JP2013527223A - ラパマイシンエステルの安定な医薬組成物 - Google Patents

ラパマイシンエステルの安定な医薬組成物 Download PDF

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Abstract

抗酸化剤を含まないラパマイシンエステル、特に3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物およびそれを調製するプロセス。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗酸化剤を含まないラパマイシンエステル、特に3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの医薬組成物に関する。
ラパマイシンは、免疫抑制性ラクタムマクロライドであり、抗腫瘍および抗真菌活性を示すことも見出されている。ラパマイシンのエステルのようなラパマイシンのいくつかの誘導体が現在までに知られており、これらは抗悪性腫瘍活性を有することが知られている。
重要なものは、テムシロリムスとして通常知られ、以下に示す式Iで表される3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルであり、進行腎細胞癌の治療について適応するとされる抗悪性腫瘍剤である。ラパマイシンのこのエステルは、インビトロおよびインビボモデルの両方において腫瘍増殖に対する著しい阻害効果を示した。3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルは、Skotnickiらにより米国特許第5,362,718号において最初に開示された。3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを含むラパマイシンのヒドロキシエステルの調製および使用も、この特許に開示されている。
3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステル(テムシロリムス)
その薬理活性について、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルは、細胞増殖抑制特性を示し、腫瘍に対して、それらの進行時間またはそれらの再発時間を遅延させることにより作用する。ラパマイシンのこのエステルは、親分子であるラパマイシンのものと同様の作用機構を有すると考えられる。
現在のところ、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステル(テムシロリムス)は、Torisel(商標)の商標名の下で注射用製剤として販売され、これは、第1バイアルが、活性成分としてテムシロリムスを、無水アルコール(39.5% w/v)、d,l-アルファ-トコフェロール(0.075% w/v)、プロピレングリコール(50.3% w/v)および無水クエン酸(0.0025% w/v)のような非活性成分とともに含む2バイアル形態(presentation)として利用可能である。第2バイアルは、ポリソルベート80(40.0% w/v)、ポリエチレングリコール400(42.8% w/v)および無水アルコール(19.9%w/v)のような非活性成分を含有するTorisel(商標)注射のための希釈剤を含有する。第1および第2バイアルの内容物を、注入流体と混合し、それを必要とする患者に投与する。テムシロリムスは、患者に、皮下、筋内または静脈内経路により最も典型的に投与され、これらのうちでより好ましい経路は、ボーラスI.V.注射、持続I.V.注入またはI.V.注入である。
よって、販売されている製剤は、「アルコール性溶剤」と分類できる溶剤混合物中に溶解された3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを含有するということができる。無水アルコールおよびプロピレングリコールのようなこれらの溶剤は、主に、水性溶剤中で溶解性が乏しく1μg/ml未満の水溶性を有する薬物を溶解するためである。これらの溶剤に加えて、現在販売されている製剤は、抗酸化剤、すなわちd,l-アルファ-トコフェロールを含有し、抗酸化剤とともにキレート化剤としても作用するクエン酸も含有する。さらに、第2バイアルは、ポリエチレングリコール400および無水アルコールのような希釈剤混合物を、界面活性剤、すなわちポリソルベート80とともに含有する。よって、現在入手可能な医薬組成物中の最も重要な要素は、薬物の酸化分解を妨げ、製剤の安定化をもたらす抗酸化剤の存在であるということができる。
3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルに加えて、シロリムス(Rapamune(商標))錠のようなその他の商業的に入手可能なラパマイシンエステルも、抗酸化剤とともに処方されて、酸化を受けにくい安定な錠剤を形成している。よって、全般的に、ラパマイシンエステルは、酸化による分解を受けやすく、よって、安定な医薬組成物を得るために抗酸化剤とともに処方されている。
様々な従来技術の開示から、ラパマイシンおよびその関連化合物が、化合物の合成中または剤形としてのそれらの処方中に化学的不安定性の影響を受けやすいことが証明されている。ラパマイシンエステルの化学的不安定性は、それらの酸化分解または分子中のラクトン結合の開裂が主な原因であり、開環および分解生成物の形成をもたらす。
よって、最小限の濃度の酸化分解不純物を有するこのようなラパマイシンエステルの安定な医薬組成物を処方することに大きな難題がある。全ての従来技術は、主に、薬物の酸化分解に関する課題のために、その製剤中に抗酸化剤を用いることにより解決策をもたらしている。
1. Rubinoらは、米国特許出願公開第2004/0167152号において、組成物中の酸化による不純物の量を低減する抗酸化剤を製剤中の必須成分として用いる3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの製剤を開示し、よって、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物を得ている。この出願に開示される製剤は、販売されているTorisel(商標)製剤をカバーするということができる。この出願に開示される抗酸化剤は、さらに、クエン酸、グリシン、d,l-アルファ-トコフェロール、BHA、BHT、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピルおよびそれらの混合物を含む群から選択される。この出願には、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物を得るために用いる抗酸化剤がd,l-アルファ-トコフェロールであり、これは0.01%〜0.1 %w/vの濃度範囲で用いられ、好ましい濃度が0.075%w/vでることがさらに開示されている。さらに、クエン酸、酢酸およびアスコルビン酸のようなこの発明の製剤の抗酸化剤成分は、キレート活性も示すことが開示されている。これらの酸のうち、クエン酸が最も好ましい酸である。この出願は、このような安定な製剤を調製するプロセスも開示している。よって、製剤中での抗酸化剤の使用が、安定な医薬組成物を得るための重要な要素である。
