JP2013519879A - マルチゾーン検出器アーキテクチャを使用する、核イメージング用の方法およびシステム - Google Patents

マルチゾーン検出器アーキテクチャを使用する、核イメージング用の方法およびシステム Download PDF

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Abstract

核イメージング用の方法およびシステムは、通常、入射ガンマ放射線を含む事象に応答して、最大2個または3個の光子のバーストを一度に生じることによってエネルギーを検出することを含む。光検出器アレイのサイズに依存して、7個の光検出器のF個の共有中心グループが、ハニカムアレイに配置されて、各連続検出器に対し、一度にF個の光学光子のバーストまでのゾーンを観察するようにし、かつ光学光子のバーストを信号出力に変換し、中心グループの各々は、ゾーンに関連付けられている。これにより、検出器の感度を2桁も高めることができ、およびこの過度の感度と引き換えに、かつてない、CTおよびMRIに匹敵する空間解像度を達成することができる。散乱入射放射線による信号出力は、中心グループの各々に拒絶されて画像ボケを低減し、それにより、画質をさらに高める。平面イメージングの場合、F個までの有効な事象のエネルギーおよび位置信号が、各不感時間期間毎に生成され、かつ画像表示およびデータ分析用のコンピュータメモリに伝達される。検出された有効な事象数は、SPECTイメージングでは6Fまで、およびPETイメージングでは3Fまでである。
【選択図】図1

Description

関連技術の相互参照
本PCT特許出願は、35U.S.C.119(e)下において、2009年9月29日出願の米国仮特許出願第61246918号(「Method and Apparatus for High Resolution/Sensitivity Planar and Tomographic Nuclear Imaging Using Multi−Zone Detector Architecture(MZDA)」)、および35USC111(a)下において、2010年2月16日出願の米国特許出願第12706707号(A Method and System for Nuclear Imaging Using Multi−Zone Detector Architecture)の優先的な利益を主張する。これらの関連の仮特許出願および特許出願の内容は、参照によりその全体を本明細書に援用する。
連邦支援による研究開発
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非適用。
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本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象となる材料を含む。著作権の所有者は、特許商標局、包袋または記録において生じる特許文書または特許公開のいずれかによる複製には不服はないが、それ以外では、いかなる著作権も留保する。
本発明は、概して、核医学への医療的応用に重点を置いた放射線イメージングの分野に関する。更に詳細には、本発明は、平面イメージング(planar imaging)および断層イメージング(tomographic imaging)(PET/SPECT)のための、高解像度/高感度の、および画像信号ノイズ比(SNR)が改善された方法および装置に関する。
今日の医療用イメージングは、X線を使用するX線撮影法およびコンピュータ断層撮影法(CT)、シンチレーションカメラおよびSPECTまたはPETスキャナを使用する、注入されたまたは摂取した放射性医薬品の核イメージング、強磁場を使用する核磁気共鳴画像法(MRI)、および高周波の音波を使用する超音波(US)画像法を含む。核イメージングを除いて、全ての医療用イメージングモダリティは、エネルギーが身体の組織に浸透してそれらの組織と相互に作用しかつ組織の解剖学的または構造的情報を画像により提供することに依存している。X線撮影では、外部電源がX線の強力なビームを生じ、それが身体を通過してビームの一部として様々な程度で異なる組織に吸収され、フィルムの異なる部分が、異なる程度感光されて、解剖学的構造の画像が得られる。ガンマ線を用いる核イメージングの場合では、線源により放射線が放出されて身体に伝播する。ガンマ線とX線とは、X線は軌道電子によって原子で放出される一方、ガンマ線は原子核内から放出されるという点で異なり、かつまた、ガンマ線はX線よりもかなり高いエネルギーを有することができる。核イメージングでは、放射性医薬品は、対象器官に優先的に蓄積すると知られている医薬品に放射線トレーサを取り付けることによって、形成される。高エネルギーのガンマ放射線は骨にも軟組織にも同じように浸透できるため、現れる放射線のパターンは、投与した放射性医薬品の分布を反映したものであり、対象器官内の血流量、代謝、または受容体密度に関する機能情報を提供する。
核イメージングには、2つのタイプ、すなわち単一光子イメージング、および消滅放射線同時すなわち陽電子イメージングがある。単一光子イメージングはガンマ(またはシンチレーション)カメラや、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)に使用される一方、消滅放射線同時イメージング(ACD)は陽電子放出断層撮影法(PET)に使用される。核画像は平面的でも断層的でもよく、平面画像は、本質的に放射性同位元素分布の二次元マップである一方、単一光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)は、平面的な核イメージングの断層的な対応像であり、身体の断面を通る線源分布画像を生成する。どちらの場合も、身体を通る一連の異なる角度から現れるX線またはガンマ線を使用して、一連の断層画像を再構築する。SPECT画像を用いて、医師は、体内の特定の器官または組織の機能状態のより正確な判断ができるようになる。同じ放射性同位元素が平面イメージングおよびSPECTイメージングの双方において使用される。線源からのガンマ線は全方向に等しく放射されるので、光子が、孔を通る以外の任意の経路によって検出器に到達しないようにするために、鉛の平行孔コリメータが必要とされる。コリメータは、一般に、狭小な平行孔を備える鉛の厚板からなり、ガンマ線はその平行孔を通過できる。孔に対して平行に進まないガンマ線は吸収されるか、または検出器に達する前に鉛によって停止される。それゆえ、コリメータが身体の上に配置される場合、検出器の相互作用点間の1対1対応、および体内での同位元素の分布を確立でき、これにより、この分布の平面画像を得ることが可能となる。コリメータが除去された場合、ガンマ線は全方向から検出器に到達し、ほとんど情報内容のない均一の白色画像が得られる。陽電子放出イメージングの場合、ガンマ線自体は、核から直接来ない。核が、陽電子、または短半減期を有していて軌道で消滅する正の電子、または負の電子を放出し、その結果一対の逆方向に向けられた511keVのガンマ線を放射する。一対のガンマ線が常に直線に沿って放射されることによって、単一光子イメージングにおいてコリメータを使用する必要がなくなる。光子が放射されるラインを決定するためには、陽電子源の反対側に配置された2つの検出器を使用する必要があるのみである。次いで、PETにおいて使用される画像再構成ソフトウェアによって、線源分布の断層画像を生成できる。従来技術のPETスキャナは、一般に、患者を取り囲む、いく列もの個別の固定検出器を用いるので、全ての投影角から検出器対によって消滅光子対を記録することができる。陽電子放射体の位置は、検出器対の応答ライン(LOR:lines of response)に沿ってあるので、光子の方向を制限する平行孔コリメータは必要ではなく、コリメータによる減衰を回避する。それゆえ、PETスキャナシステムは、SPECTカメラよりも、放射性同位元素の存在に対する感度が高く、より微妙な症状も検出することができる。
