JP2013533584A - ナノ多孔性真空ポンプ - Google Patents

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Abstract

本発明は、ナノ多孔性絶縁性膜20(ナノ多孔性ダイヤモンド薄膜等)と、膜20における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層18a及び第2の導電性層18bとを備える素子12を提供する。また、このような素子12をそれぞれが備える真空ポンプ10、イオン源80及びイオントラップ98も提供される。

Description

本発明は、ナノな多孔性の絶縁性(例えばダイヤモンド)膜に基づくナノ多孔性真空ポンプと、イオン源及びイオントラップを提供することを含んだ絶縁性膜の他の用途とに関するものであり、上記ナノ多孔性真空ポンプは、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS, gas chromatography-mass spectrometer)及び他の質量分析計のようなハンドヘルド装置と適合する小型のポンププロファイルを真空ポンプに与えるのに特定的ではあるが決して限定的ではない有用さを有するものである。
[関連出願]
本出願は、2010年6月18日に出願されたオーストラリア特許出願第2010902670号の出願日及び優先日の利益に基づくものであり且つ上記利益を主張するものであり、出願時の上記出願の内容はその全体が、参照により本出願に援用される。
既存の真空ポンプは、連続蒸着されるチタンの薄膜を用いるものがあり、この場合、非常に反応性の高くなっているチタンがポンプチャンバ内の残留ガスと反応すると共にこの残留ガスを捕捉する。
天然素材であるナノ多孔性ゼオライトが、小型のクヌーセンポンプ(Knudsen pump)の能動素子として提案されている。
Frank Hartley及びIsik Kanik(国際光工学会[SPIE]会報 vol.4936[2002年])は、電界イオン化によって気相内の原子又は分子をイオン化するのに使用するために、窒化ケイ素材料中にソフトイオン化薄膜(SIM, Soft Ionising Membrane)を作り出した。
広義には、本発明は、
ナノ多孔性絶縁性膜と、
上記膜における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層(又は被覆材)及び第2の導電性層(又は被覆材)と
を備える素子を提供する。
一実施形態では、絶縁性膜はナノ多孔性ダイヤモンド薄膜を含む。
第1の導電性層及び第2の導電性層は金属層を含んでもよい。
別の実施形態では、第1の導電性層及び第2の導電性層は蒸着層を含む。
第1の導電性層及び第2の導電性層はモリブデン又は金を含んでもよい。
第1の広義な態様では、本発明は、
ナノ多孔性絶縁性膜と、
上記膜における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層及び第2の導電性層と
を備えるポンプ素子を提供する。
それ故、ポンプ素子は複数の穴があいたコンデンサの構成を有する。
一実施形態では、絶縁性膜はナノ多孔性ダイヤモンド薄膜を含む。
一実施形態では、第1の導電性層及び第2の導電性層は金属被覆材(Mo又はAu等)を含む。
一実施形態では、第1の導電性の後者及び第2の導電性の後者は蒸着被覆材を含む。
第2の広義な態様では、本発明は、
上述したようなポンプ素子と、
第1の導電性層及び第2の導電性層の間の電位差を維持するように構成される電源と
を備える真空ポンプを提供する。
或る実施形態では、電源は、第1の導電性層を第2の導電性層に対して負電位に維持するように構成される。この電位は比較的低くてもよい(例えば、−300V〜−500V)。
一実施形態では、真空ポンプは、第1の導電性層が負電位(例えば、−300V〜−500V)にあり且つ第2の導電性層が接地された状態で動作するようになっている。
第3の広義な態様では、本発明は、上述したような真空ポンプを備える真空チャンバを提供する。
第4の広義な態様では、本発明は、上述したような真空ポンプを備える科学機器(質量分析計等)を提供する。
一実施形態では、科学機器はハンドヘルド質量分析計である。
第5の広義な態様では、本発明は、上述したような真空ポンプを用いることを含むポンピング方法を提供する。
第6の広義な態様では、本発明は、上述したような真空ポンプを用いることを含んだ、科学機器(質量分析計等)を排気する(evacuate)方法を提供する。
第7の広義な態様では、本発明は、
ナノ多孔性絶縁性膜と、
上記膜における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層及び第2の導電性層と
を備えるイオン源を提供する。
絶縁性膜はナノ多孔性ダイヤモンド薄膜を含んでもよい。
ダイヤモンドは、物理的に強く(このことは、絶縁性膜が大気圧を支えなければならない実施形態において特に重要である)、電界イオン化のために高い電界のその生成を容易にする高い絶縁耐力(〜1000kV/mm)を有する。他の実施形態では、窒化ケイ素が使用されてもよく、窒化ケイ素もまた、高い絶縁耐力を有するが、ダイヤモンドの物理的強度を欠いており、そのため、そのような強度が必要である場合には適切ではないかもしれない。さらに他の実施形態では、絶縁性膜はアルミナ(Al)であってもよいが、アルミナは、良好な物理的強度を有しているものの、用途によっては不十分な絶縁耐力しか有していないかもしれない。
イオン源は、第1の導電性層及び第2の導電性層の間の電位差を維持するように構成される又は構成可能である電源をさらに備えてもよい。
第8の広義な態様では、本発明は、上述したような素子を備えるイオントラップを提供し、この場合、ナノ多孔性絶縁性膜が、上記対向する面同士の間の導電性領域と、導電性領域及び上記面の間にそれぞれある絶縁性が高くなった領域とを有するように、ドープされる。
一実施形態では、イオントラップは、第1の導電性層及び第2の導電性層の間に電位差をもたらすように構成される又は構成可能であるRF電源をさらに備える。
第9の広義な態様では、本発明は、上述したようなイオン源を備える質量分析計を提供する。
第10の広義な態様では、本発明は、上述したようなイオントラップを備える質量分析計を提供する。
実際には、本発明は、上述した真空ポンプ、イオン源及びイオントラップのうちの1つ以上を備える科学機器(質量分析計等)も提供する。
