JP2013508811A - 空間画像事前確率を用いたぼけ画像修正 - Google Patents

空間画像事前確率を用いたぼけ画像修正 Download PDF

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Abstract

ぼけ修正画像を決定する方法であって、前記方法は、データ処理システムにより少なくとも一部が実施され、短い露光時間でキャプチャされたシーンの鮮明な画像を受信するステップ、前記鮮明な画像より長い露光時間でキャプチャされた前記シーンのぼけ画像を受信するステップであって、前記ぼけ画像は前記鮮明な画像より高いレベルのモーション・ブラー及び低いレベルの画像ノイズを有する、ステップ、前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像に応答してぼけの中核を決定するステップ、前記鮮明な画像に応答して1又は複数の基準差分画像を決定するステップ、前記ぼけ画像、前記ぼけの中核及び前記1又は複数の基準差分画像に応答してぼけ修正画像を決定するステップ、前記ぼけ修正画像をプロセッサによりアクセス可能なメモリ・システムに格納するステップ、を有する方法。

Description

本発明は、ぼけ画像修正の分野に関し、より詳細には短い露光時間でキャプチャされた第1の鮮明な画像とより長い露光時間でキャプチャされたシーンの第2のぼけ修正画像とを用いてぼけ修正画像を決定する方法に関する。
デジタル画像におけるぼけ画像のある共通のソースは、画像のキャプチャに関連する露光時間(積分時間)中のカメラとシーンとの間の相対運動である。この種のぼけ画像は、「モーション・ブラー(motion blur)」、「スミア(smear)」と呼ばれる。モーション・ブラーは、通常、画像キャプチャ環境の光レベルが暗く、長い露光時間が必要なときに生じる。
モーション・ブラーを低減する1つのアプローチは、採光を補完するために電子フラッシュを用いることである。しかしながら、これは、被写体が比較的カメラの近くにいるときにのみ効果的である。さらに、多くのユーザは、フラッシュ撮影された写真が満足のいくものではないことを知っている。
モーション・ブラーを低減する別のアプローチは、画像キャプチャ中の露光時間を短縮するために、電子画像センサの光感度を向上させることである。近年、この分野で大きな進歩があるが、現在利用可能な電子画像センサの光感度は、多くの画像キャプチャ環境においてモーション・ブラーを防ぐほど十分高くない。
電子画像センサの光感度を低下させる1つの要因は、カラー画像を形成させるためにセンサの上に配置されるカラー・フィルタの使用である。例えば、米国特許番号第3,971,065号明細書で教示されている良く知られた「バイヤ・パターン」は、カラー画像信号を検出するために、赤、緑及び青色フィルタの繰り返しアレイの使用を教示している。この一般的なアプローチは、今日、大部分の消費者デジタル・カメラで用いられているが、カラー・フィルタ・アレイ(CFA)は入射光の約3分の2を無駄にしてしまうという望ましくない効果を有するので、画像システムの写真の速度を実質的に低下させてしまう。
Muramatsuの米国特許番号第4,876,591号明細書は、ビーム・スプリッタと2つの異なるセンサとを有する電子画像システムを開示している。このシステムでは、1つのセンサはカラー・フィルタを持たず、他のセンサはあるパターンのカラー・フィルタを有する。カラー・フィルタを有しないセンサは、向上した光感度を提供し、他のセンサは色情報を提供する。このシステムは、単一の従来の画像センサよりも光感度を改善しているが、2つのセンサとビーム・スプリッタ・とを必要とするため、システムの全体的な複雑性、大きさ及びコストが増大している。さらに、ビーム・スプリッタは画像から各センサへの光の半分しか検出せず、写真の速度の改善が限られる。
Hamilton他の米国特許出願番号2007/0046807号明細書は、幾つかのカラー画像ピクセルを有する単一のセンサを用いたデジタル画像システムであって、カラー・フィルタ及びカラー・フィルタを有しない幾つかのパンクロマティック画像ピクセルを備えたシステムを教示している。補間アルゴリズムは、高速パンクロマティック画像ピクセルが画像の詳細情報を提供する場合、フルカラー画像を再構成するために用いられる。このアプローチは、短い露光時間を可能にすることによりモーション・ブラーをある程度まで低減できるが、多くの低光画像シナリオではあるレベルのモーション・ブラーが依然として存在する。
デジタル画像のモーション・ブラーの影響を低減する別の方法は、キャプチャされた画像のぼけを補償する画像増強アルゴリズムを使用することである。このようなアルゴリズムは、「ぼけ修正」又は「逆畳み込み(デコンボリューション)」アルゴリズムと呼ばれる。このようなアルゴリズムは、大きく2つのカテゴリに分類できる。つまり、「ブラインド」と「非ブラインド」である。ぼけ画像に関連するぼけの中核が未知のとき、問題は、「ブラインド・デコンボリューション」であり、ぼけの中核が分かっているとき、「非ブラインド・デコンボリューション」であると言われる。
非ブラインド・デコンボリューションでは、最も一般的な技術は、「ルーシー・リチャードソン(RL)」デコンボリューションである。(文献W.H.Richardson, "Bayesian-based iterative method of image restoration," Journal of the optical society of America, Vol.62, pp.55-59, 1972、及びL.B.Lucy, "Aniterative technique for the rectification of observed distributions," Astronomical Journal, vol.79, pp.745-754, 1974を参照)この方法は、ぼけ修正画像のピクセル強度がポアソン分布に従うという仮定の下で、ぼけ修正画像(「潜在画像(latent image)」とも称される)の決定を含む。
