JP2013511404A - 連続インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

本発明は、連続インクジェットプリンタ又はこのようなプリンタのプリントヘッドに関する。本発明は、隣り合うチャンバ間のクロストークを補償する電気的手段(R1,R2)を含む。励起ライン(9,9,9,9)の励起パルスの励起チャンバへの同時送信と同時に、これら手段(R1,R2)は、励起チャンバに隣り合うチャンバのアクチュエータ(6)に供給するライン(9,9,9,9)の各々に機械的クロストークを補償するパルスを送信する。本発明は、連続するノズル間のギャップの関数として、クロストークを補償するパルスのピーク振幅と、励起パルスのピーク電圧値との間の特定比率により特徴付けられる。
【選択図】図6

Description

本発明は、マルチノズルプリントヘッドを有する連続インクジェットプリンタに関する。
本発明はまた、このようなプリンタのプリントヘッドに関する。
マルチノズル連続インクジェットプリンタはプリントヘッドを備える。このヘッドは、インク液滴発生器と、1以上の液滴チャージ電極と、1以上の液滴偏向電極とを備える。インク液滴発生器は特に、1以上のインク供給路と、水力学的に(hydraulically)インクジェット吐出ノズルと接続する励起チャンバ(stimulation chambers)とを備える。さらに、インク液滴発生器は、励起手段と、吐出ノズルによって吐出され、印刷に使用されないインクを回収する1以上のガータとを備える。インクは、励起チャンバ内部で、吐出ノズルの各々を介してインクがインクジェット状に現れるまで、インク供給路を通じて加圧される。
動作は次の通りである。
機械的に各励起チャンバに結合される励起手段は周期的にパルスを発生させる。このパルスは、ノズルからある程度離れた位置のジェットにおける途切れ(break)として表現される、ノズルの吐出口で現れるジェット径内で局所的な振動を引き起こす。液滴を帯電され又は帯電させないように、ノズルの下流に配置されるチャージ電極の動作は、印刷されるデータを表す信号によって決まる。次に、帯電液滴は偏向電極によって偏向させられる。プリンタの一実施形態において、帯電液滴は印刷媒体に衝突し、非偏向液滴は回収ガータを介して回収され、インク回路に戻される。一般に、偏向連続ジェットタイプとして呼ばれるこのような第1モードにおいて、単一ノズルからの液滴が印刷媒体の移動方向と垂直なセグメントをトレースできるように、液滴は異なる角度に従って偏向されてもよい。液滴の偏向量は、チャージ電極に印加される電圧値によって調整され、それ自身が液滴に与える、又は、液滴用の吐出ノズルに割り当てられる偏向電極に印加される電圧値を介して与える帯電量を決定する。このような実施形態の実施例は、例えば、特許文献1に記載されている。他の実施形態では、バイナリー連続ジェットとして公知であるように、印刷されるデザインに応じてチャージ電極によって、液滴が帯電され、又は帯電されない。帯電液滴は、ノズル及びチャージ電極の下流に配置される偏向電極によって偏向される。一般に、このような実施形態では、偏向液滴が回収ガータを通じて回収されるのに対して、非偏向液滴は印刷媒体に衝突する。まさに記載された実施形態では、チャージ電極及び/又は偏向電極は各々、印刷されるデータを伝える信号を受信する、印刷されるデータの処理デバイスに結合される。印刷されるデザインに関するデータに応じて、印刷されるデータの処理デバイスは、各ノズルから、回収ガータに、又は印刷されるデザインを形成するために液滴が到達しなければならない位置に送られる液滴の軌道を決定する値の電圧を、チャージ電極及び偏向電極に印加する。チャージ電極及び偏向電極に印加される電圧は相対的に高く、また、例えば、ノズルaに割り当てられるチャージ電極Aは隣り合うノズルbに割り当てられるチャージ電極Bに非常に近いので、これらの電極に対する供給回路は互いに非常に近接する。これにより、回路間に生じる電気的クロストークがもたらされる。このことは印刷エラーをもたらす。
マーケム・イマージュ社(Markem-Imaje company)特有の一実施形態では、インクジェットプリンタのプリントヘッドの液滴発生器の本体(body)は機械的に、例えば、拡散接合(diffusion bonding)又は接着剤によって結合しているいくつかのプレートのアセンブリから形成される。このような本体は、例えば、ピツニーボウズ社(Pitney Bowes Inc)に帰属する特許文献2又は特許文献3に詳細に説明されている。これらの特許文献に説明されている本体は、ドロップ・オン・デマンド型(drop-on-demand)プリンタに使用されている。いくつかのプレートのアセンブリから構成される液滴発生器本体を含むことも含まないこともでき、本発明が利用されるマーケム・イマージュ社特有のプリンタの一実施形態では、各励起デバイスは電気的に、印刷されるデータを伝える信号を受信する、印刷されるデータの処理装置に結合される。この実施形態では、印刷データの処理結果が、吐出ノズルの下流ではなく、チャージ電極又は偏向電極で、励起チャンバに機械的に各々が結合する圧電アクチュエータに利用される。このことは、これらの電極用の電気供給回路が簡素化され得るということを意味する。例えば、マーケム・イマージュ社の2007年4月19に公開された特許文献4に説明される実施形態では、信号は、得たい液体によって決まる、時間とともに異なる程度に離れる2つのパルスによって構成される。しかしながら、十分な動作期間の後、印刷欠陥が発生するということが観察された。印刷欠陥発生の研究の初期段階では、欠陥の原因は、チャージ電極及び偏向電極の進行する汚染であった。
後にわかるように、研究及び実験の後、発明者らは、チャージ電極又は偏向電極の汚染の問題によって2つの隣り合うチャンバ間のクロストークに至る場合もあるということ見出した。この点が、後に、プリンタのクロストークに関する先行技術を参照する理由である。
ドロップ・オン・デマンド型プリンタのクロストークの問題を解決するために、ゼロックス社(Xerox Corporation)の特許文献5は、電圧レベル及びステップの持続時間をプログラム制御可能な圧電アクチュエータを制御する電子機器を説明する。印刷されるデザインに関係なく、液滴速度及び吐出させたインクの体積が各印刷点に対して同一であることを保証することを目的とする。このような制御電子機器は、複雑であり、デジタルでもアナログでもよい。
XAAR社の特許文献6は、励起チャンバの壁の柔軟性と、励起チャンバ内のインクの圧縮率との間の有利な比率を選択することによって、ドロップ・オン・デマンド型プリンタの機械的クロストークを最小化することを提供する。
テクノロジーパートナーシップPLC社(Technology Partnership PLC company)の特許文献7は、ノズルを囲む圧電エレメントによって、ノズルの機械的移動に基づくドロップ・オン・デマンド型プリント技術に関する。機械的クロストークは、ノズルプレートと圧電層とに機械加工される2つのノズル間のスリットを形成することによって減らされる。そして、ノズルプレートによって徐々に伝えられる機械的変形は、機械的連続性の除去を介してスリットによってブロックされる。