第11の広義な態様では、本発明は、上述したイオン源を用いることを含むイオンを供給する方法を提供する。
第12の広義な態様では、本発明は、上述したイオントラップを用いることを含むイオンを捕捉する方法を提供する。
本発明の上記の態様のそれぞれにおける種々の特徴のいずれもが、好適に且つ所望とされるように組み合わされることができるということに、留意すべきである。
次に、本発明がより明確に解明され得るために、添付の図面を参照して、実施形態が例を目的として説明される。
本発明の一実施形態による真空ポンプの概略図である。 図1の真空ポンプのポンプ素子の概略的な断面図である。 図1の真空ポンプにおいて用いるのに好適なダイヤモンド膜の写真である。 図1の真空ポンプにおいて用いるのに好適なダイヤモンド膜の写真である。 図1の真空ポンプのポンプ素子の概略的な機能図である。 図1の真空ポンプのポンプ素子における細部の概略的な動作図である。 図1の真空ポンプのポンプ素子における細部のさらなる概略的な動作図である。 本発明の一実施形態による真空ポンプが設けられた真空チャンバの概略図である。 図6の真空チャンバの別の概略図であり、図1の真空ポンプ及び図6の真空チャンバの動作を示す図である。 本発明の一実施形態によるイオン源の概略図である。 図8のイオン源のイオン化素子の概略的な詳細断面図である。 本発明の一実施形態によるイオントラップの概略図である。 図11Aの部分は、図10のイオントラップの概略的な詳細断面図であり、図11Bの部分は、図10のイオントラップのダイヤモンド膜を横断する距離の関数としてドーパント濃度(dopant concentration)を概略的にプロットしたものを示す図である。 図10のイオントラップの構造的な細部と電気的等価回路とを示す図である。 本発明の別の実施形態による小型質量分析計の概略図である。
図1は、本発明の一実施形態による真空ポンプ10の概略図である。ポンプ10は、概ね平面的なポンプ素子12と、DC電源14と、ポンプ素子12の第1の表面18a(この図における上面)上に位置する第1の電気接続子16と、ポンプ素子12における第1の表面18aと反対側の第2の表面18b(この図における下面)上に位置する第2の電気接続子(図示せず)とを備えている。DC電源14の電気出力部は、第1の表面18aを第2の表面18bに対して(この実施形態では−300Vの)負電圧に保持するように、第1の電気接続子及び第2の電気接続子それぞれに電気的に接続されている。
図2はポンプ素子12の概略的な断面図である。ポンプ素子12は、ナノ細孔22を有し且つナノ多孔性ダイヤモンド膜20の形態をした絶縁性膜と、ダイヤモンド膜20に付けられると共に第1の表面18a及び第2の表面18bを構成する導電性被覆材24とを備えている。この実施形態では、導電性被覆材24はMo又はAuのいずれかからなる。モリブデンは、ダイヤモンドの熱膨張係数と同様の熱膨張係数をもつという利点を有しており、金は導電率が高いという利点を有している。この実施形態では、導電性被覆材24は、マグネトロン蒸着によってダイヤモンド膜20の上に蒸着されている。
これ故、この図には示されていないが、第1の電気接続子及び第2の電気接続子は被覆材24と電気的に接触している。被覆材24はナノ細孔22を著しく遮断するように塞いでしまうようなことはない。
幾つかの用途では、真空ポンプ10は好適なバッキングポンプと共に用いられるということが理解されるであろう。
ダイヤモンドが高い電気的破壊電圧(約10MV/cm)と(非常に広い面積にわたって1気圧を支えるのに要求される)高い引張強度とをもつため、この実施形態においてダイヤモンド膜が用いられるのは有利なことである。図3A及び図3Bは、自己整合(self-aligning)アルミナナノ膜を用いたマスキングによって作製される好適なナノ多孔性ダイヤモンド膜の写真である。図3Aは正面から見たダイヤモンド膜の写真であり、図3Bは斜めに見たダイヤモンド膜の写真である。
これ故、ポンプ素子12は本質的には複数の穴のあいたコンデンサと見なすことができ、このコンデンサでは、ダイヤモンド膜20の形態の絶縁体が、(2つの被覆材24の各部分の形態をした)複数の穴のあいた2つの導電性プレートの間に挟まれている。DC電源14を用いてそれらの「プレート」を横断して小電圧(modest voltage)が印加されると、2つのプレートの間に形成された電界lである。ダイヤモンドの低い分極率によって、非常に高い電界を支持することが可能になる。このことは、図4に概略的に描写されており、図4は、ポンプ素子12の一部と、第1の表面(上面)18a及び第2の表面(下面)18bの間で(DC電源14に起因した)電位差が生じる結果として生成される電界線30とを示している。電界線がナノ細孔22内ではナノ細孔22に対して概ね平行であるのが、分かるであろう。
図5A及び図5Bは、使用中におけるポンプ素子12の細部の概略的な機能図である。図5Aを参照すると、ガス原子又はガス分子がポンプ素子12の陰極面(すなわち第1の表面18a)に接近すると、ガス原子又はガス分子は、分極し、第1の表面18aでのナノ細孔22の開口部にある導電性被覆材24部分の縁に引き付けられるようになる。分極したガス分子/原子は最も高い電界領域に引き付けられることになり、この領域では、電界は、ガス分子/原子の電界イオン化(field ionization)を行うのに十分に高い。一旦イオン化されてしまうと(図5Bを参照)、この時点でのガス陽イオンは、ナノ細孔22の1つの下方へと加速され、そして、ポンプ素子12の反対側(つまり第2の表面18b)の外へと、接地されている第2の表面18bによって離れるように加速される。
SIMIONシミュレーションを実施したところ、SIMIONは絶縁体が存在することをシミュレートすることができず、SIMIONシミュレーションは、−300Vの電位差の状態でイオンがナノ細孔22の遠方端(すなわち第2の表面18bにおける端部)から外に出ていくということを示すようである。
このような真空ポンプ10が、真空チャンバ内に設けられ、真空チャンバの内部と大気との間の境界面に取り付けられた状態である場合、真空チャンバから真空システムの外へのイオン(すなわちガス)の正味の移送(net transfer)が起こることになり、その結果正味のポンプ効果(net pumping effect)がもたらされる。図6は、図1の真空ポンプ10と同等である(それ故同様の特徴を含む)真空ポンプが設けられた本発明の一実施形態による真空チャンバ50の概略図である。図7は、図6の真空チャンバ50の別の概略図であり、その真空チャンバの動作と図1の真空ポンプ10の動作とを示している。DC電源14が作動しているとき、真空チャンバ50の内部52におけるガスイオンは、ポンプ素子12を通って方向54へ出口へと引き出されることになる。
