JP2013516199A5 - 生理的ボリューム量を決定するための装置と方法 - Google Patents
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本発明は、肺血管外水分量(EVLW)、胸腔内血液容量(ITBV)および心拡張末期容量(GEDV)などの血流による通過流領域内を通過する及び/又はその傍に拡散した各生理的ボリューム(physiological volume)の少なくとも1つのボリューム量を決定するための装置および方法に関連する。
このようなボリューム量は、担当医師が患者の現状を判断し、状態が悪化した場合は適切な対抗措置をとることを可能にするパラメータである。例えば、GEDVは患者の充填状態を評価するために使用され、EVLWは肺水腫の進行を観察するための重要なパラメータである。読みやすさを改善させるために、用語 "生理的ボリューム"もまた生理的ボリューム量に使用される。すなわち "生理的ボリューム"とは、肺の血管外水および胸郭の血液などの実際の物理的エンティティ、ならびに算出された容量の両方を示す。
一般的に、熱希釈法を採用した生体情報モニタは、関心のある生理的ボリュームの第1の位置の上流で血流の循環する血液ボリューム要素に課せられる温度変化を特徴付けるデータを提供するための制御手段、関心のある生理的ボリュームの第2の位置の下流で前記血流の温度を測定するセンサ手段、センサ手段からの測定値を読み取るための入力チャネルを持つ評価手段、時間をかけて前記の測定値を保存するための保存手段で構成されている。評価手段は、課された変化と測定値を特徴付けるデータから関心のある生理的ボリュームを計算する。
経時的にボリューム量変化を監視するために、測定を繰り返すことができる。さらに測定は米国特許第6,394,961号および米国特許第6,537,230号に記載されているように、測定の精度を向上させるために、異なる温度変化を繰り返し課すことが可能である。
通常、冷たいボーラス(bolus: 急速静注(薬))の注入は循環する血液ボリューム要素に温度変化を課すために使用されるが、米国特許第6,736,782号は、血流への熱パルスを発することができるカテーテルアセンブリの使用を開示している。
熱希釈法の代替法として、あるいはそれと組み合わせて、希釈法は循環する血液ボリューム要素の温度以外の固有の物理特性(例えば、導電性や光学特性)の変化を課すために、色素や塩溶液のような指示薬を注入して使用することも可能である。
従来の希釈法はこのようにボーラスの注入や熱パルスにより引き起こされる乱れに対するシステム応答の分析に基づいている。先行技術から公知の従来の希釈アルゴリズムでは、線形システム応答が前提である。すなわち、関心のある生理的ボリューム量と測定した固有の物理特性の間の線形関係が使用される。
従来の希釈法は一般的に孤立した一時点で生理的ボリューム量を適正に算出するが、これらは短期間に測定を繰り返す場合は不正確になることが示されてきた。特に、これらは準連続的な各ボリューム量の監視には適していないことが明らかである。
したがって希釈測定を十分な精度で繰り返すことができるように時間間隔を縮小することが、本発明の目的である。さらに、肺血管外水分量(EVLW)、胸腔内血液容量(ITBV)および心拡張末期容量(GEDV)などの、血流による通過流領域内を通過する及び/又はその傍に拡散した各種生理的ボリューム量の精度と信頼性を高めることが本発明の目的である。
本発明の一態様によれば、上記目的を達成するために、血流による通過流領域内を通過する及び/又はその傍に拡散した各種生理的ボリュームの少なくとも一つのボリューム量を決定するための装置が提供され、該装置は、
a)関心のある生理的ボリュームの上流の第1の位置で最初の血流の循環血液ボリューム要素に固有の物理特性の変化を示すデータ、ならびに前記の最初の時点より遅い2番目の時点で第1の位置の血流の2番目の循環血液ボリューム要素に固有の物理特性の2番目の変化を特徴付けるデータを提供する制御手段と、
b)通過流領域の下流の第2の位置で血流の固有の物理特性を測定するためのセンサ手段と、
c)センサ手段からの測定値を読み取るための入力チャネル及び経時的に得た該測定値を保存するための保存手段からなる評価手段と、を備えている。
前記評価手段は、最初の変化を特徴付けるデータ、2番目の変化を特徴付けるデータ、ならびに前記測定値から前記少なくとも1つのボリューム量を計算するように構成されており、ここで、該評価手段は、該少なくとも1つのボリューム量と前記測定値によって表される2か所目での固有の物理特性の経時変化との間の非線形関係を利用するように構成されている。ここで、前記非線形関係は、
