JP2013528807A - アレルギー診断における決定支援法 - Google Patents

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Abstract

アレルギー診断において臨床決定支援を提供する方法であって:a)患者由来の体液試料を提供し、b)試料において試験すべき複数のアレルゲンを選択し(110)、c)各アレルゲンに関して、該アレルゲンに対して向けられる少なくとも1つの免疫グロブリンの試料中の濃度を決定し(120)、d)決定した免疫グロブリン濃度各々を、アレルゲン一般に共通の規準化したスケールの臨床効果値に変換し(130)、e)アレルゲンに対する既知の交差反応性情報に基づいて、試験した各アレルゲンに、該アレルゲンに関する交差反応性の度合いを示すアレルゲン特異性値を割り当て、そしてf)各アレルゲン、あるいはアレルゲンの単数または複数の群に関して、決定した臨床効果値およびアレルゲン特異性値を提示する(140)工程を含む、前記方法。コンピュータで実行される方法、コンピュータプログラム製品、および診断結果を含有する患者情報担体デバイスもまた開示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、疾患診断の分野に関し、そしてより具体的には、患者に関する複数の試験結果を用いたアレルギー状態の診断に関する。本発明はまた、こうした診断のためのコンピュータで実行される方法(computer-implemented method)、対応するコンピュータプログラム製品、および診断結果を含有する患者情報担体デバイスにも関する。
疾患の正確な診断は、常に、健康管理における基本の1つであり続けている。診断を行うプロセスは、症状に、患者の病歴に、そして試験に基づく診断のように、多くの型を取りうる。試験に基づく診断では、患者の疾患を指摘するために、体液中のバイオマーカーの測定レベルを用いる(例えば血中のIgEはアレルギーの指標であり、そして尿中の糖は糖尿病の指標である)。さらに、医師は、根底にある疾患を正確に提示するために、症状に基づく診断および試験に基づく診断を組み合わせる傾向がある。
ここ数年の間に、バイオマーカーに関する試験の利用可能性は、非常に増加してきている。現在、一団の試験を行い、そしてその結果を患者の病歴と組み合わせて、診断の基礎を形成するのが一般的である。試験の数がおよそ20未満であれば、平均的な医師には許容されうる。しかし、医師が20〜100の個々の試験結果に基づいて決定を行わなければならなくなると、誤った解釈および混乱が劇的に増加する。
医師が行う決定を改善するか、または誤った解釈および誤りの数を減少させるため、治療の診断プロセスまたは療法プロセスに関連して行われる臨床決定を改善するように設計された、臨床決定支援系(CDSS)が開発されてきている。CDSSは、多くの分野における活動に取り組んでおり、例えば、Evans R. S.ら, “A computer−assisted management program for antibiotics and other anti−infective agents”, N Engl J Med 1998; 338:232−238に記載されるような薬剤の選択、およびSteele, A.W.ら, “Using computerized clinical decision support for latent tuberculosis infection screening”, Am J Prev Med 2005; 28(3):281−4に記載されるような潜在性結核感染に関するスクリーニングがある。
診断分野内で、多くのCDSSがパブリック・ドメインに開示されてきている。画像解釈のための異なる支援ツールが、例えば、Harpole, L.H.ら, “Automated evidence−based critiquing of orders for abdominal radiographs: impact on utilization and appropriateness”, J Am Med Inform Assoc. 1997; 4:511−521;および“CAD (computer−aided decision) support systems and methods”と題されるUS 2005/102315 A1に記載される。
診断状況における試験結果の解釈のためのCDSSは、「k近傍法」(kNN)と称される統計法を、自己免疫疾患に関連する試験結果に適用する、EP1738168 A2に開示される。kNN法は、一団の新規試験結果(新規患者由来のもの)をすでに診断されている患者のセットに比較して、そして新規患者を、新規患者に最も似ている、kの存在する結果と同じ疾患を有すると分類する(ここで、kは通常、3、5または任意の他の小さい数である)。EP1738168におけるkNNは、収集されたデータに完全に頼り、そして新規患者に関する症状および他の関連情報を取り扱うことは不可能である。
別のCDSSがWO 2009/099379 A1に開示され、該文書は、複数の試験されたバイオマーカーに関する試験結果に基づく臨床決定支援を記載し、ここでバイオマーカーは階層的に順序づけられる。1つの態様において、測定した実体をより解釈可能な単位にスケーリングし、ここで、特定の患者がアレルギー性であるかどうかに関する記述の診断品質を改善するために、確率曲線を用いる。
