JP2013257343A - 脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価方法及び評価用キット - Google Patents

脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価方法及び評価用キット Download PDF

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Abstract

【課題】脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害(CVD)の将来の発症リスクを把握できる技術を提供する。
【解決手段】被験者から採取した体液におけるLAB(LOX-1 ligand containing ApoB)濃度を指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価する心血管障害発症リスクの評価方法が提供される。LAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表されるLOXインデックスを指標とする心血管障害発症リスクの評価方法も提供される。当該方法を簡便に行うためのキットも提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、心血管障害発症リスクの評価方法及び評価用キットに関し、さらに詳細には、体液中のバイオマーカーを指標として心血管障害の将来の発症リスクを評価する心血管障害発症リスクの評価方法、及び当該方法に用いる心血管障害発症リスクの評価用キットに関する。
低密度リポタンパク質(LDL)は所謂悪玉コレステロールと呼ばれるものであり、動脈硬化の発症と密接に関連しているといわれている。LDLは、アポリポタンパク質B(以下「ApoB」と称する。)と種々の脂質から構成されている。また、動脈硬化の重要な危険因子(リスクファクター)である高LDLコレステロール血症においては、酸化LDLがその生物活性を担っているといわれている(非特許文献1)。
レクチン様酸化LDL受容体(Lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1,以下「LOX−1」と称する。)は酸化LDL受容体の一種であり、その機能解析が急速に進められている(非特許文献1)。LOX−1は細胞膜一回貫通型の膜タンパク質であり、その詳細な構造はすでに明らかにされ、遺伝子もクローニングされている(特許文献1、非特許文献1)。また、血液中に可溶性LOX−1(soluble LOX-1、以下「sLOX−1」と称することがある。)が存在することが知られている。可溶性LOX−1の臨床的意義についてはいくつかの可能性が指摘されているが、詳細は明らかでない(非特許文献1)。
ところで、日本においては、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞といった心血管障害(cardiovascular disease; CVD)が増加傾向にあり、その対策が求められている。心血管障害を発症するとそのまま死亡に至るおそれがあり、生存した場合でも、特に脳卒中と脳梗塞については後遺症を残すことも珍しくない。したがって、心血管障害については、治療に加えて「予防」することが重要である。そして、予防のために、個々の者について心血管障害の将来の発症リスクを把握できれば好適である。すなわち、発症リスクを予め把握できれば、投薬や生活習慣の改善指導等を早期に行うことができ、心血管障害の予防に役立つと考えられる。
特開平9−98787号公報
日薬理誌,第119巻,p145−154,2002年
しかし、心血管障害の将来の発症リスクを把握できる有効な技術は見当たらず、心血管障害のリスク診断は行われていないのが現状である。もちろん、当該発症リスクを反映するバイオマーカーの存在も知られていない。このような現状に鑑み、本発明は、被験者における心血管障害の将来の発症リスクを把握できる一連の技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、心血管障害の将来の発症リスクを反映するバイオマーカーを探索すべく、10年以上の追跡調査によって心血管障害(特に、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞)の発症とその後の経過が確定している患者の血清について、網羅的な解析を行った。そして、採血時には異常はなかったが後に心血管障害を発症した患者の血清を詳細に解析し、当該患者に特異的なマーカーを探索した。その結果、LAB(LOX-1 ligand containing ApoB)の濃度、さらに、LAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表される新しい指標「LOXインデックス」が、心血管障害の将来の発症リスクを反映していることを見出し、本発明を完成した。すなわち、上記した課題を解決するための本発明は、以下のとおりである。
請求項1に記載の発明は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度を指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価することを特徴とする心血管障害発症リスクの評価方法である。
本発明は心血管障害発症リスクの評価方法に係るものであり、被験者から採取した体液におけるLAB濃度を指標として、当該被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価する。本発明によれば、従来は困難であった心血管障害の将来の発症リスクの評価を正確に行うことができる。また、本発明では一般の臨床検査と同様に被験者から採取した体液を検査材料とするので、簡便かつ迅速に操作を行うことができる。
LAB(LOX-1 ligand containing ApoB)とは、LOX−1に結合する活性をもつ生体内物質であってApoBをその分子内に含むものを指す。LABの代表例は酸化LDLであるが、結合活性があればそれに限定されない。LABの詳細については、例えば、Kakutani M., et al., Biochem Biophys Res Commun. 2001 Mar 23;282(1):180-5.に記載されている。
本発明における「心血管障害の将来の発症リスクの評価」には、発症リスクの有無を判定することや、発症リスクの度合いを定量的に評価することが含まれる。
なお本発明においては、体液中のLAB濃度が高いほど、心血管障害の将来の発症リスクが高いと評価される。
請求項2に記載の発明は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表されるLOXインデックスを指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価することを特徴とする心血管障害発症リスクの評価方法である。
