JP2013530726A - バイオマスのミル粉砕改善のための無水アンモニア処理 - Google Patents

バイオマスのミル粉砕改善のための無水アンモニア処理 Download PDF

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Abstract

バイオマスを容易に糖化可能にするための前処理としてのバイオマスの機械的ミル粉砕は、高いエネルギー入力を必要とする。機械的ミル粉砕前に無水アンモニアによる処理を実施すれば、微粉砕に要するエネルギーが大幅に減少し、商業的用途のためのより経済的前処理方法をもたらすことが分かった。

Description

本願は、2010年7月21日に提出された米国仮特許出願第61/366231号の利益を請求するものである。尚、上記文献は、本明細書にその全文を参照により組み込むものとする。
容易に糖化可能なリグノセルロース系バイオマスを生産する方法が提供される。具体的には、無水アンモニアを用いてバイオマスを前処理した後、ミル粉砕又はその他の機械的破砕手段に付す。無水アンモニア処理によって、容易に糖化可能な材料を取得するのに必要なミル粉砕のエネルギーが減少し、前処理及び糖化工程の全体速度が高められる。
リグノセルロース供給原料及び廃棄物、例えば、農業残渣、木材、林業廃棄物、製紙業からのスラッジ、ならびに一般廃棄物及び産業廃棄物などは、化学薬品、プラスチック類、燃料及び飼料の潜在的に豊富な再生可能供給原料を提供する。リグノセルロース供給原料及び廃棄物は、炭水化物ポリマー セルロース、及びヘミセルロース、さらにはリグニンを含有し、一般に、様々な化学的、機械的及び酵素的手段によって処理することにより、主としてヘキソース及びペントース糖を遊離するが、その後、これらの糖を有用な産物に発酵させることができる。
前処理方法を用いて、糖化に用いられるセルロース分解酵素に、より容易に接近可能なリグノセルロース系バイオマスの炭水化物ポリマー、すなわち多糖類を製造する。多糖のセルロース分解酵素消化に対する大きな障害は、リグニンの存在であるが、リグニンは、酵素がその基質に接近するのを制限し、酵素が非生産的に結合する表面を形成する。さらに、セルロースミクロフィブリルの結晶性が、酵素の接近を制限し、糖化の妨げとなる。これらの課題を解決しようとする前処理として、蒸気爆砕、熱水、希酸、アンモニア繊維爆砕、アルカリ加水分解(アンモニアリサイクル浸出など)、酸化脱リグニン、オルガノソブ、及びオゾン化などが挙げられる。化学薬品、化学的回収、エネルギー入力、及び資本的設備のコストのために、多くの方法が商業的生産に見合わないものとなっている。
少量の水性アンモニアと高い固形分濃度を用いたバイオマス前処理が、同一所有の特許文献1に開示されている。特許文献2は、バイオマスの処理を開示しており、この方法では、バイオマスを摩砕した後、液体若しくは気体の無水アンモニア、及び/又は液体若しくは気体の濃縮アンモニア:水混合物で、様々な湿分を含有させることにより、アンモニア:乾燥バイオマスの比が約0.2:1〜1.2:1で、かつ水:乾燥バイオマスの比が約0.2:1〜1.2:1である混合物を取得する。温度は、約50℃〜140℃に維持し、容器からアンモニアを放出することにより圧力を急速に解放して、処理バイオマスを形成する。
バイオマスを摩砕するミル粉砕は、非化学的前処理として用いられるか、又はオゾン分解と組み合わせて用いられている(非特許文献1)。
米国特許第7,932,063号明細書 米国特許出願公開第20080008783号明細書
Kabeya et al..(1993) 四国工業技術試験所研究報告(Shikoku Kogyo Gijutsu Shikensho Kenkyu Hokoku)24:42−90
糖化のためのバイオマスを調製する別の効率的で、低コストのリグノセルロース系バイオマス前処理方法が依然として必要とされている。
本発明は、生体触媒による発酵に用いるための糖を生産する目的で、容易に糖化することができるようにバイオマスを調製するための方法を提供する。本方法は、バイオマスの機械的破砕及び微粉砕化を目的とする機械的エネルギーの適用前に、バイオマスへの無水アンモニアの適用を含む。意外なことに、無水アンモニアによる処理後に機械的破砕を行う順序には、微粉砕に必要な時間とエネルギーの減少という有益な効果があり、糖化の際に発酵性糖の生産速度を高め、従って、工程全体の速度が高められることが分かった。
従って、本発明は、
a)リグノセルロース系バイオマスを用意するステップと、
b)(a)のバイオマスを無水アンモニアと接触させることにより、アンモニア処理バイオマスを生産するステップと、
c)機械的破砕手段で機械的エネルギーを適用することにより、(b)のアンモニア処理バイオマスを破砕して、容易に糖化可能な前処理バイオマスを生産するステップと
を含む、容易に糖化可能なバイオマスを生産する方法であって、
前処理バイオマスが、無定形セルロース成分を含み、
前処理バイオマス中の無定形セルロース成分の割合が、無水アンモニアと接触させずに(c)と同じレベルの機械的エネルギーで破砕した前処理バイオマス中の無定形セルロース成分の割合と比較して高い、方法を提供する。
本発明の前処理バイオマスは、通常約0.1mmより小さい粒度を有し、破砕前に無水アンモニアを用いた場合、バイオマスの破砕を実施するのに必要なエネルギーは、一般に4〜10分の1となる。
様々な時間(0、24、48、72時間)にわたり糖化したサンプル(14%固形物負荷で)中のモノマーグルコース(G)及びキシロース(X)の理論収率(%)のグラフであって、(A)には1mmナイフミル粉砕した非処理のトウモロコシ穂軸について、また(B)には1mmナイフミル粉砕した非処理の晩冬/早春収穫スイッチグラス(swg)について、直径1cmイットリウム添加ZrOビーズでバイオマスをミル粉砕した期間(0、1、2、3、6、10日)について作成したグラフを示す。 様々な時間(0、24、48、72時間)にわたり糖化したサンプル(14%固形物負荷で)中のモノマーグルコース(G)及びキシロース(X)の理論収率(%)のグラフであって、(A)には1mmナイフミル粉砕した非処理のトウモロコシ穂軸について、また(B)には1mmナイフミル粉砕した非処理の晩冬/早春収穫スイッチグラス(swg)について、直径1cmイットリウム添加ZrOビーズでバイオマスをミル粉砕した期間(0、1、2、3、6、10日)について作成したグラフを示す。 様々な時間(0、24、48、72、96、120時間)にわたって糖化した、1mmナイフミル粉砕した非処理の晩冬/早春収穫スイッチグラスサンプル(14%固形物負荷)中のグルコース(G)(A)及びキシロース(X)(B)の理論収率(%)のグラフであって、ビーズ200g:バイオマス5gの比で、0.25”(0.653cm)ステンレス鋼ビーズでバイオマスをミル粉砕した時間(0、1、2、3、6、10日)に対して作成したグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコースの、また(B)ではキシロースの合計可溶性糖(モノマー及びオリゴマー)収率である。 様々な時間(0、24、48、72、96、120時間)にわたって糖化した、1mmナイフミル粉砕した非処理の晩冬/早春収穫スイッチグラスサンプル(14%固形物負荷)中のグルコース(G)(A)及びキシロース(X)(B)の理論収率(%)のグラフであって、ビーズ200g:バイオマス5gの比で、0.25”(0.653cm)ステンレス鋼ビーズでバイオマスをミル粉砕した時間(0、1、2、3、6、10日)に対して作成したグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコースの、また(B)ではキシロースの合計可溶性糖(モノマー及びオリゴマー)収率である。 バイオマスの粒子表面積(m/g)と比較した図2のスイッチグラスの糖化(14%固形物負荷で)72時間後のモノマーグルコース(A)及びキシロース(B)の理論収率(%)の、いずれもミル粉砕時間の関数としてのグラフを示す。 バイオマスの粒子表面積(m/g)と比較した図2のスイッチグラスの糖化(14%固形物負荷で)72時間後のモノマーグルコース(A)及びキシロース(B)の理論収率(%)の、いずれもミル粉砕時間の関数としてのグラフを示す。 バイオマスの無定形成分率(%)と比較した図2のスイッチグラスの糖化(14%固形物負荷で)72時間後のモノマーグルコース(A)及びキシロース(B)の理論収率(%)の、いずれもミル粉砕時間の関数としてのグラフを示す。 バイオマスの無定形成分率(%)と比較した図2のスイッチグラスの糖化(14%固形物負荷で)72時間後のモノマーグルコース(A)及びキシロース(B)の理論収率(%)の、いずれもミル粉砕時間の関数としてのグラフを示す。 1mmナイフミル粉砕した非処理の秋収穫スイッチグラス(UT4)と、10重量%無水アンモニアで160℃にて1時間処理した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラス(JV198)のモノマーグルコース(A)及びキシロース(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。これらのサンプルは、図2と同様に様々な時間(0、19、43、67時間)ミル粉砕した後、0、4、24、48、72、又は96時間にわたって糖化(14%固形物負荷で)した。 