図1は、本発明を実装することができる通信ネットワークの例として、標準の3GPP LTEによる通信ネットワークCNを示す。
前記通信ネットワークCNは、基地局BS1〜BS3、ユーザ端末UE1〜UE4、サービング・ゲートウェイSGW、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGW、およびモビリティ管理エンティティMMEを含む。
前記ユーザ端末UE1〜UE4のそれぞれは、無線接続を介して1つまたは複数の前記基地局BS1〜BS3に接続し、それらは図1の中でフラッシュによって表される。基地局BS1〜BS3は、同様に、いわゆるS1インタフェースを介して、サービング・ゲートウェイSGWおよびモビリティ管理エンティティMME、すなわち発展型パケット・コア(EPC)に接続する。
基地局BS1〜BS3は、いわゆるX2インタフェースを介してお互いに接続する。
サービング・ゲートウェイSGWは、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWに接続し、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWは、同様に外部IPネットワークIPNに接続する。
S1インタフェースは、基地局BS1〜BS3、すなわちこの例ではeNodeBと発展型パケット・コア(EPC)の間の標準化されたインタフェースである。S1インタフェースは、基地局BS1〜BS3とモビリティ管理エンティティMMEとの間で信号メッセージを交換するためのS1−MME、および、基地局BS1〜BS3とサービング・ゲートウェイSGWとの間でユーザ・データグラムを移送するためのS1−Uの2つの種類を有する。
X2インタフェースは、ハンドオーバ中にユーザ・プレーン信号および制御プレーン信号を転送するために、かつ、調整されたマルチポイントの受信または送信を実行するために、3GPP LTE標準の中に追加される。アップリンクの中で調整されたマルチポイントを受信する場合、調整区域または調整グループの中の基地局BS1〜BS3は、それぞれのエア・インターフェースで受信したデータを、調整装置に、例えばマスタ基地局BS3に、または、図1には示していない外部の調整されたマルチポイント調整装置に、好ましくは、いわゆるX2インタフェースを介して、すなわちバックホールを介して、異なる基地局BS1〜BS3からのデータを評価するために、転送する。
サービング・ゲートウェイSGWは、基地局BS1〜BS3とパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWとの間のIPユーザ・データのルーティングを実行する。さらに、サービング・ゲートウェイSGWは、異なる基地局間の、または異なる3GPPアクセス・ネットワーク間のどちらかのハンドオーバ中に、モバイル・アンカ・ポイントとして働く。
パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWは、外部IPネットワークIPNへのインタフェースを代表し、ユーザ端末(UE1〜UE4)とそれぞれのサービング基地局(BS1〜BS3)との間に確立される、いわゆるEPSベアラ(EPS=発展型パケット・システム)の終端となる。
モビリティ管理エンティティMMEは、加入者管理およびセッション管理のタスクを実行し、また、異なるアクセス・ネットワーク間のハンドオーバ中のモビリティ管理を実行する。
図2は、本発明を実装することができる、ユーザ端末および基地局BSの構造を示す概略図である。
基地局BSは、例として3つのモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3および制御ユニット・ボードCU1を含み、制御ユニット・ボードCU1は、同様にメディア依存性アダプタMDAを含む。
3つのモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3は、制御ユニット・ボードCU1に接続し、制御ユニット・ボードCU1は、同様に、いわゆる共通公衆無線インタフェース(CPRI)を介して、リモート無線ヘッドRRHに接続する。
リモート無線ヘッドRRHは、無線インタフェースを介してデータを送受信するために、例として2本のリモート無線ヘッド・アンテナRRHA1およびRRHA2に接続する。
メディア依存性アダプタMDAは、モビリティ管理エンティティMMEに、およびサービング・ゲートウェイSGWに、したがってパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWに接続し、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWは、同様に外部IPネットワークIPNに接続する。
ユーザ端末UEは、例として、2本のユーザ端末アンテナUEA1およびUEA2、モデム・ユニット・ボードMU4、制御ユニット・ボードCU2、ならびにインタフェースINTを含む。
2本のユーザ端末アンテナUEA1およびUEA2は、モデム・ユニット・ボードMU4に接続する。モデム・ユニット・ボードMU4は、制御ユニット・ボードCU2に接続し、制御ユニット・ボードCU2は、同様にインタフェースINTに接続する。