イオンは、ナノ細孔22に沿って逆流すれば、ポンプ素子12の陰極側から放出される電界放出電子からの電子衝撃によってイオン化されるか、又は膜の接地された端で元に戻すようにイオン化されて(ionized back)、膜の両面の間の電界によってチャンバの外に戻るように方向付けられることになる。
その結果、比較的低い電圧(例えば300V〜500V)によって駆動され且つハンドヘルド質量分析計に容易に組み込むことができる非常に薄い膜型の真空ポンプが生じる。
別の実施形態によれば、図1の真空ポンプと同等であるデバイスが、原子及び分子をイオン化するために、ソフトイオン化薄膜(SIM)デバイスとして用いられることができる。ダイヤモンドは、電界イオン化をもたらすのに大きな電界が用いられるのを可能にするという利点を有しており、そのため、この実施形態によれば、図1の真空ポンプ10と構造上同等であるイオン源が、ナノな多孔性のダイヤモンド薄膜(数ミクロンの厚さ)をこのダイヤモンド膜のいずれの表面上にも金属の接触面を有した状態で備えて、提供される。このことは、小型化された器具において望まれる低電圧及び低くなった電力需要を採用することを可能にする。
図8は、この実施形態によるイオン源80の概略図である。当業者には明らかであるように、イオン源80は構造上、図1の真空ポンプ10と多くの点で同一である。それ故、イオン源80は、ナノ細孔を有する概ね平面的なイオン化素子82と、DC電源84と、イオン化素子82における第1の導電性表面88a(この図における上面)上に位置する第1の電気接続子86と、イオン化素子82における第1の導電性表面88aと反対側にある第2の導電性表面88b(この図における下面)上に位置する第2の電気接続子(図示せず)とを備えている。DC電源84の電気出力部は、第1の表面88aを第2の表面88bに対して(数百ボルト程度、この実施形態では−300Vの)負電圧に保持するように、第1の電気接続子及び第2の電気接続子それぞれに電気的に接続されている。このような電圧は、既存のSIMデバイスよりも高いが、その生成及び破壊のいずれの観点においてもまだ扱いやすいものである。
図9は、イオン化素子82の概略的な詳細断面図である。イオン化素子82は、約5μm厚であり、第1の表面88a及び第2の表面88bをそれぞれ構成する前方及び後方の導電性被覆材を有するナノ多孔性ダイヤモンド膜90を備えている。第1の表面88a及び第2の表面88bは、この実施形態では金からなっているが、他の実施形態では他の導電性材料(Mo等)からなっていてもよい。イオン化素子82の各ナノ細孔92は約50nmの直径を有している。
それ故、イオン化素子82は、既存のSIMデバイスよりも厚いが、ソフトイオンイオン化とコリメーション(collimation)とをもたらす(コリメーションは、直交式飛行時間型質量分析(orthogonal time-of-flight mass spectrometry)が、分解能を最適化すると共に「ターンアラウンド」タイムと称されてきているのを短縮するために、極めて平行であるビームを必要とするので、重要である)。原子又は分子94は、一旦イオン化素子82の電界に近づくとイオン化され、その結果として生成されたイオンは、自身の電荷のせいで、ナノ細孔92内へそしてナノ細孔92に沿って引き込まれ、最終的にはナノ細孔92から出てくる。イオン化素子82の大きなアスペクト比が、この出てくるイオンにコリメートを引き起こす。
さらに別の実施形態によれば、本発明は、メタライズ化ドープダイヤモンド膜(metalized, doped diamond film)内にあるナノスケールの個々のイオントラップによって構成されるイオントラップを提供する。この実施形態では、イオントラップは、ドープダイヤモンド膜を成長させることによって生み出され、このドープダイヤモンド膜では、ドーパントのレベルは、一旦成長するとこの膜がその中央で導電性を有し且つその表面に向かって徐々に絶縁性を高めるように、制御される。
好適な膜を生成するには、ダイヤモンド膜は、成長され、次いでナノ多孔性構造を生成するようにエッチングされ、次いでRF電力の印加のための電気接点を生成するように両面の上に(この実施形態では金を用いて)メタライズされる。その結果が図10に概略的に示されており、図10はこの実施形態によるイオントラップ96の概略図である。この実施形態では、ドーパントが生み出されているが、他のドーパントが(窒素タイプなどの)ダイヤモンドと共に用いられてもよく、絶縁性のある膜がダイヤモンド以外のものである実施形態では、他のドーパントが適宜用いられることになる。
図10を参照すると、イオントラップ98は図1の真空ポンプ10と多くの点で同一である。それ故、イオントラップ96は、ナノ細孔を有する概ね平面的なドープダイヤモンド膜100と、ドープダイヤモンド膜100上の第1の導電性層102a(この図における上層)と、ドープダイヤモンド膜100上における第1の表面102aと反対側にある第2の導電性層102b(この図における下層)と、第1の導電性層102a上に位置する第1の電気接続子104と、第2の導電性層102b上に位置する第2の電気接続子)図示せず)とを備えている。しかしながら、図1の真空ポンプ10とは異なり、イオントラップ98は、第1の電気接続子及び第2の電気接続子それぞれに接続され且つそれ故第1の表面102a及び第2の表面102bそれぞれに接続されている電気出力部を伴って、RF電源106を有している。
大部分の既存の質量分析計と同様に、小型イオントラップの構造は、RF電圧及び周波数において妥協を伴っている。所要電力を可能な限り低くしておくために、理想的な低い電圧及び周波数が用いられる。しかしながら、このことは、トラップ効率を低下させる。本実施形態によれば、トラップ能力におけるこの制限が、これらナノスケールのイオントラップによる大規模アレイを採用することによって改善される。この手法を用いて、この実施形態のRF電源106は、1MHz未満から約100MHzまでの周波数範囲及び30Vピーク・トゥ・ピークから300Vピーク・トゥ・ピークまでの電圧において、稼動されることができる。