文献「Improved image deblurring with anti-reflective boundary conditions and re-blurring」(Inverse Problems, Vol.22, pp.2035-2053, 2006),Donatellie et al.は、PDE(Partial Differential Equation)に基づくモデルを用い、反射防止境界条件及び再ぼけ段階を組み込むことにより、リンギングの低減されたぼけ修正された画像を回復している。
文献「Progressive inter-scale and intra-scale non-blind image deconvolution」(ACM Transaction on Graphics, Vol.27, Iss.3, 2008), Yuan, et al.は、有意にリンギングを低減する進行型スケール間およびスケール内非ブラインド画像デコンボリューションを開示している。
ブラインド・デコンボリューションは、不良設定問題であり、極めて興味深い。純粋なブラインド・デコンボリューションへのアプローチは、単一のぼけ画像又は複数のぼけ画像のいずれかに適用される。最も興味深い問題は、単一画像のブラインドぼけ修正であり、ぼけ修正画像の同時推定及び画像ぼけに関する点像分布関数(Point Spread Function: PSF)を必要とする。
文献「Removingcamerashakefromasinglephotograph」(ACM Transaction on Graphics, Vol.25, pp.787-794, 2006), Fergus et al.は、ぼけの中核が複雑で鮮明であることが多いことを示している。彼らは、自然画像の勾配について特定の統計的分布を仮定しながら、ぼけの中核を回復させるために集合体の学習のアプローチを教示している。
文献「High-quality motion deblurring from a single image」(ACM Transaction on Graphics, Vol.27, pp.1-10, 2008), Shan et al.は、ぼけの中核の推定及び非ぼけ画像の再構成の両方の統一された確率的モデルを用い、モーション・ブラーを除去する方法を開示している。
文献「Understanding and evaluating blind deconvolution algorithms」(Proc. IEEE Conf. on Computer Vision and Pattern Recognition, 2009, Vol.27, pp.1-10, 2008), Levin, et al.は、多数の単一画像のブラインド・デコンボリューション・アルゴリズムを記載及び評価している。
複数のぼけ画像を有し、ぼけ修正過程に更なる制約をもたらしうる。文献「Two motion-blurred images are better than one」(Pattern Recognition Letters, Vol.36, pp.211-217, 2005), Rav-Acha, etal.は、中核の推定の向上をもたらすために異なるぼけ方向を有する画像の使用を教示している。
近年、別の種類のブラインド・デコンボリューションが開示されている。これは、ぼけ像に加えて追加情報を用い、デコンボリューションを改善する。この方法は、「疑似ブラインド・デコンボリューション」として分類される。文献「Simultaneous image formation and motion blur restoration via multiple capture」(Proc. International Conference Acoustics, Speech, Signal Processing, pp.1841-1844, 2001), Liu et al.は、通常の露光時間内に複数の高速フレームをキャプチャするために、CMOSセンサを用いることを教示している。モーション・ブラーを有する画像ピクセルは、高速フレームの中の1つからのピクセルで置換される。
文献「Motion deblurring using hybrid imaging」(Proc. IEEE Conf. on Computer Vision and Pattern Recognition, Vol.1, pp.657−664, 2003), Ben-Ezra, et al.は、時間的に同期した低解像度画像シーケンスと一緒に同時に高解像度画像シーケンスをキャプチャするハイブリッド・カメラを開示している。この方法では、高解像度画像の全体的なモーション・ブラーを推定するために、オプティカル・フローが低解像度画像から得られる。
文献「Codedexposurephotograph:motiondeblurringusingflutteredshutter」(ACM Transaction on Graphics, Vol.25, pp.795-804, 2006), Rasker, et al.は、疑似ランダム・シーケンスを有する通常の露光時間中にシャッターを開閉する「フラッタード・シャッター」カメラを開示している。フラッターは、通常の「ボックス・フィルタ」を変更し、ぼけ画像の高周波数の空間的詳細を保ソンする広帯域フィルタにする。結果として、対応するデコンボリューションは、良設定問題になる。
