JP2013502086A - 情報の複数ポイント協調通信のための、方法、送信ポイント、サービング基地局、および装置 - Google Patents

情報の複数ポイント協調通信のための、方法、送信ポイント、サービング基地局、および装置 Download PDF

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Abstract

ダウンリンクCoMPにおいて、それぞれの協調送信ポイント(例:基地局)が、異なるリダンダンシーバージョン(RV)の再送信パケットをユーザ機器に送信する。いずれの送信ポイントが、いずれのリダンダンシーバージョンを持たせたパケットを送信するかを判別するメカニズムが提供される。アップリンクCoMPにおいて、バックホールのオーバーヘッドを低減するために、それぞれの協調基地局は、再送信パケットの一部だけを、サービング基地局間で共有する。さらに、異なるリダンダンシーバージョンを含んだ異なる再送信パケットは、異なる協調受信ポイントへ、空間上の自由度を用いて送信される。

Description

本発明は、概して無線通信に関するものである。すなわち、本発明は、セルラ通信網における、情報の複数ポイント協調通信の方法、送信ポイント、サービング基地局、および装置に関する。
セルラ通信網とは、セルサイトもしくは基地局として知られる固定された通信機によってサービスが行われる多数の無線セル(もしくは単にセル)で作られた無線ネットワークである。これらのセルは、異なる領域をカバーするために使われ、単独のセルの無線範囲よりも広い範囲にまで無線範囲を供給可能としている。セルラ通信網は、それぞれセルを構成する固定された主要トランシーバのセットと、ネットワークのユーザにサービスを供給する分散型トランシーバ(必ずではないが、たいていは携帯)とのセットを含む。
セルラネットワークの標準規格の開発に取り組む多くの標準化団体がある。そのような標準化団体の一例として、3GPP(3rd Generation Partnership Project)がある。3GPP LTEは、将来の技術の革新に対処して、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)を改善した3GPPであるという思いを込めて、プロジェクトに与えられた名前である。3GPP LTE‐Advancedは一般に、3GPP LTEを向上させたものとして、3GPPによって規格化されている。
多地点協調(CoMP)送信および受信は、3GPP LTE‐Advancedの性能改善技術の一つであると考えられている。CoMPの一つの実装は、UEに複数の伝送能力を組み込んでおき、UEによりよい信号の品質という結果を与えるために、複数の基地局からユーザ機器(UE,user equipment)へ情報を送信することである。
パケットにエラーが検知されたとき、送信機へエラーについて知らせる否定応答(NACK,Negative Acknowledgement)が返信される。NACKを受け取ると、送信機はパケットを再送信する。再送信されたパケットは、受信機によって最初の送信と組み合わされ、復号される。エラーが検知されなければ、肯定応答(ACK、Acknowledgement)が返信される。そうでない場合は、別のNACKが返信され、エラーなしでパケットが復号されるか、再送信の試行が最大回数(例えば、標準規格に指定されているような)に達するまで、その工程が繰り返される。
再送信について、送信機はオリジナルの送信内容とまったく同一のパケットを再送信できる。あるいは、送信機は異なるバージョンのパケットを送ってもよい。これらの異なるバージョンは、リリース8(LTE)のリダンダンシーバージョン(RV,Redundancy Version)パラメータによって示されている。
情報の再送信のための方法が開示されている。再送信パケットの第一のリダンダンシーバージョンは、第一の自由度でユーザ機器に送られる。第一の自由度は、再送パケットの少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンがユーザ機器に送信される上での少なくとももう一つある別の自由度とは異なっている。
第一および少なくとももう一つある別の自由度は、少なくとも時間、周波数、空間レイヤ、コードの一つから得られる。ある実施例において、前記第一および少なくとももう一つある別の自由度は、少なくとも2箇所の異なる送信ポイントから得られる。ある実施例においては、前記第一および前記少なくとももう一つある別の自由度のうちの少なくとも一つ自由度が、異なる送信ポイントを組み合わせる。
前記方法は、サービング基地局によって実行されてもよい。前記サービング基地局は、信号メッセージを介して、少なくとももう一つある別の送信ポイントに対して、前記少なくとももう一つある別の冗長バージョンのうち、どの冗長バージョンを送信すべきか、およびどのリソースブロックを使用すべきかを通知する。ある実施例においては、前記信号メッセージは、制御信号メッセージであり、サービング基地局と、少なくとも一つの他の送信ポイントとの間で動的な方式で交換される。ある実施例においては、前記信号メッセージは、より上位層の信号メッセージであり、サービング基地局と少なくとも一つの別の送信ポイントとの間において、多地点協調通信の初期セットアップ中に交換される。
ある実施例においては、どのリダンダンシーバージョンが送信されるべきかを示す指示と、どのリソースブロックが使用されるべきかを示す指示とが、再送信の際に行われる。ある実施例においては、いずれのリダンダンシーバージョンが送信されるべきかを示す指示と、どのリソースブロックが使用されるべきかを示す指示とが、状態を変更するタイミングで行われる。送信すべき、前記第一のリダンダンシーバージョンおよび前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンは、暗黙の情報を用いて決定される。
前記方法は、サービング基地局によって実施されてもよい。前記サービング基地局は、情報の再送信に参加するために、多地点協調通信に関与している送信ポイントのサブセットを選択する。
前記の方法は、マルチアンテナを含む少なくとも二つの送信ポイントによって実行される。前記第一のリダンダンシーバージョンは、前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとは異なる空間レイヤで送信される。ある実施例においては、第一のリダンダンシーバージョンと少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンの送信を指定するために、前記レイヤとリダンダンシーバージョン間のマッピングは静的に割り当てられる。(2012/1/25 E.P6L13)ある実施例においては、第一のリダンダンシーバージョンと少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとの送信を指定するために、上記レイヤとリダンダンシーバージョン間のマッピングは、多地点協調通信の初期のセットアップ中に準静的に行われる。前記の方法は、ダウンリンク制御チャネルを介して、前記ユーザ機器に、使用されているリダンダンシーバージョンおよびリソースを通知する工程をさらに含んでもよい。
前記第一のリダンダンシーバージョンは、上記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとは異なる空間レイヤへ送信される。前記の方法は、ユーザ機器に、どの空間レイヤがどの冗長バージョンを送信しているかを伝える工程をさらに含んでもよい。
多地点協調通信に関与する前記少なくとも二つの送信ポイントの数が、前記空間レイヤの数を超えたとき、前記リダンンダンシーバージョンを式kmod Lを用いて選択してもよい。ここで、kは送信ポイントのランクであり、Lは利用可能な空間レイヤの数である。
