本件は、流体圧装置に関する。
本発明は、波運動からエネルギーを抽出するための流体圧装置を特に参照して、記載されることになるが、他の流体圧装置にも適用可能であることを理解されたい。
波運動からエネルギーを抽出するための流体圧装置は、周知である。このような装置の例は、CETO技術に対する特許文献1,2に開示されている。これらの文献は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
波運動からエネルギーを抽出するための先行技術による流体圧装置は、水域の海床に配置された基部を備えている。軸流流体圧ポンプが、基部に対して枢動することができるように、基部に取り付けられている。ポンプのピストンロッドが、繋ぎ紐によって浮力アクチュエータに連結されている。波運動および浮力アクチュエータの正浮力によって、浮力アクチュエータは、水擾乱の運動に追従し、これによって、上方に押し上げられ、繋ぎ紐に力を加え、流体を加圧によってポンプから一方向弁を介してマニホールドに排出させることになる。波底の通過中、浮力アクチュエータは、ポンプピストンの重量およびポンプ吸入圧からの力によって下降し、浮力アクチュエータの次の上方突上げの準備が整っているポンプに呼び水を差すことになる。
装置は、閉ループモードで運転されるように設計されている。このモードでは、高圧の流体が流体圧ポンプによって陸上に汲み上げられ、エネルギーが有用な仕事として抽出され、減圧した流体が、配管を介して沖合の流体圧ポンプに戻され、再加圧されるようになっている。
代替的な先行技術による流体圧装置は、流体圧ポンプのアレイと、各ポンプのピストンロッドに繋がれた浮力アクチュエータのアレイとを備えている以外は、前述した先行技術の装置と同様である。
前述したような先行技術による装置は、典型的には、特定の場所において、該場所に関連する特定の条件下、例えば、該場所に関連する波浪状態および潮の変動の影響下で運転するように特に適合されている必要がある。これは、通常、特定場所に用いられるように特に設計された標準的でないハードウエアを作製し、このハードウエアを該場所に適する特定の方法によって運転するように構成することを含んでいる。
このような標準的でないハードウエアを設計し、作製する必要性は、低コストで大量生産を達成する製造プロセスを合理化することが困難であることを意味している。
本発明が開発されたのは、この背景技術およびその関連する問題および難題に対してである。
国際特許出願第PCT/AU2006/001187号パンフレット
国際特許出願第PCT/AU2007/001685号パンフレット
本発明の目的は、前述した先行技術の欠点の1つまたは複数を解消するかまたは少なくとも改良し、またはユーザに有用な、または経済的な選択肢をもたらすことにある。
本発明の他の目的および利点は、本発明の好ましい実施形態が例示として開示されている添付の図面と関連させて、以下の説明を読むことによって、明らかになるだろう。
本発明の第1の広い態様によれば、波エネルギーを変換するための流体圧装置が提供されている。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
本発明の第2の広い態様によれば、本発明の第1の広い態様による流体圧装置を制御するための方法が提供されている。
本発明の第3の広い態様によれば、本発明の第1の広い態様による流体圧装置を制御するための最適フィルターを得るための方法が提供されている。
本発明の第4の広い態様によれば、流体を装置内に汲み出すためのポンプと、流体の流れを制御するための制御要素とを備えている流体圧装置が提供されている。
本発明の第5の広い態様によれば、本発明の第1の広い態様による流体圧装置を制御する方法において、
作動流体を装置内に汲み出すように、装置のポンプを操作するステップと、
流体の流れを制御するように、制御要素を制御するステップと、
を含んでいる、方法が提供されている。
好ましくは、ポンプは、軸流流体圧ポンプである。
好ましくは、制御要素は、出口弁、入口弁、アキュムレータ、および/または圧力逃し弁である。
好ましくは、装置は、出口逆止弁も備えている。
好ましくは、装置は、入口逆止弁を備えている。
好ましくは、装置は、ロッド側/調整側/作用側アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、止まり側アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、出口アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、入口アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、センサも備えている。
好ましくは、装置は、制御装置も備えている。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
好ましくは、流体圧装置は、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するためのものである。
本発明の第6の広い態様によれば、波エネルギー装置を制御し、最適化するためのシステムにおいて、流体圧動力を取り出す波エネルギーコンバータを利用する波エネルギー装置であって、コンバータは、閉ループモードで操作されるようになっており、閉ループは、高圧の装置出口ラインおよびかなり低圧の入口流体ラインを備えており、閉ループ内を循環する流体は、実質的に水性であり、流体は、エネルギーを陸上に伝達するものであり、流体は、圧力および流量を介してエネルギーを移送するものである、波エネルギー装置と、陸上において、タービンまたは圧力交換用エンジンのような流体圧機械装置を介して、作動流体からエネルギーを取り出す手段と、備えているシステムが設けられている。
好ましくは、システムは、陸上および沖合の両方に配置された制御要素を備えている。
好ましくは、制御要素は、陸上側の出口ラインおよび入口ラインにおける圧力および流量を調整する弁と、入口ラインと出口ラインとの間に配置された沖合側圧力逃し弁と、沖合に配置された流体圧アキュムレータと、陸上に配置された流体圧アキュムレータであって、一方が出口ラインに接続されており、他方が入口ラインに接続されている、流体圧アキュムレータと、陸上側の入口ラインと出口ラインとの間に配置された圧力逃し弁と、を備えている。
好ましくは、複数の流体圧弁およびアキュムレータ内のガス圧充填を制御するために、制御アルゴリズムが用いられるようになっている。
本発明の第7の広い態様によれば、本発明の第4の広い態様によるシステム用の制御アルゴリズムが提供されている。好ましくは、制御アルゴリズムは、以下の機能の1つまたは複数を行うことができ、または以下の特性の1つまたは複数を有している。
a.アキュムレータの容積変動(弁の開閉)によって、拘束ピストン端と非拘束ピストン端との間(これら端を含む)におけるCETOTM波エネルギーコンバータ(WEC)の機械的剛性を調整すること。「拘束ピストン」は、作動流体が、調整アキュムレータによって許容される程度まで、流体圧回路の内側で移動が拘束されることによって、ピストンの運動が最小限に抑えられている状態を指しており、「非拘束ピストン」は、入口回路と出口回路との間で流体が自在に流れ、ピストンがその自重および加えられる外力の影響によって自在に運動することができる状態を指している。
b.CETOの場合、潮流によって生じるような水深の緩慢な変動に適応するように、ポンプのピストンの基準位置を調整すること。
c.近接波測定装置からのリアルタイム入力値に従って、WEC装置の制御要素を調整すること。このような装置は、海面状態を定める瞬間的な波高さ(H)、瞬間的な波周期(T)、瞬間的な波拡散(θ)、および任意の他の関連パラメータを記録し、このデータをリアルタイムでアルゴリズムにもたらすようになっているとよい。
d.c)において、動力Pが瞬間的な最大値になるように、設定値を調整すること。
e.c)において、動力Pが瞬間的な最小値になるように、設定値を調整すること。もし保守または検査が行われている場合、このような条件が望ましい。
f.c)において、Pが確率pmで最小値Pmを超えるように、設定値を調整すること。
g.事前設定テンプレートFを適用し、時間間隔τにおいてWECによって送達される全動力を最大にするように、制御要素)の値を規制すること。
h.時間間隔τは、観測上の基準時点τεの秒から分、時間の範囲内における変数であるとよい。例えば、標準的な沖合の実行時間は、連続的な不規則海面状態の場合、20分であり、激しい海面状態の場合、3時間である、
i.各観測時点τεは、アルゴリズムAの設定操作点およびアルゴリズムAによって行われる制御の範囲を定める特有テンプレートFεに関連付けられている。
j.制御アルゴリズムAは、i)の一連のテンプレートF
εを含んでいるとよい。各テンプレートは、協働して、観測時点における最短時間と最長時間との間における最適エネルギー出力E
maxをもたらすことになる。すなわち、アルゴリズムAは、常に、最大積分エネルギーE
maxをもたらすように調整されるようになっている。
k.特定のアルゴリズムAは、以下の条件の1つまたは複数に特有である成分を含むアルゴリズムの集合Aiから導かれるようになっているとよい。
i.特定の幾何学的な場所;
ii.特定の水深および海底地形;
iii.特定類別の波活動、例えば、強力な波活動、沖合の波活動、穏やかな波活動、沿岸の波活動、またはこれらの組合せ;
iv.特定の季節、例えば、冬、夏;
v.WECの特定の構成;
vi.同時係属中のCETOTM特許出願に記載されているようなエネルギー緩和機構を含むWECの特定の物理的構成;
vii.WECの老朽化、状態、運転歴に対応するWECの特定の物理的状態;
viii.WECの構成における任意の他の変動;
ix.年間の支配的な海面状態(例えば、西オーストラリアの湾岸から離れたガーデン島の現場は、6〜8つの支配的な海面状態を有している);および
x.特定の安全/緊急条件。
本発明の第8の広い態様によれば、本発明の第6,7の態様のいずれか1つに記載の閉ループシステムをなす、入口配管および出口配管の共通の組に一緒に並列に接続されたWECのアレイを備えているシステムが提供されている。
本発明の第9の広い態様によれば、アルゴリズムAの最適化が、波拡散にも影響されるようになっている、本発明の第8の広い態様に記載のシステムが提供されている。アルゴリズムAiおよびテンプレートFεは、単一WECのものとは実質的に異なっている。多重ユニットのアルゴリズムが単一ユニットのアルゴリズムと大きく異なっている点は、ユニット間の流体圧的相互作用であることに留意されたい。
本発明の第10の広い態様によれば、アルゴリズムAiが最適フィルター方式によって作成されるようになっている、本発明の第6〜9の広い態様のいずれか1つに記載のシステムが提供されている。
本発明の第11の広い態様によれば、
チャンバを画定する本体およびチャンバを作用側と止まり側に仕切るピストンを備えている流体圧ポンプと、
チャンバの止まり側に接続された止まり側流体圧アキュムレータと、
を備える流体圧装置が提供されている。
好ましくは、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に並列に接続されている。代替的に、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に直列に接続されている。好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側とを備える閉鎖された止まり側流体圧回路も備えている。
好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側との間に流れることができる流体も含んでいる。好ましくは、流体は、高潤滑流体である。好ましくは、流体は、低粘度流体である。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された止まり側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、止まり側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、止まり側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された作用側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、作用側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、作用側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された作用側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に並列に接続されている。代替的に、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に直列に接続されている。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された出口逆止弁および出口逆止弁に並列に接続された入口逆止弁も備えている。いくつかの実施形態では、入口逆止弁は、チャンバの止まり側に接続されている。好ましくは、装置は、出口逆止弁に並列に接続された出口流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、装置は、入口逆止弁に並列に接続された入口流体圧アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、流体圧インターフェースユニットも備えており、該流体圧インターフェースユニットは、出口逆止弁、入口逆止弁、出口流体圧アキュムレータ、および入口流体圧アキュムレータを備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、止まり側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、作用側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、圧力逃し弁も備えている。
好ましくは、装置は、出口逆止弁および入口逆止弁のそれぞれに接続された流体圧制御装置も備えている。好ましくは、流体圧制御装置は、圧力逃し弁を備えている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置を出口逆止弁に接続する高圧パイプラインと、流体圧制御装置を入口逆止弁に接続する低圧パイプラインとを備えている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置に接続された流体圧負荷も備えている。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
好ましくは、装置は、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するためのものである。特定の好ましい形態では、装置は、ピストンに縛られた浮力アクチュエータも備えている。
本発明の第12の広い態様によれば、
チャンバを画定する本体およびチャンバを作用側と止まり側とに仕切るピストンを備える流体圧ポンプと、
チャンバの作用側に接続された作用側流体圧アキュムレータと、
を備える流体圧装置が提供されている。
好ましくは、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に並列に接続されている。代替的に、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に直列に接続されている。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された作用側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、作用側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、作用側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された止まり側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、止まり側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、止まり側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に並列に接続されている、代替的に、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に直列に接続されている。好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側とを備える閉鎖された止まり側流体圧回路も備えている。
好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側との間を流れることができる流体も含んでいる。好ましくは、流体は、高潤滑流体である。好ましくは、流体は、低粘度流体である。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された出口逆止弁および出口逆止弁に並列に接続された入口逆止弁も備えている。いくつかの実施形態では、入口逆止弁は、チャンバの止まり側に接続されているとよい。好ましくは、装置は、出口逆止弁に並列に接続された出口流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、装置は、入口逆止弁に接続された入口流体圧アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、流体圧インターフェースユニットも備えており、該流体圧インターフェースユニットは、出口逆止弁、入口逆止弁、出口流体圧アキュムレータ、および入口流体圧アキュムレータを備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、止まり側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、作用側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、圧力逃し弁も備えている。
好ましくは、装置は、出口逆止弁および入口逆止弁のそれぞれに接続された流体圧制御装置も備えている。好ましくは、流体圧制御装置は、圧力逃し弁を備えている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置を出口逆止弁に接続する高圧パイプラインおよび流体圧制御装置を入口逆止弁に接続する低圧パイプラインも備えている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置に接続された流体圧負荷も備えている。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
好ましくは、装置は、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するためのものである。特定の好ましい形態では、装置は、ピストンに縛られた浮力アクチュエータも備えている。
本発明の第13の広い態様によれば、流体を装置内に循環させるための流体圧ポンプと装置を制御するための流体圧制御装置とを備える流体圧装置が提供されている。
好ましくは、流体圧ポンプは、チャンバを画定する本体およびチャンバを作用側と止まり側とに仕切るピストンを備えている。
好ましくは、装置は、チャンバの止まり側に接続された止まり側流体圧アキュムレータを備えている。好ましくは、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に並列に接続されている。代替的に、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に直列に接続されている。好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側とを備える閉鎖された止まり側流体圧回路も備えている。