1mmナイフミル粉砕した非処理の秋収穫スイッチグラス(UT4)と、10重量%無水アンモニアで160℃にて1時間処理した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラス(JV198)のモノマーグルコース(A)及びキシロース(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。これらのサンプルは、図2と同様に様々な時間(0、19、43、67時間)ミル粉砕した後、0、4、24、48、72、又は96時間にわたって糖化(14%固形物負荷で)した。 1)1mmナイフミル粉砕した非処理の秋収穫スイッチグラス、2)10重量%無水アンモニアで処理した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラス、及び3)20重量%無水アンモニアで9日間処理した粗砕秋収穫スイッチグラスのモノマーグルコース(G)及びキシロース(X)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。これらのサンプルは、図2と同様に様々な時間(0、19、43、67時間)ミル粉砕した後、72時間糖化(14%固形物負荷で)した。 10重量%無水アンモニアで160℃にて1時間処理し、0.25”(0.635cm)ステンレス鋼ビーズ(ビーズ40lb:バイオマス500gの比で)を用いて様々な時間(分)アトリターミル粉砕した後、72時間糖化(14%固形物負荷で)した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのモノマーグルコース(A)及びキシロース(B)の理論糖化収率(%)を、処理サンプル中の無定形成分率(%)と比較したグラフを示す。 10重量%無水アンモニアで160℃にて1時間処理し、0.25”(0.635cm)ステンレス鋼ビーズ(ビーズ40lb:バイオマス500gの比で)を用いて様々な時間(分)アトリターミル粉砕した後、72時間糖化(14%固形物負荷で)した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのモノマーグルコース(A)及びキシロース(B)の理論糖化収率(%)を、処理サンプル中の無定形成分率(%)と比較したグラフを示す。 10重量%無水アンモニアで160℃にて1時間処理し、図7と同様に0.25”(0.635cm)ステンレス鋼ビーズを用いて様々な時間(分)アトリターミル粉砕した後、72時間糖化(14%固形物負荷で)した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのモノマーグルコース(Glu)及びキシロース(Xyl)の理論糖化収率(%)を、処理サンプルの粒度と比較したグラフを示す。 20重量%無水アンモニアで9日間室温(RT)にて処理し、様々なサイズ(0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794 cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm))のステンレス鋼ビーズで、ビーズ200g:バイオマス5gの割合で5時間ボールミル粉砕した後、14%固形物負荷を用いて様々な時間(4、24、48、72、100、124時間)糖化した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスサンプルのグルコース(G)(A)及びキシロース(X)(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコース、また(B)ではキシロースの、糖化124時間後の合計可溶性糖収率(モノマー及びオリゴマー)である。 20重量%無水アンモニアで9日間室温(RT)にて処理し、様々なサイズ(0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794 cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm))のステンレス鋼ビーズで、ビーズ200g:バイオマス5gの割合で5時間ボールミル粉砕した後、14%固形物負荷を用いて様々な時間(4、24、48、72、100、124時間)糖化した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスサンプルのグルコース(G)(A)及びキシロース(X)(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコース、また(B)ではキシロースの、糖化124時間後の合計可溶性糖収率(モノマー及びオリゴマー)である。 10重量%無水アンモニアで1時間160℃にて処理し、図9と同様に様々なサイズ(0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794 cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm))のステンレス鋼ビーズで5時間ボールミル粉砕した後、14%固形物負荷を用いて様々な時間(4、24、48、72、100、124時間)糖化した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのグルコース(G)(A)及びキシロース(X)(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコース、また(B)ではキシロースの、糖化124時間後の合計可溶性糖収率(モノマー及びオリゴマー)である。 10重量%無水アンモニアで1時間160℃にて処理し、図9と同様に様々なサイズ(0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794 cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm))のステンレス鋼ビーズで5時間ボールミル粉砕した後、14%固形物負荷を用いて様々な時間(4、24、48、72、100、124時間)糖化した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのグルコース(G)(A)及びキシロース(X)(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコース、また(B)ではキシロースの、糖化124時間後の合計可溶性糖収率(モノマー及びオリゴマー)である。 20重量%無水アンモニアで9日間室温にて前処理し、図9と同様に、様々なサイズ(0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794 cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm))のステンレス鋼ビーズで5時間ミル粉砕した後、25%固形物負荷を用いて様々な時間(4、24、48、72、100、124時間)糖化した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのグルコース(A)及びキシロース(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコース、また(B)ではキシロースの、糖化124時間後の合計可溶性糖収率(モノマー及びオリゴマー)である。 20重量%無水アンモニアで9日間室温にて前処理し、図9と同様に、様々なサイズ(0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794 cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm))のステンレス鋼ビーズで5時間ミル粉砕した後、25%固形物負荷を用いて様々な時間(4、24、48、72、100、124時間)糖化した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのグルコース(A)及びキシロース(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコース、また(B)ではキシロースの、糖化124時間後の合計可溶性糖収率(モノマー及びオリゴマー)である。 10重量%無水アンモニアで1時間160℃にて処理し、図9と同様に、様々なサイズ(0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794 cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm))のステンレス鋼ビーズで5時間ボールミル粉砕した後、25%固形物負荷を用いて様々な時間(4、24、48、72、100、124時間)糖化した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのグルコース(A)及びキシロース(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコース、また(B)ではキシロースの、糖化124時間後の合計可溶性糖収率(モノマー及びオリゴマー)である。 10重量%無水アンモニアで1時間160℃にて処理し、図9と同様に、様々なサイズ(0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794 cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm))のステンレス鋼ビーズで5時間ボールミル粉砕した後、25%固形物負荷を用いて様々な時間(4、24、48、72、100、124時間)糖化した1mmナイフミル粉砕秋収穫スイッチグラスのグルコース(A)及びキシロース(B)の理論糖化収率(%)のグラフを示す。すべての棒は、各セットの最後の棒を除いてモノマー糖であり、最後の棒は、(A)ではグルコース、また(B)ではキシロースの、糖化124時間後の合計可溶性糖収率(モノマー及びオリゴマー)である。 10重量%無水アンモニアで150〜160℃にて1時間処理し、5分アトリターミル粉砕した後、25%固形物負荷を用いて、様々な量の酵素で120時間糖化した、8%、18%、又は28%湿分含有の1mmナイフミル粉砕スイッチグラスサンプル中の合計可溶性グルコース及びキシロースの理論収率(%)のグラフを示す。