モデム・ユニット・ボードMU1〜MU4および制御ユニット・ボードCU1、CU2は、上述のタスクの実行を可能にするために、例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、スイッチ、および、例えばダブル・データ・レート同期式ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DDR−SDRAM)のようなメモリを含むことができる。
リモート無線ヘッドRRHは、いわゆる無線装置、例えばデルタ・シグマ変調器(DSM)およびスイッチ・モード増幅器のような変調器および増幅器を含む。
ダウンリンクの中で、外部IPネットワークIPNから受信したIPデータは、EPSベアラ上で、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWから、サービング・ゲートウェイSGWを介して、基地局BSのメディア依存性アダプタMDAに伝送される。メディア依存性アダプタMDAは、例えばビデオ・ストリーミングまたはウェブ・ブラウジングのような、さまざまなメディアの接続を可能にする。
制御ユニット・ボードCU1は、測定およびセル再選択、ハンドオーバ、ならびに、無線リソース制御(RRC)のセキュリティおよび保全性などの、レイヤ3上、すなわちRRC層上のタスクを実行する。
さらに、制御ユニット・ボードCU1は、運用および整備のためのタスクを実行し、S1インタフェース、X2インタフェースおよび共通公衆無線インタフェースを制御する。
制御ユニット・ボードCU1は、サービング・ゲートウェイSGWから受信したIPデータを、さらなる処理のためにモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3に送信する。
3つのモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3は、レイヤ2上、すなわち、例えばヘッダ圧縮および暗号化を担当するPDCP層(PDCP=パケット・データ圧縮プロトコル)上、例えばセグメンテーションおよび自動再送要求(ARQ)を担当するRLC層(RLC=無線リンク制御)上、ならびに、MACマルチプレキシングおよびハイブリッド再送要求(HARQ)を担当するMAC層(MAC=メディア・アクセス制御)上のデータ処理を実行する。
さらに、3つのモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3は、物理層上のデータ処理、すなわち符号化、変調、ならびにアンテナおよびリソース・ブロックのマッピングを実行する。
符号化され変調されたデータは、アンテナおよびリソース・ブロックにマップされ、伝送符号としてモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3から制御ユニット・ボードCU経由共通公衆無線インタフェースを介して、エア・インターフェースを介した伝送用にリモート無線ヘッドおよびそれぞれのリモート無線ヘッド・アンテナRRHA1、RRHA2に送信される。
共通公衆無線インタフェース(CPRI)は、分散アーキテクチャの使用を可能にし、そこではいわゆる無線装置制御を含む基地局BSは、好ましくはCPRIデータを伝達するロスレス・ファイバ・リンクを介して、リモート無線ヘッドRRHに接続する。このアーキテクチャは、サービス・プロバイダのコストを削減する。何故なら、例えば増幅器のようないわゆる無線装置を含むリモート無線ヘッドRRHだけしか、環境的に困難な場所に位置する必要がないからである。基地局BSは、電力のフットプリント、状況および可用性をより簡単に管理できる、あまり困難でない場所の中央に位置することができる。
ユーザ端末アンテナUE1、UE2は伝送符号を受信し、受信したデータをモデム・ユニット・ボードMU4に提供する。
モデム・ユニット・ボードMU4は、物理層上のデータ処理、すなわちアンテナおよびリソース・ブロックのデマッピング、復調ならびに復号を実行する。
さらに、モデム・ユニット・ボードMU4は、レイヤ2上、すなわちハイブリッド再送要求(HARQ)およびMACデマルチプレキシングを担当するMAC層(MAC=メディア・アクセス制御)上、例えばリアセンブリおよび自動再送要求(ARQ)を担当するRLC層(RLC=無線リンク制御)上、ならびに、例えば暗号解読およびヘッダ圧縮を担当するPDCP層(PDCP=パケット・データ圧縮プロトコル)上のデータ処理を実行する。
モデム・ユニット・ボードMU4上の処理は、制御ユニット・ボードCU2に送信されるIPデータを結果としてもたらし、制御ユニット・ボードCU2は、測定およびセル再選択、ハンドオーバ、ならびに、無線リソース制御(RRC)のセキュリティおよび保全性などの、レイヤ3上、すなわちRRC層上のタスクを実行する。
IPデータは、制御ユニット・ボードCU2から、出力およびユーザとの相互作用それぞれのためのインタフェースINTに伝送される。
アップリンクの中で、データ伝送は、ユーザ端末UEから外部IPネットワークIPNへの反対方向にアナログ方式で実行される。
図3は、基地局BSからの距離に依存する、3つの重畳されたダウンリンク・データ・ストリームHP、ImP、LPの出力密度を例示的に示す概略図である。ダウンリンク・データ・ストリームHP、ImP、LPの出力密度は、基地局からの距離が増すにつれて減少する。
