JP2013258820A - 振動発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】設置場所の自由度を向上させた振動発電装置を提供する。
【解決手段】歪みに応じた電力を生じる発電素子3と、振動発生源の振動に応じて発電素子3に対する相対変位が可能に配設され、当該変位に応じた荷重を発電素子3に与える可動部4と、を備える構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】歪みに応じた電力を生じる発電素子3と、振動発生源の振動に応じて発電素子3に対する相対変位が可能に配設され、当該変位に応じた荷重を発電素子3に与える可動部4と、を備える構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、歪みに応じた電力を生じる発電素子を備えた振動発電装置に関する。
従来、発電素子を備えた振動発電装置としては、例えば、特許文献1に記載されているように、列車がレール上を通過した際に生じるレール振動を利用し発電するものが知られている。
この特許文献1に記載の振動発電装置では、レール固定用枕木の上面に形成したザグリ部内に発電素子を設置し、この発電素子をザグリ部底面とレール下面とで挟み込むようにして配置している。そして、この振動発電装置は、レール上を列車が通過した際に、その列車荷重によりレールと枕木(ザグリ部底部)間に設置された発電素子に荷重を与えて歪ませ、この歪に応じた電力を発生させるように構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載の従来の振動発電装置においては、発電素子をレールと枕木(ザグリ部底部)との間で挟み込んで発電素子に荷重を与える構成、つまり、枕木等の既存の設備を利用して発電素子に荷重を与える構成であるため、レール等の振動発生源とは別の設備の配置関係により設置場所が制約されてしまう。
本発明は上記課題に着目してなされたもので、設置場所の自由度を向上ことが可能な振動発電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る振動発電装置は、歪みに応じた電力を生じる発電素子と、振動発生源の振動に応じて前記発電素子に対する相対変位が可能に配設され、当該変位に応じた荷重を前記発電素子に与える可動部と、を備える構成とする。
本発明に係る振動発電装置によれば、振動発生源が振動すると、該振動に応じて可動部が発電素子に対して相対変位して振動し、その変位に応じた荷重を発電素子に与えて発電することができるため、枕木等の既存の設備を利用することなく発電素子に荷重を与えて発電できる。したがって、発電素子に荷重を与えるために振動発生源とは別の設備を必要としないため、設置場所が制約されず、設置場所の自由度を向上させることができる。
以下、本発明に係る振動発電装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の振動発電装置の一実施形態の構成の断面図を模式的に示す。
図1において、本実施形態の振動発電装置1は、振動入力部2と、発電素子3と、可動部4と、連結要素5とを備え、発電素子3に歪みを生じさせるように構成されている。
図1は、本発明の振動発電装置の一実施形態の構成の断面図を模式的に示す。
図1において、本実施形態の振動発電装置1は、振動入力部2と、発電素子3と、可動部4と、連結要素5とを備え、発電素子3に歪みを生じさせるように構成されている。
前記振動入力部2は、図1に示すように、振動発生源からの振動を受け振動するものであり、振動発生源に固定され該振動発生源の振動を入力する。前記振動入力部2は、その中心軸が振動発生源の振動方向と平行になるように配置され固定されている。後述するように、発電素子3と可動部4の一部(中央突起部4B2)もそれぞれの中心軸と振動入力部2の中心軸は、略一致するように配置されている。
前記発電素子3は、歪みに応じた電力を生じるものである。発電素子3は、例えば、振動入力部2に固定され、振動入力部2の振動発生源側端面とは反対面に配置される。
前記可動部4は、振動発生源の振動に応じて発電素子3に対する相対変位が可能に配設され、当該変位に応じた荷重を、例えば、図1の矢印Cで示すように、発電素子3に与えるものであり、連結要素5を介して振動入力部2と連結される。
可動部4の発電素子3に対する相対変位の方向は、図1に示すように、振動入力部2の振動方向と平行になるように構成される。