本発明も心血管障害発症リスクの評価方法に係るものであり、被験者から採取した体液におけるLAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表されるLOXインデックスを指標として、当該被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価する。本発明では、LOXインデックス(LAB濃度×可溶性LOX−1濃度)を指標とするので、LOX−1のファクターが加味されたより正確な心血管障害発症リスクの評価が可能となる。
なお本発明においては、LOXインデックスの値が高いほど、心血管障害の将来の発症リスクが高いと評価される。
請求項1又は2に記載の心血管障害発症リスクの評価方法において、体液が血液である構成が推奨される(請求項3)。
請求項1〜3のいずれかに記載の心血管障害発症リスクの評価方法において、心血管障害が脳卒中、脳梗塞、又は心筋梗塞である構成が推奨される(請求項4)。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の心血管障害発症リスクの評価方法に用いるためのキットであって、LABに対する抗体を含むことを特徴とする心血管障害発症リスクの評価用キットである。
本発明は心血管障害発症リスクの評価用キットに係るものであり、LABに対する抗体を含むことを特徴とする。本発明のキットによれば、被験者の体液中のLAB濃度を簡便に測定することができ、心血管障害の将来の発症リスクを簡単かつ迅速に評価することができる。なお、「LABに対する抗体」には、ApoBに対する抗体が含まれる。
請求項6に記載の発明は、可溶性LOX−1に対する抗体をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の心血管障害発症リスクの評価用キットである。
本発明の心血管障害発症リスクの評価用キットは、可溶性LOX−1に対する抗体をさらに含む。かかる構成により、被験者の体液中のLAB濃度に加えて可溶性LOX−1濃度も簡便に測定することができ、特に、LOXインデックスを用いた心血管障害の将来の発症リスクを簡単かつ迅速に評価することができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価方法によれば、従来は困難であった心血管障害の将来の発症リスクの評価を正確に行うことができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価用キットによれば、心血管障害の将来の発症リスクを簡単かつ迅速に評価することができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価方法の1つの様相は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度を指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価するものである。また、本発明の心血管障害発症リスクの評価方法の他の様相は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表されるLOXインデックスを指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価するものである。
本発明で使用する体液としては特に限定はないが、好ましくは血液が用いられる。特に、血液から調製した血清又は血漿を検査材料(測定試料)とすることが好ましい。血清又は血漿は、遠心分離等の公知の方法で血液から調製することができる。
心血管障害の例としては、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞、等を挙げることができる。
LABあるいは可溶性LOX−1の測定方法としては特に限定はなく、例えば、タンパク質の定量法として一般に採用されている方法をそのまま適用することができる。好ましくは、抗体を用いてLABあるいは可溶性LOX−1の濃度を測定する。抗体を用いる方法の例としては、免疫測定法(イムノアッセイ)が挙げられる。
免疫測定法によれば、体液のような夾雑物質の多い試料のままでも正確にマーカー物質の濃度を測定することができ、好適である。免疫測定法の例としては、抗原抗体結合物を直接的又は間接的に測定する沈降反応、凝集反応、溶血反応などの古典的な方法や、標識法と組み合わせて検出感度を高めたエンザイムイムノアッセイ(EIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)等の方法が挙げられる。なお、これらの免疫測定法に用いるLABあるいは可溶性LOX−1に対する抗体は、モノクローナルでもよいし、ポリクローナルでもよい。また、LABはその分子内にApoBを含むものであるから、抗ApoB抗体をLABに対する抗体として採用することができる。
LAB(又はApoB)、可溶性LOX−1に対する各モノクローナル抗体はすでに取得されており、一部は市販もされている。
LABの測定に関しては、LOX−1と抗ApoB抗体とを組み合わせたサンドイッチ法の系によっても行うことができる。例えば、LOX−1をプレートやビーズ等の支持体(固相)に固定化しておき、検体となる体液を接触させる。これにより、LOX−1のリガンドであるLABは固相上のLOX−1に結合し、固相上に捕捉される。その後、捕捉されたLABに抗ApoB抗体を接触させて結合させ、当該LABを検出すればよい。検出は、酵素等で予め標識した抗ApoB抗体を用いて行ってもよいし、抗ApoB抗体と反応する標識抗体(2次抗体)を用いて行ってもよい。
免疫測定法以外では、例えばウエスタンブロット法を採用することもできる。例えば、測定試料をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に供して目的タンパク質(LAB又は可溶性LOX−1)を分離した後、分離された目的タンパク質をニトロセルロース等の膜に転写する。そして、膜上に転写された目的タンパク質を検出する。目的タンパク質の検出は、例えば標識抗体を膜上の目的タンパク質に対して直接的または間接的に結合させ、当該標識を検出することにより行うことができる。
抗体を用いずにLAB濃度や可溶性LOX−1濃度を測定することもでき、例えば、電気泳動法、クロマトグラフィー、質量分析法を採用することができる。電気泳動法によって目的タンパク質の濃度を測定する場合には、例えば、測定試料をSDS−PAGEに供して目的タンパク質を分離し、適宜の色素や蛍光試薬でゲルを染色し、目的タンパク質に相当するバンドの濃さや蛍光強度を測定すればよい。SDS−PAGEだけでは目的タンパク質の分離が不十分な場合には、等電点電気泳動(IEF)と組み合わせた2次元電気泳動を用いることもできる。
クロマトグラフィーによって目的タンパク質の濃度を測定する場合には、例えば、液体高速クロマトグラフィー(HPLC)による方法を用いることができる。すなわち、測定試料をHPLCに供して目的タンパク質を分離し、そのクロマトグラムのピーク面積を測定することにより試料中の目的タンパク質の濃度を測定することができる。