前記の方法は、サービング基地局によって実行されてもよい。前記サービング基地局は、前記ユーザ機器からフィードバックレポートを受け取り、再送信の成功率が最も高い、前記少なくとも二つの送信ポイントおよび前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンを、前記フィードバックレポートに基づき選択する。前記フィードバックレポートは、少なくとも二つの送信ポイントと、前記第一および前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとに関する、前記ユーザ機器の優先度を含む。
前記方法は、オリジナルの送信パケットの第一のリダンダンシーバージョンを、前記オリジナルの送信パケットの、少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとは異なる自由度で前記ユーザ機器に送信する工程をさらに含んでもよい。
アップリンク多地点協調通信のための、情報の再送信の方法も開示されている。サービング基地局は、ユーザ機器からパケットを受け取る。前記サービング基地局は、前記サービング基地局がパケットを復号できるか否かを決定する。前記サービング基地局が前記パケットの復号を行うことができないとき、前記サービング基地局は、第一のバックホール接続を介して、第一の協調基地局から、前記パケットの第一の部分を受信する。前記サービング基地局は、第二のバックホール接続を介して、第二の協調受信ポイントから、前記パケットの第二の部分を受信する。前記パケットの第一の部分には、前記パケットの第二の部分と同じリダンダンシーバージョンが含まれている。あるいは、前記パケットの第一の部分には、前記パケットの第二の部分と異なるリダンンダンシーバージョンが含まれている。
アップリンク多地点協調通信のための、情報の送信の方法も開示されている。前記方法は、パケットを複数の協調受信ポイントのそれぞれに送信する工程を含む。前記方法は、異なるリダンダンシーバージョンを含んだ、異なる再送信パケットを、異なる協調受信ポイントへ、空間自由度を用いて送信する工程を含む。決定部は、よりよいチャネルを有する受信ポイントが追加パリティビットにアクセスできるように、重畳符号化を用いて符号化された、追加情報を決定するために使用することができる。前記の方法は、ユーザ機器によって実行され、その受信ポイントは基地局であってもよい。
情報の再送信のために構成された送信ポイントが開示されている。前記送信ポイントは、再送信パケットの第一のリダンダンシーバージョンを、第一の自由度で、ユーザ機器に送信するための送信部を備える。前記第一の自由度は、前記再送信パケットの少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンを前記ユーザ機器に送信するときの少なくとももう一つある別の自由度と異なっている。
アップリンク多地点協調通信のための情報の再送信のために構成されたサービング基地局が開示されている。前記サービング基地局は、パケットをユーザ機器から受け取る受信部と、前記サービング基地局が前記パケットを復号できるか否かを決定する決定部とを含む。前記サービング基地局が前記パケットを復号できないとき、前記受信部は第一のバックホール接続を介して、第一の協調基地局から、前記パケットの第一の部分を受け取り、第二のバックホール接続を介して、第二の協調受信ポイントから、前記パケットの第二の部分を受け取る。
アップリンク多地点協調通信のための情報の送信装置が開示されている。前記装置は、パケットを複数の協調受信ポイントのそれぞれに送信するとともに、異なるリダンダンシーバージョンを含んだ異なる再送信パケットを、異なる協調受信ポイントへ、空間自由度を用いて送信する送信部を含む。
本発明の、前記およびその他の目的、特徴、利点は、以下の発明の詳細な説明とそれに付随した関連する図の考察により、より容易に理解できるであろう。
LTEシステムにおける、ハイブリッド自動再送要求(HARQ、Hybrid Automatic Repeat Request)の一般的なコンセプトの特定の局面を示す図である。 LTEシステムにおけるHARQの一般的なコンセプトの追加の特定の局面を示す図である。 複数の協調基地局がユーザ機器(UE)へ再送信パケットを送信するシステムを示す図である。 図3における複数の協調基地局とUEとによって行われる方法を示した図である。 どちらのリダンダンシーバージョン(RV)が基地局によって送信されるかを、基地局が決定する情報を示した図である。 どちらのリダンダンシーバージョンが送信されるべきかを決定するための協調基地局への命令を与える方法を示した図である。 サービング基地局と、別の協調基地局との間に発生する信号を示した図である。 複数の協調基地局へリダンダンシーバージョンを割り当てるコアネットワークを示した図である。 複数の協調基地局へリダンダンシーバージョンを割り当てるUEを示した図である。 どのリダンダンシーバージョンが送信されるべきかを決定する複数の協調基地局のための、別の可能なメカニズムを示した図である。 制御チャネルを介して、UEへリダンダンシーバージョン分配情報とリソース割当情報とを送信するサービング基地局を示した図である。 サービング基地局へチャネル情報をフィードバックするUEを示した図である。 アップリンクCoMPが実行されているシステムでの情報の再送信の方法を示した図である。 図13のシステムにおいて、複数の協調基地局とUEとで行われる方法を示した図である。 図13のシステムにおいて、複数の協調基地局とUEとで行われる別の方法を示した図である。 コミュニケーション機器として利用できる様々な構成要素を示した図である。
上述の通り、ここで開示されている方法は、CoMPの設定に適用される。CoMPの設定の例として、複数の基地局が相互に協調してユーザ機器(UE)への情報の送信を行っていることがある。開示された方法は、CoMPの設定におけるハイブリッド自動再送要求(HARQ、Hybrid Automatic Repeat Request)オペレーションに伴う接続に適用される(例えば、UEでエラーが検知され、再送信がうまくいく場合)。
実施例の目的として、ここで開示された方法は、3GPP LTEや3GPP LTE−Advancedなどの、3GPP LTE系統のシステムに関するものとして述べられる。しかしながら、開示された方法の範囲は、これに限定されるものではない。ここで開示された方法は、別の種類の無線通信システムにおいても実施することができる。
ここで使用される “ユーザ機器(UE)”という用語は、無線通信システムにおいて音声および/またはデータの通信に使用される電子機器のことを表す。UEの例としては、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDAs、personal digital assistants)、無線モデム(wireless modems)、ノートパソコン(laptop computers)などがある。UEはまた、移動局(mobile station)、接続端末(access terminal)、携帯端末(mobile terminal)、加入局(subscriber station)、遠隔局(remote station)、ユーザ端末(user terminal)、端末(terminal)、加入ユニット(subscriber unit)、携帯機器(mobile device)、無線機器(wireless device)、もしくは別の用語にも適用される。
“基地局”という用語は、固定された位置に設置され、UEとの通信に使用される無線通信局に適用される。基地局は、また、アクセスポイント(access point)、Node B、evolved Node B(eNB)、もしくは別の類似した専門用語としても適用される。
UEは、アップリンクとダウンリンクの伝送を介して、一つまたはそれ以上の基地局と通信する。アップリンク(もしくは逆方向リンク)は、UEから基地局への通信リンクを表し、ダウンリンク(もしくは順方向リンク)は基地局からUEへの通信リンクを表す。
