JP2013522350A - 中耳炎の処置において使用するためのソラフェニブもしくはバタラニブなどのvegfおよび/またはhif経路を標的とする化合物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防において使用するための、VEGFおよび/もしくはHIF経路を標的とする化合物を提供する。本発明はまた、このような化合物を含む薬学的組成物、および被験体における中耳炎を処置および/もしくは予防するための方法であって、このような化合物もしくは薬学的組成物を、上記被験体に投与する工程を包含する、方法を提供する。上記化合物は、抗VEGF抗体もしくは抗VEGFペプチドであり得る。
Description
(発明の分野)
本発明は、被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防において使用するための化合物に関する。
本発明は、被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防において使用するための化合物に関する。
(発明の背景)
中耳炎(OM)(中耳(ME)の炎症)は、小児における聴覚障害の最も一般的な原因であり、潜在的には、言葉の遅れ、学習障害および行動障害(learning and behavioral disruption)を引き起こす。
中耳炎(OM)(中耳(ME)の炎症)は、小児における聴覚障害の最も一般的な原因であり、潜在的には、言葉の遅れ、学習障害および行動障害(learning and behavioral disruption)を引き起こす。
幼児および小児における急性OM(AOM)は、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzaeおよびMoraxella catarrhalisを含む細菌感染と最も頻繁に関連する。小児のうちの約40%は、AOM後の1ヶ月間、ME滲出を有し、そしてAOM後3ヶ月まで約10%のみが、ME滲出をさらに有する。感染の症状がないこの持続性の滲出性OMは、滲出性OM(OME)といわれる。OMEは小児において非常に一般的であり、1〜3歳齢では10〜30%の有病率で、4歳までに80%の累積発生率である。OMEを有するいくらかの小児は、合併症(例えば、鼓膜内陥ポケット、耳小骨連鎖の侵食、コテステリン腫、慢性化膿性OMもしくは耳漏(鼓膜穿孔および排膿)伴う慢性OMを発症させるように進行する。
その再発性で慢性の性質と繋がる上記疾患の高い有病率は、罹患した小児において行われる多数の鼓膜切開術(鼓膜における通気チューブもしくは「グロメット」の挿入)の原因である。OMはなお、先進国の小児における外科手術の最も一般的な原因である。グロメット挿入は、英国において最も一般的な手術である(1年に付き30,000例)。
臨床試験において、鬱血除去剤、粘膜溶解剤、ステロイド、抗ヒスタミン剤および抗生物質は、主に無効であることが見いだされた(非特許文献1)。従って、OMおよびOMEに対する新たな医療処置が臨床的に必要である。
Lousら(2005) Cochrane Database Syst.Rev.CD001801
(発明の要旨)
慢性OMのマウスモデルを使用して、本発明者らは、OMにおける炎症した中耳が、低酸素環境であり、低酸素誘導性因子(HIF)の誘導があることを実証した。本発明者らはまた、血管内皮増殖因子(VEGF)レセプターおよびHIFのインヒビターが、このようなマウスモデルの中耳粘膜における聴力喪失および炎症性変化を低下させ得ることを示した。
慢性OMのマウスモデルを使用して、本発明者らは、OMにおける炎症した中耳が、低酸素環境であり、低酸素誘導性因子(HIF)の誘導があることを実証した。本発明者らはまた、血管内皮増殖因子(VEGF)レセプターおよびHIFのインヒビターが、このようなマウスモデルの中耳粘膜における聴力喪失および炎症性変化を低下させ得ることを示した。
上記HIF−VEGFシグナル伝達経路を標的とすることから、OMの予防および/もしくは処置における魅力的な治療選択肢が提供される。
従って、第1の局面において、本発明は、被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防において使用するための、上記VEGFおよび/もしくはHIF経路を標的とする化合物を提供する。
本発明のこの局面の第1の実施形態において、上記化合物は、VEGFとVEGFRとの間の相互作用を標的とする。
この実施形態において、上記化合物は、VEGFレセプターインヒビター(例えば、バタラニブ、スニチニブもしくはソラフェニブ)であり得る。
あるいは、上記化合物は、抗VEGF抗体もしくは抗VEGFペプチドであり得る。
本発明のこの局面の第2の実施形態において、上記化合物は、上記HIF経路を阻害する。
この実施形態において、上記化合物は、HIFを不安定化することによって作用し得る。例えば、上記化合物は、HIF シャペロンHSP90を阻害し得る。このような化合物の一例は、17−DMAGである。
第2の局面において、本発明は、被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防において使用するための薬学的組成物を提供し、上記薬学的組成物は、本発明の第1の局面に従う化合物を含む。
本発明のさらなる局面は、以下に関する:
(i)中耳炎の処置および/もしくは予防のための薬学的組成物の製造における、本発明の第1の局面に従う化合物の使用;ならびに
(ii)被験体における中耳炎(OM)を処置および/もしくは予防するための方法であって、上記被験体に、本発明の第1の局面に従う化合物、本発明の第2の局面に従う薬学的組成物、もしくは本発明の第3の局面に従うキットを投与する工程を包含する、方法。
(i)中耳炎の処置および/もしくは予防のための薬学的組成物の製造における、本発明の第1の局面に従う化合物の使用;ならびに
(ii)被験体における中耳炎(OM)を処置および/もしくは予防するための方法であって、上記被験体に、本発明の第1の局面に従う化合物、本発明の第2の局面に従う薬学的組成物、もしくは本発明の第3の局面に従うキットを投与する工程を包含する、方法。
(詳細な説明)
(中耳炎(OM))
中耳炎は、中耳の炎症、もしくは中耳の感染である。中耳炎は、鼓膜と内耳との間の領域(耳管として公知の管を含む)で起こる。
(中耳炎(OM))
中耳炎は、中耳の炎症、もしくは中耳の感染である。中耳炎は、鼓膜と内耳との間の領域(耳管として公知の管を含む)で起こる。
急性中耳炎(AOM)は、最も頻繁には、純粋にウイルス性であり、その通常付随するウイルス性URI(上気道感染)がそうであるように、自己限定である。耳の鬱血、ならびにおそらく軽度の不快感および耳鳴り(popping)があるが、その症状は、根底にあるURIとともに消散する。中耳(通常は、無菌である)が、細菌に汚染された場合、膿および中耳の圧力が結果として生じ得、これは、急性細菌性中耳炎といわれる。ウイルス性急性中耳炎は、ときおり、特に小児において、非常に短期間で細菌性中耳炎をもたらし得る。細菌性の場合は、鼓膜の穿孔、乳様突起腔の感染(乳様突起炎)を生じ得、非常に希な症例においては、髄膜炎を引き起こすようにさらに拡がり得る。
滲出性中耳炎(OME)は、単に、変化した耳管機能によって生じる陰圧の結果として中耳空間内で起こる流体の集まりである。滲出性中耳炎は、純粋にウイルス性URIから起こり得る(痛みも細菌感染もない)か、または滲出性中耳炎は、急性細菌性中耳炎の前に起こり得るか、そして/またはその後に起こり得る。中耳における流体は、ときおり、伝音難聴を引き起こすが、それが音波による鼓膜の通常の振動を妨害する場合にのみである。数週間および数ヶ月を超えて、中耳の流体が、非常に濃く、糊様になり得る(従って、その名称は、膠耳である)。これは、伝音難聴を引き起こす可能性を増大させる。
本明細書で使用される用語「中耳炎」とは、慢性OMのすべての形態(OME、およびウイルス感染の結果として生じる急性OMとは対照的に、細菌感染によって引き起こされる再発性急性OMを含む)に関する。
慢性化膿性中耳炎が、鼓膜における穿孔(穴)および数週間以上にわたる中耳空間内の活発な細菌感染を含む。耳の外に排出する十分な膿(耳漏)が存在し得るか、または化膿は、双眼顕微鏡を使用して、検鏡中に見られるに十分最小限であり得る。この疾患は、耳管機能が不十分なヒトにおいてはるかにより一般的である。聴覚障害はしばしば、この疾患に付随する。
中耳が、細菌によって急性に感染した場合、圧力は、鼓膜の後方で増大する。重症な症例もしくは未処置の症例において、鼓膜は破れ得、中耳空間にある膿が、外耳道へと排出されることになる。他の点では健康なヒトにおける急性中耳炎の単純な症例において、身体防御は、感染を消散させるようであり、鼓膜は、ほぼ常に治癒する。しかし、いくつかの症例において、中耳からの排膿は、慢性的な状態になり得る。活発な中耳感染がある限り、鼓膜は、治癒しない。
Streptococcus pneumoniaeおよび分類不能なHaemophilus influenzaeは、中耳炎の最も一般的な細菌による原因である。耳管機能障害は、中耳からの無効な細菌排除をもたらす。
中耳炎は、通常は、適切な病歴と組み合わせて、鼓膜の可視化を介して診断される。
本発明と関連して使用される用語「中耳炎」は、ウイルス感染の結果として生じる急性OMとは対照的に、主に、慢性OMに関する。上記用語は、呼吸器系合胞体ウイルス(RSV)感染の結果として生じるOMを排除し得る。
(VEGF/HIF経路)
哺乳動物VEGFリガンドは、いくつかの異なるスプライスバリアントおよびプロセシングされた形態(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、およびVEGF−Eを含む)として存在する40kDaの糖タンパク質である。
哺乳動物VEGFリガンドは、いくつかの異なるスプライスバリアントおよびプロセシングされた形態(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、およびVEGF−Eを含む)として存在する40kDaの糖タンパク質である。
VEGFリガンドは、3つのレセプターチロシンキナーゼ(RTK) VEGFR−1、VEGFR−2およびVEGFR−3に対してオーバーラップするパターンで結合する。
VEGFの、それらのレセプターへの結合は、VEGFRホモダイマーおよびヘテロダイマーの形成を生じる。ダイマー化は、VEGFRを活性化し、細胞内チロシン残基の自己リン酸化をもたらす。
用語「VEGF経路」は、VEGF遺伝子もしくはタンパク質発現の上流の調節因子;もしくはVEGFタンパク質発現の下流の効果(例えば、脈管形成、白血球を動員する血管透過性を促進するシグナル伝達経路)を標的とすることを含む。