本発明は、糖化工程中に発酵性糖を生産するためのバイオマスを調製することを目的とするリグノセルロース系バイオマスの前処理に関する。バイオマスは、無水アンモニアによる事前処理、又は同時処理と共に、機械的破砕によって処理するが、無水アンモニア処理によって、容易に糖化可能なバイオマス産物を生産するのに必要なエネルギーの量が減少する。本明細書に開示するように処理したバイオマスから生産される糖は、所望の標的産物を生産するために、生体触媒を用いた発酵に使用する。
本明細書及び特許請求の範囲の解釈のために、以下の略語及び定義を用いるものとする。
本明細書で用いる「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」、「有する」、「有している」、「含有する」又は「含有している」、又はその他これらの変形は、非排他的な包含を意味するものとする。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、工程、方法、物品、又は装置は、必ずしもこれらの要素だけに限定されるわけではなく、明示的に挙げられていない他の要素、又はこうした組成物、混合物、工程、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含みうる。さらに、別途明示されていない限り、「又は」は、非排他的「又は」を指すのであって、排他的「又は」を指すのではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれによっても満たされる、すなわち、Aが真で(又は存在し)、Bは偽である(又は存在しない)、Aが偽で(又は存在せず)、Bは真である(又は存在する)、ならびにA及びBの両方が真である(又は存在する)。
また、本発明の要素又は成分の前に置かれる不定冠詞「a」及び「an」は、要素又は成分の例(すなわち、出現)の数に関して非限定的であるものとする。従って、「a」又は「an」は、1つ又は少なくとも1つを含むと解釈すべきであり、単数形の要素又は成分も、その数が1であることが明らかに示されていない限り、複数も含む。
本明細書で用いられる「発明」又は「本発明」という用語は、非限定的用語であり、特定の発明のいずれか1つの実施形態を指すのではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記載されているすべての可能な実施形態を包含するものとする。
本明細書で用いられるように、使用される本発明の成分又は反応体の量を加減する「約」と言う用語は、例えば、実際に濃縮物又は使用溶液(use solution)を調製するのに用いられる典型的測定手順及び液体取扱い手順により;これらの手順でのうっかりした誤りにより;組成物を調製するために、又は方法を実施するために使用した成分の製造、供給源、又は純度の相違などによって起こりうる数量的変動を指す。「約」と言う用語はまた、特定の初期混合物から得られた組成物について異なる平衡状態のために、相違する量も包含する。用語「約」によって変更される、されないにかかわらず、特許請求の範囲は、これら量の同等量を包含する。一実施形態では、「約」という用語は、記載される数値の10%以内、好ましくは記載される数値の5%以内を意味する。
「無水アンモニア」とは、乾燥して、水性媒体中にないアンモニアガスを意味する。
温度に関して「室温」及び「周囲」は、温度に関して用いられる場合、約15℃〜約25℃の任意の温度を意味する。
「発酵性糖」とは、標的産物を産生するために、発酵工程において微生物が炭素源として用いることができる単糖及びいくつかのオリゴ糖を主として含む糖分を指す。
「モノマー糖」すなわち「単糖」は、単一のペントース又はヘキトース単位、例えば、グルコースから構成される。
「リグノセルロース」とは、リグニンとセルロースの両方を含む材料を指す。リグノセルロース系材料は、ヘミセルロースも含みうる。
「セルロース系材料」とは、セルロースを含む組成物を指す。
「バイオマスの乾燥重量」とは、すべて又はほぼすべての水を除去したバイオマスの重量を指す。乾燥重量は、一般的に、American Society for Testing and Materials (ASTM) Standard E1756−01(Standard Test Method for Determination of Total Solids in Biomass)又はTechnical Association of the Pulp and Paper Industry,Inc.(TAPPI) Standard T−412 om−02(Moisture in Pulp,Paper and Paperboard)に従って測定する。バイオマスの乾燥重量は、バイオマスの乾物含量と同義である。
バイオマスに関して「実質的に乾燥した」とは、少なくとも約85%の乾物含量、又は約15%以下の湿分を有するバイオマスを指す。
「バイオマス」及び「リグノセルロース系バイオマス」は、置換え可能に用いられ、任意のリグノセルロース系材料を指すが、このようなものとして、セルロース系及びヘミセルロース系材料、例えば、バイオエネルギー作物、農業残渣、一般廃棄物、産業廃棄物、庭塵芥、木材、林業廃棄物、及びこれらの組合せ、及び以下にさらに記載するものなどが含まれる。バイオマスは、多糖及びオリゴ糖を含む炭水化物分を有し、また、タンパク質及び/又は脂質などの別の成分も含みうる。
「糖化」及び「糖化すること」とは、酸、塩基、又は加水分解酵素の作用による多糖からの発酵性糖の生産を指す。前処理バイオマスからの発酵性糖の生産は、セルロース分解及びヘミセルロース分解酵素の作用による酵素的糖化によって起こる。
「多糖」とは、グリコシド結合によって結合された繰返し単位によって形成される任意のクラスの炭水化物、又はグリコシド結合によって連結された単糖の鎖から構成される複合炭水化物のどちらも包含する。多糖は、一般式C(HO)を有する。
本明細書で用いる「バイオマスを前処理すること」又は「バイオマス前処理」とは、天然のバイオマス又はプリプロセッシングしたバイオマスを化学的、物理的、又は生物学的作用、又はそれらの任意の組合せに付して、酵素糖化又は糖化前の他の加水分解の手段に対するバイオマスの感受性を高めることを指す。例えば、本明細書に記載する方法は、糖化のための加水分解酵素にバイオマスをより接近しやすくするのに寄与する前処理方法と言うことができる。
本明細書で用いる「微粉砕された材料」とは、微粉化された材料を指し、その場合、粒度は0.1mmより小さい。
「機械的破砕手段」という用語は、微粉化をもたらすバイオマスの機械的粉砕のための技術を指す。典型的な機械的粉砕手段として、限定するものではないが、アトリターミル粉砕、ハンマーミル粉砕、ボールミル粉砕、ビーズミル粉砕、振動ボールミル粉砕、振動ロッドミル粉砕、ジェットミル粉砕、ピンミル粉砕、タービンミル粉砕、空気分級ミル粉砕、ロールミル粉砕及び遊星ボールミル粉砕が含まれる。
「無定形成分」又は「無定形セルロース成分」という用語は、前処理バイオマスに関連して用いられる場合、主として、結晶度について広角X線回析測定によって決定されるバイオマスの非晶質セルロース画分を指す。
本明細書で用いられる「粗砕された」とは、粒度が0.1mmより大きい、粉砕された材料片又は粒子を指す。
本明細書で用いられる「容易に糖化可能なバイオマス」とは、糖化において高い糖収率を生産するバイオマスを指す。糖化後少なくとも約70%のグルコースの理論収率及び少なくとも約60%のキシロースの理論収率、又はこれらを超える高い糖収率が、容易に糖化可能な前処理バイオマスを示している。
「加水分解産物」とは、バイオマスに作用する加水分解反応(酵素的又は非酵素的のいずれか)の産物を含有するリグノセルロースと接触する液体を指し、この場合、モノマー糖及びオリゴマー糖である。
「酵素コンソーシアム」又は「糖化酵素コンソーシアム」とは、微生物によって通常分泌される酵素の集合体であり、本発明の場合、1つ以上のセルラーゼ、キシラナーゼ、グリコシダーゼ、リグニナーゼ及びフェルロイルエステラーゼを含む。
本明細書で用いる「パウンディング」とは、力による衝撃を指す。
「標的産物」という用語は、発酵において微生物生産宿主細胞により産生される任意の産物を指す。標的産物は、宿主細胞において遺伝子改変した酵素経路の結果であってもよいし、内生経路によって産生されるものであってもよい。典型的な標的産物としては、限定するものではないが、酸、アルコール、アルカン、アルケン、アロマティックス、アルデヒド、ケトン、バイオポリマー、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ビタミン、抗生物質、及び医薬品などがある。
