JP2013525806A - 連続曲線モードで機能する走査型プローブ顕微鏡法による表面測定及び改質のための方法、それを実施するための走査型プローブ顕微鏡及びデバイス - Google Patents

連続曲線モードで機能する走査型プローブ顕微鏡法による表面測定及び改質のための方法、それを実施するための走査型プローブ顕微鏡及びデバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、連続“曲線”モードで動作する走査型プローブ顕微鏡を用いた、表面改質方法、及び多様な相互作用力(摩擦力、接着力)を測定する方法に関し、また、その方法を実現するための走査型プローブ顕微鏡及びデバイスにも関する。

Description

本発明は、連続曲線モードで機能する走査型プローブ顕微鏡法による表面測定及び改質のための方法に関する。また、本発明は、その表面測定及び改質方法を実施するための走査型プローブ顕微鏡、並びに、その方法の実施を可能にし、あらゆるタイプの走査型プローブ顕微鏡に適用可能なデバイスにも関する。
導電体の研究に限定されている走査型トンネル顕微鏡法(STM,scanning tunneling microscopy)と比較すると、AFMは、導電体の研究だけではなく、ポリマー、セラミック、生体物質等の非導電体の研究も可能にし、また、これを、多様な環境(大気、気体、液体、腐食性、不活性、多様な温度、制御された湿度レベル)において、サンプルの特定の前準備無しで可能にしている。
1986年のその発明以来(非特許文献1)、原子間力顕微鏡(AFM,atomic force microscope)又は原子間力顕微鏡法(AFM,atomic force microscopy)は、ピコニュートン分解能での力の測定及び/又はナノメートル分解能でのサンプルの表面トポグラフィの画像化のための無視できない方法となっている。
AFMの原理は、非常に細いチップと物質表面との間の多様な相互作用力を測定することに基づいており、そのチップの先端は、理想的には、カンチレバーと称されるレバーアームの先端に原子的に取り付けられる。
AFMは、以下の三つの基本的な方式で動作する:
‐ 接触モード: チップはサンプル表面に極めて近く(数オングストローム)、立体反発のため、斥力が支配的である;
‐ 非接触モード: カンチレバーは、数nmの範囲内の小さな振幅でその共振周波数近くにおいてサンプル表面の周りで振動する。支配的なのは引力である(ファンデルワールス力、磁気的なもの、静電的なもの…);
‐ タッピングモード: カンチレバーは、20nmの範囲内の十分大きな振幅でその共振周波数近くにおいて振動する。チップは、サンプル表面の引力場、そして斥力場を通って動くので、サンプル表面とは周期的にのみ接触するようになる。
チップとサンプルとの相互作用は、振幅の変動、又は、カンチレバーの非常に小さな偏向(数ピコメートルから最大でも数百ナノメートルの範囲)を誘起する。この偏向は一般的に、カンチレバーの先端で反射するレーザービームによる光学システムによって検出され、その光路は、ミラーを用いてガイドされて、光検出器によってキャプチャされる。
従って、表面がチップによって走査される場合、振幅の急な変動、又は、カンチレバーの垂直偏向及び/又は横ねじれは、光学システムを用いて検出されて、表面のトポグラフィ画像を得ることができる。
本発明において、以下、カンチレバー及びチップによって構成されたユニットのことを、“プローブ”と称する。カンチレバーは、サンプルの水平面に対して傾斜して、プローブは、プローブホルダーを介して顕微鏡に取り付けられる。
“表面”及び“表面サンプル”との用語は、本発明において区別なく用いられる。
分析されるサンプルは、サンプルホルダー上に置かれる。
AFMの構成によると、プローブホルダー又はサンプルホルダーは、剛体管によって構成された三つのアクチュエータ(典型的には圧電性セラミック)を用いて運動させられて、電圧が、多様な空間方向における変位を得るためにアクチュエータに印加される。
本発明によると、直交座標系(XYZ)が用いられ、ここで、X軸、Y軸、Z軸は、プローブホルダー又はサンプルホルダーの変位を可能にするアクチュエータの変位軸として定義される。
直交座標系(X,Y,Z)の座標(x,y,z)は、空間中の位置を定義するのに参照される。
原子間力顕微鏡には多様な市販の構成が存在し、プローブホルダーが不動の一方でサンプルホルダーが運動させられるか、又は、サンプルホルダーが不動の一方でプローブホルダーが運動させられる。
従来、AFM測定結果は以下の二つの機能モードによって得られている:
‐ 画像モード(プローブがサンプル表面を(XY)平面内において水平に走査する)。この動作モードによって、サンプル表面のx、y、z位置の関数の大きさ(一般的にはトモグラフィ)を特徴付ける画像にアクセスすることができるようになる。また、ナノメートル、場合によってはマイクロメートルの距離に対する一次元(X又はY方向)の横方向周期的走査中に、例えばトポグラフィや摩擦力等の物理的大きさにアクセスすることもできる;