2. Rubinoらは、別の米国特許出願公開第2007/0142422号において、1.5%未満の酸化および加水分解によるラパマイシン不純物を有する活性成分を選択し、選択されたラパマイシンを抗酸化剤および任意選択の賦形剤と処方することにより、効力が増加したラパマイシン組成物を調製する方法であって、抗酸化剤がアルファ-トコフェロールである方法を開示している。得られた医薬組成物のpHは約4〜約6の範囲である。さらに、得られた製剤は、非経口経路および経口経路により投与できることが開示されている。よって、この出願においても、抗酸化剤が、安定な生成物を得るために製剤において用いられている。
3.さらに、Rubinoらは、米国特許出願公開第2005/0020615号において、製剤中に0.001%から1% w/vまでの範囲の濃度で抗酸化剤を用いる3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な凍結乾燥製剤であって、抗酸化剤が、BHT、BHA、アルファ-トコフェロール、アスコルビン酸、エリソルビン酸 (0.1〜1.0% w/v)、ジチオトレイトール(ithiothreitol)、ジチオエリスリトール(dithioerythreitol)、グルタチオン、アスコルビン酸パルミテート、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、重亜硫酸ナトリウムおよびピロ亜硫酸ナトリウムからなる群より選択される製剤を開示している。さらに、これは、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、グルタル酸およびアジピン酸のようなこの発明の製剤の抗酸化剤成分が、キレート活性も示し得ることを開示している。3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルと抗酸化剤とのいくつかの例も示されている。よって、この出願からわかるように、抗酸化剤は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な凍結乾燥医薬組成物を得るために用いられている。
4. Ashrafらは、米国特許出願公開第2004/0077677号において、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルと、水溶性ポリマーと、界面活性剤と、抗酸化剤と、pH調整剤とを含む経口投与用の3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物であって、抗酸化剤が、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンである組成物を開示している。この出願は、さらに、湿潤造粒法を用いて医薬組成物を調製するプロセスを開示している。よって、抗酸化剤が、ここでも、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な経口製剤を得るために用いられている。
5. Ashrafらは、米国特許出願公開第2005/0152983号において、安定で生物利用可能な形態の微粒子化した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、抗酸化剤もしくはキレート化剤またはそれらの混合物とともに、経口投与用の即時放出剤形中に含有する医薬組成物を開示している。この組成物は、錠剤または充填されたカプセルの形態にある。許容される抗酸化剤は、それらに限定されないが、クエン酸、d,l-アルファ-トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピルおよびそれらの混合物を含む。よって、抗酸化剤が、経口投与用の即時放出剤形を得るために3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルとともに用いられている。
6. Zhuらは、米国特許第7,074,804号において、湿潤造粒法を用い、薬物の異性体C、水溶性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤および抗酸化剤を用いる3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの経口製剤を開示している。この特許は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステル異性体Cと、非経口で許容される共溶剤と、抗酸化剤と、希釈溶剤と、界面活性剤とを含有する注射用製剤も提供する。この特許は、さらに、非経口で許容されるアルコール性共溶剤中の異性体Cの安定性が、製剤中に抗酸化剤を加えることにより増強され、ここで、医薬的に許容される抗酸化剤が、クエン酸、d,l-α-トコフェロール、BHA、BHT、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピルおよびそれらの混合物から選択されることを開示する。この発明の製剤の抗酸化剤成分が、キレート活性も示すことがさらに示されている。このようなキレート化剤の例は、クエン酸、酢酸およびアスコルビン酸を含む。よって、製剤中の抗酸化剤の使用は、安定な経口および非経口製剤を得るために最も重要な因子である。
7. Guらは、米国特許第7202256号において、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルまたは3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのプロリン-ラパマイシン42-エステルの非経口で許容されるアルコール性共溶剤中の安定性が、製剤に抗酸化剤を加えることにより増強されることを開示している。許容される抗酸化剤は、それらに限定されないが、クエン酸、d,l-α-トコフェロール、BHA、BHT、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピル及びそれらの混合物を含む。この発明の製剤の抗酸化剤成分もキレート活性を示す。このようなキレート化剤の例は、例えば、クエン酸、酢酸およびアスコルビン酸を含む(これらは、典型的な抗酸化剤とキレート化剤との両方として本製剤において機能し得る)。よって、この特許も、製剤中に抗酸化剤を用いる3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物について述べている。
8. Boniらは、米国特許出願公開第2006/0183766号において、経口により生物利用可能な3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステル製剤を開示し、これは、経口により生物利用可能な3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステル製剤の製造における抗酸化剤の使用を支持し、許容される抗酸化剤は、それらに限定されないが、クエン酸、d,l-アルファ-トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピル及びそれらの混合物を含む。