相関するECGおよび心臓関連音の情報の解釈のためのさらに別のCDSSがWO 2006/127022 A2に開示される。この方法では、2つの異なるタイプの情報、すなわちECGおよび心臓関連音の使用を組み合わせて、そして共通表示方式で提示する。
科学の完全に異なる分野に由来する決定支援系の例は、WO 97/44751に開示され、これは、三次元地震データの提示および解釈法に関連する。
アレルギー診断において、アレルゲン抽出物に基づく診断を離れて、そしてその代わりにアレルゲン構成要素に対する診断試験を行う傾向がある(以下において、しばしば単に「構成要素」と称する)。抽出物に基づく試験は、アレルギー原因実体の混合物、例えば特定の種の草の抽出物を用いた免疫学的試験に頼る。一方、構成要素に基づく診断法においては、免疫学的試験は、抽出物の比較的純粋な分画、すなわち抽出物の構成要素に対して行われる。構成要素に基づく診断法は、より完全な診断記述を作成する可能性を改善するが、その代わり、構成要素に基づく診断試験を解釈する、より深い知識を人が持つ必要がある。しかし、現在、アレルギー状態のこうした構成要素に基づく診断のためのCDSSは利用可能ではない。
US 2005/102315 A1 EP1738168 A2 WO 2009/099379 A1 WO 2006/127022 A2 WO 97/44751
本発明の目的は、多数の試験結果の解釈を単純化し、そして構成要素に基づくアレルギー診断において好適に使用可能である、アレルギー診断における臨床決定支援を提供することである。
より具体的には、本発明の目的は、患者に関して、数十、数百、またはさらに数千の試験結果が入手可能である場合、医師を正確なアレルギー診断に導き、そして単純でそして容易に解釈可能な方式で、医師に(そして場合によってまた患者にも)試験結果を提示するCDSSとして機能する方法を提供する。
以下の説明から明らかでありうるように、この目的および他の目的は、独立請求項、従属請求項によって定義されるその態様にしたがった、臨床決定支援、コンピュータで実行される方法、コンピュータプログラム製品および患者情報担体デバイスによって、少なくとも部分的に達成される。
本発明の基本的な概念にしたがって、試験アレルゲン各々(アレルゲン抽出物または純粋な構成要素であってもよい)は、(i)患者血液(または他の体液)中の個々の免疫グロブリン濃度(典型的にはIgE)に基づき、そして免疫グロブリン濃度の臨床効果、すなわち臨床的重症度を示す、第一の値、および(ii)試験したアレルゲン各々の交差反応性の以前の知識に基づく第二の値を割り当てられ、この2つの値は各々、共通のスケールに規準化され、それによって統一されそして容易に解釈可能な決定支援を医師に提供する。したがって、本発明は、患者がアレルギー性であるかどうかを評価するための情報を提供するだけではなく、アレルギーがどの程度重度で、そしてアレルギーがどの程度特異的であるか(すなわち単一のアレルゲン供給源に限定されているかどうかまたはいくつかの異なるアレルゲン供給源と関連しているかどうか)に関する情報も提供する。
第一の側面において、本発明は、アレルギー診断において臨床決定支援を提供する方法であって:
a)患者由来の体液試料を提供し、
b)試料、好ましくは血液において試験すべき複数のアレルゲンを選択し、
c)各アレルゲンに関して、該アレルゲンに対して向けられる少なくとも1つの免疫グロブリンの試料中の濃度を決定し、
d)決定した免疫グロブリン濃度各々を、アレルゲン一般に共通の規準化したスケールの臨床効果値(clinical effect value)に変換し、
e)アレルゲンに対する既知の交差反応性情報に基づいて、試験した各アレルゲンに、該アレルゲンに関する交差反応性の度合いを示すアレルゲン特異性値(allergen specificity value)を割り当て、そして
f)各アレルゲン、あるいはアレルゲンの単数または複数の群に関して、決定した臨床効果値およびアレルゲン特異性値を提示する
工程を含む、前記方法を提供する。
第二の側面において、本発明は、アレルギー診断において臨床決定支援を提供するコンピュータで実行される方法であって:
(a)患者体液試料に対して実施した、アレルゲンの選択した試験由来の試験結果を受け取り、ここで、試験結果は、アレルゲンに対して向けられる少なくとも1つの免疫グロブリンの試料中の濃度である
b)決定した免疫グロブリン濃度各々を、アレルゲン一般に共通の規準化したスケールの臨床効果値に変換し、
c)アレルゲンに対する既知の交差反応性情報に基づいて、試験した各アレルゲンに、該アレルゲンに関する交差反応性の度合いを示すアレルゲン特異性値を割り当て、そして
d)各アレルゲン、あるいはアレルゲンの単数または複数の群に関して、決定した臨床効果値およびアレルゲン特異性値を提示する
工程を含む、前記方法を提供する。
第三の側面において、本発明は、コンピュータに、上記の第二の側面にしたがったコンピュータで実行される方法の方法工程を実施させる命令を含む、コンピュータプログラム製品を提供する。
