JP2013512731A - ロープロファイルのクリップを有する歯列矯正装具 - Google Patents

ロープロファイルのクリップを有する歯列矯正装具 Download PDF

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Abstract

改善された自己結紮歯列矯正装具及びそれを組立てる方法が提供される。この改良された歯列矯正装具は、少なくとも1つの弾力的なクリップを使用してアーチワイヤをその本体に解放可能に連結するものであり、クリップの一部分は装具の全体的なプロファイルを最小限にする位置及び配向において装具本体に堅く連結される。この装具は、クリップと装具本体との間の押し嵌め連結を、クリップと本体上に位置づけられた保持構造体との間の締まり嵌め連結と組み合わせることによって組立てられる。利点としては、結合パッドの場所を選択するための自由度の増加、ブラケットのプロファイルの低下、係合力の低減、クリップの疲労寿命の改善、及び組立ての簡易さが挙げられる。
【選択図】図5

Description

歯列矯正治療の過程で使用するための口腔内装具及び関係する方法が提供される。より具体的には、歯列矯正治療中に1つ以上のクリップを使用してアーチワイヤをそれぞれ対応する装具のアーチワイヤスロット内に解放可能に保持する、自己結紮口腔内装具、及び関係する方法が提供される。
歯列矯正療法は、口腔内の適切な場所に歯を再配置するために不正咬合(すなわち不適切な噛み合わせ)の診断及び治療を行う歯科専門分野である。特に患者の前歯が曲がっているとき、歯列矯正治療はしばしば歯の美観を向上させる。歯列矯正治療はまた、患者が咀嚼するときの上歯と下歯がより良く協調されるように患者の噛み合わせすなわち咬合を改善することもできる。
一般的なタイプの歯列矯正治療には、しばしば総じて「ブレース」と呼ばれる口腔内装具一式が含まれる。このタイプの治療では、ブラケットと呼ばれるスロット付きの装具を最初に患者の前歯、犬歯及び小臼歯に結合し、頬側管と呼ばれる管状装具を患者の臼歯に結合する。これらの装具を歯に結合した後、アーチワイヤと呼ばれる弾力的な装具を、それぞれのブラケットのスロット内に固定し、アーチワイヤの端部を頬側管内に繋留する。治療中、アーチワイヤは歯に力を付与し、また軌跡を形成して、所望の位置へと歯を移動するよう案内する。
多くの歯列矯正用ブラケットは、ブラケットの本体に連結される「結合ウィング」として知られる突起を有する。ブラケットを歯に取り付け、アーチワイヤをブラケットのアーチワイヤスロット内に配置した後、それらの結合ウィングで補助して、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持するために、結紮具をブラケットに結合する。市販の歯列矯正用結紮具の1つの例は、小さいエラストマーのOリングであり、これは、結合ウィングの後方及びアーチワイヤの顔面側の上方の経路に沿ってOリングを伸ばすことにより装着される。
自己結紮具と呼ばれる他のタイプの歯列矯正装具は、ブラケットにアーチワイヤを連結するためのラッチを有する。このラッチの使用は、アーチワイヤを装具に固定するために結紮具を使用する必要性を回避する。このラッチは、移動可能なクリップ、バネ部材、摺動カバー、シャッター、ベイル、又は他の、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持するために装具本体に連結される他の構造体を含むことがある。従来の結紮装具と比較して、自己結紮具は治療中のアーチワイヤとアーチワイヤスロットとの間の摩擦を低減することができ、このことは歯の移動を促進するために有利であり得る。
改善されたクリップ付き自己結紮歯列矯正装具の例は、米国特許第6,582,226号(Jordanら)同第7,140,876号(Cinaderら)、同第7,217,125号(Laiら)同第7,377,777号(Laiら)、及び特許協力条約刊行物WO2010/014518号(Laiら)に記載されている。これらの文献に記載されている装具は、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持する1つ以上のクリップを有し、クリップは、アーチワイヤが所定の最小値を超える力を装具上に及ぼすときはいつでも、アーチワイヤをアーチワイヤスロットから解放する。この最小値は、歯から装具を撤去するのと同じ方向に必要とされる力より有意に小さく、その結果、治療の過程中に装具が歯から自然に撤去されないことを確実にする。
全体的に概して小さい(又は低い)プロファイルを備えた歯列矯正装具は、施術者が治療に使用するために所望することが多い。そのようなロープロファイルの装具は、患者の口腔内の他の歯又は装具と接触する可能性が低く、このことは歯が当初、互いに対して実質的に整合されて配置されていない所定の場合において重要な利点である。ロープロファイルの装具は、患者の口腔組織の上に突き当たって、患者に炎症を生じさせたりする可能性も低い。加えて、ロープロファイルの装具では、治療の過程中に、食物粒子及び歯垢が蓄積する可能性のある区域がより小さい又はより少ないので、ロープロファイルの装具はより衛生的である可能性も有する。
ロープロファイルの装具の利点は、舌側ブレースが関わるとき、すなわち装具が歯の舌側(すなわち舌の側)に結合されることになるときは、更に大きい。歯列弓の凹面のため、及び舌を許容する必要のために、歯の顔面側に比べて歯の舌側では装具のための空間の量がはるかに限られている。加えて、歯の舌側の治療の機械的仕組みは、ブラケット間の間隔として知られる近隣の装具間の距離を十分に有することによって概して利益を被る。ブラケット間の間隔が、装具のプロファイルと反比例の関係にあることは、舌側ブレースを有する装具プロファイルを減少することの別の動機を提供する。
本明細書に開示するのは、改善された自己結紮歯列矯正装具、及びそれを組立てる方法である。この改善された歯列矯正装具は、アーチワイヤを解放可能にブラケット本体と連結するために、ブラケット本体内のアーチワイヤスロットと整合された少なくとも1つの弾力的なクリップを使用する。クリップの一部は、装具の全体的なプロファイルを最小限にする位置及び配向で装具本体に堅く連結される。装具は、クリップと装具本体との間の押し嵌め連結を、クリップと本体上に位置づけられた保持構造体との間の締まり嵌め連結と組み合わせることによって組立てられる。
改善された装具は、先行技術の形態より優れた利点を1つ以上提供する。第1に、装具の形及びプロファイルは、施術者及び/又は製造業者が歯の舌側の結合パッドの場所を選定するための自由をより多く提供する。第2に、それぞれのクリップが単一の突起のみを有することは、係合力の低減及び患者の快適さの改善を可能にする。第3に、クリップと本体との相対的位置づけは、クリップの撓みのための余分な空間を提供することにより、クリップに歪みを分配し、クリップの疲労寿命を延長する。更に、この装具の形態は、クリップの製造方法のフレキシビリティを高める。有利なことに、溶接、硬ろう付け、又は接着剤によってクリップを装具本体に付着する必要がない。
クリップは概して「J」形状の構造を有し、アーチワイヤを受け入れるときに結合パッドに向かって又は結合パッドから離れて撓むように配向され得る。いくつかの構成において、クリップの末端は、アーチワイヤスロットの反対側でブラケット本体の縁を越えて延在することにより、スロット底部と平行な方向においてアーチワイヤがアーチワイヤスロットの側壁と係合することを可能にする。有利なことに、この構成はアーチワイヤの整合及びアーチワイヤの係合を2つの別々の段階に便利に分離することを可能にし、施術者による結紮を容易にする。この構成は、ブラケット本体をより小さくすることもまた可能にし、更にロープロファイルの装具をもたらす。