まず、LTEリリース8における、HARQの一般的なコンセプトについての、説明をする。図1と図2とを参照する。一例を挙げると、符号化されていないビットは、マザー符号化器(mother encoder)を用いて、ターボ符号化率1/3で符号化される。しかしながら、全ての符号化ビット102が送信されることはない。“ビット選択”工程により、符号化ビット102のサブセットが送信のために選ばれる。選択工程は、以下の通りに行われる。まず、全てのビットはインターリーブおよびシャッフルされ、符号化ビット102の長いパケットが生成される。これは符号化ビットストリーム102とも表される。次に、K=0の位置(ストリーム102の最初の位置)から始めて、Nビットが選択され、最初に送信されるパケットが形成される。このパケットは、図1のPkt1104として示されている。
もしパケット104が目的地で正しく受信されたなら、パケットの送信が成功したことを示す短い肯定応答パケット(ACK)が送信機に返信される。もし正しく受信されなければ、否定応答(NACK)が返信される。送信機によってNACKが受信されたとき、HARQ工程に従って、パケットが再送信される。リダンダンシーバージョン(RV)パラメータが、再送信パケットに割り当てられる。もしrv=0であるならば、これはPkt1104が再送信されたことを示す。リダンダンシーバージョンパラメータは、他に3つの値、1,2および3を取り得る。それぞれの値は、元の符号化ビットストリーム102でのスタート位置と関連している。図2は、異なるリダンダンシーバージョンから形成された再送信パケットを表しており、Pkt2206がrv=1に対応し、Pkt3 208がrv=2に、Pkt4 210がrv=3に対応する。
図3を参照すると、ここで開示された方法のうちの少なくともいくつかが利用されているシステム300が示されている。第一の基地局312a、第二の基地局312b、および第三の基地局312cがダウンリンクCoMPに関与している。すなわち、これらの基地局はUE314への送信において協調している(CoMP通信)。第一の基地局312aはサービング基地局312aである。すなわち、第一の基地局312aは、UE314との接続を維持するために中心的な役割を果たす。それぞれの基地局312は、複合Txアンテナ316を含む。特に、サービング基地局312aは、第一および第二のTxアンテナ316a、316bを含む。第二の基地局312bは、第一および第二のTxアンテナ316c、316dを含む。第三の基地局312cは、第一および第二のTxアンテナ316e、316fを含む。図3に示された残りの項目については、図4を用いて後述する。
ダウンリンクCoMPに関しては、異なる基地局からの異なるリダンダンシーバージョンの再送信に利用可能であるリソースが存在するときに、再送信の方法が適用できる。この場合、リソースとは時間、周波数、そして空間レイヤのことを表す。この場合、“空間レイヤ”(もしくは単に“レイヤ”)は、LTEで使用される用語であり、空間多重化によって形成された、異なるストリームをさす。レイヤは、送信アンテナポートに対するシンボルのマッピングとして説明できる。それぞれのレイヤは、送信アンテナポートの数に等しいサイズの(プリコーディングした)ベクトルによって同定され、指向性と関連付けることが可能である。
図4のメソッド400に、典型的な流れが示されている。実施例の目的として、このメソッド400は図3におけるシステム300との関係で議論される。402で、ダウンリンクCoMPに関与している基地局312a、312b、312cは、UE314への最初のパケット送信を行う。最初の送信は、ランク1での送信、もしくは複数ランクでの送信となる。
404で、UE314は、少なくとも一つの符号語(しかし全ての符号語よりは少ない)が誤って復号されたと判定する。この場合、“符号語”という用語は、送信機の中のメディアアクセス制御(MAC)レイヤから物理層に向けて送られた単一の送信ブロック(TB)に相当し、巡回冗長検査(CRC)によって保護されている、独立して符号化されたデータブロックを表す。406で、UE314は、NACKを送ることで符号語の再送信を要求する。基地局312a、312b、312cは符号語を、異なるリダンダンシーバージョン320a、320b、320cを使用することで、多重レイヤを通して再送信する。これらの異なるリダンダンシーバージョンは、第一のリダンダンシーバージョンと少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンであると見なすことができる。特に、408で、基地局312a、312b、312cは、符号語を、再送信パケット318a、318b、318cを送ることで再送信する。再送信パケット318a、318b、318cは、最初の送信と同じ情報ビットを伝えるが、必ずしも最初の送信と同じビットであるとは限らない。サービング基地局312aによって送られた再送信パケット318aのリダンダンシーバージョン320aは、サービング基地局312bによって送られた再送信パケット318bのリダンダンシーバージョン320bと異なっており、またそれは、サービング基地局312cによって送られた再送信パケット318cのリダンダンシーバージョン320cとも異なっている。
さらに、408で、異なる再送信パケット318a、318b、318c中の異なるリダンダンシーバージョン320a、320b、320cが、異なるリソース(例:時間、周波数、空間、符号、これらの組み合わせなど)を用いて送られる。特に、異なるリダンダンシーバージョン320a、320b、320cは、それぞれに異なるリソースを割り当てることによって送信できる。例として、第一の協調基地局312aは第1の瞬間、あるリダンダンシーバージョン320aを送ることができ、第二の協調基地局312bは別の瞬間、二つ目のリダンダンシーバージョン320bを送ることができ、そして第三の協調基地局312cは、第3の瞬間、三つ目のリダンダンシーバージョン320cを送ることができる。あるいは、複数の協調基地局312a、312b、312cは、異なるリダンダンシーバージョン320a、320b、320cを、異なる周波数のリソースで同時に送ることができる。また、同一の時間−周波数リソースで、異なるリダンダンシーバージョン320a、320b、320cを分離するために、異なる符合を用いることもできる。
再送信パケット318のための異なるリダンダンシーバージョン320は、MIMO送信モードにおいて、異なる空間レイヤで送ることができる。二つの送信ポイントを含む単純な例として、二つの空間レイヤを有する2×2MIMOシステムを考えてみる。この例では、一つのリダンダンシーバージョン320はレイヤ1で送られ、別のリダンダンシーバージョン320はレイヤ2で送られる。それぞれの送信ポイントが、独立した空間レイヤを有することも可能だし(例:送信ポイント2がレイヤ2で送信しているとき、送信ポイント1はレイヤ1で送信する)、複数の送信ポイントが、共に一つの空間レイヤを形成することも可能である(例:送信ポイント1と送信ポイント2とが共にレイヤ1とレイヤ2とを形成し、それらで異なるリダンダンシーバージョン320を送信する)。これは、ただ一つのリダンダンシーバージョン320を、全ての空間レイヤを使用して送信する現在の再送信の仕組みとはまったく異なる。
先行するリダンダンシーバージョン320と、前記異なるリダンダンシーバージョン320とを組み合わせるために、UE314は、異なるリダンダンシーバージョン320を識別できなければならない。したがって、前記異なるリダンダンシーバージョン320は、異なる自由度で送信されねばならない。これらの自由度は、第一の自由度および少なくとももう一つある別の自由度であると見なすことができる。この場合、“異なる自由度”というフレーズは、再送信パケットのある一つのリダンダンシーバージョンと、再送信パケットのもう一つの別のリダンダンシーバージョンとを区別するためのメカニズムを指す。例えば、再送信パケットの異なるリダンダンシーバージョンは、時間、周波数、空間レイヤ、符号などを用いて区別される。前記異なる自由度は、異なる送信ポイントから得られてもよい。例えば、第一のリダンダンシーバージョン320aは、第一のレイヤ上で第一の基地局312aから送られ、第二のリダンダンシーバージョン320bは、第二のレイヤ上で第二の基地局312bから送られる。あるいは、それぞれの自由度は、異なる送信ポイントのリソースを組み合わせてもよい。例えば、第一および第二の空間レイヤは共に、第一および第二の基地局312a、312bからのチャネルを組み合わせたものより得られてもよい。あるいは、上述の組み合わせが用いられてもよい。例えば、ある自由度は、異なる送信ポイントから得られ、ある自由度では、異なる送信ポイントのリソースを組み合わせてもよい。