-生理的ボリュームと前記通過流領域における最初の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に起因する該生理的ボリュームに固有の物理特性の変化、および
-生理的ボリュームと前記通過流領域における前記最初の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に対する、該生理的ボリュームと前記通過流領域における2番目の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量移動の差、
をモデルする。
a)関心のある生理的ボリュームの上流の第1の位置で最初の血流の循環血液ボリューム要素に固有の物理特性の変化を示すデータ、ならびに前記の最初の時点より遅い2番目の時点で第1の位置の血流の2番目の循環血液ボリューム要素に固有の物理特性の2番目の変化を特徴付けるデータを提供する制御手段と、
b)通過流領域の下流の第2の位置で血流の固有の物理特性を測定するためのセンサ手段と、
c)センサ手段からの測定値を読み取るための入力チャネル及び経時的に得た該測定値を保存するための保存手段からなる評価手段と、を備えている。
前記評価手段は、最初の変化を特徴付けるデータ、2番目の変化を特徴付けるデータ、ならびに前記測定値から前記少なくとも1つのボリューム量を計算するように構成されており、ここで、該評価手段は、該少なくとも1つのボリューム量と前記測定値によって表される2か所目での固有の物理特性の経時変化との間の非線形関係を利用するように構成されている。ここで、前記非線形関係は、
-生理的ボリュームと前記通過流領域における最初の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に起因する該生理的ボリュームに固有の物理特性の変化、および
-生理的ボリュームと前記通過流領域における前記最初の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に対する、該生理的ボリュームと前記通過流領域における2番目の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量移動の差、
をモデルする。
言い換えれば、本発明は、生理的ボリュームの固有の物理特性が最初(あるいは以前、それぞれ)のシステム乱れの影響を受けていることを考慮して、2つ(またはそれ以上)の連続的なシステム乱れに対するシステム応答から生理的ボリューム量を決定する。例えば、中心静脈血流に冷却ボーラスを注入することにより、肺血管外水などの流れ通る生物的ボリュームが冷却される。したがって、2回目に冷却ボーラスが注入されると熱移動のために駆動温度勾配が減少する。最初のボーラス注入と2回目のボーラス注入でのシステム応答の差からEVLWを決定することができる。
本発明の別の態様によれば、上記目的は、血流による通過流領域内を通過する及び/又はその傍に拡散した少なくとも一種類の生理的ボリュームを決定するための評価方法を提供することにより達成される。この方法は
(i)通過流領域の上流位置で血流の循環血液ボリューム要素の物理的変数の変化を特徴づけるデータを提供する工程と、
(ii)最初の時点より後の2番目の時点で、第1の位置での血流の2番目の循環血液ボリューム要素の固有の物理特性の2番目の変化を特徴付けるデータを提供する工程と、
(iii)通過流領域の血流下流における物理変数を示す測定値を読み取る工程と、さらに
(iv)経時的に測定値を保存する工程を備える。
(i)通過流領域の上流位置で血流の循環血液ボリューム要素の物理的変数の変化を特徴づけるデータを提供する工程と、
(ii)最初の時点より後の2番目の時点で、第1の位置での血流の2番目の循環血液ボリューム要素の固有の物理特性の2番目の変化を特徴付けるデータを提供する工程と、
(iii)通過流領域の血流下流における物理変数を示す測定値を読み取る工程と、さらに
(iv)経時的に測定値を保存する工程を備える。
この方法は、さらに最初の変化を特徴付けるデータ、2回目の変化を特徴づけるデータ、および前記測定値から前記少なくとも一つのボリューム量を計算する工程を備える。そこにおいて、前記測定値によって表される少なくとも一つのボリューム量と固有の物理特性の経時変化の間には非線形関係が使用される。前記非線形関係は、
-生理的ボリュームと通過流領域における最初の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に起因する前記生理的ボリュームに固有の物理特性の変化、および