用語「HIF経路」は、HIF−1α発現もしくは活性を標的とすることを含む。HIFシグナル伝達経路は、VEGFRの上流にある。
Duvalら((2007) Mol.Biol. of the Cell 18:4659−4668)は、クライアントタンパク質VEGFR2によるHSP90のチロシンリン酸化は、内皮一酸化窒素シンターゼへのVEGFR2シグナル伝達に必要とされるという、もう一つの関連するHSP90のVEGFR2との関係を報告している。
(VEGF/VEGFRインヒビター)
VEGF/VEGFR標的化インヒビターは、生物学的高分子(例えば、ペプチド、抗体、またはDNA−オリゴヌクレオチドもしくはRNA−オリゴヌクレオチド)であってもよいし、低分子インヒビターであってもよい。
VEGF/VEGFR標的化インヒビターは、生物学的高分子(例えば、ペプチド、抗体、またはDNA−オリゴヌクレオチドもしくはRNA−オリゴヌクレオチド)であってもよいし、低分子インヒビターであってもよい。
エピトープが不十分にしか保存されていないいくつかのVEGFファミリーメンバーが存在するので、リガンド自体よりむしろVEGFレセプターを標的とすることが好ましい場合がある。
抗VEGF抗体は公知である(例えば、VEGF特異的ヒト化モノクローナル抗体ベバシズマブTM)。ベバシズマブTMは、VEGFと、VEGFR−1およびVEGFR−2との相互作用を妨げることによって、VEGFの生物学的活性を直接阻害する。ラニビズマブTMは、VEGF−Aに結合して阻害する別の抗VEGFヒト化モノクローナル抗体フラグメントである。HuMV833TMは、現在臨床試験中の別の抗VEGF−A抗体である。
抗VEGFR−2抗体としては、完全ヒト抗VEGFR抗体IMC−2C6およびIMC−1121とともに、DC−101およびマウス/ヒトキメラモノクローナル抗体IMC−IC11が挙げられる。
アプタマーは、高親和性および高特異性でタンパク質を結合するそれらの能力に関して選択されたRNA−オリゴヌクレオチドもしくはDNA−オリゴヌクレオチドである。PegaptanibTMは、抗VEGF RNAアプタマーである。
あるいは、上記インヒビターは、VEGF/VEGFR経路を標的とするリボザイムであり得る。アンジオザイム(angiozyme)(これは、ヒト疾患の治療剤として試験されている最初の合成リボザイムであった)は、VEGFR−1 RNAを特異的に切断する。
VEGF/VEGFR相互作用を標的とする別のアプローチは、VEGFを隔離し、VEGFシグナル伝達をブロックするための、VEGF結合部位を含む可溶性レセプター(例えば、VEGF−TrapTM)の使用を包含する。
VEGFスプライスバリアントを使用して、VEGFRの活性を調節することもまた、可能であり得る。
本発明において使用するための上記VEGFRインヒビターは、以下の群から選択され得る:ソラフェニブ、スニチニブ、バタラニブ、バンデタニブ、AZD−2171、SU−6668、CP−547632、パゾパニブ、BIBF−1120、アキシチニブ、AMG−706、AEE−788、EXEL−0999、EXEL−7647、XL−880、EXEL−2880、SU−14813、ZK−304709、E−7080、CHIR−265、CHIR−258、OSI−930、BAY−579352、ABT−869、BMS−582664、KRN−951およびCEP−7055。
このような低分子インヒビターのさらなる詳細は、Kiselyovら((2007) Expert Opin.Invest.Drugs(2007) 16(1):83−107)に見いだされ得る。
上記VEGFインヒビターは、アニリノフタラジンタイプ(例えば、バタラニブ);もしくはウレアタイプ(例えば、ソラフェニブ)であり得る。
上記VEGFインヒビターは、ソラフェニブ、スニチニブもしくはバタラニブであり得る。
(HIF経路インヒビター)
多くの低分子HIF−1インヒビターは、公知であり、以下の4つの化合物を含み、上記化合物は、同じチオフェンオキサジアゾールコア(ボックスで印が付けられている)を共有する:
多くの低分子HIF−1インヒビターは、公知であり、以下の4つの化合物を含み、上記化合物は、同じチオフェンオキサジアゾールコア(ボックスで印が付けられている)を共有する:
上記化合物は、HSP90(HIFに対するシャペロン)に対して作用し得る。上記化合物は、例えば、17−ジメチルアミノアミノエチルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン(17−DMAG)であり得る。17−DMAGは、HIF−1α不安定化および分解を誘導する(van der Biltら(2007) Am.J.Pathol.170:1379−1388;Milkiewiczら(2007) J.Physiol.583:753−766)。
HSP90インヒビターは、抗癌薬として開発されてきた(例えば、タネスピマイシン(17−AAG)、レタスピマイシン塩酸塩(IPI−505)、BIIB012、CNF2024、AUY922、STA−9090、IPI−493、SNX−5422メシレート、BIIB028、KW−2478、AT13387、XL888、HSP990、MPC−3100、ABI−010;PU3、ラディシコールおよびノボビオシン)。Trepelら(2010) Nat.Rev.Cancer 10:537−549、表1;およびFukuyoら(2010) Cancer Letts.290:24−35 図1)もまた参照のこと。