最低の出力密度をもつダウンリンク・データ・ストリームLPは、基地局BSへの距離が最も短いユーザ端末LP−UEに属する。
中間の出力密度をもつダウンリンク・データ・ストリームImPは、基地局BSへ中間の距離にあるユーザ端末ImP−UEに属する。
最高の出力密度をもつダウンリンク・データ・ストリームHPは、基地局BSへの距離が最も長いユーザ端末HP−UEに属する。
3つのデータ・ストリームHP、ImP、LPは同じリソース・ブロックを使用して伝送されるので、その低出力データ・ストリームLPを復号するために、ユーザ端末LP−UEは、また、ユーザ端末HP−UEの高出力データ・ストリームHPおよびユーザ端末ImP−UEの中間出力データ・ストリームImPを復号しなければならない。したがって、ユーザ端末LP−UEは、以下に記載するように、本発明の実施形態によって取得する、データ・ストリームHPおよびImPの復号を可能にする追加情報を必要とする。
図4において、ダウンリンク伝送用に使用される時間周波数リソースが描写される。図4は、同じ周波数リソース、すなわち同じバーストの中の同じリソース・ブロックを使用する、2つのデータ・ストリーム、高出力ユーザ端末HP−UEの高出力データ・ストリームおよび低出力ユーザ端末LP−UEの低出力データ・ストリームの信号方式を例示的に示す概略図である。
時間周波数グリッドの中の縞模様の区域によって示される、いわゆる制御領域の時間周波数リソースは、いわゆる物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を構築するために使用される。制御領域内のいわゆるリソース・エレメントは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を構築するために、いわゆる制御チャネル・エレメントとして使用される。
物理ダウンリンク制御チャネルはダウンリンク制御情報(DCI)を伝達し、ダウンリンク制御情報(DCI)は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のリソースの指示、使用する転送フォーマットの指示、および、使用するハイブリッド自動再送要求(HARQ)に関する情報を含む、ダウンリンク・グラント、すなわちダウンリンク・スケジューリング割り当てを含む。
図4において、高出力ユーザ端末HP−UE用のダウンリンク制御情報DCI_HP−UE、および低出力ユーザ端末LP−UE用のダウンリンク制御情報DCI_LP−UEは、サブフレームの中で、すなわちバーストの中で同じ時間周波数リソースがデータ伝送用に使用されることを示す。
高出力データ・ストリームの復号を可能にするために、低出力ユーザ端末LP−UEは、それ自体の低出力データ・ストリームの復号に必要な情報の告知に加えて、高出力データ・ストリームに関する情報、例えば、関係するセル無線ネットワーク一時的識別子(C−RNTI)、使用する変調および符号化方式(MCS)、ならびに使用する冗長構成バージョン(RV)を必要とする。セル無線ネットワーク一時的識別子(C−RNTI)は、ユーザ端末とネットワークの間の信号化目的で使用される識別情報である。変調および符号化方式(MCS)は、例えばQAM(QAM=直交振幅変調)またはQPSK(QPSK=四相位相変調)などの、どの変調方式がどの符号化速度と組み合わせて使用されるかを示す。符号化方式によって生成されたすべてのビットを送信しなければならないことはないので、冗長構成バージョンは、符号化されたビットのどれを本当に送信するのかを示す。
本発明の実施形態によると、高出力データ・ストリームに関する情報は、LTEリリース8のDCIフォーマットを拡張することにより、低出力ユーザ端末LP−UEに提供される。そのような拡張DCIフォーマットは、高出力ユーザ端末HP−UEのセル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTIにより、LTEリリース8のDCIフォーマットを拡張することによって生成される。
図5は、本発明の実施形態による、チェーンのようにつながったダウンリンク制御情報の拡張フォーマットの例を示す概略図である。
高出力ユーザ端末HP−UEの高出力データ・ストリームの復号を可能にするために、低出力ユーザ端末LP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、そのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを検索するように、例えばサービング基地局によって構成される。低出力ユーザ端末LP−UEが、そのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを見つけると、低出力ユーザ端末LP−UEは拡張DCIを復号する。
図5の上部に示すように、復号された拡張DCIの中には、低出力ユーザ端末のDCI DCI_LP−UEと、本発明の実施形態によると、高出力ユーザ端末用のセル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTI_HP−UEとの両方が存在する。