UE314は、410で、再送信パケット318a、318b、318cを、最小平均二乗誤差(MMSE,Minimum Mean Squared Error)のような、マルチ入力、マルチ出力(MIMO)技術を用いて分離する。UE314は、さらに、412で、再送信パケット318a、318b、318cを、最初の送信パケットと結合する。
ここで、基地局312が、リダンダンシーバージョン320、および/または、再送信パケット318a、318b、318cを送るのに使用するリソースを決定するいくつかのメカニズムの例を述べる。このようなメカニズムは、協調基地局312a、312b、312cへの“命令”を与えるものとみなされる。
ここで、暗黙の情報を介して、協調基地局312a、312b、312cに命令を与える一手法を説明している図5および6を参照する。図6のメソッド600に示されるように、それぞれの基地局312は、602で、他の各協調基地局312のセルID522を判別する。例えば、602で、サービング基地局312aは、第二の基地局312bおよび第三の基地局312cのセルID522を、初期CoMPセットアップ中に判別する。第二の基地局312bは、サービング基地局312aおよび第三の基地局312cのセルID522を、サービング基地局312aから受信する。同様に、第三の基地局312cは、サービング基地局312aおよび第二の基地局312bのセルID522を、サービング基地局312aから受信する。
604で、それぞれの基地局312は、協調基地局312a、312b、312cに対するランク524を、それぞれのセルID522に基づいて決定する。例えば、サービング基地局312aはセルID=17、第二の基地局312bはセルID=4、第三の基地局312cはセルID=23にすると仮定する。この例のでは、第二の基地局312bが一番目に、サービング基地局312aが二番目に、第三の基地局312cが三番目にランク付けされてもよい。
各基地局312は、610で、あらかじめ指定されたリダンダンシーバージョン320を、それぞれのランク524に基づいて選択する。例えば、一番目にランク付けされた基地局312(すなわち、この例では第二の基地局312b)はrv=2を選択してよいし、二番目にランク付けされた基地局312(すなわち、この例ではサービング基地局312a)はrv=1を選択してよいし、三番目にランク付けされた基地局312(すなわち、この例では第三の基地局312c)もrv=2を選択してよい。したがって、必要なものはランク524とリダンダンシーバージョン320との間のマッピングのみである。
使用可能なリダンダンシーバージョン320の最大数は、空間レイヤの数によって制限される。すなわち、異なるリダンダンシーバージョン320を有するパケット318の数は、空間レイヤの数だけ存在する。再送信の数を、レイヤの数に制限する一つの手法として、ランク524の最大値を、レイヤの数に制限することが挙げられる。606で、いずれかのランク524が空間レイヤの数を超えるかどうか(すなわち、協調基地局312の数が空間レイヤの数を超えるかどうか)の判定が行われる。608で、空間レイヤの数を超える各ランク524ごとに、ランク524は、k(新)=k(旧)mod Lとして再計算される。ここで、kはランク524であり、Lは空間レイヤの数である。次に、ランク524を与えられた全ての基地局312に対して、一つのリダンダンシーバージョン320が割り当てられる。言い換えれば、rv=i(k)(0,1,2,3のいずれか)である。
ここで、図7を参照する。サービング基地局312aは、関与する基地局312a、312b、312cの各々に順位を割り当てることができる。この情報は、明示的な指令ビットを介して送信されることが可能であり、他の関与する基地局312b、312cのそれぞれに送られる。
例えば、サービング基地局312aは、それぞれの協調基地局312a、312b、312cが再送信パケット318a、318b、318cの送信のために使用するリダンダンシーバージョン320とリソースを決定する。これらの決定は、CoMPの初期設定の時点で行われてもよい。あるいは、これらの判定は、再送信の際に行われてもよい(すなわち、再送信パケット318a、318b、318cが送信されるとき)。
サービング基地局312aは、リダンダンシーバージョン割当情報728とリソース割当情報730を、他の協調基地局312b、312cへ送信する。上記リソース割当情報730は、協調基地局312a、312b、312cによって、個々のリダンダンシーバージョン320a、320b、320cに対して使用されるリソースブロック(例:時間、周波数、空間レイヤ、コード、など)を示している。
サービング基地局312aは、リダンダンシーバージョン割当情報728とリソース割当情報730を、他の協調基地局312b、312cへブロードキャストする。あるいは、サービング基地局312aは、この情報728,730を、他の協調基地局312b、312cへ、非ブロードキャストメッセージを介して送信する。図7は、サービング基地局312aが、信号メッセージ726aを、第二の基地局312bへ送信する構成を示している。この信号メッセージ726aは、リダンダンシーバージョン割当情報728aとリソース割当情報730aとを含む。図7はさらに、サービング基地局312aが、信号メッセージ726bを、第三の基地局312cへ送信する構成を示している。この信号メッセージ726bは、リダンダンシーバージョン割当情報728bとリソース割当情報730bとを含む。
前記信号メッセージ726a、726bは、CoMP初期設定中(すなわち、CoMPセル形成中)に、準静的な方式で送られる上位レイヤ信号メッセージである。準静的割り当ては、リソースブロックおよびリダンダンシーバージョン320を動的に変更する柔軟性を低下させるが、信号のオーバーヘッドを低減する。あるいは、信号メッセージ726a、726bは、協調基地局312a、312b、312cの間で動的な方式で交換される制御信号メッセージである。信号メッセージ726a、726bは、レイヤ2プロシージャを介して送信される(すなわち、信号メッセージ726a、726bはレイヤ2信号を含む)。
いくつかの実施例においては、明示的な信号の要求はない。信号を送る代わりに、最初およびそれに続く再送のために使用されるリダンダンシーバージョン320が、CoMPセル形成中に静的もしくは準静的に定義することが可能な予め定義されたパターンに基づいて配置される(例:rv,rvi+1,rvi+2)。ここで、rvはリダンダンシーバージョン320のi番目の送信を表す(i+1は1番目の再送信である、など)。
次に、図8を参照する。コアネットワーク832(すなわちレイヤ3およびその上位層)はリダンダンシーバージョン320を、関与する基地局312a、312b、312cのそれぞれに割り当てる。図8は、コアネットワーク832がリダンダンシーバージョン割当情報828を協調基地局312a、312b、312cに送信する構成を示している。前記リダンダンシーバージョン320の割り当ては、動的に行って良い。この時は、送信と送信との間で変化する。あるいは、前記リダンダンシーバージョン320の割り当ては静的であってもよい。例えば、リダンダンシーバージョン320の割り当ては、関与する基地局312の数836の関数であってもよい。その時は、関与する基地局312の与えられた数836次第で、割当テーブル838が異なるものになる。