文献「image deblurring with blurred/noisy image pairs」,(ACM Transaction on Graphics, Vol.26, Issue 3, 2007), Yuan, et al.は、ぼけたノイズの多い画像対を用いた画像ぼけ修正の方法を開示している。各画像対は、長い露光時間でキャプチャされたぼけ画像と短い露光時間でキャプチャされたノイズのある画像を有する。短い露光時間の画像に関連するノイズは、低光条件では深刻なので、ぼけ修正はノイズ除去動作の性能に大きく依存する。
文献「Image and depth from a conventional camera with a coded aperture」(ACM Transaction on Graphics, Vol.26, Issue 6, 2007), Levin, et al.は、ぼけ修正アルゴリズムで使用できる概算ぼけ中核を得るために符号化開口を用いる。このぼけ修正アプローチは、ピンぼけに起因する画像ぼけに限られる。
本発明は、ぼけ修正画像を決定する方法を提示する。当該方法は、データ処理システムにより少なくとも一部が実施され、短い露光時間でキャプチャされたシーンの鮮明な画像を受信するステップ、前記鮮明な画像より長い露光時間でキャプチャされた前記シーンのぼけ画像を受信するステップであって、前記ぼけ画像は前記鮮明な画像より高いレベルのモーション・ブラー及び低いレベルの画像ノイズを有する、ステップ、前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像に応答してぼけの中核を決定するステップ、前記鮮明な画像に応答して1又は複数の基準差分画像を決定するステップ、前記ぼけ画像、前記ぼけの中核及び前記1又は複数の基準差分画像に応答してぼけ修正画像を決定するステップ、前記ぼけ修正画像をプロセッサによりアクセス可能なメモリ・システムに格納するステップ、を有する。
本発明は、鮮明な画像より低いノイズ・レベルを有するが、ぼけ画像より高い鮮明さのレベルを有するぼけ修正画像を生成するという利点を有する。
本発明は、従来のぼけ修正アルゴリズムよりも少ないリンギング・アーティファクトを有するぼけ修正画像を生成するという更なる利点を有する。
本発明の実施形態によるデジタル画像を分類するシステムのコンポーネントを示す高位レベルの図である。 本発明の好適な実施形態のフローチャートである。 短い露光時間及び長い露光時間で画像対をキャプチャするタイミング図である。 本発明の好適な実施形態による図2のぼけの中核を推定するステップの更なる詳細を示すフローチャートである。 基準差分画像を決定するために用いられるインデックスのアレイである。
以下の説明では、本発明の幾つかの実施形態は、通常ソフトウェア・プログラムとして実施されるという観点で記載される。当業者は、このようなソフトウェアの等価物がハードウェアで構成されうることを直ちに理解するだろう。画像操作アルゴリズム及びシステムは良く知られているので、本願明細書は、特に本発明による方法の一部を形成する又はより直接的にその方法と協働するアルゴリズム及びシステムを教示する。このようなアルゴリズム及びシステムの他の態様は、関連する画像信号を生成及びその他処理するハードウェア及びソフトウェアと共に、本願明細書に詳細に示され又は記載されないが、従来知られているシステム、アルゴリズム、コンポーネント及び要素から選択されてよい。以下の本発明によるシステムが記載され、本発明の実施に有用なソフトウェアは特に示され、提案され又は記載されないが、従来通りであり当業者の技術の範囲内である。
本発明は、本願明細書に騎士あされた実施形態の組合せを包含する。「特定の実施形態」等への言及は、本発明の少なくとも1つの実施形態に存在する特徴を表す。「一実施形態」又は「特定の実施形態」等の別個の言及は、必ずしも同一の1又は複数の実施形態を表すものではない。しかしながら、このような実施形態は、特に示されない限り相互に排他的ではなく、又は直ちに当業者に明らかである。「方法」等の言及に用いられる単数又は複数の使用は、限定的ではない。特に明示されない限り又は文脈上必要でない限り、本願明細書における「又は」の使用は非排他的である。
本願明細書で用いられる「デジタル画像ファイル」の語は、デジタル・スチル画像又はデジタル・ビデオ・ファイルのような任意のデジタル画像ファイルを表す。
図1は、本発明の実施形態によるぼけ修正画像を決定するシステムのコンポーネントを示す高位レベルの図である。システムは、データ処理システム110、周辺システム120、ユーザ・インタフェース・システム130及びデータ記憶システム140を有する。周辺システム120は、ユーザ・インタフェース・システム130及びデータ記憶システム140は、データ処理システム110に通信可能に接続される。
データ処理システム110は、本願明細書に記載された例示的な処理を含む本発明の種々の実施形態の処理を実施する1又は複数のデータ処理装置を有する。用語「データ処理装置」又は「データ・プロセッサ」は、中央演算ユニット(CPU)、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント、Blackberry(登録商標)、デジタル・カメラ、携帯電話機、又は電気的、磁気的、光学的、バイオロジカル・コンポーネント等で実施されるか否かに関わらずデータを処理し、データを管理し若しくはデータを取り扱う任意の他の装置のような任意の処理装置を包含する。
データ記憶システム140は、本願明細書に記載された例示的な処理を含む本発明の種々の処理を実行するために必要な情報を含む情報を格納する1又は複数のプロセッサによりアクセス可能なメモリを有する。データ記憶システム140は、データ処理システム110に複数のコンピュータ又は装置を介して通信可能に接続された複数のプロセッサによりアクセス可能なメモリを含む分散型のプロセッサによりアクセス可能なメモリ・システムであってもよい。一方で、データ記憶システム140は、分散型のプロセッサによりアクセス可能なメモリ・システムである必要はなく、したがって、単一のデータ・プロセッサ又は装置内に配置された1又は複数のプロセッサによりアクセス可能なメモリを有してもよい。