一態様において、自己結紮歯列矯正装具が提供される。この自己結紮装具は、歯に取り付けられる外面と、内面と、を有する基部と、内面から外向きに延在する本体であり、本体が、1対の側壁と、前記側壁の間でそれに対して概して垂直の方向に延在する底壁と、を含み、側壁及び底壁が、概して近心−遠心方向に延在するアーチワイヤスロットを画定する、本体と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するための、本体に隣接した少なくとも1つの弾力的なクリップであって、クリップが、本体に堅く連結された固定部分と、底壁の隣の道に沿って固定部分から外向きに延在する自由部分(free portion)と、を備え、1対の側壁が1対の基準平面を画定し、固定部分と自由部分とが基準平面の間の場所で互いに接合する、クリップと、を備える。
別の態様において提供される自己結紮歯列矯正装具は、歯に取り付けられる外面と、内面と、を有する基部と、内面から外向きに延在する本体であって、本体が、1対の離間した側壁と、スロット開口部を有するアーチワイヤスロットを画定する底壁と、を含み、アーチワイヤスロット及びスロット開口部が概して近心−遠心方向に延在し、側壁が概して互いに平行なそれぞれ対応する基準平面に延在する、本体と、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に解放可能に保持するための、本体に隣接した少なくとも1つの弾力的なクリップであり、クリップが、底壁に隣接した場所において、本体に固定された固定部分と、底壁、側壁の1つ、及びスロット開口部の、一部分に沿って延在する自由部分と、を備え、自由部分が、基準平面間の場所で終わるヘッド部分を含み、固定部分と自由部分とが基準平面間の場所で互いに接合する、クリップと、を備える、自己結紮歯列矯正装具。
更に別の態様において提供される自己結紮歯列矯正装具は、歯に取り付けられる外面と、内面と、を有する基部と、内面から外向きに延在する本体であり、概して近心遠心方向に延在するアーチワイヤスロット(アーチワイヤスロットは対向する第1及び第2の側壁と、底壁と、を有する)を有する本体と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するための、本体に連結された少なくとも1つの弾力的なクリップと、を備え、クリップは本体に堅く連結された固定部分と自由部分とを備え、この自由部分は底壁に沿って固定部分から外向きに延在し、更に第1の側壁に沿って特定方向に延び、弛緩されたときにその特定の方向において第2の側壁の縁を越えて終わることにより、アーチワイヤが、第1の側壁に対向する方向において底壁に対して概して平行に自由部分と係合するための道を提供する。
また、歯列矯正装具の組立方法も提供され、この方法は、アーチワイヤ受け入れ領域を有する弾力的なクリップを提供する工程と、本体の1つの側部を横切って延在するアーチワイヤスロットと、クリップの少なくとも一部分と補完的な空洞と、を有するブラケット本体を提供する工程と、アーチワイヤ受け入れ領域がアーチワイヤスロットと整合するように空洞の隣にクリップを位置づける工程と、クリップの一部分を本体内に押し嵌めるために、本体上に位置づけられたツメの周囲でクリップの別の部分を撓めながらクリップを空洞の方へ促し、その結果、ツメが締まり嵌めを提供してクリップを本体に対して保持する工程と、を含む。
更に、歯列矯正装具の組立方法も提供され、この方法は、アーチワイヤ受け入れ領域を有する弾力的なクリップを提供する工程と、本体の1つの側を横切って延在するアーチワイヤスロットと、クリップの少なくとも一部分と補完的な空洞と、を有する本体を提供する工程であって、空洞が、テーパーされた少なくとも1つの内壁を有する、工程と、アーチワイヤ受け入れ領域がアーチワイヤスロットと整合するように空洞内にクリップを配置する工程と、空洞の内壁をクリップの方に向けて永久変形するために、空洞内を拡大されたブローチ工具で付勢する工程であって、その変形された内壁が、クリップを本体に対して保持するために締まり嵌めを提供する工程と、を含む。
更に、1対の側壁と底壁とを有するアーチワイヤスロットと、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するように本体に連結された弾力的なクリップと、を有する自己結紮歯列矯正装具を結紮する方法が提供され、この方法は、アーチワイヤスロットへのアクセスを提供する方向にクリップを撓めるために、クリップに対してアーチワイヤを底壁に対して概して平行な方向に付勢する工程と、アーチワイヤを側壁に対して概して平行な方向に移動して、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に座らせ、クリップを弛緩した構成に向けて戻してアーチワイヤを保持することを可能にする工程と、を含む。
一実施形態による組立てられた自己結紮歯列矯正装具の舌側、近心、及び咬合側を見ている斜視図。 図1の装具の近心側を見ている近心図。 図1〜2の装具の舌側を見ている舌側図。 図1〜3の装具の咬合側を見ている咬合図。 装具内に保持されたアーチワイヤの断片図を含む、図1〜4の装具の斜視図。 代表的な組立方法を示している、顔面、近心、及び歯肉側を見ている、部分的に組立てられた図1〜5の装具の斜視図。 別の実施形態による自己結紮歯列矯正装具の舌側、近心、及び咬合側を見ている斜視図。 図7の装具の近心側を見ている近心図。 図7〜8の装具の舌側を見ている舌側図。 図7〜9の装具の咬合側を見ている咬合図。 装具内にアーチワイヤを結紮する代表的な方法を示している、図7〜10の装具の別の斜視図。 また別の実施形態による装具の拡大断片図。 装具内に受け入れられた異なる寸法を有する3つのアーチワイヤの重なりを示していることを除けば、図12に示される同じ図。 別の実施形態による自己結紮歯列矯正装具の舌側、近心、及び咬合側を見ている斜視図。 代表的な結紮方法を示している、遠心側を見ている、図14の装具及びアーチワイヤの遠心図。 図14〜15の装具及びアーチワイヤの、遠心側を見ている、遠心図。 図14〜16の装具の咬合側を見ている、咬合図。 別の実施形態による自己結紮歯列矯正装具及びアーチワイヤの舌側、近心、及び咬合側を見ている斜視図。 図18の装具及びアーチワイヤを示す、遠心側を見た遠心図。 図18〜19の装具の咬合側を見ている咬合図。 別の実施形態による自己結紮歯列矯正装具及びアーチワイヤの舌側、近心、及び咬合側を見た斜視図。 図21の装具及びアーチワイヤを示している、遠心側を見ている、遠心図。 図21〜22の装具及びアーチワイヤの咬合側を見ている、咬合図。 別の実施形態による自己結紮歯列矯正装具及びアーチワイヤの舌側、近心、及び咬合側を見ている斜視図。 図21の装具及びアーチワイヤを示している、遠心側を見ている、遠心図。 図21〜22の装具の舌側を見ている舌側図。
定義
本明細書で使用する場合、
「近心側」は、患者の湾曲した歯列弓の中心に向かう方向を意味する。
「遠心側」は、患者の湾曲した歯列弓の中央から離れる方向を意味する。
「咬合側」は、患者の歯の外側先端部に向かう方向を意味する。
「歯肉側」は、患者の歯茎又は歯肉に向かう方向を意味する。