質量分析法を採用する場合は、質量分析計を用いてLAB濃度又は可溶性LOX−1由来のイオンピークを特定し、そのイオンピーク強度をもってLAB濃度又は可溶性LOX−1の濃度を測定する。例えば、マトリクス支援レーザーイオン化(matrix-assisted laser desorption/ionization;MALDI)と飛行時間質量分析計(time-of-flight mass spectrometer;TOF)とを組み合わせたMALDI−TOF型質量分析計を用いて、体液中の目的タンパク質の濃度を測定することができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価方法は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度又はLOXインデックスを「指標」とするものである。「指標」の代表例は基準値との比較である。当該基準値としては、例えば、心血管障害を発症した者における発症前の血清と心血管障害を発症しなかった者(健常者)の血清を用いて、LABと可溶性LOX−1の測定を予め行い、LAB濃度又はLOXインデックスの値を両者で比較して設定したカットオフ値を採用することができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価用キットは、LABに対する抗体を含むものである。また、好ましい実施形態では、可溶性LOX−1に対する抗体をさらに含む。本発明のキットは、免疫測定法のような抗体を用いた方法によってLABあるいは可溶性LOX−1を測定するために用いられる。これらの抗体は、単独の試薬であってもよいし、固相等に結合した状態であってもよい。
本発明のキットの構成例を以下に挙げる。構成例1は、LABを指標とする方法に特に適したものである。構成例2は、LOXインデックスを指標とする方法に特に適したものである。これらのキットには、さらに、プレートやビーズ等の支持体(固相)、標識抗体、発色基質、等をさらに含めてもよい。
〔キットの構成例1〕
(a)組換えヒトLOX−1(固相用)
(b)抗ヒトApoBモノクローナル抗体(標識又は未標識)
(c)LAB標準品(又は酸化LDL標準品)
(d)希釈用緩衝液
〔キットの構成例2〕
(a)組換えヒトLOX−1(固相用)
(b)抗ヒトApoBモノクローナル抗体(標識又は未標識)
(c)LAB標準品(又は酸化LDL標準品)
(d)希釈用緩衝液
(e)抗ヒトLOX−1モノクローナル抗体A(固相用)
(f)抗ヒトLOX−1モノクローナル抗体B(標識又は未標識)
(g)LOX−1標準品
なお、(e)と(f)はエピトープが互いに異なる抗体である。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)検体のプロファイル
国立循環器病センターの集団研究に同意の得られた30歳から79歳の男女6485名について、1989年から2005年にかけて2年毎に検診が行われ、採取した血清が−80℃にて保管されている。このうち、1994年4月から1995年2月までの間に検診を受けた男性1172名、女性1264名、計2436名の血清を、以下の解析対象とした。なお、2436名のうち2356名には、脳卒中と虚血性心疾患の既往症はなかった。
(2)ベースラインサーベイ
以下のように、問診、人体計測、および早朝空腹時血糖(10時間絶食後)の測定を含む方法によって、ベースラインサーベイが行われた。
まず、身長と体重(軽装着服)からBMIを算出した。血圧は、少なくとも5分以上、安静座位の状態ののち標準水銀血圧計にて測定した。測定回数は3回とした。収縮期血圧(SBP)140mmHg以上、拡張期血圧(DBP)90mmHg以上を高血圧とした。降圧薬の使用者は高血圧とした。また、血清総コレステロール(TC)、HDL−コレステロール(HDL−C)、および空腹時血糖を、自動分析機にて測定した。空腹時血糖値が7.0mmol/L(126mg/dL)以上、または随時血糖値11.1mmol/L(200mg/dL)以上の場合に、糖尿病に分類した。糖尿病治療中の者は糖尿病に分類した。さらに、喫煙、飲酒、病歴について、問診を行った。
(3)LABの測定
ヒトLOX−1(固相)と抗ApoBモノクローナル抗体(1次抗体)を用いたELISAにて測定した。すなわち、40μLの酸化LDL標準品(自家調製品;Sawamura T, et al., Nature 1997;386(6620):73-77 及び Sato Y, et al., Atherosclerosis. 2008;200(2):303-309 に記載)あるいは20倍希釈した血清を、組換えヒトLOX−1(自家調製品;Sato Y, et al., Atherosclerosis. 2008;200(2):303-309 に記載)を固定化した384−ウェルプレートにアプライした(0.25μg/ウェル)。捕捉されたLABを、1次抗体たるチキン抗ApoBモノクローナル抗体(自家調製品;Sato Y, et al., Atherosclerosis. 2008;200(2):303-309 に記載)と2次抗体たるペルオキシダーゼ標識ロバ抗チキンIgY抗体(ケミコン社)の組み合わせで検出した。基質として、3,3'5,5'-tetramethylbenzidine(TMB溶液;バイオラッド・ラボラトリーズ社)を用いた。測定範囲は、酸化LDL標準品で62.5〜10000ng/mLとした。本測定の精度(CV)は、イントラアッセイで7.0%、インターアッセイで14.5%であった(n=10)。
(4)可溶性LOX−1(sLOX−1)の測定
2種の抗ヒトLOX−1モノクローナル抗体(固相抗体と1次抗体)を用いたELISAにて測定した。すなわち、40μLの組換えヒトLOX−1標準品(自家調製品;Li D, et al., Circulation. 2003 Feb 4;107(4):612-7に記載)あるいは4倍希釈した血清を、抗ヒトLOX−1モノクローナル抗体を固定化した384-ウェルプレートにアプライした(0.25μg/ウェル)。捕捉されたsLOX−1を、1次抗体たるチキン抗ヒトLOX−1抗体(自家調製品)と2次抗体たるペルオキシダーゼ標識ロバ抗チキンIgY抗体(ケミコン社)の組み合わせで検出した。基質として、3,3'5,5'-tetramethylbenzidine(TMB溶液;バイオラッド・ラボラトリーズ社)を用いた。測定範囲は、組換えヒトLOX−1標準品で15.6〜10000pg/mLとした。本測定の精度(CV)は、イントラアッセイで7.5%、インターアッセイで12.5%であった(n=10)。
(5)参加者のサーベイ
参加者における心筋梗塞と脳卒中に関して、以下のように追跡調査を行った。
第1ステップとして、2年毎の検診と1年毎のアンケート調査を行った。第2ステップとして、病院内の医療記録を精査した。
脳卒中の判断基準は、米国の脳卒中国内調査基準(U.S. National Survey of Stroke criteria; Stroke, 1981, 12(2 Pt 2 Suppl 1): I13-44)に従った。脳卒中のサブタイプである脳梗塞、脳内出血、およびクモ膜下出血の確定診断は、CT撮影、MRIあるいは剖検により行った。