核イメージングシステムは、他の画像モダリティと対比して、機能情報を提供する能力が独特であるが、空間解像度が最低であるという欠点を有する。空間解像度とは、画像で解像できる最小の物体のサイズである。MRIおよびCT撮影は、一般にそれぞれ1.0および0.4mmの解像度を提供し、平面核カメラまたはSPECTスキャナは約7mmの解像度を提供する一方、PETスキャナは4〜6mmの解像度を提供する。核画像の空間解像度が低いことと、解剖学的情報を提供する能力がないこととが相まって、患者用のシングルベッドを備える、単一ガントリー方式でのPET/CTまたはPET/MRI混成システムの開発のきっかけとなり、PET画像をCTまたはMRI画像と共に登録することを可能にした。CTまたはMRIからの解剖学的画像は、患者の器官の病変位置に関してより正確な情報を提供し、加えて、CT画像はまた、PETデータの減衰補正用のデータを提供する。核画像の品質をCTおよびMRIの画像の品質により匹敵させるようにするために、核画像用の検出器システムは、空間解像度、感度および画像の信号対ノイズ(SNR)を著しく向上させる必要があることが明白である。
シンチレーション検出器は、シンチレータ結晶においてガンマ線が相互作用する場合、可視光子を放射する。核画像は、画像における各画素でのガンマ線の相互作用数を数えることによって構築され、および像コントラストは、画像における計数密度の差から生じる。シンチレータにおけるガンマ線の相互作用の検出は、前置増幅器(PA)をそれぞれ備える光電子増倍管(PMT)またはフォトダイオード(PD)などの光検出器を使用して、可視光子のバーストを電気パルスへ変換することで行われる。ガンマ線による総エネルギーは、加算増幅器(SA)において、露光PMTのPA出力を全て加算することによって得られ、その出力はエネルギー信号の測定値である。PA出力の振幅は、相互作用点に最も近いPMTで最も高く、距離と共に減少するため、この点の空間座標は、光吸収の重心を決めるためにPA出力を使用することによって決定される。(x,y)座標、すなわち位置信号を生成するために使用される回路は、アンガー(Anger)の位置論理と称する。ガンマ線は、一度にそのエネルギーを付与することによって、すなわち光電相互作用によって、またはわずかな量では、コンプトン(Compton)散乱によって、シンチレータと相互作用し得る。光電相互作用は、動きの速いビリヤードの球に似ており、この球は、静止した球に当たって止まり、その全運動エネルギーを静止した球に移す。ガンマ線の場合、エネルギーは軌道電子に移され、軌道電子はそのエネルギーをすぐに、短い距離内での原子との一連の衝突の中で、光の形態で放出する。実際に、光は、ガンマ線の相互作用点から放射されるとみなし得る。光電相互作用では、SA出力における可視光子数、従ってエネルギー信号の振幅は最大である。他方で、コンプトン散乱相互作用は、動きの速いビリヤードの球に似ており、この球は、視射角で静止した球に衝突し、それゆえ、そのエネルギーの一部しか失わず、その方向を変える。散乱ガンマ線は、相互作用の初期点から任意の距離でシンチレータと相互作用し得る、または、検出されていないシンチレータ結晶から逃れることもあり得る。コンプトン散乱事象のエネルギー信号は、最大とほとんどゼロとの間のどこかにある。実際、核医学画像は、光電事象の大きさと同じとは限らない、最も可能性の高いエネルギー信号の大きさの10%〜20%内にあるエネルギー信号を使用して生成される。SA出力を、選択したエネルギーウィンドウ内のエネルギー信号のみを受け付ける波高分析器(PHA)に適用することによって、有効なエネルギー信号が選択される。
平面イメージング用のアンガー型のシンチレーションカメラは、PMTアレイで観察が行われる平坦な大面積検出器と、ガンマ線エネルギーおよび相互作用点の空間座標を決定するための関連電子回路とからなる。アンガーカメラは光子計測システムであるか、またはパルスモードで動作し、そのため、一度に1つの相互作用で画像が取得される。これは、画像が単一の動作の一部として取得される他のモダリティの電流モードの動作とは異なる。基本的なシンチレーションカメラでは、単一のSAのみが設けられ、入力は、検出器の全PMTのPA出力であり、その数は、一般に合計で37、61、または91である。検出器全体に対する単一のSAは、一度に1つのガンマ線の相互作用のみを検出できること、および検出器の動作が単一ゾーンモードにあることを意味する。エネルギー決定は、全PMTの出力を合計することによって達成されるが、空間座標は、通常X+、X−、Y+、およびY−信号と称する4つの位置信号を生成することによって、決定される。X+およびX−信号は、PMTアレイの右半分および左半分のPMTの出力をそれぞれ合計することによって得られる一方、Y+およびY−信号は、同様に、PMTアレイの上半分および下半分の出力をそれぞれ合計することによって得られる。次いで、各事象のXおよびY座標は、X=(X+)−(X−)およびY=(Y+)−(Y−)を取り、それぞれ(X+)+(X−)および(Y+)+(Y−)に正規化して、得られる。それゆえ、光子エネルギーおよび空間座標の決定が、相互作用点から遠く離れたPMTからのノイズの影響を受けやすいことは、避けられない。さらに、検出された各事象は、検出器のPMTアレイ全体を含み、かつ一度に検出できる相互作用は1つのみであるという事実は、依然として従来のシンチレーションカメラの重大な欠陥の1つである。検出器における2つ以上の相互作用は、大きすぎてエネルギーウィンドウから外れるエネルギー信号をもたらすため、拒絶される。画像ボケが生じるのは、検出器の異なる点における2つ以上のコンプトン散乱相互作用が同時に発生し、およびエネルギー信号が、光電相互作用に対応する信号となる場合である。次いで、複合エネルギー信号が有効としてPHAに受け入れられ、アンガーの位置決め論理回路が、光電相互作用の位置として、コンプトン散乱相互作用間の中間位置の座標を生成する。これらの事象は、光電相互作用がそこでは発生していないため、誤位置パイルアップ事象と称し、これらの事象の効果は、放射性医薬品の分布の画像にボケを生じさせる。一度に検出できるガンマ線の相互作用数の増加を図るために相当な努力および研究がなされてきている。従来技術の核カメラで採用された1つの解決法は、SAを省略し、別個のアナログ・デジタル変換器(ADC)において個別にPMTの各PA出力をデジタル化し、かつデータをコンピュータメモリに読み込ませることである。次いで、コンピュータプログラムがデータを分析して、有効なガンマ線の相互作用に対応するPA出力のグループを特定する。この技術により、今や一度に3つまでの事象を検出できるようになり、およびこのように動作するカメラをデジタルカメラと呼ぶ。それゆえ、デジタルカメラは、この性能の向上を反映するために、PMT毎に1個のADCを有すると宣伝されることが多い。単一ゾーン動作の限界を克服するガンマカメラ設計の別の手法は、検出器を複数の地理的なゾーンに分割し、それらゾーンのそれぞれが、複数の事象を検出できるように、SAおよびアンガーの位置論理を備え、かつ独立して動作するようにした手法である。しかしながら、この手法はまた、一度に最大3個の有効な事象しか検出しないように制限されている。それゆえ、拒絶され続ける多数の有効な相互作用は、非常に不利なままである。
PET用の検出器結晶は、陽電子消滅ガンマ線のエネルギーが高いために、単一光子イメージングよりもかなり厚くなる。加えて、コリメータがPETにおいて使用されないこと、およびガンマ線がまた、斜めの角度で検出器に到達し得ることは、入射角が大きいほど、結晶でガンマ線が横断できる距離が長くなることを意味する。PETにおける画像再構成ソフトウェアは、シンチレーション事象が結晶表面の初期入射点の真下で発生すると仮定するが、これは非常にまれなことである。このようなシンチレーション事象の誤った位置決めは、深さ方向の相互作用位置(DOI:depth−of−interaction)エラーと呼ばれる画像ボケを生じる。それゆえ、PET用の厚みのある検出器には、低空間解像度および画像の著しいDOIボケという問題が伴う。PET画像の解像度は、現在のところ平面画像の解像度よりも良好である。なぜなら、PET検出器モジュールは、一般に小さなセグメント(一般に3×3×30mm)に分割され、セグメントにおいて相互作用が起こったらシンチレーション光の発散を制限することによって空間解像度を向上させているためである。しかしながら、検出器のセグメント化はDOIエラーに対する影響がない。なぜなら、高エネルギーガンマ線はセグメントにかかわらず貫通できるためである。
