JP2013528371A - インターフェロン応答マーカーのエクスビボ誘導によるインターフェロンに対する宿主応答性を特徴づける方法 - Google Patents

インターフェロン応答マーカーのエクスビボ誘導によるインターフェロンに対する宿主応答性を特徴づける方法 Download PDF

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Abstract

本発明の実施形態は、概して、インターフェロン応答遺伝子の発現を定量し、インターフェロン投与に対する個体の潜在的応答性を特徴づけるエクスビボの方法に関する。特定の実施形態は、インターフェロン投与の前および後にインターフェロン応答遺伝子の発現を評価することにより、インターフェロン療法の現在進行の薬効をモニタリングするための方法に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は米国仮出願である、2010年5月7日出願の61/332,677号及び2010年9月29日出願の61/387,668号の優先権を主張し、これらの各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の実施形態は、概して、特定の治療剤に対する個体の応答性を特徴づけるための方法に関する。より詳細には、本明細書に開示する実施形態は、癌及び/又は肝炎の療法を包含する特定の疾患範囲におけるインターフェロン(IFN)療法に、個体が応答することになるか、または応答できないか、の予測に関する。特定の実施形態は、個体における現在進行のIFN療法の有効性をモニタリングする方法に関する。
インターフェロンはウィルス感染に対抗するための、及び/又は、癌のような適応症の治療において、実験研究環境並びに臨床的に使用されている抗ウィルス薬である。B型及びC型の肝炎、並びに特定の白血病、骨髄腫、及び黒色腫を包含する種々の癌の治療に関して臨床的に認可されている。
肝炎は、肝臓における炎症細胞の存在を特徴とするウィルス性の肝疾患である。この疾患には多くの原因が存在する(例えば、感染性の血液又は体液への曝露、未防御の性的接触、輸血、汚染注射針の使用、出産時の母親から子供への垂直感染)ものの、感染の開始からかなり時間が経過するまでウィルス抗原が出現しない場合があるため、診断は困難である。肝炎もまた、多くの形態で、存在し、最も顕著なものはB型肝炎(B型肝炎ウィルス「HBV」に起因)及びC型肝炎(C型肝炎ウィルス「HCV」に起因)である。肝炎のこれらの形態の両方とも、急性(消散まで6ヶ月未満)又は慢性(6ヶ月超の感染)となる場合がある。
HBV及びHCVは、両方とも種々の遺伝子サブタイプにおいて存在し、これらは、疾患症状の重症度、合併症の可能性、及びインターフェロン療法を含む種々の使用可能な治療に対する宿主の潜在的応答性に影響する。
IFNは、培養癌細胞に対しては抗増殖、アポトーシス促進及び抗血管形成作用を有するが、特定の分子標的および外因性IFNにより引き起こされる機序は未だ研究中である。更にまた、癌に伏在する種々の病因が、関連する型の癌のうちかなりの数の癌に対する単一の治療剤又は投薬法の薬効を制限する場合がある。
その現在の臨床使用にもかかわらず、ある個体がIFN投与に正の応答を示すことになる可能性を評価する必要性が残っている。また、IFNの投与個体における、現在進行のIFN投与の薬効をモニタリングする必要もある。
幾つかの実施形態においては、インターフェロンの投与に対する個体の潜在的応答性を特徴づけるためのエクスビボでの方法であって、この方法は、個体由来の全血の第1の試料を、溶媒中のインターフェロンに、インターフェロンが1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現を改変するために十分な時間、曝露すること、個体由来の全血の第2の試料を、インターフェロン非含有の溶媒に曝露すること(同じ時間)、第1及び第2の全血試料の両方において1つ以上のインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAの
量を測定することにより、1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現における変化としてインターフェロンの作用を定量すること、1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現に対するインターフェロンの定量された作用を、対照個体のパネルの発現レベルにおける変化の平均として計算される、1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現に対するインターフェロンの正常な作用と比較すること、および、個体における1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現における変化と、対照個体パネルにおける1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現における平均の変化との間の有意差を識別することにより、個体の潜在的応答性を特徴づけること、を含む方法が提供される。個体における発現の変化が、対照個体パネルにおける変化より実質的に大きい場合には、個体はインターフェロンに対して潜在的に応答性があり、個体における発現の変化が、対照個体パネルにおける変化より実質的に小さい場合には、個体はインターフェロンに対して潜在的に非応答性である。幾つかの実施形態においては、1つ以上のインターフェロン応答マーカーは、インターフェロンへの応答に応じて増大するマーカーを含む。幾つかの実施形態においては、1つ以上のインターフェロン応答マーカーは、インターフェロンへの応答に応じて減少するマーカーを含む。
個体の潜在的応答性は、第1の全血試料中の1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現と、第2の全血試料中の1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現との間の有意差を識別することにより特徴づけられる。第1の血液試料由来のインターフェロン応答マーカーをコードする1つ以上のmRNAの量が、第2の血液試料由来の同じインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAの量と比較して有意に増大している場合、個体はインターフェロンに対して潜在的に応答性がある。第1の血液試料由来のインターフェロン応答マーカーをコードする1つ以上のmRNAの量が、第2の血液試料由来の同じインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAの量と比較して有意に減少している場合、個体はインターフェロンに対して潜在的に非応答性である。
幾つかの実施形態においては、個体におけるインターフェロン療法の薬効を測定する方法であって、インターフェロン投与の前に、個体から全血の第1の試料を得ること、インターフェロン投与の後に、個体から全血の第2の試料を得ること、第1の全血試料及び第2の全血試料の両方における、1つ以上のインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAの量を測定することにより、1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現を定量すること、および、第1の全血試料中と及び第2の全血試料中における、1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現を比較することにより、インターフェロン療法の薬効を測定すること、を含む方法が提供される。
幾つかの実施形態においては、第2の血液試料において、第1の血液試料と比較して、
インターフェロン応答マーカーの1つ以上の発現が有意に異なる場合に、インターフェロン療法が有効であると決定される。幾つかの実施形態においては、第1の血液試料と比較して、第2の血液試料との間でインターフェロン応答マーカーの1つ以上の発現が異ならない場合に、インターフェロン療法は有効ではない。
幾つかの実施形態においては、1つ以上のインターフェロン応答マーカーは、CCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、GBP、XAFl、SOCSl、G1P2、BST2、IRF7、TNFSF5、IL8、IL23、TNFSF10、TNFRSF5、TNFSF6、TNFSF8、TNFSF15、CCL20、CXCLl、CXCL2、CXCL3、CXCL5、IL1B、IFNγ、VEGF、ISG15、STAT1、ICOS及びAIM2よりなる群から選択される。
幾つかの実施形態においては、インターフェロンは、I型インターフェロン、II型インターフェロン、及びIII型インターフェロンよりなる群から選択される。幾つかの実
施形態においては、インターフェロンが、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンγ、これらの組み合わせ、及びこれらのサブタイプよりなる群から選択される。幾つかの実施形態においては、インターフェロンは、インターフェロンα2bである。幾つかの実施形態においては、インターフェロンα2bは、約1〜約100,000ユニット/mLの濃度で存在する。幾つかの実施形態においては、インターフェロンα2bは、約5,000〜約15,000ユニット/mLの濃度で存在する。幾つかの実施形態においては、インターフェロンα2はウィルス感染を治療するために投与される。幾つかの実施形態においては、ウィルス感染が肝炎ウィルスにより起因する。他の実施形態においては、インターフェロンα2bは抗癌療法として投与される。
幾つかの実施形態においては、溶媒はリン酸緩衝生理食塩水又は他の同様の比較的負活性な生理学的物質(例えば標準食塩水又は蒸留水)である。幾つかの実施形態においては、サンプルのインターフェロン又は溶媒への試料の曝露は、1時間から7時間まで行われる。1つの実施形態においては、曝露は4時間行う。幾つかの実施形態においては、曝露は約37℃で行う。