用語「プロセッサによりアクセス可能なメモリ」は、揮発性か不揮発性か、電子的、磁気的、光学的又はその他に関わらず、任意のプロセッサによりアクセス可能なデータ記憶装置を包含し、レジスタ、フロッピ・ディスク、ハード・ディスク、コンパクト・ディスク、DVD、フラッシュ・メモリ、ROM及びRAMを含むがこれらに限定されない。
用語「通信可能に接続される」は、有線か無線かに関わらず、装置間、データ・プロセッサ管、又はプログラム間のデータが伝達される任意の種類のコネクションを包含する。用語「通信可能に接続される」は、単一のデータ・プロセッサ内の素子間又はプログラム間のコネクション、異なるデータ・プロセッサに配置された素子間又はプログラム間のコネクション、データ・プロセッサ内に配置されていない素子間の全てのコネクションを包含する。これに関し、データ記憶システム140は、データ処理システム110と別に示されるが、当業者は、データ記憶システム140がデータ処理システム110内に完全に又は部分的に格納されてもよいことを理解するだろう。さらに、これに関し、周辺システム120及びユーザ・インタフェース・システム130はデータ処理システム110と別個に示されるが、当業者は、これらのシステムの一方又は両方がデータ処理システム110内に完全に又は部分的に格納されてもよいことを理解するだろう。
周辺システム120は、データ処理システム110にデジタル・コンテンツ・レコードを提供する1又は複数の装置を有してもよい。例えば、周辺システム120は、デジタル・スチル・カメラ、デジタル・ビデオ・カメラ、携帯電話機、又は他のデータ・プロセッサを有してもよい。データ処理システム110は、デジタル・コンテンツ・レコードを周辺システム120の装置から受信すると、このデジタル・コンテンツ・レコードをデータ記憶システム140に格納する。
ユーザ・インタフェース・システム130は、マウス、キーボード、別のコンピュータ、又はデータがデータ処理システム110に入力される任意の装置又は装置の組合せを有してもよい。これに関し、周辺システム120はユーザ・インタフェース・システム130と別個に示されるが、周辺システム120は、ユーザ・インタフェース・システム130に一部として含まれてもよい。
ユーザ・インタフェース・システム130は、ディスプレイ装置、プロセッサによりアクセス可能なメモリ、又はデータがデータ処理システム110により出力される任意の装置又は装置の組合せを有してもよい。これに関し、ユーザ・インタフェース・システム130がプロセッサによりアクセス可能なメモリを有する場合、図1にはユーザ・インタフェース・システム130とデータ記憶システム140が別個に示されているが、このようなメモリは、データ記憶システム140の一部であってもよい。
図2を参照して本発明を説明する。ぼけ画像を受信するステップ200は、ぼけ画像205を受信するために用いられる。また、鮮明な画像を受信するステップ210は、鮮明な画像215を受信するために用いられる。次に、ぼけの中核を推定するステップ220は、ぼけ画像205及び鮮明な画像215に応じて、ぼけの中核225を決定するために用いられる。ぼけの中核225は、ぼけ画像205とほぼ等しい鮮明さの特徴と有する画像を生成するために鮮明な画像215に適用される畳み込みカーネルである。次に、基準差分画像(reference differential image)を計算するステップ230は、1又は複数の基準差分画像235のセットを鮮明な画像215から計算するために用いられる。基準差分画像235のセットは、異なる方向(例えば、x及びy)の数学的導関数を計算することにより計算された勾配画像(gradient image)又は異なるピクセル間隔(例えば、Δx=1、2、3)の数学的導関数を計算することにより計算された勾配画像を含む。次に、ぼけ修正画像を計算するステップ245は、ぼけ画像205、ぼけの中核225、及び基準差分画像235に応じて、ぼけ修正画像250を計算するために用いられる。後に詳述するように、本発明の好適な実施形態では、ぼけ修正画像を計算するステップ245は、MAP(Maximum-A-Posterior)推定を用いるベイジアン推定方法を利用する。最後に、ぼけ修正画像を格納するステップ225は、結果として生じたぼけ修正画像250をプロセッサによりアクセス可能なメモリに格納するために用いられる。プロセッサによりアクセス可能なメモリは、RAM又はハード・ディスクのような任意の種類のデジタル記憶装置であってもよい。
本発明の一実施形態では、ぼけ画像205及び鮮明な画像215は、デジタル・カメラを用い、2つの連続的な露出を用いてキャプチャされる。鮮明な画像215は、短い露光時間を用いてキャプチャされ、低いレベルのモーション・ブラーを有する画像を提供する。しかしながら、この画像は、通常、特にシーンが低いレベルの最高で写真を撮られた場合に、高いレベルの画像ノイズを有する。ぼけ画像205は、長い露光時間を用いてキャプチャされ、低いレベルの画像ノイズを有する画像を提供する。しかしながら、露光時間中にシーン内のカメラと被写体との間に相対運動がある場合、ぼけ画像205は高いレベルのモーション・ブラーを有する。図3は、短い露光時間と長い露光時間で画像対をキャプチャするタイミング図の例を示す。短い露光時間270(時間t=0とt=tとの間)は、鮮明な画像215をキャプチャするために用いられる。第2の長い露光時間280(時間t=tとt=tとの間)は、ぼけ画像205をキャプチャするために用いられる。露光時間は、デジタル・センサの積分時間を調整することにより、或いはシャッターを制御することにより、制御することができる。本発明の好適な実施形態では、2つの画像は、1回のボタン押下に応答してデジタル・カメラによりキャプチャされる。