核イメージングシステムの別の重要の特徴は計数率能力であり、これは、検出器の不感時間に直接関連する。イメーシングの応用は、患者の運きまたは体内での放射性医薬品の迅速な再分配を伴う場合があり、画像を可能な最短時間で構成できない限り、ボケた画像をもたらし得る。シンチレーションカメラにおける個々の被検出事象間の最短の時間間隔は、その不感時間と呼ばれる。不感時間は、結晶におけるガンマ線の相互作用と、コンピュータメモリへの、デジタル化されたエネルギーおよび位置情報の伝達との間の期間にわたる。2タイプの不感時間、すなわち、シンチレータ減衰時間の特徴である、検出器の麻痺型(paralyzable)不感時間と、デジタルデータを生成してコンピュータメモリに伝達するために、信号処理ハードウェアおよびコンピュータインターフェースが必要とする時間である、非麻痺型不感時間とがある。非麻痺型不感時間は、一般的により長いが、一定のままであるが、麻痺型不感時間は計数率と共に増大する。それゆえ、麻痺型検出器の計数率は、その不感時間τの逆数に比例するピーク値までのみ増大してから、計数率が増大するにつれて減少し、最終的には、検出器の麻痺を生じる。これは、1個のシンチレーション事象がその前の事象の直後に続くと、それらが合わさり、エネルギー信号がSAでパイルアップし、PHAにより双方とも拒絶されるようになるため、発生する。計数率が増加するにつれパイルアップ拒絶は頻繁になり、不感時間は長くなる。既存のイメージングシステムにおいて検出器の麻痺を回避する方法は、計数率を、それゆえ同様に放射性医薬品の投与量を制限することによるものである。計数率は滅多に20%のカウントロス点を超えて上昇することはなく、これは、ピーク計数率の80%しか達成できないことを意味する。検出器およびPMTアレイの非効率的な使用は、長いこと認識されており、相当な注目を集めている。しかしながら、上述の通り、不感時間期間当たり2個または3個の事象のみを記録できるため、検出器の感度を2倍超または3倍超高めることは実際的ではなかった。
PETイメージングは、同時対における事象の相互作用時間を比較して、画像再構成での使用の前に時間的重複を確立することを必要とする。現在の設計は、同時事象が検出されたら、個々の事象の相互作用時間を親時計と比較して、エネルギーおよび空間座標と共にタイムスタンプを記憶する。同時用の時間ウィンドウは、検出器の不感時間よりも著しく短く、その結果、被検出事象のほんの一部分のみが同時をもたらす。これは、体内での放射能の迅速な再分配が(これは、多くの研究において生じることがある)、画像再構成ソフトウェアを使用してデータを後に処理する必要があるため、リアルタイムではなく事後にのみ観察できることを意味する。
140keVガンマ線用のシンチレーション検出器は、通常、適正な感度を保証するために6〜12mmの厚みを有する。しかしながら、固有空間解像度および検出器の感度は、相反する厚さの条件を有する。なぜなら、検出器の厚さが厚いほど、PMT側から出射するシンチレーション光の発散が大きくなるためである。それゆえ、固有解像度が低下されるべきではない場合、検出器の感度は他の方法で高める必要がある。140keVガンマ線用の7.5mm厚さのNaI検出器は、平面イメージングおよびSPECTの固有解像度が7.2mmである。511−keVガンマ線用のBGO検出器は、一般に、適正な検出効率を有するために20〜30mmの厚さを有し、および厚さ30mmの連続BGO検出器は、固有解像度が31mmであり、これは許容できない。それゆえ、従来技術のPETスキャナは、2.54×2.54cmブロックのBGOをのこぎりで切ることによって8×8アレイの(3×3mm)要素にセグメント化して用いることによって、4〜6mmの空間解像度を達成する。セグメント間でのこぎりで切られたものは、シンチレーション光の出射時の発散の防止を助けるように、銀メッキされる。空間解像度のさらなる改善は、セグメントサイズを大幅に小さくすることを必要とし、検出器内で個々のセグメントを特定することを次第により困難にする。当業者は、この方法を使用する2mmの等方解像度が限界であると推定する。しかしながら、結晶構造への解像度の依存の理論的分析は、これも実際的ではないことを示している。
検出器ブロックのセグメント化は、セグメントにおいて相互作用が発生したときにはシンチレーション光の発散を制限するのに効果的であるが、斜めに入射するガンマ線が検出器セグメントを貫通する能力に対しては影響がない。ガンマ線が検出器セグメントを貫通することによる画像の歪み、すなわちDOIは、複数の層のシンチレータか、またはPMTと共に光検出器としてアバランシェフォトダイオード(APD)の使用かのいずれかを含む検出器技術を必要とし、これは、解像度を高めることなく、検出器のコストを増大させ、かつ複雑さを増す。DOIエラー補正を行う陽電子断層撮影装置が利用可能になっているが、画質の改善はわずかにすぎなかった。核イメージングシステムの限界を克服するための現在の戦略は、病気自体を治すのではなく、症状を治療することであるとみなすことができる。現代のPETスキャナはまた、画像再構成用のデータのバックプロジェクションから生じる画像ノイズを制限するために、TOF能力を備えている。核イメージングの画質は、それにもかかわらず、CTおよびMRIの画質よりもかなり劣ったままである。現在利用可能な検出器アーキテクチャは、いかなる有意な方法によっても問題に対処しそうにない。さらに、核イメージングシステムの感度の改善に与えられた多数の出版物および特許にもかかわらず、核画像の空間解像度の改善にはほとんど注意が払われていない。現在のPETシステムにおける有効同時の識別は、ハードウェアを使用するリアルタイム検証とは対照的に、大量の未加工データで動作するソフトウェアを使用して実施されることが多く、これは、記憶空間の非効率的な使用および計算時間を生じることも留意されたい。
マルチゾーン動作を達成する直接的な手法は、例えばNaI(Tl)およびCsI(Tl)シンチレータの画素で構成されたアレイの場合のように、検出器を複数の独立した地理的なゾーンに分割することであった。しかしながら、これらアレイの個別の検出器は、Siフォトダイオードを使用して独立した読み出しを必要とし、これは、それらの数が多いために高価になる。そのようなアレイは、小型の、携帯カメラおよび波高分光分析システムに応用される。高純度ゲルマニウム(HPGe)およびZnCdTeの半導体検出器アレイ(これは複合型シンチレータ−光検出器の必要性をなくす)が、さまざまな成功度で開発されている。しかしながら、HPGe検出器は極低温冷却を必要とする一方、ZnCdTe検出器は、現在のところ、大型に作製することが困難である。その結果、量子効果の低さ、量子効果におけるユニット毎の変動、およびガラス壁ゆえの、不感帯からのパッキングフラクション(packing fraction)の低さにもかかわらず、PMTは、核イメージングシステムに選択される光検出器であり続けている。
上記を考慮して、感度を向上し、画像SNRおよび空間解像度を高めるために、検出器設計に対する新しい手法が絶対的に必要とされている。画像における病変検出性は、平面および断層画像において一様に、誤位置パイルアップ事象によるボケを減少させ/なくし、かつPETシステムにおけるDOIエラーを減らすことによって、さらに改善する必要がある。
本発明の目的は、これらすべての改良を提供することにある。
本発明を、添付図面に、限定ではなく一例として示し、同様の参照符号は類似の要素を指す。