ブラザー工業株式会社(Brother Industries Ltd company)の特許文献8は、励起チャンバの周囲で圧電システムに結合される機械的コンポーネントであるダイアフラム内の溝の形成を通じて、隣り合うチャンバ間の機械的結合を減らすことによって、ドロップ・オン・デマンド型プリンタの隣り合うチャンバ間の機械的クロストークの低減を提案している。従って、ダイアフラムはより自由に変形することができ、チャンバ間の力の機械的伝達を低減しながら励起を強め、そして、機械的クロストークを減らす。
OCEテクノロジBV社(OCE Technologies BV company)の特許文献9は、ダイアフラムにより機械的クロストークを、隣り合うチャンバを分ける壁によって発生する他の機械的クロストークと共に補償することによって、隣り合うチャンバ間の機械的クロストークを低減するソリューションを提案する(2つのクロストークは逆相である)。従って、プリントヘッド寸法が正しいとき、機械的クロストークにより排出される(discharged)インクの体積は、「0(零)」又は大幅に減少される。
東芝テック株式会社(Toshiba Tec KK company)の特許文献10は、「せん断モード(Shear Mode)」で圧電物質の動作に制限される機械的クロストークの能動的補償方法を公開する。インク液滴が吐出される手段によって所定の励起チャンバに対して、互いに面し、かつ圧電アクチュエータのパーツを構成する2つの壁は互いに、液滴生成のための体積変化を最大にするために、反対方向に移動する。反対に、液滴を吐出しない隣り合う励起チャンバの壁は、体積変化を相殺し、そして、隣り合う励起チャンバとの機械的結合を抑制するように同じ方向に移動する。壁移動を実現するために、この特許文献はアナログスイッチをいくつかの電圧レベルで動作する電子機器を構想している。
データプロダクト社(Dataproducts Corporation company)の特許文献11は、液滴が放出される瞬間に時間をオフセットすることによって機械的クロストークに起因する、ドロップ・オン・デマンド型プリンタの液滴体積及び速度の分布を最小化することを提供する。遅れは、液滴放出頻度に起因する期間と比較して非常に短い時間である。印刷品質における時間のオフセットの結果は、有利な点と比較して微小であるとみなされる。
ザー・テクノロジー社の(Xaar Technology Limited)特許文献12は、「せん断モード」で動作する圧電素子を有するドロップ・オン・デマンド型プリンタのための固有の液滴の吐出のための年代順配列を提示している。記載された構成では、ノズルは共に一群に集められ、そして、励起信号は一連のステップであって、最初のステップが一定の速度で液滴を生成し、次のステップが残余圧力波を相殺するものである。ステップは、実証的学習方法(empirical learning approach(トライアル・アンド・エラー))によって構成される。このようなステップ技術の大きな欠点は、トランスデューサに適用される信号の形状に関わりなく、ステップ技術では実時間内で(すなわち、いかなる瞬間でも)クロストークを補償しないということである。
最後に、特許文献13は、一端が吐出ノズルを含むチューブを囲む圧電性結晶の状態で、パルスによって液滴の吐出が制御されるドロップ・オン・デマンド型プリンタを説明する。各圧電結晶は、電気供給ラインによって、液滴吐出パルスを生成する手段に結合される。励起されるチューブと励起されるチューブに隣り合うチューブとの間の機械的クロストークを低減するために、抵抗が、チューブの圧電物質を供給し、互いに隣り合う、第1供給ラインと第2供給ラインとの間に導入される。従って、電気的クロストークは、任意のチューブの物質を供給する各ラインと、当該任意のチューブに隣り合うチューブに配置される物質を供給する各ラインとの間で生成される。特許文献13によれば、クロストークは正でも負でもよいということがはっきりとした。正のクロストークの場合、隣り合うチューブによって吐出した液滴の速度は大きくなり、逆に負のクロストークの場合、小さくなる。クロストークが正又は負であるかにより、リンク抵抗は結晶の上流又下流に配置される。上流−下流の方向は、制御パルスの流れの方向である。
挙げられたソリューションは、すべてドロップ・オン・デマンド型プリンタに適用される。
本発明の目的は、連続ジェット技術を使用するプリンタの印刷品質と自律性とを改善することである。
米国特許第4210919号明細書 米国特許第4695854号明細書 米国特許第7730197号明細書 国際公開第2007/042530号 米国特許第4521786号明細書 米国特許第5438350号明細書 米国特許第6394363号明細書 欧州特許出願公開第1693203号明細書 欧州特許出願公開第1731308号明細書 欧州特許出願公開第1695826号明細書 米国特許第5801732号明細書 米国特許第6010202号明細書 米国特許第4381515号明細書
欠陥原因の研究により、チャージ電極及び偏向電極が漸次汚染することであることが判明した。不純物の原因を特定するために、発明者らは詳細に、ノズルの吐出でのジェットの真直度(straightness)と、ジェットの液滴への分解の間の何らかの付随物の形成とを観察した。真直度とジェットの分解の観察により、真直度の欠陥を無視することができる。しかしながら、正常動作において、ジェットの分解が予期しない位置で、不安定な状態で発生するということが観察された。不安定なジェットの分解がしばしば、励起ジェットに隣り合うジェットで発生し、必ずしもノズルからの同じ距離では発生しないということが観察された。そこで、励起チャンバが励起チャンバに隣り合うチャンバにリンクする液体結合されるノズルから現れるジェットの分解距離に与える影響を調査した。励起チャンバに隣り合うチャンバから現れるジェットの分解距離が変更されたことが観察された。励起チャンバに隣り合うチャンバのジェット分解距離は、自然分解距離よりも短くなる。同じジェットの分解距離は、隣り合うチャンバと同時に励起される場合、励起されたジェットの予期された分解距離よりも長くなる。(隣り合うチャンバのジェットが励起され、または励起されなくとも)何れの場合も、分解は予期される距離で発生しない。インク分配ノズル(ink distribution nozzles)間のクロストークは、ドロップ・オン・デマンド型プリンタでは公知の現象である。以上の通り、マーケム・イマージュ社の連続ジェットプリンタに使用される液滴発生器本体は、ピツニーボウズ社に帰属する特許文献2及び特許文献3に説明される構成と類似の構成からなる。ドロップ・オン・デマンド型プリンタに対して、チャンバ用励起エネルギーがジェット分解距離を偏向するのに利用されるエネルギーよりもかなり大きいのに対して、これら本体はドロップ・オン・デマンド型の使用においてクロストークを示さない。