9. Navarroらは、米国特許第7,297,703号において、経口投与用の固形混合物を調製するために抗酸化剤を用いる別のラパマイシンエステルの安定化であって、抗酸化剤が、ビタミンB、ビタミンC、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)およびそれらの組み合わせからなる群より選択される安定化を開示している。
よって、上記の全ての従来技術の開示から、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルまたはその他のラパマイシンエステルのこれら全ての医薬組成物における重要な要素は、抗酸化剤がこれら全ての製剤に必ず存在することである。これらの抗酸化剤の主な役割は、ラパマイシンエステルの酸化分解を妨げ、様々な非経口および経口製剤に化学的安定性をもたらすことである。このことは、現在までに、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物が、製剤中に抗酸化剤を加えることにより常に得られてきたことを明確に示す。よって、いずれの剤形でも抗酸化剤の存在は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物の製剤における典型的な要素として見出されてきた。なぜなら、これは、薬物の酸化分解を低減し、製剤に安定性をもたらすからである。
しかし、抗酸化剤およびキレート化剤のような物質は、いずれの医薬組成物の製剤においても外部物質(extraneous agents)としてみなされることが指摘される。世界中の衛生当局は、医薬組成物中の抗酸化剤、キレート化剤および防腐剤のようなこのような外部物質のレベルについて特に懸念していることがさらに指摘される。その結果、今日の法的承認規範は、いずれの薬物製品においても、存在する外部物質の性質およびレベルに関して非常に厳密である。この観点で、抗酸化剤のような様々な外部物質を用いる実験ができる範囲および自由度は最小限であり、これらは、制限された量を超えて用いることができない。医薬製剤中のいずれの承認されない範囲の賦形剤の存在も、患者に対して有害な影響を有することがあり、よって、そのような製剤は、そのような製剤が安定であっても、衛生当局から許可されない。上記の制限に鑑みて、安定であり、いずれの外部物質も法的なガイドライン内の量で製剤中に含有し、患者の健康に対していずれの負の影響も有さない医薬組成物を開発することが、調合者にとって必須である。
よって、抗酸化剤のようないずれの外部物質も含まず、製剤が患者にとってより適合するように安定でもあるラパマイシンエステル、特に3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの医薬組成物を開発する必要性が存在する。
この背景に対して、本出願の発明者らは、驚くべきことに、ラパマイシンエステル、特に3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物を、組成物中に抗酸化剤のような外部物質を用いることなく得ることができることを見出した。このような医薬組成物が、現在販売されているTorisel(商標)製剤よりも良い安定性とまではいかないにしても匹敵する安定性を示すこともさらに見出され、このことは本出願の根底を形成する。
本発明は、抗酸化剤を含まないラパマイシンエステル、特に3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物を提供する。
このようにして得られる医薬組成物は、よって、酸化分解の量を低減し、安定な組成物を形成するために組成物中に重要な成分として抗酸化剤を含有する、現在販売されているTorisel(商標)製剤よりも良い安定性とまではいかないにしても匹敵する安定性を示す。以下の実施例1〜7に例示されるように、表1B〜7Bに示すような、販売されているTorisel(商標)製剤に類似の組成物と比較した本発明の組成物の安定性プロフィールは、本発明の全ての組成物が、7日から6ヶ月までの範囲の期間、40℃、25℃および2〜8℃にてこれらを貯蔵した場合に、現在販売されているTorisel(商標)製剤よりも良い安定性とまではいかないにしても匹敵する安定性を示すことを示す。
本発明のある態様は、非経口投与に適切であり得るラパマイシンエステルの安定な医薬組成物を提供する。このような非経口製剤は、医薬的に許容される溶剤に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルのようなラパマイシンエステルを含有し、該溶剤は、アルコール性溶剤である。該医薬組成物は、酸および界面活性剤のような医薬的に許容される賦形剤をさらに含む。本発明の非経口製剤は、さらに、凍結乾燥製剤または用時調製型医薬組成物として提供できる。このような非経口医薬組成物は、抗酸化剤を含有せず、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの現在利用可能な販売されている製剤よりも良い安定性とまではいかないにしても匹敵する安定性を示すことが見出されている。
本発明の別の態様は、第1バイアルが、溶剤混合物に溶解された薬物を含み、該溶剤が、エタノール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールを含む「アルコール性溶剤」から選択される、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルのようなラパマイシンエステルの2バイアル非経口医薬組成物を提供する。さらに、組成物は、酸および界面活性剤をさらに含有できる。第2バイアルの内容物は、希釈剤を含み、場合によって界面活性剤を含有してよい。2つのバイアルの内容物は一緒に混合され、注入流体に加えられた後に、静脈内注入によりそれを必要とする患者に投与される。このようにして得られる医薬組成物は、いずれの抗酸化剤も含有せず、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの現在利用可能な販売されている製剤よりも良い安定性とまではいかないにしても匹敵する安定性を示す。
本発明の別の態様は、薬物が溶剤混合物に溶解されており、該溶剤が、エタノール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールを含む「アルコール性溶剤」から選択される、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルのようなラパマイシンエステルの1バイアル非経口医薬組成物を提供する。さらに、組成物は、場合によって酸および界面活性剤を含んでよい。患者への投与中に、バイアルの内容物全体を注入流体に加え、次いで、静脈内注入によりそれを必要とする患者に投与する。このようにして提供される医薬組成物は、いずれの抗酸化剤も含有せず、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの現在利用可能な販売されている製剤よりも良い安定性とまではいかないにしても匹敵する安定性を示す。