図1A〜1Eは、本発明の実施形態による検出ゾーン用の例示的なPMTアレイ構造を示す。 図2Aは、本発明の実施形態による、検出ゾーン用の例示的な誤位置パイルアップ抑制回路の単純なブロック図を示す。図2Bは、本発明の実施形態による例示的な検出ゾーン回路の単純なブロック図を示す。 図3は、本発明の実施形態による、MZDAを備える例示的なシンチレーションカメラの単純なブロック図を示す。 図4Aは、本発明の実施形態による六角形のPETスキャナの利用可能な最大視野(FOV)を示す。図4Bは、本発明の実施形態による六角形のPETスキャナの最小の円形視野(FOV)を示す。図4Cは、本発明の実施形態による、湾曲した検出器に基づく六角形のPETスキャナの最小の円形視野(FOV)を示す。 図5は、本発明の実施形態によるPET/SPECTスキャナの例示的な同時検証論理回路を示す。 図6は、本発明の実施形態による例示的な六角形のPET/SPECTスキャナ単純な機能ブロック図を示す。 図7Aは、本発明の実施形態による、光ファイバー結合を使用することにより多数の小型有効サイズPMTを用いる例示的な幾何学的サンプリングを示す。図7Bは、本発明の実施形態による、図7AのPMT PおよびそのPAの例示的な等価回路を示す。図7Cは、本発明の実施形態による、4チャネルのPMT、関連のPAおよびSAの例示的な等価回路を示す。 図8は、本発明の実施形態による、4個の隣接する放射線カウンタが増幅器、PHAおよびADCを共有できるようにする例示的な回路を示す。
他に指定のない限り、図面は必ずしも縮尺通りではない。
上述および他の目的を達成するために、かつ本発明の目的に従う、マルチゾーン検出器アーキテクチャ(MZDA)を使用する核イメージング用の方法およびシステムが提示される。
MZDAの一実施形態では、システムは、入射放射線の光子を含む事象に応答して光学光子のバーストを生じる少なくとも1つのエネルギー検出器を含む。MZDAは、少なくとも1つのエネルギー検出器のゾーンを観察しかつ光子のバーストを信号出力に変換するために、ハニカムアレイに配置された7個の光検出器のF個の共有グループを含み、中心グループの各々は、少なくとも1つのエネルギー検出器のゾーンに関連付けられている。誤位置パイルアップ抑制回路は、入射放射線の散乱光子による信号出力を拒絶するために、中心グループの各々に関連付けられる。検出ゾーン回路は、1つの検出器不感時間の期間中にF個の事象の検出においてエネルギーおよび位置信号を生成するために、F個の共有グループの各々に関連付けられる。別の実施形態はパイルアップ防止回路をさらに含み、この回路は、麻痺型検出器が非麻痺型として動作できるようにし、かつ計数率によって不感時間が増加すること、および検出器の麻痺を生じることを回避する。さらに別の実施形態は、エネルギーおよび位置信号のためのアナログ・デジタル変換器(ADC)をさらに含む。F個の入力を備えるマルチプレクサは、F個の事象のデジタルエネルギーおよび位置信号をコンピュータメモリに伝達する。さらに別の実施形態は、空間線形補正ハードウェアをさらに含み、これは、デジタル化信号で動作して、非線形から生じる歪みを軽減する。別の実施形態は、画像表示およびデータ分析用の光検出器のゲインのバラツキから生ずるエラーを軽減するためのエネルギー補正ハードウェアをさらに含む。感度、空間解像度、および核画像の信号対ノイズ比(SNR)を改良するためのMZDAの上述の技術は、平面および断層(PET/SPECT)イメージングの双方に例示的な設計に適用されてきた。
MZDAの別の実施形態では、方法は、連続シンチレータからの光子のバーストを光検出器に結合するために光ファイバーを使用して、光検出器の有効サイズを小さくするステップを含み、それにより、PMTからガラス壁を効果的に除去し、かつパッキングフラクションを100%に増大させ、光検出器数の実質的な増加を可能にし、それにより、検出器の有効不感時間をさらに削減する。これが、検出器の感度/計数率応答、および画像の空間解像度の双方を上げる。これは、シンチレーション検出器の空間サンプリングを高め、それゆえエネルギーおよび位置信号のより正確な決定が可能になり、およびノイズによる画像ボケを減らす。別の実施形態は、独立した隣接する放射線検出器を光検出器に結合するステップをさらに含む。これにより、通常別個の信号処理回路を備える隣接する放射線検出器が、検出ゾーンに配置されること、およびこれらの回路を共有してコストを削減しつつ、独立した検出器の空間解像度能力を維持することが可能となる。
本発明の他の特徴、利点、および目的は、添付の図面と併せて読む必要のある以下の詳細な説明からより明らかとなり、より容易に理解される。
本発明は、以下の詳細な図面および説明を参照することにより、最もよく理解される。
本発明の実施形態を、図面を参照して下記で説明する。しかしながら、当業者には、本発明の範囲はこれらの限定された実施形態を越えて及ぶため、これらの図面に関して本明細書で与えられる詳細な説明は例示のためのものであることを理解されたい。例えば、本発明の教示を考慮すると、以下説明して示す実施形態における特定の実装例の選択肢を越えて、特定の用途での必要性に応じて、本明細書で説明する任意の所与の詳細の機能性の実装に対する多くの代替的および好適な手法を当業者が認識することを理解されたい。すなわち、本発明には多数の修正例および変形例があり、これらはリストするには数が多すぎるが、全て、本発明の範囲内に収まる。また、適切な場合には、単数形の語は複数形として、およびその逆として、および男性形を女性形として、およびその逆として読み取れ、および代替的な実施形態は、必ずしも、2つが相互排他的であることを意味しない。
以下、本発明を、添付図面に示すような実施形態を参照して詳細に説明する。
好ましい実施形態の詳細な説明を本明細書に提供する。しかしながら、本発明は、様々な形態で供し得ることを理解されたい。それゆえ、本明細書で説明する具体的詳細は、限定であると解釈するべきではなく、特許請求の範囲の基礎として、および当業者に教示するための、適度に詳細な実質的に任意のシステム、構造または方法において本発明を用いるための代表的な基礎として解釈するべきである。
本明細書で示す任意の正確な測定値/寸法または特定の構成材料は、好適な構造の例として提供しているにすぎず、決して限定を意図するものではないことを理解されたい。特定の用途の必要性に応じて、当業者は、以下の教示を考慮して、多数の好適な代替的な実装例の詳細を容易に認識する。
本発明の好ましい実施形態の3つの幅広い設計目的は、(a)画像SNRを高めるための検出器の感度の向上、(b)核画像における病変の検出性を高めるための空間解像度の向上、および(c)シンチレーションカメラおよびSPECT画像における誤った位置でのパイルアップ事象とPET画像におけるDOIエラーとに起因する画像ボケの低減である。これは、マルチゾーン検出器アーキテクチャ(MZDA)を使用して検出器の不感時間を著しく削減し、かつ誤位置パイルアップ抑制(MPS)回路を含むことによって、達成される。基本的な核イメージングシステムが、不感時間期間毎の単一のシンチレーション事象の画像を構築する一方、MZDAは、因数Sだけ(これは2桁程度(S≧100)とし得る)検出器の有効不感時間を削減し、それにより、ピーク計数率をS倍だけ増加させる。本発明の好ましい実施形態では、検出ゾーンとして好ましくは7個のPMTのハニカム配置を使用して、Sは、S≒P/11、(式中、Pは、PMTアレイサイズである)として推定し得る。検出器の感度が結果として増加することにより、検出器を厚くして感度を高める必要はなく、それにより、空間解像度も向上させることができる。MZDAおよびMPS回路を用いる好ましい実施形態は、一般的に、画像の誤位置での事象をP分の1に減少させる。好ましい実施形態では、検出器の感度は、所望であればS倍にまでし得るが、2倍または3倍のみに制限されるため、過度の感度を引き換えにして空間解像度を向上し得る。MZDAを使用する好ましい実施形態において、Sを増加できる程度は、現在1.27cm(1/2インチ)の利用可能な最小のPMTサイズに依存する。331個の1.27cmのPMTによって観察される1.7cm厚さの六角形の29cm幅のNaI(Tl)検出器を使用する本発明によるシンチレーションカメラ設計は、コリメータ面において約2.1cmの解像度、およびコリメータ面から10cmの箇所において3.4cmの解像度を提供し、同じアレイサイズを使用する単一ゾーン設計の感度の2倍である。従来技術に基づく設計は、一般に、0.95cmの結晶厚さを使用して適切な感度を達成し、7cmの最高の解像度を提供し得る。感度および空間解像度のさらなる向上は、有効PMTサイズを低減することによってのみ可能である。なぜなら、実際のPMTサイズの低減は、PMTにガラス壁があるために、制限なしには続けることができないためである。本発明の好ましい実施形態では、有効PMTサイズは、シンチレータとPMTとの間の光ファイバー結合を使用することによって低減される。非限定的な例では、光ファイバー結合を使用してP=1930の1.27cmPMTのアレイの有効サイズを7.6mmまで削減する、36×32cmのNaI(Tl)結晶を使用する設計は、コリメータ面において1.0cmの解像度を、およびコリメータ面から10cm離れた個所において1.8mmの解像度をもたらす。本発明では、光ファイバー結合によって、PMTのパッキングフラクションを実際的に100%まで増やすことが可能になる。なぜなら、ガラス壁の厚さがもはや問題とはならないためである。それゆえ、本発明における光ファイバー結合のさらなる恩恵は、サイズおよび形状に関わらず性能およびコストのみに基づいてPMTを選択できることである。