「顔面側」は、患者の唇又は頬に向かう方向を意味する。
「舌側」は、患者の舌に向かう方向を意味する。
本明細書に記載するのは、歯に矯正力を付与するために患者の歯に取り付けるために適応可能で、アーチワイヤを受け入れることが可能な、自己結紮歯列矯正装具である。これらの装具は、歯列弓の中央歯、横歯、犬歯、小臼歯、及び臼歯のいくつか又は全てに結合され、歯を適正な場所に案内するように好適なアーチワイヤと共に総じて協力する、装具のシステムの好ましくは一部である。この装具のシステムは、上歯列弓及び下歯列弓の両方に使用することもまた企図される。また、この装具のシステムを歯の舌側又は唇側表面のいずれかに取り付けるために適応してもよいと理解されたい。
これらの装具は、例えばそれぞれ対応する歯の形状の違いに基づいて、歯によって実質的に異なる特定の構成を有することができる。これらの装具の構成は、患者によっても実質的に異なる場合がある。例えば、これらの装具は、特定の患者に一意の歯の初期の配列及び完成した配列に基づいてカスタマイズすることができる。当業者は下記の概念及び原則を適応して、上歯列弓及び下歯列弓の前述の歯のいずれか又は全てに提供される自己結紮装具のシステムを実現することができると理解されたい。
図1〜5は、様々な図における一実施形態による代表的な自己結紮歯列矯正ブラケットを示す。示されるブラケットは、下小臼歯の舌側に取り付けるために適応され、図中、数字100によって指定されている。ブラケット100は、それぞれ対応する下小臼歯(図示せず)に取り付けるために適応された外面104を有するオーバーサイズの基部102を含む。外面104は図のように概して凹面であり、好ましくは歯の外側輪郭と一致する全体輪郭を有する。所望により、外面104は、ブラケット100を直接患者の歯と結合することを可能にする保持構造物を更に含んでもよい。例えば、保持構造物は、機械的ロック、又は外面104と歯面との間に配置された好適な接着剤との化学結合をなすことによって、接着性を改善することができる。保持構造物としては、穴、溝、粒子、くぼみ、アンダーカット、マイクロエッチング加工面、化学結合増強用の材料、又は任意の他の構造、材料、若しくはそれらの組み合わせが挙げられる。
図1〜5に示すように、基部102は歯の周辺の一部分を横切って延在するように適応される。図示されていないが所望により、基部102は帯状装具をもたらすように完全に歯を取り囲んでもよい。帯状装具は、装具と歯との間の接着剤が大きい表面積にかけて延在して、非帯状装具より高い接着信頼性を提供するので、有利である。ブラケット100を帯にすることは、装具の美観が一般に問題でない、口の後部区域において特に有用であり得る。
基部102は、基部102の外面104の反対側に位置づけられた概して凸状である、内面105もまた含む。ブラケット本体106は、内面105から概して舌側方向に外向きに延在する。いくつかの実施形態では、本体106は基部102と一体である。本体106は、第1の側壁110と第2の側壁112と、側壁110、112に対して垂直にそれらの間に延在する底壁114と、を有することによってスロット開口部をもたらす。アーチワイヤスロット108及びスロット開口部は、概して近心−遠心方向に延在し、一方、底壁114は、概して咬合方向に面する。図示したように、所望により、第2の側壁112はアーチワイヤスロット108の長さの一部分に沿って内面105と共面をなす。図2に更に図示したように、本体106の舌側に面した面は、アーチワイヤスロット108の長手方向軸に対して垂直の平面において見たときに概して涙滴形の輪郭を有する。
概して「T」形状のブラケットフック120は、本体106の舌側−歯肉側から延びる。図示したように、好ましくは、患者にブラケット100が結合されたときに歯肉を干渉しないようにフック120は基部102からわずかな角度離れて突き出る。図3のブラケット100の舌側図に示したように、フック120はブラケット100のほぼ近心−遠心中心に位置づけられる。治療中、有利なことに、フック120を弾性、バネ、又は他の、歯列矯正施術者が適合を認める歯列矯正付属品と連結することができる。
一対の弾力的なクリップ150は、本体106の近心側及び遠心側に隣接して位置づけられ、ブラケット100がアーチワイヤをアーチワイヤスロット108に解放可能に保持することを可能にする。図1〜2に示したように、それぞれのクリップ150は平面であり、平面図において概して「J」形状の構造を有する。それぞれのクリップ150は、底壁114に隣接した場所で本体106に堅く連結された末端固定部分152を有する。本明細書における定義では、本体106に「堅く連結された」クリップ150の部分は、本体106に対して実質的に移動又は偏向しないように拘束される。しかし、製作公差によりクリップ150と本体106との間に1つ以上の小さい間隙が生じ、それらの要素間にわずかな相対移動をもたらすことは可能である。
図1に図示したように、クリップ150の固定部分152を、本体106の近心側及び遠心側に位置づけられた端の開いた空洞155内に押し嵌める。好ましくは、それぞれの空洞155は、空洞155内での固定部分152の実質的な移動がないように、それぞれ対応する固定部分152の少なくとも一部分を補完する形状を有する。図2に示したように、必要に応じて、固定部分152は、本体106内の固定部分152の滑走又は回転運動を拘束することを更に助ける1つ以上の曲り角領域153を含む。図1及び3に図示したように、クリップ150は、本体106の舌側から突出してそれぞれの空洞155の少なくとも一部分に沿って延在する、保持ツメ151によってもまた、本体106に保持される。押し嵌め連結を保持ツメ151と組合せることにより、有利なことに、クリップ150が治療中に不慮に本体106から外れることを防げる。
図3及び4に示したように、必要に応じて、ブラケット100は本体106の近心側及び遠心側に沿って対称に配置された互いに全く同じである、1対のクリップ150を使用する。1対のクリップ150の使用により、ブラケット100は、有利なことにアーチワイヤとの接触点を近心及び遠心の両方に提供して、それぞれ対応する歯の「傾く」運動(顔面−舌側軸の周囲の回転運動)に及ぼす施術者の制御を改善する。
それぞれのクリップ150は、固定部分152と一体的に接続され、基部102から離れる方向に底壁114の隣の道に沿って固定部分152から延びる、細長い湾曲した自由部分154を更に含む。図2に特に示したように、1対の側壁110、112は、それぞれ対応する概して互いに平行な基準平面116、118(点線で図示)に延在し、固定部分152及び自由部分154は、基準平面116と基準平面118との間の場所で互いに接合する。
自由部分152は、アーム部分156及びヘッド部分160を更に含む。固定部分152と自由部分154とが接合する場所から、アーム部分156は、まず、底壁114の一部分に沿って舌側に向かって延び、次いで咬合方向に向かって曲り、第1の側壁110に沿って延びる一方で、アーチワイヤスロット108の全体的な輪郭に従う。自由端154の咬合側の端で、アーム部分156は、基準平面116と基準平面118との間の場所で終わるヘッド部分160と一体的に接続される。ヘッド部分160は、図2に示した視点から、アーチワイヤがアーチワイヤスロット108に受け入れられるように、少なくとも部分的に入口の道を横切って延びる。好ましくは、図のようにアーチワイヤの挿入を促進するように、ヘッド部分160の咬合側はテーパーされる。ヘッド部分160、アーム部分156、及び固定部分152は総じて、それぞれのクリップ150のアーチワイヤ受け入れ領域158を画定する。
