JP2013257326A - 圧縮試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の生理学的状態を満たす圧縮試験機を提供する。
【解決手段】圧縮試験装置が、受け入れユニット3、及び受け入れユニット3に対して移動可能な押圧ユニット4を含む。受け入れユニット3は、外側ハウジング、外側ハウジング内に取り外し可能に挿入されるスリーブ、及び液体供給機構を含む。液体供給機構は、培地を強制的に外側ハウジング及びスリーブに流すように動作可能である。試料ユニットBが外側ハウジング内に取り外し可能に配置される。液体供給機構の設計によって、試料ユニットBに対して圧縮試験を行うことができ、細胞を試料ユニットB上で培養することができる。このように、試料ユニットBと細胞との間の関係及び変化を、実生活をシミュレートする状況で観察することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、試験装置に関し、より詳細には、医学研究に適用可能な圧縮試験装置に関する。
[関連出願の相互参照]
本願は、2012年6月13日に出願された台湾出願第101121013号に対する優先権を主張する。
ヒトの骨への人工インプラントの使用は、人工インプラント手術又はヒトの骨を相互に連結する手術において一般的に見られる。人工インプラント手術の場合、人工インプラントは歯根として用いられ、骨に埋め込まれる。人工インプラントは、骨に埋め込まれた後で、強い咀嚼力に耐えることが可能でなければならない。その結果、人工インプラントの質を確実にするためにインプラントに圧縮試験及び疲労試験が必要となる。
歯科の動物実験研究では(例えば非特許文献1を参照のこと)、動物実験のために人工インプラントが動物の骨に埋め込まれ、人工インプラントが埋め込まれた動物の骨の一部が、その細胞接着及び生体適合性を観察するために切り取られる。しかし、上記の実験では、力、時間及び頻度を制御することができない。すなわち、この試験は、実生活をシミュレートする状況では行うことができない。
図1を参照すると、従来の試験装置1を用いて人工インプラントを試験し、従来の試験装置1はベース11及び押圧部材12を含む。ベース11は受け部111を有する。支持部材112(例えばエポキシ樹脂から作られる)が、受け部111に取り外し可能に挿入される。人工インプラント113が支持部材112に固定されており、ベース11から外方へ延びている。押圧部材12は、種々の試験を行うために人工インプラント113を突くように移動可能である。
更に図2を参照すると、試験装置1は、培地を収容する箱100に浸漬することができる。しかし、大量の培地が必要である。このことによって培養汚染のリスクが高まり、試験装置1の特定の部分を培地に浸漬することができないため、実生活をシミュレートする環境を達成することができない。
バイオマテリアルの場合、キトサン等のバイオマテリアルの研究では、試験機によって室温でバイオマテリアルの動的試験が行われる。試験後、バイオマテリアルは、細胞接着及び生体適合性の実験を行うために培養皿に入れられて細胞とともに培養される。そのような研究は、例えば非特許文献2に開示されている。この研究では、ポリウレタンから作られるバイオマテリアルが動的試験に付され、後に、細胞を収容する培養皿に入れられて培養される。
バイオマテリアル又は人工インプラントの種々の試験結果を上記の試験から得ることができるが、人工インプラントをヒトの骨に埋め込む場合、人工インプラントは歯肉細胞と接触する。すなわち、実際の生理学的状態では、人工インプラント及び生物活性組織の双方が圧縮されるため、生物活性組織の反応が生じる。その結果、上記の試験では実際の生理学的状態をシミュレートすることができない。
矯正学の例では、例えば、非特許文献3、及び単に生物活性組織をキャビティに入れて圧縮するという研究である非特許文献4が開示されている。圧縮試験のためにバイオマテリアル又は人工インプラントに生物活性組織を埋め込むことはこの文献には見られない。
図3を参照すると、骨切片14が試験される。骨切片14は、骨部分141及び骨髄部分142を含み、細胞の生物活性を維持するために培地に浸漬される。しかし、試験中に、骨切片14はステンレス鋼から作られる中実の圧縮装置15内にクランプされるため、培地の栄養が骨切片14の上面及び底面143に届くことができない。歯科インプラント16が骨切片14の側面に埋め込まれる場合、圧縮装置15が歯科インプラント16に対して圧縮試験を行うことは不可能である。さらに、歯科インプラント16と骨部分141及び骨髄部分142の細胞との間の細胞接着及び生体適合性を試験する研究を、圧縮装置15によっては行うことができない。図4を参照すると、骨切片14を含浸させるために、2つの多孔質のバイオマテリアル17を骨切片14の上側及び下側にそれぞれ配置して培地が上面及び底面143に届くようにすることが可能であるが、横方向に延びる歯科インプラント16に対して試験を行うことは依然として不可能である。さらに、培地は循環するように流れることができず、これは実際の生理学的状態を満たしていない。