好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側との間に流れることができる流体も備えている。好ましくは、流体は、高潤滑流体である。好ましくは、流体は、低粘度流体である。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された止まり側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、止まり側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、止まり側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された作用側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、作用側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、作用側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された作用側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に並列に接続されている。代替的に、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に直列に接続されている。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された出口逆止弁および出口逆止弁に並列に接続された入口逆止弁も備えている。いくつかの実施形態では、入口逆止弁は、チャンバの止まり側に接続されているとよい。好ましくは、装置は、出口逆止弁に並列に接続された出口流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、装置は、入口逆止弁に並列に接続された入口流体圧アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、流体圧インターフェースも備えている。該流体圧インターフェースユニットは、出口逆止弁、入口逆止弁、出口流体圧アキュムレータ、および入口流体圧アキュムレータを備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、止まり側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、作用側流体圧アキュムレータも備えている。
好ましくは、流体圧制御装置は、アルゴリズムに従って装置を制御することができるようになっている。
好ましくは、流体圧制御装置は、出口逆止弁および入口逆止弁に接続されている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置を出口逆止弁に接続する高圧パイプラインおよび流体圧制御装置を入口逆止弁に接続する低圧パイプラインも備えている。
好ましくは、装置は、流体圧負荷を備えている。好ましくは、負荷は、タービンを含んでいる。好ましくは、タービンは、ペルトンタービンである。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
好ましくは、装置は、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するためのものである。特定の好ましい形態では、装置は、ピストンに縛られた浮力アクチュエータも備えている。
本発明がさらに十分に理解され、実施されるために、以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
流体圧装置の第1の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の第2の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、図1,2に示されている流体圧装置の一部のさらなる詳細を示す概略図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第3の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の第4の好ましい実施形態の側断面図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第5の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第6の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第7の好ましい実施形態の概略図である。
図8に示されている流体圧装置の流体圧計測制御システムおよびバッテリ充電システムを示す概略図である。
図8,9に示されている装置のような流体圧装置の種々の吸入圧および吐出圧の範囲に対するピストン排出量の範囲を示すグラフである。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第8の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の第9の好ましい実施形態の概略図である。
図1−3を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置30は、軸流流体圧ポンプ31を備えており、該ポンプ31は、チャンバ33を画定するポンプ本体32を備えている。ポンプ本体32は、側壁34を備えている。側壁34は、上壁35によって閉鎖された上端、および底壁36によって閉鎖された下端を有している。底壁36は、基部37に取り付けられるように構成されている。
ピストン38は、チャンバ33をロッド側または作用側39と止まり側40とに仕切るように、かつチャンバ33内において前後に摺動することができるように、チャンバ33内に収容されている。ピストン38と側壁34との間の(図示されていない)シールによって、流体がピストン38を超えて作用側30と止まり側40との間に流れることが阻止されている。理想的には、チャンバ33の作用側39および止まり側40は、ポンプ31の側壁34に対する可動ピストン38の完全なシールによって、ポンプ31内において連通しないようになっている。2つのチャンバ間のいくらかの漏れは、シール摩耗として許容されることもある。
作用側の機械的緩衝装置41は、チャンバ33の作用側39に位置するように、ピストン38に固定されている。止まり側の機械的緩衝装置42は、チャンバ33の止まり側40に位置するように、ピストン38に固定されている。
ピストンロッド43は、ピストン38と共にポンプ本体32に対して前後に移動することができるように、ピストン38から本体32の上壁35の開口を通って延在している。(図示されていない)シールによって、流体が該開口を通ってチャンバ33から漏出しないように阻止されている。
浮力アクチュエータ44が、繋ぎ紐45によって、ピストンロッド43の上端に接続されている。
装置30は、止まり側流体圧回路46も備えている。流体圧回路46は、チャンバ33の止まり側40および止まり側流体圧アキュムレータ47を備えている。回路46は、閉じており、流体は、チャンバ33の止まり側40とアキュムレータ47との間のみで交換されることになる。アキュムレータ47は、流体がアキュムレータ47とチャンバ33の止まり側40との間で流れることができるようにするために、ホース48によってチャンバ33の止まり側40に接続されている。ピストン止めリングによるポンプ口の障害物によって影響される緩衝区域以外は、止まり側流体圧アキュムレータ47には、常時、最小限のインピーダンスしかもたらされていない。
止まり側回路46内の流体は、標準的に用いられる流体とガスとの混合物を含んでいる。アキュムレータ47は、ここでは、純粋にリザーバであり、理想的にはどのような緩衝をもたらすものでもない。
止まり側回路46内の流体は、低粘度流体であるとよい。多くのピストンアキュムレータと同じように、止まり側が、流体と比較して流体力学的損失の低い窒素のようなガスによって、完全に充填されていてもよい。これによって、アキュムレータのコストを著しく低減させ、アキュムレータを小形化することができるという利点も得られる。
止まり側回路46内の流体は、高潤滑性、すなわち、高潤滑能力を有する流体を含んでいてもよい。この潤滑によって、ピストンシールの寿命を改良することができる。また、(図示されていないが)、この流体を用いて、ロッドシールを毛細管を介して潤滑することもできる。潤滑流体の必要量が比較的少ないので、追加的なコストは、保守および停止時間の節約によって、相殺されるだろう。
装置30は、ホース50によってチャンバ33の作用側39に接続された出口逆止弁49も備えており、これによって、流体は、チャンバ33から弁49を通って、矢印「A」によって示されている方向に流れることができる。入口逆止弁51が、出口逆止弁49およびホース50に並列に接続されており、これによって、流体は、矢印「B」によって示されている方向に沿って、弁51を通ってチャンバ33内に流れることができる。
出口流体圧アキュムレータ52が、出口逆止弁49に並列に接続されている。入口流体圧アキュムレータ53が、入口逆止弁51に並列に接続されている。
図1を特に参照すると、使用時に、装置30の一部は、水面55および平均潮位56を有する海または海洋のような沖合の水域54に配置されている。流体圧ポンプ31は、水域54の海床57に載置された基部37に固定されている。ポンプ31は、基部37に対して枢動することができるように、基部37に固定されている。逆止弁49,51およびアキュムレータ47,52,53は、沖合に位置する流体圧インターフェースユニット58内に配置されている。流体圧インターフェースユニット58の高圧出口は、高圧パイプラインによって陸上プラント59の高圧入口に接続されており、流体圧インターフェースユニット58の低圧入口は、低圧パイプラインによって陸上プラントの低圧出口に接続されている。
浮力アクチュエータ44は、水域54内に置かれている。従って、水域54の波運動およびアクチュエータ44の正浮力によって、アクチュエータ44は、波擾乱の運動に追従し、上方に押され、繋ぎ紐45に力を加え、次いで、繋ぎ紐45がピストン38をチャンバ33内においてポンプ本体32の上壁35に向かって上方に移動させることになる。ピストン38が上方に移動すると、チャンバ33の作用側39の流体が、チャンバ33からホース50および出口逆止弁49を通って矢印Aによって示されている方向に押し出されることになる。
出口逆止弁49を通って汲み出された流体のエネルギーの一部は、出口アキュムレータ52内に貯蔵されるようになっている。出口アキュムレータ52は、(出口逆止弁49およびアキュムレータ52が一部をなしている)閉ループ流体圧回路の高圧区域を通る流体の流れを平滑化するように機能する。流体は、回路の残りを巡回し、その後、矢印Bによって示されている方向に沿って、回路の別の分岐を通ってポンプ31に還流するようになっている。
ピストン38がチャンバ33内において上方に移動すると、閉鎖されている止まり側流体圧回路46内の流体が、アキュムレータ47からホース48を通ってチャンバ33の止まり側40内に移動することになる。回路46内の流体は、高潤滑かつ低粘度の流体である。
作用側の機械的緩衝装置41は、ピストン38の上昇ストローク中にピストン38およびポンプ本体32が損傷するのを阻止するために、ピストン38がポンプ本体32の上壁35に達すると、該ピストン38の運動を緩衝するようになっている。特に、作用側の機械的緩衝装置41は、上昇ストローク中にポンプ31および繋ぎ紐45に加えられる衝撃荷重を低減することになる。
波底が装置30上を通過する最中に、浮力アクチュエータ44は、ピストン38の重量によって落下し、流体の力が、閉じた流体圧回路内に流れ、矢印Bの方向に沿って入口逆止弁51およびホース50を貫流することによって、チャンバ33の作用側39に戻ることになる。還流する流体のエネルギーの一部が、入口アキュムレータ53内に貯蔵されるようになっている。入口アキュムレータ53は、閉ループ流体圧回路の低圧区域を通る流体の流れを平滑化するように機能する。
ピストン38がチャンバ33内において下方に移動すると、チャンバ33の止まり側40内の高潤滑かつ低粘度の流体が、チャンバ33からホース48を通ってアキュムレータ47に戻ることになる。理想的には、アキュムレータ47は、どのような流体圧緩衝をもたらすことなく、単純にリザーバとして機能する。
止まり側の機械的緩衝装置42は、下降ストローク中にピストン38およびポンプ本体32が損傷するのを阻止するために、ピストン38がポンプ本体32の底壁36に到達したとき、該ピストン38の運動を緩衝する。特に、止まり側の機械的緩衝装置42は、下降ストローク中にポンプ31および繋ぎ紐45に加えられる衝撃荷重を低減することになる。
このサイクルは、波頂および波底が装置30を通り過ぎるたびに、繰り返されることになる。
図2を特に参照すると、装置30は、流体圧インターフェースユニット58に接続されたポンプ31と浮力アクチュレータ44とのアレイを備えていてもよい。
図4を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための流体圧装置60は、装置30と類似している。従って、装置60,30の同様の特徴部には、同様の参照番号が付されている。
装置60は、ホース50によってチャンバ33の作用側39に並列に接続された作用側流体圧アキュムレータ61も備えているという点において、装置30と異なっている。従って、装置60では、流体がチャンバ33と作用側流体圧アキュムレータ61との間に流れることができる。
さらに、装置60は、流体圧インターフェースユニット62を備えている。インターフェースユニット62は、止まり側流体圧アキュムレータ47、出口逆止弁49、入口逆止弁51、出口流体圧アキュムレータ52、入口流体圧アキュムレータ53、および作用側流体圧アキュムレータ61を備えている。
流体圧インターフェースユニット62は、出口63および入口64を備えている。
装置60の操作は、アキュムレータ61が上昇ストローク中のピストン38を流体的に緩衝し、作用側の機械的緩衝装置41によってもたらされる機械的な緩衝を増強させる点を除けば、装置30の操作と実質的に同じである。
流体圧インターフェースユニット62は、装置60のポンプ31および浮力アクチュエータ44と共に、沖合に配置されている。
図5を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための流体圧装置70は、軸流流体圧ポンプ71を備えており、該ポンプ71は、チャンバ73を画定するポンプ本体72を備えている。ポンプ本体72は、上壁75によって閉鎖された上端を有する側壁74を備えている。側壁74の上部76は、側壁74の下部77よりも厚くなっており、これによって、チャンバ73の上部分78は、チャンバ73の下部分79よりも狭くなっている。側壁74の上部76は、上側ポート80および下側ポート81を備えている。
ピストン82は、チャンバ73を作用側83と止まり側84とに仕切るように、かつチャンバ73内において前後に摺動することができるように、チャンバ73内に収容されている。ピストン82は、上部85およびより広い下部86を備えている。ピストン82の下部と違って、ピストン82の上部85は、図5に示されているように、チャンバ73の上部分78内に収容されるように十分に狭くなっている。凹縁87が、ピストン82の上部85の上側周囲に沿って延在している。凹縁87は、垂直面88および下方傾斜面89を備えている。凹縁87は、ピストン82が上側ポート80を完全に覆うことを阻止するものである。
ピストン82と側壁74との間のシール90によって、流体がピストン82を超えて作用側83と止まり側84との間に流れるのが阻止されている。
ピストンロッド91が、ピストン82と共に本体72に対して前後に移動することができるように、ピストン82からポンプ本体72の上壁75の開口を通って延在している。シール92によって、流体が上壁75の開口を通ってチャンバ73から漏出するのが阻止されている。
作用側流体圧アキュムレータ93は、流体がチャンバ73の作用側83と作用側流体圧アキュムレータ93との間で前後に自由に流れることができるようにするために、ホース94によって上側ポート80に接続されている。
ホース95が下側ポート81に接続されている。高圧流体が、チャンバ73から下側ポート81およびホース95を通って、矢印「A」によって示されている方向に流出することができ、低圧流体が、矢印「B」に示されている方向に沿って、下側ポート81およびホース95を通ってチャンバ73に流入することができる。
図6を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置100は、ペルトンタービン101を含む流体圧負荷を備えている。この負荷は、タービン101によって駆動される(図示されない)発電機を含んでいてもよい。
装置100は、流体圧ポンプ31を備える装置60も備えている。ポンプ31は、流体を装置100内に汲み出すように作動され、これによって、タービン101を駆動することになる。
流体圧制御装置102は、ポンプ31によって装置100内に汲み出される流体を制御するようになっている。特に、制御装置102は、装置100の高圧区域および低圧区域における流体の圧力および流量を制御するようになっている。
制御装置102の入口103は、高圧パイプライン104によって、流体圧インターフェースユニット62の出口63に接続されている。制御装置102の出口105は、高圧パイプライン107によって、タービン101の入口106に接続されている。タービン101の出口108は、低圧パイプライン110によって、制御装置102の入口109に接続されている。制御装置102の出口111は、低圧パイプライン112によって、流体圧インターフェースユニット62の入口64に接続されている。
図6に示されている装置100のような閉ループ装置を用いて、完全に閉鎖したポンプ制御をもたらすことができる。力の入力およびポンプ排出によって、陸上側の流体圧制御システムならびに沖合側の波エネルギー装置および流体圧インターフェースユニットの操作を管理するために、制御アルゴリズムが実装されている。この制御アルゴリズムは、出力(排水)を最大にするのみならず、ポンプストロークの上端および下端の衝撃を低減させるように、入口ポンプ圧力および出口ポンプ圧力を管理することができる。このアルゴリズムは、プラントの動力出力を改良すると共に、ポンプ31の損傷/摩耗を低減するようになっている。また、この方法は、ポンプストロークが潮差を含むほど十分長い場合、潮の運動を補償することも可能である。
装置100は、潮の変動に応じて、水柱内の浮力アクチュエータの平均水位に対する静止位置を一定に保持するべきである。これは、閉ループ制御構成によって達成することができる。
制御アルゴリズムは、現地位置に特有のものとされ、局部的な波の形態および潮差に関する情報を含んでおり、現地における波エネルギーコンバータの最適操作をもたらすようになっている。例えば、波エネルギーコンバータは、西オーストラリアのコスト、欧州の区域、および一部のフランス海外領に配備されている。これらの場所のいずれもが、異なる潮差および異なる波統計を有している。現地に特有なものとなるように適合された制御アルゴリズムを用いることによって、同一の汎用プラントおよび陸上ハードウエハをそれぞれの現地に最適に配備することが可能である。
さらに、制御アルゴリズムは、浮力アクチュエータの浮力の人工的制御、すなわち、疑似制御を可能にする。これは、浮力アクチュエータ44の物理的な浮力を人工的に低減するように、ポンプ入口圧を管理することによって、達成される。これによって、より小さい波浪状態中に浮力アクチュエータ44の操作(下向き運動)を可能にするという利点が得られる。出口圧は、浮力アクチュエータの有効浮力を変更できない。しかし、同様の方法によって、ある波浪状態の範囲内における操作(上向き運動)を確実にするように、該出口圧を管理することができる。
加えて、制御アルゴリズムによって、ある程度の流体圧による「引張力(stretch)」を繋ぎ紐の伝達機能に組み入れることができる。装置100の必要な剛性特性は、通常、機械的な繋ぎ紐の引張力だけでは達成できないが、流体圧回路内のアキュムレータを用いることによって、流体圧による「引張力」をもたらし、必要な剛性特性を達成することができる。
装置100は、緩衝性エネルギー回復をもたらすことができる。装置100のアキュムレータを用いて、ピストン運動の緩衝位相中に緩衝エネルギーの一部を吸収することができ、後続の作動流体による吸収を行うために、このエネルギーをシステムに戻すことができる。
前述の特徴の各々は、装置100に個別に適用されてもよいし、または漸次的に適用されてもよい。
また、前述の特徴の各々は、波運動からエネルギーを抽出するための流体圧装置以外の流体圧装置または流体圧システムに適用されてもよい。例えば、これらの特徴は、
・ 流体圧ポンプへの可変力の入力、
・ 流体圧ポンプの過激な運動による損傷の可能性、および
・ システム内で補償されねばならない長期の摩耗または漏れ
が存在する流体圧装置または流体圧システムに適用可能である。
図7を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置120は、軸流流体圧ポンプ121を備えており、該ポンプ121は、チャンバ123を画定するポンプ本体122を備えている。ポンプ本体122は、側壁124を備えている。側壁124は、上壁125によって閉鎖された上端および底壁126によって閉鎖された下端を有している。底壁126は、(図示されない)基部に取り付けられるように構成されている。
ピストン127は、チャンバ123を作用側128と止まり側129とに仕切るように、かつチャンバ123内において前後に摺動することができるように、チャンバ123内に収容されている。ピストン127と側壁124との間の(図示されない)シールによって、流体がピストン127を超えて作用側128と止まり側129との間に流れるのが阻止されている。