本発明の第4の態様は、経口投与用のラパマイシンエステルの固体医薬組成物を提供する。固体医薬組成物は、ラパマイシンエステル、すなわち3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、結合剤、充填剤、崩壊剤および滑沢剤のような医薬的に許容される賦形剤とともに含む。これらの成分に加えて、製剤は、場合によって、界面活性剤および酸も含有できる。このようにして得られる固体剤形は、水およびアルコール(エタノールが好ましいアルコール成分である)を含む溶剤系を用いる湿潤造粒により得られる顆粒から調製される。医薬組成物において用い得るその他のアルコールは、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールである。このような医薬組成物の重要な態様は、これらが、いずれの抗酸化剤も含有せず、現在利用可能な販売されている製剤と同様に安定であることが見出されていることである。
本発明の別の態様は、アルコール性溶剤をまず調合容器に加え、その後、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを加える、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルのようなラパマイシンエステルの安定な医薬組成物を調製するプロセスを提供する。安定な組成物の調製の重要な態様は、スパージャーにより調合容器中に開始される窒素パージングである。さらに、窒素雰囲気が、調製プロセス全体にわたってヘッドスペースに窒素を流すことにより維持される。1バイアルについて、希釈剤ミックスを同じ容器に加え、2バイアル製剤について、希釈剤ミックスを別の容器に加える。最終容量は、アルコール性溶剤、すなわち無水アルコールを用いて合わせる。内容物を、次いで、窒素とともにI型透明ガラスバイアルに充填する。患者への投与前に、バイアルの内容物を、0.9%塩化ナトリウム注射、5%デキストロース注射およびその他の一般的に用いられる静脈内注入溶液のような希釈流体に加えた後に、静脈内注入により患者に投与する。
よって、上記の本発明の全ての医薬組成物における最も重要な態様は、ラパマイシンエステル、すなわち3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルのこれらの全ての製剤が、抗酸化剤を含まず、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの現在利用可能な販売されている製剤(Torisel(商標))よりも良い安定性とまではいかないにしても匹敵する安定性を示すことが見出されたことである。
本発明は、抗酸化剤を含まない、ラパマイシンエステル、特に3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸との42-エステルの安定な医薬組成物に関する。
このようにして調製される医薬組成物は、製剤中の酸化分解の量を低減するために抗酸化剤を含有する、販売されているTorisel(商標)製剤よりも良い安定性とまではいかないにしても匹敵する安定性を示す。
本発明の非経口製剤は、非経口投与に適する凍結乾燥製剤および用時調製型の溶液として提供できる。この製剤は、1〜50 mg/ml (好ましい濃度は、10〜25 mg/mlの間である)の範囲の濃度で3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを有する2バイアル形態または1バイアル形態としてさらに提示できる。これらの医薬組成物は、次いで、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの承認された適応症である進行腎細胞癌に罹患している患者を治療するために静脈内注入により投与される。
このようにして提供される非経口製剤は、非水性の非経口で許容される溶剤中に溶媒和されたラパマイシンエステル、すなわち3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを含み、該溶剤は、製剤のアルコール性溶剤成分として、1又は複数のアルコールを含有するアルコール性溶剤である。これらの溶剤は、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600またはポリエチレングリコール1000を含む溶剤の群から選択される。これらのアルコール性溶剤は、特に望ましい。なぜなら、これらの溶剤の存在下では、酸化およびラクトン開裂による分解がより低い程度で生じるからである。これらのアルコール性溶剤のうち、最も好ましい溶剤は、エタノール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール400である。
さらに、本発明の医薬組成物は、場合によって酸を含有してよく、酸は、オレイン酸のような脂肪酸から選択できるか、またはこれは、モノ-、ジ-もしくはトリ-カルボン酸、より好ましくはモノ-またはジカルボン酸の群から選択されるカルボン酸であり得る。本発明において開示される製剤に用いる酸は、乳酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸およびシュウ酸からなる群より選択される。これらの酸のうち、乳酸が最も好ましい酸である。製剤に酸性化剤を加えてわずかに酸性のpH (例えばpH 3〜5以内)を維持することが、溶剤への3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの迅速な溶解を容易にし、製剤の長期安定性を増強すると考えられる。製剤中の酸の存在は、溶液のpHを、3.0〜5.0の範囲、より好ましくは4.0〜4.5の範囲に維持する。
本発明の医薬製剤は、非経口で許容される界面活性剤を場合によって含むことができ、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、胆汁酸、レシチン、エトキシル化植物油、コハク酸ビタミンEトコフェロールプロピレングリコール(vitamin E tocopherol propylene glycol succinate)またはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含む群から選択される。これらの界面活性剤のうち、より好ましい界面活性剤は、ポリソルベート20およびポリソルベート80である。これらのうち、ポリソルベート 80が、本発明の医薬組成物で用いられる最も好ましい非経口で許容される界面活性剤である。
実施例1〜5に示すように、非経口医薬組成物は、2バイアル形態として提供してもよく、一方のバイアルは、エタノール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールを含む非経口で許容される溶剤混合物に溶解したラパマイシンエステルを含有する。さらに、このバイアルは、場合によって、上記のような酸および界面活性剤を含有できる。第2バイアルは、希釈溶剤と、場合によって適切な界面活性剤(上記の界面活性剤の群から選択される)とを含有する希釈剤混合物を含有する。それを必要とする患者への投与中に、2つのバイアルの内容物を一緒に混合し、0.9%塩化ナトリウム注射、5%デキストロース注射およびその他の一般的に用いられる静脈内注入溶液のような滅菌注入溶液に加えた後に、静脈内注入により患者に投与する。