幾つかの実施形態においては、全血は哺乳類より得られ、そして幾つかの実施形態においては、全血はヘパリン処理される。一部の実施形態においては、哺乳類はヒトである。一部の実施形態においては、第1及び第2の試料は肝炎、自己免疫疾患、又は癌の1つ以上を有し、そしてそのための治療が必要な個体から得られる。
同様に提供されるものは、全血試料中の1つ以上のインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAを定量するための装置を作成するための方法であって、全血の第1の試料及び第2の試料を得ること、第1の試料中の白血球を、溶媒中で、刺激剤で刺激すること、第2の試料中の白血球を、刺激剤非存在下の溶媒に曝露すること、第1及び第2の試料の各々を、フィルタプレートに添加すること、濾過により、第1及び第2の試料の各々から、赤血球及び白血球以外の血液成分を除去することにより、第1及び第2の試料の各々に由来する白血球をフィルタプレート上に得ること、試料中に存在するインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAにハイブリダイズするプライマー及び第1の試料に由来するmRNAを含む第1の溶解物、並びに、プライマー及び第2の試料に由来するmRNAを含む第2の溶解物を産生するために、インターフェロン応答マーカーをコードするマーカーに関する少なくとも1つのリバースプライマーを含む溶解緩衝液を用いてフィルタプレート上の第1及び第2の試料の各々に由来する白血球を溶解すること、および、プライマーが結合しているmRNAを含む、第1及び第2の試料の両方に由来するmRNAを捕捉するために、オリゴ(dT)−固定化プレートに第1及び第2の溶解物を移すこと、を含む方法である。
IFNα−2bによる刺激への応答性に関する種々のmRNA分子種のエクスビボでのスクリーニング。各バーは平均±標準偏差(n=9)を示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。括弧:0.5から2までの増加倍率。 IFNα−2bに対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)で示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。 IFNα−2bに対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)で示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。 IFNα−2bに対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)で示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。 IFNα−2bに対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)で示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。 IFNα−2bに対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)で示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。 IFNα−2bに対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)で示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。 IFNα−2bに対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)で示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。 IFNα−2bに対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)で示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。「○」はPBSを示し、「●」は105ユニット/mL IFNα−2bを示す。各データポイントは平均±標準偏差(n=3)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。「○」はPBSを示し、「●」は105ユニット/mL IFNα−2bを示す。各データポイントは平均±標準偏差(n=3)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。「○」はPBSを示し、「●」は105ユニット/mL IFNα−2bを示す。各データポイントは平均±標準偏差(n=3)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。「○」はPBSを示し、「●」は105ユニット/mL IFNα−2bを示す。各データポイントは平均±標準偏差(n=3)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。「○」はPBSを示し、「●」は105ユニット/mL IFNα−2bを示す。各データポイントは平均±標準偏差(n=3)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。「○」はPBSを示し、「●」は105ユニット/mL IFNα−2bを示す。各データポイントは平均±標準偏差(n=3)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。「○」はPBSを示し、「●」は105ユニット/mL IFNα−2bを示す。各データポイントは平均±標準偏差(n=3)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。「○」はPBSを示し、「●」は105ユニット/mL IFNα−2bを示す。各データポイントは平均±標準偏差(n=3)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間の倍増変化関係。図3に示すデータは増加倍率に変換されている。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間の倍増変化関係。図3に示すデータは増加倍率に変換されている。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間の倍増変化関係。図3に示すデータは増加倍率に変換されている。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間の倍増変化関係。図3に示すデータは増加倍率に変換されている。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間の倍増変化関係。図3に示すデータは増加倍率に変換されている。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間の倍増変化関係。図3に示すデータは増加倍率に変換されている。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間の倍増変化関係。図3に示すデータは増加倍率に変換されている。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)を示す。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間の倍増変化関係。図3に示すデータは増加倍率に変換されている。各データポイントは平均±標準偏差(n=9)を示す。 IFNα−2b刺激後のエクスビボでのmRNA発現。各データポイント(○:Pt.#1,Δ:Pt.#2,x:Pt.#3,□:Pt.#4)は平均値を示す。 mRNA発現と、インビボでのIFNα−2b刺激との間の関係。各データポイント(○:Pt.#1,Δ:Pt.#2)は平均値(n=9)を示す。有意な増大は「*」で示し、有意な減少は「▼」で示す。括弧:0.5から2までの増加倍率。 図7A−7Dはエクスビボでのアッセイ操作法。 エクスビボでのmRNAスクリーニングの結果。 はIFNα−2b刺激に対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。 IFNα−2b刺激に対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。 IFNα−2b刺激に対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。 IFNα−2b刺激に対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。 IFNα−2b刺激に対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。 IFNα−2b刺激に対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。 IFNα−2b刺激に対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。 IFNα−2b刺激に対する、種々のmRNAのエクスビボでの用量応答関係。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。 種々のmRNA発現と、IFNα−2b刺激との間のエクスビボでの用量動態関係。 mRNA発現に基づいた応答者及び非応答者の患者の識別。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 IFNα−2b投与による、種々のmRNAのインビボでの誘導。 臨床経過(インビボ)のモニタリング。 臨床経過(インビボ)のモニタリング。