図4は、本発明の好適な実施形態によるぼけの中核を推定するステップ220の詳細を提供するフローチャートを示す。ぼけの中核は通常、色チャネルと独立なので、ぼけ画像205と鮮明な画像215のグレイスケール版を用いてぼけの中核を決定することが概して望ましい。画像を前処理するステップ400は、ぼけ画像205からぼけたグレイスケール画像405を計算するため、及び鮮明な画像215から鮮明なグレイスケール画像410を計算するために用いられる。カラー画像からグレイスケール画像への変換は、従来知られている任意の方法を用いて実行できる。本発明の好適な実施形態では、グレイスケール画像は、カラー・チャネルの加重和を実行することにより決定される。
Figure 2013508811
ここで、R、G及びBは、それぞれ入力画像の赤、緑及び青色チャネルのピクセル値である。a、a及びaは定数である。Pはグレイスケール画像のピクセル値である。
画像を前処理するステップ400は、画像をグレイスケール・フォーマットに変換するのに加えて他の機能を実行することもできる。例えば、画像を前処理するステップ400は、鮮明な画像215にノイズ除去アルゴリズムを適用してノイズ・レベルを低減することができる。メジアン・フィルタリング・アルゴリズムのような多くの従来知られたノイズ除去アルゴリズムがある。
画像を前処理するステップ400は、トーン・スケール調整処理を適用し、2つの画像の信号レベルを等しくすることができる。ヒストグラムの均等化は、従来知られたトーン・スケール調整処理の一例である。
画像を前処理するステップ400は、ぼけ画像205又は鮮明な画像215にアフィン変換を適用し、他方の画像と良好に協調するために用いることができる。これは、2つの画像がキャプチャされた時間と時間の間のカメラ又はシーンの動きを説明するために用いることができる。
画像を前処理するステップ400は、ぼけ画像205のサブセット及び対応する鮮明な画像215のサブセットをトリミング(crop out)し、計算効率を向上させるために用いることもできる。望ましくは、有意な画像の詳細(大きな強度偏差)を有する画像領域が選択される。何故なら、この画像領域では、モーション・ブラーの効果が最も重大だからである。このような画像領域は、ラプラシアン演算子をぼけ画像205に適用してラプラシアン画像を形成し、次に高い信号レベルを有するラプラシアン画像の領域を選択することにより、決定することができる。任意的に、ラプラシアン画像は、ラプラシアン演算子を鮮明な画像215に適用するか、ぼけ画像205と鮮明な画像215の両方に適用することにより決定することができる。選択された画像領域は、特定のサイズの方形領域のような隣接する画像領域でありうる。或いは、選択された画像領域は、大きさが所定の閾を超えているラプラシアン画像内の画像ピクセルの周囲の近隣の画像ピクセルのような、画像全体に散乱した画像ピクセルのサブセットを有しうる。本発明の代替の実施形態では、画像領域は手動でユーザにより選択することができる。
本発明の好適な実施形態では、ぼけの中核225は、MAP(Maximum-A-Posterior)推定を用いたベイズ推定方法で決定される。この方法を用いて、ぼけの中核225は、次式のエネルギ関数を定めることにより決定される。
Figure 2013508811
ここで、Pはぼけたグレイスケール画像405であり、Pは鮮明なグレイスケール画像410である。Kはぼけの中核225である。λは重み係数である。
Figure 2013508811
は畳み込み演算子である。
Figure 2013508811
はl-norm演算子である。E(K)はエネルギ値であり、ぼけの中核の関数である。このエネルギ関数はぼけ画像(P)と、鮮明な画像(P)を候補のぼけの中核(K)と共に畳み込みすることにより決定された候補のぼけ画像との間の差の関数である第1の項を有することが分かる。
本発明の好適な実施形態では、このMAP問題は、良く知られた共役勾配方法により解かれ、次の偏微分方程式(PDE)を解くことによりエネルギを最小化するぼけの中核を決定する。
Figure 2013508811
共役勾配方法を用いてPDEを解くことに関する更なる情報については、前述の文献「Image and depth from a conventional camera with a coded aperture」Levin, et alを参照のこと。
本発明の好適な実施形態では、マルチスケール・アプローチが、スケーリングされた画像の階層に基づき用いられ、最適渦中の極小にトラップされるのを回避する。マルチスケール・アプローチでは、粗い画像スケールで開始する一連のスケールでぼけの中核の推定を順次最適化する反復処理が用いられる。通常、各スケールが2倍だけ異なる2又は3の異なるスケールが良好に動作することが分かっている。
最も粗いスケールで、ぼけの中核を初期化するステップ415は、ぼけの中核225(K)を等しい要素を有する所定の範囲の四角形カーネルとして初期化するために用いられる。画像をダウンサンプリングするステップ420は、ぼけたグレイスケール画像405及び鮮明なグレイスケール画像410を現在のスケールにダウンサンプリングするために用いられる。例えば、3つのスケールが用いられる場合、最初の反復は4×ダウンサンプリングを必要とし、2番目の反復は2×ダウンサンプリングを必要とし、3番目の反復は完全な解像度の画像を用いるだろう。