本発明によれば、MZDA、MPSおよびパイルアップ防止回路(PPC)を備える連続結晶NaI(Tl)検出器を使用する高解像度/高感度の六角形のPET/SPECTスキャナは、PETにおける同時検出率を3倍にするため、かつSPECTイメージングにおいて単一の回転検出器ヘッドの計数率能力の6倍を達成するために、3つの検出器対を同時に動作させることによってスキャナの感度をさらに高めることができることを示す。現在のPET設計では、有効なガンマ線の相互作用の空間(x−、y−、z−)座標は、まず、親時計を使用してタイムスタンプと共にコンピュータメモリに記憶され、かつソフトウェアを使用して未加工データが後処理され、対向する検出器対における有効同時のごく一部を抽出する。本発明の顕著な特徴は、視野(FOV)内の有効同時が識別され、およびハードウェアを使用してリアルタイムに飛行時間(TOF)情報が決定されることであり、これは、データ処理時間を節約する。本発明では、同時検証は固定持続期間τのパルスを伴う。固定持続期間τのパルスは、各有効なガンマ線の相互作用によってトリガされ、その後、有効同時をテストするためにリアルタイムにデジタル回路によってFOV内の同様のパルスと比較される。これにより、3つの検出器対の各々における同時発生を並行して検証でき、それにより、MZDAを備える単一の検出器対の同時検出率を3倍だけ増加させる。本発明では、対向する検出器対間の個々の相互作用線(LOI)が検出ゾーンの開口角内の(angular)FOV内にある場合にのみ、同時事象は有効であると受理される。開口角内のFOVは、図4に示すように、非限定的な例における直径D=30cmの患者、および長さL≒2D≧60の検出器では29°〜34°の範囲に留まる。エネルギー解像度を向上させるためにNaI(Tl)を用いることに加え、LOIを開口角内のFOV内に制限することは、FOV外からの偶発的および散乱同時による画質劣化を最小限にする。非限定的な例では、0.8mm厚さのシンチレータおよび検出器当たりP=1287、1.27cmのPMTのアレイを使用することにより、0.66mmの空間解像度、および単一ゾーン動作よりも2倍も良好な相対感度を、または結晶の厚さが1.8mmまで厚くなる場合には、1.5mmの解像度、および10倍よりも良好な相対感度を提供する。PETでは、厚さ2〜3cmのブロック検出器は、大きなDOIエラーを生じる。本発明では、このソースによる画像ボケは、シンチレータの厚さを著しく薄くしたために実質的に排除されているので、DOIエラーの補正がもはや必要ない。PETシステムの画像ノイズの第2の主な原因は、ランダムかつ偶発的同時が画像データに寄与することである。非限定的な例では、PET設計は、検出器として、連続的な平坦なNaI(Tl)結晶の六角形の配置を使用する。NaI(Tl)は、他のほとんどのシンチレータよりもはるかに高い光出力を有するため、例えばBGOの±20%と比較して、±10%のエネルギーウィンドウを用いることをできるようにする。低減エネルギーウィンドウは、画像に加えられる散乱およびランダム同時をかなり減少させるので、SNRを増大させる。本発明の他の実施形態では、飛行時間(TOFまたはTF)の能力が望まれる場合、NaI(Tl)検出器を、好適に迅速なシンチレータの検出器、例えば、限定されるものではないが、LSO、LYSO、GSOなどと置き換えることができる。
本発明の好ましい実施形態では、0.8mm厚さのNaI(Tl)シンチレータに基づくPETスキャナはまた、低エネルギーの高分解能コリメータに適合することに加え、SPECTスキャナとして用いることができる。非限定的な例では、6個の検出器は、互いに同時に独立して動作するように設計される。スキャナの解像度は、コリメータ面において0.95mmまで、およびコリメータ面から10cmの箇所において1.6mmまで減少し、相対感度は、単一ゾーンモードで動作する単一の回転検出器ヘッドの6.0倍である。コリメータ面から10cmの箇所において2.0mmの解像度低下を得るためにコリメータの厚さを薄くすることによって、相対感度を、単一の検出器ヘッドの6.0倍のみと比較して、17倍まで高くする。SPECTスキャナは、イメージング中に静止して保持される場合には平面イメージングにさらに用いることができる。この実施形態では、対向する検出器ヘッドの各対は、互いに60°の角度に向けられた3つの高質の画像を獲得するために、連続して動作できる。空間解像度は、SPECTイメージングの場合と同じままである一方、3つの検出器対の感度は、SPECT動作の感度の3分の1である。従来技術の設計では、平面画像の解像度は、通常、コリメータから離れるように動くにつれて次第に低下する。連続して動作する2つの対向する検出器を用いる本発明では、平面画像の解像度は、スキャナの軸に向かってのみ低下し、これは、はるかに良好な画質をもたらす。
本発明の様々な実施形態では、MZDAの実装例を、上述の単一結晶検出器に限定する必要はない。連続結晶設計における検出ゾーンは、光検出器として使用されるPMTのサイズが大きくかつ空間解像度が低いために、必要とされる。検出ゾーンは、シンチレーション事象の空間座標を、アンガーの位置決め論理を使用して決定できるようにする。小型の携帯カメラ用の、画素で構成されたシンチレータアレイ、およびエネルギー選択放射線カウント用の半導体検出器アレイは、高解像度を提供するのに十分に小型であり、それゆえ、それら自体の専用の増幅器およびADCを備え、それによりとりわけ高価となる。本発明によれば、計数率密度が画素密度よりもはるかに少ないカウンタシステムを、MZDAから恩恵を受けるように再設計でき、その設計では、検出器のグループが信号−処理回路を共有でき、それにより、元の空間解像度を保持するより経済的な設計を提供する。非限定的な例では、検出器の密度はN(画素/cm)であり、適用に予測された最大計数率密度はC(カウント/s/cm)であり、ここで、C<Nである。真の計数率Cは、C≧0.223/τ(ここで、τは、独立して動作する画素行列の単一の検出器の不感時間である)を条件として20%以下の不感時間損失で記録でき、これは、S=4.48Cを意味する。次いで、画素で構成された検出器における増幅器および事象−検証回路を、k=N/S≧2、またはN≧2S=8.96C≒9.0Cであることを条件に、2個以上の隣接する画素で共有できる。2≦k<3の場合、平均して最大1つのみの事象が各画素対に達するため、2個の隣接する画素は同じ回路を共有できる。同様に、3≦k<4の場合、3個の隣接する画素が回路を共有できるなどである。共有された信号−処理回路で生成された電気信号は、画素行列内の事象位置のために容易に復号化される一方、ガンマ線のエネルギーは、これらの信号のデジタル値から決定される。複数の画素間で回路を共有する能力によって、良好な空間解像度のために画素を十分に小さくする一方、回路のコストをk分の1に削減することができる。