ドロップ・オン・デマンド型プリンタにおいて、チャンバアクチュエータに送られるエネルギーは、ノズルからの液滴をジェットに形成するだけでなく、ジェットに十分な速度を提供し、印刷媒体上に液滴を発射するのに十分でなければならない。連続ジェット技術において、励起の目的は音波を提供することのみであり、そして、ジェットを乱すことにより、低下がジェットを分解するために十分な深さからなる必要があるジェットの表面波動をもたらす。従って、所定の液滴発生器に対して、液滴を吐出し、所望の速度を液滴に与えるために要求される励起エネルギーは、ノズルから現れるジェットを分解するためだけに要求されるエネルギーよりもかなり大きい。この場合、使用されるプリントヘッドの本体はおおよそ、既に引用された特許文献3で説明されたドロップ・オン・デマンド型プリントヘッドの本体と類似に構成される。しかしながら、発明者らは、逆説的ではあるが、連続ジェットプリンタの低励起エネルギーが原因で、ドロップ・オン・デマンド型プリンタに気付かれないままにある弱いクロストークが連続ジェットプリンタの動作を抑制するのに十分であると感じていた。
クロストークに関連する問題を検討することにより、発明者らは次の4つの異なる物理現象が原因であると気付いた。
(1)水力学的クロストークとして以後言及される水力学性の現象であって、意図的に励起されたチャンバの励起が共通のインク供給タンクを介して隣り合うチャンバに伝達される。従って、伝達はインクを介して起きる。
(2)機械的クロストークとして以後言及される性質の機械的現象であって、励起されたチャンバの壁、特に機械的エレメントによって形成される壁、例えば電気機械アクチュエータに結合する吐出ノズルに結合する導管壁の機械的変形が、機械的構造を介して隣り合う導管に伝えられる。
(3)熱的クロストークとして以後言及される性質の熱的現象であって、チャンバアクチュエータの励起の高周波数が原因で、インク特性、例えばインクの粘度やインクの音速を変更しながら、チャンバアクチュエータの熱が、頻繁に励起されるチャンバに隣り合うチャンバに伝えられる。
(4)電気的クロストークとして以後言及される性質の電気的現象であって、一般的に非常に密な接続は、供給信号が、ドロップ・オン・デマンド型プリンタ内のアクチュエータ、又は連続インクジェットプリンタ内の電極に供給される電気ラインで、干渉を生む。
この場合、研究により、主なクロストークがおそらく機械的であると示された。
いくつかのソリューションは既に、機械的クロストークを防ぐ又は制限するために、提案されている。これらのソリューションの2〜3は、公知技術に関する段落で上述された。
予期しない位置での不安定な液滴形成は隣り合う励起チャンバ間の非常に弱い機械的クロストークに起因するということを認識した後、発明者らは電気的補償を利用することによって機械的クロストークを補正した。
従って、一態様において、本発明は、プリントヘッドを有する連続インクジェットプリンタに関する。プリントヘッドは、
−複数の励起チャンバであって、前記励起チャンバの配列軸に従って配列される複数の励起チャンバと、
−自身のパーツが前記励起チャンバの各々の壁を形成する平板状ダイアフラムと、
−マルチノズルであって、各々がそれぞれ前記励起チャンバの一つに水力学的に接続するマルチノズルと、
−前記ノズルの下流に設置される少なくとも1つのチャージ電極及び偏向電極と、
−複数の電気機械式アクチュエータであって、各々がそれぞれ機械的に、前記励起チャンバの各々の壁を形成する前記ダイアフラムの前記パーツの各々にリンクされる複数の電気機械式アクチュエータと、
−複数の励起ラインであって、各々が前記アクチュエータの各々にそれぞれ励起パルスを送信することを目的とする複数の励起ラインと、
−前記印刷されるデータを伝える信号を受信し、前記信号に応じて励起パルスを前記電気機械式アクチュエータに供給する、印刷されるデータの処理デバイスと、
−隣り合うチャンバ間の機械的クロストークを補償する補償手段であって、
前記励起チャンバに隣り合うチャンバのアクチュエータに供給する前記ラインの各々に前記機械的クロストークを補償する電気的パルスを送信する補償手段とを備える。プリントヘッドは、補償手段が、
(A)連続したノズル間のギャップが625μm〜2500μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の0.05×10−2〜0.5×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;
(B)連続したノズル間のギャップが310μm〜830μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の0.1×10−2〜5×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;
(C)連続したノズル間のギャップが190μm〜360μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の1×10−2〜20×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;又は、
(D)連続したノズル間のギャップが200μm〜300μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の4×10−2〜30×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルスを送信するように構成されることを特徴とする。
励起チャンバごとに一つのアクチュエータがあり、同様に、アクチュエータごとに一つの励起ラインがあり、かつ各チャンバは一つのノズルに水力学的に結合されることが規定される。
隣り合うチャンバ間の機械的クロストークを補償する手段は、プリンタに、例えば印刷されるデータの処理デバイスに、又はプリントヘッドにあることに注目すべきである。
これは、本発明がまた、インクジェットプリンタ用プリントヘッドに関することを意味する。インクジェットプリンタ用プリントヘッドは、
−複数の励起チャンバであって、前記励起チャンバの配列軸に従って配列される複数の励起チャンバと、
−自身のパーツが前記励起チャンバの各々の壁を形成する平板状ダイアフラムと、
−マルチノズルであって、各々がそれぞれ前記励起チャンバの一つに水力学的に接続するマルチノズルと、
−前記ノズルの下流に設置される少なくとも1つのチャージ電極及び偏向電極と、
−複数の電気機械式アクチュエータであって、各々がそれぞれ機械的に、前記励起チャンバの各々の壁を形成する前記ダイアフラムの前記パーツの各々にリンクされる複数の電気機械式アクチュエータと、
−複数の励起ラインであって、各々が前記アクチュエータの各々にそれぞれ励起パルスを送信するようにデザインされた複数の励起ラインと、
−隣り合うチャンバ間の機械的クロストークを補償する補償手段であって、励起チャンバへのラインに励起パルスの送信と同時に、機械的クロストークを補償するための電気的パルスを、前記励起チャンバに隣り合うチャンバのアクチュエータに供給する前記ラインの各々に送信する補償手段とを備える。プリントヘッドは、補償手段が、