‐ 力分光法モード(“接近‐撤退(approach‐withdrawal)”力曲線を発生させて、チップとサンプル表面との間の相互作用を測定しながら、アクチュエータのZ方向におけるサンプル表面に対してプローブが近づき離れる周期を設定することができる)。AFMにおいて、Z軸におけるアクチュエータの変位に関するチップとサンプルとの間の相互作用力値を表す力スペクトルが、得られる。このモードによって、接着力及び/又は引力並びにサンプルの弾性について局所的にアクセスすることができるようになる。
このモードは、生物医学研究において、分子間(リガンド/レセプタ、抗体/抗原、DNA/タンパク質)の相互作用を測定するのに用いられる。
Binnig et al.、Phys.Rev.Lett.、第56巻、第9号、p.930、1986年
画像モード又は力分光法モードにおいて、従来のシステムには欠点がある。
実際、チップがサンプル表面と接触すると、空気中の湿度及び表面の親水性に起因したナノ毛管凝縮メニスカスが、典型的にはミリ秒以上の接触時間に対して、チップと表面との間に形成され得る。この毛管凝縮メニスカスのラプラス降下は、数十nMの範囲内の接着力を生じさせて、これは、曲げ部又はカンチレバーによって生じる支持力に加えられる。結果として、毛管力以下の支持力での作動接触モードが事実上不可能となり、この画像化モードが、サンプル表面に対して特に劣化したものになる。
更に、力スペクトル中に測定される接着力は、チップとサンプルとの間の相互作用力に関与するだけではなく、毛管接着力にも関与する。従って、磁力、ファンデルワールス力、静電力等の特定の相互作用力を、こうした毛管力によって乱されずに測定することは不可能である。
更に、x‐y位置に関する具体的な大きさの測定の場合、プローブホルダー(又はサンプルホルダー)に課される周期的走査は、特に、戻る前の一時的な停止に起因して周期の折り返し点において、一定の線形速度でホルダーが変位することを許容しない。従って、この大きさの測定は、測定期間中に一定速度でなされず、定常状態を観察することが時々不可能となる。一例として、摩擦力の測定中に、毛管凝縮メニスカスは、停止時間中に形成され、滑り中に消失し易くて、全非接触力を生じさせて、測定結果を変化させる。
従って、液体、制御された湿度又は超高真空環境が、毛管凝縮メニスカスの形成に起因する追加の相互作用力を無効にするのに必要となる。
従って、大気環境下で動作しながらも、毛管凝縮現象の無い測定を実現することができるのが有利である。
本発明者は、測定プロセス中に、分析されるサンプル(サンプルはサンプルホルダー上に配置される)の表面に対するプローブの曲線状で連続的な相対変位を課すことによって、これが可能となることを見出した。
有利には、曲線状で連続的な相対運動は一様である。従って、測定を、停止時間の無い一定速度で、言い換えると、定常状態に達することによって、行うことができる。
本発明によると、“連続”運動とは、オフタイムを経ない運動のことを意味する。
“一様”運動とは、急激な変化を経ない速度(あらゆる点において微分可能な速度)での運動を意味する。
“曲線”運動又は“曲線”モードとは、二つの高調波電圧V(t)及びV(t)(X電圧及びY電圧とも称される)の印加によって発生する運動を意味し、それら二つの高調波電圧X及びYはそれぞれ振幅A、A’で、周波数f及びその高調波i・f(iは整数)の正弦波電圧で構成されて、角度φで互いに位相シフトされている。本発明によると、電圧は以下のように定義され:
ここで、ωは、2π×周波数fに等しい角周波数であり;
及びA’はそれぞれ、電圧V(t)、V(t)の高調波の振幅であり;
Φ及びΦ’はそれぞれ、電圧V(t)、V(t)の高調波iの位相シフトである。
円運動又は楕円運動は、曲線運動の特別な場合である。
プローブホルダーとサンプルホルダーとの間の“相対”運動は、サンプルホルダーが静止したままでのプローブホルダーの運動、又は、プローブホルダーが静止したままでのサンプルホルダーの運動を意味する。
場合によっては、プローブ変位、サンプル変位と言ったりもする。
本発明によると、分析される表面は、巨視的スケールで略平坦な表面を表す。勿論、このサンプルは、ナノメートルスケールにおいて粗さを示す。
本発明は、以下の説明を読み図面を参照することによって、より良く理解されるものである。
従来のAFMの一般的な動作原理の概略図であり、プローブホルダーが静止していて、サンプルホルダーのレベルにおいて、X、Y、Z軸に沿った変位がなされる。 一定速度での円運動を表す。 時間の関数として、一定速度での円運動(図2a)をもたらす本発明に係る制御電圧として考えられる曲線を表す。 時間の関数として、一定速度での円運動(図2a)をもたらす本発明に係る制御電圧として考えられる曲線を表す。 一定速度での楕円運動を表す。 時間の関数として、一定速度での楕円運動(図3a)をもたらす本発明に係る制御電圧として考えられる曲線を表す。 時間の関数として、一定速度での楕円運動(図3a)をもたらす本発明に係る制御電圧として考えられる曲線を表す。 一定速度での曲線運動を表す。 時間の関数として、一定速度での曲線運動(図4a)をもたらす本発明に係る制御電圧として考えられる曲線を表す。 時間の関数として、一定速度での曲線運動(図4a)をもたらす本発明に係る制御電圧として考えられる曲線を表す。 本発明に係るデバイス及びそのAFMへの接続の基本原理の概略図を示す。 アクチュエータの垂直変位の関数としてカンチレバーの偏向を示し、また、本発明の例1を示す。 所定の滑り速度における接着力(曲線7aの最小値)及び摩擦力(図7bに示される傾斜によって、摩擦係数を直接得ることができる)の同時取得を表し、また、本発明の例2を示す。 所定の滑り速度における接着力(曲線7aの最小値)及び摩擦力(図7bに示される傾斜によって、摩擦係数を直接得ることができる)の同時取得を表し、また、本発明の例2を示す。 本発明に係る連続曲線運動の適用に関連する摩耗によってなされた表面改質を強調するトポグラフィ画像である。