ピストンロッド130は、ピストン127と共に本体122に対して前後に移動することができるように、ピストン127からポンプ本体122の上壁125の開口を通って延在している。(図示されない)シールによって、流体が該開口を通ってチャンバ123から漏出するのが阻止されている。
出口逆止弁131が、迅速継手132を介してチャンバ123の作用側128に接続されている。入口逆止弁133が、迅速継手132を介して作用側128に並列に接続されている。入口逆止弁133は、迅速継手134によって、チャンバ123の止まり側129にも並列に接続されている。シーケンス弁135が、出口逆止弁131および入口逆止弁133に並列に接続されている。
流体圧制御弁140が、出口流体圧アキュムレータ141に直列に接続されている。流体圧制御弁140は、出口逆止弁131およびシーケンス弁135に並列に接続されている。
流体圧制御弁142が、入口流体圧アキュムレータ143に直列に接続されている。流体圧制御弁142は、シーケンス弁135に並列に接続されている。
圧力変換器144が、装置120の高圧区域の圧力を検出し、流量計145が装置120の高圧区域の流体の流量を測定するようになっている。
比例スロットル弁146が、流量計145に直列に接続されており、圧力変換器147が比例スロットル弁146から流出した流体の圧力を測定するようになっている。
比例スロットル弁146から流出した流体がタービン148を駆動し、該タービンが冷却器用の水ポンプ149を駆動するようになっている。
タービン148から流出した低圧流体は、水ポンプ150を駆動し、ポンプ121に戻る流体を冷却するようになっており、シーケンス弁135に並列に接続された逆止弁151を通過するようになっている。
弁140,142、圧力変換器144,147、流量計145、比例スロットル弁146、およびシーケンス弁135は、装置120の操作を制御するための制御装置または制御システムの一部をなしている。
装置120は、エネルギーを漏出させるようになっているとよい。すなわち、装置120は、過剰エネルギーを消失するようになっているとよい。例えば、もしタービン148が配電網に接続された発電機を駆動しており、この配電網が故障した場合、装置120は、タービン148を回転するためにエネルギーを用いるよりはむしろ該エネルギーを消失するようになっているとよい。エネルギーは、ポンプチャンバ123内の圧力が低くなるように装置120を運転することによって、または水を機械的に加熱し、ポンプ31が位置する水域をヒートシンクとして用いることによって、消失されるとよい。シーケンス弁135が、タービン148をバイパスするように操作されてもよい。
装置30,60,70,100,120の閉ループ運転によって、本明細書に記載されている技術革新の多くが可能になる。
重要なことは、これらの装置の閉ループモードの運転によって、普遍化または標準化されたハードウエア一式を世界中の多くの異なる場所において用いることが可能になり、かつ各装置の応答をリアルタイムで能動的に調整するかまたは事前に調整し、異なる波浪条件に適応させ、潮の変動に対応させ、最も一般的には、種々の場所における広範囲の予想運転状況に適応させることが可能になることである。
ポンプ、浮力アクチュエータ、縛り紐、および流体圧機器の普遍化または標準化されたシステムまたは集合体を有する利点は、このような機器の製造が、無駄をなくし、大量に、従って低コストで達成される点にある。各組の機器は、現地に配備される時に、閉ループ流体圧システムに有効な制御アルゴリズムを介して、最適化することができる。現地ごとに、該現地の波浪動力学および潮流動力学に応じて作動流体の運動を制御し、エネルギーの出力を最適化し、沖合機器の摩耗または損傷を最小限に抑える、特定用途向けの操作アルゴリズムをもたらすことができる。
図8を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置160は、軸流流体圧ポンプ161を備えており、該ポンプ161は、チャンバ163を画定するポンプ本体162を備えている。ポンプ本体162は、側壁164を備えている。側壁164は、上壁165によって閉鎖された上端および底壁166によって閉鎖された下端を有している。底壁166は、ポンプ161が位置する水域の床に置かれているかまたは固定されている(図示されない)基部に取り付けられるように構成されている。
ピストン167は、チャンバ163を作用側168と止まり側169とに仕切るように、かつチャンバ163内において前後に移動することができるように、チャンバ163内に収容されている。ピストン167と側壁164との間の(図示されない)シールによって、流体がピストン167を超えて作用側168と止まり側169との間に流れるのが阻止されている。
ピストンロッド170は、ピストン167と共に本体162に対して前後に移動することができるように、ピストン167からポンプ本体162の上壁165の開口を通って延在している。(図示されない)シールによって、流体が該開口を通ってチャンバ163から漏出するのが阻止されている。
ポンプ161は、ポンプ161の止まり側169に接続された出口逆止弁171も備えている。逆止弁171は、流体が該弁を通ってポンプ161に向かって逆流するのを防ぐものである。
図示されていないが、浮力アクチュエータが、縛り紐によってピストンロッド170の上端に接続されている。
調整側または作用側流体圧アキュムレータ172が、ホース173によって、ポンプ161の作用側168に接続されている。アキュムレータ172は、出口逆止弁175によって出口流体圧アキュムレータ174に接続されている。出口逆止弁175は、流体が該弁を通ってポンプ161に向かって逆流するのを防ぐものである。制御可能な出口弁176が、出口アキュムレータ174を熱交換器177に接続している。熱交換器177は、逆止弁179によって中間流体圧アキュムレータ178に接続されている。逆止弁179は、流体が該弁を通って熱交換器177に向かって逆流するのを防ぐものである。制御可能な入口弁180が、入口逆止弁181に接続されている。入口逆止弁181は、ポンプ161の作用側168に接続されており、流体が該弁を通ってポンプ161から離れる方に流れるのを防ぐものである。入口流体圧アキュムレータ182が、逆止弁181によってポンプ161の作用側168に接続されている。タービン183および逆止弁184は、弁176、熱交換器177、アキュムレータ178、逆止弁179、および弁180に並列に接続されている。タービン183は、発電機185を駆動するものである。
圧力逃し弁186が、弁176、熱交換器177、アキュムレータ178、および逆止弁179に並列に接続されている。圧力逃し弁186は、装置160の流体圧回路の高圧側の過剰加圧を防ぐように機能するものである。圧力逃し弁186は、制御可能な弁であるとよい。
逆止弁171が、ホース188によって、排出側/止まり側流体圧アキュムレータ187に接続されており、補給電気ポンプ189にも接続されている。逆止弁190が、逆止弁181およびアキュムレータ182に並列に接続されている。逆止弁190は、流体が該弁を通ってポンプ189に向かって流れるのを防ぐものである。
ポンプ189は、アキュムレータ187を備える流体圧回路の止まり側に溜まっている流体を該ポンプ189の出口に接続された流体圧回路の作用側に戻すことができるようになっている。
図9を参照すると、発電機185は、電力を充電装置191に供給するようになっている。充電装置191は、外部バッテリ充電モジュール192に接続されている。充電装置191および/または外部バッテリ充電モジュール192は、バッテリ193およびバッテリ194を充填するものである。バッテリ194によって、電力が電気ポンプ189に供給されるようになっている。バッテリ193によって、電力が計測制御システム/制御装置195に供給されるようになっている。
複数のセンサ196が、制御装置195の1つまたは複数の入力側に接続されている。センサ196の例として、装置160内の作動流体の圧力、温度、および流量を検出する圧力センサ、温度センサ、および流量センサを含む種々の形式のセンサが挙げられる。
出口弁176、入口弁180、および補給電気ポンプ189は、制御装置195が出口弁176、入口弁180、およびポンプ189の操作を制御することができるように、制御装置195の出力側に接続されている。制御装置195は、センサ196の出力に応じて、出口弁176、入口弁180、およびポンプ189の操作を制御するようになっているとよい。換言すると、制御装置195は、センサ196によって検出された圧力、温度、および流量に応じて、出口弁176、入口弁180、およびポンプ189の操作を制御するようになっているとよい。
圧力逃し弁186は、該弁186の操作が制御装置195によっても制御可能であるように、制御装置195の出口側にも接続可能になっているとよい。
制御装置195は、装置160が該装置160の位置する水域の波運動から最適なまたはほぼ最適な量のエネルギーを抽出、変換、または伝達することができるように、出口弁176、入口弁180、ポンプ189、および/または圧力逃し弁186を制御するようになっているとよい。
流体圧回路の吸入圧および吐出圧を変化させることによって、ピストンストロークのある程度の制御が可能になる。一定の波浪状態の期間における平均制御圧力(Hsig=0.45m、Tsig=3s)/種々の吸入圧および吐出圧の範囲に対する(/対)装置160のような流体圧装置の平均ピストンストローク限界の範囲/ピストン排出量の範囲が、図10に示されている。吸入圧力範囲の最大値が減少するにつれて、ピストン排出量の範囲の最小値が増大することが分かるだろう。他の波浪状態に対しても、同様のチャート/グラフを得ることができる。
流体圧システム/装置160の構想は、ポンプ入口およびポンプ出口において適切な圧力を維持することができる閉ループシステム/装置160である。ポンプが作動すると、流体圧回路内に圧力および流れが生じる。流体圧回路の圧力は、2つの制御弁176,180によって制御されることになる。1つの制御弁(すなわち、出口弁176)は、ポンプ161外の圧力を制御し、他の制御弁(すなわち、入口弁180)は、ポンプ161内の圧力を制御するようになっている。これらの弁(出口弁176および入口弁180)は、システム/装置160内の2つの主要制御「レバー」である。制御弁176,180は、いずれも、種々の波浪形態に対して圧力を変更するために、遠隔制御されるようになっている。このシステム構成の場合、ペルトンタービンは、ポンプ161によって生じたエネルギーを消失させる手段としての2つの制御弁および熱交換器177に置き換えられている。止まり側169では、どのような流体伝達も行われない。ポンプ拡張中に、部分的な真空が生じる。ピストンシールを介する内部漏れが生じた場合、流体は、漏れ配管を通して排出されるようになっており、逆止弁171によって、流体がポンプ/ピストン167/ピストンロッド170の拡張中にポンプ161内に逆流するのが阻止されている。
ロッド側/調整側/作用側の流体圧アキュムレータ172は、システム/装置160の最適化において鍵となる役割を果たすものである。アキュムレータ172のガス充填およびガス量を調整することによって、動力流および動力流の動力学を制御することが可能である。また、調整側/作用側の流体圧アキュムレータ172ならびに出口アキュムレータ174および入口アキュムレータ182の適切な調整によって、「ウオータハンマー」、すなわち、運動量移行効果と同様の動力学的効果を低減させることができることも、この閉ループシステム/装置160の特徴である。運動量移行効果は、逆止弁の1つまたは複数が跳ね返ることによって生じるものである。
圧力逃し弁186は、システム/装置160の過剰加圧を防ぐものである。システム/装置160の構想は、流体圧エネルギーを貯蔵し、圧力変動を管理することを可能にするために、ポンプ161のロッド側/作用側168にアキュムレータ172,174,178,182を備えている。排出側/止まり側アキュムレータ187は、装置160の主要(すなわち、作用側)流体圧回路内に再加圧される前に、ポンプまたはシステムレベルにおける内部漏れから生じた作動流体を貯蔵するようになっている。逆止弁171,175,179,181,184が、流体圧回路を通る作動流体の流れが正確な方向に生じることを確実なものとする。また、システム/装置160を調整し、生じた動力を最適化するために、ポンプ出口逆止弁175の直前に、調整側/作用側流体圧アキュムレータ172が設けられている。
装置160を通る流体の流れは、「穏やかな(soft)」流れと「激しい(hard)」流れとの間で変更可能になっている。ポンプ161への最小負荷に対応する「穏やかな流れ」の場合、圧力逃し弁186は、流体のかなりの部分が弁186を通って汲み出されるように、完全に開放されている。ポンプ171への最大負荷に対応する「激しい流れ」の場合、圧力逃し弁186および入口弁180は、完全に閉鎖され、出口弁176が完全に開放されるようになっている。
小形バッテリによって作動されるポンプ(すなわち、補給電気ポンプ189)は、ポンプ161の作用側168からの内部ポンプ漏れによって失われた流体をポンプ161の止まり側169に戻すものである。
図9に記載/図示されているように、全ての計器/センサ196、弁176,180、および戻り/補給電気ポンプ189は、局所的に取り付けられた制御システム/制御装置195と相互作用するようになっている。システム/装置160は、2つのバッテリ193,194を備えている。主バッテリ(すなわち、バッテリ193)は、計器/センサ196、弁176,180、および制御システム/制御装置195を備える計測制御システムに電力を供給するものである。第2のバッテリ194は、補給ポンプ189および補助機器に電力を供給するものである。
図11を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置200は、軸流体圧ポンプ201を備えており、該ポンプ201は、チャンバ203を画定するポンプ本体202を備えている。ポンプ本体202は、側壁204を備えている。側壁204は、上壁205によって閉鎖された上端および底壁206によって閉鎖された下端を備えている。底壁206は、ポンプ201が位置する水域の床に置かれているか、または固定されている(図示されない)基部に取り付けられるように構成されている。
ピストン207が、チャンバ203を作用側208と止まり側209とに仕切るように、かつチャンバ203内において前後に移動することができるように、チャンバ203内に収容されている。ピストン207と側壁204との間の(図示されない)シールによって、流体がピストン207を超えて作用側208と止まり側209との間に流れるのが阻止されている。
ピストンロッド210が、ピストン207と共に本体202に対して前後に移動することができるように、ピストン207からポンプ本体202の上壁205の開口を通って延在している。(図示されない)シールによって、流体が該開口を通ってチャンバ203から漏出するのが阻止されている。
ポンプ201は、ポンプ201の止まり側209に接続された逆止弁211も備えている。
図示されていないが、浮力アクチュエータが、縛り紐によってピストンロッド210の上端に接続されている。
ロッド側/調整側/作用側の流体圧アキュムレータ212が、ホース213によってポンプ201の作用側208に接続されている。アキュムレータ212は、逆止弁215によって出口流体圧アキュムレータ214に接続されている。制御可能な出口弁216が、出口アキュムレータ214をタービンまたはペルトンホイール217に接続しており、これによって、弁216から流出する作動流体が、タービンまたはホイール217を回転させることができる。タービンまたはホイール217は、(図示されない)発電機に接続されていてもよく、これによって、タービンまたはホイール217の回転が、発電機を駆動し、電気を生成することができる。タービンまたはホイール217の出力側または出口は、タンクまたはリザーバ217に接続されており、これによって、タービンまたはホイール217から流出した低圧流体は、矢印218によって示されているようにリザーバ217内に流入することになる。リザーバ217は、ポンプ219、制御可能な入口弁220、逆止弁221、およびホース213によって、ポンプ201の作用側208に接続されている。ポンプ219は、流体をポンプ201に向かって汲み出すように操作可能である。中間流体圧アキュムレータ222が、ポンプ219および入口弁220と並列にポンプ201の作用側208に接続されている。入口流体圧アキュムレータ223が、逆止弁221と並列にポンプ201の作用側208に接続されている。圧力逃し弁224および圧力逃し弁225が、(ポンプ201の作用側に接続された)流体圧回路の高圧側と該流体圧回路の低圧側との間に接続されている。圧力逃し弁224および/または圧力逃し弁225は、制御可能であるとよい。
逆止弁211は、ホース227によって排出/止まり側流体圧アキュムレータ226に接続されており、補給電気ポンプ228にも接続されている。逆止弁229が、ポンプ228をリザーバ217に接続している。ポンプ228は、アキュムレータ226を備える流体圧回路に溜まっている作動流体を(ポンプ228の出口に接続された流体圧回路の作用側にある)リザーバ217内に戻すことができる。
破線230の左に位置する装置200の構成要素の全てが、沖合の水域内に配置されており、破線230の右側に位置する装置200の構成要素の全てが、陸上に配置されている。
図11に示されていないが、装置200は、装置200の種々の構成要素に電力を供給する手段も備えている。例えば、タービンまたはペルトンホイール217が発電機を駆動する場合、該発電機は、電力を充電装置に供給することができる。充電装置は、バッテリ充電モジュールと一緒に、装置200の1つまたは複数のバッテリを充電し、これによって、装置200の種々の動力要素に電力を供給するようになっている。
各空気/ガス充填ライン231は、アキュムレータ212,214,222,223,226の各々を(図示されない)充電空気/ガスの1つ、または複数の陸上源(shore-based sources)に接続している。
装置160と同様に、装置200は、(図示されない)計測制御システム/制御装置も備えているとよい。この制御装置には、装置200のバッテリから電力が供給されるとよい。
(図示されない)複数のセンサが、装置160の制御装置の1つまたは複数の入力側に接続されている。センサの例として、装置200内の作動流体の圧力、温度、および流量を検出する圧力センサ、温度センサ、および流量センサを含む種々の形式のセンサが挙げられる。
出口弁216、入口弁220、補給ポンプ228、圧力逃し弁224、および/または圧力逃し弁225は、制御装置によって制御されるようになっているとよい。制御装置は、制御装置の入力側に接続されたセンサの出力に応じて、出口弁216、入口弁220、補給ポンプ228、圧力逃し弁224、および/または圧力逃し弁225の操作を制御するようになっているとよい。換言すれば、制御装置は、種々のセンサによって検出された圧力、温度、および流量に応じて、出口弁216、入口弁220、補給ポンプ228、圧力逃し弁224、および/または圧力逃し弁225の操作を制御するようになっているとよい。
制御装置は、装置200が該装置200の位置する水域の波運動から最適な、または、ほぼ最適な量のエネルギーを抽出、変換、または伝達することができるように、出口弁216、入口弁220、補給ポンプ228、圧力逃し弁224、および/または圧力逃し弁225を制御するようになっているとよい。
ポンプチャンバ203の作用側208への単一のライン/ホース/パイプが設けられており、調整側/作用側流体圧アキュムレータ212が、このラインに接続されている。排出側/止まり側流体圧アキュムレータ226および陸上に位置する電気補給ポンプ228は、ポンプ201の止まり側209から漏れた流体をポンプ201の作用側に接続された主流体圧回路の入口ラインに送るようになっている。圧力逃し弁224は、ポンプ201の近くのループの沖合端における主流体圧回路の出口ラインおよび入口ラインに接続されている。圧力逃し弁224は、主流体圧回路内の過剰圧力に対する安全機構をもたらすものである。(設けられていてもよいし、設けられていなくてもよく、もし設けられているなら、陸上に配置されているとよい)圧力逃し弁225は、沖合側圧力逃し弁224が故障した場合の予備弁をもたらすものである。
作動流体の出口流/流出流は、タービン217を駆動し、タービン217の出口の使用済み/低圧流体は、再加圧のためにリザーバ/貯蔵タンク217に戻され、次いで、ポンプ201に戻される。矢印付きライン231は、陸上に向かっており、これは、制御ポイントを指している。ライン231および種々のアキュムレータ内のガス充填は、制御アルゴリズムに従って、陸上から変更されるとよい。
出口制御弁216の機能は、ペルトンタービン/ホイール217用の(スピア弁とも呼ばれる)入口弁によって果たされてもよい。この場合、別の出口弁216を設ける必要がない。何故なら、該弁がペルトンタービン/ホイールアセンブリ217内に含まれているからである。