第四の側面において、本発明は、(i)患者識別子コード、(ii)少なくとも1つのアレルゲンまたはアレルゲン群に関する臨床効果値であって、アレルゲン一般に共通の規準化したスケールである、前記臨床効果値、および(iii)少なくとも1つのアレルゲンまたはアレルゲン群に関する交差反応性の度合いを示す、アレルゲン特異性値を含む、情報担体デバイスを提供する。
本発明のさらに他の目的、特徴、側面および利点は、以下の詳細な説明から、付随する従属請求項から、ならびに図から、明らかであろう。
本発明の態様は、ここで、付随する模式図を参照して、より詳細に記載されるであろう。
図1は、アレルギー診断の決定支援を提供するための本発明の方法の模式的フローチャートである。 図2は、本発明の方法にしたがって変換される試験結果の医師用に意図される提示の例を例示する。 図3は、本発明の方法にしたがって変換される試験結果の患者用に意図される提示の例を例示する。
定義
以下の説明の目的のため、そして明確にするため、以下の定義を行う:
患者は、疾患を有していてもまたは有していなくてもよい被験体を意味する。患者は、典型的にはヒトであるが、任意の生存生物、特に哺乳動物であってもよい。
体液は、生存生物中の液体を示し、(限定されるわけではないが)血液、尿、涙、唾液、リンパ液、精液、糞便等を含む。
バイオマーカーは、分析装置を用いて、検出または定量化可能な体液中の構成要素である。バイオマーカーには、限定されるわけではないが、タンパク質および代謝産物が含まれる。
免疫グロブリンは、抗体機能を持つタンパク質の複合群を意味し、限定されるわけではないが、リンパ系臓器における特異的抗原活性化プロセスの結果として産生される、抗体、例えばIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMを含む。異なる特異性を持つ抗体は、抗原に結合する分子部分内に異なる構造を有する。
アレルギーは、アレルギー症状を引き起こす外来(foreign)物質に対する後天性の異常な感受性を意味する。
アレルゲンは、アレルギーを引き起こすことが可能な実体を意味する。試験は、特定のアレルゲンに対する患者反応の測定を意味する。アレルゲンは、典型的には、2またはそれより多い(アレルゲン)構成要素(通常、タンパク質)の混合物である。
(アレルゲン)構成要素は、単独でアレルギー反応を引き起こしうる、適度に純粋なアレルゲン実体を意味する。アレルゲンが単一の構成要素のみからなる可能性もあるが、典型的な場合、アレルゲン(例えばカバノキ(birch)花粉)は、いくつかの異なる構成要素を含む。したがって、用語、アレルゲンにはすべての構成要素が含まれる。さらに、単一の構成要素はまた、いずれも、異なるアレルゲンの一部であってもよい。構成要素はしばしば組換えタンパク質であり、すなわち遺伝子操作によって調製されるものである。
アレルゲン供給源(やはり「ホスト」とも称される)は、1またはそれより多い特定のアレルゲンを所持するかまたはこれらと関連する、物体/生物を意味する。アレルゲン供給源のクラスは、アレルゲン供給源群またはファミリーを意味する。
エピトープは、免疫系によって認識される、アレルゲンなどの巨大分子の一部を意味する。エピトープは、しばしば、巨大分子の定義された部分、例えば、ポリペプチドまたはタンパク質由来のいくつかの連続して連結されたアミノ酸であるが、巨大分子の3D構造において近接する、巨大分子の異なる部分で構成されていてもよい。一般的に、エピトープは、300〜3000Daの分子のサイズに匹敵する。
交差反応性は、アレルゲンが、異なるアレルゲンに結合するであろう抗体、特にIgE型の抗体を誘発する能力に関する。これは、アレルゲンの1またはそれより多い異なるクラスに見られるアレルゲン構成要素によって引き起こされうる。したがって、選択される構成要素は、例えば、アレルゲンX中に、そして通常、関連する変異体型で、異なるアレルゲンY中に、存在してもよい。次いで、アレルゲンXは、アレルゲンYと交差反応性である等と言われる。交差反応性はまた、いくつかの異なるエピトープ(抗原決定基)を有するアレルゲン構成要素のためである可能性もあり、交差反応性は、非同一構成要素が単数または複数の同一エピトープを有する場合に生じる。
発明の詳細な説明
上述のように、本発明の基本的な側面は、アレルギーの診断を改善し、そして単純化するための方法に関する。
複数の試験結果に基づいて、関心対象のアレルギー状態に関する一般的なそして統一された記述の生成を可能にするよう設計された本発明の方法を、図1を参照して、以下により詳細に記載する。
単純化された見地から、方法100は、特定の患者に関して、試験を行うべき複数のアレルゲンを選択する第一の工程110を含む。次いで、選択したアレルゲンに対する患者反応性の測定を、第二の工程120で行う。第三の工程130で試験結果をさらにプロセシングして、実際の試験読み取り値(典型的には濃度単位または類似のものとして報告する)を、臨床反応スケールに変換する。最後の第四の工程140において、すべての選択したアレルゲンおよび/または構成要素に関する、変換した試験値が収集され、そして医師に提示される。該方法にはさらに、第三の工程130および第四の工程140において、問題のアレルゲン(単数または複数)に関する既知の交差反応性情報を使用して、医師にさらなる情報を提供することも含まれる。こうした交差反応性情報は、上述のように、例えば、特定のアレルゲン構成要素がいくつかの異なるアレルゲン供給源中に存在しうるという知識に基づいてもよい。