図11の図11Aの部分は、この実施形態によるイオントラップ98の概略的な詳細断面図110(正確な縮尺ではない)であり、図11Bの部分は、ドープダイヤモンド膜100を横断する距離dの関数としてドーパント濃度ρ(この例ではボロン)を概略的にプロットした図112である。図11Aの部分はまた、ナノスケールの個々のイオントラップとしての機能を果たすナノ細孔115も概略的に描写している。ドーパント濃度における変動は、上記膜の中央で導電性を有し且つこの中央の導体の両側で抵抗性を有する構造につながっており、そして、これらの抵抗性のある層は、ドープダイヤモンド膜100の各側面上に蒸着された(Au等の)2つの導電性層102a及び102bに接続されている(図1の真空ポンプ10の第1の表面18a及び第2の表面18bを構成する導電性被覆材24を参照)。
それ故、RF電界が2つの金の層102a,102bに印加されると、電位は、ダイヤモンド膜104と交差する抵抗性のある接続部によって、より導電性の高い中央領域114にかけられる。この中央の電位領域114及びRF電界はイオントラップとしての機能を果たし、その結果ドープダイヤモンド膜100内の各ナノ細孔がナノスケールのイオントラップとしての機能を果たす。
図12は、図10のイオントラップ98の構造的な細部と電気的等価回路とを示している。金の層102a,102bの形態のメタライゼーション(metalization)を伴ったドープダイヤモンド膜100の細部が、116(単一のナノスケールのイオントラップ118を含んでいる)において詳細に示されており、その下には、ドーパントのプロファイル(図11Bの部分を参照)が概略的に描かれている。図12の最も下にある記載において、119では、メタライズ化ドープダイヤモンド膜を通る(この図における)横断面に対応する電気的等価回路がある。電気的等価回路119は、ナノ多孔性のメタライズ化ドープダイヤモンド膜が三重極線形イオントラップ(three electrode linear ion trap)として特徴付けられることができることを示す。それ故、導電性層102a及び102bは第1の電極E1及び第2の電極E2としての機能を果たし、一方、中央領域114は第3の電極E3としての機能を果たす。中央領域114の傍らにある比較的絶縁性のある領域はそれぞれ、抵抗器R1及び抵抗器R2としての機能を果たす。
また本発明によれば、(本発明の変形形態及び他の実施形態を含む)本発明の真空ポンプ、イオン源及びイオントラップのうちの1つ以上を備える科学機器も提供することができることが理解されるであろう。それ故、図13は、本発明の別の実施形態による小型質量分析計120の概略図である。
小型質量分析計120は、主筐体122と、筐体122上に位置するディスプレイパネル124及びキーパッド126と、ポンプ素子128(図1のポンプ素子12と同等である)及びダイアフラム式バッキングポンプ130を含むポンプセクションと、試料入口膜132と、イオン源134(図8のイオン源80と同等である)と、イオントラップ136(イオントラップ98と同等である)と、検出用膜138と、電子機器140(電子機器140は他の構成要素のための小型の電源を含む)とを備えている。これらの構成要素は、既存の半導体製造技術を用いて製造することができ、分析計120を廉価で製造しやすくする。
本発明の範囲内での変形は、当業者によって容易になされ得る。したがって、本発明が上記で例を目的として説明された特定の実施形態に限定されないということは、理解されるべきである。
添付の特許請求の範囲及び本発明の前述の記載において、明白な文言又は必要な暗示のせいで文脈によって別段に要求される場合を除き、用語「備える、含む、構成される(comprise)」又は「備える、含む、構成される(comprises)」若しくは「備えている、含んでいる、構成されている(comprising)」等の変形したものは、包括的な意味で用いられる、すなわち、記載された特徴の存在を特定するが、本発明の種々の実施形態におけるさらなる特徴の存在又は付加を除外しないように用いられる。
さらに、従来技術に対する本明細書内でのあらゆる言及は、このような従来技術がいずれの国においても共通の一般的な知識の一部を形成する又は形成したということを意味するようには意図されてない。
本発明は、ナノ多孔性の絶縁性(例えばダイヤモンド)膜に基づくナノ多孔性真空ポンプと、イオン源及びイオントラップを提供することを含んだ絶縁性膜の他の用途とに関するものであり、上記ナノ多孔性真空ポンプは、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS, gas chromatography-mass spectrometer)及び他の質量分析計のようなハンドヘルド装置と適合する小型のポンププロファイルを真空ポンプに与えるのに特定的ではあるが決して限定的ではない有用さを有するものである。
[関連出願]
本出願は、2010年6月18日に出願されたオーストラリア特許出願第2010902670号の出願日及び優先日の利益に基づくものであり且つ上記利益を主張するものであり、出願時の上記出願の内容はその全体が、参照により本出願に援用される。
既存の真空ポンプは、連続蒸着されるチタンの薄膜を用いるものがあり、この場合、非常に反応性の高くなっているチタンがポンプチャンバ内の残留ガスと反応すると共にこの残留ガスを捕捉する。
天然素材であるナノ多孔性ゼオライトが、小型のクヌーセンポンプ(Knudsen pump)の能動素子として提案されている。
Frank Hartley及びIsik Kanik(国際光工学会[SPIE]会報 vol.4936[2002年])は、電界イオン化によって気相内の原子又は分子をイオン化するのに使用するために、窒化ケイ素材料中にソフトイオン化薄膜(SIM, Soft Ionising Membrane)を作り出した。
広義には、本発明は、
ナノ多孔性絶縁性膜と、
上記膜における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層(又は被覆材)及び第2の導電性層(又は被覆材)と
を備える素子を提供する。
一実施形態では、絶縁性膜はナノ多孔性ダイヤモンド薄膜を含む。
第1の導電性層及び第2の導電性層は金属層を含んでもよい。
別の実施形態では、第1の導電性層及び第2の導電性層は蒸着層を含む。
第1の導電性層及び第2の導電性層はモリブデン又は金を含んでもよい。
第1の広義な態様では、本発明は、
ナノ多孔性絶縁性膜と、
上記膜における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層及び第2の導電性層と