図12を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置250は、該装置250が8つの軸流流体圧ポンプ/波エネルギーコンバータ(WEC)201のアレイを備えている以外は、装置200と同様である。ポンプ201の各々は、ポンプ201の作用側208に接続された各調整側/作用側流体圧アキュムレータ212および逆止弁215,221を有している。装置250は、多重「CETO」ユニットを備える大規模システムをモデル化させたものである。
逆止弁215の各々は、マニホールド251に接続されており、逆止弁221の各々は、マニホールド252に接続されている。マニホールド251は、出口流体圧アキュムレータ214に接続されており、マニホールド252は、入口流体圧アキュムレータ223に接続されている。
各ポンプ201の止まり側は、1つまたは複数のホース227および逆止弁211を介して、1つまたは複数の排出側/止まり側流体圧アキュムレータ226に接続されているとよく、逆止弁229を介して装置250のリザーバ217に接続され得る補給電気ポンプ228にも接続されているとよい。
星印の付いた各空気/ガス充填ライン231は、装置250のアキュムレータ212,214,222,223,226の各々を(図示されない)充電空気/ガスの1つまたは複数の陸上源に接続している。
典型的には、装置250のポンプ201は、縦に3列を超えないアレイで配置されている。
ポンプ201は、互いに同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
図12に示されている形式の典型的なプラント/装置では、該装置は、沖合で互いに接続された8つのポンプ201からなる多重アレイから構成することができ、沖合の蓄積によって流れを陸上のタービン/ペルトンホイールに供給するようになっている。陸上の外部ポンプ219は、沖合ポンプ201のピストンを駆動するために、流れを該ポンプに還流するようになっているとよい。これは、一例として、図12に概略的に示されている。代替的に、タービン/ペルトンホイール217における加圧流体は、ポンプ201のピストンを駆動するために、ポンプ201に供給されるようになっているとよい。
ポンプWEC/ポイントWECを利用する操作可能なパワーステーションは、多数のユニットから構成されているとよい。ユニットの数は、パワーステーションの全動力出力要求によって決定されることになる。ポイントWECは、エネルギーの単一ポイント吸収体として挙動するWECとして理解されたい。
以上は、波エネルギー装置を制御し、最適化するための種々のシステムについて述べたものである。波エネルギー装置は、流体動力を取り出す波エネルギーコンバータ(WEC)、例えば、(WECの特殊な形式である)CETOを備えている。WECは、閉ループモードで運転されるようになっている。閉ループは、高圧の装置出口ラインおよびかなり低圧の入口(戻り)流体ラインを備えている。閉ループ内を循環する流体は、実質的に水性である。この流体は、エネルギーを陸上に伝達するものである。流体は、圧力および流量を介して、エネルギーを移送することになる。加えて、陸上には、タービンまたは圧力交換用エンジンのような流体機械装置を介して作動流体からエネルギーを取り出す手段が設けられている。
システムは、陸上および/または沖合に配置された制御要素を備えているとよい。制御要素は、出口ラインおよび陸上の入口ラインにおける圧力および流量を調整する弁を備えているとよい。加えて、制御要素は、入口ラインと出口ラインとの間に配置された沖合側圧力逃し弁を備えているとよい。また、制御要素は、沖合に配置された流体圧アキュムレータを備えているとよい。さらに、制御要素は、陸上に配置された流体圧アキュムレータであって、一方が出口ラインに接続されており、他方が入口ラインに接続されている、流体圧アキュムレータを備えているとよい。さらに、制御要素は、陸上において、入口ラインと出口ラインとの間に配置された圧力逃し弁を備えているとよい。
上記システムは、制御アルゴリズムを用いて、制御要素を制御するようになっているとよい。例えば、もし流体圧弁およびアキュムレータへのガス充電手段が、制御要素として設けられているなら、制御装置を用いて、それらを制御するようになっているとよい。
制御アルゴリズムは、以下の機能の1つまたは複数を行うようになっているとよく、または以下の特性の1つまたは複数を有しているとよい。
a.アキュムレータの容積変化(弁の開閉)によって、拘束ピストン端と非拘束ピストン端との間(これら端を含む)におけるCETOWECの機械的剛性を調整すること。「拘束ピストン(piston-constrained)」は、作動流体が、調整アキュムレータによって許容される程度まで、流体圧回路の内側で移動が拘束されることによって、ピストンの運動が最小限に抑えられている状態を指しており、「非拘束ピストン(piston free)」は、入口回路と出口回路との間で流体が自在に流れ、ピストンがその自重および加えられる外力の影響によって自在に運動することができる状態を指している。
b.CETOの場合、潮流によって生じるような水深の緩慢な変動に適応するように、ポンプのピストンの基準位置を調整すること。
c.近接波測定装置によるリアルタイム入力値に従って、WEC装置の制御要素を調整すること。このような装置は、海面状態を定める瞬間的な波高(H)、瞬間的な波周期(T)、瞬間的な波拡散(θ)、および任意の他の関連パラメータを記録し、このデータをリアルタイムでアルゴリズムにもたらすようになっているとよい。
d.c)において、動力Pが瞬間的な最大値になるように、設定値を調整すること。
e.c)において、動力Pが瞬間的な最小値になるように、設定値を調整すること。もし保守または検査が行われている場合、このような条件が望ましい。
f.c)において、Pが確率pmで最小値Pmを超えるように、設定値を調整すること。
g.事前設定テンプレートFを適用し、時間間隔τにおいてWECによって送達される全動力を最大にするように、制御要素3)の値を規制すること。
h.時間間隔τは、観測上の基準時点τεの秒から分、時間の範囲内における変数であるとよい。例えば、標準的な沖合の実行時間は、連続的な不規則海面状態の場合、20分であり、激しい海面状態の場合、3時間である、
i.各基準時点τεは、アルゴリズムAの設定操作点およびアルゴリズムAによって行われる制御の範囲を定める特有テンプレートFεに関連付けられている。
j.制御アルゴリズムAは、i)の一連のテンプレートF
εを含んでいるとよい。各テンプレートは、協働して、任意の観測時点における最短時間と最長時間との間の最適エネルギー出力E
maxをもたらすことになる。すなわち、アルゴリズムAは、常に、最大積分エネルギーE
maxをもたらすように調整されるようになっている。
k.特定のアルゴリズムAは、以下の条件の1つまたは複数に特有の成分を含むアルゴリズムの集合Aiから導かれるようになっているとよい。
a.特定の地理学的箇所;
b.特定の水深および海底地形;
c.特定類別の波活動、例えば、強力な波活動、沖合の波活動、穏やかな波活動、沿岸の波活動、またはこれらの組合せ;
d.特定の季節、例えば、冬、夏;
e.WECの特定の構成;
f.同時係属中のCETO特許出願に記載されているようなエネルギー緩和機構を含むWECの特定の物理的構成;
g.WECの老朽化、状態、運転歴に対応するWECの特定の物理的状態;
h.WECの構成における任意の他の変更;
i.年間の支配的な海面状態(例えば、西オーストラリアの湾岸から離れたガーデン島の現場は、6〜8つの支配的な海面状態を有している);および
j.特定の安全/緊急条件。
ここでは、前述したような閉ループ系をなす、入口配管および出口配管の共通組に一緒に並列に接続されたWECのアレイを備えるシステムについても、述べられている。
WECのアレイを備えるシステムでは、アルゴリズムAの最適化は、波拡散にも影響されるようになっている。アルゴリズムAiおよびテンプレートFεは、単一WECのものと実質的に異なっている。多重ユニットの場合、そのアルゴリズムが単一ユニットのアルゴリズムと大きく異なっている点は、ユニット間の流体圧的相互作用であることに留意されたい。
また、前述したシステムの全てに記載されているシステムであって、アルゴリズムAiが最適フィルター手法によって生じるようになっている、システムも記載されている。
単一CETOユニットのような単一ポイント吸収体波エネルギーコンバータ(WEC)の応答は、動力関数P(H,T,θ)を用いて、数学的に記述することができる。動力関数P(H,T,θ)は、瞬間的な動力が、原理的に、瞬間的な波高H、瞬間的な波周期T、および瞬間的な波拡散の角度の関数であることを表している。実際の海は、多数の波方向、風波、大波、場合によっては、他の成分を有することがある。
関数Pは、瞬間的な動力を表している。
応答関数Pの生成は、多くの方法、例えば、
i.既知の周期Tおよび振幅Hの正弦波励起のパルス列によって単一WECを励起し、得られた瞬間的動力Pを測定する方法、または
ii.WECへの入力を、これらの変数の関数として動力出力を正確に記述する有限要素モデルおよび/または動的シミュレーションモデルによって、シミュレーションする方法、
によって、達成することができる。
上記のプロセスは、一般的に「パワーマトリックス(power matrix)」と呼ばれる瞬間的な波周期および瞬間的な波高に対する瞬間的な動力の3次元的表面マップをもたらすことになる。パワーマトリックスは、海面状態および3)において述べたように行われる制御を受けたシステムの機械的な応答を記述している。仮想正弦波擾乱の場合、関数Pを時間τにわたって積分することによって、所定値の波高および波周期によって時間τ内に送達される平均エネルギーが得られることになる。
実際の水波の波高および波周期は、時間的かつ空間的な確率的(無作為)変動を生じている。これらの変動およびこれらの変動間の相関関係を特徴付けるために、時間的かつ空間的な分布関数が用いられる。得られた分布、例えば、ピアソン・モスコビッチスペクトルのような経験的モデルは、単位周波数間隔当たりの(波高)2(m2/Hz)で表される波高スペクトル分布をもたらす。これらの分布関数が、所定の場所および所定の季節における典型的な波浪気候を記述し、予測することができる精度は、実データまたはモデル化データのデータ記録がいかに広範に該場所において入手可能であるかに依存している。現場における観察の記録またはモデル化の記録がより広範であるほど、データから導かれるモデルの予測動力における統計的信頼性のレベルが大きくなる。
所定の場所および所定の季節におけるWECの動力出力に関する統計的な予測性能は、(パワーマトリックスによる)機械応答と波モードとの畳込み、すなわち、畳込み関数から得られる。時間τにわたる全予測エネルギー出力は、この畳込み関数の時間積分によって与えられることになる。
もし畳込み関数がロバスト(robust)なものであるなら、すなわち、もし畳込み関数が高い統計的信頼性で動力出力を予測するのに用いることができるなら、この関数は、該関数を最適フィルターとして適用することによって、WEC(すなわち、装置160,200,250のような閉ループ流体圧装置)の応答を最適化するのに、用いることができる。最適フィルターは、所定の出力、この場合、WECによって生じるエネルギーを最大にするために、システム特性およびシステムを駆動する擾乱、この場合、波のスペクトル特性に関する知識を用いている。
最適フィルターを実装するプロセスは、制御アルゴリズムAiおよび5)において記載したFで表される制御アルゴリズムAiの関連する制御目標値および制御範囲をもたらすことになる。最適フィルター手法は、装置のエネルギー出力が時間間隔τにおいて最大化されるように、(3)において記載したような)WECの制御要素を変更する制御アルゴリズムをもたらすことになる。
最適フィルターおよび派生するアルゴリズムを生成する手法は、単一波の現地の場合、以下の通りである。
i.前述した方法を用いて、波エネルギーコンバータに対するパワーマトリックスPを決定する。このパワーマトリックスは、システムの状態変数の関数であると共に時間の関数でもある。状態変数は、吸込ループおよび戻りループにおける圧力および流量、およびシステム内の種々のアキュムレータのガス充填圧およびガス充填量を含んでいる。
ii.WECの物理的な設置場所に適用可能な海面状態に対して最もロバストなスペクトルモデルを決定する。前述の方法を用いる。ほぼ、任意の場所を所定数の支配的な海面状態によって記述することが可能である。
iii.海面状態スペクトル密度をパワーマトリックスに畳み込む。波高および波周期の変数の間に自然の相関関係が存在することに注意されたい。得られた伝達関数は、WECの状態変数および動的海洋のパラメータに対するユニットの動力生成に関連するものである。この関数が時間に対して積分され、所定の時間間隔におけるWECの平均エネルギー予測出力の推定値が得られる。このエネルギー推定値は、制御アルゴリズムが働いているWECの状態変数の関数であり、海洋擾乱のスペクトルを予期するのに用いられた海洋モデルのパラメータによって決定されたものである。
iv.ベクトル解析の技術を適用するエネルギー関数(状態変数)の多パラメータ最適化を行い、ニュートン・ラフソン法のような標準的ルーチンを用いて、局所的極値および包括的極値を見出す。数値解析および多変数最適化の分野の当業者であれば、これらの技術およびこれらの技術が適用される数学的条件に精通しているだろう。
v.エネルギー関数Emaxのベクトル空間内に操作点および安定操作領域を画定する。これによって、テンプレートFを生成する。
vi.制御システムの伝達関数を状態変数に適用し、制御アルゴリズムAを生成する。
vii.制御アルゴリズムのシミュレーションを行い、アルゴリズムAおよび目標値Fの精度および安定性を検証する。
viii.要求されるアルゴリズムAiに代入するのに必要な種々の海面状態に対して、ii)以降のステップを繰り返す。もしこの集合が機械の状態の変更を含んでいるなら、i)からステップを繰り返す。
アルゴリズムされるプロセスおよび後続のWECへの応用における重要な特徴は、このプロセスおよびWECへの応用が発見的(heuristic)であること、すなわち、WECの操作寿命にわたって学習する能力を有していることにある。所定の現地における波統計の初期のモデル推定値は、比較的不確実なものである可能性があるが、それらの予測の信頼性レベルは、WECが運転され、かつ波浪気候のより詳細な統計的具現性が蓄積されるにつれて、経時的に改良されることになる。学習は、この情報をii)においてアルゴリズム生成プロセスにフィードバックすることによって、達成される。同様に、機器の老朽化に関する情報を運転寿命にわたって収集し、i)においてアルゴリズム生成プロセスにフィードバックすることによって、パワーマトリックにも発見的な手法を導入し得る可能性がある。いずれも場合も、発見的な展開によって、より完全なアルゴリズムの集合AiおよびテンプレートFが得られ、これによって、波エネルギーコンバータの運転寿命中に直面するあらゆる条件下において、エネルギー出力を最適化することができる。
前述の検討および手法は、波力発電場(wave farm)、すなわち、多重WECのアレイにも同様に適用される。唯一の違いは、制御されるべき状態変数が多いことである。何故なら、プラントが極めて複雑である、かつ
a)パワーマトリックスに「拡散(spread)」と呼ばれる角度依存性が存在し、
b)WECアレイ内の個々のユニット間に相互作用効果が存在し、
c)海面状態に対する到来角度の分布を波モデル化に含ませる必要がある、
からである。
最適化に関する検討は、有益である。システムを最適化するために、
1.まず、パワーマトリックスを決定し、
2.パワーマトリックスおよび波モデルを用いて、システム伝達関数を作り、かつ最適化し、
3.物理的立地に対するロバストなスペクトルモデルを用いて、伝達関数を特定の現地に対して最適化する。ここで、制御アルゴリズムが適用されることになる。
装置のポンプを駆動する波は、不規則な入力コンディショナーである。これは、装置のポンプが不規則に駆動されることを意味している。従って、装置は、その出力を最大化するために、制御される必要がある。装置を制御するために、最適フィルターが用いられる。システム/装置のパラメータは、最適フィルターによって与えられるレシピ(recipe)に従って設定されることになる。最適フィルターは、通常、装置の場所、または季節、例えば、夏、冬、等によって異なっている、または変更されることになる。最適フィルターは、種々のパラメータを用いてシステム/装置を試験することによって、および/またはモデルを用いることによって、得られるとよい。最適フィルターに従って装置を制御することによって、装置の出力曲線に基づくエネルギーを最大化させることができる。
当業者であれば、ここに述べた本発明の変更および修正は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、明瞭なものであることを理解されたい。当業者には明らかなこれらの修正および変更は、本明細書において述べた本発明の広い範囲および領域内に含まれることが意図されている。
明細書および請求項を通して、もし文脈が他のことを要求していないなら、「備える(comprise)という用語あるいは「comprises」または「comprising」のような変形は、記述されている完全体または完全体の群を含むが、任意の他の完全体または完全体の群を排除するものではないことを理解されたい。
明細書および請求項を通して、もし文脈が他のことを要求していないなら、「実質的(substantially)」または「約(about)」という用語は、この用語によって示された範囲の値に制限されるものではないことを理解されたい。
もし先行技術文献がここに引用されているなら、該文献がオーストラリアまたは任意の他の国の技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものではないことは、明瞭に理解されるだろう。
本件は、波運動からエネルギーを抽出するための流体圧装置に関する。
波運動からエネルギーを抽出するための流体圧装置は、周知である。このような装置の例は、CETOTM技術に対する特許文献1,2に開示されている。これらの文献は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
波運動からエネルギーを抽出するための先行技術による流体圧装置は、水域の海床に配置された基部を備えている。軸流流体圧ポンプが、基部に対して枢動することができるように、基部に取り付けられている。ポンプのピストンロッドが、繋ぎ紐によって浮力アクチュエータに連結されている。波運動および浮力アクチュエータの正浮力によって、浮力アクチュエータは、水擾乱の運動に追従し、これによって、上方に押し上げられ、繋ぎ紐に力を加え、流体を加圧によってポンプから一方向弁を介してマニホールドに排出させることになる。波底の通過中、浮力アクチュエータは、ポンプピストンの重量およびポンプ吸入圧からの力によって下降し、浮力アクチュエータの次の上方突上げの準備が整っているポンプに呼び水を差すことになる。
装置は、閉ループモードで運転されるように設計されている。このモードでは、高圧の流体が流体圧ポンプによって陸上に汲み上げられ、エネルギーが有用な仕事として抽出され、減圧した流体が、配管を介して沖合の流体圧ポンプに戻され、再加圧されるようになっている。
代替的な先行技術による流体圧装置は、流体圧ポンプのアレイと、各ポンプのピストンロッドに繋がれた浮力アクチュエータのアレイとを備えている以外は、前述した先行技術の装置と同様である。
前述したような先行技術による装置は、典型的には、特定の場所において、該場所に関連する特定の条件下、例えば、該場所に関連する波浪状態および潮の変動の影響下で運転するように特に適合されている必要がある。これは、通常、特定場所に用いられるように特に設計された標準的でないハードウエアを作製し、このハードウエアを該場所に適する特定の方法によって運転するように構成することを含んでいる。
このような標準的でないハードウエアを設計し、作製する必要性は、低コストで大量生産を達成する製造プロセスを合理化することが困難であることを意味している。
本発明が開発されたのは、この背景技術およびその関連する問題および難題に対してである。
国際特許出願第PCT/AU2006/001187号パンフレット
国際特許出願第PCT/AU2007/001685号パンフレット
本発明の目的は、前述した先行技術の欠点の1つまたは複数を解消するかまたは少なくとも改良し、またはユーザに有用な、または経済的な選択肢をもたらすことにある。
本発明の他の目的および利点は、本発明の好ましい実施形態が例示として開示されている添付の図面と関連させて、以下の説明を読むことによって、明らかになるだろう。