より詳細には、第一の工程110において、特定の患者に関して試験を行うべきである、選択した複数のアレルゲンは、アレルゲン111〜115、好ましくは構成要素からなってもよい。次いで、これらの選択したアレルゲンに対する患者反応性の測定を、第二の工程120において、典型的には各アレルゲン121に関して1回行う。患者反応性の典型的な試験は、アレルゲンに結合する患者血液(血清または血漿)中の免疫グロブリンE型(IgE)の分画の濃度の評価であり、通常、単位kU/Lで報告される。試験結果は、第三の工程130でさらにプロセシングされ、ここで、各試験読み取り値は臨床反応スケールに変換される。
異なるアレルゲンは見かけの患者症状に関して異なる閾値を有する、すなわち第一のアレルゲンの低い値を持つ患者は、第二のアレルゲンの高い値を持つ患者よりも、より高い度合いで、アレルギー症状によって影響を受ける可能性もあることが周知である。多量のアレルゲンの異なる強度に関して調整するため、各アレルゲンは関連する変換関数131〜135を有し、該関数は、患者反応性測定から提供されるような値を受け取り、そしてこれを一般的でそして統一されたスケールの臨床効果またはアレルギー反応の重症度に変換し、この統一されたスケールはアレルゲン一般に共通である。
変換関数131〜135にはまた、上述のようにいくつかの異なるアレルゲンにまったく同一の構成要素が存在する可能性もあり、そして/またはアレルゲンまたはアレルゲン構成要素が、異なる構成要素(単数または複数)とエピトープを共有しうるという事実のため、遠く関連するアレルゲンに対するアレルギー反応の可能性を記述することを可能にする、交差反応性情報も含まれうる。
最後の第四の工程140において、変換した試験値を提示可能な形式にコンパイルし、そして次いで、医師に提示する。あるいは、またはさらに、交差反応性情報をこの第四の工程に適用することも可能である。
工程110におけるアレルゲンの選択を、異なる目的で行うことも可能である。例えば、1つのありうる目的は、診断が行われた地理的領域において、あらかじめ決定したアレルギーに対するアレルギー反応を、協力して明らかにすることも可能な、最小の数のアレルゲンを選択することである。この目的は、本質的に、構成要素の使用を必要とし、これは、構成要素の交差反応性パターンがアレルゲン一般に対するより高い度合いであることが知られているためである。
別の例は、目的が、既知のアレルギーを持つ患者の診断を詳細にすることである場合である。例えば、患者が、一般的な意味で「花粉」に対してアレルギーであることを知っている場合、アレルゲンの選択を行って、アレルギーの見地から、異なる植物由来の多様な「花粉」を正確にマッピングすることも可能である。これは再び、構成要素の使用を必要とし、これは、構成要素の交差反応性パターンがアレルゲン一般に対するより高い度合いであることが知られているためである。
選択したアレルゲンに対する、工程120における患者反応性の度合いの測定は、当該技術分野に周知の多くの方法によって、異なる方式で実施可能である。
しかし、典型的には、抽出物またはアレルゲン構成要素であってもよい、関心対象のアレルゲンは、キャリア上に固定される。患者体液試料、通常は血液試料と接触させた場合、特異的IgEは、固定されたアレルゲンに結合する。次いで、IgEに対する標識された抗体を添加して、標識された抗体を通じて検出される複合体を形成する。
例えば、商業的なImmunocapTM系(Phadia AB、スウェーデン・ウプサラ)において、アレルゲンはCNBr活性化セルロース誘導体に共有結合し、そして抗IgE抗体は、添加された基質(現像剤)から蛍光物質の形成を引き起こす酵素によって標識される。次いで蛍光を測定し、そして反応値がより高ければ、試料中に存在するIgEはより特異的である。試験結果を評価するため、検量線を使用することによって、患者試料に対する反応をIgE濃度に変換する。
したがって、選択したアレルゲンに対する患者反応性に関する試験結果は、関連する間接的構成要素の濃度、例えば選択したアレルゲンに特異的なIgEの濃度の測定であることも可能である。得られた試験結果値は、それ自体、必ずしもアレルギーの可能性の指標ではない。各アレルゲン、および特に各構成要素は、試験結果、および部分的にそれぞれのアレルゲンの生得的なアレルゲン性に対して決定されるような臨床的重症度の間のユニークな関連を有する。したがって、試験結果は必ずしも比較可能ではないため、医師が多数の試験結果を解釈することは困難である。
試験結果の臨床的重症度の一般的なスケールへの変換は、したがって、医師のために、試験結果の解釈を単純化する。
変換は、潜在的に、他の適切な情報、例えば人口統計学的データ(年齢、人種、居住地等)、既往症、遺伝要因、反応パターン、遺伝データ等を取り扱うことも可能である。例えば、いくつかのアレルゲンに関しては、10kU/Lの正の試験結果は、成人に関しては中程度の臨床的重症度であるが、小児に関しては高い臨床的重症度である。