別の態様では、実施例6〜7に示すように、本発明の非経口製剤は、1バイアル製剤として調製して提示してよく、薬物は、エタノール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールを含む非経口で許容される溶剤混合物に溶解される。これに加えて、上記のような酸および界面活性剤のようないくつかの医薬的に許容される賦形剤が、バイアル中に存在してもよい。患者への投与中に、バイアルの内容物全体を、0.9%塩化ナトリウム注射、5%デキストロース注射およびその他の一般的に用いられる静脈内注入溶液のような注入流体に加え、次いで、静脈内注入によりそれを必要とする患者に投与する。
実施例1〜7にこのようにして示される医薬組成物は、製剤中に抗酸化剤を含まず、ラパマイシンエステルの現在販売されている製剤に匹敵し、さらによりよい安定性プロフィールを示す。表1B、2B、3B、4B、5B、6Bおよび7Bに示す安定性プロフィールからわかるように、本発明の全ての製剤は、これらを40℃、25℃および2〜8℃にて、7日〜6ヶ月の期間貯蔵した場合に、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの現在販売されている製剤に匹敵し、時折よりよい安定性を示すことが見出されている。
本発明は、経口投与に適するラパマイシンエステルの固体医薬組成物も提供する。これらの固体医薬組成物は、ラパマイシンエステルを、スクロース、ラクトース、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、アカシアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシルセルロース(hydroxhylcellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非結晶セルロース、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルエステルワックス、デキストレート(dextrate)、デキストリン、ラクトース、デキストロース、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル、ポリオキシレンアルキルエーテル(polyoxhylene alkyl ether)、ポリヒレングリコール(polhylene glycol)、ポリオキシレンひまし油誘導体(polyoxhylene castor oil derivative)、ステアリン酸ポリオキシレン(polyoxhylene stearate)およびポリビニルアルコールを含む群から選択される結合剤、充填剤、崩壊剤および滑沢剤のような医薬的に許容される賦形剤とともに含有する。これらの成分に加えて、製剤は、上記のような界面活性剤および酸のようなその他の医薬的に許容される賦形剤も場合によって含有することもできる。このようにして提供される固体剤形は、湿潤造粒により調製され、ここで、顆粒は、水およびアルコール(エタノールが、好ましいアルコール性成分である)を含む溶剤系を用いて得られる。溶剤として用い得るその他のアルコールは、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールである。このような医薬組成物の重要な態様は、これらがいずれの抗酸化剤も含有せず、現在販売されている製剤よりも良い安定性とまではいかないにしても同様の安定性を有することが見出されていることである。
本発明の別の態様は、以下に示す2バイアル医薬組成物を調製するプロセスを提供する。
第1バイアルの内容物の調製:
まず、調合容器の全ての温度を、2℃〜8℃に維持する。これに、所望の量の90%のアルコール性溶剤、すなわち無水アルコールおよびプロピレングリコールを加える。場合によって、ポリソルベート80を調合容器に加える。さらに場合によって、乳酸ストック溶液をエタノール中で調製して、これを、一定の撹拌の下で調合容器に加える。この調製の重要な態様は、窒素パージングであり、これは、調合容器中にスパージャーにより開始される。また、窒素雰囲気が、プロセス全体を通してヘッドスペースに窒素を流すことにより維持される。この段階で、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、一定の撹拌の下で調合容器にゆっくりと加え、容量を、無水アルコールを用いて100%にする。この溶液を、適切な0.22μ滅菌グレードフィルタを通して窒素の下でろ過し、窒素を流しながらI型透明ガラスバイアルに充填する。
第2バイアルの内容物の調製:
調合容器中に、所望の量のアルコール性溶剤、すなわちポリエチレングリコール400を加え、撹拌を継続する。これに、所望の量のプロピレングリコールおよび場合によってポリソルベート80を、継続的な撹拌の下で加える。最後に、所望の量の無水アルコールを、調合容器に、均質な溶液が得られるまでの継続的な撹拌の下で加える。窒素ガスを、調合容器中にスパージャーを通してパージする。塊を、適切な0.22μ滅菌グレードフィルタを通して窒素の下でろ過し、窒素を流しながらI型透明ガラスバイアルに充填する。
最後に、2つのバイアルの内容物を、0.9%塩化ナトリウム注射、5%デキストロース注射およびその他の一般的に用いられる静脈内注入溶液のような滅菌注入溶液を含む希釈流体に加え、それを必要とする患者に投与する。
別の態様では、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの1バイアル医薬組成物を調製するプロセスであって、第1ステップにおいて、調合容器の温度が2℃〜8℃に維持されるプロセスが提供される。次いで、所望の量の無水アルコールの80%を調合容器に入れる。この後に、エタノール中の乳酸ストック溶液を、一定の撹拌の下で加える。窒素パージングを、調合容器中にスパージャーを通して開始する。また、窒素雰囲気を、プロセス全体を通してヘッドスペースに窒素を流すことにより維持する。この溶液に、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、一定の撹拌の下でゆっくり加える。薬物が溶解した後に、所望の量のアルコール性溶剤、すなわちプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400および場合によってポリソルベート80を、一定の撹拌の下で調合容器に加える。容量を、無水アルコールを用いてバッチサイズの100%にする。この溶液を、適切な0.22μ滅菌グレードフィルタを通して窒素の下でろ過し、窒素を流しながらI型透明ガラスバイアルに充填する。
最後に、バイアルの内容物を、0.9%塩化ナトリウム注射、5%デキストロース注射およびその他の一般的に用いられる静脈内注入溶液のような滅菌注入溶液を含む希釈流体に加え、それを必要とする患者に投与する。
本発明の医薬組成物と販売されている製剤との間の大きな違いは、本発明の製剤中に抗酸化剤が存在しないことにある。しかし、これらの製剤は、販売されている製剤と同様に安定であることが見出され、販売されている製剤よりもよい安定性を示すことも見出されている。
本発明を、以下の実施例によりさらに説明するが、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されない。
