次に、さまざまな態様について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、説明を目的として、1つまたは複数の態様を完全に理解できるようにする多数の具体的詳細を述べている。しかし、そのような態様(複数可)を、これらの具体的な詳細なしで実践できることは明白であると思われる。
本出願で使用されているように、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」、および同様の用語は、限定はしないが、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアなどのコンピュータ関係のエンティティを含むことを意図されている。例えば、コンポーネントとして、限定はしないが、プロセッサ上で実行されているプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プログラム、および/またはコンピュータなどがある。一例として、コンピューティングデバイスで動作するアプリケーションとそのコンピューティングデバイスの両方を併せて、1つのコンポーネントとすることができる。1つまたは複数のコンポーネントは、1つのプロセスおよび/または実行スレッド内に常駐することができ、またコンポーネントは、1台のコンピュータにローカルとして配置され、および/または2台以上のコンピュータ間に分散させることも可能である。それに加えて、これらのコンポーネントは、そこにさまざまなデータ構造を格納されたさまざまなコンピュータ可読媒体から実行することができる。コンポーネントは、ローカルシステム、分散システム内の他方のコンポーネントと、および/または信号を用いて他のシステムとインターネットなどのネットワーク上でやり取りする一方のコンポーネントから得られるデータなどの、1つまたは複数のデータパケットを有する信号などに従いローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスによって通信することができる。
さらに、本明細書では、さまざまな態様が有線端末またはワイヤレス端末とすることができる、端末に関連して説明される。端末は、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者ステーション、移動局、モバイル、モバイルデバイス、遠隔局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザー端末、端末、通信デバイス、ユーザーエージェント、ユーザーデバイス、またはユーザー装置(UE)と称されることもある。ワイヤレス端末としては、携帯電話、衛星電話、コードレス電話、セッションイニシエーションプロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、コンピューティングデバイス、またはワイヤレスモデムに接続されている他の処理デバイスが挙げられる。さらに、本明細書では、さまざまな態様が基地局に関連して説明されている。基地局は、ワイヤレス端末(複数可)と通信するために使用することができ、アクセスポイント、Node B、evolved Node B(eNB)、または他の何らかの呼称で参照できる。
さらに、「または」という語は、排他的な「または」ではなく包含的な「または」を意味することが意図されている。つまり、特に断りのない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを使用する」という語句は、自然な包含的置換を意味することが意図されている。つまり、「XはAまたはBを使用する」という語句は、「XはAを使用する」、「XはBを使用する」、または「AはAとBの両方を使用する」という事例のいずれかによって充足される。それに加えて、本出願および付属の請求項おける「a」および「an」という冠詞は、一般的に、特に断りのない限り、または単数形であることが文脈上明らかでない限り、「1つまたは複数」を意味するものと解釈されるべきである。
本明細書で説明する技術を、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA、および他のシステムなどのさまざまなワイヤレス通信システムに使用することができる。用語「システム」および「ネットワーク」は、しばしば交換可能に使用される。CDMAシステムは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装することができる。UTRAは、ワイドバンドCDMA(W−CDMA)およびCDMAの他の変更形態を含む。さらに、cdma2000は、IS−2000、IS−95、およびIS−856標準に対応している。TDMAシステムは、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)(登録商標)などの無線テクノロジを実装するものとしてよい。OFDMAシステムは、Evolved UTRA(E−UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash−OFDM、などの無線テクノロジを実装するものとしてよい。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミニュケーションシステム(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)は、E−UTRAを使用するUMTSの一リリースであり、E−UTRAは、ダウンリンクでOFDMA、アップリンクでSC−FDMAを使用する。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、およびGSMは、「サードジェネレーションパートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名前の組織からの文書に記載されている。それに加えて、cdma2000およびUMBは、「サードジェネレーションパートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名称の組織から出されている文書において説明されている。さらに、このようなワイヤレス通信システムは、それに加えて、多くの場合、不対無免許スペクトル、802.xx無線LAN、BLUETOOTH(登録商標)、および他の短距離もしくは長距離ワイヤレス通信技術を使用するピアツーピア(例えば、モバイル間)アドホックネットワークシステムを含むものとしてもよい。
さまざまな態様もしくは特徴が、多数のデバイス、コンポーネント、モジュール、および同様のものを備えることができるシステムに関して提示される。さまざまなシステムが、追加のデバイス、コンポーネント、モジュールなどを備えることができ、および/または図に関連して説明されているデバイス、コンポーネント、モジュールなどのすべてを含むわけではないことは理解され、認識されるであろう。これらのアプローチを組み合わせて使用することもできる。
図1を参照すると、ワイヤレスネットワークに中継機能を構成することを円滑にするワイヤレス通信システム100が例示されている。システム100は、中継eNB 104などの1つまたは複数の中継eNBに、コアネットワーク106へのアクセスを提供するドナーeNB 102を備える。同様に、中継eNB 104は、中継eNB 108などの1つまたは複数の本質的に異なる中継eNB、またはUE 110などのUEに、ドナーeNB 102を介したコアネットワーク106へのアクセスを提供することができる。クラスタeNBとも称されうる、ドナーeNB 102は、LTEまたは他の技術のバックホールリンクであってもよい、有線もしくワイヤレスバックホールリンク上でコアネットワーク106と通信することができる。一例では、コアネットワーク106は、3GPP LTEまたは類似の技術のネットワークとすることができる。
ドナーeNB 102は、それに加えて、有線もしくはワイヤレスの、LTEもしくは他の技術のものであってもよい、中継eNB 104用のアクセスリンクを備えることができ、中継eNB 104は、ドナーeNB 102のアクセスリンク上でバックホールリンクを使用してドナーeNB 102と通信することができる。中継eNB 104は、同様に、有線もしくはワイヤレスの、LTEもしくは他の技術のリンクであってもよい、中継eNB 108および/またはUE 110用のアクセスリンクを備えることができる。一例では、ドナーeNB 102は、LTEアクセスリンクを備えることができ、中継eNB 104はLTEバックホールを使用してこれに接続することができ、中継eNB 104は、中継eNB 108および/またはUE 110に、LTEアクセスリンクを提供することができる。ドナーeNB 102は、本質的に異なる技術のバックホールリンク上でコアネットワーク106に接続することができる。中継eNB 108および/またはUE 110は、説明されているように、コアネットワーク106へのアクセスを受けるためにLTEアクセスリンクを使用して中継eNB 104に接続することができる。ドナーeNBおよび接続された中継eNBは、本明細書ではクラスタと総称されうる。
一例によれば、中継eNB 104は、従来のLTE構成におけるUEのように、リンク層(例えば、メディアアクセス制御(MAC)層)、トランスポート層、アプリケーション層、および/または同様の層のところでドナーeNB 102に接続することができる。この点で、ドナーeNB 102は、中継eNB 104をサポートするために、リンク層、トランスポート層、アプリケーション層など、または関係するインターフェース(例えば、E−UTRA−Uuなどのユーザー/ユーザー間(Uu)、EUTRA−Unなどのユーザー/ネットワーク間(Un))のところに変更を必要としない従来のLTE eNBとして動作することができる。それに加えて、中継eNB 104は、UE110からは、リンク層、トランスポート層、アプリケーション層、および/または同様の層でLTE構成をとる従来のeNBのように見えるため、例えば、リンク層、トランスポート層、アプリケーション層などにおいて中継eNB 104に接続するためにUE 110に変更を加える必要がない。それに加えて、中継eNB 104は、アクセスリンクとバックホールリンクとの間のリソースパーティション分割、干渉管理、クラスタに対するアイドルモードセル選択、および/または同様のものに対する手順を構成することができる。一例において中継eNB 104が追加のドナーeNBに接続することができることは理解されるであろう。
そのため、例えば、中継eNB 104は、ドナーeNB 102との接続を確立し、コアネットワーク106内の1つまたは複数のコンポーネント(モビリティ管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)など)へのアクセスを受けることができる。一例では、中継eNB 104は、コアネットワーク106内のPGW/SGWから(例えば、ドナーeNB 102を介して)、それと通信するためにインターネットプロトコル(IP)アドレスを取得することができる。それに加えて、UE 110は、コアネットワーク106内の1つまたは複数の類似のコンポーネントへのアクセスを受けるために中継eNB 104との接続を確立することができる。この点で、例えば、UE 110は、IPパケットを中継eNB 104に伝達してコアネットワーク106に与えることができる。中継eNB 104は、IPパケットを取得し、1つまたは複数の追加のヘッダに中継eNB 104に関係するパケット関連付け、それらのパケットをドナーeNB 102に供給することができる。追加のヘッダは、中継eNB 104とコアネットワーク106に対応するコンポーネントとに関係するIPもしくはユーザーデータグラムプロトコル(UDP)/IPヘッダ、コアネットワーク106のコンポーネントへのパケットのルーティングおよび/または中継eNB 104への応答パケットのルーティングを円滑にするための汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリングプロトコル(GTP)ヘッダまたは類似のヘッダなどを含むことができる。したがって、ドナーeNB 102は、パケットを中継eNB 104に関係するコアネットワーク106のコンポーネントにルーティングすることができる(例えば、別のヘッダを追加し、コアネットワーク106に送信することによって)。
