成するための上述の調整で、100℃を十分に超える乾燥温度の使用が可能になる。
PHAを、100℃を超える温度で、PHBについては、好ましくは120℃を超える温度で、非塩素系有機溶媒によってNPCMから抽出してもよい。抽出した後、PHA沈殿の前または後に、PHAをNPCMから分離する。抽出溶媒によっては、PHA樹脂の沈殿は、第二溶媒の添加を必要とすることがある。溶媒をNPCM及びPHAから分離する。この溶媒を回収し、蒸留によって再利用することができる。PHAを乾燥する。NPCM及び溶媒は関連の残滓とともに、回収されてもよいし、及び/又は加熱要求のための燃料として部分的に用いられてもよい。
熱重量分析(Thermal Gravimetric Analysis)(TGA)
乾燥したPHAを豊富に含むバイオマス又はPHA樹脂サンプルを2〜5mg秤量し、空気中又は窒素ガスのような不活性ガス環境で加熱する。サンプルの温度を105℃に上げ、重量を平衡状態にする。サンプルからの水分の消失を、105℃で重量を平衡状態にした後に評価する。温度を上げ、一定温度上昇(傾斜)条件下、又は一定温度(等温)条件下のいずれかで重量低下を記録する。プロセス評価のために、及びこの開示で提示された結果について、標準化したTGA測定プロトコールを採用した。このTGAプロトコールは、サンプルのバイオマスを、窒素雰囲気下、(105℃で水分を除去した後に)連続して温度を10℃/分で最大350℃まで上昇させ、その後に、最終温度が600℃になるまで空気雰囲気下で上昇させることを含む。バイオマス中のポリマー及び抽出されたPHA樹脂の両方とも、この標準化された方法によって評価することができる。温度の関数としてのこの重量低下及び重量低下率の変化が検討された。
提示されるTGAデータと同様に、本開示で報告されるデータについては、標準化された動粘性係数測定方法が適用されている。乾燥し、抽出したPHAサンプル0.6gを180℃で2分間、最大圧力10barで加圧した。このサンプルを、25mmの直径を有する1mm厚の円板形の型に溶融加圧した。加圧後、サンプルを、円板形の型から取り出して、過剰な蒸発性材料を除去した。得られたPHA円板状サンプルを、TA Instrument AR 2000のようなレオメータに入れ、動粘性係数を、180℃で最大40分までの温度掃引測定で測定した。この温度掃引の間、2%の歪み振幅及び10Hzの周波数を両方とも一定に保持した。窒素ガスで冷却しつつ、温度を一定に維持した。
Mw=m・|η*|+b
ここで、m及びbは、PHAの種類及びレオロジー測定の条件(温度、頻度及びひずみ)に依存して変わり得る比例定数である。|η*|の減少は、MWの減少と同等である。定数m及びbが同じであることが予想される所定のポリマーについては、|η*|の差は、ポリマーMWの差と比例した値を示す。
一定の所定温度かつあらかじめ決めておいた抽出時間で、有機溶媒を用いて乾燥バイオマスからPHAを抽出した。この抽出したポリマーを沈殿させ、標準化された方法によって溶媒から分離した。バイオマスの前処理及び抽出方法が分子量低下に及ぼす影響は、以下のようないくつかの関係する参照項目から決定できる:(1)異なる暴露時間についての同じ抽出方法に関する一次減衰係数、(2)標準化された抽出方法に関連する変化、又は(3)抽出温度の変化に伴う分子量低下に関連する熱感受性。
バイオマスの供給源及びバイオマス中のPHA蓄積
PHAを蓄積するバイオマスの3つの別個の供給源を考慮した。栄養を制限した条件下で、RBCODの選択された供給源をバイオマスに供給することによって、PHAを蓄積した。栄養とは、非PHAバイオマス成長のための任意の要素を指し、有機物の炭素は含まれない。例えば、微生物増殖のための窒素及び/又はリンの必要性に関する栄養制限を用いてバイオマス中のPHA貯蔵反応を刺激した。
●スウェーデンのパイロットプラント規模の施設で酪農業の産業廃水処理に用いられる活性化スラッジ(activated sludge)(AS)(AS−S)。AS−Sサンプルを受領し、PHA蓄積実験は、2年にわたるパイロットプラントの運営、及び5年のベンチスケールのプロセス開発で、このバイオマスについて定められたとおりに行われた。このパイロットプラントは、連続バッチリアクター(反応器)(SBR)で構成されていた。このSBRは、12時間サイクルで操作される400Lの作業容積を有していた。SBR中のバイオマスの滞留は、重力沈降によった。名目上の廃水の水理学的滞留時間(hydraulic retention time)(HRT)は1日であって、プロセスは、1〜8日の種々の年齢のスラッジ(固体保持時間又はSRT)で行われた。1〜2g−RBCOD/L/dの有機物保持速度を適用し、廃水処理プロセス中で微生物増殖が制限されないように、栄養物を必要に応じて供給した。活性化されたスラッジバイオマスは、PHAを含まない乾燥バイオマス重量の最大でほぼ100%という有意なPHA蓄積能力を示した。
●フランスにおいてフルスケールでの都市廃水の処理に用いられる活性化スラッジ(AS)(AS−F)。AS−Fのサンプルを受領し、PHA蓄積実験は、このバイオマスに対して実験室で(500mL)及びパイロットスケールで(100L)行った。