ゲルダナマイシンは、HSP90−シャペロン機能の阻害を介して抗癌活性を発現するベンゾキノンアンサマイシン抗生物質である。関連インヒビターとしては、KOS−953、IPI−504およびIPI−493が挙げられる(Fukoyoら(上記)を参照のこと)。ゲルダナマイシンは、HSP90 ATPase活性を阻害することによって、成熟したマルチシャペロン複合体を解離させ、放出されたクライアントタンパク質は、その後、ユビキチンプロテアソーム経路によって分解される。ゲルダルマイシン(Gendalmycin)は、HSP90クライアントタンパク質HIF−1αの分解を誘導する。
(薬学的組成物)
第2の局面において、本発明は、被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防における使用のための薬学的組成物を提供する。上記薬学的組成物は、本発明の第1の局面に従う化合物を含む。
第2の局面において、本発明は、被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防における使用のための薬学的組成物を提供する。上記薬学的組成物は、本発明の第1の局面に従う化合物を含む。
上記薬学的組成物は、バタラニブから本質的になり得る。言い換えると、バタラニブは、VEGFRを阻害する、上記組成物の唯一の成分であり得る。バタラニブは、中耳炎の処置/予防において活性である、上記組成物の唯一の成分であり得る。上記薬学的組成物は、RSV感染の処置のための成分を実質的に欠き得る。上記薬学的組成物は、いかなるジインドリルメタン関連インドール類を実質的に欠き得る。
上記薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤もしくは賦形剤を含み得る。
(被験体)
本発明の化合物および組成物は、中耳炎を有する被験体(例えば、慢性中耳炎を有する被験体)を処置するために使用され得る。
本発明の化合物および組成物は、中耳炎を有する被験体(例えば、慢性中耳炎を有する被験体)を処置するために使用され得る。
あるいは、本発明の化合物および組成物は、中耳炎に罹るリスクがあると考えられる被験体を処置するために使用され得る。例えば、上記被験体は、過去にOMに罹患したことがあってもよいし、OMと関連したウイルス感染もしくは細菌感染に罹るリスクを有していてもよいし、またはそのリスクにあってもよい。上記被験体は、その後OMに罹りやすくなる異常な耳の構造もしくは生理(例えば、不十分な耳管機能)を有していてもよい。
上記被験体は、ヒト被験体(例えば、成人もしくは小児)であり得る。特に、上記被験体は、1〜4歳齢の間の小児であり得る。
上記被験体は、動物被験体、特に、飼い慣らされた動物もしくは家畜(例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、モルモット、齧歯類、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシもしくはブタ)であり得る。
(投与)
本発明の化合物もしくは薬学的組成物は、中耳を処置するために適した任意の経路によって投与され得る。
本発明の化合物もしくは薬学的組成物は、中耳を処置するために適した任意の経路によって投与され得る。
適切な場合、上記薬学的組成物は、吸入によって、坐剤もしくは膣坐剤の形態で、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤もしくは撒布剤の形態で局所的に、皮膚パッチの使用によって、錠剤、カプセル剤もしくは卵形剤(ovule)の形態で経口的に、投与され得る。あるいは、上記薬学的組成物は、非経口的に(例えば、静脈内に、筋肉内に、もしくは皮下に)注射され得る。
本発明は、ここで実施例によってさらに記載される。実施例は、本発明を実施するにあたって当業者の一助となるように働くことを意味するもので、本発明の範囲を限定することを意図するものでは決してない。
(実施例1− Jbo/+ OMマウスモデルにおける低酸素の調査)
OMをさらに特徴付け、MEの白血球(WBC)における遺伝子発現研究の適切なコントロールを確立するために、耳液(ear fluid)および末梢血におけるWBCの鑑別を、調べた。Jbo/+マウスは、全身的な白血球増多を有しなかった(表I)。Jbo/+ 耳液中のWBC数(1.7〜2.1×106/μl)は、血中より約1000倍高く、細胞学から、高い多形核細胞(PMN)数および少数のF4/80陽性泡沫マクロファージ(mφ)が示された(図1G)。
OMをさらに特徴付け、MEの白血球(WBC)における遺伝子発現研究の適切なコントロールを確立するために、耳液(ear fluid)および末梢血におけるWBCの鑑別を、調べた。Jbo/+マウスは、全身的な白血球増多を有しなかった(表I)。Jbo/+ 耳液中のWBC数(1.7〜2.1×106/μl)は、血中より約1000倍高く、細胞学から、高い多形核細胞(PMN)数および少数のF4/80陽性泡沫マクロファージ(mφ)が示された(図1G)。
表I.Junboマウスの血液および耳における白血球