リグノセルロース系バイオマス
本方法で用いられるバイオマスは、リグノセルロース系バイオマスであり、セルロース及びヘミセルロースのような多糖と、リグニンとを含有する。バイオマスの多糖は、グルカン及びキシランと呼ばれることもある。用いることができるバイオマスの種類として、限定するものではないが、バイオエネルギー作物、農業残渣、一般廃棄物、産業廃棄物、製紙業からのスラッジ、庭塵芥、木材及び林業廃棄物が含まれる。バイオマスの例として、限定するものではないが、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ皮、トウモロコシストーバー、イネ科牧草類、麦藁、大麦藁、エンバク藁、キャノーラ藁、干し草、稲藁、スイッチグラス、ミスカンサス、索草、草ヨシ、古紙、サトウキビバガス、モロコシバガス又はストーバー、ダイズストーバー、穀粒のミル粉砕から得られる成分、樹木、枝、根、葉、木材チップ、おがくず、低木及び灌木、野菜、果物、草花及び動物肥料などがある。バイオマスは、その他の作物残渣、林業廃棄物、例えば、アスペン材、他の硬木材、軟木材及びおがくず;ならびに使用後の古紙製品;ならびに繊維加工残渣、例えば、トウモロコシ繊維、ビートパルプ、パルプ工場繊維物及び廃棄物;さらにはその他の十分に豊富なリグノセルロース系材料も含みうる。
本発明に特に有用なバイオマスとしては、比較的高い炭水化物含量を有し、比較的密度が高く、及び/又は回収、輸送、貯蔵及び/又は取扱いが比較的容易なバイオマスが含まれる。
リグノセルロース系バイオマスは、単一の供給源由来のものでもよいし、バイオマスは、2つ以上の供給源由来の混合物を含んでもよく、例えば、バイオマスは、トウモロコシ穂軸とトウモロコシストーバーの混合物、又は茎若しくは幹と葉の混合物を含んでもよい。
バイオマスは、その供給源から得られたものを直接用いてもよいし、何らかのプリプロセシングに付してもよく、例えば、機械的エネルギーをバイオマスに適用することによって、粒度又は湿分を低減することができる。得られる粒度が0.1mmより大きい粗砕材料を生産する方法を用いて粉砕を実施してもよい。用いることができる方法としては、ナイフミル粉砕、クラッシング、シュレッディング、チョッピング、ディスクリリファイニング、及びハンマー粗砕が含まれる。このタイプの粉砕は、無水アンモニアを用いた処理前、処理中又は処理後に実施することができる。乾燥は、任意の常用手段により、例えば、乾燥オーブン、回転ドライヤー、フラッシュドライヤー、又は過熱蒸気ドライヤーを用いることにより実施してよい。さらに、以下に記載するように、約15%より低い、好ましくは約7%〜10%の所望のバイオマス湿分を達成する場合には、空気乾燥で十分となりうる。本方法で使用するために、バイオマスは、少なくとも約85、90又は93重量%の乾物含量を有することが望ましい。
バイオマス前処理
リグノセルロース系バイオマスは、通常、加水分解を目的として調製するために、糖化前に処理する。この前処理によって、糖化中の加水分解、すなわち糖の遊離が改善される。バイオマスの多糖からの糖遊離(主にグルコースおよびキシロース)は、物理的バリヤーと共に、糖化酵素の非生産的結合のための表面を形成するリグニンが存在するために困難である。さらに、セルロースミクロフィブリルの結晶性及び密な充填性も酵素の接近を制限する。
糖化を改善するためのバイオマス前処理としてボールミル粉砕のみを用いて、酸性又は塩基性前処理化学薬品の使用を省くこともできる。しかし、ボールミル粉砕したバイオマスが糖化中に高い糖収率を生み出すためには、高エネルギー入力によるボールミル粉砕を施す必要がある。ボールミル粉砕が、糖化の際、高いモノマー糖収率を可能にするのには大きな機械的エネルギーが必要であるため、この前処理方法だけでは経済的ではない。例えば、ボールミル粉砕に用いられるエネルギーは、5日のミル粉砕後に、バイオマス試料に含まれるエネルギーを超える。
本方法では、リグノセルロース系バイオマスを無水アンモニアと接触させた後、機械的破砕手段を用いた破砕に付すことにより、微粉砕材料を生産する。任意選択的に、機械的破砕と同時に、バイオマスを無水アンモニアと接触させてもよい。出願者らは、ボール又はアトリターミル粉砕を用いて、微粉砕材料を生産する前に、無水アンモニアでバイオマスを処理することにより、容易に糖化可能な前処理バイオマス産物を得るためのボールミル粉砕前処理に要する機械的エネルギー入力が大幅に削減されることをみいだした。容易に糖化可能なバイオマスは、糖化中に高い糖収率を生み出すバイオマスである。少なくとも約70%のグルコースの理論収率及び少なくとも約60%のキシロースの理論収率、又はこれらを超える高い糖収率が、容易に糖化可能なバイオマスを示すものである。
無水アンモニア処理後に実施すると、糖化後に、無水アンモニア処理を行わずにミル粉砕したバイオマスの糖化から得られたものと同等量の糖を生産するために、微粉砕に必要な機械的エネルギーは、少なくとも約4分の1、さらには約6倍〜約10分の1となりうる。機械的エネルギーの減少量は可変的で、様々な要因、例えば、バイオマスの種類、湿分、無水アンモニア処理の強度(濃度、温度、時間のような要因など)、及び機械的エネルギー適用方法の種類などに応じて変動する。機械的エネルギーの減少は、少なくとも約4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍又はそれ以上になりうる。
一般に、バイオマスを破砕するのに必要な時間の量は、破砕工程を実施するのに要求されるエネルギーと相関しうる。例えば、秋に収穫したスイッチグラスは、トン当たり18.5ギガジュール(GJ/トン)のエネルギー容量を有することがわかっている。常用のボールミルを用いて本発明で実施される典型的ミル粉砕の実施では、9.25x10ジュール(J)を含む約5グラムのバイオマスを使用する。このサンプルの場合、ミル粉砕を10日かけて実施すると、約2.2x10J(粉砕材料に送り出されるエネルギー)が消費されることになる。従って、例えば、ミル粉砕を19時間かけて行う場合には、1.74x10Jが消費され、これは、バイオマスのエネルギー容量の19%に相当する。同様に、ミル粉砕を5時間にわたり実施する場合には、4.58x10J、すなわち、バイオマスのエネルギー容量の5%が消費される。また、アンモニア前処理の使用によって達成されるエネルギー減少の量も直接測定することができる。例えば、アトリターミルを用いて、ミル粉砕を行うことができる。このミルは、常用のボールミルの約60倍の動力を送り出す。0.5kgのバイオマスに対してアトリターミルを運転すると、モーターは、2.14HP(1596W)をミルに送り出す。従って、5分間で、ミルは、バイオマスのエネルギー容量の5.18%(1.596kWx0.0833h)/0.5kg=0.266kW−h/kg)を必要とする。
バイオマスの機械的破砕は、結晶状態とは反対に、無定形状態のバイオマス中のセルロースの割合を高める。本明細書では、ミル粉砕時間が増加するに従い、バイオマスサンプル中の無定形成分の割合が高くなると共に、糖化による糖収率も上昇することが明らかにされた。本方法では、無水アンモニア処理を実施しない場合に必要になるエネルギーより低いエネルギーを用いて、バイオマス中の無定形セルロース成分の割合を高める。
本方法では、リグノセルロース系バイオマスを無水アンモニアと接触させる。無水アンモニアとは、乾燥していて、かつ水性媒体中にないアンモニアガスを意味する。無水アンモニアは、バイオマスの乾燥重量に対して約2〜約30重量%の濃度まで添加することができる。一実施形態では、無水アンモニアは、一般的に、バイオマスの乾燥重量に対して約10〜約25重量%である。バイオマスと無水アンモニアは、約0℃〜約200℃の温度で維持することができる。必要とする前処理工程へのエネルギー入力が小さくなるため、室温〜約160℃の温度が望ましいこともある。無水アンモニア処理の時間は、約30分〜約10日、又は貯蔵状態で適用する場合にはこれより長く、1年以下でよい。より低い温度とより長い処理時間を組み合わせることもできる。また、より低い無水アンモニア濃度をより高い温度で用いてもよい。例えば、室温で20%アンモニアにより9日、又は160℃で10%アンモニアにより1時間バイオマスを処理すると、本明細書の実施例3で示すように、糖化においてほぼ同様の高い糖収率が得られた。キシロースの収率は、160℃での無水アンモニア処理による方がややよかった。当業者であれば、上記の範囲内で、使用した特定の系において本方法を用いて所望の結果をもたらすパラメーターの組合せを容易に決定することができるであろう。
別の実施形態では、バイオマスを長期間、例えば、1年以下の間、貯蔵状態に維持しながらバイオマスと無水アンモニアとを接触させることができる。バイオマスは通常秋に収穫されうるが、これを貯蔵し、その一部を次の収穫までの期間にわたり用いることができる。貯蔵バイオマスを無水アンモニアと接触した状態に維持することにより、前述したように、バイオマスを処理して、要求されるミル粉砕時間を短縮することができると同時に、貯蔵中のバイオマスを保存する役割も果たすことができる。この実施形態では、一般的に、無水アンモニアによる処理は、自然温度で、すなわち温度を増減するエネルギーの入力なしで行われる。さらに、無水アンモニアの濃度は、概して、前述した低い範囲、例えば、バイオマスの乾燥重量に対して約2重量%〜10重量%である。