(A)連続したノズル間のギャップが625μm〜2500μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の0.05×10−2〜0.5×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;
(B)連続したノズル間のギャップが310μm〜830μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の0.1×10−2〜5×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;
(C)連続したノズル間のギャップが190μm〜360μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の1×10−2〜20×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;又は、
(D)連続したノズル間のギャップが200μm〜300μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の4×10−2〜30×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス
を送信するように構成されることを特徴とする。
一態様では、隣り合うチャンバ間の機械的クロストークを補償する前記補償手段は、隣り合うチャンバのアクチュエータに供給する励起ライン間のインピーダンスZ2の受動結合コンポーネントを含む。
前記受動結合コンポーネントは、一方で励起ラインのインピーダンスZ1と、他方で隣り合うチャンバに供給する2つの励起ライン間で電気的に結合されるインピーダンスZ2とから構成される電圧分割ブリッジを形成する。
前記受動結合コンポーネントは、例えば、抵抗と、キャパシタンスと、直列の抵抗及びキャパシタンスと、並列の抵抗及びキャパシタンスを含む一群から選択される。
他の態様では、隣り合うチャンバ間の機械的クロストークを補償する前記補償手段は、隣り合うチャンバのアクチュエータに供給するライン間に2つの結合ツェナー・ダイオードを備え、前記2つのダイオードは反対の通過方向を有する。
本発明はまた、連続インクジェットプリンタのプリントヘッドの隣り合うチャンバ間の機械的クロストークの影響を低減する方法に関し、プリントヘッドは
(A)自身のパーツが前記励起チャンバの各々の壁を形成する平板状ダイアフラムと、
(B)前記ノズルの下流に設置される少なくとも1つのチャージ電極及び偏向電極と、
(C)各チャンバの電気機械式励起アクチュエータと、
(D)複数の励起ラインであって、各々が様々な前記アクチュエータの各々に励起パルスを送信するようにデザインされた複数の励起ラインとを備え、
励起パルスが励起チャンバのアクチュエータに送信されると、補償パルスが励起チャンバに隣り合うチャンバのアクチュエータの各々に送信されることをよって特徴付けられる。
隣り合うチャンバがそれ自身励起されると、補償パルスと励起パルスが共に追加される。
調査の間、励起パルスに関する補償パルスの相対値が、一定の物質に対して、連続する励起チャンバ間の分離壁の厚さの関数であることが明らかになった。必然的に、連続するノズル間の間隙が減少すると、連続する励起チャンバ間の厚さは減少する。ノズル間の距離がプリンタに対するドット/インチ(DPI)の数値を制御する。
一実施形態では、クロストーク補償パルスは、励起されたチャンバに隣り合うチャンバと水力学的に接続するノズルからのジェットの分解距離がジェットの分解点で形成される液滴に対して十分に大きく、チャージ電極と偏向電極の影響によって変更されない軌跡を有するほどのピーク振幅を有する。
一実施形態では、クロストーク補償パルスは、励起されたチャンバに隣り合うチャンバと水力学的に接続するノズルからのジェットの分解距離が十分に大きく、チャージ電極と偏向電極の電界が分解点で形成される液滴の軌跡に影響を与えるにはあまりにも小さすぎるほどの範囲にあるピーク振幅を有する。
連続ジェット技術を利用し、本発明を適用するプリントヘッド本体を共に形成するアセンブリを含む3つのプレートの一部の分解斜視図。 励起チャンバを保持するプレートと励起チャンバの下に位置付けられたプレートとを上から見た拡大詳細図。 ノズルの配列軸を貫通し、ジェットの軸を含む平面に従った、連続ジェット技術を利用し、本発明に適用されるインクジェットプリンタのマルチノズル液滴発生器の概略断面図であって、チャンバの上に位置付けられたダイアフラム部分の機械的変形とこれに起因するインクジェットの分解長さ(break-up length)との関係を説明する図。 一方が励起チャンバのアクチュエータに印加される励起信号で、他方が隣り合うチャンバのアクチュエータに印加される補償信号である2つの信号を説明するグラフ。 励起されるチャンバのアクチュエータに印加されるピーク電圧と、機械的クロストークを補償するための隣り合うチャンバのアクチュエータに印加されるピーク電圧との間の比率の値を決定する実験方法を説明するグラフ。 印刷されるデータの処理装置からの、アウトレットで、励起パルスが本発明の連続ジェットプリンタのアクチュエータ各々に移動する電気回路図。 互いに隣り合うチャンバに供給する励起ライン間の結合手段を説明する図(結合手段は2つのラインのみが示されるが、同じ結合手段が隣り合うチャンバに供給する2つのラインからなる各群の間に存在するということが理解されなければならい)。 互いに隣り合うチャンバに供給する励起ライン間の結合手段を説明する図(結合手段は2つのラインのみが示されるが、同じ結合手段が隣り合うチャンバに供給する2つのラインからなる各群の間に存在するということが理解されなければならい)。 互いに隣り合うチャンバに供給する励起ライン間の結合手段を説明する図(結合手段は2つのラインのみが示されるが、同じ結合手段が隣り合うチャンバに供給する2つのラインからなる各群の間に存在するということが理解されなければならい)。 縦軸が、横軸上のDPIの数値の関数として、スチールダイアフラムの補償パルスのピーク電圧と励起パルスのピーク電圧との間の比率の数値を表すグラフ。
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して詳細な説明を読むことにより、より明らかになる当該記載は、説明することのみを目的とし、本発明を制限するものではない。
実施形態の詳細を説明する。
以下に説明される実施形態では、プリントヘッド70用の液滴発生器の本体1が、例えば特許文献3で説明されるような、加圧下での拡散接合又は接着剤の使用によって、一緒に組立てられるプレートのスタックから構成される。さらに、本体の本実施形態の詳細、特にインクのインレット、インクタンク及び制限に関する詳細については、特許文献3で与えられた説明を参照することができる。本記載は、発明の理解のために使用されるエレメントの記載に限定される。