また、可動部4は、発電素子3に対して振動入力部2の振動方向に直交する方向上の位置に配設されている。可動部4は、例えば、質量を集中させた集中質量部4Aと、発電素子3に荷重を与える底部4Bと、を備えている。底部4Bは、底板4B1と、該底板4B1の中心から垂直方向に突出する中央突起部4B2とからなる。この中央突起部4B2は、振動入力部2と対向して発電素子3を挟みこむように配置される。
前記連結要素5は、例えば振動入力部2を介して振動発生源と可動部4とを連結し、少なくとも一部に弾性を有するものである。連結要素5は、例えば、図1に示すように、振動入力部2の振動方向と略直交する方向に延伸して配設され、振動入力部2の振動方向に直交する方向上の位置に配設された可動部4を連結する。
次に、本実施形態に係る振動発電装置1の動作について、例えば、振動入力部2を移動体の走行する走行路における走行面と反対面に固定する場合について、図1〜図3を参照して説明する。なお、下記の説明では、移動体は列車であり、走行路はレールとし、振動発電装置1はレール6の下面に取り付ける場合で説明する。
まず、振動発生源への取り付け状態について概略説明する。
図2に示すように、振動発電装置1は、例えば、レール6を固定する枕木7間におけるレール6の下面に設置されている。図2では、振動発電装置1を一つ設置した状況を示しているが、複数個設置してそれぞれを電気接続してユニット化したものとしてもよい。また、振動発電装置1は、図3に示すように、レール6の下面に取付けられている。図示省略するが例えば、振動入力部2をレール6の下部にクランプ具等を利用して締付け固定することで、レール6を加工することなく振動発電装置1を取り付ける。
図2に示すように、振動発電装置1は、例えば、レール6を固定する枕木7間におけるレール6の下面に設置されている。図2では、振動発電装置1を一つ設置した状況を示しているが、複数個設置してそれぞれを電気接続してユニット化したものとしてもよい。また、振動発電装置1は、図3に示すように、レール6の下面に取付けられている。図示省略するが例えば、振動入力部2をレール6の下部にクランプ具等を利用して締付け固定することで、レール6を加工することなく振動発電装置1を取り付ける。
次に、振動発電装置1の動作について説明する。
まず、列車が走行するとレール6が振動する。そして、振動発生源としてのレール6に取り付けられた振動入力部2に、図1及び図3に示す振動方向の振動が入力される。このとき、少なくとも一部に弾性を有する連結要素5を介して振動入力部2に連結された可動部4(集中質量部4A)は、振動入力部2の振動方向と平行に、発電素子3に対して相対変位し、振動入力部2に対する入力振動周波数とは異なる周波数で振動する。そして、可動部4の集中質量部4Aが振動すると、底板4B1の中央突起部4B2側に、圧縮・引張の内部応力が生じ、これにより、図1及び図3に矢印Cで示すように、可動部4(集中質量部4A)の相対変位に応じた荷重を発電素子3に与える。この荷重により発電素子3は歪み、この歪みに応じた電力を発生する。
まず、列車が走行するとレール6が振動する。そして、振動発生源としてのレール6に取り付けられた振動入力部2に、図1及び図3に示す振動方向の振動が入力される。このとき、少なくとも一部に弾性を有する連結要素5を介して振動入力部2に連結された可動部4(集中質量部4A)は、振動入力部2の振動方向と平行に、発電素子3に対して相対変位し、振動入力部2に対する入力振動周波数とは異なる周波数で振動する。そして、可動部4の集中質量部4Aが振動すると、底板4B1の中央突起部4B2側に、圧縮・引張の内部応力が生じ、これにより、図1及び図3に矢印Cで示すように、可動部4(集中質量部4A)の相対変位に応じた荷重を発電素子3に与える。この荷重により発電素子3は歪み、この歪みに応じた電力を発生する。
このように、本実施形態に係る振動発電装置1によれば、振動発生源が振動すると、該振動に応じて可動部4が発電素子3に対して相対変位して振動し、その変位に応じた荷重を発電素子3に与えて発電することができるため、枕木等の既存の設備を利用することなく発電素子3に荷重を与えて発電できる。したがって、発電素子3に荷重を与えるために振動発生源とは別の設備を必要としないため、設置場所が制約されず、設置場所の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る振動発電装置1によれば、振動発生源への取り付けの際、枕木等の既存の設備にザグリ部等の加工が不要なため、安全性の低下を招くこともない。さらに、本実施形態に係る振動発電装置1によれば、振動発生源に単に取り付けるだけでよいため、取り付け作業を簡素化することが可能な振動発電装置1を提供することができる。また、専用の枕木を準備する必要もないため、従来の振動発電装置における既存枕木と専用枕木の交換作業等が必要となり取り付け作業のコストを抑制することができる。