変換の実際の構築、またはスケーリングは、多くの形式を取りうる。例えば、変換は、試験結果を与えられると、臨床的重症度をリターンする数学的関数であることも可能である。別の可能性は、多くの試験結果に関する臨床的重症度を表にすることであり、そして潜在的に内挿を使用して、新規試験結果が与えられた際に臨床的重症度を達成する。単純な態様において、変換は、IgE濃度に対する臨床的重症度(または効果)の曲線(またはグラフ)から得られる。
こうしたものとしての変換は、インプットとして任意の数の試験結果を用いるよう設計可能である。典型的には、患者のアレルギープロファイルの正確で一般的な記述を作成するには、類似の(関連する)アレルゲンの1〜5の試験結果が必要であるが、より多数の試験結果、例えば少なくとも10、または少なくとも30が、いくつかの場合においては必要でありうる。
変換工程130の典型的なアウトプットは、試験したアレルゲンまたは2〜20(またはさらに20〜2000)のアレルゲンの群各々の臨床的重症度の一般値である。変換値は、例えば、1〜5の間の値であってもよく、ここで、1は低い臨床的重症度を示し、そして5は高い臨床的重症度を示す。用語「値」は、この背景において、広い意味で解釈されるものとする。したがって、変換値は、数字である必要はなく、例えば文字のスケール(A〜E)またはコレクション特異的な記述(「なし」;「穏やか」;「中程度」;「強い」:「致死」)、あるいはスケールとして理解可能な任意の他の数字、単語、記号、色、または絵のコレクションであってもよい。
変換工程130の別の典型的なアウトプットは、アレルギー特異性の一般値である。選択したアレルゲンまたは2〜20(またはさらに20〜2000)の類似のアレルゲンの群に関する交差反応性パターンの以前の知識を用いて、患者のアレルギー状態に対するより完全な記述を提供してもよい。特に、交差反応性パターンの使用は、試験したアレルゲンが構成要素である場合、特に有用である。特定の患者に関して、主に小さい度合いの交差反応性を持つ試験が正である場合、患者はよく定義されたアレルギープロファイルを有する。例えば、一般的にナッツは許容するが、ピーナッツに関して特異的な例外を持つことが可能である。こうしたアレルギープロファイルは、「狭い」または「特異的」と記載することも可能である。
特定の患者に関して、大きな度合いの交差反応性を持つ試験が正である場合、患者は広いアレルギープロファイルを有する。こうした患者がピーナッツに正に反応する場合、患者は、大部分のタイプのナッツにアレルギー反応を有する可能性が高い。こうしたアレルギープロファイルは、「広い」または「非特異的」と記載することも可能である。
要約すると、交差反応性に関する先の知識を、特定の患者に関するより正確な診断を生成するために、そしてまた、あらかじめ定義されたスケールで、「狭い反応者」または「普遍的反応者」として前記患者のアレルギーの特異性を分類するために用いることも可能である。同様に、臨床的重症度に関して上述したように、アレルギー特異性のスケールは、記述のコレクションである必要はなく、数値スケール(例えば1〜5の値)、文字のスケール(A〜E)、あるいはスケールとして理解可能な任意の他の数字、単語、記号、色、または絵のコレクションであってもよい。
特定の患者が、完全に異なるクラスの抗原に属するアレルゲン(例えば2つのクラス「植物」および「毛皮を持つ哺乳動物」)に関して試験されている場合、2またはそれより多い診断結果セットがあり、各セットが潜在的に、臨床的重症度の1つの値およびアレルギーの特異性の1つの値を含むであろう。試験結果の複数のセットを、図1の工程141によって示すように、特定の患者に関するアレルギー状態の同じ提示に組み合わせることも可能である。これは、まったく同一の報告中での完全なアレルギー診断の概観を可能にし、そして潜在的にこの患者に関する臨床的重症度およびアレルギー特異性の比較を可能にするであろう。
変換した試験結果140を収集し、そして解釈する工程において、入手可能な試験結果の上述の組み合わせ141を行った後に、提示142の異なる様式が必要である可能性もある。例えば、提示の1つの方法は、医師に利用可能であることも可能であり、この提示は、(i)アレルギー特異性に基づいて、そしてしたがって患者に対して行うべき新規試験を指摘する、潜在的なさらなるアレルギー、(ii)食餌アドバイス、(iii)予期される症状に関する統計的尺度、(iv)他の(アレルギーに関連しない)疾患のための潜在的な妨害性薬物療法、および多くの他の有用な情報を示すことも可能である。別の提示法は、患者に利用可能であることも可能であり、この提示は、はるかに少ない医学的情報を含有し、その代わり、単純な事実に焦点を当て、そして潜在的に、患者がそれにしたがって行動することが可能な未然防止策を含有すべきである。
上記から容易に分かるように、本発明は、試験結果を一般的で理解可能なスケールに変換することによって、診断の品質を改善するであろう。先に言及するように、変換を、単一の試験結果、あるいは類似のまたは関連するアレルゲンに関する試験結果群に適用することも可能である。
図1中の工程140において、試験結果の大きなセットに関して得た多数の一般スケール値を、例えば二次アルゴリズムの使用によって組み合わせて、医師または患者に理解可能な情報セットにすることも可能である。