心筋梗塞の判断基準は、WHOのMONICA(Monitoring Trends and Determinants of Cardiovascular Disease)プロジェクトの基準に従った。
臨床訪問またはアンケートで典型的な臨床症状があった場合は、医療記録がなくても心筋梗塞あるいは脳卒中と分類した(13.8%)。さらに、心筋梗塞あるいは脳卒中であって死に至ったケースを調べるために、死亡診断書を系統的に調査した。死亡診断書が確認されたが本サーベイランスシステムに登録されていなかったケースについては、心筋梗塞あるいは脳卒中に分類した。起源不明の急死(発病から24時間以内に生じたもの)は、心筋梗塞に分類した。
(6)統計分析
上記(3)及び(4)のELISAにて得られたLAB濃度とsLOX−1濃度の値を乗じて、LOXインデックスを計算した。四分位の範囲で、sLOX、LAB、及びLOXインデックスのカットオフ点を設定した。平均値の分散分析または比率のカイ二乗検定を行った。心筋梗塞と脳卒中に関し、sLOX、LAB、およびLOXインデックスについて、年齢調整(Age-adjusted)オッズ比(OR)、並びに、年齢、高血圧、糖尿病、脂質低下作用薬の使用、BMI、喫煙、および飲酒の各ファクターを調整した多変数調整(Multivariable-adjusted)オッズ比を、ロジスティック回帰分析によって計算した。性差をさらに調整した性結合分析(sex-combined analysis)も行った。信頼区間は95%とし、有意性はP値<0.05で判定した。全ての分析は、社会科学用統計パッケージ(リリースバージョン8.2;SASインスティテュート社)を用いて行った。
(7)ベースラインサーベイの結果
LABの平均値は、男性で516.1±17.1ng/mL、女性で782.3±23.7ng/mLであった。sLOX−1の平均値は、男性で1,060.1±8.6pg/mL、女性で797.8±0.2pg/mLであった。血清総コレステロール(TC)の平均値は、男性で181.5±1.3mg/dL、女性で224.5±2.0mg/dLであった。
第1表に、LABの四分位(Q1〜Q4)毎の各検査項目の平均値または有病率を示す。第2表に、sLOX−1の四分位(Q1〜Q4)毎の各検査項目の平均値または有病率を示す。すなわち、両性とも、LAB四分位にしたがって、TCの平均値に有意差があった。TCは、より高いLAB四分位においてより高い傾向にあった。これに対し、TCはsLOX−1四分位に関係していなかった。また、HDL−Cは、女性で、LABおよびsLOX−1のいずれでも、高い四分位においてより低い傾向を示した。喫煙率については、より高いsLOX−1四分位においてより高い傾向を示したが、LABとの関係はみられなかった。高血圧症有病率と糖尿病有病率については、有意差は認めらなかった。
Figure 2013257343
Figure 2013257343
(8)心血管障害とLAB、sLOX−1との関係
追跡調査において、採血時には異常はなかったが、後に心筋梗塞あるいは脳梗塞を発症したケースが103例あった。詳細には、28例の心筋梗塞と75例の脳卒中が確認され、これらは53例の脳梗塞を含んでいた。これら103例の血清について、詳細に解析した。
第3表に、LABで階層化された年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比を疾病ごとに示す。第4表に、sLOX−1で階層化された年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比を疾病ごとに示す。各表において、年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比の括弧書きは、オッズ比の範囲である。
第3表に示すように、男性と女性を組み合わせると、心血管障害のORは、LABの最上位四分位(Q4)において、有意に最も高かった。また、脳卒中、脳梗塞、および心筋梗塞のORも、LABの最上位四分位(Q4)において最も高く、脳梗塞では統計的有意差を示した。さらに、症例数が少ないために統計的有意差は確認できなかったが、心血管障害について、男女別でも同様の結果が得られた。
一方、第4表に示すように、sLOX−1についても最上位四分位(Q4)において、脳卒中、脳梗塞、および心筋梗塞のORが最も高かったが、統計的有意差は確認できなかった。
Figure 2013257343
Figure 2013257343
以上より、血中LABが、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害の将来の発症リスクを正確に反映していることが示された。すなわち、血中LABを指標とすることにより、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害の将来の発症リスクを正確かつ高感度に判定できることが示された。
(9)心血管障害とLOXインデックスとの関係
上記103例について、LOXインデックスを算出した。第5表に、LOXインデックスによって階層化された年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比を疾病ごとに示す。表5において、年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比の括弧書きは、オッズ比の範囲である。
まず、男性と女性を組み合わせた場合、LOXインデックスの最上位四分位(Q4)における心血管障害のオッズ比は2.1であり、最下位四分位(Q1)と比較して約2倍の発症率を示していた。特に、脳梗塞の多変数調整オッズ比は、最上位四分位(Q4)で3.4であった。また、統計的有意差を満たさなかったが、脳卒中と心筋梗塞のオッズ比は、LOXインデックスの最上位四分位(Q4)において最も高かった。
男女別にみても、LOXインデックスの最上位四分位(Q4)における脳卒中の発生率は、最上位四分位(Q4)における発生率より著しく高かった。
Figure 2013257343
Figure 2013257343
以上より、LOXインデックスが、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害の将来の発症リスクを極めて正確に反映していることが示された。すなわち、LOXインデックスを指標とすることにより、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害の将来の発症リスクを極めて正確かつ高感度に判定できることが示された。
本発明は、脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価方法及び評価用キットに関し、さらに詳細には、体液中のバイオマーカーを指標として脳卒中又は脳梗塞の将来の発症リスクを評価する脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価方法、及び当該方法に用いる脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価用キットに関する。