例えば、コアネットワーク106のコンポーネントは、さまざまなIPヘッダに応じてコアネットワーク106内でパケットをルーティングすることができる。さらに、例えば、コアネットワーク106は、中継eNB 104を通じてパケットをUE 110にルーティングすることに関係するUDP/IPヘッダ、GTPヘッダなどを含むように、UE 110に供給するためのパケットを構築することができる。一例において、コアネットワーク106は、そのパケットとともにUE 110に関係するIPヘッダ、さらには中継eNB 104に関係するUDP/IPおよび/またはGTPヘッダ、および/またはドナーeNB 102に関係する類似のヘッダ(複数可)を備えることができる。コアネットワーク106は、ヘッダを含むパケットをドナーeNB 102に回送することができる。ドナーeNB 102は、パケットを取得し、ドナーeNB 102に関係するUDP/IPおよび/またはGTPヘッダを取り除き、次のGTPヘッダに基づきパケットを中継eNB 104に回送することができる。中継eNB 104は、一例では、中継eNB 104に関係するヘッダ(複数可)を同様に取り除き、中継eNB 104が、残りのIPヘッダをまたは別のヘッダに基づきパケットをUE 110に回送することができる。UE 110とドナーeNB 102との間に1つの中継eNB 104があるように図示されているけれども、追加の中継eNBが存在し、UDP/IPおよび/またはGTPヘッダを、パケットルーティングを円滑にするために中継eNB毎に説明されているようにアップリンクおよびダウンリンクパケットに追加することができることは理解されるであろう。
例えば、追加のヘッダがあると、無線インターフェース(例えば、ドナーeNB 102と中継eNB 104、中継eNB 104と中継eNB 108などの間の)上でパケットを送信するときにオーバーヘッドが生じる可能性がある。したがって、例えば、ドナーeNB 102は、ダウンリンクパケットを、中継eNB 104に送信する前に圧縮することができ、中継eNB 104も、同様に、中継eNB 108またはUE 110に送信する前にダウンリンクパケットを圧縮することができる。同様に、中継eNB 104は、アップリンクパケットを、ドナーeNB 102に送信する前に圧縮することができ、中継eNB 108も、同様に、アップリンクパケットを圧縮することができる。例えば、中継eNB 104に関係するパケットヘッダは、関係する無線ベアラー上で伝達されるすべてのパケットに対して実質的に同じである、中継eNB 104に関係するトンネルエンドポイント識別子(TEID)、中継eNB 104に割り当てられたIPアドレス(例えば、対応するPGWまたはSGWによって)、同様のものなどの静的フィールドもしくはデータを有することができる。しかし、それに加えて、パケットは、パケット長、シーケンス番号(例えば、GTPシーケンス番号)、および/または同様のものなどの無線ベアラー上で所定のパケットについて変化しうる非静的データを有することができる。この点について、ヘッダ内の少なくとも静的フィールドおよび/または他の静的データを中継eNB 104に関係するパケットについて圧縮することにより、パケットを回送するのに必要な帯域幅を減らす可能性のある、静的データ全体を送る作業を軽減することができる。
一例では、ドナーeNB 102は、中継eNB 104(および/または1つまたは複数の中継eNBもしくはこれと通信しているデバイス)のためにコアネットワーク106からパケットを受信することができる。ドナーeNB 102は、そのパケットに対するコンテキスト識別子を生成し、コンテキスト識別子を1つまたは複数のヘッダ(例えば、非静的データの位置情報を伴うヘッダの静的データ)の1つまたは複数のパラメータ、パケットおよび/またはコンテキスト識別子に関係する圧縮コンテキストまたはアルゴリズム(例えば、少なくとも一部はハードコーディング、ネットワーク仕様、構成などに基づくか、または他の何らかの方法による)、および/または同様のものに関連付けることができる。一例では、ドナーeNB 102は、シーケンス、ランダムシーケンス、疑似ランダムシーケンス(例えば、パケット、関係するヘッダ、または中継eNB 104の1つまたは複数のパラメータに少なくとも一部は基づく)、および/または同様のシーケンスに従って、コンテキスト識別子を作成し、および/またはコンテキスト識別子をパケットに関連付けることができる。それに加えて、コンテキスト識別子は、1つまたは複数のヘッダ内の1つまたは複数のパラメータによって占有されるパケットのビットの数より少ない可能性のあるビットの数とすることができる。ドナーeNB 102は、コンテキスト識別子とパケットとを中継eNB 104に送信することができる。この例では、中継eNB 104は、パケットの圧縮を解除するために、コンテキスト識別子とパケットとを取得し、コンテキスト識別子をパケットの1つまたは複数の態様に関連付けることができる。
例えば、中継eNB 104は、コンテキスト識別子を、パケットの1つまたは複数のヘッダ、1つまたは複数のヘッダ(例えば、非静的データの位置情報を伴うヘッダの静的データ)の1つまたは複数のパラメータ、パケットおよび/またはコンテキスト識別子に関係する圧縮解除コンテキストまたはアルゴリズム(例えば、少なくとも一部はハードコーディング、ネットワーク仕様、構成などに基づくか、または他の何らかの方法による)、および/または同様のものに関連付けることができる。例えば、ドナーeNB 102は、中継eNB 104に関係するコアネットワーク106から1つまたは複数の後続のパケットを受信することができる。この例では、ドナーeNB 102は、1つまたは複数の後続のパケットがコンテキスト識別子に関係している(例えば、1つまたは複数の後続のパケットがその1つまたは複数のヘッダ内の1つまたは複数の静的フィールドに対する類似の値などを有する)と判定することができる。
そのため、ドナーeNB 102は、少なくとも一部はコンテキスト識別子に基づき1つまたは複数の後続のパケットの1つまたは複数のヘッダを圧縮することができ(例えば、コンテキスト識別子にすでに関連付けられている圧縮コンテキストなどを使用することによって)、中継eNB 104に送信するために、1つまたは複数の後続のパケット内の、または1つまたは複数の後続のパケットに相関するコンテキスト識別子を含むことができる。次いで、中継eNB 104は、1つまたは複数の後続のパケットを受信することができ、コンテキスト識別子に少なくとも一部は基づき1つまたは複数のヘッダの圧縮を解除することができる。この点において、中継eNB 104は、1つまたは複数のヘッダの圧縮を解除するためにコンテキスト識別子にすでに関連付けられている1つまたは複数のパラメータもしくはコンテキストを決定する。本明細書で説明されているような類似の機能を利用して、中継eNB 104からドナーeNB 102への通信を圧縮することができる。上述のように、(例えば、与えられた無線ベアラーに対する初期パケットの後の)ドナーeNB 102と中継eNB 104との間で伝達されるパケットに対するヘッダを圧縮して、必要な伝送帯域幅を減らし、データスループットを改善することができる。
次に、図2を参照すると、効率的な通信を行うためにパケットヘッダを圧縮することを円滑にする例示的なワイヤレス通信システム200が例示されている。システム200は、別のアクセスポイント204(および/または他のアクセスポイント)と通信するアクセスポイント202を備える。そのため、例えば、アクセスポイント202は、アクセスポイント204が中継ノードであるドナーアクセスポイントとすることができ、アクセスポイント204は、アクセスポイント202が中継ノードであるドナーアクセスポイントとすることができ、アクセスポイント202および204は両方とも、中継ノードとすることができ、というように以下同様にすることができる。それに加えて、アクセスポイント204は、一例では、アクセスポイント202のコンポーネントを備えて類似の機能を提供することができ、またその逆も可能であることは理解されるであろう。さらに、アクセスポイント202および204は、それぞれ、マクロセルアクセスポイント、フェムトセルアクセスポイント、ピコセルアクセスポイント、モバイル基地局、および/または同様のものとすることができ、無線で(例えば、E−UTRA−Uuインターフェース、E−UTRA−Unインターフェース、および/または同様のインターフェースを使用して)通信することができる。
アクセスポイント202は、ワイヤレスネットワーク(図示せず)内の1つまたは複数のデバイスからパケットを受信し、そのパケット、つまりそのパケットの圧縮バージョンを1つまたは複数のアクセスポイントに送信するパケット通信コンポーネント206、さらにはコンテキスト識別子をパケットに関連付けるコンテキスト識別子割り当てコンポーネント208を備える。アクセスポイント202は、そのパケットまたは後続の類似のパケットを圧縮することに関係する1つまたは複数のパラメータをコンテキスト識別子と相互に関連付ける圧縮コンテキスト関連付けコンポーネント210と、1つまたは複数のパラメータに従って1つまたは複数の後続のパケットを圧縮し、コンテキスト識別子を1つまたは複数の圧縮された後続のパケットに関連付けるヘッダ圧縮コンポーネント212とをさらに備える。
アクセスポイント204は、アクセスポイントからパケットを受信し、そのパケット、つまりそのパケットの圧縮解除バージョンをワイヤレスネットワーク(図示せず)内の1つまたは複数の本質的に異なるデバイスに送信するパケット通信コンポーネント214、さらにはそのパケットに関連付けられているコンテキスト識別子を特定するコンテキスト識別子決定コンポーネント216を備える。アクセスポイント204は、そのパケットまたは関係するパケットの圧縮を解除するための1つまたは複数のパラメータを生成し、1つまたは複数のパラメータをコンテキスト識別子に関連付ける圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218、さらにはそのコンテキスト識別子に少なくとも一部は基づき1つまたは複数の後続のパケットの圧縮を解除するヘッダ圧縮解除コンポーネント220をさらに備える。
一例によれば、パケット通信コンポーネント206は、アクセスポイント204に関係するコアネットワークコンポーネント(図示せず)、モバイルデバイス(図示せず)、および/または同様のコンポーネントからパケットを取得することができる。コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、それがパケットの1つまたは複数のヘッダ内のいくつかのパラメータに対してコンテキスト識別子を受信したか、または生成したかを識別することができる(例えば、アクセスポイント204に関係するIPアドレスおよび/またはTEIDなどの、ヘッダ内の静的フィールドまたは他の静的データ)。コンテスト識別子割り当てコンポーネント208が、1つまたは複数のヘッダ内のパラメータに関係するコンテキスト識別子を受信していないか、または割り当てていない場合、これは、1つまたは複数のヘッダ内のパラメータに対してコンテキスト識別子を(説明されているように、例えば、シーケンス、ランダム、疑似ランダム、および/または同様のものに従って)生成することができる。それに加えて、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、コンテキスト識別子を1つまたは複数のヘッダ内の1つまたは複数のパラメータに関連付けることができる(例えば、静的データなど)。圧縮コンテキスト関連付けコンポーネント210は、1つまたは複数のヘッダを圧縮するためにコンテキスト識別子をコンテキストまたはパラメータに相互に関連付けることができる。一例では、圧縮コンテキスト割り当てコンポーネント210は、コンテキスト識別子を、受信されたとおりの1つまたは複数のヘッダ、ヘッダ内の静的および/または非静的データ、ヘッダ内の静的および/または非静的データに関する位置情報、1つまたは複数のヘッダのパラメータを圧縮するためのハードコーディングされた命令、および/または同様のものに相互に関連付けることができる。パケット通信コンポーネント206は、パケットとコンテキスト識別子とをアクセスポイント204に送信することができる。
パケット通信コンポーネント214は、アクセスポイント202からパケット(まだ圧縮されていない)とコンテキスト識別子とを取得することができる。コンテキスト識別子決定コンポーネント216は、コンテキスト識別子を(例えば、パケット、そのパケットのヘッダ、関連付けられている通信、および/または同様のものから)取り出すことができ、圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218は、コンテキスト識別子を、1つまたは複数のヘッダ内の類似のデータとともに後続のパケットの圧縮を解除するためのコンテキストまたは1つまたは複数のパラメータに相互に関連付けることができる。例えば、圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218は、パケット通信コンポーネント214によって受信されたパケットに少なくとも一部は基づき、後続のパケットの圧縮を解除するためのコンテキストまたは1つまたは複数のパラメータを作成する。例えば、コンテキストまたは1つまたは複数のパラメータを作成することは、1つまたは複数のヘッダを受信されたとおりにパケット内に格納すること、ヘッダからの静的および/または非静的データ、ヘッダ内の静的および/または非静的データに関する位置情報、1つまたは複数のヘッダのパラメータの圧縮を解除するためのハードコーディングされた命令、および/または同様のものを格納することを含むものとしてよい。