低出力ユーザ端末LP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、セル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTI_HP−UEに関係する、高出力ユーザ端末の従来のDCI DCI_HP−UEを検索する。
低出力ユーザ端末LP−UEは、高出力ユーザ端末HP−UEの従来のDCIを復号する。前記高出力ユーザ端末の従来のDCI DCI_HP−UEの中で、低出力ユーザ端末LP−UEは、高出力データ・ストリームの復号に必要なすべての情報を見つける。
次いで、低出力ユーザ端末LP−UEは、最初に高出力データ・ストリームを復号し、高出力データ・ストリームの無線信号を再構成し、高出力データ・ストリームの無線信号および低出力データ・ストリームの無線信号を含む重畳無線信号から、高出力データ・ストリームの無線信号を取り去り、次いで、高出力データ・ストリームの無線信号の分だけ削減された重畳無線信号を使用して、低出力データ・ストリームを復号することができる。
これに反して、高出力ユーザ端末HP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、そのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_HP−UEに関係する高出力ユーザ端末の従来のDCI DCI_HP−UEを検索するだけであり、その中で、高出力ユーザ端末HP−UEは、高出力データ・ストリームの復号に必要なすべての情報を見つける。
本発明の実施形態によると、低出力ユーザ端末LP−UEが、受信したダウンリンク・データの中で拡張DCIフォーマットを検索するように構成されるが、低出力ユーザ端末LP−UEに伝送された低出力データ・ストリームと同じリソース上で重畳することができる高出力データ・ストリームを、サブフレームの中で見つけることができない場合、図5の下部に示すように、これはセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTIを0に設定することによって示される。
図4および5に記載した実施形態では、2つのユーザ端末LP−UEおよびHP−UEに関係する2つの無線信号が重畳されるが、原理的には、拡張DCIフォーマットの中のセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_HP−UEが別のユーザ端末の別の拡張DCIフォーマットを指す場合、n個の無線信号を重畳することができる。したがって、拡張DCIフォーマットのチェーンは、すべてが重畳されるバーストに関係して生成することができる。
図6は、本発明の実施形態による、アグリゲーション・レベルを含む、チェーンのようにつながったダウンリンク制御情報の拡張フォーマットの例を示す概略図である。低出力ユーザ端末LP−UE、中間出力ユーザ端末ImP−UE、および高出力ユーザ端末HP−UEへの3つのデータ・ストリームが重畳される。しかしながら、一般にはn個のデータ・ストリームを重畳することができる。
そのデータ・ストリームの復号を可能にするために、低出力ユーザ端末LP−UEは、また、中間出力データ・ストリームおよび高出力データ・ストリームを復号しなければならず、したがって、以下に記載する手順によって取得する追加情報を必要とする。
中間出力ユーザ端末ImP−UEの中間出力データ・ストリームおよび高出力ユーザ端末HP−UEの高出力データ・ストリームの復号を可能にするために、低出力ユーザ端末LP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、すべてのアグリゲーション・レベルでそのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを検索するように、例えばサービング基地局によって構成される。低出力ユーザ端末LP−UEが、そのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを見つけると、低出力ユーザ端末LP−UEは、その拡張DCIフォーマットを復号する。
図6に示すように、復号された拡張DCIの中には、低出力ユーザ端末のDCI DCI_LP−UEと、本発明の実施形態によると、中間出力ユーザ端末用のセル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTI_ImP−UEとの両方が存在する。さらに、拡張DCIフォーマットは、また、中間出力ユーザ端末ImP−UE用のDCIを検索するときの低出力ユーザ端末LP−UEの処理労力を削減する、中間出力ユーザ端末ImP−UEのDCIのアグリゲーション・レベルを示す値ALを含む。
アグリゲーション・レベルの実行可能な符号化の例を図7に描写し、以下に説明する。図6に描写した例では、中間出力ユーザ端末ImP−UEのDCIのアグリゲーション・レベルは、AL=01として符号化され、これは、中間出力ユーザ端末ImP−UEのDCIがアグリゲーション・レベル≦2のときだけ検索されなければならないことを意味する。加えて、値AL=01は、また、例の中の中間出力ユーザ端末ImP−UEのDCIフォーマットも拡張DCIフォーマットであることを示す。