低密度リポタンパク質(LDL)は所謂悪玉コレステロールと呼ばれるものであり、動脈硬化の発症と密接に関連しているといわれている。LDLは、アポリポタンパク質B(以下「ApoB」と称する。)と種々の脂質から構成されている。また、動脈硬化の重要な危険因子(リスクファクター)である高LDLコレステロール血症においては、酸化LDLがその生物活性を担っているといわれている(非特許文献1)。
レクチン様酸化LDL受容体(Lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1,以下「LOX−1」と称する。)は酸化LDL受容体の一種であり、その機能解析が急速に進められている(非特許文献1)。LOX−1は細胞膜一回貫通型の膜タンパク質であり、その詳細な構造はすでに明らかにされ、遺伝子もクローニングされている(特許文献1、非特許文献1)。また、血液中に可溶性LOX−1(soluble LOX-1、以下「sLOX−1」と称することがある。)が存在することが知られている。可溶性LOX−1の臨床的意義についてはいくつかの可能性が指摘されているが、詳細は明らかでない(非特許文献1)。
ところで、日本においては、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞といった心血管障害(cardiovascular disease; CVD)が増加傾向にあり、その対策が求められている。心血管障害を発症するとそのまま死亡に至るおそれがあり、生存した場合でも、特に脳卒中と脳梗塞については後遺症を残すことも珍しくない。したがって、心血管障害については、治療に加えて「予防」することが重要である。そして、予防のために、個々の者について心血管障害の将来の発症リスクを把握できれば好適である。すなわち、発症リスクを予め把握できれば、投薬や生活習慣の改善指導等を早期に行うことができ、心血管障害の予防に役立つと考えられる。
特開平9−98787号公報
日薬理誌,第119巻,p145−154,2002年
しかし、心血管障害の将来の発症リスクを把握できる有効な技術は見当たらず、心血管障害のリスク診断は行われていないのが現状である。もちろん、当該発症リスクを反映するバイオマーカーの存在も知られていない。このような現状に鑑み、本発明は、被験者における心血管障害の将来の発症リスクを把握できる一連の技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、心血管障害の将来の発症リスクを反映するバイオマーカーを探索すべく、10年以上の追跡調査によって心血管障害(特に、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞)の発症とその後の経過が確定している患者の血清について、網羅的な解析を行った。そして、採血時には異常はなかったが後に心血管障害を発症した患者の血清を詳細に解析し、当該患者に特異的なマーカーを探索した。その結果、LAB(LOX-1 ligand containing ApoB)の濃度、さらに、LAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表される新しい指標「LOXインデックス」が、心血管障害の将来の発症リスクを反映していることを見出し、本発明を完成した。すなわち、上記した課題を解決するための本発明は、以下のとおりである。
関連の発明は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度を指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価することを特徴とする心血管障害発症リスクの評価方法である。
本発明は心血管障害発症リスクの評価方法に係るものであり、被験者から採取した体液におけるLAB濃度を指標として、当該被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価する。本発明によれば、従来は困難であった心血管障害の将来の発症リスクの評価を正確に行うことができる。また、本発明では一般の臨床検査と同様に被験者から採取した体液を検査材料とするので、簡便かつ迅速に操作を行うことができる。
LAB(LOX-1 ligand containing ApoB)とは、LOX−1に結合する活性をもつ生体内物質であってApoBをその分子内に含むものを指す。LABの代表例は酸化LDLであるが、結合活性があればそれに限定されない。LABの詳細については、例えば、Kakutani M., et al., Biochem Biophys Res Commun. 2001 Mar 23;282(1):180-5.に記載されている。
本発明における「心血管障害の将来の発症リスクの評価」には、発症リスクの有無を判定することや、発症リスクの度合いを定量的に評価することが含まれる。
なお本発明においては、体液中のLAB濃度が高いほど、心血管障害の将来の発症リスクが高いと評価される。
関連の発明は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表されるLOXインデックスを指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価することを特徴とする心血管障害発症リスクの評価方法である。
本発明も心血管障害発症リスクの評価方法に係るものであり、被験者から採取した体液におけるLAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表されるLOXインデックスを指標として、当該被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価する。本発明では、LOXインデックス(LAB濃度×可溶性LOX−1濃度)を指標とするので、LOX−1のファクターが加味されたより正確な心血管障害発症リスクの評価が可能となる。
なお本発明においては、LOXインデックスの値が高いほど、心血管障害の将来の発症リスクが高いと評価される。
上記の心血管障害発症リスクの評価方法において、体液が血液である構成が推奨される
上記の心血管障害発症リスクの評価方法において、心血管障害が脳卒中、脳梗塞、又は心筋梗塞である構成が推奨される
関連の発明は、上記の心血管障害発症リスクの評価方法に用いるためのキットであって、LABに対する抗体を含むことを特徴とする心血管障害発症リスクの評価用キットである。
本発明は心血管障害発症リスクの評価用キットに係るものであり、LABに対する抗体を含むことを特徴とする。本発明のキットによれば、被験者の体液中のLAB濃度を簡便に測定することができ、心血管障害の将来の発症リスクを簡単かつ迅速に評価することができる。なお、「LABに対する抗体」には、ApoBに対する抗体が含まれる。
関連の発明は、可溶性LOX−1に対する抗体をさらに含むことを特徴とする上記の心血管障害発症リスクの評価用キットである。