例えば、パケット通信コンポーネント206は、アクセスポイント204に関係する後続のパケットを受信することができ、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、パケットをコンテキスト識別子に関連付けることができる。一例では、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、パケットの1つまたは複数のヘッダを解釈して、IPアドレス、TEID、および/または他の静的フィールドもしくはデータなどの、そのパラメータを決定することができ、1つまたは複数の格納されているコンテキスト識別子がこれらのパラメータに関連付けられているかどうかを判定することができる。一例では、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、圧縮コンテキスト関連付けコンポーネント210によって格納されている1つまたは複数のコンテキストを順に辿って、関係する静的フィールドがパケットのヘッダに対応しているかどうかを判定することができる。もし対応していれば、圧縮コンテキスト関連付けコンポーネント210は、コンテキスト識別子に従ってパケットの1つまたは複数のヘッダを圧縮するため、圧縮コンテキストまたは1つまたは複数の関係するパラメータ(例えば、コンテキスト識別子にすでに関連付けられているような)をヘッダ圧縮コンポーネント212に送ることができる。ヘッダ圧縮コンポーネント212は、1つまたは複数のヘッダを圧縮することができる。
一例では、ヘッダ圧縮コンポーネント212は、1つまたは複数のヘッダから静的フィールドまたはデータの一部を取り除き(例えば、非静的データおよび/または残りの静的データの連結を形成するため)、コンテキスト識別子を含めることによって1つまたは複数のヘッダを圧縮することができる。別の例では、ヘッダ圧縮コンポーネント212は、本質的に異なる圧縮アルゴリズムを使用し、コンテキスト識別子に従って(例えば、ハードコーディング、ネットワーク仕様、構成、および/または同様のものから決定されたアルゴリズムに従って)1つまたは複数のヘッダ内の静的データを圧縮することができる。一例では、このような圧縮アルゴリズムは、少なくとも一部は、nがシーケンス番号を備えるビットの総数より小さい正整数であるものとして最下位ビットの数nを含めることによって、GTPシーケンス番号などの、1つまたは複数のヘッダ内の非静的データをさらに圧縮することができる。この点で、ヘッダ圧縮コンポーネント212は、GTPシーケンス番号または類似のパラメータを2(n-1)パケットおきに無圧縮のまま残すことで、シーケンス番号が余分のビットを必要とする次の数にラップした場合に生じる曖昧さを防ぐことができることを了解されたい。パケット通信コンポーネント206は、圧縮されたパケットをアクセスポイント204に送信することができる。
パケット通信コンポーネント214は、説明されているように、圧縮されたパケットを受信することができる。コンテキスト識別子決定コンポーネント216は、パケットからコンテキスト識別子を取り出すことができ、圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218は、コンテキスト識別子に少なくとも一部は基づきパケットの圧縮を解除するための圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータを選択することができる。述べられているように、圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータは、コンテキスト識別子についてすでに格納されているものに関係するものとしてよい。さらに、例えば、圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータは、ヘッダ圧縮コンポーネント212によって適用される圧縮コンテキストまたは関係するパラメータを元に戻すことに対応するものとしてよい。例えば、圧縮および圧縮解除に対する命令および/またはパラメータは、アクセスポイント202と204とに関係するネットワーク仕様、アクセスポイント202と204に対する構成で指定され、アクセスポイント202と204内にハードコーディングされ、および/または同様の操作を行われうる。ヘッダ圧縮解除コンポーネント220は、圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータに少なくとも一部は基づきパケットの1つまたは複数のヘッダの圧縮を解除することができる。
説明されているように、例えば、圧縮されたときの1つまたは複数のヘッダが非静的データの連結を含む場合、ヘッダ圧縮解除コンポーネント220は、すでに受信されているパケットの1つまたは複数のヘッダからの静的フィールドまたは他の静的データを連結された非静的データ内に挿入し、ヘッダを形成することができる。別の例では、ヘッダ圧縮解除コンポーネント220は、コンテキスト識別子に関係する、またハードコーディング、ネットワーク仕様、構成、および/または同様のものによって指定された別のアルゴリズムに従って1つまたは複数のヘッダの圧縮を解除することができる。さらに、一例では、パケットが圧縮されていることをコンテキスト識別子決定コンポーネント216が検出し、圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218がコンテキスト識別子に関係する圧縮解除コンテキストを特定できない場合、圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218は、アクセスポイント202に、ヘッダの無圧縮バージョン、ヘッダの静的データ、および/または同様のものを問い合わせることができる。
一例によれば、パケット通信コンポーネント206は、以下と同様のフォーマットを有するパケットを受信することができる。
この点で、UDP/IPヘッダとGTPヘッダとを説明されているように圧縮して、パケットのサイズ、したがってパケットを伝達するために必要な帯域幅を減らすことができる。例えば、少なくともアクセスポイント204のIPアドレスおよびアクセスポイント204のTEIDは、これらの値がアクセスポイント202とともに関係する無線ベアラー上で(例えば、少なくともある期間に)所定のアクセスポイント204に対して静的であってよいので、圧縮することができる。この点で、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、関係するパケットに対するコンテキスト識別子を生成することができ、圧縮コンテキスト関連付けコンポーネント210は、パケットの1つまたは複数のヘッダを圧縮するためにコンテキスト識別子をコンテキストまたはパラメータとともに格納することができる(例えば、アクセスポイント204のIPアドレスおよびTEIDを格納する)。パケット通信コンポーネント206は、パケットとコンテキスト識別子とをアクセスポイント204に送信することができる。
パケット通信コンポーネント214は、アクセスポイント202から通信を受け取ることができ、コンテキスト識別子決定コンポーネント216は、それからコンテキスト識別子を取り出すことができる。パケットは無圧縮であるため、圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218は、パケットの1つまたは複数のヘッダに対する圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータを生成し、コンテキスト識別子とともに格納することができる。例えば、圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータを、説明されているように、圧縮コンテキスト関連付けコンポーネント210によって格納されている圧縮コンテキストに関係付け、ヘッダ圧縮コンポーネント212によって圧縮された1つまたは複数のヘッダの圧縮解除を円滑にすることができる。そのため、一例において説明されているように、圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータは、パケットの1つまたは複数のヘッダ内の静的データを収めることができる(例えば、アクセスポイント204のIPアドレスおよびTEID)。
パケット通信コンポーネント206は、前のパケットと同じデータの部分を1つまたは複数のヘッダ内に備える、アクセスポイント204に対するパケットをその後受信することができる(例えば、アクセスポイント204のIPアドレスおよびTEID)。そのため、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、1つまたは複数のヘッダ内のデータの部分に少なくとも一部は基づきパケットに対するコンテキスト識別子を決定することができる。ヘッダ圧縮コンポーネント212は、コンテキスト識別子と相互に関係する圧縮コンテキスト関連付けコンポーネント210から圧縮コンテキストまたは関係するパラメータを受信することに基づきパケット内の1つまたは複数のヘッダを圧縮することができる。説明されているように、例えば、圧縮コンテキストは、IPアドレスおよびTEIDなどの、1つまたは複数のヘッダから取り除くべきフィールド(例えば、静的データを含むフィールド)を含みうる。ヘッダ圧縮コンポーネント212は、この例におけるそのようなフィールドを取り除き、コンテキスト識別子をヘッダ内に含めるか、またはヘッダとともに含むことができる。そのため、一例では、上記のパケットは、以下と同様のフォーマットを有するパケットに圧縮することができる。
ただし、CIDはコンテキスト識別子であり、NSIは非静的情報(例えば、非静的データ)である。例えば、NSIは、圧縮時に取り除かれないヘッダの値を含むことができ、そのような値の連結体または構造体とすることができる。パケット通信コンポーネント206は、パケットを圧縮されたヘッダとともにアクセスポイント204に送信することができる。
コンテキスト通信コンポーネント214は、パケットを取得することができ、コンテキスト識別子決定コンポーネント216は、それからコンテキスト識別子を取り出すことができる。圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218は、コンテキスト識別子に関係する圧縮解除コンテキストまたは1つまたは複数のパラメータを決定することができる。例えば、これは、すでに受信されているようなヘッダ、そのヘッダからの静的データ、および/または同様のものを含むことができる。ヘッダ圧縮解除コンポーネント220は、圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータに少なくとも一部は基づきパケット内の1つまたは複数のヘッダの圧縮を解除することができる。一例では、ヘッダ圧縮解除コンポーネント220は、圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218によって格納されているヘッダ内の非静的データ(および/または静的データの残り部分)をパケット内の受信されたデータで置き換えることができる。別の例では、ヘッダ圧縮解除コンポーネント220は、パケット内に受信された非静的データ(および/または静的データの残り部分)内にコンテキスト識別子に対する圧縮解除コンテキスト関連付けコンポーネント218によって格納されている1つまたは複数の静的フィールドを挿入することに少なくとも一部は基づき1つまたは複数のヘッダの圧縮を解除することができる。いずれの場合も、アクセスポイント202と204との間のパケットは、より効率的に通信が行えるように圧縮されうる。それに加えて、アクセスポイント202は、アクセスポイント204から上流または下流にあってもよく、したがって、説明されているような機能は、ダウンリンクまたはアップリンクの通信に適用することができることは理解されるであろう。