本明細書に記載した幾つかの実施形態において、IFNの投与に対する宿主の応答性のエクスビボで特徴づけるための方法が提供される。幾つかの実施形態においては、方法は潜在的に応答のある個体からの末梢全血の採取、及び、IFN応答マーカーのパネルの発現における変化に関してスクリーニングするためにIFNによる全血の刺激を包含する。幾つかの実施形態においては、1つ以上のIFN応答マーカーをコードするmRNAの変化の検出は、IFN投与に対する個体の潜在的応答性に関係する。他の実施形態において、IFNの投与に対する個体の、現在進行の応答性をモニタリングするための方法が提供される。一部の実施形態においては、末梢全血をIFN投与前および後に個体から採取し、そしてIFN応答マーカーのパネルの発現における変化について評価する。次に発現の変化を用いて、IFN投与に対する、個体の現在進行の応答性及びその薬効を評価する。幾つかの実施形態においては、本明細書に記載した方法は、肝炎感染、又は、関連若しくは無関連の悪性疾患を治療するために、IFN投与に対する応答性を予測するか、又はその薬効をモニタリングするために使用される。一部の実施形態においては、個体に投与されたIFNは、I型インターフェロン、II型インターフェロン、又はIII型インターフェロンに分類される。一部の実施形態においては、投与されるインターフェロンはIFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、これらの組み合わせ、及びこれらのサブタイプよりなる群から選択される。特定の実施形態においては、投与されるIFNは、IFN−α、又はIFN−γの何れかである。そのような実施形態の一部においては、IFN−αはIFN−α2bである。
HBVは、20億超の世界人口の約3分の1に感染していることが知られている。これらの感染個体のうち、3.5億人超が慢性ウィルスのキャリアである。急性B型肝炎は種々の症状、例えば肝臓の炎症、嘔吐、黄疸を起こすが、死亡例は稀である。しかしながら
慢性B型肝炎は、最終的には肝瘢痕形成(線維症及び/又は硬変)及び肝癌、即ち化学療法の投薬法に対して応答性が不良であることが知られている癌に至る場合がある。
HBVは、ウィルス粒子の外表面上に存在するウィルスタンパク質の上に存在する抗原性エピトープに基づいて4種の血清型(adr、adw、ayr、ayw)の1つに分類できる。更にまた、HBVの全体的ヌクレオチド配列の変異に応じて8種の遺伝子型のHBVが存在する。各遺伝子型は異なる地理的分布を有し、そしてウィルスの進化及び感染を研究及び分類するためにしばしば使用されている。しかしながら臨床的には、遺伝子型間の変異は感染の重症度、治療への全体的応答、感染の再発、及び長期合併症の危険性に大きく影響する場合がある。
急性のC型肝炎はしばしば無症性であるが、HCVは慢性感染を樹立させてしまう傾向が高く、そして進行性瘢痕(硬変)を包含しうる肝臓病をもたらす。一部の場合においては、肝硬変を伴っている例は、肝不全、又はその他の肝硬変の合併症、例えば肝癌を発症することになる。HCVは宿主内で速いターンオーバー速度を有し、そしてエラープローン複製を呈することも知られており、これはウィルスが長期にわたって宿主の免疫応答を免れる原因となる場合がある。
HBVと同様、HCVは使用する方法の種類に応じて、6〜11の総数となる多くの異なる遺伝子型として存在する。治療への応答性は遺伝子型を横断して変動し、そして感染に対抗して正の応答を誘発するために必要な治療期間にも影響する場合がある。
種々の形態又は組み合わせ(IFNα−2bを包含)におけるIFN療法は、肝炎の感染を有する患者の治療において重要な役割を果たす。これは種々の他の治療剤と組み合わせて使用される場合が多いが、IFNを投与できない患者においては、良好な治療は遥かにより困難である。更にまた、慢性HCV感染は、世界的に蔓延中の疾患である肝細胞癌の主要な病因要素である。研究によれば、IFN治療は、単独又は他剤と組み合わせて使用した場合に、肝細胞癌の発生を低減する場合があることが示されている。
IFN療法はまた、他の型の癌、例えば黒色腫、ヘアリーセル白血病、及びカポジ肉腫等においても使用される。既知の免疫調節及び抗ウィルス機能に加えて、インターフェロンは抗血管形成性であるとも考えられており、これはそれらの抗腫瘍活性において役割を果たしている場合がある。機序的には、IFNα−2bはJAK(ヤーヌスチロシンキナーゼ)/STAT(シグナル伝達兼転写活性化因子)のシグナル伝達経路に影響すると考えられている。特に、IFNα−2bによるSTAT3のダウンレギュレーションは抗腫瘍作用に関連している。しかしながら、多くの他の分子がIFNの抗ウィルス及び/又は抗腫瘍作用に関与している場合がある。例えば、サイトカイン、インターロイキン及び/又はインターロイキン受容体、及び種々のシグナル分子もまた、IFNの抗ウィルス及び/又は抗腫瘍作用において役割を果たしている場合がある。表1は、特定の実施形態においてIFNの抗ウィルス及び/又は抗腫瘍作用に関与している種々の分子に関するプライマー配列を包含する。
有益な治療作用にも関わらず、IFN治療の副作用は重度の場合がある。症状は、血小板数減少(これは出血/挫傷の問題をもたらす)、抑鬱、疲労、感染の危険性の上昇、投与後の感冒様の症状(発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、下痢)、及び投与部位における組織損傷の可能性を包含する場合がある。他の報告されている副作用は食欲不振、鬱血、心拍数増大、錯乱状態、白血球数減少、赤血球数減少、肝酵素類及び/又はトリグリセリドの上昇、皮膚発疹、軽度の脱毛、局所及び/又は全身性のむくみ(浮腫)、咳又は呼吸困難を包含する。このような副作用は、潜在的には健常個体にとって有害であり、感染、悪性疾患、又は他の治療剤に起因する副作用に既に罹患している個体に対しては壊滅的である。
即ち、明確な作用を伴わないIFNの投与は、IFNに非応答性の患者においては望ましくない不必要な副作用を単に誘発することになるため、ある個体がIFN療法から利益を被るかどうかを予測する必要が存在する。更にまた、大人数が肝炎又はある型の癌を有するとして、IFN応答個体を発見するための手段は、利益を享受する者に対してテイラーメイドの治療法を行うこと、そして、非応答個体に対しては有利となる代替の治療レジメンを探求できるようすることを支援することになる。更にまた、応答及び非応答の個体のカテゴリー化を可能にするマーカーを発見することは、医療従事者が、現在進行状態で治療の薬効をモニタリングできるようにし、そしてIFN療法に対して難治性の応答を発生させる個体の識別を支援する場合がある。
従って幾つかの実施形態においては、IFNの投与に対して、個体が正又は負に応答するかどうかを予測するための方法が提供される。特定の実施形態においては、予測は臨床状況において行われ、そして他の実施形態においては、予測は研究目的のためとなる。
幾つかの実施形態においては、個体から得た全血のIFN刺激(又は個体へのIFN投与)は、1つ以上の疾患状態に関連する1つ以上のマーカーの発現を改変する。特定の実施形態においては、マーカーの1つ以上の発現が誘導され、他の実施形態においてはマーカーの1つ以上の発現がダウンレギュレートされる。特定の実施形態においては、マーカーの1つ以上の発現の誘導、又はダウンレギュレーションは、p<0.05を統計学的に有意な変化と見なす標準的な統計学的分析で測定した場合に統計学的に有意である。幾つかの実施形態においては、1つ以上のIFN応答マーカーの発現の有意な増大は、個体がIFN投与に応答することになることの指標である。幾つかの実施形態においては、1つ以上のIFN応答マーカーの発現の有意な減少は、個体がIFN投与に応答できない場合があることの指標である。
一部の実施形態においては、IFNα−2bを包含するIFNに応答するマーカーは、1つ以上のTNFSF(腫瘍壊死因子スーパーファミリー)1(リンホトキシンa)、TNFSF2、TNFSF5(CD40)、TNFRSF5(CD40受容体)、TNFSF6(Fasリガンド)、TNFSF8、TNFSF9、TNFSF10(TRAIL−TNF−関連アポトーシス誘導リガンド)、TNFSF14、TNFSF15、CCL(ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド)2、CCL3、CCL3、CCL8、CCL11、CCL20、CXCL(ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド)1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL9、CXCL10、CXCL11、IL(インターロイキン)IB、IL2、IL4、IL8、IL10、IL12A、IL17、IL23、FOXP3(フォークヘッドボックスP3)、CD(分化抗原群)25、CTLA4(細胞傷害性T−リンパ球抗原4)、グランザイムB、CD8A、CD16、CD32A、CD64、IgGFc、ARG(アルギナーゼ)、MPO(ミエロペルオキシダーゼ)、TLR(トール様受容体)2、TLR4、GM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、IFNy、TGF(トランスフォーミング増殖因子)β、CD4、STAT1、STAT3、STAT4、VEGF(血管内皮成長因子)、POMC(プロオピオメラノコルチン)、GBP(グアニル酸結合タンパク質)、XAFl(X連鎖アポトーシス抑制タンパク質(XIAP)−関連因子1)、AIM2(アブセントインメラノーマ2)、SHP2、SOCS1(サイトカインシグナル抑制因子1)、SLP76、G1P2(ユビキチン様修飾因子)、BST2、IRF7(インターフェロン調節因子)、及びLCKを包含する。
幾つかの実施形態においては、IFNの投与はウィルス感染の治療のためである。特定の実施形態は、例えばB及びC型肝炎を包含する肝炎の治療における、IFN投与に対する応答性の予測において使用される。幾つかの実施形態においては、IFNの投与は癌の
治療のためである。特定の実施形態は、有毛状細胞性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、濾胞性骨髄腫、カルチノイド腫瘍、及び悪性黒色腫を包含するが、これらに限定されない癌の治療において、IFN投与への応答性を予測する場合に使用される。特定の他の実施形態は、他の型の癌の治療におけるIFN投与に対する応答性を予測する場合に使用される。更に他の実施形態においては、IFNは潜在的に有効な薬物をスクリーニングするために寧ろ投与され、IFN又は他の潜在的に有効な薬物を投与されている個体を特に治療するためではない。