このバイオマスを生成する都市廃水処理プラントは、フルスケールで200,000人規模になるように設計されたものである。このプラントは、26,750kgCOD/dという都会の有機廃水汚染の処理を管理する。高度に保持された活性化スラッジのユニットプロセスは、流入液の廃水から容易に生分解可能な有機含量を除去して、これによって1日あたり約22.2トンの廃棄物の活性化スラッジ(WAS)が生じる。この活性化スラッジバイオマスは、PHAを含まないバイオマス乾燥重量の最大約67%までのPHA蓄積能力を示す。
●Cuphavidus necatorの純粋培養(PC)バイオマスをフランスで培養及び生成し(PC−F)、PHA蓄積後に乾燥されたPCバイオマスサンプルとして提供した。Cuphavidus necatorとは、PHA産生のための純粋培養研究で長年にわたって用いられてきた、グラム陰性の原核生物である。この純粋培養は、PHAを含まない乾燥バイオマス重量の最大でほぼ400%になる過度のPHA蓄積能力を示す。
バイオマスサンプルのTGAは、バイオマス無機画分、並びにバイオマス中のPHAの量及び熱安定性の情報を与える。バイオマスの無機画分は、600℃のオーブン温度に達した後、サンプルの残った重量から推定した(図3)。無機画分又はバイオマス灰分(biomass−ash)という用語は、空気中でサンプルを最大600℃にした後に残っている推定のTGAサンプル残留物を指して用いる。灰分含量を推定した後、サンプルの重量から推定の灰分含量を引いたもの、すなわち推定の有機サンプル重量をさらに考慮した。TGAは、相対的なサンプルの有機物重量が徐々に減っていき、漸近的に相対重量ゼロになって終わることを示す。バイオマス中のPHAの量及び質は、温度の関数として質量低下率から評価できる(図4及び図5)。10℃/分という勾配の、本発明者らのTGAの標準方法に従って、バイオマス中のPHAは、200〜300℃で一般には生じる、重量低下率の特徴的なピークによって特定される。PHAピークについての温度が高いほど、バイオマス中でPHAの熱安定性は高い。本開示の目的に関して、PHA含有バイオマスの分解温度(Td)とは、分解がこの温度より低い温度で開始しその後に続く場合であっても、バイオマス中のPHAについて最大の重量損失率となる温度で定義される。特徴的なPHA分解温度はまた、5(T5)、25(T25)、50(T50)、75(T75)及び95(T95)パーセンタイルのような、バイオマス中のPHAの分解のパーセンタイルによって定義することができる。いくつかの場合には、250℃のような固定温度(fd 250)での分画的PHA分解を特定することも有益である。バイオマスの有機物含量の傾向から、当業者は、有機バイオマスのPHA画分及び非PHA有機画分、並びにPHA含有バイオマスの熱安定性を観察する。
PHA含有バイオマスの熱安定性に対するバイオマス中の灰分含量の役割をよりよく理解するために、別の蓄積実験からのバイオマスのサンプルを、元素分析に送った。バイオマスの脱水サンプル及び乾燥サンプルとして、PHA蓄積の前(2サンプル)、PHA蓄積の後(3サンプル)、及び最終脱水の前に混合液を酸性化した後(3サンプル)に採取したサンプルを選択した。
PHA熱安定性を高めるためにバイオマスを調整する重要性は、AS−Fバイオマスで行われた蓄積実験によって同様に示された(図11、図12、及び図13)。70℃で乾燥したバイオマスサンプルを、PHA蓄積前、PHA蓄積及び脱水後に採取し(対照のサンプル)、ここではpHは7と9との間であり、かつPHA蓄積後、pHは3に調節し、引き続く濃縮工程は、溶存ガス浮遊及び最大150g/Lまでの遠心分離を含んでいた。蓄積の間、バイオマス無機画分は、徐々に減少し、酸性化によってさらに減少し、これによって、PHA含有バイオマス分解温度が最も有意に上昇した。
PHA生成プロセスを、廃水処理施設でスラッジ管理作業と組み合わせて行った。しかし、それにもかかわらず、本発明者らは、本開示の原理が、PHA生成のための純粋培養発酵のプロセスに基づいたPHA生成についても同様に関係があるか否かを解明することを望んだ。この目的を達成するために、PC−Fのサンプルを遠心分離によって脱水し、PHA蓄積後に直接凍結乾燥した。PC−Fバイオマスの有機画分は、重量あたりほぼ81%PHAであった。バイオマス中のPHAを調整する原理を、既に乾燥したバイオマスから出発した場合にも試験した。
AS−S PHA樹脂(MC−PHA−AK)のサンプル、及び2つの別個の市販グレードのPHA樹脂(PC−PHA−1及びPC−PHA−2)を、無機元素含量について分析した(図22及び図23)。MC−PHA−AKは、酪農業の廃水を処理する混合培養物に由来し、市販のPHAは、純水培養(PC)発酵プロセスによって生成されていた。これらのサンプルについてのTGAによる非PHA含量は、200℃でのサンプル重量に対する、PHA重量低下ピーク後の350℃のTGA温度での残留物の画分に基づく。元素分析による非PHA含量は、検出した元素の質量に基づく非PHA画分を指す(図23)。絶対純度に関して(図22)、PC−PHA−1は、極めて純度が高いが、他の2つのサンプルは、同等の純度であった。しかし、TGA由来の推定の非PHA含量は、元素分析に基づく非PHA無機質量の合計値とは相関関係になかった。