図3を参照すると、1つまたは複数の中継ノード間でパケットをルーティングすることに関係するヘッダの圧縮および圧縮解除を行う例示的なワイヤレス通信システム300が示されている。システム300は、説明されているように、中継eNB 104へのワイヤレスネットワークアクセスを提供するドナーeNB 102を備える。それに加えて、システム300は、中継eNB PGW/SGW 302を備えることができる。説明されているように、中継eNB PGW/SGW 302は、コアネットワークの一部とすることができ、ドナーeNB 102は、中継eNB PGW/SGW 302へのアクセスを中継eNB 104に提供することができる。一例では、中継eNB 104は、ドナーeNB 102を通じて中継eNB PGW/SGW 302への接続を確立することができ、中継eNB PGW/SGW 302から、これと通信するためにIPアドレスを受信することができる。それに加えて、中継eNB PGW/SGW 302は、パケットをドナーeNB 102に供給するときに中継eNB 104に対するパケット内に含める中継eNB 104に関係するTEIDを受信または生成することができる。
例えば、中継eNB 104に接続した後、中継eNB PGW/SGW 302は、中継eNB 104に供給するために第1のパケット304をドナーeNB 102に送信することができる。例えば、ドナーeNB 102は、有線バックホール上で中継eNB PGW/SGW 302から第1のパケット304を受信することができる。第1のパケット304は、説明されているように、中継eNB 104に関係するUDP/IPおよびGTPヘッダを含みうる。ドナーeNB 102は、第1のパケット304が中継eNB 104に関係すると判定する(例えば、第1のパケット304のGTPヘッダ内のTEIDにとも一部は基づく)。それに加えて、ドナーeNB 102は、第1のパケット304の1つまたは複数のヘッダの1つまたは複数のパラメータ(例えば、ドナーeNB 102を伴う無線ベアラーに関係しているか、または他の形で関係するような、中継eNB 104のIPアドレスまたはTEID)に関係するコンテキスト識別子が生成されているかどうかを判定することができる。この場合、これは第1のパケットであるため、コンテキスト識別子は、その1つまたは複数のパラメータに関連付けられていない。
ドナーeNB 102は、306において、コンテキスト識別子と圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)とを、説明されているように、1つまたは複数のヘッダの1つまたは複数のパラメータに関連付けることができる。一例では、圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)は、1つまたは複数のヘッダのフィールドを(例えば、仕様、構成、ハードコーディングなどに従って)圧縮するための命令に関係するものとすることができる。ドナーeNB 102は、第1のパケットをコンテキスト識別子308とともに中継eNB 104に送信することができる。中継eNB 104は、無圧縮パケットを検出することができ、また、310において無圧縮パケットの類似のヘッダパラメータを有する後続のパケットに対する圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータを生成することができる。中継eNB 104は、それに加えて、310において、説明されているように、コンテキスト識別子を圧縮解除コンテキストまたは関係するパラメータに関連付けることができる。
第1のパケット304を受信した後、説明されているように、ドナーeNB 102が、中継eNB PGW/SGW 302から他の着信パケット314と、316と、318とを取得することができる。312において、ドナーeNB 102は、着信パケット314、316、および318のヘッダ内のパラメータに関係するコンテキスト識別子を生成したかどうかを判定することができる。この例では、ドナーeNB 102は、少なくとも1つの着信パケット314、316、または318に対するコンテキスト識別子を格納していると判定する。例えば、着信パケットは着信パケット316とすることができ、312では、ドナーeNB 102は、パケット316の1つまたは複数のヘッダ内の1つまたは複数のパラメータを1つまたは複数のコンテキスト識別子に関係するパラメータと比較する。312において、ドナーeNB 102は、着信パケット316の1つまたは複数のヘッダ内のパラメータがコンテキスト識別子に対するパラメータとマッチしていることを識別する。ドナーeNBは、説明されているように、圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)に従って着信パケット316の1つまたは複数のヘッダを圧縮し、圧縮されたパケットをコンテキスト識別子320とともに中継eNB 104に送信することができる。中継eNB 104は、説明されているように、圧縮解除コンテキスト(または関係するパラメータ)に関係しているので、322においてコンテキスト識別子に従ってパケットの圧縮を解除することができる。
図4を参照すると、1つまたは複数の中継ノード間でパケットをルーティングすることに関係するヘッダの圧縮および圧縮解除を行う例示的なワイヤレス通信システム400が示されている。システム400は、説明されているように、中継eNB 104にワイヤレスネットワークアクセスを行えるようにするドナーeNB 102と、中継eNB 104からワイヤレスネットワークアクセスを受けるUE 110とを備える。それに加えて、システム400は、中継eNB PGW/SGW 402を備えることができる。説明されているように、中継eNB PGW/SGW 402は、コアネットワークの一部とすることができ、ドナーeNB 102は、中継eNB PGW/SGW 402へのアクセスを中継eNB 104に提供することができる。一例では、中継eNB 104は、ドナーeNB 102を通じて中継eNB PGW/SGW 402への接続を確立することができ、中継eNB PGW/SGW 402と通信するためにIPアドレスを受信することができる。それに加えて、中継eNB PGW/SGW 402は、パケットをドナーeNB 102に供給するときに中継eNB 104に対するパケット内に含める中継eNB 104に関係するTEIDを受信または生成することができる。
例えば、UE 110は、中継eNB 104に接続し、第1のパケット402をそれに送信することができる。404において、中継eNB 104は、説明されているように、類似のパラメータを有する後続のパケットのヘッダを圧縮するためにコンテキスト識別子と関連付けられている圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)とを生成することができる。中継eNB 104は、第1のパケットをコンテキスト識別子406とともにドナーeNB 102に送信することができる。ドナーeNB 102は、408において、説明されているように、圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)に従って圧縮されたパケットの圧縮を解除するために圧縮解除コンテキスト(または関係するパラメータ)を生成することができる。ドナーeNB 102は、それに加えて、上で説明されているように、圧縮解除コンテキスト(または関係するパラメータ)をコンテキスト識別子に関連付けることができる。ドナーeNB 102は、無圧縮パケット410を中継eNB PGW/SGW 302に送信することができる。
中継eNB 104は、UE 110から次のパケット412を受信することができる。中継eNB 104は、次のパケット412として類似のヘッダパラメータを有するパケットに対するコンテキスト識別子を生成したと判定し、414において(例えば、上で説明されている圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)に従って)次のパケット412の1つまたは複数のヘッダの少なくとも一部を圧縮することができる。中継eNB 104は、圧縮されたパケットをコンテキスト識別子416とともにドナーeNB 102に送信することができる。ドナーeNB 102は、パケットが圧縮されていると判定し、418でコンテキスト識別子を取り出すことができる。ドナーeNB 102は、コンテキスト識別子に基づき対応する圧縮解除コンテキスト(または関係するパラメータ)をさらに判定することができ、418でパケットの圧縮を解除することができる。ドナーeNB 102は、圧縮解除されたパケット420を中継eNB PGW/SGW 302に送信することができる。
次に、図5を参照すると、複数の中継eNBのためにダウンリンクパケットヘッダを圧縮することを円滑にする例示的なワイヤレス通信システム500が例示されている。システム500は、中継eNB 104(および/または他の中継eNB)に、コアネットワーク106へアクセスを提供するドナーeNB 102を備える。それに加えて、説明されているように、中継eNB 104は、UEなどの1つまたは複数のデバイス、および/または中継eNB 108などの他の中継eNBに、ドナーeNB 102を通じてのコアネットワーク106へのアクセスを提供することができる。さらに、ドナーeNB 102は、マクロセルアクセスポイント、フェムトセルアクセスポイント、ピコセルアクセスポイント、モバイル基地局、および/または同様のものとすることができる。中継eNB 104および108は、同様に、それぞれ、説明されているように、ワイヤレスまたは有線バックホールを介してドナーeNB 102と通信するモバイルまたは固定中継ノードとすることができる。
ドナーeNB 102は、コアネットワーク106からパケットを受信し、そのパケット、つまりそのパケットの圧縮バージョンを1つまたは複数の中継eNBに送信するパケット通信コンポーネント206、さらにはコンテキスト識別子をパケットに関連付けるコンテキスト識別子割り当てコンポーネント208を備える。ドナーeNB 102は、複数の中継eNBに対応するパケットまたは後続の類似のパケットのヘッダを圧縮することに関係する1つまたは複数のパラメータをコンテキスト識別子に関連付ける複数の圧縮コンテキストコンポーネント502と、1つまたは複数のパラメータに従ってパケットまたは後続の類似のパケットのヘッダを圧縮し、コンテキスト識別子を1つまたは複数の圧縮された後続のパケットに関連付ける複数のヘッダ圧縮コンポーネント504とをさらに備える。
一例によれば、コアネットワーク106は、中継eNB 108に対するパケットをドナーeNB 102に送信することができる。パケット通信コンポーネント206は、説明されているようにパケットを受信することができ、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、コンテキスト識別子がパケット内の1つまたは複数のヘッダの1つまたは複数のパラメータに割り当てられているかどうかを判定することができる。パケットは、例えば、中継eNB 104と中継eNB 108とに関係するヘッダを有することができる(例えば、中継eNB 104を通じてパケットを中継eNB 108にルーティングすることを円滑にするため)。この点で、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、中継eNB 104および108のそれぞれに関係するヘッダからパラメータを取り出し(例えば、それぞれのIPアドレスおよびTEID)、コンテキスト識別子がパラメータの組み合わせに割り当てられているかどうかを判定することができる。割り当てられていない場合、説明されているように、コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、パラメータの組み合わせに対するコンテキスト識別子を選択することができる。
それに加えて、この例では、複数の圧縮コンテキストコンポーネント502は、中継eNB 104と中継eNB 108とに関係するヘッダを圧縮するための圧縮コンテキスト(および/または関係するパラメータ)を定義し、そのようなコンテキストをコンテキスト識別子に関連付けることができる。一例では、圧縮コンテキストは、ヘッダからいくつかの静的データを取り出すことと、例えば、コンテキスト識別子の指示とともにヘッダ内の残りのデータ(例えば、非静的データおよび/または静的データの残り部分)を送信することとに関係するものとしてよい。別の例では、圧縮コンテキストは、アルゴリズムによりヘッダの少なくとも一部を圧縮するための定義済み命令に関係するものとすることができる。いずれかの場合に、パケット通信コンポーネント206は、無圧縮のパケットとコンテキスト識別子とを中継eNB 104に送信することができる。中継eNB 104は、説明されているように、後続のパケットの圧縮を解除するために定義済みコンテキスト(または関係するパラメータ)とともにコンテキスト識別子を格納することができる。さらに、上で説明されているように、圧縮解除コンテキストおよび/または関係するパラメータは、複数のヘッダ圧縮コンポーネント504によって圧縮されたヘッダの圧縮を解除することを円滑にするために圧縮コンテキストまたは関係するパラメータに相互に関連するものとしてよい。