-該生理的ボリュームと該通過流領域における該最初の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に対する、該生理的ボリュームと該通過流領域における2番目の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量移動の差、
をモデルする。
-生理的ボリュームと通過流領域における最初の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に起因する前記生理的ボリュームに固有の物理特性の変化、および
-該生理的ボリュームと該通過流領域における該最初の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に対する、該生理的ボリュームと該通過流領域における2番目の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量移動の差、
をモデルする。
本発明の有利な実施の形態では、少なくとも1つのボリューム量は、肺血管外水分量(EVLW)、胸腔内血液容量ITBVと心拡張末期容量(GEDV)のうちの少なくとも1つを含む。
前記の最初の変化は通常、第1の位置で血流の最初の循環血液ボリューム要素に課せられた固有の物理特性の変化となり、前記2番目の変化は通常、第1の位置で血流の2番目の循環血液ボリューム要素に課せられた固有の物理特性の変化であるが、本発明はまた血流中で生じる各物理特性の任意の変化に基づいて行える利点がある。
有利には非線形関係の実施は次に基づく:
Y(t)が通過流領域の下流の第2の位置で測定した固有の生理特性(システム応答)であり、
f (t-τ1) は、時刻τ1で第1の位置での固有の物理特性の課された最初の変化に(仮説的に)応答する関数であり(例えば、ディラック関数など)、
f (t-τ2) が、時刻τ2で第1の位置での固有の物理特性の課された2番目の変化に応答する仮説的線形関数であり(例えば、ディラック関数など)、
g (t-(τ2-τ1)) が、生理的ボリュームと通過流領域の最初の循環血液ボリューム要素の間で生じる熱および/または質量交換による生理的ボリュームの固有の物理特性が変化しなかった場合に予想される、実際の(非線形)システム応答と仮説の(線形)システム応答の差を示す場合は、
以下の式が適応される。
Y(t) = f (t-τ1) + f (t-τ 2) + g (t-(τ2-τ1))
Y(t)が通過流領域の下流の第2の位置で測定した固有の生理特性(システム応答)であり、
f (t-τ1) は、時刻τ1で第1の位置での固有の物理特性の課された最初の変化に(仮説的に)応答する関数であり(例えば、ディラック関数など)、
f (t-τ2) が、時刻τ2で第1の位置での固有の物理特性の課された2番目の変化に応答する仮説的線形関数であり(例えば、ディラック関数など)、
g (t-(τ2-τ1)) が、生理的ボリュームと通過流領域の最初の循環血液ボリューム要素の間で生じる熱および/または質量交換による生理的ボリュームの固有の物理特性が変化しなかった場合に予想される、実際の(非線形)システム応答と仮説の(線形)システム応答の差を示す場合は、
以下の式が適応される。
Y(t) = f (t-τ1) + f (t-τ 2) + g (t-(τ2-τ1))
上記はさらに一般的な実施の形態の特殊なカスケードモデルであり、有利にはここでのシステムの応答がボルテラ級数によって記述される:
ここで第1の位置での固有の物理特性の(課された)変化は X(t) =δ(t- τ1) + δ(t- τ2)、δはディラック関数でありY0は一定のオフセット(例えば体温T0でのベースライン)。
第1の位置での固有の物理特性X(t)の変化がガウス型白色雑音により表される場合、上記の積分級数はウィナー級数になる。しかし、有利には任意の固有の物理特性Xのために、非線形関係は次の関係式が得られる。
第1の位置での固有の物理特性X(t)の変化がガウス型白色雑音により表される場合、上記の積分級数はウィナー級数になる。しかし、有利には任意の固有の物理特性Xのために、非線形関係は次の関係式が得られる。
当業者が理解するように、本発明では血液ボリューム要素の物理特性に課される変化は2つのみに限定されていない。代わりに、本発明はそれぞれの血液ボリューム要素に複数の変化を課すことができる。例えば、ペルチェ素子、加熱コイルあるいは類似したものを使用して、(正または負の)熱パルスを繰り返し発するために適合したカテーテルを使用すると、準連続した生理的ボリュームを決定するために本発明を実施することができる。
本発明はまた、より一般的に、血流による通過流領域内を通過した及び/又はその傍を流れた各種生理的ボリュームの少なくとも一種類のボリューム量を決定するための装置を提供するものであり、該装置は、