Sato R, et al., Clin Oral Implants Res. 2011, 12, 1372-1378 Liu C, et al., Biomaterials, 2012, 33, 1052-1064 Miyamoto K, et al., Spine J. 2006, 6, 692-703 Hartman RA, et al., J Biomech. 2012, 45, 382-385
本発明の目的は、従来技術に関連する上述の欠点を克服することができる圧縮試験装置を提供することである。
本発明によると、圧縮試験装置は、受け入れユニット、及び受け入れユニットに対して移動可能な押圧ユニットを含む。受け入れユニットは、外側ハウジング、外側ハウジング内に取り外し可能に挿入されるスリーブ、及び液体供給機構を含む。液体供給機構は、培地を強制的に外側ハウジング及びスリーブに流すように動作可能である。試料ユニットが外側ハウジング内に取り外し可能に配置される。液体供給機構の設計によって、試料ユニットに対して圧縮試験を行うことができ、細胞を試料ユニット上で培養することができる。このように、試料ユニットと細胞との間の関係及び変化を、実生活をシミュレートする状況で観察することができる。
本発明のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明において明らかとなるであろう。
従来の試験装置の斜視図である。 従来の試験装置が培地を収容する箱内に配置されていることを示す斜視図である。 骨切片の試験を示す概略図である。 骨切片の試験を示す概略図である。 本発明による圧縮試験装置の第1の好ましい実施形態の概略図である。 第1の好ましい実施形態の分解斜視図である。 第1の好ましい実施形態の断面図である。 第1の好ましい実施形態が循環装置とともに使用可能であることを示す概略図である。 第1の好ましい実施形態の受け入れユニットに対する変更を示す図である。 本発明による圧縮試験装置の第2の好ましい実施形態の概略図である。 第2の好ましい実施形態の切欠き斜視図である。 第2の好ましい実施形態が循環装置とともに使用可能であることを示す概略図である。 第2の好ましい実施形態の試料ユニットの異なる構造を示す断面図である。 第2の好ましい実施形態の試料ユニットの異なる構造を示す断面図である。 第2の好ましい実施形態の試料ユニットの異なる構造を示す断面図である。 第2の好ましい実施形態の試料ユニットの異なる構造を示す断面図である。 本発明による圧縮試験装置の第3の好ましい実施形態の分解斜視図である。 第3の好ましい実施形態の断面図である。 第3の好ましい実施形態の切欠き斜視図である。 第3の好ましい実施形態の押圧ユニットの斜視図である。 第3の好ましい実施形態の押圧ユニットの断面図である。
本発明を好ましい実施形態と関連してより詳細に説明する前に、同様の要素及び構造は開示全体を通して同様の参照符号によって示されることに留意されたい。
図5を参照すると、本発明による圧縮試験装置の第1の好ましい実施形態が、試料ユニット(B)を試験するために試験システム2に取り外し可能に配置されている。試験システム2は、被駆動端21、及び被駆動端21の正面に配置されるとともに被駆動端21に対して移動するように動作可能である駆動端22を含む。圧縮試験装置は、試験システム2の被駆動端21に配置される受け入れユニット3、及び試験システム2の駆動端22に取り付けられる押圧ユニット4を含み、それによって、試験システム2の駆動端22は受け入れユニット3に対して移動するように動作可能である。押圧ユニット4は、押圧部材41、及び当該押圧部材41に接続されているとともに試験システム2の駆動端22に取り外し可能に配置されている前方の位置決め部材42を含む。試験システム2は本発明には関連しないため、その詳細な構造は説明しない。
図6及び図7を更に参照すると、受け入れユニット3は、外側ハウジング5、外側ハウジング5内に取り外し可能に挿入されるスリーブ6、培地を強制的に外側ハウジング5及びスリーブ6に流す液体供給機構7、外側ハウジング5の端に取り外し可能に配置されるとともに外側ハウジング5の端を封止するシールキャップ8、並びにシールキャップ8とスリーブ6との間にクランプされるシールガスケット9を含む。