中継eNB 104は、無圧縮のパケットおよびコンテキスト識別子を中継eNB 108にさらに送信することができる。中継eNB 108は、説明されているように、後続のパケットの圧縮を解除するために定義済みコンテキスト(または関係するパラメータ)とともにコンテキスト識別子を同様に格納することができる。パケット通信コンポーネント206は、すでに受信されているパケットとしてヘッダ内の類似のパラメータを含む、中継eNB 108に対する別のパケットをその後受信することができる(例えば、中継eNB 104および108のIPアドレスおよびTEIDなどの、少なくともいくつかの静的データ)。コンテキスト識別子割り当てコンポーネント208は、類似のパラメータに関係するコンテキスト識別子を有すると判定することができ、複数のヘッダ圧縮コンポーネント504は、コンテキスト識別子(上述の)に対応する、複数の圧縮コンテキストコンポーネント502内に格納されている、圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)に従ってパケットのヘッダを圧縮することができる。そのため、一例では、圧縮コンテキストは、ヘッダから静的データを取り除くこと、または定義済み圧縮アルゴリズムを利用することに関係するものとしてよい。いずれかの場合に、パケット通信コンポーネント206は、圧縮されたパケットとコンテキスト識別子とを中継eNB 104に送信することができる。
上述のように、中継eNB 104は、コンテキスト識別子に基づき決定された圧縮解除コンテキスト(または関係するパラメータ)を利用することに少なくとも一部は基づきそのヘッダ(例えば、パケットの最も外側のヘッダ)の圧縮を解除することができる。例えば、圧縮解除コンテキストは、受信された非静的データをコンテキスト識別子に関係する静的データ内に挿入すること、コンテキスト識別子に関係する定義済み圧縮解除アルゴリズムを利用すること、および/または同様のことに関係するものとしてよい。中継eNB 104は、圧縮されたパケットとコンテキスト識別子とを中継eNB 108に送信することができ、これにより、同様に、コンテキスト識別子に対応する圧縮解除コンテキスト(または関係するパラメータ)を利用してパケット(または少なくともそのヘッダ)の圧縮を解除することができる。一例では、中継eNB 104は、最初にパケットの圧縮解除を行うことなくコンテキスト識別子に基づき圧縮されたパケットを中継eNB 108に回送することができることは理解されるであろう。
次に、図6を参照すると、複数の中継eNBのためにアップリンクパケットヘッダを圧縮することを円滑にする例示的なワイヤレス通信システム600が例示されている。システム600は、中継eNB 104(および/または他の中継eNB)に、コアネットワーク106へのアクセスを提供するドナーeNB 102を備える。それに加えて、説明されているように、中継eNB 104は、UEなどの1つまたは複数のデバイス、および/または中継eNB 108などの他の中継eNBに、ドナーeNB 102を通じてコアネットワーク106へのアクセスを提供することができる。さらに、ドナーeNB 102は、マクロセルアクセスポイント、フェムトセルアクセスポイント、ピコセルアクセスポイント、モバイル基地局、および/または同様のものとすることができる。中継eNB 104および108は、同様に、それぞれ、説明されているように、ワイヤレスまたは有線バックホールを介してドナーeNB 102と通信するモバイルまたは固定中継ノードとすることができる。
ドナーeNB 102は、中継eNB 104からパケットを受信し、そのパケット、つまりそのパケットの圧縮バージョンをコアネットワーク106に送信するパケット通信コンポーネント214、さらにはパケットに対するコンテキスト識別子を取得するコンテキスト識別子決定コンポーネント216を備える。ドナーeNB 102は、複数の中継eNBに対応するパケットまたは後続の類似のパケットのヘッダの圧縮を解除することに関係する1つまたは複数のパラメータをコンテキスト識別子に関連付ける複数の圧縮解除コンテキストコンポーネント602と、1つまたは複数のパラメータに従ってパケットまたは後続の類似のパケットのヘッダの圧縮を解除する複数のヘッダ圧縮解除コンポーネント604とをさらに備える。
一例によれば、中継eNB 108は、パケットを生成するか、または(例えば、UEから)受信して、コアネットワーク106に送信することができる。中継eNB 108は、説明されているように、コンテキスト識別子をパケットに関連付けることができ、中継eNB 108に関連付けられているパケットのヘッダを圧縮するための圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)を作成することができる。中継eNB 108は、パケットとコンテキスト識別子とを中継eNB 104に送信することができる。中継eNB 104は、中継eNB 104に関係するパケットのヘッダを圧縮するための圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)を同様に定義することができ、コンテキスト識別子をパケットに関連付けることができる。例えば、中継eNB 104および/または108は、コンテキスト識別子の衝突を解決するためのプロシージャを備えることができることは理解されるであろう(例えば、中継eNB 104がコンテキスト識別子を割り当て、中継eNB 108から本質的に異なるヘッダパラメータに対する同じコンテキスト識別子を受信する場合)。中継eNB 104は、パケットとコンテキスト識別子とをドナーeNB 102に送信することができる。
この例では、パケット通信コンポーネント214は、コンテキスト識別子とともにパケットを受信することができる。例えば、コンテキスト識別子決定コンポーネント216は、コンテキスト識別子を取り出し、複数の圧縮解除コンテキストコンポーネント602は、中継eNB104と108とに別々に関係するパケット内のヘッダに対する圧縮解除コンテキスト(または関係するパラメータ)を生成することができる。そのため、例えば、複数の圧縮解除コンテキストコンポーネント602が、コンテキスト識別子に対応する所定の中継eNBに関係するヘッダの圧縮を解除するための本質的に異なるコンテキスト(または関係するパラメータ)を作成することができる。
次いで、中継eNB 108は、前のパケットとしてそのヘッダ内に類似のパラメータを有する次のパケットを生成するか、または受信することができる。中継eNB 108は、類似のパラメータと対応するコンテキスト識別子とを決定することができ、コンテキスト識別子に関係する圧縮コンテキスト(または関係するパラメータ)を使用して中継eNB 108に関係するヘッダを圧縮することができる。中継eNB 108は、パケットを中継eNB 104に送信することができ、これにより、コンテキスト識別子に少なくとも一部は基づき中継eNB 104に関係するヘッダを同様に圧縮することができる。中継eNB 104は、圧縮されたパケットとコンテキスト識別子とをドナーeNB 102に送信することができる。
パケット通信コンポーネント214は、パケットを取得することができ、コンテキスト識別子決定コンポーネント216は、コンテキスト識別子を抽出することができる。ヘッダは圧縮されているため、複数の圧縮解除コンポーネント602が、コンテキスト識別子に少なくとも一部は基づきパケットのさまざまなヘッダに関係する圧縮解除コンテキストを取得することができる。例えば、複数の圧縮解除コンテキストコンポーネント602が、中継eNB 104と中継eNB 108とに関係する圧縮解除コンテキストを取得することができる。複数のヘッダ圧縮解除コンポーネント604が、説明されているように、圧縮解除コンテキストに少なくとも一部は基づきヘッダの圧縮を解除することができる。例えば、複数のヘッダ圧縮解除コンポーネント604が、中継eNB 108に関係する最も外側のヘッダにコンテキスト識別子に基づく中継eNB 108に関係する圧縮解除コンテキストを適用し、次いで、中継eNB 104に関係する次に最も外側にあるヘッダにコンテキスト識別子に基づく中継eNB 104に関係する本質的に異なる圧縮コンテキストを適用することができる。追加の中継eNBが中継eNB 104とドナーeNB 102との間に存在する場合、複数の圧縮解除コンテキストコンポーネント602が、初期パケットを受信した後に追加の圧縮解除コンテキストをすでに生成している可能性があり、複数のヘッダ圧縮解除コンポーネント604が、圧縮されたままになっているヘッダがなくなるまでコンテキストを適用して後続のパケットの圧縮を解除し続けることができることは理解されるであろう。
次に図7を参照すると、IP中継機能を提供する例示的なワイヤレス通信ネットワーク700が示されている。ネットワーク700は、説明されているように、中継eNB 104と通信するUE 110を備え、ワイヤレスネットワークへのアクセスを受ける。中継eNB 104は、ドナーeNB 102と通信してワイヤレスネットワークへのアクセスを提供することができ、説明されているように、ドナーeNB 102は、中継eNB 104に関係するMME 702および/またはSGW 704と通信することができる。SGW 704は、SGW 704および/または追加のSGWにネットワークアクセスを提供する、PGW 706に接続するか、または結合することができる。PGW 706は、中継eNB 104がネットワークを使用するのを認証/許可するためにポリシーおよび課金規則機能(PCRF:policy and charging rules function)708と通信することができ、中継eNB 104へのアドレス指定を行うためにIPマルチメディアサブシステム(IMS)710を利用することができる。
一例によれば、SGW 704およびPGW 706も、UE 110に関係しているものとしてよい、SGW 716およびPGW 718と通信することができる。例えば、SGW 716および/またはPGW 718は、IPアドレスをUE 110に割り当てることができ、これと、SGW 704およびPGW 706と、ドナーeNB 102と、中継eNB 104とを介して通信することができる。UE 110とSGW 716および/またはPGW 718との間の通信は、ノードを通じてトンネリングされうる。SGW 704およびPGW 706は、同様に、UE 110とMME 714との間の通信をトンネリングすることができる。PGW 718は、同様に、PCRF 708と通信して、UE 110を認証/許可し、IMS 710と通信することができる。それに加えて、PGW 718は、IMS 710および/またはインターネット712と直接通信することができる。
一例では、UE 110は、説明されているように、E−UTRA−Uuインターフェースなどの、1つまたは複数の無線プロトコルインターフェースを介して中継eNB 104と通信することができ、中継eNB 104は、E−UTRA−Unまたは他のインターフェースなどの、1つまたは複数の無線プロトコルインターフェースを使用してドナーeNB 102と通信することができる。説明されているように、中継eNB 104は、SGW 704および/またはPGW 706に関係するUDP/IPおよび/またはGTPヘッダを、UE 110から受信されたパケットに追加することができる。さらに、中継eNB 104は、本明細書で説明されているように、UDP/IPおよびGTPヘッダを圧縮することができ、コンテキスト識別子とともにパケットをドナーeNB 102に回送することができる。ドナーeNB 102は、示されているように、S1−MMEインターフェースを使用してMME 702と通信し、S1−Uインターフェースを介してSGW 704およびPGW 706と通信する。例えば、ドナーeNB 102は、コンテキスト識別子に従ってパケットの圧縮を解除し(例えば、説明されているように、識別子が圧縮解除コンテキストに関連付けられている場合)、同様に、UDP/IPおよび/またはGTPヘッダをパケットに追加してMME 702またはSGW 704に回送することができる。