図1A〜1Eは、本発明の実施形態による例示的なPMTアレイ構造を示す。図1Aは、7個のPMTの群からなる検出ゾーンを構成するハニカム構造の例示的なPMTアレイ100を示す。7個のPMT1〜7は、発生されるべき被検出事象の正確なエネルギーおよび位置信号に関する十分な情報を提供する。分析により、中心のPMT1で有効な事象が検出されるときに、7個の最も近いPMTがシンチレーション光の90%〜96%を集めること、および2つの隣接する検出ゾーン間でのクロストークが1%未満であることが示される。図1Bは、図示の132個のPMTアレイ110に対する最低の最大数の7個の独立した検出ゾーンを示す一方、図1Cは、アレイ120における最高の最大数の15個の独立した検出ゾーンを示し、これらは事象分布に依存する。独立した検出ゾーン数は、重なりを生じずには新しいゾーンを追加できない場合に、最大となる。図1Dは、検出ゾーンをアレイ130に、ゾーン1〜6のように密に、ゾーン7のように完全に分離して、またはゾーン8および9のように空間的に重ねて(これは検出ゾーン回路によって拒否される)詰めることができることを示す。図1Eは、アレイ140の外側の周りのPMTは、検出ゾーンのPMTが7個未満になるため、検出ゾーンに対し中心PMTになれないことを示す。検出ゾーンに対し可能な中心PMTはグループ化され、検出ゾーン回路を共有する。これは、1個の介在PMTによって分離された2個のPMTは、それぞれ独立した検出ゾーンに対し中心PMTとなることができないためである。検出ゾーンのPMTは、明らかにこの基準を満たしており、それゆえ、検出ゾーン回路を共有できる中心PMTの最大数も7個である。必要な検出ゾーン回路の数Fは、7個の中心PMTからなる共有グループ数を最大にすることによって、最小にできる。検出ゾーンを共有する中心PMTグループの回路は、モジュール形式からなることができ、モジュールは、2〜7個のPMTのグループからなる。いずれのPMTアレイも、F個のそのようなモジュールを結合することによって、形成できる。この例では、アレイに対しF=19個のグループの中心PMTが、2〜7個のPMTからなるモジュールで構成されるが、6個のPMTを備えるモジュールは必要とされなかった。
図2Aは、本発明の実施形態による例示的な誤位置パイルアップ抑制回路の単純なブロック図を示す。図2Aは、誤位置パイルアップ抑制(MPS)回路210と、検出ゾーン回路が一度に1個の中心PMTのみがアクティブであることを保証するため、検出ゾーン回路を共有する7個の中心PMTのグループ用の事象スイッチ230とを示す。MPS回路210の機能は、散乱放射線による中心PMTの前置増幅器(PA)の出力を拒絶することである。検出ゾーンに最も近い12個のPMTのPA出力はまた、パイルアップ事象を回避しかつ隣接する検出ゾーン間のクロストークを最小にするように、チェックされる。図2Aは、PMT T〜TのMPS回路210の一実装例を示し、これは、検出ゾーン回路を共有する第1のグループの中心PMTを含む。結晶中心に対するTの空間座標(x0,1、y0,1)、および検出ゾーン内のPMTのPA出力(v1,1、..、v1,7)を、1組のアナログスイッチ230を通してコモンバス240にもたらす。関連の遅延線220は、
Figure 2013519879
の時間を生成できるようにし、かつスイッチをアクティブにできる。T用のMPS回路210は、v1,1>fminの場合、論理高パルス(logic−high pulse)Z1,1を生成し、これはv1,1>v1,i、i=2、3、…、7であること、および被検出事象を有効とし得ることも意味する。Tでの事象は、12個の第2のリング状のPMTにおける事象が同時に条件v1,i>fmin、i=8、9、...、19を満たさない場合に、空間的に独立して決定され、これにより、双方とも拒絶される。第2の有効な事象がTにおける有効な事象とし得る最も近いものは、図1Dにおける検出ゾーン1、2および3の中心PMTに関しては、18個の第3のリング状のPMTの1つにあるとし得る。第2のリング状のPMTのPA出力が上述の条件を満たす場合、D1,1=0および
Figure 2013519879
であるため、
Figure 2013519879
はアナログスイッチ230を閉じ、かつまた、
Figure 2013519879
としてコモンバス240に出現する。Tと同じグループにおける他のPMTは、このバスには接続されない。なぜなら、一度に1つしか中心PMTが存在しないためである。
図2Bは、本発明の実施形態による例示的な検出ゾーン回路の単純なブロック図を示す。検出ゾーン回路は、加算増幅器(SA)250と、アンガー位置回路260と、パイルアップ防止回路(PPC)270と、標準的なエネルギーウィンドウよりも幅の広い波高分析器(PHA)280と、T/Hを備える4個1組のADC290と、外部データラッチ295とを含む。図3に示すような、後でのエネルギー補正を可能にするために、ここでは、標準的なエネルギーウィンドウよりも広いものが使用される。検出ゾーンにおけるPMTのPA出力、Tの中心の座標(x0,1、y0,1)、およびデジタル信号
Figure 2013519879
は、図面上部のコモンバス240で入手できる。アナログ位置回路260は、Tの中心に対する相互作用点の座標ΔxおよびΔyを生成するので、結晶中心に対する相互作用点の絶対座標x’=x0,1+Δxおよびy’=y0,1+Δyを生成できる。エネルギー信号E’が、同様に、SA250において、検出ゾーン内のPA出力から生成される。生成されたアナログ信号は、PPC270に適用されて、複数のパイルアップ相互作用から第1のパルスを回復する。補正済みエネルギー信号Eが、V<E<Vであるかどうかを決定するためにテストされ、この場合、論理−低パルス
Figure 2013519879
が生成され、これは、ADC290におけるデジタル化を開始する。ADCのデジタル出力は、外部データラッチ295に保持され、およびF−入力マルチプレクサを通してコンピュータインターフェースに連続して読み込まれる。
図3は、本発明の実施形態による、MZDAを備える例示的なシンチレーションカメラの単純なブロック図を示す。P個のPMTアレイ310は、F個のほぼ等しいグループに分割され、F個の検出ゾーン回路330を共有する。それゆえ、F個までの独立した事象を検出でき、高速マルチプレクサ340によってコンピュータメモリに読み込まれるまでエネルギーのデジタル値および位置信号がデータラッチ295に保持される(図2)。マルチプレクサは、全不感時間間が、コンピュータインターフェースがマルチゾーン検出器と調和していることを保証すると、F個のデータラッチを読み取る。上部はP個のPMTアレイ310であり、それぞれ、MPS回路320を備えている。アレイのPMTは、5〜7個の中心PMTのF個のグループに配置されて、検出ゾーン回路を共有している。検出ゾーン回路330にv>fminが適用される中心PMTのPA出力は、被検出事象のエネルギーおよび位置信号を生成する。次いで、これらの信号は、PPC270に適用されて、パイルアップ相互作用における第1の事象を回復し、そうでなければPHA280によって拒絶されるので、PPCは、検出器の不感時間の削減を助ける。次いで、エネルギー信号が、エネルギー弁別のためにPHA280に適用され、その後、検出ゾーンからのアナログ信号は、それらの個々のADC290に適用されてデジタル化される。ADCからのデジタルデータが、F−入力マルチプレクサ340を通してコンピュータインターフェースに供給される。次いで、空間線形およびエネルギー補正350の処理がデータに適用されてから、画像表示およびデータ分析用のコンピュータメモリに伝達される。画像における空間線形補正は、アナログ位置決め回路における非線形、検出ゾーン内のPMTのPAのゲインのバラツキから、および検出器結晶およびコリメータにおける不完全性から生じる歪みを除去するために必要である。線形補正は、画像の各画素の位置座標に補正項を割り当てることを含む。同様に、画像のエネルギー補正が、検出ゾーンにおけるPAのゲインのバラツキから生じるエネルギー信号におけるエラーを最小にするために必要である。補正が、各事象に対するEの増減のいずれかを含むため、PHA280の仮ウィンドウ内のほとんどのエネルギー信号が保持される一方、ウィンドウの両端部における一部のエネルギー信号は、ルックアップテーブルに従って廃棄される。事象エネルギーのエラーは、PMTのPAのゲインを可能な限りほぼ等しいままとすることを保証する通常の品質管理手順を維持することによって、最小限にされる。