図2に示したように、それぞれのツメ151はそれぞれ対応するクリップ150のアーム部分156に隣接して延在する。組立を可能にするために、それぞれのツメ151は、それぞれ対応するクリップ150のヘッド部分160近づくと概して増す顔面−舌側寸法を有する。それぞれのツメ151はまた、アーチワイヤスロット108の底壁114と共面をなす咬合縁を有する。
図中、1対のクリップ150は、それらの標準の弛緩した配向で示されている。しかし、図5のように、例えば矩形のアーチワイヤ50をアーチワイヤスロット108内に認めるため拡大された開口部を提供するために、所望により自由部分154を第2の側壁112から離れるように撓めることが可能である。アーチワイヤ50がアーチワイヤスロット108の底壁114の方へ付勢される際、クリップ150のテーパーされたヘッド部分160は、アーチワイヤ50の歯肉側−舌側の曲がり角と接触する。ヘッド部分160のテーパーのおかげで、アーチワイヤ50からの接触圧がクリップ150を同時に撓めて舌側方向に向けて開き、アーチワイヤ50がアーチワイヤスロット108に完全に受け入れられることを可能にする。
アーチワイヤ50がいったんアーチワイヤスロット108内に受け入れられると、クリップ150の固有の弾力性が自由部分154を図1〜5に示したようなそれらの標準の弛緩した又は閉じた構成に跳ね戻して、ブラケット100内にアーチワイヤ50を保持することを可能にする。特に図5に示されているように、クリップ150が本体106に組立てられたとき、それぞれのクリップ150のアーチワイヤ受け入れ領域158は、アーチワイヤスロット108と整合する。更に、それぞれのアーム部分156とアーチワイヤスロット108の第2の壁112との間の顔面−舌側方向の最短距離は、アーチワイヤスロット108の第1の壁110と第2の壁112との間の距離より大きく、さもなければクリップ150によって可能なアーチワイヤ50とブラケット100との間の滑走運動に対する抵抗を減らす傾向がある。
上述のようなアーチワイヤスロット108内へのアーチワイヤ50の挿入は、施術者の指の圧力を用いて実行することができる。あるいは、一対のWeingartプライヤのような好適な歯列矯正用手持ち器具を用いてこの挿入プロセスを行ってもよい。
本体106は、アーチワイヤスロット108の開口部の舌側に隣接する、またはそれの上の、凸状の出っ張り122もまた含む。出っ張り122は、アーチワイヤスロット108からアーチワイヤを取り出すように構成された、手持ち器具のプランジャを受け入れるように正確に成形される。出っ張り122は、クリップ150からアーチワイヤ50を解放してアーチワイヤスロット108からアーチワイヤ50を取り除くために、施術中にブラケット100を手持ち器具と整合させ係合するための構造を提供する。代表的な実施形態で、手持ち器具は1対のフックを用いてブラケット100の近心側及び遠心側でアーチワイヤ50の顔側の面を係合し、引く力を適用してアーチワイヤ50を係合離脱し、同時に凹面のプランジャ先端は出っ張り122に対して相互の押す力を適用する。この手持ち器具のその他のオプション及び利点は、PCT刊行物WO2010/014299号に記載されている。
現在好ましくは、クリップ150は、酸洗いされた表面を有する平坦徐冷超弾性材料(ニチノールのような)で製造される。好ましいニチノール材料は、55.97重量%のニッケル含有量、及び10℃+/−5℃のオーステナイト変換仕上げ温度(A)を有する。ニチノールは37.5%に冷間加工され、約0.012インチ(0.3mm)〜約0.016インチ(0.4mm)の範囲内の厚さを有する。クリップ150を、最初に放電加工(EDM)で粗く切断し、次いで、縁を滑らかにするために、EDMプロセスを用いて更に1回以上、縁に沿って切断する。あるいは、レーザー切断加工又は化学的エッチング加工を用いてクリップ150を製造してもよい。好ましくは、クリップ150は、クリップ材料の長手方向、又はクリップ材料の粒子流(grain flow)の主方向が、自由端154が延びる方向と実質的に平行(すなわち、図示される実施形態では、概ね咬合方向)であるように構成される。
縁を更に丸くするために、EDM、レーザー切断又は化学的エッチング加工に続いて、クリップ150を混転する。好適な混転機の例は、Hawthorne,CaliforniaのRichwood Industries製のモデルLC−600−2+2である。小さなバレルを用いて、機械速度200rpmで、クリップを水と混転媒質500立方センチメートル(500cc)中で約2時間混転する。好適な混転媒質の例は、全てRichwood Industries製の、セラミック媒質(ACC加工、M型、寸法3/16×3/8(4.7mm×9.5mm))、25cc(25mL)の白色アルミナ粉末no.40、及び25ccの石鹸粉末化合物no.43の混合物500ccである。混転したクリップを、次いで、溶液タンク中の超音波スクリーンバレルで30分間研磨する。好適な溶液の例は、3Lの脱イオン水、3Lの酸洗い溶液及び0.6Lの過酸化水素である。好適な酸洗い溶液は、Los Angeles,CaliforniaのAya International製No.TI121 Pickling Solutionである。
クリップ150は、係合力又は解放力にほとんど又は全く変化なしに何度も撓んで開閉するように、十分な可撓性及び弾力性を有するべきである。好ましくは、アーチワイヤスロットの側壁の間の距離と等しい横寸法を有する矩形アーチワイヤを受け入れるとき、それぞれのクリップ150は8%以下の最大局所初期主歪みを有する。最初の主歪みを8%以下に維持することは、クリップ150の疲労寿命の保存を助けることができる。
ブラケット100は、当該技術分野で開示されている他の自己結紮概念と比べて改善された使い易さ及び患者の快適さを提供するいくつかの利点を有する。第1に、クリップ150の固定部分152と自由部分154とを1対の基準面116、118の間の場所で接合することによって、本体の実質的な部分をブラケット100の基部102と合体することが可能になる。これにより、患者の歯に当たる装具の全体的なプロファイルが低くなり、患者の舌のための追加的な空間が提供され、したがって、患者の快適さが高まり、発話の障害物が少なくなる。ブラケットのプロファイルの低減は、歯の舌側表面がほとんど垂直であるためにアーチワイヤスロット108が基部102の内面105と本質的にぴったり重なる歯列弓の後部領域において特に有意である。
低減されたプロファイルを有するおかげで、歯の表面の結合部位を選択するフレキシビリティが増す。舌側装具に利用可能な空間の大きさは、舌及び近隣の歯によってすでに制限されているので、このことは、歯の舌側表面を処理するときに特に有益である。
ブラケット100の低いプロファイルは、治療においても便益を提供する。例えば、ブラケット100は、アーチワイヤスロット108がそれぞれ対応する歯の舌側表面に近づくように移動するのを可能にし、ブラケットとブラケットの間の間隔及び/又はブラケットの近心−遠心間の幅を増す。舌側ブレースの処理するとき、ブラケットとブラケットの間の間隔は歯列弓の舌側の凹面のためにかなり制限されることが多く、アーチワイヤが歯を移動する機械的な能力を制限する場合がある。ブラケット100はアーチワイヤが動作可能な距離をより大きくするとともに、特に患者の歯が混み合っているときにアーチワイヤが摺動する機械的構造を可能にする。所望により、ブラケット100の近心−遠心間の幅を増して、歯の移動のための改善されたこの作用を提供することができる。