図1は、本発明に適用されるプリントヘッド70のインク液滴発生器の本体1を共に形成するプレートのアセンブリに含まれる、3つのプレート5,40,60の一部の拡大図を示す。プリントヘッド自身は、特に、インクタンクと、インクを加圧する手段とを含むインクジェットプリンタの一部を形成する。インクタンクは、一方がノズルによって吐出され、かつ印刷に利用されないインクの回収ガータに、そして他方が励起チャンバの各々へのインレットに、水力学的に接続される。このようなエレメント及びこのようなレイアウトは、公知であり、例えば国際公開第2005/070676号に説明される。結果として、このようなプリンタのコンポーネントは、本願明細書では説明されない。説明の便宜のため、プレート5,40,60が、プレートの平面に直角な方向が垂直であるように、水平面に従って配置される。プレート5はダイアフラムを形成し、プレート40はカットアウト3を備え、カットアウトの各々は励起チャンバを形成する。そして、プレート60は、チャンバ3からアウトレットノズル30への垂直軸に沿って本体から通じる、導管29の端部を形成するスルーホール12を備える。導管29及びノズル30は、図3に表されている。導管29は、垂直軸に沿って並べられ、かつ図示されない他のプレートに存在する一連のスルーホールから形成され、図1に表されるプレートと共に液滴発生器の本体を形成する。
圧電アクチュエータ6は、ダイアフラム5上の本体1に配置される。各アクチュエータは、ダイアフラムのパーツ11に、例えば接着剤を使用して機械的に結合される。各アクチュエータ6はチャンバ3上にある。示された実施例では、チャンバ3とアクチュエータ6とは、第1列と第2列からなる2つの平行な列に配置される。この配置は強制されないけれども、図2と関連して既に説明されたように、連続するノズル30間の距離を有利に低減することができる。第1列及び第2列のチャンバ3はそれぞれ、リファレンス31,32を有する。ダイアフラム5は、例えば、チャンバ3を形成するプレート40のカットオフ後に残るプレート40の全面上の拡散接合によって、機械的に保持される。従って、ダイアフラムは各パーツ11の全周囲上のプレート40にしっかりと固定されるので、アクチュエータ6を保持するダイアフラム5の表面の各パーツ11は、他のアクチュエータ6を保持するダイアフラム5の連続するパーツ11と独立しているはずである。実際に、発明者らの研究により見出され、図3に関連して説明されるように、変形の伝達が発生する。
図2は、第1列の2つの連続するチャンバ31と、2つのチャンバ31に面し、下方に位置付けられるプレート60の第2列の2つの連続するチャンバ32との、上から見た拡大図を表す。各チャンバ31は、チャンバの左側に位置付けられる延長部33を有する。各チャンバ32は、チャンバの右側に位置付けられる延長部34を有する。延長部33,34は、チャンバの2つの列間に位置付けられる軸ライン(axial line)AA’により割線を形成する。ノズルの配列軸に平行な軸ラインに沿った延長部33,34の幅は、同じ軸に沿って測定されるチャンバの幅の半分より小さい。延長部33,34の一部がプレート60のスルーホール12の上にあるように、延長部33,34の各々は配置される。ホールは、チャンバ3とノズル30の間の水力学的接続導管29の端部を形成する。連続するホール12間の距離は互いにすべて等しい。このような配置は、連続するノズル間の距離が、チャンバの単一列を唯一含む実施形態に比較して半分まで減らされ得ることを意味する。ノズルの列における2つの連続するノズルの一方は、チャンバの第1列のチャンバ31と、他方がチャンバの第2列のチャンバ32と水力学的に接続される。
チャンバの唯一の列を含む他の実施形態では、ラインの2つの連続するノズルがそれぞれ、チャンバの列の連続するチャンバに水力学的に接続される。
以下の説明及び特許請求の範囲では、隣り合うチャンバは、チャンバの同じ列で連続するチャンバである。
図3は、チャンバ3の列の配列軸に沿ったプリントヘッド70の液滴発生器の断面の一部を表す。断面は、ジェット吐出ノズル30の軸30に沿っている。図3は、チャンバ3の1列のみを含む実施例を表す。参照符号3a,3b,3cを有し、さらに離れてそれらの吐出ノズルのみが示された3つの連続するチャンバが表されている。吐出ジェットの導管29は、軸断面でのチャンバの中央に位置付けられる。この配置はまったく強制されるものではないが、図面を簡略化したものである。圧電アクチュエータ6,6a,6b,6cは機能的に、チャンバ3,3a,3b,3cそれぞれと関連する。圧電アクチュエータ制御電極8は、圧電アクチュエータ6の各々の上に配置される。このような電極8の表面を変更することによって、電極8と、電極8に対向するダイアフラム5のパーツの導電面とによって形成されるキャパシタンスの値が変更されることに留意すべきである。下方から見た図6に詳細に表された回路19は、例えばプリント基板の形で、励起信号の送信のために導電ラインを含む。本発明の実施形態では、このようなラインはさらに、機械的クロストークを補償するための信号を送信してもよい。チャージ電極15は、断面後方、ノズルの下流に位置付けられる。偏向電極16は、断面後方、チャージ電極の下流に位置付けられる。上流−下流方向は、ジェットからの流れの方向である。電極15,16は概略的に示される。このような電極の実施形態の説明に関して、2008年4月10日に公開されたイマージェSA社(IMAJE S.A. company)の国際公開第2008/040777号が参照され得る。本体1に機械的に結合される回収ガータは、本発明の理解のために不必要であるので示されなかった。図3には、点線DDが表されている。この点線は、液滴の軌跡に対する電極15,16の電気的影響が無視できるゾーン下流を定める。
プリントヘッドの動作はそれ自体公知であり、例えばマーケム・イマージュ社の2007年4月19日に公開された特許文献4に詳細に説明されている。本発明について重要なことは、チャンバ3のアクチュエータ6へのパルスがない場合、ノズル30からの距離Ln、いわゆるジェットの自然分解距離でジェットが分解するということである。距離Lnは、ノズル30iからの吐出で示される。正しい動作のために、自然分解点は、ラインDDの下流に位置付けられなければならない。パルスが受信されると、ジェット分解のノズルからの距離が低減される。従って、マーケム・イマージュ社特有の連続インクジェットプリンタの実施形態では、印刷向けの液滴に対するジェット分解距離Laは、動作上ジェットが発生させられる励起チャンバに接続される圧電アクチュエータによって受信される励起パルス信号の特徴によって制御される。ノズル30からの吐出とジェットの分解点との間の距離Laは、ノズル吐出30aで示される。