炎症した組織において、低酸素の生理学的駆動因子は、下層にある血管床からの好中球およびmφの物理的分離と関連した好中球およびmφによる酸素の取り込みであるようである。このモデルは、上記成体マウスの5〜6μl ME内での炎症性細胞の蓄積に当てはまり得る。上記炎症したMEにおける低酸素を評価するために、本発明者らは、マウスにインビボでピモニダゾール(PIMO)(組織および細胞をpO2<10トル(約1.5% O2)で標識するマーカー)を注射した。免疫組織化学から、ME管腔および上皮内のおよび肥厚し炎症した粘膜の結合組織における炎症性細胞における低酸素が示された(図1A、図1C、図1D)。低酸素は、4週間で明らかになり、7〜8週間で増大し、>30週間にわたっても慢性的に上昇したままであった(図1E)。通常の空気が満たされた水疱を有する、罹患していないWT同腹仔において、薄い炎症していない粘膜は、低酸素ではなかった(図1B)。正常な生理学的(非炎症の)条件下で低酸素を出現させたME器官のごく一部が、上記耳管であった(図1F)。FACS分析から、Jbo/+マウスの耳液のPMN集団における低酸素のさらなる証拠が提供された(図2)。2つの時点において、5〜8週間および12〜17週間では、生細胞およびアポローシス細胞が同様の割合であった。より高齢のJbo/+マウスは、低酸素アポトーシス細胞の有意により大きな集団および対応して正常酸素状態のアポトーシス細胞のより低い集団を有した(表I)。標識されていないJbo/+ME PMNおよびPIMO標識したJbo/+マウス由来の染色していない末梢(正常酸素状態の)PMNは、陰性コントロールとして供した。ヨウ化プロピジウム染色から、上記Jbo/+PMN集団のうちの7±2%が壊死したことが示された。Jf/+マウスに由来するME液は一般に、淡黄色の漿液性滲出液であったが、それらは、低酸素である生存PMNおよびアポトーシスPMNの集団を含んだ(表II);上記Jf/+PMN集団のうちの8±2%が、壊死した。
表II.ピモニダゾール標識JunboマウスおよびJeffマウスの耳液における多形核細胞集団の低酸素
(実施例2− Hif−1αタンパク質安定化の分析)
低酸素は、プロリルヒドロキシラーゼ2(PHD2)の阻害によってHif1−αタンパク質を安定化する。正常酸素状態条件下で、PHD2は、Hif1−α中のプロリル残基をヒドロキシル化し、Hif1−αが、E3ユビキチンリガーゼVHLによって結合およびポリユビキチン化し、プロテアソームによって分解されることを可能にする。HIFはまた、HIFとNF−κB(炎症の主要な調節因子である転写因子)との間の相互作用を介して連結されるある範囲の炎症媒介因子によって、転写レベル、翻訳レベルおよび翻訳後レベルにおいて調節される。炎症性サイトカインの範囲は、OMを有する患者の中耳において、およびOMの動物モデルにおいて記録されてきた(Juhn,S.K.ら(2008) Clin.Exp.Otorhinolaryngol.1,117−138)。これらの中でも、IL−1βおよびTNFαは、HIF−1α mRNAの翻訳を増大させる(Frede,S.ら(2007) Meth.Enzymol.435,405−419)。
低酸素は、プロリルヒドロキシラーゼ2(PHD2)の阻害によってHif1−αタンパク質を安定化する。正常酸素状態条件下で、PHD2は、Hif1−α中のプロリル残基をヒドロキシル化し、Hif1−αが、E3ユビキチンリガーゼVHLによって結合およびポリユビキチン化し、プロテアソームによって分解されることを可能にする。HIFはまた、HIFとNF−κB(炎症の主要な調節因子である転写因子)との間の相互作用を介して連結されるある範囲の炎症媒介因子によって、転写レベル、翻訳レベルおよび翻訳後レベルにおいて調節される。炎症性サイトカインの範囲は、OMを有する患者の中耳において、およびOMの動物モデルにおいて記録されてきた(Juhn,S.K.ら(2008) Clin.Exp.Otorhinolaryngol.1,117−138)。これらの中でも、IL−1βおよびTNFαは、HIF−1α mRNAの翻訳を増大させる(Frede,S.ら(2007) Meth.Enzymol.435,405−419)。
低酸素がHif−1αタンパク質安定化と関連したことを確認するために、ウェスタンブロットを行った。このことから、Jbo/+ 耳液において、Mr 約90〜110kDおよびMr 約70kDのHif−1α陽性バンドの存在が示されたが、骨髄PMNコントロールにおいては示されなかった(図3)。次いで、遺伝子およびタンパク質の発現パターンを、Jbo/+マウスのMEにおいて調査した。適切なコントロールを確立するために、遺伝子発現レベルを、はじめに、4週間および10週間で、WT血液およびJbo/+血液において比較した。これらは匹敵した(<2倍の差異)ので、4週間Jbo/+血液を参照点(reference point)として使用した。PMNマーカーGr−1は、耳液において2〜4倍高かった。このことは、おそらく、血液と比較して、より高いPMNの鑑別を反映する(表I;図1F)。従って、この限界を超える任意の倍数変化は、遺伝子アップレギュレーションとして解釈した。血中WBCと比較して、Jbo/+ ME液 WBCでより高いHif1−α(9〜14倍)、Il−1β(11〜21倍)およびTnfα(24〜34倍)の発現があった(図4)。Il−1βタンパク質を、耳滲出物において検出した(50,371±21,124pg/ml n=7)が、Jbo/+マウスおよびWTマウスに由来する血清サンプル(n=22)のうちの14%を除いて、すべてにおいてアッセ検出限界未満であった。IL−1βは、血清中で検出可能であった場合、4〜67pg/mlの範囲であった。Tnfαはまた、血清(それぞれ、Jbo/+およびWTにおいて、1.65±0.16pg/ml(n=12)および1.48±0.04pg/ml(n=12))と比較して、耳滲出物(12,321±1881pg/ml(n=8))において上昇していた。
