この出願は、2009年11月17日に出願がなされている「ノードBからのマルチユーザMIMO伝送のシグナリング(SIGNALING OF MU-MIMO TRANSMISSIONS FROM NODE-B)」と言う名称の米国仮特許出願シリアル番号61/262,115の利益を主張する。この米国仮特許出願は、この言及により全体的にここに明確に含まれる。
この開示は、無線通信システムに概ね関係している。この開示は、高速パケットアクセス(HSPA:high-speed packet access)システムにおけるマルチユーザマルチ入力マルチ出力伝送のシグナリングをするためのシステムおよび方法に特に関係している。
無線通信システムは、音声や映像やデータなどの様々な種類の通信内容を供給するために広く展開されている。無線通信システムは、一台以上の基地局を用いて複数台の端末の同時通信をサポートする多元接続システム(multiple-access systems)であるかも知れない。
全ての通信システムが対処しなければならない問題はフェージングその他の干渉である。受信した信号の復号化に問題が生じる虞がある。このような問題に対処する一法としてビームフォーミングの使用がある。ビームフォーミングでは、個々の送信アンテナを用いて一本の空間ストリームを送信する代わりに、受信機の応答を最適化するように選択された複数本の空間ストリームの一次結合(linear combination)を個々の送信アンテナが送信する。
スマートアンテナは、所定の位相ずれおよび相対利得で送信される信号を受信するアンテナ素子のアレイである。このようなアレイの正味の効果は所定の方向に(送信や受信の)ビームを向けることである。アレイの素子を励起する信号の位相と利得との関係を制御することによってビームを操舵することができる。したがって、従来のアンテナが通常行っているように所定の有効範囲(例えば、120°)に在中している全ての移動ユニットにエネルギを放射することとは対照的にスマートアンテナは一台一台の移動ユニット(すなわち複数台の移動ユニット)にビームを向ける。スマートアンテナは、個々の移動ユニットに向けられるビームの幅を狭めて移動ユニット間の干渉を減少させることによりシステムの能力を増大させる。このように干渉が減少することにより信号対干渉および信号対雑音のそれぞれの比が増大するのでパフォーマンスや能力が改善される。電力が制御されているシステムでは、個々の移動ユニットに狭いビーム信号を向けることは所定水準のパフォーマンスを提供するために必要な送信電力の減少になる。
無線通信システムは、システム全体の利得を提供するためにビームフォーミングを使用することができる。ビームフォーミングでは送信機の複数本のアンテナが受信機の複数本のアンテナに向けて送信方向を操舵することができる。ビームフォーミングは信号対雑音比(SNR:signal-to-noise ratio)を減少させることができる。またビームフォーミングは、隣接するセルに在圏する端末が被る干渉の量を減少させることもできる。ビームフォーミング技術の改善により得られる利益は計り知れない。
高速パケットアクセスシステムにおいてマルチユーザマルチ入力マルチ出力をシグナリングする方法が記載されている。マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータが決定される。マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータを含むメッセージが生成される。メッセージが無線装置に送信される。
この方法は、無線ネットワークコントローラにより実行されることがある。無線装置は、メッセージをユーザ機器に転送するノードBで構わない。マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータは、マルチユーザマルチ入力マルチ出力機能をサポートするためにユーザ機器に必要なユーザ機器のマルチユーザマルチ入力マルチ出力の設定を含むことができる。メッセージは無線リソース制御メッセージで構わない。
マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータはチャネル品質インジケータ報告設定も含むことができる。マルチユーザマルチ入力マルチ出力は高速共用制御チャネルフィールド再解釈をさらに含むことができる。この方法は、ユーザ機器により実行されることがある。この場合には無線装置は、無線ネットワークコントローラにメッセージを送るノードBで構わない。
マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータは、ユーザ機器のマルチユーザマルチ入力マルチ出力作動機能を含むことができる。メッセージは、無線リソース制御メッセージで構わない。マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータはマルチユーザマルチ入力マルチ出力の可能なユーザ機器のカテゴリを含むことができる。
この方法は、ノードBにより実行されることがある。無線装置は、無線ネットワークコントローラで構わない。マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータは、ノードBのマルチユーザマルチ入力マルチ出力スケジューリング機能を含むことができる。
マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータは、ノードBによりサービスが提供されているユーザ機器のマルチユーザマルチ入力マルチ出力の機能および設定を含むことができる。マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータは、新しい高速共用制御チャネルフィールドの符号化も含むことができる。
無線装置はユーザ機器であっても構わない。マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータは、送信時間間隔毎に送信されるマルチユーザマルチ入力マルチ出力スケジューリング情報を含むことができる。マルチユーザマルチ入力マルチ出力スケジューリング情報は、共通高速ダウンリンク共用チャネル−無線ネットワーク一時識別子に基づく高速共用制御チャネルによるか、高速共用制御チャネルのチャネル化コードセットの所定ビットによるか、二次伝送ブロックサイズが111111に設定されていて対応する冗長版が0に設定されているタイプ3デュアルストリーム高速共用制御チャネルによるかのいずれかで送信される。
ユーザ機器は送信アンテナアレイケーブルでも構わない。マルチユーザマルチ入力マルチ出力スケジューリング情報は、高速共用制御チャネル内の幾つかの伝送ブロックと変調方式との組み合わせにより送信されることがある。マルチユーザマルチ入力マルチ出力スケジューリング情報は、高速共用制御チャネル内のハイブリッド自動再送要求処理の識別によっても送信されることがある。
マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータは、マルチユーザマルチ入力マルチ出力機能をユーザ機器に起動させたり停止させたりする命令を含むことができる。メッセージは、高速共用制御チャネルの命令で構わない。高速共用制御チャネルの命令は、ユーザ機器に変更を報告する、すなわち、高速共用制御チャネルフィールドの解釈の変更をユーザ機器に報告するチャネル品質インジケータを含むことができる。
高速パケットアクセスシステムにおいてマルチユーザマルチ入力マルチ出力のシグナリングをするように構成されている無線装置も記載されている。無線装置には、プロセッサ、このプロセッサと電子的に通信をしているメモリ、このメモリに格納されている命令が含まれている。命令は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータを決定するためにプロセッサにより実行可能である。命令は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータを含むメッセージを生成するためにもプロセッサにより実行可能である。命令は、第二の無線装置にメッセージを送信するためにもプロセッサにより実行可能である。
高速パケットアクセスシステムにおいてマルチユーザマルチ入力マルチ出力をシグナリングするように構成されている無線装置が記載されている。無線装置は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータを決定する手段を有している。無線装置は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータを含むメッセージを生成する手段も有している。無線装置は、メッセージを無線装置に送信する手段をさらに有している。
高速パケットアクセスシステムにおいてマルチユーザマルチ入力マルチ出力をシグナリングするコンピュータプログラム製品も記載されている。コンピュータプログラム製品には、命令を収録している一時的でないコンピュータ可読媒体が含まれている。命令には、マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータを第一の無線装置に決定させるコードが含まれている。命令には、マルチユーザマルチ入力マルチ出力パラメータが含まれているメッセージを第一の無線装置に生成させるコードも含まれている。命令には、第二の無線装置にメッセージを送信することを第一の無線装置に行わせるコードがさらに含まれている。
図1は、無線装置を複数台有している無線通信システムを示す図である。
図2は、無線装置を複数台有している別の無線通信システムを示す図である。
図3は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO:single-user multiple-input and multiple output)伝送およびマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO:multiple-user multiple-input and multiple output)伝送の両者においてストリーム間干渉(ISI:inter-stream interference)の原因となるデータレートを調整する方法の流れ図である。
図4は、ユーザ機器(UEs)を一対にして相互に照合した表である。
図5は、送信時間間隔(TTIs:transmission time intervals)を時系列に示すブロック図である。
図6は、ストリーム間干渉(ISI)を考慮してチャネル品質インジケータ(CQI:channel quality indicator)フィードバックを送信する方法の流れ図である。
図7は、ユーザ機器(UEs)のチャネル品質インジケータ(CQI)フィードバックサイクルを示すタイミング図である。
図8は、このシステムや方法に用いられる基地局のブロック図である。
図9は、このシステムや方法に用いられる無線通信装置のブロック図である。
図10は、マルチ入力マルチ出力(MIMO)システムの送信機および受信機のブロック図である。
図11は、ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)の規格にしたがって作動している無線ネットワークの例を示すブロック図である。
図12は、ユーザ機器(UE)とノードBと無線ネットワークコントローラ(RNC:radio network controller)との間の通信の例を示すブロック図である。
図13は、ユーザ機器(UE’s)のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)作動機能をユーザ機器(UE)から無線ネットワークコントローラ(RNC)にシグナリングする方法の流れ図である。
図14は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能をサポートするためにユーザ機器(UE)マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)の設定をネットワークからユーザ機器(UE)にシグナリングする方法の流れ図である。
図15は、無線通信ネットワークにおけるノードBと無線ネットワークコントローラ(RNC)との通信の例を示すブロック図である。
図16は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)に関するユーザ機器の機能および設定を無線ネットワークコントローラ(RNC)からノードBにシグナリングする方法の流れ図である。
図17は、ノードBのマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング機能を無線ネットワークコントローラ(RNC)にシグナリングする方法の流れ図である。
図18は、無線通信ネットワークにおいてノードBからユーザ機器(UE)に高速共用制御チャネル(HS−SCCH:high-speed shared control channel)命令を伝送する例を示すブロック図である。
図19は、高速共用制御チャネル(HS−SCCH:high-speed shared control channel)命令をユーザ機器(UE)に送信する流れ図である。
図20は、無線通信ネットワークにおいて送信時間間隔毎にノードBからユーザ機器(UE)に送信されるマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリングの例を示すブロック図である。
図21は、基地局に含まれている可能性のあるコンポーネントを示す図である。
図22は、無線通信システムに含まれている可能性のあるコンポーネントを示す図である。
図23は、無線ネットワークコントローラ(RNC)に含まれている可能性のあるコンポーネントを示す図である。
詳細な説明
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)は、世界中に適用される第3世代携帯電話の仕様を策定することを目的にした電気通信協会の諸グループ間の共同作業である。3GPP長期的高度化(LTE:Long Term Evolution)は、ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)携帯電話規格の改善を目指す3GPPプロジェクトである。3GPPは、移動ネットワーク、移動システム、移動装置に関する次世代の仕様を定義している。3GPP LTEでは、移動局や移動装置は「ユーザ機器」(UE:user equipment)と呼ばれている。
図1には、無線装置を複数台伴う無線通信システム100が示されている。無線通信システム100は、音声、データ、その他などの様々な種類の通信内容を供給するために広範囲に亘って展開されている。無線装置は、基地局102でも良いし、無線通信装置104でも良い。
基地局102は、一台以上の無線通信装置104と通信をする局である。基地局102は、アクセスポイント、ブロードキャスト送信機、ノードB、進化したノードB(eNB)、その他の機能の幾つかまたは全てを有していることもあり、アクセスポイント、ブロードキャスト送信機、ノードB、進化したノードB(eNB)、その他と呼ばれることもある。ここでは用語「基地局」を使用する。どの基地局102も特定の地域に通信範囲を提供する。基地局102は、一台以上の無線通信装置104に通信範囲を提供する。用語「セル」(cell)は、この用語が用いられている文脈に応じて、基地局102を指すこともあれば、基地局の有効範囲を指すこともあれば、両者を指すこともある。