追加の作業を行って、熱安定性の改善が、処理のために優れた機能的な品質を有するPHA樹脂にどのように関係があるかをさらによく理解した。機能的な品質とは、処理に必要だと思われる溶融物中のPHAの安定性を指す。市販の純粋な培養由来のPHA樹脂、及び本発明者らの混合培養(活性化スラッジ)由来PHA樹脂の多くのサンプルのレオロジーによる動粘性係数を検査した。
ゾーン1:0.1<fd 250<1.0 0<1−log溶融安定性<5分
ゾーン2:0.012<fd 250<0.1 5<1−log溶融安定性<15分
ゾーン3:0.01<fd 250<0.012 15<1−log溶融安定性<25分
ゾーン4:0.001<fd 250<0.01 25<1−log溶融安定性<35分
Claims (29)
- 混合液中に含まれるバイオマス中のPHAの安定性を向上させる方法であって、
a.前記混合液のpHを6未満に下げることにより又は選択された期間前記混合液のpHを6未満に保つことにより、前記混合液を処理することによって、前記混合液中の前記バイオマスに会合するイオンを溶解させる工程と、
b.前記混合液を脱水し、前記バイオマス中のPHAを前記イオンの少なくともいくらかから効果的に分離し、これにより前記バイオマス中のPHAの安定性を向上させる工程と、
を有することを特徴とする方法。 - 前記バイオマス中のPHAのTdが260℃を超えるように前記混合液を処理することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記バイオマス中のPHAの安定性を向上させた後に、PHA樹脂を得るために前記バイオマスからPHAを回収する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記PHA樹脂のT5が260℃を超えるように前記混合液を処理することを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 前記混合液を脱水することが、前記バイオマスに会合するイオンを溶解させる前に前記混合液を脱水することを含み、
前記方法はさらに、前記混合液を脱水した後に前記バイオマスを乾燥させる工程と、前記バイオマス中のPHAから前記イオンの少なくともいくらかを効果的に分離する工程とを含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 前記バイオマスを、乾燥時間の全て又は選択された期間について120℃以上の温度で乾燥させる工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 100℃を超える温度で、非塩素化溶媒を用いて、前記バイオマスからPHAを抽出する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 120℃を超える温度で、非塩素化溶媒を用いて、前記バイオマスからPHAを抽出する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
- 前記混合液のpHを2〜5に下げる工程と、前記混合液のpHを2〜5に下げる前に、乾燥固体重量が1%より大きくなるように前記混合液を脱水する工程とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記混合液のpHを2〜5に下げた後に、乾燥固体重量が10%より大きくなるように前記混合液をさらに脱水する工程と、前記バイオマスからさらなる水を除去するように前記バイオマスを乾燥する工程と、をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
- 前記バイオマスを乾燥させた後に、100℃を超える温度で、非塩素化溶媒を用いて、前記バイオマスからPHAを抽出する工程を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 混合液中に含まれるバイオマス中のPHAの化学的及び/又は熱的安定性を向上させる方法であって、
前記混合液は、前記混合液から水を取り除くことと、前記混合液のpHを調整すること又は前記混合液を選択されたpH範囲内に維持することと、の組み合わせによって処理され、
前記方法は、前記混合液の前記pHを6未満に下げる工程、又は選択された期間前記混合液の前記pHを6未満に維持する工程、を含み、
前記混合液のpHの6未満への前記調整又は前記混合液のpHの6未満への前記維持は、前記バイオマス中のPHAの化学的及び/又は熱的安定性を向上させる
ことを特徴とする方法。 - 前記混合液からの乾燥されたバイオマスが、窒素雰囲気中、10℃/分というおおよそ一定の温度上昇でもって105℃〜300℃の範囲の温度にさらされた場合、前記バイオマス中のPHAの最大重量損失率が260℃を超える温度に存在するように、前記混合液を処理することを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記バイオマス中のPHAの前記熱的安定性が分解温度を判定することにより評価されることができ、