上記Jbo/+ MEにおけるHifシグナル伝達の下流(downstream)効果は、Glut1(14〜20倍)およびVegfa(164〜249倍)のアップレギュレーションにおいて明らかである(図4)。Vegfタンパク質は、血清と比較して、耳液において>390倍上昇し、これらレベルは、4週間から8週間へと倍増した(表III)。重要なことには、Vegfはまた、Jf/+耳液において上昇した。このことにより、Hifシグナル伝達が、OMの単一モデルに限定されなかったことを確認した(表III)。
表III. JunboマウスおよびJeffマウスの血清および耳液におけるVegf力価(pg/ml)
上記Jbo/+マウスのMEにおけるEvi1発現の38〜74倍の増大(図4)は、部分的には、Evi1が、ほとんど血中で検出可能でないことの反映である(他の遺伝子に関してサイクル28〜32と比較して、サイクル35)。それにも関わらず、この結果は、Evi1が転写因子としてのその役割を介して、低酸素経路を混乱させる可能性を高める。Jbo/+マウスにおいて、Evi1発現は、下流の低酸素および炎症経路を調節不全にする、変異Evi1タンパク質によって引き起こされるフィードバックループ(複数可)によって駆動され得る。Evi1は、Hif−1αおよびSmad3(これらは、マウスマクロファージにおいてVegf発現を動じ活性化する)を介してHIFシグナル伝達に対して潜在的に影響を及ぼし得る。あるいは、AP−1を高めるEvi1の遠位ジンクフィンガードメインを介して、相互作用が起こり得る。Evi1における変異は、Vegf発現に影響を及ぼし得る。なぜなら、AP−1は、ヒトVEGFプロモーター内に結合部位を有するからである。Jeff変異体の場合、Fbxo11とHIFシグナル伝達との間には、明確なつながりはなく、このことは、調節不全になったHIFシグナル伝達がまた、慢性OMにおける下流の事象であり得ることを立証する。
(実施例3−OMマウスモデルにおけるVEGFRシグナル伝達およびHsp90の阻害の効果)
Vegfは、脈管形成を誘導するように作用し、血管透過性およびWBCの動員を高め、従って、炎症媒介因子および正円窓を介して拡散する毒素を介して、伝音聴覚喪失および二次性蝸牛機能不全を引き起こすことによって、OM病因に寄与し得る。
Vegfは、脈管形成を誘導するように作用し、血管透過性およびWBCの動員を高め、従って、炎症媒介因子および正円窓を介して拡散する毒素を介して、伝音聴覚喪失および二次性蝸牛機能不全を引き起こすことによって、OM病因に寄与し得る。
Vegfが炎症促進の役割を有するという仮定を試験するために、Junboマウスを、低分子VEGFRインヒビターで処置した。上記Junboマウスは、治療試験のためのよりよいマウスモデルである。なぜなら、OM表現型は、より高く浸透性(penetrant)であるからである。例えば、切開の時、漿液性もしくは黄色い液体は、7〜11週間 Jf/+マウス(n=14)の一方(57%)もしくは両方(21%)の鼓膜の後ろに明らかに見えたのに対して、液体は、8週間 Jbo/+マウス(n=54)の一方(14%)もしくは両方(79%)の鼓膜の後ろに見えた(擬コントロール群からプールしたデータ)。液体が肉眼で明らかでなかった場合すら、Jbo/+マウスが、ある程度の顕微鏡的OMを有したことは、注目すべきである。
Jbo/+マウスにおいて、4週間以降、進行性の聴力喪失があった。独立した試験において、BAY 43−9006で2週間、50mg/kg PTK787/ZK 222584(本明細書で以降PTK787といわれる)で3週間、もしくは75mg/kg PTK787で4週間にわたるJbo/+マウスの処置は、聴力喪失を低下させた(表IVおよび図6)。BAY 43−9006での試験は、マウスが突然立毛した2週間後に終了した。BAY 43−9006が、PTK787ほどには許容されなかったが、処置に対する陽性の治療応答は、OM処置のためのHIF経路標的としてVEGFRの重要性の強い証拠である。
表IV.血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)で処置したJunboマウスにおける聴性脳幹(ΔABR)反応(デシベル(dB)単位)の変化
低分子VEGFRインヒビターへの陽性の治療応答とは対照的に、PPARγアゴニストであるロシグリタゾンは、Jbo/+マウスにおいて聴力喪失を軽減しなかった(表V)。本発明者らは、本発明者らの試験においてロシグリタゾンを含めた。なぜなら、これは、マウスにおけるアレルギー性気道疾患において反応性酸素種生成、ならびにHIFシグナル伝達の上流調節因子であるNFκBおよびHif−1αを調節することが示されているからである(Leeら,2006)。
表V. PPARγアゴニストであるロシグリタゾンで処置したJunboマウスにおける聴性脳幹(ΔABR)反応(デシベル(dB)単位)の変化
結論として、ME細胞低酸素は、MEガスもしくは液体における酸素の物理的測定によって明らかにならない慢性OMの共通する特徴であり得る。