a)各時点で通過流領域の上流の第1の位置での血流の各循環血液ボリューム要素に固有の物理特性の複数の変化を特徴付けるデータを提供する制御手段と、
b)通過流領域の下流の第2の位置で血流の固有の物理的性質を測定するためのセンサ手段と、
c)センサ手段からの測定値を読み取るための入力チャネル及び経時的に該測定値を保存するための保存手段を具備する評価手段と
を備え、前記評価手段は、少なくとも1つのボリューム量と測定値によって表される第2の位置での固有の物理特性の経時変化との間の非線形関関係を使用して、複数の変化を特徴づけるデータと前記測定値とから前記少なくとも1つのボリューム量を計算するように構成される。
ここでの非線形関係は、
-生理的ボリュームと通過流領域における以前の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に起因する生理的ボリュームに固有の物理特性の変化、および
-該生理的ボリュームと該通過流領域における該以前の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に対する、該生理的ボリュームと該通過流領域における次の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量移動の差、
をモデルする。
a)各時点で通過流領域の上流の第1の位置での血流の各循環血液ボリューム要素に固有の物理特性の複数の変化を特徴付けるデータを提供する制御手段と、
b)通過流領域の下流の第2の位置で血流の固有の物理的性質を測定するためのセンサ手段と、
c)センサ手段からの測定値を読み取るための入力チャネル及び経時的に該測定値を保存するための保存手段を具備する評価手段と
を備え、前記評価手段は、少なくとも1つのボリューム量と測定値によって表される第2の位置での固有の物理特性の経時変化との間の非線形関関係を使用して、複数の変化を特徴づけるデータと前記測定値とから前記少なくとも1つのボリューム量を計算するように構成される。
ここでの非線形関係は、
-生理的ボリュームと通過流領域における以前の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に起因する生理的ボリュームに固有の物理特性の変化、および
-該生理的ボリュームと該通過流領域における該以前の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に対する、該生理的ボリュームと該通過流領域における次の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量移動の差、
をモデルする。
同様に本発明は、血流による通過流領域内を流れる各種生理的ボリュームの少なくとも一種類のボリューム量を決定するためのより一般的な評価方法も提供し、これは
(i)通過流領域の上流の第1の位置で血流の各血液ボリューム要素に固有の物理特性の逐次変化を特徴づけるデータを提供する工程、
(ii)通過流領域の血流下流における物理的変数を示す測定値を読み取る工程、
(iv)経時的に測定値を保存する工程を備え、
ここでこの方法は、さらに複数の変化を特徴づけるデータと少なくとも1つのボリューム量の測定値からの計算工程を含み、これは少なくとも1つのボリューム量と測定値によって表される第2の位置での固有の物理特性の経時変化との間の非線形関係を使用する。ここで、非線形関係は、
-生理的ボリュームと通過流領域における以前の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に起因する生理的ボリュームに固有の物理特性の変化、および
-該生理的ボリュームと該通過流領域における該以前の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に対する、該生理的ボリュームと該通過流領域らおける次の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量移動の差、
をモデルする。
(i)通過流領域の上流の第1の位置で血流の各血液ボリューム要素に固有の物理特性の逐次変化を特徴づけるデータを提供する工程、
(ii)通過流領域の血流下流における物理的変数を示す測定値を読み取る工程、
(iv)経時的に測定値を保存する工程を備え、
ここでこの方法は、さらに複数の変化を特徴づけるデータと少なくとも1つのボリューム量の測定値からの計算工程を含み、これは少なくとも1つのボリューム量と測定値によって表される第2の位置での固有の物理特性の経時変化との間の非線形関係を使用する。ここで、非線形関係は、