上記の本発明の医薬組成物は、1バイアルまたは2バイアル組成物として提供できる。実施例1〜5は、抗酸化剤を本質的に含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの2バイアル組成物を提供する。実施例6〜7は、抗酸化剤を本質的に含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの1バイアル組成物を提供する。さらに、いずれの抗酸化剤も本質的に含まない本発明の組成物の安定性プロフィールと比較した、販売されているTorisel(商標)組成物に類似し、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを抗酸化剤および酸(クエン酸)とともに本質的に含有する組成物の安定性プロフィールを表1B、2B、3B、4B、5B、6Bおよび7Bに示す。これらの表に示す安定性データから、本発明の医薬組成物が、これらを同様の貯蔵条件下に同じ期間貯蔵した場合に、販売されている組成物に類似の医薬組成物に匹敵し、時折よりよい安定性プロフィールを示すことが明らかである。
Torisel(商標)製品を入手できなかったので、本発明者らは、以下に示すように、Torisel(商標)組成物と全く同様の医薬組成物を調製した。
3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、無水アルコール(39.5% w/v)、d,l-アルファ-トコフェロール(0.075% w/v)、プロピレングリコール(50.3% w/v)および無水クエン酸(0.0025% w/v)の混合物に溶解した。ポリソルベート80 (40.0% w/v)、ポリエチレングリコール400 (42.8% w/v)および無水アルコール(19.9%w/v)を含有する希釈剤。この医薬組成物は、販売されている組成物と同様である。
本発明による医薬組成物の様々な実施形態を調製し、様々な加速および実時間の安定性条件下で貯蔵した場合のそれらの安定性および不純物プロフィールについて研究した。本発明に従って調製した医薬組成物と販売されている組成物に類似の組成物との安定性プロフィールの比較も、以下に示すように表1B〜7Bに示す。
実施例1:本実施例に示す医薬組成物は、いずれの抗酸化剤もキレート化剤(酸)も含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの2バイアル組成物である。この組成物は、アルコール性溶剤、すなわちプロピレングリコールおよび無水アルコールの混液に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを一方のバイアルに含み、第2バイアルは、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール400および無水アルコールの混液である希釈剤を含有する。本発明者らが調製した医薬組成物の単位組成物処方を、表IAに示す。
本発明の処方から調製した医薬組成物と、販売されている組成物に類似の医薬組成物との安定性プロフィールの比較は、40℃のストレス条件下では、本発明の組成物の不純物プロフィールが、販売されている製剤に類似の組成物の不純物プロフィールよりも、同じ条件下で、7日間の期間にわたって高いことを示す。これらの両方の製剤を25℃にて3ヶ月および6ヶ月の期間保持した場合、本発明の製剤は、販売されている製剤に類似の製剤と比較して、合計不純物プロフィールの点で匹敵し且つわずかによりよい安定性プロフィールを示すということができる。2〜8℃にて3および6ヶ月の期間貯蔵した場合、2つの製剤は、同等の安定性を示すことがわかる。
よって、上記の本発明の医薬組成物は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの販売されている製剤に類似の組成物と相対的に同様の安定性を示す。
実施例2:本実施例に示す医薬組成物は、いずれの抗酸化剤も含まず、クエン酸の代わりに乳酸を含有する、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの2バイアル製剤である。この組成物は、アルコール性溶剤、すなわちプロピレングリコールおよび無水アルコールの混液に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、乳酸とともに一方のバイアルに含み、第2バイアルは、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール400および無水アルコールの混液である希釈剤を含有する。本発明者らが調製した医薬組成物の単位組成物処方を、表IIAに示す。
本発明の処方プロトコールから調製した医薬組成物と、販売されている組成物に類似の製剤との安定性プロフィールの比較は、40℃のストレス条件下では、本発明の組成物の不純物プロフィールが、販売されている製剤の不純物プロフィールと、同じ条件下で、7日間の期間保持した場合に、極めて類似することを示す。しかし、25℃にて3ヶ月および6ヶ月の期間のような別の貯蔵条件下では、本発明の製剤は、本発明の製剤と比較して、よりよい安定性プロフィールを示す。同様に、2〜8℃にて、本発明の製剤は、販売されている製剤に類似の製剤と比較して、これら2つを3ヶ月および6ヶ月の期間にわたってそれぞれ貯蔵した場合に、よりよい安定性プロフィールを示す。
よって、上記の本発明の医薬組成物は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの販売されている製剤に類似の組成物と相対的に同様で、さらによりよい安定性プロフィールを示す。
実施例3:本実施例に示す医薬組成物は、いずれの抗酸化剤も酸も含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの2バイアル製剤である。この組成物は、ポリソルベート80(界面活性剤)に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを一方のバイアルに含み、第2バイアルは、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400および無水アルコールの混液である希釈剤を含有する。本発明者らが調製した医薬組成物の単位組成物処方を、表IIIAに示す。
本発明の処方プロトコールから調製した医薬組成物と、販売されている組成物に類似の製剤との安定性プロフィールの比較は、40℃のストレス条件下では、本発明の組成物の不純物プロフィールが、販売されている製剤の不純物プロフィールよりも、同様の条件下で7日間の期間保持した場合に、実質的に低いことを示す。25℃にて3ヶ月のようなその他の貯蔵条件下では、本発明の製剤は、本発明の製剤と比較してよりよい安定性プロフィールを示す。同様に、2〜8℃にて、本発明の製剤は、販売されている製剤に類似の製剤と比較して、これら2つを3ヶ月の期間にわたって貯蔵した場合に、よりよい安定性プロフィールを示す。
よって、上記の本発明の医薬組成物は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの販売されている製剤に類似の組成物よりも安定であるということができる。