AFM(図1)の原理は、圧電性セラミック3を用い、プローブ1でサンプル表面2を走査することにある。プローブのチップに働く相互作用力の測定は、チップの頂部に集束させたレーザービーム4で行われる。そして、ミラー5によるこのレーザー信号の反射を、四つの光電セル6によって構成された検出器上に収集する。検出器上のこの位置によって、ピコニュートンの範囲内の分解能でカンチレバーの垂直又は横方向の偏向の定量化が可能になる。
この位置は、セル上のスポットの横変位を介して引力、斥力、更には摩擦力を検出するための基準として機能する。
フィードバックループ7は、表面の走査中に、サンプル表面に対して一定の距離にプローブを維持することによって、又は、カンチレバーの一定の相互作用を課すことによって、表面のトポグラフィ画像を得ることを可能にする。また、水平走査(X軸及びY軸に従う)を抑制して、垂直走査(Z軸に従う)を実現することもでき、言い換えると、サンプルに対するプローブホルダーの接近及び撤退周期を実現することができる。この力の測定モードでは、水平走査がいらず、フィードバックループが用いられない。従って、カンチレバーの偏向が、異なる分離距離においてサンプルの特定の点において、Z方向のアクチュエータの変位に対してより正確に測定される。
従来の測定においては、アクチュエータのXY変位面が、サンプル表面に対して僅かに傾斜していて、言い換えると、水平走査が、サンプル平面において行われない。
従来技術のデバイスには、三つの空間方向X、Y、Zにおける圧電性セラミックの特定の制御を可能にする信号へのアクセスを可能にするモジュールが設けられ得る。
AFM型の構成によると、変位を可能にする手段は、プローブホルダー又はサンプルホルダーの圧電性アクチュエータである。
本発明者は、プローブホルダーとサンプルとの間に相対的に一様な曲線運動を発生させることよって、全測定期間中に、加速又は減速が無く、停止時間が無く、変位方向の突然の変化の無い、一定の変位速度でデータにアクセスすることが可能になることを見出した。
従って、本発明の対象は、サンプルホルダー及びプローブホルダーが相対的に一様に曲線運動する走査型プローブ顕微鏡法による測定方法である。
この方法は、行き来による従来の走査モードにおいて見受けられる変位方向の突然の変化によって誘起される現象を回避することによって、有効となる。例えば、接触モードでは、行き来するモードでの走査は、走査方向の反転に必要な時間において、せん断応力、弾性及び塑性変形、接触温度、接着力等の突然の変化を引き起こし得て、プローブ及びサンプルの相互作用の非定常状態をもたらす。
更に、カンチレバーモードは、フィードバック無しで用いられると、アクチュエータの高周波供給電圧での動作可能性に対する作用によって現状利用可能な値に対して、少なくとも三十倍優れたXY平面における変位速度を得ることができる。本発明者によって開発されたデバイスでは、100mm・s−1の範囲内の速度に達することができるが、より顕著な速度が、高周波(MHz、GHz)での変位を生じさせることのできる圧電性アクチュエータを用いることによって、達成され得る。これは、特に、本発明において説明されるように表面改質の場合において当てはまる。何故ならば、こうした改質を、従来技術よりも速い速度で実現することができるからである。
プローブの連続曲線運動の顕著な速度は、毛管凝縮メニスカスの形成を防止して、上述の多様な問題が存在せずに、滑り速度の関数として、相互作用力を同時測定することを可能にする。
本発明に係る方法は、走査型トンネル顕微鏡法(STM)、走査型近接場光学顕微鏡法(SNOM、scanning near optical microscopy)等の走査型プローブ顕微鏡(又はクローズフィールド)、及びあらゆる走査型プローブ顕微鏡法(SPM,scanning probe microscopy)に適用可能である。
[方法]
第一実施形態によると、本発明の方法は、以下のステップを備えた走査型プローブ顕微鏡法による測定方法である:
(a)走査型プローブ顕微鏡法用のプローブのチップを分析されるサンプルの表面に近付けるステップ;
(b)分析されるサンプルの表面の平面内においてプローブに対してサンプルの表面を相対的に連続曲線運動させるステップ;
(c)分析されるサンプルの表面と走査型プローブ顕微鏡法用のチップとの間に働く相互作用を検出するステップ。
この方法は、特に原子間力顕微鏡法に適用される。