図4Aは、本発明の実施形態による、6個の平坦な矩形NaI(Tl)検出器を用いるPETスキャナの利用可能な最大視野(FOV)を示す。最大FOV410は、6個の検出器A〜Fで観察される六角形の領域である。図4Bは、本発明の実施形態によるPETスキャナの最小の円形視野(FOV)を示す。直径D=L/2(陰影付き)の最小の円形FOV420の場合、PMTの開口角は、角における28.9°から、検出器A〜Fの中心における33.6°まで変動する。図4Cは、本発明の実施形態による、6個の湾曲した検出器を備えるPETスキャナの最小の円形視野(FOV)を示す。直径D=L/2(陰影付き)の最小の円形FOV430の場合、PMTの開口角は、6個の検出器における全PMTに対し、一様に30°と等しい。直径D=L/2のFOVの場合、1個の検出器における各PMTは、対向する検出器にあるP個のPMTとその開口角内のFOVが一致し得る。同時検出を最小FOV内に制限することは、散乱および偶発的同時による画像ノイズを最小にする。
図5は、本発明の実施形態による、PET/SPECTスキャナ用の例示的な同時検証論理回路を示す。1個の検出器における各検出ゾーンは、その開口角内のFOV内のF個の他の検出ゾーンとの同時性を有し得る。論理レベル信号Zおよびアナログ信号E、xおよびyは、図2Bに示すように、それぞれPHA280およびエネルギーおよび位置回路260から得られる。下付き文字1iおよび2j(1≦i≦F、1≦j≦F)でラベルされた信号は、それぞれ検出器1における検出ゾーンiに、および検出器2における検出ゾーンjに対応する。どちらかの検出器における有効な相互作用からのZ−信号が、持続期間τの狭パルス510の生成をトリガする。ここで2τは、スキャナの解像度、または同時時間ウィンドウである。例えば、検出ゾーン1iからの事象Uによるτパルスは、論理回路ブロック(LC2j)525において全検出ゾーン2jのτパルス510と比較され、および1つのみの事象、例えばVとの有効同時が検出ゾーン2jにおいて検出される場合、論理高パルスが、LC2jブロック525における対応する出力端子に存在する。この論理高パルスが持続期間Tのパルス530をトリガし、次いでこのパルスを使用して、検出ゾーン2jにおけるエネルギーおよび位置信号を共通出力バス550に接続する。LC2j525からの狭論理高パルスはまた、OR2j545の出力側に出現する。検出ゾーン2jのVがまた、事象Uのほか、検出器1における事象Wと、または検出器2のFOV内の他の検出器の事象と同時性を有することが可能であるため、ブロックLC1i520を使用して、有効同時が、検出ゾーン1iの事象Uのみに確実に制限されるようにする。ゲートANDij560は、検出器2および1におけるVとUとの間の2方向同時の場合にのみ論理高出力を有するので、他の事象との3方向同時を除外する。この場合には、および好適な高速シンチレータが用いられる場合には、同時検証回路も使用して、持続期間τ+ΔTFijの出力パルスΔTFijを生成でき、ここで、ΔTFijは、ガンマ線1iの飛行時間と2jの飛行時間との間の差である。TFPijは、ΔTFij=0の場合に持続期間τ、およびΔTFij=τの場合に持続期間2τを有する。ANDij560からの狭論理高パルスを使用して、幅Tのパルス570を生成する。パルスΔTFij580は、有効同時がないときには論理レベル0にある。同時があり、およびΔTFijが論理1にある場合、ΔTSij590の論理レベルは、ガンマ線1iがガンマ線2jに先行するか(ΔTSij=1)、または遅れるか(ΔTSij=0)どうかを示す。検出ゾーン2jにおける事象Vのエネルギーおよび位置信号は、それぞれ出力E2j、x2jおよびy2jとして提示される一方、幅Tのパルスは、M=1に対して図示するように、出力においてZ2jに置き換わる。動作がSPECTモードにある、またはM=0である場合、検出ゾーン2jの信号Z2j、E2j、x2jおよびy2jは、修正せずに出力に伝えられる。図5は、2つのブロック1iおよび2jのみを示すが、上述の通り、iおよびjが変数であること(1≦i≦F、1≦j≦F)、および、実際に、いずれかの側のF個のブロックが示されていることを留意されたい。動作がPETモードにある場合、図面の下側の4個のスイッチによって、検出器2における事象が、検出器1における関連の同時事象と同じ順番で配置されることが保証され、2個の検出器における同時信号を、対向する検出器にある対応するADCセットに適用できるようにする。データラッチのデジタル化された値は、以下の図6に示すように同時に2個のF−入力マルチプレクサを通して、その後、連続して2−入力マルチプレクサによって読み取ることができる。同時事象のx−およびy−座標は、一語としてコンピュータメモリにも読み込まれて、データのバックプロジェクションおよびその後の画像再構成を容易にし得る。
図6は、本発明の実施形態による、例示的な六角形のPET/SPECTスキャナの単純な機能ブロック図を示す。スキャナ動作は、M=0が選択される場合にはSPECTモードにあり、およびM=1を選択することによって図5の同時検証回路(CVC)が起動される場合にはPETモードにある。同時検証回路CVC#1〜CVC#F625は、Fが上記で定義したような場合、図2BにおけるPHA280まででありかつPHA280を含む検出ゾーン回路を含む。PETモードでは、検出器Dは、図4Bの検出器の半部B2、A1、A2およびF1と同時となり得る。検出器の半部D1およびD2の境界線に沿った検出ゾーンは、検出器の半部A1およびA2とのみ有効同時となり得る。検出器D1の左端にある検出ゾーンは、検出器の半部A2およびF1と有効同時となり得る一方、D2の右端にある検出ゾーンは、検出器の半部B2およびA1と有効同時となり得る。概して、スキャナのどこにある検出ゾーンも、最大2個の検出器の半部に相当するもの、つまりF個の検出ゾーンと有効同時となり得る。同時検証回路(CVC)630は、これらの検出ゾーンとの2方向同時のみが受け入れられること、およびFOV外からの同時が廃棄されて、散乱および偶発的同時を最小にすることを保証するために、提供される。好適な高速シンチレータがNaI(Tl)に置き換わることを条件に、PETスキャナにTOF能力を追加できる。
図7Aは、本発明の実施形態による、光ファイバー結合を使用することにより多数の縮小有効サイズPMTを用いる、例示的な幾何学的サンプリングを示す。検出ゾーンにおける通常のPMT P〜Pの各々を、光ファイバー結合を使用することによって、4個のPMT t〜t、または縮小有効サイズの4チャネルのPMTによって置き換える。図7Bは、本発明の実施形態による、図7AにおけるPMT PおよびそのPAの例示的な等価回路を示す。図7Cは、本発明の実施形態による、4チャネルのPMTの例示的な等価回路、および関連のPAおよびSAを示す。さらに、1個のPMTに与えられたシンチレーション光を、2個以上のPMT間で等しく分割することによって、PおよびPAによる非線形の歪みを低減させる。なぜなら、ここでは、4チャネルのPMTおよびPAが、それらのより線形な範囲で動作しているためである。図7Aでは、光ファイバーを、矩形の端子を有するとして示しているが、端子は、理想的にはシンチレータ側では六角形であり、およびPMT側ではPMTと同じ形状である。
図8は、本発明の実施形態による、同様に図7Aのように配置されている4個の放射線カウンタ、例えばt〜tの例示的な回路を示す。カウンタの出力v〜vは、増幅器810、PHA820、およびADC830を共有する。有効な粒子または光子が検出される度に、論理高Zパルスが生成される。図示のスイッチの位置は、有効信号vが存在するときのものである。一度に2個以上の有効信号となる同時検出が回避される。任意選択で、回路は、2個以上の同時事象が拒絶される度に、図示の通り論理高パルスRを生成するように提供することを含み得る。これらのパルスのカウントを使用して、総数が記録されるエラーの範囲に関する統計情報を提供できる。