この公知の動作に関するさらなる説明が与えられる。まず第1に、明細書に説明されたマーケム・イマージュ社のプリンタでは、印刷向けの液滴と回収ガータに向けられる液滴との選択がジェットの分解点の制御によって達成されることを念頭に置くことが重要である。発明者らによって実施された調査は、例えばアクチュエータ6aがパルスを受信すると、チャンバ3aをカバーするダイアフラム5のパーツ11が図3の破線として表されるカーブによって示されるように振幅Aで変形することを示した。この、いわゆる「ベンディングモード(bending mode)」変形自身はより小さな変形をもたらし、また、「ベンディングモード」で、チャンバ3aに隣り合うチャンバ3b,3c各々の上に位置付けられるダイアフラムのパーツ11の、破線カーブ上のB及びCによって表される逆方向をもたらす。ドロップ・オン・デマンド・モードにおける動作では、以上の通り、この変形が液滴を放つには不十分である。これは、ドロップ・オン・デマンド・モードにおける動作では、クロストークが観察されないからである。しかしながら、連続ジェット動作では、意図的に励起されるチャンバに隣り合うチャンバに対するこの変形によって形成される望まれない励起が、隣り合うチャンバに水力学的に接続される導管からジェットの分解を発生するのに十分である。吐出ノズル30と、このノズルから吐出されるジェットの望まれない分解点との間の距離は、Lbによって表される。この距離は、一定ではなく、特に、単一の隣り合うチャンバが意図的に励起されること、又は、所定の励起されないチャンバに隣り合う2つのチャンバが同時に励起されることにより決められる。最終的に、互いに隣り合う2つのチャンバが同時に励起されるとき、励起されるチャンバに対する分解距離Laは変更されるものである。正常なジェットの分解距離のこのような不安定な変形は、数え切れないほどの観察の後、隣り合うチャンバの励起だけと関係があった。ノズルからの不安定な距離で、従って電極によって生成される電界値が液滴の軌跡を制御することを目的としないゾーンにおけるこのような分解は、電極の欠陥の重大部分の源である。欠陥の原因が理解されると、次いで発明者らは洗浄された電極を有するプリンタに対して印刷テスト格子をより詳しく見た。そして、彼らは局所印刷欠陥が存在することを観察した。もちろん、これら欠陥は、電極が次第により汚染されると増幅され、従ってより明らかになる。
上述のように観察された動作を修正するために、発明者らは励起電極8の制御を修正した。励起チャンバ3aのアクチュエータ6a用の各コマンドパルスに対して、機械的クロストークを補償する電気パルスが励起チャンバ3aに隣り合うチャンバ3b,3cのアクチュエータ6b,6cの各々に送信される。
機械的クロストークを補償するために隣り合うチャンバのアクチュエータに送信されるパルスのピーク振幅の相対値を決定する方法を、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、図中において、縦軸が電圧値を示し、横軸が持続時間を示す2つのカーブを示す。本図においてVstimでラベルされた第1カーブは、励起パルスを表す。本図において第2カーブVcompは、励起パルスの送信と同時に隣り合う励起チャンバのアクチュエータに送信される補償パルスを表す。励起パルスと補償パルスの各々のピーク電圧がパルスの持続時間に関して一定の長期間、略一定値を有する場合、この2つのパルスの上昇エッジと下降エッジは、互いに相似でなくてもよい。
図5の縦軸は、横軸に示される、隣り合うチャンバに対して圧電アクチュエータ6に印加される補償パルスのピーク電圧値の関数として、励起されたチャンバに隣り合うチャンバのジェット分解長さLbを示す。補償パルスは、励起パルスと同じ符号を有し、励起パルスと同時に印加される。このカーブでは、励起されるチャンバに隣り合うチャンバのノズルによって吐出されるジェットに対する分解距離がピーク電圧Vcompの数値の関数としてガウス曲線(Gaussian type curve)に従うということが分かる。すなわち、分解距離は、補償パルスが印加されないとき約4000μmの値から、3.2Vの最適Vcompピーク電圧値に対して5450μmの最大値まで変化し、そして、5.5Vのオーダーのピーク電圧値に対する3750μmに下がる。実験で使用される例では、ジェット分解距離の最大値は、ジェットの自然分解距離よりも若干小さい、又は等しいことが分かった。自然分解距離に等しい最適ピーク電圧に対して得られる最大ジェット分解距離を得ることに成功すると、このことは補償パルスが確実かつ完全に機械的クロストークを補償するということを意味する。達成される場合、さらによい。達成されない場合、最大ジェット分解距離が、自然分解距離よりも短いけれども、液滴が自然分解距離で得られるとき、液滴の軌跡が電極によってのみ影響を受ける、図3のラインDDのゾーン下流での分解によって生成される液滴に対して十分長いと、それでも本発明の目的は達成される。
最適補償値として図5と関連して述べられた3.2Vの絶対値は当然、考慮されない。この値は、励起パルスに印加されるピーク電圧値の関数である。この場合、図4に示されるように、励起パルスに対するピーク電圧は約45Vである。3.2Vの最適電圧値Vcompは、励起パルス電圧値の約7/100である3.2/45と表される。さらに、最大分解距離に近い分解距離は、非常に広い電圧範囲に渡って、最大分解距離に近いままであることに留意するべきである。例えば、図5に関連して説明する場合、分解距離は、5/100と8/100との間の(励起電圧に対する補償電圧の)比率を導く、2.2Vから3.6Vまで動くピーク電圧に対して5200μmのままである。従って、最適補償電圧に近い曲線の平坦な形状は、一定のプリンタ又はプリントヘッドに対して、補償ピーク電圧と励起ピーク電圧の比率の値を選択するためのマージンがあることを意味する。
アクチュエータ制御用の回路19の実施形態は、図6〜図9に関連して説明される。
図6に表される好ましい第1の実施形態では、物質の電気的結合が隣り合うチャンバのアクチュエータ6に供給する励起ライン(9,9,9,9)間で達成される。下方から見た図6に表される回路は、隣り合うアクチュエータに補償パルスを送信する手段を最初に含まない回路から得られる。
この回路はプリント基板19上に形成される。プリント基板上の本実施形態は、まったく強制されるものではないが、液滴発生器の本体1がプレートのスタックから構成されるとき都合がよい。プリント回路が液滴発生器の本体1の平板状ダイアフラム5上に戻され、このようなダイアフラム上に導入されるとき、アクチュエータ6が本体1のチャンバ3各々の上で占有しなければならない位置をアクチュエータ6が占有できるように、アクチュエータ6はプリント回路に配置される。電気的コマンドライン9,9,・・・,9はそれぞれ、アクチュエータ6に供給する電極8に印刷されるデータの処理デバイス7の各アウトプット7,7,・・・,7n−1,7に結合する。プリント回路19が導入されると、各電極8は、例えばスチールの、プリント回路19と反対のダイアフラム5の上部導電面と共に、チャンバ3bをカバーするダイアフラムのパーツ上に、図3に表されるキャパシタンス14を形成する。このようなキャパシタンス14は各アクチュエータ6に対してこのように形成される。