次に、図9を参照する。リダンダンシーバージョン320の割り当ては、UE314において行われ、基地局312a、312b、312cに送り返される。図9は、UE314がリダンダンシーバージョン割当情報928を協調基地局312a、312b、312cに送信する構成を示している。しかしながら、UE314は、常にリダンダンシーバージョン320を明示的にフィードバックする必要はない。仮に送信ポイント(例:基地局312a、312b、312c)が、UE314のフィードバックに基づいてチャネルを推定可能であるならば、前記送信ポイントは自律的にリダンダンシーバージョン320を決定してよい。さらに言えば、仮に送信ポイントが、UE314のフィードバックを、フィードバックレポートおよび/または、送信ポイントからUE314へのチャネルから、明示的/暗黙的フィードバック(明示的/暗黙的情報)に基づいて、検出できるならば、UE314は自律的に、有り得るリダンダンシーバージョン320のいずれかに基づくUE314の符号語を再送信し、サービング基地局312aに、その選択を示し、それに続いて、サービング基地局312aが、UE314へ信号を送る。
次に、図10を参照する。このメソッド1000では、1002で、それぞれの基地局312は、利用可能なリダンダンシーバージョン320のリストを得、1004で、前記リストからランダムに利用可能なリダンダンシーバージョン320の一つを選択し、1006で、UE314に、前記選択について通知する。
次に、図11を参照する。サービング基地局312aはUE314に、リダンダンシーバージョン320および協調基地局312a、312b、312cによって利用されるリソースを通知する。この通知は、制御チャネル1144(例:物理的ダウンリンク制御チャネル(PDCCH))上での信号の伝送を介して行われる。図11は、サービング基地直312aがリダンダンシーバージョン割当情報1128およびリソース割当情報1130をUE314に、制御チャネル1144を介して送信する構成を示している。異なる空間レイヤが、再送信パケット318の異なるリダンダンシーバージョン320を伝えた場合、サービング基地局312aは、UE314に、それぞれのレイヤによって送信されたリダンダンシーバージョン320を信号で伝える。
あるいは、ルックアップテーブル形式にマッピングした、暗黙のリダンダンシーバージョン用のレイヤが存在してもよい。例えば、前記ルックアップテーブルは、レイヤ1はrv_xを使用し、レイヤ2はrv_yを使用することを指定することが可能である。ここで、rv_xおよびrv_yは、それぞれ空間レイヤ1および2において使用される、異なるリダンダンシーバージョン320である。前記ルックアップテーブルは、静的に割り当てられる(すなわち、固定される)か、準静的にCoMPセル形成中に割り当てられる。一つのリダンダンシーバージョン320を送信するために1つ以上のレイヤを使用することができる。
次に、図12を参照する。ある状況下で、サービング基地局312aは、再送信に参加している、関与している基地局312a、312b、312cのサブセットを選択する。再送信パケット318を送るために選択すべきなのは、どの再送信ポイント(例:基地局312a、312b、312cのいずれか)とどの関連付けられたリダンダンシーバージョン320なのかを決定するサービング基地局312aのために、UE314は、送信ポイントからの個別チャネルをフィードバックすることが可能である。図12は、UE314が、チャネル情報1246を、サービング基地局312aに送り返す構成を示している。チャネル情報1246は、それぞれの基地局312の情報1248を含む。この情報1248は、個別のチャネル品質インジケータ1250、プリコーディングマトリクスインジケータ1252、およびランクインジケータ1254を含む。前記フィードバックは、さらに前記個別のレポートを、前記結合チャネルの結合チャネル品質インジケータ、前記結合チャネルのプレコーディングマトリクスインジケータおよび前記結合チャネルのランクインジケータを結合したものに相当するジョイントレポートに結合させることもできる。
さらに、UE314は、優先された再送信ポイントのインデックス1256(もしくは、複数フィードバックされる場合には、複数のインデックス)および優先され、使用されるリダンダンシーバージョン1258をフィードバックすることも可能である。サービング基地局312aは、再送信ポイントのサブセットの選択(例:協調基地局312a、312b、312cのサブセットの選択)およびUE314の優先順位に基づくリダンダンシーバージョン320の選択が可能である。サービング基地局312aは、UE314からのフィードバックレポートに基づいて、最も高い再送信の成功率を有する再送信ポイント312およびリダンダンシーバージョン320を選択する。
上述の命令技術に加えて、サービング基地局312aが、その時ごとの様式で命令の決定および通知を行うという別の命令技術も含めることが可能である。このタイプの命令技術を容易にするには、命令テーブルが予め、全ての関与している基地局312a、312b、312に送信される。
上述の説明において、再送信パケット318は、複数の協調基地局312から送信されると仮定されている。しかしながら、ここで開示されたメソッドの範囲は、この点に限定されるものではない。再送信パケット318は、協調基地局312以外の送信ポイント(例:中継装置、遠隔無線機器など)から送信されてもよい。ここで開示された上記メソッドは、いかなるタイプの送信ポイントに関しても利用できる。
上述の、ダウンリンクCoMPに関する技術は、マルチ送信アンテナを含むシステムに適用可能である。多地点協調システムは、一つの分散型マルチアンテナシステムとみなすことが可能である。したがって、全ての送信アンテナが一箇所にある(co-located)統合システムにおいて、同じ技術が適用可能である。マルチアンテナを有するシステムにおいて、異なるリダンダンシーバージョン320を有するパケットは、異なるレイヤで送信される。
上述の説明は、主として、協調基地局312a、312b、312cによって送信される再送信パケット318a、318b、318cに焦点を合わせている。しかしながら、本願の範囲は、この点に限定されるものではない。ここで開示された上記メソッドは、オリジナルの送信(オリジナルの送信パケット)にも同様に適用できる。
次に、図13を参照する。図13は、ここで開示されたメソッドの少なくとも一部が利用されている別のシステム1300を図示している。図13に表されたシステム1300は、アップリンクCoMPと関連する。アップリンクCoMPに関して、複数の基地局1312a、1312b、1312cは、UE1314が送信したパケット1362を受信し、協調的にパケット1362の復号を試みる。同じパケット1362を、全ての協調基地局1312a、1312b、1312cに送信することが可能である。仮に、サービング基地局1312aが、受信したパケット1364aを復号できない場合でも、他の基地局1312b、1312cが、受信したパケット1364b、1364c、もしくはその一部を、サービング基地局1312aに送信する。このような送信が定常的に、X2インタフェース(バックホール接続1366)を介して、二つの基地局1312間で行われる。しかしながら、バックホール接続1366を介した送信はコストが高いので、最小限度の使用とする。
次に、図14を参照する。このメソッド1400において、UE1314は、1402で、パケット1362の最初の送信を、複数の協調基地局1312a、1312b、1312cに対して行う。仮に、サービング基地局1312aが、1404で、受信したパケット1364aを復号できない場合、サービング基地局1312aは、1406で、NACKを送信する。しかしながら、仮に、他の協調基地局1312b、1312cが、1408で、受信したパケット1364b、1364cの復号に成功したならば、この協調基地局1312b、1312cは、1410で、復号された情報をサービング基地局1312aに、バックホール接続1366a、1366bを介して送信する。そして、協調基地局1312b、1312cは、1412で、ACKを送信する。