すべての場合で、本発明は、先にすでに言及したように、アレルゲン抽出物に対してよりも、純粋な構成要素に対して得た試験結果から利益を得るであろう。アレルギー原因物質からの抽出物よりも、構成要素に関して、交差反応性パターンがよりよく知られており、そして臨床的重症度の変換がより容易に設計される。したがって、50%より多く、より好ましくは少なくとも90%、そして特にすべての試験結果が構成要素から生じることが好ましい。
すでに上述するように、本発明は、アレルギー診断を行う際に、医師に支援を提供するだけでなく、生じた情報はまた、単純化された方式であるが、患者に提示されることも可能である。こうした患者専用の情報は、典型的には、情報担体上で提供され、そしてこれには:(i)例えば患者識別子コードの形の患者情報、および(ii)例えば診断コードの形の、関連アレルギー情報の要約が含まれる。患者識別子情報は、好ましくは匿名化可能であり、そして診断情報は、好ましくは言語に依存しないものでなければならない。
単純な態様において、情報担体は、適切には約10mm10mm1mm〜約100mm150mm3mm、好ましくは約25mm25mm1mm〜約60mm90mm3mmの範囲のサイズを有するカードである。こうしたカードの重量は、好ましくは約200g未満、より好ましくは約20g未満、そして最も好ましくは約7g未満である。カード上の情報の提示は、パッシブ(例えば印刷された)またはアクティブ(例えばデジタルディスプレイの使用による)のいずれであってもよい。
カード上には、患者の名前(または他の同定)が、現在のアレルギー状態に関する情報、すなわち(i)臨床的重症度および(ii)アレルギー特異性(潜在的に単純な言い回しで言い換えられている)とともに提示される。場合によって、患者のアレルギー状態に関連するさらなる情報もまた含まれてもよく、こうした情報は例えば、食餌情報、回避すべき特定の材料または動物、および類似のものである。このさらなる情報は、短い方式で、好ましくは全部で250語未満、さらにより好ましくは約10〜50語を用いて、提示されるべきである。さらに、カードは患者のユニークな同定コードを含有してもよい。このコードを、他の供給源、例えばインターネットまたは携帯電話を介するものなどを通じて、患者のアレルギーに関するさらなる情報を回収するのに用いてもよい。カードはまた、患者の一般的なアレルギープロファイルの分類である、オープンアクセス分類コードも含有してもよい。例えば食料品店において分類コードを提示することによって、特定の食料品の適切さを患者に提示することも可能である。
前記コード(同定コードおよび分類コードの両方)を、異なる方式でカードに保存してもよい。いくつかのみに言及すると、コードを印刷してもよいし、磁気帯中に保存してもよいし、無線自動識別(RFID)単位として提示してもよいし、カード中にマイクロエレクトロニクスで包埋してもよい。
店における特定の食料品の適切性の評価もまた、多かれ少なかれ自動化可能である。例えば、食料品物品は、典型的には、標準化機構GS1によって定義されるEAN−13バーコードのような、何らかのタイプの国際的な物品番号またはコーディングを有する。EAN−13バーコードは、小売店で販売される製品に印を付けるために、世界中で用いられている。本発明によって、患者(またはカスタマー)に対するアレルギー反応を引き起こしうる物質に関する情報とそれ自体が関連づけられた国際的な物品番号(単数または複数)を、クライアント(またはカスタマー)のアレルギー状態とマッチングすることによって、この特定の患者にアレルギー反応を引き起こしうる物質を含有する物品を回避するかまたは少なくとも同定することが可能になるであろう。
相互作用物品番号およびアレルギープロファイルコードのマッチングは、多かれ少なかれ自動化された、任意の適切な方式で、実施可能である。上述のように、患者のアレルギーに関する情報が、食料品店にすでにある物品に対して容易にマッチング可能であるように、情報担体、例えばカードを設計することも可能である。
カードの代わりに、情報担体およびマッチングは、典型的には、しばしば「app」と称されるアプリケーションプログラムを有する携帯電話によって提供可能である。携帯電話は、さらにカメラおよびバーコードの写真を解釈するためのソフトウェア、ならびにインターネット接続を備えていてもよい。これは、バーコード標識された製品分類およびアレルギー分類プロファイルのマッチングプロセスを容易にし、そしてインターネットを通じたサーバーとのコミュニケーションを通じて、特定の製品クラスに関するさらなる情報を提供することも可能である。2つのありうる例を挙げると、これは、回収された製品(食料品製品は、しばしば偶然に、例えばピーナッツ粒子で汚染され、そしてその結果、市場から回収される)に関して患者に警告し、そして患者がアレルギー性である特定の製品に対する適切な代替物に関して患者に情報を与えるために特に好適であろう。
本発明によって、食料品店にすでにある、特定の患者のアレルギー状態に関連するアレルギー情報をマッチングすることも可能である。
上述の例は、主に、食料品関連アレルギーを記載しているが、同じ原理は他のタイプのアレルギーにも適用可能である。洗浄し、そして清浄化するための製品は、潜在的なアレルゲンを含有する可能性もあり、衣類のようないくつかの布地製品は、しばしば、アレルギー反応を引き起こしうる化学薬品で処理され、そして宝石は、個人がアレルギー性でありうる多様な金属を含有する可能性もある。これらの場合すべてで、そして他の類似の場合においても、患者アレルギープロファイルとの製品コードマッチングは適切である。