を備えるポンプ素子を提供する。
それ故、ポンプ素子は複数の穴があいたコンデンサの構成を有する。
一実施形態では、絶縁性膜はナノ多孔性ダイヤモンド薄膜を含む。
一実施形態では、第1の導電性層及び第2の導電性層は金属被覆材(Mo又はAu等)を含む。
一実施形態では、第1の導電性及び第2の導電性は蒸着被覆材を含む。
第2の広義な態様では、本発明はポンプを提供し、このポンプは、
複数のナノ細孔を含むナノ多孔性絶縁性膜、並びに、上記膜における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層及び第2の導電性層を備えるポンプ素子と、
電界イオン化電界を生成する電位差を第1の導電性層及び第2の導電性層の間維持するように構成される電源と
を備え
ポンプ素子は、第1の導電性層及び第2の導電性層上におけるガス差圧を支持すると共に上記電界による電界イオン化を支持し、上記電界は、第1の導電性層に接近しているガス原子又はガス分子をイオン化し、ガス原子又はガス分子がイオン化されるとこのガス原子又はガス分子を移送して、第1の導電性層を通過させて細孔内に移動させ、細孔に沿って移動させて第2の導電性層を通過させる。
一実施形態では、上記ガス差圧は1気圧である。
特定の実施形態では、上記電界は約10MV/cmである。
一実施形態では、絶縁性膜はナノ多孔性ダイヤモンド薄膜を含む。別の実施形態では、絶縁性膜はナノ多孔性窒化ケイ素薄膜を含む。
第1の導電性層及び第2の導電性層は、蒸着層のような金属層を含んでもよい。
第1の導電性層及び第2の導電性層はモリブデン又は金を含んでもよい。
或る実施形態では、電源は、第1の導電性層を第2の導電性層に対して負電位に維持するように構成される。この電位は比較的低くてもよい(例えば、−300V〜−500V)。
一実施形態では、ポンプは、第1の導電性層が負電位(例えば、−300V〜−500V)にあり且つ第2の導電性層が接地された状態で動作するようになっている。
第3の広義な態様では、本発明は、上述したようなポンプを備える真空チャンバを提供する。
第4の広義な態様では、本発明は、上述したようなポンプを備える科学機器(質量分析計等)を提供する。
一実施形態では、科学機器はハンドヘルド質量分析計である。
第5の広義な態様では、本発明は、上述したようなポンプを用いることを含むポンピング方法を提供する。
第6の広義な態様では、本発明は、上述したようなポンプを用いることを含んだ、科学機器(ハンドヘルド質量分析計又は他の質量分析計等)を排気する(evacuate)方法を提供する。
第7の広義な態様では、本発明は、上述したようなポンプを備えるイオン源を提供する。絶縁性膜はナノ多孔性ダイヤモンド薄膜を含んでもよい。
ダイヤモンドは、物理的に強く(このことは、絶縁性膜が大気圧を支えなければならない実施形態において特に重要である)、電界イオン化のために高い電界の生成を容易にする高い絶縁耐力(〜1000kV/mm)を有する。他の実施形態では、窒化ケイ素が使用されてもよく、窒化ケイ素もまた、高い絶縁耐力を有するが、ダイヤモンドの物理的強度を欠いており、そのため、そのような強度が必要である場合には適切ではないかもしれない。さらに他の実施形態では、絶縁性膜はアルミナ(Al)であってもよいが、アルミナは、良好な物理的強度を有しているものの、用途によっては不十分な絶縁耐力しか有していないかもしれない。
電源は、第1の導電性層を、第2の導電性層に対して数百ボルト程度の負電圧に維持するように構成されてもよい。
第8の広義な態様では、本発明は、イオントラップを提供し、このイオントラップは、
複数のナノ細孔を含むナノ多孔性絶縁性膜、並びに、上記膜における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層及び第2の導電性層を備えるイオントラップ素子と、
第1の導電性層及び第2の導電性層の間に電位差を与えるように第1の導電性層及び第2の導電性層につながれるRF電源と
を備え、
ノ多孔性絶縁性膜が、上記対向する面同士の間の導電性領域と、導電性領域及び上記対向する側面の間にそれぞれある絶縁性が高くなった領域とを有するように、ドープされ、RF電源によって第1の導電性層及び第2の導電性層に印加されるRF電界が、導電性領域に電位をかけ、それにより中央の領域及びRF電界がイオントラップとしての役割を果たす。
一実施形態では、RF電源は、1MHzと100MHzとの間の動作周波数範囲を有する。
特定の実施形態では、上記電位差は、30Vピーク・トゥ・ピークと300Vピーク・トゥ・ピークとの間にある。
第9の広義な態様では、本発明は、上述したようなイオン源を備える質量分析計を提供する。
第10の広義な態様では、本発明は、上述したようなイオントラップを備える質量分析計を提供する。
実際には、本発明は、上述したポンプ、イオン源及びイオントラップのうちの1つ以上を備える科学機器(質量分析計等)も提供する。
第11の広義な態様では、本発明は、上述したイオン源を用いることを含むイオンを供給する方法を提供する。
第12の広義な態様では、本発明は、上述したイオントラップを用いることを含むイオンを捕捉する方法を提供する。
本発明の上記の態様のそれぞれにおける種々の特徴のいずれもが、好適に且つ所望とされるように組み合わされることができるということに、留意すべきである。
次に、本発明がより明確に解明され得るために、添付の図面を参照して、実施形態が例を目的として説明される。
本発明の一実施形態による真空ポンプの概略図である。 図1の真空ポンプのポンプ素子の概略的な断面図である。 図1の真空ポンプにおいて用いるのに好適なダイヤモンド膜の写真である。 図1の真空ポンプにおいて用いるのに好適なダイヤモンド膜の写真である。 図1の真空ポンプのポンプ素子の概略的な機能図である。 図1の真空ポンプのポンプ素子における細部の概略的な動作図である。 図1の真空ポンプのポンプ素子における細部のさらなる概略的な動作図である。 本発明の一実施形態による真空ポンプが設けられた真空チャンバの概略図である。 図6の真空チャンバの別の概略図であり、図1の真空ポンプ及び図6の真空チャンバの動作を示す図である。 本発明の一実施形態によるイオン源の概略図である。 図8のイオン源のイオン化素子の概略的な詳細断面図である。 本発明の一実施形態によるイオントラップの概略図である。 図11Aの部分は、図10のイオントラップの概略的な詳細断面図であり、図11Bの部分は、図10のイオントラップのダイヤモンド膜を横断する距離の関数としてドーパント濃度(dopant concentration)を概略的にプロットしたものを示す図である。 図10のイオントラップの構造的な細部と電気的等価回路とを示す図である。 本発明の別の実施形態による小型質量分析計の概略図である。