次に、図15を参照する。このメソッド1500では、UE1314は、1502で、パケット1362の最初の送信を、複数の協調基地局1312a、1312b、1312cに対して行う。協調基地局1312a、1312b、1312cが、1504で、受信したパケット1364a、1364b、1364cを復号できない場合(例:送信されたパケット1362を正しく受信しなかった)、非サービング基地局1312b、1312cは、1506で、受信したパケット1364b、1364cの全てもしくは一部を、サービング基地局1312aと共有する。例えば、第二の基地局1312bは、自身が受信したパケット1364bの一部1365a(例:受信したパケット1364bの前半部分)を、与えられたリダンダンシーバージョン1320aと共に、サービング基地局1312aへ、第一のバックホール接続1366aを介して送信する。同様に、第三の基地局1312cは、自身が受信したパケット1364cの一部1365b(例:受信したパケット1364cの後半部分)を、同じ、もしくは異なるリダンダンシーバージョン1320bと共に、サービング基地局1312aへ、第二のバックホール接続1366bを介して送信する。
受信されたパケット1364a、1364b、1364cを分割する命令は、分割割り当てと同様に、上述のダウンリンクCoMPに関連する命令技術(すなわち、図5−12と関連する上述の技術)を使用して行われる。さらに、特定の基地局1312から送信され、受信されたパケット1364の一部は、パラメータ化される。
パケット1362の最初の送信では、重畳コード1360を使用する。言い換えれば、追加情報は、重畳コーディング1360を使用して符号化されるので、より高いチャネル品質を有する基地局1312は、より多くパリティビットを受信でき、それゆえ、異なるリダンダンシーバージョンを再送信に使用することができる。異なるリダンダンシーバージョンを有する異なる再送信パケットは、異なる協調基地局1312a、1312b、1312cへと、空間自由度(空間リソース)を使用して送信されることが可能である。
本発明の、他の実施形態では、上記メソッドは、時間、周波数、空間レイヤ、およびコードのうちの少なくとも一つから得られる第一および少なくとも一つの別の自由度を含むことが可能である。上記メソッドはさらに、少なくとも2つの送信ポイントのうちの異なる送信ポイントから得られる第一および少なくとも一つの別の自由度を含むことが可能である。上記メソッドはさらに、異なる送信ポイントのリソースの組み合わせである、少なくとも一つの第一の自由度および少なくとも一つの別の自由度を含むことが可能である。
本発明の、他の実施形態では、上記メソッドは、パケットの第二の部分と同じリダンダンシーバージョンを有する、パケットの第一の部分を含むことができる。上記メソッドはさらに、パケットの第二の部分とは異なるリダンダンシーバージョンを有する、パケットの第一の部分を含むことも可能である。
本発明の、他の実施形態では、上記メソッドは、重畳コードを使用した符号化追加情報を含むことができるので、よりよいチャネルを有する受信ポイントは、追加パリティビットにアクセスすることが可能である。上記メソッドは、基地局である受信ポイントを含むことも可能である。
上述の、アップリンクCoMPに関する説明では、複数の協調基地局1312に焦点を当てられている。しかしながら、ここで開示されたメソッドの範囲は、これに限定されるものではない。ここで開示されている、アップリンクCoMPと関連する上記メソッドは、協調基地局とは別の送信ポイントを含んでもよい。ここで開示された上記メソッドは、あらゆるタイプの受信ポイントに関して利用できる。
図16は、通信デバイス1602に利用されてよい様々なコンポーネントを図示している。通信デバイス1602は、UEもしくは基地局である。通信デバイス1602は、通信デバイス1602の動作を制御するプロセッサ1606を含む。プロセッサ1606は、CPUとも呼ばれる。メモリ1608は、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、もしくは、情報を蓄えるあらゆるタイプのデバイスを含む。該メモリ1608は、命令1607aおよびデータ1609aを、プロセッサ1606に与える。メモリ1608の一部はさらに、不揮発性RAM(NVRAM、non-volatile random access memory)を含んでもよい。さらに命令1607bおよびデータ1609bが、プロセッサ1606内にも存在している。プロセッサ1606内にロードされた命令1607bはさらに、プロセッサ1606による実行用にメモリ1608からロードされた命令1607aを含む。命令1607は、プロセッサ1606によって実行され、ここで開示された上記メソッドを履行する。
通信デバイス1602はさらに、データの送信と受信を可能にする送信機1610(送信部)および受信機1612(受信部)を収納するハウジングを含む。送信機1610および受信機1612を組み合わせることでトランシーバ1620が構成される。アンテナ1618は、上記ハウジングに取り付けられており、トランシーバ1620と電気的に連結されている。追加アンテナが使用されてもよい。
通信デバイス1602の、様々なコンポーネントが、バスシステム1626によって互いに連結されている。このバスシステム1626は、データバスに加えて、パワーバス、制御信号バス、およびステータス信号バスを含んでよい。しかしながら、描写を明快にするために、上記の様々なバスは、図16では、バスシステム1626として図示されている。通信デバイス1602はさらに、信号の処理に使用されるDSP(digital signal processor)1614を含む。このDSP1614は、サービング基地局が、パケットを復号できるかどうかを判別する判別部とみなすことが可能である。DSP1614はさらに、重畳符号化を使用して、追加情報の判別を行う判別部とみなすことも可能であるので、よりよいチャネルを有する受信ポイントは、追加パリティビットにアクセスすることが可能である。通信デバイス1602はさらに、通信デバイス1602の機能へのユーザのアクセスを可能とする通信インタフェース1624を含む。図16に示される通信デバイス1602は、特定のコンポーネントの一覧というよりは、機能ブロック構成図である。
本発明の、他の実施形態では、送信ポイントは情報の再送信に適するように構成されている。前記送信ポイントは、プロセッサ、当該プロセッサと電気的に通信可能なメモリ、当該メモリに格納された命令を含んでいる。前記命令は、送信パケットの第一のリダンダンシーバージョンを、第一の自由度のユーザ機器に送信することを実行可能とする命令である。ここで、少なくとも一つの別の再送信パケットのリダンダンシーバージョンをユーザ機器へ送信するにあたって、上記第一の自由度は、少なくとも一つの別の自由度と異なるものである。
本発明の、いくつかの実施形態では、サービング基地局は、複数基地局のアップリンク協調通信のための情報の再送信のために構成されている。前記サービング基地局は、プロセッサ、当該プロセッサと電気的に通信可能なメモリ、当該メモリに格納された命令を含んでいる。前記命令は、ユーザ機器からパケットを受信し、サービング基地局がパケットを復号できなかったことを判別し、第一のバックホール接続を介して第一の協調基地局からパケットの第一の部分を受信し、第二のバックホール接続を介して第二の協調基地局からパケットの第二の部分を受信することを実行可能とする命令である。
本発明の、他の実施形態は、複数基地局のアップリンク協調通信のための情報の送信装置を含む。前記装置は、プロセッサ、当該プロセッサと電気的に通信可能なメモリ、当該メモリに格納された命令を含んでいる。前記命令は、複数の協調受信ポイントのそれぞれへパケットを送信し、異なるリダンダンシーバージョンを有する、異なる再送信パケットを、異なる協調受信ポイントへ、空間自由度を利用して送信することを実行可能とする命令である。
ここで使用されるように、“決定(determining)”という用語は、多種多様な動作を含み、それゆえに、“決定”という用語は、計算(calculating)、コンピュータ演算(computing)、データ処理(processing)、演繹(deriving)、調査(investigating)、検索(looking up、例:テーブル、データベースや他のデータ構造の検索)、確認(ascertaining)などの意味を含む。さらに、“決定”という用語は、受信(receiving、例:情報の受信)、アクセス(accessing、例:メモリに格納されたデータへのアクセス)などの意味を含む。さらに、“決定”という用語は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)などの意味を含む。
