JP2013257300A - フロート式液面計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】滑車5から繰り出されるワイヤ8で吊されたフロート9を液面55に浮かべ、滑車5と一体に回転する回転軸61に指針25が取り付けられており、液位の変動に伴ってフロート9の高さが変動し、滑車5と共に回転軸61が回転して指針25が移動するフロート式液面計1において、回転軸61における、滑車5を固定した測定側部位3と、指針25を固定した表示側部位4とを、分割可能に結合する。
【選択図】図3
Description
また、滑車の回転軸にはホイールが固定されている。このホイールには指針を固定した別のワイヤが取り付けられている。そして液位が変化し、液面と共にフロートが上下に移動して滑車が回転すると、ホイールも回転して指針が直線移動する。そして指針は、表示板上の目盛を指し示す。
このように特許文献1に開示されたフロート式液面計は構造が簡素であり、設置するのに手間が掛からないという利点を有する。
また、回転軸が分割可能であるにも関わらず、回転軸における、回転体側の部位から、指針側の部位へ確実に回転動力を伝達することができる。
そしてフロート式液面計の、回転体側と指針側とを個々にメンテナンスすることができる。よって、フロート式液面計の全体を解体せずに、メンテナンス対象部位のみを解体してメンテナンスすることができる。そのため、メンテナンス作業が容易となり、作業効率が向上する。
本発明のフロート式液面計における第1線材としては、ワイヤ,紐,ロープ等の縒線や、単線を採用することができる。
また、メンテナンス完了後は、当該解体した部位を組立てるだけでフロート式液面計を構成することができる。
以下、各構成を順に説明する。
滑車5は従来周知のものであり、溝状のワイヤ係合部6と、キー孔である軸孔10を有する。軸孔10は、正面視するとD字形状を呈する孔である。軸孔10は滑車5の回転中心に設けられており、詳しくは後述する駆動軸15が挿通されている。
ケース11の内部空間には滑車5が配置されている。また、一端が滑車5に固定されたワイヤ8は、フロート9が固定された他端側からワイヤ出入部14を介してケース11の外部に取り出される。
固定板2の中央には孔2a(駆動軸15が貫通する孔)が設けられている。
孔2aの周囲4箇所には、孔2bが等間隔で設けられている。この孔2bにケース11の固定孔29を位置合わせし、ねじ57が孔2bを貫通し、且つ、固定孔29に螺合すると、ケース11が固定板2に固定される。
また、孔2aの周囲3箇所には、3つの孔2cが等間隔で設けられている。この孔2cは、後述のギヤケース18を固定板2に固定するためのねじ58を螺合させるねじ孔である。すなわち、ねじ58がギヤケース18(足部18a)を貫通し、且つ、孔2cに螺合すると、固定板2にギヤケース18が固定される。
さらに、固定板2の下部には4つの孔2dが設けられている。この孔2dは、固定板2の下部に、詳しくは後述する付勢機構19(取付板20)を取り付けるためのねじ59を螺合させるねじ孔である。すなわち、ねじ59が、取付板20を貫通し、且つ、孔2dに螺合すると、固定板2に付勢機構19が固定される。
図4に示すように、駆動軸15は、一端側(測定側ユニット3側)から他端側(表示側ユニット4側)へ順に、滑車固定部30,軸受固定部31,ワイヤ巻取部32,歯車固定部33を有する。
滑車固定部30は、駆動軸15の一方の端部に形成された横断面がD字形状を呈する部位であり、前述の滑車5の軸孔10にちょうど係合するキーとして機能する。
軸受固定部31は、軸受27を固定する部位である。すなわち、軸受固定部31には軸受27が固定されている。
ワイヤ巻取部32は、ワイヤ34(第2線材)を巻き取る部位である。ワイヤ34は、フロート9が固定されるワイヤ8(第1線材)とは別のワイヤであり、後述の付勢機構19に含まれる部材である。
歯車固定部33は、駆動軸15の他方の端部に形成された横断面がD字形状を呈する部位であり、キーとして機能する。駆動軸15の歯車固定部33は、後述の歯車35aを固定する部位である。
取付板20は薄板状の部材であり、固定板2にねじ固定されている。
取付板20には支軸22a,23aが立設されている。支軸22aには主ホイール22bが装着されている。主ホイール22bは、支軸22aで貫通されて支持されており、支軸22aを中心に円滑に回転可能である。同様に、支軸23aには副ホイール23bが装着されている。副ホイール23bは、支軸23aで支持されて円滑に回転可能である。主ホイール22bは、ワイヤ34を巻き取る巻取部36と、ばね係合部37とを有する。副ホイール23bは、ばね係合部38を有する。
内歯車39は内向きの歯部39aを有する。