そして、本実施形態に係る振動発電装置1によれば、発電素子3に荷重を与える可動部4を、少なくとも一部に弾性を有する連結要素5によって振動入力部2と連結し、可動部4を発電素子に対して積極的に相対変位するようにして振動させる構造としたので発電効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、可動部4の発電素子3に対する相対変位の方向は、振動入力部2の振動方向と平行になるように構成したので、発電素子3へ荷重を効率的に加えることができるため、より効率的に発電させることができる。
さらに、本実施形態では、可動部4は、発電素子3に対して振動入力部2の振動方向と略直交する方向上の位置に配設されるように構成したので、連結要素5の可動部4側端部に連結された振動入力部2の振動が継続し易くなるため、さらに、効率的に発電させることができる。なお、本実施形態では、発電素子3は、振動入力部2に固定されているものとしたが、これに限らず、可動部4側に固定されていてもよい。
また、本実施形態においては、移動体の走行する走行路における走行面と反対面に固定する場合の具体例として、移動体は列車であり、走行路をレールとし、レールの下面に配置する振動発電装置1について説明したが、これに限らず、移動体は、例えば、自動車、モノレール、ロープーウェー等であってもよい。いずれの場合においても、それぞれの走行路において走行に支障のない箇所に振動発電装置1を取り付ければよい。例えば、自動車の場合は、橋脚の下面に取り付け、懸垂式のモノレールでレールの上面に走行に支障のない空間が有る場合は、レールの上面に取り付ければよい。また、移動体の走行路に設ける構成に限らず、移動体自体に取り付ける構成であってもよい。例えば、列車、自動車、モノレール等の移動体自体の下面や上面に取り付ければよい。
次に、本発明に係る振動発電装置のより具体的な構成例について、発電素子3として超磁歪素子を用いた場合で説明する。
図4は、図1に示した振動発電装置1のより具体的な構成例の概略断面図である。なお、図1に示した実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を示し、異なる部分について説明する。
図4は、図1に示した振動発電装置1のより具体的な構成例の概略断面図である。なお、図1に示した実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を示し、異なる部分について説明する。
図4において、本構成例の振動発電装置1は、図1と同様に、振動入力部2と、発電素子3と、可動部4と、連結要素5とを備えて構成されている。以下に、各構成要素のより具体的な構成を説明する。
振動入力部2は、固定具2Aと加振部2Bとを備えて構成される。固定具2Aは、振動発生源への取り付け固定用のものであり、図4に示すように、薄板状に形成し中心部から円柱状に突出した突出部を有している。加振部2Bは、後述する永久磁石32と当接し、発電素子3へ振動発生源からの振動を入力する。加振部2Bは、概略円柱状に形成され、その中心軸が振動発生源の振動方向と平行になるように配置され固定されている。また、後述するように、発電素子3と可動部4の一部(中央突起部4B2)もそれぞれ円柱状に形成されており、これら円柱の中心軸と振動入力部2の中心軸は、略一致するように配置されている。加振部2Bは、図4に示すように、鍔部を有すると共に一端には雄ネジが形成され固定具2Aにネジ止め固定さている。また、図4に示すように、この加振部2Bの鍔部と固定具2Aの突出部端面によって、連結要素5を締め付けることにより、連結要素5を振動入力部2に連結させている。
本構成例において、発電素子3は、超磁歪素子である。また、超磁歪素子3の周囲に巻回されたコイル31と、超磁歪素子3を磁化可能に配設された永久磁石32とを更に備えて構成されている。超磁歪素子3と永久磁石32は、例えば、円柱状に形成されている。永久磁石32は、超磁歪素子3の両端面に配置され、超磁歪素子3と共にカラー33内に配置されている。コイル31は、図4に示すように、カラー33の外周を巻くようにして設けられている。
また、可動部4は、有底筒状であり、その側部が発電素子3を包囲し、底部4Bが発電素子に荷重を与えるように形成されている。この有底筒状の可動部4が、図1と同様に、発電素子3に対して振動方向に直交する方向上の位置に配設される。