“基づく(based on)”というフレーズは、明確に明記されていない限り、“それのみに基づく(based only on)”という意味ではない。すなわち、“基づく”というフレーズは、“それのみに基づく(based only on)”と、“少なくともそれに基づく(based at least on)”との、両方の意味を有する。
“プロセッサ”という用語は、汎用プロセッサ(general purpose unit)、中央処理ユニット(CPU、central processing unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号プロセッサ(DSP、digital signal processor)、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、ステートマシン(state machine)などを含むものであると幅広く解釈される。ある状況下では、“プロセッサ”という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC、application specific integrated circuit)、プログラム可能論理デバイス(PLD、programmable logic device)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA、field programmable gate array)、などを意味する。“プロセッサ”という用語は、処理デバイスの組み合わせも意味する。例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、多数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結した一つ以上のマイクロプロセッサ、または、その他の構成を意味する。
“メモリ”という用語は、電気的情報を保存可能である全ての電気的コンポーネントを含めるために、幅広く解釈される。上記メモリという単語は、多種多様なタイプのプロセッサが読み取ることが可能な媒体を意味する。例としてRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、不揮発性RAM(NVRAM、non-volatile random access memory)、PROM(programmable read-only memory)、EPROM(erasable programmable read only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)、フラッシュメモリ、磁気データ記憶装置もしくは光データ記憶装置、レジスタ、などが挙げられる。プロセッサがメモリから情報を読み出すことができる、および/またはメモリに情報を書き出すことができる場合、メモリは、プロセッサと電気的に通信可能であると言われる。メモリが、プロセッサに集積されている場合にも、プロセッサと電気的に通信可能であると言われる。
“指示”および“コード”という用語は、あらゆるタイプのコンピュータ読み取り可能な命令文を含むものであると、幅広く解釈される。例えば、“指示”および“コード”という用語は、一つ以上のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを意味する。“指示”および“コード”は、単独のコンピュータ読み取り可能な命令文、もしくは多数のコンピュータ読み取り可能な命令文を構成する。ここで述べられた関数は、一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体上の命令として、実装される。“コンピュータ読み取り可能な媒体”という用語は、コンピュータがアクセスできるあらゆる媒体を意味する。限定ではなく例として、コンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶機器、もしくは他のあらゆる媒体から構成される。その媒体は、所望のプログラムコードを、命令もしくはデータ構造の形式で記憶するために使用でき、かつコンピュータによってアクセスできるものである。ここで使用されるディスク(disk、disc)は、コンパクトディスク(CD、compact disc)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(DVD、digital versatile disc)、フロッピーディスク(登録商標)(floppy disk)、およびブルーレイディスク(登録商標)(Blu-ray disc)を含む。ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はデータをレーザを用いて光学的に再生する。
ソフトウェアもしくは命令は、伝送媒体によっても伝送される。例えば、仮にソフトウェアがウェブサイト、サーバ、もしくは他の遠隔ソースから、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペアケーブル、デジタル加入者線(DSL)、もしくは赤外線、ラジオ、およびマイクロウェーブなどの無線技術を用いて伝送された場合は、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペアケーブル、DSL、もしくは赤外線、ラジオ、およびマイクロウェーブなどの無線技術は、伝送媒体の定義に含まれる。
ここで開示されたメソッドは、説明されたメソッドを実現するための一つ以上のステップもしくは動作より成る。上記メソッドのステップおよび/または動作は、請求項の範囲から外れなければ、互いに交換できる。すなわち、ステップまたは動作の特別な順序が、説明されたメソッドの適切な実行のために必要でない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、請求項の範囲から外れなければ修正されてもよい。
上記請求項は、上述のように描写された詳細な設定もしくは構成に限定されるものではない。多様な修正、変更、および変形が、ここで記述されたシステム、方法、および装置の配置、操作、および細部において、請求項の範囲から外れなければ行われてもよい。

Claims (28)

  1. 少なくとも二つの送信ポイントがあり、再送信パケットの第一のリダンダンシーバージョンを、第一の自由度でユーザ機器へ送信する工程を含み、
    前記第一の自由度は、前記再送信パケット中の少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンが、前記ユーザ機器へ送信されるときの、少なくとももう一つある別の自由度と異なるものである、情報の再送信のための方法。
  2. 前記方法がサービング基地局によって実行される際に、
    前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンのうち、どのリダンダンシーバージョンが送信されるべきか、および、どのリソースブロックが使用されるべきかを、信号メッセージを介して、少なくとももう一つある別の送信ポイントに対して指示する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記信号メッセージは、前記サービング基地局と、少なくとももう一つある別の送信ポイントとの間で動的な方式で交換される制御信号メッセージである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記信号メッセージは、複数ポイント協調通信の初期セットアップ中に、前記サービング基地局と、前記少なくとももう一つある別の送信ポイントとの間で交換される、上位レイヤ信号メッセージである、請求項2に記載の方法。