外側ハウジング5は、スリーブ受け入れスペース511を画定しているハウジング本体51、及び試験システム2の被駆動端21に取り付けられる後方位置決め部材52を含む。スリーブ6は、スリーブ受け入れスペース511内に取り外し可能に挿入される。外側ハウジング5には、内部に複数の貫通孔512が形成されている(図7を参照のこと)ため、スリーブ6をスリーブ受け入れスペース511から取り出すことができる。押圧部材41はハウジング本体51に対して接離するように移動可能である。
スリーブ6は、収容スペース610を画定しているスリーブ本体61、及びスリーブ本体61から延びているとともに、スリーブ6を外側ハウジング5に対して位置決めするように外側ハウジング5の貫通孔512内にそれぞれ挿入される複数の位置決めスタブ62を含む。この実施形態では、貫通孔512又は位置決めスタブ62の数は2つであるため、スリーブ6をスリーブ受け入れスペース511から簡便かつ容易に取り出すことができる。しかし、貫通孔512及び位置決めスタブ62の数は変えてもよい。スリーブ受け入れスペース511及びスリーブ本体61のそれぞれの断面は円形に限定されない。
スリーブ本体61は、水平方向に沿って取り外し可能に相互接続されているとともに相互に係合する表面を有する左側半体63及び右側半体64を有する。左側半体63及び右側半体64の相互に係合する表面は、互いに相補的である凹凸状の構造として構成されている。左側半体63及び右側半体64のそれぞれは、その上端に凹面631、641を有する。左側半体63及び右側半体64の凹面631、641は、左側半体63及び右側半体64を互いから離すように押すためにユーザーの指が凹面631、641と接触することを可能にするように互いに面している。代替的には、スリーブ6は一体部品として形成してもよい。
シールキャップ8は、内部に軸方向に形成される第1の孔81を有する。シールガスケット9は、スリーブ6の収容スペース610の端内に密栓される中央突起91を有し、中央突起91内を延びるとともにシールキャップ8の第1の孔81と位置合わせされる第2の孔92を有し、それによって、試料ユニット(B)の一部が第1の孔81及び第2の孔92、並びに内部に軸方向に形成されるとともに中央突起91から離間している第3の孔93を通るようにする。シールガスケット9は、シールキャップ8と協働し、それらの間に流れスペース90を画定する。この実施形態では、収容スペース610及び中央突起91は円筒形である。
液体供給機構7は、ハウジング本体51の壁を通して径方向に形成される複数の開口71、スリーブ本体61を通して径方向に形成されるとともに開口71それぞれと連通する複数の第1の通路72、スリーブ本体61の軸方向に対して傾く方向に沿って延びる第2の通路73、及び外側ハウジング5の開口71を通ってそれぞれ延びる複数の接続チューブ74を含む。この実施形態では、第1の通路72、第2の通路73及び収容スペース610のそれぞれは、洗浄の便宜上、左側半体63と右側半体64との間に画定され、位置決めスタブ62は左側半体63に形成される。
この実施形態では、開口71の数は6つである。4つの開口71が外側ハウジング51の上端部に形成され、残りの開口71がハウジング本体51の下端部に形成される。代替的には、開口71は、ハウジング本体51の左側部分及び右側部分に形成してもよい。この実施形態では、第1の通路72の数は3つである。説明の便宜上、6つの開口71はそれぞれ71a、71b、71c、71d、71e及び71fとして示され、3つの第1の通路72はそれぞれ72a、72b及び72cとして示される。この実施形態では、第2の通路73は、第3の孔93及び第1の通路72cと流体連通している。開口71の数及び位置は、スリーブ6の構造に従って変えてもよい。
試料ユニット(B)は、収容スペース610内に取り外し可能に配置される。この実施形態では、試料ユニット(B)は、支持部材(B1)、及び支持部材(B1)内に取り外し可能に挿入される人工インプラント(B2)を含む。
図5及び図7を特に参照すると、圧縮試験装置を用いて人工インプラント(B2)を圧縮する。支持部材(B1)がエポキシ樹脂又はバイオマテリアルから作られる場合、所定の環境における人工インプラント(B2)の疲労寿命、並びに人工インプラント(B2)及び支持部材(B1)の接続強度の双方を試験するために、人工インプラントに対して疲労試験を行うことができる。そのような試験では、接続チューブ74は用いられず、液体供給機構7から省いてもよい。
図7及び図8を特に参照すると、支持部材(B1)が生体組織又は多孔質のバイオマテリアルから作られ、細胞がバイオマテリアルの細孔内で培養される場合、圧縮試験装置は循環装置(A)と協働する必要がある。バイオマテリアルは、化学組成に従って、セラミック、金属、ポリマー及び複合材料である材料に分類される。バイオマテリアルは、骨の有機物の反応に従って、生体許容性材料、生体不活性材料、生体活性材料及び生体再吸収性材料に分類される。