本発明の方法は、電子データプロセシングデバイス、例えばコンピュータ上で実行される(run)ソフトウェアによって実現される(implemented)ことも可能である。記録媒体、読み出し専用記憶、あるいは電子的または光学的ケーブルによって、あるいは無線機または他の手段によって伝達可能な、電子的または光学的シグナルを含む、任意の適切なコンピュータ読み取り可能媒体上で、コンピュータにこうしたソフトウェアを提供することも可能である。コンピュータプログラム製品は、1またはそれより多い方法工程を実現するためのコンピュータプログラムサブモジュールを含んでもよい。言い換えると、異なるサブモジュールがプロセッサ上で実行(run)される場合、1またはそれより多い本発明の方法工程を実行することも可能である。サブモジュールは、一般的に、ソフトウェア中に実装されるが、完全にファームウェア、ハードウェアまたはその組み合わせの実装もまた、実現可能である。
本発明は、ここで、以下の限定しない実施例によってさらに例示されるであろう。
この(仮説型)実施例において、以下が仮定される:4つの異なる構成要素:Afe4、Afe6、Bua1、およびBua3に対する患者反応性を試験することによって、オウム(Parrot)に対するアレルギーの診断を行うことも可能である。Afe構成要素は、他の鳥類と交差反応することが知られるが、Bua構成要素は、オウムに対してより特異的である。患者反応性試験は、単位kU/Lのそれぞれの構成要素と相互作用するIgEの濃度を報告し、そして試験装置は、0〜100kU/Lの範囲の値を報告することも可能である。各構成要素は、表1に示すように、試験結果の、臨床的重症度の一般的なスケールおよびアレルギー特異性への個々の変換を有する。臨床的重症度のスケールは5つのレベル:「なし」;「穏やか」;「中程度」;「強い」:「致死」を有する。アレルギー特異性のスケールは3つのレベル:「狭い」、「ある程度」、「広い」を有する。Afe4はさらに、最高10歳までの小児のための1つのスケール、そして高齢患者のための異なるスケールを有する。
表1. 実施例1で用いる、仮説的構成要素、ならびに臨床的重症度およびアレルギー特異性のそのスケールのリスト
Figure 2013528807
4つの構成要素Afe4、Afe6、Bua1、およびBua3に対する反応に関して、3人の患者(患者1、患者2、および患者3)を試験した。試験結果(kU/Lで表したもの)、ならびに臨床的重症度およびアレルギー特異性の対応する変換一般値を表2に示す。
表2. 試験結果としての、ならびに臨床的重症度およびアレルギー特異性に関する変換一般値としての、患者反応のリスト
Figure 2013528807
患者1に関する変換試験結果は、患者1がオウムに対して、比較的穏やかなアレルギー反応を有し、そして潜在的に他の鳥類に対してもアレルギー反応を有することを示す。これは、得られた最高の臨床的重症度レーティングが「穏やか」であり、そしてより広いAfe構成要素が正にスコアされた(Afe4=穏やか、Afe6=穏やか)ために結論づけ可能である。
患者2は、オウムに対して強いアレルギー反応を有し、そして他の鳥類に対して強い反応を有する可能性が最も高い。この結論は、Bua3に対する強い反応によって裏付けられ、Bua3はわずかに「ある程度」のアレルギー特異性しか持たない。Afe4に関する結果は中程度であり、そしてAfe4は、アレルギー特異性記述に対する主要な寄与因子である。
患者3は、オウムに対する中程度の反応を有し、そしておそらく他の鳥類に対して穏やかな方式で反応するであろう。正の値を生じるのはBua1およびBua3構成要素のみであり、そしてBua1およびBua3のアレルギー特異性は、それぞれ、「狭い」および「ある程度」である。
変換した試験結果を、そのレシピエント(または使用者)に応じて異なる方式で提示することも可能である。結果を医師に提示する際、患者アレルギー反応の即時の要約のため、画像、グラフ、単純化されたメッセージ等が含まれてもよく、そして詳細な情報が同じ報告中に提供されてもよい。患者1に関して結果提示を提供する例示的な方式を、図2に模式的に示す。
患者同定201、および前記患者のアレルギー状態を要約する簡潔な書面の記述202を含有する、報告シート200。要約記述の根底にある理由のより詳細な説明203、および他の関連情報を含むさらなるセクション204もあり、これには、例えば食餌推奨、薬物療法推奨、および類似の関連情報も含まれてもよい。シート200上に、好ましくは、付随するレジェンド250とともに前記患者のアレルギー反応がプロットされたグラフまたは表251として、要約情報202の別の形式が含まれることがさらに好適である。
同様に、患者に対して結果を提示する際もまた、患者アレルギー反応の即時の要約のため、画像、グラフ、単純化されたメッセージ等が含まれてもよいが、この場合、詳細な情報の量は、好ましくは制限されるべきである。患者3の結果提示を提供する1つの例示的方式を図3に模式的に示す。小さい報告シート300は、患者同定301および非常に簡潔な書面の記述302を、潜在的にどのアレルゲン供給源を患者が回避すべきかを要約する小さい画像303とともに含有する。潜在的に、患者に対してすでに意味を有する記号を使用することによって、要約情報304を提供する別の方法を含むことがさらに好適である。例えば欧州の患者には、2つのこうした例が感嘆符および八角形(参考:自動車運転者に対する停止サイン)でありうる。記号との類似の関係が、世界のすべての地域および文化に存在する。診療所の電話番号のような他の有用な情報を別個の領域305に提供してもよい。