幾つかの実施形態においては、血液は哺乳類、好ましくはヒトから採取される。一部の実施形態においては、採取される血液は全血である。薬物に応答するマーカーの発現スクリーニングを調べることを目的とした多数の実験プロトコルが、単離された白血球標本において実施されている。そのような単離された集団がしばしば好ましい理由は、全血中の種々のリンパ球は、リンパ球の小サブセット中の特定のmRNAの誘導の検出を排除する場合があるためである。更にまた、多数の型のリンパ球の間の多くの複雑な生化学的相互作用があるため、全血標本の使用が、誘導及び測定反応を阻害又は変調させる可能性がある。更にまた、幾つかの実施形態において使用される特定の刺激剤(例えばIFN)が、血漿タンパク質又は血漿因子と相互作用することにより、減少又は低減された活性を呈する場合がある。しかしながら、本明細書に記載する通り幾つかの実施形態において示す通りに使用されれば、全血は意外にも、IFNに対する個体の将来、又は現在進行の応答性の特徴づけを可能にする再現性のある、正確で生理学的に妥当な結果をもたらす。しかしながら、好ましい実施形態は全血を使用しているが、他の実施形態においては血漿から分離した血球もまた、単離された白血球標本と同様に使用する場合がある。
幾つかの好ましい実施形態においては、採取された全血は採取時にヘパリン処理される。幾つかの実施形態においては、採取された血液は刺激プロトコルまで4℃で保存される。
幾つかの実施形態においては、血液試料をIFN及び/又は対照剤と組み合わせる。幾つかの実施形態においては、対照剤は血液試料における応答を殆ど又は全く誘導しない。特定の実施形態において、対照剤はIFNを扱うために使用される溶媒と同じものである。上記した通り、一部の実施形態においては、種々のIFN、例えばIFN−α、IFN−β、IFN−ω,IFN−γ、これらの組み合わせ及びそのサブタイプを使用する。特定の実施形態においては、対照剤はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)である。他の実施形態において、他の不活性な対照剤、例えば対照IgG(抗体である刺激剤に対する対照として使用)又はDMSOを使用してよい。幾つかの実施形態においては、血液採取と同日に、少量の白血球をIFN(又は対照剤)と混合し、そして所定時間37℃でインキュベートする。一部の実施形態においては、インキュベーション時間は約4時間である。一部の実施形態においては、インキュベーションを4時間超実施し、別の実施形態においては、インキュベーションを4時間未満実施する。インキュベーションの後、全血液試料を分析時まで−80℃で凍結保存する。
幾つかの実施形態においては、各試料由来の以前に刺激された血液の少量を、血中の1つ以上のIFNマーカーをコードするmRNAのレベルの測定が可能になるように処理する。一部の実施形態においては、1つ以上のIFN応答マーカーをコードするmRNAのレベルは、IFNのインキュベーションに応答して有意に変化することになる。これらのmRNAレベルを測定するためには、赤血球、及び白血球以外の血液成分を全血試料から除去する。好ましい実施形態においては、白血球はmRNAを単離及び増幅するための装置を用いて単離する。この装置の実施形態は米国特許出願10/796,298、11/525,515、11/376,018、11/803,593、11/803,594及び11/803,663により詳細に説明されており、これらの各々は参照により全体
が本明細書に組み込まれる。
要すれば、装置の特定の実施形態は複数の試料送達ウェルを含有するマルチウエルプレート、ウェル下部の白血球捕捉フィルタ、及び固定化されたオリゴ(dT)を含有するフィルタ下部のmRNA捕捉区画を含む。特定の実施形態においては、装置はまた、フィルタプレートを受容するように採用された真空ボックスを含むことにより、プレートとボックスの間に密閉状態を作り、これにより真空圧が適用されれば、白血球捕捉フィルタを通過して、試料送達ウェルから血液が引き込まれ、その結果、白血球が捕捉され、非白血球血液成分はフィルタ洗浄により除去される。別の実施形態においては、試料ウェルの外に白血球捕捉フィルタを通過して血液を引き出す他の手段、例えば遠心分離又は陽圧を使用する。好ましい実施形態においては、白血球は共に積層されている複数のフィルタメンブレン上に捕捉される。幾つかの実施形態においては、捕捉された白血球は、その後、溶解緩衝液で溶解され、これにより捕捉された白血球からmRNAを放出する。次にmRNAは、mRNA捕捉区域に固定化されたオリゴ(dT)にハイブリダイズされる。幾つかの実施形態において使用してよい溶解緩衝液の組成に関するより詳細な記述は、現在係属中であり参照により全体が本明細書に組み込まれる2006年3月15日出願の米国特許出願11/376,018に記載されている。幾つかの実施形態においては、cDNAをオリゴ(dT)固定化mRNAから合成する。好ましい実施形態においては、その後、感染関連マーカーの増幅のために特に設計されたプライマーを用いたリアルタイムPCRを用いて、cDNAを増幅する。このような実施形態において使用するプライマーを表1に示す。一部の実施形態において使用するPCRに関するより詳細な説明は米国特許出願11/376,018にも記載されている。
PCR終了後、1つ以上のIFNマーカーに関するmRNA(検出されたPCR増幅cDNAの量により示される)を定量する。特定の実施形態においては、定量は1つ以上のIFNマーカーをコードするmRNAの量をレファレンス値と比較することにより計算する。幾つかの実施形態においては、レファレンス値は非刺激試料(例えば溶媒対照曝露血液試料)である。他の実施形態において、レファレンス値は刺激剤により誘導されない遺伝子、例えばハウスキーピング遺伝子の発現レベルである。そのような特定の実施形態において、βアクチンをレファレンス値として使用する。当該分野でよく知られている多くの他のハウスキーピング遺伝子もレファレンス値として使用してよい。他の実施形態においては、最良の比較が、1つ以上のIFNマーカーの非誘導(対照)試料に由来する同じマーカーと比較した場合の誘導発現レベルとなるように、ハウスキーピング遺伝子を補正因子として使用する。また別の実施形態において、1つ以上のIFNマーカーの定量が絶対数として示されるように、レファレンス値をゼロとする。幾つかの実施形態においては、1つ以上のIFN応答マーカーの発現を溶媒対照と比較した比を求める。更に他の実施形態においては、規格化を行わない。一部の実施形態においては、対象由来の第1の試料を溶媒中のインターフェロンに曝露し、そして第2の試料をインターフェロン非含有の溶媒に曝露する。次に、1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現の変化を、対象に由来する第1及び第2の試料の両方におけるこれらのマーカーをコードするmRNAの量を測定し、計算することにより、インターフェロンの作用を定量する。幾つかの実施形態においては、この定量された作用を、1つ以上インターフェロン応答マーカーの発現に対して、インターフェロン曝露が有する通常の作用と比較する。通常の作用は、対照個体から採取した2つの試料(インターフェロン及び溶媒対照)の間の発現の変化として計算される(例えば複数の個体から測定された1つ以上のマーカーの発現における平均の変化)。最後に、対象の試料の定量された発現の変化と、対照個体のパネルのインターフェロン応答マーカーの発現の平均の変化との間の有意差を識別することにより、対象の潜在的応答性を特徴づける。インターフェロンへの潜在的応答性は、対照個体のパネルの変化より実質的に高値である対象における発現変化により識別される。潜在的非応答性は、対照個体のパネルの変化より実質的に低値である対象における発現変化により識別される。
幾つかの実施形態においては、本明細書に記載する方法を用いて、現在進行のIFN投与に対する個体の応答性をモニタリングする。一部のそのような実施形態においては、第1の血液試料を個体から得る。一部の実施形態においては、第1の血液試料は、個体へのIFNの投与の前に第1の血液試料を得る。他の実施形態において、個体は過去にIFNを投与されており、そして将来再度投与されることになる。一部の実施形態においては、第1の血液試料は、2回のIFNα−2bの投与の間の時点において、好ましくは投与の直前に得る。第2の血液試料は、IFN投与後のある時点において個体から得る。特定の実施形態においては、この時点は数時間であるが、別の実施形態においては、数週間、そして一部の実施形態においては数ヶ月である。他の実施形態において、数ヶ月の過程に渡って連続して追加的試料を採取する。次に個体から得た血液試料を上記した通り実施される発現分析まで凍結する。即ち、IFN応答マーカーの発現レベルの評価は、IFN投与の経過(即ち薬効)をモニタリングするために使用できる。一部の実施形態においては、IFN投与後の血液試料とIFN投与前の血液試料との間で、1つ以上のIFN応答マーカーの発現に有意差があれば、療法が有効であることを示している。他の実施形態において、IFN投与後の血液試料とIFN投与前の血液試料との間で、1つ以上のIFN応答マーカーの発現に何れかの有意差もない場合は、療法が有効ではないことを示している。更に他の実施形態において、このプロトコルは他の想定上の治療剤の薬効をモニタリングするために採用される。
以下の実施例を参照しながら特定の実施形態を説明するが、これは限定的ではなく説明
的な意味において捉えられなければならない。
実施例1 IFNα−2bに応答するマーカーのエクスビボスクリーニング
血液を単一の健常者ドナーよりヘパリンチューブ内に採取し、使用時まで4℃で保存した。採血と同日、IFNα−2b(保存溶液濃度5×106ユニット/mL)をPBSで1:10に希釈し、そして単一の8ウェルチューブストリップの3ウェルには希釈したIFNα−2b1.2μLを、そして別の3ウェルにはPBSを分注した。次に、60μLの保存全血各々を6ウェル全てに添加し(IFNα−2b及びPBSの両方につき3連)、そして4時間、37℃でインキュベートした。インキュベーションの後、全血液試料を−80℃で凍結保存した。以前に報告されている通りSYBRグリーンリアルタイムPCRを使用することにより種々のmRNAを定量した(Mitsuhashi M等、Clin. Chem. 52:634-642, 2006)。