SGW 704およびPGW 706は、UDP/IPおよび/またはGTPヘッダを利用して、コアネットワーク内のパケットのルーティングを行うことができる。例えば、説明されているように、SGW 704および/またはPGW 706は、パケットを受信し、SGW 704および/またはPGW 706に関係する、外側のUDP/IPおよび/またはGTPヘッダを取り除く。SGW 704および/またはPGW 706は、次のUDP/IPおよび/またはGTPヘッダを処理して、UE 110に関係する、SGW 716および/またはPGW 718とすることもできる、パケットを受信する次のノードを決定することができる。同様に、SGW 716および/またはPGW 718は、UEに関係するダウンリンクパケットを取得することができ、パケットを中継eNB 104に伝送してUE 110に供給することに関係するUDP/IPおよび/またはGTPヘッダを備えることができる。SGW 716および/またはPGW 718は、中継eNB 104に関係するパケットをSGW 704および/またはPGW 706に回送することができる。SGW 704およびPGW 706は、ドナーeNB 102に関係するパケット内に追加のUDP/IPおよび/またはGTPヘッダをさらに含めることができる。
SGW 704および/またはPGW 706は、トンネル経由で(例えば、SGW 704および/またはPGW 706によって含められたGTPヘッダ内の1つまたは複数のパラメータを含めることによって)パケットをドナーeNB 102に伝達することができる。ドナーeNB 102は、SGW 704および/またはPGW 706によって含められた外側のGTPおよび/またはUDP/IPヘッダを取り除くことができ、パケットを受信する次のノードを決定することができる。ドナーeNB 102は、説明されているように、格納されている圧縮コンテキストに従ってパケットを圧縮することができ、GTPトンネルに関係する無線ベアラー上でパケットを関係するコンテキスト識別子とともに中継eNB 104に送信することができる。中継eNB 104は、パケットを受信することができ、説明されているように、コンテキスト識別子にすでに関連付けられている圧縮解除コンテキストに従ってヘッダの圧縮を解除することができる。中継eNB 104は、パケットを受信する次のノードおよび/または次のUDP/IPまたはGTPヘッダ内の1つまたは複数のパラメータに少なくとも一部は基づきパケット送信する際に経由するベアラー、パケットを受信する際に経由する無線ベアラーなども決定することができる。中継eNB 104は、中継eNB 104に関係するUDP/IPおよびGTPヘッダを取り除き、一例において、残りのヘッダを圧縮し、パケットをUE 110に送信することができる。UE 110は、説明されているように、上位の通信層による処理のためPDCP層で圧縮されているヘッダの圧縮を解除することができる。
図8を参照すると、ワイヤレスネットワーク内で通信を行い中継機能を実現することを円滑にする例示的なプロトコルスタック800が示されている。L1層と、MAC層と、RLC層と、PDCP層と、IP層とを備えるUEプロトコルスタック802が図示されている。L1層と、MAC層と、RLC層と、PDCP層とを有する中継eNB(ReNB)アクセスリンクプロトコルスタック804が、L1層と、MAC層と、RLC層と、PDCP層と、IP層と、UDP層と、GTP−U層とを有するReNBバックホールリンクプロトコルスタック806とともに図示されている。L1層と、MAC層と、RLC層と、PDCP層とを有するドナーeNB(DeNB)アクセスリンクプロトコルスタック808も、L1層と、L2層と、UDP/IP層と、GTP−U層とを有するDeNBバックホールリンクプロトコルスタック810とともに図示されている。それに加えて、L1層と、L2層と、UDP/IP層と、GTP−U層と、IP層とを有するReNB PGW/SGWアクセスリンクプロトコルスタック812が、L1層と、L2層と、IP層とを備えるReNB PGW/SGWバックホールリンクプロトコルスタック814とともに図示されている。さらに、L1層と、L2層と、ReNB PGW/SGWに関係するIP層と、UDP層と、GTP−U層と、UEに関係するIP層とを有するUE PGW/SGWプロトコルスタック816が図示されている。
アップリンク通信例によれば、UEは、UE PGW/SGWとのIP通信のためにReNBと通信することができる。この点に関して、UEは、プロトコルスタック802と804との間に示されているように、L1層と、MAC層と、RLC層と、PDCP層の上で(例えば、EUTRA−Uuインターフェースを使用して)ReNBと通信することができる。プロトコルスタック802と816との間に示されているように、UEは、ReNBと他のエンティティを通じて、IPアドレスをUEに割り当てる、UE PGW/SGWにIP層通信をトンネリングすることができる。そのようなトンネリングを円滑にするために、ReNBは、プロトコルスタック806と812との間に示されているように、バックホールリンク上の1つまたは複数の他のノードを通じてアクセスリンクパケットをReNB PGW/SGWに伝達するためにIPヘッダを挿入することができる。それに加えて、ReNBは、プロトコルスタック806と816との間に示されているようなUE PGW/SGWに関係するGTP−UヘッダとUDPヘッダとを挿入して、トンネリングを円滑にする。
さらに、ReNBは、プロトコルスタック806と808との間に示されているように、L1層と、MAC層と、RLC層と、およびPDCP層の上で(例えば、EUTRA−Unインターフェースを使用して)DeNBと通信することができる。DeNBは、PDCP層と、RLC層と、MAC層とを取り除いて、無線通信を円滑に行えるようにし、その後、プロトコルスタック810と812との間に示されているように、L1層と、L2層と、UDP/IP層と、GTP−U層の上でReNB PGW/SGWと通信することができる。この点で、DeNBは、ReNBに関係するGTP−U層とUDP/IP層とをPGW/SGWに追加し、ReNBのGTP−U層と、UDP層と、IP層とをReNB PGW/SGWにトンネリングすることができる。ReNB PGW/SGWは、GTP−U層とUDP/IP層とを取り除くことができ、その後、説明されているように、L1層と、L2層と、IP層の上でUE PGW/SGWと通信し、UEからのIP通信をトンネリングすることができる。したがって、説明されているように、ReNBとDeNBとの間のIPおよび/またはGTPヘッダに対して、ReNBによってDeNBに伝達されたコンテキスト識別子に従って圧縮および圧縮解除を行うことができる。類似のプロシージャを利用して、UE PGW/SGWからUEにダウンリンクパケットをトンネリングすることができることは理解されるであろう。
図9〜12を参照すると、中継通信のためにパケットヘッダを圧縮することに関係する方法が例示されている。説明を簡単にするために、方法が図に示され、一連の活動として記述されているが、方法は、活動の順序によって制限されるわけではなく、いくつかの活動は、1つまたは複数の態様により、図に示され、本明細書で説明しているのと異なる順序で、および/または他の活動と同時に実行されうることが理解され、認識されるであろう。例えば、当業者であれば、方法を代替的に一連の相互に関連のある状態またはイベントとして状態図などの中に表されることが可能であることを理解し、了解するであろう。さらに、1つまたは複数の態様による方法を実施するために、例示されているすべての活動が必要なわけではない。
図9を参照すると、関係するコンテキストに従って受信されたパケットのヘッダの圧縮を解除することを円滑にする例示的な方法900が示されている。902で、1つまたは複数の圧縮されたヘッダとコンテキスト識別子とを含むパケットをアクセスポイントから受信することができる。説明されているように、例えば、コンテキスト識別子は、本質的に異なるパケットとともにすでに受信されている可能性があり、圧縮解除コンテキストを、この本質的に異なるパケットに対して生成し、コンテキスト識別子に関連付けることができる。そこで、904において、1つまたは複数の圧縮されたヘッダの圧縮を解除することに関係するコンテキストを、コンテキスト識別子に少なくとも一部は基づき決定することができる。これは、すでに生成済みのコンテキストであってよい。さらに、説明されているように、コンテキストは、ネットワーク仕様、構成、ハードコーディングなどによって指示されているようにパケットヘッダの圧縮を解除するためのアルゴリズムを備えることができる。別の例では、コンテキストは、前のパケットの1つまたは複数のヘッダおよび非静的データに対する位置情報、前のパケットの1つまたは複数のヘッダの静的フィールド、および/または同様のものなどの、パケットヘッダの圧縮を解除することに関する1つまたは複数のパラメータを備えることができる。906で、1つまたは複数の圧縮されたヘッダの圧縮解除を、コンテキストに少なくとも一部は基づき行うことができる。
図10を参照すると、パケットヘッダの圧縮を解除するための圧縮解除コンテキストを生成することを円滑にする例示的な方法1000が示されている。1002で、無圧縮のパケットをコンテキスト識別子とともにアクセスポイントから受信することができる。無圧縮のパケットは、説明されているように、アクセスポイントに対して圧縮されうる静的フィールドを有する1つまたは複数のヘッダを備えることができる。そのため、1004で、圧縮のパケットに対して圧縮解除コンテキストを生成することができる。説明されているように、これは、ネットワーク仕様、構成、ハードコーディングなどで指示されている圧縮解除アルゴリズムを実行することに関係しうる。さらに、一例では、圧縮解除コンテキストは、説明されているように、受信された非静的データ内に静的フィールドを挿入すること、無圧縮のパケット内の受信されたヘッダの非静的フィールドに後続のパケット内の受信された非静的データを初期値として埋め込むこと、および/または同様の操作に関係する1つまたは複数のパラメータを備えることができる。1006において、圧縮解除コンテキストをコンテキスト識別子に関連付けることができる。この点で、圧縮解除コンテキストは、コンテキスト識別子を示す後続のパケットの圧縮を解除するために使用されうる。1008で、圧縮されたパケットをコンテキスト識別子とともにアクセスポイントから受信することができ、1010で、圧縮解除コンテキストを使用して、圧縮されたパケットの圧縮を解除することができる。そのため、例えば、本明細書で説明されているように、コンテキスト識別子に基づき、圧縮解除コンテキストを取得し、これを利用して、圧縮されたパケットの圧縮を解除することができる。
図11を参照すると、受信されたパケットのヘッダを圧縮することを円滑にする例示的な方法1100が示されている。1102で、パケットをルーティングすることに関係する1つまたは複数のヘッダを備えるパケットを受信することができる。説明されているように、例えば、ヘッダは、静的フィールド(例えば、UDP/IPおよびGTPヘッダ内のIPアドレス、TEIDなど)と非静的フィールド(例えば、GTPシーケンス番号、パケット長など)とを備えることができる。1104で、パケットに関係するコンテキスト識別子を決定することができる。一例では、説明されているように、これは、1つまたは複数のヘッダの一部(例えば、その静的フィールド)に対応するすでに格納されているコンテキスト識別子を判定することを含みうる。1106において、1つまたは複数のヘッダを圧縮するためのコンテキストを、コンテキスト識別子に少なくとも一部は基づき選択することができる。コンテキストは、例えば、説明されているように、アクセスポイントからの初期パケットに対するコンテキスト識別子とともにすでに生成されている可能性があり、例えば、アクセスポイントからの後続のパケットを圧縮することを円滑にすることができる。1108で、1つまたは複数のヘッダを、コンテキストに少なくとも一部は基づき圧縮することができる。説明されているように、コンテキストは、ネットワーク仕様、構成、ハードコーディングなどからの圧縮アルゴリズム、1つまたは複数のヘッダから静的フィールドを取り除くことに関係する命令、および/または同様のものを含みうる。
図12を参照すると、1つまたは複数のパケットを圧縮することと、1つまたは複数のパケットの圧縮を解除するためのコンテキスト識別子を供給することとを円滑にする例示的な方法1200が示されている。1202で、ワイヤレスデバイスまたはコアネットワークコンポーネントからパケットを受信することができる。説明されているように、例えば、パケットは1つまたは複数の中継ノード間でパケットを伝達するために圧縮されうる1つまたは複数のヘッダ内の静的フィールドを含むことができる。1204で、圧縮コンテキストと関連付けられているコンテキスト識別子とをそのパケットに対して生成することができる。これは、例えば、ネットワーク仕様、構成、ハードコーディング、および/またはコンテキスト内の同様のものに従って圧縮アルゴリズムを初期化することを含みうる。別の例では、これは、説明されているように、ヘッダから静的フィールドを取り除くためなどに1つまたは複数のパラメータを初期化することを含むことができる。