無線システムの通信(例えば、多元接続システム(multiple-access system))は無線リンクによる伝送を通じて達成される。このような通信リンクは、シングル入力シングル出力(SISO:single-input and single-output)、マルチ入力シングル出力(MISO:multiple input single output)、マルチ入力マルチ出力(MIMO:multiple-input multiple-output)のいずれのシステムでも確立することができる。MIMOシステムは、送信アンテナを複数(NT)本有している送信機と受信アンテナを複数(NR)本有している受信機とをデータ通信のために備えている。SISOおよびMISOの両システムはMIMOシステムの特定の例である。MIMOシステムは、複数本の送受信アンテナにより生成される付加的な次元数を使用すれば改善されたパフォーマンス(例えば、高いスループット、大きな能力、改善された信頼性)を提供することができる。
無線通信システム100はMIMOを利用することができる。MIMOシステムは、時分割複信(TDD:time division duplex)および周波数分割複信(FDD:frequency division duplex)の両システムをサポートすることができる。TDDシステムでは、アップリンク108a−bおよびダウンリンク106a−bの送信が同じ周波数領域であるので相反定理によりアップリンク108チャネルからダウンリンク106チャネルの推定が可能である。これにより送信側無線装置は、受信した通信から送信ビームフォーミング利得を抽出することができる。
無線通信システム100は、利用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅や送信電力)を共有することによって複数台の無線通信装置104との通信をサポートすることのできる多元接続システムであるかも知れない。そのような多元接続システムの例には、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)システム、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA:wideband code division multiple access)システム、時分割多元接続(TDMA:time division multiple access)システム、周波数分割多元接続(FDMA:frequency division multiple access)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA:orthogonal frequency division multiple access)システム、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA:single-carrier frequency division multiple access)システム、3GPP長期的高度化(LTE:Long Term Evolution)システム、空間分割多元接続(SDMA:Spatial division multiple access)システムが含まれる。
用語「ネットワーク」および「システム」は往々にして区別なく用いられている。CDMAネットワークでは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA:Universal Terrestrial Radio Access)、CDMA2000、その他のような無線技術を実施することができる。UTRAには、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA:Wideband-CDMA)やローチップレート(LCR:Low Chip Rate)が含まれる。CDMA2000には、IS−2000、IS−95、IS−856の諸規格が網羅されている。TDMAネットワークでは、移動体通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communications)のような無線技術を実施することができる。OFDMAネットワークでは、進化したUTRA(E−UTRA:Evolved UTRA)、IEEE802.11、IEEE802.16、IEEE802.20、フラッシュOFDM(登録商標)(Flash-OFDM(登録商標))、その他のような無線技術を実施することができる。UTRA、E−UTRA、GSMは、ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunication system)の一部である。長期的高度化(LTE)は、E−UTRAを用いたUMTSの公開である。UTRA、E−UTRA、GSM、UMTS、LTEは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP:3rd Generation Partnership Project)と言う名称の組織による文書に記載されている。CDMA2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2:3rd Generation Partnership Project 2)と言う名称の組織による文書に記載されている。無線に関するこれらの様々な技術や規格はこの技術分野では公知である。明瞭にするために、LTEに関する技術的な観点を以下に幾つか述べる。以下の記述にはLTE関連の用語が多用されている。
基地局102は、一台以上の無線通信装置104と通信をすることができる。例えば、基地局102は、第一の無線通信装置104aおよび第二の無線通信装置104bと通信をすることができる。無線通信装置104には、端末、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、加入者ユニット、ステーション、その他の機能の幾つかまたは全てが含まれることもあり、端末、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、加入者ユニット、ステーション、その他と無線通信装置104が呼ばれることもある。無線通信装置104は、小型携帯移動電話機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:personal digital assistant)、無線装置、無線モデム、手持ち式演算装置、ラップトップコンピュータ、その他のいずれでも構わない。
無線通信装置104は、任意の与えられた瞬間にダウンリンク106およびアップリンク108の両方または一方により一台以上の基地局102と通信をすることができることもあれば、どの基地局とも通信をすることができないこともある。ダウンリンク106(または下りリンク)は基地局102から無線通信装置104への通信リンクを指している。アップリンク108(または上りリンク)は無線通信装置104から基地局102への通信リンクを指している。
3GPPリリース5以降は、高速下りパケットアクセス(HSDPA:High-Speed Downlink Packet Access)をサポートしている。3GPPリリース6以降は、高速上りパケットアクセス(HSUPA:High-Speed Uplink Packet Access)をサポートしている。HSDPAおよびHSUPAは、ダウンリンクおよびアップリンクでの高速パケットデータ通信を可能にするチャネルと手続きのセットである。したがってHSDPAおよびHSUPAは、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)と呼ばれる移動電話プロトコルファミリの一部である。リリース7HSPA+は、三種類の拡張でデータレートを改善している。第一に、2×2マルチ入力マルチ出力(MIMO)のサポートがダウンリンク106に導入されている。MIMOにより、ダウンリンク106でサポートされるピークデータレートが28メガビット毎秒(Mbps)である。第二に、ダウンリンク106に高次の変調が導入されている。64直交振幅変調(QAM)をダウンリンク106に使用して21Mbpsのピークデータレートを実現している。第三に、アップリンク108に高次の変調が導入されている。アップリンク108に16QAMを用いて11Mbpsのピークデータレートを達成している。
HSUPAでは、幾つかの無線通信装置104が(許可を用いて)一定の電力水準で同時に送信することが基地局102により許される。この許可は、短期ベース(すなわち、数十ミリ秒(ms)のオーダー)でリソースを割り当てる高速スケジューリングアルゴリズムを用いて無線通信装置104に割り当てられる。HSUPAの高速スケジューリングはパケットデータのバーストし易い性質に良く適している。無線通信装置104は、活発に作動している時は利用可能なリソースの大きな割合を占めているかも知れないが、不活発の時には帯域幅を殆ど使用していないか全く使用していない。
3GPPリリース5のHSDPAでは基地局102は、高速下り共用チャネル(HS−DSCH:High-Speed Downlink Shared Channel)でダウンリンクペイロードデータを無線通信システムに送信することができる。基地局102は、高速共用制御チャネル(HS−SCCH:High-Speed Shared Control Channel)でダウンリンクデータに関連付けられている制御情報も送信することができる。256個の直交可変拡散ファクタ(OVSF:Orthogonal Variable Spreading Factor)コード(またはウォルシュコード(Walsh codes))がデータの伝送に用いられている。HSDPAシステムではこれらのコードは、セルラ方式の電話技術(音声通話)で典型的に使用されるリリース1999(レガシーシステム)コードとデータサービスに用いられるHSDPAコードとに分けられている。HSDPA使用可能無線通信装置104に送信される専用制御情報はコードスペース内のどのコードを用いてダウンリンクペイロードデータを無線通信装置104に送信すれば良いのかおよびダウンリンクペイロードデータの伝送に用いる変調を送信時間間隔(TTI)毎に無線通信装置104に指示することができる。
HSDPA操作では、無線通信装置104a−bへのダウンリンク伝送が15個の利用可能なHSDPA直交可変拡散ファクタ(OVSF)コードを用いて異なる送信時間間隔(TTIs)でスケジューリングされる。送信時間間隔(TTI)中に無線通信装置104に割り当てられているダウンリンク帯域幅に応じて個々の無線通信装置104は所定の送信時間間隔(TTI)で15個のHSDPAコードを1個以上使用することができる。上に述べたように、コードスペース内のどのコードを用いてダウンリンクペイロードデータ(無線通信システム100の制御データ以外のデータ)を無線通信装置104に送信すれば良いのかをダウンリンクペイロードデータの伝送に用いられる変調と一緒に送信時間間隔(TTI)毎に無線通信装置104に制御情報が指示する。
基地局102から受信した通信に基づいて無線通信装置104は一つ以上のチャネル品質インジケータ(CQI:channel quality indicator)112a−bを生成する。個々のチャネル品質インジケータ(CQI)112は基地局102と無線通信装置104との間のダウンリンク106チャネルのチャネル測定値(channel measurement)で構わない。チャネル品質インジケータ(CQI)112は、無線通信システム100が採用している伝送方式におそらく依存している。基地局102と無線通信装置104との間でマルチ入力マルチ出力(MIMO)通信が用いられているので、個々のチャネル品質インジケータ(CQI)112は基地局102と無線通信装置104との間の異なるダウンリンク106チャネル(すなわち、送信アンテナと受信アンテナとの異なる対)におそらく対応している。
無線通信装置104は、チャネル品質インジケータ(CQIs)112を用いて好ましいビーム110a−bを確定することができる。好ましいビーム110は、アンテナの構造や重さ、基地局102から無線通信装置104に伝送される信号の伝送方向や位相に関連している。用語「ビーム(beam)」や「プリコーディングベクトル(precoding vector)」は、アンテナからデータが無線で流れる方向に関連している。マルチ入力マルチ出力(MIMO)では、基地局102と無線通信装置104との間の情報の伝送に複数本のビームが用いられる。したがって好ましいビームは、基地局102と無線通信装置104との間で最良(すなわち、最適)のデータストリームを生成するビームを言う。
リリース7のHSPAでは、シングルユーザMIMO(SU−MIMO:single user MIMO)が用いられている。無線通信装置104が良いジオメトリを有している場合(すなわち、無線通信装置104が基地局102に対して良い位置にある場合)、無線通信装置104はデュアルストリーム伝送を基地局102に要求する。デュアルストリーム伝送では、送信時間間隔(TTI)中に基地局102は第一データストリームおよび第二データストリームを無線通信装置104に伝送する。第一データストリームおよび第二データストリームは直交アンテナビームで伝送される。一方のデータストリームが他方のデータストリームよりもスループットの高いことがある(すなわち、好ましいデータストリーム)。MIMOの可能な無線通信装置104がデュアルストリーム伝送を要求した時に好ましいビームのチャネル品質インジケータ(CQI)112がこの好ましいビームの他に用いられている直交ビームのチャネル品質インジケータよりも高い場合がある。したがって、両データストリームで無線通信装置104に伝送することは効率の良いリソースの使用方法であるとはとても言えないことがある。
これに対してマルチユーザMIMO(MU−MIMO)では、基地局102のリソースを高度に利用することにより従来のSU−MIMOに比べてダウンリンク106のユーザスループットを増大させることができる。MU−MIMOでは、一台の無線通信装置104にデュアルストリーム伝送をする場合に比べて特定の送信時間間隔(TTI)のスループットを増大させることができる。ダウンリンクデータストリーム選択モジュール114は、デュアルダウンリンクデータストリームを一台の無線通信装置104(すなわち、SU−MIMO)に使用するか、それとも、第一データストリームを第一無線通信装置104aに使用し、第一データストリームに直交する第二データストリームを第一無線通信装置104b(すなわち、MU−MIMO)に使用するかを決定する。
チャネル品質インジケータ(CQI)112は、シングルストリーム伝送またはデュアルストリーム伝送の要求に対応している。上で述べたように、無線通信装置104は複数のチャネル品質インジケータ(CQIs)112を有している。無線通信装置104は複数のチャネル品質インジケータ(CQIs)112を送信時間間隔(TTI)毎に生成することができる。無線通信装置104は、送信時間間隔(TTI)毎にチャネル品質インジケータ(CQI)112を残らず送信することができない。現在の規格では、無線通信装置104は最適なチャネル品質インジケータ(CQI)112を送信時間間隔(TTI)毎に基地局102に送信することができるだけである。