実施例4:本実施例に示す医薬組成物は、いずれの抗酸化剤も含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの2バイアル製剤である。この組成物は、ポリソルベート80(界面活性剤)に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを乳酸とともに一方のバイアルに含み、第2バイアルは、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400および無水アルコールの混液である希釈剤を含有する。本発明者らが調製した医薬組成物の単位組成物処方を、表IVAに示す。
本発明の処方プロトコールから調製した医薬組成物と、販売されている組成物に類似の製剤との安定性プロフィールの比較は、40℃のストレス条件下では、本発明の組成物の不純物プロフィールが、販売されている製剤の不純物プロフィールと比較して、両方の組成物を同様のストレス条件下で7日間の期間貯蔵した場合に、実質的により低いことを示す。同様に、2つの製剤を25℃にて3ヶ月の期間貯蔵した場合に、販売されている組成物に類似の組成物から得られる不純物は、本発明の組成物から得られる不純物よりもかなり高い。同様に、2つの製剤を2〜8℃にて3ヶ月の期間にわたって貯蔵した場合に、販売されている組成物に類似の組成物から得られる不純物は、本発明の組成物から得られる不純物よりもかなり高い。
よって、上記の本発明の医薬組成物は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの販売されている製剤に類似の組成物よりも安定であるということができる。
実施例5:本実施例に示す医薬組成物は、いずれの抗酸化剤も含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの2バイアル製剤である。この組成物は、ポリソルベート80(界面活性剤)に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、乳酸およびエタノールとともに一方のバイアルに含み、第2バイアルは、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400および無水アルコールの混液である希釈剤を含有する。本発明者らが調製した医薬組成物の単位組成物処方を、表VAに示す。
本発明の処方プロトコールから調製した医薬組成物と、販売されている組成物に類似の製剤との安定性プロフィールの比較は、40℃のストレス条件下では、本発明の組成物の不純物プロフィールが、販売されている製剤の不純物プロフィールよりも、両方の組成物を同様のストレス条件下で3および7日間の期間貯蔵した場合に、実質的に低いことを示す。
よって、上記の本発明の医薬組成物は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの販売されている製剤に類似の組成物よりも安定であるということができる。
実施例6:本実施例に示す医薬組成物は、いずれの抗酸化剤も含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの1バイアル製剤である。この組成物は、ポリソルベート80(界面活性剤)に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、乳酸、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400および無水アルコールとともに含む。本発明者らが調製した医薬組成物の単位組成物処方を、表6Aに示す。
本発明の処方プロトコールから調製した医薬組成物と、販売されている組成物に類似の製剤との安定性プロフィールの比較は、40℃のストレス条件下では、本発明の組成物の不純物プロフィールが、販売されている製剤の不純物プロフィールよりも、同様の貯蔵条件下で7日の期間保持した場合に、実質的に低いことを示す。25℃にて3ヶ月および6ヶ月の期間のような別の貯蔵条件下では、本発明の製剤は、本発明の製剤と比較してよりよい安定性プロフィールを示す。同様に、2〜8℃にて、本発明の製剤は、販売されている製剤に類似の製剤と比較して、これら2つをそれぞれ3ヶ月および6ヶ月の期間にわたって貯蔵した場合に、よりよい安定性プロフィールを示す。
よって、上記の本発明の医薬組成物は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの販売されている製剤に類似の組成物よりも安定であるということができる。
実施例7:本実施例に示す医薬組成物は、いずれの抗酸化剤も含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの1バイアル製剤である。この組成物は、ポリソルベート80(界面活性剤)に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを、乳酸および無水アルコールとともに含む。本発明者らが調製した医薬組成物の単位組成物処方を、表7Aに示す。
本発明の処方プロトコールから調製した医薬組成物と、販売されている組成物に類似の製剤との安定性プロフィールの比較は、40℃のストレス条件下では、本発明の組成物の不純物プロフィールが、販売されている製剤の不純物プロフィールよりも、同様の貯蔵条件下で7日の期間保持した場合に、実質的に低いことを示す。
よって、上記の本発明の医薬組成物は、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの販売されている製剤に類似の組成物よりも安定であるということができる。
上記の実施例から、上記の実施例に示す本発明の全ての医薬組成物が、抗酸化剤を含まず、製剤の安定性をもたらすための重要な要素として抗酸化剤を含有する、現在販売されているTorisel(商標)製剤に匹敵し、ある場合にはさらによりよい安定性プロフィールを示すことが見出されたことがわかる。
よって、本発明の全ての医薬組成物、すなわち1バイアルおよび2バイアルの製剤は、抗酸化剤を含まず、販売されている製剤に類似の製剤に匹敵し、さらによりよい安定性プロフィールを示す。
本発明のある態様は、非経口投与に適切であり得るラパマイシンエステルの安定な医薬組成物を提供する。このような非経口製剤は、医薬的に許容される溶剤に溶解した3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルのようなラパマイシンエステルを含有し、該溶剤は、アルコール性溶剤である。該医薬組成物は、酸および界面活性剤のような医薬的に許容される賦形剤をさらに含む。本発明の非経口製剤は、さらに、用時調製型医薬組成物として提供できる。このような非経口医薬組成物は、抗酸化剤を含有せず、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの現在利用可能な販売されている製剤よりもよい安定性でないならば匹敵する安定性を示すことが見出されている。
本発明の非経口製剤は、非経口投与に適する用時調製型の溶液として提供できる。この製剤は、1〜50 mg/ml (好ましい濃度は、10〜25 mg/mlの間である)の範囲の濃度で3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを有する2バイアル形態または1バイアル形態としてさらに提示できる。これらの医薬組成物は、次いで、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの承認された適応症である進行腎細胞癌に罹患している患者を治療するために静脈内注入により投与される。