図1は、本発明の一実施形態による真空ポンプ10の概略図である。ポンプ10は、概ね平面的なポンプ素子12と、DC電源14と、ポンプ素子12の第1の表面18a(この図における上面)上に位置する第1の電気接続子16と、ポンプ素子12における第1の表面18aと反対側の第2の表面18b(この図における下面)上に位置する第2の電気接続子(図示せず)とを備えている。DC電源14の電気出力部は、第1の表面18aを第2の表面18bに対して(この実施形態では−300Vの)負電圧に保持するように、第1の電気接続子及び第2の電気接続子それぞれに電気的に接続されている。
図2はポンプ素子12の概略的な断面図である。ポンプ素子12は、ナノ細孔22を有し且つナノ多孔性ダイヤモンド膜20の形態をした絶縁性膜と、ダイヤモンド膜20に付けられると共に第1の表面18a及び第2の表面18bを構成する導電性被覆材24とを備えている。この実施形態では、導電性被覆材24はMo又はAuのいずれかからなる。モリブデンは、ダイヤモンドの熱膨張係数と同様の熱膨張係数をもつという利点を有しており、金は導電率が高いという利点を有している。この実施形態では、導電性被覆材24は、マグネトロン蒸着によってダイヤモンド膜20の上に蒸着されている。
これ故、この図には示されていないが、第1の電気接続子及び第2の電気接続子は被覆材24と電気的に接触している。被覆材24はナノ細孔22を著しく遮断するように塞いでしまうようなことはない。
幾つかの用途では、真空ポンプ10は好適なバッキングポンプと共に用いられるということが理解されるであろう。
ダイヤモンドが高い電気的破壊電圧(約10MV/cm)と(非常に広い面積にわたって1気圧を支えるのに要求される)高い引張強度とをもつため、この実施形態においてダイヤモンド膜が用いられるのは有利なことである。図3A及び図3Bは、自己整合(self-aligning)アルミナナノ膜を用いたマスキングによって作製される好適なナノ多孔性ダイヤモンド膜の写真である。図3Aは正面から見たダイヤモンド膜の写真であり、図3Bは斜めに見たダイヤモンド膜の写真である。
これ故、ポンプ素子12は本質的には複数の穴のあいたコンデンサと見なすことができ、このコンデンサでは、ダイヤモンド膜20の形態の絶縁体が、(2つの被覆材24の各部分の形態をした)複数の穴のあいた2つの導電性プレートの間に挟まれている。DC電源14を用いてそれらの「プレート」を横断して小電圧(modest voltage)が印加されると、電界が2つのプレートの間に形成され。ダイヤモンドの低い分極率によって、非常に高い電界を支持することが可能になる。このことは、図4に概略的に描写されており、図4は、ポンプ素子12の一部と、第1の表面(上面)18a及び第2の表面(下面)18bの間で(DC電源14に起因した)電位差が生じる結果として生成される電界線30とを示している。電界線がナノ細孔22内ではナノ細孔22に対して概ね平行であるのが、分かるであろう。
図5A及び図5Bは、使用中におけるポンプ素子12の細部の概略的な機能図である。図5Aを参照すると、ガス原子又はガス分子がポンプ素子12の陰極面(すなわち第1の表面18a)に接近すると、ガス原子又はガス分子は、分極し、第1の表面18aでのナノ細孔22の開口部にある導電性被覆材24部分の縁に引き付けられるようになる。分極したガス分子/原子は最も高い電界領域に引き付けられることになり、この領域では、電界は、ガス分子/原子の電界イオン化(field ionization)を行うのに十分に高い。一旦イオン化されてしまうと(図5Bを参照)、この時点でのガス陽イオンは、ナノ細孔22の1つの下方へと加速され、そして、ポンプ素子12の反対側(つまり第2の表面18b)の外へと、接地されている第2の表面18bによって離れるように加速される。
SIMIONシミュレーションを実施したところ、SIMIONは絶縁体が存在することをシミュレートすることができず、SIMIONシミュレーションは、−300Vの電位差の状態でイオンがナノ細孔22の遠方端(すなわち第2の表面18bにおける端部)から外に出ていくということを示すようである。
このような真空ポンプ10が、真空チャンバ内に設けられ、真空チャンバの内部と大気との間の境界面に取り付けられた状態である場合、真空チャンバから真空システムの外へのイオン(すなわちガス)の正味の移送(net transfer)が起こることになり、その結果正味のポンプ効果(net pumping effect)がもたらされる。図6は、図1の真空ポンプ10と同等である(それ故同様の特徴を含む)真空ポンプが設けられた本発明の一実施形態による真空チャンバ50の概略図である。図7は、図6の真空チャンバ50の別の概略図であり、その真空チャンバの動作と図1の真空ポンプ10の動作とを示している。DC電源14が作動しているとき、真空チャンバ50の内部52におけるガスイオンは、ポンプ素子12を通って方向54へ出口へと引き出されることになる。
イオンは、ナノ細孔22に沿って逆流すれば、ポンプ素子12の陰極側から放出される電界放出電子からの電子衝撃によってイオン化されるか、又は膜の接地された端で元に戻すようにイオン化されて(ionized back)、膜の両面の間の電界によってチャンバの外に戻るように方向付けられることになる。
その結果、比較的低い電圧(例えば300V〜500V)によって駆動され且つハンドヘルド質量分析計に容易に組み込むことができる非常に薄い膜型の真空ポンプが生じる。
別の実施形態によれば、図1の真空ポンプと同等であるデバイスが、原子及び分子をイオン化するために、ソフトイオン化薄膜(SIM)デバイスとして用いられることができる。ダイヤモンドは、電界イオン化をもたらすのに大きな電界が用いられるのを可能にするという利点を有しており、そのため、この実施形態によれば、図1の真空ポンプ10と構造上同等であるイオン源が、ナノ多孔性のダイヤモンド薄膜(数ミクロンの厚さ)をこのダイヤモンド膜のいずれの表面上にも金属の接触面を有した状態で備えて、提供される。このことは、小型化された器具において望まれる低電圧及び低くなった電力需要を採用することを可能にする。