従って、本発明は、以下のステップを備えた原子間力顕微鏡法による測定方法にも関する:
(a)原子間力顕微鏡法用のプローブを分析されるサンプルの表面に近付けるステップ;
(b)分析されるサンプルの表面の平面内において、プローブに対してサンプルの表面を相対的に連続曲線運動させるステップ;
(c)分析されるサンプルの表面と原子間力顕微鏡法用のチップとの間に働く摩擦力によって誘起される横力を検出するステップ。
上述の方法の実施によって得られる測定によって、例えば、摩擦力の発展等の分析される表面のトライポロジー特性を、曲線運動の速度の関数として、求めることが可能になる。
第二実施形態によると、本発明の方法は、以下のステップを備えた走査型プローブ顕微鏡法による測定方法である:
(a)走査型プローブ顕微鏡法用のプローブのチップを分析されるサンプルの表面に近付けるステップ;
(b)チップに対してサンプルの表面を相対的に連続曲線運動させる一方、その表面をZ軸に沿って相対的に運動させるステップ(その運動はサンプルの表面に対して略垂直である);
(c)分析されるサンプルの表面と走査型プローブ顕微鏡法用のチップとの間に働く相互作用を検出するステップ。
この第二方法は特に原子間力顕微鏡法に適用される。
従って、本発明は、以下のステップを備えた原子間力顕微鏡法による測定方法にも関する:
(a)原子間力顕微鏡法用のプローブのチップを分析されるサンプルの表面に近付けるステップ;
(b)チップに対してサンプルの表面を相対的に連続曲線運動させる一方、その表面をZ軸に沿って相対的に運動させるステップ(その運動はサンプルの表面に略垂直である);
(c)分析される表面と原子間力顕微鏡法用のチップとの間に働く相互作用力を検出することによって、表面に向かう又はその逆におけるチップの撤退中の接触力及び/又は摩擦力に、接近‐撤退サイクル中及びチップがサンプルの表面に接触している際に課される垂直力の関数としてアクセスすることを可能にするステップ。
従って、毛管凝縮メニスカスに関係する力の無い接着力の測定によって、力曲線を求めることができる。
更に、滑り速度、言い換えると、チップに対する表面の変位速度を変更して、滑り速度の関数として接着力を測定することができる。
更に、上述の方法は、非常に有利な方式において実現され、アクチュエータの(XY)変位面内の連続的な相対曲線運動と、アクチュエータのZ変位軸に沿った相対運動との間の結合によって、摩擦係数にアクセスするために複数回の測定を必要とする現状の方法と比較して、異なる垂直力値に対する摩擦力の同時測定のおかげで、摩擦係数を一回の測定で求めることが可能になる。実際、従来の構成では、摩擦力の一回での測定は、所定の印加垂直力に対して可能である。
本発明の方法では、垂直力の変化は、単純に、サンプルの表面に対するチップの接近及び撤退によって誘起され、プローブ及びサンプルが接触している際の相対運動によって発生する摩擦力は、一様な曲線運動によって同時に測定される。従って、一回の接近‐撤退周期が、印加された垂直力の関数として摩擦力を表す直線をトレースして、摩擦係数を導出するために必要となる。
従って、科学的観点から、接着力からの摩擦係数の変化と、毛管凝縮メニスカスの存在との間の直接相関を求めることができる。このためには、この測定を異なる滑り速度で行い、摩擦係数及び接着力を測定すれば十分である。
また、本発明によると、上述の方法に対して以下のステップを追加することによって、力曲線、摩擦曲線又は摩擦係数曲線のマッピングを作成することもできる:
(d)ステップ(c)の後に、圧電性アクチュエータを用いて、プローブ又はサンプルを他の座標(x、y)に移すステップ;、
(e)ステップ(a)、(b)、(c)を繰り返すステップ;
(f)ステップ(d)及び(e)を繰り返すステップ。
一実施形態によると、サンプルホルダー及びプローブホルダーは、測定プロセス中に連続的に相対曲線一様運動させられる。
好ましい実施形態によると、曲線運動は円運動である。
他の実施形態によると、サンプルの表面はX方向及びY方向に沿って調整されて、サンプルの表面がアクチュエータの変位面と平行になるようにする。
他の実施形態によると、プローブは、測定(非接触モード又は断続的接触)全体にわたって、その共振周波数近くで振動する。
本発明によると、分析されるサンプルは導電性又は絶縁性であり得る。
測定中において、少なくとも分析される表面及び走査型プローブ顕微鏡法用(特に原子間力顕微鏡法用)のチップが液体媒体中に浸漬され得る。
上述の方法を用いて得られた測定は、厳密で再生可能な計測の高速展開を可能とし、また、ナノメートルスケールにおける新たな測定基準となるものである。
また、本発明の方法は、顕著な時間長にわたって改質される表面に対してチップを相対的に曲線運動させて、表面改質方法全体にわたってZ軸に沿って印加された垂直力を変化すること、又は変化させないことによる表面改質の誘起を可能にする。
[走査型プローブ顕微鏡]
本発明の他の対象は、上述の方法の実施を可能にする走査型プローブ顕微鏡に関する。