明細書で説明される本発明の特定のモードによれば、受動的コンポーネント、例えば抵抗R1は、各ライン9に組み込まれる。本実施形態では、抵抗R1の組み込みは強制的ではない。特に、伝送ライン9の回路上流から特に起因されるラインインピーダンスZ1は非常に大きい。さらに、チャンバのアクチュエータに供給する各ライン9は、抵抗R2によって、前記チャンバに隣り合うチャンバに配置されるアクチュエータに供給する各ライン9に接続される。アセンブリR1,R2は電圧分割ブリッジ(voltage divider bridge)を形成する。従って、電圧Vが励起チャンバのアクチュエータに印加されると、より小さな電圧V’が励起チャンバに隣り合う各チャンバアクチュエータに印加される。縮小率(reduction ratio)R2/R1=V’/Vの値の決定は、図4及び図5に関連して上述された。
本実施形態は特にシンプルであり、かつ要求される補償基準を満たす。従って、
−励起パルスが励起チャンバのアクチュエータに送信されると、補償パルスが励起チャンバに隣り合うチャンバに送信され、
−励起パルスが同時に互いに隣り合う2つのチャンバのアクチュエータに送信されると、励起パルスは補償パルスのピーク値によって増加するピーク値のこのような励起チャンバ各々のアクチュエータ各々に送信され、励起されるジェットの分解距離が隣り合うチャンバの同時励起によって変更されず、
−そして、最終的に、2つの励起されたチャンバが所定の励起されていないチャンバに隣り合うと、補償パルスが2つの励起されたチャンバ間に位置付けられた励起されていないチャンバのアクチュエータに送信され、そのピーク値は、単一の隣り合うチャンバが励起されるとき、受信する補償パルスのピーク値の2倍である。
説明された補償パルスの送信はこのような分野に利用可能なソフトウェアによって達成されてもよいということに留意されるべきである。印刷されるデータの処理デバイス7は一般に、本目的に対して処理される必要があるプロセッサを含む。この場合、このような補償手段がプリントヘッドのプリンタ上流に含まれるので、プリントヘッドは補償手段を含まない。
軸AA上の図6に表される回路は、チャンバの単一列にある実施形態に利用可能である。2つのチャンバの列がある場合、図2に示されるように、プリント回路基板19は、軸AAに関連して軸AAの上に示されるチャンバに対して対称である増設回路によって補完される。図6は印刷されるデータの処理手段7のアウトプット7’1に結合し、チャンバの第2列の第1アクチュエータ6’に供給する第1ライン9’1のみを示す。
図6、図8及び図9に示されるこのようなモードの別の実施形態では、回路19は図7に表される構成を有する。この別のモードでは、プリンタは、例えば、印刷されるデータの処理手段7で、励起されるチャンバに隣り合うチャンバに励起パルスと補償パルスを形成して送信する手段を備える。従って、図7に示されるように、例えばライン9によって供給されるアクチュエータ6に励起パルスを送信すると同時に、デバイス7は、ライン9及び9によって供給される隣り合うチャンバのアクチュエータ6の各々に、クロストークを補償する減弱したパルスを送信する。パルスを送信する手段は、図6と関連して説明されるライン結合コンポーネント、又は図8及び図9と関連して説明されるライン結合コンポーネント等であってもよいが、プリントヘッドの上流、例えば印刷されるデータの処理デバイス7の内部に見られるライン9のパーツに利用されてもよい。以上の通り、パルスを送信する手段は、ソフトウェア手段を含んでもよい。図8に示される第2実施形態では、結合は他の受動エレメントを含む分割ブリッジを使用して達成され、例えばキャパシタンス20は隣り合うチャンバ9,9;9,9のアクチュエータ6に供給するライン間で結合される。分割ブリッジは、一方でライン9の各々でキャパシタンス14から、他方でキャパシタンス20から形成される容量ブリッジ(capacitive bridge)である。連続するチャンバに対する2つの供給ライン9間を接続するキャパシタンス20の値は、以上の通り、キャパシタンス14の値とV’/V比率の関数として決定される。
図8に表されるモードでは、制御電極8によってアクチュエータ6の周りに形成されるキャパシタンス14とダイアフラム5の導電面とが使用されるということに留意されるべきである。キャパシタンス14の値は、例えば制御電極の表面を調整することによって調整されてもよい。
図9に表される第3の実施形態では、隣り合うチャンバのアクチュエータのライン9は、平行なツェナー・ダイオード21,22のアセンブリによって2つ同時に結合され、そして反対の通過方向を有する。従って、ラインの一がパルスを受信すると、他はダイオード電圧限界値でピークに達する振幅を有するパルスを受信する。当然、得られるV’/V比率が適切であるように、この限界値は選択される。
図10に示されるグラフは、厚さ50μmのスチールでつくられたダイアフラム5を有するプリンタのドット/インチ(DPI)の数値の関数として、V’/V比率の変化を表す。横軸の第1ラインはドット/インチの数値を示し、第2ラインは連続するノズル間の対応するギャップの数値、すなわち、ドット/インチの数値で割られた25400μmの近似値を示す。比率V’/VはDPIの値と共に増加するということがわかる。発明者らは、比率V’/Vが次の数値範囲にあるとみなされることが妥当であると考える。
−連続するノズル間のギャップが625μm〜2500μmの範囲であるプリンタに対して、0.05×10−2〜0.5×10−2の範囲;
−連続するノズル間のギャップが310μm〜830μmの範囲であるプリンタに対して、0.1×10−2〜5×10−2の範囲;
−連続するノズル間のギャップが190μm〜360μmの範囲であるプリンタに対して、1×10−2〜20×10−2の範囲;
−連続するノズル間のギャップが200μm〜300μmの範囲であるプリンタに対して、4×10−2〜30×10−2の範囲。
本発明の様々な実施形態により、プリンタの動作時間を、望ましくない電極の汚染なしに増やすことができ、従って、動作自立性(operational autonomy)を向上させることができる。
さらに、印刷に向けられる液滴の分配がより適切に制御されるので、印刷品質が改善される。

Claims (6)

  1. 複数の励起チャンバ(3,3a,3b,3c)であって、前記励起チャンバの配列軸に従って配列される複数の励起チャンバと、
    自身のパーツが前記励起チャンバの各々の壁を形成する平板状ダイアフラム(5)と、
    マルチノズル(30,30a,30b,30c,30i)であって、各々がそれぞれ前記励起チャンバの一つに水力学的に接続するマルチノズルと、
    前記ノズル(30)の下流に設置される少なくとも1つのチャージ電極(15)及び偏向電極(16)と、
    複数の電気機械式アクチュエータ(6)であって、各々がそれぞれ機械的に、前記励起チャンバ(3,3a,3b,3c)の各々の壁を形成する前記ダイアフラム(5)の前記パーツの各々にリンクされる複数の電気機械式アクチュエータと、