本構成例において、集中質量部4Aが、発電素子3を包囲する側部に相当し、例えば、図4に示すように、振動可能に適度な質量を有するように形成され、下側質量部4A1及び上側質量部4A2からなる。また、本構成例では、中央突起部4B2は、下側質量部4A1及び底板4B1と分割形成され、例えば、六角頭付きボルトである。下側質量部4A1及び底板4B1は一体に形成され、有底筒状に形成され、中心部を円柱状に突出させ該円柱外周にカラー33を外挿して、カラー33を位置決め可能に形成すると共に、その円柱中心に雌ネジが形成されている。この雌ネジと中央突起部4B2の雄ネジが螺合する。
また、上側質量部4A2は、下側質量部4A1と分割形成され、下側質量部4A1と共に、コイル31、永久磁石32及び超磁歪素子3を包囲するように形成されている。連結要素5と、上側質量部4A2と、下側質量部4A1とは、図示省略のボルト等によって一体固定されている。これにより、上側質量部4A2、下側質量部4A1、底板4B1及び中央突起部4B2からなる可動要素4が連結要素5を介して振動入力部2に連結される。そして、六角頭付きボルトである中央突起部4B2は、超磁歪素子3の下側に配置された永久磁石32に当接し、加振部2Bとで超磁歪素子3を挟み込むように配置されている。このとき、本構成例においては、中央突起部4B2は単に永久磁石32に当接している状態であり、磁歪素子3に予荷重を与えていないものとする。
連結要素5は、振動入力部2の振動方向と略直交する方向に延伸するように配設されておいる。具体的には、連結要素5は、例えば、図4及び図5に示すように、振動入力部2の中心軸から複数本(例えば、3本)外側に向かって梁部51を延伸させると共に、中心部に貫通孔52を有するように形成されている。梁部51は、図4に示すように、例えば裏面側の一部を薄く形成させることにより弾性変形し易く形成されている。また、図示省略するが、梁部51の延出端側は可動部4にネジ止め固定される。
次に、本構成例の振動発電装置1の動作及び取り付け状態について、図4及び図6を参照して説明する。なお、図1の基本構成と同じ動作については説明を簡略化する。
まず、振動発生源への取り付け状態について概略説明する。
図6に示すように、本構成例の振動発電装置1は、保護ボックス11内に配置されそのボックス内のレール6側天端に固定されている。これにより、砂利等の飛散による破損がないように保護されている。そして、振動発電装置1は、保護ボックス11をクランプ具12によってレール6の下面に締付け固定することで、レール6を加工することなく取り付けられている。なお、図6では、振動発電装置1を保護ボックス11内に一つ配置した状態を示したが、これに限らず、複数個をユニット化して配置してもよい。また、保護ボックス11を設けなくてもよく、この場合、固定具2Aをクランプ具等によりレール6の下面に締付け固定すればよい。
図6に示すように、本構成例の振動発電装置1は、保護ボックス11内に配置されそのボックス内のレール6側天端に固定されている。これにより、砂利等の飛散による破損がないように保護されている。そして、振動発電装置1は、保護ボックス11をクランプ具12によってレール6の下面に締付け固定することで、レール6を加工することなく取り付けられている。なお、図6では、振動発電装置1を保護ボックス11内に一つ配置した状態を示したが、これに限らず、複数個をユニット化して配置してもよい。また、保護ボックス11を設けなくてもよく、この場合、固定具2Aをクランプ具等によりレール6の下面に締付け固定すればよい。
次に、振動発電装置1の動作について概略説明する。
振動入力部2に図4に示す振動方向の振動が入力される。このとき、連結要素5の梁部51を介して振動入力部2に連結された可動部4(下側質量部4A1及び上側質量部4A2)は、振動入力部2の振動方向と平行に、超磁歪素子3に対して相対変位して振動する。そして、下側質量部4A1及び上側質量部4A2からなる側部としての集中質量部4Aが振動すると中央突起部4B2に、圧縮・引張の内部応力が生じ、これにより、図4に矢印Cで示すように、可動部4(下側質量部4A1及び上側質量部4A2)の相対変位に応じた荷重を超磁歪素子3に与える。超磁歪素子3に荷重が加わると変形し、逆磁歪効果によりコイル31のコイル軸(超磁歪素子3の中心軸)沿いに磁界が発生し、コイルに誘導起電力が発生し、発電する。
振動入力部2に図4に示す振動方向の振動が入力される。このとき、連結要素5の梁部51を介して振動入力部2に連結された可動部4(下側質量部4A1及び上側質量部4A2)は、振動入力部2の振動方向と平行に、超磁歪素子3に対して相対変位して振動する。そして、下側質量部4A1及び上側質量部4A2からなる側部としての集中質量部4Aが振動すると中央突起部4B2に、圧縮・引張の内部応力が生じ、これにより、図4に矢印Cで示すように、可動部4(下側質量部4A1及び上側質量部4A2)の相対変位に応じた荷重を超磁歪素子3に与える。超磁歪素子3に荷重が加わると変形し、逆磁歪効果によりコイル31のコイル軸(超磁歪素子3の中心軸)沿いに磁界が発生し、コイルに誘導起電力が発生し、発電する。