本発明の第1の広い態様によれば、波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置において、流体を装置内に汲み出すためのポンプであって、チャンバを画定する本体およびチャンバを作用側と止まり側とに仕切るピストンを備えている、ポンプと、ピストンに接続された浮力アクチュエータと、チャンバの作用側に接続された入口であって、流体が入口からチャンバの作用側内に流れることができるようになっている、入口と、チャンバの作用側に接続された出口であって、流体がチャンバの作用側から出口に流れることができるようになっている、出口と、潮流の変動および/または海面状態に応じてポンプの出力を最適化するために、入口および出口における流体の圧力を制御することによって、ポンプを制御するように操作可能な流体圧制御装置と、を備えており、入口および出口における流体の圧力は、制御アルゴリズムに従って制御されるようになっており、制御アルゴリズムは、最適フィルター手法に従って生成されたアルゴリズムの集合から導かれるようになっており、最適フィルターおよび制御アルゴリズムは、
(i)パワーマトリックスを決定するステップと、
(ii)装置の物理的な設置場所に適用可能な海面状態に対する最もロバストなスペクトルモデルを決定するステップと、
(iii)海面状態スペクトル密度をパワーマトリックスに畳み込み、伝達関数を生成するステップと、
(iv)伝達関数を時間にわたって積分することによって得られたエネルギー関数の多パラメータ最適化を行うステップと、
(v)エネルギー関数のベクトル空間内に操作点および安定操作領域を画定し、テンプレートを生成するステップと、
(vi)制御システムの伝達関数を装置の状態変数に適用し、制御アルゴリズムを生成するステップと、
(vii)制御アルゴリズムのシミュレーションを行い、アルゴリズムおよび目標値テンプレートの精度および安定性を検証するステップと、
(viii)要求される制御アルゴリズムの空間に代入するのに必要な種々の海面状態に対して、ステップ(i),(vii)を繰り返すステップと、
によって作成されるようになっている、閉ループ流体圧装置が提供されている。
第1の好ましい態様では、流体圧制御装置は、入口流体圧アキュムレータと、入口および入口流体圧アキュムレータのそれぞれに接続された入口流体圧制御弁と、出口流体圧アキュムレータと、出口および出口流体圧アキュムレータのそれぞれに接続された出口流体圧制御弁と、入口および出口のそれぞれに接続されたシーケンス弁と、出口に接続された第1の出口圧力変換器と、出口に接続された流量計と、流量計に接続された比例スロットル弁と、比例スロットル弁に接続された第2の出口圧力変換器と、を備えている。
第2の好ましい形態では、流体圧制御装置は、チャンバの作用側に接続された作用側流体圧アキュムレータと、出口に接続された出口流体圧アキュムレータと、入口に接続された入口流体圧アキュムレータと、出口に接続された出口弁と、入口に接続された入口弁と、出口および入口弁のそれぞれに接続された圧力逃し弁と、入口弁に接続された中間流体圧アキュムレータと、制御システムと、複数のセンサと、を備えており、制御システムは、センサの出力に応じて、出口弁および入口弁を制御するように操作可能になっている。
第3の好ましい形態では、流体圧制御装置は、チャンバの作用側に接続された作用側流体圧アキュムレータと、出口に接続された出口流体圧アキュムレータと、入口に接続された入口流体圧アキュムレータと、出口および入口のそれぞれに接続された圧力逃し弁と、出口に接続された出口弁と、入口に接続された入口弁と、入口弁に接続された中間流体圧アキュムレータと、を備えている。
好ましくは、流体圧制御装置は、出口および入口のそれぞれに接続された別の圧力逃し弁も備えている。
好ましくは、流体圧制御装置は、制御システムと、複数のセンサと、を備えており、制御システムは、センサの出力に応じて、出口弁、入口弁、および圧力逃し弁を制御するように操作可能になっている。
好ましくは、センサは、圧力センサ、温度センサ、および流量センサを含んでいる。
好ましくは、作用側流体圧アキュムレータ、出口流体圧アキュムレータ、入口流体圧アキュムレータ、および中間流体圧アキュムレータのラインにおけるガス充填は、制御アルゴリズムに従って変更可能になっている。
好ましくは、出口弁は、ペルトンホイール用のスピア弁である。
好ましくは、装置は、流体を装置内に汲み出すための複数のポンプと、ポンプのピストンに接続された複数の浮力アクチュエータと、ポンプチャンバの作用側に接続された複数の入口と、ポンプチャンバの作用側に接続された複数の出口と、をさらに備えており、流体圧制御装置は、ポンプチャンバの作用側に接続された複数の作用側流体圧アキュムレータを備えている。
好ましくは、ポンプは、縦に3列を超えないアレイに配置されている。
好ましくは、ポンプは、同一ポンプである。
好ましくは、制御アルゴリズムは、最大積分エネルギーをもたらすように調整されるようになっている。
好ましくは、ステップ(i)は、もし制御アルゴリズムの集合または空間が、機械/装置の状態の変動を含んでいるなら、ステップ(viii)の一部として繰り返されるようになっている。
好ましくは、制御アルゴリズムの生成は、学習的である。
好ましくは、最適化は、
(i)パワーマトリックスを決定し、
(ii)パワーマトリックスおよび波モデルを用いて、制御システム伝達関数を作り、かつ最適化し、
(iii)特定の物理的立地に対するロバストな物理的スペクトルモデルを用いて、伝達関数を物理的立地に対して最適化する、
ことによって達成されるようになっている。
本発明の第2の広い態様によれば、波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置用の最適フィルターおよび制御アルゴリズムの集合を作成するための方法において、
(i)パワーマトリックスを決定するステップと、
(ii)装置の物理的な設置場所に適用可能な海面状態に対して最もロバストなスペクトルモデルを決定するステップと、
(iii)海面状態スペクトル密度をパワーマトリックスに畳み込み、伝達関数を生成するステップと、
(iv)伝達関数を時間にわたって積分することによって得られたエネルギー関数の多パラメータ最適化を行うステップと、
(v)エネルギー関数のベクトル空間内に操作点および安定操作領域を画定し、テンプレートを生成するステップと、
(vi)制御システムの伝達関数を装置の状態変数に適用し、制御アルゴリズムを生成するステップと、
(vii)制御アルゴリズムのシミュレーションを行い、アルゴリズムおよび目標値テンプレートの精度および安定性を検証するステップと、
(viii)要求される制御アルゴリズムの空間に代入するのに必要な種々の海面状態に対して、ステップ(i)−(vii)を繰り返すステップと、
を含んでいる、方法が提供されている。
好ましくは、ステップ(i)は、もし制御アルゴリズムの集合または空間が、機械/装置の状態の変動を含んでいるなら、ステップ(viii)の一部として繰り返されるようになっている。
好ましくは、制御アルゴリズムの生成は、学習的である。
好ましくは、最適化は、
(i)パワーマトリックスを決定し、
(ii)パワーマトリックスおよび波モデルを用いて、システム伝達関数を作り、かつ最適化し、
(iii)特定の物理的立地に対するロバストな物理的スペクトルモデルを用いて、伝達関数を物理的立地に対して最適化する、
ことによって達成されるようになっている。
好ましくは、波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置は、本発明の第1の広い態様に記載の流体圧装置を含んでいる。
本発明の第3の広い態様によれば、本発明の第1の広い態様に記載された流体圧装置を制御する方法が提供されている。
本発明の第4の広い態様によれば、本発明の第1の広い態様に記載の流体圧装置を制御するための最適フィルターを得るための方法が提供されている。
本発明の第5の広い態様によれば、流体を装置内に汲み出すためのポンプおよび流体の流れを制御するための制御要素を備えている流体圧装置が提供されている。
本発明の第6の広い態様によれば、本発明の第5の広い態様に記載の流体圧装置を制御する方法において、
作動流体を装置内に汲み出すように、装置のポンプを操作するステップと、
流体の流れを制御するように、制御要素を制御するステップと、
を含んでいる、方法が提供されている。
好ましくは、ポンプは、軸流流体圧ポンプである。
好ましくは、制御要素は、出口弁、入口弁、アキュムレータ、および/または圧力逃し弁である。
好ましくは、装置は、出口逆止弁も備えている。
好ましくは、装置は、入口逆止弁を備えている。
好ましくは、装置は、ロッド側/調整側/作用側アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、止まり側アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、出口アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、入口アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、センサも備えている。
好ましくは、装置は、制御装置も備えている。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
好ましくは、流体圧装置は、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するためのものである。
本発明の第7の広い態様によれば、波エネルギー装置を制御し、最適化するためのシステムにおいて、流体圧動力を取り出す波エネルギーコンバータを利用する波エネルギーコンバータであって、コンバータは、閉ループモードで操作されるようになっており、閉ループは、高圧の装置出口ラインおよびかなり低圧の入口流体ラインを備えており、閉ループ内を循環する流体は、実質的に水性であり、流体は、エネルギーを陸上に伝達するものであり、流体は、圧力および流量を介してエネルギーを移送するものである、波エネルギーコンバータと、陸上において、タービンまたは圧力交換用エンジンのような流体圧機械装置を介して、作動流体からエネルギーを取り出す手段と、備えているシステムが設けられている。
好ましくは、システムは、陸上および沖合の両方に配置された制御要素を備えている。
好ましくは、制御要素は、陸上側の出口ラインおよび入口ラインにおける圧力および流量を調整する弁と、入口ラインと出口ラインとの間に配置された沖合側圧力逃し弁と、沖合に配置された流体圧アキュムレータと、陸上に配置された流体圧アキュムレータであって、一方が出口ラインに接続されており、他方が入口ラインに接続されている、流体圧アキュムレータと、陸上の入口ラインと出口ラインとの間に配置された圧力逃し弁と、を備えている。
好ましくは、複数の流体圧弁およびアキュムレータ内のガス圧充填を制御するために、制御アルゴリズムが用いられるようになっている。
本発明の第8の広い態様によれば、本発明の第5の広い態様によるシステム用の制御アルゴリズムが提供されている。好ましくは、制御アルゴリズムは、以下の機能の1つまたは複数を行うことができ、または以下の特性の1つまたは複数を有している。
a.アキュムレータの容積変動(弁の開閉)によって、拘束ピストン端と非拘束ピストン端との間(これら端を含む)におけるCETOTM波エネルギーコンバータ(WEC)の機械的剛性を調整すること。「拘束ピストン」は、作動流体が、調整アキュムレータによって許容される程度まで、流体圧回路の内側で移動が拘束されることによって、ピストンの運動が最小限に抑えられている状態を指しており、「非拘束ピストン」は、入口回路と出口回路との間で流体が自在に流れ、ピストンがその自重および加えられる外力の影響によって自在に運動する状態を指している。
b.CETOの場合、潮流によって生じるような水深の緩慢な変動に適応するように、ポンプのピストンの基準位置を調整すること。
c.近接波測定装置からのリアルタイム入力値に従って、WEC装置の制御要素を調整すること。このような装置は、海面状態を定める瞬間的な波高さ(H)、瞬間的な波周期(T)、瞬間的な波拡散(θ)、および任意の他の関連パラメータを記録し、このデータをリアルタイムでアルゴリズムにもたらすようになっているとよい。
d.c)において、動力Pが瞬間的な最大値になるように、設定値を調整すること。
e.c)において、動力Pが瞬間的な最小値になるように、設定値を調整すること。もし保守または検査が行われている場合、このような条件が望ましい。
f.c)において、Pが確率pmで最小値Pmを超えるように、設定値を調整すること。
g.事前設定テンプレートFを適用し、時間間隔τにおいてWECによって送達される全動力を最大にするように、制御要素)の値を規制すること。
h.時間間隔τは、観測上の基準時点τεの秒から分、時間の範囲内における変数であるとよい。例えば、標準的な沖合の実行時間は、連続的な不規則海面状態の場合、20分であり、激しい海面状態の場合、3時間である、
i.各観測時点τεは、アルゴリズムAの設定操作点およびアルゴリズムAによって行われる制御の範囲を定める特有テンプレートFεに関連付けられている。
j.制御アルゴリズムAは、i)の一連のテンプレートF
εを含んでいるとよい。各テンプレートは、協働して、任意の観測時点の最短時間と最長時間との間における最適エネルギー出力E
maxをもたらすことになる。すなわち、アルゴリズムAは、常に、最大積分エネルギーE
maxをもたらすように調整されるようになっている。
k.特定のアルゴリズムAは、以下の条件の1つまたは複数に特有である成分を含むアルゴリズムの集合Aiから導かれるようになっているとよい。
i.特定の幾何学的な場所;
ii.特定の水深および海底地形;
iii.特定類別の波活動、例えば、強力な波活動、沖合の波活動、穏やかな波活動、沿岸の波活動、またはこれらの組合せ;
iv.特定の季節、例えば、冬、夏;
v.WECの特定の構成;
vi.同時係属中のCETOTM特許出願に記載されているようなエネルギー緩和機構を含むWECの特定の物理的構成;
vii.WECの老朽化、状態、運転歴に対応するWECの特定の物理的状態;
viii.WECの構成における任意の他の変動;
ix.年間の支配的な海面状態(例えば、西オーストラリアの湾岸から離れたガーデン島の現場は、6〜8つの支配的な海面状態を有している);および
x.特定の安全/緊急条件。
本発明の第9の広い態様によれば、本発明の第7,8の態様のいずれか1つに記載の閉ループシステムをなす、入口配管および出口配管の共通の組に一緒に並列に接続されたWECのアレイを備えているシステムが提供されている。
本発明の第10の広い態様によれば、アルゴリズムAの最適化が、波拡散にも影響されるようになっている、本発明の第9の広い態様に記載のシステムが提供されている。アルゴリズムAiおよびテンプレートFεは、単一WECのものとは実質的に異なっている。多重ユニットのアルゴリズムが単一ユニットのアルゴリズムと大きく異なっている点は、ユニット間の流体圧的相互作用であることに留意されたい。
本発明の第11の広い態様によれば、アルゴリズムAiが最適フィルター方式によって作成されるようになっている、本発明の第7〜10の広い態様のいずれか1つに記載のシステムが提供されている。
本発明の第12の広い態様によれば、
チャンバを画定する本体およびチャンバを作用側と止まり側に仕切るピストンを備えている流体圧ポンプと、
チャンバの止まり側に接続された止まり側流体圧アキュムレータと、
を備える流体圧装置が提供されている。
好ましくは、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に並列に接続されている。代替的に、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に直列に接続されている。好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側とを備える閉鎖された止まり側流体圧回路も備えている。
好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側との間に流れることができる流体も含んでいる。好ましくは、流体は、高潤滑流体である。好ましくは、流体は、低粘度流体である。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された止まり側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、止まり側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、止まり側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された作用側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、作用側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、作用側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された作用側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に並列に接続されている。代替的に、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に直列に接続されている。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された出口逆止弁および出口逆止弁に並列に接続された入口逆止弁も備えている。いくつかの実施形態では、入口逆止弁は、チャンバの止まり側に接続されている。好ましくは、装置は、出口逆止弁に並列に接続された出口流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、装置は、入口逆止弁に並列に接続された入口流体圧アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、流体圧インターフェースユニットも備えており、該流体圧インターフェースユニットは、出口逆止弁、入口逆止弁、出口流体圧アキュムレータ、および入口流体圧アキュムレータを備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、止まり側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、作用側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、圧力逃し弁も備えている。
好ましくは、装置は、出口逆止弁および入口逆止弁のそれぞれに接続された流体圧制御装置も備えている。好ましくは、流体圧制御装置は、圧力逃し弁を備えている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置を出口逆止弁に接続する高圧パイプラインと、流体圧制御装置を入口逆止弁に接続する低圧パイプラインとを備えている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置に接続された流体圧負荷も備えている。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
好ましくは、装置は、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するためのものである。特定の好ましい形態では、装置は、ピストンに縛られた浮力アクチュエータも備えている。
本発明の第13の広い態様によれば、
チャンバを画定する本体およびチャンバを作用側と止まり側とに仕切るピストンを備える流体圧ポンプと、
チャンバの作用側に接続された作用側流体圧アキュムレータと、
を備える流体圧装置が提供されている。
好ましくは、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に並列に接続されている。代替的に、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に直列に接続されている。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された作用側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、作用側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、作用側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された止まり側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、止まり側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、止まり側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に並列に接続されている、代替的に、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に直列に接続されている。好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側とを備える閉鎖された止まり側流体圧回路も備えている。