本発明によると、走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバー及びチップによって構成されたプローブ(そのプローブは、プローブホルダー介して顕微鏡に連結される)と、サンプルホルダーと、プローブホルダーに対するサンプルホルダーの相対的変位を許容する変位手段とを備える。測定中、変位手段は、サンプルホルダーとプローブホルダーとの間に相対的な連続曲線運動を発生させる。
好ましい実施形態によると、走査型プローブ顕微鏡は原子間力顕微鏡である。
本発明は、どのような走査型プローブ顕微鏡の構成にも適用可能である。言い換えると、本発明の走査型プローブ顕微鏡の変位手段は、サンプルホルダー又はプローブホルダーの曲線運動を発生させるのを促進する。
また、走査型プローブ顕微鏡は、プローブとサンプルホルダーとの間のZ軸に沿った相対運動を発生させるのを促進する変位手段も備え、その運動は、サンプルホルダーの自由端において垂直であり、連続曲線運動で分析されるサンプルの表面を走査する一方で、接近‐撤退周期を実行することを可能にする。
従って、上述のように、本発明の原子間力顕微鏡を用いて、曲線モードでの同一の滑り速度に対して、プローブ‐サンプルの接触時に誘起される異なる垂直力の関数として接着力及び摩擦力を同時に測定して、摩擦係数を求めることができる。
市販のAFMに付随する電子機器は、特に、Z軸を制御することを可能にして、力曲線を得るために、サンプル上にプローブによって印加される垂直力を変化させることを可能にする。
この電子機器は、本発明の原子間力顕微鏡において使用可能である。
従って、本発明の原子間力顕微鏡は、接近‐撤退(摩擦力の測定)無しの連続曲線モードにおける測定方法の実現を可能にするだけではなく、毛管凝縮現象又は、測定中の停止時間の固有の接触の特性の変更無しでの、接近‐撤退(垂直力の関数としての、接着力の測定、又は接着力及び摩擦力の同時測定)を有する連続曲線モードでの測定方法も可能にする。
他の実施形態によると、本発明の原子間力顕微鏡は、連続曲線運動がサンプル平面内で行われるようにサンプルを調整するのを促進し、言い換えると、連続曲線運動は、サンプルホルダーとプローブホルダーとの間のZ軸に沿った距離の変化を発生させない。従って、プローブとサンプルとの間の相互作用(例えばカンチレバーの屈曲)は一定である。これによって、曲線のトレースに対する振動につながる相互作用の変動が無くなる。
多様な手段がサンプルを調整するために考えられる:
‐ 機械的調整が、X及びYにおける角度調整を含むマイクロメートル位置テーブルを用いてなされる;又は
‐ 制御システムを用いて、一定の高さを維持する;又は
‐ 電圧をアクチュエータのZ軸に与えて、サンプルの傾斜を補償するZ軸に沿った変位を生じさせる。その電圧Vは、X軸及びY軸に沿ってアクチュエータに送られる電圧V及びVと同じ二つの高調波電圧の異なる振幅の和に等しく、以下のように定義される:
(t)=aV(t)+bV(t)
ここで、a及びbは係数である。
特定の実施形態では、変位手段は、顕微鏡の構成に応じて、プローブホルダー又はサンプルホルダーの圧電性アクチュエータである。
従来のデバイスのように、本発明に係る顕微鏡には、三方向X、Y、Zにおける圧電性セラミックの特定の制御を可能にする信号に対するアクセスモジュールが設けられ得る。
本発明は非常に有利な方式でこの可能性を利用していて、二つの高調波電圧V(t)及びV(t)(X電圧及びY電圧とも称される)の変位手段の適用によって、プローブとサンプルとの間の相対的連続曲線運動を生じさせていて、ここで、X電圧及びY電圧はそれぞれ振幅A、A’で周波数f及びその高調波i・f(iは整数)の正弦波電圧で構成され、角度φで互いに位相シフトされている。本発明によると、電圧は以下のように定義される:
ここで、ωは、2π×f(周波数)に等しい角周波数であり、
及びA’はそれぞれ、電圧V(t)、V(t)の異なる高調波の振幅であり、
Φ及びΦ’はそれぞれ、電圧V(t)、V(t)の高調波iの位相シフトである。
一実施形態では、電圧又は電圧の対の周波数及び/又は振幅を利用することによって、変位速度を変更することができる。
他の実施形態によると、印加電圧は単純な正弦波電圧である。
更に、各軸に対する制御電圧の最適な構成を適用することができる。実際、例えばX軸を考えてみると、等しい値でそれぞれ−X及び+Xに対して逆の二つの電流の構成によって、この軸に対する変位を最大にすることができる。従って、軸[−X;+X]に沿った変位を制御する圧電性セラミックに対して−X及びXにおいて印加される+10ボルトの印加は、単に圧電性セラミックのXに沿って印加される20ボルトの電圧に対応する[−X;+X]に沿った変位を発生させる。
このため、好ましい実施形態によると、プローブとサンプルとの間の相対的連続曲線運動は、位相が逆の二つの高調波電圧対[−X及び+X]並びに[−Y及び+Y]の変位手段に対する印加によって発生し、高調波対[−X及び+X]並びに[−Y及び+Y]はそれぞれ振幅A、A’で周波数f及びその高調波i・f(iは整数)の正弦波電圧で構成され、角度φで互いに位相シフトされている。
図2、図3、図4には、一定速度での円変位、楕円変位、曲線変位を可能にする正弦波電圧の制御が示されている。
伝えられる電圧の振幅X、Y又は電圧対は、厳密に0V以上で、圧電性セラミックに印加可能な公称電圧以下である必要がある。