要すれば、96ウェルフィルタプレートに白血球除去メンブレン(Leukosorb;Pall)を組み込み、そしてオリゴ(dT)固定化採集プレート上に置いた。150μLの5mmol/L トリス(pH7.4)を適用してフィルタメンブレンを湿潤させた。4℃で1分間120gで遠心分離することにより、メンブレンからトリスを除去した後、刺激された全血試料50μLを各ウェルに適用し、そして、すぐに4℃で2分間120gで遠心分離した。次にウェルを、リン酸緩衝生理食塩水300μLで1回洗浄した。4℃で5分間2000gで遠心分離して食塩水を除去した後、10mL/Lの2−メルカプトエタノール(Bio−Rad)、0.5g/LのプロテイナーゼK(Pierce)、0.1g/Lのサケ精子DNA(5 Prime Eppendorf/Brinkman)、0.1g/Lの大腸菌tRNA(Sigma)、5nmol/Lの各特異的リバースプライマー及び1010分子/Lの合成RNA34(外標準として)を添加した保存溶解緩衝液[5g/LのN−ラウロイルサルコシン、4×標準食塩水クエン酸塩、10mmol/Lのトリス−HCl(pH7.4)、1mmol/LのEDTA、1mL/LのIGEPAL CA−630(NP−40の代替品)、1.79mol/Lのグアニジンチオシアネート(全入手元:Sigma)]60μLを、フィルタプレートの各ウェルに添加した。次にプレートを10分間37℃でインキュベートし、オリゴ(dT)固定化採集マイクロプレート(GenePlate;RNAture)上に置き、そして4℃で5分間2000gで遠心分離した。4℃でオーバーナイトの保存をした後、マイクロプレートを3回100μLの無添加溶解緩衝液で、そして次に3回150μLの洗浄緩衝液[0.5mol/LのNaCl,10mmol/Lのトリス(pH7.4),1mmol/LのEDTA]で、4℃において洗浄した。
30μLの1×逆転写緩衝液を含有する緩衝液[50mMのKC1、10mMのトリス−HCl(pH8.3)、5.5mMのMgCl2、1nL/μLのTween20]、
1.25mMの各デオキシヌクレオシド三リン酸、4ユニットのrRNasin、及び80UのMMLV逆転写酵素(Promega;プライマー非含有)の添加、及び2時間、37℃のインキュベーションにより、各ウェル中で直接cDNAを合成した。各30μL反応液から、4μLのcDNAを直接384ウェルPCRプレートに写し、そして5μLのTaqManユニバーサルマスター混合物(AppliedBiosystems)、及び1μLの5μΜ各IFN誘導マーカー用フォワード、及びリバースプライマー又はβアクチン(表1参照)を添加した。PCRはPRISM7900HT(Applied Biosystems)において、95℃で10分間を1サイクル、ついで、95℃で30秒、55℃で30秒、そして60℃で1分、を45サイクルで実施した。各遺伝子は別個のウェル中で増幅させた。サイクル閾値(Ct)、即ち特定の量のPCR産物(蛍光に基づく)が発生するサイクルを分析ソフトウエア(SDS;Applied Biosystems)を用いて求めた。PBS投与対照試料の各Ctから、IFNα−2b投与試料の各Ctを減算することによりΔCtを求め、そして増加倍率は2^−ΔCtにより計
算した。
図1に示す通り、IFNα−2bで刺激した3種のハウスキーピング遺伝子(ACTB、B2M、及びGAPDH)試料は、全てそれらの対応する対照試料からは0.5〜2倍の変化の範囲内であり、IFNα−2b刺激に応答した発現の有意な変化を示さなかった。一方、TNFSF1、TNFRSF5、TNFSF6、CCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、IFNγ、STAT1、GBP(1と2の両方で共通)、XAF1、SOCS1、G1P2、BST2及びIRF7においては、発現の有意な増大が検出された。TNFSF5、TNFSF8、TNFSF14、TNFSF15、CCL3、CCL20、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、IL1B、IL8、IL10、IL23、TLR2、VEGFおよびLCKに関しては、発現の有意な減少が計算された。TNFSF10、グランザイムB、CD64、及びMPOは全て有意に増大した発現の方向性を示したが、計算された増大は統計学的に有意ではなかった。これらの結果は、多数のサイトカイン、免疫応答エレメント、シグナル伝達因子、及び他のカテゴリーのマーカーが、IFNα−2b刺激に対して有意に応答することを示している。
実施例2 IFNα−2bによるエクスビボでの刺激への用量応答
実施例1の結果に基づいて、全血試料を刺激するために使用されたIFNα−2bの用量との関連における発現の変化に関して、IFNα−2bに応答する選択されたマーカーを評価した。
上記した通り採取された全血を4時間、0〜106ユニット/mLの範囲の種々の用量
のIFNα−2bで刺激し、次に分析時まで−80℃で凍結保存した。分析は上記したとおりに実施し、その結果を図2に示した。
図2に示す通り、IFNα−2b刺激は、CXCL9、CXCL10、CXCL11、GBP1/2、及びTNFSF10の用量依存的増加を誘導した。同様に、発現の用量依存的減少が、CXCL2及びCCL20に関して検出された。IFNα−2b刺激の作用は、約105〜106ユニット/mLのIFNα−2bでプラトーとなった。更にまた、IFNγ遺伝子発現は、IFNα−2bが105ユニット/mL近傍という狭小な濃度範囲
において応答する場合があると考えられた。これらの実験は、105ユニット/mLのI
FNα−2が応答マーカーにおける遺伝子発現変化を誘発するために最適な濃度である可能性を示唆している。実施例2で使用した8種のマーカーは、同様に実施例3においても使用した。
実施例3 IFNα−2bによるエクスビボでの刺激への速度論的応答
実施例2の結果に基づいて、105ユニット/mLの用量のIFNα−2に応答する8
種のマーカーを、全血試料の刺激後の速度論的発現の変化に関して評価した。
上記した通り、採取した全血を0〜7時間の範囲の時間に渡り、105ユニット/mL
のIFNα−2(又はPBS単独)で刺激し、次に分析時まで−80℃で凍結保存した。mRNA発現分析を上記した通り実施し、その結果を図3(Ct)及び4(倍増変化)に示した。
図3に示す通り、βアクチン(ACTB)のCt値は、7時間のインキュベーションに渡って、PBS(○)とIFNα−2b(●)の間で不変であった。しかしながら、105ユニット/mLのIFNα−2bは、IFNα−2b投与試料のCtが、PBS対照よ
り低値であることによりわかるとおり、CXCL9、CXCL10、CXCL11、TNFSF10、GBPらのmRNAの発現における有意な誘導を誘導していた。一方、IFNα−2bはCXCL2及びCCL20 mRNAのレベルを有意に減少させた。有意な変化は1時間の
インキュベーションという早期に観察された。これらのmRNAの発現の変化(増大及び減少の両方)は初回刺激後急速に起こっている。発現の変化は1〜2時間程度でピークに達し、そして約4時間後には発現のプラトーに達していると観察された。これらのデータに基づき、今後の分析についてはインキュベーション時間として4時間を選択した。
実施例4 エクスビボでのIFNα−2b刺激
上記した通り、成人ドナーから全血を採取した。血液試料を37℃で4時間、105
ニット/mLのIFNα−2で刺激し、次に分析時まで−80℃で保存した。mRNA発現の分析を上記した通り実施し、その結果を図5に示した。
ハウスキーピング遺伝子βアクチンの発現は、IFNα−2による刺激により有意に変化しなかった。一方、4個体各々において測定したmRNAのほぼ全てが、IFNα−2による刺激により有意に誘導された。これは4個体全員がIFNα−2療法に応答することを示唆している。分析した大部分のmRNAで増大が検出されたものの、個体間にはかなりの変動があった。このことは、IFNα−2応答集団であっても応答性の程度には変動があることを示している可能性がある。例えば、患者#4(□)は、評価したmRNAの多くに関してmRNAレベルのより頑強な増大を呈していると考えられ、この個体がより高度にIFNα−2応答する可能性を示唆している。
実施例5 IFNα−2b投与に対するインビボの応答
全血を、現在実施中のIFNα−2b療法を受けている患者2人から得た。各患者から2試料を、第1の試料はIFNα−2b投与前、第2の試料はIFNα−2b投与の24時間後に得た。RNAをPAXgene法により製造元のプロトコルに従って単離した。結果を図6及び表2に示す。これらの患者試料については、1つのハウスキーピング遺伝子であるB−2ミクログロブリンの発現レベルが、IFNα−2b前とIFNα−2b後の試料の間で2倍を超えていたため、発現の倍増変化を計算する場合に規格化を行わなかった。
図6に示す通り、TNFRSF5、CCL8、CXCL10、CXCL11、STAT1、GBP、XAFl、AIM2、SOCSl、G1P2、BST2及びIRF7は、患者#1及び患者#2の両方においてIFNα−2bの投与により有意に誘導された。一方、TNFSF5、IL8、IL23及びLCKmRNAの発現は、IFNα−2bの投与後は両方の例において有意に減少した。数種のマーカーに関しては、患者#2は患者#1と比較して、IFNα−2b投与後の発現において、より大きい変化を示した。表2は、インビボでのIFNα−2b投与により影響を受けた種々のmRNA分子種、及びエクスビボでのIFNα−2b刺激の影響を示す。エクスビボ試験の結果は、インビボ試験の場合と良好な相関を示していた。表1に示す通り、CCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、GBP、XAFl、SOCSl、G1P2、BST2及びIRF7は、IFNα−2bに媒介される増大の信頼性があるマーカーであり、そしてTNFSF5、IL8及びIL23はIFNα−2bに媒介される減少の信頼性があるマーカーであった。これらの実験に基づいた場合に、明確な相関を示さなかった残りのマーカーは、相関を明確化するために現在の実験プロトコルの最適化、又は代替のプロトコルが必要であるかどうかを調べる追加的試験に付されている。
しかしながら、実施例1〜3を通して明確化された相関に基づけば、本明細書に記載したエクスビボでの刺激、及び分析の特定の実施形態は、IFNα−2b療法に対しての応答者/非応答者の予測に関する診断試験を提供するものである。同様に、本明細書に記載したインビボでの分析の特定の実施形態は、IFNα−2b療法のモニタリングのための診断試験を与えるものである。