好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側との間を流れることができる流体も含んでいる。好ましくは、流体は、高潤滑流体である。好ましくは、流体は、低粘度流体である。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された出口逆止弁および出口逆止弁に並列に接続された入口逆止弁も備えている。いくつかの実施形態では、入口逆止弁は、チャンバの止まり側に接続されているとよい。好ましくは、装置は、出口逆止弁に並列に接続された出口流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、装置は、入口逆止弁に接続された入口流体圧アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、流体圧インターフェースユニットも備えており、該流体圧インターフェースユニットは、出口逆止弁、入口逆止弁、出口流体圧アキュムレータ、および入口流体圧アキュムレータを備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、止まり側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、作用側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、圧力逃し弁も備えている。
好ましくは、装置は、出口逆止弁および入口逆止弁のそれぞれに接続された流体圧制御装置も備えている。好ましくは、流体圧制御装置は、圧力逃し弁を備えている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置を出口逆止弁に接続する高圧パイプラインおよび流体圧制御装置を入口逆止弁に接続する低圧パイプラインも備えている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置に接続された流体圧負荷も備えている。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
好ましくは、装置は、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するためのものである。特定の好ましい形態では、装置は、ピストンに縛られた浮力アクチュエータも備えている。
本発明の第14の広い態様によれば、流体を装置内に循環させるための流体圧ポンプと装置を制御するための流体圧制御装置とを備える流体圧装置が提供されている。
好ましくは、流体圧ポンプは、チャンバを画定する本体およびチャンバを作用側と止まり側とに仕切るピストンを備えている。
好ましくは、装置は、チャンバの止まり側に接続された止まり側流体圧アキュムレータを備えている。好ましくは、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に並列に接続されている。代替的に、止まり側流体圧アキュムレータは、チャンバの止まり側に直列に接続されている。好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側とを備える閉鎖された止まり側流体圧回路も備えている。
好ましくは、装置は、止まり側流体圧アキュムレータとチャンバの止まり側との間に流れることができる流体も備えている。好ましくは、流体は、高潤滑流体である。好ましくは、流体は、低粘度流体である。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された止まり側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、止まり側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、止まり側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、ピストンに固定された作用側機械的緩衝装置も備えている。好ましくは、作用側機械的緩衝装置は、弾性的緩衝装置である。代替的に、作用側機械的緩衝装置は、バネである。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された作用側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に並列に接続されている。代替的に、作用側流体圧アキュムレータは、チャンバの作用側に直列に接続されている。
好ましくは、装置は、チャンバの作用側に接続された出口逆止弁および出口逆止弁に並列に接続された入口逆止弁も備えている。いくつかの実施形態では、入口逆止弁は、チャンバの止まり側に接続されているとよい。好ましくは、装置は、出口逆止弁に並列に接続された出口流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、装置は、入口逆止弁に並列に接続された入口流体圧アキュムレータも備えている。
好ましくは、装置は、流体圧インターフェースも備えている。該流体圧インターフェースユニットは、出口逆止弁、入口逆止弁、出口流体圧アキュムレータ、および入口流体圧アキュムレータを備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、止まり側流体圧アキュムレータも備えている。好ましくは、流体圧インターフェースユニットは、作用側流体圧アキュムレータも備えている。
好ましくは、流体圧制御装置は、アルゴリズムに従って装置を制御することができるようになっている。
好ましくは、流体圧制御装置は、出口逆止弁および入口逆止弁に接続されている。好ましくは、装置は、流体圧制御装置を出口逆止弁に接続する高圧パイプラインおよび流体圧制御装置を入口逆止弁に接続する低圧パイプラインも備えている。
好ましくは、装置は、流体圧負荷を備えている。好ましくは、負荷は、タービンを含んでいる。好ましくは、タービンは、ペルトンタービンである。
好ましくは、装置は、閉ループ流体圧装置である。
好ましくは、装置は、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するためのものである。特定の好ましい形態では、装置は、ピストンに縛られた浮力アクチュエータも備えている。
本発明がさらに十分に理解され、実施されるために、以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
流体圧装置の第1の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の第2の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、図1,2に示されている流体圧装置の一部のさらなる詳細を示す概略図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第3の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の第4の好ましい実施形態の側断面図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第5の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第6の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第7の好ましい実施形態の概略図である。
図8に示されている流体圧装置の流体圧計測制御システムおよびバッテリ充電システムを示す概略図である。
図8,9に示されている装置のような流体圧装置の種々の吸入圧および吐出圧の範囲に対するピストン排出量の範囲を示すグラフである。
流体圧装置の軸流流体圧ポンプの側断面を含む、流体圧装置の第8の好ましい実施形態の概略図である。
流体圧装置の第9の好ましい実施形態の概略図である。
図1−3を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置30は、軸流流体圧ポンプ31を備えており、該ポンプ31は、チャンバ33を画定するポンプ本体32を備えている。ポンプ本体32は、側壁34を備えている。側壁34は、上壁35によって閉鎖された上端、および底壁36によって閉鎖された下端を有している。底壁36は、基部37に取り付けられるように構成されている。
ピストン38は、チャンバ33をロッド側または作用側39と止まり側40とに仕切るように、かつチャンバ33内において前後に摺動することができるように、チャンバ33内に収容されている。ピストン38と側壁34との間の(図示されていない)シールによって、流体がピストン38を超えて作用側30と止まり側40との間に流れることが阻止されている。理想的には、チャンバ33の作用側39および止まり側40は、ポンプ31の側壁34に対する可動ピストン38の完全なシールによって、ポンプ31内において連通しないようになっている。2つのチャンバ間のいくらかの漏れは、シール摩耗として許容されることもある。
作用側の機械的緩衝装置41は、チャンバ33の作用側39に位置するように、ピストン38に固定されている。止まり側の機械的緩衝装置42は、チャンバ33の止まり側40に位置するように、ピストン38に固定されている。
ピストンロッド43は、ピストン38と共にポンプ本体32に対して前後に移動することができるように、ピストン38から本体32の上壁35の開口を通って延在している。(図示されていない)シールによって、流体が該開口を通ってチャンバ33から漏出しないように阻止されている。
浮力アクチュエータ44が、繋ぎ紐45によって、ピストンロッド43の上端に接続されている。
装置30は、止まり側流体圧回路46も備えている。流体圧回路46は、チャンバ33の止まり側40および止まり側流体圧アキュムレータ47を備えている。回路46は、閉じており、流体は、チャンバ33の止まり側40とアキュムレータ47との間のみで交換されることになる。アキュムレータ47は、流体がアキュムレータ47とチャンバ33の止まり側40との間で流れることができるようにするために、ホース48によってチャンバ33の止まり側40に接続されている。ピストン止めリングによるポンプ口の障害物によって影響される緩衝区域以外は、止まり側流体圧アキュムレータ47には、常時、最小限のインピーダンスしかもたらされていない。
止まり側回路46内の流体は、標準的に用いられる流体とガスとの混合物を含んでいる。アキュムレータ47は、ここでは、純粋にリザーバであり、理想的にはどのような緩衝をもたらすものでもない。
止まり側回路46内の流体は、低粘度流体であるとよい。多くのピストンアキュムレータと同じように、止まり側が、流体と比較して流体力学的損失の低い窒素のようなガスによって、完全に充填されていてもよい。これによって、アキュムレータのコストを著しく低減させ、アキュムレータを小形化することができるという利点も得られる。
止まり側回路46内の流体は、高潤滑性、すなわち、高潤滑能力を有する流体を含んでいてもよい。この潤滑によって、ピストンシールの寿命を改良することができる。また、(図示されていないが)、この流体を用いて、ロッドシールを毛細管を介して潤滑することもできる。潤滑流体の必要量が比較的少ないので、追加的なコストは、保守および停止時間の節約によって、相殺されるだろう。
装置30は、ホース50によってチャンバ33の作用側39に接続された出口逆止弁49も備えており、これによって、流体は、チャンバ33から弁49を通って、矢印「A」によって示されている方向に流れることができる。入口逆止弁51が、出口逆止弁49およびホース50に並列に接続されており、これによって、流体は、矢印「B」によって示されている方向に沿って、弁51を通ってチャンバ33内に流れることができる。
出口流体圧アキュムレータ52が、出口逆止弁49に並列に接続されている。入口流体圧アキュムレータ53が、入口逆止弁51に並列に接続されている。
図1を特に参照すると、使用時に、装置30の一部は、水面55および平均潮位56を有する海または海洋のような沖合の水域54に配置されている。流体圧ポンプ31は、水域54の海床57に載置された基部37に固定されている。ポンプ31は、基部37に対して枢動することができるように、基部37に固定されている。逆止弁49,51およびアキュムレータ47,52,53は、沖合に位置する流体圧インターフェースユニット58内に配置されている。流体圧インターフェースユニット58の高圧出口は、高圧パイプラインによって陸上プラント59の高圧入口に接続されており、流体圧インターフェースユニット58の低圧入口は、低圧パイプラインによって陸上プラントの低圧出口に接続されている。
浮力アクチュエータ44は、水域54内に置かれている。従って、水域54の波運動およびアクチュエータ44の正浮力によって、アクチュエータ44は、波擾乱の運動に追従し、上方に押され、繋ぎ紐45に力を加え、次いで、繋ぎ紐45がピストン38をチャンバ33内においてポンプ本体32の上壁35に向かって上方に移動させることになる。ピストン38が上方に移動すると、チャンバ33の作用側39の流体が、チャンバ33からホース50および出口逆止弁49を通って矢印Aによって示されている方向に押し出されることになる。
出口逆止弁49を通って汲み出された流体のエネルギーの一部は、出口アキュムレータ52内に貯蔵されるようになっている。出口アキュムレータ52は、(出口逆止弁49およびアキュムレータ52が一部をなしている)閉ループ流体圧回路の高圧区域を通る流体の流れを平滑化するように機能する。流体は、回路の残りを巡回し、その後、矢印Bによって示されている方向に沿って、回路の別の分岐を通ってポンプ31に還流するようになっている。
ピストン38がチャンバ33内において上方に移動すると、閉鎖されている止まり側流体圧回路46内の流体が、アキュムレータ47からホース48を通ってチャンバ33の止まり側40内に移動することになる。回路46内の流体は、高潤滑かつ低粘度の流体である。
作用側の機械的緩衝装置41は、ピストン38の上昇ストローク中にピストン38およびポンプ本体32が損傷するのを阻止するために、ピストン38がポンプ本体32の上壁35に達すると、該ピストン38の運動を緩衝するようになっている。特に、作用側の機械的緩衝装置41は、上昇ストローク中にポンプ31および繋ぎ紐45に加えられる衝撃荷重を低減することになる。
波底が装置30上を通過する最中に、浮力アクチュエータ44は、ピストン38の重量によって落下し、流体の力が、閉じた流体圧回路内に流れ、矢印Bの方向に沿って入口逆止弁51およびホース50を貫流することによって、チャンバ33の作用側39に戻ることになる。還流する流体のエネルギーの一部が、入口アキュムレータ53内に貯蔵されるようになっている。入口アキュムレータ53は、閉ループ流体圧回路の低圧区域を通る流体の流れを平滑化するように機能する。
ピストン38がチャンバ33内において下方に移動すると、チャンバ33の止まり側40内の高潤滑かつ低粘度の流体が、チャンバ33からホース48を通ってアキュムレータ47に戻ることになる。理想的には、アキュムレータ47は、どのような流体圧緩衝をもたらすことなく、単純にリザーバとして機能する。
止まり側の機械的緩衝装置42は、下降ストローク中にピストン38およびポンプ本体32が損傷するのを阻止するために、ピストン38がポンプ本体32の底壁36に到達したとき、該ピストン38の運動を緩衝する。特に、止まり側の機械的緩衝装置42は、下降ストローク中にポンプ31および繋ぎ紐45に加えられる衝撃荷重を低減することになる。
このサイクルは、波頂および波底が装置30を通り過ぎるたびに、繰り返されることになる。
図2を特に参照すると、装置30は、流体圧インターフェースユニット58に接続されたポンプ31と浮力アクチュレータ44とのアレイを備えていてもよい。
図4を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための流体圧装置60は、装置30と類似している。従って、装置60,30の同様の特徴部には、同様の参照番号が付されている。
装置60は、ホース50によってチャンバ33の作用側39に並列に接続された作用側流体圧アキュムレータ61も備えているという点において、装置30と異なっている。従って、装置60では、流体がチャンバ33と作用側流体圧アキュムレータ61との間に流れることができる。
さらに、装置60は、流体圧インターフェースユニット62を備えている。インターフェースユニット62は、止まり側流体圧アキュムレータ47、出口逆止弁49、入口逆止弁51、出口流体圧アキュムレータ52、入口流体圧アキュムレータ53、および作用側流体圧アキュムレータ61を備えている。
流体圧インターフェースユニット62は、出口63および入口64を備えている。
装置60の操作は、アキュムレータ61が上昇ストローク中のピストン38を流体的に緩衝し、作用側の機械的緩衝装置41によってもたらされる機械的な緩衝を増強させる点を除けば、装置30の操作と実質的に同じである。
流体圧インターフェースユニット62は、装置60のポンプ31および浮力アクチュエータ44と共に、沖合に配置されている。
図5を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための流体圧装置70は、軸流流体圧ポンプ71を備えており、該ポンプ71は、チャンバ73を画定するポンプ本体72を備えている。ポンプ本体72は、上壁75によって閉鎖された上端を有する側壁74を備えている。側壁74の上部76は、側壁74の下部77よりも厚くなっており、これによって、チャンバ73の上部分78は、チャンバ73の下部分79よりも狭くなっている。側壁74の上部76は、上側ポート80および下側ポート81を備えている。
ピストン82は、チャンバ73を作用側83と止まり側84とに仕切るように、かつチャンバ73内において前後に摺動することができるように、チャンバ73内に収容されている。ピストン82は、上部85およびより広い下部86を備えている。ピストン82の下部と違って、ピストン82の上部85は、図5に示されているように、チャンバ73の上部分78内に収容されるように十分に狭くなっている。凹縁87が、ピストン82の上部85の上側周囲に沿って延在している。凹縁87は、垂直面88および下方傾斜面89を備えている。凹縁87は、ピストン82が上側ポート80を完全に覆うことを阻止するものである。
ピストン82と側壁74との間のシール90によって、流体がピストン82を超えて作用側83と止まり側84との間に流れるのが阻止されている。
ピストンロッド91が、ピストン82と共に本体72に対して前後に移動することができるように、ピストン82からポンプ本体72の上壁75の開口を通って延在している。シール92によって、流体が上壁75の開口を通ってチャンバ73から漏出するのが阻止されている。
作用側流体圧アキュムレータ93は、流体がチャンバ73の作用側83と作用側流体圧アキュムレータ93との間で前後に自由に流れることができるようにするために、ホース94によって上側ポート80に接続されている。
ホース95が下側ポート81に接続されている。高圧流体が、チャンバ73から下側ポート81およびホース95を通って、矢印「A」によって示されている方向に流出することができ、低圧流体が、矢印「B」に示されている方向に沿って、下側ポート81およびホース95を通ってチャンバ73に流入することができる。
図6を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置100は、ペルトンタービン101を含む流体圧負荷を備えている。この負荷は、タービン101によって駆動される(図示されない)発電機を含んでいてもよい。
装置100は、流体圧ポンプ31を備える装置60も備えている。ポンプ31は、流体を装置100内に汲み出すように作動され、これによって、タービン101を駆動することになる。
流体圧制御装置102は、ポンプ31によって装置100内に汲み出される流体を制御するようになっている。特に、制御装置102は、装置100の高圧区域および低圧区域における流体の圧力および流量を制御するようになっている。
制御装置102の入口103は、高圧パイプライン104によって、流体圧インターフェースユニット62の出口63に接続されている。制御装置102の出口105は、高圧パイプライン107によって、タービン101の入口106に接続されている。タービン101の出口108は、低圧パイプライン110によって、制御装置102の入口109に接続されている。制御装置102の出口111は、低圧パイプライン112によって、流体圧インターフェースユニット62の入口64に接続されている。
図6に示されている装置100のような閉ループ装置を用いて、完全に閉鎖したポンプ制御をもたらすことができる。力の入力およびポンプ排出によって、陸上側の流体圧制御システムならびに沖合側の波エネルギー装置31および流体圧インターフェースユニット62の操作を管理するために、制御アルゴリズムが実装されている。この制御アルゴリズムは、出力(排水)を最大にするのみならず、ポンプストロークの上端および下端の衝撃を低減させるように、入口ポンプ圧力および出口ポンプ圧力を管理することができる。このアルゴリズムは、プラントの動力出力を改良すると共に、ポンプ31の損傷/摩耗を低減するようになっている。また、この方法は、ポンプストロークが潮差を含むほど十分長い場合、潮の運動を補償することも可能である。