このようにして、発電素子3として超磁歪素子を用いた本構成例においても、設置場所の自由度を向上させることができると共に、取り付けに当って安全性の低下を招くこともない上、容易に取り付けることができ、さらには、発電効率の向上を図ることが可能な振動発電装置を提供することができる。
また、本実施形態では、可動部4は、有底筒状であり、側部(集中質量部4A)が発電素子を包囲し、底部4Bが発電素子3に荷重を与えるように形成して構成したので、可動部4の高さ方向の寸法をコンパクトにすることができる。これにより、レール6と路盤(砂利)との間のように、狭い空間に配置可能な振動発電装置1を提供することができる。なお、可動部4は、これに限らず、発電素子3に対して相対変位可能に配設され、当該変位に応じた荷重を発電素子3に与える構成であればよい。
なお、本構成例において、振動入力部2、可動部4及び連結要素5を磁性体で形成することにより、これら自体を、永久磁石32から超磁歪素子3へ向かう磁束密度を増加させるヨークを兼ねるようにして磁気回路を形成することができる。したがって、磁化効率を向上させるためにヨークを別途設けて磁気回路を形成する必要がないため、発電装置をサイズアップさせることなく磁化効率を向上可能な振動発電装置を提供することができる。また、本構成例においては、振動入力部2、可動部4及び連結要素5がヨークを兼ねるものとして説明したが、これに限らず、少なくとも可動部4がヨークを兼ねればよい。
この場合、連結要素5は、梁部51の一部を可とう性のある軟磁性体51Aで構成してもよい。具体的には、鉄、フェライト、パーマロイ等の粉末を可とう性材料に混合させたものを用いるとよい。例えば、図7及び図8に示すように、連結要素5の各梁部51の長手方向中間部を、可とう性の軟磁性体51Aで形成する。これにより、可動部4をより振動させ易くすることができる。
本構成例において、連結要素5は、図4及び図5に示すように、振動入力部2の中心軸から複数本(例えば、3本)外側に向かって梁部51を延出させると共に、中心部に貫通孔52を有するように形成された場合で説明したが、これに限らず、例えば、円盤状に形成したり、梁部51を中心側からではなく外周側から延出するように形成させたりしてもよい。
円盤状の場合、連結要素5は、例えば、図9(a)、図9(b)に示すように、中心部に貫通孔52を設け、また、中央部の厚みが薄くなるように形成されている。また、この薄く形成された薄板部51’が、図7及び図8の梁部51に相当し、この薄板部51’の一部を、図9(a)、図9(b)に示すように、可とう性の軟磁性体51Aで形成するとよい。
また、梁部51を外側から中心側へ延出させる場合、連結要素5は、例えば、図10(a)、図10(b)に示すように、外形を円状に形成した枠部55と、この枠部55から円中心側に向けて延出された複数本(例えば、3本)の梁部51とを備えて形成されている。この梁部51は、その厚さが枠部55より薄くなるように形成されており、円中心部には加振部2Bを挿通用の貫通部52Aが形成されている。また、この梁部51の一部を、図10(a)、図10(b)に示すように、可とう性の軟磁性体51Aで形成するとよい。
また、本構成例においては、可動部4は、上側質量部4A2、下側質量部4A1、底板4B1及び中央突起部4B2を備えて構成した場合で説明したが、これに限らず、図11に示すように、下側質量部4A1、底板4B1及び中央突起部4B2だけで構成してもよい。この場合、連結要素5は、例えば、下側質量部4A2に直接固定され、また、梁部51の中心側端部に加振部2Bとの連結用のネジ孔(図示省略)が形成されている。そして、加振部2Bは、図示省略するが、梁部51の中心側端部に設けられたネジ孔を利用してボルト止めされている。
また、本構成例において、例えば、六角頭付きボルトとした中央突起部4B2は、単に永久磁石32に当接している状態であるとして説明したが、中央突起部4B2が永久磁石32に当接した後、連結要素5に予張力がかかるように、更に、中央突起部4B2をねじ込んで増し締めするとよい。これにより、可動部4を超磁歪素子3に向けて付勢して超磁歪素子3に予荷重を与えることができる。本構成例においては、六角頭付きボルトである中央突起部4B2と連結要素5が、超磁歪素子に予荷重を与える手段に相当する。このように、振動発電装置の構成部品を利用して超磁歪素子3に予荷重を付加して発電効率を向上させることができる。
また、本構成例においても、図1の実施形態と同様に、連結要素5は、例えば、図1に示すように、振動入力部2の振動方向と略直交する方向に延出するように配設されているので、より効率的に発電させることができる振動発電装置1を提供することができる。