好ましくは、第一の高調波電圧X、Y又は電圧対[−X;+X]及び[−Y;+Y]の振幅A及びA’は、0.1Vから30Vの間、好ましくは5Vから15Vの間である。
本発明によると、伝えられる第一の高調波電圧X、Y又は電圧対[−X;+X]及び[−Y;+Y]の周波数fは、厳密に0Hz以上で、圧電性アクチュエータの第一の共振周波数の二倍以下であり、好ましくは10Hzから1000Hzの間である。
本発明によると、角度φは0.1°から360°(2π)の間である(2πを法として)。
本発明の好ましい実施形態によると、電圧X、Y、電圧対[−X;+X]及び[−Y;+Y]は、同一の振幅、同一の周波数及びπ/2[2π]に等しい角度φの位相シフトを示す単一の高調波で構成されて、円運動を生じさせる。
本発明によると、Z軸に沿った相対変位を、圧電性アクチュエータに対する三角電圧の印加によって発生させる。
Z軸に沿った変位速度は、電圧の周波数及び振幅に依存する。
以上の通り、本発明は、多数の技術的及び経済的利点を提供する。
実際、本発明の原子間力顕微鏡によって、厳密に一定の変位速度でのナノメートルスケールにおける局所的な力の測定方法を、最先端技術応用(電気機械微小システム、ハードドライブ、ナノシステム等)において実際に観測されている値に近い又は同様の不等値に対して実施することが可能になる。
[適用可能デバイス]
本発明の他の対象は、あらゆるタイプの走査型プローブ顕微鏡に適用可能であり、上述のような走査型プローブ顕微鏡の実施を可能にして、上記変位手段を制御するための手段を備えたデバイスに関する。
その制御手段は、走査型プローブ顕微鏡に関して上述した正弦波高調波電圧の印加によって構成される。
このようなデバイスは、市販の走査型プローブ顕微鏡に直接接続されて適用可能である。
このデバイスは以下の素子を備える:
‐ 数値的な電圧の発生を可能にするカード、及び、発生した電圧のパラメータの制御を可能にして、連続曲線運動を発生されるために使用者の要求に応じてパラメータを変化させるソフトウェアを備えたコンピュータ(A);
‐ デジタルアナログ変換器(B);
‐ 任意で、電圧対[−X;+X]及び[−Y;+Y]を印加する場合の変圧器(C);
‐ 信号にアクセスするためのモジュール又は、圧電性アクチュエータへの電圧の印加を可能にする他のシステム(D);
‐ 同期検出器(E);
‐ 任意で、同期検出器を制御して測定値を回収することを可能にする制御カード(F)。
一実施形態によると、素子(A)、(B)及び(C)を、有利に、互いに位相シフトされている複数の電圧を発生させて、それら電圧の振幅及び周波数を固定することを可能にする一つ又は複数の多重出力電圧発生器に置換することができる。
図5のアセンブリはこのようなデバイスを備え、曲線モードを発生させて、例えば、印加される垂直力の関数としての摩擦力と、滑り速度の関数としての接着力を同時に測定して、摩擦曲線又は力曲線を求めるものである。
本発明では、仮想的なデジタル位相シフト電圧を発生させることを可能にするソフトウェアを備えたコンピュータを用いる。ソフトウェアには、デバイスの多様な構成要素と通信することを可能にするドライバが必要である。
例えば、10Vから100Vの仮想的な正弦波電圧対を発生させるために、Labviewソフトウェアを用いることができる。
そのデジタル信号は、デジタルアナログ変換器Bを用いてアナログ信号に変換される。
デジタルアナログ変換器は、伝えられる電圧の振幅に応じて選択される。
例えば、National Instruments製のデジタルアナログ変換器DAC NI‐PCI6731カードを用いることができる。
本発明に係るデバイスの特定の実施形態によると、仮想的なデジタル電圧を発生させるソフトウェア及びデジタルアナログ変換器の代わりに、アナログ電圧発生器を用いることもできる。
好ましい実施形態によると、コンバータBを出て行くアナログ信号は、[−X;+X]及び[−Y;+Y]の四つの位相シフト電圧を発生させる変圧器Cに送信される。
これら位相シフト制御電圧は、顕著な変位速度を得ることができるプローブ又はサンプルホルダーの原点におけるものである。実際、例えば周波数を固定して振幅を増大させる制御電圧を考えると、一定の周波数を維持するためには、回転速度を増大させなければならない。
そして、これらの電圧は、信号にアクセスするモジュール(D)、又は、プローブ若しくはサンプルホルダーの圧電性アクチュエータに電圧を印加する他のシステムを介して送信されて、X軸及びY軸に沿った曲線変位を発生させる。
垂直力の振幅信号は、アナログデータをデジタルデータに変換するAFM電子機器に直接送信されて、結果をグラフや、グレイスケール又はカラーのマッピングに表す。
摩擦力信号に関しては、チップ又はサンプルホルダーの変位周波数、又は変位周波数の他の高調波に対して摩擦力の振幅を計算する同期検出器(E)に送信される。その信号は、AFM電子機器に投入されて、圧電性セラミックの変位の関数として、摩擦力を表すことを可能にする。
本発明によると、制御カード(E)を用いて、同期検出器によって測定された大きさを回収する。
また、制御カードは、同期検出器のパラメータが手動で設定されない場合に、これらパラメータを設定する機能も果たし得る。