更なる利点として、図2に示したように、固定部分152及び自由部分154は、アーチワイヤ50とヘッド部分160との間の接触点に面する場所で接合される。この構成は、図2に示したようにクリップ150のヘッド部分160に付加される歯肉の力(すなわち図2での下方への力)が固定部分152の周囲で自由部分154を反時計回りの方向に回転する傾向を有するモーメントを作り出す、機械的な利点をもたらす。結果的に得られる自由部分154の回転偏向は、クリップ150を開くのを助け、アーチワイヤ50がクリップ150のヘッド部分160を通り越して摺動するために必要とされる力を減らす。この構成は、クリップ150に対して付加されてアーム部分156の全長に沿って広がる歪みもまた可能にし、動作中により大きい局所的な歪みを受けるクリップと比べてクリップ150の疲労寿命を延長する。
図6はブラケット100の代表的な製造方法を図示する。この方法は、アーチワイヤスロット108と、空洞155と、すでに説明した他の特徴と、を有するブラケット本体106を提供する工程から始まる。いくつかの実施形態で、ブラケット本体106は、金又はステンレススチール合金から構築され、2009年7月26日付けの同時係属PCT特許出願第2009/051790号(Laiら)に記載されている手順を用いてブラケット本体の母材から形成される。あるいは、金属射出成形(MIM)プロセスを用いて、又は従来の鋳造及び/又は機械加工プロセスを用いて、ブラケット本体106を製造してもよい。
次いで、図6に示したように、アーチワイヤ受け入れ領域158がアーチワイヤスロット108と整合するようにクリップ150を空洞155の隣に配置する。次いで、クリップ150を空洞155の方へ付勢して、クリップ150の固定部分152を本体106内に押し嵌めながら、クリップの自由部分154を本体上に位置づけられたツメ151の周囲で同時に撓める。所望により、クリップ150が空洞155と整合される間にクリップ150をその開かれて撓んだ状態に保持する工具又はジグを使用してこの工程を実行する。好ましくは、このときその工具は、操作者がクリップ150を突出したツメ151を超えて直接に空洞155に平行移動させるための機構を提供する。クリップ150の固定部分152がいったん完全に空洞155内に座ったら、クリップ150は弛緩し、その元の閉じた構成に戻る。空洞155を部分的に横切って延びることにより、ツメ151はクリップ150を本体106に保持する締まり嵌めを提供する。所望により、図3の組立てられたブラケットの図に示したように、クリップ150が障害なく開閉することを可能にするようにツメ151とクリップ150との間にはわずかなクリアランスがある。
組立を完成するために、次いで、同じ方法を用いて残りのクリップ150を本体106の反対側と連結する。有利なことに、この方法は、クリップ150を本体106に連結するために別途溶接若しくは硬ろう付けあるいは接着剤の使用を取り除く。
空洞155はブラケット100の組立における利点である特定の特徴を有する。第1に、図3に示したように、それぞれの空洞155は、本体106の少なくとも2つの直交する側部(この場合は本体106の近心−舌側の側部と遠心−舌側の側部)に沿って延びる開口部を有する。そのような開口部は組み立て中に拡大され、クリップ150と本体106との間の不整合のより大きい許容誤差をもたらすので有利である。第2に、空洞155はクリップ150のためにじょうご型の入口を提供するテーパーされた側壁157を有する。側壁157のテーパーは、クリップ150を最初に挿入するために位置づけするときに、より大きい空間を提供し、またクリップ150が空洞155内に摺動して受け入れられる際にクリップ150を案内するように作用するので、更に有利である。また、空洞155のこれらの態様は、寸法の変動の影響を軽減し、組み立て中のジャミングの可能性を減らすことによって、より堅固な製造プロセスを提供する。
クリップ150及びブラケット本体106によって表現される組立は、基部102に対して特定の配向を有する。この配向は、特定の患者の特定の歯の形態にカスタマイズされる。図示された実施形態では、クリップ150及びアーチワイヤスロット108は互いに整合される開口部を有し、開口部の配向は、基部102の配向に合わせて特別に配向される。その結果、任意の特定の装具において、組立品の配向は、患者の犬歯の特定の形態に従って及び/又は治療を受けている特定の患者の歯の構造の他の態様に従って、患者によって変化し得る。
別のオプションとして、1つ以上のブラケットをコンピュータ上で、仮想ブラケット接着パッドと、仮想ブラケット本体のライブラリーから検索された仮想ブラケット本体と、を含む三次元の仮想オブジェクトの組み合わせとして作製することが可能である。仮想ブラケットは、デジタル形状データを含むファイルとして表されてもよく、データは高速原型作製装置にエクスポートされてもよい。高速原型作製装置を使用してブラケットのモデルを作製してもよく、モデルは次に、続くブラケット成型のために鋳型の形成に使用される。そのようなカスタマイズされた歯列矯正ブラケット及びアーチワイヤの使用は、米国特許第6,776,614号(Wiechmannら)により詳細に記載されている。
図7〜10は、別の実施形態による自己結紮ブラケット200の斜視図、近心図、舌側図、及び咬合図を示す。小臼歯に結合するように適応されたブラケット100と異なり、ブラケット200は患者の下前歯に結合するように適応される。ブラケット100と同様に、ブラケット200は、内面204を有するブラケット基部202と、内面204から外向きに延びる、アーチワイヤスロット208を有するブラケット本体206と、本体206に連結された、アーチワイヤスロット208と整合された1対のクリップ250と、を含む。
ブラケット200は他の態様においてブラケット100と異なる。基部202に対するブラケット本体206の相対的配向は、下前歯のより緩やかな傾斜の舌側表面を受容するために実質的に異なっている。更に、ブラケット200は、アーチワイヤスロット208と組み合わせて又はそれの代わりに使用可能な第2のアーチワイヤを受容するためのワイヤガイド271を含む。ワイヤガイド271は、治療の過程中にアーチワイヤをブラケット200内に解放可能に保持することにおいてクリップ250及び本体206の機能と同様の機能を果たすが、下記に説明するように、異なる原則によって動作する。
図7〜8に示したように、ワイヤーガイド271は、4つの内向きに面したワイヤーガイド表面272、274、276、278を有し、それらはそれぞれ顔面方向、歯肉方向、舌側方向、及び咬合方向に面する。近心又は遠心方向から見ると、ワイヤーガイド表面272、274、276、278はともになってアーチワイヤの保持のための、概して矩形のチャネル270を画定する。ワイヤーガイド表面272、274は、顔面方向に本体106から延びてフック282で終わる、2つの内側突起280のそれぞれに位置づけられる。残りの2つのワイヤーガイド表面276、278は、基部202の内面205から突出する棚部材284の2つの外側突起283に位置づけられる。図10に示したように、外側突起283及び内側突起280の双方は、チャネル270を取り囲むが、外側突起283は、ブラケット200の近心縁及び遠心縁の近くに位置づけられ、一方、内側突起280は、ブラケット200の近心−遠心中心に向かってより近く位置づけられる。