また、本構成例に振動発電装置1についても、自動車、モノレール、ロープーウェー等のいずれの移動体であっても、それぞれの移動体の走行路において走行に支障のない箇所に振動発電装置1を取り付ければよく、また、移動体の走行路に設ける構成に限らず、移動体自体に取り付ける構成であってもよい。
上記の構成例(図4〜図11)において、発電素子3は超磁歪素子の場合で説明したが、これに限らず、発電素子3は歪みにより発電するものであればよく、例えば、圧電素子であってもよい。この場合、コイル31や永久磁石32は不要であり、ヨーク部を設ける必要もない。
なお、上記全ての説明において、可動部4は、少なくとも一部に弾性を有する連結要素5により振動発生源と連結する場合で説明したが、これに限らず、可動部4は、振動発生源の振動に応じて発電素子3に対する相対変位が可能に配設され、この変位に応じた荷重を発電素子に与えるように構成されていればよい。
1 振動発電装置
3 発電素子(超磁歪素子)
4 可動部
5 連結要素
6 走行路
31 コイル
32 永久磁石
4A 側部
4B 底部
3 発電素子(超磁歪素子)
4 可動部
5 連結要素
6 走行路
31 コイル
32 永久磁石
4A 側部
4B 底部
Claims (10)
- 歪みに応じた電力を生じる発電素子と、
振動発生源の振動に応じて前記発電素子に対する相対変位が可能に配設され、当該変位に応じた荷重を前記発電素子に与える可動部と、
を備える、振動発電装置。 - 前記振動発生源と前記可動部とは、少なくとも一部に弾性を有する連結要素により連結する、請求項1に記載の振動発装置。
- 前記可動部の前記発電素子に対する相対変位の方向は、前記振動発生源の振動方向と平行である、請求項1又は2に記載の振動発電装置。
- 前記可動部は、前記発電素子に対して前記振動方向に直交する方向上の位置に配設された、請求項1〜3のいずれか1つに記載の振動発電装置。
- 移動体の走行する走行路における走行面と反対面に固定する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の振動発電装置。
- 前記走行路は、レールである、請求項5に記載の振動発電装置。
- 前記発電素子は、超磁歪素子である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の振動発電装置。
- 前記可動部は、有底筒状であり、その側部が前記超磁歪素子を包囲し、底部が前記超磁歪素子に前記荷重を与える、請求項7に記載の振動発電装置。
- 前記超磁歪素子の周囲に巻回されたコイルと、
前記超磁歪素子を磁化可能に配設された永久磁石と、を更に備え、
少なくとも前記可動部は、前記永久磁石から前記超磁歪素子へ向かう磁束密度を増加させるヨークを兼ねる、請求項8に記載の振動発電装置。 - 前記可動部を前記超磁歪素子に向けて付勢して、前記超磁歪素子に予荷重を与える手段を備える、請求項7〜9のいずれか1つに記載の振動発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012132425A JP2013258820A (ja) | 2012-06-11 | 2012-06-11 | 振動発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012132425A JP2013258820A (ja) | 2012-06-11 | 2012-06-11 | 振動発電装置 |
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JP2012132425A Pending JP2013258820A (ja) | 2012-06-11 | 2012-06-11 | 振動発電装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013258820A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016140142A (ja) * | 2015-01-26 | 2016-08-04 | 学校法人早稲田大学 | 発電装置 |
JP2020063705A (ja) * | 2018-10-18 | 2020-04-23 | 株式会社竹中工務店 | 振動発電ユニット |
-
2012
- 2012-06-11 JP JP2012132425A patent/JP2013258820A/ja active Pending
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