図8を特に参照すると、循環装置(A)は、液体回収容器(A1)、液体回収容器(A1)と流体連通しているポンプ(A2)、ポンプ(A2)及びハウジング本体51の開口71と流体連通している液体給送チューブ(A3)、並びにポンプ(A2)及びハウジング本体51の開口71と流体連通している液体排出チューブ(A4)を含む。液体給送チューブ(A3)及び液体排出チューブ(A4)は蠕動チューブである。蠕動チューブの構造及び動作は当該技術分野において既知であるため、その更なる説明は記載しない。液体給送チューブ(A3)及び液体排出チューブ(A4)は、接続チューブ74を介して開口71と流体連通しており、開口71の数及び形状に従って設計しなければならない。
図7及び図8を特に参照すると、ポンプ(A2)の動作中に、培地が液体回収容器(A1)から液体給送チューブ(A3)を通して開口71内へ送られ、第1の通路72を通して収容スペース610内に流れ込む。この実施形態では、液体給送チューブ(A3)は第1の通路72a、72bと流体連通しており、培地が収容スペース610内に均質かつ迅速に流れ込むことを可能にする。培地は支持部材(B1)内でゆっくりと流れ、生体組織又はバイオマテリアルの細孔内の細胞に十分な栄養を与える。余剰の培地は、ポンプ(A2)の動作によって、第2の孔92を通って流れスペース90内に、次に、第3の孔93、第2の通路73、第1の通路72c及び液体排出チューブ(A4)を含む第1の経路を通って液体回収容器(A1)内に流れ込む。
図7を特に参照すると、接続チューブ74の下端が、ハウジング本体51とスリーブ本体61との間のスペース内への培地の流れを防止するように対応する第1の通路72内に延びている。図6を特に参照すると、シールガスケット9はOリングではなく、左側半体63と右側半体64とシールキャップ8との間に液密なシールを確立するようにより大きい面積を有する。
ねじ(図示せず)が、培地が外側ハウジング5内に給送される前に第1の通路72c及び開口71fを封止するように第1の通路72c及び開口71fに螺入され、その後、支持部材(B1)が十分な時間培地に浸漬された後で第1の通路72c及び開口71fから取り外される。ねじの取り外し時に、対応する接続チューブ74が開口71fに挿入される。2つの位置決めスタブ62の設計に起因して、圧縮試験又は疲労試験中のハウジング本体51に対するスリーブ6の回転を防止することができる。位置決めスタブ62を単に押すことによって、スリーブ6を収容スペース511から取り出すことができる。
圧縮試験装置は、実生活をシミュレートする状況において研究を行うために細胞培養箱(図示せず)に入れることができることに留意されたい。又は、圧縮試験装置は室温環境に置かれる。この場合、受け入れユニット3に、図には示されていないサーモスタット及び二酸化炭素分離装置を取り付ける必要がある。受け入れユニット3は、試験システム2の被駆動端21と駆動端22との間に、図5に示されているような水平方向で、図9に示されているような水平線(図示せず)に対して30度の角度を形成する方向に、又は垂直方向に配置することができる。
上記の設計を通して、支持部材(B1)がエポキシ樹脂、又は骨セメント若しくは骨粉等の人工インプラント(B2)を固定することが可能な他の材料から作られる場合、人工インプラント(B2)及び支持部材(B1)のアセンブリに対して疲労試験を行うことができる。支持部材(B1)がバイオマテリアルから作られる場合、圧縮試験装置を用いて人工インプラント(B2)とバイオマテリアルとの間の細胞接着及び生体適合性を試験することができる。支持部材(B1)が液体供給機構7及び循環装置(A)を用いることによって細胞とともに培養される生体組織又はバイオマテリアルから作られる場合、生体組織又は細胞の生存を維持することができ、生体組織又は細胞のバイオマテリアルに対する細胞接着及び生体適合性を実現することができる。すなわち、実生活をシミュレートする研究設備が実現される。
図10及び図11は、第1の好ましい実施形態と同様の構成である、本発明による圧縮試験装置の第2の好ましい実施形態を示している。第1の好ましい実施形態とは異なり、スリーブ本体61は、上側半体65、垂直方向に沿って上側半体65に取り外し可能に接続される下側半体66、上側半体65及び下側半体66の後端に取り外し可能に接続されるベース部分60、並びにベース部分60と上側半体65との間、及びベース部分60と下側半体66との間にクランプされる垂直シールガスケット69を有する。上側半体65及び下側半体66は、互いに対して相補的である凹凸構造として構成される相互に係合する表面を有する。上側半体65及び下側半体66のそれぞれは、凹面651、661を有する。