装置100は、潮の変動に応じて、水柱内の浮力アクチュエータの平均水位に対する静止位置を一定に保持するべきである。これは、閉ループ制御構成によって達成することができる。
制御アルゴリズムは、現地位置に特有のものとされ、局部的な波の形態および潮差に関する情報を含んでおり、現地における波エネルギーコンバータの最適操作をもたらすようになっている。例えば、波エネルギーコンバータは、西オーストラリアの沿岸、欧州の区域、および一部のフランス海外領に配備されている。これらの場所のいずれもが、異なる潮差および異なる波統計を有している。現地に特有なものとなるように適合された制御アルゴリズムを用いることによって、同一の汎用プラントおよび陸上ハードウエハをそれぞれの現地に最適に配備することが可能である。
さらに、制御アルゴリズムは、浮力アクチュエータの浮力の人工的制御、すなわち、疑似制御を可能にする。これは、浮力アクチュエータ44の物理的な浮力を人工的に低減するように、ポンプ入口圧を管理することによって、達成される。これによって、より小さい波浪状態中に浮力アクチュエータ44の操作(下向き運動)を可能にするという利点が得られる。出口圧は、浮力アクチュエータの有効浮力を変更できない。しかし、同様の方法によって、ある波浪状態の範囲内における操作(上向き運動)を確実にするように、該出口圧を管理することができる。
加えて、制御アルゴリズムによって、ある程度の流体圧による「引張力(stretch)」を繋ぎ紐の伝達機能に組み入れることができる。装置100の必要な剛性特性は、通常、機械的な繋ぎ紐の引張力だけでは達成できないが、流体圧回路内のアキュムレータを用いることによって、流体圧による「引張力」をもたらし、必要な剛性特性を達成することができる。
装置100は、緩衝性エネルギー回復をもたらすことができる。装置100のアキュムレータを用いて、ピストン運動の緩衝位相中に緩衝エネルギーの一部を吸収することができ、後続の作動流体による吸収を行うために、このエネルギーをシステムに戻すことができる。
前述の特徴の各々は、装置100に個別に適用されてもよいし、または漸次的に適用されてもよい。
また、前述の特徴の各々は、波運動からエネルギーを抽出するための流体圧装置以外の流体圧装置または流体圧システムに適用されてもよい。例えば、これらの特徴は、
1.流体圧ポンプへの可変力の入力、
2.流体圧ポンプの過激な運動による損傷の可能性、および
3.システム内で補償されねばならない長期の摩耗または漏れ
が存在する流体圧装置または流体圧システムに適用可能である。
図7を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置120は、軸流流体圧ポンプ121を備えており、該ポンプ121は、チャンバ123を画定するポンプ本体122を備えている。ポンプ本体122は、側壁124を備えている。側壁124は、上壁125によって閉鎖された上端および底壁126によって閉鎖された下端を有している。底壁126は、(図示されない)基部に取り付けられるように構成されている。
ピストン127は、チャンバ123を作用側128と止まり側129とに仕切るように、かつチャンバ123内において前後に摺動することができるように、チャンバ123内に収容されている。ピストン127と側壁124との間の(図示されない)シールによって、流体がピストン127を超えて作用側128と止まり側129との間に流れるのが阻止されている。
ピストンロッド130は、ピストン127と共に本体122に対して前後に移動することができるように、ピストン127からポンプ本体122の上壁125の開口を通って延在している。(図示されない)シールによって、流体が該開口を通ってチャンバ123から漏出するのが阻止されている。
出口逆止弁131が、迅速継手132を介してチャンバ123の作用側128に接続されている。入口逆止弁133が、迅速継手132を介して作用側128に並列に接続されている。入口逆止弁133は、迅速継手134によって、チャンバ123の止まり側129にも並列に接続されている。シーケンス弁135が、出口逆止弁131および入口逆止弁133に並列に接続されている。
流体圧制御弁140が、出口流体圧アキュムレータ141に直列に接続されている。流体圧制御弁140は、出口逆止弁131およびシーケンス弁135に並列に接続されている。
流体圧制御弁142が、入口流体圧アキュムレータ143に直列に接続されている。流体圧制御弁142は、シーケンス弁135に並列に接続されている。
圧力変換器144が、装置120の高圧区域の圧力を検出し、流量計145が装置120の高圧区域の流体の流量を測定するようになっている。
比例スロットル弁146が、流量計145に直列に接続されており、圧力変換器147が比例スロットル弁146から流出した流体の圧力を測定するようになっている。
比例スロットル弁146から流出した流体がタービン148を駆動し、該タービンが冷却器用の水ポンプ149を駆動するようになっている。
タービン148から流出した低圧流体は、水ポンプ150を駆動し、ポンプ121に戻る流体を冷却するようになっており、シーケンス弁135に並列に接続された逆止弁151を通過するようになっている。
弁140,142、圧力変換器144,147、流量計145、比例スロットル弁146、およびシーケンス弁135は、装置120の操作を制御するための制御装置または制御システムの一部をなしている。
装置120は、エネルギーを漏出させるようになっているとよい。すなわち、装置120は、過剰エネルギーを消失するようになっているとよい。例えば、もしタービン148が配電網に接続された発電機を駆動しており、この配電網が故障した場合、装置120は、タービン148を回転するためにエネルギーを用いるよりはむしろ該エネルギーを消失するようになっているとよい。エネルギーは、ポンプチャンバ123内の圧力が低くなるように装置120を運転することによって、または水を機械的に加熱し、ポンプ121が位置する水域をヒートシンクとして用いることによって、消失されるとよい。シーケンス弁135が、タービン148をバイパスするように操作されてもよい。
装置30,60,70,100,120の閉ループ運転によって、本明細書に記載されている技術革新の多くが可能になる。
重要なことは、これらの装置の閉ループモードの運転によって、普遍化または標準化されたハードウエア一式を世界中の多くの異なる場所において用いることが可能になり、かつ各装置の応答をリアルタイムで能動的に調整するか、または事前に調整し、異なる波浪条件に適応させ、潮の変動に対応させ、最も一般的には、種々の場所における広範囲の予想運転状況に適応させることが可能になることである。
ポンプ、浮力アクチュエータ、縛り紐、および流体圧機器の普遍化または標準化されたシステムまたは集合体を有する利点は、このような機器の製造が、無駄をなくし、大量に、従って低コストで達成される点にある。各組の機器は、現地に配備される時に、閉ループ流体圧システムに有効な制御アルゴリズムを介して、最適化することができる。現地ごとに、該現地の波浪動力学および潮流動力学に応じて作動流体の運動を制御し、エネルギーの出力を最適化し、沖合機器の摩耗または損傷を最小限に抑える、特定用途向けの操作アルゴリズムをもたらすことができる。
図8を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置160は、軸流流体圧ポンプ161を備えており、該ポンプ161は、チャンバ163を画定するポンプ本体162を備えている。ポンプ本体162は、側壁164を備えている。側壁164は、上壁165によって閉鎖された上端および底壁166によって閉鎖された下端を有している。底壁166は、ポンプ161が位置する水域の床に置かれているか、または固定されている(図示されない)基部に取り付けられるように構成されている。
ピストン167は、チャンバ163を作用側168と止まり側169とに仕切るように、かつチャンバ163内において前後に移動することができるように、チャンバ163内に収容されている。ピストン167と側壁164との間の(図示されない)シールによって、流体がピストン167を超えて作用側168と止まり側169との間に流れるのが阻止されている。
ピストンロッド170は、ピストン167と共に本体162に対して前後に移動することができるように、ピストン167からポンプ本体162の上壁165の開口を通って延在している。(図示されない)シールによって、流体が該開口を通ってチャンバ163から漏出するのが阻止されている。
ポンプ161は、ポンプ161の止まり側169に接続された出口逆止弁171も備えている。逆止弁171は、流体が該弁を通ってポンプ161に向かって逆流するのを防ぐものである。
図示されていないが、浮力アクチュエータが、縛り紐によってピストンロッド170の上端に接続されている。
調整側または作用側流体圧アキュムレータ172が、ホース173によって、ポンプ161の作用側168に接続されている。アキュムレータ172は、出口逆止弁175によって出口流体圧アキュムレータ174に接続されている。出口逆止弁175は、流体が該弁を通ってポンプ161に向かって逆流するのを防ぐものである。制御可能な出口弁176が、出口アキュムレータ174を熱交換器177に接続している。熱交換器177は、逆止弁179によって中間流体圧アキュムレータ178に接続されている。逆止弁179は、流体が該弁を通って熱交換器177に向かって逆流するのを防ぐものである。制御可能な入口弁180が、入口逆止弁181に接続されている。入口逆止弁181は、ポンプ161の作用側168に接続されており、流体が該弁を通ってポンプ161から離れる方に流れるのを防ぐものである。入口流体圧アキュムレータ182が、逆止弁181によってポンプ161の作用側168に接続されている。タービン183および逆止弁184は、弁176、熱交換器177、アキュムレータ178、逆止弁179、および弁180に並列に接続されている。タービン183は、発電機185を駆動するものである。
圧力逃し弁186が、弁176、熱交換器177、アキュムレータ178、および逆止弁179に並列に接続されている。圧力逃し弁186は、装置160の流体圧回路の高圧側の過剰加圧を防ぐように機能するものである。圧力逃し弁186は、制御可能な弁であるとよい。
逆止弁171が、ホース188によって、排出側/止まり側流体圧アキュムレータ187に接続されており、補給電気ポンプ189にも接続されている。逆止弁190が、逆止弁181およびアキュムレータ182に並列に接続されている。逆止弁190は、流体が該弁を通ってポンプ189に向かって流れるのを防ぐものである。
ポンプ189は、アキュムレータ187を備える流体圧回路の止まり側に溜まっている流体を該ポンプ189の出口に接続された流体圧回路の作用側に戻すことができるようになっている。
図9を参照すると、発電機185は、電力を充電装置191に供給するようになっている。充電装置191は、外部バッテリ充電モジュール192に接続されている。充電装置191および/または外部バッテリ充電モジュール192は、バッテリ193およびバッテリ194を充填するものである。バッテリ194によって、電力が電気ポンプ189に供給されるようになっている。バッテリ193によって、電力が計測制御システム/制御装置195に供給されるようになっている。
複数のセンサ196が、制御装置195の1つまたは複数の入力側に接続されている。センサ196の例として、装置160内の作動流体の圧力、温度、および流量を検出する圧力センサ、温度センサ、および流量センサを含む種々の形式のセンサが挙げられる。
出口弁176、入口弁180、および補給電気ポンプ189は、制御装置195が出口弁176、入口弁180、およびポンプ189の操作を制御することができるように、制御装置195の出力側に接続されている。制御装置195は、センサ196の出力に応じて、出口弁176、入口弁180、およびポンプ189の操作を制御するようになっているとよい。換言すると、制御装置195は、センサ196によって検出された圧力、温度、および流量に応じて、出口弁176、入口弁180、およびポンプ189の操作を制御するようになっているとよい。
圧力逃し弁186は、該弁186の操作が制御装置195によっても制御可能であるように、制御装置195の出口側にも接続可能になっているとよい。
制御装置195は、装置160が該装置160の位置する水域の波運動から最適なまたはほぼ最適な量のエネルギーを抽出、変換、または伝達することができるように、出口弁176、入口弁180、ポンプ189、および/または圧力逃し弁186を制御するようになっているとよい。
流体圧回路の吸入圧および吐出圧を変化させることによって、ピストンストロークのある程度の制御が可能になる。一定の波浪状態の期間における平均制御圧力(Hsig=0.45m、Tsig=3s)/種々の吸入圧および吐出圧の範囲に対する(/対)装置160のような流体圧装置の平均ピストンストローク限界の範囲/ピストン排出量の範囲が、図10に示されている。吸入圧力範囲の最大値が減少するにつれて、ピストン排出量の範囲の最小値が増大することが分かるだろう。他の波浪状態に対しても、同様のチャート/グラフを得ることができる。
流体圧システム/装置160の構想は、ポンプ入口およびポンプ出口において適切な圧力を維持することができる閉ループシステム/装置160である。ポンプが作動すると、流体圧回路内に圧力および流れが生じる。流体圧回路の圧力は、2つの制御弁176,180によって制御されることになる。1つの制御弁(すなわち、出口弁176)は、ポンプ161外の圧力を制御し、他の制御弁(すなわち、入口弁180)は、ポンプ161内の圧力を制御するようになっている。これらの弁(出口弁176および入口弁180)は、システム/装置160内の2つの主要制御「レバー」である。制御弁176,180は、いずれも、種々の波浪形態に対して圧力を変更するために、遠隔制御されるようになっている。このシステム構成の場合、ペルトンタービンは、ポンプ161によって生じたエネルギーを消失させる手段としての2つの制御弁および熱交換器177に置き換えられている。止まり側169では、どのような流体伝達も行われない。ポンプ拡張中に、部分的な真空が生じる。ピストンシールを介する内部漏れが生じた場合、流体は、漏れ配管を通して排出されるようになっており、逆止弁171によって、流体がポンプ/ピストン167/ピストンロッド170の拡張中にポンプ161内に逆流するのが阻止されている。
ロッド側/調整側/作用側の流体圧アキュムレータ172は、システム/装置160の最適化において鍵となる役割を果たすものである。アキュムレータ172のガス充填およびガス量を調整することによって、動力流および動力流の動力学を制御することが可能である。また、調整側/作用側の流体圧アキュムレータ172ならびに出口アキュムレータ174および入口アキュムレータ182の適切な調整によって、「ウオータハンマー」、すなわち、運動量移行効果と同様の動力学的効果を低減させることができることも、この閉ループシステム/装置160の特徴である。運動量移行効果は、逆止弁の1つまたは複数が跳ね返ることによって生じるものである。
圧力逃し弁186は、システム/装置160の過剰加圧を防ぐものである。システム/装置160の構想は、流体圧エネルギーを貯蔵し、圧力変動を管理することを可能にするために、ポンプ161のロッド側/作用側168にアキュムレータ172,174,178,182を備えている。排出側/止まり側アキュムレータ187は、装置160の主要(すなわち、作用側)流体圧回路内に再加圧される前に、ポンプまたはシステムレベルにおける内部漏れから生じた作動流体を貯蔵するようになっている。逆止弁171,175,179,181,184が、流体圧回路を通る作動流体の流れが正確な方向に生じることを確実なものとする。また、システム/装置160を調整し、生じた動力を最適化するために、ポンプ出口逆止弁175の直前に、調整側/作用側流体圧アキュムレータ172が設けられている。
装置160を通る流体の流れは、「穏やかな(soft)」流れと「激しい(hard)」流れとの間で変更可能になっている。ポンプ161への最小負荷に対応する「穏やかな流れ」の場合、圧力逃し弁186は、流体のかなりの部分が弁186を通って汲み出されるように、完全に開放されている。ポンプ171への最大負荷に対応する「激しい流れ」の場合、圧力逃し弁186および入口弁180は、完全に閉鎖され、出口弁176が完全に開放されるようになっている。
小形バッテリによって作動されるポンプ(すなわち、補給電気ポンプ189)は、ポンプ161の作用側168からの内部ポンプ漏れによって失われた流体をポンプ161の止まり側169に戻すものである。
図9に記載/図示されているように、全ての計器/センサ196、弁176,180、および戻り/補給電気ポンプ189は、局所的に取り付けられた制御システム/制御装置195と相互作用するようになっている。システム/装置160は、2つのバッテリ193,194を備えている。主バッテリ(すなわち、バッテリ193)は、計器/センサ196、弁176,180、および制御システム/制御装置195を備える計測制御システムに電力を供給するものである。第2のバッテリ194は、補給ポンプ189および補助機器に電力を供給するものである。
図11を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置200は、軸流体圧ポンプ201を備えており、該ポンプ201は、チャンバ203を画定するポンプ本体202を備えている。ポンプ本体202は、側壁204を備えている。側壁204は、上壁205によって閉鎖された上端および底壁206によって閉鎖された下端を備えている。底壁206は、ポンプ201が位置する水域の床に置かれているかまたは固定されている(図示されない)基部に取り付けられるように構成されている。
ピストン207が、チャンバ203を作用側208と止まり側209とに仕切るように、かつチャンバ203内において前後に移動することができるように、チャンバ203内に収容されている。ピストン207と側壁204との間の(図示されない)シールによって、流体がピストン207を超えて作用側208と止まり側209との間に流れるのが阻止されている。
ピストンロッド210が、ピストン207と共に本体202に対して前後に移動することができるように、ピストン207からポンプ本体202の上壁205の開口を通って延在している。(図示されない)シールによって、流体が該開口を通ってチャンバ203から漏出するのが阻止されている。
ポンプ201は、ポンプ201の止まり側209に接続された逆止弁211も備えている。
図示されていないが、浮力アクチュエータが、縛り紐によってピストンロッド210の上端に接続されている。
ロッド側/調整側/作用側の流体圧アキュムレータ212が、ホース213によってポンプ201の作用側208に接続されている。アキュムレータ212は、逆止弁215によって出口流体圧アキュムレータ214に接続されている。制御可能な出口弁216が、出口アキュムレータ214をタービンまたはペルトンホイール217に接続しており、これによって、弁216から流出する作動流体が、タービンまたはホイール217を回転させることができる。タービンまたはホイール217は、(図示されない)発電機に接続されていてもよく、これによって、タービンまたはホイール217の回転が、発電機を駆動し、電気を生成することができる。タービンまたはホイール217の出力側または出口は、タンクまたはリザーバ217に接続されており、これによって、タービンまたはホイール217から流出した低圧流体は、矢印218によって示されているようにリザーバ217内に流入することになる。リザーバ217は、ポンプ219、制御可能な入口弁220、逆止弁221、およびホース213によって、ポンプ201の作用側208に接続されている。ポンプ219は、流体をポンプ201に向かって汲み出すように操作可能である。中間流体圧アキュムレータ222が、ポンプ219および入口弁220と並列にポンプ201の作用側208に接続されている。入口流体圧アキュムレータ223が、逆止弁221と並列にポンプ201の作用側208に接続されている。圧力逃し弁224および圧力逃し弁225が、(ポンプ201の作用側に接続された)流体圧回路の高圧側と該流体圧回路の低圧側との間に接続されている。圧力逃し弁224および/または圧力逃し弁225は、制御可能であるとよい。
逆止弁211は、ホース227によって排出/止まり側流体圧アキュムレータ226に接続されており、補給電気ポンプ228にも接続されている。逆止弁229が、ポンプ228をリザーバ217に接続している。ポンプ228は、アキュムレータ226を備える流体圧回路に溜まっている作動流体を(ポンプ228の出口に接続された流体圧回路の作用側にある)リザーバ217内に戻すことができる。
破線230の左に位置する装置200の構成要素の全てが、沖合の水域内に配置されており、破線230の右側に位置する装置200の構成要素の全てが、陸上に配置されている。
図11に示されていないが、装置200は、装置200の種々の構成要素に電力を供給する手段も備えている。例えば、タービンまたはペルトンホイール217が発電機を駆動する場合、該発電機は、電力を充電装置に供給することができる。充電装置は、バッテリ充電モジュールと一緒に、装置200の1つまたは複数のバッテリを充電し、これによって、装置200の種々の動力要素に電力を供給するようになっている。