無線通信装置104は、基地局102に対して良いジオメトリを有している(すなわち、基地局102と無線通信装置104との間のチャネル品質が閾値よりも高い)と判定すると、最適なデュアルストリームマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112を基地局102に送信する。無線通信装置104は、基地局102に対して悪いジオメトリを有している(すなわち、基地局102と無線通信装置104との間のチャネル品質が閾値よりも低い)と判定すると、最適なシングルストリームマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112を基地局102に送信する。
但し、チャネル品質インジケータ(CQI)112はストリーム間干渉(ISI)を考慮していない。ストリーム間干渉(ISI)とは、基地局102が複数本のデータストリームを同時に伝送すると生じる可能性のある干渉を言う。ストリーム間干渉(ISI)が考慮されていないので基地局102は無線通信装置104が復号化することのできないビットレートを使用する可能性がある。
個々の無線通信装置104は、チャネル品質インジケータ(CQI)フィードバックモジュール119a−bを含むことができる。チャネル品質インジケータ(CQI)フィードバックモジュール119は、どのチャネル品質インジケータ(CQI)112を基地局102に送信すれば良いのかを判定するために無線通信装置104により使用される。チャネル品質インジケータ(CQI)フィードバックモジュール119は、ストリーム間干渉(ISI)をなくすように調整されているシングルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112を生成することができる。ある構成では、チャネル品質インジケータ(CQI)フィードバックモジュール119は、リリース7を用いて生成されたチャネル品質インジケータ(CQI)112の送信とストリーム間干渉(ISI)の調整が行われているチャネル品質インジケータ(CQI)112とを送信時間間隔(TTI)毎に交互に繰り返す。
無線通信装置104は、アップリンク108チャネルを介してチャネル品質インジケータ(CQIs)112を基地局102に送信することができる。基地局102は、多くのダウンリンク106チャネルに対応している多くの無線通信装置104からチャネル品質インジケータ(CQI)116を受信することができる。基地局102は、ダウンリンクデータストリーム選択モジュール114を有していても構わない。ダウンリンクデータストリーム選択モジュール114は受信したチャネル品質インジケータ(CQI)116を含むことができる。ダウンリンクデータストリーム選択モジュール114は受信したチャネル品質インジケータ(CQI)116を用いて各無線通信装置104のスケジューリングを決めることができる。図2を参照してダウンリンクデータストリーム選択モジュール114を詳しく説明する。
ダウンリンクデータストリーム選択モジュール114はデータレート121を含んでいても良い。データレート121は、ダウンリンク106データストリームのビットレートに関連している。ダウンリンクデータストリーム選択モジュール114はマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115も有していることがある。マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115は、チャネル品質インジケータ(CQI)112フィードバックサイクル毎に基地局102がデータレート121に施す調節である。チャネル品質インジケータ(CQI)112フィードバックサイクルが1である場合には無線通信装置104は送信時間間隔(TTI)毎にチャネル品質インジケータ(CQI)112を報告する。
マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115は、無線通信装置104が単一ストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112を送信し、基地局102がマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送の使用を決定した時に、データレート121を高めたり低めたりするために基地局102により用いられることがある。
ダウンリンクデータストリーム選択モジュール114は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117も有していることがある。シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117は、無線通信装置104が単一ストリームかデュアルストリームの伝送を要求し、基地局102がシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)伝送を用いることを決めた時、または無線通信装置104がデュアルストリーム伝送を要請し、基地局102がマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)の使用を決めた時に、データレート121を高めたり低めたりするために基地局102により用いられる。シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117およびマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115は無線通信装置104から肯定応答や否定応答(ACK/NACK)の受信に基づいて両者とも調整されたり更新されたりする。シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117およびマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115は図3を参照して付加的に詳しく説明する。
図2は、無線装置を複数台有している別の無線通信システム200を示している。無線通信システム200はノードB202を有している。図2のノードB202は図1の基地局102の一構成である。無線通信システム200は、第一ユーザ機器(UE)204aおよび第二ユーザ機器(UE)204bも有している。図2の第一ユーザ機器(UE)204aおよび第二ユーザ機器(UE)204bは図1の無線通信装置104a−bの一構成である。
ノードB202にはダウンリンクデータストリーム選択モジュール214も含まれている。図2のダウンリンクデータストリーム選択モジュール214は図1のダウンリンクデータストリーム選択モジュール114の一構成である。ダウンリンクデータストリーム選択モジュール214はユーザ機器(UE)を一対にするモジュール222を有している。ユーザ機器(UE)を一対にするモジュール222はユーザ機器(UE)の対224を一対以上決定する。ユーザ機器(UE)の対224は、互いに直交している好ましいデータストリーム218を有している二台のユーザ機器(UEs)204を言う。図4を参照してユーザ機器(UE)の対224を以下にさらに詳しく説明する。ノードB202には選択されたユーザ機器(UE)の対225も含まれている。ノードB202は直交するデータストリームを同時に二本だけしか送信することができないので一対のユーザ機器(UE)224だけがユーザ機器の対225として選択される。最適化の手順は選択されたユーザ機器(UE)を判定するために使用することができる。
ノードB202は、選択されたユーザ機器(UE)の対225として一対のユーザ機器(UE)224を選択する。ある構成では、二台の異なるユーザ機器(UEs)204のデータストリームの合計レートが二本のデータストリームに関するUEに固有な合計レートよりも大きい場合にノードB202はユーザ機器(UE)の対224を選択する。例えば、第一ユーザ機器(UE)204aが二本のデータストリームを要求する場合、第一ユーザ機器(UE)204aは好ましい主要プリコーディングベクトルb1を報告するだけでなく、好ましい(強い)データストリーム218aおよび二次的(弱い)データストリーム220にそれぞれ対応している二個のチャネル品質(CQIs)インジケータ112 CQI1およびCQI2も報告する。同様に、第二ユーザ機器(UE)204bが二本のストリームのデータを要求する場合、第二ユーザ機器(UE)204bは好ましい主要なプリコードベクトルb2と両データストリーム用のチャネル品質(CQIs)インジケータ112 CQI1´およびCQI2´を報告する。
(b1に直交している)好ましい二次プリコーディングベクトルはb2であり、好ましい主要プリコーディングベクトルb1に基づいて基地局102により知られている。もしCQI1>CQI1´およびCQI2>CQI2´であるならば、第一ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218aはプリコーディングベクトルb1にマッピングされ、第二ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218bはプリコーディングベクトルb2にマッピングされる。基地局102は、所定の送信時間間隔(TTI)で直交ビームにより最大で二本のデータストリームを送信できるだけである。したがって、直交している好ましいビーム228を有しているユーザ機器(UEs)204だけが一対にされる。
第一ユーザ機器(UE)204aおよび第二ユーザ機器(UE)204bの両者がビームb1およびビームb2を要求すると、ノードB202はビームb1およびb2に基づいて両ユーザ機器(UEs)204を一対にする。この組合せが送信時間間隔(TTI)中に特定のメトリックを最大にすることをノードB202が見出すと、ノードB202は同じ直交可変拡散ファクタ(OVSF)コード226を用いてデータストリームを選択したユーザ機器(UE)の対225に同じ送信時間間隔(TTI)にスケジューリングする。直交可変拡散ファクタ(OVSF)コード226は個々の通信チャネルを一義的に識別することを容易にする直交コードである。最大化されるメトリックの一例として合計公平均衡法(sum proportional fair metric)がある。合計公平均衡法では、MU−MIMO伝送を考慮する度に公平な均衡度がストリーム毎に合計される。他の基準(metrics)を用いても良い。
ノードB202は、送信時間間隔(TTI)においてSU−MIMOを用いて第一ユーザ機器(UE)204aと通信をすることができる。例えばノードB202は、第一の好ましいビーム228aを用いて第一ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218aを第一ユーザ機器(UE)204aに伝送することができる。ノードB202は、第一の二次的ビーム230aを用いて第一ユーザ機器(UE)の二次的データストリーム220aを第一ユーザ機器(UE)204aに伝送することもできる。第一の好ましいビーム228aおよび第一の二次的ビーム230aは互いに直交している。
第二の送信時間間隔(TTI)においてノードB202は第二ユーザ機器(UE)204bと通信をすることができる。例えばノードB202は、第二の好ましいビーム228bを用いて第二ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218bを第二ユーザ機器(UE)204bに伝送することができる。ノードB202は、第二の二次的ビーム230bを用いて第二ユーザ機器(UE)の二次的データストリーム220bを第二ユーザ機器(UE)204bに伝送することができる。第二の好ましいビーム228bおよび第二の二次的ビーム230bは互いに直交している。
直交するビームで両データストリームを同じユーザ機器(UE)204に送信することは無線通信システム200にとって最良のリソース活用になっていないかも知れない。言い換えれば、好ましいデータストリーム218は二次的なデータストリーム220よりもチャネル品質インジケータ(CQI)112が強いので二本のデータストリームを直交するビームで同じユーザ機器(UE)204に送信することはノードB202の電力を最も効率の良い方法で割り当てていないかも知れない。それぞれのデータストリームの伝送に同じ量の電力を用いているのであれば(二次的なデータストリーム220はチャネル品質インジケータ(CQI)112が低いので)二次的なデータストリーム220のスループットは好ましいデータストリーム218のスループットよりも低いからである。
SU−MIMOの代わりにMU−MIMOを用いることによりノードB202のリソースをより高度に利用することができるのでダウンリンク106のユーザスループットがおそらく増大する。MU−MIMOでは、ノードB202は互いに直交する二本の好ましいビーム228を用いて第一ユーザ機器(UE)204aと第二ユーザ機器(UE)204bとを発見する。以下では第一ユーザ機器(UE)204aと第二ユーザ機器(UE)204bとをユーザ機器(UE)の対224と言うことがある。
一回の送信時間間隔(TTI)においてデュアルストリーム(すなわち、好ましいデータストリーム218と二次的なデータストリーム220)をユーザ機器(UE)204に伝送する代わりに、ノードB202は第一ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218aを第一ユーザ機器(UE)201aに伝送し、これと同時に、第二ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218bを第二ユーザ機器(UE)204bに伝送することができる。したがってノードB202は、第一ユーザ機器(UE)の二次的なデータストリーム220aおよび第二ユーザ機器(UE)の二次的なデータストリーム220bの伝送を差し控える。ノードB202は、第一ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218aおよび第二ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218bを同じコード(すなわち、16種類の拡散ファクタを有している直交可変拡散ファクタ(OVSF)コード226)を用いて伝送する。ノードB202はスループットの低いデータストリームに電力を割り当てる必要がないので無線通信システム200はスループットが改善される。
ノードB202は、第一の好ましいビーム228aを用いて第一ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218aを伝送する。ノードB202は、第一の二次的なビーム230aを用いて第一ユーザ機器(UE)の二次的なデータストリーム220aを伝送する。ノードB202は、第二の好ましいビーム228bを用いて第二ユーザ機器(UE)の好ましいデータストリーム218bを伝送する。ノードB202は、第二の二次的なビーム230bを用いて第二ユーザ機器(UE)の二次的なデータストリーム220bを伝送する。第一ユーザ機器(UE)204aおよび第二ユーザ機器(UE)204bがユーザ機器(UE)の対224であるならば、第一の好ましいビーム228aおよび第二の好ましいビーム228bは直交している。
図3は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)伝送およびマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送の両者におけるストリーム間干渉(ISI)を考慮してデータレート121を調節する方法300の流れ図である。方法300は基地局102が実施する。ある構成では基地局102はノードB202である。図3の方法300は、基地局102が通信をしている複数台のユーザ機器(UEs)204に変化を報告するチャネル品質インジケータ(CQI)112を必要としていない。