上側半体65及び下側半体66の凹面651、661は、上側半体65及び下側半体66を互いから離すように押すためにユーザーの指が凹面651、661と接触することを可能にするように互いに面している。この実施形態では、第1の通路72の数は6つである。第1の通路72のうちの4つは上側半体65に形成され、残りの第1の通路72は下側半体66に形成される。第2の通路73は下側半体66に形成される。ベース部分60は、底壁601、及び試料ユニット(B)を収容スペース610内に位置決めするために底壁601から収容スペース610内に延びる環状フランジ602を有する。位置決めスタブ62はベース部分60に形成される。この実施形態では、シールガスケット9の中央突起91及び収容スペース610の断面は矩形である。代替的には、収容スペース610及び収容スペース610の断面は、図6に示されているような円筒形、又は他の形状であってもよい。又は、ベース部分60は、上側半体65及び下側半体66とともに形成してもよく、そのためシールガスケット69を省いてもよい。
図10を特に参照すると、この実施形態では、試料ユニット(B)は、生体組織から得られる生物活性組織セクション(B3)、セグメント(B3)の上側及び下側にそれぞれ配置される2つの補助的な材料(B4)及び人工インプラント(B2)を含む。補助的な材料(B4)のそれぞれは、培地を内部に受け入れることが可能な細孔を有する多孔質のバイオマテリアルとして構成される。代替的には、補助的な材料(B4)のそれぞれに損傷補修因子を加えてもよく、又は補助的な材料(B4)のそれぞれは生体組織の別の組織セクションとして構成される。組織セクション(B3)は、切り取られて平坦な上面及び底面(B31)を形成する、不規則形状を有する骨から採取することができることに留意されたい。補助的な材料(B4)は上面及び底面(B31)をそれぞれ全体的に覆い、上面及び底面(B31)と密接する。この実施形態では、補助的な材料(B4)のそれぞれの面積は、上面及び底面(B31)の対応する面積よりも大きい。代替的には、補助的な材料(B4)のそれぞれの面積は、上面及び底面(B31)の対応する面積に相当する外径を有していてもよい。
図10及び図11を特に参照すると、組み立て中に、組織セクション(B3)に最初に穴をあけて孔(B32)を形成する。次に、人工インプラント(B2)を孔(B32)に入れ、上側半体65と下側半体66との間にクランプし、続いて、人工インプラント(B2)と上側半体65及び下側半体66のアセンブリとの間に位置するスペースが骨セメント又はプラスチック材料で充填されるまで、骨セメント又はプラスチック材料をシリンジ(C)から開口71dを通して収容スペース610内に注入し、組織セクション(B3)を収容スペース610内に固定する。骨セメント又はプラスチック材料を注入するプロセス中に、ボルト(図示せず)を用いて開口71f及び第1の通路72fを閉じ、骨セメント又はプラスチック材料が流出することを防止し、ボルトは、骨セメント又はプラスチック材料が固化した後で取り外される。補助的な材料(B4)は、骨セメント又はプラスチック材料が組織セクション(B3)の上面及び底面(B31)内に浸透することを防止することができる。
組織セクション(B3)を圧縮試験装置に組み付けた後で、人工インプラント(B2)に対して圧縮試験を行うことができる。圧縮試験中に、組織セクション(B3)の生物活性を維持するために循環装置(A)によって培地も提供される。培地は、培地の循環を可能にするように、開口71a、71b及び71cの1つ又は2つを通して選択的に給送され、上側の補助的な材料(B4)、組織セクション(B3)及び第1の通路72eを含む流路、並びに下側半体66の開口71eを通って液体排出チューブ(A4)内に流れ込むことができる。開口71a、71b及び71cは、培地が全く導入されないことに起因して、減圧に用いることができる。これによって培地のスムーズな流れが容易になる。
上側半体65及び下側半体66は、ベース部分60に取り外し可能に組み付けられるため、実際の使用時には、更に図13を参照して、スリーブ6は外側ハウジング5内に配置されるベース部分60のみを含むことができることに留意されたい。この場合、試料ユニット(B)は以下の構造のいずれかであるものとすることができる:
(a)図13に示されているように、支持部材(B1)は環状フランジ602によって位置決めされ、細胞が培養される多孔質のバイオマテリアルから作られる。補助的な材料(B3)は別のバイオマテリアルから作られ、支持部材(B1)を囲み、試験に必要な薬剤を添加することができる;
(b)同様に図13に示されているように、支持部材(B1)は環状フランジ602によって位置決めされ、表面処理に付されるセラミック又は金属系バイオマテリアルから作られる。補助的な材料(B3)は別のバイオマテリアルから作られ、支持部材(B1)を囲み、試験に必要な薬剤を添加することができる細胞とともに培養される;