次に、ぼけの中核を更新するステップ425は、共役勾配方法を用いて式(3)で与えられたPDEを解くことにより、ぼけの中核225の新たな推定を計算するために用いられる。ここで、前の反復からのぼけの中核はPDEの回の初期の推測として用いられる。任意的なぼけの中核の閾を適用する(threshold)ステップ430(破線で示される)は、小さいぼけの中核要素(例えば、全エネルギの0.1%より小さい)を閾にして、推定のノイズを低減するために用いられる。ぼけの中核を正規化するステップ435は、推定されたぼけの中核を正規化して、ぼけの中核の要素の和が1.0になるようにするために用いられる。テスト440は、処理の必要な追加のスケールがあるか否かを決定するために用いられる。追加のスケールがある場合、ぼけの中核の現在の推定は、ぼけの中核をアップサンプリングするステップ445を用いて次のスケールにアップサンプリングされる。これは、三次補間のような任意の知られている補間技術を用いて実行できる。処理すべきスケールがもはや残されていない場合、ぼけの中核を出力するステップ450は、ぼけの中核225の最終的な推定を出力するために用いられる。
本発明の好適な実施形態では、ぼけ修正画像を計算するステップ245は、MAP(Maximum-A-Posterior)推定と共にベイズ推定方法を用いる。この方法を用いて、ぼけ修正画像250は、次式のエネルギ関数を定めることにより決定される。
Figure 2013508811
ここで、Lはぼけ修正画像250、Kはぼけの中核225、Bはぼけ画像205、Sは鮮明な画像215、jはインデックス値、
Figure 2013508811
は畳み込み演算子、
Figure 2013508811
は絶対値演算子、
Figure 2013508811
は勾配演算子、
Figure 2013508811
はj番目のインデックスに対応する微分演算子、wはピクセルに依存する重み係数、λ、λ及びcは重み定数である。
インデックスjは、差分値を計算する目的で近隣ピクセルを識別するために用いられる。本発明の好適な実施形態では、差分値は、特定のピクセルを中心として5×5ピクセルのウインドウについて計算される。図5は、現在のピクセルを中心としたインデックスのアレイ500を示す。インデックスのアレイ500内に示された番号は、インデックスjである。例えば、j=6のインデックス値は、現在のピクセル位置510の1行上で2列左にあるピクセルに対応する。
微分演算子
Figure 2013508811
は現在のピクセルのピクセル値と、インデックスjにより指定された相対位置のピクセル値との間の差を決定する。例えば、
Figure 2013508811
は、鮮明な画像S内の各ピクセルと、1行上2列左にある対応するピクセルとの間の差を取ることにより決定された差分画像に対応する。これは次式の形式で与えられる。
Figure 2013508811
ここで、Δx及びΔyは、それぞれj番目のインデックスに対応する列及び行のオフセットである。差分画像
Figure 2013508811
のセットは、ぼけ修正画像250について生成されるべき所望の差分画像の推定を表すので、基準差分画像として表すことができる。基準差分画像を計算するステップ230は、式(5)を用いて基準差分画像235のセットを決定するために用いられる。通常、基準差分画像235のセットは、水平方向の近隣ピクセル間の差を表す1又は複数の水平差分画像及び垂直方向の近隣ピクセル間の差を表す1又は複数の垂直差分画像、並びに対角線方向の近隣ピクセル間の差を表す1又は複数の対角差分画像を有することが望ましい。
式(4)で与えられたエネルギ関数の最初の項は、画像忠実度の項である。ベイズ推定の用語では、これは「尤度(likelihood)項」として表されることが多い。この項はぼけ画像205(B)と、ぼけの中核225(K)と共に畳み込みされたぼけ修正画像(L)のぼけた版との間の差が小さいときに小さくなることが分かる。
式(4)で与えられたエネルギ関数の2番目及び3番目の項は、「画像の事前確率(image prior)」として表されることが多い。2番目の項は、ぼけ修正画像250(L)の勾配の大きさが小さいとき、低いエネルギを有する。これは、鮮明な画像が、通常、ぼけの端の幅が減少するほど、小さい勾配値でより多くのピクセルを有するという事実を反映している。前述の文献「Image and depth from a conventional camera with a coded aperture」Levin, et alで議論されている理由から、ピクセルに依存する重み係数wが次式を用いて決定されることが望ましい。
Figure 2013508811
ここで、αは定数(例えば、0.8)である、最適化処理中、
Figure 2013508811
は、前の反復のために決定されたLの推定を用いて各反復のために計算される。代替として、鮮明な画像215(S)は、ぼけ修正画像250(L)の推定として用いることができる。
式(4)で与えられたエネルギ関数の3番目の項は、基準差分画像235
Figure 2013508811
とぼけ修正画像に対して計算された差分画像
Figure 2013508811
との間の差を計算する。この項は、画像微分項として表すことができる。基準差分画像235の各々について貢献が決定され、この貢献は、次に1つのエネルギ項を決定するために重み付けされ加算される。この項に対応するエネルギは、ぼけ修正画像に対する差分画像
Figure 2013508811
が基準差分画像235
Figure 2013508811
にほぼ等しいとき、低くなる。
他の研究者等は、式(4)に示されるエネルギ関数の最初の2つの項を有するエネルギ関数を利用している。(例えば、前述の文献「Image and depth from a conventional camera with a coded aperture」Levin, et alを参照のこと。)基準差分画像を含むエネルギ関数に3番目の項を追加することは、先行文献に記載されたエネルギ関数に対して有意な利点を示す。特に、この項の使用は、従来の方法が画像の端近くに生じる傾向のあるリンギング・アーティファクトを低減することにより、ぼけ修正画像250の品質を有意に向上することが分かった。
ぼけ修正画像を計算するステップ245は、当業者に良く知られている最適化方法を用いて式(4)で与えられたエネルギ関数を最小化することにより、ぼけ修正画像250を計算する。本発明の好適な実施形態では、最適化問題は、PDEとして次式で与えられる。