-生理的ボリュームと通過流領域における以前の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に起因する生理的ボリュームに固有の物理特性の変化、および
-該生理的ボリュームと該通過流領域における該以前の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量交換に対する、該生理的ボリュームと該通過流領域らおける次の循環血液ボリューム要素との間に生じる熱および/または質量移動の差、
をモデルする。
さらに、第1の位置で血流の各血液ボリューム要素の固有の物理特性の前記の変化は、通常、各循環血液ボリューム要素に課せられた固有の物理特性の変化であるが、本発明はまた血流中で生じる各物理特性の任意の変化に基づいて行える利点がある。
図1に本発明の好適な実施の形態が示されている。その中で、関心のある生理的ボリュームは患者4の肺血管外水6であり、すなわち、そのボリューム量EVLWが決定されるべきである。患者4の血流は肺循環3の肺血管外水6と熱接触している。肺循環は、このように上記の意味で、血流による通過流領域3と見なされる。
生体情報モニタ9はさらに、EVLWと測定値によって表される第2の位置2での血液温度の経時変化の間の非線形関係を用いてEVLWを計算するように適合したマイコンを備える。EVLWの結果は、ディスプレイ19に表示される。
非線形関係は、肺血管外水6と通過流領域3における以前の循環血液ボリューム要素との間で生じる熱交換による該肺血管外水6の温度変化をモデルし、かつ、該肺血管外水6と該通過流領域3における該以前の循環血液ボリューム要素との間で生じる熱交換に対する、該肺血管外水6と該通過通流領域3における次の循環血液ボリューム要素との間で生じる熱移動の差をモデルする。このような非線形関係の一例を図2と図3を組み合わせて説明する。
もし2番目のピーク12が生じなかった場合、実線21は第2の位置2で測定された最初のピーク11への仮説のシステム応答を示す。言い換えれば実線21は最初のピーク11に相当する熱パルスの間に放出される熱に起因するシステム全体の応答分を示す。もし1番目のピーク11が生じなかった場合、点線22は第2の位置2で測定された2番目のピーク12への仮説システムの応答を示す。言い換えれば点線22は2番目のピーク12に相当する熱パルスの間に放出される熱に起因しているシステム全体の応答分を示す。そこでは、最初のピーク11に相当する熱パルスからの結果として肺血管外水が加熱されていることが無視されている。なぜなら熱は肺血管外水に移動し、一方、熱パルスによって加熱された血液ボリューム要素は通過流領域3を循環するためである。
実際には、2番目のピーク12に対応する熱パルスにより加熱された血液ボリューム要素が通過流領域3を循環する場合、肺血管外水の温度上昇により、熱移動のための駆動温度勾配は、1番目のピーク11に対応する熱パルスにより加熱された血液ボリューム要素が通過流領域3を循環する場合の駆動温度勾配よりも少ない。結果として、2番目のピーク12に相当する熱パルスの間に放出される熱によるシステム全体の応答分は、むしろ破線23により示される曲線に相当する。特に、破線23で示される2番目の仮説応答は左側にシフトする(すなわち短い時間の方に)。
破線33で示される実際(非線形)のシステム応答と点線32で示される仮説(線形)のシステム応答の差は、肺血管外水6のボリューム量EVLWを示す。この差は図3の実線34で示されている。
特に、実線34(すなわち曲線の正区間の積分)の下の面積35は肺血管外水量6のボリューム量EVLWに比例する。
T(t) はt時点での通過流領域3の第2の位置2の下流で測定した温度T、
f (t-τ1) はτ1時点での最初のボーラス注入あるいは最初の熱パルスへの(仮説)応答、
f (t-τ2) はτ2時点での2番目のボーラス注入あるいは2番目のヒートパルスに応答する仮説線形応答、
g (t-(τ2- τ1)) は実際(非線形)のシステム応答と仮説(線形)システム応答の差であり、図3の実線34とすると、
それから次式が上記の例に適応される。
T(t) = f (t-τ1) + f (t-τ2) + g (t-(τ2-τ1))
f (t-τ1) はτ1時点での最初のボーラス注入あるいは最初の熱パルスへの(仮説)応答、
f (t-τ2) はτ2時点での2番目のボーラス注入あるいは2番目のヒートパルスに応答する仮説線形応答、
g (t-(τ2- τ1)) は実際(非線形)のシステム応答と仮説(線形)システム応答の差であり、図3の実線34とすると、
それから次式が上記の例に適応される。
T(t) = f (t-τ1) + f (t-τ2) + g (t-(τ2-τ1))
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