1206で、パケットとコンテキスト識別子とを中継ノードに送信することができる。この点で、説明されているように、中継ノードは、対応する圧縮解除コンテキストを生成し、それをコンテキスト識別子に相互に関連付けることができる。1208で、ワイヤレスデバイスまたはコアネットワークコンポーネントから別のパケットを受信することができる。1210で、パケットに関係するコンテキスト識別子を決定することができる。したがって、説明されているように、例えば、1つまたは複数のヘッダの少なくとも一部(例えば、ヘッダ内の1つまたは複数の静的フィールド)を評価することに少なくとも一部は基づきパケットに対してコンテキスト識別子を特定することができる。1212で、コンテキスト識別子に基づき、圧縮コンテキストを使用してパケットを圧縮することができる。1214で、パケットとコンテキスト識別子とを中継ノードに送信することができる。そこで、説明されているように、中継ノードは、コンテキスト識別子を利用して、パケットの圧縮を解除するための圧縮解除コンテキストを決定することができる。
本明細書で説明されている1つまたは複数の態様によれば、圧縮または圧縮解除コンテキストを生成すること、コンテキスト識別子を選択すること、および/または本明細書で説明されている他の態様に関する推論を行うことができることは理解されるであろう。本明細書で使用しているように、「推論する」または「推論」という用語は、一般に、イベントおよび/またはデータを介して得られるような一組の観察結果から、システム、環境、および/またはユーザーの状態を推理または推論するプロセスを指す。推論は、特定のコンテキストまたはアクションを識別するために使用されることができ、または例えば、いくつかの状態における確率分布を生成することができる。推論は確率的であってよい、つまり、データおよびイベントの考察に基づいて注目している状態上の確率分布を計算することができる。推論は、さらに、一組のイベントおよび/またはデータから高水準のイベントを構成するために使用される手法を指す場合もある。このような推論を行うことで、イベント同士が時間的に近い関係による相関関係があるかどうか、またイベントおよびデータが1つまたは複数のイベントおよびデータソースを発生元としているかどうかに関係なく、一組の観察されたイベントおよび/または格納されているイベントデータから新しいイベントまたはアクションが構築される。
次に図13を参照すると、本明細書で提示されるさまざまな実施形態による無線通信システム1300が示されている。システム1300は、複数のアンテナグループを含むことができる基地局1302を備える。例えば、1つのアンテナグループは、アンテナ1304と1306とを含むことができ、別のグループは、アンテナ1308と1310とを備えることができ、追加のグループは、アンテナ1312と1314とを含むことができる。2つのアンテナが、アンテナグループ毎に例示されているが、より多数またはより少数のアンテナを、グループ毎に利用することができる。基地局1302は、さらに、送信機チェーンおよび受信機チェーンを含むことができ、送信機チェーンおよび受信機チェーンのそれぞれは、当業者によって了解されるように、信号の送信と受信とに関連する複数のコンポーネント(例えば、プロセッサ、変調器、多重化装置、復調器、多重分離装置、アンテナなど)を備えることができる。
基地局1302は、モバイルデバイス1316およびモバイルデバイス1322などの1つまたは複数のモバイルデバイスと通信することができるが、基地局1302が、モバイルデバイス1316および1322に類似する実質的に任意の個数のモバイルデバイスと通信できることは理解されるであろう。モバイルデバイス1316および1322は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/またはワイヤレス通信システム1300を介して通信する任意の他の好適なデバイスとすることができる。図に示されているように、モバイルデバイス1316は、アンテナ1312および1314と通信しており、アンテナ1312および1314は、順方向リンク1318上でモバイルデバイス1316に情報を送信し、逆方向リンク1320上でモバイルデバイス1316から情報を受信する。さらに、モバイルデバイス1322は、アンテナ1304および1306と通信しており、アンテナ1304および1306は、順方向リンク1324上でモバイルデバイス1322に情報を送信し、逆方向リンク1326上でモバイルデバイス1322から情報を受信する。周波数分割複信(FDD)システムでは、例えば、順方向リンク1318は、逆方向リンク1320によって使用されるものとは異なる周波数帯を利用することができ、順方向リンク1324は、逆方向リンク1326によって使用されるものとは異なる周波数帯を利用することができる。さらに、時分割複信(TDD)システムでは、順方向リンク1318および逆方向リンク1320は、共通の周波数帯を利用することができ、順方向リンク1324および逆方向リンク1326は、共通の周波数帯を利用することができる。
アンテナの各グループおよび/またはそれらが通信するように指定されたエリアを、基地局1302のセクタと呼ぶことができる。例えば、アンテナグループは、基地局1302によってカバーされるエリアの1つのセクタ内にあるモバイルデバイスと通信するように設計されうる。順方向リンク1318および1324上での通信では、基地局1302の送信するアンテナは、モバイルデバイス1316および1322の順方向リンク1318および1324の信号対雑音比を改善するのにビームフォーミングを利用することができる。また、基地局1302は、関連するカバレッジを介してランダムに散在するモバイルデバイス1316と1322とに送信するのにビームフォーミングを利用するが、隣接セル内のモバイルデバイスは、単一のアンテナを介してすべてのモバイルデバイスに送信する基地局と比較して、受ける干渉がより少ない可能性がある。さらに、モバイルデバイス1316および1322は、ピアツーピアまたはアドホック技術(図示せず)を使用して互いに直接通信することができる。
一実施例によれば、システム1300は、多入力多出力(MIMO)通信システムとすることができる。さらに、システム1300は、通信チャネル(例えば、順方向リンク、逆方向リンク、...)を分割するために、FDD、FDM、TDD、TDM、CDM、および同様のものなどの、実質的に任意の種類の複信技術を利用できる。それに加えて、通信チャネルは、いくつかのチャネル上で複数のデバイスと同時に通信することが可能なように直交させることができ、一例では、これに関して、OFDMを利用することができる。そこで、チャネルを一定期間にわたっていくつかの周波数部分に分割することができる。それに加えて、フレームをいくつかの期間の集まりの上の周波数の部分として定義することができ、そこで、例えば、1つのフレームは、多数のOFDMシンボルを備えることができる。基地局1302は、さまざまな種類のデータに対して形成されうるチャネル上でモバイルデバイス1316および1322と通信することができる。例えば、さまざまな種類の一般的な通信データ、制御データ(例えば、他のチャネルに関する品質情報、チャネル上で受信されたデータに対する確認応答インジケータ、干渉情報、参照信号など)、および/または同様のデータに対してチャネルを形成することができる。
図14は、例示的なワイヤレス通信システム1400を示している。ワイヤレス通信システム1400は、簡単にするため1つの基地局1410および1つのモバイルデバイス1450として示されている。しかし、システム1400は、複数の基地局および/または複数のモバイルデバイスを備えることができ、追加の基地局および/またはモバイルデバイスは、後述の例の基地局1410およびモバイルデバイス1450に実質的に類似していても異なっていてもよいことは理解されるであろう。それに加えて、基地局1410および/またはモバイルデバイス1450は、本明細書で説明されているシステム(図1〜7および13)、プロトコルスタック(図8)、および/または方法(図9〜12)を使用することでそれらの間のワイヤレス通信を円滑にすることができることは理解されるであろう。
基地局1410では、多数のデータストリームのトラヒックデータが、データソース1412から送信(TX)データプロセッサ1414に送られる。一例によれば、それぞれのデータストリームは、各アンテナで送信されうる。TXデータプロセッサ1414は、そのデータストリームについて選択された特定のコード体系に基づいてトラヒックデータストリームをフォーマットし、符号化し、インターリーブして、符号化データを出力する。
それぞれのデータストリームについて符号化されたデータは、直交周波数分割多重(OFDM)技術を使用してパイロットデータと多重化できる。それに加えて、またはその代わりに、パイロットシンボルは、周波数分割多重化されるか(FDM)、時分割多重化されるか(TDM)、または符号分割多重化されうる(CDM)。パイロットデータは、典型的には、知られている方法で処理され、チャネル応答を推定するためにモバイルデバイス1450において使用できる知られているデータパターンである。それぞれのデータストリームに対する多重化されたパイロットおよび符号化データは、そのデータストリームに対し選択された特定の変調方式(例えば、二位相偏移変調(BPSK:binary phase−shift keying)、四位相偏移変調(QPSK:quadrature phase−shift keying)、M位相偏移変調(M−PSK:M−phase−shift keying)、またはM値直交振幅変調(M−QAM:M−quadrature amplitude modulation)など)に基づいて変調され(つまり、シンボルマッピングされ)、変調シンボルを出力することができる。それぞれのデータストリームに対するデータ転送速度、符号化、および変調は、プロセッサ1430によって実行されるか、または与えられる命令によって決定されうる。
データストリームに対する変調シンボルが、TX MIMOプロセッサ1420に送られ、そこでさらに、変調シンボルを処理することができる(例えば、OFDM用に)。次いで、TX MIMOプロセッサ1420は、NT個の変調シンボルストリームをNT個の送信機(TMTR)1422aから1422tに送る。さまざまな態様において、TX MIMOプロセッサ1420は、ビームフォーミング重みをデータストリームのシンボルに適用し、またシンボルの送信元であるアンテナに適用する。
それぞれの送信機1422は、それぞれのシンボルストリームを受信し、処理して、1つまたは複数のアナログ信号を生成し、さらに、それらのアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ処理、およびアップコンバート)して、MIMOチャネルで伝送するのに適した変調信号を生成する。さらに、送信機1422aから1422tのNT個の変調信号は、NT個のアンテナ1424aから1424tからそれぞれ送信される。
モバイルデバイス1450では、送信された変調信号は、NR個のアンテナ1452aから1452rにより受信され、それぞれのアンテナ1452からの受信された信号は、それぞれの受信機(RCVR)1454aから1454rに送られる。それぞれの受信機1454は、それぞれの信号を調整(例えば、フィルタ処理、増幅、およびダウンコンバート)し、調整信号を2値化して、サンプルを形成し、さらに、それらのサンプルを処理して対応する「受信」シンボルストリームを形成する。
RXデータプロセッサ1460は、特定の受信機処理技術に基づいてNR個の受信機1454からNR個の受信機シンボルストリームを受信して、処理し、NT個の「検出」シンボルストリームを形成することができる。RXデータプロセッサ1460は、それぞれの検出シンボルストリームを復調し、逆インターリーブし、復号して、そのデータストリームに対するトラヒックデータを復元することができる。RXデータプロセッサ1460による処理は、基地局1410におけるTX MIMOプロセッサ1420とTXデータプロセッサ1414とによって実行される処理を補完するものである。
プロセッサ1470は、上述のようにどのプリコーディング行列を使用するかを定期的に決定することができる。さらに、プロセッサ1470は、行列添え字部分および階数値部分を備える逆方向リンクメッセージを構成することができる。
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関するさまざまな種類の情報を備えうる。逆方向リンクメッセージは、データソース1436から多数のデータストリームに対するトラヒックデータも受信するTXデータプロセッサ1438によって処理され、変調器1480によって変調され、送信機1454aから1454rによって調整され、基地局1410に送り返すことができる。