前記分解温度は、規定の雰囲気中でサンプルを温度範囲内で所定の速度で加熱した場合の、該温度範囲内における前記PHAの最大重量損失率が存在する温度であり、
請求項11に記載の方法で前記バイオマス中のPHAを処理することにより、前記バイオマス中のPHAの前記分解温度が260℃未満の温度から260℃を超える
ことを特徴とする、請求項12に記載の方法。 - a.前記混合液を脱水する工程と、
b.前記混合液を脱水した後に、前記混合液のpHを6未満に下げる工程と、
c.前記混合液のpHを6未満に下げた後に、前記混合液をさらに脱水するか又は前記混合液から水を取り除く工程と、
d.その後に前記バイオマスを乾燥させる工程と、
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。 - 前記バイオマスを、乾燥時間の全て又は選択された期間について120℃以上の温度で乾燥させる工程をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
- 前記バイオマスを乾燥させた後に、100℃を超える温度で、非塩素化溶媒を用いて、前記バイオマスからPHAを抽出してPHA樹脂を生産する工程を含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
- 100℃を超える温度で、非塩素化溶媒を用いて、前記バイオマスからPHAを抽出する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記混合液のpHを2〜5に下げる工程と、酸化又は他の方法で前記混合液内の前記バイオマスを可溶化する工程と、を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記PHA及びバイオマスの化学的及び/又は熱的安定性を向上させた後に、100℃より高い温度で有機溶媒と前記バイオマスとを混合することによって前記バイオマスからPHAを回収し、PHA樹脂を製造することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記有機溶媒から前記PHA樹脂を沈殿させる工程と、前記沈殿したPHA樹脂を有機溶媒洗浄にさらす工程と、前記PHA樹脂から非PHA物質を除去する工程と、を含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
- 有機溶媒を前記バイオマスと混合することにより前記バイオマスからPHAを抽出する工程と、前記溶媒からPHA樹脂を沈殿させる工程と、前記PHA樹脂をpHが7より小さい酸性水洗浄にさらすことと、を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 前記抽出されたPHA樹脂のT5が260℃より大きいことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
- 前記PHA樹脂のfd 250が0.012よりも小さいことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
- 前記バイオマスに会合する陽イオンを解離させる工程と、前記混合液中で前記陽イオンを可溶化する工程と、前記混合液の少なくともいくらかを前記バイオマスから分離することにより前記解離した陽イオンを除去する工程と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 前記混合液のpHを2以上6以下とする工程と、PHA樹脂を製造するために前記バイオマスからPHAを抽出する工程と、を含み、
前記方法は、前記バイオマス中のTdが260℃を超え、前記抽出されたPHA樹脂のT5が260℃を超えるように、前記混合液を十分に酸性化及び脱水することを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。 - PHA樹脂を製造するために前記バイオマスからPHAを抽出する工程を含み、
前記PHA樹脂のT5が260℃を超えるように、前記混合液及び前記混合液中のバイオマスは十分に処理されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。 - PHA樹脂を製造するために前記バイオマスからPHAを抽出する工程を含み、
前記PHA樹脂が15分を超える1−log溶融安定性を有するように、前記バイオマス中のPHAは十分な処理にさらされることを特徴とする、請求項12に記載の方法。 - 前記バイオマス中のPHAのTdを260より大きくするために十分なように前記混合液のpHを下げる工程を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
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