本発明を、主に、そのいくつかの態様に関連して上述してきた。しかし、当業者には容易に認識されるであろうように、上記に開示したもの以外の他の態様が、付随する請求項のみによって定義されそして限定される本発明の範囲および精神内で、同等に可能である。例えば、オウムに対するアレルギー反応の代わりに、本発明はまた、ピーナッツなどの任意の他のアレルギー原因実体にも適用可能である。

Claims (13)

  1. アレルギー診断において臨床決定支援を提供する方法であって:
    a)患者由来の体液試料を提供し、
    b)試料において試験すべき複数のアレルゲン(111〜115)を選択し(110)、
    c)各アレルゲンに関して、該アレルゲンに対して向けられる少なくとも1つの免疫グロブリンの試料中の濃度を決定し(120)、
    d)決定した免疫グロブリン濃度各々を、アレルゲン一般に共通の規準化したスケールの臨床効果値に変換し(130)、
    e)アレルゲンに対する既知の交差反応性情報に基づいて、試験した各アレルゲンに、該アレルゲンに関する交差反応性の度合いを示すアレルゲン特異性値を割り当て、そして
    f)各アレルゲン、あるいはアレルゲンの単数または複数の群(111〜115)に関して、決定した臨床効果値およびアレルゲン特異性値を提示する(140)
    工程を含む、前記方法。
  2. 請求項1中の工程d)において、免疫グロブリン濃度を、関連アレルゲン群に関する単一の臨床効果値に変換する(111〜115)、請求項1記載の方法。
  3. 少なくとも1つのアレルゲン(111〜115)がアレルゲン構成要素である、請求項1または2記載の方法。
  4. 少なくとも50%、好ましくは少なくとも90%のアレルゲン(111〜115)がアレルゲン構成要素である、請求項1、2または3記載の方法。
  5. 少なくとも10のアレルゲン(111〜115)を試験する、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  6. 請求項1中の工程b)が、アレルゲンの1またはそれより多いあらかじめ決定した群(111〜115)を選択する(110)工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  7. 少なくとも1つの免疫グロブリンがIgEを含む、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記アレルゲン構成要素が組換えアレルゲンを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 少なくとも1つのアレルゲンまたはアレルゲン群(111〜115)に関して決定した臨床効果値およびアレルゲン特異性値を、患者情報担体デバイス(300)上に提供する、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. アレルギー診断において臨床決定支援を提供するコンピュータで実行される方法であって:
    (a)患者体液試料に対して実施された、アレルゲンの選択した試験(111〜115)由来の試験結果を受け取り、ここで、試験結果は、アレルゲンに対して向けられる少なくとも1つの免疫グロブリンの試料中の濃度である、
    b)決定した免疫グロブリン濃度各々を、アレルゲン一般に共通の規準化したスケールの臨床効果値に変換し(130)、
    c)アレルゲンに対する既知の交差反応性情報に基づいて、試験した各アレルゲン(111〜115)に、該アレルゲンに関する交差反応性の度合いを示すアレルゲン特異性値を割り当て、そして
    d)各アレルゲン、あるいはアレルゲンの単数または複数の群に関して、決定した臨床効果値およびアレルゲン特異性値を提示する
    工程を含む、前記方法。
  11. プロセッサにおいて実行した際、コンピュータに請求項10の方法工程を実施させるための命令を含む、コンピュータプログラム製品。
  12. (i)患者識別子コード(201、301)、
    (ii)少なくとも1つのアレルゲンまたはアレルゲン群に関する臨床効果値であって、アレルゲン一般に共通の規準化したスケールである、前記臨床効果値、および
    (iii)少なくとも1つのアレルゲンまたはアレルゲン群(111〜115)に関する交差反応性の度合いを示す、アレルゲン特異性値
    を含む、情報担体デバイス。
  13. 単数または複数の臨床効果値および単数または複数のアレルゲン特異性値を、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法によって得ている、請求項12記載の情報担体デバイス。
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