本発明の少なくとも一実施形態を十分に説明したが、本発明による、平面および断層(PET/SPECT)イメージングのための、高解像度/高感度および画像信号ノイズ比(SNR)改善のための他の等価のまたは代替的な方法および装置が当業者には明白である。本発明を上記で一例として説明し、開示の特定の実施形態は、開示の特定の形態に本発明を限定するものではない。例えば、シンチレーション検出器および光検出器の特定の実装例は、特定のタイプの核イメージングスキャナに依存して変化し得る。上述の回路は例示であり、本明細書で提供した教示による他の設計を、本発明の範囲内にあるとして考慮する。さらに、上述の教示は核イメージングに関するものである;しかしながら、同様の技術を、例えば天体物理学などにおける様々な他のタイプのスキャナ、核物理学における高エネルギー放射線検出器などに適用でき、かつ本発明の範囲内にあると考慮する。それゆえ、本発明は、以下の特許請求の範囲および趣旨内にある全ての修正物、等価物、および代替物を網羅する。
本明細書の特許請求の範囲の要素およびステップには、単に読みやすさおよび理解を助けるために、符号を付すおよび/または文字を付ける。そのため、符号および文字自体は、特許請求の範囲における要素および/またはステップの順序を示すものでもないし、そうみなすべきではない。

Claims (20)

  1. 方法において:
    入射放射線を含む事象に応答して、光学光子のバーストを生じる最適な検出器を選択するステップと;
    前記検出器の複数のゾーンを観察しかつ前記光学光子のバーストを信号出力に同時に変換するために、ハニカムアレイに光検出器を配置するステップと;
    前記入射放射線の散乱光子による信号出力を識別して拒絶するステップと;
    空間解像度に対する検出器の過度の感度と引き換えに、かつてない解像度を有する核画像を生じるステップと;
    1つの不感時間期間中に複数の検出ゾーンにおいてエネルギーおよび位置信号を同時に生成し、それゆえ、検出器の有効不感時間を削減し、かつ前記検出器の感度を高めるステップと;
    前記エネルギーおよび位置信号を、画像表示およびデータ分析用のコンピュータメモリに伝達するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、エネルギーを検出する前記ステップの前記検出器の有効不感時間をさらに削減するステップを含むことを特徴とする、方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、前記エネルギーおよび位置信号をデジタルに変換するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、装置の非線形から生じる歪みを軽減するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、前記光検出器および関連の前置増幅器におけるゲインのバラツキから生じるエラーを軽減するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、前記光学光子のバーストを前記光検出器に結合させて、前記光検出器の有効サイズを小さくするステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  7. 方法において:
    入射放射線を含む事象に応答して光学光子のバーストを生じるエネルギーを検出するステップと;
    前記光学光子のバーストのゾーンを観察し、かつ前記光学光子のバーストを信号出力に変換するために、7個の光検出器のF個の共有グループをハニカムアレイに配置するステップにおいて、前記中心グループの各々が検出ゾーンに関連付けられているステップと;
    前記中心グループの各々に対し、前記入射放射線の散乱光子による信号出力を拒絶するステップと;
    1つの不感時間期間中のF個の前記事象の検出において、前記F個の共有グループの各々に対し、エネルギーおよび位置信号を生成するステップと;
    前記F個の前記事象の前記エネルギーおよび位置信号を、画像表示およびデータ分析用のコンピュータメモリに伝達するステップと
    を含むことを特徴とする、方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、パイルアップ防止回路を使用して検出器の有効不感時間を削減するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  9. 請求項7に記載の方法において、アナログエネルギーおよび位置信号をデジタルに変換するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  10. 請求項7に記載の方法において、空間線形補正回路を使用して装置の非線形から生じる歪みを軽減するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  11. 請求項7に記載の方法において、エネルギー補正回路を使用して、前記光検出器および関連の前置増幅器のゲインのバラツキから生じるエラーを軽減するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  12. 請求項7に記載の方法において、光ファイバーを使用して前記光子のバーストを前記光検出器に結合させ、前記光検出器の有効サイズを小さくするステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
  13. システムにおいて:
    入射放射線を含む事象に応答して光学光子のバーストを生じる少なくとも1つの連続エネルギー検出器;
    前記少なくとも1つのエネルギー検出器のゾーンを観察しかつ前記光学光子のバーストを信号出力に変換するための、ハニカムアレイに配置された7個の光検出器のF個の共有グループを含むマルチゾーン検出器アーキテクチャにおいて、前記中心グループの各々が前記少なくとも1つのエネルギー検出器のゾーンに関連付けられている、マルチゾーン検出器アーキテクチャ;
    前記入射放射線の散乱光子による信号出力を拒絶するための、前記中心グループの各々に関連付けられた、誤位置パイルアップ抑制回路;
    1つの不感時間期間中におけるF個までの前記事象の検出においてエネルギーおよび位置信号を生成するための、前記F個の共有グループの各々に関連付けられた検出ゾーン回路;および
    前記F個の前記事象の前記エネルギーおよび位置信号を、画像表示およびデータ分析用のコンピュータメモリに伝達するための、F個の入力を備えるマルチプレクサ
    を含むことを特徴とするシステム。
  14. 請求項13に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つのエネルギー検出器の有効不感時間を削減するためのパイルアップ防止回路をさらに含むことを特徴とするシステム。
  15. 請求項13に記載のシステムにおいて、前記エネルギーおよび位置信号用のアナログ・デジタル変換器をさらに含むことを特徴とするシステム。
  16. 請求項13に記載のシステムにおいて、装置の非線形から生じる歪みを軽減するための空間線形補正回路をさらに含むことを特徴とするシステム。
  17. 請求項13に記載のシステムにおいて、前記光検出器および前置増幅器のゲインのバラツキから生じるエラーを軽減するためのエネルギー補正回路をさらに含むことを特徴とするシステム。
  18. 請求項13に記載のシステムにおいて、前記光検出器の有効サイズを小さくするために、前記少なくとも1つのエネルギー検出器と前記光検出器との間の光ファイバー結合をさらに含むことを特徴とするシステム。
  19. 請求項18に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つのエネルギー検出器における前記光ファイバー結合が、パッキングフラクションを最大にするために六角形状を有することを特徴とするシステム。
  20. 請求項13に記載のシステムにおいて、前記F個の共有グループの各々における前記F個の中心グループが、前記関連付けられた検出ゾーン回路を共有することを特徴とするシステム。
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