アーチワイヤ50のようなアーチワイヤを、図11に図示した手順を用いてチャネル270内に固定する。まず、内側突起280の間のアーチワイヤ50の凸面が顔面方向に向くように、直線の状態からアーチワイヤ50を弾性的に撓める(図11に示したようなページに)。この撓んだ状態のおかげで、アーチワイヤ50を外側突起283の周囲に案内することができる。更に、同時に、アーチワイヤ50を、フック282と基部202の内面204との間の自由な空間を通して内側突起280の突出したフック282を越えて案内することができる。アーチワイヤ50が内側突起280及び外側突起283を通り過ぎてチャネル270にいったん受け入れられると、アーチワイヤ50はその元の直線状態に戻る。直線状態に戻ったアーチワイヤ50は、内側突起280及び外側突起283に位置づけられたワイヤーガイド表面272、274、276、278によって捕捉され、保持される。ワイヤーガイド271の追加的なオプション及び利点は、PCT刊行物第WO2007/141226号(Wiechmann)に記載されている。
ブラケット200の他の特徴は、すでに説明したブラケット100の特徴と同様であり、繰り返す必要はない。
前の実施形態では、アーチワイヤがブラケットのアーチワイヤスロット内にいったん保持された後に、クリップはアーチワイヤに圧縮力を一切加えなかった。この連結型式は受動的結紮と呼ばれ、アーチワイヤとブラケットの間に最少限の摩擦が望まれる場合に有利である場合がある。しかし、場合によっては、クリップが治療の過程中に、アーチワイヤに連続的に圧縮力を付加することを施術者が好むことがある。これは「能動的」結紮として知られるもので、結果的にアーチワイヤはアーチワイヤスロットの底壁に向かって促され、摺動に対する抵抗を増す。
図12は、能動的結紮をもたらすクリップを有する更に別の実施形態による自己結紮装具を示す。前述のブラケット100、200と同様に、ブラケット300は患者の歯に取り付けられる基部302と、基部302に連結されたブラケット本体306と、を有し、本体306に位置づけられたアーチワイヤスロット308と整合された、本体306に連結された1対のクリップ350もまた有する。しかし、ブラケット100、200のクリップ150、250と異なり、クリップ350のそれぞれは、クリップ350のアーチワイヤ受け入れ領域358に延出する突出部373を有する。
突出部373の存在は、十分に大きい寸法のアーチワイヤがクリップ350のアーチワイヤ受け入れ領域358に受け入れられたときに、ある程度の干渉をもたらす。これは図13に示されており、図中、3つの代表的なアーチワイヤ0.0182インチ(0.462mm)×0.0182インチ(0.462mm)の正方形アーチワイヤ52、0.016インチ(0.406mm)×0.022インチ(0.559mm)の矩形アーチワイヤ54、及び0.017インチ(0.432mm)×0.025インチ(0.635mm)の矩形アーチワイヤ56が、クリップ350のアーチワイヤ受け入れ領域358内で重なっており、クリップ350は弛緩した位置にある。クリップ350とそれぞれのアーチワイヤ52、54、56との間に図示されている重なりによって示されるように、突出部373は、アーチワイヤ52、54、56がアーチワイヤスロット308内に受け入れられている限り、クリップ350とアーチワイヤ52、54、56との接触を誘導する。
図13は、最も大きいアーチワイヤ56に関して、アーチワイヤ56と突出部373との間に相当の重なり合いがあることを示している。アーチワイヤ56が使用されるとき、クリップ350は有意に撓んでアーチワイヤ56を受容し、治療の過程中に、アーチワイヤ56をアーチワイヤスロット308の底壁及び第2の側壁に対して連続的に付勢する。すでに述べたように、これは能動的結紮及び、アーチワイヤ52、54、56とブラケット300との間の密な係合をもたらす。そのような構成は施術者に様々な利点をもたらし得る。例えば、受動的結紮は、概して、歯に対する傾きの制御を増すことを可能にする。別の例として、能動的結紮は、アーチワイヤ56とブラケット300との間の摺動摩擦を増し、歯列矯正治療の終盤にかけての最終調整を行うときの不要な歯の動きを防ぐことができる。クリップ350の他の態様は、クリップ150のそれらと同様である。
図14〜26は、クリップの自由部分が基部に最も近い本体の側に位置づけられるように、クリップの配向を逆にしたいくつかの実施形態を示す。
例えば、図14〜17は、患者の歯の舌側表面に概してぴったり一致する基部402を有する自己結紮装具400を示す。基部402は、歯に結合するように適応された外面404と、内面405と、を有する。ブラケット本体406は、内面405から外向きに延在する。ブラケット本体406は、基部402に概して背を向ける方向に面した第1の側壁410と、基部402に概して向かう方向に面した第2の側壁412と、概して咬合方向に面した底壁414と、を含む、概して近心−遠心方向に沿って延在するアーチワイヤスロット408を有する。
先の実施形態のように、1対の弾力的なクリップ450が本体406の近心側及び遠心側に連結される。クリップ450は平面であり、一体の「J」形状の構造を有し、本体406に堅く連結された末端の固定部分452(図示せず)と、本体406に対して可動の自由部分454と、を有する。しかし、先の実施形態と異なり、それぞれのクリップ450の自由部分454は、基部402から遠くの側部でなく、基部402に隣接したアーチワイヤスロット408の側部に位置づけられる。
詳述すると、固定部分452のそれぞれは、本体406内に置かれたそれぞれ対応する補完的な空洞455内に堅く保持される。自由部分454のそれぞれは、底壁414に沿って固定部分452から外向きに、底壁414に対して概して平行の方向に延出する。自由部分454のそれぞれは、第1の側壁410に沿って咬合方向に更に延び、弛緩されたときに、咬合方向の第2の側壁412の咬合縁を越えて最終的に終わる。第2の側壁412に隣接した本体406のいかなる実質的な部分も、咬合方向に第2の側壁412の咬合縁を越えて突出しない(本明細書で使用するとき、「実質的な」部分は、そのような突出がアーチワイヤ係合又は本明細書に記載したような機能を干渉することになる部分である)。このクリアランスは、アーチワイヤ52’(図15に示す)がクリップ450の自由部分454を第1の側壁410に対向する方向及び概して底壁414に平行な方向において、係合するための道を提供する。
それぞれのクリップ450の自由部分454は、底壁414に隣接した、第1及び第2の側壁410、412によって画定された基準面の間の位置で、そのそれぞれ対応する固定部分452と接合される。先の実施形態のように、この態様は撓みがクリップ450の長さに沿って広がることを可能にし、係合力及び解放力の両方を低減するので、施術者にとって有益である。図示したように、本体406は、クリップ450がアーチワイヤ52’を受け入れるために開く際に、自由部分454が咬合方向(側壁410、412に平行)及び唇方向(側壁410、412に垂直)の両方に撓むために十分なクリアランスを提供する。
クリップ450のそれぞれは、それぞれ対応する保持キャップ480によって本体406に対して保持される。図示したように、所望により、クリップ450の外れを防ぐために、それぞれの保持キャップ480は、その空洞455と補完的であり、本体406の近心側及び遠心側に溶接される。別の代表的な組立品の形態では、空洞455の内壁はわずかにテーパーされる。クリップ450は、クリップ450のアーチワイヤ受け入れ領域がアーチワイヤスロット408と整合するように、空洞455内に置かれる。次いで、拡大されたブローチ工具で空洞455内を強制的に付勢して、空洞455の内壁をクリップ450の方へ永久変形させて折り畳む。内壁の変形は、それぞれのクリップ450をその対応するそれぞれの空洞455内に保持する締まり嵌めを提供する。