図8は、この実施形態によるイオン源80の概略図である。当業者には明らかであるように、イオン源80は構造上、図1の真空ポンプ10と多くの点で同一である。それ故、イオン源80は、ナノ細孔を有する概ね平面的なイオン化素子82と、DC電源84と、イオン化素子82における第1の導電性表面88a(この図における上面)上に位置する第1の電気接続子86と、イオン化素子82における第1の導電性表面88aと反対側にある第2の導電性表面88b(この図における下面)上に位置する第2の電気接続子(図示せず)とを備えている。DC電源84の電気出力部は、第1の表面88aを第2の表面88bに対して(数百ボルト程度、この実施形態では−300Vの)負電圧に保持するように、第1の電気接続子及び第2の電気接続子それぞれに電気的に接続されている。このような電圧は、既存のSIMデバイスよりも高いが、その生成及び破壊のいずれの観点においてもまだ扱いやすいものである。
図9は、イオン化素子82の概略的な詳細断面図である。イオン化素子82は、約5μm厚であり、第1の表面88a及び第2の表面88bをそれぞれ構成する前方及び後方の導電性被覆材を有するナノ多孔性ダイヤモンド膜90を備えている。第1の表面88a及び第2の表面88bは、この実施形態では金からなっているが、他の実施形態では他の導電性材料(Mo等)からなっていてもよい。イオン化素子82の各ナノ細孔92は約50nmの直径を有している。
それ故、イオン化素子82は、既存のSIMデバイスよりも厚いが、ソフトイオンイオン化とコリメーション(collimation)とをもたらす(コリメーションは、直交式飛行時間型質量分析(orthogonal time-of-flight mass spectrometry)が、分解能を最適化すると共に「ターンアラウンド」タイムと称されてきているのを短縮するために、極めて平行であるビームを必要とするので、重要である)。原子又は分子94は、一旦イオン化素子82の電界に近づくとイオン化され、その結果として生成されたイオンは、自身の電荷のせいで、ナノ細孔92内へそしてナノ細孔92に沿って引き込まれ、最終的にはナノ細孔92から出てくる。イオン化素子82の大きなアスペクト比が、この出てくるイオンにコリメートを引き起こす。
さらに別の実施形態によれば、本発明は、メタライズ化ドープダイヤモンド膜(metalized, doped diamond film)内にあるナノスケールの個々のイオントラップによって構成されるイオントラップを提供する。この実施形態では、イオントラップは、ドープダイヤモンド膜を成長させることによって生み出され、このドープダイヤモンド膜では、ドーパントのレベルは、一旦成長するとこの膜がその中央で導電性を有し且つその表面に向かって徐々に絶縁性を高めるように、制御される。
好適な膜を生成するには、ダイヤモンド膜は、成長され、次いでナノ多孔性構造を生成するようにエッチングされ、次いでRF電力の印加のための電気接点を生成するように両面の上に(この実施形態では金を用いて)メタライズされる。その結果が図10に概略的に示されており、図10はこの実施形態によるイオントラップ96の概略図である。この実施形態では、ドーパントはボロンであるが、他のドーパントが(窒素タイプなどの)ダイヤモンドと共に用いられてもよく、絶縁性のある膜がダイヤモンド以外のものである実施形態では、他のドーパントが適宜用いられることになる。
図10を参照すると、イオントラップ98は図1の真空ポンプ10と多くの点で同一である。それ故、イオントラップ96は、ナノ細孔を有する概ね平面的なドープダイヤモンド膜100と、ドープダイヤモンド膜100上の第1の導電性層102a(この図における上層)と、ドープダイヤモンド膜100上における第1の表面102aと反対側にある第2の導電性層102b(この図における下層)と、第1の導電性層102a上に位置する第1の電気接続子104と、第2の導電性層102b上に位置する第2の電気接続子図示せず)とを備えている。しかしながら、図1の真空ポンプ10とは異なり、イオントラップ98は、第1の電気接続子及び第2の電気接続子それぞれに接続され且つそれ故第1の表面102a及び第2の表面102bそれぞれに接続されている電気出力部を伴って、RF電源106を有している。
大部分の既存の質量分析計と同様に、小型イオントラップの構造は、RF電圧及び周波数において妥協を伴っている。所要電力を可能な限り低くしておくために、理想的な低い電圧及び周波数が用いられる。しかしながら、このことは、トラップ効率を低下させる。本実施形態によれば、トラップ能力におけるこの制限が、これらナノスケールのイオントラップによる大規模アレイを採用することによって改善される。この手法を用いて、この実施形態のRF電源106は、1MHz未満から約100MHzまでの周波数範囲及び30Vピーク・トゥ・ピークから300Vピーク・トゥ・ピークまでの電圧において、稼動されることができる。
図11の図11Aの部分は、この実施形態によるイオントラップ98の概略的な詳細断面図110(正確な縮尺ではない)であり、図11Bの部分は、ドープダイヤモンド膜100を横断する距離dの関数としてドーパント濃度ρ(この例ではボロン)を概略的にプロットした図112である。図11Aの部分はまた、ナノスケールの個々のイオントラップとしての機能を果たすナノ細孔115も概略的に描写している。ドーパント濃度における変動は、上記膜の中央で導電性を有し且つこの中央の導体の両側で抵抗性を有する構造につながっており、そして、これらの抵抗性のある層は、ドープダイヤモンド膜100の各側面上に蒸着された(Au等の)2つの導電性層102a及び102bに接続されている(図1の真空ポンプ10の第1の表面18a及び第2の表面18bを構成する導電性被覆材24を参照)。
それ故、RF電界が2つの金の層102a,102bに印加されると、電位は、ダイヤモンド膜104と交差する抵抗性のある接続部によって、より導電性の高い中央領域114にかけられる。この中央の電位領域114及びRF電界はイオントラップとしての機能を果たし、その結果ドープダイヤモンド膜100内の各ナノ細孔がナノスケールのイオントラップとしての機能を果たす。