  5. どのリダンダンシーバージョンが送信されるべきか、および、どのリソースブロックが使用されるべきかの指示が、再送信の際に発生する、請求項2に記載の方法。
  6. どのリダンダンシーバージョンが送信されるべきか、および、どのリソースブロックが使用されるべきかの指示が、状態を変更するタイミングで行われる、請求項2に記載の方法。
  7. 暗黙の情報を用いて、送信されるべき、前記第一のリダンダンシーバージョン、および、前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンを決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記方法がサービング基地局によって実行される際に、
    情報の再送信に参加するために、複数ポイント協調通信に関与している送信ポイントのサブセットを選択する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記少なくとも二つの送信ポイントが同じ場所を共用する場合に、前記少なくとも二つの送信ポイントが、マルチアンテナを含み、
    前記第一のリダンダンシーバージョンは、前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとは異なる空間レイヤで送信され、
    レイヤとリダンダンシーバージョン間のマッピングが静的に割り当てられる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記少なくとも二つの送信ポイントは、マルチアンテナを含み、
    前記第一のリダンダンシーバージョンは、前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとは異なる空間レイヤで送信され、
    レイヤとリダンダンシーバージョン間のマッピングは、複数ポイント協調通信の初期セットアップ中に準静的に割り当てられる、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第一のリダンダンシーバージョンは、前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとは異なる空間レイヤで送信されていて、
    前記ユーザ機器に、どの空間レイヤがどのリダンダンシーバージョンを送信しているかを信号で伝える工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 複数ポイント協調通信に関与する前記少なくとも二つの送信ポイントの数が、空間レイヤの数を超えたとき、前記リダンダンシーバージョンを、kが送信ポイントのランク、Lが利用可能な空間レイヤの数であるとき、kmod Lを用いて選択する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  13. ダウンリンク制御チャネルを介して、上記ユーザ機器に、使用されているリダンダンシーバージョンおよびリソースを通知する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記方法は、サービング基地局によって実行される際に、
    前記ユーザ機器からフィードバックレポートを受信する工程と、
    前記フィードバックレポートに基づき、再送信の成功率が最も高い、前記少なくとも二つの送信ポイントおよび前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンを選択する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記フィードバックレポートが、少なくとも二つの送信ポイントと、前記第一および前記少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンを考慮した前記ユーザ機器の優先度を含む、請求項14に記載の方法。
  16. オリジナルの送信パケットの第一のリダンダンシーバージョンを、前記オリジナルの送信パケットの、少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンとは異なる自由度で、前記ユーザ機器に送信する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  17. アップリンク複数ポイント協調通信のための情報の再送信の方法であって、
    前記方法がサービング基地局によって実行される際に、
    ユーザ機器からパケットを受信する工程と、
    前記サービング基地局が前記パケットを復号できるか否かを決定する工程と、
    前記サービング基地局が前記パケットを復号できないとき、
    第一のバックホール接続を介して、第一の協調基地局から、前記パケットの第一の部分を受信する工程と、
    第二のバックホール接続を介して、第二の協調受信ポイントから、前記パケットの第二の部分を受信する工程とを含む方法。
  18. アップリンク複数ポイント協調通信のための、情報の送信の方法であり、
    パケットを複数の協調受信ポイントのそれぞれに送信する工程と、
    異なるリダンダンシーバージョンを含んだ、異なる再送信パケットを、異なる協調受信ポイントへ、空間自由度を用いて送信する工程とを含む方法。
  19. 情報の再送信のために構成された送信ポイントであり、
    再送信パケットの第一のリダンダンシーバージョンを、第一の自由度でユーザ機器に送るための送信部を備え、
    前記第一の自由度が、前記再送信パケットの少なくとももう一つある別のリダンダンシーバージョンを前記ユーザ機器に送信するときの、少なくとももう一つある別の自由度とは異なっている送信ポイント。
  20. 前記第一および前記少なくとももう一つある別の自由度が、時間、周波数、空間レイヤ、およびコードのうちの少なくとも一つから得られる、請求項19に記載の送信ポイント。
  21. 前記第一および前記少なくとももう一つある別の自由度が、少なくとも2つの送信ポイントのうちの異なる送信ポイントから得られる、請求項19に記載の送信ポイント。
  22. 前記第一および前記少なくとももう一つある別の自由度のうちの少なくとも一つの自由度では、異なる送信ポイントのリソースを組み合わせる、請求項19に記載の送信ポイント。
  23. アップリンク複数ポイント協調通信のための情報の再送信のために構成されたサービング基地局であって、
    パケットをユーザ機器から受信する受信部と、
    前記サービング基地局が前記パケットを復号できるか否かを決定する決定部とを備え、
    前記サービング基地局が前記パケットを復号できないとき、
    前記受信部は第一のバックホール接続を介して、第一の協調基地局から、前記パケットの第一の部分を受信し、
    第二のバックホール接続を介して、第二の協調受信ポイントから、前記パケットの第二の部分を受信するサービング基地局。
  24. 前記パケットの前記第一の部分は、前記パケットの前記第二の部分と同じリダンダンシーバージョンを有する、請求項23に記載のサービング基地局。
  25. 前記パケットの前記第一の部分は、前記パケットの前記第二の部分と異なるリダンダンシーバージョンを有する、請求項23に記載のサービング基地局。
  26. アップリンク複数ポイント協調通信のための情報送信のための装置であって、
    パケットを複数の協調受信ポイントのそれぞれに送信する一方、異なるリダンダンシーバージョンを有する異なる再送信パケットを、異なる協調受信ポイントに空間自由度を用いて送信する、送信部を備える装置。
  27. よりよいチャネルを有する受信ポイントが、追加パリティビットにアクセスできるように、重畳符号化を用いて、追加情報を決定する決定部をさらに備える、請求項26に記載の装置。
  28. 前記装置はユーザ機器であり、前記受信ポイントは基地局である、請求項26に記載の装置。
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