無水アンモニアの適用では、湿分が、無水アンモニア処理の利点を支持する範囲にあると同時に、機械的破砕のために湿分の低下を容易に可能にする範囲であることが好ましい。一実施形態では、無水アンモニア前処理の利点を最大限にすると同時に、アンモニア前処理後のアンモニアの蒸発分離時に、湿分を約15%に、又は15%以下に低下させるために、バイオマスの湿分は、約15%〜約30%、又は約18%〜約28%である。バイオマスが無水アンモニア処理前に乾燥しすぎていると、アンモニア前処理の効果が低下する可能性がある。無水アンモニア処理自体がバイオマスの乾燥に寄与する。バイオマスの長期貯蔵中に、湿分が低ければ、生分解が抑えられる。機械的破砕の前にバイオマス中の湿分をさらに減じるためには、バイオマスに接触させる前に無水アンモニアを加熱しても、無水アンモニアに過熱蒸気を同伴させてもよく、どちらもバイオマスを乾燥させることができる。
バイオマスの微粉砕のための機械的エネルギーの適用前に、バイオマスは実質的に乾燥していることが好ましい。実質的に乾燥しているバイオマスは、約15%以下の湿分を有する。約7%〜約10%の湿分が、振動特殊ロッドミル(Kabeya et al.(1993) Shikoku Kogyo Gijutsu Shikensho Kenkyu Hokoku 24:42−90)による摩砕に最適であることがわかっており、本方法においても望ましい。乾燥は、本方法にかかるコストに有意に寄与するため、無水アンモニア処理を使用する利点は、無水アンモニア処理後、さらに乾燥する必要性が低減又は排除されることにある。
しかし、無水アンモニア処理後に、さらに乾燥が所望される場合には、バイオマスを少なくとも約80%の乾物含量に達するまで乾燥させてもよい。好ましくは、乾物含量は、以下に記載するように、機械的エネルギーの適用中、少なくとも約85%、90%、93%、96%、又はそれ以上である。乾燥は、任意の常用手段によって、例えば、乾燥オーブン、回転乾燥機、フラッシュ乾燥機、又は過熱蒸気乾燥機、又は空気乾燥を用いて実施してよい。
本方法では、機械的エネルギーは、無水アンモニア処理したバイオマスに、又はバイオマスの無水アンモニア処理中に適用して、微粉砕無水アンモニア処理バイオマスを生産する。微粉砕材料は、バイオマスにパウンディング、クラッシング、せん断、又は摩砕などの力を加えるミル粉砕によって生産することができる。一般的には、上記の力の2種以上の組合せを、パウンディング、クラッシング、せん断、又は摩砕などのミル粉砕処理において適用する。バイオマスを機械的に破砕する任意の手段を本発明において用いることができ、そのような手段として、限定するものではないが、アトリターミル粉砕、ハンマーミル粉砕、ボールミル粉砕、ビーズミル粉砕、振動ボールミル粉砕、振動ロッドミル粉砕、ジェットミル粉砕、ピンミル粉砕、タービンミル粉砕、空気分級ミル粉砕、ロールミル粉砕及び遊星ボールミル粉砕がある。微粉砕に用いる場合には、ハンマーミル粉砕は、空気分級ミル粉砕の一成分であり、その際、より大きな粒子は、それらが指定粒径でミルから出るのに十分小さくなるまで、循環させてハンマーミルを繰り返し通過させる。
常用のボールミル粉砕では、大きな回転シリンダーが、その内部に密に詰まった球体のボール(ビーズとも呼ばれる)を含んでおり、それらが、シリンダーの回転時に力で材料に衝撃を与える(すなわち、パウンディングする)ことにより材料を摩砕する。アリターミル粉砕では、固定シリンダー内の球体ビーズ(ボールとも呼ばれる)が、アームが直角に取り付けられた旋回軸によって撹拌される。ミル粉砕のためのビーズ、又はボールは、キュービックジルコニアビーズ又はステンレス鋼ビーズなどの任意の種類の密な球体ビーズであってよい。用いられるビーズのサイズは、それらが用いられる特定の装置、及び処理しようとする具体的バイオマスなどの条件(バイオマスの種類及び初期粒径、ならびにバイオマスに適用される具体的無水アンモニア処理を含む)に応じて変動しうる。ボールは、例えば、0.3175cm、0.471cm、0.556cm、0.635cm、0.794cm、0.953cm、又はそれ以上であってよい。直径が0.3175cmより大きいボール又はビーズは、より効果的なミル粉砕を達成しうる。特定のバイオマス及び処理パラメーターのセットについて最も効果的なボールのサイズは、当業者によって容易に決定することができる。
事前又は同時に行う無水アンモニア処理と共に、機械的破砕は、約数秒から約数日までの期間にわたって行うことができる。例えば、破砕は、約2日より短い時間、又は約1日より短い時間実施してもよい。さらに、約60、50、40、30、20、10、5、又は1分以下の時間を用いてもよい。短い適用時間を用いて、エネルギーコストを削減することも可能であるが、糖化中に最大限の糖収率を達成することはできない。例えば、5又は10分のミル粉砕時間では、商業的に許容可能なレベルの糖を生産することができるが、これより長いミル粉砕時間で達成されるものほど高くはない。ミル粉砕のエネルギーコストと糖収率のバランスを調節して、最大限の商業価値を支持することができる。
機械的破砕手段は、バッチ法、又は連続法のいずれで適用してもよい。
前処理バイオマス産物
本方法によって得られる前処理バイオマス産物は、容易に糖化が可能であり、これを糖化して発酵性糖を生産するが、これらの糖は、生体触媒による発酵に用いることによって、所望の標的産物を生産することができる。酵素糖化は、一般的に、セルロース及びヘミセルロースを分解するための酵素コンソーシアムを利用して、グルコース、キシロース、及びアラビノースなどの糖を含む加水分解産物を生産する。糖化酵素については、Lynd,L.R.,et al.(Microbiol.Mol.Biol.Rev.,66:506−577,2002)を参照されたい。
少なくとも1つの酵素が用いられ、一般的には、1つ以上のグリコシダーゼを含む糖化酵素コンソーシアムを用いる。グリコシダーゼは、二糖、オリゴ糖、及び多糖のエーテル結合を加水分解するが、これは、一般群「加水分解酵素」(EC3.)の酵素分類EC 3.2.1.x(Enzyme Nomenclature 1992,Academic Press,San Diego,CA with Supplement 1(1993),Supplement 2(1994),Supplement 3(1995,Supplement 4(1997)及びSupplement 5[それぞれ、Eur.J.Biochem.,223:1−5,1994;Eur.J.Biochem.,232:1−6,1995;Eur.J.Biochem.,237:1−5,1996;Eur.J.Biochem.,250:1−6,1997;及びEur.J.Biochem.,264:610−650 1999])にみいだされる。本方法に有用なグリコシダーゼは、それらが加水分解するバイオマス成分によって分類することができる。本方法に有用なグリコシダーゼとしては、セルロース加水分解グリコシダーゼ(例えば、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ、セロビオヒロドロラーゼ、β−グルコシダーゼ)、ヘミセルロース加水分解グリコシダーゼ(例えば、キシラナーゼ、エンドキシラナーゼ、エキソキシラナーゼ、β−キシロシダーゼ、アラビノキシラナーゼ、マンナーゼ、ガラクターゼ、ペクチナーゼ、グルクロニダーゼ)、及びデンプン加水分解グリコシダーゼ(例えば、アミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、イソアミラーゼ)などが含まれる。さらに、バイオマスの他の成分からの多糖の遊離を助けるために、糖化酵素コンソーシアムに他の活性、例えば、ペプチダーゼ(EC 3.4.x.y)、リパーゼ(EC 3.1.1.x及び3.1.4.x)、リグニナーゼ(EC 1.11.1.x)、及びフェルロイルエステラーゼ(EC 3.1.1.73)を追加すれば有用となりうる。当分野では、多糖加水分解酵素を産生する微生物が、往々にして、様々な基質特異性を有する数種の酵素又は1群の酵素によって触媒される活性(例えば、セルロース分解)を発揮することは公知である。従って、微生物由来の「セルラーゼ」は、1群の酵素を含むこともあり、そのすべてがセルロース分解活性に寄与しうる。市販の又は市販されていない酵素調製物(例えば、セルローラーゼ)は、この酵素を得るのに使用される精製計画に応じて多数の酵素を含む可能性がある。
糖化酵素は、市販のものを得ることができ、例えば、Spezyme(登録商標)CP cellulase、Multifect(登録商標)xylanase、Accelerase(登録商標)1500、及びAccellerase(登録商標)DUET(Danisco U.S.Inc.,Genencor International,Rochester,NY)がある。さらに、糖化酵素は、未精製であってもよく、細胞抽出物のタイプ又は全細胞溶解物として提供されうる。酵素は、多数の糖化酵素を発現するように改変された組換え微生物を用いて生産することもできる。