図12は、図10のイオントラップ98の構造的な細部と電気的等価回路とを示している。金の層102a,102bの形態のメタライゼーション(metalization)を伴ったドープダイヤモンド膜100の細部が、116(単一のナノスケールのイオントラップ118を含んでいる)において詳細に示されており、その下には、ドーパントのプロファイル(図11Bの部分を参照)が概略的に描かれている。図12の最も下にある記載において、119では、メタライズ化ドープダイヤモンド膜を通る(この図における)横断面に対応する電気的等価回路がある。電気的等価回路119は、ナノ多孔性のメタライズ化ドープダイヤモンド膜が三重極線形イオントラップ(three electrode linear ion trap)として特徴付けられることができることを示す。それ故、導電性層102a及び102bは第1の電極E1及び第2の電極E2としての機能を果たし、一方、中央領域114は第3の電極E3としての機能を果たす。中央領域114の傍らにある比較的絶縁性のある領域はそれぞれ、抵抗器R1及び抵抗器R2としての機能を果たす。
また本発明によれば、(本発明の変形形態及び他の実施形態を含む)本発明の真空ポンプ、イオン源及びイオントラップのうちの1つ以上を備える科学機器も提供することができることが理解されるであろう。それ故、図13は、本発明の別の実施形態による小型質量分析計120の概略図である。
小型質量分析計120は、主筐体122と、筐体122上に位置するディスプレイパネル124及びキーパッド126と、ポンプ素子128(図1のポンプ素子12と同等である)及びダイアフラム式バッキングポンプ130を含むポンプセクションと、試料入口膜132と、イオン源134(図8のイオン源80と同等である)と、イオントラップ136(イオントラップ98と同等である)と、検出用膜138と、電子機器140(電子機器140は他の構成要素のための小型の電源を含む)とを備えている。これらの構成要素は、既存の半導体製造技術を用いて製造することができ、分析計120を廉価で製造しやすくする。
本発明の範囲内での変形は、当業者によって容易になされ得る。したがって、本発明が上記で例を目的として説明された特定の実施形態に限定されないということは、理解されるべきである。
添付の特許請求の範囲及び本発明の前述の記載において、明白な文言又は必要な暗示のせいで文脈によって別段に要求される場合を除き、用語「備える、含む、構成される(comprise)」又は「備える、含む、構成される(comprises)」若しくは「備えている、含んでいる、構成されている(comprising)」等の変形したものは、包括的な意味で用いられる、すなわち、記載された特徴の存在を特定するが、本発明の種々の実施形態におけるさらなる特徴の存在又は付加を除外しないように用いられる。
さらに、従来技術に対する本明細書内でのあらゆる言及は、このような従来技術がいずれの国においても共通の一般的な知識の一部を形成する又は形成したということを意味するようには意図されてない。

Claims (25)

  1. ナノ多孔性絶縁性膜と、
    前記膜における対向する第1の側面及び第2の側面の上にそれぞれある第1の導電性層及び第2の導電性層と
    を備える素子。
  2. 前記絶縁性膜はナノ多孔性ダイヤモンド薄膜を含む請求項1に記載の素子。
  3. 前記第1の導電性層及び前記第2の導電性層は金属層を含む請求項1または2に記載の素子。
  4. 前記第1の導電性層及び前記第2の導電性層は蒸着層を含む請求項3に記載の素子。
  5. 前記第1の導電性層及び前記第2の導電性層はモリブデン又は金を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の素子を備えるポンプ素子。
  7. 請求項6に記載のポンプ素子と、
    前記第1の導電性層及び前記第2の導電性層の間の電位差を維持するように構成される電源と
    を備える真空ポンプ。
  8. 前記電源は、前記第1の導電性層を前記第2の導電性層に対して負電位に維持するように構成される請求項7に記載の真空ポンプ。
  9. 前記電位差は比較的低い請求項7に記載の真空ポンプ。
  10. 前記第1の導電性層の電位は、前記第2の導電性層に対して−300V〜−500Vである請求項7に記載の真空ポンプ。
  11. 前記真空ポンプは、前記第1の導電性層が負電位にあり且つ前記第2の導電性層が接地された状態で動作するようになっている請求項7に記載の真空ポンプ。
  12. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の素子を備えるイオン源。
  13. 前記第1の導電性層及び前記第2の導電性層の間の電位差を維持するように構成される又は構成可能である電源をさらに備える請求項12に記載のイオン源。
  14. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の素子を備えるイオントラップであって、前記ナノ多孔性絶縁性膜が、前記対向する面同士の間の導電性領域と、前記導電性領域及び前記面の間にそれぞれある絶縁性が高くなった領域とを有するように、ドープされるイオントラップ。
  15. 前記第1の導電性層及び前記第2の導電性層の間に電位差をもたらすように構成される又は構成可能であるRF電源をさらに備える請求項14に記載のイオントラップ。
  16. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の真空ポンプを備える真空チャンバ。
  17. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の真空ポンプを備える科学機器。
  18. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の真空ポンプを備える質量分析計。
  19. 請求項12または13に記載のイオン源を備える質量分析計。
  20. 請求項14または15に記載のイオントラップを備える質量分析計。
  21. ハンドヘルド質量分析計である請求項18〜20のいずれか一項に記載の質量分析計。
  22. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の真空ポンプを用いることを含むポンピング方法。
  23. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の真空ポンプを用いることを含んだ、質量分析計又は他の科学機器を排気する方法。
  24. 請求項12または13に記載のイオン源を用いることを含むイオンを供給する方法。
  25. 請求項14または15に記載のイオントラップを用いることを含むイオンを捕捉する方法。
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