したがって、低出力ユーザ端末LP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、セル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_ImP−UEに関係する中間出力ユーザ端末の拡張DCIフォーマットを検索する。低出力ユーザ端末LP−UEが、セル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_ImP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを見つけると、低出力ユーザ端末LP−UEは拡張DCIを復号する。
図6に示すように、復号された拡張DCIの中には、低出力ユーザ端末LP−UEが中間出力データ・ストリームの復号に必要なすべての情報を見つける、中間出力ユーザ端末のDCI DCI_ImP−UEと、本発明の実施形態によると、高出力ユーザ端末用のセル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTI_HP−UEとの両方が存在する。さらに、拡張DCIフォーマットは、また、高出力ユーザ端末HP−UE用のDCIを検索するときの低出力ユーザ端末LP−UEの処理労力を削減する、高出力ユーザ端末HP−UEのDCIのアグリゲーション・レベルを示す値ALを含む。
図6に描写した例では、高出力ユーザ端末HP−UEのDCIのアグリゲーション・レベルは、AL=11として符号化され、これは、高出力ユーザ端末HP−UEのDCIがアグリゲーション・レベル≧4のときだけ検索されなければならないことを意味する。加えて、値AL=11は、また、例の中の高出力ユーザ端末HP−UEのDCIフォーマットが従来のDCIフォーマットであることを示す。
低出力ユーザ端末LP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、セル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTI_HP−UEに関係する高出力ユーザ端末の従来のDCI DCI_HP−UEを検索する。
低出力ユーザ端末LP−UEは、高出力ユーザ端末HP−UEの従来のDCIを復号する。前記高出力ユーザ端末の従来のDCI DCI_HP−UEの中で、低出力ユーザ端末LP−UEは、高出力データ・ストリームの復号に必要なすべての情報を見つける。
次いで、低出力ユーザ端末LP−UEは、第1のステップで、高出力データ・ストリームを復号し、高出力データ・ストリームの無線信号を再構成し、高出力データ・ストリームの無線信号、中間出力データ・ストリームの無線信号および低出力データ・ストリームの無線信号を含む重畳無線信号から、高出力データ・ストリームの無線信号を取り去る。
第2のステップで、低出力ユーザ端末LP−UEは、高出力データ・ストリームの無線信号の分だけ削減された重畳無線信号を使用して中間出力データ・ストリームを復号し、中間出力データ・ストリームの無線信号を再構成し、中間出力データ・ストリームの無線信号および低出力データ・ストリームの無線信号を含む重畳無線信号から、中間出力データ・ストリームの無線信号を取り去る。
第3のステップで、低出力ユーザ端末LP−UEは、高出力データ・ストリームの無線信号および中間出力データ・ストリームの無線信号の分だけ削減された重畳無線信号を使用して、低出力データ・ストリームを復号する。
この実施形態では、高出力ユーザ端末HP−UEの高出力データ・ストリームの復号を可能にするために、中間出力ユーザ端末ImP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、そのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_ImP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを検索するように、例えばサービング基地局によって構成される。
中間出力ユーザ端末ImP−UEは、中間出力データ・ストリームの復号を可能にするために、すべてのアグリゲーション・レベルでそのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_ImP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを検索しなければならないし、高出力データ・ストリームの復号を可能にするために、アグリゲーション・レベル≧4のときだけ、セル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_HP−UE用の従来のDCIフォーマットを検索しなければならない。
高出力ユーザ端末HP−UEは基地局から他に命令を取得しなかったので、そのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_HP−UEに関係する従来のDCIフォーマットを、すべてのアグリゲーション・レベルで探索するだけであり、その中で、高出力データ・ストリームの復号に必要なすべての情報を見つける。
図7は、本発明の実施形態による、アグリゲーション・レベル範囲およびダウンリンク制御情報の符号化フォーマットの例を示す概略図である。