実施例6 他のインターフェロンの使用
実施例1〜4に記載した実験を、IFNα−2bの代わりに、IFNγ及び他のインターフェロンを用いながら反復した。同様の結果が観察された。
実施例7 インターフェロン応答mRNAのエクスビボ誘導によるインターフェロンへの宿主の応答性の特徴づけ
インターフェロン(IFN)は感染性疾患(B型及びC型肝炎)、自己免疫疾患(多発性硬化症)及び悪性新生物(白血病、リンパ腫、黒色腫)を有する患者に対して臨床的に有効であり得る。しかしながら、ある個体がIFN投与に対して、そして応答の薬物力学評価のために、応答するはずである可能性を評価する必要性が残っている。本実施例においては、ヘパリン処理した全血の、各々0.06mlの3連の小分量を、IFN(IFNα2b、IFNβ−1a、IFNγ)又は溶媒対照で、2時間のみ刺激し、次に種々のIFN応答mRNAを高スループットアッセイにより定量した。有意な誘導は、CCLケモカイン−8、CXCLケモカイン−9、10、11、腫瘍壊死因子スーパーファミリー(TNFSF)−10、グアニル酸結合タンパク質1(GBPl)、XIAP関連因子1(XAFl)、サイトカインシグナリング1のサプレッサー(SOCS1)、ISG15ユビキチン様修飾因子(ISG15、G1P2)、骨髄支質細胞抗原2(BST2)及びインターフェロン調節因子7(IRF7)に関して確認されたのに対し、TNFSF5、インターロイキン(IL)−8及びIL23のレベルは減少した。これらのmRNAの増大又は減少は急速に起こり、そして2〜4時間後にはプラトーに達した。反応は104〜1
5ユニット/mlのIFNα2bで用量依存性であった。エクスビボでの結果を確認す
るために、IRB認可プロトコルの下に、IFNα2bの前および後にPAXgeneチューブ内に血液を採取した。全RNAを有核細胞から抽出し、エクスビボアッセイと同じ方法を用いてmRNAを測定するために使用した。その結果、上記したmRNAの増大及び減少が本インビボアッセイにおいて確認された。IFN投与後4時間以内に、TNFSF10、SOCS1、CXCL10、CXCL11、G1P2及びGBPlらのmRNAの32倍超の誘導が確認された。更にまた、これらのmRNAマーカーのレベルは、臨床過程の間に変化しており、これはIFN及び/又は他の療法及び免疫調節剤に対する宿主の応答性をモニタリングするためにアッセイが使用できることを示唆している。アッセイのスループットシームレスプロセスは、多くの試料の操作を同時に可能とし、そして3連の試料の間で変動が小さいことは、各mRNAに関して統計学的有意性をもって50%変化を検出する感度をもたらしている。
方法
エクスビボ
治験審査委員会(IRB)認可ヘパリン処理血液試料を、Apex Research(Tustin、CA)から入手した。60μLの全血を、予め種々の刺激物質及び対照物質を分注しておいた8ウェルストリップマイクロチューブ内に添加した(図7A)。キャップを閉じた後、これらのストリップを0〜7時間、37℃でインキュベートし、次に−80℃で凍結保存した。解凍した血液をフィルタプレートに移し、白血球をメンブレン上に捕捉し、次に溶解緩衝液を各ウェルに添加した(図7B)。溶解物をpoly(A)+ mRNAの単離のためにオリゴ(dT)固定化マイクロプレートに移し、その後、同じプレート上でcDNA合成を行った(図7C)。サーマルサイクラー(PRISM 7900、ABI)中のiTaqSYBR(Biorad、Hercules、CA)を用いたリアルタイムPCRのために384ウェルプレートにcDNA溶液を移した(図7D)。PCR条件は、95℃で10分、その後65℃で1分、及び95℃で30秒、を50サイクルとした。溶融曲線を常時分析することにより、PCRシグナルが単一のPCR産物から誘導されていることを確認した。サイクル閾値(Ct)を分析ソフトウエア(SDS、ABI)により求め、そして統計学的なp値を、刺激物質及び対照物質の各々3Ct値を用いたt検定により計算した。薬物投与3連試料のCtを、対照試料の平均Ct値に
よりそれぞれ減算することによりΔCtを計算し、そして増加倍率を2^(−ΔCt)として計算した。
インビボ
研究プロトコルはIRB(Cleveland Clinic)により認可されている。血液を、INF療法の前および後で、患者からPAXgeneチューブに採取した。全RNAを有核細胞から抽出し、そしてpoly(A)+ RNAを更にオリゴ(dT)固定化マクロプレートを用いながら単離し、その後、エクスビボ測定で示したとおりRT−PCRを行った。データを規格化するために、各mRNAのCt値を、ACTBのCt値により減算することによりΔCtを計算し、そして%ACTBを2^(−ΔCt)×100として求めた。
結果
全血を4時間、37℃で、PBS又はINFa2b(終濃度105ユニット/mL)で刺激し、次に、方法において記載したとおり、種々のmRNAを定量した。3種の対照遺伝子(ACTB、B2M及びGAPDH)の増加倍率は全て0.5〜2.0の間であった。統計学的に有意な誘導(黄色バー、「*」によっても識別される)が、TNFSF1、6、TNFRSR5、CCL8、CXCL9、10、11、IFNG、STAT1、GBP、XAF1、SOCS1、G1P2、BST2及びIRF7について確認されたのに対し、有意な減少(緑色バー、「▼」によっても識別される)は、TNFSF5、8、14、15、CCL20、CXCL1、2、3、5、IL1B、8、10、23、TRL2、VEGF及びLCKについて確認された。図8を参照されたい。
mRNAのIFNα2b誘導増大(CXCL9、10、11、TNFSF10、GBP)及び減少(CXCL2及びCCL20)の両方とも、同様に用量依存性であり、105
ユニット/mLのACTBにおけるピークはINFa2b刺激により変化しなかった。インキュベーションは4時間とした。図9を参照されたい。
mRNAのIFNα2b誘導増大(CXCL9、10、11、TNFSF10、GBP
)及び減少(CXCL2及びCCL20)は共に急速に起こり、ピークは約1〜2時間であり、その後は少なくとも7時間はプラトーであった。105ユニット/mLのINFα
2bを使用した。図10を参照されたい。
4人の成人ボランティア由来の血液試料を、105ユニット/mLのIFNα2bを用
いながら、mRNAのエクスビボでの誘導に関して試験した。一人の個体(X)は、IFNα2b誘導TNFSF10、SOCS1、BST2、AIM2、XAF1、IRF7及びTNFRSF5を示すことができなかったが、CXCL9、GBP及びG1P2は誘導された。図11を参照されたい。
IFNα2b注射の前、及び4時間(4h)(n=3)又はオーバーナイト(ON)(n=4)の後に血液を採取し、そして種々のmRNAを定量し、%ACTBとして表わした。STAT1、IRF7、XAF1及びG1P2mらのRNAのレベルは、4h及びONの両方について高値であったのに対し、TNFSF10、CXCL10、SOCS1及びICOSの増大は、一過性であった。1人の患者はONにおいてGBP、BST2、TNFSF10及びCXCL10の減少を示した。図12を参照されたい。
IFNα2b(3×106ユニット/m2)を第8〜12日及び第15〜28日に皮下注射した。第1、第15〜19及び第22〜26日に、ナトリウムスチボグルコネート(SSG)(400mg/m2/day)を静脈内投与した。第1、8、15及び26日(症例#1)において、IFNα2b/SSG注射の前及び4時間後に採血し、種々のmR
NAを定量し、そして%ACTBとして表した。症例#1においてはG1P2、GBP、BST2及びXAF1の誘導は、IFNα2b投与の初回(第8日)及び2回目(第15日)のシリーズの両方について観察された。CXCL10は初回投与では誘導されなかったが、2回目投与では誘導された。投与期間(第15〜28日)の間、これらのmRNAのレベルは高値に維持された。症例#2においては、BST2、GBP及びCXCL10のレベルは初回投与では減少したのに対し、5種のmRNA全てが2回目投与では誘導された。例えば図13A及び13Bを参照されたい。
予備的な結論
エクスビボ及びインビボの両方において、IFNα2b投与後の全血白血球において種々のmRNAが誘導され、そしてそのようなmRNAの誘導はRT−PCRにより良好に検出できた。
IFNα2bの作用はエクスビボ(1〜2時間)(図10)及びインビボ(4時間)(図12)の両方において極めて急速であった。
IFNα2bの作用は、試験した個体全てに渡って普遍的には観察されず、そしてかなりの個体間変動、又は応答者/非応答者が確認された(図11〜13のBST2、GBP、TNFSF10及びCXCL10)。そのような変動を示したmRNAは、恐らくは将来における個人化医療診断薬のための識別候補マーカーとなりえる。
幾つかの実施形態においては、インターフェロンは、I型インターフェロン、II型インターフェロン、及びIII型インターフェロンよりなる群から選択される。幾つかの実施形態においては、インターフェロンが、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンγ、これらの組み合わせ、及びこれらのサブタイプよりなる群から選択される。幾つかの実施形態においては、インターフェロンは、インターフェロンα2bである。幾つかの実施形態においては、インターフェロンα2bは、約1〜約100,000ユニット/mLの濃度で存在する。幾つかの実施形態においては、インターフェロンα2bは、約5,000〜約15,000ユニット/mLの濃度で存在する。幾つかの実施形態においては、インターフェロンα2はウィルス感染を治療するために投与される。幾つかの実施形態においては、ウィルス感染が肝炎ウィルスにより起因する。他の実施形態においては、インターフェロンα2bは抗癌療法として投与される。
幾つかの実施形態においては、溶媒はリン酸緩衝生理食塩水又は他の同様の比較的不活性な生理学的物質(例えば標準食塩水又は蒸留水)である。幾つかの実施形態においては、サンプルのインターフェロン又は溶媒への試料の曝露は、1時間から7時間まで行われる。1つの実施形態においては、曝露は4時間行う。幾つかの実施形態においては、曝露は約37℃で行う。