各空気/ガス充填ライン231は、アキュムレータ212,214,222,223,226の各々を(図示されない)充電空気/ガスの1つまたは複数の陸上源(shore based sources)に接続している。
装置160と同様に、装置200は、(図示されない)計測制御システム/制御装置も備えているとよい。この制御装置には、装置200のバッテリから電力が供給されるとよい。
(図示されない)複数のセンサが、装置160の制御装置の1つまたは複数の入力側に接続されている。センサの例として、装置200内の作動流体の圧力、温度、および流量を検出する圧力センサ、温度センサ、および流量センサを含む種々の形式のセンサが挙げられる。
出口弁216、入口弁220、補給ポンプ228、圧力逃し弁224、および/または圧力逃し弁225は、制御装置によって制御されるようになっているとよい。制御装置は、制御装置の入力側に接続されたセンサの出力に応じて、出口弁216、入口弁220、補給ポンプ228、圧力逃し弁224、および/または圧力逃し弁225の操作を制御するようになっているとよい。換言すれば、制御装置は、種々のセンサによって検出された圧力、温度、および流量に応じて、出口弁216、入口弁220、補給ポンプ228、圧力逃し弁224、および/または圧力逃し弁225の操作を制御するようになっているとよい。
制御装置は、装置200が該装置200の位置する水域の波運動から最適な、または、ほぼ最適な量のエネルギーを抽出、変換、または伝達することができるように、出口弁216、入口弁220、補給ポンプ228、圧力逃し弁224、および/または圧力逃し弁225を制御するようになっているとよい。
ポンプチャンバ203の作用側208への単一のライン/ホース/パイプが設けられており、調整側/作用側流体圧アキュムレータ212が、このラインに接続されている。排出側/止まり側流体圧アキュムレータ226および陸上に位置する電気補給ポンプ228は、ポンプ201の止まり側209から漏れた流体をポンプ201の作用側に接続された主流体圧回路の入口ラインに送るようになっている。圧力逃し弁224は、ポンプ201の近くのループの沖合端における主流体圧回路の出口ラインおよび入口ラインに接続されている。圧力逃し弁224は、主流体圧回路内の過剰圧力に対する安全機構をもたらすものである。(設けられていてもよいし、設けられていなくてもよく、もし設けられているなら、陸上に配置されているとよい)圧力逃し弁225は、沖合側圧力逃し弁224が故障した場合の予備弁をもたらすものである。
作動流体の出口流/流出流は、タービン217を駆動し、タービン217の出口の使用済み/低圧流体は、再加圧のためにリザーバ/貯蔵タンク217に戻され、次いで、ポンプ201に戻される。矢印付きライン231は、陸上に向かっており、これは、制御ポイントを指している。種々のアキュムレータのライン231へのガス充填は、制御アルゴリズムに従って、陸上から変更されるとよい。
出口制御弁216の機能は、ペルトンタービン/ホイール217用の(スピア弁とも呼ばれる)入口弁によって果たされてもよい。この場合、別の出口弁216を設ける必要がない。何故なら、該弁がペルトンタービン/ホイールアセンブリ217内に含まれているからである。
図12を参照すると、波運動からエネルギーを抽出し/波エネルギーを変換するための閉ループ流体圧装置250は、該装置250が8つの軸流流体圧ポンプ/波エネルギーコンバータ(WEC)201のアレイを備えている以外は、装置200と同様である。ポンプ201の各々は、ポンプ201の作用側208に接続された各調整側/作用側流体圧アキュムレータ212および逆止弁215,221を有している。装置250は、多重CETOTM波エネルギーコンバータユニットを備える大規模システムをモデル化させたものである。
逆止弁215の各々は、マニホールド251に接続されており、逆止弁221の各々は、マニホールド252に接続されている。マニホールド251は、出口流体圧アキュムレータ214に接続されており、マニホールド252は、入口流体圧アキュムレータ223に接続されている。
各ポンプ201の止まり側は、1つまたは複数のホース227および逆止弁211を介して、1つまたは複数の排出側/止まり側流体圧アキュムレータ226に接続されているとよく、逆止弁229を介して装置250のリザーバ217に接続され得る補給電気ポンプ228にも接続されているとよい。
星印の付いた各空気/ガス充填ライン231は、装置250のアキュムレータ212,214,222,223,226の各々を(図示されない)充電空気/ガスの1つまたは複数の陸上源に接続している。
典型的には、装置250のポンプ201は、縦に3列を超えないアレイで配置されている。
ポンプ201は、互いに同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
図12に示されている形式の典型的なプラント/装置では、該装置は、沖合で互いに接続された8つのポンプ201からなる多重アレイから構成することができ、沖合の蓄積によって流れを陸上のタービン/ペルトンホイールに供給するようになっている。陸上の外部ポンプ219は、沖合ポンプ201のピストンを駆動するために、流れを該ポンプに還流するようになっているとよい。これは、一例として、図12に概略的に示されている。代替的に、タービン/ペルトンホイール217における加圧流体は、ポンプ201のピストンを駆動するために、ポンプ201に供給されるようになっているとよい。
ポンプWEC/ポイントWECを利用する操作可能なパワーステーションは、多数のユニットから構成されているとよい。ユニットの数は、パワーステーションの全動力出力要求によって決定されることになる。ポイントWECは、エネルギーの単一ポイント吸収体として挙動するWECとして理解されたい。
以上は、波エネルギー装置を制御し、最適化するための種々のシステムについて述べたものである。波エネルギー装置は、流体動力を取り出す波エネルギーコンバータ(WEC)、例えば、(WECの特殊な形式である)CETOTM波エネルギーコンバータを備えている。WECは、閉ループモードで運転されるようになっている。閉ループは、高圧の装置出口ラインおよびかなり低圧の入口(戻り)流体ラインを備えている。閉ループ内を循環する流体は、実質的に水性である。この流体は、エネルギーを陸上に伝達するものである。流体は、圧力および流量を介して、エネルギーを移送することになる。加えて、陸上には、タービンまたは圧力交換用エンジンのような流体機械装置を介して作動流体からエネルギーを取り出す手段が設けられている。
システムは、陸上および/または沖合に配置された制御要素を備えているとよい。制御要素は、出口ラインおよび陸上の入口ラインにおける圧力および流量を調整する弁を備えているとよい。加えて、制御要素は、入口ラインと出口ラインとの間に配置された沖合側圧力逃し弁を備えているとよい。また、制御要素は、沖合に配置された流体圧アキュムレータを備えているとよい。さらに、制御要素は、陸上に配置された流体圧アキュムレータであって、一方が出口ラインに接続されており、他方が入口ラインに接続されている、流体圧アキュムレータを備えているとよい。さらに、制御要素は、陸上において、入口ライント出口ラインとの間に配置された圧力逃し弁を備えているとよい。
上記システムは、制御アルゴリズムを用いて、制御要素を制御するようになっているとよい。例えば、もし流体圧弁およびアキュムレータへのガス充電手段が、制御要素として設けられているなら、制御装置を用いて、それらを制御するようになっているとよい。
制御アルゴリズムは、以下の機能の1つまたは複数を行うようになっているとよく、または以下の特性の1つまたは複数を有しているとよい。
a.アキュムレータの容積変化(弁の開閉)によって、拘束ピストン端と非拘束ピストン端との間(これら端を含む)におけるCETOTMWECの機械的剛性を調整すること。「拘束ピストン(piston-constrained)」は、作動流体が、調整アキュムレータによって許容される程度まで、流体圧回路の内側で移動が拘束されることによって、ピストンの運動が最小限に抑えられている状態を指しており、「非拘束ピストン(piston free)」は、入口回路と出口回路との間で流体が自在に流れ、ピストンがその自重および加えられる外力の影響によって自在に運動することができる状態を指している。
b.CETOTM波エネルギーコンバータの場合、潮流によって生じるような水深の緩慢な変動に適応するように、ポンプのピストンの基準位置を調整すること。
c.近接波測定装置によるリアルタイム入力値に従って、WEC装置の制御要素を調整すること。このような装置は、海面状態を定める瞬間的な波高(H)、瞬間的な波周期(T)、瞬間的な波拡散(θ)、および任意の他の関連パラメータを記録し、このデータをリアルタイムでアルゴリズムにもたらすようになっているとよい。
d.c)において、動力Pが瞬間的な最大値になるように、設定値を調整すること。
e.c)において、動力Pが瞬間的な最小値になるように、設定値を調整すること。もし保守または検査が行われている場合、このような条件が望ましい。
f.c)において、Pが確率pmで最小値Pmを超えるように、設定値を調整すること。
g.事前設定テンプレートFを適用し、時間間隔τにおいてWECによって送達される全動力を最大にするように、制御要素の値を規制すること。
h.時間間隔τは、観測上の基準時点(epoch)τεの秒から分、時間の範囲内における変数であるとよい。例えば、標準的な沖合の実行時間は、連続的な不規則海面状態の場合、20分であり、激しい海面状態の場合、3時間である、
i.各基準時点τεは、アルゴリズムAの設定操作点およびアルゴリズムAによって行われる制御の範囲を定める特有テンプレートFεに関連付けられている。
j.制御アルゴリズムAは、i)の一連のテンプレートF
εを含んでいるとよい。各テンプレートは、協働して、任意の観測時点における最短時間と最長時間との間の最適エネルギー出力E
maxをもたらすことになる。すなわち、アルゴリズムAは、常に、最大積分エネルギーE
maxをもたらすように調整されるようになっている。
k.特定のアルゴリズムAは、以下の条件の1つまたは複数に特有の成分を含むアルゴリズムの集合Aiから導かれるようになっているとよい。
a.特定の地理学的箇所;
b.特定の水深および海底地形;
c.特定類別の波活動、例えば、強力な波活動、沖合の波活動、穏やかな波活動、沿岸の波活動、またはこれらの組合せ;
d.特定の季節、例えば、冬、夏;
e.WECの特定の構成;
f.同時係属中のCETOTM波エネルギーコンバータ特許出願に記載されているようなエネルギー緩和機構を含むWECの特定の物理的構成;
g.WECの老朽化、状態、運転歴に対応するWECの特定の物理的状態;
h.WECの構成における任意の他の変更;
i.年間の支配的な海面状態(例えば、西オーストラリアの湾岸から離れたガーデン島の現場は、6〜8つの支配的な海面状態を有している);および
j.特定の安全/緊急条件。
ここでは、前述したような閉ループ系をなす、入口配管および出口配管の共通組に一緒に並列に接続されたWECのアレイを備えるシステムについても、述べられている。
WECのアレイを備えるシステムでは、アルゴリズムAの最適化は、波拡散にも影響されるようになっている。アルゴリズムAiおよびテンプレートFεは、単一WECのものと実質的に異なっている。多重ユニットの場合、そのアルゴリズムが単一ユニットのアルゴリズムと大きく異なっている点は、ユニット間の流体圧的相互作用であることに留意されたい。
また、前述したシステムの全てに記載されているシステムであって、アルゴリズムAiが最適フィルター手法によって生じるようになっている、システムも記載されている。
単一CETOTM波エネルギーコンバータユニットのような単一ポイント吸収体波エネルギーコンバータ(WEC)の応答は、動力関数P(H,T,θ)を用いて、数学的に記述することができる。動力関数P(H,T,θ)は、瞬間的な動力が、原理的に、瞬間的な波高H、瞬間的な波周期T、および瞬間的な波拡散の角度の関数であることを表している。実際の海は、多数の波方向、風波、大波、場合によっては、他の成分を有することがある。
関数Pは、瞬間的な動力を表している。
応答関数Pの生成は、多くの方法、例えば、
i.既知の周期Tおよび振幅Hの正弦波励起のパルス列によって単一WECを励起し、得られた瞬間的動力Pを測定する方法、または
ii.WECへの入力を、これらの変数の関数として動力出力を正確に記述する有限要素モデルおよび/または動的シミュレーションモデルによって、シミュレーションする方法、
によって、達成することができる。
上記のプロセスは、一般的に「パワーマトリックス(power matrix)」と呼ばれる瞬間的な波周期および瞬間的な波高に対する瞬間的な動力の3次元的表面マップをもたらすことになる。パワーマトリックスは、海面状態および前述したように行われる制御を受けたシステムの機械的な応答を記述している。仮想正弦波擾乱の場合、関数Pを時間τにわたって積分することによって、所定値の波高および波周期によって時間τ内に送達される平均エネルギーが得られることになる。
実際の水波の波高および波周期は、時間的かつ空間的な確率的(無作為)変動を生じている。これらの変動およびこれらの変動間の相関関係を特徴付けるために、時間的かつ空間的な分布関数が用いられる。得られた分布、例えば、ピアソン・モスコビッチスペクトルのような経験的モデルは、単位周波数間隔当たりの(波高)2(m2/Hz)で表される波高スペクトル分布をもたらす。これらの分布関数が、所定の場所および所定の季節における典型的な波浪気候を記述し、予測することができる精度は、実データまたはモデル化データのデータ記録がいかに広範に該場所において入手可能であるかに依存している。現場における観察の記録またはモデル化の記録がより広範であるほど、データから導かれるモデルの予測動力における統計的信頼性のレベルが大きくなる。
所定の場所および所定の季節におけるWECの動力出力に関する統計的な予測性能は、(パワーマトリックスによる)機械応答と波モードとの畳込み、すなわち、畳込み関数から得られる。時間τにわたる全予測エネルギー出力は、この畳込み関数の時間積分によって与えられることになる。
もし畳込み関数がロバスト(robust)なものであるなら、すなわち、もし畳込み関数が高い統計的信頼性で動力出力を予測するのに用いることができるなら、この関数は、該関数を最適フィルターとして適用することによって、WEC(すなわち、装置160,200,250のような閉ループ流体圧装置)の応答を最適化するのに、用いることができる。最適フィルターは、所定の出力、この場合、WECによって生じるエネルギーを最大にするために、システム特性およびシステムを駆動する擾乱、この場合、波のスペクトル特性に関する知識を用いている。
最適フィルターを実装するプロセスは、制御アルゴリズムAiおよび前述したFで表される制御アルゴリズムAiの関連する制御目標値および制御範囲をもたらすことになる。最適フィルター手法は、装置のエネルギー出力が時間間隔τにおいて最大化されるように、(前述したような)WECの制御要素を変更する制御アルゴリズムをもたらすことになる。
最適フィルターおよび派生するアルゴリズムを生成する手法は、単一波の現地の場合、以下の通りである。
i.前述した方法を用いて、波エネルギーコンバータに対するパワーマトリックスPを決定する。このパワーマトリックスは、システムの状態変数の関数であると共に時間の関数でもある。状態変数は、吸込ループおよび戻りループにおける圧力および流量、およびシステム内の種々のアキュムレータのガス充填圧およびガス充填量を含んでいる。
ii.WECの物理的な設置場所に適用可能な海面状態に対して最もロバストなスペクトルモデルを決定する。前述の方法を用いる。ほぼ、任意の場所を所定数の支配的な海面状態によって記述することが可能である。
iii.海面状態スペクトル密度をパワーマトリックスに畳み込む。波高および波周期の変数の間に自然の相関関係が存在することに注意されたい。得られた伝達関数は、WECの状態変数および動的海洋のパラメータに対するユニットの動力生成に関連するものである。この関数が時間に対して積分され、所定の時間間隔におけるWECの平均エネルギー予測出力の推定値が得られる。このエネルギー推定値は、制御アルゴリズムが働いているWECの状態変数の関数であり、海洋擾乱のスペクトルを予期するのに用いられた海洋モデルのパラメータによって決定されたものである。
iv.ベクトル解析の技術を適用するエネルギー関数(状態変数)の多パラメータ最適化を行い、ニュートン・ラフソン法のような標準的ルーチンを用いて、局所的極値および包括的極値を見出す。数値解析および多変数最適化の分野の当業者であれば、これらの技術およびこれらの技術が適用される数学的条件に精通しているだろう。
v.エネルギー関数Emaxのベクトル空間内に操作点および安定操作領域を画定する。これによって、テンプレートFを生成する。
vi.制御システムの伝達関数を状態変数に適用し、制御アルゴリズムAを生成する。
vii.制御アルゴリズムのシミュレーションを行い、アルゴリズムAおよび目標値Fの精度および安定性を検証する。
viii.要求されるアルゴリズムAiに代入するのに必要な種々の海面状態に対して、ii)以降のステップを繰り返す。もしこの集合が機械の状態の変更を含んでいるなら、i)からステップを繰り返す。
アルゴリズムされるプロセスおよび後続のWECへの応用における重要な特徴は、このプロセスおよびWECへの応用が発見的(heuristic)であること、すなわち、WECの操作寿命にわたって学習する能力を有していることにある。所定の現地における波統計の初期のモデル推定値は、比較的不確実なものである可能性があるが、それらの予測の信頼性レベルは、WECが運転され、かつ波浪気候のより詳細な統計的具現性が蓄積されるにつれて、経時的に改良されることになる。学習は、この情報をii)においてアルゴリズム生成プロセスにフィードバックすることによって、達成される。同様に、機器の老朽化に関する情報を運転寿命にわたって収集し、i)においてアルゴリズム生成プロセスにフィードバックすることによって、パワーマトリックにも発見的な手法を導入し得る可能性がある。いずれも場合も、発見的な展開によって、より完全なアルゴリズムの集合AiおよびテンプレートFが得られ、これによって、波エネルギーコンバータの運転寿命中に直面するあらゆる条件下において、エネルギー出力を最適化することができる。
前述の検討および手法は、波力発電場(wave farm)、すなわち、多重WECのアレイにも同様に適用される。唯一の違いは、制御されるべき状態変数が多いことである。何故なら、プラントが極めて複雑である、かつ
a)パワーマトリックスに「拡散(spread)」と呼ばれる角度依存性が存在し、
b)WECアレイ内の個々のユニット間に相互作用効果が存在し、
c)海面状態に対する到来角度の分布を波モデル化に含ませる必要がある、
からである。
最適化に関する検討は、有益である。システムを最適化するために、
1.まず、パワーマトリックスを決定し、
2.パワーマトリックスおよび波モデルを用いて、システム伝達関数を作り、かつ最適化し、
3.物理的立地に対するロバストなスペクトルモデルを用いて、伝達関数を特定の現地に対して最適化する。ここで、制御アルゴリズムが適用されることになる。
装置のポンプを駆動する波は、不規則な入力コンディショナーである。これは、装置のポンプが不規則に駆動されることを意味している。従って、装置は、その出力を最大化するために、制御される必要がある。装置を制御するために、最適フィルターが用いられる。システム/装置のパラメータは、最適フィルターによって与えられるレシピ(recipe)に従って設定されることになる。最適フィルターは、通常、装置の場所、または季節、例えば、夏、冬、等によって異なっている、または変更されることになる。最適フィルターは、種々のパラメータを用いてシステム/装置を試験することによって、および/またはモデルを用いることによって、得られるとよい。最適フィルターに従って装置を制御することによって、装置の出力曲線に基づくエネルギーを最大化させることができる。
当業者であれば、ここに述べた本発明の変更および修正は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、明瞭なものであることを理解されたい。当業者には明らかなこれらの修正および変更は、本明細書において述べた本発明の広い範囲および領域内に含まれることが意図されている。
明細書および請求項を通して、もし文脈が他のことを要求していないなら、「備える(comprise)という用語あるいは「comprises」または「comprising」のような変形は、記述されている完全体または完全体の群を含むが、任意の他の完全体または完全体の群を排除するものではないことを理解されたい。
明細書および請求項を通して、もし文脈が他のことを要求していないなら、「実質的(substantially)」または「約(about)」という用語は、この用語によって示された範囲の値に制限されるものではないことを理解されたい。
もし先行技術文献がここに引用されているなら、該文献がオーストラリアまたは任意の他の国の技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものではないことは、明瞭に理解されるだろう。