(c)図14に示されているように、支持部材(B1)は環状フランジ602によって位置決めされ、細胞とともに培養される多孔質のバイオマテリアルから作られる。人工インプラント(B2)は支持部材(B1)に固定される。補助的な材料(B3)は別のバイオマテリアルから作られ、支持部材(B1)を囲み、試験に必要な薬剤を添加することができる;
(d)図15に示されているように、支持部材(B1)はスリーブ受け入れスペース511を充填し、細胞とともに培養される多孔質のバイオマテリアルから作られる;
(e)図16に示されているように、支持部材(B1)はスリーブ受け入れスペース511を充填し、細胞とともに培養される多孔質のバイオマテリアルから作られる。人工インプラント(B2)は支持部材(B1)に固定される。
多孔質の材料は発泡ポリウレタン又はメッシュ状構造であるものとすることができる。試料ユニット(B)が構造(a)又は(d)を有する場合、支持部材(B1)に対して圧縮試験及び疲労試験を行うことができる。試料ユニット(B)が構造(d)又は(e)を有する場合、人工インプラント(B2)に対して圧縮試験及び疲労試験を行うことができる。試料ユニット(B)が構造(b)を有し、シールキャップ8が取り外される場合、支持部材(B1)及び補助的な材料(B3)に対して圧縮試験及び疲労試験を行うことができる。上記の試験を通して、支持部材(B1)をなすバイオマテリアルの特徴、並びに細胞接着及び生体適合性を観察することができる。試料ユニット(B)が構造(a)、(b)又は(c)を有する場合、補助的な材料(B3)内に配置された薬剤の支持部材(B1)に対する効果を観察することができる。当然ながら、上記の試験を可能にするには循環装置(A)(図12を参照のこと)が必要である。
補助的な材料(B3)は細孔を有するため、培地は支持部材(B1)に達することができ、細孔は、支持部材(B1)が圧縮されると支持部材(B1)の変形を可能にするスペースを形成することに留意されたい。
上記の設計によって、異なる構造の試料ユニット(B)に対して圧縮試験又は疲労試験を行うことができ、人工インプラント(B2)と組織セクション(B3)との間の関係(例えば骨密度及び骨修復)を研究することができる。加えて、異なる構造の試料ユニット(B)を選択することによって、細胞接着及び生体適合性の研究を達成することができる。さらに、この実施形態を用いて、第1の好ましい実施形態と同様に支持部材(B1)及び人工インプラントを試験し、それによって適用可能な範囲を広げることができる。
図17、図18及び図19は、第1の好ましい実施形態と同様の構成である、本発明による圧縮試験装置の第3の好ましい実施形態を示している。第1の好ましい実施形態とは異なり、スリーブ本体61は、前方リング部分67、及び前方リング部分67の後ろに配置されているとともに前方リング部分67に取り外し可能に接続されている後方リング部分68を有する。前方リング部分67及び後方リング部分68は、培地が前方リング部分67と後方リング部分68との間の隙間を通ってスリーブ本体61から流れることを防止するように、凹凸構造として構成されるとともに互いに対して相補的である相互に係合する表面を有する。第1の通路80が前方リング部分67及び後方リング部分68に形成される。
図18及び図19を特に参照すると、後方リング部分68は、周囲壁681、後端壁682、及び後端壁682から収容スペース610内に延びる環状フランジ683を有する。位置決めスタブ62は後端壁682に形成されて後端壁682の後ろに配置されている。前方リング部分67は、周囲壁671、周囲壁671から径方向及び内方に延びる複数の突起672(1つのみを図19に示す)、及び突起672に一体的に接続されているとともに周囲壁671から離間している内側リング673を有し、任意の2つの隣接する突起672が周囲壁671及び内側リング673と協働して間に液体通過可能スペース674を画定するようにする。試料ユニット(B)は内側リング673を通って延びる。この実施形態では、シールガスケット9は、前方リング部分67と後方リング部分68との間に配置されていないため、Oリングとして構成することができる。代替的には、スリーブ6は一体部品であってもよい。
図17及び図18を特に参照すると、試料ユニット(B)が支持部材(B1)のみを含む状況では、支持部材(B1)はバイオマテリアルから作られ、圧縮試験及び疲労試験に付すことができる。押圧ユニット4の押圧部材41が図20に示されており、シールキャップ8の孔81を通して支持部材(B1)を突くように移動可能である。押圧部材41は、図21に示されるように前方の位置決め部材42に接続固定することができる。このように、押圧部材41は交換可能である。