Claims (36)

  1. 抗酸化剤を含まないラパマイシンエステルの安定な医薬組成物。
  2. 非経口または経口投与用である請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 非経口投与用である請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 非経口投与が、静脈内、筋内または皮下の注射を含む請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 非経口投与が、静脈内注射を含む請求項4に記載の医薬組成物。
  6. ラパマイシンエステルが、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルである請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルが、約1mg/ml〜約50 mg/mlの範囲で存在する請求項1または6に記載の医薬組成物。
  8. 3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルが、約10 mg/ml〜約25 mg/mlの範囲で存在する請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルが、非経口で許容される溶剤に溶解されている請求項7または8に記載の医薬組成物。
  10. 非経口で許容される溶剤が、アルコール性溶剤である請求項9に記載の医薬組成物。
  11. アルコール性溶剤が、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600またはそれらの混合物を含む群から選択される請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 酸および界面活性剤をさらに含む請求項1または6に記載の医薬組成物。
  13. 酸が、脂肪酸またはカルボン酸から選択される請求項12に記載の医薬組成物。
  14. カルボン酸が、モノ-カルボン酸、ジカルボン酸またはトリ-カルボン酸を含む群から選択される請求項13に記載の医薬組成物。
  15. カルボン酸が、乳酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸およびシュウ酸を含む群から選択される請求項14に記載の医薬組成物。
  16. カルボン酸が、乳酸である請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート80、胆汁酸、レシチン、エトキシル化植物油、コハク酸ビタミンEトコフェロールプロピレングリコールまたはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含む群から選択される請求項12に記載の医薬組成物。
  18. 界面活性剤が、ポリソルベート80である請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 3.0〜5.0の範囲にpHを有する請求項1または6に記載の医薬組成物。
  20. pHが、好ましくは4.0〜4.5の範囲にある請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 1バイアルで提供され、ラパマイシンエステルが、非経口で許容される溶剤、酸および界面活性剤とともに1バイアル中に存在する請求項1または6に記載の医薬組成物。
  22. 2バイアルで提供され、第1バイアルが、薬物濃縮物を含有し、第2バイアルが、希釈剤混合物を含有する請求項1または6に記載の医薬組成物。
  23. 抗酸化剤を含まない3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの安定な医薬組成物を調製するプロセスであって、
    a) 調合容器を所定の温度に維持するステップと、
    b) 非経口で許容される溶剤を調合容器に加えるステップと、
    c) 窒素ガスを調合容器中にパージし、ヘッドスペースで窒素雰囲気を維持するステップと、
    d) 3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルを前記非経口で許容される溶剤と混合して薬剤濃縮物を形成するステップと、
    e) 非経口で許容される溶剤を混合して希釈剤混合物を形成するステップと、
    f) 前記薬剤濃縮物を前記希釈剤混合物と混合して、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルの最終医薬組成物を形成するステップと
    を含むプロセス。
  24. 温度が、0〜15℃に維持される請求項23に記載のプロセス。
  25. 温度が、2〜8℃に維持される請求項24に記載のプロセス。
  26. 非経口で許容される溶剤が、アルコール性溶剤である請求項23に記載のプロセス。
  27. アルコール性溶剤が、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600またはそれらの混合物を含む群から選択される請求項26に記載のプロセス。
  28. 界面活性剤および酸を加えるステップをさらに含む請求項23に記載のプロセス。
  29. 酸が、乳酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸およびシュウ酸を含む群から選択される請求項28に記載のプロセス。
  30. 酸が、乳酸である請求項29に記載のプロセス。
  31. 界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート80、胆汁酸、レシチン、エトキシル化植物油、コハク酸ビタミンEトコフェロールプロピレングリコールまたはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含む群から選択される請求項28に記載のプロセス。
  32. 界面活性剤が、ポリソルベート80である請求項31に記載のプロセス。
  33. 3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルが、約1mg/ml〜約50 mg/ml含まれる請求項23に記載のプロセス。
  34. 3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルが、約10 mg/ml〜約25 mg/ml含まれる請求項33に記載のプロセス。
  35. 請求項1に記載のラパマイシンエステルの安定な医薬組成物の、進行腎細胞癌に罹患している対象者を治療するための使用。
  36. ラパマイシンエステルが、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピオン酸とのラパマイシン42-エステルである請求項35に記載の使用。
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