本発明において特に価値があるのは、グリコシドヒドロラーゼ、例えば、ファミリーGH3、GH39、GH43、GH55、GH10、及びGH11である。GHは、2つ以上の炭水化物同士、又は炭水化物と非炭水化物部分同士のグリコシド結合を加水分解する酵素群である。GHのファミリーは、配列類似性に基づいて分類されており、Carbohydrate−Active enzyme(CAZy) database(Cantarel et al.(2009) Nucleic Acids Res.37(Database issue):D233−238)で入手可能である。これらの酵素は、いくつかの基質に作用することができ、糖化工程に有効である。グリコシドヒドロラーゼファミリー3(「GH3」)酵素は、いくつかの周知の活性:β−グルコシダーゼ(EC:3.2.1.21);β−キシロシダーゼ(EC:3.2.1.37);N−アセチルβ−グルコサミニダーゼ(EC:3.2.1.52);グルカンβ−1,3−グルコシダーゼ(EC:3.2.1.58);セロデキストリナーゼ(EC:3.2.1.74);エキソ−1,3−1,4−グルカナーゼ(EC:3.2.1);及びβ−ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.23)を有する。グリコシドヒドロラーゼファミリー39(「GH39」)酵素は、α−L−イズロニダーゼ(EC:3.2.1.76)又はβ−キシロシダーゼ(EC:3.2.1.37)活性を有する。グリコシドヒドロラーゼファミリー43(「GH43」)酵素は、以下の活性を有する:L−α−アラビノフラノシダーゼ(EC 3.2.1.55);β−キシロシダーゼ(EC 3.2.1.37);エンドアラビナナーゼ(EC 3.2.1.99);及びガラクタン1,3−β−ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.145)。グリコシドヒドロラーゼファミリー51(「GH51」)酵素は、L−α−アラビノフラノシダーゼ(EC 3.2.1.55)又はエンドグルカナーゼ(EC 3.2.1.4)活性を有する。グリコシドヒドロラーゼファミリー10(「GH10」)については、Schmidt et al.,1999,Biochemistry 38:2403−2412及びLo Leggio et al.,2001, FEBS Lett 509:303−308)に、より詳細に記載されており、また、グリコシドヒドロラーゼファミリー11(「GH11」)については、Hakouvainen et al.,1996,Biochemistry 35:9617−24に、より詳細に記載されている。
発酵前に、例えば、蒸発により糖化混合物を濃縮させて、発酵性糖の濃度を高めてもよい。任意で、糖化産物中の液体をバッチ法又は連続法で固形物から分離してもよい。任意で、液体又は全糖化産物を発酵前に滅菌してもよい。発酵中に用いる生体触媒及び糖化中に用いるpHに応じて、pHは発酵に適したものに調節することができる。
糖化は、約数分〜約200時間、一般的には約24時間〜約72時間の時間にわたって実施することができる。反応の時間は、酵素濃度及び具体的活性、ならびに用いられる基質及び環境条件、例えば、温度及びpHによって異なる。当業者であれば、特定の基質及び糖化酵素コンソーシアムと共に用いるべき温度、pH及び時間の最適な条件を容易に決定することができる。
糖化は、単一バッチ、流加回分、又は連続工程で実施することができる。糖化はまた、1ステップ、又は複数のステップで実施することもできる。例えば、糖化に必要な様々な酵素が、様々なpH又は温度最適値を呈示しうる。1つの温度及びpHで酵素を用いて、一次処理を実施した後、別の酵素を用いて、異なる温度及び/又はpHで二次又は三次(又はそれ以上の)処理を実施することができる。さらに、連続したステップで異なる酵素での処理を同じpH及び/又は温度、又は異なるpH及び温度で実施してもよく、例えば、より高いpH及び温度で安定した、及びより活性のヘミセルロースを用いた後、より低いpH及び温度で活性のセルラーゼを用いて行うことができる。
糖化工程における固形分(%)は変動しうる。糖化に用いられる固形分(%)は、高濃度の発酵性糖を含む加水分解産物を得るために比較的高く維持するのが望ましい。一般的に、固形分は、約10%〜60%であり、約10%〜25%であるのがより一般的である。
糖化後にバイオマスから得られる糖の可溶化度は、単糖及びオリゴ糖の遊離を測定することによりモニターすることができる。単糖及びオリゴ糖を測定する方法は、当分野では公知である。モノマー糖以外にも、可溶性オリゴマー糖が生産され、これは、発酵における生体触媒による使用のためにモノマーに転換することができる。
発酵性糖を含有するバイオマス加水分解産物は、一般的に培地の一部(%)として発酵培地中に含まれており、生体触媒増殖及び産物生産のための炭素源の全部又は一部を提供する。発酵培地中の加水分解産物は、通常発酵培地の約40%〜90%である。発酵培地の40%又は80%として用いられる加水分解産物の例が、米国特許出願公開第20070031918A1号明細書の実施例9に記載されている(この文献は、本明細書に参照により組み込まれる)。加水分解産物中の発酵性糖濃度に応じて、追加の糖を培地に添加してもよい。例えば、約80g/Lのグルコースと約50g/Lのキシロースを含有する加水分解産物が、発酵培地の40%の割合で含まれている場合には、追加のグルコース及びキシロースを所望の最終濃度まで添加することができる。当業者には公知のように、加水分解産物のほかにも、発酵培地は、産物生産のために用いようとする具体的生体触媒による増殖及び生産に必要な他の栄養素、塩類及び因子を含有してもよい。補足物には、例えば、酵母エキス、特異的アミノ酸、リン酸塩、窒素源、塩類、及び微量元素が含まれる。また、特定の生体触媒によって作られる特定の産物の生産に必要な成分も含まれてもよく、このようなものとして、例えば、酵素触媒反応に必要なプラスミド又は補因子を維持するための抗生物質がある。
加水分解産物を調製する代わりに、これを発酵培地に添加した後、発酵を実施して、同時糖化及び発酵(SSF)方法を用いることにより、バイオマス加水分解産物発酵ブロスを生産することもできる。この方法では、生産用生体触媒によって糖が代謝されるため、糖はバイオマスから生産される。
生体触媒発酵及び標的産物
発酵培地中の発酵性糖は、好適な生体触媒によって代謝されて、標的産物が生産される。発酵工程で糖を生体触媒と接触させるが、この工程では、生体触媒によって作られる標的産物が生産される条件下で生体触媒を増殖させる。使用中の特定の生体触媒に有用な条件に応じて、温度及び/又は頭隙ガスを発酵のために調節いてもよい。発酵は、好気的又は嫌気的のいずれでもよい。上記及びその他の条件(温度及びpHなど)は、用いる特定の生体触媒に応じて調節する。
生体触媒によって産生される標的産物の例として、1,3−プロパンジオール、ブタノール(イソブタノール、2−ブタノール、及び1−ブタノール)、及びエタノールがある。米国特許第7504250号明細書には、1,3−プロパンジオールを生産する組換え微生物が開示されている。遺伝子改変酵母によるブタノールの生産は、例えば、米国特許出願公開第20070092957 A1号明細書に開示されている。また、大腸菌(E.coli)の遺伝子改変株も、エタノール生産のための生体触媒として用いられている(Underwood et al.,(2002) Appl.Environ.Microbiol.68:6263−6272)。エタノールは、リグノセルロース系バイオマス加水分解産物発酵培地中で、遺伝子改変ザイモモナスによって生産されている(米国特許出願公開第20070031918 A1号明細書)。エタノールの生産が改善されたザイモモナス・モビリスの遺伝子改変株について、米国特許出願公開第2003/0162271 A1号明細書及び米国特許出願公開第2009/0246846 A1号明細書に記載されている。
以下の略語を使用する、すなわち、
「HPLC」は高性能液体クロマトグラフィー、「C」は摂氏度、「m」はメートル、「mm」はミリメートル、「μm」マイクロメートル、「μL」はマイクロリットル、「mL」はミリミットル、「L」はリットル、「N」は正常、「min」は分、「mM」はミリモル、「cm」はセンチメートル、「g」はグラム、「mg」はミリグラム、「kg」はキログラム、「wt」は重量、「h」又は「hr」は時間、「d」は日、「RT」は室温、「DM」は乾物、「DWB」はバイオマスの乾燥重量、「ASME」はAmerican Society of Mechanical Engineers、「s.s」はステンレス鋼、「in又は「”」はインチ、「rpm」は回毎分、「OD」は光学濃度、「r」は半径、「d50」はサンプルの平均粒度である。
一般的方法
バイオマスの特性決定
バイオマスの乾物含量を、105℃で動作するDenver Instruments IR−120 moisture analyzerを用いて、又は窒素放出しながら(約12水銀柱インチに相当する)真空オーブン中において102℃で一晩加熱することにより、決定した。
バイオマスの組成を当該技術分野で周知の標準的方法のいずれか1つ、例えば、ASTM E1758−01 「Standard method for the determination of carbohydrates by HPLC」によって測定する。
アンモニア処理システム(P5L反応器)
反応器の上部に1.5”(3.8cm)玉弁(これはバイオマスを充填するために取り外すことができる)を含むように改変された5L水平式円筒形圧力容器(Littleford Day,Florence,KY)から構成されるシステムを用いて、アンモニア処理実験を実施した。反応器は、頭隙にある2つのポート、底部の1.5”玉弁、各種サーモカップル、逃がし弁、圧力計、及び圧力変換器を備えている。反応器は、いわゆる「熱伝達」式インペラーを含み、これは、鉛直方向及び水平方向に固形分を混合するための4つの羽根を備えている。インペラーは、すべての実験について約40rpmで回転させた。