図18及び図20を特に参照すると、圧縮試験中に、バイオマテリアルの圧縮特徴を試験するために、押圧部材41によって支持部材(B1)に対して衝撃が加えられて支持部材(B1)を圧縮する。疲労試験中には、支持部材(B1)の疲労寿命を観察するために所定の力が加えられて支持部材(B1)を選択回数圧縮する。圧縮試験及び疲労試験によって、支持部材(B1)をなすバイオマテリアルの材料特徴を実現することができる。支持部材(B1)が生物活性組織であるか又は細胞とともに培養される多孔質のバイオマテリアルから作られる場合、上記の試験を同様に試験するには、細胞間の関係を実現するために循環装置(A)(図12を参照のこと)が必要である。内側リング673と突起672との協働によって、培地は液体通過可能スペース674をスムーズに流れることができる(図19を参照のこと)。
図18及び図19を特に参照すると、環状スペースが支持部材(B1)と周囲壁671、681との間に残されている。したがって、試験中の支持部材(B1)の移動を防止するように、支持部材(B1)を内側リング673及び環状フランジ683によって収容スペース610内に固定することができる。さらに、環状スペースは、支持部材(B1)が圧縮されたときに変形することを可能にする。
上記の設計によって、この実施形態は、第1の好ましい実施形態と同じ効果を達成することができ、支持部材(B1)に対して圧縮試験及び疲労試験を行うように動作可能である。さらに、支持部材(B1)が細胞とともに培養される状況では、細胞と支持部材(B1)との間の細胞接着及び生体適合性を観察するために試験を行い、それによって適用可能な範囲を広げることができる。
上記を考慮すると、液体供給機構7の動作によって、培地を外側ハウジング5及びスリーブ6内で循環させることができ、また、実生活をシミュレートする状況で支持部材(B1)を試験することを可能にし、かつ必要な培地を低減することによって培養汚染を低下させることができるように、圧縮試験装置を用いて、バイオマテリアル又は生物活性組織から作られる支持部材(B1)、及び人工インプラントと支持部材(B1)との間の相互作用を試験することができる。
本発明をこのように説明したが、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく多くの変更及び変形を加えることができることが明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の記載のみによって限定されることが意図される。

Claims (9)

  1. 試料ユニットを試験する試験システムに取り付けられるように構成されている圧縮試験装置であって、前記試験システムは、被駆動端、及び該被駆動端の正面に配置されるとともに該被駆動端に対して移動するように動作可能な駆動端を含み、該圧縮試験装置は:
    前記試験システムの前記被駆動端に配置されるように構成されているとともに、外側ハウジング、該外側ハウジング内に取り外し可能に挿入されるスリーブ、並びに、培地を強制的に前記外側ハウジング及び前記スリーブに流すように構成されている液体供給機構を含む受け入れユニットであって、前記外側ハウジングは前記試料ユニットを取り外し可能に受け入れるように構成されている、受け入れユニット、並びに
    押圧ユニットであって、前記試験システムの前記駆動端が該押圧ユニットを前記受け入れユニットに対して移動させるよう動作可能であるように、前記試験システムの前記駆動端に取り付けられるように構成されている、押圧ユニット
    を備える、圧縮試験装置。
  2. 前記外側ハウジングは、内部にスリーブ受け入れスペースを画定するハウジング本体、及び前記試験システムの前記被駆動端に取り付けられるように構成されている後方位置決め部材を含み;
    前記押圧ユニットは、押圧部材、及び該押圧部材が前記外側ハウジングに対して接離するよう移動可能であるように、前記押圧部材に接続されているとともに前記試験システムの前記駆動端に取り外し可能に配置されるように構成されている前方位置決め部材を含む、請求項1に記載の圧縮試験装置。
  3. 前記外側ハウジングは内部に形成される複数の貫通孔を更に含み;
    前記スリーブは、前記試料ユニットを受け入れるように構成されている収容スペースを画定するスリーブ本体、及び該スリーブ本体から延びるとともに該スリーブを前記外側ハウジングに対して位置決めするように前記外側ハウジングの前記貫通孔内にそれぞれ挿入される複数の位置決めスタブを含む、請求項2に記載の圧縮試験装置。