基地局102は、第一のデータレート121で単一ストリーム伝送を要求しているユーザ機器(UE)204からチャネル品質インジケータ(CQI)112を302で受信する。このチャネル品質インジケータ(CQI)112は、基地局102がデュアルストリーム伝送を用いていると生じているかも知れないストリーム間干渉(ISI)を考慮していない。受信したチャネル品質インジケータ(CQI)112がデュアルストリーム伝送を要求していた場合には方法300は適用されない。なぜなら、デュアルストリーム伝送を要求しているユーザ機器(UE)204はストリーム間干渉(ISI)を考慮したストリーム毎に特定のビットレートを基地局102に要求しているからである。
チャネル品質インジケータ(CQI)112の受信後に基地局102は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)伝送およびマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送のどちらを使用してデータを伝送するのかを304で決定する。基地局102は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)伝送およびマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送のどちらを使用してデータを伝送するのかを順位付けアルゴリズムを用いて決定する。順位付けアルゴリズムを以下に詳細に説明する。
基地局102は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)をデータの伝送に用いることを決定した場合には、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115により第一のデータレート121を306で調節して第二のデータレート121を取得する。マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115はdB(対数)領域では正または負のどちらかである。マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115は対数領域では加算的であり、線形領域では乗算的である。ある構成では、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115は一定でない。マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115はACK/NACKを受信する度に更新される。別の構成では、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115は定数である。308で基地局102は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)を用いて第二のデータレート121でユーザ機器(UE)204にデータストリームを送信する。
基地局102がユーザ機器(UE)204からACK/NACKを310で受信する。すると、対応するデータ伝送のためにACKとNACKのどちらを受信したのかを基地局102は312で決定する。ACKを受信した場合には(すなわち、ユーザ機器(UE)204がデータ伝送を成功裏に復号化することができた場合には)、基地局102はマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115を314で減少させる。ある構成では基地局102は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115を314で少しずつ減少させる。さらに別の構成では、基地局102は関数を用いてマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115を314で減少させる。302で基地局102は、別のチャネル品質インジケータ(CQI)112をユーザ機器(UE)204から受信するまで俟つ。
NACKを受信した場合には(すなわち、ユーザ機器(UE)204がデータ伝送を成功裏に復号化することができなかった場合には)、基地局102はマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115を316で増大させる。ある構成では、基地局102はマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115を316で少しずつ増大させる。さらに別の構成では基地局102は関数を用いて適応性アウターループマージン115を316で増大させる。302で基地局102は、別のチャネル品質インジケータ(CQI)112をユーザ機器(UE)204から受信するまで俟つ。
シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)を伝送に用いることを基地局102が決定すると、基地局102は318でシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117により第一のデータレート121を調節して第三のデータレート121を取得する。シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117はdB(対数)領域では正または負のどちらかである。シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117は対数領域では加算的であり、線形領域では乗算的である。ある構成では、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117は一定でない。シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117はACK/NACKを受信する度に更新される。別の構成では、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117は定数である。320で基地局102は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)を用いて第三のデータレート121でユーザ機器(UE)204にデータストリームを送信する。
基地局102が、ユーザ機器(UE)204からACK/NACKを322で受信する。すると、対応するデータ伝送のためにACKとNACKのどちらを受信したのかを基地局102は324で決定する。ACKを受信した場合には(すなわち、ユーザ機器(UE)204がデータ伝送を成功裏に復号化することができた場合には)、基地局102はシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117を326で減少させる。ある構成では基地局102は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117を326で少しずつ減少させる。さらに別の構成では、基地局102は関数を用いてシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117を326で減少させる。302で基地局102は、別のチャネル品質インジケータ(CQI)112をユーザ機器(UE)204から受信するまで俟つ。
NACKを受信した場合には(すなわち、ユーザ機器(UE)204がデータ伝送を成功裏に復号化することができなかった場合には)、基地局102はシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117を328で増大させる。ある構成では、基地局102はシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117を328で少しずつ増大させる。さらに別の構成では基地局102は関数を用いてシングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117を328で増大させる。302で基地局102は、別のチャネル品質インジケータ(CQI)112をユーザ機器(UE)204から受信するまで俟つ。
シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117およびマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115はどちらも動的なので、デュアルループアルゴリズムとして図3の方法300を説明することもできる。デュアルループアルゴリズムのある利点はチャネル品質インジケータ(CQI)112報告プロトコル(例えば、3GPPが確定した高速パケットアクセス(HSPA)規格)を変更する必要がないことである。シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)適応性アウターループマージン117およびマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)適応性アウターループマージン115が比較的ゆっくりと変わるので最適なパフォーマンスがなかなか得られないことが不利な点である。
図4は、ユーザ機器(UEs)404を一対にするための照合表の例を示すブロック図である。この表では、ユーザ機器(UE)の対432を決めるために五台のユーザ機器(UEs)404a−eを照合している。ユーザ機器(UEs)404はいずれもデュアルストリームが可能である。しかし、各ユーザ機器(UEs)404にとって好ましいビーム228だけを各ユーザ機器(UEs)404にとって好ましいビーム228と照合している。
あるユーザ機器(UE)404の好ましいビーム228が別のユーザ機器(UE)404の好ましいビーム228と直交している場合にユーザ機器(UE)の対432が生じる。例えば、UE1 404aの好ましいビーム228はUE4 404dの好ましいビーム228と直交している。したがって、UE1 404aとUE4 404dとがユーザ機器(UE)の対432aである。別の例として、UE2 404bの好ましいビーム228はUE3 404cの好ましいビーム228と直交している。したがって、UE2 404bとUE3 404cとがユーザ機器(UE)の対432bである。ユーザ機器(UEs)404の好ましいビーム228が直交していない場合には非直交として表に示されている。あるユーザ機器(UE)404の好ましいビーム228が複数台のユーザ機器(UEs)404の好ましいビーム228と直交していることもあれば、あるユーザ機器(UE)404の好ましいビーム228が対の候補となるどのユーザ機器(UEs)404の好ましいビーム228とも直交していないこともある。例えば、UE5 404eの好ましいビーム228は他のどのユーザ機器(UEs)404の好ましいビーム228とも直交していない。
次に、順位付けアルゴリズム(ranking algorithm)が用いられる。順位付けアルゴリズムは、優先度の最も高いMU−MIMOの対および優先度の最も高いSU−MIMOのユーザを送信時間間隔(TTI)毎に特定する。自由なHARQ処理およびデータをMAC優先待ち行列内に有しているユーザは有資格と言われる。報告を受けたCQI(量子化されたデシベル単位(dB)の信号対雑音比(SNR))が有資格ユーザ毎にスペクトル効率(spectral efficiency)に(ビットやシンボルの単位で)マッピングされる。
SU−MIMOユーザ順位リストは公平均衡ルールにしたがって全有資格ユーザについて演算される。報告を受けたチャネルの順位にしたがってシングルストリームまたはデュアルストリームのどちらかのSU−MIMOが有資格ユーザ毎に仮定される。ユーザを一対にする手法にしたがっていて優先度の最も高いMU−MIMOの資格のある対が公平均衡ルールにしたがって決まる。必要があれば、対になっているユーザ相互間の電力分割の原因になっているスペクトル効率を変更する。優先度の比較に基づいてSU−MIMO順位リストの中で最も優先度の高いユーザか最も優先度の高いMU−MIMOユーザ対のどちらかが瞬間的な送信時間間隔(TTI)にスケジューリングされる(但し、SU−MIMOには一人のユーザだけが送信時間間隔(TTI)毎にスケジューリングされ、MU−MIMOには一対のユーザだけが送信時間間隔(TTI)毎にスケジューリングされるものと仮定している)。
図5は、複数の送信時間間隔(TTIs)538がある時系列500を例示するブロック図である。ノードB502は、第一ユーザ機器(UE)504a、第二ユーザ機器(UE)504b、第三ユーザ機器(UE)504cと通信をする。第一の送信時間間隔(TTI)538aで第一ユーザ機器(UE)504aおよび第二ユーザ機器(UE)504bはそれぞれが第一ユーザ機器(UE)の対534aの一部である。ノードB502は、直交する好ましいデータストリーム218で第一ユーザ機器(UEs)の対534への伝送536(すなわち、第一ユーザ機器(UE)に好ましいデータストリーム218aを使用した第一ユーザ機器(UE)504aへの伝送および第二ユーザ機器(UE)に好ましいデータストリーム218bを使用した第二ユーザ機器(UE)504bへの伝送)を第一の送信時間間隔(TTI)538aにおいて行う。
第一の送信時間間隔(TTI)538aの後でノードB502は受信したチャネル品質インジケータ(CQIs)112の評価540を行って第一ユーザ機器(UE)の対534を選択し直す。例えば、ノードB502は第二の送信時間間隔(TTI)538bのために第二ユーザ機器(UE)の対534bを選択する。第二ユーザ機器(UE)の対534bは、第二ユーザ機器(UE)504bと第三ユーザ機器(UE)504cとで構成されている。ノードB502は、直交する好ましいデータストリーム218で選択した第二ユーザ機器(UE)の対534bへの伝送542(すなわち、第二ユーザ機器(UE)に好ましいデータストリーム218bを使用した第二ユーザ機器(UE)504bへの伝送および第三ユーザ機器(UE)に好ましいデータストリーム218cを使用した第三ユーザ機器(UE)504cへの伝送)を第二の送信時間間隔(TTI)538bにおいて行う。
図6は、ストリーム間干渉(ISI)を考慮してチャネル品質インジケータ(CQI)112フィートバックを送信する方法600の流れ図である。方法600はユーザ機器(UE)204が実行する。ユーザ機器(UE)204は高速パケットアクセス(HSPA)システムで作動する。図6の方法600では、チャネル品質インジケータ(CQIs)112を受信する基地局102に規格の変更は不要である。
ユーザ機器(UE)204は、ストリーム間干渉(ISI)の調節が行われている最適なシングルストリームマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112の決定602をする。ユーザ機器(UE)204は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)に関してチャネル品質インジケータ(CQI)112をビームに沿って計算する度に当該ビームに直交しているビームに電力の50%が向けられていると仮定している。これは、ストリーム間干渉(ISI)の調節が行われているチャネル品質インジケータ(CQI)112を取得するのに十分である。