制御カードには、制御ソフトウェア及びドライバが必要である。
例えば、PCI‐GPIB NI488.2型制御カードを用いることができる。
一実施形態によると、接着力又は摩擦力の測定は、XYグリッドに対して記録されて、スペクトルを収集して力モードのマップを求めることができる。
更に、本発明において説明される連続的な一様曲線モードによって提供される多数の利点は、このモードを分子間の相互作用(リガンド/レセプタ、抗体/抗原、DNA/タンパク質の相互作用)の研究に特に適したものにする。
従って、本発明の他の対象は、計測学、物質科学、生物学、生物化学、バイオテクノロジー、ミクロ‐ナノサイエンス、ミクロ‐ナノテクノロジーの分野における本発明の測定方法の使用に関する。
更に、連続的な一様曲線モードは、サンプルの表面と接触したチップを顕著な期間にわたって相対的連続曲線運動させることによって、また、垂直力を変更することによって、アーチャード(Archard)係数等の摩耗パラメータにアクセスすることも可能にする。そして、時間及び複数の異なる垂直力の関数として、摩耗体積を測定することを可能にする。
図8は、こうした表面摩耗現象を示す。
従って、本発明の他の対象は、表面摩耗の分野における本発明の走査型プローブ顕微鏡の使用に関する。
表面改質方法(摩耗、リソグラフィ、酸化、電気化学堆積等)の場合、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、追加の圧電性アクチュエータを備え得て、一つのアクチュエータが、改質を実現すべき箇所にプローブを位置決めすること専用となり、第二のアクチュエータが、改質を可能にする曲線変位を発生させる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、酸化又は堆積を可能にする手段としても用いることができ、電流作用の下で、チップの原子を処理される表面上に堆積させる。
また、本発明の連続曲線モードは、ナノツーリング、ナノ研磨、ナノリソグラフィ、トライボロジー等の応用にも関する点に留意されたい。
[例]
例示目的であって限定的なものではない例を用いて、本発明を説明する。
〈例1:毛管接着に対する滑り速度の影響〉
金表面とSiチップ(カンチレバーの剛性は熱ノイズによって較正される)との間の相互作用力を、接近及び撤退の円形モードで測定した。
金薄層をガラス基板上に堆積させた。そのガラス基板は、ガラスに対する金の接着を促進するのに必要なチタン薄層で処理されていた。
測定中、100Hzの周波数及び可変振幅(速度に対して課された値を表す)に設定された正弦波電圧を、プローブの圧電性アクチュエータに印加した。
図6は、チップに対するサンプルの接近及び撤退中の圧電性アクチュエータの変位Zに関するカンチレバーの偏向を、多様な電圧振幅値、従って、多様な回転速度値に対して示す。
0Vの曲線は、サンプルホルダー及びプローブホルダーがX軸‐Y軸内で静止している状況に対応するので、従来技術を表す。撤退中、チップは基板から後退して、接着が剥がれて(跳躍B)、カンチレバーが表面から解放される(部分C)(チップと表面との間の相互作用が無くなる)まで、斥力がカンチレバーの偏向を生じさせる(曲線の部分A)。
観測された不連続性(跳躍B)は、プローブとサンプルとの間の接着を表し、周囲環境の湿度(RH>30%)に関連するメニスカスに起因する毛管力の寄与を含む。
ゼロではない他の速度における曲線群は、課される回転速度(又は電圧)が上昇した場合であっても、この現象の影響の低下を系統的に示している。
〈例2:摩擦係数の決定〉
接近‐撤退周期での円形モード(A=A’、同一周波数、φ=π/2)による本発明で説明されるような原子間力顕微鏡を用いて、測定を行った。
測定は、8Vの電圧に対応する720μm/sの一定の滑り速度で行われた。
図7aは、周期中の表面とチップの接触中のZ軸に沿ったアクチュエータの変位の関数として、垂直力を表す。
図7bは、Z軸に沿ったアクチュエータの変位の関数として、摩擦力を表す。
これらの測定中、摩擦力及び相互作用力を同時に取得した。図7bの右側の指標によって、摩擦係数を直接得ることができる。
A コンピュータ
B デジタルアナログ変換器
C 変圧器
D モジュール
E 同期検出器
F 制御カード

Claims (21)

  1. 原子間力顕微鏡法による測定方法であって、
    (a)原子間力顕微鏡法用のプローブを分析されるサンプルの表面に近付けるステップと、
    (b)前記分析されるサンプルの表面の平面内において、前記プローブに対して前記サンプルの表面を相対的連続曲線運動させるステップと、
    (c)前記分析されるサンプルの表面と前記原子間力顕微鏡法用のチップとの間に働く摩擦力によって誘起される横力を検出するステップとを備えた測定方法。
  2. 原子間力顕微鏡法による測定方法であって、
    (a)原子間力顕微鏡法用のプローブのチップを分析されるサンプルの表面に近付けるステップと、
    (b)前記チップに対して前記サンプルの表面を相対的連続曲線運動させる一方、前記表面を、Z軸に沿って前記サンプルの表面に対して略垂直に相対的に運動させるステップと、