    複数の励起ライン(9,9,9,9)であって、各々が前記アクチュエータ(6)の各々にそれぞれ励起パルスを送信することを目的とする複数の励起ラインと、
    印刷されるデータを伝える信号を受信し、前記データに応じて励起パルスを前記励起ライン(9,9,9,9)に供給する、印刷されるデータの処理デバイスと、
    隣り合うチャンバ(3)間の機械的クロストークを補償する補償手段(7,R1,R2,14,20,21,22)であって、励起チャンバ(3)に前記励起ライン(9,9,9,9)を伝わる励起パルスの送信と同時に、機械的クロストークを補償するためのパルスを、前記励起チャンバ(3)に隣り合う前記チャンバ(3)のためのアクチュエータ(6)に供給する前記励起ライン(9,9,9,9)の各々に送信する補償手段とを備えるプリンタヘッド(70)を有する連続インクジェットプリンタであって、
    前記補償手段が、
    (A)連続したノズル間のギャップが625μm〜2500μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の0.05×10−2〜0.5×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;
    (B)連続したノズル間のギャップが310μm〜830μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の0.1×10−2〜5×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;
    (C)連続したノズル間のギャップが190μm〜360μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の1×10−2〜20×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;又は、
    (D)連続したノズル間のギャップが200μm〜300μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の4×10−2〜30×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス
    を送信するように構成される連続インクジェットプリンタ。
  2. 複数の励起チャンバ(3,3a,3b,3c)であって、前記励起チャンバの配列軸に従って配列される複数の励起チャンバと、
    自身のパーツが前記励起チャンバの各々の壁を形成する平板状ダイアフラム(5)と、
    マルチノズル(30,30a,30b,30c,30i)であって、各々がそれぞれ前記励起チャンバの一つに水力学的に接続するマルチノズルと、
    前記ノズル(30)の下流に設置される少なくとも1つのチャージ電極(15)及び偏向電極(16)と、
    複数の電気機械式アクチュエータ(6)であって、各々がそれぞれ機械的に、前記励起チャンバ(3,3a,3b,3c)の各々の壁を形成する前記ダイアフラム(5)の前記パーツの各々にリンクされる複数の電気機械式アクチュエータと、
    複数の励起ライン(9,9,9,9)であって、各々が前記アクチュエータ(6)の各々にそれぞれ励起パルスを送信することを目的とする複数の励起ラインと、
    隣り合うチャンバ(3)間の機械的クロストークを補償する補償手段(7,R1,R2,14,20,21,22)であって、励起チャンバ(3)に前記励起ライン(9,9,9,9)を伝わる励起パルスの送信と同時に、機械的クロストークを補償するためのパルスを、前記励起チャンバ(3)に隣り合う前記チャンバ(3)のためのアクチュエータ(6)に供給する前記励起ライン(9,9,9,9)の各々に送信する補償手段とを備える連続インクジェット用プリントヘッド(7)であって、
    前記補償手段が、
    (A)連続したノズル間のギャップが625μm〜2500μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の0.05×10−2〜0.5×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;
    (B)連続したノズル間のギャップが310μm〜830μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の0.1×10−2〜5×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;
    (C)連続したノズル間のギャップが190μm〜360μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の1×10−2〜20×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス;又は、
    (D)連続したノズル間のギャップが200μm〜300μmの範囲であり、ピーク振幅が励起パルスのピーク電圧値の4×10−2〜30×10−2の範囲である前記クロストークを補償するパルス
    を送信するように構成される連続インクジェット用プリントヘッド。
  3. 請求項1記載の連続インクジェットプリンタ、又は、請求項2記載の連続インクジェット用プリントヘッドであって、
    隣り合うチャンバ間の機械的クロストークを補償する前記補償手段は、隣り合うチャンバのアクチュエータに供給するライン間を結合する受動結合コンポーネント(R1,R2,20,14)を備えることを特徴とする、連続インクジェットプリンタ又は連続インクジェット用プリントヘッド。
  4. 請求項3記載の連続インクジェットプリンタ又はプリントヘッドであって、
    前記受動結合コンポーネントは抵抗電圧分割ブリッジから構成され、
    各ラインは、インピーダンス(R1)を有し、かつインピーダンス(R2)を通じて隣り合うチャンバのアクチュエータに供給する各ラインに結合することを特徴とする連続インクジェットプリンタ又はプリントヘッド。
  5. 請求項3記載の連続インクジェットプリンタ又はプリントヘッドであって、
    前記受動結合コンポーネントは、
    キャパシタンスと、直列の抵抗及びキャパシタンスと、並列の抵抗及びキャパシタンスからなる一群から選択されることを特徴とする連続インクジェットプリンタ又はプリントヘッド。
  6. 請求項1記載の連続インクジェットプリンタ、又は、請求項2記載の連続インクジェット用プリントヘッドであって、
    隣り合うチャンバ間の機械的クロストークを補償する前記補償手段は、隣り合うチャンバ(3)のアクチュエータに供給するライン(9,9,9,9)を結合する2つのツェナー・ダイオード(21,22)を備え、
    前記2つのツェナー・ダイオード(21,22)は互いに反対の通過方向を有することを特徴とする、連続インクジェットプリンタ又は連続インクジェット用プリントヘッド。
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