選択すべきチャネル品質インジケータ(CQIs)112には四種類がある。高速パケットアクセスの幾つかの構成では、シングルストリームマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQIs)112はストリーム間干渉(ISI)を考慮していないので基地局102がマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)を用いている場合には基地局102は過度に楽観的なデータレート121(例えば、大きな伝送ブロックサイズ(TBS))でユーザ機器(UE)204に伝送を行うことがある。ユーザ機器(UE)204がノードB202に最適な調節済みMIMOチャネル品質インジケータ(CQI)112の伝送604を行う。
最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQIs)112の決定606をユーザ機器(UE)204が行う。最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQIs)112はシングルストリームかデュアルストリームのいずれかによるデータ伝送を要請する。最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQIs)112はリリース7にしたがって生成されたチャネル品質インジケータ(CQIs)112であるかも知れない。最適なシングルストリームマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112と最適なデュアルストリームマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112とのどちらを送信時間間隔(TTI)内に使用するかの決定は高速パケットアクセスプロトコル(例えば、リリース7)にしたがって行われる。
シングルストリームチャネル品質インジケータ(CQIs)には4種類が可能であり、デュアルストリームチャネル品質インジケータ(CQIs)には2種類が可能である。ユーザ機器(UE)204は、最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112を6種類の可能なチャネル品質インジケータ(CQIs)112の最善として算出することができる。最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112は普通のチャネル品質インジケータ(CQI)112に適用されるかも知れない。なぜなら、普通のチャネル品質インジケータ(CQI)112はリリース7にしたがってユーザ機器(UE)204によりノードB202にフィードバックされるからである。ユーザ機器(UE)204は、最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112のノードB202への伝送608をする。ユーザ機器(UE)204は、602に戻ってストリーム間干渉(ISI)の調節が行われている最適なシングルストリームマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112を決定する。
一般に、良いジオメトリを有しているユーザ機器(UE)204は、シングルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112よりもデュアルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112をより多く報告する。セルの端に位置しているユーザ機器(UE)204は、デュアルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112よりもシングルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112をより多く報告する。
したがって、ユーザ機器(UE)204は、リリース7にしたがって生成されたチャネル品質インジケータ(CQI)112とストリーム間干渉(ISI)の調節が行われているチャネル品質インジケータ(CQI)112とを交互に送信するかも知れない。言い換えれば、ユーザ機器(UE)204は、ストリーム間干渉(ISI)の調節が行われている最適なシングルストリームチャネル品質インジケータ(CQIs)112を(リリース7にしたがって生成された)最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112の間に織り交ぜるかも知れない。ユーザ機器(UE)204が使用しているフィードバックサイクル次第でユーザ機器(UE)204は同じチャネル品質インジケータ(CQI)112を送信時間間隔(TTI)538毎に送信する可能性がある。
基地局102を使用する方法(図3の方法300)の代わりにユーザ機器(UE)204を使用する方法(図6の方法600)を採用することの利点は、より良いパフォーマンスが得られる可能性があることである。基地局102は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)伝送のスケジューリングをするためのチャネル品質インジケータ(CQI)112やマルチユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)伝送のスケジューリングをするためのチャネル品質インジケータ(CQI)112に送信時間間隔(TTI)538毎にアクセスする。基地局102は、シングルユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO)データ伝送のスケジューリングをするときにも最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112を用いることができる。送信時間間隔(TTI)538が通常よりもせいぜい1回多いだけでどのチャネル品質インジケータ(CQI)112も古くなってしまう。
ユーザ機器(UE)204を使用する方法の場合にはチャネル品質インジケータ(CQI)112報告プロトコル(例えば、3GPPが確定した高速パケットアクセス規格)の変更を余儀なくされる。この変更には、ユーザ機器(UE)204のチャネル品質インジケータ(CQI)112フィードバックアルゴリズムを設定する上位層のメッセージングの実行が含まれている。
図7は、ユーザ機器(UEs)772a−bのチャネル品質インジケータ(CQI)112フィードバックサイクルの例を示すタイミング図である。図7は、図6に例示した方法600のタイミング図である。個々のボックスは、所与の送信時間間隔(TTI)におけるチャネル品質インジケータ(CQI)112報告を表している。既に述べたようにユーザ機器(UE)772は、ストリーム間干渉(ISI)の調節が行われている最適なシングルストリームチャネル品質インジケータ(CQIs)112を(最適なリリース7のチャネル品質インジケータ(CQI)112として述べた)最適なマルチ入力マルチ出力(MIMO)チャネル品質インジケータ(CQI)112の間に織り交ぜるかも知れない。
ジオメトリの良くないユーザ機器(UE)772aにとって最適なリリース7のチャネル品質インジケータ(CQI)112は、往々にして送信時間間隔(TTI)n 773aおよび送信時間間隔(TTI)n+2 773cに使用するようなシングルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112である。これに対して、ジオメトリの良いユーザ機器(UE)772bにとって最適なチャネル品質インジケータ(CQI)112は、往々にして送信時間間隔(TTI)n 774aおよび送信時間間隔(TTI)n+2 774cに使用するようなデュアルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112である。ある構成では(例えば、送信時間間隔(TTI)n+6 774dのチャネル品質インジケータ(CQI)112)、ジオメトリの良いユーザ機器(UE)772bにとって最適なチャネル品質インジケータ(CQI)112は、むしろシングルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112である。
ジオメトリの良くないユーザ機器(UE)772aまたはジオメトリの良いユーザ機器(UE)772bのどちらかに関して報告するチャネル品質インジケータ(CQI)112は送信時間間隔(TTI)を一つ置く度に変化することはない(例えば、n、n+2、n+4、その他)。このような送信時間間隔(TTIs)相互の間にジオメトリの良くないユーザ機器(UE)772aおよびジオメトリの良いユーザ機器(UE)772bはどちらも(例えば、送信時間間隔(TTIs)n+1、n+3、n+5、その他に関して)ストリーム間干渉(ISI)が調節されている最適なシングルストリームチャネル品質インジケータ(CQI)112、例えば、ジオメトリの良くないユーザ機器(UE)772aの送信時間間隔(TTI)n+1 773bにおけるチャネル品質インジケータ(CQI)112およびジオメトリの良いユーザ機器(UE)772bの送信時間間隔(TTI)n+1 774bにおけるチャネル品質インジケータ(CQI)112の決定および送信をする。図7は、それに応じて1より大きいフィードバックサイクルに変化する。
図8は、このシステムおよび方法に用いられる基地局802のブロック図である。図8の基地局802は図1の基地局102の一構成である。基地局802は、第一送信チェーン846aおよび第二送信チェーン846bを有している。第一送信チェーン846aは第一データストリーム818aに用いられ、第二送信チェーン846bは第二データストリーム818bに用いられる。
第一送信チェーン846aには第一ベースバンド送信信号844aが含まれている。第一ベースバンド送信信号844aは、変調器847aを用いて変調され、デジタルアナログ変換器(DAC)848aを用いてデジタル信号からアナログ信号に変換され、ミキサ849aを用いて周波数変換され、増幅器850aを用いて増幅され、第一アンテナ851aを用いて第一データストリーム818aとして最終的に送信される。同様に、第二送信チェーン846bには第二ベースバンド送信信号844bが含まれている。第二ベースバンド送信信号844bは、変調器847bを用いて変調され、デジタルアナログ変換器(DAC)848bを用いてデジタル信号からアナログ信号に変換され、ミキサ849bを用いて周波数変換され、増幅器850bを用いて増幅され、第二アンテナ851bを用いて第二データストリーム818bとして最終的に送信される。上で論じたように、同じ直交可変拡散ファクタ(OVSF)コード226を用いて第一データストリーム818aおよび第二データストリーム818bは同じ送信時間間隔(TTI)の間に直交ビームで送信される。
図9は、このシステムおよび方法に用いられる無線通信装置904のブロック図である。図9の無線通信装置904は図1の無線通信装置104の一構成である。無線通信装置904には送信チェーン946が含まれている。送信チェーン946はデータストリーム918に用いられる。
送信チェーン946にはベースバンド送信信号944が含まれている。ベースバンド送信信号944は、変調器947を用いて変調され、デジタルアナログ変換器(DAC)948を用いてデジタル信号からアナログ信号に変換され、ミキサ949を用いて周波数変換され、増幅器950を用いて増幅され、第二アンテナ951を用いてデータストリーム918として最終的に送信される。データストリーム918には、無線通信装置904が基地局102に送信する一つ以上のチャネル品質インジケータ(CQIs)が含まれる。
図10は、マルチ入力マルチ出力(MIMO)システム1000の送信機1069および受信機1070のブロック図である。送信機1069では、幾つかのデータストリームのトラフィックデータがデータソース1052から送信(TX)データプロセッサ1053に供給される。そして個々のデータストリームがそれぞれのアンテナ1056a−1056tから送信される。送信(TX)データプロセッサ1053はデータストリームのために選択された特定の符号化方式に基づいてデータストリーム毎にトラフィックデータのフォーマット化、符号化、インターリーブをして符号化されたデータを供給する。
データストリーム毎に符号化されたデータは、OFDM技術を用いてパイロットデータに多重化される。パイロットデータは、既知の方法で処理されてチャネル応答の推定に受信機1070で使用される既知のデータパターンである。ストリーム毎に多重化されているパイロットと符号化されたデータとは、データストリームに変調シンボルを供給するために選択した特定の変調方式(例えば、2相位相シフトキーイング、4相位相シフトキーイング、マルチ位相シフトキーイング(M−PSK)、マルチレベル直交振幅変調(M−QAM))にしたがって変調される(例えば、シンボルのマッピングが行われる)。各データストリームのためのデータレート、符号化、変調はプロセッサが実行する命令により決まる。
全データストリームのための変調シンボルは送信(TX)マルチ入力マルチ出力(MIMO)プロセッサ1054に供給される。ここで、変調シンボルが(例えば、OFDM用に)さらに処理される。送信(TX)マルチ入力マルチ出力(MIMO)プロセッサ1054はNT変調シンボルストリームをNT送信機(TMTR)1055a−1055tに供給する。送信(TX)マルチ入力マルチ出力(MIMO)プロセッサ1054はビームフォーミング重みをデータストリームのシンボルとアンテナ1056とに適用する。このアンテナからシンボルが送信される。
個々の送信機1055は個々のシンボルストリームの受信および処理をして一つ以上のアナログ信号を供給する。さらに、アナログ信号を調整して(例えば、増幅、フィルタリング、アップコンバートをして)MIMOチャネルによる送信に最適な変調された信号を供給する。送信機1055a−1055tからのNT変調済み信号はNTアンテナ1056a−1056tからそれぞれ送信される。
受信機1070では、送信された変調済み信号がNRアンテナ1061a−1061rにより受信される。個々のアンテナ1061からの受信信号は個々の受信機(RCVR)1062a−1062rに供給される。個々の受信機1062は、受信した個々の信号の調整をし(例えば、フィルタリングや増幅やダウンコンバートをして)、調整の済んだ信号をデジタル化してサンプルを供給し、サンプルをさらに処理して対応する「受信した」シンボルストリームを供給する。
RXデータプロセッサ1063は、NR受信シンボルストリームをNR受信機1062から受信し、特定の受信機処理技術に基づく処理をこれに施してNT「検出」シンボルストリームを供給する。RXデータプロセッサ1063は、個々の検出したシンボルストリームに復調、デインターリーブ、復号化の各処理を施してデータストリームのトラフィックデータを回復する。RXデータプロセッサ1063による処理は送信機システム1069の側のTX MIMOプロセッサ1054およびTXデータプロセッサ1053による処理の補足である。
プロセッサ1064は、どのプリコーディングマトリックスを使用するのかを周期的に決定する。プロセッサ1064は、メモリ1065に情報を格納し、メモリから情報を検索する。プロセッサ1064は、マトリックスのインデックス部分と順位値部分とから成る上りリンクメッセージを作成する。上りリンクメッセージは、チャネル状態情報(CSI)としてこれに言及する。上りリンクメッセージは、通信リンクおよび受信したデータストリームの両者または一方に関する様々な種類の情報から成っている。上りリンクメッセージは、複数本のデータストリームのトラフィックデータをデータソース1068から受信するTXデータプロセッサ1067により処理され、変調器1066により変調され、送信機1062a−1062rにより調整され、送信機1069へと送信により戻される。