基地局1410では、モバイルデバイス1450からの変調信号は、アンテナ1424によって受信され、受信機1422によって調整され、復調器1440によって復調され、RXデータプロセッサ1442によって処理され、こうして、モバイルデバイス1450によって送信された逆方向リンクメッセージを抽出する。さらに、プロセッサ1430は、抽出されたメッセージを処理して、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するかを決定することができる。
プロセッサ1430および1470は、それぞれ、基地局1410とモバイルデバイス1450とにおけるオペレーションを指令する(例えば、制御、調整、管理などを行う)ことができる。各プロセッサ1430および1470は、プログラムのコードおよびデータを格納するメモリ1432と1472とに関連付けることができる。プロセッサ1430および1470は、さらに、それぞれアップリンクおよびダウンリンクに対する周波数およびインパルス応答推定を導出する計算を実行することもできる。
図15を参照すると、中継通信を効率的に行えるようにパケットヘッダの圧縮を解除すること円滑にするシステム1500が例示されている。例えば、システム1500は、少なくとも部分的には基地局、モバイルデバイスなどの中に配置されうる。システム1500は、機能ブロックを含むものとして表されており、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックとすることも可能であることを了解されたい。システム1500は、連携動作しうる電気コンポーネントの論理グループ1502を含む。例えば、論理グループ1502は、1つまたは複数の圧縮されたヘッダ1504を含むパケットをアクセスポイントから受信するための電気コンポーネントを含むことができる。例えば、説明されているように、静的フィールドを取り除くことなどによって、指定された圧縮アルゴリズムに従いパケットを圧縮することができる。それに加えて、論理グループ1502は、パケット1506からコンテキスト識別子を取り出すための電気コンポーネントを含むことができる。説明されているように、コンテキスト識別子は、アクセスポイントから(例えば、初期パケットにおいて)すでに受信され、生成された圧縮解除コンテキストに関連付けられる可能性がある。
さらに、論理グループ1502は、コンテキスト識別子1508に少なくとも一部は基づき1つまたは複数の圧縮されたヘッダの圧縮を解除することに関係するコンテキストを決定するための電気コンポーネントを含むことができる。説明されているように、例えば、コンテキストは、初期パケットから、そのパケットの1つまたは複数のヘッダの少なくとも一部(例えば、説明されているように、ヘッダの圧縮を解除するために圧縮されたヘッダ内に再挿入されうる静的フィールドなど)を、または説明されているように、ヘッダの圧縮を解除するための他のパラメータを含むようにすでに生成されている可能性がある。それに加えて、論理グループ1502は、コンテキスト1510に少なくとも一部は基づき1つまたは複数の圧縮されたヘッダの圧縮を解除するための電気コンポーネントを含むことができる。説明されているように、電気コンポーネント1510は、指定されたアルゴリズム、すでに格納されている静的ヘッダ内に非静的データを挿入する、受信された非静的データ内に静的フィールドを挿入するなどのためのパラメータに少なくとも一部は基づきヘッダの圧縮を解除することができる。それに加えて、システム1500は、電気コンポーネント1504と、1506と、1508と、1510とに関連付けられている機能を実行するための命令を保持するメモリ1512を備えることができる。電気コンポーネント1504、1506、1508、および1510のうちの1つまたは複数は、メモリ1512の外部にあるものとして示されているが、メモリ1512内に存在していてもよいことを理解されたい。
図16を参照すると、中継通信を効率的に行えるようにパケットヘッダを圧縮することを円滑にするシステム1600が例示されている。例えば、システム1600は、少なくとも部分的には基地局、モバイルデバイスなどの中に配置されうる。システム1600は、機能ブロックを含むものとして表されており、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックとすることも可能であることを了解されたい。システム1600は、連携動作しうる電気コンポーネントの論理グループ1602を含む。例えば、論理グループ1602は、ワイヤレスデバイスまたはコアネットワークコンポーネント1604からパケットをルーティングすることに関係する1つまたは複数のヘッダを備えるパケットを受信するための電気コンポーネントを含むことができる。説明されているように、例えば、1つまたは複数のヘッダは、パケットのルーティング先となる所定のノードに対して圧縮されうる静的フィールドを備えることができる。それに加えて、論理グループ1602は、パケット1606に関係するコンテキスト識別子を決定するための電気コンポーネントを含むことができる。説明されているように、例えば、パケットを圧縮するためのコンテキストは、コンテキスト識別子とともにワイヤレスデバイスまたはネットワークコンポーネントから本質的に異なるパケットに対してすでに生成されている可能性があり、電気コンポーネント1606は、1つまたは複数のヘッダに少なくとも一部は基づき(例えば、本質的に異なるパケットと共通の静的フィールドに少なくとも一部は基づき)コンテキスト識別子を決定することができる。
さらに、論理グループ1602は、コンテキスト識別子1608に少なくとも一部は基づき1つまたは複数のヘッダを圧縮するためのコンテキストを決定するための電気コンポーネントを含むことができる。説明されているように、本質的に異なるパケットのヘッダ内の静的フィールドを取り除くか、または他の何らかの形で圧縮するために、本質的に異なるパケットに基づきコンテキストを作成することができる。それに加えて、コンテキストをコンテキスト識別子に関連付けて、1つまたは複数のヘッダ内のデータに少なくとも一部は基づきコンテキストをその後特定することができる。それに加えて、論理グループ1602は、コンテキスト1610に少なくとも一部は基づき1つまたは複数のヘッダを圧縮するための電気コンポーネントを含むことができる。それに加えて、システム1600は、電気コンポーネント1604と、1606と、1608と、1610とに関連付けられている機能を実行するための命令を保持するメモリ1612を備えることができる。電気コンポーネント1604、1606、1608、および1610のうちの1つまたは複数は、メモリ1612の外部にあるものとして示されているが、メモリ1612内に存在していてもよいことを理解されたい。
本明細書で開示されている実施形態に関して説明されているさまざまな例示的な論理回路、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラム可能論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書で説明されている機能を実行するように設計されているこれらの任意の組み合わせにより実装または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他のそのような構成として実装することもできる。それに加えて、少なくとも1つのプロセッサは、上述のステップおよび/またはアクションのうちの1つまたは複数を実行するように動作可能な1つまたは複数のモジュールを備えることができる。
さらに、本明細書で開示されている態様に関して説明されている方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、ハードウェアで直接、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにより、またはこれら2つの組み合わせにより実現することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている他の形態の記憶媒体に格納することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサがその記憶媒体から情報を読み込み、その記憶媒体に情報を書き込めるようにプロセッサに結合されうる。代替的形態では、記憶媒体は、プロセッサに一体化することができる。さらに、いくつかの態様では、プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに収めることもできる。それに加えて、ASICは、ユーザー端末に収めることができる。代替形態では、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザー端末内のディスクリートコンポーネントとして配置することができる。それに加えて、いくつかの態様では、方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、コンピュータプログラム製品に組み込むことが可能な、機械可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体上にコードおよび/または命令のうちの一方または組み合わせまたはセットとして配置されうる。
1つまたは複数の態様において、説明されている関数は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで実装することができる。ソフトウェアで実装された場合、これらの関数、プロシージャなどは、コンピュータ可読媒体上で1つまたは複数の命令もしくはコードとして格納または伝送されうる。コンピュータ可読媒体は、一方の場所から他方の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする媒体を含むコンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる利用可能な媒体とすることができる。例えば、限定はしないが、このようなコンピュータ可読媒体としては、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶デバイス、または命令またはデータ構造体の形態で所望のプログラムコードを搬送または格納するために使用することができ、またコンピュータによってアクセスできる他の媒体が挙げられる。また、任意の接続を、コンピュータ可読媒体と呼んで差し支えない。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア線、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、ラジオ、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバー、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア線、DSL、または赤外線、ラジオ、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されているようなディスク(「Disk」および「Disc」)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、「Disk」は通常磁気的にデータを再現し、「Disc」は通常レーザーを使って光学的にデータを再現する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に収まらなければならない。
前記の開示では例示的な態様および/または実施形態が説明されているが、付属の請求項で定義されているように、説明されている態様および/または実施形態の範囲から逸脱することなく、本明細書においてさまざまな変更および修正を加えられることに留意されたい。さらに、説明されている態様および/または実施形態の要素は、単数形で説明または請求されている場合があるが、単数形に限定されることが明示的に述べられていない限り、複数形が考慮される。それに加えて、任意の態様および/または実施形態の全部または一部は、別段の指定のない限り、他の態様および/または実施形態の全部または一部とともに使用することができる。さらに、「含む、備える(include)」という言い回しが詳細な説明または請求項で使用されている範囲において、「備える(comprising)」が使用された場合に請求項の中で接続語として解釈されるのでこのような用語は「備える(comprising)」という用語と同様の使い方で包含的であることが意図される。さらに、説明されている態様および/または態様の要素は、単数形で説明または請求されている場合があるが、単数形に限定されることが明示的に述べられていない限り、複数形が考慮される。それに加えて、任意の態様および/または実施形態の全部または一部は、別段の指定のない限り、他の態様および/または実施形態の全部または一部とともに使用することができる。