本発明の心血管障害発症リスクの評価用キットは、可溶性LOX−1に対する抗体をさらに含む。かかる構成により、被験者の体液中のLAB濃度に加えて可溶性LOX−1濃度も簡便に測定することができ、特に、LOXインデックスを用いた心血管障害の将来の発症リスクを簡単かつ迅速に評価することができる。
請求項1に記載の発明は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度を指標として、前記被験者における脳卒中又は脳梗塞の将来の発症リスクを評価することを特徴とする脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価方法である。
請求項2に記載の発明は、体液は、血液であることを特徴とする請求項1に記載の脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価方法である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価方法に用いるためのキットであって、LABに対する抗体を含むことを特徴とする脳卒中又は脳梗塞の発症リスクの評価用キットである。
本発明の心血管障害発症リスクの評価方法によれば、従来は困難であった心血管障害の将来の発症リスクの評価を正確に行うことができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価用キットによれば、心血管障害の将来の発症リスクを簡単かつ迅速に評価することができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価方法の1つの様相は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度を指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価するものである。また、本発明の心血管障害発症リスクの評価方法の他の様相は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表されるLOXインデックスを指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価するものである。
本発明で使用する体液としては特に限定はないが、好ましくは血液が用いられる。特に、血液から調製した血清又は血漿を検査材料(測定試料)とすることが好ましい。血清又は血漿は、遠心分離等の公知の方法で血液から調製することができる。
心血管障害の例としては、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞、等を挙げることができる。
LABあるいは可溶性LOX−1の測定方法としては特に限定はなく、例えば、タンパク質の定量法として一般に採用されている方法をそのまま適用することができる。好ましくは、抗体を用いてLABあるいは可溶性LOX−1の濃度を測定する。抗体を用いる方法の例としては、免疫測定法(イムノアッセイ)が挙げられる。
免疫測定法によれば、体液のような夾雑物質の多い試料のままでも正確にマーカー物質の濃度を測定することができ、好適である。免疫測定法の例としては、抗原抗体結合物を直接的又は間接的に測定する沈降反応、凝集反応、溶血反応などの古典的な方法や、標識法と組み合わせて検出感度を高めたエンザイムイムノアッセイ(EIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)等の方法が挙げられる。なお、これらの免疫測定法に用いるLABあるいは可溶性LOX−1に対する抗体は、モノクローナルでもよいし、ポリクローナルでもよい。また、LABはその分子内にApoBを含むものであるから、抗ApoB抗体をLABに対する抗体として採用することができる。
LAB(又はApoB)、可溶性LOX−1に対する各モノクローナル抗体はすでに取得されており、一部は市販もされている。
LABの測定に関しては、LOX−1と抗ApoB抗体とを組み合わせたサンドイッチ法の系によっても行うことができる。例えば、LOX−1をプレートやビーズ等の支持体(固相)に固定化しておき、検体となる体液を接触させる。これにより、LOX−1のリガンドであるLABは固相上のLOX−1に結合し、固相上に捕捉される。その後、捕捉されたLABに抗ApoB抗体を接触させて結合させ、当該LABを検出すればよい。検出は、酵素等で予め標識した抗ApoB抗体を用いて行ってもよいし、抗ApoB抗体と反応する標識抗体(2次抗体)を用いて行ってもよい。
免疫測定法以外では、例えばウエスタンブロット法を採用することもできる。例えば、測定試料をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に供して目的タンパク質(LAB又は可溶性LOX−1)を分離した後、分離された目的タンパク質をニトロセルロース等の膜に転写する。そして、膜上に転写された目的タンパク質を検出する。目的タンパク質の検出は、例えば標識抗体を膜上の目的タンパク質に対して直接的または間接的に結合させ、当該標識を検出することにより行うことができる。
抗体を用いずにLAB濃度や可溶性LOX−1濃度を測定することもでき、例えば、電気泳動法、クロマトグラフィー、質量分析法を採用することができる。電気泳動法によって目的タンパク質の濃度を測定する場合には、例えば、測定試料をSDS−PAGEに供して目的タンパク質を分離し、適宜の色素や蛍光試薬でゲルを染色し、目的タンパク質に相当するバンドの濃さや蛍光強度を測定すればよい。SDS−PAGEだけでは目的タンパク質の分離が不十分な場合には、等電点電気泳動(IEF)と組み合わせた2次元電気泳動を用いることもできる。
クロマトグラフィーによって目的タンパク質の濃度を測定する場合には、例えば、液体高速クロマトグラフィー(HPLC)による方法を用いることができる。すなわち、測定試料をHPLCに供して目的タンパク質を分離し、そのクロマトグラムのピーク面積を測定することにより試料中の目的タンパク質の濃度を測定することができる。
質量分析法を採用する場合は、質量分析計を用いてLAB濃度又は可溶性LOX−1由来のイオンピークを特定し、そのイオンピーク強度をもってLAB濃度又は可溶性LOX−1の濃度を測定する。例えば、マトリクス支援レーザーイオン化(matrix-assisted laser desorption/ionization;MALDI)と飛行時間質量分析計(time-of-flight mass spectrometer;TOF)とを組み合わせたMALDI−TOF型質量分析計を用いて、体液中の目的タンパク質の濃度を測定することができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価方法は、被験者から採取した体液におけるLAB濃度又はLOXインデックスを「指標」とするものである。「指標」の代表例は基準値との比較である。当該基準値としては、例えば、心血管障害を発症した者における発症前の血清と心血管障害を発症しなかった者(健常者)の血清を用いて、LABと可溶性LOX−1の測定を予め行い、LAB濃度又はLOXインデックスの値を両者で比較して設定したカットオフ値を採用することができる。