送信機1069では、受信機からの変調済み信号がアンテナ1056により受信され、受信機1055により調整され、復調器1058により復調され、RXデータプロセッサ1059により処理されて受信機システム1070が送信した上りリンクメッセージを抽出する。プロセッサ1060は、RXデータプロセッサ1059からチャネル状態情報(CSI)を受信する。プロセッサ1060は、メモリ1057に情報を格納し、メモリ1057から情報を検索する。プロセッサ1060は、どのプリコーディングマトリックスを用いてビームフォーミング重みを決定するのか決定して抽出したメッセージを処理する。
図11は、ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)規格にしたがって作動する無線ネットワーク1100を例示するブロック図である。無線ネットワーク1100はUMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)である。UMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)は、ノードB1102a−dと、これらのノードB1102a−dの制御設備(すなわち、無線ネットワークコントローラ(RNCs)1175a)との集合的な用語であり、UMTS無線アクセスネットワーク(RAN)1174を構成している。これは、実時間回線交換型とIPベースのパケット交換トラフィック型の両者を保持している第三世代通信ネットワークである。UTRANは、ユーザ機器(UE)1104にエアインターフェースアクセス方法を提供する。ユーザ機器(UE)1104とコアネットワーク1171との間にはUTRANにより連結性が提供される。無線アクセスネットワーク(RAN)1174は複数台のユーザ機器(UE)1104の間でデータパケットの送信を実現する。
UTRANは、Iuインターフェース1172a−b、Uuインターフェース1178、Iubインターフェース1177a−d、Iurインターフェース1176の四種類のインターフェースにより他の機能的なエンティティに内部的および外部的に接続される。UTRANは、Iuインターフェース1172と呼ばれる外部インターフェースにより移動通信のためのグローバルシステム(GSM)コアネットワーク1171に接続される。無線ネットワークコントローラ(RNCs)1175a−bは、Iubインターフェース1177a−dと呼ばれるインターフェースによりノードB1102a−dと呼ばれる基地局一式を管理する。無線ネットワークコントローラ(RNC)1175と管理されるノードBs1102は無線ネットワークサブシステム(RNS)1173a−bを構成する。Iurインターフェース1176は第一無線ネットワークコントローラ(RNC)1175aと第二無線ネットワークコントローラ(RNC)1175bとを互いに接続する。無線ネットワークコントローラ(RNCs)1175a−bは、Iurインターフェース1176により相互に連結されているので大部分のUTRANはコアネットワーク1171から独立している。図11は、無線ネットワークコントローラ(RNC)1175、ノードB1102a−d、Iubインターフェース1172、Uuインターフェース1178を用いた通信システムを開示している。Uuインターフェース1178も外部であり、ノードB1102をユーザ機器(UE)1104に接続する。一方、Iubインターフェース1177は無線ネットワークコントローラ(RNCs)1175をノードB1102に接続する内部インターフェースである。
無線ネットワーク1100は、企業内イントラネット、インターネット、前述した従来の公衆電話交換網などのような無線ネットワーク1100の外部の様々なネットワークにさらに接続されて個々のユーザ機器(UE)1104と外部ネットワークとの間でデータパケットを移送する。
図12は、ユーザ機器(UE)1204とノードB1202と無線ネットワークコントローラ(RNC)1275との間の無線通信ネットワーク1200内における通信を例示するブロック図である。図12のユーザ機器(UE)1204は図2のユーザ機器(UE)204の一構成である。図12のノードB1202は図2のノードB202の一構成である。図12の無線ネットワークコントローラ(RNC)1275は図11の無線ネットワークコントローラ(RNC)1175の一構成である。無線通信ネットワーク1200は高速パケットアクセス(HSPA)を用いて作動する。ノードB1202およびユーザ機器(UE)1204はマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能が可能である。ユーザ機器(UE)1204と無線ネットワークコントローラ(RNC)1275とはレイヤ3メッセージを使用してノードB1202を介して互いに通信することができる。レイヤ3メッセージは、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)メッセージと呼ばれることもある。レイヤ3メッセージは、UTRANとユーザ機器(UE)1204との間を通過して、ユーザ機器(UE)1204とUTRANとの間の無線リソース制御(RRC)接続の設定および制御に用いられる。レイヤ3メッセージは、接続管理、制御、モビリティ、測定の各メッセージを扱う。
既に指摘したようにノードB1202は、Uuインターフェース1178を介してユーザ機器(UE)1204と通信をする。ノードB1202は、Iubインターフェース1177を介して無線ネットワークコントローラ(RNC)1275と通信をする。ノードB1202、無線ネットワークコントローラ(RNC)1275、ユーザ機器(UE)1204はいずれも規格にしたがって作動するが、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能に関連したシグナリングを可能にするには規格を僅かに変更する必要がある。
ユーザ機器(UE)1204は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を有していることを無線ネットワークコントローラ(RNC)1275に通知する。ある構成ではユーザ機器(UE)1204は、無線リソース制御(RRC)メッセージ1279を無線ネットワークコントローラ(RNC)1275にノードB1202を介して送信する。無線リソース制御(RRC)メッセージ1279はユーザ機器(UE)1204がマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能1280を有していることを表示する。別の構成ではユーザ機器(UE)1204は、ユーザ機器(UE)1204がマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を有している指定されたカテゴリ1281に属していることを示すメッセージを無線ネットワークコントローラ(RNC)1275にノードB1202を介して送信する。言い換えればユーザ機器(UE)1204は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を有しているものとして定義されているカテゴリに属していることを通知する。
無線ネットワークコントローラ(RNC)1275は、ノードB1202を介してユーザ機器(UE)1204に設定メッセージを送信する。例えば、無線ネットワークコントローラ(RNC)1275は、ノードB1202を介して無線リソース制御(RRC)メッセージ1282をユーザ機器(UE)1204に送信する。無線リソース制御(RRC)メッセージ1282には、ユーザ機器(UE)のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を設定するための指示1283がユーザ機器(UE)1204のために含まれている。ユーザ機器(UE)のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を設定するための指示1283はユーザ機器(UE)1204がマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能をサポートするために必要である。
ユーザ機器(UE)のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を設定するための指示1283にはチャネル品質インジケータ(CQI)報告設定の指示1284が含まれている。チャネル品質インジケータ(CQI)報告設定の指示1284には、(図6を参照して先に説明したように)ユーザ機器(UE)1204が報告するチャネル品質インジケータ(CQI)を変更することが含まれている。ユーザ機器(UE)のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を設定するための指示1283には高速共用制御チャネル(HS−SCCH)フィールド再解釈1285も含まれている。高速共用制御チャネル(HS−SCCH)フィールド再解釈1285は高速共用制御チャネル(HS−SCCH)フィールドにこれまでの解釈とは異なる別の解釈をどのようにして施したら良いのかをユーザ機器(UE)1204に指示する。ユーザ機器(UE)1204は無線リソース制御(RRC)メッセージ1282の情報を使用してマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能の設定を調節する。
図13は、ユーザ機器(UE)のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能1280のシグナリングをユーザ機器(UE)1204から無線ネットワークコントローラ(RNC)1275に向かって行う方法1300の流れ図である。この方法1300はユーザ機器(UE)1204が実行する。ユーザ機器(UE)1204は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能1280をユーザ機器(UE)が有している旨の判断1302をする。ユーザ機器(UE)が有しているマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能の例には、無線ネットワークコントローラ(RNC)1175の要請に応じてチャネル品質インジケータ(CQI)112フィードバックを設定する機能や無線ネットワークコントローラ(RNC)1175の要請に応じて高速共用制御チャネル(HS−SCCH)のフィールドを再解釈する機能が含まれる。マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を有するユーザ機器(UE)1204にはこれらの機能はいずれも必要である。
ユーザ機器(UE)1204がマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能1280を有していることを示す無線リソース制御(RRC)メッセージ1279の生成1304をユーザ機器(UE)1204が行う。ユーザ機器(UE)1204は、無線リソース制御(RRC)メッセージ1279のノードB1202への送信1306を次に行う。ノードB1202は無線ネットワークコントローラ(RNC)1275に当該メッセージを転送する。
図14は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能をサポートするために必要なマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能をユーザ機器(UE)に設定するための指示1283をネットワークからユーザ機器(UE)1204にシグナリングする方法1400の流れ図である。この方法1400は、無線ネットワークコントローラ(RNC)1275が実行する。無線ネットワークコントローラ(RNC)1275は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能をサポートするためにはマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能をユーザ機器(UE)に設定する必要があるのかどうかの判断1402をする。無線ネットワークコントローラ(RNC)1275は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能をユーザ機器(UE)に設定するための指示1283を含む無線リソース制御(RRC)メッセージ1282の生成1404をする。無線ネットワークコントローラ(RNC)1275は、無線リソース制御(RRC)メッセージ1282のノードB1202への送信1406をする。ノードB1202はこのメッセージをユーザ機器(UE)1204に転送する。図12との関連で先に説明したように、無線リソース制御(RRC)メッセージ1282には、チャネル品質インジケータ(CQI)報告設定の指示1284がユーザ機器(UE)のために変更されたことおよび高速共用制御チャネル(HS−SCCH)のフィールド再解釈1285がユーザ機器(UE)1204のために変更されたことも含まれる。
図15は、無線通信ネットワーク1500におけるノードB1502と無線ネットワークコントローラ(RNC)1575との間の通信の例を示すブロック図である。図15のノードB1502は図2のノードB202の一構成である。図15の無線ネットワークコントローラ(RNC)1575は図11の無線ネットワークコントローラ(RNC)1175の一構成である。無線通信ネットワーク1500は高速パケットアクセス(HSPA)を用いて作動する。ノードB1502はマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を有している。ノードB1502と無線ネットワークコントローラ(RNC)1575との間の通信はIubインターフェース1177(例えば、レイヤ)により行われる。
ノードB1502は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング機能1586をノードBが有している旨のメッセージを無線ネットワークコントローラ(RNC)1575に送信する。例えば、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)パケットのスケジューリング機能をノードB1502が有していることをこのメッセージは表示する。
無線ネットワークコントローラ(RNC)1575は、ノードB1502によるサービスを受けているユーザ機器(UE)1104に関する情報を有することができる。例えば、無線ネットワークコントローラ(RNC)1575は、ノードB1502によるサービスを受けている各ユーザ機器(UE)1587のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)に関する機能および設定を知ることができる。無線ネットワークコントローラ(RNC)1575は、ユーザ機器(UEs)1587のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)に関する機能や設定をノードB1502にメッセージで送信する。ある構成では、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)フィールドの符号化1588a−bをノードB1502で変更しなければならないこともメッセージは示す。(なぜなら、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)のフィールドの中にはユーザ機器(UE)1104が別様に解釈しなければならないものがあるからである。)