OMのJunboモデルにおけるMEが慢性炎症性低酸素によって特徴付けられることが示され、そのことから、炎症性サイトカイン(例えば、TNFαおよびIL−1β)が、Hif1−αを調節することにおいて役割を果たす可能性が高まった。Hif1−αシグナル伝達は、Vegfのアップレギュレーションと関連する。ME低酸素およびVefgのアップレギュレーションという重要な知見を、Jeff(慢性OMの第2のマウスモデル)において独立して確認した。
VEGFRインヒビターであるPTK787およびBAY 43−9006が聴力喪失の進行を低下させるという知見は、Vegfが慢性OMにおいて重要な炎症促進の役割を果たすという仮定を裏付けた。
まとめると、この研究は、OMが慢性低酸素炎症の他の疾患(例えば、関節リウマチ(Grosios,K.ら(2004) Inflamm.Res.53,133−142))に似ていることを示し、慢性OMの処置においてHIFおよびVEGF経路を標的とする研究の新たな達成の手段を開く。
(材料および方法)
マウス。 類遺伝子性C3H/HeH Junbo(Parkinson,N.ら(2006) PloS Genet.2,e149)、ならびにC3H/HeHおよびC57BL/6Jの混合した遺伝的背景をもつJeffマウス(Hardisty−Hughes,R.E.ら(2006) Hum.Mol.Genet.15,3273−3279.)の人道的ケアおよび使用は、適切なUKホームオフィスライセンスの下で行った。
マウス。 類遺伝子性C3H/HeH Junbo(Parkinson,N.ら(2006) PloS Genet.2,e149)、ならびにC3H/HeHおよびC57BL/6Jの混合した遺伝的背景をもつJeffマウス(Hardisty−Hughes,R.E.ら(2006) Hum.Mol.Genet.15,3273−3279.)の人道的ケアおよび使用は、適切なUKホームオフィスライセンスの下で行った。
サンプル回収。 血液を、ペントバルビタールナトリウムのi.p.過量によって誘導される終末麻酔(terminal anesthesia)の下で、マウスの後眼窩洞(retro−orbital sinus)から回収した。各マウスの適度の容積の耳液(0.5〜2μl)を、氷冷PBSの中に集めた。
ピモニダゾール標識。 マウスを、100μlの滅菌PBS中に溶解した60mg/kg ピモニダゾール(PIMO)(Hypoxyprobe,HPI Inc)でのi.p.注射によってインビボで3時間、標識した。10% 中性緩衝化ホルマリン中で、頭部を48時間固定し、その後、Formical(Decal Corp)で72時間にわたって脱灰した。ワックス包埋した、MEの3μm背側面切片を、PIMOについて免疫染色した。FACSについては、耳液サンプルを、抗PIMO FITC、抗マウスLy6GおよびLy6C PerCP−Cy5.5(BD Pharminogen)および抗アネキシンVビオチン(BD Pharminogen)/ストレプトアビジンパシフィックブルー(Invitrogen)で染色した。ヨウ化プロピジウム(BD Pharminogen)を使用して、壊死細胞を評価した。50μl EDTA血液サンプルを、100μl FACSバッファー中で希釈し、次いで、RBC溶解バッファー(BD Pharminogen)で処理した。
HIFウェスタンブロッティング。 Jbo/+骨髄PMNを、52/64/72% 不連続等張性Percoll勾配(Sigma−Aldrich)に対して単離し、5匹のマウスに由来するME液を、プロテアーゼインヒビター(Sigma−Aldrich)を含む氷冷溶解バッファー(Ambion)の150μlアリコート中に集めた。合わせた細胞質タンパク質および核タンパク質抽出物の35μg タンパク質サンプル、ならびに分子量マーカーを、7.5% Tris−HClゲルのSDS−PAGEに供した。ニトロセルロースブロットをブロックし、一次抗体:1:500 ウサギ抗HIF−1α(Novus Biologicals);1:1000 ヤギIgG抗ヒト/マウスミエロペルオキシダーゼ(R&D Systems);1:500 ウサギ抗βアクチン(Abcam)とともに、4℃において一晩インキュベートした。HRP結合体化ヤギ抗ウサギIgG(Abcam)もしくはHRPウサギ抗ヤギIgG(Abcam)二次抗体を、1:2000において、1時間にわたって、かつ化学発光検出システム(Pierce Supersignal West Pico)とともに使用した。
リアルタイム定量PCR(RT−qPCR)および分析。 全血もしくはME液(ドライアイス上で集めた)由来の総RNAを、マウスRiboPureキット(Ambion)を使用して、WTもしくはJbo/+(5匹の雄性マウス、5匹の雌性マウス)から単離した。RNA量を、Nanodrop 8000(Thermo Fisher Scientific)で測定し、完全性をゲル電気泳動によって評価した後、等量のRNAをプールした。二本鎖cDNAを、High Capacity cDNAアーカイブキット(Ambion)を使用して、1μgの総RNAから合成した。RT−qPCRを、TaqMan(登録商標) Gene Expression Assaysを使用して(表VI)、7500 Fast Real−Time PCR System(Applied Biosystems)上でTaqMan(登録商標) Fast Universal PCR Master Mixを使用して行った。
表VI RT−qPCRアッセイ