上述したように、本発明の実施形態によると、拡張DCIフォーマットは、また、他のユーザ端末のDCIを検索するための処理労力の削減に導く、拡張DCIフォーマットによってリンクされるユーザ端末のDCIの、アグリゲーション・レベルまたはアグリゲーション・レベル範囲を示す値ALを含む。
原理的には、グラント用に規定された4つの異なるリソース数が存在し、それらは、それぞれ1、2、4および8の数の制御チャネル・エレメントをもつ、いわゆるアグリゲーション・レベル1、2、4および8である。非常に良い無線状態、すなわち最良の状態を経験するユーザ端末発着の伝送用グラントは、したがって、1つの制御チャネル・エレメントのみを消費するが、非常に悪い無線状態、すなわち最悪の状態を経験するユーザ端末発着の伝送用グラントは、8つの制御チャネル・エレメントを消費する。
図7に描写したテーブルでは、アグリゲーション・レベルの検索スペース、および、リンクされたDCIのフォーマット、すなわち従来のDCIフォーマットまたは拡張DCIフォーマットを示す値ALは、2ビットによって符号化される。
値AL=00は、アグリゲーション・レベルが2以下であり、リンクされたDCIが従来のDCIであることを示す。
値AL=01は、アグリゲーション・レベルが2以下であり、リンクされたDCIがRDMAのDCI、すなわち拡張DCIであることを示す。
値AL=10は、アグリゲーション・レベルが4以上であり、リンクされたDCIがRDMAのDCI、すなわち拡張DCIであることを示す。
値AL=11は、アグリゲーション・レベルが4以上であり、リンクされたDCIが従来のDCIであることを示す。
図8は、上部において、本発明の実施形態による、アグリゲーション・レベルおよびチェーンの終端の標識を含む、チェーンのようにつながったダウンリンク制御情報の拡張フォーマットの例を示す概略図である。低出力ユーザ端末LP−UEへの、および高出力ユーザ端末HP−UEへの、2つのデータ・ストリームが重畳される。
そのデータ・ストリームの復号を可能にするために、低出力ユーザ端末LP−UEは、また、高出力データ・ストリームを復号しなければならず、したがって、以下に記載する手順で取得する追加情報を必要とする。
高出力ユーザ端末HP−UEの高出力データ・ストリームの復号を可能にするために、低出力ユーザ端末LP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、すべてのアグリゲーション・レベルでそのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを検索するように、例えばサービング基地局によって構成される。低出力ユーザ端末LP−UEが、そのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを見つけると、低出力ユーザ端末LP−UEは拡張DCIを復号する。
図8に示すように、復号された拡張DCIの中には、低出力ユーザ端末のDCI DCI_LP−UEと、本発明の実施形態によると、高出力ユーザ端末用のセル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTI_HP−UEとの両方が存在する。さらに、拡張DCIフォーマットは、また、高出力ユーザ端末HP−UE用のDCIを検索するときの低出力ユーザ端末LP−UEの処理労力を削減する、高出力ユーザ端末HP−UEのDCIのアグリゲーション・レベルを示す値ALを含む。
アグリゲーション・レベルの実行可能な符号化の例を図7に描写し、上記に説明した。図8に描写した例では、高出力ユーザ端末HP−UEのDCIのアグリゲーション・レベルは、AL=01として符号化され、これは、高出力ユーザ端末HP−UEのDCIがアグリゲーション・レベル≦2のときだけ検索されなければならないことを意味する。加えて、値AL=01は、また、例の中の高出力ユーザ端末HP−UEのDCIフォーマットも拡張DCIフォーマットであることを示す。
したがって、低出力ユーザ端末LP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、セル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_HP−UEに関係する高出力ユーザ端末の拡張DCIフォーマットを検索する。低出力ユーザ端末LP−UEが、セル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_HP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを見つけると、低出力ユーザ端末LP−UEは拡張DCIを復号する。
図8に示すように、復号された拡張DCIの中には、低出力ユーザ端末LP−UEが高出力データ・ストリームの復号に必要なすべての情報を見つける、高出力ユーザ端末のDCI DCI_HP−UEと、本発明の実施形態によると、チェーンの終端に達したこと、すなわちこれに続くさらなるDCIは存在しないことを示すために0である、セル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTIとの両方が存在する。