Figure 2013508811
この式は、従来のPDE解法を用いて解くことができる。本発明の好適な実施形態では、PDE解法は、PDEが共役勾配アルゴリズムのような従来の一次方程式の解法を用いて解くことができる一次方程式の形式に変換されて用いられる。PDE解法に関する更なる詳細については、前述の文献「Image and depth from a conventional camera with a coded aperture」Levin, et alを参照のこと。
ぼけ修正画像を計算するステップ245は、ベイズ推定方法に加えて他の技術を用いることできることが当業者により理解されるだろう。例えば、従来の周波数領域の逆畳み込み方法は、ぼけ画像が周波数領域に変換され、ぼけの中核225を周波数領域に変換することにより決定された伝達関数により分けられる場合に用いることができる。次に、フィルタリングされた画像が、空間領域に逆変換される。この技術の変形は、良く知られたウィーナ・フィルタを含む。
本発明の方法は、任意の種類のデジタル画像システムにも適用できる。本発明の好適な実施形態では、この方法は、デジタル・スチル・カメラ・システムの一部として実装される。この方法は、デジタル・スチル・カメラ内のプロセッサにより実施されてもよく、代替としてパーソナル・コンピュータのようなデジタル・スチル・カメラの外部のプロセッサにより全体又は一部が実施されてもよい。本発明の方法は、デジタル・ビデオ画像を処理するためにも用いることができる。この場合、デジタル・ビデオのフレームは、短い露光時間と長い露光時間で交互にキャプチャでき、ぼけ修正画像を形成するためにビデオ・フレームの対が処理される。
コンピュータ・プログラム・プロダクトは、1又は複数の記憶媒体、例えば(フロッピ・ディスクのような)磁気ディスク又は磁気テープのような磁気記憶媒体、光ディスク、光学テープ又は機械読み取り可能なバーコードのような光記憶媒体、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read-Only Memory)のような固体電子記憶素子、又は本発明による方法を実行するよう1又は複数のコンピュータを制御するための命令を有するコンピュータ・プログラムを格納するために用いられる任意の他の物理装置若しくは媒体を含む。
110 データ処理システム
120 周辺システム
130ユーザ・インタフェース・システム
140 データ記憶システム
200 ぼけ画像を受信するステップ
205 ぼけ画像
210 鮮明な画像を受信するステップ
215 鮮明な画像
220 ぼけの中核を推定するステップ
225 ぼけの中核
230 基準差分画像を計算するステップ
235 基準差分画像
245 ぼけ修正画像を計算するステップ
250 ぼけ修正画像
255 ぼけ修正画像を格納するステップ
270 短い露光時間
280 長い露光時間
400 画像を前処理するステップ
405 ぼけたグレイスケール画像
410 鮮明なグレイスケール画像
415 ぼけの中核を初期化するステップ
420 画像をダウンサンプリングするステップ
425 ぼけの中核を更新するステップ
430 ぼけの中核に閾を適用するステップ
435 ぼけの中核を正規化するステップ
440 テスト
445 ぼけの中核をアップサンプリングするステップ
450 ぼけの中核を出力するステップ
500 インデックスのアレイ
510 現在のピクセル位置

Claims (21)

  1. ぼけ修正画像を決定する方法であって、前記方法は、データ処理システムにより少なくとも一部が実施され、
    (a)短い露光時間でキャプチャされたシーンの鮮明な画像を受信するステップ、
    (b)前記鮮明な画像より長い露光時間でキャプチャされた前記シーンのぼけ画像を受信するステップであって、前記ぼけ画像は前記鮮明な画像より高いレベルのモーション・ブラーを有する、ステップ、
    (c)前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像に応答してぼけの中核を決定するステップ、
    (d)前記鮮明な画像に応答して1又は複数の基準差分画像を決定するステップ、
    (e)前記ぼけ画像、前記ぼけの中核及び前記1又は複数の基準差分画像に応答してぼけ修正画像を決定するステップ、
    (f)前記ぼけ修正画像をプロセッサによりアクセス可能なメモリ・システムに格納するステップ、
    を有する方法。
  2. 前記ぼけの中核は、前記後家画像と前記鮮明な画像をぼけの中核の候補と畳み込むことにより決定されたぼけ画像の候補との間の差の関数である項を含むエネルギ関数を最小化する最適化方法を用いることにより決定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ぼけの中核は、前記鮮明な画像内の画像ピクセルのサブセット及び前記ぼけ画像内の画像ピクセルの対応するサブセットのみを分析することにより決定され、2つの前記サブセットは、重要な画像の詳細を含むよう決定される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記鮮明な画像のピクセルのサブセットは、
    前記鮮明な画像若しくは前記ぼけ画像又はそれらの両方からラプラシアン画像を決定し、
    前記ラプラシアン画像を分析して重要な画像の詳細を含む画像ピクセルのサブセットを決定することにより、前記鮮明な画像内の画像ピクセルのサブセット及び前記ぼけ画像内の画像ピクセルの対応するサブセットを選択する、
    ことにより選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記画像ピクセルのサブセットは、所定の閾を超える前記ラプラシアン画像内のピクセルを含む、請求項4に記載の方法。