本発明の心血管障害発症リスクの評価用キットは、LABに対する抗体を含むものである。また、好ましい実施形態では、可溶性LOX−1に対する抗体をさらに含む。本発明のキットは、免疫測定法のような抗体を用いた方法によってLABあるいは可溶性LOX−1を測定するために用いられる。これらの抗体は、単独の試薬であってもよいし、固相等に結合した状態であってもよい。
本発明のキットの構成例を以下に挙げる。構成例1は、LABを指標とする方法に特に適したものである。構成例2は、LOXインデックスを指標とする方法に特に適したものである。これらのキットには、さらに、プレートやビーズ等の支持体(固相)、標識抗体、発色基質、等をさらに含めてもよい。
〔キットの構成例1〕
(a)組換えヒトLOX−1(固相用)
(b)抗ヒトApoBモノクローナル抗体(標識又は未標識)
(c)LAB標準品(又は酸化LDL標準品)
(d)希釈用緩衝液
〔キットの構成例2〕
(a)組換えヒトLOX−1(固相用)
(b)抗ヒトApoBモノクローナル抗体(標識又は未標識)
(c)LAB標準品(又は酸化LDL標準品)
(d)希釈用緩衝液
(e)抗ヒトLOX−1モノクローナル抗体A(固相用)
(f)抗ヒトLOX−1モノクローナル抗体B(標識又は未標識)
(g)LOX−1標準品
なお、(e)と(f)はエピトープが互いに異なる抗体である。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)検体のプロファイル
国立循環器病センターの集団研究に同意の得られた30歳から79歳の男女6485名について、1989年から2005年にかけて2年毎に検診が行われ、採取した血清が−80℃にて保管されている。このうち、1994年4月から1995年2月までの間に検診を受けた男性1172名、女性1264名、計2436名の血清を、以下の解析対象とした。なお、2436名のうち2356名には、脳卒中と虚血性心疾患の既往症はなかった。
(2)ベースラインサーベイ
以下のように、問診、人体計測、および早朝空腹時血糖(10時間絶食後)の測定を含む方法によって、ベースラインサーベイが行われた。
まず、身長と体重(軽装着服)からBMIを算出した。血圧は、少なくとも5分以上、安静座位の状態ののち標準水銀血圧計にて測定した。測定回数は3回とした。収縮期血圧(SBP)140mmHg以上、拡張期血圧(DBP)90mmHg以上を高血圧とした。降圧薬の使用者は高血圧とした。また、血清総コレステロール(TC)、HDL−コレステロール(HDL−C)、および空腹時血糖を、自動分析機にて測定した。空腹時血糖値が7.0mmol/L(126mg/dL)以上、または随時血糖値11.1mmol/L(200mg/dL)以上の場合に、糖尿病に分類した。糖尿病治療中の者は糖尿病に分類した。さらに、喫煙、飲酒、病歴について、問診を行った。
(3)LABの測定
ヒトLOX−1(固相)と抗ApoBモノクローナル抗体(1次抗体)を用いたELISAにて測定した。すなわち、40μLの酸化LDL標準品(自家調製品;Sawamura T, et al., Nature 1997;386(6620):73-77 及び Sato Y, et al., Atherosclerosis. 2008;200(2):303-309 に記載)あるいは20倍希釈した血清を、組換えヒトLOX−1(自家調製品;Sato Y, et al., Atherosclerosis. 2008;200(2):303-309 に記載)を固定化した384−ウェルプレートにアプライした(0.25μg/ウェル)。捕捉されたLABを、1次抗体たるチキン抗ApoBモノクローナル抗体(自家調製品;Sato Y, et al., Atherosclerosis. 2008;200(2):303-309 に記載)と2次抗体たるペルオキシダーゼ標識ロバ抗チキンIgY抗体(ケミコン社)の組み合わせで検出した。基質として、3,3'5,5'-tetramethylbenzidine(TMB溶液;バイオラッド・ラボラトリーズ社)を用いた。測定範囲は、酸化LDL標準品で62.5〜10000ng/mLとした。本測定の精度(CV)は、イントラアッセイで7.0%、インターアッセイで14.5%であった(n=10)。
(4)可溶性LOX−1(sLOX−1)の測定
2種の抗ヒトLOX−1モノクローナル抗体(固相抗体と1次抗体)を用いたELISAにて測定した。すなわち、40μLの組換えヒトLOX−1標準品(自家調製品;Li D, et al., Circulation. 2003 Feb 4;107(4):612-7に記載)あるいは4倍希釈した血清を、抗ヒトLOX−1モノクローナル抗体を固定化した384-ウェルプレートにアプライした(0.25μg/ウェル)。捕捉されたsLOX−1を、1次抗体たるチキン抗ヒトLOX−1抗体(自家調製品)と2次抗体たるペルオキシダーゼ標識ロバ抗チキンIgY抗体(ケミコン社)の組み合わせで検出した。基質として、3,3'5,5'-tetramethylbenzidine(TMB溶液;バイオラッド・ラボラトリーズ社)を用いた。測定範囲は、組換えヒトLOX−1標準品で15.6〜10000pg/mLとした。本測定の精度(CV)は、イントラアッセイで7.5%、インターアッセイで12.5%であった(n=10)。
(5)参加者のサーベイ
参加者における心筋梗塞と脳卒中に関して、以下のように追跡調査を行った。
第1ステップとして、2年毎の検診と1年毎のアンケート調査を行った。第2ステップとして、病院内の医療記録を精査した。
脳卒中の判断基準は、米国の脳卒中国内調査基準(U.S. National Survey of Stroke criteria; Stroke, 1981, 12(2 Pt 2 Suppl 1): I13-44)に従った。脳卒中のサブタイプである脳梗塞、脳内出血、およびクモ膜下出血の確定診断は、CT撮影、MRIあるいは剖検により行った。
心筋梗塞の判断基準は、WHOのMONICA(Monitoring Trends and Determinants of Cardiovascular Disease)プロジェクトの基準に従った。
臨床訪問またはアンケートで典型的な臨床症状があった場合は、医療記録がなくても心筋梗塞あるいは脳卒中と分類した(13.8%)。さらに、心筋梗塞あるいは脳卒中であって死に至ったケースを調べるために、死亡診断書を系統的に調査した。死亡診断書が確認されたが本サーベイランスシステムに登録されていなかったケースについては、心筋梗塞あるいは脳卒中に分類した。起源不明の急死(発病から24時間以内に生じたもの)は、心筋梗塞に分類した。
(6)統計分析