さらに、拡張DCIフォーマットは、また、さらなるDCIがリンクされないので、この場合数値が求まらない値ALを含む。
図8の下部に示すように、また、セル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する低出力ユーザ端末LP−UEの拡張DCIフォーマットの中で、セル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTIを0に設定することによって示されるように、DCIチェーンが1つの拡張DCIだけを含むことが可能である。
したがって、原理的には、DCIのチェーンの終端を示す、2つの可能性が存在する。図6に示したように、従来のDCIが続き、したがってDCIのチェーンの終端に達したことをアグリゲーション・レベル用の値ALが示すか、または、図8に示したように、拡張されたRDMAのDCIフォーマットの中のセル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTIが0になるかのどちらかである。
本発明の別の実施形態によると、高出力ユーザ端末HP−UEのデータ・ストリームを記述する、拡張DCIフォーマット、すなわちRDMA対応のDCIフォーマットは、セル無線ネットワーク一時的識別子(C−RNTI)、変調および符号化方式(MCS)、ならびに冗長構成バージョン(RV)により、LTEリリース8のDCIフォーマットを拡張することによって生成される。
図9は、本発明の実施形態による、別のユーザ端末のデータ・ストリームを復号するために必要な情報を含むような、ダウンリンク制御情報の拡張フォーマットの例を示す概略図である。
低出力ユーザ端末LP−UEは、受信したダウンリンク・データの中で、すべてのアグリゲーション・レベルでそのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを検索する。低出力ユーザ端末LP−UEが、そのセル無線ネットワーク一時的識別子C_RNTI_LP−UEに関係する拡張DCIフォーマットを見つけると、低出力ユーザ端末LP−UEは拡張DCIを復号する。
図9の上部に示すように、復号された拡張DCIの中には、低出力ユーザ端末のDCI DCI_LP−UEと、本発明の実施形態によると、高出力ユーザ端末HP−UE用のセル無線ネットワーク一時的識別子C−RNTI_HP−UE、変調および符号化方式MCS_HP−UE、ならびに冗長構成バージョンRV_HP−UEの両方が存在する。したがって、図5に上述したように、低出力ユーザ端末LP−UEは、ここで、高出力データ・ストリームと低出力データ・ストリームの両方の復号に必要なすべての情報を有する。
また、高出力ユーザ端末HP−UEは、図9の下部に描写したように、従来のDCIであるそれ自体のDCIだけを検索し復号しなければならない。
本発明のこの実施形態では、2つのユーザ端末用の無線信号だけを重畳することができる。
原理的には、基地局は、例えば、他のユーザ端末からダウンリンク・データを復号するそれらの能力により、および経路損失に基づいて、どのユーザ端末を低出力ユーザ端末としてスケジュールするかを決めることができる。したがって、RDMA対応のユーザ端末は低出力または高出力ユーザ端末としてスケジュールすることができ、従来のユーザ端末は潜在的な高出力ユーザ端末としてスケジュールすることができる。
基地局は、例えば制御チャネルを介して、それぞれの低出力ユーザ端末に、今後だけはDCIを拡張DCI、すなわちRDMAのDCIとして復号するように知らせることができる。したがって、基地局は、例えば制御チャネルを介して、RDMA対応のユーザ端末を低出力ユーザ端末として構成することができる。ユーザ端末の経路損失は動作中変わることができるので、並べ替えのメカニズムを定期的に実行することができ、変更は影響を受けるユーザ端末に基地局によって知らせることができる。
代案として、RDMA対応のユーザ端末は、最初に関係する従来のDCIを探すように試みることができ、そのような従来のDCIを見つけることができない場合、関係する拡張DCIを検索する。言い換えれば、RDMA対応のユーザ端末は、従来のDCIまたは拡張DCIのどちらかを見つけるために、一種のブラインド復号を実行することができ、その結果基地局によって拡張DCIを検索するように明確に指図されてはならない。
スケジューリング中、基地局は、例えば各サブフレーム用に、それらの無線信号を重畳することができるユーザ端末のペアまたはグループを形成する。ユーザ端末は拡張DCIフォーマットにより結果について知ることができるので、その無線信号を重畳することができるユーザ端末は、サブフレームからサブフレームに変わることができ、すなわちスケジューラは、それらの無線信号が重畳されたユーザ端末のペアまたはグループをTTI(TTI=伝送時間間隔)ごとに規定することにおいて、完全な柔軟性を有する。
RDMA伝送方式の適用によりできるだけ多くの利用可能なリソースを使用できることを確実にするために、それらの無線信号が重畳されるようなユーザ端末のペアまたはグループのいくつかは、サブフレームごとに規定することができる。
一般に、拡張DCIフォーマットは、例えばLTEの中のPDCCHのような物理ダウンリンク制御チャネルを介して、基地局からユーザ端末に知らせることができる。