クリップ450の配向は、新規な2工程の係合機構を可能にする。第1の工程は、図15に示したクリップ450の開口工程である。これは、アーチワイヤ52’を第1の側壁410の開いた面に向かう方向に、アーチワイヤスロット408の底壁414に平行に付勢することによって達成される。その結果、クリップ450は唇方向に撓んで、アーチワイヤスロット408へのアクセスを提供する。所望により、アーチワイヤ52’は、側壁410に平らに当たって係合して、アーチワイヤ52’をアーチワイヤスロット408の上に直接、位置づけることができる。第2の工程は、第1の側壁410に対して概して平行な方向に沿ってアーチワイヤスロット408内にアーチワイヤ52’を下げる摺動運動である。図16は、アーチワイヤスロット408内に完全に座ったアーチワイヤ52’を示す。それぞれのクリップ450は、アーチワイヤ52’を保持するために弛緩構成に向かって戻る。所望により、図示したように、アーチワイヤ52’は受動的結紮において保持される。
2工程の係合機構はいくつかの観点において有利である。第1に、それはアーチワイヤの整合及び係合を効果的に解除する。整合は、アーチワイヤ52’を広範な方向から第1の側壁410に対して整合できることによって促進される。また、係合は、クリップ450がいったん開くと、アーチワイヤが直接にスロット内に滑り入ることができることによって促進される。総じて、施術者にとって結紮がはるかに容易になり、技術的な影響を受けにくくなる。第2に、アプローチの角度が急であることは、クリップ450を開くために必要な力の量を総じて減らす。これは、アーチワイヤ係合中の患者の快適度を増す。第3に、装具の構成は、第2の側壁412を有意に短くすることを可能にし、より低いプロファイルのブラケット本体406を可能にして、患者の快適度を高める。
図示していないが、唇側又は舌側のアーチワイヤ係合を可能にするように装具700を適応することもできる。例えば、アーチワイヤのスロット開口部は、クリップが弛緩したときにクリップの唇側/舌側の縁が唇側/舌側方向に第2の側壁の縁を越えて終わる唇側−舌側方向に面してもよい。
図18〜20は、いくらか修正された実施形態による自己結紮装具500を示す。装具500は1対のクリップ550とともにアーチワイヤスリット508を有するブラケット本体506を有する。この実施形態で、それぞれのクリップ550は、アーチワイヤスロット508の方へ内向きに延びる凸状内面輪郭すなわち突出部573を有する。図12の突出部373と同様に、突出部573もアーチワイヤ52’’に連続的に圧縮力を付加する能動的結紮機構を提供する。既に述べたように、能動的結紮は歯列矯正治療中の歯に対する施術者の制御を増すことができる。装具500のその他の態様、オプション、及び利点は、先の実施形態で説明したものと同様であるので、繰り返し説明しない。
図21〜23は、別の修正された実施形態による自己結紮装具600を示す。装具600はアーチワイヤスロット608を有するブラケット本体606を有し、アーチワイヤスロット608と整合された1対のクリップ650と連結される。しかし、先の実施形態と異なり、それぞれのクリップ650は、図22に示したように平坦な表面651を有するヘッド部分を有する。平坦な表面651は、側壁610と概して平行であり、アーチワイヤ52’’’をアーチワイヤスロット608の上に整合するときにアーチワイヤ52’’’が1つ又は双方のクリップ650を平坦に係合することを可能にする。平坦な係合表面は、係合のための広い区域を施術者に提供し、アーチワイヤ52’’’とクリップ650との間の摺動の可能性を減らすので、有益である。装具600のその他の態様は、先の実施形態で説明したものと同様である。
図24〜26は、後部の歯の舌側表面上で使用することを目的とする、更に別の実施形態による自己結紮装具700を示す。この装具700は、図25に示したように、近心−遠心方向から見て概して楕円形の本体706を有する。本体706は、アーチワイヤスロット708を有し、本体706には、アーチワイヤスロット708と整合された1対のクリップ750が連結される。先の実施形態と異なり、アーチワイヤスロット708は、本体706の舌側上に位置づけられ、概して顔面方向(頬又は唇に向かう)に面した開口部を有する。例示のアーチワイヤ56’は、示されるようにアーチワイヤスロット708内に受け入れられる。装具700のその他の態様は、先の実施形態で説明したものと同様である。
上記特許及び特許出願の全ては、本明細書において参照により明示的に援用される。前述の諸実施形態は、本発明の実例であり、他の構造も可能である。したがって、本発明は、以上で詳細に記載し添付図面に示した諸実施形態だけに限定されるものと見なされるべきではなく、以下の請求項及びそれらの均等物の正当な範囲によってのみ制限される。

Claims (31)

  1. 自己結紮歯列矯正装具であって、
    歯に取り付けられる外面と、内面と、を有する基部と、
    前記内面から外向きに延在する本体であり、前記本体が、1対の側壁と、前記側壁の間でそれに対して概して垂直の方向に延在する底壁と、を含み、前記側壁及び底壁が、概して近心−遠心方向に延在するアーチワイヤスロットを画定する、本体と、
    前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するための、前記本体に隣接した少なくとも1つの弾力的なクリップであって、前記クリップが、
    前記本体に堅く連結された固定部分と、
    前記底壁の隣の道に沿って前記固定部分から外向きに延在する自由部分と、を備え、前記1対の側壁が1対の基準平面を画定し、前記固定部分と前記自由部分とが前記基準平面の間の場所で互いに接合する、クリップと、
    を備える、自己結紮歯列矯正装具。
  2. 自己結紮歯列矯正装具であって、
    歯に取り付けられる外面と、内面と、を有する基部と、
    前記内面から外向きに延在する本体であって、前記本体が、1対の離間した側壁と、スロット開口部を有するアーチワイヤスロットを画定する底壁と、を含み、前記アーチワイヤスロット及び前記スロット開口部が概して近心−遠心方向に延在し、前記側壁が概して互いに平行なそれぞれ対応する基準平面に延在する、本体と、
    アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に解放可能に保持するための、前記本体に隣接した少なくとも1つの弾力的なクリップであり、前記クリップが、前記底壁に隣接した場所において、前記本体に固定された固定部分と、前記底壁、前記側壁の1つ、及び前記スロット開口部の、一部分に沿って延在する自由部分と、を備え、前記自由部分が、前記基準平面間の場所で終わるヘッド部分を含み、前記固定部分と自由部分とが前記基準平面間の場所で互いに接合する、クリップと、
    を備える、自己結紮歯列矯正装具。
  3. 前記1対の側壁の1つが前記内面の少なくとも一部分と共面である、請求項1又は2に記載の装具。
  4. 前記クリップが平面であり、概して「J」形状の構造を有する、請求項1又は2に記載の装具。
  5. 前記クリップの前記固定部分と自由部分とが互いに一体である、請求項1又は2に記載の装具。