    (c)前記分析されるサンプルの表面と前記原子間力顕微鏡法用のチップとの間に働く相互作用力を検出して、接近‐撤退周期中に及び前記チップが前記サンプルの表面と接触している際に印加される垂直力の関数として、前記表面に向かう又はその逆の前記チップの撤退中の接着力、及び、摩擦力を得るステップとを備えた測定方法。
  3. (d)前記ステップ(c)の後に、圧電性アクチュエータを用いて、前記プローブ又はサンプルホルダーを他の座標(x,y)に移すステップと、
    (e)前記ステップ(a)、前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)を繰り返すステップと、
    (f)前記ステップ(d)及び前記ステップ(e)を繰り返すステップとを更に備えた請求項1又は2に記載の測定方法。
  4. 前記相対的連続曲線運動が一様であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の測定方法。
  5. 前記相対的連続曲線運動が円運動であることを特徴とする請求項4に記載の測定方法。
  6. 前記相対的連続曲線運動が前記サンプルの表面の平面内において行われるように、前記サンプルが調整されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の測定方法。
  7. 前記プローブが、測定全体にわたって、該プローブの共振周波数近くにおいて振動することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の測定方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の測定方法を実施するための原子間力顕微鏡であって、プローブホルダーを介して該原子間力顕微鏡に連結されたプローブと、サンプルホルダーと、前記サンプルホルダー及び前記プローブホルダーを相対的に変位させる変位手段とを備え、測定中に、前記変位手段が、前記サンプルホルダーと前記プローブホルダーとの間の相対的連続曲線運動を発生させることを特徴とする原子間力顕微鏡。
  9. 前記変位手段が、前記チップと前記サンプルホルダーとの間においてZ軸に沿って前記サンプルホルダーの自由端において略垂直な相対運動も発生させることを特徴とする請求項8に記載の原子間力顕微鏡。
  10. 前記変位手段が、前記プローブホルダー又は前記サンプルホルダーの圧電性アクチュエータであることを特徴とする請求項8又は9に記載の原子間力顕微鏡。
  11. 二つの高調波電圧X及びYを前記変位手段に印加することによって、相対的曲線一様運動を発生させて、前記二つの高調波電圧X及びYが、それぞれ振幅A、A’で周波数f及び該周波数の高調波i・f(iは整数)の正弦波電圧で構成されていて、角度φで位相シフトされていることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の原子間力顕微鏡。
  12. 前記二つの高調波電圧X及びYが、同じ振幅及び同じ周波数を有してπ/2に等しい角度で互いに位相シフトされている単一の高調波で構成されていることを特徴とする請求項8から11のいずれか一項に記載の原子間力顕微鏡。
  13. 請求項8から12のいずれか一項に記載の原子間力顕微鏡を実現するためのデバイスであって、前記変位手段を制御するための手段を備えたデバイス。
  14. 原子間力顕微鏡に直接接続されていることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
  15. 仮想的なデジタル正弦波電圧を発生させるソフトウェアを備えたコンピュータ(A)と、
    デジタルアナログ変換器(B)と、
    任意で、変圧器(C)と、
    信号を得るためのモジュール又は圧電性アクチュエータに電圧を印加するための他のシステム(D)と、
    同期検出器(E)と、
    任意で、制御カード(F)とを備えることを特徴とする請求項13又は14に記載のデバイス。
  16. 滑り速度の関数として、接着力及び/又は斥力を検出するための請求項1から7のいずれか一項に記載の測定方法の適用。
  17. 異なる複数の滑り速度に対して、垂直力の関数として摩擦力を測定して、摩擦係数を求めるための請求項1から7のいずれか一項に記載の測定方法の適用。
  18. 分析される表面の接着力、摩擦力又は摩擦係数をマッピングするための請求項1から7のいずれか一項に記載の測定方法の適用。
  19. 計測学、物質科学、生物学、生物化学、バイオテクノロジー、ミクロ‐ナノテクノロジー及びトライボロジーの分野における請求項1から7のいずれか一項に記載の測定方法の適用。
  20. ナノツーリング、ナノ研磨、ナノリソグラフィ等の応用における請求項1から7のいずれか一項に記載の測定方法の使用。
  21. 摩擦及び/又は改質及び/又は化学堆積によって表面を改質するための請求項8から15のいずれか一項に記載の原子間力顕微鏡の使用。
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