図16は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)に関するユーザ機器1587の機能および設定を無線ネットワークコントローラ(RNC)からノードBにシグナリングする方法1600の流れ図である。無線ネットワークコントローラ(RNC)1575が方法1600を実行する。無線ネットワークコントローラ(RNC)1575とノードB1502との通信はIubインターフェース1177により行われる。
無線ネットワークコントローラ(RNC)1575は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)に関するユーザ機器(UE)1587の機能および設定の判断1602をする。ある構成では、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)に関するユーザ機器(UE)1587の機能および設定を無線ネットワークコントローラ(RNC)1575が判断する。無線ネットワークコントローラ(RNC)1575は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)に関するユーザ機器(UE)1587の機能および設定を含むメッセージの生成1604をする。無線ネットワークコントローラ(RNC)1575は、Iubインターフェース1177により当該メッセージのノードB1502への送信1606をする。
図17は、ノードBのマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング機能を無線ネットワークコントローラ(RNC)にシグナリングする方法1700の流れ図である。この方法1700はノードB1502が実行する。ノードB1502と無線ネットワークコントローラ(RNC)1575との通信はIubインターフェース1177により行われる。
ノードB1502は、ノードBのマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング機能1586の決定1702を伝送のために行う。例えば、ノードB1502は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送を何回スケジューリングすることができるのか、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送に利用可能な電力、ノードB1502の現在の負荷を決定する。ノードB1502は、ノードBのマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング機能1586を含むメッセージの生成1704を伝送のために行う。ノードB1502は、無線ネットワークコントローラ(RNC)1575への当該メッセージの送信1706をIubインターフェース1177により行う。
図18は、無線通信ネットワーク1800においてノードB1802からユーザ機器(UE)1804に高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889を伝送する例を示すブロック図である。図18のユーザ機器(UE)1804は図2のユーザ機器(UE)204の一構成である。図18のノードB1802は図2のノードB202の一構成である。無線通信ネットワーク1800は高速パケットアクセス(HSPA)を用いて作動する。ノードB1802およびユーザ機器(UE)1804はどちらもマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を有している。高速共用制御チャネル(HS−SCCH)は、高速下り共用チャネル(HS−DSCH)伝送に関連しているダウンリンクシグナリング情報を搬送するダウンリンク物理チャネルである。ノードB1802は高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889をL1/PHYシグナリングコマンドとしてユーザ機器(UE)1804に送信することによりアップリンク間欠送信(UL−DTX:uplink discontinuous transmission)およびダウンリンク間欠受信(DL−DRX:downlink discontinuous receiving)の両方または一方を起動させたり停止させたりする。
高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889にはマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能起動停止コマンド1890が含まれている。マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能起動停止コマンド1890はユーザ機器(UE)1804のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を起動させたり停止させたりする。マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能がかなり有利ではない場合もある(例えば、二台のユーザ機器(UEs)1084だけにサービスを提供している場合)。マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能が特に有利な場合もある(例えば、複数台のユーザ機器(UEs)1084が大量のトラフィックを要求している場合)。
高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889にはチャネル品質インジケータ(CQI)報告変更1891も含まれている。ユーザ機器(UE)1804はチャネル品質インジケータ(CQI)の報告を変更するように指示される。高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889には高速共用制御チャネル(HS−SCCH)フィールド解釈の変更1892がさらに含まれている。ユーザ機器(UE)1804は、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889を受信するとマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能の起動や停止、チャネル品質インジケータ(CQI)報告変更1891の適用、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)フィールド解釈の変更1892の適用の全てまたはいずれかを実行する。
図19は、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889をユーザ機器(UE)1804に送信する方法1900の流れ図である。方法1900はノードB1802が実行する。ノードB1802は、ユーザ機器(UE)1804のマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能の起動や停止の決定1902をする。ある構成ではノードB1802が、ユーザ機器(UE)1804のチャネル品質インジケータ(CQI)報告設定の変更をさらに決定する。さらに別の構成ではノードB1802が、ユーザ機器(UE)1804の高速共用制御チャネル(HS−SCCH)フィールド解釈の変更を決定する。
ノードB1802は、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889の生成1904をする。先に述べたように、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889には、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能起動停止コマンド1890、チャネル品質インジケータ(CQI)報告変更1891、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)フィールド解釈の変更1892の全てまたはいずれかが含まれている。ノードB1802は、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)命令1889のユーザ機器(UE)1804への送信1906をする。
図20は、無線通信ネットワーク2000において送信時間間隔(TTI)2093a−n毎にノードB2002からユーザ機器(UE)2004に送信されるマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング2094a−nの例を示すブロック図である。図20のユーザ機器(UE)2004は図2のユーザ機器(UE)204の一構成である。図20のノードB2002は図2のノードB202の一構成である。無線通信ネットワーク2000は高速パケットアクセス(HSPA)を用いて作動する。ノードB2002およびユーザ機器(UE)2004はどちらもマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)機能を備えている。ノードB2002は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング2094に関してユーザ機器(UE)2004をシグナリングする。このシグナリングは、送信時間間隔(TTI)2093毎にシグナリングが生じない「長期(long-term)」であることがある。例えば、あるユーザ機器(UE)2004では送信時間間隔(TTI)2093毎のそのようなシグナリングは不要である。
しかし、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング2094をユーザ機器(UE)2004が送信時間間隔(TTI)2093毎に必要としている場合がある。例えばノードB2002は、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング2094情報(例えば、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送を特定の送信時間間隔(TTI)2093で使用するかどうか)を送信時間間隔(TTI)2093毎にユーザ機器(UE)2004に送信することがある。これは幾つかの方法で達成される。第一の選択肢では、共通高速ダウンリンク共用チャネル−無線ネットワーク一時識別子(H−RNTI:common High Speed Downlink Shared Channel - Radio Network Temporary Identifier)に基づいて高速共用制御チャネル(HS−SCCH)が設定される。共通高速ダウンリンク共用チャネル−無線ネットワーク一時識別子(H−RNTI)はセル内の全ユーザ機器(UEs)2004により復号化される。したがって、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング2094情報が共通高速ダウンリンク共用チャネル−無線ネットワーク一時識別子(H−RNTI)に基づく高速共用制御チャネル(HS−SCCH)を介して送信される。
第二の選択肢では、ノードB2002が高速共用制御チャネル(HS−SCCH)の一定のフィールドによりマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送をシグナリングする。例えば、チャネル化コードセットの一定のビットをこの目的に使用することができる。ユーザ機器(UE)2004は、(本来ならば別様に解釈される)ビットを解釈し直してマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリングがこの特定の送信時間間隔(TTI)2093で生じていると判断する。他方では、ノードB2002は高速共用制御チャネル(HS−SCCH)の二次トランスポートブロックサイズを111111に設定する。これに対応する冗長バージョンフィールドが0に設定される。ユーザ機器(UE)2004は(本来ならば別様に解釈される)ビットを解釈し直してマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)伝送がこの特定の送信時間間隔(TTI)2093で指定されていると判断する。
ユーザ機器(UE)2004がリリース7対応または伝送アンテナアレイ(TxAA)対応である場合には、マルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング2094のために別の種々の選択肢を用いることができる。(ユーザ機器(UE)2004がリリース7やTxAA対応である場合の)一つの選択肢では、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)の幾つかのトランスポートブロックと変調方式との概して用いられていない組合せをノードB2002が用いてマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング2094を送信時間間隔(TTI)2093毎にユーザ機器(UE)2004に伝送する。伝送アンテナアレイ(TxAA)対応であるユーザ機器(UE)2004に対しては、ノードB2002は、高速共用制御チャネル(HS−SCCH)におけるハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)処理識別(ID)の一ビットを使用してマルチユーザマルチ入力マルチ出力(MU−MIMO)スケジューリング2094情報を送信時間間隔(TTI)2093毎にユーザ機器(UE)2004に伝送する。
図21は、基地局2102が備えている可能性のあるコンポーネントを示す図である。基地局は、アクセスポイント、放送送信機、ノードB、進化したノードB、その他のそれぞれの機能の幾つかまたは全てを有していることもあり、アクセスポイント、放送送信機、ノードB、進化したノードB、その他と呼ばれることがある。基地局2102はプロセッサ2103を有している。プロセッサ2103は、シングルチップまたはマルチチップの汎用マイクロプロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラム可能なゲートアレイ、その他で構わない。プロセッサ2103は中央処理装置(CPU)と呼ばれることもある。図21の基地局2102には一台のプロセッサ2103だけしか示されていないが、プロセッサの組合せ(例えば、ARMとDSP)を用いた構成にしても構わない。
基地局2102はメモリ2105も備えている。メモリ2105は、電子情報を格納することのできる電子コンポーネントである。メモリ2105は、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読取り専用記憶装置(ROM)、磁気ディスク記憶装置、光学式記憶装置、RAMのフラッシュメモリ装置、プロセッサと一緒に基板に実装されている記憶装置、EPROM記憶装置、EEPROM記憶装置、レジスタ、その他およびこれらの組み合わせで具体化することができる。