2lbシリンダーの無水アンモニアを電子秤に載せ、シリンダーの減量分を測定して、反応器中の乾物当たりのアンモニアの目標量を得ることにより、無水アンモニアを計量してP5L反応器に導入する。
上部フランジに連結するニードル弁を用いて、圧力フラッシュ(pressure flash)及び真空フラッシュ(vacuum flash)を制御した。フラッシュ蒸気(flash vapors)は、構内冷水を用いた二重管式熱交換器を通過させた。次いで、蒸気/凝縮液を、ウェットアイス(wet ice)で被覆された2L円筒形容器内に回収した。圧力フラッシュ前に、2Lシリンダーから非凝縮物を排出した。続いて真空を破壊した後、凝縮液を回収した。次に、同じシステムを用いて、真空フラッシュ凝縮液を回収した。
酵素供給源
Spezyme(登録商標)CP、Multifect(登録商標)xylanase、及びAccellerase(登録商標)1500は、Danisco U.S.Inc.,Genencor,International(Rochester,NY)製である。Novozyme 188は、Novozymes(2880 Bagsvaerd,Denmark)製である。
実施例1(比較)
単一前処理としてのトウモロコシ穂軸又はスイッチグラスのボールミル粉砕
糖化のためのトウモロコシ穂軸及び晩冬/早春収穫スイッチグラスリグノセルロース系バイオマスを調製するために、ボールミル粉砕を非化学的手段として試験した。5グラムのナイフミル粉砕(1mm篩を通過させた)穂軸(94%DM)及びスイッチグラス(94%DM)を各々、226gの1cmサイズY添加ZrOビーズ(cubic Zirconia beads;Norstone;Wyncote,PA)を含む125mLプラスチックボトルに入れた。ボトルを室温で1〜10日にわたり毎分83サイクルの速度で回転させた。アリコートを定間隔で採取し、酵素糖化に用いた。14%固形分懸濁液の約370μLの懸濁液を、Spezyme CP:Multifect(登録商標)xylanase:Novozyme 188を固形分1g当たり6.68:3.34:1.67mgで含む50mM NaCitrate中で、pH4.7〜4.8及び47℃にて、2つの5mmガラスビーズを含む6mLガラス容器中で、回転式振盪機を250rpmで用いて糖化した。アリコートを定間隔で採取し、0.6mL/分の流量で移動相として0.01N HSOにより60℃でHPX−87Hカラム(BioRad)ランを用いて、HPLC分析に供した。様々な時間(0、24、48、72時間)にわたり糖化すると共に、様々な時間(0、1、2、3、6、10日)にわたってミル粉砕したサンプル中のグルコース及びキシロースの理論収率(%)を図1にトウモロコシ穂軸(A)及びスイッチグラス(B)について示す。
添加ZrOビーズを用いたミル粉砕は、追加の化学前処理又はリグニン除去を施していないこれらの供給原料の糖化に大きな影響を与えた。穂軸及びスイッチグラスの収率のいずれについても、ミル粉砕の時間が増加するほど、グルコース及びキシロースの収率も増大した。3日のミル粉砕による収率は穂軸よりスイッチグラスの方が低かった。72時間の糖化で、ミル粉砕6日後は、穂軸及びスイッチグラスのいずれについても、グルコースは約65%に、キシロースは約40%に達した。ミル粉砕10日後、穂軸の収率はやや増加し、スイッチグラスの収率は、グルコース約70%及びキシロース約45%に達した。
実施例2(比較)
糖化収率はボールミル粉砕後のスイッチグラスバイオマスの無定形構造と相関する
ステンレス鋼は、ZrOより高い密度(ぞれぞれ、7.7g/cm及び6.0g/cm)を有するため、ステンレス鋼ビーズを、代わりのミル粉砕物として使用した。
5グラムのナイフミル粉砕(1mm篩を通過させた)晩冬/早春収穫スッチグラス(91.3%DM)を、200gのステンレス鋼1/4”(0.63cm)ビーズを含む125mLプラスチックボトルに入れた。1〜10日のミル粉砕の間、これらのボトルを室温で毎分83サイクルの速度で回転させた。アリコートを定間隔で採取し、酵素糖化、粒度決定、表面積測定及び結晶度についての広角X線回析に用いた。グルカン1g当たり25mgのAccelerase(登録商標)1500(Genencor)と、キシラン1g当たり16.6mgのヘミセルロース(Xyn3、Fv3A、Fv51A、及びFv43D)のカクテルとを用いて、14%の固形物負荷で、pH4.9の50mM NaCitrate中で、酵素糖化を実施した。約370μLの懸濁液を、2つの5mmガラスビーズを含む6mLガラス容器中で、回転式振盪機を250rpmで用い、47℃で糖化した。アリコートを定間隔で採取し、実施例1と同様にHPLC分析に供した。
図2は、様々なミル粉砕及び糖化時間で得られたモノマーグルコース及びモノマーキシロースの収率(それぞれ図2A及びB)を示す。また、それぞれのミル粉砕時間について、糖化120時間後にろ過により不溶性バイオマスを除去し、次いで4%HSOの存在下にて1時間121℃に加熱した後、HPLC糖分析を実施することにより決定された合計可溶化糖(モノマーグルコース及びオリゴマーグルコースならびにモノマーキシロース及びオリゴマーキシロース)も示す。
グルコース及びキシロースの収率は、ミル粉砕時間の増加と共に増大したが、これは、いずれの糖についても最初の6日間のミル粉砕についてのシグモイド様動力学を示している(それぞれ図3A及びB)。シグモイド(S字)形状は、バイオマスがだんだんフラグメント化されるにつれ、バイオマスの破砕増大に要求されるエネルギーの低下を表していると思われる。粒子の表面積(図3A及びB)を、Nガス吸着を用いて測定した。表面積は、0から3〜4日のミル粉砕で増加し、その後減少したが、これは、それ以上のミル粉砕で一部の構造要素が崩壊したためと考えられる。驚くことに、糖化収率は、ミル粉砕の初期段階を除いて、粒子表面積のあとをたどらないが、これは、糖化の速度及び収率を決定する要因が表面積以外にもあることを示している。もう1つの寄与要因は、セルロース結晶度の低下であろう。バイオマスの結晶度は、ミル粉砕時間の関数として広角x線散乱を用いて評価し、グルコース及びキシロース収率と共にグラフ化した(それぞれ図4A及びB)。結晶度データも表2に数値として示す。糖化収率は、バイオマス中の無定形成分率(%)に接近してこれをたどるが、これは、結晶度又は結晶度に関する要因(例えば、重合度)が、糖化酵素への多糖の接近性増大に寄与することを示している。
図1及び2の比較から、ボールミル粉砕10日後、糖化収率は、1cmY添加ZrOビーズより1/4”ステンレス鋼ビーズを用いた方が高いことがわかる。
スイッチグラスの鋼ボールミル粉砕は、酵素糖化を大きく加速し(4時間で得られた最終収率≧50%)、グルコースは>80%、キシロースは約60%という最終収率のモノマー糖を生産した。
Figure 2013530726
実施例3
無水アンモニア及びボールミル粉砕による処理の効果
秋に収穫したスイッチグラス(92.5%DM)を非処理のまま(UT4un)か、又はバイオマスの20乾燥重量%の無水アンモニアで室温(RT)にて9日間処理するか、又はバイオマスの10乾燥重量%の無水アンモニアで160℃にて1時間処理した(JV198)。160℃処理の場合、スイッチグラスを一般的方法に記載したP5L反応器に装入してから、反応器のジャケットを加熱した。無水アンモニアのシリンダーからアンモニアを添加した。
RT処理バイオマスは、アンモニア処理後、1mm篩によりナイフミル粉砕したのに対し、160℃処理バイオマスは、1mm篩によりナイフミル粉砕した後、アンモニア処理に付した。アンモニアを蒸発分離させた後、実施例2に記載したように、1/4インチ(0.635cm)ステンレス鋼ビーズを用いて0、19、43及び67時間サンプルをミル粉砕した。次に、実施例2に記載したのと同じ条件を用いて、バイオマスを糖化した。実施例1と同様に糖収率をアッセイした。
様々な時間ボールミル粉砕を行うと共に、バイオマスの10重量%の無水アンモニアで160℃にて1時間処理したサンプル(JV198)について、様々な時間糖化した後のグルコース及びキシロース収率を図5A及びBにそれぞれ示す。また、ボールミル粉砕したが、無水アンモニアで処理していない非処理対照(UT4un)についての収率も示す。結果から、各ボールミル粉砕時点で、無水アンモニアとボールミル粉砕を組み合わせた方が、ミル粉砕単独の場合より高いグルコース及びキシロース収率が達成されたことがわかる。糖化収率の増加は、キシロースが特に高く、これは19時間ミル粉砕したサンプルでは2倍以上増加した。
バイオマスの20重量%無水アンモニアで室温にて9日間処理したサンプルでも同様の結果が得られた。無水アンモニア処理と、ボールミル粉砕のみの(非処理)の両方の対照について72時間糖化を実施して得られた結果を、ボールミル粉砕時間に対する理論モノマー糖化収率(%)の指数関数グラフとして図6に示す。表3に、図6の曲線の指数関数あてはめ(fits)から導いた増加時間の計算結果を示す。増加曲線を単一の指数関数にあてはめた。増加時間(τ)は、指数関数的増加の1/e(ここで、e=緩和時間の2.7183,63%)値まで到達するのにかかる時間である。結果から、いずれのアンモニア前処理についても、ミル粉砕時間による糖化収率の増加速度は、非処理サンプルより6〜10倍速いことがわかる。
Figure 2013530726
実施例4
無水アンモニア処理し、かつアトリターミル粉砕したスイッチグラスの、粒度及び無定形成分についての糖化の比較