軸孔40bは、遊星ギヤ40の回転中心を貫通する孔である。
キャリア48a(48b)は、環状の板体であり、所定角度毎に孔50a(50b)が設けられている。
キャリア48a(48b)の各孔50a(50b)と、遊星ギヤ40の軸孔40bとが一致しており、ピン49が挿通されている。すなわち、複数(図7(b)では4つ)の遊星ギヤ40の両側にキャリア48a,48bが配置され、これらがピン49で固定されている。各遊星ギヤ40はピン49を中心に回転可能である。
軸42は、サンギヤ41の回転中心に一体固着されている。軸42の先端には固定部42aが設けられている。固定部42aの横断面は略D字形状であり、固定部42aは駆動軸15の歯車固定部33と同様にキーとして機能する。
なお、図9(a)では、図7(a)に示す遊星ギヤ40を固定するキャリア48a,48bの図示を省略している。
また、内歯車39と噛み合う各遊星ギヤ40に対して、サンギヤ41が係合している。
収容部44の一端側は開口しており、他端側には目盛板固定部46を備えている。
収容部44の開口した端部には3つの足部18aが等間隔に一体形成されている。足部18aはギヤケース18の長手方向(軸線62方向)にのび、足部18aの先端は長手方向に対して直交するように折り曲げられている。各足部18aの折り曲げられた先端部分にはねじ58を通す孔が設けられている。
突出部46aの内径は、サンギヤ41の軸42の直径よりも若干大きい。さらに、目盛板固定部46には3つのねじ孔45が設けてある。
測定側ユニット3は、固定板2に固定されている。すなわち、固定板2の孔2aにケース11の円筒突出部12が装着されており、さらにねじ57(図1)が、固定板2(図3の孔2b)を貫通し、さらにケース11の固定孔29(図3)に螺合して、ケース11が固定板2に固定されている。
図9(a),(c)に示すように、動力伝達部7aの歯車35aには駆動軸15が接続されている。すなわち、歯車35aの係合孔43a(キー穴)に駆動軸15の歯車固定部33(キー)が挿入されている。よって、歯車35aと駆動軸15は一体に回転可能である。尚、駆動軸15の歯車固定部33と歯車35aの係合孔43aは、軸線62方向に挿通しているだけであり、両者を軸線62方向に相対移動させると簡単に外れる。
サンギヤ41の軸42(固定部42a)は、ギヤケース18の突出部46a(図3)を貫通してギヤケース18の外部に突出している。そして軸42の固定部42a(キー)には指針25の孔25a(キー孔)を係合させることができる。すなわち、軸42の固定部42aには指針25が装着されている。そのため、指針25は軸42(サンギヤ41)と一体に回転可能、又は揺動可能である。ここで固定部42aの先端にねじ穴46b(図4)を設けておき、指針25の孔25aよりも若干大きい頭部を有するねじ56(図3)を螺合させると、指針25が固定部42aから外れなくなる。すなわち、ねじ56によって固定部42aに対する指針25の軸方向への移動が阻止される。
このように構成すると、ギヤケース18の目盛板固定部46,目盛板24,指針25が、ねじ56の頭部と、遊星歯車機構16のサンギヤ41の間で軸線62方向に移動不能に固定される。
液面55(図1)が変動すると、液面55と共にフロート9が上昇又は下降し、フロート9が取り付けられたワイヤ8が、滑車5から繰り出され(又は巻き取られ)、駆動軸15が回転する。駆動軸15の回転速度(回転量)は、動力伝達部7aによって減速(変換)され、指針25を固定するサンギヤ41の軸42に伝達される。その結果、指針25は所定の角度回転(又は揺動)し、目盛板24上の目盛60を指し示す。
まず、透明ケース26を固定板2から取り外す。
さらに、ねじ58を外し、固定板2とギヤケース18の固定を解除すると、ギヤケース18,目盛板24,指針25,及び動力伝達部7a(遊星歯車機構16)が、一体に軸線62に沿って、固定板2から離間する方向に移動可能になる。
そして、ギヤケース18を軸線62に沿って、固定板2から離間するように、作業者が力を加えると、駆動軸15の歯車固定部33が、動力伝達部7aの歯車35aの係合孔43aから外れ、回転軸61が、駆動軸15と動力伝達部7aに分離される。その結果、表示側ユニット4が固定板2から外れる。
よって、測定側ユニット3を固定板2に固定した状態で、表示側ユニット4のみを固定板2から取り外し、取り外した表示側ユニット4をメンテナンスすることができる。
そのため、付勢機構19のメンテナンスが完了すると、駆動軸15と動力伝達部7aを接続し、ギヤケース18を固定板2にねじ止めするだけでフロート式液面計1の組立てが完了する。