データ2107aおよび命令2109aはメモリ2105に格納しても構わない。命令2109aがプロセッサ2103により実行されて、ここに記載した方法が実現される。命令2109aの実行は、メモリ2105に格納されているデータ2107aの使用を伴う。プロセッサ2103が命令2109aを実行する際には、命令2109bの様々な部分がプロセッサ2103にロードされ、データ2107bの様々な部分がプロセッサ2103にロードされる。
基地局2102は、送信機2111および受信機2113も備えていて、基地局2102が信号の送受信を行えるようになっている。送信機2111および受信機2113は一括してトランシーバ2115と呼ばれることがある。複数本のアンテナ2117a−bはトランシーバ2115に電気的に繋がれている。基地局2102は、複数台の送信機、複数台の受信機、複数台のトランシーバ、付加的なアンテナの全てまたはいずれかを(図示していないが)有していることがある。
基地局2102はデジタル信号プロセッサ(DSP)2121を具備している。基地局2102は通信インターフェース2123も備えている。通信インターフェース2123によりユーザは基地局2102との相互作用が可能になる。
基地局2102の様々なコンポーネントが一本以上のバスで互いに連結されている。バスには、電力バス、制御信号バス、状態信号バス、データバス、その他が含まれる。明瞭にするために様々なバスがバスシステム2119として図21に示されている。
図22は、無線通信装置2204が具備している可能性のあるコンポーネントを例示している図である。無線通信装置2204はアクセス端末、移動局、ユーザ機器(UE)、その他で構わない。無線通信装置2204はプロセッサ2203を具備している。プロセッサ2203は、シングルチップまたはマルチチップの汎用マイクロプロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラム可能なゲートアレイ、その他で構わない。プロセッサ2203は中央処理装置(CPU)と呼ばれることもある。図22の無線通信装置2204には一台のプロセッサ2203だけしか示されていないが、プロセッサの組合せ(例えば、ARMとDSP)を用いた構成にしても構わない。
無線通信装置2204はメモリ2205も備えている。メモリ2205は、電子情報を格納することのできる電子コンポーネントである。メモリ2205は、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読取り専用記憶装置(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、RAMのフラッシュメモリ装置、プロセッサと一緒に基板に実装されている記憶装置、EPROM記憶装置、EEPROM記憶装置、レジスタ、その他およびこれらの組み合わせで具体化することができる。
データ2207aおよび命令2209aはメモリ2105に格納しても構わない。命令2209aがプロセッサ2203により実行されて、ここに記載した方法が実現される。命令2209aの実行は、メモリ2205に格納されているデータ2207aの使用を伴う。プロセッサ2203が命令2209aを実行する際には、命令2209bの様々な部分がプロセッサ2203にロードされ、データ2207bの様々な部分がプロセッサ2203にロードされる。
無線通信装置2204は、送信機2211および受信機2213も備えていて、無線通信装置2204が信号の送受信を行えるようになっている。送信機2211および受信機2213は一括してトランシーバ2215と呼ばれることがある。複数本のアンテナ2217a−bはトランシーバ2215に電気的に繋がれている。無線通信装置2204は、複数台の送信機、複数台の受信機、複数台のトランシーバ、付加的なアンテナの全てまたはいずれかを(図示していないが)有していることがある。
無線通信装置2204はデジタル信号プロセッサ(DSP)2221を具備している。無線通信装置2204は通信インターフェース2223も備えている。通信インターフェース2223によりユーザは無線通信装置2204との相互作用が可能になる。
無線通信装置2204の様々なコンポーネントが一本以上のバスで互いに連結されている。バスには、電力バス、制御信号バス、状態信号バス、データバス、その他が含まれる。明瞭にするために様々なバスがバスシステム2219として図22に示されている。
図23は、無線ネットワークコントローラ(RNC)2375が具備している可能性のある幾つかのコンポーネントを例示している図である。無線ネットワークコントローラ(RNC)2375は、UMTS無線アクセスネットワーク(UTRAN)における管理要素であり、無線ネットワークコントローラに接続されている基地局2102(すなわちノードB1102)の制御を担っている。無線ネットワークコントローラ(RNC)2375はメディアゲートウェイにより回線交換コアネットワークに接続されている。無線ネットワークコントローラ(RNC)2375はプロセッサ2303を具備している。プロセッサ2303は、シングルチップまたはマルチチップの汎用マイクロプロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラム可能なゲートアレイ、その他で構わない。プロセッサ2303は中央処理装置(CPU)と呼ばれることもある。図23の無線ネットワークコントローラ(RNC)2375には一台のプロセッサ2303だけしか示されていないが、プロセッサの組合せ(例えば、ARMとDSP)を用いた構成にしても構わない。
無線ネットワークコントローラ(RNC)2375はメモリ2305も備えている。メモリ2305は、電子情報を格納することのできる電子コンポーネントである。メモリ2305は、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読取り専用記憶装置(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、RAMのフラッシュメモリ装置、プロセッサと一緒に基板に実装されている記憶装置、EPROM記憶装置、EEPROM記憶装置、レジスタ、その他およびこれらの組み合わせで具体化することができる。
データ2307aおよび命令2309aはメモリ2305に格納しても構わない。命令2309aがプロセッサ2303により実行されて、ここに記載した方法が実現される。命令2309aの実行は、メモリ2305に格納されているデータ2307aの使用を伴う。プロセッサ2303が命令2309aを実行する際には、命令2309bの様々な部分がプロセッサ2303にロードされ、データ2307bの様々な部分がプロセッサ2303にロードされる。
無線ネットワークコントローラ(RNC)2375は、送信機2311および受信機2313も備えていて、無線ネットワークコントローラ(RNC)2375が信号の送受信を行えるようになっている。送信機2311および受信機2313は一括してトランシーバ2315と呼ばれることがある。複数本のアンテナ2317a−bはトランシーバ2315に電気的に繋がれている。無線ネットワークコントローラ(RNC)2375は、複数台の送信機、複数台の受信機、複数台のトランシーバ、付加的なアンテナの全てまたはいずれかを(図示していないが)有していることがある。
無線ネットワークコントローラ(RNC)2375はデジタル信号プロセッサ(DSP)2321を具備している。無線ネットワークコントローラ(RNC)2375は通信インターフェース2323も備えている。通信インターフェース2323によりユーザは無線ネットワークコントローラ(RNC)2375との相互作用が可能になる。
無線ネットワークコントローラ(RNC)2375の様々なコンポーネントが一本以上のバスで互いに連結されている。バスには、電力バス、制御信号バス、状態信号バス、データバス、その他が含まれる。明瞭にするために様々なバスがバスシステム2319として図23に示されている。
ここに記載した様々な技術は、直交多重化方式に基づく通信システムを含む様々な通信システムにいずれも使用することができる。そのような通信システムの例には、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)システム、その他が含まれる。OFDMAシステムでは、全システム帯域幅を複数の直交サブキャリアに分割する変調技術である直交周波数多重(OFDM)が用いられる。サブキャリアは、トーン(tones)、ビン(bins)、その他と呼ばれることもある。OFDMシステムでは、個々のサブキャリアはデータで別々に変調される。SC−FDMAシステムでは、システム帯域幅全体に亘って分散されているサブキャリアにインターリーブ周波数分割多元接続(IFDMA)を用いて載せるか、隣接しているサブキャリアから成る一つのブロックに局在化FDMA(LFDMA)を用いて載せるか、隣接しているサブキャリアから成る複数のブロックに拡張FDMA(EFDMA)を用いて載せるかして伝送する。一般に、変調シンボルの送信はOFDMでは周波数領域で行われ、SC−FDMAでは時間領域で行われる。
用語「決定すること(determining)」には多種多様な働きが含まれるので、「決定すること(determining)」には複雑な計算をすることや与えられた数字や式を用いて正確な計算の結果を出すことや処理することや導き出すことや検査することや検索すること(例えば、表、データベース、その他のデータ構造を検索すること)や確認すること、その他が含まれる。また、「決定すること(determining)」には受信すること(例えば、情報を受信すること)やアクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)、その他が含まれる。また、「決定すること(determining)」には解決すること、広範囲の中から選択すること、与えられた二つ以上の中から選択すること、確立すること、その他が含まれる。
表現「に基づく(based on)」は、明示的に指定されている場合を除いて「のみに基づく(based only on)」を意味しない。言い換えれば、表現「に基づく(based on)」は「のみに基づく(based only on)」と「少なくとも…に基づく(based at least on)」の両者を意味する。
用語「プロセッサ(processor)」は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械、その他を含むものとして広く解釈されなければならない。場合によっては「プロセッサ(processor)」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)、その他を言うこともある。用語「プロセッサ(processor)」は処理装置の組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数台のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された一台以上のマイクロプロセッサ、その他の類似した構成を指すこともある。
用語「メモリ(memory)」は、電子情報を格納することのできる任意の電子コンポーネントを含むものとしてこれを広く解釈しなければならない。用語メモリは、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読取り専用記憶装置(ROM)、不揮発性ランダムアクセス記憶装置(NVRAM)、プログラム可能読取り専用記憶装置(PROM)、消去可能なプログラム可能読取り専用記憶装置(EPROM)、フラッシュメモリ、磁気式または光学式のデータ記憶装置、レジスタ、その他のような種々様々な種類のプロセッサ可読媒体を言う。プロセッサがメモリから情報を読み取ったり、メモリに情報を書き込んだりすることができる場合には、メモリはプロセッサと電子的に通信をしていると言われる。メモリは、プロセッサには必須不可欠であり、プロセッサと電子的に通信をしている。
用語「命令(instructions)」および「コード(code)」は、コンピュータが読み取ることのできる任意の種類のステートメントを含むものとして両者を広く解釈しなければならない。例えば、用語「命令(instructions)」および「コード(code)」は一種類以上のプログラム、ルーチン、サブルーチン、機能、手順、その他を言うことがある。「命令(instructions)」および「コード(code)」はコンピュータが読み取ることのできる単一のステートメントの場合もあればコンピュータが読み取ることのできる多くのステートメントの場合もある。
ここに記載した諸機能は、ハードウェアが実行するソフトウェアやファームウェアとして実現することができる。どの機能も一種類以上の命令としてコンピュータ可読媒体上に収録することができる。用語「コンピュータ可読媒体」や「コンピュータプログラム製品」は、コンピュータやプロセッサがアクセスすることのできる任意の有形記憶媒体を言う。限定ではなく例としてコンピュータ可読媒体には、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMなどの光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置などの磁気記憶装置が含まれる他に、所望のプログラムコードを命令やデータ構造の形式で保持したり格納したりするために使用することができると共に汎用または専用のコンピュータや汎用または専用のプロセッサがアクセスすることができる前記以外の任意の媒体が含まれる。ここで使用しているディスクには綴りが「disk」と「disc」の二種類があるが、コンパクトディスク(CD:compact disc)、レーザディスク(laser disc)、光学ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy(登録商標) disk)、ブルーレイ(登録商標)ディスク(Blu-ray(登録商標) disc)が含まれる。ここで、「disk」と綴られるディスクは通常はデータを磁気的に再生し、「disc」と綴られるディスクは通常はデータをレーザで光学的に再生する。
ここに開示されている方法は、記載した方法を達成するための一種類以上の工程や動作から成っている。方法を構成している諸工程や諸動作の両者または一方は特許請求の範囲から逸脱することなく互いに入れ替えることができる。すなわち、ここに記載されている方法の適切な実施には諸工程や諸動作のどちらについても特定の順序が必要である旨が明示されていない限り特定の諸工程や諸動作の両者または一方の順序および使用の両者または一方は特許請求の範囲から逸脱することなく修正可能である。
さらに、図3、6、13、14、16、17、19に例示されているようなここに記載した種々の方法や技術を実施するためのモジュールその他の適切な手段はダウンロードなどの方法により装置が取得できることを理解されたい。例えば、装置をサーバに結合すれば、ここに記載した種々の方法を実行するための手段の転送が容易になる。あるいは、ここに記載した様々な方法が記憶手段(例えば、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読取り専用記憶装置(ROM)、コンパクトディスク(CD)やフロッピーディスクのような物理的な記憶媒体、その他)を介して供給されることがありうる。したがって、記憶手段を装置に結合したり提供したりすれば装置は前記の様々な方法を取得することができる。
特許請求の範囲は以上に説明した寸分違わぬ構成や構成要素に限定されないことを理解されたい。上に記載した色々な方法や装置の構成や動作や細目に特許請求の範囲を逸脱することなく種々様々な修正や変更や改変を施すことができる。
以下に示す範囲を権利として請求する。