500グラムのナイフミル粉砕(1mm篩を通過させた)秋収穫スイッチグラスを実施例5と同様に160℃で1時間無水アンモニア処理した。次いで、スイッチグラスのサンプルを、Union Process SD−1 attritor millにより、40lbの1/4”ステンレス鋼ビーズを用いて516rpmで0〜60分アトリターミル粉砕した。広角x線散乱を用いて、各サンプルを結晶度分析に付した。表4は、サンプルの各々についての回析パターンから導かれた無定形成分率(%)と、d50粒度(ミクロン)を示す。粒度は、ミル粉砕20分後に最小値に達し、その後、非処理スイッチグラスの粒子表面積について早期に観測されたように、ミル粉砕時間と共に増大したが、無定形成分率(%)は増加し続けた。サンプルを実施例2と同様に糖化し、実施例1と同様に糖収率をアッセイした。図7A及びBは、無定形成分率(%)と、72時間糖化後の理論収率(%)との比較を示す。グルコースについての糖化収率(図7A)は、無水アンモニア前処理せずにミル粉砕したスイッチグラスについて既に見られた(実施例2)ように、無定形成分率(%)にかなり接近してこれをたどり、いずれの場合も緩いシグモイド形状を呈している。キシロース糖化収率(図7B)は、無定形成分率(%)より幾分指数関数的である。
糖化収率は、初め、粒度の減少と共に収率が増加することから、初期には粒度との逆相関を示し(図8)、その後の段階では、粒度の増加と共に収率も増加し続けた。
Figure 2013530726
実施例5
無水アンモニアでの前処理及び5時間のボールミル粉砕を実施したバイオマスからの糖収率に対する、糖化工程でのミル粉砕ビーズのサイズ及び固形物負荷の作用
実施例3で用いたのと同じバッチから秋収穫スイッチグラスを、実施例3に記載したように、RT又は160℃にて無水アンモニアで処理した。処理済バイオマスを、以下のサイズ:1/8すなわち0.125”(0.3175cm)、0.1855”(0.471cm)、 7/32すなわち0.2188”(0.556cm)、1/4すなわち0.250”(0.635cm)、5/16すなわち0.3125”(0.794cm)及び3/8すなわち0.375”(0.953cm)のステンレス鋼ビーズで5時間ボールミル粉砕した。5グラムのバイオマスを125mLプラスチックボトルにおいて200gのステンレス鋼ビーズで83rpmにて5時間ミル粉砕した。ミル粉砕後、糖化中の固形物負荷が14%(図9、10)又は25%(図11、12)のいずれかである以外は、サンプルを実施例2と同様に単一バッチ方式で糖化した。サンプルを実施例1と同様にグルコース及びキシロースについて分析した。さらに、124時間の糖化後、サンプルをろ過(0.2μm)して、固形分を除去し、ろ過物を4%HSOの存在下で、121℃で1時間加熱した。グルコースの対照サンプルを用いて、加熱中のいずれかの糖分解について補正し、合計可溶性糖含量を実施例2と同様に決定した。
用いたミル粉砕条件下で、直径0.1855”〜0.250”(0.471cm〜0.623cm)のビーズが、160℃で無水アンモニア処理したスイッチグラスに最高収率をもたらしたのに対し、0.1855”(0.471cm)〜0.375”(0.953cm)ビーズは、RTで無水アンモニア処理したスイッチグラスにやや有利に働いたようであった。
一般に、収率は、25%固形物負荷より14%固形物負荷の方が高かった。一般に、160℃アンモニア処理スイッチグラスは、RT処理スイッチグラスよりやや高い収率を有した(特にキシロース)。糖化終了時の酸加水分解によって、有意な量の可溶性オリゴマー糖の存在が示されたが、これは、モノマーに転換される可能性があり、発酵に用いられる。
実施例6
アトリターミル粉砕前の無水アンモニア処理の効果に対するバイオマス湿分の影響
1mmナイフミル粉砕スイッチグラスのサンプルの湿分を8%(92%DM)、18%(82%DM)、又は28%(72%DM)湿分に調節した後、サンプルを10%無水アンモニア処理に150〜160℃で1時間付した。サンプルは、無水アンモニア処理の終了時にアンモニアの蒸発分離後、それぞれ約98%、97%及び96%の乾物含量を有した。サンプルを実施例4のUnion Process attritor millで、ほぼ5分間アトリターミル粉砕した。次に、グルカン+キシラン1g当たり7mg、14mg及び28mgグルカナーゼ+キシラナーゼの酵素負荷、25%の固形物負荷で、47℃で120時間サンプルを糖化した。合計可溶性グルコース及びシロース(モノマー及びオリボマーを含む)の収率を図13に示す。7mg及び14mgの酵素負荷は、8%湿分とは対照的に、18%湿分でアンモニア処理したサンプルについては、それぞれ12%及び11%の可溶化キシロース収率の絶対増加を示した。可溶化グルコース収率の絶対増加は、同じサンプルについて5.5%及び8%であった。18%及び28%湿分サンプルは、グルコース及びキシロースについて同様の糖化収率をもたらした。従って、無水アンモニア処理に付すのに少なくとも18%の湿分を有することには極めて大きな利点がある。

Claims (16)

  1. a)リグノセルロース系バイオマスを用意するステップと、
    b)(a)のバイオマスを無水アンモニアと接触させることにより、アンモニア処理バイオマスを生産するステップと、
    c)機械的破砕手段で機械的エネルギーを適用することにより、(b)のアンモニア処理バイオマスを破砕して、容易に糖化可能な前処理バイオマスを生産するステップと
    を含む、容易に糖化可能なバイオマスを生産する方法であって、
    前記前処理バイオマスが、無定形セルロース成分を含み、
    前記前処理バイオマス中の無定形セルロース成分の割合が、無水アンモニアと接触させずに(c)と同じレベルの機械的エネルギーで破砕した前処理バイオマス中の無定形セルロース成分の割合と比較して高い、前記方法。
  2. 前記ステップc)の前記前処理バイオマスが、約0.1mmより小さい粒度を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステップ(c)の機械的破砕に必要なエネルギーが、無水アンモニアと接触させていないリグノセルロース系バイオマスの機械的破砕に必要なエネルギーと比較して、約4〜約10分の1である、請求項1に記載の方法。
  4. 糖化の際、前記ステップc)の前記前処理バイオマスが、無水アンモニアと接触させずに(c)で破砕した前処理バイオマスと比較して、高い速度で発酵性糖を生産する、請求項1に記載の方法。
  5. アンモニア処理バイオマスが、アンモニア前処理後、実質的に乾燥している、請求項1に記載の方法。
  6. 前記機械的破砕手段が、パウンディング、摩砕、せん断、クラッシング、及びこれらの組合せの手段からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記機械的破砕手段が、アトリターミル粉砕、ハンマーミル粉砕、ボールミル粉砕、ビーズミル粉砕、振動ボールミル粉砕、振動ロッドミル粉砕、ジェットミル粉砕、ピンミル粉砕、タービンミル粉砕、空気分級ミル粉砕、ロールミル粉砕及び遊星ボールミル粉砕からなる群から選択される手段である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ステップ(b)及び(c)が同時に行われる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記破砕が、2日より短い期間にわたって行われる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記破砕が、60分より短い期間にわたって行われる、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ステップ(b)の無水アンモニアが、リグノセルロース系バイオマスの乾燥重量に対して約2〜約30重量%の濃度である、請求項1に記載の方法。
  12. 無水アンモニアが、リグノセルロース系バイオマスの乾燥重量に対して約10〜約25重量%の濃度である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ステップ(b)のリグノセルロース系バイオマスを無水アンモニアと約30分〜約1年の期間にわたり接触させておく、請求項1に記載の方法。
  14. 前記ステップ(b)のリグノセルロース系バイオマスが、機械的エネルギーの適用前に、約15%〜約30%の湿分に達する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記ステップ(b)のリグノセルロース系バイオマスを約0℃〜約200℃の温度で無水アンモニアと接触させる、請求項1に記載の方法。
  16. (a)のリグノセルロース系バイオマスが、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ皮、トウモロコシストーバー、イネ科牧草類、麦藁、大麦藁、干し草、稲藁、スイッチグラス、古紙、サトウキビバガス、モロコシバガス又はストーバー、ダイズストーバー、穀粒のミル粉砕から得られる成分、樹木、枝、根、葉、木材チップ、おがくず、低木、灌木、野菜、果物、草花、動物肥料、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
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