本明細書に記載した幾つかの実施形態において、IFNの投与に対する宿主の応答性のエクスビボで特徴づけるための方法が提供される。幾つかの実施形態においては、方法は潜在的に応答のある個体からの末梢全血の採取、及び、IFN応答マーカーのパネルの発現における変化に関してスクリーニングするためにIFNによる全血の刺激を包含する。幾つかの実施形態においては、1つ以上のIFN応答マーカーをコードするmRNAの変化の検出は、IFN投与に対する個体の潜在的応答性に関係する。他の実施形態において、IFNの投与に対する個体の、現在進行の応答性をモニタリングするための方法が提供される。一部の実施形態においては、末梢全血をIFN投与前および後に個体から採取し、そしてIFN応答マーカーのパネルの発現における変化について評価する。次に発現の変化を用いて、IFN投与に対する、個体の現在進行の応答性及びその薬効を評価する。幾つかの実施形態においては、本明細書に記載した方法は、肝炎感染、又は、関連若しくは無関連の悪性疾患を治療するために、IFN投与に対する応答性を予測するか、又はその薬効をモニタリングするために使用される。一部の実施形態においては、個体に投与されたIFNは、I型インターフェロン、II型インターフェロン、又はIII型インターフェロンに分類される。一部の実施形態においては、投与されるインターフェロンはIFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、これらの組み合わせ、及びこれらのサブタイプよりなる群から選択される。特定の実施形態においては、投与されるIFNは、IFN−α、又はIFN−γの何れかである。そのような実施形態の一部においては、IFN−αはIFNα−2bである。
一部の実施形態においては、IFNα−2bを包含するIFNに応答するマーカーは、1つ以上のTNFSF(腫瘍壊死因子スーパーファミリー)1(リンホトキシンa)、TNFSF2、TNFSF5(CD40)、TNFRSF5(CD40受容体)、TNFSF6(Fasリガンド)、TNFSF8、TNFSF9、TNFSF10(TRAIL−TNF−関連アポトーシス誘導リガンド)、TNFSF14、TNFSF15、CCL(ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド)2、CCL3、CCL8、CCL11、CCL20、CXCL(ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド)1、CXCL2、CXCL3、CXCL5、CXCL9、CXCL10、CXCL11、IL(インターロイキン)1B、IL2、IL4、IL8、IL10、IL12A、IL17、IL23、FOXP3(フォークヘッドボックスP3)、CD(分化抗原群)25、CTLA4(細胞傷害性T−リンパ球抗原4)、グランザイムB、CD8A、CD16、CD32A、CD64、IgGFc、ARG(アルギナーゼ)、MPO(ミエロペルオキシダーゼ)、TLR(トール様受容体)2、TLR4、GM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、IFNy、TGF(トランスフォーミング増殖因子)β、CD4、STAT1、STAT3、STAT4、VEGF(血管内皮成長因子)、POMC(プロオピオメラノコルチン)、GBP(グアニル酸結合タンパク質)、XAFl(X連鎖アポトーシス抑制タンパク質(XIAP)−関連因子1)、AIM2(アブセントインメラノーマ2)、SHP2、SOCS1(サイトカインシグナル抑制因子1)、SLP76、G1P2(ユビキチン様修飾因子)、BST2、IRF7(インターフェロン調節因子)、及びLCKを包含する。
要すれば、装置の特定の実施形態は複数の試料送達ウェルを含有するマルチウェルプレート、ウェル下部の白血球捕捉フィルタ、及び固定化されたオリゴ(dT)を含有するフィルタ下部のmRNA捕捉区画を含む。特定の実施形態においては、装置はまた、フィルタプレートを受容するように採用された真空ボックスを含むことにより、プレートとボックスの間に密閉状態を作り、これにより真空圧が適用されれば、白血球捕捉フィルタを通過して、試料送達ウェルから血液が引き込まれ、その結果、白血球が捕捉され、非白血球血液成分はフィルタ洗浄により除去される。別の実施形態においては、試料ウェルの外に白血球捕捉フィルタを通過して血液を引き出す他の手段、例えば遠心分離又は陽圧を使用する。好ましい実施形態においては、白血球は共に積層されている複数のフィルタメンブレン上に捕捉される。幾つかの実施形態においては、捕捉された白血球は、その後、溶解緩衝液で溶解され、これにより捕捉された白血球からmRNAを放出する。次にmRNAは、mRNA捕捉区域に固定化されたオリゴ(dT)にハイブリダイズされる。幾つかの実施形態において使用してよい溶解緩衝液の組成に関するより詳細な記述は、現在係属中であり参照により全体が本明細書に組み込まれる2006年3月15日出願の米国特許出願11/376,018に記載されている。幾つかの実施形態においては、cDNAをオリゴ(dT)固定化mRNAから合成する。好ましい実施形態においては、その後、感染関連マーカーの増幅のために特に設計されたプライマーを用いたリアルタイムPCRを用いて、cDNAを増幅する。このような実施形態において使用するプライマーを表1に示す。一部の実施形態において使用するPCRに関するより詳細な説明は米国特許出願11/376,018にも記載されている。
図2に示す通り、IFNα−2b刺激は、CXCL9、CXCL10、CXCL11、GBP1/2、及びTNFSF10の用量依存的増加を誘導した。同様に、発現の用量依存的減少が、CXCL2及びCCL20に関して検出された。IFNα−2b刺激の作用は、約10〜10ユニット/mLのIFNα−2bでプラトーとなった。更にまた、IFNγ遺伝子発現は、IFNα−2bが10ユニット/mL近傍という狭小な濃度範囲において応答する場合があると考えられた。これらの実験は、10ユニット/mLのIFNα−2が応答マーカーにおける遺伝子発現変化を誘発するために最適な濃度である可能性を示唆している。実施例2で使用した8種のマーカーは、同様に実施例3においても使用した。
実施例3 IFNα−2bによるエクスビボでの刺激への速度論的応答
実施例2の結果に基づいて、10ユニット/mLの用量のIFNα−2に応答する8種のマーカーを、全血試料の刺激後の速度論的発現の変化に関して評価した。
上記した通り、採取した全血を0〜7時間の範囲の時間に渡り、10ユニット/mLのIFNα−2(又はPBS単独)で刺激し、次に分析時まで−80℃で凍結保存した。mRNA発現分析を上記した通り実施し、その結果を図3(Ct)及び4(倍増変化)に示した。
実施例4 エクスビボでのIFNα−2b刺激
上記した通り、成人ドナーから全血を採取した。血液試料を37℃で4時間、10ユニット/mLのIFNα−2で刺激し、次に分析時まで−80℃で保存した。mRNA発現の分析を上記した通り実施し、その結果を図5に示した。
ハウスキーピング遺伝子βアクチンの発現は、IFNα−2による刺激により有意に変化しなかった。一方、4個体各々において測定したmRNAのほぼ全てが、IFNα−2による刺激により有意に誘導された。これは4個体全員がIFNα−2療法に応答することを示唆している。分析した大部分のmRNAで増大が検出されたものの、個体間にはかなりの変動があった。このことは、IFNα−2応答集団であっても応答性の程度には変動があることを示している可能性がある。例えば、患者#4(□)は、評価したmRNAの多くに関してmRNAレベルのより頑強な増大を呈していると考えられ、この個体がより高度にIFNα−2応答する可能性を示唆している。
結果
全血を4時間、37℃で、PBS又はINFα2b(終濃度10 ユニット/mL)で刺激し、次に、方法において記載したとおり、種々のmRNAを定量した。3種の対照遺伝子(ACTB、B2M及びGAPDH)の増加倍率は全て0.5〜2.0の間であった。統計学的に有意な誘導(黄色バー、「*」によっても識別される)が、TNFSF1、6、TNFRSR5、CCL8、CXCL9、10、11、IFNG、STAT1、GBP、XAF1、SOCS1、G1P2、BST2及びIRF7について確認されたのに対し、有意な減少(緑色バー、「▼」によっても識別される)は、TNFSF5、8、14、15、CCL20、CXCL1、2、3、5、IL1B、8、10、23、TRL2、VEGF及びLCKについて確認された。図8を参照されたい。
IFNα2b(3×10 ユニット/mL)を第8〜12日及び第15〜28日に皮下注射した。第1、第15〜19及び第22〜26日に、ナトリウムスチボグルコネート(SSG)(400mg/mL/day)を静脈内投与した。第1、8、15及び26日(症例#1)において、IFNα2b/SSG注射の前及び4時間後に採血し、種々のmRNAを定量し、そして%ACTBとして表した。症例#1においてはG1P2、GBP、BST2及びXAF1の誘導は、IFNα2b投与の初回(第8日)及び2回目(第15日)のシリーズの両方について観察された。CXCL10は初回投与では誘導されなかったが、2回目投与では誘導された。投与期間(第15〜28日)の間、これらのmRNAのレベルは高値に維持された。症例#2においては、BST2、GBP及びCXCL10のレベルは初回投与では減少したのに対し、5種のmRNA全てが2回目投与では誘導された。例えば図13A及び13Bを参照されたい。

Claims (31)

  1. インターフェロンの投与に対する個体の潜在的応答性を特徴づけるためのエクスビボでの方法であって、
    該方法は、
    個体由来の全血の第1の試料を、溶媒中のインターフェロンに、該インターフェロンが1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現を改変するために十分な時間、曝露すること;
    個体由来の全血の第2の試料を、インターフェロン非含有の溶媒に、該時間、曝露すること;
    該第1の全血試料及び該第2の全血試料の両方において1つ以上のインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAの量を測定することにより、該1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現における変化として該インターフェロンの作用を定量すること;