図9(a)〜(c)に示す動力伝達部7aは、1段の遊星歯車機構16を有する。そして、駆動軸15が歯車35aに結合した状態で駆動軸15が回転駆動されると、内歯車39と各遊星ギヤ40を介してサンギヤ41の軸42に動力が伝達され、軸42も回転駆動される。駆動軸15側の歯車35aの回転量に対して、指針25と一体に回転する軸42の回転量は、各歯車のギヤ比に応じて減少する。
動力伝達部7dは、2つの遊星歯車機構16と、歯車35a,歯車35bを有する。
駆動軸15に近い1段目の遊星歯車機構16の内歯車39と歯車35aが係合しており、2段目の遊星歯車機構16の遊星ギヤ40には歯車35bが係合している。
また、1段目の遊星歯車機構16に係合する歯車35a(係合孔43a)には駆動軸15(歯車固定部33)が結合されている。さらに、1段目の遊星歯車機構16のサンギヤ41の軸42(固定部42a)は、2段目の遊星歯車機構16に係合する歯車35b(係合孔43b)と結合されている。
そして2段目の遊星歯車機構16のサンギヤ41の軸42(固定部42a)に指針25(孔25a)が固定されている。
フロート式液面計1は、例えば船舶の燃料タンクに装着され、燃料タンク内の燃料の貯留量を量るために使用することができる。ところが船舶によって、燃料タンクの容量(深さ)は一様ではない。また、指針25の回転(揺動)角度は、360度以下(例えば270度)に設定する必要がある。
そこで動力伝達部7(7a〜7d)の構成を適宜選定することによって、指針25の回転(揺動)角度を360度以下に保ちつつ、燃料タンクの深さに対応することができるようになる。例えば、動力伝達部7b(図11(a)〜(c))は、測定対象の液面の移動範囲が少ない(数十センチ程度)の場合に採用することができる。逆に、動力伝達部7c(図12(a)〜(c))は、比較的大きなギヤ比が得られ、より深いタンクに採用することができる。
すなわち、遊星歯車機構16を複数段重ねて動力伝達部を構成すると、様々な深さのタンク(測定対象の液が貯留された場所)に対応することができる。
また、共通の部材(動力伝達部7の各部材とギヤケース18)で、測定範囲が異なる複数のフロート式液面計を構成することができ、各部材を大量生産し易くなり、製造コストを低減することができる。
さらに、動力が伝達される部位(例えば、駆動軸15と滑車5の軸孔10等)は、周知のキーによって一体的に回転可能に接続される。上述の実施例では、断面D字形の軸を、断面D字形の孔に挿通することによって、キー部材を設けなくても済む場合を示したが、軸側と孔側に各々溝を設け、溝同士を一致させてキー部材を配置する形態を採用することもできる。
2 固定板
2a 孔
3 測定側ユニット
4 表示側ユニット
5 滑車(回転体)
7a〜7d 動力伝達部
8 ワイヤ(第1線材)
9 フロート
15 駆動軸(軸本体)
16 遊星歯車機構(歯車機構)
19 付勢機構(付勢手段)
20 取付板(支持部材)
21 定トルクばね
22a 主ホイール
22b 支軸(支持部材)
25 指針
34 ワイヤ(第2線材)
42 サンギヤの軸
55 液面(液)
61 回転軸
62 軸線
Claims (5)
- 液にフロートを浮かべ、当該フロートにより液位を検出するフロート式液面計であって、
前記フロートを繋ぐ第一線材と、第一線材が巻回可能に接続された回転体と、回転体と一体に回転する回転軸と、回転軸に一定のトルクを付与する付勢手段と、液位を示す指針とを備え、
回転体と指針は、所定の間隔を空けて回転軸に取り付けられており、
前記回転軸は、軸本体と、軸線方向の中途に歯車機構からなる動力伝達部を有し、
歯車機構を構成する歯車同士、あるいは、軸本体と歯車機構を構成する歯車とが、軸線方向に相対移動して、回転軸が回転体側と指針側に分割可能であることを特徴とするフロート式液面計。 - 前記動力伝達部が、遊星歯車機構を有したことを特徴とする請求項1に記載のフロート式液面計。
- 前記動力伝達部は、複数の遊星歯車機構が軸線方向に隣接配置されて構成されており、いずれかの遊星歯車機構において、回転軸が分割可能であることを特徴とする請求項1に記載のフロート式液面計。
- 回転軸を貫通させる孔を有する固定板を有し、前記回転体を含む測定側部位と、付勢手段を含む部位と、指針を含む表示側部位が、前記固定板に個々に着脱可能に固定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフロート式液面計。
- 付勢手段は、定トルクばねで付勢されたホイールと、ホイールを回転可能に支持する支持部材と、ホイールと前記回転軸の間で動力を伝達する第2線材を有し、支持部材が固定板に着脱可能に固定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のフロート式液面計。
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