薬物処置、ABRおよび炎症の分析。 27〜29日齢のWTマウスおよびJbo/+マウスに、BAY 43−9006を2週間、50mg/kg PTK787を4週間、75mg/kg PTK787を4週間、ロシグリタゾンもしくは10mg/kg 17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン(17−DMAG)を4週間にわたって、1日に1回、経口栄養法によって投与した。水性PTK787(LC Laboratories)のストック溶液、もしくはBAY 43−9006(LC Laboratories)およびロシグリタゾン(Molekula)のDMSOストック溶液を、−20℃で凍結し、次いで、投与のために、2% メチルセルロース中で10倍希釈した。擬Jbo/+群の年齢、性別および試験前ABR(30〜60dB)を合わせ、ビヒクルのみを与えた。クリック誘発ABR(Zheng,Q.Y.ら,(1999) Hearing Res.130,94−107)を、試験の最初と最後に(もしくは50mg/kg PTK787試験において3週間後に)測定した。回復を伴うABRに関しては、麻酔を、10mg/kg キシラジンおよび100mg/kg ケタミンの混合物でのi.p.注射によって誘導し、5mg/kg アチパメゾール塩酸塩によって覚醒させた。組織学を、両方のPTK787試験において4週間で評価した。
画像取得および分析。 デジタル画像を、減光フィルタ付きの×20、×40もしくは×60 Plan Achromat対物レンズを使用した、Olympus BX51顕微鏡で、自動露出を使用して、ColorView Soft Imaging Systemソフトウェアで取得した。薬物試験において、画像分析のためのH&E染色切片を、Nanozoomerデジタル病理システム(Hamamatsu Photonics)で×400倍率においてスキャンした。鼓膜厚およびその内側面に沿った粘膜の厚み(蝸牛および耳管の開口部に隣接する領域を避ける)を、5回の測定値から平均した。毛細管およびリンパ管の数、ならびにそれらのそれぞれの直径を、内側粘膜(medial mucosa)の標準化した1000μm長において測定した。上記処置および遺伝子型を、形態測定を行う場合に評価者から隠した。
統計。スチューデントt検定もしくはMann Whitney U検定(ABR測定については、音程データは、5dB増分ずつである)を行い、検定値p<0.05を有意とみなした。パーセンテージを、t検定を使用する前にアークサイン変換した。薬物試験において、片側検定を使用して、薬物処置群および擬処置群を比較し、別の方法では、両側検定を使用した。
本明細書の上記において言及されるすべての刊行物は、本明細書に参考として援用される。本発明の記載される方法およびシステムの種々の改変およびバリエーションは、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者に明らかである。本発明は、具体的な好ましい実施形態に関連して記載されてきたが、特許請求される発明が、このような具体的実施形態に過度に限定されるべきではないことは理解されるべきである。実際に、分子生物学もしくは関連分野における当業者に明らかである、本発明を実施するための記載される方式の種々の改変は、以下の特許請求の範囲内にあるものとする。
Claims (13)
- 被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防において使用するための、VEGF経路および/もしくはHIF経路を標的とする化合物。
- VEGFとVEGFRとの間の相互作用を標的とする、請求項1に記載の化合物。
- VEGFレセプターインヒビターである、請求項1または2に記載の化合物。
- バタラニブもしくはソラフェニブである、請求項3に記載の化合物。
- 抗VEGF抗体である、請求項1または2に記載の化合物。
- 抗VEGFペプチドである、請求項1または2に記載の化合物。
- HIFを不安定化する、請求項1に記載の化合物。
- HSP90を阻害する、請求項7に記載の化合物。
- 17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン(17−DMAG)である、請求項8に記載の化合物。
- 被験体における中耳炎の処置および/もしくは予防において使用するための薬学的組成物であって、請求項1〜9のいずれかに従う化合物を含む、薬学的組成物。
- バタラニブから本質的になる、請求項10に記載の薬学的組成物。
- 中耳炎の処置および/もしくは予防のための薬学的組成物の製造における、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物の使用。
- 被験体における中耳炎(OM)を処置および/もしくは予防するための方法であって、該被験体に、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物を、もしくは被験体に請求項10または11に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
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Fu et al. | Pim‐1 as a therapeutic target in lupus nephritis | |
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