  6. ノイズ除去アルゴリズム若しくはトーン・スケール調整アルゴリズム又はそれらの両方は、前記ぼけの中核を決定するために用いられる前に、前記鮮明な画像に適用される、請求項2に記載の方法。
  7. 前記ぼけの中核は、複数のサイズ変更された前記鮮明な画像及び異なる解像度を有する前記ぼけ画像を分析することにより決定される、請求項2に記載の方法。
  8. 前記1又は複数の基準差分画像は、水平方向の近隣ピクセル間の差を表す水平差分画像及び垂直方向の近隣ピクセル間の差を表す垂直差分画像を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ぼけ修正画像は、ベイズ推定方法を用いて決定される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ベイズ推定方法は、エネルギ関数を用いてぼけ修正画像の候補を評価することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記エネルギ関数は、
    前記ぼけ画像とぼけ修正画像の候補を前記ぼけの中核と畳み込むことにより決定されたぼけ画像の候補との間の差の関数である画像忠実度の項、
    前記1又は複数の基準差分画像と前記ぼけ修正画像の候補から決定された1又は複数の差分画像の候補との間の差の関数である画像差分の項、
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記エネルギ関数は、前記ぼけ修正画像の候補の勾配の関数である項を更に含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記エネルギ関数は、共役勾配アルゴリズムを用いて最適化される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記ぼけ修正画像は、周波数領域の逆畳み込み方法を用いて決定される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記鮮明な画像を前記ぼけ画像と良好に協調させるために、前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像にアフィン変換を適用するステップ、を更に有する請求項1に記載の方法。
  16. 前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像は、1回のボタン押下に応答して、デジタル・カメラを用いて順次キャプチャされる、請求項1に記載の方法。
  17. 前記モーション・ブラーは、少なくとも部分的に、前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像がキャプチャされる時間中の前記デジタル・カメラの動きによる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記モーション・ブラーは、少なくとも部分的に、前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像がキャプチャされる時間中の前記シーン内の被写体の動きによる、請求項16に記載の方法。
  19. 前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像は、デジタル・ビデオのフレームである、請求項1に記載の方法。
  20. デジタル・カメラ・システムであって、
    シーンの画像をキャプチャする画像センサ、
    前記画像センサに前記シーンを画像化するレンズ・システム、
    プロセッサによりアクセス可能なメモリ・システム、
    データ処理システムであって、
    短い露光時間でキャプチャされたシーンの鮮明な画像を受信するステップ、
    前記鮮明な画像より長い露光時間でキャプチャされた前記シーンのぼけ画像を受信するステップであって、前記ぼけ画像は前記鮮明な画像より高いレベルのモーション・ブラー及び低いレベルの画像ノイズを有する、ステップ、
    前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像に応答してぼけの中核を決定するステップ、
    前記鮮明な画像に応答して1又は複数の基準差分画像を決定するステップ、
    前記ぼけ画像、前記ぼけの中核及び前記1又は複数の基準差分画像に応答してぼけ修正画像を決定するステップ、
    前記ぼけ修正画像をプロセッサによりアクセス可能なメモリ・システムに格納するステップ、
    を実行するデータ処理システム、
    を有するデジタル・カメラ・システム。
  21. ぼけ修正画像を決定するコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、データ処理システムに、
    (a)短い露光時間でキャプチャされたシーンの鮮明な画像を受信するステップ、
    (b)前記鮮明な画像より長い露光時間でキャプチャされた前記シーンのぼけ画像を受信するステップであって、前記ぼけ画像は前記鮮明な画像より高いレベルのモーション・ブラーを有する、ステップ、
    (c)前記鮮明な画像及び前記ぼけ画像に応答してぼけの中核を決定するステップ、
    (d)前記鮮明な画像に応答して1又は複数の基準差分画像を決定するステップ、
    (e)前記ぼけ画像、前記ぼけの中核及び前記1又は複数の基準差分画像に応答してぼけ修正画像を決定するステップ、
    (f)前記ぼけ修正画像をプロセッサによりアクセス可能なメモリ・システムに格納するステップ、
    を実行させる実行可能なソフトウェア・アプリケーションを有するコンピュータ・プログラム・プロダクト。
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