上記(3)及び(4)のELISAにて得られたLAB濃度とsLOX−1濃度の値を乗じて、LOXインデックスを計算した。四分位の範囲で、sLOX、LAB、及びLOXインデックスのカットオフ点を設定した。平均値の分散分析または比率のカイ二乗検定を行った。心筋梗塞と脳卒中に関し、sLOX、LAB、およびLOXインデックスについて、年齢調整(Age-adjusted)オッズ比(OR)、並びに、年齢、高血圧、糖尿病、脂質低下作用薬の使用、BMI、喫煙、および飲酒の各ファクターを調整した多変数調整(Multivariable-adjusted)オッズ比を、ロジスティック回帰分析によって計算した。性差をさらに調整した性結合分析(sex-combined analysis)も行った。信頼区間は95%とし、有意性はP値<0.05で判定した。全ての分析は、社会科学用統計パッケージ(リリースバージョン8.2;SASインスティテュート社)を用いて行った。
(7)ベースラインサーベイの結果
LABの平均値は、男性で516.1±17.1ng/mL、女性で782.3±23.7ng/mLであった。sLOX−1の平均値は、男性で1,060.1±8.6pg/mL、女性で797.8±0.2pg/mLであった。血清総コレステロール(TC)の平均値は、男性で181.5±1.3mg/dL、女性で224.5±2.0mg/dLであった。
第1表に、LABの四分位(Q1〜Q4)毎の各検査項目の平均値または有病率を示す。第2表に、sLOX−1の四分位(Q1〜Q4)毎の各検査項目の平均値または有病率を示す。すなわち、両性とも、LAB四分位にしたがって、TCの平均値に有意差があった。TCは、より高いLAB四分位においてより高い傾向にあった。これに対し、TCはsLOX−1四分位に関係していなかった。また、HDL−Cは、女性で、LABおよびsLOX−1のいずれでも、高い四分位においてより低い傾向を示した。喫煙率については、より高いsLOX−1四分位においてより高い傾向を示したが、LABとの関係はみられなかった。高血圧症有病率と糖尿病有病率については、有意差は認めらなかった。
Figure 2013257343
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(8)心血管障害とLAB、sLOX−1との関係
追跡調査において、採血時には異常はなかったが、後に心筋梗塞あるいは脳梗塞を発症したケースが103例あった。詳細には、28例の心筋梗塞と75例の脳卒中が確認され、これらは53例の脳梗塞を含んでいた。これら103例の血清について、詳細に解析した。
第3表に、LABで階層化された年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比を疾病ごとに示す。第4表に、sLOX−1で階層化された年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比を疾病ごとに示す。各表において、年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比の括弧書きは、オッズ比の範囲である。
第3表に示すように、男性と女性を組み合わせると、心血管障害のORは、LABの最上位四分位(Q4)において、有意に最も高かった。また、脳卒中、脳梗塞、および心筋梗塞のORも、LABの最上位四分位(Q4)において最も高く、脳梗塞では統計的有意差を示した。さらに、症例数が少ないために統計的有意差は確認できなかったが、心血管障害について、男女別でも同様の結果が得られた。
一方、第4表に示すように、sLOX−1についても最上位四分位(Q4)において、脳卒中、脳梗塞、および心筋梗塞のORが最も高かったが、統計的有意差は確認できなかった。
Figure 2013257343
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以上より、血中LABが、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害の将来の発症リスクを正確に反映していることが示された。すなわち、血中LABを指標とすることにより、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害の将来の発症リスクを正確かつ高感度に判定できることが示された。
(9)心血管障害とLOXインデックスとの関係
上記103例について、LOXインデックスを算出した。第5表に、LOXインデックスによって階層化された年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比を疾病ごとに示す。表5において、年齢調整オッズ比と多変数調整オッズ比の括弧書きは、オッズ比の範囲である。
まず、男性と女性を組み合わせた場合、LOXインデックスの最上位四分位(Q4)における心血管障害のオッズ比は2.1であり、最下位四分位(Q1)と比較して約2倍の発症率を示していた。特に、脳梗塞の多変数調整オッズ比は、最上位四分位(Q4)で3.4であった。また、統計的有意差を満たさなかったが、脳卒中と心筋梗塞のオッズ比は、LOXインデックスの最上位四分位(Q4)において最も高かった。
男女別にみても、LOXインデックスの最上位四分位(Q4)における脳卒中の発生率は、最上位四分位(Q4)における発生率より著しく高かった。
Figure 2013257343
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以上より、LOXインデックスが、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害の将来の発症リスクを極めて正確に反映していることが示された。すなわち、LOXインデックスを指標とすることにより、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞等の心血管障害の将来の発症リスクを極めて正確かつ高感度に判定できることが示された。

Claims (6)

  1. 被験者から採取した体液におけるLAB濃度を指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価することを特徴とする心血管障害発症リスクの評価方法。
  2. 被験者から採取した体液におけるLAB濃度と可溶性LOX−1濃度との積で表されるLOXインデックスを指標として、前記被験者における心血管障害の将来の発症リスクを評価することを特徴とする心血管障害発症リスクの評価方法。
  3. 体液は、血液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の心血管障害発症リスクの評価方法。
  4. 心血管障害は、脳卒中、脳梗塞、又は心筋梗塞であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の心血管障害発症リスクの評価方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の心血管障害発症リスクの評価方法に用いるためのキットであって、LABに対する抗体を含むことを特徴とする心血管障害発症リスクの評価用キット。
  6. 可溶性LOX−1に対する抗体をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の心血管障害発症リスクの評価用キット。
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