    該1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現に対するインターフェロンの定量された作用を、対照個体のパネルでの発現レベルにおける変化の平均として計算される、該1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現に対するインターフェロンの正常な作用と比較すること;および
    該個体における該1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現における変化と、該対照個体パネルにおける該1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現における平均の変化との間の有意差を識別することにより、該個体の潜在的応答性を特徴づけること;
    を含み、
    該個体における発現の変化が該対照個体パネルにおける変化より実質的に大きい場合には、該個体はインターフェロンに対して潜在的に応答性があり、該個体における発現の変化が該対照個体パネルにおける変化より実質的に小さい場合には、該個体はインターフェロンに対して潜在的に非応答性である、方法。
  2. 前記1つ以上のインターフェロン応答マーカーが、インターフェロンへの応答に応じて増大するマーカーを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記1つ以上のインターフェロン応答マーカーが、インターフェロンへの応答に応じて減少するマーカーを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記インターフェロンが、I型インターフェロン、II型インターフェロン、及びIII型インターフェロンよりなる群から選択される、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記インターフェロンが、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンγ、これらの組み合わせ、及びこれらのサブタイプよりなる群から選択される、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記インターフェロンが、インターフェロンα2bである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記インターフェロンα2bが、約1〜約100,000ユニット/mLの濃度で存在する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記インターフェロンα2bが、約5000ユニット〜約15,000ユニット/mLの濃度で存在する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記溶媒がリン酸緩衝生理食塩水である、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記曝露が、1時間から7時間までの間で行われる、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
  11. 前記曝露が、4時間行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記曝露が、約37℃で行われる、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
  13. 前記1つ以上のインターフェロン応答マーカーが、CCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、GBP、XAFl、SOCSl、G1P2、BST2、IRF7、TNFSF5、IL8、IL23、TNFSF10、TNFRSF5、TNFSF6、TNFSF8、TNFSF15、CCL20、CXCLl、CXCL2、CXCL3、CXCL5、IL1B、IFNγ、VEGF、ISG15、STAT1、ICOS及びAIM2よりなる群から選択される、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  14. 前記全血が哺乳類から得られる、請求項1〜13の何れか1項に記載の方法。
  15. 前記哺乳類がヒトである、請求項1〜14の何れか1項に記載の方法。
  16. 前記全血がヘパリン処理される、請求項1〜15の何れか1項に記載の方法。
  17. 前記第1及び第2の試料が、肝炎、自己免疫疾患、又は癌の1つ以上を有し、そのための治療が必要な個体から得られる、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  18. 個体におけるインターフェロン療法の薬効を測定する方法であって、
    インターフェロン投与の前に、個体由来の全血の第1の試料を得ること;
    インターフェロン投与の後に、個体由来の全血の第2の試料を得ること;
    該第1の全血試料及び該第2の全血試料の両方における、1つ以上のインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAの量を測定することにより、該1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現を定量すること;および
    該第1の全血試料中及び該第2の全血試料中における、該1つ以上のインターフェロン応答マーカーの発現を比較することにより、インターフェロン療法の薬効を測定すること、を含む方法。
  19. 前記第2の血液試料において、前記第1の血液試料と比較して、前記インターフェロン応答マーカーの1つ以上の発現が有意に異なる場合に、インターフェロン療法が有効である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第1の血液試料と比較して、前記第2の血液試料との間で、前記インターフェロン応答マーカーの1つ以上の発現が異ならない場合に、インターフェロン療法が有効ではない、請求項18に記載の方法。
  21. 前記1つ以上のインターフェロン応答マーカーが、CCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、GBP、XAFl、SOCSl、G1P2、BST2、IRF7、TNFSF5、IL8、IL23、TNFSF10、TNFRSF5、TNFSF6、TNFSF8、TNFSF15、CCL20、CXCLl、CXCL2、CXCL3、CXCL5、IL1B、IFNγ、VEGF、ISG15、STAT1、ICOS及びAIM2よりなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  22. 前記インターフェロンが、I型インターフェロン、II型インターフェロン、及びIII型インターフェロンよりなる群から選択される、請求項18〜21の何れか1項に記載
    の方法。
  23. 前記インターフェロンが、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンγ、これらの組み合わせ、及びこれらのサブタイプよりなる群から選択される、請求項18〜21の何れか1項に記載の方法。
  24. 前記インターフェロンがインターフェロンα2bである、請求項24に記載の方法。
  25. 前記インターフェロンα2bがウィルス感染を治療するために投与される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ウィルス感染が肝炎ウィルスに起因する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記インターフェロンα2bが抗癌療法として投与される、請求項24に記載の方法。
  28. 前記第1及び第2の試料が、肝炎、自己免疫疾患、又は癌の1つ以上を有し、そのための治療が必要な個体から得られる、請求項18〜23の何れか1項に記載の方法。
  29. 全血試料中の1つ以上のインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAを定量するための装置を作成するための方法であって、
    全血の第1の試料及び第2の試料を得ること;
    第1の試料中の白血球を、溶媒中で、刺激剤で刺激すること;
    第2の試料中の白血球を、刺激剤非存在の溶媒に曝露すること;
    第1及び第2の試料の各々を、フィルタプレートに添加すること;
    濾過により、第1及び第2の試料の各々から、赤血球及び白血球以外の血液成分を除去することにより、第1及び第2の試料の各々に由来する白血球をフィルタプレート上に得ること;
    試料中に存在するインターフェロン応答マーカーをコードするmRNAにハイブリダイズするプライマー及び第1の試料に由来するmRNAを含む第1の溶解物、並びに、該プライマー及び第2の試料に由来するmRNAを含む第2の溶解物を産生するために、インターフェロン応答マーカーをコードするマーカーに関する少なくとも1つのリバースプライマーを含む溶解緩衝液を用いて、フィルタプレート上の第1及び第2の試料の各々に由来する白血球を溶解すること;および
    プライマーが結合しているmRNAを含む、第1及び第2の試料の両方に由来するmRNAを捕捉するために、オリゴ(dT)−固定化プレートに第1及び第2の溶解物を移すこと、を含む方法。
  30. 前記1つ以上のインターフェロン応答マーカーが、CCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、GBP、XAFl、SOCSl、G1P2、BST2、IRF7、TNFSF5、IL8、IL23、TNFSF10、TNFRSF5、TNFSF6、TNFSF8、TNFSF15、CCL20、CXCLl、CXCL2、CXCL3、CXCL5、IL1B、IFNγ、VEGF、ISG15、STAT1、ICOS及びAIM2よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記第1及び第2の試料が、肝炎、自己免疫疾患、又は癌の1つ以上を有し、そのための治療が必要な個体から得られる、請求項29に記載の方法。
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