  6. 前記アーチワイヤが前記アーチワイヤスロット内に受け入れられるように、前記クリップの前記自由部分が、前記1対の側壁の1つに沿って延在するアーム部分と、入口の道を少なくとも部分的に横切って延在するヘッド部分と、を更に備える、請求項1に記載の装具。
  7. 前記本体内に延在する、前記クリップを受け入れる空洞を更に備え、前記空洞が、前記クリップの前記形状の少なくとも一部分と補完的な形を有する、請求項6に記載の装具。
  8. 前記空洞がじょうご状の入口を有する、請求項7に記載の装具。
  9. 前記本体が少なくとも2つの直交する側部を含み、前記空洞が前記本体の前記少なくとも2つの直交する側部に沿って延在する開口部を有する、請求項7に記載の装具。
  10. 前記空洞が、前記固定部分の動きを前記空洞の内部に拘束する1つ以上の曲がり角領域を有する、請求項7に記載の装具。
  11. 前記本体から突出した、少なくとも部分的に空洞を横切って延在する保持ツメを更に備え、それによってクリップが締まり嵌めによって捕捉されて保持される、請求項7に記載の装具。
  12. 前記保持ツメが、前記クリップの前記アーム部分に隣接しており、前記クリップの前記ヘッド部分に近づくときに概して増す顔面−舌側寸法を有する、請求項11に記載の装具。
  13. 前記保持ツメが、前記アーチワイヤスロットの前記底壁と概して共面である咬合縁を有する、請求項11に記載の装具。
  14. 前記クリップが、治療の過程中に前記アーチワイヤに対して連続圧縮力を付加する能動的クリップを備える、請求項1又は2に記載の装具。
  15. 前記アーチワイヤスロットが長手方向軸を有し、前記本体が前記長手方向軸に垂直の平面における概して楕円形の断面を有する、請求項1又は2に記載の装具。
  16. 前記クリップが前記1対の基準平面の1つと正確に交差する、請求項1又は2に記載の装具。
  17. 前記クリップが、前記アーチワイヤスロットの前記側壁の間の距離と等しい横寸法を有するアーチワイヤを受け入れるとき、8%以下の最大局所初期主歪みを有する、請求項1又は2に記載の装具。
  18. 前記少なくとも1つのクリップが、前記アーチワイヤスロットと整合された、前記本体の対向する側部に位置づけられた1対のクリップを備える、請求項1又は2に記載の装具。
  19. 歯列矯正装具の組立方法であって、
    アーチワイヤ受け入れ領域を有する弾力的なクリップを提供する工程と、
    本体の1つの側部を横切って延在するアーチワイヤスロットと、前記クリップの少なくとも一部分と補完的な空洞と、前記空洞を部分的に横切って延在するツメと、を有する、前記本体を提供する工程と、
    前記アーチワイヤ受け入れ領域が前記アーチワイヤスロットと整合されるように前記空洞の隣に前記クリップを位置づける工程と、
    前記クリップの一部分を前記本体内に押し嵌めるために前記空洞の方へ前記クリップを付勢する一方で前記クリップの別の部分を前記ツメの周囲で撓める工程であって、前記クリップが弛緩した構成に向かって戻るときに前記ツメが締まり嵌めを提供して前記クリップを前記本体に対して保持する工程と、を含む、方法。
  20. 前記クリップを前記空洞の方へ付勢する作用が、前記クリップを開いたまま保持する一方で、操作者が前記クリップを前記ツメを超えて直接前記空洞内に平行移動するための機構を提供する工具を用いて実行される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記空洞が、じょうご状の入口を前記クリップに提供するようにテーパーされた側壁を含む、請求項19に記載の方法。
  22. 自己結紮歯列矯正装具であって、
    歯に取り付けられる外面と、内面と、を有する基部と、
    前記内面から外向きに延在し、概して近心−遠心方向に延在するアーチワイヤスロットをそれ自体に有する、本体であって、前記アーチワイヤスロットが対向する第1及び第2の側壁と底壁とを有する、本体と、
    前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを解放可能に保持するための、前記本体に連結された少なくとも1つの弾力的なクリップであって、前記クリップが、
    前記本体に堅く連結された固定部分と、
    前記底壁に沿って前記固定部分から外向きに延在し、前記第1の側壁に沿って特定の方向に更に延び、弛緩したときに前記特定の方向において前記第2の側壁の縁を越えて終わる自由部分と、を備え、それによって、前記第1の側壁に対向する、概して前記底壁に平行な方向において、前記アーチワイヤが前記自由部分を係合するための道を提供する、クリップと、
    を備える、装具。
  23. 前記特定の方向が咬合方向である、請求項22に記載の装具。
  24. 前記クリップが咬合縁を有し、前記第2の側壁に隣接する前記本体のいかなる実質的な部分も咬合方向に前記咬合縁を超えて突出しない、請求項23に記載の装具。
  25. 前記第1の側壁が概して前記基部に背を向けており、前記第2の側壁が前記基部に概して面している、請求項22に記載の装具。
  26. 前記特定の方向が唇側−舌側方向である、請求項22に記載の装具。
  27. 前記自由部分が前記アーチワイヤと係合するための平坦な表面を有するヘッド部分を含み、前記平坦な表面が前記第1及び第2の側壁に対して概して平行である、請求項22に記載の装具。
  28. 1対の側壁と底壁を有するアーチワイヤスロットと、前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを開放可能に保持するための、本体に連結された弾力的なクリップと、を有する自己結紮歯列矯正装具を結紮する方法であって、
    前記アーチワイヤスロットへのアクセスを提供する方向に前記クリップを撓めるために、前記クリップに対して前記アーチワイヤを前記底壁に対して概して平行な方向に付勢する工程と、
    前記アーチワイヤを前記側壁に対して概して平行な方向に移動して、前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に座らせ、前記クリップを弛緩した構成に向けて戻して前記アーチワイヤを保持することを可能にする工程と、を含む、方法。
  29. 前記クリップの撓みを促進するために、前記アーチワイヤを前記クリップに対して平坦に係合する工程を更に含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に座らせる前に、前記アーチワイヤを前記側壁の1つに対して平坦に係合する工程を更に含む、請求項28に記載の方法。
  31. 歯列矯正装具の組立方法であって、
    アーチワイヤ受け入れ領域を有する弾力的なクリップを提供する工程と、
    本体の1つの側部を横切って延在するアーチワイヤスロットと、前記クリップの少なくとも一部分と補完的な空洞と、を有する本体を提供する工程であって、前記空洞が、テーパーされた少なくとも1つの内壁を有する、工程と、
    前記アーチワイヤ受け入れ領域が前記アーチワイヤスロットと整合されるように前記空洞に前記クリップを配置する工程と、
    前記空洞の前記内壁を前記クリップの方に向けて永久変形するために、前記空洞内を拡大されたブローチ工具で付勢する工程であって、その変形された内壁が、前記クリップを前記本体に対して保持するために締まり嵌めを提供する工程と、
    を含む、方法。
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