  4. 前記受け入れユニットは、前記外側ハウジング内に取り外し可能に配置されるとともに前記外側ハウジングの端を封止するシールキャップ、及び該シールキャップの端と前記スリーブとの間にクランプされるシールガスケットを含み、前記シールキャップは、内部に軸方向に形成される第1の孔を有し、前記シールガスケットは、前記スリーブの前記収容スペースの端内に密栓される中心突起を有し、また、前記中心突起を通って延びるとともに前記シールキャップの前記第1の孔と位置合わせされる第2の孔であって、前記試料ユニットの一部が前記第1の孔及び該第2の孔を通って延びるようにする、第2の孔、並びに、内部に軸方向に形成されるとともに前記中心突起から離間する第3の孔を有し、前記シールキャップは前記シールガスケットと協働して間に流れスペースを画定し;
    前記液体供給機構は、前記外側ハウジングの壁を通して径方向に形成される複数の開口、前記スリーブ本体を通して径方向に形成されるとともに前記開口とそれぞれ流体連通する複数の第1の通路、及び前記スリーブ本体の軸方向に対して傾く方向に沿って延びるとともに前記第3の孔及び前記第1の通路のうちの1つと流体連通する第2の通路を含む、請求項3に記載の圧縮試験装置。
  5. 前記スリーブ本体は、水平方向に沿って取り外し可能に相互接続されているとともに相互に係合する表面を有する左側半体及び右側半体を有し、前記相互に係合する表面は、互いに相補的である凹凸の構造として構成されており、前記第1の通路、前記第2の通路及び前記収容スペースのそれぞれは前記左側半体と前記右側半体との間に画定され、前記位置決めスタブは前記左側半体に形成され、前記左側半体及び前記右側半体のそれぞれは、それらの上端に凹面を有し、前記左側半体及び前記右側半体の前記凹面は、該左側半体及び該右側半体を互いから離すように押すためにユーザーの指が前記凹面と接触することを可能にするように互いに面している、請求項4に記載の圧縮試験装置。
  6. 前記スリーブ本体は、上側半体、垂直方向に沿って該上側半体に取り外し可能に接続される下側半体、前記上側半体の端及び前記下側半体の端に取り外し可能に接続されるベース部分、並びに、該ベース部分と前記上側半体との間、及び該ベース部分と前記下側半体との間にクランプされる垂直シールガスケットを有し、前記上側半体及び前記下側半体は相互に係合する表面を有し、該相互に係合する表面は、互いに相補的である凹凸の構造として構成されており、前記第1の通路は前記上側半体及び前記下側半体に形成され、前記第2の通路は前記下側半体に形成され、前記ベース部分は、底壁、及び該底壁から前記収容スペース内に延びるとともに前記試料ユニットを前記収容スペース内に位置決めするように構成されている環状フランジを有し、前記位置決めスタブは前記ベース部分に形成され、前記上側半体及び前記下側半体のそれぞれは凹面をし、該上側半体及び該下側半体の該凹面は、該上側半体及び該下側半体を互いから離すように押すためにユーザーの指が該凹面と接触することを可能にするように互いに面している、請求項4に記載の圧縮試験装置。
  7. 前記スリーブ本体は、前方リング部分、及び該前方リング部分の後ろに配置されるとともに該前方リング部分に取り外し可能に接続される後方リング部分を有し、該前方リング部分及び該後方リング部分は相互に係合する表面を有し、該相互に係合する表面は、互いに相補的である凹凸の構造として構成されており、前記後方リング部分は、周囲壁、後端壁、及び該後端壁から前記収容スペース内に延びるとともに前記試料ユニットを該収容スペース内に位置決めするように構成されている環状フランジを有し、前記第1の通路は前記前方リング部分及び前記後方リング部分に形成され、前記位置決めスタブは前記後端壁に形成されるとともに該後端壁の後ろに配置され、前記前方リング部分は、周囲壁、前記後方リング部分の前記周囲壁から径方向及び内方に延びる複数の突起、及び該突起に一体的に接続されているとともに前記前方リング部分の前記周囲壁から離間している内側リングを有し、前記突起のうちの任意の2つの隣接する突起が前記前方リング部分の前記周囲壁及び前記内側リングと協働して間に液体通過可能スペースを画定するようにし、前記内側リングは前記試料ユニットが内部に延びることを可能にするように構成されている、請求項3に記載の圧縮試験装置。
  8. 前記スリーブ本体はベース部分を有し、該ベース部分は底壁、及び該底壁から前方に延びるとともに前記試料ユニットを前記外側ハウジングに対して位置決めするように構成されている環状フランジを有し、前記位置決めスタブは前記底壁に形成される、請求項3に記載の圧縮試験装置。
  9. 前記液体供給機構は、前記外側ハウジングの前記開口をそれぞれ通って延びる複数の接続チューブを更に含む、請求項3に記載の圧縮試験装置。
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